JP6676351B2 - 衣料用液体洗浄剤組成物 - Google Patents

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本発明は、衣料用液体洗浄剤組成物に関する。
衣料用液体洗浄剤組成物は、衣料に付着した汚れを洗浄する作用を有する。近年、カチオン界面活性剤を含有する衣料用液体洗浄剤組成物を用いて、衣料を洗浄し脱水した後、衣料が乾燥するまでに衣料から発生する生乾き臭を抑制することが望まれている。
特許文献1には、非イオン界面活性剤、炭素数12〜18の鎖式炭化水素基を一つ有する陽イオン界面活性剤、炭素数12の直鎖の第1級アルキル基とエチレンオキシ基を2〜5個有する非イオン性化合物、過酸化水素及び水を含有る液体洗浄剤組成物が開示されている。特許文献1で開示される衣料用液体洗浄剤組成物は、衣料から発生する生乾き臭の生成を抑制することが記載されている。特許文献2には、ベンジル基等の基を含むカチオン化合物と炭素数8〜12の炭化水素基を2つ有する4級アンモニウム化合物と非イオン界面活性剤を含有し、抗菌性、室内干し時等の洗濯物の生乾き臭抑制に優れ、且つ洗浄力に優れた液体洗浄剤組成物が開示されている。具体的な液体洗浄剤組成物として脂肪酸が使用されている。
特許文献3には、カチオン界面活性剤とアニオン界面活性剤が錯体を形成し、それぞれの界面活性剤の効果が消失する課題を、脂肪酸等の可溶化剤を使用して解決する製造方法が記載されている。特許文献4には、アルカリ剤、非イオン界面活性剤、特定のカチオン界面活性剤、カルボキシル基を有するポリマー及び水を含有し、衣料に対する洗浄力と消臭性に優れるとともに、除菌効果、抗菌防臭効果を有し、再汚染や移染に対する防止性能にも優れた衣料用液体洗浄剤組成物が開示されている。
特開2012−233144号公報 特開2002−348593号公報 特開2002−129189号公報 特開2009−191098号公報
近年、ドラム型洗濯機が普及している。使用者は、ドラム型洗濯機での洗浄工程の直後に、ドラム型洗濯機の前面の窓から、洗濯機内部の泡の状態を見ることができる。窓から見える洗濯機内の泡が少ない方が、次のすすぎが充分に行われると使用者は感じることから好ましい。泡を消泡する効果を有する化合物として炭素数10以上18以下の脂肪酸が使用されることがある。
特許文献2に記載の芳香族基やピリジニウム基を含む第4級アンモニウム化合物は殺菌剤として用いられている。しかしながら、これらの殺菌剤は一般的に高価であることが多い。そこで、芳香族基やピリジニウム基を含まない第4級アンモニウム化合物を使用する場合がある。
しかしながら、脂肪酸と、例えば炭素数8以上16以下の鎖式炭化水素基を一つ有し、芳香族基やピリジニウム基を含まない第4級アンモニウム塩を併用すると、これらが衣料用液体洗浄剤組成物中で複合体を形成し、低温での保存時に固体物が当該組成物中に析出する場合があることが見出された。
本発明は、低温での保存安定性に優れ、衣料に対してさらに高い抗菌効果を付与できる、衣料用液体洗浄剤組成物に関する。
本発明は、(a)成分を10質量%以上70質量%以下、(b)成分、(c)成分、(d)成分を0.3質量%以上9質量%以下、(e)水酸基を有する有機溶剤、及び水を含有し、
(b)成分の含有量と(c)成分の含有量の合計量が0.2質量%以上10質量%以下であり、
(d)成分の含有量と(c)成分の含有量との質量比が、(d)成分の含有量/(c)成分の含有量で0.1以上9以下である、衣料用液体洗浄剤組成物に関する。
(a)成分:ノニオン界面活性剤及びアニオン界面活性剤(但し(d)成分は除く)から選ばれる1種以上の界面活性剤
(b)成分:下記一般式(b1)で表される第4級アンモニウム化合物
Figure 0006676351
〔式中、Rb1,Rb2がそれぞれ独立に炭素数8以上10以下の鎖式炭化水素基であり、Rb3、Rb4は、それぞれ独立に炭素数1以上3以下のアルキル基、又は炭素数1以上3以下のヒドロキシアルキル基であり、X-は炭素数1以上3以下のアルキル硫酸イオン又はハロゲンイオンである。〕
(c)成分:下記一般式(c1)で表される第4級アンモニウム化合物
Figure 0006676351
〔式中、Rc1は炭素数8以上16以下の鎖式炭化水素基であり、Rc2、Rc3、Rc4は、それぞれ独立に炭素数1以上3以下のアルキル基、又は炭素数1以上3以下のヒドロキシアルキル基であり、Y-は炭素数1以上3以下のアルキル硫酸イオン又はハロゲンイオンである。〕
(d)成分:炭素数8以上20以下の脂肪酸又はその塩
(e)成分:水酸基を有する有機溶剤
本発明によれば、低温での保存安定性に優れ、衣料に対してさらに高い抗菌効果を付与できる、衣料用液体洗浄剤組成物が提供される。
<(a)成分>
(a)成分は、ノニオン界面活性剤及びアニオン界面活性剤(但し(d)成分を除く)から選ばれる1種以上の界面活性剤である。
ノニオン界面活性剤は、ポリオキシアルキレン基を有するノニオン界面活性剤が好ましい。
ポリオキシアルキレン基を有するノニオン界面活性剤の好ましい例として、下記一般式(a1)で表されるノニオン界面活性剤が挙げられる。
a1(CO)O−(AO)−Ra2 (a1)
〔式中、Ra1は炭素数9以上16以下の脂肪族炭化水素基であり、Ra2は水素原子又はメチル基であり、COはカルボニル基であり、mは0又は1の数であり、AO基はエチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基から選ばれる1種以上の基であり、nは平均付加モル数であって、2以上30以下の数である。〕
一般式(a1)中、Ra1は炭素数9以上16以下の脂肪族炭化水素基である。衣料の抗菌効果をより高める点で、Ra1は炭素数11以上14以下の脂肪族炭化水素基が好ましい。Ra1の脂肪族炭化水素基としては、アルキル基及びアルケニル基から選ばれる基が挙げられ、アルキル基が好ましい。Ra1は直鎖の基であることが好ましい。Ra1のCO又はOと結合する炭素原子は、第1級炭素原子であることが好ましい。
