JP2018039869A - 衣料用液体洗浄剤組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、抗菌活性、液安定性、再汚染防止性に優れる衣料用液体洗浄剤組成物を提供することを課題とする。
[1](A)成分:ノニオン系抗菌剤と、(B)成分:界面活性剤(ただし(C)成分を除く)と、(C)成分:炭素数1〜5のアルコールのプロピレンオキシド付加物と、を含有し、
前記(B)成分の含有量が、衣料用液体洗浄剤組成物の総質量に対し、30質量%以上であり、
前記(B)成分は、ノニオン界面活性剤と、アニオン界面活性剤とを含有し、
前記ノニオン界面活性剤の含有量が、前記アニオン界面活性剤の含有量よりも多い、衣料用液体洗浄剤組成物。
[2]前記(B)成分が、2種類以上のノニオン界面活性剤を含有する、[1]に記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
[3]前記(C)成分の含有量が、衣料用液体洗浄剤組成物の総質量に対し、0.5〜5質量%である、[1]又は[2]に記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
[4]前記(B)成分が、2種類以上のアニオン界面活性剤を含有する、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
[5]前記ノニオン界面活性剤が、ポリオキシエチレン脂肪酸メチルエステル、及びポリオキシエチレンアルキルエーテルからなる群から選択される少なくとも1種を含む、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
[6]前記アニオン界面活性剤が、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、及び高級脂肪酸塩からなる群から選択される少なくとも1種を含む、[1]〜[5]のいずれか一項に記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
[7]前記(A)成分が、トリクロサン、ダイクロサン、及びクロロフェンからなる群から選択される少なくとも1種である、[1]〜[6]のいずれか一項に記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
[8]前記(C)成分の重量平均分子量が、1500〜6000である、[1]〜[7]のいずれか一項に記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
本発明の衣料用液体洗浄剤組成物は、以下の(A)成分、(B)成分、及び(C)成分を含有する組成物である。
(A)成分はノニオン系抗菌剤である。
(A)成分として、抗菌剤として公知のイソチアゾロン系、イミダゾール系、チアゾール系、ブロム系、フェノール系またはジフェニル系化合物を好適に用いることができる。具体的には、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、1,2ベンゾチアゾロン、2−(4−メチルアノメチルチオ)ベンズイミダゾール、5−クロロ−2−(2,4−ジクロロフェノキシ)フェノール(慣用名:トリクロサン)、4,4’−ジクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル(慣用名:ダイクロサン)、o−ベンジル−p−クロロフェノール(慣用名:クロロフェン)、イソプロピルメチルフェノール及びパラクロロメタキシレノール等が挙げられる。
(A)成分は、洗濯後の衣類等の繊維製品に抗菌性を付与する成分である。ノニオン系抗菌剤は、衣料用液体洗浄剤組成物中においてアニオン界面活性剤と共存させても、アニオン界面活性剤による洗浄性を損なわずに抗菌性を発揮できる。
(A)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
(A)成分としては、下記式(I)で表される化合物が好ましい。
好適な具体例は、Xが酸素またはメチレン基であり、Yが塩素又は臭素であり、mが0であり、nが0又は1であり、aが1、bが0、1又は2であり、cが0、1又は2であり、かつdが0である化合物である。
化合物(I)のより好適な具体例として、Xが酸素原子、aが1であり、Yが塩素原子、bまたはcの一方が1で他方が0であり、dが0、mが0、nが0であるモノクロロヒドロキシジフェニルエーテル;Xが酸素原子、aが1であり、Yが塩素原子、bが1、cが1、dが0、mが0、nが0であるジクロロヒドロキシジフェニルエーテル;Xが酸素原子、aが1であり、Yが塩素原子、bまたはcの一方が1で他方が2であり、dが0、mが0、nが0であるトリクロロヒドロキシジフェニルエーテル;Xがメチレン基、aが1であり、Yが塩素原子、bが0、cが1、dが0、mが0、nが0であるベンジルクロロフェノールが挙げられる。
特に好適な具体例として、5−クロロ−2−(2,4−ジクロロフェノキシ)フェノール(慣用名:トリクロサン)、5−クロロ−2−(4−クロロフェノキシ)フェノール(慣用名:ダイクロサン)、o−ベンジル−p−クロロフェノール(慣用名:クロロフェン)が挙げられる。
(A)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
(A)成分の含有量は、衣料用液体洗浄剤組成物の総質量に対して、0.01〜3質量%が好ましく、0.05〜1質量%がより好ましく、0.1〜0.5質量%がさらに好ましい。(A)成分の含有量が前記範囲の下限値以上であると、良好な抗菌効果が得られやすい。前記範囲の上限値以下であると、衣料用液体洗浄剤組成物の良好な保存安定性が得られやすい。
(B)成分は、界面活性剤(ただし(C)成分を除く)である。本発明の衣料用液体洗浄剤組成物において、(B)成分は、洗浄成分として機能する。また、本発明の衣料用液体洗浄剤組成物は、(B)成分を含有することで、(A)、(C)成分の分散安定性が高められる。
(B)成分としては、ノニオン界面活性剤およびアニオン界面活性剤を含み、ノニオン界面活性剤の含有量はアニオン界面活性剤の含有量よりも多い。
