JP6806505B2 - トナー - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式に用いられる乾式トナーに関する。
近年、画像形成に際して、省エネルギー化への要求の高まりに伴い、トナーの定着温度をより低温化させる取り組みが採られるようになってきている。低温定着性を向上させる方法のひとつとして融点を超えると粘度が大きく低下するシャープメルト性を有した結晶性ポリエステル樹脂を用いる技術が提案されている(特許文献1乃至3)。
また、その他の方法としてガラス転移温度の低い樹脂を用いることで、定着温度を下げることが提案されている。ガラス転移温度の低い樹脂としてエチレン−酢酸ビニル共重合体やエチレン−アクリル酸メチル系共重合体のようなエチレン系エステル基含有共重合体を含有したトナーが提案されている(特許文献4乃至10)。
特公昭56−13943号公報 特公昭62−39428号公報 特開平4−120554号公報 特開2011−107261号公報 特開平11−202555号公報 特開平8−184986号公報 特開平4−21860号公報 特開平3−150576号公報 特開昭59−18954号公報 特開昭58−95750号公報
従来の結晶性ポリエステル樹脂を電子写真用トナーの樹脂として使用すると、樹脂のシャープメルト性により優れた低温定着性を示した。しかし、結晶性ポリエステル樹脂は電気抵抗が低くトナーの帯電保持性に課題があった。
そこで本発明者らは、体積抵抗が高くガラス転移温度が室温以下である樹脂として、エチレンやプロピレン等のオレフィン系ユニットを有する共重合体に着目した。具体的には、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のようなエチレン(プロピレン)−酢酸エステル系共重合体や、エチレン−アクリル酸メチル共重合体等のようなエチレン(プロピレン)−アクリル酸エステル系共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体等のようなエチレン(プロピレン)−メタクリル酸エステル系共重合体等を用いて低温定着性と帯電保持性の両立を試みた。しかし、特許文献4〜8で提案されているようなトナー中にこれらのオレフィン系エステル基含有共重合体を一部含有させるだけでは、高速条件での低温定着性を満足することは困難であった。
一方、特許文献9および10にあるようにこれらのオレフィン系エステル基含有共重合体をトナーのメイン樹脂として使用すると、優れた低温定着性は得られるが、前記オレフィン系エステル基含有共重合体は結晶性を有しており、保存環境などの高温高湿度環境下で結晶成長し、低温定着性が悪化してしまうといった保存安定性に問題があった。
本発明者らが鋭意検討した結果、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のようなエチレン(プロピレン)−酢酸エステル系共重合体や、エチレン−アクリル酸メチル等のようなエチレン(プロピレン)−アクリル酸エステル系共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル等のようなエチレン(プロピレン)−メタクリル酸エステル系共重合体等、およびこれらの混合物をメイン樹脂として使用し、さらに、α−オレフィン共重合体を併用することで、保存環境に影響されず安定した低温定着性を有するトナーが得られることが明らかとなった。エチレン(プロピレン)−酢酸エステル系共重合体、エチレン(プロピレン)−アクリル酸エステル系共重合体、エチレン(プロピレン)−メタクリル酸エステル系共重合体のようなオレフィン系エステル基含有共重合体と、前記α−オレフィン共重合体とはその化学構造の類似性より、高い相溶性を有するためトナー中で完全な相分離を起こすことなく存在すると考えられる。さらに、前記α−オレフィン共重合体が側鎖を有し、かつ前記側鎖が短いことから前記オレフィン系エステル基含有共重合体の結晶化を阻害し、前記α−オレフィン共重合体の結晶化も阻害されることから、高温高湿度環境下での保存を経てもほとんど結晶成長せず低温定着性に優れると考えられる。
即ち、本発明のトナーは、
樹脂成分を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
樹脂成分が、結着樹脂として、オレフィン系エステル基含有共重合体及びα−オレフィン共重合体を有し、
オレフィン系エステル基含有共重合体は
(i)下記式(1)で示されるユニットY1と、
(ii)下記式(2)で示されるユニットY2−1および下記式(3)で示されるユニットY2−2の群から選択される少なくとも1種のユニットY2とを有し、
(iii)エステル基濃度がオレフィン系エステル基含有共重合体の全質量に対して2質量%以上18質量%以下であり、
α−オレフィン共重合体は、
(i)下記式(4)で示されるユニットY3と、
(ii)下記式(5)で示されるユニットY4を有し、
(iii)該ユニットY4の含有量が、α−オレフィン共重合体の全質量に対して5質量%以上50質量%以下であり、
(iv)融点が50℃以上100℃以下の結晶性を有し、
前記樹脂成分に含まれる前記オレフィン系エステル基含有共重合体の含有量が、樹脂成分の全質量に対して50質量%以上であることを特徴とするトナー、である
Figure 0006806505
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Figure 0006806505
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(式中、RはHまたはCHであり、RはHまたはCHであり、RはCHまたはCであり、RはHまたはCHであり、RはCHまたはCであり、RはC 2n+1 (nは2以上6以下の整数)である。)
本発明によれば、保存環境に影響されず低温定着性に優れ、かつ帯電性に優れたトナーを提供することができる。
本発明において樹脂成分とは、主に定着性能に寄与する高分子成分をいう。前記樹脂成分は、オレフィン系エステル基含有共重合体とα−オレフィン共重合体とを含む。
<オレフィン系エステル基含有共重合体>
本発明においてオレフィン系エステル基含有共重合体とは、ポリオレフィン骨格に、共重合等の手段でエステル基ユニットを導入した高分子であり、具体的には下記式(1)で示されるユニットY1と、下記式(2)で示されるユニットY2−1および下記式(3)で示されるユニットY2−2の群から選択される少なくとも1種のユニットY2を有する。
Figure 0006806505
Figure 0006806505
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(式中、RはHまたはCHであり、RはHまたはCHであり、RはCHまたはCであり、RはHまたはCHであり、RはCHまたはCである。)
以下、式(2)で示されるユニットY2−1および下記式(3)で示されるユニットY2−2の群から選択される少なくとも1種のユニットY2に関し具体的に説明する。
前記オレフィン系エステル基含有共重合体が、前記式(1)で示されるユニットY1および前記式(2)で示されるユニットY2−1において、式中のRがH、RがH、RがCHである共重合体である。
エチレン−酢酸ビニル共重合体が融点を低く設計できるために低温定着性の観点から好ましい。又、前記オレフィン系エステル基含有共重合体が、前記式(1)で示されるユニットY1および前記式(3)で示されるユニットY2−2において、RがH、RがH、RがCHであるエチレン−アクリル酸メチル共重合体、前記式(1)で示されるユニットY1および前記式(3)で示されるユニットY2−2においてRがH、RがH、RがCである共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、および前記式(1)で示されるユニットY1および前記式(3)で示されるユニットY2−2において、RがH、RがCH、RがCHであるエチレン−メタクリル酸メチル共重合体が高い化学的安定性のために高温高湿下における保存性の観点から好ましい。
前記樹脂成分中に前記オレフィン系エステル基含有共重合体は1種または複数含有されてもよい。
前記オレフィン系エステル基含有共重合体の質量の総和をZ1、式(1)、式(2)、式(3)で示されるユニットY1、Y2−1、Y2−2の質量をそれぞれl、m、nとする。樹脂成分中に含有される前記オレフィン系エステル基含有共重合体の(l+m+n)/Z1の値は0.80以上であることが低温定着性や帯電維持性の観点から好ましく、0.95以上であることがより好ましく、1.00であることがさらに好ましい。
ユニットY1およびユニットY2以外で、前記オレフィン系エステル基含有共重合体中に含まれてもよいユニットの例としては、例えば、下記式(6)で示されるユニットや、下記式(7)で示されるユニットが挙げられる。これらは前記オレフィン系エステル基含有共重合体を製造する共重合反応の際に相当するモノマーを添加したり、前記オレフィン系エステル基含有共重合体を高分子反応により変性させることで導入することができる。
Figure 0006806505
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ただし、酸性官能基は帯電維持性を悪化させる。故に、前記オレフィン系エステル基含有共重合体の酸価は10mgKOH/g以下であり、好ましくは5mgKOH/g以下であり、実質的に0mgKOH/gであることがより好ましい。
