JP6896550B2 - トナー - Google Patents
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Description
樹脂成分を含有するトナー粒子と無機微粒子とを有するトナーであって、
前記樹脂成分が、エステル基含有オレフィン系共重合体及びテルペン系樹脂を有し、
前記エステル基含有オレフィン系共重合体が
下記式(1)で示されるユニットY1と、
下記式(2)で示されるユニットおよび下記式(3)で示されるユニットの群から選択される少なくとも1種のユニットY2と、
を有し、
前記エステル基含有オレフィン系共重合体のエステル基濃度が、エステル基含有オレフィン系共重合体の全質量に対して2質量%以上18質量%以下であり、
前記樹脂成分に含まれる前記エステル基含有オレフィン系共重合体の含有量が、樹脂成分の全質量に対して50質量%以上であるトナー。
本発明においてエステル基含有オレフィン系共重合体とは、ポリオレフィン骨格に、共重合等の手段でエステル基ユニットを導入した高分子である。具体的には下記式(1)で示されるユニットY1と、下記式(2)で示されるユニットおよび下記式(3)で示されるユニットの群から選択される少なくとも1種のユニットY2を有する。
ここで、Nはエステル基含有オレフィン系共重合体の1分子当りのエステル基数の平均であり、44はエステル基[−C(=O)O−]の式量である。
本発明に係るトナー粒子は、テルペン系樹脂を含むことが必要である。
本発明のトナーは、酸価50mgKOH/g以上300mgKOH/g以下の酸基含有オレフィン系共重合体酸基含有オレフィン系共重合体を樹脂成分として含むことが好ましい。酸価50mgKOH/g以上300mgKOH/g以下の酸基含有オレフィン系共重合体を含有することによって、酸基含有オレフィン系共重合体がテルペン系樹脂の分散剤として作用し、トナー中での分散性が良化する。さらにテルペン系樹脂としてテルペンフェノール樹脂を使用した場合、酸基含有オレフィン系共重合体のカルボキシル基がテルペンフェノールと水素結合を形成し、より分散性が高まる。その結果、外添剤の遊離をより抑制でき、低温定着性も良好になる。
・溶剤:トルエン−エチルアルコール混液(2:1)を、使用直前にフェノールフタレインを指示薬として0.1mol/Lの水酸化カリウムエチルアルコール溶液で中和しておく。
試料として樹脂1〜20gを正しくはかりとり、これに前記溶剤100mL及び指示薬として前記フェノールフタレイン溶液数滴を加え、試料が完全に溶けるまで十分に振る。固体試料の場合は水浴上で加温して溶かす。冷却後これを前記0.1mol/Lの水酸化カリウムエチルアルコール溶液で滴定し、指示薬の微紅色が30秒間続いたときを中和の終点とする。
次の式によって酸価を算出する。
A=B×f×5.611/S
A:酸価(mgKOH/g)
B:0.1mol/Lの水酸化カリウムエチルアルコール溶液の使用量(mL)
f:0.1mol/Lの水酸化カリウムエチルアルコール溶液のファクター
S:試料(g)
本発明において、酸基含有オレフィン系共重合体のメルトフローレートが200g/10分以下であることが好ましく、それより大きい場合は保管時にブロッキングしてしまう場合がある。また、酸基含有オレフィン系共重合体は、メルトフローレートが10g/10分以上であることがトナーと紙との密着性の観点から好ましい。メルトフローレートが10g/10分未満の場合、トナー中に存在する前記エステル基含有オレフィン系共重合体と相溶し難くなり、その結果としてトナー全体で見ると紙との密着性が低下する。なお酸基含有オレフィン系共重合体のメルトフローレートは前出の前記エステル基含有オレフィン系共重合体のメルトフローレートと同様な方法で測定することが可能である。
又、本発明のトナーは、融点が、50℃以上100℃以下の脂肪族炭化水素化合物を、樹脂成分100質量部に対して、1質量部以上40質量部以下含有することが好ましい。
又、本発明のトナーは、シリコーンオイルを離型剤として含有することが好ましい。アルキルワックスなどのトナーに一般に使用される離型剤は、前記エステル基含有オレフィン系共重合体に相溶してしまいやすく、離型効果が得られにくい。また、シリコーンオイルを添加することによってトナー中の顔料分散性が良化し、高濃度の画像が得られやすくなる。
本発明のトナーは、着色剤を含有していてもよい。着色剤としては、以下のものが挙げられる。
本発明のトナーは、無機微粒子を外添剤として含む。前記無機微粒子は、主にトナー粒子の流動性、転写性、帯電特性を向上させる目的として用いられる。
本発明のトナーの製造方法は、懸濁重合法、混練粉砕法、乳化凝集法、及び溶解懸濁法などの公知のトナーの製造方法で実施することが可能であり、いずれかの方法に限定されるものではない。
溶解懸濁法とは樹脂、着色剤及び離形剤等を有機溶媒に溶解又は分散させ、得られた溶液又は分散液を水等の貧溶媒中に、トナー粒子の大きさ程度に分散させ、その状態で有機溶媒を留去してトナーを製造する方法である。溶解懸濁法では樹脂溶解工程、造粒工程、脱溶剤工程、洗浄乾燥工程を経てトナーが製造される。
