JP2018048616A - エンジン - Google Patents

エンジン Download PDF

Info

Publication number
JP2018048616A
JP2018048616A JP2016185647A JP2016185647A JP2018048616A JP 2018048616 A JP2018048616 A JP 2018048616A JP 2016185647 A JP2016185647 A JP 2016185647A JP 2016185647 A JP2016185647 A JP 2016185647A JP 2018048616 A JP2018048616 A JP 2018048616A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
crankshaft
engine
balancer shaft
balancer
balance mass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016185647A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6866996B2 (ja
Inventor
満 石川
Mitsuru Ishikawa
満 石川
秀高 茅沼
Hidetaka Kayanuma
秀高 茅沼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ishikawa Energy Research Co Ltd
Original Assignee
Ishikawa Energy Research Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ishikawa Energy Research Co Ltd filed Critical Ishikawa Energy Research Co Ltd
Priority to JP2016185647A priority Critical patent/JP6866996B2/ja
Priority to CN201710858539.4A priority patent/CN107869388B/zh
Publication of JP2018048616A publication Critical patent/JP2018048616A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6866996B2 publication Critical patent/JP6866996B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B75/00Other engines
    • F02B75/16Engines characterised by number of cylinders, e.g. single-cylinder engines
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B75/00Other engines
    • F02B75/16Engines characterised by number of cylinders, e.g. single-cylinder engines
    • F02B75/18Multi-cylinder engines
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16FSPRINGS; SHOCK-ABSORBERS; MEANS FOR DAMPING VIBRATION
    • F16F15/00Suppression of vibrations in systems; Means or arrangements for avoiding or reducing out-of-balance forces, e.g. due to motion
    • F16F15/22Compensation of inertia forces
    • F16F15/26Compensation of inertia forces of crankshaft systems using solid masses, other than the ordinary pistons, moving with the system, i.e. masses connected through a kinematic mechanism or gear system
    • F16F15/262Masses attached to pinions, camshafts or driving shafts for auxiliary equipment, e.g. for an oil pump

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Acoustics & Sound (AREA)
  • Aviation & Aerospace Engineering (AREA)
  • Shafts, Cranks, Connecting Bars, And Related Bearings (AREA)

Abstract

【課題】クランクシャフトの変動トルクに起因した振動を低減することができるエンジンを提供する。【解決手段】本発明のエンジン10は、一次慣性力を抑制するためにクランクシャフト14にバランスマス28を形成し、バランサギア23にバランスマス21を形成している。更に、バランサシャフト15周りの慣性モーメントを、クランクシャフト14周りの慣性モーメントに近似させることで、クランクシャフト14の変動トルクを相殺し、エンジン10の更なる制振化を図ることが出来る。【選択図】図8

