JP6806505B2 - トナー - Google Patents
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また、その他の方法としてガラス転移温度の低い樹脂を用いることで、定着温度を下げることが提案されている。ガラス転移温度の低い樹脂としてエチレン−酢酸ビニル共重合体やエチレン−アクリル酸メチル系共重合体のようなエチレン系エステル基含有共重合体を含有したトナーが提案されている(特許文献4乃至10)。
樹脂成分を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該樹脂成分が、結着樹脂として、オレフィン系エステル基含有共重合体及びα−オレフィン共重合体を有し、
該オレフィン系エステル基含有共重合体は、
(i)下記式(1)で示されるユニットY1と、
(ii)下記式(2)で示されるユニットY2−1および下記式(3)で示されるユニットY2−2の群から選択される少なくとも1種のユニットY2とを有し、
(iii)エステル基濃度がオレフィン系エステル基含有共重合体の全質量に対して2質量%以上18質量%以下であり、
該α−オレフィン共重合体は、
(i)下記式(4)で示されるユニットY3と、
(ii)下記式(5)で示されるユニットY4を有し、
(iii)該ユニットY4の含有量が、α−オレフィン共重合体の全質量に対して5質量%以上50質量%以下であり、
(iv)融点が50℃以上100℃以下の結晶性を有し、
前記樹脂成分に含まれる前記オレフィン系エステル基含有共重合体の含有量が、樹脂成分の全質量に対して50質量%以上であることを特徴とするトナー、である。
本発明においてオレフィン系エステル基含有共重合体とは、ポリオレフィン骨格に、共重合等の手段でエステル基ユニットを導入した高分子であり、具体的には下記式(1)で示されるユニットY1と、下記式(2)で示されるユニットY2−1および下記式(3)で示されるユニットY2−2の群から選択される少なくとも1種のユニットY2を有する。
エチレン−酢酸ビニル共重合体が融点を低く設計できるために低温定着性の観点から好ましい。又、前記オレフィン系エステル基含有共重合体が、前記式(1)で示されるユニットY1および前記式(3)で示されるユニットY2−2において、R1がH、R4がH、R5がCH3であるエチレン−アクリル酸メチル共重合体、前記式(1)で示されるユニットY1および前記式(3)で示されるユニットY2−2においてR1がH、R4がH、R5がC2H5である共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、および前記式(1)で示されるユニットY1および前記式(3)で示されるユニットY2−2において、R1がH、R4がCH3、R5がCH3であるエチレン−メタクリル酸メチル共重合体が高い化学的安定性のために高温高湿下における保存性の観点から好ましい。
前記樹脂成分中に前記オレフィン系エステル基含有共重合体は1種または複数含有されてもよい。
エステル基濃度(単位:%)=[(N×44)/数平均分子量]×100
ここで、Nはオレフィン系エステル基含有共重合体の1分子当りのエステル基数の平均であり、44はエステル基[−C(=O)O−]の式量である。
実際のエステル基濃度を算出するにあたり、核磁気共鳴スペクトル(NMR)等でオレフィン系エステル基含有共重合体を構成するモノマー組成とエステル基数を求めて算出する方法が挙げられる。
メルトフローレートは、JIS K 7210に基づき、190℃、2160g荷重の条件で測定した。樹脂成分中に複数の前記オレフィン系エステル基含有共重合体を含有する場合は、溶融混合後に前記条件にてメルトフローレートの測定を行った。
破断伸度は、JIS K 7162に基づいた条件で測定した。結着樹脂中に複数の前記オレフィン系エステル基含有共重合体を含有する場合は、溶融混合した後に前記条件により破断伸度の測定を行なった。
本発明のトナーは、融点が50℃以上100℃以下の結晶性を有するα−オレフィン共重合体を樹脂成分として含む。
前記α−オレフィン共重合体が、前記式(5)で示されるユニットY4において、式中のR6がCnH2n+1(nは2以上6以下の整数)である共重合体である。側鎖の炭素数が1以下であった場合、結晶性が高すぎるために保存環境下で結晶成長してしまい低温定着性が悪化してしまい、一方7以上であった場合、結晶性が低くなるため耐ブロッキング性と低温定着性を両立することが困難となる。
前記α−オレフィン共重合体のうち、エチレンと1−ブテンのランダム共重合体である、エチレン−ブテン共重合体が結晶性を有し且つ低融点に設計できるために低温定着性の観点から好ましい。
前記樹脂成分中に前記α−オレフィン共重合体は1種または複数含有されてもよい。
結晶化度(%)=((結晶由来散乱強度)/(結晶由来散乱強度+非晶由来散乱強度))× 100
具体的には、0.01g以上0.02g以下の試料をアルミパンに精秤し、昇温速度10℃/minで、0℃から200℃まで昇温し、DSC曲線を得る。
得られたDSC曲線より、融解吸熱ピークのピーク温度を融点とする。
0.4≦Wt/(W1+W2+Wn)≦0.8 数式(1)
Wt:本発明のトナーの結晶性樹脂由来の吸熱量
W1:本発明のオレフィン系エステル基含有共重合体の吸熱量
W2:本発明のα−オレフィン共重合体の吸熱量
Wn:本発明のトナーのその他結晶性材料の吸熱量
具体的には、0.01g以上0.02g以下の試料をアルミパンに精秤し、昇温速度10℃/minで、0℃から200℃まで昇温し、DSC曲線を得る。
得られたDSC曲線の吸熱ピークを挟んで低温側のベースラインと高温側のベースラインを直線で結んで得られるベースラインと各温度の吸熱ピークとの差の積分値から求められる。