前記オレフィン系エステル基含有共重合体は、樹脂成分の全質量に対して50質量%以上含有させることが必要であり、より好ましくは70質量%以上含有させることが、低温定着の観点から好ましい。前記オレフィン系エステル基含有共重合体は、ガラス転移温度が0℃以下であるために、樹脂成分中に50質量%以上含有されることによって、低温定着性が良好になる。
前記オレフィン系エステル基含有共重合体はエステル基濃度が全質量に対して、2質量%以上18質量%以下である必要がある。さらにエステル基濃度が全質量に対して、3質量%以上10質量%以下であることが帯電維持性および低温定着性の観点から好ましい。前記オレフィン系エステル基含有共重合体のエステル基濃度が18質量%以下の場合トナーとしての帯電保持性が良化する。一方、前記オレフィン系エステル基含有共重合体のエステル基濃度が2質量%以上であることで紙への密着性が良化し、低温定着性が良好になる。本発明のエステル基濃度とは樹脂中のエステル基[−C(=O)O−]結合部位が質量%でどのくらい含有されているかを示す値で有り、具体的には次の式によって表される値である。
エステル基濃度(単位:%)=[(N×44)/数平均分子量]×100
ここで、Nはオレフィン系エステル基含有共重合体の1分子当りのエステル基数の平均であり、44はエステル基[−C(=O)O−]の式量である。
実際のエステル基濃度を算出するにあたり、核磁気共鳴スペクトル(NMR)等でオレフィン系エステル基含有共重合体を構成するモノマー組成とエステル基数を求めて算出する方法が挙げられる。
また前記オレフィン系エステル基含有共重合体のエステル基濃度を制御するために、前記オレフィン系エステル基含有共重合体のユニットY2の平均は、前記オレフィン系エステル基含有共重合体の全質量に対し、3質量%以上35質量%以下であることが必要であり、5質量%以上20質量%以下であることが帯電維持性の観点から好ましい。前記オレフィン系エステル基含有共重合体のユニットY2の比率が35質量%以下であることでトナーとしての帯電保持性が良化する。一方、前記オレフィン系エステル基含有共重合体のユニットY2の比率の平均が3質量%以上であることで紙への密着性が良化し、低温定着性が良好になる。
前記ユニットY1、Y2−1、Y2−2の質量l、m、nや、ユニットY2の比率は一般的な分析手法を用いて測定することができ、例えば、核磁気共鳴法(NMR)や熱分解ガスクロマトグラフィー法などの手法が適用できる。
H NMRによる測定は以下の方法でおこなわれる。ユニットY1の上記式(1)で示されるアルケニルの水素、ユニットY2−1の上記式(2)で示されるアセチル基の水素、ユニットY2−2の上記式(3)で示される酸素に結合したメチル基またはエチレン基の水素の積分比をそれぞれ比較することでそれぞれのユニット比率が算出できる。
具体的には、エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニルに由来するユニット比率:15質量%)のユニット比率の算出は、試料約5mgをテトラメチルシランが化学シフト0.00ppmの内部標準として含まれる重アセトン0.5mlに溶解させた溶液を試料管に入れ、繰り返し時間を2.7秒、積算回数を16回の条件でH NMRを測定し、1.14−1.36ppmのピークがエチレンユニットのCH−CHに相当し、2.04ppm付近のピークが酢酸ビニルユニットのCHに相当するため、それらのピークの積分値の比を計算して行なった。
前記オレフィン系エステル基含有共重合体は、メルトフローレートが、5g/10分以上30g/10分以下であることが好ましい。メルトフローレートが5g/10分より小さい場合は、画像の光沢性が劣り、メルトフローレートが30g/10分より大きい場合はトナーとしての強度が低く、保管時にブロッキングしてしまう。また、トナー使用時の衝撃や圧力に耐える観点から、20g/10分以下がより好ましい。
メルトフローレートは、JIS K 7210に基づき、190℃、2160g荷重の条件で測定した。樹脂成分中に複数の前記オレフィン系エステル基含有共重合体を含有する場合は、溶融混合後に前記条件にてメルトフローレートの測定を行った。
メルトフローレートは、前記オレフィン系エステル基含有共重合体の分子量を変えることで制御することが可能であり、分子量を大きくすることでメルトフローレートを下げることができる。具体的には、前記オレフィン系エステル基含有共重合体の分子量は、重量平均分子量5万以上であることが好ましく、10万以上がより好ましい。また、前記オレフィン系エステル基含有共重合体の分子量は50万以下であることが画像の光沢性の観点から好ましい。
前記オレフィン系エステル基含有共重合体は、破断伸度が300%以上であることが好ましく、500%以上であることがより好ましい。破断伸度が300%以上になることによって定着物の折り曲げ耐性が良好になる。
破断伸度は、JIS K 7162に基づいた条件で測定した。結着樹脂中に複数の前記オレフィン系エステル基含有共重合体を含有する場合は、溶融混合した後に前記条件により破断伸度の測定を行なった。
<α−オレフィン共重合体>
本発明のトナーは、融点が50℃以上100℃以下の結晶性を有するα−オレフィン共重合体を樹脂成分として含む。
α−オレフィン共重合体とは、ポリオレフィン骨格に、共重合等の手段で炭化水素基を有する側鎖を導入した高分子であり、具体的には下記式(4)で示されるユニットY3と、下記式(5)で示されるユニットY4を有する。
Figure 0006806505
Figure 0006806505
(式中、RはCnH2n+1(nは2以上6以下の整数)である。)
以下、式(5)で示されるユニットY4に関し具体的に説明する。
前記α−オレフィン共重合体が、前記式(5)で示されるユニットY4において、式中のRがC2n+1(nは2以上6以下の整数)である共重合体である。側鎖の炭素数が1以下であった場合、結晶性が高すぎるために保存環境下で結晶成長してしまい低温定着性が悪化してしまい、一方7以上であった場合、結晶性が低くなるため耐ブロッキング性と低温定着性を両立することが困難となる。
前記α−オレフィン共重合体のうち、エチレンと1−ブテンのランダム共重合体である、エチレン−ブテン共重合体が結晶性を有し且つ低融点に設計できるために低温定着性の観点から好ましい。
前記樹脂成分中に前記α−オレフィン共重合体は1種または複数含有されてもよい。
前記α−オレフィン共重合体の質量の総和をZ2、ユニットY3、ユニットY4の質量をそれぞれo、pとする。樹脂成分中に含有される前記α−オレフィン共重合体の(o+p)/Z2の値は0.80以上であることが低温定着性や帯電維持性の観点から好ましく、0.95以上であることがより好ましく、1.00であることがさらに好ましい。
また、物性に影響しない程度であれば、ユニットY3およびユニットY4以外のユニットからなるα−オレフィン共重合体を含んでもよく、その含有量としては前記ユニットY3およびユニットY4からなるα−オレフィン共重合体の全質量に対し、20質量%以下、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下であり、実質的に0質量%であることがさらに好ましい。前記α−オレフィン共重合体の酸価は10mgKOH/g以下であり、好ましくは5mgKOH/g以下であり、実質的に0mgKOH/gであることがより好ましい。
前記α−オレフィン共重合体は、樹脂成分の全質量に対して5質量%以上40質量%以下含有させることが好ましく、より好ましくは10質量%以上30質量%以下含有させることが、結晶成長を阻害し、安定した低温定着性を得られることから好ましい。前記α−オレフィン共重合体のユニットY4の割合は、前記α−オレフィン共重合体の全質量に対し、5質量%以上50質量%以下であることが必要であり、10質量%以上30質量%以下であることが対ブロッキング耐性の観点から好ましい。前記α−オレフィン共重合体のユニットY4の割合が30質量%以下であることで結晶化度が高くなるため、トナーとしての対ブロッキング耐性が良化する。一方、前記α−オレフィン共重合体のユニットY4の割合が10質量%以上であることでα−オレフィン樹脂の融点が低下するため、低温定着性が良好になる。
前記ユニットY3、ユニットY4の質量o、pや、ユニットY4の比率は一般的な分析手法を用いて測定することができ、例えば、核磁気共鳴法(NMR)や熱分解ガスクロマトグラフィー法などの手法が適用できる。
H NMRによる測定は以下の方法でおこなわれる。ユニットY3の式(4)で示されるアルケニル基の水素およびユニットY4の式(5)で示されるアルケニル基の水素と、メチル基の水素の積分比をそれぞれ比較することでそれぞれのユニット比率が算出できる。
具体的には、エチレン−1−ブテン共重合体(ブテンに由来するユニット比率:16質量%)のユニット比率の算出は、試料約5mgを、テトラメチルシランがH NMRの0.00ppmの内部標準として含まれる重ベンゼン0.5mlに溶解させた溶液を試料管に入れ、繰り返し時間を2.7秒、積算回数を16回の条件でH NMRを測定し、1.14−1.36ppmのピークがアルケニル基のCH−CHに相当し、0.88−0.94ppm付近のピークが1−ブテンユニットのCHに相当するため、それらのピークの積分値の比を計算して行なった。
本発明のトナー用結晶性ポリエステル樹脂は、広角X線回折法により測定し、以下の式を用いて算出された結晶化度が15%以上である必要があり、20%以上であることがより好ましい。結晶化度が15%未満の場合は、トナーの粘度が低下しやすくなるため、対ブロッキング耐性が劣る。一方、前記結晶化度の上限値は40%以下である必要がある。結晶化度が40より大きい場合、トナーが定着する際に溶融するまでに時間を要し、定着性が劣る。
