JP2018047859A - 収納装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】昇降体が昇降移動する際に周辺部品に対する接触を回避する。【解決手段】コンソールボックス1は、アームレスト11の前部に、カップ収納空間20を開閉するリッド5を備えている。リッド5は、昇降体変位機構19によって上下方向及び前後方向に移動する。昇降体変位機構19は、本体3に対して略水平方向にスライド移動する基体21と、リッド5と基体21とを連結する前後のリンク27,25と、リッド5を上方に向けて付勢するねじりコイルばね33,39とを備える。昇降体変位機構19は、さらにリッド5の閉塞位置から下方への移動を規制するストッパ41と、ストッパ41によるリッド5の下方への移動規制を解除する解除ボタン45とを備える。【選択図】図2

Description

本発明は、昇降体が本体に対して昇降移動する収納装置に関する。
特許文献1の技術は、車両用カップホルダにおいて、トレイをインストルメントパネルの収納口から引き出す際に、昇降体となるサポートが上昇してストッパにより上昇位置が保持される。一方、トレイを収納口内に押し込む際に、ストッパが解除されてサポートが下降する。サポートは、昇降時に上下方向に移動しながら前後(水平)方向に移動する。特許文献2の技術は、昇降体をリンク機構によって昇降させるポップアップ機構において、昇降体は、前後(水平)方向に移動しながら昇降移動する。
特開平10−86735号公報 特開2000−312625号公報
特許文献1,2に記載された技術は、いずれも昇降体が昇降移動する際には、前後(水平)方向の移動が伴う。すなわち、昇降体は、昇降移動と前後(水平)移動とが同時になされる。このため、昇降体は、側方に他の部品が配置されていると、昇降移動時に当該他の部品に接触する恐れがあり、昇降動作に支障を来す。
そこで、本発明は、昇降体が昇降移動する際に周辺部品に対する接触を回避することを目的としている。
本発明は、収納部を備える本体と、前記本体の収納部の上部開口側を開閉する昇降体と、前記昇降体を、前記収納部の上部開口側を閉塞する閉塞位置と開放する開放位置とに変位させる昇降体変位機構と、を備える。前記昇降体変位機構は、前記昇降体を、前記閉塞位置と当該閉塞位置に対して下方に位置する中間位置との間で上下方向に移動させ、かつ、前記中間位置と前記開放位置との間で、前記上下方向に対して交差する水平方向に移動させる機構を備えている。
本発明によれば、昇降体は、閉塞位置と開放位置との間を移動する過程で、閉塞位置と中間位置との間では上下方向にのみ移動するので、本体の上部開口等の周辺部に対する接触を回避でき、昇降動作が円滑に行える。
本発明の一実施形態による昇降体を備えるコンソールボックスの斜視図である。 図1のコンソールボックスにおける昇降体変位機構を含む断面図である。 図2の昇降体変位機構を示す斜視図である。 図3の昇降体変位機構の分解斜視図である。 図3におけるリッド本体の平面図である。 図5に対し、ガイドピンが後退移動した状態を示すリッド本体の平面図である。 (a)は図1のコンソールボックスにおけるアームレストの斜視図、(b)は(a)のA矢視図、(c)は(b)のB−B断面図である。 図2のストッパ周辺を拡大して示す断面図である。 図8に対し、ストッパによるロックを解除した状態を示す動作説明図である。 図2に対し、解除ボタンを操作してストッパによるロックを解除した状態を示す図9と同様の動作説明図である。 図10に対し、リッドが下方に移動して中間位置にある状態を示す動作説明図である。 図11に対し、リッドが下方へ移動しながら後方へ移動した状態を示す動作説明図である。 図12に対し、リッドが後方のアームレスト下部の空間へ移動した状態を示す動作説明図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1、図2に示す本発明の一実施形態に係わる収納装置は、一例として自動車のコンソールボックス1に適用している。コンソールボックス1は、本体3と、本体3に対して昇降移動する昇降体としてのリッド5とを備えている。本体3は、収納空間7を内部に備える箱形状の基部9と、基部9の収納空間7に対して開閉するアームレスト11とを備えている。なお、図1、図2中の矢印FRで示す方向が車両前方であり、以下の説明での「前後」に関しては、特に断りがない限り車両の前後方向とする。