Description

本発明は、振動を低減するための機構を内蔵するエンジンに関する。特に本発明は、クランクシャフトの変動トルクに起因した振動を低減するエンジンに関する。
一般的なエンジンでは、ガソリン等の燃料を爆発させることでピストンを往復運動させ、この往復運動をクランクシャフトで回転運動に変換し、クランクシャフトに接続する駆動軸から回転トルクを外部に取り出している。このようなエンジンは、レシプロエンジンとも称されている。
上記した構成のエンジンを運転すると、ピストンの往復運動およびクランクシャフトの回転運動等に起因して振動が発生するため、この振動を抑制するためにエンジンの内部にバランサシャフトが内蔵されていることがある。所謂偏心シャフトであるバランサシャフトが、クランクシャフトと共に回転することで、クランクシャフトから発生する振動を低減することが出来る。
下記特許文献1にはエンジンのバランサ装置が記載されている。ここでは、エンジンのクランクケースの内部に、フライホイルが設けられたバランサシャフトが配設されており、このバランサシャフトは歯車を介してクランクシャフトに連結している。また、バランサシャフトには、バランスウェイトが形成されている。これにより、クランクシャフトと共に、バランサシャフトが回転することで、エンジンの振動が低減する効果を奏している。
特開2000−248960号公報
しかしながら、上記したバランサシャフトを有するエンジンでは、エンジンが駆動することで発生する一次慣性力を抑制する効果は奏していたが、エンジンの回転変動による変動トルクに起因した振動までも除去するものではなかった。
具体的には、レシプロ型のエンジンでは、ピストンの往復運動をクランクシャフトで回転運動に変換しているが、ピストンが往復運動する速度は一定ではなく変動するので、ピストンにより回転するクランクシャフトの回転速度も変動することとなる。このことから、エンジンの内部にバランサシャフトを配置することで、エンジンにより発生する一次慣性起振力を除去することは可能となるが、クランクシャフトのトルクが時間的に変動することに伴う振動まで除去することは簡単ではない課題があった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、一次慣性起振力を除去すると共に、クランクシャフトの変動トルクに起因した振動をも低減することができるエンジンを提供することにある。
本発明のエンジンは、シリンダの内部で往復運動するピストンと、前記ピストンの前記往復運動を回転運動に変換すると共に、クランクギアが取り付けられたクランクシャフトと、一端側が前記ピストンに回転可能に連結され、他端側が前記クランクシャフトに回転可能に連結されたコネクティングロッドと、前記クランクギアと互いに噛み合うバランサギアが取り付けられ、前記クランクシャフトと反対方向に同期して回転することで、前記クランクシャフトから発生する振動を低減するバランサシャフトと、を具備し、前記クランクシャフトには、クランクピンとの位相角が180度となる箇所に第1バランスマスが形成され、前記バランサシャフト周りには、前記第1バランスマスに対して対称的な位置に第2バランスマスが形成され、前記バランサシャフト周りの慣性モーメントを、前記クランクシャフト周りの慣性モーメントに近似させることを特徴とする。
また、本発明のエンジンでは、前記バランサシャフトから連続して外部に導出する駆動シャフトで、外部の負荷を駆動することを特徴とする。
また、本発明のエンジンでは、前記バランサシャフトと接続された前記駆動シャフトに取り付けられるフライホイルとを更に具備することを特徴とする。
また、本発明のエンジンでは、1つの前記シリンダおよび前記ピストンを備えることを特徴とする。
また、本発明のエンジンでは、直列に配置された複数の前記シリンダおよび前記ピストンを有することを特徴とする。
本発明のエンジンは、シリンダの内部で往復運動するピストンと、前記ピストンの前記往復運動を回転運動に変換すると共に、クランクギアが取り付けられたクランクシャフトと、一端側が前記ピストンに回転可能に連結され、他端側が前記クランクシャフトに回転可能に連結されたコネクティングロッドと、前記クランクギアと互いに噛み合うバランサギアが取り付けられ、前記クランクシャフトと反対方向に同期して回転することで、前記クランクシャフトから発生する振動を低減するバランサシャフトと、を具備し、前記クランクシャフトには、クランクピンとの位相角が180度となる箇所に第1バランスマスが形成され、前記バランサシャフト周りには、前記第1バランスマスに対して対称的な位置に第2バランスマスが形成され、前記バランサシャフト周りの慣性モーメントを、前記クランクシャフト周りの慣性モーメントに近似させることを特徴とする。従って、本発明では、クランクシャフトおよびバランサシャフト周りに第1バランスマスおよび第2バランスマスを形成することで一次慣性力を低減している。更に、バランサシャフト周りの慣性モーメントを、クランクシャフト周りの慣性モーメントに近似させることで、ピストンが往復運動することにより生じるクランクシャフトの変動トルクを減少させることが出来る。従って、エンジンの制震化を高いレベルで実現している。
