JP2018035932A - クラッチ構造体及びクラッチディスク組立体 - Google Patents

クラッチ構造体及びクラッチディスク組立体 Download PDF

Info

Publication number
JP2018035932A
JP2018035932A JP2016172241A JP2016172241A JP2018035932A JP 2018035932 A JP2018035932 A JP 2018035932A JP 2016172241 A JP2016172241 A JP 2016172241A JP 2016172241 A JP2016172241 A JP 2016172241A JP 2018035932 A JP2018035932 A JP 2018035932A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plate
rigidity
contact
clutch
hole
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016172241A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018035932A5 (ja
Inventor
道満 泰典
Yasunori Domitsu
泰典 道満
基尚 西山
Motohisa Nishiyama
基尚 西山
祐亮 小櫻
Yusuke Kozakura
祐亮 小櫻
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Exedy Corp
Original Assignee
Exedy Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Exedy Corp filed Critical Exedy Corp
Priority to JP2016172241A priority Critical patent/JP2018035932A/ja
Priority to PCT/JP2017/028538 priority patent/WO2018043043A1/ja
Priority to CN201780047588.8A priority patent/CN109642620A/zh
Publication of JP2018035932A publication Critical patent/JP2018035932A/ja
Publication of JP2018035932A5 publication Critical patent/JP2018035932A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D13/00Friction clutches
    • F16D13/58Details
    • F16D13/60Clutching elements
    • F16D13/64Clutch-plates; Clutch-lamellae
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D13/00Friction clutches
    • F16D13/58Details
    • F16D13/75Features relating to adjustment, e.g. slack adjusters
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16FSPRINGS; SHOCK-ABSORBERS; MEANS FOR DAMPING VIBRATION
    • F16F15/00Suppression of vibrations in systems; Means or arrangements for avoiding or reducing out-of-balance forces, e.g. due to motion
    • F16F15/10Suppression of vibrations in rotating systems by making use of members moving with the system
    • F16F15/12Suppression of vibrations in rotating systems by making use of members moving with the system using elastic members or friction-damping members, e.g. between a rotating shaft and a gyratory mass mounted thereon