(B)成分としては、公知の界面活性剤を用いることができる。例えば、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤及び半極性界面活性剤が挙げられる。洗浄性能の点から、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤が好ましい。
ノニオン界面活性剤としては、例えば以下の(1)〜(8)が挙げられる。
(1)炭素数6〜22の1価脂肪族アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキシドを平均3〜30モル、好ましくは3〜20モル、さらに好ましくは5〜20モル付加した、ポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテル。この中でも、ポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)エーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキル(又はアルケニル)エーテルが好適である。ここで使用される1価脂肪族アルコールとしては、第1級アルコール、第2級アルコールが挙げられる。また、そのアルキル基は、分岐鎖を有していてもよい。脂肪族アルコールとしては、第1級アルコールが好ましい。
(2)ポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)フェニルエーテル。
(3)長鎖脂肪酸アルキルエステルのエステル結合間にアルキレンオキシドが付加した脂肪酸アルキルエステルアルコキシレート。
(4)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル。
(5)ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル。
(6)ポリオキシエチレン脂肪酸エステル。
(7)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油。
(8)グリセリン脂肪酸エステル。
R2−C(=O)O−[(EO)s/(PO)t]−(EO)u−R3 ・・・(II)
R4−O−[(EO)v/(PO)w]−(EO)x−H ・・・(III)
(式(II)中、R2は炭素数7〜22の炭化水素基であり、R3は炭素数1〜6のアルキル基であり、sはEOの平均繰り返し数を表し、6〜20の数であり、tはPOの平均繰り返し数を表し、0〜6の数であり、uはEOの平均繰り返し数を表し、0〜20の数であり、EOはオキシエチレン基を表し、POはオキシプロピレン基を表す。
式(III)中、R4は炭素数6〜22の炭化水素であり、vはEOの平均繰り返し数を表し、3〜20の数であり、wはPOの平均繰り返し数を表し、0〜6の数であり、xはEOの平均繰り返し数を表し、0〜20の数であり、EOはオキシエチレン基を表し、POはオキシプロピレン基を表す。)
R2は、アルキル基、アルケニル基が好ましい。
R2は直鎖又は分岐鎖のいずれであってもよい。
洗浄力のさらなる向上を図る観点から、R2は、直鎖もしくは分岐鎖の炭素数7〜22のアルキル基、又は直鎖もしくは分岐鎖の炭素数7〜22のアルケニル基が好ましい。
R3は、炭素数1〜6のアルキル基であり、直鎖又は分岐鎖のいずれであってもよい。
なかでもメチル基及びエチル基が好ましい。
式(II)中、s、uは、それぞれ独立にEOの平均繰り返し数を表す数である。
s+uは6〜20であることが好ましく、6〜18がより好ましく、11〜18がさらに好ましい。上記下限値以上であれば、液安定性がより向上しやすくなる。上記上限値以下であれば、洗浄力がより向上しやすくなる。
式(II)中、tは、POの平均繰り返し数を表す数である。
tは0〜6の数であり、0〜3が好ましい。上記上限値以下であれば、液安定性がより向上しやすくなる。
tが1以上である場合、[(EO)s/(PO)t]において、オキシエチレン基とオキシプロピレン基とは、ランダム状に結合してもよいし、ブロック状に結合してもよい。
なお、本明細書において平均繰り返し数は、ガスクロマトグラフィー等によって測定することができる。
式(III)において、R4の炭素数は、洗浄力のさらなる向上を図る観点から、10〜22が好ましく、10〜20がより好ましく、10〜18がさらに好ましい。
R4は、直鎖又は分岐鎖であってもよい。
好ましいR4−O−としては、下記一般式(IV)で表される基が挙げられる。
(R101)(R102)CH−O−・・・(IV)
(式(IV)中、R101及びR102は、それぞれ独立して水素原子、又は鎖状の炭化水素基を表し、R101とR102の合計の炭素数は5〜21である。)
R101とR102との合計の炭素数は、9〜21が好ましく、9〜19より好ましく、9〜17がさらに好ましい。
R101及びR102は直鎖又は分岐鎖であってもよい。
R4としては、具体的には、炭素数12〜14の第2級アルコール由来のアルキル基が好ましい。
式(III)中、v、xは、それぞれ独立にEOの平均繰り返し数を表す数である。
v+xは3〜20であることが好ましく、5〜18がより好ましく、6〜18がさらに好ましく、11〜18が特に好ましい。上記下限値以上であれば、液安定性がより向上しやすくなる。上記上限値以下であれば、洗浄力がより向上しやすくなる。
式(III)中、wは、POの平均繰り返し数を表す数である。
wは0〜6の数であり、0〜3が好ましい。上記上限値以下であれば、液安定性がより向上しやすくなる。
wが1以上である場合、[(EO)v/(PO)w]において、オキシエチレン基とオキシプロピレン基とは、ランダム状に結合してもよいし、ブロック状に結合してもよい。