また、本発明のエンジンでは、前記バランサシャフトから連続して外部に導出する駆動シャフトで、外部の負荷を駆動することを特徴とする。従って、外部の負荷が有する慣性モーメントを、バランサシャフト周りの慣性モーメントとして用いることで、エンジンの内部に形成されるバランサシャフト周りの部品が大型化してしまうことを抑制することが出来る。
また、本発明のエンジンでは、前記バランサシャフトと接続された前記駆動シャフトに取り付けられるフライホイルとを更に具備することを特徴とする。従って、比較的重量が大きいフライホイルを、バランサシャフト周りの慣性モーメントとして用いることで、エンジンの内部に形成されるバランサシャフト周りの部品が大型化してしまうことを抑制することが出来る。
また、本発明のエンジンでは、1つの前記シリンダおよび前記ピストンを備えることを特徴とする。従って、1つのピストンを有する単気筒エンジンの場合は、ピストンおよびクランクシャフトから生じる振動等は大きくなる傾向にあるが、本発明の構成により、その振動等を低減することができる。
また、本発明のエンジンでは、直列に配置された複数の前記シリンダおよび前記ピストンを有することを特徴とする。従って、直列多気筒エンジンで発生する振動を、本発明の構成にて効率的に低減することが出来る。
本発明の実施形態に係るエンジンを示す断面図である。 本発明の実施形態のエンジンに係る等価力学系を示す図である。 本発明の実施形態に係るエンジンのクランクシャフトを示す図である。 本発明の実施形態のエンジンに係る等価力学系を示す図である。 本発明の実施形態のエンジンに係る等価力学系を示す図である。 本発明の実施形態のエンジンを示す図であり、(A)は等価力学系を示す図であり、(B)はクランクシャフトとバランサシャフトを示す平面図である。 本発明の実施形態のエンジンの一次慣性力を示す図であり、(A)はクランクシャフトにバランスマスを形成しない場合を示し、(B)はクランクシャフトにバランスマスを形成した場合を示し、(C)はクランクシャフトおよびバランサシャフトにバランスマスを形成した場合を示している。 本発明の実施形態に係るエンジンを示す図であり、(A)および(B)はエンジンの構成を示す平面図である。
以下、図を参照して本形態のエンジン10の構成を説明する。以下の説明では、同一の構成を有する部位には同一の符号を付し、繰り返しの説明は省略する。また、以下の説明において、X方向はピストン12が往復運動する方向であり、Y方向は上方から見てピストン12の中心を通過してX方向と直交する方向であり、Z方向はクランクシャフト14の回転軸に沿う方向である。
図1を参照して、本形態のエンジン10の概略構成を説明する。図1は、エンジン10の内部を示す断面図である。ここに示すエンジン10は、所謂4サイクル単気筒エンジンであり、シリンダ11の内部で上下方向に沿って往復運動を行うピストン12と、ピストン12の往復運動を回転運動に変換するクランクシャフト14と、ピストン12およびクランクシャフト14に回転可能に連結されたコネクティングロッド13と、エンジン10の振動を抑制するバランサシャフト15と、を主要に具備している。エンジン10は、吸気行程、圧縮行程、膨張行程および排気行程を繰り返すことで、クランクシャフト14およびバランサシャフト15を回転させる。また、エンジン10は、シリンダ11に導入された混合気に着火するためのスパークプラグ、シリンダ11に空気を導入するためのバルブ、このバルブを駆動するためのバルブ駆動機構等を有している。
クランクシャフト14とバランサシャフト15とは、クランクギア22およびバランサギア23を介して駆動的に接続されており、バランサシャフト15が回転する方向は、クランクシャフト14が回転する方向とは逆である。また、後述するように、本形態では、エンジン10の出力トルクをバランサシャフト15から外部に取り出しており、このようにすることで、クランクシャフト14の変動トルクに起因する振動を低減する効果を得られる。
本形態では、上記した構成を有するエンジン10が運転される際に発生する振動を抑制するために、ピストン12およびクランクシャフト14からなる機構の動きに伴い発生する慣性力を以下のように検証している。
先ず、単気筒エンジンを構成する主要な構成要素であるピストン12、クランクシャフト14およびコネクティングロッド13に分けて、これらの慣性力を説明する。
図2は本形態のエンジン10の等価力学系を示す図である。この図を参照して、ピストン12のX方向に沿う変位は以下の式で記述することができる。
X=Rcosθ+Lcosφ
=R{cosθ+(L/ρ)cosφ}
=R{cosθ+(L/ρ)(1−ρsin2θ)0.5