    • F16F15/121Suppression of vibrations in rotating systems by making use of members moving with the system using elastic members or friction-damping members, e.g. between a rotating shaft and a gyratory mass mounted thereon using springs as elastic members, e.g. metallic springs
    • F16F15/123Wound springs
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16FSPRINGS; SHOCK-ABSORBERS; MEANS FOR DAMPING VIBRATION
    • F16F15/00Suppression of vibrations in systems; Means or arrangements for avoiding or reducing out-of-balance forces, e.g. due to motion
    • F16F15/10Suppression of vibrations in rotating systems by making use of members moving with the system
    • F16F15/12Suppression of vibrations in rotating systems by making use of members moving with the system using elastic members or friction-damping members, e.g. between a rotating shaft and a gyratory mass mounted thereon
    • F16F15/129Suppression of vibrations in rotating systems by making use of members moving with the system using elastic members or friction-damping members, e.g. between a rotating shaft and a gyratory mass mounted thereon characterised by friction-damping means

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Acoustics & Sound (AREA)
  • Aviation & Aerospace Engineering (AREA)
  • Mechanical Operated Clutches (AREA)

Abstract

【課題】摩擦フェーシングを薄型化できるクラッチ構造体を、提供する。【解決手段】本クラッチ部101は、摩擦フェーシング71と、クッショニングプレート70と、連結部材74とを、備える。摩擦フェーシング71は、フライホイール6及びプレッシャープレート7に接触可能に構成される。クッショニングプレート70は、摩擦フェーシング71を支持する。連結部材74は、摩擦フェーシング71及びクッショニングプレート70を連結する。連結部材74は、フライホイール6及びプレッシャープレート7に対して接触可能且つ摩耗可能に構成される。【選択図】図8A

Description

本発明は、クラッチ構造体及びクラッチディスク組立体に関する。
一般的に、車輌には、振動を抑制するために、クラッチディスク組立体が設けられている(特許文献1を参照)。例えば、クラッチディスク組立体は、クラッチ構造体を有している。クラッチ構造体は、摩擦フェーシング(接触部材)と、クッショニングプレート(支持部材)と、金属製のリベット(連結部材)とを、備えている。摩擦フェーシングは、金属製のリベットによって、クッショニングプレートに固定されている。
特開平5−240303号公報
従来のクラッチ構造体では、摩擦フェーシングが、金属製のリベットによって、クッショニングプレートに固定されていた。このため、金属製のリベットの頭部に対する、プレッシャープレート(被接触部材)及びフライホイール(被接触部材)の当接を、避ける必要がある。このため、金属製のリベットの頭部と、摩擦フェーシングの摩擦面との間には、隙間が設けられている。言い換えると、この隙間の範囲において、摩擦フェーシングは摩耗する。
