JP4793670B2 - 静電荷像現像剤及び該静電荷像現像剤を用いた画像形成方法 - Google Patents

静電荷像現像剤及び該静電荷像現像剤を用いた画像形成方法 Download PDF

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本発明は、電子写真法、静電記録法、あるいは静電印刷法に用いる静電荷像現像剤に関するものである。
電子写真法としては、米国特許第2,297,691号、特公昭42−23910号公報及び特公昭43−24748号公報(特許文献1〜3)などに各種の方法が記載されているが、通常は、光導電性感光体等の静電潜像担持体上に帯電、露光により静電潜像を形成し、次いでこの静電潜像を、バインダー樹脂中に着色剤を含有するトナー組成物によって現像し、得られたトナー像を転写紙などの支持体に転写、定着して可視画像を形成する方法が一般的である。
また、電子写真法における現像方法としては多くの方法が知られているが、大別すると、鉄粉、フェライト、ニッケル、ガラス等の微粒子(20〜500μm)からなるキャリアとトナーとの混合物を現像剤として用いる二成分現像法と、トナーのみからなる現像剤を用いる一成分現像法とがある。
二成分現像法の代表例としては、米国特許第2,618,552号(特許文献4)記載のカスケード法、及び米国特許2,874,063号(特許文献5)記載の磁気ブラシ法がある。これらの方法はキャリアが現像剤の攪拌、搬送、帯電などの機能を分担しておりキャリアとトナーの機能分離が明確になっている。そのためトナーの帯電制御や現像剤層の形成が比較的容易で、高速化にも対応可能なことから現在広く用いられている。
鉄やフェライト等を使用したキャリアでは、低抵抗であるため高い画像濃度が得られるが、細線の再現性の低下、キャリア表面へのトナースペントによるキャリアの帯電性の低下、感光体上へのキャリア付着による画像欠陥等の問題がある。一方、樹脂組成物により鉄やフェライト等の芯材粒子を被覆したキャリアでは、樹脂が一般に高抵抗であるため、樹脂単独でコートしたキャリアでは高抵抗になり、現像を行った際に電界強度が低いため、エッジ効果が生じ細線の再現性は向上するが、均一な画像が得られなかったり、画像濃度の大幅な低下が生じたりする。
そこで、キャリアが高抵抗となるのを防ぐため、樹脂中にカーボンブラック等の導電剤を分散させて適当な抵抗に調整したキャリアが一般的に用いられ、特開平4-324457号公報(特許文献6)に示されるように、下層を導電層で被覆し上層に高抵抗層で被覆したキャリアや、特開平4-358168号公報(特許文献7)に示されるように、下層に抵抗制御剤を含有した0.5〜1.0μm厚の樹脂層を被覆し、上層に抵抗制御剤を含有しない0.1〜0.5μm厚の樹脂層を被覆したキャリアや、特開平7-219281号公報(特許文献8)に示されるように、芯材粒子表面に第1の被覆層として体積抵抗が108〜1011Ωcmの範囲である膜厚0.3〜0.7μmの絶縁性被覆層が形成され、その上に第2の被覆層として体積抵抗が1〜104Ωcmの範囲である膜厚0.05〜0.4μmの導電性被覆層が形成され、更にその上に第3の被覆層として体積抵抗が108〜1010Ωcmの範囲である膜厚0.5〜1.0μmの絶縁性被覆層が形成されたキャリアが提案されている。また、更に特開平8-179570号公報(特許文献9)においても同様にキャリア芯材にカーボンブラックを含有する樹脂層で被覆した後に表面に樹脂層を設けたキャリアが提案されている。
しかしながら、これら公報においても表面がカーボンブラックを含まない樹脂による絶縁層であるためにキャリアは高抵抗となり、前記の通り、現像を行った際に電界強度が低いため、エッジ効果が生じて均一な画像が得られなかったり、画像濃度の大幅な低下が生じたりすることが十分に改善できていない。
また、このような欠陥を改善するためキャリア芯材の被覆樹脂中にカーボンブラックを適当量含有させて、キャリア芯材近傍から表面まで均一なカーボンブラック濃度を有する樹脂層で被覆することによりキャリアの抵抗値を最適化する手段が従来から考案されている。確かにこの方法によると印刷初期においては適度なキャリアの抵抗値が得られ、高画像濃度かつ細線再現性に優れたエッジ効果のない現像剤が得られるが、長時間の印刷においては現像装置内部での攪拌によりキャリア芯材の被覆剤である樹脂層の剥離、また、逆にキャリア表面へのトナー成分の付着(以下トナースペントという)が生じ、キャリアの表面状態が大きく変化する。その結果、キャリアの抵抗値が印刷初期と長時間の印刷後では異なることになり、安定した品質の印刷物が得られない。
特に近年、20m/分を超えるような印刷速度の向上により、現像装置内部での攪拌によるストレスが大きくなり、また、長時間の運転においても一定品質の印刷が要求される状況においては、これらの特性を満足しうる十分な性能の現像剤は得られていない。
米国特許第2,297,691号公報 特公昭42−023910号公報 特公昭43−024748号公報 米国特許第2,618,552号公報 米国特許第2,874,063号公報 特開平4−324457号公報 特開平4−358168号公報 特開平7−219281号公報 特開平8−179570号公報
本発明は、静電荷像現像用現像剤、及び該静電荷像現像剤を用いた画像形成方法において、上記の問題を解決することを課題とするものである。
即ち本発明は、二成分現像剤として用いた際においても摩擦帯電性能及び電気抵抗等が変動することなく、安定した現像及び転写性能を示す静電荷像現像剤、及び該静電荷像現像剤を用いた画像形成方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、二成分現像剤として用いた際に急速に所定の帯電量に到達することにより、地汚れのない高品位かつ高画質な印刷画像が得られる静電荷像現像剤、及び該静電荷像現像剤を用いた画像形成方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、二成分現像剤として用いた際の高速印刷、特に20m/分を超える高速印刷時においても良好な摩擦帯電性能及び電気抵抗を示す静電荷像現像剤、及び該静電荷像現像剤を用いた画像形成方法を提供することにある。