本発明のトナーは、酸価50mgKOH/g以上300mgKOH/g以下のオレフィン系酸基含有共重合体を樹脂成分として含むことが好ましい。酸価50mgKOH/g以上300mgKOH/g以下のオレフィン系酸基含有共重合体を含有することによって、前記オレフィン系酸基含有共重合体のカルボキシル基が紙表面の水酸基と水素結合を形成し、トナーと紙との密着性が高まり、定着物が消しゴムで消えることがなくなる。
・溶剤:トルエン−エチルアルコール混液(2:1)を、使用直前にフェノールフタレインを指示薬として0.1mol/Lの水酸化カリウムエチルアルコール溶液で中和しておく。
・フェノールフタレイン溶液:フェノールフタレイン1gをエチルアルコール(95体積%)100mLに溶かす。
・0.1mol/Lの水酸化カリウムエチルアルコール溶液:水酸化カリウム7.0gをできるだけ少量の水に溶かしエチルアルコール(95体積%)を加えて1Lとし、2〜3日放置後ろ過する。標定はJIS K 8006(試薬の含量試験中滴定に関する基本事項)に準じて行う。
試料として樹脂1〜20gを正しくはかりとり、これに前記溶剤100mL及び指示薬として前記フェノールフタレイン溶液数滴を加え、試料が完全に溶けるまで十分に振る。固体試料の場合は水浴上で加温して溶かす。冷却後これを前記0.1mol/Lの水酸化カリウムエチルアルコール溶液で滴定し、指示薬の微紅色が30秒間続いたときを中和の終点とする。
次の式によって酸価を算出する。
A=B×f×5.611/S
A:酸価(mgKOH/g)
B:0.1mol/Lの水酸化カリウムエチルアルコール溶液の使用量(mL)
f:0.1mol/Lの水酸化カリウムエチルアルコール溶液のファクター
S:試料(g)
具体的には、0.01〜0.02gの試料をアルミニウム製パンに精秤し、昇温速度10℃/minで、0℃から200℃まで昇温し、DSC曲線を得る。
得られたDSC曲線より、吸熱ピークのピーク温度を融点とする。
また、本発明のトナーは、融点が50℃以上100℃以下の脂肪族炭化水素化合物を、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上40質量部以下含有することが好ましい。
脂肪族炭化水素化合物は加熱すると前記オレフィン系エステル基含有共重合体を可塑化することができる。そのために、トナー中に脂肪族炭化水素化合物を含有させることで、トナーを加熱定着時にマトリックスを形成している前記オレフィン系エステル基含有共重合体が可塑化し、低温定着性を高めることができる。さらに、融点が50℃以上100℃以下の脂肪族炭化水素化合物は前記オレフィン系エステル基含有共重合体の核剤としても作用する。そのために、前記オレフィン系エステル基含有共重合体のミクロな運動性が抑制され帯電性が良化する。脂肪族炭化水素化合物は、結着樹脂100質量部に対して、10質量部以上30質量部以下含有されることが低温定着性と帯電性の観点からより好ましい。
具体的な脂肪族炭化水素化合物としては、ヘキサコサンや、トリアコサン、ヘキサトリアコサンなどの炭素数が20以上60以下の飽和炭化水素化合物が挙げられる。
また、本発明のトナーは、シリコーンオイルを離型剤として含有することが好ましい。アルキルワックスなどのトナーに一般に使用される離型剤は、前記オレフィン系エステル基含有共重合体に相溶してしまいやすく、離型効果が得られにくい。また、シリコーンオイルを添加することによってトナー中の顔料分散性が良化し、高濃度の画像が得られやすくなる。
シリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等を用いることができる。シリコーンオイルの粘度は、5mm2/S以上1000mm2/S以下であることが好ましく、20mm2/S以上1000mm2/S以下であることがより好ましい。
シリコーンオイルの添加量は、流動性の低下を抑えつつ、良好な分離性を得るという点で、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下含有されることが好ましい。より好ましくは、5質量部以上20質量部以下である。
本発明のトナーは、着色剤を含有していてもよい。着色剤としては、以下のものが挙げられる。
黒色着色剤としては、カーボンブラック;イエロー着色剤とマゼンタ着色剤及びシアン着色剤とを用いて黒色に調色したものが挙げられる。着色剤には、顔料を単独で使用してもかまわないが、染料と顔料とを併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。
シアントナー用染料としては、C.I.ソルベントブルー70がある。
イエロートナー用顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、62、65、73、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、185;C.I.バットイエロー1、3、20。
イエロートナー用染料としては、C.I.ソルベントイエロー162がある。
本発明において、着色剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
本発明のトナーの製造方法は、懸濁重合法、混練粉砕法、乳化凝集法、及び溶解懸濁法などの公知のトナーの製造方法で実施することが可能であり、いずれかの方法に限定されるものではない。
溶解懸濁法とは樹脂、着色剤及び離形剤等を有機溶媒に溶解又は分散させ、得られた溶液又は分散液を水等の貧溶媒中に、トナー粒子の大きさ程度に分散させ、その状態で有機溶媒を留去してトナーを製造する方法である。溶解懸濁法では樹脂溶解工程、造粒工程、脱溶剤工程、洗浄乾燥工程を経てトナーが製造される。