広角X線回折法による測定では、X線回折法では試料にX線を照射し、得られる回折情報(広角X線回折図形または広角X線回折プロファイル)から、非晶に由来する散乱領域と結晶に由来する散乱領域とを分け、以下の式により、全散乱強度に対する結晶散乱強度の比として計算した。
結晶化度(%)=((結晶由来散乱強度)/(結晶由来散乱強度+非晶由来散乱強度))× 100
本発明のα−オレフィン共重合体の融点は50℃以上100℃以下であることが低温定着性と対ブロッキング性の両立が可能となり、さらに好ましくは60℃以上80℃以下であることがより優れた低温定着性と対ブロッキング性の両立が可能となる。
なお、前記融点は、示差走査熱量計(メトラートレド製:DSC822/EK90)を用いて測定することができる。
具体的には、0.01g以上0.02g以下の試料をアルミパンに精秤し、昇温速度10℃/minで、0℃から200℃まで昇温し、DSC曲線を得る。
得られたDSC曲線より、融解吸熱ピークのピーク温度を融点とする。
また、本発明のトナーは下記数式(1)を満たすことで対ブロッキング性と保存環境に影響されず安定した低温定着性の両立を得ることができる。
0.4≦Wt/(W1+W2+Wn)≦0.8 数式(1)
Wt:本発明のトナーの結晶性樹脂由来の吸熱量
W1:本発明のオレフィン系エステル基含有共重合体の吸熱量
W2:本発明のα−オレフィン共重合体の吸熱量
Wn:本発明のトナーのその他結晶性材料の吸熱量
前記吸熱量は、示差走査熱量計(メトラートレド製:DSC822/EK90)を用いて測定することができる。
具体的には、0.01g以上0.02g以下の試料をアルミパンに精秤し、昇温速度10℃/minで、0℃から200℃まで昇温し、DSC曲線を得る。
得られたDSC曲線の吸熱ピークを挟んで低温側のベースラインと高温側のベースラインを直線で結んで得られるベースラインと各温度の吸熱ピークとの差の積分値から求められる。
前記数式(1)の値が0.4以上0.8以下となることでα−オレフィン共重合体によるオレフィン系エステル基含有共重合体の結晶阻害が適度に起こり、対ブロッキング性が保持され、かつ保存環境に影響されず安定した低温定着性が得られる。さらに好ましくは0.5以上0.7以下となることでより優れた対ブロッキング性と保存環境に影響されず安定した低温定着性が得られる。
<オレフィン系酸基含有共重合体>
本発明のトナーは、酸価50mgKOH/g以上300mgKOH/g以下のオレフィン系酸基含有共重合体を樹脂成分として含むことが好ましい。酸価50mgKOH/g以上300mgKOH/g以下のオレフィン系酸基含有共重合体を含有することによって、前記オレフィン系酸基含有共重合体のカルボキシル基が紙表面の水酸基と水素結合を形成し、トナーと紙との密着性が高まり、定着物が消しゴムで消えることがなくなる。
本発明においてオレフィン系酸基含有共重合体とはポリエチレンやポリプロピレンのようなポリオレフィンを主成分とし、さらに酸基を有するように、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、スルホン酸ビニル等のユニットを共重合などの手段で導入したポリマーである。また、物性に影響しない程度であれば、ポリオレフィンや前記酸基以外のユニットを含んでもよく、ポリオレフィンや前記酸基以外のユニットの含有量としてはオレフィン系酸基含有共重合体の全質量に対し、20質量%以下、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下であり、実質的に0質量%であることがさらに好ましい。また、定着性の観点からポリエチレンを主成分とした酸基を有するポリマーであることが好ましく、紙との密着性の観点から酸基はアクリル酸、メタクリル酸のユニットであることが好ましい。すなわち、エチレン−アクリル酸共重合体またはエチレン−メタクリル酸共重合体がトナーと紙との密着性を向上させる観点から好ましい。
オレフィン系酸基含有共重合体は、樹脂成分の全質量に対して10質量%以上50質量%以下含有されることが好ましく、10質量%以上30質量%以下がより好ましい。オレフィン系酸基含有共重合体の含有量が10質量%より少ないと、紙との密着性が悪化する。オレフィン系酸基含有共重合体の含有量が50質量%より多いと、帯電性の環境変動が大きくなる。
本発明に使用するオレフィン系酸基含有共重合体の酸価は50mgKOH/g以上300mgKOH/g以下であることが必要であるが、80mgKOH/g以上200mgKOH/g以下がより好ましい。酸価が50mgKOH/g以上であることで紙との十分な密着性が発現し、300mgKOH/g以下にすることで帯電性が良化する。
なお、酸価とは、試料1g中に含有されている遊離脂肪酸、樹脂酸の如き酸成分を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数である。測定方法は、JIS−K0070に準じ以下のように測定する。
(1)試薬
・溶剤:トルエン−エチルアルコール混液(2:1)を、使用直前にフェノールフタレインを指示薬として0.1mol/Lの水酸化カリウムエチルアルコール溶液で中和しておく。
・フェノールフタレイン溶液:フェノールフタレイン1gをエチルアルコール(95体積%)100mLに溶かす。
・0.1mol/Lの水酸化カリウムエチルアルコール溶液:水酸化カリウム7.0gをできるだけ少量の水に溶かしエチルアルコール(95体積%)を加えて1Lとし、2〜3日放置後ろ過する。標定はJIS K 8006(試薬の含量試験中滴定に関する基本事項)に準じて行う。
(2)操作
試料として樹脂1〜20gを正しくはかりとり、これに前記溶剤100mL及び指示薬として前記フェノールフタレイン溶液数滴を加え、試料が完全に溶けるまで十分に振る。固体試料の場合は水浴上で加温して溶かす。冷却後これを前記0.1mol/Lの水酸化カリウムエチルアルコール溶液で滴定し、指示薬の微紅色が30秒間続いたときを中和の終点とする。
(3)計算式
次の式によって酸価を算出する。
A=B×f×5.611/S
A:酸価(mgKOH/g)
B:0.1mol/Lの水酸化カリウムエチルアルコール溶液の使用量(mL)
f:0.1mol/Lの水酸化カリウムエチルアルコール溶液のファクター
S:試料(g)
本発明において、オレフィン系酸基含有共重合体のメルトフローレートが200g/10分以下であることが好ましく、それより大きい場合は保管時にブロッキングしてしまう場合がある。また、オレフィン系酸基含有共重合体は、メルトフローレートが10g/10分以上であることがトナーと紙との密着性の観点から好ましい。メルトフローレートが10g/10分未満の場合、トナー中に存在する前記オレフィン系エステル基含有共重合体と相溶し難くなり、その結果としてトナー全体で見ると紙との密着性が低下する。なおオレフィン系酸基含有共重合体のメルトフローレートは前出の前記オレフィン系エステル基含有共重合体のメルトフローレートと同様な方法で測定することが可能である。
本発明において、オレフィン系酸基含有共重合体の融点は、低温定着性及び保存性の観点から、50℃以上100℃以下であることが好ましい。融点が100℃以下であることによって低温定着性がより向上する。また、融点が90℃以下であることによって低温定着性がさらに向上する。一方、融点が50℃より低い場合は保存性が低下する傾向にある。
前記オレフィン系酸基含有共重合体の融点は示査走査熱量計(DSC)を用いて測定することができる。
具体的には、0.01〜0.02gの試料をアルミニウム製パンに精秤し、昇温速度10℃/minで、0℃から200℃まで昇温し、DSC曲線を得る。
得られたDSC曲線より、吸熱ピークのピーク温度を融点とする。
本発明のトナーにおいては、結着樹脂として、前記オレフィン系エステル基含有共重合体や前記オレフィン系酸基含有共重合体以外に、他の重合体を併用してもよい。具体的には、下記の重合体などを用いることが可能である。ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などが挙げられる。
<可塑剤>
また、本発明のトナーは、融点が50℃以上100℃以下の脂肪族炭化水素化合物を、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上40質量部以下含有することが好ましい。
脂肪族炭化水素化合物は加熱すると前記オレフィン系エステル基含有共重合体を可塑化することができる。そのために、トナー中に脂肪族炭化水素化合物を含有させることで、トナーを加熱定着時にマトリックスを形成している前記オレフィン系エステル基含有共重合体が可塑化し、低温定着性を高めることができる。さらに、融点が50℃以上100℃以下の脂肪族炭化水素化合物は前記オレフィン系エステル基含有共重合体の核剤としても作用する。そのために、前記オレフィン系エステル基含有共重合体のミクロな運動性が抑制され帯電性が良化する。脂肪族炭化水素化合物は、結着樹脂100質量部に対して、10質量部以上30質量部以下含有されることが低温定着性と帯電性の観点からより好ましい。
具体的な脂肪族炭化水素化合物としては、ヘキサコサンや、トリアコサン、ヘキサトリアコサンなどの炭素数が20以上60以下の飽和炭化水素化合物が挙げられる。
<離型剤>
また、本発明のトナーは、シリコーンオイルを離型剤として含有することが好ましい。アルキルワックスなどのトナーに一般に使用される離型剤は、前記オレフィン系エステル基含有共重合体に相溶してしまいやすく、離型効果が得られにくい。また、シリコーンオイルを添加することによってトナー中の顔料分散性が良化し、高濃度の画像が得られやすくなる。
シリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等を用いることができる。シリコーンオイルの粘度は、5mm/S以上1000mm/S以下であることが好ましく、20mm/S以上1000mm/S以下であることがより好ましい。
シリコーンオイルの添加量は、流動性の低下を抑えつつ、良好な分離性を得るという点で、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下含有されることが好ましい。より好ましくは、5質量部以上20質量部以下である。
<着色剤>
本発明のトナーは、着色剤を含有していてもよい。着色剤としては、以下のものが挙げられる。
黒色着色剤としては、カーボンブラック;イエロー着色剤とマゼンタ着色剤及びシアン着色剤とを用いて黒色に調色したものが挙げられる。着色剤には、顔料を単独で使用してもかまわないが、染料と顔料とを併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。
マゼンタトナー用顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48:2、48:3,48:4、49、50、51、52、53、54、55、57:1、58、60、63、64、68、81:1、83、87、88、89、90、112、114、122、123、146、147、150、163、184、202、206、207、209、238、269、282;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35。
マゼンタトナー用染料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121;C.I.ディスパースレッド9;C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27;C.I.ディスパーバイオレット1のような油溶染料、C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40;C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28のような塩基性染料。
シアントナー用顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー2、3、15:2、15:3、15:4、16、17;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45、フタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1個以上5個以下置換した銅フタロシアニン顔料。
シアントナー用染料としては、C.I.ソルベントブルー70がある。
イエロートナー用顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、62、65、73、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、185;C.I.バットイエロー1、3、20。
イエロートナー用染料としては、C.I.ソルベントイエロー162がある。
これらの着色剤は、単独または混合して、さらには固溶体の状態で用いることができる。前記着色剤は、色相角、彩度、明度、耐光性、OHP透明性、及びトナーへの分散性の点から選択される。
本発明において、着色剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
また、本発明のトナーは、高精細な画像を得るという観点から、体積基準のメジアン径が3.0μm以上10.0μm以下であることが好ましく、4.0以上7.0μm以下であることがより好ましい。
<トナーの製造方法>
本発明のトナーの製造方法は、懸濁重合法、混練粉砕法、乳化凝集法、及び溶解懸濁法などの公知のトナーの製造方法で実施することが可能であり、いずれかの方法に限定されるものではない。
以下、溶解懸濁法及び乳化凝集法における、トナーの製造方法について具体的に例示するが、これらに限定されるものではない。
<溶解懸濁法>
溶解懸濁法とは樹脂、着色剤及び離形剤等を有機溶媒に溶解又は分散させ、得られた溶液又は分散液を水等の貧溶媒中に、トナー粒子の大きさ程度に分散させ、その状態で有機溶媒を留去してトナーを製造する方法である。溶解懸濁法では樹脂溶解工程、造粒工程、脱溶剤工程、洗浄乾燥工程を経てトナーが製造される。
(樹脂溶解工程)
前記樹脂溶解工程は、例えば、有機溶媒に本発明のオレフィン系エステル基含有共重合体およびα−オレフィン共重合体を加熱溶解させ樹脂溶解液を調製し、必要に応じて、前記樹脂溶解液にその他の樹脂、可塑剤、着色剤及び離形剤などを溶解または分散させて樹脂組成物を製造する工程である。
使用される有機溶媒は樹脂を溶解する有機溶媒であれば任意の溶媒を使用できる。具体的には、トルエン及びキシレンなどが挙げられる。
前記有機溶媒の使用量には制限がないが、樹脂組成物が水系媒体中に分散し造粒できる粘度となる量であればよい。具体的には、本発明の結晶性を有するポリブタジエン、オレフィン系酸基含有共重合体、その他の樹脂、可塑剤、着色剤及び離形剤などを含む樹脂組成物と有機溶媒の質量比が10/90〜50/50が後述の造粒性およびトナーの生産効率の観点から好ましい。
一方、着色剤、離形剤は有機溶媒に溶解している必要はなく、分散していても良い。着色剤および離形剤を分散状態で使用する場合は、ビーズミルなどの分散機を使用して分散させることが好ましい。
(造粒工程)
前記造粒工程は、得られた樹脂組成物を水系媒体に所定のトナー粒子径になるように分散剤を用いて分散させて、分散体(造粒物)を調製する工程である。水系媒体は、主に水が用いられる。また、前記水系媒体は、1価の金属塩を1質量%以上、30質量%以下含有することが好ましい。1価の金属塩を含有していることにより、樹脂組成物中の有機溶媒が水系媒体中へ拡散することが抑制され、得られたトナー粒子に含まれる樹脂の結晶性が高まることによりトナーのブロッキング性が良好になり易く、かつトナーの粒度分布が良好になり易い。
前記1価の金属塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、臭化カリウムが例示でき、これらのうち、塩化ナトリウム、塩化カリウムが好ましい。
また、水系媒体と樹脂組成物の混合比(質量比)は、水系媒体/樹脂組成物=90/10〜50/50が好ましい。
前記分散剤は特に限定されないが、有機系分散剤として、陽イオンタイプ、陰イオンタイプ及びノニオンタイプの界面活性剤が用いられ、陰イオンタイプのものが好ましい。例えば、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、α−オレフィンスルホン酸ナトリウム、アルキルスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。一方、無機系分散剤としてリン酸三カルシウム、ヒドロキシアパタイト、炭酸カルシウム、酸化チタン及びシリカ粉末などが挙げられる。
本発明においては無機系分散剤のリン酸三カルシウムが好ましい。この理由は、造粒性及びその安定性、更には得られるトナーの特性に対する悪影響が極めて少ないためである。
分散剤の添加量は造粒物の粒子径に応じて決定され、分散剤の添加量が増加すれば粒子径が小さくなる。そのために、所望の粒子径によって分散剤の添加量は異なるが、樹脂組成物に対して0.1乃至15質量%の範囲で用いられるのが好ましい。0.1質量%未満では粗粉が発生し易く、15質量%を超えて使用すると不必要な微細粒子が発生し易い。
また、水系媒体中で樹脂組成物の分散体を調製する際は、高速剪断下で行われるのが好ましい。水系媒体中に分散された樹脂組成物の分散体は、重量平均粒子径が10μm以下に造粒されることが好ましく、4乃至9μm程度に造粒されることがより好ましい。
高速剪断を与える装置としては各種の高速分散機や超音波分散機が挙げられる。
一方、前記分散体の重量平均粒子径は、コールター法による粒度分布解析装置(コールターマルチサイザーIII:コールター社製)で測定ができる。
(脱溶剤工程)
脱溶剤工程では、得られた分散体から有機溶媒を除去する工程である。有機溶媒の除去は撹拌を行いながら、行うことが好ましい。また、必要に応じて加熱、減圧をすることで有機溶媒の除去速度を制御することもできる。
(洗浄乾燥工程)
前記脱溶剤工程の後に、水等で複数回洗浄し、トナー粒子をろ過及び乾燥する洗浄乾燥工程を実施してもよい。また、分散剤にリン酸三カルシウムなどの酸性条件で溶解する分散剤を使用した場合は、塩酸などで洗浄後に水洗することが好ましい。洗浄を行うことで造粒のために使用した分散剤を除去し、トナー特性を向上させることができる。洗浄後、ろ過乾燥を行うことでトナーを得ることができる。得られたトナーは必要に応じてシリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム等の無機微粒子や、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等の樹脂粒子を、乾燥状態で剪断力を印加して添加してもよい。これらの無機微粒子や樹脂粒子は、帯電助剤、流動性助剤、クリーニング助剤等の外添剤として機能する。
<乳化凝集法>