このように、従来のクラッチ構造体では、金属製のリベットの頭部と、プレッシャープレート及びフライホイールとの当接を避けた状態で、摩擦フェーシングを、プレッシャープレート及びフライホイールに接触させていた。このため、摩擦フェーシングの厚みが大きくなってしまうという問題があった。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、摩擦フェーシングを薄型化できるクラッチ構造体を、提供することにある。
(1)本発明の一側面に係るクラッチ構造体は、接触部材と、支持部材と、連結部材とを、備える。接触部材は、被接触部材に接触可能に構成される。支持部材は、接触部材を支持する。連結部材は、接触部材及び支持部材を連結し、被接触部材に対して接触可能且つ摩耗可能に構成される。
本クラッチ構造体では、連結部材によって接触部材及び支持部材が連結された状態で、接触部材及び連結部材の両方が、被接触部材に対して接触し摩耗する。すなわち、本クラッチ構造体では、従来技術のように連結部材及び被接触部材の当接を避ける必要がないので、摩擦フェーシングを薄型化することができる。
(2)本発明の別の側面に係るクラッチ構造体では、被接触部材に接触する接触部材の第1接触面が、被接触部材に接触する連結部材の第2接触面と、実質的に同一面上に形成されている。このように構成することによって、摩擦フェーシングを薄型化することができる。
(3)本発明の別の側面に係るクラッチ構造体では、被接触部材に対する接触部材の第1接触面と、被接触部材に接触する連結部材の第2接触面との間には、段差が形成されている。
この場合、まず、接触部材の第1接触面が、被接触部材に接触する。次に、接触部材の摩耗量が、段差に対応する摩耗量に到達した場合に、連結部材の第2接触面が被接触部材に接触する。これにより、連結部材が摩耗する。このように構成しても、摩擦フェーシングを薄型化することができる。
(4)本発明の別の側面に係るクラッチ構造体では、接触部材が、テーパ孔を有する。連結部材は、テーパ孔に接触した状態で、支持部材を保持する。これにより、連結部材は、接触部材及び支持部材を好適に連結することができる。
(5)本発明の別の側面に係るクラッチ構造体では、連結部材の硬度が、接触部材の硬度以下である。この構成によって、連結部材を、接触部材とともに、好適に摩耗させることができる。
(6)本発明の別の側面に係るクラッチ構造体では、連結部材の材質は、樹脂である。この構成によって、接触部材及び支持部材を、連結部材によって容易に連結することができる。また、連結部材を、接触部材とともに、好適に摩耗させることができる。
(7)本発明の別の側面に係るクラッチ構造体では、連結部材の材質が、熱可塑性の樹脂である。この構成によって、接触部材及び支持部材を、連結部材によって、より容易に連結することができる。また、連結部材を、接触部材とともに、好適に摩耗させることができる。
(8)本発明の一側面に係るクラッチディスク組立体は、上記の(1)から(7)のいずれか1つに記載のクラッチ構造体と、ダンパ部とを、備える。クラッチ構造体は、被接触部材に接触可能に構成される。ダンパ部は、被接触部材からクラッチ構造体に伝達されるトルク変動を減衰する。このように構成しても、上記と同様の効果を得ることができる。また、ダンパ部においてトルク変動を減衰することができる。
本発明では、クラッチ構造体及びクラッチディスク組立体において、摩擦フェーシングを薄型化することができる。
本発明の一実施形態によるクラッチディスク組立体の断面図。 図1の正面図。 低剛性ダンパユニットの断面図。 低剛性ダンパユニットの側面図(ホルダプレートを除く) 低剛性ダンパユニットの分解断面図 クッショニングプレートの部分拡大正面図。 摩擦フェーシングが取り付けられたクッショニングプレートの部分拡大正面図。 図7の切断線VIII A-VIII Aにおける断面図 図7の切断線VIII A-VIII Aに直交する方向の断面図。 図7の切断線IX A-IX Aにおける断面図 図7の切断線IX A-IX Aに直交する方向の断面図。 捩り特性を説明するための模式図。 クラッチ部の変形例1を説明するための図。 クラッチ部の変形例2を説明するための図。 クラッチ部の変形例3を説明するための図。
[全体構成]
図1には、本発明の一実施形態によるクラッチ構造体を有するクラッチディスク組立体1が、示されている。
図1は、クラッチディスク組立体1の断面図であり、図2はその正面図である。クラッチディスク組立体1は、車輌のクラッチ装置に用いられる。
図1においてO−Oがクラッチディスク組立体1の回転軸すなわち回転中心線である。また、以下では、回転軸Oから離れる方向を径方向と記し、回転軸に沿う方向を軸方向と記す。さらに、以下では、回転軸Oをまわりの方向を周方向又は回転方向と記す。
図1の左側にエンジン及びフライホイール6が配置され、図1の右側にトランスミッション(図示せず)が配置されている。図2のR1側がクラッチディスク組立体1の回転方向駆動側(正側)であり、R2側がその反対側(負側)である。