尚、この式では、Lはコネクティングロッド13の長さを示し、Rはクランクシャフト14のクランク半径を示し、ρはクランク半径Rをコネクティングロッド13の長さLで除算した値であり、Xはピストン12の変位であり、ωはクランクシャフト14の回転速度であり、θはクランクシャフト14の回転角であり、φはコネクティングロッド13のX軸に対する傾斜角である。
ここで、上記式に含まれる(1−ρsin2θ)0.5を級数展開してρ以上の項を無視すると以下の式となる。
X=R{1/ρ−ρ/4+cosθ+(ρ/4)cos2φ}
ここで速度dx/dtおよび加速度dx/dtは以下のようになる。
dx/dt=−Rω{sinθ+(ρ/2)sin2θ}
x/dt=−Rω(cosθ+ρcos2θ)
上記のことから、X方向においてピストン12に作用する慣性力は以下のようになる。
XP=−Mx/dt=MRω(cosθ+ρcos2θ)
図3を参照して、次に、クランクシャフト14に作用する慣性力を説明する。クランクシャフト14は、半径方向に伸びるクランクアーム18と、クランクアーム18の外側端部に取り付けられるクランクピン16とを有している。半径方向においてクランクシャフト14に作用する慣性力FrCは次式で記述できる
rC=McpRω+2Mcacaω
=MRω
但し、M=Mcp+2(Rca/R)Mca
ここで、Mcpはクランクピン16の質量であり、Mcaはクランクアーム18の質量であり、Mはクランク等価質量であり、Rcaはクランクアーム18の重心の軸からの距離である。
図4を参照して、次に、コネクティングロッド13に作用する運動エネルギTは以下の式で記述される。
T=MR1(dx/dt)/2+MR2(Rdθ/dt)/2+I(dφ/dt)/2
また、MR1=(B/L)M、MR2=(A/L)M、I=I−ABM である。
ここで、Aはコネクティングロッド13の重心Gとピストン12との間の距離を示し、Bはコネクティングロッド13の重心Gとクランクピン16との間の距離を示し、MR1はコネクティングロッド13の往復質量を示し、MR2はコネクティングロッド13の回転質量を示し、Mはコネクティングロッド13の質量を示し、Ieはコネクティングロッド13の等価慣性モーメントを示し、Iはコネクティングロッド13の重心周り慣性モーメントを示している。
運動エネルギTを算出する上記式において、第1項はピストン12と同一速度で運動する質点MR1のX方向往復運動を示し、第2項はクランクピン16と同一速度で運動する質点MR2の円運動を示し、第3項は慣性モーメントLの回転運動を示している。
図5は、以上の検討から導き出される単気筒エンジンの等価力学系を示している。単気筒エンジンの往復質量Mおよび往復質量Mは次式で記述される。
=M+MR1
=M+MR2
ここで、コネクティングロッド13の等価慣性モーメントIeによる回転成分を微小として無視すれば、慣性力の往復成分Fおよび回転成分Fは以下のように記述される。
=MRω(cosθ+ρcos2θ)
=MRω
上記の慣性力をX方向成分FおよびY方向Fに分解すると以下のようになる。
=F+Fcosθ
=Rω{(M+M)cosθ+ρMcos2θ}
=Fsinθ
=MRωsinθ
次に、クランクシャフト14にバランスマス28(第1バランスマス)を取り付ける事項に関して説明する。
この図5を参照して、本形態では、クランクシャフト14が回転することで発生する一次慣性力を減少させるために、クランクシャフト14にバランスマス28を取り付けている。
クランクシャフト14に質量がMのバランスマス28を取り付けた場合、慣性力のX方向成分FおよびY方向Fは以下の式で記述される。
=MRωcosθ+MRωcosθ+MRωcos(θ−β)
=MRωsinθ+MRωsin(θ−β)
ここで、上記した位相角βを180度とし、Mを(1/2)M+Mとすれば、上記した回転質量分はキャンセルされ、以下に示すように往復質量由来のX方向およびY方向の慣性力により、慣性力楕円は最小半径の真円形状となる。
=(1/2)MRωcosθ
=−(1/2)MRωsinθ
図6(A)を参照して、本形態では、エンジン10の一次慣性力を更に除去するために、バランサシャフト15周りにバランスマス21(第2バランスマス)を形成している。ここでは、バランサシャフト15に、クランクシャフト14と同一の形状および質量を有する仮想的な仮想クランクシャフト24を形成した場合を示している。仮想クランクシャフト24は、ギアの歯合などによりクランクシャフト14と駆動的に連結されており、クランクシャフト14と同じ回転速度で逆方向に回転する。
上記したように、バランスマス28の質量は、(1/2)M+Mであり、クランクピン16との位相角βは180度である。一方、仮想クランクシャフト24に形成されるバランスマス21の質量は(1/2)Mとされている。クランクシャフト14に形成されるバランスマス28と、仮想クランクシャフト24に形成されるバランスマス21との位置関係は対称的とされている。具体的には、バランスマス28とバランスマス27との位置関係は、クランクシャフト14の回転中心と仮想クランクシャフト24の回転中心との中央に垂直に規定された仮想線30に対して線対称となっている。