本発明者らは、種々のキャリアについて鋭意研究を重ねた結果、特定の樹脂被覆層を有するキャリアにより、上記課題を解決できることを見いだした。
即ち、本発明は上記課題を解決するために、樹脂と着色剤とからなる静電荷像現像用トナーとキャリア芯材表面に抵抗制御剤を含有する樹脂層を有するキャリアとからなり、該キャリアの樹脂層がその厚み方向に抵抗制御剤の濃度勾配を持ち、該キャリア芯材近傍において抵抗制御剤濃度が最も高く、該樹脂層の表面に向かう程低くなり、更に該樹脂層の表面に該抵抗制御剤が存在することを特徴とする静電荷像現像剤、及び該静電荷像現像剤を用いた画像形成方法を提供するものである。
さらに本発明は、結着樹脂と着色剤と帯電制御剤を含有する静電荷像現像用トナーと、キャリア芯材表面にカーボンブラックからなる抵抗制御剤を含有する樹脂層を有するキャリア、とからなる静電荷像現像剤を用いた画像形成方法であって、前記樹脂層の樹脂はシリコーン樹脂であり、該樹脂層が抵抗制御剤含有濃度の異なる2層以上の層からなりその厚み方向に抵抗制御剤の濃度勾配を持ち、該キャリア芯材表面に形成される層において抵抗制御剤濃度が最も高く、該樹脂層の表面に向かう程低くなり、更に該樹脂層の最上層の表面に該抵抗制御剤が存在し、キャリア心材表面に前記抵抗制御剤を5〜30重量%含有する層を0.1〜2.0μm設け、最上層に前記抵抗制御剤を0.5〜20重量%含有する層を0.1〜2.0μm設け、かつ前記帯電制御剤として、ニグロシン系染料と4級アンモニウム塩化合物を併用し、現像速度が20m/分以上であることを特徴とする画像形成方法を提供するものである。
すなわち、該キャリア表面の樹脂層には抵抗制御剤が存在しているため、樹脂単独の層で被覆したキャリアより若干低抵抗になっており、印刷初期において十分な画像濃度かつエッジ効果のない高画質の印刷物が得られる。また、長時間の印刷においてはキャリア表面の樹脂層が剥離し、キャリア芯材が露出することによる低抵抗化と、トナースペントによる高抵抗化とのバランスを保つ必要があるが、厚み方向に抵抗制御剤の濃度勾配を持つ樹脂層で被覆されたキャリアを用いることにより、両者のバランスが保てることを見出し本発明に至ったのである。
キャリアが高度のストレスを受ける場合においては、キャリアの樹脂層の剥離よりトナースペントの速度の方が早く、従って高抵抗化の速度が速いのであるが、これを解決するには前記の手段、つまり、抵抗制御剤含有濃度をキャリア芯材近傍になるに従い高くすることにより、樹脂層表面の一部が剥離する毎に抵抗制御剤を高い濃度で含む樹脂層が露出して高抵抗化を防ぐ作用が生じ、キャリアの抵抗値を長時間の印刷時にも一定にすることが可能となるのである。このような作用は特に現像速度が20m/分以上の現像装置において効果が大きい。
本発明で使用するトナーの結着樹脂としては、通常、トナーにおいて結着樹脂として用いられているもので有れば特に限定すること無く使用することができ、例えば、ポリスチレン、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、オレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、アミド系樹脂、ポリカーボネイト樹脂、エポキシ系樹脂、並びにこれらのグラフト重合体及びそれらの混合物などを上げることができる。
それらの中でも、帯電安定性、保存安定性、定着特性、あるいは有彩色の有機顔料等を含むカラートナー用樹脂として用いた場合の色再現性等を考慮するとポリエステル樹脂、スチレン−(メタ)アクリル酸エステルの共重合体樹脂が好適に使用しうる。
本発明で用いられるポリエステル樹脂は、例えばジカルボン酸とジオールを通常の方法で脱水縮合して得られる。ジカルボン酸としては、例えば無水フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、アジピン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、アゼライン酸、セバシン酸等のジカルボン酸又はその誘導体が挙げられる。
また、ジオールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ビスフェノールA、ポリオキシエチレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン及びその誘導体、ポリオキシプロピレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.2)−ポリオキシエチレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン及びその誘導体、等が挙げられる。
さらに、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイドランダム共重合体ジオール、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイドブロック共重合体ジオール、エチレンオキサイド−テトラハイドロフラン共重合体ジオール、ポリカプロカクトンジオール等のジオールを用いることも出来る。