前記樹脂溶解工程は、例えば、有機溶媒に本発明のエステル基含有オレフィン系共重合体およびテルペン系樹脂を加熱溶解させ樹脂溶解液を調製する工程である。必要に応じて、前記樹脂溶解液にその他の樹脂、可塑剤、着色剤及び離形剤などを溶解または分散させて樹脂組成物を製造する。
前記造粒工程は、得られた樹脂組成物を水系媒体に所定のトナー粒子径になるように分散剤を用いて分散させて、分散体(造粒物)を調製する工程である。水系媒体は、主に水が用いられる。また、前記水系媒体は、1価の金属塩を1質量%以上、30質量%以下含有することが好ましい。1価の金属塩を含有していることにより、樹脂組成物中の有機溶媒が水系媒体中へ拡散することが抑制され、得られたトナー粒子に含まれる樹脂の結晶性が高まることによりトナーのブロッキング性が良好になり易く、かつトナーの粒度分布が良好になり易い。
脱溶剤工程では、得られた分散体から有機溶媒を除去する工程である。有機溶媒の除去は撹拌を行いながら、行うことが好ましい。また、必要に応じて加熱、減圧をすることで有機溶媒の除去速度を制御することもできる。
前記脱溶剤工程の後に、水等で複数回洗浄し、トナー粒子をろ過及び乾燥する洗浄乾燥工程を実施してもよい。また、分散剤にリン酸三カルシウムなどの酸性条件で溶解する分散剤を使用した場合は、塩酸などで洗浄後に水洗することが好ましい。洗浄を行うことで造粒のために使用した分散剤を除去し、トナー特性を向上させることができる。洗浄後、ろ過乾燥を行うことでトナーを得ることができる。また、得られたトナーは高精細な画像を得るという観点から、体積基準のメジアン径が3.0μm以上10.0μm以下が好ましく、4.0以上7.0μm以下であることがより好ましい。
乳化凝集法とは、目的の粒子径に対して、十分に小さい樹脂微粒子分散液を前もって準備し、その樹脂微粒子を水系媒体中で凝集することによりトナー粒子を製造する製造方法である。
乳化凝集法においては、初めに樹脂微粒子を準備する。樹脂微粒子は公知の方法で製造できるが、以下の方法で作成することが好ましい。
凝集工程とは、上述の樹脂微粒子分散液に、着色剤微粒子分散液や、離型剤微粒子分散液を混合し、混合液を調製し、ついで、調製された混合液中に含まれる粒子を凝集し、凝集体を形成させる工程である。凝集体を形成させる方法としては、例えば凝集剤を前記混合液中に添加・混合し、温度を上げたり、機械的動力等を適宜加えたりする方法が好適に例示できる。
融合工程とは、前記凝集体を、前記エステル基含有オレフィン系共重合体の融点以上に加熱し融合することで、凝集体表面を平滑化した粒子を製造する工程である。一次融合工程に入る前に、トナー粒子間の融着を防ぐため、キレート剤、pH調整剤、界面活性剤等を適宜投入することができる。
冷却工程とは、前記粒子を含む水系媒体の温度を、前記エステル基含有オレフィン系共重合体の結晶化温度より低い温度まで冷却する工程である。冷却を結晶化温度より低い温度まで行わないと、粗大粒子が発生してしまう。具体的な冷却速度は0.1〜50℃/分である。
前記工程を経て作製した粒子を、洗浄、ろ過、繰り返すことによりトナー中の不純物を除去することができる。具体的にはエチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)及びそのNa塩などのキレート剤を含有した水溶液を用いてトナーを洗浄し、さらに純水で洗浄することが好ましい。純水での洗浄はろ過を複数回繰り返すことによりトナー中の金属塩や界面活性剤などを除くことができる。ろ過の回数は3〜20回が製造効率の点から好ましく、3〜10回がより好ましい。
前記工程で得た粒子の乾燥を行い、その後無機微粒子を外添剤として添加する必要があり、必要に応じてビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等の樹脂粒子を印加して添加してもよい。
・トルエン(和光純薬製)300g
・エチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−A(R1=H、R2=H、R3=CH3、エステル基濃度:8質量%、酸価=0mgKOH/g、重量平均分子量:110000、メルトフローレート:12g/10分、融点:86℃、破断伸度=700%、(l+m+n)/Z1=1.00)70g
・テルペン系樹脂A(ヤスハラケミカル(株)製YSポリスターT80、軟化点=80℃)30g
・酸基含有オレフィン系共重合体酸基含有オレフィン系共重合体A((エチレン−メタクリル酸共重合体、メルトフローレート:60g/10分、融点=90℃、酸価=90mgKOH/g)25g
以上の処方を混合し、90℃で溶解させた。
テルペン系樹脂Aをテルペン系樹脂B(ヤスハラケミカル(株)製YSポリスターT30、軟化点=30℃)に変更した以外は樹脂微粒子1分散液の製造方法と同様にして、樹脂微粒子2分散液を得た。得られた樹脂微粒子2の体積基準のメジアン径は、0.15μmであった。
テルペン系樹脂Aをテルペン系樹脂C(ヤスハラケミカル(株)製YSポリスターT130、軟化点=130℃)に変更した以外は樹脂微粒子1分散液の製造方法と同様にして、樹脂微粒子3分散液を得た。得られた樹脂微粒子3の体積基準のメジアン径は、0.51μmであった。