前記樹脂溶解工程は、例えば、有機溶媒に本発明のオレフィン系エステル基含有共重合体およびα−オレフィン共重合体を加熱溶解させ樹脂溶解液を調製し、必要に応じて、前記樹脂溶解液にその他の樹脂、可塑剤、着色剤及び離形剤などを溶解または分散させて樹脂組成物を製造する工程である。
前記有機溶媒の使用量には制限がないが、樹脂組成物が水系媒体中に分散し造粒できる粘度となる量であればよい。具体的には、本発明の結晶性を有するポリブタジエン、オレフィン系酸基含有共重合体、その他の樹脂、可塑剤、着色剤及び離形剤などを含む樹脂組成物と有機溶媒の質量比が10/90〜50/50が後述の造粒性およびトナーの生産効率の観点から好ましい。
一方、着色剤、離形剤は有機溶媒に溶解している必要はなく、分散していても良い。着色剤および離形剤を分散状態で使用する場合は、ビーズミルなどの分散機を使用して分散させることが好ましい。
前記造粒工程は、得られた樹脂組成物を水系媒体に所定のトナー粒子径になるように分散剤を用いて分散させて、分散体(造粒物)を調製する工程である。水系媒体は、主に水が用いられる。また、前記水系媒体は、1価の金属塩を1質量%以上、30質量%以下含有することが好ましい。1価の金属塩を含有していることにより、樹脂組成物中の有機溶媒が水系媒体中へ拡散することが抑制され、得られたトナー粒子に含まれる樹脂の結晶性が高まることによりトナーのブロッキング性が良好になり易く、かつトナーの粒度分布が良好になり易い。
前記1価の金属塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、臭化カリウムが例示でき、これらのうち、塩化ナトリウム、塩化カリウムが好ましい。
また、水系媒体と樹脂組成物の混合比(質量比)は、水系媒体/樹脂組成物=90/10〜50/50が好ましい。
高速剪断を与える装置としては各種の高速分散機や超音波分散機が挙げられる。
一方、前記分散体の重量平均粒子径は、コールター法による粒度分布解析装置(コールターマルチサイザーIII:コールター社製)で測定ができる。
脱溶剤工程では、得られた分散体から有機溶媒を除去する工程である。有機溶媒の除去は撹拌を行いながら、行うことが好ましい。また、必要に応じて加熱、減圧をすることで有機溶媒の除去速度を制御することもできる。
前記脱溶剤工程の後に、水等で複数回洗浄し、トナー粒子をろ過及び乾燥する洗浄乾燥工程を実施してもよい。また、分散剤にリン酸三カルシウムなどの酸性条件で溶解する分散剤を使用した場合は、塩酸などで洗浄後に水洗することが好ましい。洗浄を行うことで造粒のために使用した分散剤を除去し、トナー特性を向上させることができる。洗浄後、ろ過乾燥を行うことでトナーを得ることができる。得られたトナーは必要に応じてシリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム等の無機微粒子や、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等の樹脂粒子を、乾燥状態で剪断力を印加して添加してもよい。これらの無機微粒子や樹脂粒子は、帯電助剤、流動性助剤、クリーニング助剤等の外添剤として機能する。
乳化凝集法とは、目的の粒子径に対して、十分に小さい樹脂微粒子分散液を前もって準備し、その樹脂微粒子を水系媒体中で凝集することによりトナー粒子を製造する製造方法である。
乳化凝集法では、樹脂微粒子の乳化工程、凝集工程、融合工程、冷却工程、及び洗浄工程を経てトナーが製造される。以下、乳化凝集法を用いたトナーの製造方法を具体的に記載するが、これに限定されるわけではない。
乳化凝集法においては、初めに樹脂微粒子を準備する。樹脂微粒子は公知の方法で製造できるが、以下の方法で作製することが好ましい。
前記オレフィン系エステル基含有共重合体とα−オレフィン共重合体とを有機溶媒に溶解し、均一な溶解液を形成する。その後、塩基性化合物および必要に応じて界面活性剤を添加する。さらに、この溶解液に水系媒体を添加し微粒子を形成する。最後に溶剤を除去し樹脂微粒子が分散された樹脂微粒子分散液を作製させることが好ましい。前記オレフィン系エステル基含有共重合体とα−オレフィン共重合体とを共乳化手法で樹脂微粒子を形成した場合には、微粒化した有機相の中で前記オレフィン系エステル基含有共重合体とα−オレフィン共重合体とが微粒子中で混ざりあう。トナー中での相溶性が高まり、結果としてトナーの保存安定性が高まる。より具体的には、前記オレフィン系エステル基含有共重合体とα−オレフィン共重合体とを有機溶媒に加熱溶解し、界面活性剤や塩基を加える。続いて、ホモジナイザーなどによりせん断を付与しながら水系媒体をゆっくり添加することで樹脂を含む共乳化液(樹脂微粒子分散液)を作製する。または、水系媒体を添加後にホモジナイザーなどによりせん断を付与することで樹脂を含む共乳化液を作製する。その後、加熱又は減圧して溶剤を除去することにより、樹脂微粒子の共乳化液(樹脂微粒子分散液)を作製する。
凝集工程とは、上述の樹脂微粒子分散液に、着色剤微粒子分散液や、離型剤微粒子分散液を混合し、混合液を調製し、ついで、調製された混合液中に含まれる粒子を凝集し、凝集体を形成させる工程である。凝集体を形成させる方法としては、例えば凝集剤を前記混合液中に添加・混合し、温度を上げたり、機械的動力等を適宜加えたりする方法が好適に例示できる。
融合工程とは、前記凝集体を、前記オレフィン系エステル基含有共重合体の融点以上に加熱し融合することで、凝集体表面を平滑化した粒子を製造する工程である。一次融合工程に入る前に、トナー粒子間の融着を防ぐため、キレート剤、pH調整剤、界面活性剤等を適宜投入することができる。