また、必要に応じ、例えばトリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸等の三官能以上の芳香族カルボン酸またはその誘導体を、あるいはソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトラオール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセリン、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリメチロールベンゼン等の三官能以上のアルコールを、あるいは、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ハイドロキノンジグリシジルエーテル、N,N−ジグリシジルアニリン、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ基を有するビニル化合物の重合体、あるいは共重合体、エポキシ化レゾルシノール−アセトン縮合物、部分エポキシ化ポリブタジエン、半乾性もしくは乾性脂肪酸エステルエポキシ化合物の一種以上のもの等の三官能以上の多価エポキシ化合物を併用することも出来る。
本発明におけるポリエステル樹脂は、触媒の存在下、上記の原料成分を用いて脱水縮合反応或いはエステル交換反応を行うことにより得ることができる。この際の反応温度及び反応時間は、特に限定されるものではないが、通常150〜300℃で2〜24時間である。
上記反応を行う際の触媒としては、例えば酸化亜鉛、酸化第一錫、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジラウレート等を適宜使用する事が出来る。
本発明で用いるポリエステル樹脂としては、二成分現像用トナーとして適正なガラス転移点、溶融粘度特性を有していれば良く、その粘度が1×105ポイズとなる温度が95℃以上のものが良好な定着性を示すので好ましいが、中でも、その粘度が1×105ポイズとなる温度が95〜170℃のものが低温における定着性も良好なのでより好ましく、その粘度が1×105ポイズとなる温度が95〜160℃のものが、特に好ましい。
一方、ガラス転移温度(Tg)は40℃以上のものが好ましく、中でも、Tgが45〜85℃のものが特に好ましい。さらに、酸価については30以下が望ましく、中でも、10以下が特に望ましい。酸価が高すぎると帯電量の低下を招き所期の帯電量が得られない。
また、本発明で用いられるスチレン−(メタ)アクリル酸エステルの共重合体樹脂に用いられるスチレンモノマーとしては、例えばスチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、p-スルホンスチレン、ジメチルアミノメチルスチレン等がある。
(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ターシャリーブチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートの如きアルキル(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレートの如き脂環族(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレートの如き芳香族(メタ)アクリレート;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの如き水酸基含有(メタ)アクリレート;(メタ)アクリロキシエチルホスフェートの如きリン酸基含有(メタ)アクリレート;2-クロロエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ3-クロロプロピル(メタ)アクリレート、2,3-ジブロモプロピル(メタ)アクリレートの如きハロゲン原子含有(メタ)アクリレート;グリシジル(メタ)アクリレートの如きエポキシ基含有(メタ)アクリレート;2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、2-エトキシエチル(メタ)アクリレートの如きエーテル基含有(メタ)アクリレート;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートの如き塩基性窒素原子又はアミド基含有(メタ)アクリレート;等が挙げられる。
また、これらと共に共重合可能な不飽和化合物も必要に応じ用いることができる。例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマール酸の如きカルボキシル基含有ビニルモノマー;スルホエチルアクリルアミドの如きスルホ基含有ビニルモノマー;(メタ)アクリロニトリルの如きニトリル基含有ビニルモノマー;ビニルメチルケトン、ビニルイソプロペニルケトンの如きケトン基含有ビニルモノマー;N-ビニルイミダゾール、1-ビニルピロール、2-ビニルキノリン、4-ビニルピリジン、N-ビニル2-ピロリドン、N-ビニルピペリドンの如き塩基性窒素原子又はアミド基含有ビニルモノマー等を使用することができる。
また、架橋剤を上記ビニルモノマーに対して0.1〜2重量%の範囲で使用してもよい。架橋剤としては、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルエーテル、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
あるいは前記カルボキシル基含有ビニルモノマーを共重合せしめたスチレン−(メタ)アクリル酸エステルの共重合体を用いた樹脂においては、金属塩を用いて架橋樹脂とすることもできる。金属塩としてはAl、Ba、Ca、Cd、Co、Cr、Cu、Fe、Hg、Mg、Mn、Ni、Pb、Sn、Sr、Zn等のハロゲン化物、水酸化物、酸化物、炭酸化物、カルボン酸塩、アルコキシレート、キレート化合物等がある。架橋反応は溶媒の存在下に加熱攪拌することにより行うことができる。
スチレン−(メタ)アクリル酸エステルの共重合体の製造方法としては通常の重合方法を採ることが可能で、溶液重合、懸濁重合、塊状重合等、重合触媒の存在下に重合反応を行う方法が挙げられる。