クラッチディスク組立体1は、エンジンから入力されるトルク変動を減衰してトランスミッション側に伝達する。クラッチディスク組立体1は、主に、ダンパ部100と、クラッチ部101(クラッチ構造体の一例)とを、有している。
<ダンパ部>
ダンパ部100は、高剛性ダンパユニット2と、低剛性ダンパユニット3と、ハブ4と、ヒステリシストルク発生機構5とを、備えている。
(高剛性ダンパユニット)
高剛性ダンパユニット2には、エンジンからのトルクが入力される。高剛性ダンパユニット2は、捩り特性の高捩り角度領域H(図10を参照)において実質的に作動する。
図1に示すように、高剛性ダンパユニット2は、第1入力側部材10と、第1フランジ11と、複数(例えば4個)の高剛性スプリングユニット12とを、有する。
−第1入力側部材−
第1入力側部材10には、クラッチ部101を介して、エンジンからのトルクが入力される。図1及び図2に示すように、第1入力側部材10は、例えば、クラッチプレート13と、リティーニングプレート14とを、有している。
クラッチプレート13及びリティーニングプレート14は、実質的に環状の円板部材である。クラッチプレート13及びリティーニングプレート14は、軸方向に所定の間隔を空けて配置されている。クラッチプレート13はエンジン側に配置され、リティーニングプレート14はトランスミッション側に配置されている。クラッチプレート13及びリティーニングプレート14は、固定部材例えばピン部材16によって、互いに一体回転可能に連結される。
クラッチプレート13及びリティーニングプレート14の外周部には、それぞれ回転方向に等間隔で4つの窓孔13a,14aが形成されている。各窓孔13a,14aには、高剛性スプリングユニット12が配置される。各窓孔13a,14aにおいて周方向に対向する壁部には、高剛性スプリングユニット12の両端部が当接している。各窓孔13a,14aには、内周側と外周側にそれぞれ切り起こし部が形成されている。
リティーニングプレート14は、複数(例えば4個)の支持孔14bを、有している。複数の支持孔14bは、ヒステリシストルク発生機構5を支持するためのものである。各支持孔14bには、後述するヒステリシストルク発生機構5における第1ブッシュ40の突出部45が、挿通される。
−第1フランジ−
第1フランジ11は、第1入力側部材10と相対回転可能に構成される。第1フランジ11は、ハブ4の外周部に配置される。第1フランジ11は、ハブ4から径方向外側に外方に延び、且つ周方向に実質的に円環状に形成される。第1フランジ11は、ハブ4とは別体で形成されている。第1フランジ11は、所定の捩り角度範囲例えば低捩り角度領域L(図10を参照)において、ハブ4と相対回転可能である。また、第1フランジ11は、所定の捩り角度の範囲外例えば高捩り角度領域Hにおいて、ハブ4と一体回転可能である。
ここでは、捩り角度は、例えば、ハブ4に対する第1フランジ11の捩り角度(相対回転角度)によって定義されている。なお、後述するように、第2入力側部材(第1ホルダプレート及び第2ホルダプレート)は、第1フランジ11と一体回転可能に構成されているので、捩り角度は、例えば、ハブ4に対する第2入力側部材(第1ホルダプレート及び第2ホルダプレート)の捩り角度(相対回転角度)によって、定義されているとも言える。
具体的には、第1フランジ11は、クラッチプレート13及びリティーニングプレート14の軸方向間に配置される。第1フランジ11は、第1孔部17と、複数(例えば4個)の第1スプリング収容部18と、複数(例えば2個)の第1凹部19と、ストッパ用突起20とを、有する。
第1孔部17は、第1フランジ11の中心部に形成されている。第1孔部17には、ハブ4を挿入可能である。第1孔部17には、複数の内歯17aが形成されている。複数の内歯17aには、ハブ4の大径部51に形成された複数の外歯51aが、噛み合い可能である。詳細には、周方向に互いに隣接する2つの内歯17aの間には、ハブ4の各外歯51aが配置される。また、周方向に互いに隣接する2つの内歯17aと、ハブ4の各外歯51aとの周方向間には、隙間が形成されている。この隙間によって、第1フランジ11とハブ4とは、低捩り角度領域Lにおいて相対回転可能になっている。
複数の第1スプリング収容部18は、第1フランジ11の外周部に形成されている。詳細には、複数の第1スプリング収容部18は、周方向に等間隔で形成されている。各第1スプリング収容部18には、開口18aが形成されている。各開口18aは、クラッチプレート13及びリティーニングプレート14の各窓孔13a,14aに対して、軸方向に対向して配置されている。開口18aには、高剛性スプリングユニット12が配置される。開口18aにおいて周方向に対向する壁部には、各高剛性スプリングユニット12の両端部が当接している。