乳化凝集法とは、目的の粒子径に対して、十分に小さい樹脂微粒子分散液を前もって準備し、その樹脂微粒子を水系媒体中で凝集することによりトナー粒子を製造する製造方法である。
乳化凝集法では、樹脂微粒子の乳化工程、凝集工程、融合工程、冷却工程、及び洗浄工程を経てトナーが製造される。以下、乳化凝集法を用いたトナーの製造方法を具体的に記載するが、これに限定されるわけではない。
(樹脂微粒子の乳化工程)
乳化凝集法においては、初めに樹脂微粒子を準備する。樹脂微粒子は公知の方法で製造できるが、以下の方法で作製することが好ましい。
前記オレフィン系エステル基含有共重合体とα−オレフィン共重合体とを有機溶媒に溶解し、均一な溶解液を形成する。その後、塩基性化合物および必要に応じて界面活性剤を添加する。さらに、この溶解液に水系媒体を添加し微粒子を形成する。最後に溶剤を除去し樹脂微粒子が分散された樹脂微粒子分散液を作製させることが好ましい。前記オレフィン系エステル基含有共重合体とα−オレフィン共重合体とを共乳化手法で樹脂微粒子を形成した場合には、微粒化した有機相の中で前記オレフィン系エステル基含有共重合体とα−オレフィン共重合体とが微粒子中で混ざりあう。トナー中での相溶性が高まり、結果としてトナーの保存安定性が高まる。より具体的には、前記オレフィン系エステル基含有共重合体とα−オレフィン共重合体とを有機溶媒に加熱溶解し、界面活性剤や塩基を加える。続いて、ホモジナイザーなどによりせん断を付与しながら水系媒体をゆっくり添加することで樹脂を含む共乳化液(樹脂微粒子分散液)を作製する。または、水系媒体を添加後にホモジナイザーなどによりせん断を付与することで樹脂を含む共乳化液を作製する。その後、加熱又は減圧して溶剤を除去することにより、樹脂微粒子の共乳化液(樹脂微粒子分散液)を作製する。
有機溶媒に溶解させる樹脂成分の濃度としては有機溶媒に対して10質量%以上50質量%以下が好ましく、30質量%以上50質量%以下がより好ましい。溶解させるために使用する有機溶媒としては、前記樹脂を溶解できるものであればどのようなものでも使用可能であるが、トルエン、キシレン、酢酸エチルなどの前記オレフィン系エステル基含有共重合体に対する溶解度の高い溶媒が好ましい。
前記乳化時に使用する界面活性剤としては、特に限定されるものでは無い。例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、カルボン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系のアニオン界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系の非イオン系界面活性剤が挙げられる。
乳化時に使用する塩基としては、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどの無機塩基やトリエチルアミン、トリメチルアミン、ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノールなどの有機塩基が挙げられる。前記塩基は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
樹脂微粒子の体積基準のメジアン径は0.05〜1.0μmであることが好ましく、0.1〜0.6μmがより好ましい。メジアン径が前記の範囲内である場合、所望の粒径を有するトナー粒子が得られやすくなる。なお、体積基準のメジアン径は動的光散乱式粒度分布計(ナノトラックUPA−EX150:日機装製)を使用することで測定可能である。
(凝集工程)
凝集工程とは、上述の樹脂微粒子分散液に、着色剤微粒子分散液や、離型剤微粒子分散液を混合し、混合液を調製し、ついで、調製された混合液中に含まれる粒子を凝集し、凝集体を形成させる工程である。凝集体を形成させる方法としては、例えば凝集剤を前記混合液中に添加・混合し、温度を上げたり、機械的動力等を適宜加えたりする方法が好適に例示できる。
凝集工程で使用する着色剤微粒子分散液は、上述の着色剤を分散させて調製される。着色剤微粒子は公知の方法で分散されるが、例えば、回転せん断型ホモジナイザー、ボールミル、サンドミル、アトライター等のメディア式分散機、高圧対向衝突式の分散機等が好ましく用いられる。また、必要に応じて分散安定性を付与する界面活性剤や高分子分散剤を添加することができる。
凝集工程で使用する離型剤微粒子分散液は、上述の離型剤を水系媒体中に分散させて調製される。離型剤は公知の方法で分散されるが、例えば、回転せん断型ホモジナイザー、ボールミル、サンドミル、アトライター等のメディア式分散機、高圧対向衝突式の分散機等が好ましく用いられる。また、必要に応じて分散安定性を付与する界面活性剤や高分子分散剤を添加することができる。
凝集工程で使用する凝集剤としては、例えば、ナトリウム、カリウム等の1価の金属の金属塩;カルシウム、マグネシウム等の2価の金属の金属塩;鉄、アルミニウム等の3価の金属;ポリ塩化アルミなどの多価金属塩が挙げられる。凝集工程の粒子径制御性の観点から塩化カルシウムや硫酸マグネシウムなどの2価の金属塩が好ましい。
前記凝集剤の添加・混合は、室温以上から75℃の温度範囲で行うことが好ましい。この温度条件下で前記混合を行うと、凝集が安定した状態で進行する。前記混合は、公知の混合装置、ホモジナイザー、ミキサー等を用いて行うことができる。
凝集工程で形成される凝集体の平均粒径としては、特に制限はないが、通常、得ようとするトナー粒子の平均粒径と同じ程度になるよう4.0〜7.0μmに制御するとよい。制御は、例えば、前記凝集剤等の添加・混合時の温度と前記攪拌混合の条件を適宜設定・変更することにより容易に行うことができる。なお、トナー粒子の粒度分布はコールター法による粒度分布解析装置(コールターマルチサイザーIII:コールター製)にて測定できる。
(融合工程)
融合工程とは、前記凝集体を、前記オレフィン系エステル基含有共重合体の融点以上に加熱し融合することで、凝集体表面を平滑化した粒子を製造する工程である。一次融合工程に入る前に、トナー粒子間の融着を防ぐため、キレート剤、pH調整剤、界面活性剤等を適宜投入することができる。
キレート剤の例としては、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)及びそのNa塩等のアルカリ金属塩、グルコン酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、クエン酸カリウム及びクエン酸ナトリウム、ニトロトリアセテート(NTA)塩、COOH及びOHの両方の官能性を含む多くの水溶性ポリマー類(高分子電解質)が挙げられる。
前記加熱の温度としては、凝集体に含まれる前記オレフィン系エステル基含有共重合体の融点以上から、前記オレフィン系エステル基含有共重合体またはα−オレフィン共重合体が熱分解する温度の間であればよい。加熱・融合の時間としては、加熱の温度が高ければ短い時間で足り、加熱の温度が低ければ長い時間が必要である。即ち、加熱・融合の時間は、加熱の温度に依存するので一概に規定することはできないが、一般的には10分〜10時間である。
(冷却工程)
冷却工程とは、前記粒子を含む水系媒体の温度を、前記オレフィン系エステル基含有共重合体の結晶化温度より低い温度まで冷却する工程である。冷却を結晶化温度より低い温度まで行わないと、粗大粒子が発生してしまう。具体的な冷却速度は0.1〜50℃/分である。
(洗浄工程)
前記工程を経て作製した粒子を、洗浄、ろ過を繰り返すことによりトナー中の不純物を除去することができる。具体的にはエチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)及びそのNa塩などのキレート剤を含有した水溶液を用いてトナーを洗浄し、さらに純水で洗浄することが好ましい。純水での洗浄はろ過を複数回繰り返すことによりトナー中の金属塩や界面活性剤などを除くことができる。ろ過の回数は3〜20回が製造効率の点から好ましく、3〜10回がより好ましい。
(乾燥工程)
前記工程で得た粒子の乾燥を行い、必要に応じて、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム等の無機粒体や、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等の樹脂粒子を、乾燥状態で剪断力を印加して添加してもよい。これらの無機粒体や樹脂粒子は、流動性助剤やクリーニング助剤等の外添剤として機能する。
以下、本発明を実施例と比較例を用いて更に詳細に説明するが、本発明の態様はこれらに限定されない。なお、実施例及び比較例の部数及び%は特に断りが無い場合、すべて質量基準である。
<樹脂微粒子1分散液の製造>
・トルエン(和光純薬製)300g
・エチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−A(R=H、R=H、R=CH、エステル基濃度:8質量%、酸価=0mgKOH/g、重量平均分子量:110000、メルトフローレート:12g/10分、融点:86℃、破断伸度=700%、(l+m+n)/Z1=1.00)80g
・エチレン−1−ブテン共重合体A(R=C、式(5)で表わされるユニット比率:23質量%、酸価=0mgKOH/g、融点:55℃、破断伸度=1000%、(o+p)/Z2=1.00)20g
・オレフィン系酸基含有共重合体A(エチレン−メタクリル酸共重合体、メルトフローレート:60g/10分、融点=90℃、酸価=90mgKOH/g)25g
以上の処方を混合し、90℃で溶解させた。