重合触媒としては、例えば、2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2'-アゾビスイソブチロニトリル、1,1'-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)、ベンゾイルパーオキサイド、ジブチルパーオキサイド、ブチルパーオキシベンゾエート等が挙げられ、その使用量はビニルモノマー成分の0.1〜10.0重量%が好ましい。
本発明で用いられるスチレン−(メタ)アクリル酸エステルの共重合体樹脂としては、二成分現像用トナーとして適正なガラス転移点、溶融粘度特性を有していれば良く、その粘度が1×105ポイズとなる温度が95℃以上のものが定着性が良好で好ましいが、なかでも、その粘度が1×105ポイズとなる温度が95〜170℃のものが低温における定着性も良好なのでより好ましく、その粘度が1×105ポイズとなる温度が95〜160℃のものが、特に好ましい。
一方、スチレン−(メタ)アクリル酸エステルの共重合体樹脂のガラス転移温度(Tg)は40℃以上のものが好ましく、中でも、Tgが45〜85℃のものが特に好ましい。
また、酸価については30以下が望ましく、15以下であることが特に望ましい。酸価が高すぎると帯電量の低下を招き所期の帯電量が得られない。
着色剤としては、例えばカーボンブラック、種々の有機顔料、無機顔料、染料などが用いられ、特に限定するものでは無いが、一例として下記のものが上げられる。
本発明で使用することのできる着色剤としては、周知のものがあげられる。黒の着色剤としては製法により分類されるファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラックが、青系の着色剤としてはフタロシアニン系のC.I.Pigment Blue 15−3、インダンスロン系のC.I.Pigment Blue 60等が、赤系の着色剤としてはキナクリドン系のC.I.Pigment Red 122、アゾ系のC.I.Pigment Red 22、C.I.Pigment Red 48:1、C.I.Pigment Red 48:3、C.I.Pigment Red 57:1等が、黄系の着色剤としてはアゾ系のC.I.Pigment Yellow 12、C.I.PigmentYellow 13、C.I.Pigment Yellow 14、C.I.Pigment Yellow 17、C.I.Pigment Yellow 97、C.I.Pigment Yellow 155、イソインドリノン系のC.I.Pigment Yellow 110、ベンズイミダゾロン系のC.I.Pigment Yellow 151、C.I.Pigment Yellow 154、C.I.Pigment Yellow 180、C.I.PigmentYellow 185等がある。着色剤の含有量は、1重量部から20重量部の範囲内にある。これらの着色剤は1種又は2種以上の組み合わせで使用することができる。
本発明のトナーにおいては、樹脂と着色剤との重量割合は特に制限されないが、通常樹脂100重量部当たり、着色剤1〜30重量部、好ましくは1〜10重量部である。
また、上記の有彩色着色剤を用いてカラートナーを製造するにはカラー画像の発色性、透明性に優れるという点でポリエステル樹脂を用いることが望ましい。ポリエステル樹脂はスチレンアクリル樹脂に比較して、より強靱であり現像装置内でのストレスに耐え、なおかつ低融点であるという特性を持ちカラートナー用樹脂として適している。
本発明に用いられる正帯電性電荷制御剤としては、トリフェニルメタン系染料、ニグロシン系染料、4級アンモニウム塩化合物、又はアミノ基を含有する樹脂、等を用いることができるが、ニグロシン系染料及び4級アンモニウム塩化合物を併用して用いることが特に望ましい。4級アンモニウム塩化合物としては、下記構造の化合物<一般式1>、<一般式2>または<一般式3>の中から選ばれる少なくとも一種であることが特に好ましい。<一般式1>の構造の化合物にはボントロンP−51;(オリエント化学製)が、<一般式2>の化合物にはTP−302、TP−415、TP−610;(保土谷化学製)がある。 <一般式1>
Figure 0004793670
[式中、R1〜R3はCnH2n+1基を表す。但し、nは1〜10の整数を示す。また、R1〜R3は同じであっても異なっていてもよい。]
<一般式2>
Figure 0004793670
[式中、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜22個のアルキル基あるいはアルケニル基、炭素数1〜20個の未置換あるいは置換芳香族基、炭素数7〜20個のアラルキル基を表し、A-はモリブデン酸アニオンあるいはタングステン酸アニオン、モリブデンあるいはタングステン原子を含むヘテロポリ酸アニオンを表す。]
<一般式3>
Figure 0004793670
[式中、mは1、2または3を示し、そしてnは0、1または2を示し、Mは水素原子、または1価の金属イオンである。X及びZは1または2を示し、Yは0または1を示す。さらに、X=1の時、Y=1、Z=1となりX=2の時、Y=0、Z=2となる。R5〜R12は水素、炭素数1〜30の直鎖状、あるいは枝分かれした飽和または不飽和のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシレン基、一般式(−C2〜5のアルキレン−O)n−R(但し、Rは水素または炭素数1〜4のアルキル基またはアシル基であり、nは1〜10の整数である)で表されるポリアルキルオキシレン基を表し、R1、R2、R3、R4は水素、または、炭素数1〜30の直鎖状、あるいは枝分かれした飽和または不飽和のアルキル基、または一般式(−CH2−CH2−O)n−R(但し、Rは水素または炭素数1〜4のアルキル基またはアシル基であり、nは1〜10の整数である)で表されるオキシエチル基、更に炭素数5〜12の単核−または多核脂環式残基、単核−または多核芳香族残基または芳香脂肪族残基を表す。]