冷却工程とは、前記粒子を含む水系媒体の温度を、前記オレフィン系エステル基含有共重合体の結晶化温度より低い温度まで冷却する工程である。冷却を結晶化温度より低い温度まで行わないと、粗大粒子が発生してしまう。具体的な冷却速度は0.1〜50℃/分である。
前記工程を経て作製した粒子を、洗浄、ろ過を繰り返すことによりトナー中の不純物を除去することができる。具体的にはエチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)及びそのNa塩などのキレート剤を含有した水溶液を用いてトナーを洗浄し、さらに純水で洗浄することが好ましい。純水での洗浄はろ過を複数回繰り返すことによりトナー中の金属塩や界面活性剤などを除くことができる。ろ過の回数は3〜20回が製造効率の点から好ましく、3〜10回がより好ましい。
前記工程で得た粒子の乾燥を行い、必要に応じて、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム等の無機粒体や、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等の樹脂粒子を、乾燥状態で剪断力を印加して添加してもよい。これらの無機粒体や樹脂粒子は、流動性助剤やクリーニング助剤等の外添剤として機能する。
・トルエン(和光純薬製)300g
・エチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−A(R1=H、R2=H、R3=CH3、エステル基濃度:8質量%、酸価=0mgKOH/g、重量平均分子量:110000、メルトフローレート:12g/10分、融点:86℃、破断伸度=700%、(l+m+n)/Z1=1.00)80g
・エチレン−1−ブテン共重合体A(R6=C2H5、式(5)で表わされるユニット比率:23質量%、酸価=0mgKOH/g、融点:55℃、破断伸度=1000%、(o+p)/Z2=1.00)20g
・オレフィン系酸基含有共重合体A(エチレン−メタクリル酸共重合体、メルトフローレート:60g/10分、融点=90℃、酸価=90mgKOH/g)25g
以上の処方を混合し、90℃で溶解させた。
前記樹脂微粒子1の体積基準のメジアン径を動的光散乱式粒度分布径(ナノトラック:日機装製)を用いて測定したところ、0.40μmであった。
エチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−Aを90g、エチレン−1−ブテン共重合体Aを10gに変更した以外は樹脂微粒子1分散液の製造方法と同様にして、樹脂微粒子2分散液を得た。得られた樹脂微粒子2の体積基準のメジアン径は、0.48μmであった。
エチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−Aを70g、エチレン−1−ブテン共重合体Aを30gに変更した以外は樹脂微粒子1分散液の製造方法と同様にして、樹脂微粒子3分散液を得た。得られた樹脂微粒子3の体積基準のメジアン径は、0.33μmであった。
エチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−Aをエチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−B(R1=H、R2=H、R3=CH3、エステル基濃度:10質量%、酸価=0mgKOH/g、メルトフローレート:14g/10分、融点:75℃、破断伸度=800%、(l+m+n)/Z1=1.00)に変更した以外は樹脂微粒子1分散液の製造方法と同様にして、樹脂微粒子4分散液を得た。得られた樹脂微粒子4の体積基準のメジアン径は、0.45μmであった。
エチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−Aをエチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−C(R1=H、R2=H、R3=CH3、エステル基濃度:14質量%、酸価=0mgKOH/g、メルトフローレート:20g/10分、融点:69℃、破断伸度=800%、(l+m+n)/Z1=1.00)に変更した以外は樹脂微粒子1分散液の製造方法と同様にして、樹脂微粒子5分散液を得た。得られた樹脂微粒子5の体積基準のメジアン径は、0.45μmであった。
エチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−Aをエチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−D(R1=H、R2=H、R3=CH3、エステル基濃度:3質量%、酸価=0mgKOH/g、メルトフローレート:75g/10分、融点:96℃、破断伸度=460%、(l+m+n)/Z1=1.00)に変更した以外は樹脂微粒子1分散液の製造方法と同様に樹脂微粒子6分散液を得た。得られた樹脂微粒子6の体積基準のメジアン径は、0.45μmであった。
エチレン−1−ブテン共重合体Aをエチレン−1−ブテン共重合体B(R6=C2H5、式(5)で表わされるユニット比率:14質量%、酸価=0mgKOH/g、融点:94℃、破断伸度=900%、(o+p)/Z2=1.00)に変更した以外は樹脂微粒子1分散液の製造方法と同様に樹脂微粒子7分散液を得た。得られた樹脂微粒子7の体積基準のメジアン径は、0.45μmであった。
エチレン−1−ブテン共重合体Aをエチレン−1−オクテン共重合体C(R6=C6H13、式(5)で表わされるユニット比率:23質量%、酸価=0mgKOH/g、融点:76℃、破断伸度=700%、(o+p)/Z2=1.00)に変更した以外は樹脂微粒子1分散液の製造方法と同様にして、樹脂微粒子8分散液を得た。得られた樹脂微粒子8の体積基準のメジアン径は、0.52μmであった。