式(III)中のEO又はPOの分布は、製造する際の反応方法によって変動する。例えば、一般的なアルカリ触媒である水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等を用いて、エチレンオキシドやプロピレンオキシドを原料に付加した場合には、v又はwの分布は、比較的広くなる。特公平6−15038号公報に記載のAl3+、Ga3+、In3+、Tl3+、Co3+、Sc3+、La3+、Mn2+等の金属イオンを添加した酸化マグネシウム等の特定のアルコキシル化触媒を用いてエチレンオキシドやプロピレンオキシドを原料に付加した場合には、v又はwの分布は、比較的狭くなる。
前記ナロー率の上限値としては特に限定されないが、実質的には80質量%以下であることが好ましい。
前記ナロー率としては、液安定性と溶解性が向上するため、20〜50質量%であることがより好ましく、20〜40質量%がさらに好ましい。
ここで、本明細書において「ナロー率」とは、EOの付加モル数が異なるエチレンオキシド付加体の分布の割合を示し、下記の数式(S)で表される。
前記ナロー率は、例えば(b1)成分又は(b2)成分の製造方法等によって制御することができる。(b1)成分の製造方法としては、特に限定されるものではないが、例えば表面改質された複合金属酸化物触媒を用いて、脂肪酸アルキルエステルにエチレンオキシドを付加重合させる方法(特開2000−144179号公報参照)により容易に製造することができる。(b2)成分の製造方法としては、例えば表面改質された複合金属酸化物触媒を用いて、炭素数6〜22のアルコールにエチレンオキシドを付加重合させる方法により製造することができる。
前記複合金属酸化物触媒を用いた表面改質においては、複合金属酸化物と、金属水酸化物および/または金属アルコキシドとを併用することが好ましい。この場合、複合金属酸化物100質量部に対して、金属水酸化物及び/または金属アルコキシドの割合を0.5〜10質量部とすることが好ましく、1〜5質量部とすることがより好ましい。
ノニオン界面活性剤としては、市販品を用いてもよいし、公知の合成方法で製造したものを用いてもよい。公知の製造方法として、(b1)成分は、例えば脂肪酸アルキルエステルにエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドを付加重合させる方法により製造することができる。(b2)成分は、例えば炭素数6〜22のアルコールにエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドを付加重合させる方法により製造することができる。
ノニオン界面活性剤は、1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
(b1)成分/(b2)成分で表される質量比(以下、b1/b2比ともいう)は、0.1〜15が好ましく、1〜10がより好ましく、3〜8がさらに好ましい。b1/b2比が前記範囲内であると、再汚染防止性がより高められる。
アニオン界面活性剤としては、例えば以下の(1)〜(12)が挙げられる。
(1)炭素数8〜20の飽和又は不飽和α−スルホ脂肪酸のメチル、エチルもしくはプロピルエステル塩。
(2)炭素数8〜18のアルキル基を有する直鎖状又は分岐鎖状のアルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS又はABS)。
(3)炭素数10〜20のアルカンスルホン酸塩。
(4)炭素数10〜20のα−オレフィンスルホン酸塩(AOS)。
(5)炭素数10〜20のアルキル硫酸塩又はアルケニル硫酸塩(AS)。
(6)炭素数2〜4のアルキレンオキシドのいずれか、又はエチレンオキシド(EO)とプロピレンオキシド(PO)(モル比EO/PO=0.1/9.9〜9.9/0.1)を、平均0.5〜10モル付加した炭素数10〜20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル(又はアルケニル)基を有するポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテル硫酸塩(AES)。
(7)炭素数2〜4のアルキレンオキシドのいずれか、又はエチレンオキシドとプロピレンオキシド(モル比EO/PO=0.1/9.9〜9.9/0.1)を、平均3〜30モル付加した炭素数10〜20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル(又はアルケニル)基を有するアルキル(又はアルケニル)フェニルエーテル硫酸塩。
(8)炭素数2〜4のアルキレンオキシドのいずれか、又はエチレンオキシドとプロピレンオキシド(モル比EO/PO=0.1/9.9〜9.9/0.1)を、平均0.5〜10モル付加した炭素数10〜20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル(又はアルケニル)基を有するアルキル(又はアルケニル)エーテルカルボン酸塩。
(9)炭素数10〜20のアルキルグリセリルエーテルスルホン酸のようなアルキル多価アルコールエーテル硫酸塩。
(10)長鎖(炭素数8〜20の)モノアルキル、ジアルキル又はセスキアルキルリン酸塩。
(11)ポリオキシエチレンモノアルキル、ジアルキル又はセスキアルキルリン酸塩。
(12)高級脂肪酸又はその塩。平均炭素数が10〜20(好ましくは炭素数12〜18)の高級脂肪酸又はその塩。
上記で例示した以外のアニオン界面活性剤を用いてもよい。例えば、アルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシアルキレンエーテルカルボン酸塩、アルキルアミドエーテルカルボン酸塩又はアルケニルアミドエーテルカルボン酸塩、アシルアミノカルボン酸塩等のカルボン酸型アニオン界面活性剤;アルキルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルリン酸エステル塩、グリセリン脂肪酸エステルモノリン酸エステル塩等のリン酸エステル型アニオン界面活性剤等が挙げられる。
(6)のポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩としては、具体的には一般式(V)で表される化合物であることが好ましい。
R40−O−[(EO)m/(PO)n]−SO3 −M+・・・(V)