より具体的には以下の各化合物がある。
(1−1)
Figure 0004793670
(2−1)
Figure 0004793670
(2−2)
Figure 0004793670
(2−3)
Figure 0004793670
(2−4)
Figure 0004793670
(2−5)
Figure 0004793670
(2−6)
Figure 0004793670
(2−7)
Figure 0004793670
(2−8)
Figure 0004793670
(2−9)
Figure 0004793670
(2−10)
Figure 0004793670
(2−11)
Figure 0004793670
(3−1)
Figure 0004793670
(3−2)
Figure 0004793670
ニグロシン系染料と4級アンモニウム塩化合物を併用する場合は1/9〜9/1の使用比率であることが好ましく、2/8〜8/2であることがより好ましい。ニグロシン系染料は正帯電付与能力が高いが、帯電の均一性・安定性に劣り、単独で使用するとカブリが発生しやすくシャープネスが不足した印刷画像となる。4級アンモニウム塩化合物は帯電の均一性・安定性が優れているが、正帯電付与能力が低く、単独で使用するよりもニグロシン系染料と併用することにより、連続印刷時にカブリのない鮮明な印刷画像が安定して得られる。ニグロシン系染料の使用比率が1より低いとトナーに十分な帯電が得られず紙への転写効率が低下する。その結果、ベタ部の均一性、及び画線の解像力の劣る画像となる。また、低帯電であることが影響してトナー飛散が増加する。使用比率が9より多いと帯電量が高くなりすぎ、連続印刷においてカブリの多い低濃度・低画質の現像剤となる。
このようにどちらかが多すぎても少なすぎても最適な帯電量が得られず、結果として低濃度・低画質の印刷物となりトナー飛散が発生する現像剤となる。両者の比率を適宜調節する事により最適の帯電量が得られ、カブリが無く、画線の輪郭がはっきりとした高濃度かつ高品位の印刷が可能な、トナー飛散の無い長寿命の現像剤を得ることができる。
電荷制御剤の含有量はバインダー樹脂100重量部当たり0.3〜10重量部用いることが好ましく、より好ましくは1〜5重量部である。
更にヒートロール定着用途では、トナーのヒートロール付着汚れ(オフセット)によるトラブル防止を目的として、離型効果を高める助剤として、種々のワックス類が必要に応じて使用され、例えばモンタン酸エステルワックスの如き天然ワックス、高圧法ポリエチレン、ポリプロピレンの如きポリオレフィン系ワックスが使用出来る。
以上の中でも特に本発明では、カルナウバワックス、モンタン系エステルワックス、ライスワックス及び/又はカイガラムシワックスを用いることが特に好ましい。これらのワックスは本発明による構造のポリエステル樹脂に最も良好な分散性を示し、定着性、耐オフセット性の改善が顕著である。
カルナウバワックスとしては精製により遊離脂肪酸を除去した脱遊離脂肪酸型カルナウバワックスを用いることが好ましい。脱遊離脂肪酸型カルナウバワックスの酸価としては8以下が好ましく、より好ましくは酸価5以下である。脱遊離脂肪酸型カルナウバワックスは従来のカルナウバワックスより微結晶となりポリエステル樹脂中での分散性が向上する。モンタン系エステルワックスは鉱物より精製されたものであり、精製によりカルナウバワックスと同様に微結晶となりポリエステル樹脂中での分散性が向上する。モンタン系エステルワックスでは酸価として特に30以下であることが好ましい。
また、ライスワックスは米ぬかロウを精製したものであり、酸価は13以下であることが好ましい。カイガラムシワックスはカイガラムシ(別名イボタロウムシ)の幼虫が分泌する蝋状成分を、例えば、熱湯に溶かし、上層を分離後冷却固化して、あるいはそれを繰り返すことにより得ることができる。このような手段により精製されたカイガラムシワックスは固体状態において白色であり、極めてシャープな融点を示し本発明におけるトナー用ワックスとして適している。精製により酸価は10以下となり、トナー用として好ましいのは5以下である。
上記ワックスは単独で用いても組み合わせて用いても良く、バインダー樹脂に対して0.3〜15重量部、好ましくは1〜5重量部含有させることにより良好な定着オフセット性能が得られる。0.3重量部より少ないと耐オフセット性が損なわれ、15重量部より多いとトナーの流動性が悪くなり、また、キャリア表面に付着することによりスペントキャリアが発生し、トナーの帯電特性に悪影響を与えることになる。
また、上記の天然ワックス以外では合成エステルワックスも好適に使用できる。合成エステルワックスの中にはペンタエリスリトールのテトラベヘニン酸エステル等がある。なお、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス等の合成ワックスも併用して用いることができる。
本発明のトナーは、特定の製造方法に依らず極めて一般的な製造方法に依って得る事ができるが、例えば樹脂と着色剤とを、樹脂の融点(軟化点)以上で溶融混練した後、粉砕し、分級することにより得ることが出来る。
具体的には例えば、上記の樹脂と着色剤とを必須成分として、2本ロール、3本ロール、加圧ニーダー、又は2軸押し出し機等の混練手段により混合する。この際、樹脂中に、着色剤が均一に分散すればよく、その溶融混練の条件は特に限定されるものではないが、通常80〜180℃で30秒〜2時間である。着色剤は樹脂中に均一に分散するようにあらかじめフラッシング処理、あるいは樹脂と高濃度で溶融混練したマスターバッチを用いても良い。
次いで、それを冷却後、ジェットミル等の粉砕機で微粉砕し、風力分級機等により分級するという方法が挙げられる。
トナー母体を構成する粒子の平均粒径は、特に制限されないが、通常5〜15μmとなる様に調整される。