エチレン−1−ブテン共重合体Aをエチレン−1−オクテン共重合体D(R6=C6H13、式(5)で表わされるユニット比率:38質量%、酸価=0mgKOH/g、融点:65℃、破断伸度=800%、(o+p)/Z2=1.00)に変更した以外は樹脂微粒子1分散液の製造方法と同様に樹脂微粒子9分散液を得た。得られた樹脂微粒子9の体積基準のメジアン径は、0.46μmであった。
・トルエン(和光純薬製)300g
・エチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−E(R1=H、R2=H、R3=CH3、エステル基濃度:10質量%、酸価=0mgKOH/g、メルトフローレート:200g/10分、融点:75℃、破断伸度=210%、(l+m+n)/Z1=1.00)80g
・エチレン−1−ブテン共重合体A(R6=C2H5、式(2)で表わされるユニット比率:23質量%、酸価=0mgKOH/g、融点:55℃、破断伸度=1000%、(o+p)/Z2=1.00)20g
以上の処方を混合し、90℃で溶解させた。
エチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−Aをエチレン−アクリル酸エチル共重合体EEA−A(R1=H、R4=H、R5=C2H5、エステル基濃度:11質量%、酸価=0mgKOH/g、メルトフローレート:20g/10分、融点:91℃、破断伸度=900%、(l+m+n)/Z1=1.00)に変更した以外は樹脂微粒子1分散液の製造方法と同様に樹脂微粒子11分散液を得た。得られた樹脂微粒子11の体積基準のメジアン径は、0.41μmであった。
エチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−Aをエチレン−アクリル酸メチル共重合体EMA−A(R1=H、R4=H、R5=CH3、エステル基濃度:7質量%、酸価=0mgKOH/g、メルトフローレート:14g/10分、融点:87℃、破断伸度=800%、(l+m+n)/Z1=1.00)に変更した以外は樹脂微粒子1分散液の製造方法と同様に樹脂微粒子12分散液を得た。得られた樹脂微粒子12の体積基準のメジアン径は、0.46μmであった。
エチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−Aをエチレン−メタクリル酸メチル共重合体EMMA−A(R1=H、R4=CH3、R5=CH3、エステル基濃度:8質量%、酸価=0mgKOH/g、メルトフローレート:7g/10分、融点:89℃、破断伸度=750%、(l+m+n)/Z1=1.00)に変更した以外は樹脂微粒子1分散液の製造方法と同様に樹脂微粒子13分散液を得た。得られた樹脂微粒子13の体積基準のメジアン径は、0.44μmであった。
エチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−Aをエチレン−酢酸ビニル−吉草酸ビニル共重合体EVA−F(R1=H、R2=H、R3=CH3、エステル基濃度:7質量%、吉草酸ビニルに由来するユニット(式(4))比率:6質量%、酸価=0mgKOH/g、メルトフローレート:14g/10分、融点:83℃、破断伸度=750%、(l+m+n)/Z1=0.94)に変更した以外は樹脂微粒子1分散液の製造方法と同様に樹脂微粒子14分散液を得た。得られた樹脂微粒子14の体積基準のメジアン径は、0.42μmであった。
エチレン−1−ブテン共重合体Aをエチレン−1−ブテン共重合体E(R6=C2H5、式(5)で表わされるユニット比率:8質量%、酸価=0mgKOH/g、融点:154℃、破断伸度=900%、(o+p)/Z2=1.00)に変更した以外は樹脂微粒子10分散液の製造方法と同様にして、樹脂微粒子15分散液を得た。得られた樹脂微粒子15の体積基準のメジアン径は、0.68μmであった。
エチレン−1−ブテン共重合体Aをエチレン−1−オクテン共重合体F(R6=C6H13、式(5)で表わされるユニット比率:57質量%、酸価=0mgKOH/g、融点:56℃、破断伸度=700%、(o+p)/Z2=1.00)に変更した以外は樹脂微粒子10分散液の製造方法と同様にして、樹脂微粒子16分散液を得た。得られた樹脂微粒子16の体積基準のメジアン径は、0.32μmであった。
エチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−Aをエチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−G(R1=H、R2=H、R3=CH3、エステル基濃度:1質量%、酸価=0mgKOH/g、メルトフローレート:3g/10分、融点:105℃、破断伸度=600%、(l+m+n)/Z1=1.00)に変更した以外は樹脂微粒子10分散液の製造方法と同様にして、樹脂微粒子17分散液を得た。得られた樹脂微粒子17の体積基準のメジアン径は、5.45μmであった。
エチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−Aをエチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−H(R1=H、R2=H、R3=CH3、エステル基濃度:21質量%、酸価=0mgKOH/g、メルトフローレート:2g/10分、融点:40℃、破断伸度=870%、(l+m+n)/Z1=1.00)に変更した以外は樹脂微粒子10分散液の製造方法と同様にして、樹脂微粒子18分散液を得た。得られた樹脂微粒子18の体積基準のメジアン径は、6.81μmであった。