アームレスト11は、例えば後方側に対応する図2中で右側の端部の図示しないヒンジ機構によって、リッド5とともに上下に揺動して収納空間7を開閉する。アームレスト11は、上壁11aと、左右側壁11b,11cと、後壁11dと、前壁11eとを備え、下部が開放する空間11fが形成されている。空間11fは収納空間7に連通している。
アームレスト11の前部には、上壁11aから前壁11eにわたり、平面視で略U字形状に切り欠かれた凹部11gが形成され、凹部11gにリッド5が収容されている。リッド5は、図3に示すように上部が開口している偏平のリッド本体13と、リッド本体13の上部を閉塞するようにして取り付けられる蓋体15とを備えている。蓋体15は、上下方向の厚さt1を有する板状部材であり、アームレスト11の上壁11aの上下方向の厚さt2と略同等である。
リッド5の下方の収納空間7には、カップホルダ17が配置されている。カップホルダ17は、リッド5が図1、図2の閉塞位置から後述する中間位置を経て開放位置となったときに、内部の収納部となるカップ収納空間20の上部開口側が上方に露出し、図示しない飲料の容器などを収納する。
次に、リッド5を本体3に対して昇降移動させる昇降体変位機構19について説明する。
昇降体変位機構19は、図3、図4にも示すように、スライド体としての板状の基体21を備えている。一方、アームレスト11の側壁11b,11cの内面には、前後方向に延在するスライドレール23が左右一対取り付けられている。スライドレール23は、側壁11b,11cに固定されるガイド部23aと、ガイド部23aに対して前後方向に移動する可動部23bとを備えている。可動部23bの先端側の内面に、基体21が取付部21a,21dを介して取り付けられている。
基体21には、後側の後リンク25及び前側の前リンク27を介してリッド本体13が連結されている。後リンク25は、図4に示すように、左右一対のリンク部25aを備え、各リンク部25aは、車幅方向に延びる連結部25bによって互いに連結されて一体化している。リンク部25aの一端25a1は、基体21の後方側の端部付近に形成された左右一対の上方に突出する取付部21bに、連結ピン29を介して回転可能に連結されている。
リンク部25aの他端25a2は、リッド本体13の下方に突出する取付部13aに回転可能に連結ピン31を介して連結されている。下部の連結ピン29には、ねじりコイルばね33が取り付けられている。ねじりコイルばね33は、軸方向二箇所にコイル33aを備え、コイル33a相互間の屈曲部33bがリンク25の連結部25bを上方に向けて押し付けている。ねじりコイルばね33の軸方向両端のピン部33cは、基体21の上面に係止している。これにより、ねじりコイルばね33は、後リンク25を、連結ピン29を中心として図2中で時計回り方向に回転する方向に押し付けており、後リンク25に連結されているリッド5を上方に向けて付勢する付勢手段として機能する。
前リンク27は、平板状に形成され、車幅方向両側の下部に設けた左右一対の取付部27aが、基体21の前方側の端部付近において前方に突出する左右一対の取付部21cに、連結ピン35を介して回転可能に連結されている。前リンク27の車幅方向両側の上部に設けた左右一対の取付部27bは、リッド本体13の前方側において下方に突出する取付部13bに、連結ピン37を介して回転可能に連結されている。
下部の連結ピン35には、ねじりコイルばね39が取り付けられている。ねじりコイルばね39は、軸方向二箇所にコイル39aを備え、コイル39a相互間の屈曲部39bが係止孔27cに係止して前リンク27を上方に向けて押し付けている。ねじりコイルばね39の軸方向両端のピン部39cは、基体21の係止孔21eに係止している。これにより、ねじりコイルばね39は、前リンク27を、連結ピン35を中心として図2中で時計回り方向に回転する方向に押し付けており、前リンク27に連結されているリッド5を上方に向けて付勢する付勢手段として機能する。
後リンク25及び前リンク27と、リッド本体13と、基体21とは、平行リンク機構を構成している。その際、図2の閉塞位置において、後リンク25及び前リンク27と水平面との角度θは90度より大きく設定している。