[式(V)中、R40は炭素数8〜20の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基である。EOはオキシエチレン基を表し、POはオキシプロピレン基を表す。mは、EOの平均繰り返し数を表し、1以上の数である。nは、POの平均繰り返し数を表し、0〜6の数である。M+は対カチオンである。nが0超の場合、[(PO)m/(EO)n]におけるPOとEOは、ブロック状に配列しても、ランダム状に配列してもよい。また、POとEOは、POが「R40−O−」に結合してもよいし、EOが「R40−O−」に結合してもよい。]
アルキル基の炭素数としては、10〜20が好ましく、12〜14がより好ましい。具体的には、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基等が挙げられる。なかでもドデシル基が好ましい。
EOの平均繰り返し数は、1〜5であることが好ましく、1〜3がより好ましい。
POの平均繰り返し数は、0〜3であることが好ましい。
上記式(V)におけるm=0、n=0の化合物は、式(V)で表されるポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩全体に対して35〜55質量%含有することが好ましい。
アニオン界面活性剤の塩の形態としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩;アンモニウム塩等が挙げられる。中でも、アルカリ金属塩が好ましい。
アニオン界面活性剤の製造方法としては、例えば、LASの場合、アルキルベンゼンを無水硫酸でスルホン化し、アルカリで中和する方法で製造することができる。例えば、AESの場合、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルに、無水硫酸を反応させるか、クロルスルホン酸を反応させてスルホン化し、アルカリで中和する方法により製造することができる。
上記アニオン界面活性剤(2)(以下(b3)成分ともいう)及び上記アニオン界面活性剤(6)(以下(b4)成分ともいう)の質量比(以下、b3/b4比ともいう)は、0.1〜10が好ましく、0.2〜8がさらに好ましく、0.5〜1.5がより好ましい。b3/b4比が前記範囲内であると、再汚染防止性能がより高められる。
アニオン界面活性剤の含有量は、(B)成分の総質量に対し、5〜70質量%が好ましく、10〜60質量%がより好ましく、10〜50質量%がさらに好ましく、20〜40質量%が特に好ましい。アニオン界面活性剤の含有量が前記下限値以上であれば、再汚染防止性がより向上しやすくなる。アニオン界面活性剤の含有量が前記上限値以下であれば液安定性がより向上しやすくなる。
(B)成分としては、ノニオン界面活性剤と、アニオン界面活性剤が併用されることが好ましい。この場合、ノニオン界面活性剤と、アニオン界面活性剤との質量比(「ノニオン界面活性剤/アニオン界面活性剤で表される質量比)は、1超20以下が好ましく、1超9以下がより好ましく、1超8以下がさらに好ましく、1.5〜4が特に好ましい。前記質量比が前記の好ましい範囲であると、再汚染防止性がより高められる。
カチオン界面活性剤としては、例えばアルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルアミドアミン型、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩の陽イオン性界面活性剤等が挙げられる。これらの塩としては、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩、マグネシウムなどのアルカリ土類金属塩、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンなどのアルカノールアミン塩などが挙げられる。
カチオン界面活性剤は、1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
(B)成分中のカチオン界面活性剤の含有量は、(B)成分の総質量に対し、0〜10質量%が好ましく、0〜5質量%がより好ましい。
両性界面活性剤としては、例えばアルキルベタイン型、アルキルアミドベタイン型、イミダゾリン型、アルキルアミノスルホン型、アルキルアミノカルボン酸型、アルキルアミドカルボン酸型、アミドアミノ酸型、リン酸型両性界面活性剤等が挙げられる。
両性界面活性剤は、1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
(B)成分中の両性界面活性剤の含有量は、(B)成分の総質量に対し、0〜10質量%が好ましく、0〜5質量%がより好ましい。
(B)成分の含有量は、衣料用液体洗浄剤組成物の総質量に対し、30質量%以上であり、35質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましい。(B)成分の含有量が前記下限値以上であると、洗浄力がより高められる。(B)成分の含有量は、衣料用液体洗浄剤組成物の総質量に対して、70質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましい。(B)成分の含有量が前記上限値以下であると、液安定性が高められやすくなる。
(B)成分の含有量は、衣料用液体洗浄剤組成物の総質量に対して30〜70質量%が好ましく、30〜60質量%がより好ましく、35〜60質量%がさらに好ましく、40〜60質量%が特に好ましい。
界面活性剤の合計は、(B)成分の総質量に対して100質量%を超えない。
(C)成分は炭素数1〜5のアルコールのプロピレンオキシド付加物である。(C)成分を含有することで再汚染防止性が向上する。(C)成分は、プロプレンオキシド以外のアルキレンオキシド(例えば、エチレンオキシド)が付加されていてもよい。
アルコールのプロピレンオキシド付加物は、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール等のモノアルコール;エタンジオール等のジオール、グリセリン等のトリオール、エリスリトール等のテトラオールにプロピレンオキシドを付加させて得られる。