別途、イオン交換水700gにドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.7g、ラウリン酸ナトリウム1.5g、N,N−ジメチルアミノエタノール0.8gを加え90℃で加熱溶解させた。次いで前記のトルエン溶液と水溶液を混ぜ合わせ、超高速攪拌装置T.K.ロボミックス((株)プライミクス製)を用いて7000rpmで攪拌した。さらに、高圧衝撃式分散機ナノマイザー(吉田機械興業製)を用いて200MPaの圧力で乳化した。その後、エバポレーターを用いて、トルエンを除去し、イオン交換水で濃度調整を行い樹脂微粒子1の濃度20%の水系分散液(樹脂微粒子1分散液)を得た。
前記樹脂微粒子1の体積基準のメジアン径を動的光散乱式粒度分布径(ナノトラック:日機装製)を用いて測定したところ、0.40μmであった。
<樹脂微粒子2分散液の製造>
エチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−Aを90g、エチレン−1−ブテン共重合体Aを10gに変更した以外は樹脂微粒子1分散液の製造方法と同様にして、樹脂微粒子2分散液を得た。得られた樹脂微粒子2の体積基準のメジアン径は、0.48μmであった。
<樹脂微粒子3分散液の製造>
エチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−Aを70g、エチレン−1−ブテン共重合体Aを30gに変更した以外は樹脂微粒子1分散液の製造方法と同様にして、樹脂微粒子3分散液を得た。得られた樹脂微粒子3の体積基準のメジアン径は、0.33μmであった。
<樹脂微粒子4分散液の製造>
エチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−Aをエチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−B(R=H、R=H、R=CH、エステル基濃度:10質量%、酸価=0mgKOH/g、メルトフローレート:14g/10分、融点:75℃、破断伸度=800%、(l+m+n)/Z1=1.00)に変更した以外は樹脂微粒子1分散液の製造方法と同様にして、樹脂微粒子4分散液を得た。得られた樹脂微粒子4の体積基準のメジアン径は、0.45μmであった。
<樹脂微粒子5分散液の製造>
エチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−Aをエチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−C(R=H、R=H、R=CH、エステル基濃度:14質量%、酸価=0mgKOH/g、メルトフローレート:20g/10分、融点:69℃、破断伸度=800%、(l+m+n)/Z1=1.00)に変更した以外は樹脂微粒子1分散液の製造方法と同様にして、樹脂微粒子5分散液を得た。得られた樹脂微粒子5の体積基準のメジアン径は、0.45μmであった。
<樹脂微粒子6分散液の製造>
エチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−Aをエチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−D(R=H、R=H、R=CH、エステル基濃度:3質量%、酸価=0mgKOH/g、メルトフローレート:75g/10分、融点:96℃、破断伸度=460%、(l+m+n)/Z1=1.00)に変更した以外は樹脂微粒子1分散液の製造方法と同様に樹脂微粒子6分散液を得た。得られた樹脂微粒子6の体積基準のメジアン径は、0.45μmであった。
<樹脂微粒子7分散液の製造>
エチレン−1−ブテン共重合体Aをエチレン−1−ブテン共重合体B(R=C、式(5)で表わされるユニット比率:14質量%、酸価=0mgKOH/g、融点:94℃、破断伸度=900%、(o+p)/Z2=1.00)に変更した以外は樹脂微粒子1分散液の製造方法と同様に樹脂微粒子7分散液を得た。得られた樹脂微粒子7の体積基準のメジアン径は、0.45μmであった。
<樹脂微粒子8分散液の製造>
エチレン−1−ブテン共重合体Aをエチレン−1−オクテン共重合体C(R=C13、式(5)で表わされるユニット比率:23質量%、酸価=0mgKOH/g、融点:76℃、破断伸度=700%、(o+p)/Z2=1.00)に変更した以外は樹脂微粒子1分散液の製造方法と同様にして、樹脂微粒子8分散液を得た。得られた樹脂微粒子8の体積基準のメジアン径は、0.52μmであった。
<樹脂微粒子9分散液の製造>
エチレン−1−ブテン共重合体Aをエチレン−1−オクテン共重合体D(R=C13、式(5)で表わされるユニット比率:38質量%、酸価=0mgKOH/g、融点:65℃、破断伸度=800%、(o+p)/Z2=1.00)に変更した以外は樹脂微粒子1分散液の製造方法と同様に樹脂微粒子9分散液を得た。得られた樹脂微粒子9の体積基準のメジアン径は、0.46μmであった。
<樹脂微粒子10分散液の製造>
・トルエン(和光純薬製)300g
・エチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−E(R=H、R=H、R=CH、エステル基濃度:10質量%、酸価=0mgKOH/g、メルトフローレート:200g/10分、融点:75℃、破断伸度=210%、(l+m+n)/Z1=1.00)80g
・エチレン−1−ブテン共重合体A(R=C、式(2)で表わされるユニット比率:23質量%、酸価=0mgKOH/g、融点:55℃、破断伸度=1000%、(o+p)/Z2=1.00)20g
以上の処方を混合し、90℃で溶解させた。
別途、イオン交換水700gにドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5g、ラウリン酸ナトリウム10gを加え90℃で加熱溶解させた。次いで前記のトルエン溶液と水溶液を混ぜ合わせ、超高速攪拌装置T.K.ロボミックス((株)プライミクス製)を用いて7000rpmで攪拌した。さらに、高圧衝撃式分散機ナノマイザー(吉田機械興業製)を用いて200MPaの圧力で乳化した。その後、エバポレーターを用いて、トルエンを除去し、イオン交換水で濃度調整を行い樹脂微粒子1の濃度20%の水系分散液(樹脂微粒子10分散液)を得た。得られた樹脂微粒子10の体積基準のメジアン径は0.22μmであった。
<樹脂微粒子11分散液の製造>
エチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−Aをエチレン−アクリル酸エチル共重合体EEA−A(R=H、R=H、R=C、エステル基濃度:11質量%、酸価=0mgKOH/g、メルトフローレート:20g/10分、融点:91℃、破断伸度=900%、(l+m+n)/Z1=1.00)に変更した以外は樹脂微粒子1分散液の製造方法と同様に樹脂微粒子11分散液を得た。得られた樹脂微粒子11の体積基準のメジアン径は、0.41μmであった。
<樹脂微粒子12分散液の製造>
エチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−Aをエチレン−アクリル酸メチル共重合体EMA−A(R=H、R=H、R=CH、エステル基濃度:7質量%、酸価=0mgKOH/g、メルトフローレート:14g/10分、融点:87℃、破断伸度=800%、(l+m+n)/Z1=1.00)に変更した以外は樹脂微粒子1分散液の製造方法と同様に樹脂微粒子12分散液を得た。得られた樹脂微粒子12の体積基準のメジアン径は、0.46μmであった。
<樹脂微粒子13分散液の製造>
エチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−Aをエチレン−メタクリル酸メチル共重合体EMMA−A(R=H、R=CH、R=CH、エステル基濃度:8質量%、酸価=0mgKOH/g、メルトフローレート:7g/10分、融点:89℃、破断伸度=750%、(l+m+n)/Z1=1.00)に変更した以外は樹脂微粒子1分散液の製造方法と同様に樹脂微粒子13分散液を得た。得られた樹脂微粒子13の体積基準のメジアン径は、0.44μmであった。
<樹脂微粒子14分散液の製造>
エチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−Aをエチレン−酢酸ビニル−吉草酸ビニル共重合体EVA−F(R=H、R=H、R=CH、エステル基濃度:7質量%、吉草酸ビニルに由来するユニット(式(4))比率:6質量%、酸価=0mgKOH/g、メルトフローレート:14g/10分、融点:83℃、破断伸度=750%、(l+m+n)/Z1=0.94)に変更した以外は樹脂微粒子1分散液の製造方法と同様に樹脂微粒子14分散液を得た。得られた樹脂微粒子14の体積基準のメジアン径は、0.42μmであった。
<樹脂微粒子15分散液の製造>
エチレン−1−ブテン共重合体Aをエチレン−1−ブテン共重合体E(R=C、式(5)で表わされるユニット比率:8質量%、酸価=0mgKOH/g、融点:154℃、破断伸度=900%、(o+p)/Z2=1.00)に変更した以外は樹脂微粒子10分散液の製造方法と同様にして、樹脂微粒子15分散液を得た。得られた樹脂微粒子15の体積基準のメジアン径は、0.68μmであった。
<樹脂微粒子16分散液の製造>
エチレン−1−ブテン共重合体Aをエチレン−1−オクテン共重合体F(R=C13、式(5)で表わされるユニット比率:57質量%、酸価=0mgKOH/g、融点:56℃、破断伸度=700%、(o+p)/Z2=1.00)に変更した以外は樹脂微粒子10分散液の製造方法と同様にして、樹脂微粒子16分散液を得た。得られた樹脂微粒子16の体積基準のメジアン径は、0.32μmであった。