後リンク25の上部に位置する連結ピン31には、ストッパ41の一端が回転可能に取り付けられている。ストッパ41の一端には、車幅方向に沿って三箇所の連結ピン取付部41aが形成され、連結ピン取付部41aの孔に連結ピン31が挿入される。連結ピン31には、ねじりコイルばね43が取り付けられている。
ねじりコイルばね43は、軸方向二箇所にコイル43aを備え、コイル43a相互間の屈曲部43bが後リンク25の連結部25bの上部に係止し、軸方向両端のピン部43cがストッパ41を下方に向けて押し付けている。これにより、ストッパ41は、ねじりコイルばね43によって、連結ピン31を中心として図2中で反時計回り方向に向けて押し付けられている。
ストッパ41の図2中で下部側の他端には、断面三角形状の係合凹部41bが形成されている。一方、基体21の上面には、上方に向けて突出する断面三角形状の係合部としての係合凸部21dが形成されている。図2に示すように、ストッパ41は、ねじりコイルばね43により反時計回り方向に押し付けられた状態で、係合凹部41bが係合凸部21dに係合してロック状態となり、リッド5の下方への移動を規制する。
図4に示すように、ストッパ41の三箇所の連結ピン取付部41aのうちの中央の連結ピン取付部41aには、図2のように係合凹部41bが係合凸部21dに係合した状態で、上方に向けて突出する規制解除片41cが設けられている。規制解除片41cは、リッド本体13の後部近傍に設けてある矩形状の孔13cからリッド本体13内に突出している。規制解除片41cは、リッド本体13に設けてある解除部としての解除ボタン45を押圧操作することで押圧力を受ける。
解除ボタン45は、リッド本体13の前壁13dに形成してある開口部13d1に配置され、前後方向に延在する略平板形状の押圧部材47の前端部に取り付けられている。押圧部材47は、図2のように係合凹部41bが係合凸部21dに係合した状態で、後端部47aが規制解除片41cの近傍に位置している。
したがって、図2の状態で解除ボタン45を押圧操作すると、押圧部材47を介して規制解除片41cが後方に押し付けられ、規制解除片41cを含むストッパ41が、連結ピン31を中心として図2中で時計回り方向に回転する。ストッパ41の図2中で時計回り方向の回転によって、係合凹部41bが係合凸部21dから離れてロックが解除される。
図3に示すように、押圧部材47は、後端部47aを備える後部47bと、後部47bと解除ボタン45との間に位置する前部47cと、を備え、リッド本体13に設けてある左右のガイド壁13eにガイドされて前後方向に移動する。後部47bの前部47c側には、平面視で矩形状の開口孔47dが形成され、開口孔47dには、図5にも示すように、リッド本体13に設けてあるばね受け49が臨んでいる。ばね受け49の凹部49aには、前部47cから後方に向けて突出するばね挿入ピン51の先端が挿入されている。
ばね挿入ピン51には復帰ばね53が取り付けられている。復帰ばね53は、前部47cの縦壁とばね受け49との間に配置され、前部47cを図5中で左側の前方へ押し付けることで、押圧部材47が前方側(図5中で左側)に押し付けられる。
押圧部材47の前部47cの下側には、車幅方向(図5中で上下方向)に沿って互いに接近離反移動する一対のガイド部材55が設けられている。ガイド部材55は、リッド本体13のガイド壁13eに対して直交する方向に形成されたガイド壁13fに沿ってガイドされる。ガイド部材55は、車幅方向端部にガイドピン55aを備えている。一方、図7に示すように、アームレスト11の左右側壁11b,11cの内面には、ガイドピン55aをガイドするガイド溝11hが形成されている。
ガイド溝11hは、上下方向に延びる縦溝11h1と、縦溝11h1の下部に連続して略水平方向に延びる横溝11h2と、縦溝11h1と横溝11h2とを滑らかにつなぐ円弧溝11h3が形成されている。縦溝11h1には、図7(b)、(c)に示すように、ガイドピン55aが縦溝11h1の上端部付近に挿入された状態で、ガイドピン55aの下方への移動を規制する規制突起11iが形成されている。規制突起11iは、ガイド溝11hの底面からの高さ寸法が、ガイド溝11hの深さ寸法よりも小さい。規制突起11iは、先端面11i1と、先端面11i1の上部に形成されて略水平な上面11i2と、先端面11i1の下部に形成された傾斜面11i3とを備えている。
図5に示すように、ガイドピン55aは、リッド本体13の側壁13gを貫通し、さらに側壁13gの外側に設けてある円筒状のボス部57を貫通して外部に突出し、突出した先端がガイド溝11hに挿入される。