(C)成分として、例えば、ポリオキシプロピレンメチルエーテル、ポリオキシプロピレンエチルエーテル、ポリオキシプロピレンプロピルエーテル、ポリオキシプロピレンブチルエーテル、ポリオキシプロピレンペンチルエーテル、ポリオキシプロピレンエチレングリコールエーテル、ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシプロピレンペンタエリスリトールエーテル等が挙げられる。また、(C)成分は、以下の式(VI)〜(VIII)で表されるものが好ましい。
R1の炭素数は1〜4が好ましく、1〜3がより好ましい。
R1は、アルキル基またはアルキレン基であることが好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基であることがより好ましい。
aは、20〜150であることが好ましい。
式(VII)中、b、cはそれぞれ独立にPOの平均繰り返し数を表す10〜350の数であり、POはオキシプロピレン基を表す。
b、cはそれぞれ独立に、10〜80であることが好ましい。
式(VIII)中、d、e、fはそれぞれ独立にPOの平均繰り返し数を表す10〜350の数であり、POはオキシプロピレン基を表す。
d、e、fはそれぞれ独立に、6〜50であることが好ましい。
上記下限値以上であれば、再汚染防止性がより向上しやすくなる。上記上限値以下であれば、液安定性がより向上しやすくなる。
なお、(C)成分の重量平均分子量は、分子式:HO〔CH(CH3)CH2O〕nH(nは平均繰り返し数を表す。)で示されるポリプロピレングリコール(重量平均分子量:800、1200、2000、4000)を標準としたGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)で得られる分子量分布より求められる。
式(VII)で表される化合物の製造方法としては、例えば、エチレングリコールにプロピレンオキシドを付加重合させる公知方法が挙げられる。
式(VIII)で表される化合物の製造方法としては、例えば、グリセリンにプロピレンオキシドを付加重合させる公知方法が挙げられる。
各化合物に付加重合させる際、プロピレンオキシドの供給量を調節することにより、所望の重量平均分子量を有するプロピレンオキシド付加物を製造することができる。
(C)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
上記下限値以上であれば、再汚染防止性がより向上しやすくなる。上記上限値以下であれば、液安定性がより向上しやすくなる。
本発明の衣料用液体洗浄剤組成物は、(A)〜(C)成分の他に、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、マンナナーゼ等の酵素;エタノール、ブチルカルビトール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール等の水混和性有機溶剤;モノエタノールアミン等のアルカリ剤;ジブチルヒドロキシトルエン等の酸化防止剤;安息香酸ナトリウム等の防腐剤;塩化カルシウム、乳酸ナトリウム等の酵素安定化剤;色素等の着色剤;ゼオライト;洗浄性ビルダー;香料(または香料前駆体);水等を含んでいてもよい。
(A)〜(C)成分と任意成分との合計は100質量%を超えない。
衣料用液体洗浄剤組成物が液体の場合、溶剤と、成分(A)〜(C)と、必要に応じて任意成分とを混合することにより調整される。
衣料用液体洗浄剤組成物の使用方法(即ち、洗浄方法)は、従来公知の洗浄方法と同様である。
洗浄方法としては、例えば、衣料用液体洗浄剤組成物を任意の濃度となるように水に分散して洗浄液とし、これに被洗物を任意の時間浸漬し、次いで、被洗物を水で濯ぐ方法(浸漬洗浄法)や、衣料用液体洗浄剤組成物を被洗物に直接塗布して一定時間放置し、その後、通常の洗濯を行う方法(塗布洗浄法)が挙げられる。
洗浄液中の衣料用液体洗浄剤組成物の含有量は、衣料用液体洗浄剤組成物の組成や剤形等に応じて適宜決定される。例えば、洗浄液中の衣料用液体洗浄剤組成物の含有量は、0.1〜0.6質量%が好ましく、0.4〜0.6質量%がより好ましく、0.5質量%がさらに好ましい。
上記下限値未満では、洗浄効果が低下するおそれがあり、上記上限値超では、洗浄液中に溶け残りが生じたり、すすぎが煩雑になるおそれがある。
<衣料用液体洗浄剤組成物の調製>
表1〜2に示す配合組成に従い、後述の製造方法(未配合の成分がある場合、その成分は配合しない。)により、各例の組成物をそれぞれ調製した。
表中の配合量の単位は「質量%」であり、いずれの成分も純分換算量を示す。
表中の空欄はその成分が配合されていないことを示す。
「バランス」は、各例の組成物に含まれる全配合成分の合計の配合量(質量%)が100質量%となるように水が配合されていることを意味する。
以下に、表中に示した成分について説明する。
・A−1:4,4’−ジクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル、商品名「Tinosan HP100」、BASF社製。
・A−2:5−クロロ−2−(2,4−ジクロロフェノキシ)フェノール,商品名「トリクロサン」、和光純薬工業株式会社製。
・A−3:o−ベンジル−p−クロロフェノール、商品名「クロロフェン」、クラリアントジャパン株式会社製。
・B−1:MEE(ポリオキシエチレン脂肪酸メチルエステル)。ヤシ脂肪酸メチル(質量比でラウリン酸メチル/ミリスチン酸メチル=74/26の混合物)に対して、アルコキシル化触媒を用いて、15モル相当のエチレンオキシドを付加したもの。上記一般式(II)中、R2=炭素数11のアルキル基及び炭素数13のアルキル基、R3=メチル基、s=15、t=0、u=0であるもの。下記合成方法により合成されたもの。
[B−1の合成方法]
特開2000−144179号公報に記載の合成方法に準じて合成した。