通常、この様にして得られたトナー母体に対しては、外添剤が、例えばヘンシェルミキサー等の混合機を用いて混合される。
外添剤は、例えばトナーの流動性向上、帯電特性改良などトナー母体の表面改質のために用いられるもので、二酸化珪素、酸化チタン、アルミナ等の無機微粉体及びそれらをシリコーンオイルなどの疎水化処理剤で表面処理したもの、樹脂微粉体等が用いられる。
シリカとしては、二酸化珪素のうちで疎水性等を有するものが挙げられ、二酸化珪素を各種のポリオルガノシロキサンやシランカップリング剤等で表面処理したものが挙げられる。例えば、次のような商品名で市販されているものがある。
AEROSIL R972,R974,R202,R805,R812,
RX200,RY200、 R809,RX50,
RA200HS,RA200H 〔日本アエロジル(株)〕
WACKER HDK,H2000,H2050EP,
HDK H3050EP,HVK2150
〔ワッカーケミカルズイーストアジア(株)〕
Nipsil SS−10,SS−15,SS−20,SS−50,
SS−60,SS−100、SS−50B,SS−50F,
SS−10F,SS−40,SS−70,SS−72F
〔日本シリカ工業(株)〕
CABOSIL TG820F 〔キャボット・スペシャルティー・ケミカルズ・インク〕
また、外添剤の使用割合はトナー母体に対して、通常0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜3重量%である。
これらのシリカは、異なる平均粒子径の2種以上を併用してもよい。また、シリカの使用割合はトナー母体に対して、通常0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜3重量%である。
本発明の静電荷像現像剤は、着色樹脂粒子を含むトナーと、キャリア芯材表面に抵抗制御剤を含有する樹脂層を有し、該樹脂層がその厚み方向に抵抗制御剤の濃度勾配を持ち、該キャリア芯材近傍において抵抗制御剤濃度が最も高く、該樹脂層の表面に向かう程低くなり、更に該樹脂層の表面に該抵抗制御剤が存在する磁性キャリアとからなる。
本発明に用いられるキャリアのコア剤は通常の二成分現像方式に用いられる鉄粉、マグネタイト、フェライト等が使用できるが、中でも真比重が低く、高抵抗であり、環境安定性に優れ、球形にし易いため流動性が良好なフェライト、またはマグネタイトが好適に用いられる。コア剤の形状は球形、不定形等、特に差し支えなく使用できる。平均粒径は一般的には10〜500μmであるが、高解像度画像を印刷するためには30〜80μmが好ましい。
また、これらのコア剤を被覆するコーティング樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテルポリビニルケトン、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、スチレン/アクリル共重合体、オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコン樹脂あるいはその変性品、フッ素樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、フェノール樹脂、アミノ樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、アミド樹脂、エポキシ樹脂等が使用できる。これらの中でも、特にシリコン樹脂、フッ素樹脂、(メタ)アクリル樹脂が帯電安定性、被覆強度等に優れ、より好適に使用し得る。つまり本発明で用いられる樹脂被覆キャリアは、コア剤としてフェライト、あるいはマグネタイトを用い、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、(メタ)アクリル樹脂から選ばれる1種以上の樹脂で被覆された樹脂被覆磁性キャリアであることが好ましい。被覆樹脂としては特にシリコーン樹脂が好ましい。
上記の樹脂中に分散させる抵抗制御剤としては、アセチレンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック、SiC、TiC、等の金属炭化物、BN、NbN、TiN等の金属窒化物、MoB、CrB、TiB2等の金属ホウ化物、ZnO、PiO2、SnO2等の金属酸化物、Al、Ni等の金属微粉末を用いることができる。上記抵抗制御剤の数平均径は0.01〜5μm、好ましくは0.05〜3μm程度が適当である。これは、透過型電子顕微鏡により測定される。
特に上記の中でもカーボンブラックが好ましく、DBP吸油量が300cm3/100g以上のカーボンブラックが最も好ましい。そのような例としてはケッチェンブラックEC、ケッチェンブラックEC600JD(ケッチェンブラックインターナショナル製)が市販品としてある。
また、本発明に用いるキャリアは、キャリア芯材表面に抵抗制御剤を含有する樹脂層を有し、該樹脂層がその厚み方向に抵抗制御剤の濃度勾配を持ち、該キャリア芯材近傍において抵抗制御剤濃度が最も高く、該樹脂層の表面に向かう程低くなり、更に該樹脂層の表面に該抵抗制御剤が存在する磁性キャリアであるが、樹脂層の厚み方向に抵抗制御剤の濃度勾配を持たせるようにする方法としては特に限定されるものではない。
好ましい方法としては、キャリア芯材表面に抵抗制御剤を5重量%〜30重量%含む樹脂層を厚さ0.1μm〜2.0μmになるように設け、順次抵抗制御剤濃度が低くなるように調整した樹脂層を設け、最上層に抵抗制御剤が0.5重量%〜20重量%含む樹脂層を厚さ0.1μm〜2.0μmになるように設ける方法である。樹脂層の数としては2層〜4層が最も好ましい。キャリア表面への被覆層全体の厚さは、通常0.1〜5.0μmである。