ガイド部材55は、ガイドピン55aと反対側の端部に、ばね保持ピン55bを備えている。各ばね保持ピン55bの端部同士は、一対のガイド部材55同士が図6のように接近した状態であっても、互いに離間している。各ばね保持ピン55bには、一対のガイド部材55を互いに離れる方向に押し付ける圧縮コイルばね59が取り付けられている。
ガイド部材55のばね保持ピン55b近傍の上面には、上方に向けて突出する作動ピン55cが設けられている。一方、押圧部材47の前部47cには、作動ピン55cが挿入される平面視で略直角三角形状のガイド孔47c1が形成されている。
ガイド孔47c1の略直角三角形状における互いに直角な二辺は、前後方向及び車幅方向にそれぞれ延在し、前後方向に延在する長辺の前端部と、車幅方向に延在する短辺の車幅方向外側端部とを斜辺がつないでいる。図5の状態での作動ピン55cは、斜辺と車幅方向に延在する短辺との間の角部に位置している。
図5の状態から解除ボタン45を押圧操作して、押圧部材47を後方(図5中で右側)へ向けて移動させると、ガイド孔47c1の略直角三角形状の斜辺と作動ピン55cとが互いに押し付けられて摺動する。このとき、作動ピン55cは斜辺に沿って、図6のように車幅方向内側に移動する。これ伴いガイド部材55も車幅方向内側に移動して、ガイドピン55aがガイド溝11hから引き抜かれる方向に移動する。
ガイドピン55aは、図6のように後退移動した状態で、図7(c)の二点鎖線で示すようにガイド溝11h(縦溝11h1)から完全に引き抜かれるわけではない。したがって、ガイドピン55aは、図5のガイドピンロック位置であっても、図6のガイドピンロック解除位置であっても、ガイド溝11h内に先端が入り込んでガイドされる状態が維持されている。なお、図7(c)に二点鎖線で示すガイドピン55aは、規制突起11iの先端面11i1よりも右側に位置しており、したがって図7(c)の状態からガイドピン55aが下方に移動しても、規制突起11iに接触することはない。
次に、リッド5を昇降移動させる際の動作を説明する。
図2は、リッド5がカップ収納空間20の上部開口側を閉塞している閉塞位置で、かつ、ストッパ41によるロックがなされているロック位置であることを示している。ガイドピン55aも、図7(b),(c)のロック位置Lに入り込んだ状態のガイドピンロック位置である。この状態では、図8に示すように、乗員がリッド5に対して矢印Pで示す下方に向けて押し付けても、ストッパ41の係合凹部41bが基体21の係合凸部21dに係合しているので、リッド5は下方への移動が規制される。このとき、矢印Pで示す方向の押付力は、ストッパ41において係合凹部41bが係合凸部21dに係合される方向の矢印Q方向に変換される。
図2、図8の閉塞位置かつロック位置から、乗員が解除ボタン45を後方(図2中で右方向)に向けて押圧操作すると、図9、図10に示すように、押圧部材47も同方向(図9の矢印R方向)に移動する。押圧部材47が図9中で矢印R方向に移動すると、後端部47aがストッパ41の規制解除片41cを押し付ける。これにより、ストッパ41は、連結ピン31を中心として矢印Sで示す方向にねじりコイルばね43に抗して回転し、係合凹部41bと係合凸部21dとの係合が解除される。
一方、押圧部材47の図9中で矢印R方向の移動によって、一対のガイド部材55が、図5のガイドピンロック位置から図6のガイドピンロック解除位置となるように、互いに接近する方向に移動する。
図5のガイドピンロック位置では、ガイドピン55aが車幅方向外側に突出し、図7(b)に示す規制突起11iより上側のロック位置Lに入り込んでいて、ガイドピン55aの下方への移動が規制突起11iにより規制されている。図6のガイドピンロック解除位置では、ガイドピン55aが後退移動することによって、図7(c)の二点鎖線で示すようにガイドピン55aは、縦溝11h1のロック位置Lから後退し、縦溝11h1での下方への移動が許容される。
以上のように、解除ボタン45を押圧操作すると、ストッパ41によるロックが解除されると共に、ガイドピン55aによるロックも解除されて、図6、図9、図10の状態となる。したがって、この状態で乗員が、リッド5を図10の矢印Pで示す下方に向けて押し付けると、リッド5は、図11に示すように下方に向けてねじりコイルばね33,39に抗して移動する。