ここで、上記したバランスマス28は紙面ではクランクシャフト14の外周部に形成されているが、これは模式的に重心位置を示しているものである。実際には、バランスマス28は、クランクシャフト14の半径方向における中間部分に一定の分布を持って形成される。係る事項は、仮想クランクシャフト24に形成されるバランスマス21に関しても同様である。
このように、バランサシャフト15に仮想クランクシャフト24を規定し、この仮想クランクシャフト24の所定箇所にバランスマス21を形成することで一次慣性力を相殺することができる。具体的には、クランクシャフト14に質量(1/2)M+Mのバランスマス28を形成することにより残存する一次慣性力FとFに対し、仮想クランクシャフト24のバランスマス21による慣性力は大きさが等しく方向が反対となっていることから、X方向およびY方向の一次慣性力をすべて除去することができる。
図6(B)参照して、上記した低振動対策が施されたエンジン10の構成を説明する。この図はエンジン10のクランクシャフト14およびバランサシャフト15等を上方から見た図である。
エンジン10の内部には、クランクシャフト14の回転軸と、バランサシャフト15の回転軸が、互いに平行となるように配置されている。
クランクシャフト14には、質量が(1/2)M+Mのバランスマス28が形成されている。Y軸に関して対称に2つの等質量なバランスマス28を形成することで、X軸およびY軸周りの慣性偶力を釣り合わせることができる。
バランサシャフト15周りには、バランスマス21が形成されている。バランスマス21は、バランサギア23のみに形成してもよいが、ここでは、バランサシャフト15およびバランサギア23にバランスマス21を形成している。また、バランサシャフト15に形成されるバランスマス21と、バランサギア23に形成されるバランスマス21とは、Y軸に対して線対称と成るように配置されており、このようすることで、Y軸周りの慣性偶力を釣り合わせることができる。
クランクシャフト14に取り付けられているクランクギア22と、バランサシャフト15に取り付けられているバランサギア23は、直径および歯数が同等である。従って、エンジン10を稼働させると、クランクギア22とバランサギア23とは、等しい回転速度で互いに逆方向に回転するようになる。よって、一次慣性力の大部分を除去することができる。
バランサギア23に形成されるバランスマス21は、例えば、バランサギア23を部分的に厚くした肉厚部である。また、バランサギア23に肉薄部または肉抜き部を形成することで、バランスマス21を形成することができる。
図7のグラフを参照して、上記したバランスマス28等をクランクシャフト14に取り付けることによる効果を説明する。このグラフでは、横軸はX軸に沿う一次慣性力の大きさを示し、横軸はY軸に沿う一次慣性力の大きさを示している。
図7(A)はクランクシャフト14にバランスマス28が形成されていない場合の慣性力楕円を示している。この場合は、X方向においても、Y方向においても、一次慣性楕円が大きくなり、エンジン10が稼働することに伴い、大きな振動が発生することになる。
一方、図7(B)はクランクシャフト14にバランスマス28を形成した場合の慣性力楕円を示している。ここでは、上記したβを180度とし、Mを(1/2)M+Mとしている。このようにすることで、一次慣性楕円は、X方向においても、Y方向においても、小さくなり、エンジン10が稼働することに伴い発生する振動が大きく減少している。上記のようにクランクシャフト14の所定箇所に所定質量を有するバランスマス28を形成することで、エンジン10を稼働することで発生する一次慣性力の大部分を除去することができる。
図7(C)に、図6に示したバランスマス28とバランスマス21が設けられたエンジン10で発生する一次慣性力を示す。このグラフに示すように、バランスマス28とバランスマス21が設けられたエンジン10では、X軸においても、Y軸においても、一次慣性力は殆ど発生しない。よって、理論的には、上記のように構成することでエンジン10の振動を極めて小さくすることが出来る。
しかしながら、エンジン10では、シリンダ11の内部で生じる爆発力でピストン12を往復運動させ、この往復運動をクランクシャフト14で回転運動に変換している。従って、クランクシャフト14から外部に出力されるトルクは、時間軸に対して一定ではなく周期的に変動している。特に、1つのみのピストン12を有する単気筒エンジンの場合は、時間軸に対するトルクの変動量が大きくなり、それに伴う振動が生じる。