テルペン系樹脂Aをテルペン系樹脂D(ヤスハラケミカル(株)製YSポリスターT115、軟化点=115℃)に変更した以外は樹脂微粒子1分散液の製造方法と同様にして、樹脂微粒子4分散液を得た。得られた樹脂微粒子4の体積基準のメジアン径は、0.41μmであった。
エチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−Aを90g、テルペン系樹脂Aを10gに変更した以外は樹脂微粒子1分散液の製造方法と同様にして、樹脂微粒子5分散液を得た。得られた樹脂微粒子5の体積基準のメジアン径は、0.45μmであった。
エチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−Aを60g、テルペン系樹脂Aを40gに変更した以外は樹脂微粒子1分散液の製造方法と同様にして、樹脂微粒子6分散液を得た。得られた樹脂微粒子6の体積基準のメジアン径は、0.27μmであった。
エチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−Aを95g、テルペン系樹脂Aを5gに変更した以外は樹脂微粒子1分散液の製造方法と同様にして、樹脂微粒子7分散液を得た。得られた樹脂微粒子7の体積基準のメジアン径は、0.47μmであった。
テルペン系樹脂Aをテルペン系樹脂E(ヤスハラケミカル(株)製YSレジンPX800、軟化点=80℃)に変更した以外は樹脂微粒子1分散液の製造方法と同様に樹脂微粒子8分散液を得た。得られた樹脂微粒子8の体積基準のメジアン径は、0.33μmであった。
テルペン系樹脂Aをテルペン系樹脂F(ヤスハラケミカル(株)製YSレジンTO85、軟化点=85℃)に変更した以外は樹脂微粒子1分散液の製造方法と同様に樹脂微粒子9分散液を得た。得られた樹脂微粒子9の体積基準のメジアン径は、0.42μmであった。
エチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−Aをエチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−B(R1=H、R2=H、R3=CH3、エステル基濃度:10質量%、酸価=0mgKOH/g、メルトフローレート:14g/10分、融点:75℃、破断伸度=800%、(l+m+n)/Z1=1.00)に変更した以外は樹脂微粒子1分散液の製造方法と同様にして、樹脂微粒子10分散液を得た。得られた樹脂微粒子10の体積基準のメジアン径は、0.26μmであった。
エチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−Aをエチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−C(R1=H、R2=H、R3=CH3、エステル基濃度:14質量%、酸価=0mgKOH/g、メルトフローレート:20g/10分、融点:69℃、破断伸度=800%、(l+m+n)/Z1=1.00)に変更した以外は樹脂微粒子1分散液の製造方法と同様に樹脂微粒子11分散液を得た。得られた樹脂微粒子11の体積基準のメジアン径は、0.25μmであった。
エチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−Aをエチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−D(R1=H、R2=H、R3=CH3、エステル基濃度:3質量%、酸価=0mgKOH/g、メルトフローレート:75g/10分、融点:96℃、破断伸度=460%、(l+m+n)/Z1=1.00)に変更した以外は樹脂微粒子1分散液の製造方法と同様に樹脂微粒子12分散液を得た。得られた樹脂微粒子12の体積基準のメジアン径は、0.44μmであった。
・トルエン(和光純薬製)300g
・エチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−E(R1=H、R2=H、R3=CH3、エステル基濃度:10質量%、酸価=0mgKOH/g、メルトフローレート:200g/10分、融点:75℃、破断伸度=210%、(l+m+n)/Z1=1.00)70g
・テルペン系樹脂A(ヤスハラケミカル(株)製YSポリスターT80、軟化点=80℃)30g
以上の処方を混合し、90℃で溶解させた。
エチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−Aをエチレン−アクリル酸エチル共重合体EEA−A(R1=H、R4=H、R5=C2H5、エステル基濃度:11質量%、酸価=0mgKOH/g、メルトフローレート:20g/10分、融点:91℃、破断伸度=900%、(l+m+n)/Z1=1.00)に変更した以外は樹脂微粒子1分散液の製造方法と同様に樹脂微粒子14分散液を得た。得られた樹脂微粒子14の体積基準のメジアン径は、0.41μmであった。
エチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−Aをエチレン−アクリル酸メチル共重合体EMA−A(R1=H、R4=H、R5=CH3、エステル基濃度:7質量%、酸価=0mgKOH/g、メルトフローレート:14g/10分、融点:87℃、破断伸度=800%、(l+m+n)/Z1=1.00)に変更した以外は樹脂微粒子1分散液の製造方法と同様に樹脂微粒子15分散液を得た。得られた樹脂微粒子15の体積基準のメジアン径は、0.46μmであった。
エチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−Aをエチレン−メタクリル酸メチル共重合体EMMA−A(R1=H、R4=CH3、R5=CH3、エステル基濃度:8質量%、酸価=0mgKOH/g、メルトフローレート:7g/10分、融点:89℃、破断伸度=750%、(l+m+n)/Z1=1.00)に変更した以外は樹脂微粒子1分散液の製造方法と同様に樹脂微粒子16分散液を得た。得られた樹脂微粒子16の体積基準のメジアン径は、0.44μmであった。
エチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−Aをエチレン−酢酸ビニル−吉草酸ビニル共重合体EVA−F(R1=H、R2=H、R3=CH3、エステル基濃度:7質量%、吉草酸ビニルに由来するユニット(式(4))比率:6質量%、酸価=0mgKOH/g、メルトフローレート:14g/10分、融点:83℃、破断伸度=750%、(l+m+n)/Z1=0.94)に変更した以外は樹脂微粒子1分散液の製造方法と同様に樹脂微粒子17分散液を得た。得られた樹脂微粒子17の体積基準のメジアン径は、0.42μmであった。
エチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−Aをエチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−G(R1=H、R2=H、R3=CH3、エステル基濃度:1質量%、酸価=0mgKOH/g、メルトフローレート:3g/10分、融点:105℃、破断伸度=600%、(l+m+n)/Z1=1.00)に変更した以外は樹脂微粒子11分散液の製造方法と同様にして、樹脂微粒子18分散液を得た。得られた樹脂微粒子18の体積基準のメジアン径は、5.45μmであった。
エチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−Aをエチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−H(R1=H、R2=H、R3=CH3、エステル基濃度:21質量%、酸価=0mgKOH/g、メルトフローレート:2g/10分、融点:40℃、破断伸度=870%、(l+m+n)/Z1=1.00)に変更した以外は樹脂微粒子11分散液の製造方法と同様にして、樹脂微粒子19分散液を得た。得られた樹脂微粒子19の体積基準のメジアン径は、6.81μmであった。
テルペン系樹脂Aを使用しなかった以外は樹脂微粒子11分散液の製造方法と同様にして、樹脂微粒子20分散液を得た。得られた樹脂微粒子20の体積基準のメジアン径は、5.51μmであった。
エチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−Aをポリエステル樹脂A[組成(モル比)〔ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:イソフタル酸:テレフタル酸=100:50:50〕、数平均分子量(Mn)=4,600、重量平均分子量(Mw)=16,500、ピーク分子量(Mp)=10,400、ガラス転移温度(Tg)=70℃、酸価=13mgKOH/g]に変更し、N,N−ジメチルアミノエタノール1.6gをイオン交換水とともに加えた以外は樹脂微粒子11分散液の製造方法と同様にして、樹脂微粒子21分散液を得た。得られた樹脂微粒子21の体積基準のメジアン径は、0.22μmであった。
・着色剤 10.0質量%
(シアン顔料 大日精化製:Pigment Blue 15:3)
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬製:ネオゲンRK) 1.5質量%
・イオン交換水 88.5質量%
以上を混合し、溶解し、高圧衝撃式分散機ナノマイザー(吉田機械興業製)を用いて約1時間分散して、着色剤を分散させてなる着色剤微粒子の濃度10%の水系分散液(着色剤微粒子分散液)を調製した。得られた着色剤微粒子の体積基準のメジアン径は動的光散乱式粒度分布径(ナノトラック:日機装製)を用いて測定し、0.20μmであった。
・脂肪族炭化水素化合物(HNP−51、融点78℃、日本精蝋製)20.0質量%
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬製:ネオゲンRK) 1.0質量%
・イオン交換水 79.0質量%
以上を攪拌装置付きの混合容器に投入した後、90℃に加熱し、クレアミックスWモーション(エム・テクニック製)へ循環させて分散処理を60分間行った。分散処理の条件は、以下のようにした。
・クリアランス0.3mm