リッド5が下方に向けて移動するときに、ガイドピン55aが図7に示す縦溝11h1に沿って移動する。このとき、後リンク25は、連結ピン29を中心として図9中で反時計回り方向に回転するとともに、リンク部25aの連結ピン31側が下方に移動する。前リンク27は、連結ピン35を中心として図10中で反時計回り方向に回転するとともに、連結ピン37側が下方に移動する。
後リンク25は、連結ピン31側が下方に移動しながら連結ピン29を中心として回転するので、連結ピン29側が取り付けられている基体21が、図11中で右側へ移動する方向の力を受ける。同様にして、前リンク27は、連結ピン37側が下方に移動しながら連結ピン35を中心として回転するので、連結ピン35側が取り付けられている基体21が、図11中で右側へ移動する方向の力を受ける。このとき、基体21は、スライドレール23の可動部23bに固定されているので、可動部23bと共にガイド部23aに対し、図11中で右側の後方に向けてスライド移動する。ストッパ41は、図11中の下側の側面が、移動の途中で係合凸部21dの先端に接触した状態となる。
リッド5の下方への移動に関し、ガイドピン55aが図7に示す縦溝11h1にガイドされて下方に移動する間は、上下方向(鉛直方向)にのみ移動し、水平方向への移動が縦溝11h1により規制される。したがって、リッド5は、下方へ移動するときに、外周縁部がアームレスト11の凹部11gの周縁への接触を回避できる。リッド5が上下方向(鉛直方向)にのみ移動する際の最下端部での位置を、リッド5の中間位置とする。すなわち、昇降体変位機構19は、リッド5を、閉塞位置と当該閉塞位置に対して下方に位置する中間位置との間で上下方向に移動させる。
図11の状態(中間位置)からリッド5をさらに下方に向けて押し付け、ガイドピン55aが円弧溝11h3に達すると、図12に示すように、リッド5は、ガイドピン55aが円弧溝11h3にガイドされながら下方、かつ、後方に向けて移動する。すなわち、ガイドピン55aが円弧溝11h3にガイドされる間は、リッド5の動きが上下方向のみではなく、上下方向に加えて上下方向と交差する方向である水平方向に向けても移動する。
ガイドピン55aが円弧溝11h3を通過して、横溝11h2に達した後は、図13に示すように、リッド5を後方に向けて押し付けるようにして移動させる。このとき、リッド5を取り付けてある基体21が、スライドレール23の可動部23bと共にガイド部23aに対して後方へスライド移動し、リッド5はアームレスト11内の空間11fに、前端部を残して格納された状態となる。リッド5が図13のように格納された状態を開放位置とする。すなわち、昇降体変位機構19は、リッド5を、中間位置と開放位置との間で、上下方向に対して交差する水平方向に移動させる。
開放位置では、カップ収納空間20の上部開口側が開放されるので、開放されたカップ収納空間20に図示しない飲料の容器等を収納して使用する。なお、ガイドピン55aが、図7の規制突起11iを超えて規制突起11iの下部側に移動した状態では、解除ボタン45に対する押圧操作を継続してもよく、継続していなくてもよい。
次に、リッド5が、図13の開放位置から図11の中間位置を経て図2の閉塞位置へ移動する動作について説明する。
図13の状態で、乗員がリッド5をアームレスト11内の空間11fから突出している部分を把持するなどして、前方へ移動させて、図12に状態とする。その際、ガイドピン55aが図7の円弧溝11h3に達すると、後リンク25及び前リンク27がねじりコイルばね33及び39のばね力によってそれぞれ図中で時計回り方向へ回転する力を受けて、連結ピン29及び35を中心として回転する。
上記後リンク25及び前リンク27の回転により、リッド5は下方へ移動するときと逆の動きによって上方へ移動して閉塞位置となる。すなわち、図5、図6に示したガイドピン55aが図7の円弧溝11h3を移動する間は、各リンク25,27が上記した回転を伴って基体21及びリッド5と共に前方へ移動し、かつ、リッド5が上方に移動する。
また、ガイドピン55aが、図7の縦溝11h1を上方に向けて移動する間は、図11から図10の状態となるように、各リンク25,27の回転によってリッド5が上方にのみ移動する。このとき、基体21は前方にスライド移動する。ガイドピン55aが縦溝11h1にガイドされつつリッド5が上方へ移動する間は、リッド5は上下方向(鉛直方向)にのみ移動する。このとき、リッド5は、水平方向への移動が縦溝11h1により規制されるので、外周縁部がアームレスト11の凹部11gの周縁への接触を下方への移動時と同様に回避できる。