本形態では、時間軸に対するトルクの変動量を低減するために、バランサシャフト15周りの慣性モーメントを、クランクシャフト14周りの慣性モーメントに近似させ、両者の大きさを同一または略同一としている。このようにすることで、次式で示すように、クランクシャフト14の回転速度が変化することで発生する変動トルクを、バランサシャフト15の回転速度が変化することで発生する逆方向の変動トルクで相殺できる。よって、クランクシャフト14の変動トルクに起因した振動を抑止することが出来る。
CRdω/dt+IBLdω/dt=0
ここで、ICRはクランクシャフト14の慣性モーメントであり、IBLはバランサシャフト15の慣性モーメントである。
一般的に、バランサシャフト15の慣性モーメントは、クランクシャフト14の慣性モーメントよりも小さい。そこで、本形態では、バランサシャフト15周りの慣性モーメントを大きくすることで、クランクシャフト14周りの慣性モーメントに近似させている。バランサシャフト15周りの慣性モーメントを大きくする具体的な構成としては、例えば、図6(B)を参照して、バランサシャフト15を太くする、バランサギア23の幅を長くする、または両者を組み合わせる構成が考えられる。ここで、バランサシャフト15を太くする場合は、バランサシャフト15を偏心的に太くするのではなく、バランサシャフト15を均等に太くする。また、バランサギア23の幅を長くする場合は、バランサギア23の幅を厚み方向に対して均等に長くする。そのようにすることで、一次慣性力の増大を伴うこと無く、バランサシャフト15周りの慣性モーメントを大きくすることが出来る。
また、本形態では、一次慣性力を低減するために、クランクシャフト14にはバランスマス28が形成され、バランサシャフト15周りにはバランスマス21が形成されている。従って、変動トルクに起因した振動を抑止するために、バランスマス21も含めたバランサシャフト15周りの慣性モーメントと、バランスマス28を含めたクランクシャフト14周りの慣性モーメントとを、同一または略同一としている。
図8(A)を参照して、変動トルクを抑止するために、バランサシャフト15周りの慣性モーメントを、クランクシャフト14周りの慣性モーメントに近似させる他の構成を説明する。
ここでは、バランサシャフト15をエンジン10から外部に延出する駆動シャフト33と連結しており、駆動シャフト33の他端が負荷50に連結している。即ち、一般的なエンジンではクランクシャフト14から動力を外部に出力するが、本形態では、クランクシャフト14およびバランサシャフト15を経由して動力を外部に出力している。負荷50としては、例えば発電機である。
このようにすることで、負荷50が有する慣性モーメントを、バランサシャフト15軸周りの慣性モーメントに組み込むことが出来る。即ち、バランサシャフト15、バランサギア23、バランスマス21、駆動シャフト33、および負荷50の慣性モーメントを、クランクシャフト14周りの慣性モーメントと同一または略同一とする。よって、バランサシャフト15周りの慣性モーメントを大きくするために、バランサシャフト15やバランサギア23を過大にする必要がなく、これらを内蔵するエンジン10の大型化を抑止することが出来る。
図8(B)を参照して、上記したエンジン10の他の形態を説明する。ここに示すエンジン10の構成は図8(A)に示したものと基本的には同様であるが、バランサシャフト15に連結する駆動シャフト33にフライホイル26を設けている点が異なる。即ち、バランサシャフト15、バランサギア23、バランスマス21、駆動シャフト33、負荷50、およびフライホイル26の慣性モーメントが、クランクシャフト14周りの慣性モーメントと同一または略同一と成る。
フライホイル26は、エンジン10の回転速度を安定化させるために設けられる部材であるため、比較的大きな慣性モーメントを有している。よって、フライホイル26でバランサシャフト15周りの慣性モーメントを大きくすることで、バランサシャフト15やバランサギア23を過大にする必要がなく、エンジン10の大型化を抑制することができる。
上記した構成のエンジン10は、バイク、自動車等の車両、発電機、コジェネレーション、ガスヒートポンプエアコン等に適用され、これらの機器が有する負荷を駆動するために用いられる。
以上、本発明の実施形態を示したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、図1に示す本形態のエンジン10は単気筒であるが、2以上のシリンダ11およびピストン12を有する2気筒以上のエンジン(直列多気筒エンジン)に対して本形態を適用させることができる。
10 エンジン
11 シリンダ
12 ピストン
13 コネクティングロッド
14 クランクシャフト
15 バランサシャフト
16 クランクピン
18 クランクアーム
21 バランスマス
22 クランクギア
23 バランサギア
24 仮想クランクシャフト
26 フライホイル
27 バランスマス
28 バランスマス
30 仮想線
33 駆動シャフト
50 負荷
G 重心