・ローター回転数19000r/min
・スクリーン回転数19000r/min
分散処理後、ローター回転数1000r/min、スクリーン回転数0r/min、冷却速度10℃/minの冷却処理条件にて40℃まで冷却することで、脂肪族炭化水素化合物微粒子の濃度20%の水系分散液(脂肪族炭化水素化合物微粒子分散液)を得た。前記脂肪族炭化水素化合物微粒子の体積分布基準の50%粒径(d50)は動的光散乱式粒度分布径(ナノトラック:日機装製)を用いて測定し、0.15μmであった。
・シリコーンオイル 20.0質量%
(ジメチルシリコーンオイル 信越化学製:KF96−50CS)
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬製:ネオゲンRK) 1.0質量%
・イオン交換水 79.0質量%
以上を混合し、溶解し、高圧衝撃式分散機ナノマイザー(吉田機械興業製)を用いて約1時間分散して、シリコーンオイルを分散させてなるシリコーンオイルの濃度20%の水系分散液を調製した。得られたシリコーンオイル乳化液中のシリコーンオイル粒子の体積基準のメジアン径を動的光散乱式粒度分布径(ナノトラック:日機装製)を用いて測定したところ、0.09μmであった。
・樹脂微粒子1分散液 500g
・着色剤微粒子分散液 80g
・脂肪族炭化水素化合物微粒子分散液 150g
・シリコーンオイル乳化液 50g
・イオン交換水 160g
前記の各材料を丸型ステンレス製フラスコに投入、混合した後、10%硫酸マグネシウム水溶液60gを添加した。続いてホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて5000r/minで10分間分散した。その後、加熱用ウォーターバス中で撹拌翼を用いて、混合液が撹拌されるような回転数を適宜調節しながらで73℃まで加熱した。73℃で20分保持した後、形成された凝集粒子の体積平均粒径を、コールターマルチサイザーIIIを用い、体積平均粒径が約6.0μmである凝集粒子が形成されていることが確認された。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子2とした以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。得られたトナー2の体積基準のメジアン径は5.1μmであった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子3とした以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。得られたトナーの体積基準のメジアン径は5.4μmであった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子4とした以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。得られたトナーの体積基準のメジアン径は5.0μmであった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子5とした以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。得られたトナーの体積基準のメジアン径は5.6μmであった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子6とした以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。得られたトナーの体積基準のメジアン径は5.2μmであった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子7とした以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。得られたトナーの体積基準のメジアン径は5.5μmであった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子8とした以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。得られたトナーの体積基準のメジアン径は5.2μmであった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子9とした以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。得られたトナーの体積基準のメジアン径は5.5μmであった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子10とした以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。得られたトナーの体積基準のメジアン径は5.2μmであった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子11とした以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。得られたトナーの体積基準のメジアン径は5.1μmであった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子12とした以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。得られたトナーの体積基準のメジアン径は5.0μmであった。