複数の第1凹部19それぞれには、第1ホルダプレートの爪部31(後述する)が係合する。各第1凹部19は、径方向に互いに対向する2つの開口18aそれぞれの内周縁に、形成されている。各第1凹部19は、開口18aの内周縁における周方向中央部において、回転軸Oに向けて凹状に形成されている。
ストッパ用突起20は、第1スプリング収容部18の外周面における周方向中央部において、第1スプリング収容部18の外周面から外方に突出している。ストッパ用突起20には、クラッチプレート13及びリティーニングプレート14を固定するピン部材16が、当接可能である。例えば、ストッパ用突起20及びピン部材16の当接によって、クラッチプレート13及びリティーニングプレート14に対する第1フランジ11の回転が、規制される。すなわち、ストッパ用突起20及びピン部材16は、第1フランジ11のストッパ機構として、機能する。
−高剛性スプリングユニット−
複数の高剛性スプリングユニット12は、第1入力側部材10及び第1フランジ11を回転方向に弾性的に連結する。詳細には、複数の高剛性スプリングユニット12は、クラッチプレート13及びリティーニングプレート14と、第1フランジ11とを回転方向に弾性的に連結する。各高剛性スプリングユニット12は、各低剛性スプリングユニット25(後述する)より剛性が高い。
図1及び図2に示すように、具体的には、各高剛性スプリングユニット12は、高剛性用第1スプリング21と、高剛性用第2スプリング22とを、有している。高剛性用第1スプリング21及び高剛性用第2スプリング22を合成した剛性は、各低剛性スプリングユニット25の剛性より高い。
高剛性用第2スプリング22は、高剛性用第1スプリング21の内周部に配置されている。ここでは、高剛性用第2スプリング22は、高剛性用第1スプリング21と実質的に同じ長さである。
高剛性用第1スプリング21及び高剛性用第2スプリング22は、第1フランジ11の各開口18aに収容されている。詳細には、高剛性用第1スプリング21及び高剛性用第2スプリング22は、クラッチプレート13及びリティーニングプレート14の各窓孔13a,14aによって、径方向及び軸方向の移動が規制されている。
また、高剛性用第1スプリング21の両端部及び高剛性用第2スプリング22の両端部は、第1フランジ11の各開口18aにおいて周方向に対向する壁部に、当接している。また、高剛性用第1スプリング21の両端部及び高剛性用第2スプリング22の両端部は、クラッチプレート13及びリティーニングプレート14の各窓孔13a,14aにおいて周方向に対向する壁部に、当接している。
この構成によって、高剛性用第1スプリング21及び高剛性用第2スプリング22は、クラッチプレート13及びリティーニングプレート14と、第1フランジ11とを、回転方向に弾性的に連結する。
上述した構成を有する複数の高剛性スプリングユニット12は、捩り特性の高捩り角度領域H(図10を参照)の範囲で、実質的に作動する。詳細には、複数の高剛性スプリングユニット12、すなわち高剛性用第1スプリング21及び高剛性用第2スプリング22は、高捩り角度領域Hにおける第2捩り角度A2以上且つ第3捩り角度A3未満において、実質的に作動する。高剛性スプリングユニット12の作動形態については、以下の[クラッチディスク組立体の動作]において、詳細に説明する。
(低剛性ダンパユニット)
低剛性ダンパユニット3は、高剛性ダンパユニット2より低剛性に構成される。例えば、低剛性ダンパユニット3は、プリダンパとして機能する。図1及び図2に示すように、低剛性ダンパユニット3は、高剛性スプリングユニット12の内周側において、第1入力側部材10及び第1フランジ11の間に配置される。低剛性ダンパユニット3は、高剛性ダンパユニット2に係合し、捩り特性の低捩り角度領域L(図10を参照)において作動する。
図3〜図5に示すように、低剛性ダンパユニット3は、第2入力側部材23と、第2フランジ24(第2出力側部材の一例)と、複数(例えば2個)の低剛性スプリングユニット25(第1弾性部材及び第2弾性部材の一例)と、1対のスプリングシート26(連結部材の一例)を、有する。
−第2入力側部材−
第2入力側部材23は、第1フランジ11と一体回転可能に構成される。第2入力側部材23は、第1ホルダプレート27と、第2ホルダプレート28とを、有する。第1ホルダプレート27は、実質的に環状の円板部材である。第1ホルダプレート27は、第1フランジ11及び第2ホルダプレート28に係合可能に構成されている。第1ホルダプレート27は、クラッチプレート13と第2フランジ24との軸方向間に配置される。第1ホルダプレート27は、後述する摺動ボス30の外周部に配置される。
第1ホルダプレート27及び第2ホルダプレート28には、それぞれ回転方向に等間隔で2つの窓孔27a,28aが形成されている。各窓孔27a,28aには、低剛性スプリングユニット25が配置される。各窓孔27a,28aにおいて周方向に対向する壁部には、低剛性スプリングユニット25の両端部(後述する1対の第2低剛性用スプリング38それぞれの端部)が、当接している。