(c)成分と(d)成分が共存していても、本発明の衣料用液体洗浄剤組成物の保存安定性がより向上できる観点で、Ra1の全量中、炭素数11以上14以下の脂肪族炭化水素基の割合は、60質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、そして、100質量%以下が好ましく、100質量%であってもよい。
一般式(a1)中、AO基はエチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基から選ばれる1種以上の基である。AO基がエチレンオキシ基であると低温での保存安定性の低下が生じやすいが、本発明ではその場合でも低温安定性が良好となるため、AO基がエチレンオキシ基である場合に本発明の効果をより享受できる。また、低温での保存安定性を向上できる観点で、AO基はエチレンオキシ基とプロピレンオキシ基を含む基であることが好ましい。AO基がエチレンオキシ基とプロピレンオキシ基を含む基である場合の、エチレンオキシ基とプロピレンオキシ基の結合様式は、ランダムでも良く、ブロックでも良く、又はランダムとブロックの混合で合っても良い。
一般式(a1)中、nは平均付加モル数であって、2以上30以下の数である。低温での保存安定性がより向上できる観点で、nは3以上が好ましく、4以上がより好ましく、そして28以下が好ましく、26以下がより好ましく、24以下がさらに好ましい。
アニオン界面活性剤は、炭素数8以上18以下の脂肪族炭化水素基を有するスルホン酸塩、及び炭素数10以上18以下の脂肪族炭化水素基を有する硫酸エステル塩から選ばれる1種以上のアニオン界面活性剤が好ましい。
炭素数8以上18以下の脂肪族炭化水素基を有するスルホン酸塩の好ましい具体例としては、炭素数8以上18以下のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸塩が挙げられる。炭素数8以上18以下のアルキル基とは、アルキルベンゼンスルホン酸塩のベンゼン環に置換するアルキル基を意味し、ベンゼン骨格は含まない。衣料に付着した汚れの洗浄性をより向上できる観点で、アルキル基の炭素数は10以上が好ましく、11以上がより好ましく、そして16以下が好ましい。
炭素数10以上18以下の脂肪族炭化水素基を有する硫酸エステル塩の好ましい例としては、下記一般式(a2)で表される硫酸エステル塩から選ばれる1種以上の硫酸エステル塩が挙げられる。
a3O−(AO)−SOM (a2)
〔式中、Ra3は炭素数10以上18以下の脂肪族炭化水素基であり、AO基はエチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基から選ばれる1種以上の基であり、lは平均付加モル数であって、0以上5以下の数である。Mは対イオンである。〕
一般式(a2)中、Ra3は衣料に付着した汚れの洗浄性をより向上できる観点で、炭素数12以上の脂肪族炭化水素基が好ましく、そして炭素数16以下の脂肪族炭化水素基が好ましい。低温での保存安定性を維持しつつ、衣料に付着した汚れの洗浄性をより向上できる観点で、Ra3中の炭素数12以上、16以下の脂肪族炭化水素基の含有割合は、60質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上がより好ましい。すなわち、(a2)中、Rが炭素数12以上16以下の脂肪族炭化水素基であるアニオン界面活性剤の割合は、低温での保存安定性がより向上できる観点で、60質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上がより好ましい。
a3の脂肪族炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基が挙げられ、アルキル基が好ましい。
一般式(a2)中、AO基はエチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基から選ばれる1種以上の基である。AO基は全てエチレンオキシ基であっても良く、また全てプロピレンオキシ基であっても良い。また、エチレンオキシ基とプロピレンオキシ基を含んでいても良い。エチレンオキシ基とプロピレンオキシ基を含む場合は、ランダムに含んでいても良く、ブロックであっても良い。低温での保存安定性がより向上できる観点で、AO基はエチレンオキシ基を含むことが好ましい。
一般式(a2)中、lは平均付加モル数であり、0以上5以下の数である。平均付加モル数が「0」である硫酸エステル塩の意味は、一般式(a2)中にAO基が含まれない硫酸エステル塩を表す。低温での保存安定性が向上できる観点で、lは0.5以上が好ましく、1以上がより好ましく、1.3以上がより好ましく、1.5以上がより好ましく、2以上がより好ましい。衣料に付着した汚れの洗浄性をより向上できる観点で、4以下が好ましく、3以下がより好ましい。
例えば前記一般式(a2)において、lが0を超え5以下の硫酸エステル塩中には、lが0である硫酸エステル塩を含む場合がある。また、lが0である硫酸エステル塩とlが0を超え5以下の硫酸エステル塩の2種類の硫酸エステル塩を配合し、本発明の衣料用液体洗浄剤組成物中に含有させる場合もある。本発明において、前記一般式(a2)中のlは、本発明の組成物中に含まれる全ての一般式(a2)で表される硫酸エステル塩を合計して算出される値で表すものとする。
一般式(a2)中、Mで表される対イオンとしては、アルカリ金属イオン、及び炭素数1以上、6以下のアルカノールアンモニウムイオンから選ばれる対イオンが挙げられる。アルカリ金属イオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオンが挙げられる。炭素数1以上、6以下のアルカノールアンモニウムイオンとしては、モノエタノールアンモニウムイオン、ジエタノールアンモニウムイオン、N−メチルエタノールアンモニウムイオン、N−メチルジエタノールアンモニウムイオン、トリエタノールアンモニウムイオンが挙げられる。