エチレン−1−ブテン共重合体Aを使用しなかった以外は樹脂微粒子10分散液の製造方法と同様にして、樹脂微粒子19分散液を得た。得られた樹脂微粒子19の体積基準のメジアン径は、5.51μmであった。
エチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−Aをポリエステル樹脂A[組成(モル比)〔ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:イソフタル酸:テレフタル酸=100:50:50〕、数平均分子量(Mn)=4,600、重量平均分子量(Mw)=16,500、ピーク分子量(Mp)=10,400、ガラス転移温度(Tg)=70℃、酸価=13mgKOH/g]に変更し、N,N−ジメチルアミノエタノール1.6gをイオン交換水とともに加えた以外は樹脂微粒子10分散液の製造方法と同様にして、樹脂微粒子20分散液を得た。得られた樹脂微粒子20の体積基準のメジアン径は、0.22μmであった。
エチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−Aおよびエチレン−1−ブテン共重合体Aを使用せず、結晶性ポリエステル樹脂A(組成(モル比)〔1,9−ノナンジオール:セバシン酸=100:100〕、数平均分子量(Mn)=5,500、重量平均分子量(Mw)=15,500、ピーク分子量(Mp)=11,400、融点=72℃、酸価=13mgKOH/g)の使用量を100gにし、N,N−ジメチルアミノエタノール2.1gをイオン交換水とともに加えた以外は樹脂微粒子10分散液の製造方法と同様にして、樹脂微粒子21分散液を得た。得られた樹脂微粒子21の体積基準のメジアン径は、0.25μmであった。
・着色剤 10.0質量部
(シアン顔料 大日精化製:Pigment Blue 15:3)
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬製:ネオゲンRK) 1.5質量部
・イオン交換水 88.5質量部
以上を混合し、溶解し、高圧衝撃式分散機ナノマイザー(吉田機械興業製)を用いて約1時間分散して、着色剤を分散させてなる着色剤微粒子の濃度10%の水系分散液(着色剤微粒子分散液)を調製した。得られた着色剤微粒子の体積基準のメジアン径は、動的光散乱式粒度分布径(ナノトラック:日機装製)を用いて測定し、0.20μmであった。
・脂肪族炭化水素化合物(HNP−51、融点78℃、日本精蝋製)20.0質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬製:ネオゲンRK) 1.0質量部
・イオン交換水 79.0質量部
以上を攪拌装置付きの混合容器に投入した後、90℃に加熱し、クレアミックスWモーション(エム・テクニック製)へ循環させて分散処理を60分間行った。分散処理の条件は、以下のようにした。
・ローター外径3cm
・クリアランス0.3mm
・ローター回転数19000r/min
・スクリーン回転数19000r/min
分散処理後、ローター回転数1000r/min、スクリーン回転数0r/min、冷却速度10℃/minの冷却処理条件にて40℃まで冷却することで、脂肪族炭化水素化合物微粒子の濃度20%の水系分散液(脂肪族炭化水素化合物微粒子分散液)を得た。前記脂肪族炭化水素化合物微粒子の体積分布基準の50%粒径(d50)は、動的光散乱式粒度分布径(ナノトラック:日機装製)を用いて測定し、0.15μmであった。
・シリコーンオイル 20.0質量部
(ジメチルシリコーンオイル 信越化学製:KF96−50CS)
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬製:ネオゲンRK) 1.0質量部
・イオン交換水 79.0質量部
以上を混合し、溶解し、高圧衝撃式分散機ナノマイザー(吉田機械興業製)を用いて約1時間分散して、シリコーンオイルを分散させてなるシリコーンオイルの濃度20%の水系分散液を調製した。得られたシリコーンオイル乳化液中のシリコーンオイル粒子の体積基準のメジアン径を動的光散乱式粒度分布径(ナノトラック:日機装製)を用いて測定したところ、0.09μmであった。
・樹脂微粒子1分散液 500g
・着色剤微粒子分散液 80g
・脂肪族炭化水素化合物微粒子分散液 150g
・シリコーンオイル乳化液 50g
・イオン交換水 160g
前記の各材料を丸型ステンレス製フラスコに投入、混合した後、10%硫酸マグネシウム水溶液60gを添加した。続いてホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて5000r/minで10分間分散した。その後、加熱用ウォーターバス中で撹拌翼を用いて、混合液が撹拌されるような回転数を適宜調節しながら73℃まで加熱した。73℃で20分保持した後、形成された凝集粒子の体積平均粒径を、コールターマルチサイザーIIIを用い、体積平均粒径が約6.0μmである凝集粒子が形成されていることが確認された。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子2とした以外は、実施例1と同様にして、トナー2を得た。得られたトナー2の体積基準のメジアン径は5.3μmであった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子3とした以外は、実施例1と同様にして、トナー3を得た。得られたトナー3の体積基準のメジアン径は5.3μmであった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子4とした以外は、実施例1と同様にして、トナー4を得た。