組成が2.5MgO・Al2O3・wH2O(w:水和水のモル数)である水酸化アルミナ・マグネシウム(キョーワード300(商品名)、協和化学工業株式会社製)を600℃で1時間、窒素雰囲気下で焼成して、焼成水酸化アルミナ・マグネシウム(未改質)触媒を得た。焼成水酸化アルミナ・マグネシウム(未改質)触媒2.2gと、0.5N水酸化カリウムエタノール溶液2.9mLと、ラウリン酸メチルエステル280gと、ミリスチン酸メチルエステル70gとを4Lオートクレーブに仕込み、オートクレーブ内で触媒の改質を行った。次いで、オートクレーブ内を窒素で置換した後、温度を180℃、圧力を0.3MPaに維持しつつ、エチレンオキシド1052gを導入し、撹拌しながら反応させた。
得られた反応液を80℃に冷却し、水159gと、濾過助剤として活性白土及び珪藻土をそれぞれ5gとを添加し混合した後、触媒を濾別してB−1を得た。
B−1のナロー率は30質量%であった。
・B−2:MEE。ヤシ脂肪酸メチル(質量比でラウリン酸メチル/ミリスチン酸メチル=8/2の混合物)に、アルコキシル化触媒を用いて、15モル相当のエチレンオキシドを付加したもの。上記一般式(II)中、R2=炭素数11のアルキル基及び炭素数13のアルキル基、R3=メチル基、s=15、t=0、u=0であるもの。下記合成方法により合成されたもの。
[B−2の合成方法]
500mLビーカーに、2−エチルヘキサノール(一級試薬、関東化学株式会社製)137gと、酢酸カルシウム一水和物(特級試薬、関東化学株式会社製)41.7gを入れ、パドル攪拌翼により室温(25℃)で混合して分散物を得た(分散工程)。前記分散物を攪拌しながら、滴下ロートによって、硫酸(特級試薬、関東化学株式会社製)20.9gを10分間かけて添加し混合した(混合工程)。混合工程では硫酸の添加で発熱するので、ビーカーを水浴して冷却し、反応温度を30〜50℃に制御した。硫酸を添加した後、50℃に保ちながら、さらに2時間攪拌し(触媒熟成工程)、アルコキシル化触媒を得た。
オートクレーブに、上記アルコキシル化触媒12.5gと、ラウリン酸メチル(パステルM12、ライオンケミカル株式会社製)462gと、ミリスチン酸メチル(パステルM14、ライオンケミカル株式会社製)166gとを入れ、攪拌した。攪拌しながら、オートクレーブ内を窒素置換し、100℃に昇温し、1.3kPa以下の減圧条件で30分間、脱水を行った。次いで、160℃に昇温し、0.1〜0.5MPaの条件で、エチレンオキシド1876g(ラウリン酸メチルとミリスチン酸メチルとの合計の15倍モル)を導入して攪拌した(付加反応工程)。さらに、付加反応温度で0.5時間攪拌した(熟成工程)後、80℃に冷却し、反応粗製物(脂肪酸メチルエステルエトキシレート(MEE)、EO平均付加モル数=15)2516gを得た。前記反応粗製物をろ過して触媒を除去したものをB−2とした。
B−2のナロー率は30質量%であった。
・B−4:ポリオキシエチレンアルキルエーテル。炭素数12及び14の天然アルコール(第1級アルコール)に15モル相当のエチレンオキシドを付加したもの。
[ポリオキシエチレンアルキルエーテルの合成方法]
プロクター・アンド・ギャンブル社製のCO−1214(商品名、炭素数12及び14の天然アルコール)224.4gと、30質量%NaOH水溶液2.0gとを耐圧型反応容器内に仕込み、該反応容器内を窒素置換した。次に、温度100℃、圧力2.0kPa以下で30分間脱水した後、温度を160℃まで昇温した。次いで、反応液を撹拌しながら、エチレンオキシド(ガス状)760.6gを反応液中に徐々に加えた。この時、反応温度が180℃を超えないように添加速度を調節しながら、エチレンオキシドを吹き込み管で加えた。
エチレンオキシドの添加終了後、温度180℃、圧力0.3MPa以下で30分間熟成した後、温度180℃、圧力6.0kPa以下で10分間、未反応のエチレンオキシドを留去した。
次に、温度を100℃以下まで冷却した後、反応物の1質量%水溶液のpHが約7になるように、70質量%p−トルエンスルホン酸を加えて中和し、B−4を得た。
・B−5:EPノニオン。天然アルコール(質量比で炭素数12の第1級アルコール/炭素数14の第1級アルコール=7/3)に、8モルのエチレンオキシド、2モルのプロピレンオキシド、8モルのエチレンオキシドの順にブロック付加させて得られたノニオン界面活性剤。
[B−6の調製例]
容量4Lのオートクレーブ中に、原料アルコールとしてP&G社製の商品名CO1270アルコール(炭素数12のアルコールと炭素数14のアルコールとの質量比75/25の混合物)400gと、反応用触媒として水酸化カリウム触媒0.8gとを仕込み、該オートクレーブ内を窒素で置換した後、攪拌しながら昇温した。続いて、温度を180℃、圧力を0.3MPa以下に維持しながらエチレンオキシド91gを導入し、反応させることによりアルコールエトキシレートを得た。
ガスクロマトグラフ質量分析計:Hewlett−Packard社製のGC−5890と、検出器:水素炎イオン化型検出器(FID)と、カラム:Ultra−1(HP社製、L25m×φ0.2mm×T0.11μm)と、を用いて分析した結果、得られたアルコールエトキシレートは、エチレンオキシドの平均付加モル数が1.0であった。また、エチレンオキシドが付加していない化合物(最終的に成分(b0)となるもの)の量が、得られたアルコールエトキシレート全体に対して43質量%であった。
次に、上記で得たアルコールエトキシレート237gを、攪拌装置付の500mLフラスコに採り、窒素で置換した後、液体無水硫酸(サルファン)96gを、反応温度40℃に保ちながらゆっくりと滴下した。滴下終了後、1時間攪拌を続け(硫酸化反応)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸を得た。次いで、これを水酸化ナトリウム水溶液で中和することによりB−6を得た。
・B−7:AEPS。ポリオキシエチレンポリオキシプロパン−1,2−ジイルアルキルエーテル硫酸エステルのモノエタノールアミン塩。一般式(V)におけるR40=炭素数12の直鎖状のアルキル基、m=2.0、n=1.0、M=モノエタノールアミン。
[AEPSの合成方法]