衣料への抗菌性を付与する効果が更に高まる観点、又は洗浄時の泡立ちをより抑制する観点で、(a)成分中のノニオン界面活性剤の割合は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上、さらにより好ましくは40質量%以上、さらにより好ましくは50質量%以上、さらにより好ましくは60質量%以上、さらにより好ましくは70質量%以上、さらにより好ましくは80質量%以上であり、そして、100質量%以下であり、100質量%であってもよい。また、衣料に付着した汚れの洗浄性の向上の点で、(a)成分中のノニオン界面活性剤の割合は、100質量%未満であってもよく、95質量%未満であってもよい。
尚、本発明においてアニオン界面活性剤の質量は、対イオンをNaに換算した値を用いるものとする。
<(b)成分>
(b)成分は、前記一般式(b1)で表される化合物である。
一般式(b1)中、Rb1、Rb2は衣料により高い抗菌効果を付与できる点で、それぞれ、炭素数9以上が好ましく、10がより好ましい。Rb1、Rb2の具体例は、それぞれ独立に、オクチル基、ノニル基、デシル基であり、衣料への抗菌効果を付与する効果をより高める点で、ノニル基、デシル基が好ましく、デシル基がさらに好ましい。
一般式(b1)中、Rb3、Rb4はそれぞれ独立に、炭素数1以上3以下のアルキル基、又は炭素数1以上3以下のヒドロキシアルキル基である。炭素数1以上3以下のアルキル基の具体例は、メチル基、エチル基、プロピル基が挙げられる。炭素数1以上3以下のヒドロキシアルキル基の具体例は、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基が挙げられる。
一般式(b1)中、Xは炭素数1以上3以下のアルキル硫酸イオン、又はハロゲンイオンである。炭素数1以上3以下のアルキル硫酸イオンの具体例は、メチル硫酸イオン、エチル硫酸イオン、プロピル硫酸イオンである。ハロゲンイオンの具体例は、クロルイオン、ブロモイオンであり、衣料の黄変抑制の点からクロルイオンが好ましい。
(b)成分のより具体的な化合物は、N,N−ジオクチル−N,N−ジメチルアンモニウム塩、N,N−ジノニル−N,N−ジメチルアンモニウム塩、N,N−ジデシル−N,N−ジメチルアンモニウム塩、N,N−ジオクチル−N−エチル−N−メチルアンモニウム塩、N,N−ジノニル−N−エチル−N−メチルアンモニウム塩、及びN,N−ジデシル−N−エチル−N−メチルアンモニウム塩から選ばれる1種以上の化合物が挙げられる。これらの塩となる対イオンは、メチル硫酸イオン、エチル硫酸イオン又はクロルイオン等のハロゲンイオンである。
衣料により高い抗菌効果を付与できる点で、(b)成分はN,N−ジデシル−N,N−ジメチルアンモニウム塩、及びN,N−ジデシル−N−エチル−N−メチルアンモニウム塩から選ばれる1種以上の化合物が好ましい。これらの塩となる対イオンは、メチル硫酸イオン、エチル硫酸イオン又はクロルイオン等のハロゲンイオンである。
<(c)成分>
(c)成分は、前記一般式(c1)で表される化合物である。
一般式(c1)中、Rc1は衣料により高い抗菌効果を付与できる点で、炭素数は10以上が好ましく、11以上がより好ましく、12以上がさらに好ましい。本発明の衣料用液体洗浄剤組成物の外観をより透明になりやすくする点で、Rc1の炭素数は16以下が好ましく、14以下がより好ましい。Rc1の具体例は、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基が挙げられる。
一般式(c1)中、Rc2、Rc3、Rc4はそれぞれ独立に、炭素数1以上3以下のアルキル基又は炭素素数1以上3以下のヒドロキシアルキル基である。炭素数1以上3以下のアルキル基の具体例は、メチル基、エチル基、プロピル基が挙げられる。炭素数1以上3以下のヒドロキシアルキル基の具体例は、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基が挙げられる。
一般式(c1)中、Yは炭素数1以上3以下のアルキル硫酸イオン又はハロゲンイオンである。炭素数1以上3以下のアルキル硫酸イオンの具体例は、メチル硫酸イオン、エチル硫酸イオン、プロピル硫酸イオンである。ハロゲンイオンの具体例はクロルイオン、ブロモイオンであり、衣料の黄変抑制の点からクロルイオンが好ましい。
より好ましい具体的な(c)成分として、下記の(c1−1)、(c1−2)から選ばれる1種以上の化合物が挙げられる。
(c1−1):前記一般式(c1)中、Rc1は炭素数8以上16以下の炭化水素基であり、Rc2、Rc3、Rc4はそれぞれメチル基又はエチル基であり、Y-はメチル硫酸イオン、エチル硫酸イオン又はクロルイオン等のハロゲンイオンである化合物。
(c1−1)のさらに具体的な化合物は、N−オクチル−N,N,N−トリメチルアンモニウム塩、N−デシル−N,N,N−トリメチルアンモニウム塩、N−ドデシル−N,N,N−トリメチルアンモニウム塩、N−テトラデシル−N,N,N−トリメチルアンモニウム塩、及びN−ヘキサデシル−N,N,N−トリメチルアンモニウム塩から選ばれる1種以上の化合物である。これらの塩としては、メチル硫酸塩、エチル硫酸塩又はクロル塩が好ましい。
(c1−2):前記一般式(c1)中、Rc1は炭素数8以上16以下の炭化水素基であり、Rc2、Rc3はそれぞれメチル基又はエチル基であり、Rc4は炭素数1以上3以下のヒドロキシアルキル基であり、Y-はメチル硫酸イオン、エチル硫酸イオン又はクロルイオン等のハロゲンイオンである化合物。