第1ホルダプレート27は、複数の爪部31(係合部の一例)を、有する。複数(例えば2個)の爪部31それぞれは、第1フランジ11の第1凹部19と、第2ホルダプレート28の第2凹部32(後述する)と、第2フランジ24の幅広凹部35(後述する)とに、係合可能に構成されている。
各爪部31は、第1ホルダプレート27の外周部から軸方向に延びる部分である。各爪部31は、断面が矩形状である軸部31aと、周方向の幅が軸部31aより小さい先端部31bとを、有している。
各爪部31の先端部31bが各第1凹部19に係合することによって、第1ホルダプレート27は第1フランジ11と一体回転可能である。また、各爪部31の軸部31aが各第2凹部32に係合することによって、第1ホルダプレート27は、第2ホルダプレート28と一体回転可能である。さらに、各爪部31の軸部31aは、第2フランジ24の各幅広凹部35に配置され、各幅広凹部35において周方向に移動可能である(図4を参照)。これにより、第1ホルダプレート27は(及び第2ホルダプレート28)は、第2フランジ24に対して相対回転可能になる。
第2ホルダプレート28は、実質的に環状の円板部材である。第2ホルダプレート28は、第1ホルダプレート27に対して軸方向に対向して配置される。また、第2ホルダプレート28は、第1フランジ11と第2フランジ24との軸方向間に配置される。
第2ホルダプレート28は、第1ホルダプレート27と一体回転可能に構成される。第2ホルダプレート28は、複数(例えば2個)の第2凹部32を、有する。複数の第2凹部32は、第2ホルダプレート28の外周部に周方向に等間隔で形成されている。上述したように、各爪部31の軸部31a及び各第2凹部32との係合、例えば各爪部31の軸部31a及び各第2凹部32との嵌合によって、第2ホルダプレート28は、第1ホルダプレート27と一体回転可能である。
−第2フランジ−
第2フランジ24は、第2入力側部材23と相対回転可能に構成される。図3に示すように、第2フランジ24は、第1ホルダプレート27及び第2ホルダプレート28の間に配置される。第2フランジ24は、ハブ4と一体回転可能である。
第2フランジ24は、第2孔部33と、複数(例えば2個)の第2スプリング収容部34と、複数(例えば2個)の幅広凹部35とを、有する。
第2孔部33は、第2フランジ24の中心部に形成されている。第2孔部33には、ハブ4を挿入可能である。第2孔部33には、複数の内歯33aが形成されている。複数の内歯33aには、ハブ4の大径部51に形成された複数の外歯51aが、噛み合い可能である。このように、第2フランジ24は、ハブ4と一体回転可能に構成される。
複数の第2スプリング収容部34は、第2フランジ24の外周部に形成されている。詳細には、複数の第2スプリング収容部34は、周方向に等間隔で形成されている。各第2スプリング収容部34には、切欠き部36が、形成されている。切欠き部36は、回転軸Oに向けて凹状に形成され、径方向外側に開口している。各切欠き部36には、低剛性スプリングユニット25が配置される。切欠き部36において周方向に対向する壁部には、各低剛性スプリングユニット25の両端部(後述する1対の第2低剛性用スプリング38それぞれの端部)が、当接している。
図4に示すように、各幅広凹部35には、第1ホルダプレート27の各爪部31が周方向に移動可能に係合する。各幅広凹部35は、第2フランジ24の外周部に周方向に等間隔で形成されている。各幅広凹部35の底部は、実質的に円弧状に形成されている。各爪部31の軸部31aは、各幅広凹部35の底部に沿って、周方向に移動可能である。また、低捩り角度領域Lにおいて、各爪部31の軸部31aが、各幅広凹部35の壁部(幅広凹部35の壁部)に当接しないように、各幅広凹部35の周方向長さは設定されている。この構成によって、第1ホルダプレート27は、爪部31の先端部31bが係合する第2ホルダプレート28とともに、第2フランジ24に対して相対回転可能になっている。
−低剛性スプリングユニット−
複数の低剛性スプリングユニット25は、第2入力側部材23及び第2フランジ24を回転方向に弾性的に連結する。図3及び図4に示すように、各低剛性スプリングユニット25は、第2フランジ24の各第2スプリング収容部34と、第1及び第2ホルダプレート27,28の窓孔27a,28aに、配置される。各低剛性スプリングユニット25は、各高剛性スプリングユニット12より剛性が低い。
具体的には、図4に示すように、各低剛性スプリングユニット25は、第1低剛性用スプリング37(第1弾性部材の一例)と、1対の第2低剛性用スプリング38(第2弾性部材の一例)とを、有する。第1低剛性用スプリング37及び1対の第2低剛性用スプリング38は、第2入力側部材23及び第2フランジ24を回転方向に弾性的に連結する。