撹拌装置、温度制御装置及び自動導入装置を備えたオートクレーブ内に、炭素数12の直鎖の第1級アルコール[東京化成工業株式会社製、商品名:1−ドデカノール(分子量186.33)、純度>99%]640gと、KOH1.0gと、を仕込み、110℃、1.3kPaにて30分間脱水を行った。脱水後、窒素置換を行い、120℃まで昇温した後、プロパン−1,2−ジイルオキシド199gを仕込んだ。次いで、120℃にて付加反応・熟成を行った後、145℃に昇温し、エチレンオキシド303gを仕込んだ。次いで、145℃にて付加反応・熟成を行った後、80℃まで冷却し、4.0kPaで未反応のエチレンオキシドを除去した。未反応のエチレンオキシドを除去した後、酢酸1.0gをオートクレーブ内に加え、80℃で30分間撹拌した後、抜き出しを行い、アルキル基がドデシル基、POの平均付加モル数が1.0、EOの平均付加モル数が2.0であるアルコキシレートを得た。
得られたアルコキシレートを、SO3ガスを用いて下降薄膜式反応器により硫酸化した。得られた硫酸化物をモノエタノールアミンにて中和し、ポリオキシエチレンポリオキシプロパン−1,2−ジイルアルキルエーテル硫酸エステルのモノエタノールアミン塩(AEPS)を含む組成物を得た。
・B−8:LAS。直鎖アルキルベンゼンスルホン酸。ライポンLH−200(商品名)、ライオン株式会社製。
・B−9:ヤシ脂肪酸。アニオン界面活性剤。商品名「ヤシ脂肪酸」、(日油株式会社)。
・B−10:塩化アルキル(炭素数12)トリメチルアンモニウム。ライオンアクゾ社製、商品名「アーカード12−37W」。
・B−11:アミドアミン(ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド)。東邦化学(株)製、商品名:カチナールMPAS−R。
・C−1:ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、アクトコールT−1500(商品名)、三井化学株式会社製、重量平均分子量1500。
・C−2:ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、アクトコールT−3000(商品名)、三井化学株式会社製、重量平均分子量3000。
・C−3:ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、アクトコールT−4000(商品名)、三井化学株式会社製、重量平均分子量4000。
・C−4:ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、アクトコールT−5000(商品名)、三井化学株式会社製、重量平均分子量5000。
・C−5:ポリオキシプロピレンエチレングリコールエーテル、アクトコールD−3000(商品名)、三井化学株式会社製、重量平均分子量3000。
・C−6:ポリオキシプロピレンエチレングリコールエーテル、アクトコールD−4000(商品名)、三井化学株式会社製、重量平均分子量4000。
・コロナーゼ(酵素)、ノボザイムズ社製、商品名「Coronase48L」。
・MEA:モノエタノールアミン(アルカリ剤)、株式会社日本触媒製、商品名「モノエタノールアミン」。
・BHT:ジブチルヒドロキシトルエン(酸化防止剤)、商品名「SUMILZER BHT−R」、住友化学株式会社製。
・PEG1000:ポリエチレングリコール、重量平均分子量1000(水混和性有機溶剤)、ライオン株式会社製、商品名「PEG#1000−L60」。
・エタノール(水混和性有機溶剤)、日本アルコール販売株式会社製、商品名「特定アルコール95度合成」。
・安息香酸ナトリウム(防腐剤)、東亜合成株式会社製、商品名「安息香酸ナトリウム」。
・塩化カルシウム(酵素安定化剤)、関東化学株式会社製、商品名「塩化カルシウム」。
・乳酸ナトリウム(酵素安定化剤)、関東化学株式会社製、商品名「乳酸ナトリウム」。
・香料(着香剤)、特開2002−146399号公報の表11〜18に記載の香料組成物A。
・色素(着色剤)、癸巳化成株式会社製、商品名「緑色3号」。
・水(蒸留水)、関東化学株式会社製。
表1〜2に示す組成に従い、水に各成分を添加し混合して、実施例1〜16、比較例1〜4の衣料用液体洗浄剤組成物を得た。
実施例1〜16、比較例1〜4の衣料用液体洗浄剤組成物について、抗菌活性、再汚染防止性、液安定性について以下のように評価した。
(1)洗浄処理方法
全自動電気洗濯機(Haier社製、製品名「JW−Z23A」)に、約400gの被洗布を投入した[浴比(洗濯水量/被洗布総質量)30倍]。被洗布としては、5cm×5cmの大きさに切り分けた綿市販のテトロン(登録商標)/綿ブロード混紡品(ポリエステル50%/綿50%)(以下、テト綿と表記)約30gと、綿肌シャツ(B.V.D.社製)とを合わせたものを用いた。
次に、前記全自動電気洗濯機に、各例の衣料用液体洗浄剤組成物をそれぞれ333ppm加え、標準コースで洗浄、すすぎ、脱水を順次行う洗浄操作を行った。その際、洗浄時間、すすぎ、脱水、水量(低水位に設定、水量約12L)に関しては一切調整せず、洗濯機の標準コース設定をそのまま使用した。
洗濯終了後、テト綿を取り出し、この取り出したテト綿を25℃、相対湿度65%RHの恒温恒湿室に放置して乾燥させた。乾燥後、該テト綿を試験布として抗菌効果の評価に用いた。また、未処理布として、前記洗濯操作を施していないテト綿を用いた。
本評価に用いた器具、水などは、予めオートクレーブにより滅菌処理を施したものを用いた。また、本評価では、菌として黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)を用いた。
JIS L1902に準じて培養を行った黄色ブドウ球菌を用い、ニュートリエント培地を20倍に希釈し、菌数が1±0.3×105個/mLとなるように、黄色ブドウ球菌母液を調製した。
前記試験布(5cm×5cm)の4箇所に、前記黄色ブドウ球菌母液0.1mLずつを接種し、37℃の恒温槽にて18時間培養して、試験布上で増殖又は静菌した。