(c1−2)のさらに具体的な化合物は、N−オクチル−N−ヒドロキシエチル−N,N−トリメチルアンモニウム塩、N−デシル−N−ヒドロキシエチル−N,N−トリメチルアンモニウム塩、N−ドデシル−N−ヒドロキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウム塩、N−テトラデシル−N−ヒドロキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウム塩、及びN−ヘキサデシル−N−ヒドロキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウム塩から選ばれる1種以上の化合物である。これらの塩としては、メチル硫酸塩、エチル硫酸塩又はクロル塩が好ましい。
<(d)成分>
(d)成分は、炭素数8以上20以下の脂肪酸又はその塩である。
(d)成分は、オクタン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸及びこれらの塩が挙げられる。また、椰子組成脂肪酸などの混合脂肪酸を用いることも可能である。脂肪酸の塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩から選ばれる無機塩、モノエタノールアンモニウム塩、ジエタノールアンモニウム塩、トリエタノールアンモニウム塩などの有機アミン塩であるが、好ましくはナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、より好ましくはナトリウム塩、カリウム塩が挙げられる。
(d)成分は、低温での保存安定性をさらに向上できる点で、不飽和基を含む脂肪酸又はその塩を含む脂肪酸であることが好ましい。
低温での保存安定性をさらに向上できる点で、(d)成分中の不飽和基を含む脂肪酸又はその塩の含有量は、0.5質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、2質量%以上がより好ましく、3質量%以上がより好ましく、4質量%以上がより好ましく、5質量%以上がさらに好ましい。上限値は100質量%である。上限値は、70質量%以下、更に40質量%とすることができる。
本発明の衣料用液体洗浄剤組成物は、(d)成分として、炭素数12の脂肪酸又はその塩〔以下、(d1)成分という〕と炭素数14以上20以下の脂肪酸又はその塩〔以下、(d2)成分という〕とを含有することが、洗浄後のすすぎ性向上の観点から、好ましい。(d2)成分の含有量と(d1)成分の含有量の質量比は、(d2)成分/(d1)成分で、好ましくは0.5以上、より好ましくは0.8以上、更に好ましくは1以上であり、そして、低温での保存安定性の向上の点から、好ましくは10以下、より好ましくは5以下である。
(d)成分のうち、炭素数が多い脂肪酸又はその塩は、低温での保存安定性が低下しやすい傾向にある。(d1)成分と(d2)成分とを用いることは、前記の通り、洗浄後のすすぎ性向上の観点から好ましいものであるが、例えば、(d2)成分/(d1)成分の質量比が、0.6以上、更に0.7以上、更に0.8以上、更に0.9以上、更に1.0以上、更に1.1以上、更に1.2以上、更に1.3以上、更に1.4以上であり、そして5以下、更に4以下、更に3以下であると、本発明の(c)成分である、炭素数8以上16以下の鎖式炭化水素基を一つ有する第4級アンモニウム化合物と共存した場合の、低温での保存安定性が低下しやすくなる。本発明では、(b)成分を更に共存させることで、(d2)成分/(d1)成分の質量比がこれらの範囲にある混合脂肪酸又はその塩を用いても、低温での保存安定性を向上させることが出来る。
尚、本発明で用いる(d)成分の質量は酸型に換算した値を用いるものとする。
<(e)成分>
(e)成分は、水酸基を有する有機溶剤である。
水酸基を有する有機溶剤としては、以下の(e1)成分〜(e6)成分から選ばれる1種以上の化合物が用いられる。
(e1)成分:炭素数2以上6以下の脂肪族炭化水素基を有する1価のアルコール
(e1)成分として、例えばエタノール、1−プロパノール、2−プロパノール及び1−ブタノールから選ばれる1価のアルコールが挙げられる。
(e2)成分:炭素数2以上6以下の2価以上6価以下のアルコール
(e2)成分として、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール及びグリセリンから選ばれる2価又は3価のアルコールが挙げられる。2−メチル−2,4−ペンタンジオールは、ヘキシレングリコールとも称される。
(e3)成分:炭素数2以上4以下のアルキレングリコール単位を含有するポリアルキレングリコール
(e3)成分として、例えばジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、重量平均分子量400以上4000以下のポリエチレングリコール及び重量平均分子量400以上4000以下のポリプロピレングリコールから選ばれるポリアルキレングリコールが挙げられる。
(e4)成分:炭素数2以上4以下のアルキレングリコール単位と、炭素数1以上4以下のアルキル基とを有する、(モノ又はポリ)アルキレングリコールのモノアルキルエーテル
(e4)成分として、例えばジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール及び1−エトキシ−2−プロパノールから選ばれる化合物が挙げられる。
(e5)成分:炭素数1以上8以下のアルキルを有するアルキルグリセリルエーテル
(e5)成分として、例えば1−メチルグリセリルエーテル、2−メチルグリセリルエーテル、1,3−ジメチルグリセリルエーテル、1−エチルグリセリルエーテル、1,3−ジエチルグリセリルエーテル、トリエチルグリセリルエーテル、1−ペンチルグリセリルエーテル、2−ペンチルグリセリルエーテル、1−オクチルグリセリルエーテル及び2−エチルヘキシルグリセリルエーテルから選ばれるアルキルグリセリルエーテルが挙げられる。
(e6)成分:炭素数2又は3のアルキレングリコール単位を有する(モノ又はポリ)アルキレングリコールの芳香族アルキルエーテル