得られたトナー4の体積基準のメジアン径は5.2μmであった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子5とした以外は、実施例1と同様にして、トナー5を得た。得られたトナー5の体積基準のメジアン径は5.5μmであった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子6とした以外は、実施例1と同様にして、トナー6を得た。得られたトナー6の体積基準のメジアン径は5.2μmであった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子7とした以外は、実施例1と同様にして、トナー7を得た。得られたトナー7の体積基準のメジアン径は5.1μmであった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子8とした以外は、実施例1と同様にして、トナー8を得た。得られたトナー8の体積基準のメジアン径は5.1μmであった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子9とした以外は、実施例1と同様にして、トナー9を得た。得られたトナー9の体積基準のメジアン径は5.4μmであった。
脂肪族炭化水素化合物微粒子分散液の添加量を50gとした以外は、実施例1と同様にして、トナー10を得た。得られたトナー10の体積基準のメジアン径は5.2μmであった。
シリコーンオイル乳化液の添加量を100gとした以外は、実施例1と同様にして、トナー11を得た。得られたトナー11の体積基準のメジアン径は5.1μmであった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子10とした以外は、実施例1と同様にして、トナー12を得た。得られたトナー12の体積基準のメジアン径は5.2μmであった。
樹脂微粒子1分散液500gを、樹脂微粒子1分散液375gと樹脂微粒子21分散液125gとに変更した以外は実施例1と同様にして、トナー13を得た。得られたトナー13の体積基準のメジアン径は6.1μmであった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子11とした以外は、実施例1と同様にして、トナー14を得た。得られたトナー14の体積基準のメジアン径は5.2μmであった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子12とした以外は、実施例1と同様にして、トナー15を得た。得られたトナー15の体積基準のメジアン径は5.1μmであった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子13とした以外は、実施例1と同様にして、トナー16を得た。得られたトナー16の体積基準のメジアン径は5.1μmであった。
樹脂微粒子1分散液500gを、樹脂微粒子1分散液250gと樹脂微粒子11分散液250gとに変更した以外は実施例1と同様にして、トナー17を得た。得られたトナー17の体積基準のメジアン径は5.0μmであった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子14とした以外は実施例1と同様にして、トナー18を得た。得られたトナー18の体積基準のメジアン径は5.2μmであった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子15とした以外は、実施例1と同様にして、トナー19を得た。得られたトナー19の体積基準のメジアン径は5.1μmであった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子16とした以外は、実施例1と同様にして、トナー20を得た。得られたトナー20の体積基準のメジアン径は5.3μmであった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子17とした以外は、実施例1と同様にして、比較トナー1を得た。得られた比較トナー1の体積基準のメジアン径は11.6μmであった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子18とした以外は、実施例1と同様にして、比較トナー2を得た。得られた比較トナー2の体積基準のメジアン径は.10.4μmであった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子19とした以外は、実施例1と同様にして、比較トナー3を得た。得られた比較トナー3の体積基準のメジアン径は10.3μmであった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子20とし、脂肪族炭化水素化合物微粒子分散液の添加量を50gとし、シリコーンオイル乳化液を使用せず、凝集工程の温度を60℃にした以外は、実施例1と同様にして、比較トナー4を得た。得られた比較トナー4の体積基準のメジアン径は5.4μmであった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子21とし、脂肪族炭化水素化合物微粒子分散液の添加量を50gとし、シリコーンオイル乳化液を使用せず、凝集工程の温度を60℃にした以外は、実施例1と同様にして、比較トナー5を得た。得られた比較トナー5の体積基準のメジアン径は5.4μmであった。
<保存前低温定着性の評価>