Claims (5)

  1. シリンダの内部で往復運動するピストンと、
    前記ピストンの前記往復運動を回転運動に変換すると共に、クランクギアが取り付けられたクランクシャフトと、
    一端側が前記ピストンに回転可能に連結され、他端側が前記クランクシャフトに回転可能に連結されたコネクティングロッドと、
    前記クランクギアと互いに噛み合うバランサギアが取り付けられ、前記クランクシャフトと反対方向に同期して回転することで、前記クランクシャフトから発生する振動を低減するバランサシャフトと、を具備し、
    前記クランクシャフトには、クランクピンとの位相角が180度となる箇所に第1バランスマスが形成され、
    前記バランサシャフト周りには、前記第1バランスマスに対して対称的な位置に第2バランスマスが形成され、
    前記バランサシャフト周りの慣性モーメントを、前記クランクシャフト周りの慣性モーメントに近似させることを特徴とするエンジン。
  2. 前記バランサシャフトから連続して外部に導出する駆動シャフトで、外部の負荷を駆動することを特徴とする請求項1に記載のエンジン。
  3. 前記バランサシャフトと接続された前記駆動シャフトに取り付けられるフライホイルとを更に具備することを特徴とする請求項2に記載のエンジン。
  4. 1つの前記シリンダおよび前記ピストンを備えることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載のエンジン。
  5. 直列に配置された複数の前記シリンダおよび前記ピストンを有することを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載のエンジン。
JP2016185647A 2016-09-23 2016-09-23 エンジン Active JP6866996B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016185647A JP6866996B2 (ja) 2016-09-23 2016-09-23 エンジン
CN201710858539.4A CN107869388B (zh) 2016-09-23 2017-09-21 发动机