(e6)成分として、例えば2−フェノキシエタノール、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、トリエチレングリコールモノフェニルエーテル、平均分子量約480のポリエチレングリコールモノフェニルエーテル、2−ベンジルオキシエタノール及びジエチレングリコールモノベンジルエーテルから選ばれる化合物
前記(e4)成分、(e6)成分において「(モノ又はポリ)アルキレングリコール」なる用語は、モノアルキレングリコール又はポリアルキレングリコールを意味する。また、「ポリアルキレングリコール」とは、アルキレングリコール単位を2個以上9個以下の量で含有することを意味する。
(e)成分は、低温での保存安定性が更に向上できる観点で、(e1)成分、(e2)成分、(e4)成分、及び(e6)成分から選ばれる1種以上の化合物が好ましい。
より具体的には、本発明の衣料用液体洗浄剤組成物は、エタノール、プロピレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、2−フェノキシエタノール、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル及びトリエチレングリコールモノフェニルエーテルから選ばれる1種以上の化合物を含有することが好ましい。本発明の衣料用液体洗浄剤組成物は、(e)成分として、エタノール、プロピレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、2−フェノキシエタノール、ポリエチレングリコールフェニルエーテルから選ばれる1種以上の有機溶剤を含有することが好ましい。
<水>
本発明の衣料用液体洗浄剤組成物は、水を含有する。水は、イオン交換水、蒸留水、水道水、次亜塩素酸塩ナトリウムを1mg/kg以上5mg/kg以下含有する水などを使用することができる。
<衣料用液体洗浄剤組成物の組成、任意成分等>
本発明の衣料用液体洗浄剤組成物は、(a)成分を、10質量%以上、70質量%以下含有する。
好ましくは12質量%以上、より好ましくは14質量%以上、さらに好ましくは15質量%以上、そして、好ましくは65質量%以下、より好ましくは60質量%以下、さらに好ましくは55質量%以下含有する。
本発明の衣料用液体洗浄剤組成物は、(b)成分と(c)成分を、合計で0.2質量%以上、8質量%以下含有する。
衣料への抗菌効果付与がさらに向上する点で、好ましくは0.4質量%以上、より好ましくは0.6質量%以上、さらに好ましくは0.8質量%以上、さらにより好ましくは1.0質量%以上、さらにより好ましくは1.2質量%以上、さらにより好ましくは2.0質量%以上、さらにより好ましくは2.5質量%以上、さらにより好ましくは3.0質量%以上、そして、低温での保存安定性の向上の点で、好ましくは7質量%以下、より好ましくは6質量%以下含有する。
本発明の衣料用液体洗浄剤組成物は、(d)成分を、0.3質量%以上9質量%以下含有する。
洗浄時の泡立ち抑制の観点から、本発明の衣料用液体洗浄剤組成物は、(d)成分を、0.3質量%以上、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは0.7質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上、さらにより好ましくは1.5質量%以上含有する。
また、衣料の洗浄後のすすぎ性向上の観点から、本発明の衣料用液体洗浄剤組成物は、(d)成分を、好ましくは1質量%以上、より好ましくは1.5質量%以上含有する。
また、低温での保存安定性をより向上出来る観点から、本発明の衣料用液体洗浄剤組成物は、(d)成分を、9質量%以下、好ましくは8質量%以下、より好ましくは7質量%以下、さらに好ましくは6質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは4質量%以下、さらに好ましくは3質量%以下、さらに好ましくは2.8質量%以下、さらに好ましくは2.5質量%以下、さらに2.2質量%以下含有する。
本発明の衣料用液体洗浄剤組成物は、(e)成分を、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上、さらに好ましくは3質量%以上、そして、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは15質量%以下含有する。
本発明の衣料用液体洗浄剤組成物は、(b)成分の含有量と(c)成分の含有量の質量比である、(b)成分の含有量/(c)成分の含有量が0.1以上10以下であることが好ましい。
低温での保存安定性の向上の点で、(b)成分の含有量/(c)成分の含有量の質量比は、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.3以上、より好ましくは0.5以上、さらに好ましくは0.7以上、さらにより好ましくは1.0以上、さらにより好ましくは1.5以上、さらにより好ましくは2.0以上であり、そして、好ましくは9以下、より好ましくは8以下、さらに好ましくは7以下、さらにより好ましくは6以下、さらにより好ましくは5以下である。
衣料への抗菌効果付与の向上の点で、(b)成分の含有量/(c)成分の含有量の質量比は、好ましくは0.1以上、好ましくは0.4以上、より好ましくは0.6以上、さらに好ましくは0.8以上、さらにより好ましくは1.0以上、さらにより好ましくは1.4以上、さらにより好ましくは1.8以上、さらにより好ましくは2.0以上であり、そして、好ましくは10以下、好ましくは9以下、より好ましくは8以下、さらに好ましくは7以下、さらにより好ましくは6以下である。
本発明の衣料用液体洗浄剤組成物は、(d)成分の含有量と(c)成分の含有量の質量比である、(d)成分の含有量/(c)成分の含有量が、0.1以上9以下である。