その後、抽出液(JIS L1902に記載の洗い出し用生理食塩水)にて試験布から菌を抽出し、その抽出液を生理食塩水によって10倍に希釈した。得られた希釈液をさらに10倍に希釈する操作を4回繰り返し、100,000倍の希釈液を得た。なお、「洗い出し用生理食塩水」とは、精製水1,000mLに対し、塩化ナトリウム8.5gを採取し、これらをフラスコに入れて充分に溶解させ、さらにノニオン界面活性剤としてポリオキシエチレンソルビタンモノオレート(関東化学社製、商品名「ポリソルベート80、Tween80」)2gを加えて溶解させた後、高圧蒸気殺菌(オートクレーブ処理)したものである。
次いで、SCDLP寒天培地(日本製薬株式会社製)上に、得られた100,000倍の希釈液から1mLを採取し、予めオートクレーブにより滅菌処理し48℃に保温したSCDLP寒天培地15mLをシャーレ上で混釈し、37℃の恒温槽内で1〜2日間培養した後、コロニー数をカウントし、生菌数を求めた。
そして、未処理布についても試験布と同様の操作を行って生菌数を測定し、これらの測定値を用いて抗菌活性値(A)を下記式(ii)より算出した。
抗菌活性値=log10(未処理布の生菌数/試験布の生菌数) ・・・(ii)
次いで、衣料用液体洗浄剤組成物の代わりに、評価比較用の衣料用液体洗浄剤組成物を用いた以外は、上述した操作(1)、(2)と同様にして、試験布及び未処理布について生菌数を測定し、抗菌活性値(B)を上記式(ii)より算出した。
算出した抗菌活性値(A)と抗菌活性値(B)より、抗菌活性値の差{抗菌活性値(A)−抗菌活性値(B)}を求め、下記評価基準により抗菌性付与効果の評価を行った。△、×が不合格である。それらの結果を表1〜2に示す。
(評価基準)
◎:抗菌活性値の差が2.5桁以上〜3.0桁未満であった。
○:抗菌活性値の差が2.0桁以上〜2.5桁未満であった。
△:抗菌活性値の差が1.0桁以上〜2.0桁未満であった。
×:抗菌活性値の差が1.0桁未満であった。
作成した衣料用液体洗浄剤組成物を用いて、以下に示す洗浄工程、すすぎ工程、乾燥工程を行った。
(1)洗浄工程
被洗物として、下記ポリエステル(PE)布、湿式人工汚染布、EMPA標準汚染布及び肌シャツを用いた。
ポリエステル(PE)布:再汚染判定布としてポリエステルトロピカル(谷頭商店製)5cm×5cmを5枚。
湿式人工汚染布:財団法人洗濯科学協会製の汚染布(オレイン酸28.3%、トリオレイン15.6%、コレステロールオレート12.2%、流動パラフィン2.5%、スクアレン2.5%、コレステロール1.6%、ゼラチン7.0%、泥29.8%、カーボンブラック0.5%(質量比)の組成の汚れが付着した布)を20枚。
EMPA標準汚染布:EMPA101汚染布(カーボンブラック/オリーブ油の組成の汚れが付着した布を)10枚、EMPA116汚染布(血液/ミルク/インクの組成の汚れが付着した布を)10枚。
肌シャツ:肌シャツ(LLサイズ、DVD社製)を細かく(3cm×3cm程度)裁断したもの。
Terg−o−tometer(UNITED STATES TESTING社製)内に、25℃の3°DH硬水900mLを入れ、ここに衣料用液体洗浄剤組成物0.9gを加え、次いで、前記被洗物を入れた。その後、3°DH硬水を加えて浴比を30倍に調整し、120rpm、25℃で30分間洗浄した。
洗浄後の被洗物を、1分間脱水した後、25℃の3°DH硬水900mLを入れ、120rpm、25℃で3分間すすいだ。
(3)乾燥工程
すすいだ被洗物を1分間脱水した後、再汚染判定布(PE布)のみを取り出し、濾紙に挟み、アイロンで乾燥した。
反射率計(分光式色差計SE2000、日本電色工業株式会社製)を用い、洗濯処理前後の再汚染判定布の反射率(Z値)を測定し、下式よりΔZを求めた。
ΔZ=(洗濯処理前のZ値)−(洗濯処理後のZ値)
PE布のそれぞれの再汚染判定布におけるΔZについて、5枚の平均値を求めた。そして、この平均値を指標とした下記判定基準に従い、衣料用液体洗浄剤組成物によるPE布への再汚染防止効果を評価した。それらの結果を表1〜2に示す。
(PE布における評価基準)
◎:△Zが6未満。
○:△Zが6以上8未満。
△:△Zが8以上10未満。
×:△Zが10以上。
透明のガラス瓶(広口規格びん、PS−NO.11)に、各例の衣料用液体洗浄剤組成物100mLを充填し、蓋を閉めて密封した。この状態で5℃又は25℃の恒温槽内に7日間静置して保存した。
かかる保存の後、液の外観を目視で観察し、下記評価基準に従って、衣料用液体洗浄剤組成物の液安定性を評価した。
(評価基準)
○:ガラス瓶の底部に沈殿物質が認められず、液の流動性がある。
△:ガラス瓶の底部に沈殿物質が認められるが、ガラス瓶を軽く振ると、その沈殿物質は消失(溶解)する。
×:ガラス瓶の底部に沈殿物質が認められ、ガラス瓶を軽く振ってもその沈殿物質は消失しない、又は、衣料用液体洗浄剤組成物の製造直後にゲル化もしくは白濁を生じる。
かかる評価結果を、表1〜2の液安定性(25℃)、液安定性(5℃)の欄にそれぞれ示す。
(C)成分を含まない比較例1は、再汚染防止性において劣っていた。
(B)成分の含有量が30質量%未満である比較例2は、再汚染防止性において劣っていた。
(A)成分を含まない比較例3は、抗菌活性において劣っていた。
ノニオン界面活性剤の含有量がアニオン界面活性剤の含有量と同量である比較例4は、液安定性において劣っていた。
以上の結果から、本発明を適用した衣料用液体洗浄剤組成物は、抗菌活性、液安定性、及び再汚染防止性に優れることが確認できた。
Claims (2)
- (A)成分:ノニオン系抗菌剤と、(B)成分:界面活性剤(ただし(C)成分を除く)と、(C)成分:炭素数1〜5のアルコールのプロピレンオキシド付加物と、を含有し、
前記(B)成分の含有量が、衣料用液体洗浄剤組成物の総質量に対し、30質量%以上であり、
前記(B)成分は、ノニオン界面活性剤と、アニオン界面活性剤とを含有し、
前記ノニオン界面活性剤の含有量が、前記アニオン界面活性剤の含有量よりも多い、衣料用液体洗浄剤組成物。 - 前記(B)成分が、2種類以上のノニオン界面活性剤を含有する、請求項1に記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
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