<樹脂微粒子17分散液の製造>
エチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−Aをエチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−G(R=H、R=H、R=CH、エステル基濃度:1質量%、酸価=0mgKOH/g、メルトフローレート:3g/10分、融点:105℃、破断伸度=600%、(l+m+n)/Z1=1.00)に変更した以外は樹脂微粒子10分散液の製造方法と同様にして、樹脂微粒子17分散液を得た。得られた樹脂微粒子17の体積基準のメジアン径は、5.45μmであった。
<樹脂微粒子18分散液の製造>
エチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−Aをエチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−H(R=H、R=H、R=CH、エステル基濃度:21質量%、酸価=0mgKOH/g、メルトフローレート:2g/10分、融点:40℃、破断伸度=870%、(l+m+n)/Z1=1.00)に変更した以外は樹脂微粒子10分散液の製造方法と同様にして、樹脂微粒子18分散液を得た。得られた樹脂微粒子18の体積基準のメジアン径は、6.81μmであった。
<樹脂微粒子19分散液の製造>
エチレン−1−ブテン共重合体Aを使用しなかった以外は樹脂微粒子10分散液の製造方法と同様にして、樹脂微粒子19分散液を得た。得られた樹脂微粒子19の体積基準のメジアン径は、5.51μmであった。
<樹脂微粒子20分散液の製造>
エチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−Aをポリエステル樹脂A[組成(モル比)〔ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:イソフタル酸:テレフタル酸=100:50:50〕、数平均分子量(Mn)=4,600、重量平均分子量(Mw)=16,500、ピーク分子量(Mp)=10,400、ガラス転移温度(Tg)=70℃、酸価=13mgKOH/g]に変更し、N,N−ジメチルアミノエタノール1.6gをイオン交換水とともに加えた以外は樹脂微粒子10分散液の製造方法と同様にして、樹脂微粒子20分散液を得た。得られた樹脂微粒子20の体積基準のメジアン径は、0.22μmであった。
<樹脂微粒子21分散液の製造>
エチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−Aおよびエチレン−1−ブテン共重合体Aを使用せず、結晶性ポリエステル樹脂A(組成(モル比)〔1,9−ノナンジオール:セバシン酸=100:100〕、数平均分子量(Mn)=5,500、重量平均分子量(Mw)=15,500、ピーク分子量(Mp)=11,400、融点=72℃、酸価=13mgKOH/g)の使用量を100gにし、N,N−ジメチルアミノエタノール2.1gをイオン交換水とともに加えた以外は樹脂微粒子10分散液の製造方法と同様にして、樹脂微粒子21分散液を得た。得られた樹脂微粒子21の体積基準のメジアン径は、0.25μmであった。
<着色剤微粒子分散液の製造>
・着色剤 10.0質量部
(シアン顔料 大日精化製:Pigment Blue 15:3)
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬製:ネオゲンRK) 1.5質量部
・イオン交換水 88.5質量部
以上を混合し、溶解し、高圧衝撃式分散機ナノマイザー(吉田機械興業製)を用いて約1時間分散して、着色剤を分散させてなる着色剤微粒子の濃度10%の水系分散液(着色剤微粒子分散液)を調製した。得られた着色剤微粒子の体積基準のメジアン径は、動的光散乱式粒度分布径(ナノトラック:日機装製)を用いて測定し、0.20μmであった。
<脂肪族炭化水素化合物微粒子分散液の製造>
・脂肪族炭化水素化合物(HNP−51、融点78℃、日本精蝋製)20.0質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬製:ネオゲンRK) 1.0質量部
・イオン交換水 79.0質量部
以上を攪拌装置付きの混合容器に投入した後、90℃に加熱し、クレアミックスWモーション(エム・テクニック製)へ循環させて分散処理を60分間行った。分散処理の条件は、以下のようにした。
・ローター外径3cm
・クリアランス0.3mm
・ローター回転数19000r/min
・スクリーン回転数19000r/min
分散処理後、ローター回転数1000r/min、スクリーン回転数0r/min、冷却速度10℃/minの冷却処理条件にて40℃まで冷却することで、脂肪族炭化水素化合物微粒子の濃度20%の水系分散液(脂肪族炭化水素化合物微粒子分散液)を得た。前記脂肪族炭化水素化合物微粒子の体積分布基準の50%粒径(d50)は、動的光散乱式粒度分布径(ナノトラック:日機装製)を用いて測定し、0.15μmであった。
<シリコーンオイル乳化液の製造>
・シリコーンオイル 20.0質量部
(ジメチルシリコーンオイル 信越化学製:KF96−50CS)
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬製:ネオゲンRK) 1.0質量部
・イオン交換水 79.0質量部
以上を混合し、溶解し、高圧衝撃式分散機ナノマイザー(吉田機械興業製)を用いて約1時間分散して、シリコーンオイルを分散させてなるシリコーンオイルの濃度20%の水系分散液を調製した。得られたシリコーンオイル乳化液中のシリコーンオイル粒子の体積基準のメジアン径を動的光散乱式粒度分布径(ナノトラック:日機装製)を用いて測定したところ、0.09μmであった。
<実施例1>
・樹脂微粒子1分散液 500g
・着色剤微粒子分散液 80g
・脂肪族炭化水素化合物微粒子分散液 150g
・シリコーンオイル乳化液 50g
・イオン交換水 160g
前記の各材料を丸型ステンレス製フラスコに投入、混合した後、10%硫酸マグネシウム水溶液60gを添加した。続いてホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて5000r/minで10分間分散した。その後、加熱用ウォーターバス中で撹拌翼を用いて、混合液が撹拌されるような回転数を適宜調節しながら73℃まで加熱した。73℃で20分保持した後、形成された凝集粒子の体積平均粒径を、コールターマルチサイザーIIIを用い、体積平均粒径が約6.0μmである凝集粒子が形成されていることが確認された。
前記凝集粒子の分散液に、5%エチレンジアミン4酢酸ナトリム水溶液330gを追加した後、攪拌を継続しながら、98℃まで加熱した。そして、98℃で1時間保持することで凝集粒子を融合させた。
その後、50℃まで冷却し3時間保持することでエチレン−酢酸ビニル共重合体の結晶化を促進させた。その後、25度まで冷却し、ろ過・固液分離した後、ろ物を0.5%エチレンジアミン4酢酸ナトリム水溶液で洗浄し、さらにイオン交換水で洗浄を行った。洗浄終了後に真空乾燥機を用いて乾燥することで、体積基準のメジアン径が5.4μmのトナー粒子を得た。
得られたトナー粒子100質量部に対して、一次粒子径が10nmの疎水化処理されたシリカ微粉体1.5質量部および1次粒子径が100nmの疎水化処理されたシリカ微粉体2.5質量部をヘンシェルミキサー(三井鉱山製)で乾式混合してトナー1を得た。得られたトナー1の構成条件を表1に示す。
<実施例2>
樹脂微粒子1を樹脂微粒子2とした以外は、実施例1と同様にして、トナー2を得た。得られたトナー2の体積基準のメジアン径は5.3μmであった。
<実施例3>
樹脂微粒子1を樹脂微粒子3とした以外は、実施例1と同様にして、トナー3を得た。得られたトナー3の体積基準のメジアン径は5.3μmであった。
<実施例4>
樹脂微粒子1を樹脂微粒子4とした以外は、実施例1と同様にして、トナー4を得た。得られたトナー4の体積基準のメジアン径は5.2μmであった。
<実施例5>
樹脂微粒子1を樹脂微粒子5とした以外は、実施例1と同様にして、トナー5を得た。得られたトナー5の体積基準のメジアン径は5.5μmであった。
<実施例6>
樹脂微粒子1を樹脂微粒子6とした以外は、実施例1と同様にして、トナー6を得た。得られたトナー6の体積基準のメジアン径は5.2μmであった。
<実施例7>
樹脂微粒子1を樹脂微粒子7とした以外は、実施例1と同様にして、トナー7を得た。得られたトナー7の体積基準のメジアン径は5.1μmであった。
<実施例8>
樹脂微粒子1を樹脂微粒子8とした以外は、実施例1と同様にして、トナー8を得た。得られたトナー8の体積基準のメジアン径は5.1μmであった。
<実施例9>
樹脂微粒子1を樹脂微粒子9とした以外は、実施例1と同様にして、トナー9を得た。得られたトナー9の体積基準のメジアン径は5.4μmであった。
<実施例10>
脂肪族炭化水素化合物微粒子分散液の添加量を50gとした以外は、実施例1と同様にして、トナー10を得た。得られたトナー10の体積基準のメジアン径は5.2μmであった。
<実施例11>
シリコーンオイル乳化液の添加量を100gとした以外は、実施例1と同様にして、トナー11を得た。得られたトナー11の体積基準のメジアン径は5.1μmであった。
<実施例12>
樹脂微粒子1を樹脂微粒子10とした以外は、実施例1と同様にして、トナー12を得た。得られたトナー12の体積基準のメジアン径は5.2μmであった。