キャリア芯材表面への抵抗制御剤を含む樹脂の被覆方法は特に手段を選ぶものではないが、抵抗制御剤を含む被覆樹脂の溶液中に浸漬する浸漬法、被覆樹脂溶液をキャリア芯材表面へ噴霧するスプレー法、あるいはキャリアを流動エアーにより浮遊させた状態で噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリア芯材と被覆樹脂溶液を混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法などが挙げられる。
被覆樹脂溶液中に使用される溶剤は被覆樹脂を溶解するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等が使用できる。
着色樹脂粒子を含むトナーと、樹脂被覆磁性キャリアとの重量割合は特に制限されるものではないが、通常キャリア100重量部当たり、トナー0.5〜15重量部である。
次に本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下の実施例及び比較例中、「%」は特に明記しない限り「重量%」を表す。
(樹脂合成例1)
テレフタル酸 2.0モル部
イソフタル酸 2.5モル部
トリメリット酸 0.5モル部
ポリオキシエチレン−(2.0)−2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン 4.0モル部
エチレングリコール 1.2モル部
を攪拌器、コンデンサー、温度計をセットした四つ口フラスコに入れ、窒素ガス気流下、全酸成分に対して0.07重量部のジブチル錫オキサイドを添加し、脱水縮合により生成した水を除去しながら、220℃にて15時間反応させた。得られたポリエステル樹脂の環球式軟化点測定法による軟化温度は155℃、DSC法によるTgは62℃、酸価は10であった。
(樹脂合成例2)
下記の原料を用いて樹脂合成例1と同様な方法にて樹脂合成例2のポリエステル樹脂を製造した。
テレフタル酸 2.5モル部
イソフタル酸 2.5モル部
トリメチロールプロパン 0.5モル部
ポリオキシエチレン−(2.0)−2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン 3.5モル部
エチレングリコール 1.0モル部
得られた樹脂の環球式軟化点測定法による軟化温度は150℃、DSC法によるTgは61℃、酸価は6であった。
(樹脂合成例3)
スチレン 320重量部
ブチルアクリレート 60重量部
メタアクリル酸 20重量部
アゾビスイソブチロニトリル 4重量部
キシレン 600重量部
を丸底フラスコに投入し、窒素ガス雰囲気中で80℃、約10時間反応させた後、130℃迄加温し重合を終了した。その後、アルミニウムイソプロポキシド12重量部を添加し、約1時間反応させた後、180℃迄加温すると共に真空ポンプにて0.5mmHg迄減圧して溶剤を除去した。
得られたキレート架橋型スチレンアクリル樹脂の環球式軟化点測定法による軟化温度は145℃、DSC法によるTgは61℃、酸価は5であった。
(トナー実施例1)
樹脂合成例1の樹脂 92重量部
カーボンブラック 5重量部
「モーガルL(キャボット・スペシャルティー・ケミカルズ・インク製)」
ビスコール550P(三洋化成製) 2重量部
帯電制御剤(正帯電制御剤)
「ボントロンN-07(オリエント化学工業(株)製)」 1.5重量部
「4級アンモニウム塩化合物(2−1) 」 1.5重量部
をヘンシェルミキサーで混合し、2軸混練機で混練する。このようにして得た混練物を粉砕、分級して体積平均粒子径10.1ミクロンの「トナー原体A」を得た。
・上記「トナー原体A」 100重量部
・シリカHDK3050EP(ワッカーケミカルズ(株)) 1重量部
をヘンシェルミキサーで混合の後、篩いを通してトナーAを得た。
(トナー実施例2)
樹脂合成例3の樹脂 92重量部
カーボンブラック 5重量部
「モーガルL(キャボット・スペシャルティー・ケミカルズ・インク製)
ビスコール550P(三洋化成(株)製) 2重量部
帯電制御剤(正帯電制御剤)
「ボントロンN-07(オリエント化学工業(株)製)」 1.5重量部
「4級アンモニウム塩化合物(3−1) 」 1.5重量部
をヘンシェルミキサーで混合し、2軸混練機で混練する。このようにして得た混練物を粉砕、分級して体積平均粒子径10.1ミクロンの「トナー原体B」を得た。
・上記「トナー原体B」 100重量部
・シリカHDK3050EP(ワッカーケミカルズ(株)) 1重量部
をヘンシェルミキサーで混合の後、篩いを通してトナーBを得た。
(キャリア実施例1)
平均粒径100μmのフェライト粒子10000部に、シリコーン系樹脂(トーレシリコン社SR2410:固形分20%)400部に対しカーボンブラック(ケッツエンブラックEC600DJ(ケッチェンブラックインターナショナル(株))13部を混合し、流動層式スプレーコーティングし、直ちにシリコーン系樹脂(トーレシリコン社SR2410:固形分20%)100部に対しカーボンブラック(ケッツエンブラックEC600DJ(ケッチェンブラックインターナショナル(株))2部を混合し、流動層式スプレーコーティングし、これを250度で2時間焼き付きを行い、キャリアCを得た。
(キャリア実施例2)
平均粒径100μmのフェライト粒子10000部に、シリコーン系樹脂(トーレシリコン社SR2410:固形分20%)350部に対しカーボンブラック(ケッツエンブラックEC600DJ(ケッチェンブラックインターナショナル(株))12部を混合し、流動層式スプレーコーティングし、直ちにシリコーン系樹脂(トーレシリコン社SR2410:固形分20%)100部に対しカーボンブラック(ケッツエンブラックEC600DJ(ケッチェンブラックインターナショナル(株))2.5部を混合し、流動層式スプレーコーティングし、直ちにシリコーン系樹脂(トーレシリコン社SR2410:固形分20%)50部に対しカーボンブラック(ケッツエンブラックEC600DJ(ケッチェンブラックインターナショナル(株))1部を混合し、流動層式スプレーコーティングし、これを250度で2時間焼き付きを行い、キャリアDを得た。