脂肪族炭化水素化合物微粒子分散液の添加量を50gとした以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。得られたトナーの体積基準のメジアン径は5.4μmであった。
シリコーンオイル乳化液の添加量を100gとした以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。得られたトナーの体積基準のメジアン径は5.4μmであった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子13とした以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。得られたトナーの体積基準のメジアン径は5.2μmであった。
樹脂微粒子1分散液500gを、樹脂微粒子1分散液375gと樹脂微粒子21分散液125gとに変更した以外は実施例1と同様にして、トナーを得た。得られたトナーの体積基準のメジアン径は5.9μmであった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子14とした以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。得られたトナーの体積基準のメジアン径は5.5μmであった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子15とした以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。得られたトナーの体積基準のメジアン径は5.6μmであった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子16とした以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。得られたトナーの体積基準のメジアン径は5.2μmであった。
樹脂微粒子1分散液500gを、樹脂微粒子1分散液250gと樹脂微粒子14分散液250gとに変更した以外は実施例1と同様にして、トナーを得た。得られたトナーの体積基準のメジアン径は5.5μmであった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子17とした以外は実施例1と同様にして、トナーを得た。得られたトナーの体積基準のメジアン径は5.3μmであった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子18とした以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。得られたトナーの体積基準のメジアン径は12.1μmであった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子19とした以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。得られたトナーの体積基準のメジアン径は.11.5μmであった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子20とした以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。得られたトナーの体積基準のメジアン径は11・9μmであった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子21とし、脂肪族炭化水素化合物微粒子分散液の添加量を50gとし、シリコーンオイル乳化液を使用せず、凝集工程の温度を60℃にした以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。得られたトナーの体積基準のメジアン径は5.2μmであった。
前記トナーと、シリコーン樹脂で表面コートしたフェライトキャリア(平均粒径42μm)とを、トナー濃度が8質量%になるように混合し、二成分現像剤を調製した。市販のフルカラーデジタル複写機(CLC1100、キヤノン社製)を使用し、受像紙(64g/m2)上に未定着のトナー画像(0.6mg/cm2)を形成した。市販のフルカラーデジタル複写機(imageRUNNER ADVANCE C5051、キヤノン製)から取り外した定着ユニットを定着温度が調節できるように改造し、これを用いて未定着画像の定着試験を行った。常温常湿下、プロセススピードを246mm/秒に設定し、前記未定着画像を定着させたときの様子を目視にて評価した。
A:120℃以下の温度で定着が可能。