<実施例13>
樹脂微粒子1分散液500gを、樹脂微粒子1分散液375gと樹脂微粒子21分散液125gとに変更した以外は実施例1と同様にして、トナー13を得た。得られたトナー13の体積基準のメジアン径は6.1μmであった。
<実施例14>
樹脂微粒子1を樹脂微粒子11とした以外は、実施例1と同様にして、トナー14を得た。得られたトナー14の体積基準のメジアン径は5.2μmであった。
<実施例15>
樹脂微粒子1を樹脂微粒子12とした以外は、実施例1と同様にして、トナー15を得た。得られたトナー15の体積基準のメジアン径は5.1μmであった。
<実施例16>
樹脂微粒子1を樹脂微粒子13とした以外は、実施例1と同様にして、トナー16を得た。得られたトナー16の体積基準のメジアン径は5.1μmであった。
<実施例17>
樹脂微粒子1分散液500gを、樹脂微粒子1分散液250gと樹脂微粒子11分散液250gとに変更した以外は実施例1と同様にして、トナー17を得た。得られたトナー17の体積基準のメジアン径は5.0μmであった。
<実施例18>
樹脂微粒子1を樹脂微粒子14とした以外は実施例1と同様にして、トナー18を得た。得られたトナー18の体積基準のメジアン径は5.2μmであった。
<実施例19>
樹脂微粒子1を樹脂微粒子15とした以外は、実施例1と同様にして、トナー19を得た。得られたトナー19の体積基準のメジアン径は5.1μmであった。
<実施例20>
樹脂微粒子1を樹脂微粒子16とした以外は、実施例1と同様にして、トナー20を得た。得られたトナー20の体積基準のメジアン径は5.3μmであった。
<比較例1>
樹脂微粒子1を樹脂微粒子17とした以外は、実施例1と同様にして、比較トナー1を得た。得られた比較トナー1の体積基準のメジアン径は11.6μmであった。
<比較例2>
樹脂微粒子1を樹脂微粒子18とした以外は、実施例1と同様にして、比較トナー2を得た。得られた比較トナー2の体積基準のメジアン径は.10.4μmであった。
<比較例3>
樹脂微粒子1を樹脂微粒子19とした以外は、実施例1と同様にして、比較トナー3を得た。得られた比較トナー3の体積基準のメジアン径は10.3μmであった。
<比較例4>
樹脂微粒子1を樹脂微粒子20とし、脂肪族炭化水素化合物微粒子分散液の添加量を50gとし、シリコーンオイル乳化液を使用せず、凝集工程の温度を60℃にした以外は、実施例1と同様にして、比較トナー4を得た。得られた比較トナー4の体積基準のメジアン径は5.4μmであった。
<比較例5>
樹脂微粒子1を樹脂微粒子21とし、脂肪族炭化水素化合物微粒子分散液の添加量を50gとし、シリコーンオイル乳化液を使用せず、凝集工程の温度を60℃にした以外は、実施例1と同様にして、比較トナー5を得た。得られた比較トナー5の体積基準のメジアン径は5.4μmであった。
前記各トナーを用いて、下記の評価試験を行った。評価結果を表2に示す。
<保存前低温定着性の評価>
前記トナーと、シリコーン樹脂で表面コートしたフェライトキャリア(平均粒径42μm)とを、トナー濃度が8質量%になるように混合し、二成分現像剤を調製した。市販のフルカラーデジタル複写機(CLC1100、キヤノン社製)を使用し、受像紙(64g/m)上に未定着のトナー画像(0.6mg/cm)を形成した。市販のフルカラーデジタル複写機(imageRUNNER ADVANCE C5051、キヤノン製)から取り外した定着ユニットを定着温度が調節できるように改造し、これを用いて未定着画像の定着試験を行った。常温常湿下、プロセススピードを246mm/秒に設定し、前記未定着画像を定着させたときの様子を目視にて観察し、以下のように評価した。
A:120℃以下の温度で定着が可能であった。
B:120℃より高く、140℃以下の温度で定着が可能であった。
C:140℃より高く、200℃以下の温度で定着が可能であった、または定着可能な温度領域がなかった。
<保存後低温定着性の評価>
前記トナーを、50℃、湿度50%の条件の高温高湿槽中に3日間静置した後、回収したトナーを前記保存前低温定着性の評価試験と同様にして、保存後低温定着性を評価した。
<消しゴム耐性の評価>
低温定着性の評価試験法と同様の手法でトナーを定着させ、定着可能な最高温度における定着物を消しゴム(製品名:MONO,トンボ鉛筆社製)を用いて、300gの荷重をかけて3回こすることで定着画像の消去耐性を試験し、以下のように評価した。
A:定着画像は消しゴムで消去されなかった。
B:消しゴムで消去することで定着画像の濃度が低下した。
C:定着画像は消しゴムで消去された。
<電荷保持率の評価>
トナー0.01gをアルミパンに計量し、ストロコロン帯電装置を用いて−600Vに帯電させた。続いて、温度30℃湿度80%の雰囲気下で表面電位計(トレックジャパン製model347)を用いて表面電位の変化挙動を30分間測定した。測定した結果より、電荷保持率を以下の式より算出し、以下のように評価した。
30分後の電荷保持率(%)=(30分後の表面電位/初期表面電位)×100
A:電荷保持率が90%以上
B:電荷保持率が50%以上90%未満
C:電荷保持率が10%以上50%未満
D:電荷保持率が10%未満
Figure 0006806505
Figure 0006806505

Claims (11)

  1. 樹脂成分を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
    該樹脂成分が、結着樹脂として、オレフィン系エステル基含有共重合体及びα−オレフィン共重合体を有し、
    該オレフィン系エステル基含有共重合体は
    (i)下記式(1)で示されるユニットY1と、
    (ii)下記式(2)で示されるユニットY2−1および下記式(3)で示されるユニットY2−2の群から選択される少なくとも1種のユニットY2とを有し、
    (iii)エステル基濃度がオレフィン系エステル基含有共重合体の全質量に対して2質量%以上18質量%以下であり、
    該α−オレフィン共重合体は、
    (i)下記式(4)で示されるユニットY3と、
    (ii)下記式(5)で示されるユニットY4を有し、
    (iii)該ユニットY4の含有量が、α−オレフィン共重合体の全質量に対して5質量%以上50質量%以下であり、
    (iv)融点が50℃以上100℃以下の結晶性を有し、
    前記樹脂成分に含まれる前記オレフィン系エステル基含有共重合体の含有量が、樹脂成分の全質量に対して50質量%以上であることを特徴とするトナー。
    Figure 0006806505
    Figure 0006806505
    Figure 0006806505
    Figure 0006806505
    Figure 0006806505
    (式中、RはHまたはCHであり、RはHまたはCHであり、RはCHまたはCであり、RはHまたはCHであり、RはCHまたはCであり、RはC 2n+1 (nは2以上6以下の整数)である。)
  2. 前記樹脂成分に含まれる前記α−オレフィン共重合体の含有量が、樹脂成分の全質量に対して5質量%以上40質量%以下である請求項1に記載のトナー。
  3. 前記オレフィン系エステル基含有共重合体の全質量をZ1、前記式(1)で示されるユニットY1、前記式(2)で示されるユニットY2−1および前記式(3)で示されるユニットY2−1の質量をそれぞれl、m、nとしたとき、前記樹脂成分中に含有される前記オレフィン系エステル基含有共重合体の(l+m+n)/Z1の値は、0.80以上である請求項1または2に記載のトナー。
  4. 前記α−オレフィン共重合体の全質量をZ2、前記式(4)で示されるユニットY3、前記式(5)で示されるユニットY4のそれぞれの質量をo、pとしたとき前記樹脂成分中に含有される前記α−オレフィン共重合体の(o+p)/Z2の値は、0.80以上である請求項1乃至のいずれか1項に記載のトナー。
  5. 前記オレフィン系エステル基含有共重合体が、エチレン−酢酸ビニル共重合体である請求項1乃至のいずれか1項に記載のトナー。
  6. 前記α−オレフィン共重合体がエチレンと1−ブテンのランダム共重合体である請求項1乃至のいずれか1項に記載のトナー。
  7. 前記トナーが酸価50mgKOH/g以上300mgKOH/g以下のオレフィン系酸基含有共重合体を含む請求項1乃至のいずれか1項に記載のトナー。
  8. 前記オレフィン系エステル基含有共重合体が、5g/10分以上30g/10分以下のメルトフローレートを有する請求項1乃至のいずれか1項に記載のトナー。
  9. 前記トナーは、融点が50℃以上100℃以下の脂肪族炭化水素化合物を含有しており、該脂肪族炭化水素化合物は、前記結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上40質量部以下含有される、請求項1乃至のいずれか1項に記載のトナー。
  10. 前記オレフィン系エステル基含有共重合体の式(2)で示されるユニットY2−1の割合が、該オレフィン系エステル基含有共重合体の全質量に対し、5質量%以上20質量%以下である、請求項1乃至のいずれか1項に記載のトナー。
  11. 前記トナーは、シリコーンオイルを含有しており、該シリコーンオイルは、前記結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下含有される請求項1乃至10のいずれか1項に記載のトナー。
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