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016185647A JP6866996B2 (ja) 2016-09-23 2016-09-23 エンジン

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018048616A true JP2018048616A (ja) 2018-03-29
JP6866996B2 JP6866996B2 (ja) 2021-04-28

Family

ID=61761594

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016185647A Active JP6866996B2 (ja) 2016-09-23 2016-09-23 エンジン

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6866996B2 (ja)
CN (1) CN107869388B (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112664432A (zh) * 2020-12-16 2021-04-16 西安交通大学 一种两列立式往复式压缩机倾覆力矩平衡机构

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4851902U (ja) * 1971-10-25 1973-07-06
JPS49129006A (ja) * 1973-04-24 1974-12-10
JPH02117454U (ja) * 1989-03-10 1990-09-20
JP2006038126A (ja) * 2004-07-28 2006-02-09 Toyota Motor Corp 往復動式内燃機関の振動低減装置
US20090277414A1 (en) * 2008-05-09 2009-11-12 Hyundai Motor Company Balancing Assembly of an Engine
JP2013148004A (ja) * 2012-01-19 2013-08-01 Isuzu Motors Ltd 内燃機関とその制御方法

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006057651A (ja) * 2004-08-17 2006-03-02 Yamaha Motor Co Ltd エンジン
CN2793349Y (zh) * 2005-01-08 2006-07-05 杨成元 多功能节能汽油发动机
CN201149065Y (zh) * 2008-01-23 2008-11-12 鄂尔多斯市华泰汽车发动机有限公司 一种内燃机的二阶往复惯性力平衡装置
CN201354825Y (zh) * 2009-02-10 2009-12-02 重庆动源摩托车配件销售有限公司 发动机齿轮降噪装置
DE102010025002A1 (de) * 2010-06-24 2011-12-29 Fev Motorentechnik Gmbh Arbeitsmaschine
CN102418772A (zh) * 2011-07-29 2012-04-18 奇瑞汽车股份有限公司 一种发动机平衡系统模块
CN104595028A (zh) * 2013-10-31 2015-05-06 北汽福田汽车股份有限公司 用于发动机的平衡轴组件及具有其的发动机
CN203949757U (zh) * 2014-06-05 2014-11-19 荣成市华东锻压机床有限公司 压力机飞轮静平衡测试装置
CN105626771A (zh) * 2015-11-04 2016-06-01 宁波吉利罗佑发动机零部件有限公司 一种发动机可变平衡轴系统

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4851902U (ja) * 1971-10-25 1973-07-06
JPS49129006A (ja) * 1973-04-24 1974-12-10
JPH02117454U (ja) * 1989-03-10 1990-09-20
JP2006038126A (ja) * 2004-07-28 2006-02-09 Toyota Motor Corp 往復動式内燃機関の振動低減装置
US20090277414A1 (en) * 2008-05-09 2009-11-12 Hyundai Motor Company Balancing Assembly of an Engine
JP2013148004A (ja) * 2012-01-19 2013-08-01 Isuzu Motors Ltd 内燃機関とその制御方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112664432A (zh) * 2020-12-16 2021-04-16 西安交通大学 一种两列立式往复式压缩机倾覆力矩平衡机构
CN112664432B (zh) * 2020-12-16 2022-10-25 西安交通大学 一种两列立式往复式压缩机倾覆力矩平衡机构

Also Published As

Publication number Publication date
JP6866996B2 (ja) 2021-04-28
CN107869388B (zh) 2021-06-22
CN107869388A (zh) 2018-04-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPWO2008010490A1 (ja) サイクロイド往復動機関並びにこのクランク機構を用いたポンプ装置
KR20090117517A (ko) 2기통 엔진
JP5753343B2 (ja) 遊星歯車複偏心盤を用いた2気筒1クランクピン型多気筒サイクロイド往復動機関
JP5696741B2 (ja) エンジン
RU2769415C1 (ru) Поршневой двигатель внутреннего сгорания с генератором
JPH10220547A (ja) 振動の少ない運動変換機構、内燃機関及びレシプロ型圧縮機
JP6695622B2 (ja) 内燃機関
JP6866996B2 (ja) エンジン
JP2008045516A (ja) 低振動の内燃機関又は圧縮装置
JP5014321B2 (ja) 内燃機関におけるバランス装置
JP2010169045A (ja) 多気筒内燃機関におけるバランス装置
CN101042170B (zh) 活塞式引擎的减振方法
JP2011102602A (ja) 内燃機関におけるバランス装置
US10041563B2 (en) In-line four cylinder engine
JP2007285495A (ja) 内燃機関
JP2005106071A (ja) 動力伝達機構
JP6393209B2 (ja) クランクシャフトの軸受構造
JP7127889B2 (ja) パワーユニット
JPH0223741B2 (ja)
JP6380097B2 (ja) 車両用振動低減装置
JP2019173717A (ja) 内燃機関用の機械式過給機
JP2015224685A (ja) エンジンの振動抑制機構
CN105697651A (zh) 单缸低速柴油机离心平衡装置
KR200352594Y1 (ko) 단기통 엔진의 진동 저감용 크랭크 샤프트
JP2014240690A (ja) 4サイクルのエンジン

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190806

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200623

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200624

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200731

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20200916

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210112

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210212

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210316

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210401

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6866996

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250