洗浄時の泡立ち抑制の点で、(d)成分の含有量/(c)成分の含有量の質量比は、0.1以上であり、好ましくは0.3以上、より好ましくは0.5以上、より好ましくは0.6以上、より好ましくは0.7以上、さらに好ましくは1.0以上、さらにより好ましくは2以上、さらにより好ましくは2.5以上、さらにより好ましくは3以上、さらにより好ましくは3.5以上、さらにより好ましくは4以上であり、そして低温での保存安定性の向上の点又は衣料への抗菌効果付与の向上の点で、好ましくは7.5以下、より好ましくは7以下、さらに好ましくは6.5以下、さらにより好ましくは6以下である。
本発明の衣料用液体洗浄剤組成物は、(b)成分の含有量と(c)成分の含有量の合計量と(d)成分の含有量との質量比である、[(b)成分の含有量+(c)成分の含有量]/(d)成分の含有量が、0.3以上8以下であることが好ましい。
衣料に高い抗菌効果と低温安定性を付与できる点で、[(b)成分の含有量+(c)成分の含有量]/(d)成分の含有量の質量比は、好ましくは0.3以上、好ましくは0.4以上、より好ましくは0.5以上、さらに好ましくは0.6以上、さらにより好ましくは0.7以上、さらにより好ましくは0.8以上、さらにより好ましくは1.0以上、さらにより好ましくは1.2、さらにより好ましくは1.5以上であり、そして洗浄時の泡立ちがより少ない点で、好ましくは8以下、より好ましくは7以下、より好ましくは6以下、さらに好ましくは5以下、さらにより好ましくは4以下である。
本発明の衣料用液体洗浄剤組成物は、任意成分として、下記の(1)〜(9)の成分を含有することが出来る。
(1)アルカリ剤
洗浄力の向上の点からアルカリ剤を含有することが好ましい。アルカリ剤は、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩などの無機アルカリ剤、窒素原子に結合する基のうち、1つ以上、3つ以下が炭素数2以上、4以下のアルカノール基であり、残りが炭素数1以上、4以下のアルキル基又は水素原子であるアルカノールアミンを挙げることができる。このうちアルカノール基はヒドロキシアルキル基、更にヒドロキシエチル基であるものが好ましい。アルカノール基以外は水素原子、又はメチル基が好ましく、特に水素原子が好ましい。アルカノールアミンとしては、2−アミノエタノール、N−メチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類が挙げられる。本発明では、(f)成分として、モノエタノールアミン及びトリエタノールアミンから選ばれるアルカノールアミンが好ましく、モノエタノールアミンがより好ましい。
また、上記(1)成分であるアルカリ剤は本発明の衣料用液体洗浄剤組成物のpHを所定の値に調整する為にも用いることが出来る。
本発明の衣料用液体洗浄剤組成物では、(1)成分を、後出するpHになるような量を配合しても良い、具体的には0.01質量%以上、更に0.5質量%以上、そして、10質量%以下、更に8質量%以下、含有しても良い。なお、本発明では、(1)成分のアルカリ剤、中でもアルカノールアミンの配合量には、アニオン活性剤の対イオンなど、他の成分に由来して組成物中に配合される分も算入するものとする。
(2)キレート剤
キレート剤の具体例として、例えば、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸等のアミノポリ酢酸又はこれらの塩、クエン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸等の有機酸又はこれらの塩、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、これらのアルカリ金属または低級アミン塩等が挙げられる。(2)成分のキレート剤の含有量は、酸型とみなした場合に0.1質量%以上、5質量%以下であり、好ましくは0.1質量%以上、4質量%以下、より好ましくは0.1質量%以上、3質量%以下である。
(3)再汚染防止剤及び/又は分散剤
再汚染防止剤及び/又は分散剤としては、ポリアクリル酸、ポリマレイン酸、カルボキシメチルセルロースなどが挙げられる。再汚染防止剤及び/又は分散剤の含有量は、組成物中、0.01質量%以上10質量%以下が好ましい。
(4)漂白剤
漂白剤としては、過酸化水素、過炭酸ナトリウムまたは過硼酸ナトリウム等が挙げられる。漂白剤の含有量は、組成物中、0.01質量%以上10質量%以下が好ましい。
(5)漂白活性化剤
漂白活性化剤としては、テトラアセチルエチレンジアミン、特開平6−316700号の一般式(I−2)〜(I−7)で表される漂白活性化剤等が挙げられる。漂白活性化剤の含有量は、組成物中、0.01質量%以上10質量%以下が好ましい。
(6)酵素
酵素としては、セルラーゼ、アミラーゼ、ペクチナーゼ、プロテアーゼ及びリパーゼから選ばれる1種以上の酵素が挙げられる。酵素の含有量は、組成物中、0.001質量%以上2質量%以下が好ましい。(6)成分としては、より速い洗浄速度が得られる点で、アミラーゼを含む酵素が好ましい。皮脂汚れが付着した衣料上に、ミートソースなどの食べこぼし汚れが付着した汚れに対して、より高い洗浄性が得られる点で、アミラーゼ及びプロテアーゼを含む酵素であることが好ましい。
(7)蛍光染料
蛍光染料としては、例えばチノパールCBS(商品名、チバスペシャリティケミカルズ製)やホワイテックスSA(商品名、住友化学社製)として市販されている蛍光染料が挙げられる。蛍光染料の含有量は、組成物中、0.001質量%以上1質量%以下が好ましい。
(8)酸化防止剤
酸化防止剤としては、ブチルヒドロキシトルエン、ジスチレン化クレゾール、亜硫酸ナトリウム及び亜硫酸水素ナトリウム等が挙げられる。酸化防止剤の含有量は、組成物中、0.01質量%以上、2質量%以下が好ましい。
(9)色素、香料、抗菌防腐剤、シリコーン等の消泡剤を適量。