前記トナーと、シリコーン樹脂で表面コートしたフェライトキャリア(平均粒径42μm)とを、トナー濃度が8質量%になるように混合し、二成分現像剤を調製した。市販のフルカラーデジタル複写機(CLC1100、キヤノン社製)を使用し、受像紙(64g/m2)上に未定着のトナー画像(0.6mg/cm2)を形成した。市販のフルカラーデジタル複写機(imageRUNNER ADVANCE C5051、キヤノン製)から取り外した定着ユニットを定着温度が調節できるように改造し、これを用いて未定着画像の定着試験を行った。常温常湿下、プロセススピードを246mm/秒に設定し、前記未定着画像を定着させたときの様子を目視にて観察し、以下のように評価した。
A:120℃以下の温度で定着が可能であった。
B:120℃より高く、140℃以下の温度で定着が可能であった。
C:140℃より高く、200℃以下の温度で定着が可能であった、または定着可能な温度領域がなかった。
前記トナーを、50℃、湿度50%の条件の高温高湿槽中に3日間静置した後、回収したトナーを前記保存前低温定着性の評価試験と同様にして、保存後低温定着性を評価した。
低温定着性の評価試験法と同様の手法でトナーを定着させ、定着可能な最高温度における定着物を消しゴム(製品名:MONO,トンボ鉛筆社製)を用いて、300gの荷重をかけて3回こすることで定着画像の消去耐性を試験し、以下のように評価した。
A:定着画像は消しゴムで消去されなかった。
B:消しゴムで消去することで定着画像の濃度が低下した。
C:定着画像は消しゴムで消去された。
トナー0.01gをアルミパンに計量し、ストロコロン帯電装置を用いて−600Vに帯電させた。続いて、温度30℃湿度80%の雰囲気下で表面電位計(トレックジャパン製model347)を用いて表面電位の変化挙動を30分間測定した。測定した結果より、電荷保持率を以下の式より算出し、以下のように評価した。
30分後の電荷保持率(%)=(30分後の表面電位/初期表面電位)×100
A:電荷保持率が90%以上
B:電荷保持率が50%以上90%未満
C:電荷保持率が10%以上50%未満
D:電荷保持率が10%未満
Claims (11)
- 樹脂成分を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該樹脂成分が、結着樹脂として、オレフィン系エステル基含有共重合体及びα−オレフィン共重合体を有し、
該オレフィン系エステル基含有共重合体は、
(i)下記式(1)で示されるユニットY1と、
(ii)下記式(2)で示されるユニットY2−1および下記式(3)で示されるユニットY2−2の群から選択される少なくとも1種のユニットY2とを有し、
(iii)エステル基濃度がオレフィン系エステル基含有共重合体の全質量に対して2質量%以上18質量%以下であり、
該α−オレフィン共重合体は、
(i)下記式(4)で示されるユニットY3と、
(ii)下記式(5)で示されるユニットY4を有し、
(iii)該ユニットY4の含有量が、α−オレフィン共重合体の全質量に対して5質量%以上50質量%以下であり、
(iv)融点が50℃以上100℃以下の結晶性を有し、
前記樹脂成分に含まれる前記オレフィン系エステル基含有共重合体の含有量が、樹脂成分の全質量に対して50質量%以上であることを特徴とするトナー。
- 前記樹脂成分に含まれる前記α−オレフィン共重合体の含有量が、樹脂成分の全質量に対して5質量%以上40質量%以下である請求項1に記載のトナー。
- 前記オレフィン系エステル基含有共重合体の全質量をZ1、前記式(1)で示されるユニットY1、前記式(2)で示されるユニットY2−1および前記式(3)で示されるユニットY2−1の質量をそれぞれl、m、nとしたとき、前記樹脂成分中に含有される前記オレフィン系エステル基含有共重合体の(l+m+n)/Z1の値は、0.80以上である請求項1または2に記載のトナー。
- 前記α−オレフィン共重合体の全質量をZ2、前記式(4)で示されるユニットY3、前記式(5)で示されるユニットY4のそれぞれの質量をo、pとしたとき前記樹脂成分中に含有される前記α−オレフィン共重合体の(o+p)/Z2の値は、0.80以上である請求項1乃至3のいずれか1項に記載のトナー。
- 前記オレフィン系エステル基含有共重合体が、エチレン−酢酸ビニル共重合体である請求項1乃至4のいずれか1項に記載のトナー。
- 前記α−オレフィン共重合体がエチレンと1−ブテンのランダム共重合体である請求項1乃至5のいずれか1項に記載のトナー。
- 前記トナーが酸価50mgKOH/g以上300mgKOH/g以下のオレフィン系酸基含有共重合体を含む請求項1乃至6のいずれか1項に記載のトナー。
- 前記オレフィン系エステル基含有共重合体が、5g/10分以上30g/10分以下のメルトフローレートを有する請求項1乃至7のいずれか1項に記載のトナー。
- 前記トナーは、融点が50℃以上100℃以下の脂肪族炭化水素化合物を含有しており、該脂肪族炭化水素化合物は、前記結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上40質量部以下含有される、請求項1乃至8のいずれか1項に記載のトナー。
- 前記オレフィン系エステル基含有共重合体の式(2)で示されるユニットY2−1の割合が、該オレフィン系エステル基含有共重合体の全質量に対し、5質量%以上20質量%以下である、請求項1乃至9のいずれか1項に記載のトナー。
- 前記トナーは、シリコーンオイルを含有しており、該シリコーンオイルは、前記結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下含有される請求項1乃至10のいずれか1項に記載のトナー。
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