(キャリア実施例3)
平均粒径100μmのフェライト粒子10000部に、シリコーン系樹脂(トーレシリコン社SR2410:固形分20%)400部に対しカーボンブラック(ケッツエンブラックEC600DJ(ケッチェンブラックインターナショナル(株))17部を混合し、流動層式スプレーコーティングし、直ちにシリコーン系樹脂(トーレシリコン社SR2410:固形分20%)100部に対しカーボンブラック(ケッツエンブラックEC600DJ(ケッチェンブラックインターナショナル(株))1.7部を混合し、流動層式スプレーコーティングし、これを210度で2時間焼き付きを行い、キャリアEを得た。
(キャリア比較例1)
平均粒径100μmのフェライト粒子10000部に、シリコーン系樹脂(トーレシリコン社SR2410:固形分20%)500部に対しカーボンブラック(ケッツエンブラックEC600DJ(ケッチェンブラックインターナショナル(株))10部を混合し、流動層式スプレーコーティングし、これを250度で2時間焼き付きを行い、キャリアFを得た。
(キャリア比較例2)
平均粒径100μmのフェライト粒子10000部に、シリコーン系樹脂(トーレシリコン社SR2410:固形分20%)500部に対しカーボンブラック(ケッツエンブラックEC600DJ(ケッチェンブラックインターナショナル(株))16.3部を混合し、流動層式スプレーコーティングし、これを250度で2時間焼き付きを行い、キャリアGを得た。
(キャリア比較例3)
平均粒径100μmのフェライト粒子10000部に、シリコーン系樹脂(トーレシリコン社SR2410:固形分20%)500部に対しカーボンブラック(ケッツエンブラックEC600DJ(ケッチェンブラックインターナショナル(株))8.5部を混合し、流動層式スプレーコーティングし、これを210度で2時間焼き付きを行い、キャリアHを得た。
(キャリア比較例4)
平均粒径100μmのフェライト粒子10000部に、シリコーン系樹脂(トーレシリコン社SR2410:固形分20%)400部に対しカーボンブラック(ケッツエンブラックEC600DJ(ケッチェンブラックインターナショナル(株))13部を混合し、流動層式スプレーコーティングし、直ちにシリコーン系樹脂(トーレシリコン社SR2410:固形分20%)100部を混合し、流動層式スプレーコーティングし、これを250度で2時間焼き付きを行い、キャリアIを得た。
<現像剤の調整>
・上記トナーA 5重量部
・キャリアC(シリコン樹脂被覆フェライトキャリア) 95重量部
を混合攪拌して「現像剤実施例1」を調整した。
以下同様に表1の配合にて実施例1〜3、及び比較例1〜4を製造した。
Figure 0004793670
上記実施例及び比較例で得られた現像剤について、印刷テストを以下の通り行った。
(印刷テスト)市販のレーザービームプリンター(セレン感光体搭載:現像速度20m/分)を用いて連続プリントによる印字品質を評価すると共に、現像剤の帯電量を測定した。なお、帯電量はブローオフ帯電量測定機で測定した。画像濃度はマクベス濃度計RD−918で測定、地汚れは白地部濃度からプリント前白紙濃度を差し引いて求めた。
以上の評価結果を表に2示す。
表2.評価結果
Figure 0004793670
表中の表示は次の通り。
*「帯電量」; μC/g
*「地汚れ評価」○:0.01未満、△:0.01〜0.03未満,ラ:0.03以上
表2から明らかなように、本発明による樹脂と着色剤とからなる静電荷像用トナーとキャリア芯材表面に抵抗制御剤を含有する樹脂層を有するキャリアとからなり、該キャリアの樹脂層がその厚み方向に抵抗制御剤の濃度勾配を持ち、該樹脂層の表面に向かう程抵抗制御剤濃度が低くなり、しかも該樹脂層の表面に抵抗制御剤が存在することを特徴とする静電荷像現像剤は、耐刷試験での帯電量、及び画像濃度が一定であり、かつ地汚れが少ないものになっている。

Claims (5)

  1. 結着樹脂と着色剤と帯電制御剤を含有する静電荷像現像用トナーと、キャリア芯材表面にカーボンブラックからなる抵抗制御剤を含有する樹脂層を有するキャリア、とからなる静電荷像現像剤を用いた画像形成方法であって、前記樹脂層の樹脂はシリコーン樹脂であり、該樹脂層が抵抗制御剤含有濃度の異なる2層以上の層からなり、その厚み方向に抵抗制御剤の濃度勾配を持ち、該キャリア芯材表面に形成される層において抵抗制御剤濃度が最も高く、該樹脂層の表面に向かう程低くなり、更に該樹脂層の最上層の表面に該抵抗制御剤が存在し、キャリア心材表面に前記抵抗制御剤を5〜30重量%含有する層を0.1〜2.0μm設け、最上層に前記抵抗制御剤を0.5〜20重量%含有する層を0.1〜2.0μm設け、かつ前記帯電制御剤として、ニグロシン系染料と4級アンモニウム塩化合物を併用し、現像速度が20m/分以上であることを特徴とする画像形成方法。
  2. 前記静電荷像現像用トナーの該着色剤が、カーボンブラックである請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 前記静電荷像現像用トナーは、バインダー樹脂に対して0.3〜15重量部のワックスを含有する請求項1または2に記載の画像形成方法。
  4. 前記静電荷像現像用トナーに用いられる結着樹脂はポリエステル樹脂である請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  5. 前記静電荷像現像用トナーに用いられる結着樹脂は、スチレン−(メタ)アクリル酸エステルの共重合体樹脂である請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成方法。
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