図13の開放位置から図2の閉塞位置に移行する間は、乗員は解除ボタン45を操作せず、解除ボタン45は図2のように突出した状態である。このときストッパ41は、下側の側面が、図12、図11のように係合凸部21dの先端に接触した状態が維持される。ストッパ41が係合凸部21dに対して接触しながら相対移動し、最終的に図2のように係合凹部41bが係合凸部21dに係合することになる。
また、解除ボタン45が操作されないことで、図5に示すガイドピン55aは、圧縮コイルばね59によって車幅方向外側に押し付けられている。このため、ガイドピン55aは、縦溝11h1を上昇移動する際に、圧縮コイルばね59に抗して図7に示す傾斜面11i3に押されながら後退しつつ規制突起11iを乗り越え、ロック位置Lに達する。
本実施形態によれば、カップ収納空間20を備える本体3と、本体3のカップ収納空間20の上部開口側を開閉するリッド5と、リッド5を、カップ収納空間20の上部開口側を閉塞する閉塞位置と開放する開放位置とに変位させる昇降体変位機構19と、を備えている。昇降体変位機構19は、リッド5を、閉塞位置と当該閉塞位置に対して下方に位置する中間位置との間で上下方向に移動させ、かつ、中間位置と記開放位置との間で、上下方向に対して交差する水平方向に移動させる機構を備えている。
このため、リッド5は、昇降体変位機構19によって、閉塞位置と開放位置との間を移動する過程で、閉塞位置と中間位置との間では上下方向にのみ移動し、水平方向への移動が規制される。したがって、リッド5は、本体3のアームレスト11における凹部11gの周縁に対する接触を回避でき、昇降動作が円滑に行える。リッド5と凹部11gの周縁との接触を回避できることから、これら相互間の隙間をより小さくすることができ、外観品質の向上にも寄与できる。
本実施形態の昇降体変位機構19は、本体3に対して水平方向にスライド移動する基体21と、リッド5と基体21とを連結する後リンク25及び前リンク27と、リッド5を上方に向けて付勢するねじりコイルばね33,39と、を有する。さらに、昇降体変位機構19は、リッド5の閉塞位置から下方への移動を規制するストッパ41と、ストッパ41によるリッド5の下方への移動規制を解除する解除ボタン45と、を有する。
上記構成において、解除ボタン45の操作により、ストッパ41及びガイドピン55aによるリッド5の下方への移動規制を解除した状態で、リッド5をねじりコイルばね33,39に抗して下方へ押下げる。リッド5が押下げられると、後リンク25及び前リンク27の基体21側の連結部(連結ピン29,35)が基体21とともに本体3に対して水平方向後方にスライド移動し、これと同時に各リンク25,27のリッド5側の連結部(連結ピン31,37)が下方に移動する。これにより、リッド5を上下方向の下方にのみ移動させることができる。また、リッド5は、中間位置で下方への押し付け力を受けなくなったときに、ねじりコイルばね33,39により上方に向けて付勢されて移動し閉塞位置となる。
本実施形態のストッパ41は、一端が後リンク25のリッド5側の連結部(連結ピン31)と同軸上に回転可能に連結され、他端が基体21に形成された係合凸部21dに係止される。このため、図2に示す閉塞位置でのリッド5の耐荷重特性を簡素な構成で確保することができる。
本実施形態のリッド5は、図2に示す閉塞位置での上面が本体3の上面と略同一面である。これにより、アームレスト11及びリッド5を備えるコンソールボックス1全体の外観品質が向上する。なお、ここでの略同一面とは、図2に示す閉塞位置において、リッド5の蓋体15の上面と、アームレスト11の上壁11aの上面とが同一面の状態のほか、厚さt1の蓋体15と厚さt2の上壁11aとが、水平方向から見て少なくとも一部が互いに重なり合う状態を含むものとする。
蓋体15と上壁11aとが水平方向から見て互いに重なり合わない状態、すなわち、蓋体15の上面が上壁11aの下面より下方にある状態や、上壁11aの上面が蓋体15の下面より下方にある状態では、上下方向に関して蓋体15と上壁11aとの間に隙間が形成されてしまい、外観品質の悪化を招く。蓋体15と上壁11aとが、水平方向から見て少なくとも一部が互いに重なり合っていれば、多少の段差が形成されるが、上下方向に関して蓋体15と上壁11aとの間に隙間が形成されないので、外観品質の悪化を抑えることができる。