本発明の(c)成分と(d)成分が、衣料用液体洗浄剤組成物で共存することによる低温保存安定性の低下を、(b)成分が抑制する効果をより享受できる観点で、本発明の衣料用液体洗浄剤組成物は、25℃におけるpHが2.5以上8.5以下であることが好ましい。該pHは8.0以下が好ましく、7.8以下がより好ましく、7.6以下がさらに好ましく、そして3.0以上が好ましく、3.5以上がより好ましく、4.0以上がさらに好ましい。該pHは、ガラス電極を用いて25℃で測定した値である。具体的には、以下の方法で測定されたものである。
<pHの測定方法>
堀場製作所製pHメーター D−52にpH電極(型式6367)をあらかじめフタル酸緩衝液(pH4.01)、リン酸標準液(pH6.84)、ホウ酸塩標準液(pH9.18)で校正し、イオン交換水で十分すすいでおく。温度を25℃に調整した衣料用液体洗浄剤組成物に、上記の通り校正、洗浄したpH電極を入れ、pHメーターのAUTO HOLDモードを用いて、測定値が一定になるまで測定する。
本発明の衣料用液体洗浄剤組成物は、衣類、タオル、寝具、寝具用の繊維製品(シーツ、枕カバーなど)などの衣料の洗浄に用いられる。これら以外の洗濯が可能な繊維製品も対象とすることができる。
<実施例>
下記成分を用い、表1に示す衣料用液体洗浄剤組成物を調製し、得られた組成物を用いて、下記の方法で殺菌性及び低温安定性の評価を行った。その結果を表1に示す。
pHの調整は水酸化ナトリウムの1質量%の水溶液とクエン酸を用いた。pHの測定は、ガラス電極を使用したpHメーターを使用した。pH調整時の組成物の温度は25℃で行った。表1中の衣料用液体洗浄剤組成物の25℃のpHは5.0であった。
<(a)成分>
a−1:ポリオキシエチレン(12)ラウリルエーテル(( )内の数字はオキシエチレン基の平均付加モル数を表す。)
a−2:炭素数の12〜14の直鎖1級アルコールに、エチレンオキシドを平均9モル、プロピレンオキシドを平均2モル、エチレンオキシドを平均9モル、この順で付加させたポリオキシアルキレンアルキルエーテル。一般式(a1)中、Ra1が炭素数12〜14の直鎖アルキル基、Ra2が水素原子、mが0、AO基がエチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基、nが合計で20(エチレンオキシ基が9モル、プロピレンオキシ基が2モル、エチレンオキシ基が9モル)の化合物。
a−3:ソフタノール70(日本触媒(株)製)、炭素数12〜14の2級アルコールにエチレンオキシドが平均7モル付加した化合物。
a−4:炭素数9〜16のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム。
a−5:ポリオキシエチレン(平均付加モル数2)ラウリルエーテル硫酸エステルナトリウム(花王株式会社製)。一般式(a2)中、Ra3が炭素数12の直鎖アルキル基、lが2、AO基がエチレンオキシ基の化合物。
<(b)成分>
b−1:N,N−ジデシル−N−エチル−N−メチルアンモニウムエチルサルフェート
b−2:N,N−ジデシル−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド
b−3:N,N−ジオクチル−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド
<(b’)成分:(b)成分の比較化合物>
b’−1:N,N−ジドデシル−N−エチル−N−メチルアンモニウムエチルサルフェート
<(c)成分>
c−1:N−ミリスチル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド
c−2:N−ラウリル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド
<(d)成分>
d−1:混合脂肪酸1(ラウリン酸/ミリスチン酸/パルミチン酸/ステアリン酸/オレイン酸/リノール酸=32/55/6/2/4/1(質量比))
d−2:混合脂肪酸2(ラウリン酸/ミリスチン酸/パルミチン酸/ステアリン酸=32/55/6/7(質量比))
<(e)成分>
e−1:ジエチレングリコールモノブチルエーテル
e−2:ポリエチレングリコールフェニルエーテル(エチレングリコールモノフェニルエーテル/ジエチレングリコールモノフェニルエーテル/トリエチレングリコールモノフェニルエーテル=95/4/1(質量比)の混合物)
e−3:プロピレングリコール
e−4:エタノール
<任意成分>
・モノエタノールアミン
・亜硫酸ナトリウム
・酵素(プロテアーゼ、花王(株)製)
・香料
・蛍光染料(チノパールCBS:商品名、チバスペシャリティケミカルズ製)
<抗菌性の試験方法>
(1)抗菌性試験に用いる布の調製
ターゴトメーターに、木綿布(木綿#2003、谷頭商店製)30g、及び洗浄液(表の衣料用液体洗浄剤組成物を0.33g/Lとなるように水で希釈したもの)600mlを投入し、85rpmで洗浄10分、すすぎ3分の操作を5回累積して行ったものを試験布とした。水は全て煮沸滅菌済みの水道水を使用した。
(2)抗菌性試験
着用済の衣料から分離したマイクロコッカス属細菌(Micrococcus sp)を用いて、JIS L 1902に則り抗菌性試験を行った。具体的には以下のように行った。上記方法で作製した試験布を2cm四方に裁断した試験片(1片あたりの質量は約0.4g)を、検体とした。
(i)着用済みの衣類から分離されたマイクロコッカス属細菌(Micrococcus sp)をSCD−LP寒天培地を平板としたプレートに画線培養し、37℃24時間培養したものを白金耳でかきとり、ニュートリエント(NT)培地10mLに入れて、37℃、110rpmの条件で24時間前培養した。
前培養した培養液の濃度を吸光度法によって推定し、菌濃度を約1×10個/mLに調整した。その後、1/20NT培地でさらに希釈し、菌濃度を1×10個/mLに調整し、試験菌液とした。