B:120℃より高く、140℃以下の温度で定着が可能。
C:140℃より200℃以下の温度で定着が可能、または定着可能な温度領域がない。
低温定着性の評価法と同様の手法でトナーを定着させ、定着可能な最高温度における定着物を消しゴム(製品名:MONO,トンボ鉛筆社製)を用いて、300gの荷重をかけて3回こすることで消去耐性を試験した。
A:消しゴムで消去されず。
B:消しゴムで消去することで画像の濃度が低下する。
C:消しゴムで消去される。
50mlスクリュー管瓶に純水12gと特級スクロース(キシダ化学(株)製)19gを秤量し、特級スクロースを完溶させる。そこにコンタミノンN(和光純薬工業(株)製)6ccと前記トナーを加え、振とう器(YS−LD、(株)ヤヨイ製)にセットし、200rpmで5分間振とうする。振とうしたサンプルを遠沈管に移し、遠心機()にセットし、3700rpmで30分間遠心する。遠心したサンプルの液面に浮いたトナーを回収し、ろ過、洗浄して乾燥機で乾燥させる。乾燥させたトナーを蛍光X線分析装置(Axios PANalytical製)でSi強度を測定する。未処理の前記トナーも測定し、外添剤遊離率を以下の式より算出した。
外添剤遊離率(%)=(処理後のトナーのSi強度/未処理のトナーのSi強度)×100
A:外添剤遊離率が10%未満
B:外添剤遊離率が20%未満
C:外添剤遊離率が20%以上
フェライトキャリア225gと前記トナー25gを混合させ、キヤノン製フルカラー複写機imageRUNNER ADVANCE C5051の現像器に充填させたものを空回転(トナー無補給)し現像剤にストレスを与えた後の画像評価を行った。この評価は低印字率、つまりはトナーの入れ替わりがほとんど無い状態での耐久性を促進的に評価する目的で行っている。具体的な手法としては高温多湿環境下(42℃/41%Rh)においてimageRUNNER ADVANCE用の現像空回転治具により370rpmの速さで5時間空回転させた。途中サンプリングを行い、1時間空回転した時点での帯電量をQ1、5時間空回転した時点での帯電量をQ5とし、Q1/Q5の値をチャージアップの評価指標とした。
評価基準
A:Q1/Q5が80%以上
B:Q1/Q5が60%以上80%以下
C:Q1/Q5が60%未満
Claims (11)
- 樹脂成分を含有するトナー粒子と無機微粒子とを有するトナーであって、
前記樹脂成分が、エステル基含有オレフィン系共重合体及びテルペン系樹脂を有し、
前記エステル基含有オレフィン系共重合体が
下記式(1)で示されるユニットY1と、
下記式(2)で示されるユニットおよび下記式(3)で示されるユニットの群から選択される少なくとも1種のユニットY2と、
を有し、
前記エステル基含有オレフィン系共重合体のエステル基濃度が、エステル基含有オレフィン系共重合体の全質量に対して2質量%以上18質量%以下であり、
前記樹脂成分に含まれる前記エステル基含有オレフィン系共重合体の含有量が、樹脂成分の全質量に対して50質量%以上であるトナー。
(式中、R1はHまたはCH3であり、R2はHまたはCH3であり、R3はCH3またはC2H5であり、R4はHまたはCH3であり、R5はCH3またはC2H5である。) - 前記テルペン系樹脂の軟化点が、20℃以上140℃以下である請求項1に記載のトナー。
- 前記テルペン系樹脂の含有量が、前記樹脂成分の全質量に対して5質量%以上40質量%以下である請求項1または2に記載のトナー。
- 前記テルペン系樹脂が、テルペンフェノール樹脂である請求項1〜3のいずれか一項に記載のトナー。
- 前記エステル基含有オレフィン系共重合体が、エチレン−酢酸ビニル共重合体である請求項1〜4のいずれか一項に記載のトナー。
- 前記トナー粒子が、
酸価50mgKOH/g以上300mgKOH/g以下の酸基含有オレフィン系共重合体を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のトナー。 - 前記エステル基含有オレフィン系共重合体のメルトフローレートが、5g/10分以上30g/10分以下である請求項1〜6のいずれか一項に記載のトナー。
- 前記トナー粒子が、脂肪族炭化水素化合物を有し、
前記脂肪族炭化水素化合物の融点が、50℃以上100℃以下であり、
前記脂肪族炭化水素化合物の含有量が、前記樹脂成分100質量部に対して、1質量部以上40質量部以下である請求項1〜7のいずれか一項に記載のトナー。 - 前記エステル基含有オレフィン系共重合体のエステル基濃度が、3質量%以上10質量%以下である請求項1〜8のいずれか一項に記載のトナー。
- 前記トナー粒子が、シリコーンオイルを有し、
前記シリコーンオイルの含有量が、前記樹脂成分100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下である請求項1〜9のいずれか一項に記載のトナー。 - 前記無機微粒子は、シリカ微粒子であり、
前記シリカ微粒子の個数平均粒子径が、50nm以上300nm以下である請求項1〜10のいずれか一項に記載のトナー。
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