本実施形態のリッド5は、図11の中間位置から、基体21の本体3に対するスライド移動に伴って本体3の内部の空間11fに格納されて図13の開放位置となる。このように、リッド5は、図13の開放位置で本体3の内部の空間11fに格納されるので、カップ収納空間20に対する物品の出し入れ作業が容易となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、これらの実施形態は本発明の理解を容易にするために記載された単なる例示に過ぎず、本発明は当該実施形態に限定されるものではない。本発明の技術的範囲は、上記実施形態で開示した具体的な技術事項に限らず、そこから容易に導きうる様々な変形、変更、代替技術なども含む。
例えば、上記した実施形態では、自動車のコンソールボックス1に本発明を適用しているが、物品等を収容する収納部を備える本体に対し、昇降移動する昇降体を備えるものであれば、コンソールボックス1に限ることはない。
上記した実施形態では、図7に示したガイド溝11hが、縦溝11h1と横溝11h2との間に円弧溝11h3を備えているが、円弧溝11h3を設けずに、縦溝11h1と横溝11h2とが略直角に屈曲するような形状でもよい。この場合、リッド5は、ガイドピン55aが縦溝11h1にガイドされて上下方向にのみ移動し、ガイドピン55aが横溝11h2にガイドされて略水平方向にのみ移動する。すなわち、リッド5は、円弧溝11h3を備える場合には、上下方向の動きと水平方向の動きとが同時に発生する領域が存在するが、円弧溝11h3を備えていない場合には、上下方向の動きと水平方向の動きとが同時に発生する領域が存在しない。
なお、上記した実施形態において、リッド5は、閉塞位置と中間位置との間では上下方向にのみ移動するとしている。ここでの「上下方向にのみ移動」とは、ガイドピン55aと縦溝11h1との間の微小な隙間(ガタ等)による水平方向の動きも含むものであり、ガイドピン55aが縦溝11h1にガイドされて移動する上下方向の動きである。
1 コンソールボックス(収納装置)
3 本体
5 リッド(昇降体)
19 昇降体変位機構
20 カップ収納空間(収納部)
21 基体(スライド体)
21d 係合凸部(係合部)
25 後リンク(リンク)
27 前リンク(リンク)
33,39 ねじりコイルばね(付勢手段)
41 ストッパ
45 解除ボタン(解除部)

Claims (5)

  1. 収納部を備える本体と、
    前記本体の収納部の上部開口側を開閉する昇降体と、
    前記昇降体を、前記収納部の上部開口側を閉塞する閉塞位置と開放する開放位置とに変位させる昇降体変位機構と、を備え、
    前記昇降体変位機構は、前記昇降体を、前記閉塞位置と当該閉塞位置に対して下方に位置する中間位置との間で上下方向に移動させ、かつ、前記中間位置と前記開放位置との間で、前記上下方向に対して交差する水平方向に移動させる機構を備えていることを特徴とする収納装置。
  2. 前記昇降体変位機構は、
    前記本体に対して前記水平方向にスライド移動するスライド体と、
    前記昇降体と前記スライド体とを連結するリンクと、
    前記昇降体を上方に向けて付勢する付勢手段と、
    前記昇降体の前記閉塞位置から下方への移動を規制するストッパと、
    前記ストッパによる前記昇降体の下方への移動規制を解除する解除部と、を有することを特徴とする請求項1に記載の収納装置。
  3. 前記ストッパは、一端が前記リンクの前記昇降体側の連結部に同軸上に回転可能に連結され、他端が前記スライド体に形成された係合部に係合されることを特徴とする請求項2に記載の収納装置。
  4. 前記昇降体は、前記閉塞位置での上面が前記本体の上面と略同一面であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の収納装置。
  5. 前記昇降体は、前記中間位置から前記スライド体の前記本体に対するスライド移動に伴って前記本体の内部に格納されて前記開放位置となることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の収納装置。
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