(ii)試験菌液をピペットで正確に0.2mL採取し、各検体又は未処理布である標準布(JIS L 1902の標準布)のそれぞれについて、1枚につき数ヵ所に接触させ、バイアル瓶に投入し、蓋を閉めた状態で、37℃で18時間培養した。試験菌液の接種、培養は、検体と標準布のそれぞれについて、複数を行った。
(iii)培養後の標準布及び接触直後の標準布を無作為に5つずつ選定し、洗い出し用LP希釈液20mLを加え、蓋を閉め、試験用攪拌器で30秒攪拌し、菌を洗い流し、菌数を計測した。
培養後の検体を無作為に5つ選定し、検体ごとに、洗い流し用LP希釈液20mLを加え、蓋を閉め、試験用攪拌器で30秒攪拌し、菌を洗い流し、菌数を計測した。
静菌活性値を下記の式で求めた。静菌活性値が高い程、抗菌性が高いことを表す。静菌活性値が2.2以上を合格とした。
静菌活性値=LogB−LogC
A:接種直後の標準布から回収した菌数の平均値
B:18時間培養後の標準布から回収した菌数の平均値
C:18時間培養後の検体から回収した菌数の平均値
ただし、試験成立条件である、LogB−LogAが1.5を超えることを満たすものとする。
〔低温(−5℃)での保存安定性の試験方法〕
表1に記載の衣料用液体洗浄剤組成物を、No.6のビンに50g入れ、−5℃の恒温槽に入れた。入れた日を0日目とし、24時間後を1日後として、7日目及び14日目での−5℃での外観を目視で観察した。表1に示す実施例において、初期の組成物の外観は「透明」であった。「濁り」、「分離」、「固形物の沈澱」又は「固形物の浮上」等の変化を外観の変化とした。本発明において、AとBが合格であり、Cは不合格である。
なお、本発明における低温(−5℃)での保存安定性試験は、本発明の衣料用液体洗浄剤組成物が低温保存に対する耐性を試験するポテンシャル試験である。外観が変化するまでの日数がより長い組成物が、低温(−5℃)に対してより耐性のある衣料用液体洗浄剤組成物であると言える。
A:14日目の外観に変化はなかった。
B:7日目の外観の変化はなかったが、14日目には外観が変化していた。
C:7日目の外観が変化していた。
Figure 0006676351

Claims (8)

  1. (a)成分を10質量%以上70質量%以下、(b)成分、(c)成分、(d)成分を0.3質量%以上9質量%以下、(e)成分、及び水を含有し、
    (b)成分の含有量と(c)成分の含有量の合計量が0.2質量%以上10質量%以下であり、
    (d)成分の含有量と(c)成分の含有量との質量比が、(d)成分の含有量/(c)成分の含有量で0.1以上9以下であり、
    (d)成分として、下記(d1)成分と下記(d2)成分とを含有する、
    衣料用液体洗浄剤組成物。
    (a)成分:ノニオン界面活性剤及びアニオン界面活性剤(但し(d)成分は除く)から選ばれる1種以上の界面活性剤
    (b)成分:下記一般式(b1)で表される第4級アンモニウム化合物
    Figure 0006676351

    〔式中、Rb1,Rb2はそれぞれ独立に炭素数8以上10以下の鎖式炭化水素基であり、Rb3、Rb4はそれぞれ独立に炭素数1以上3以下のアルキル基、又は炭素数1以上3以下のヒドロキシアルキル基であり、X-は炭素数1以上3以下のアルキル硫酸イオン又はハロゲンイオンである。〕
    (c)成分:下記一般式(c1)で表される第4級アンモニウム化合物
    Figure 0006676351

    〔式中、Rc1は炭素数8以上16以下の鎖式炭化水素基であり、Rc2、Rc3、Rc4はそれぞれ独立に炭素数1以上3以下のアルキル基、又は炭素数1以上3以下のヒドロキシアルキル基であり、Y-は炭素数1以上3以下のアルキル硫酸イオン又はハロゲンイオンである。〕
    (d)成分:炭素数8以上20以下の脂肪酸又はその塩
    (d1)成分:炭素数12の脂肪酸又はその塩
    (d2)成分:炭素数14以上20以下の脂肪酸又はその塩
    (e)成分:水酸基を有する有機溶剤
  2. (b)成分の含有量と(c)成分の含有量との質量比が、(b)成分の含有量/(c)成分の含有量で0.1以上10以下である、請求項1記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
  3. (b)成分の含有量と(c)成分の含有量の合計量と(d)成分の含有量との質量比が、[(b)成分の含有量+(c)成分の含有量]/(d)成分の含有量で0.3以上8以下である、請求項1又は2記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
  4. (a)成分を15質量%以上70質量%以下含有する、請求項1〜3の何れか1項記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
  5. (d)成分を0.5質量%以上9質量%以下含有する、請求項1〜4の何れか1項記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
  6. (a)成分のアニオン界面活性剤が、炭素数8以上18以下の脂肪族炭化水素基を有するスルホン酸塩、及び炭素数10以上18以下の脂肪族炭化水素基を有する硫酸エステル塩から選ばれる1種以上である、請求項1〜5の何れか1項記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
  7. (d2)成分の含有量と(d1)成分の含有量の質量比が、(d2)成分/(d1)成分で、0.5以上10以下である、請求項1〜6の何れか1項に記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
  8. (a)成分中のノニオン界面活性剤の割合が50質量%以上である、請求項1〜7の何れか1項に記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
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