第1低剛性用スプリング37は、第2スプリング収容部34の切欠き部36に配置される。第1低剛性用スプリング37は、1対の第2低剛性用スプリング38の周方向間に配置され、各第2低剛性用スプリング38と直列に作動する。第1低剛性用スプリング37は、第2低剛性用スプリング38より剛性が低い。第1低剛性用スプリング37は、低捩り角度領域Lにおける第1捩り角度A1未満において、実質的に作動する(図10を参照)。
1対の第2低剛性用スプリング38は、第2スプリング収容部34の切欠き部36と、第1ホルダプレート27及び第2ホルダプレート28の窓孔27a,28aとに、配置される。1対の第2低剛性用スプリング38それぞれは、第1低剛性用スプリング37と直列に配置される。
詳細には、1対の第2低剛性用スプリング38それぞれは、周方向において、第1低剛性用スプリング37の両側に配置される。すなわち、各第2低剛性用スプリング38の一端部は、スプリングシート26を介して、第1低剛性用スプリング37の両端部それぞれを周方向に押圧可能に配置される。
また、各第2低剛性用スプリング38の他端部は、第2スプリング収容部34の切欠き部36の壁部と、第1ホルダプレート27及び第2ホルダプレート28の窓孔27a,28aの壁部とに、当接している。
このように構成される1対の第2低剛性用スプリング38それぞれは、第1低剛性用スプリング37より剛性が高い。1対の第2低剛性用スプリング38は、低捩り角度領域Lにおける第1捩り角度A1以上且つ第2捩り角度A2未満において、実質的に作動する(図10を参照)。
なお、第1低剛性用スプリング37及び第2低剛性用スプリング38の作動形態については、以下の[クラッチディスク組立体の動作]において、詳細に説明する。
−スプリングシート−
図4に示すように、1対のスプリングシート26それぞれは、第1低剛性用スプリング37及び第2低剛性用スプリング38の間に配置される。1対のスプリングシート26は、第1スプリングシート26aと、第2スプリングシート26bとを、有する。第1スプリングシート26aは、周方向において、1対の第1低剛性用スプリング37のいずれか一方、及び第2低剛性用スプリング38の間に、配置される。第2スプリングシート26bは、周方向において、1対の第1低剛性用スプリング37のいずれか他方、及び第2低剛性用スプリング38の間に、配置される。
第1スプリングシート26a及び第2スプリングシート26bは、低捩り角度領域Lにおいて周方向に互いに当接可能である。例えば、低捩り角度領域Lにおいて捩り角度が、所定の角度例えば第1捩り角度A1に到達すると、第1スプリングシート26a及び第2スプリングシート26bが当接する。これにより、第1低剛性用スプリング37の作動が停止する。すなわち、第1スプリングシート26a及び第2スプリングシート26bは、第2低剛性用スプリング38のストッパ機構として、機能する。
(ハブ)
ハブ4は、トランスミッションに連結可能に構成される。ハブ4は、実質的に円筒形の部材である。図3及び図5に示すように、ハブ4の外周面には、軸方向中央部に形成された大径部51と、軸方向の両端部に形成された第1小径部52及び第2小径部53とを、有している。
大径部51の外周面には、複数の外歯51aが形成されている。大径部51の外歯51aは、大径部51の軸方向の全長にわたって形成されている。外歯51aには、第2フランジ24の内歯33aが係合している。また、外歯51aには、所定の捩り角度例えば第2捩り角度A2において、第1フランジ11の内歯17aが当接可能に係合している。
第1小径部52は、大径部51のリティーニングプレート14側に形成される。第2小径部53は、大径部51のクラッチプレート13側に形成される。第2小径部53の外周部には、摺動ボス30が配置される。摺動ボス30の外周部には、第1ホルダプレート27及び摺動プレート29が配置される。
ハブ4には、低捩り角度領域Lにおいて低剛性ダンパユニット3からトルクが実質的に伝達される。また、ハブ4には、高捩り角度領域Hにおいて高剛性ダンパユニット2からトルクが伝達される。
具体的には、ハブ4の複数の外歯51aと、第2フランジ24の複数の内歯33aとは、噛み合っているので、ハブ4及び第2フランジ24は、低捩り角度領域Lにおいて一体回転可能である。一方で、低捩り角度領域Lでは、ハブ4の複数の外歯51aと、第1フランジ11の複数17aの内歯とは、上述した隙間によって互いに未当接であるので、ハブ4及び第1フランジ11は、相対回転可能である。また、高捩り角度領域Hでは、ハブ4の複数の外歯51aと第1フランジ11の複数の内歯17aとは互いに当接しているので、ハブ4及び第1フランジ11は一体回転可能である。
この構成によって、ハブ4は、低捩り角度領域Lにおいて、低剛性ダンパユニット3の第2フランジ24からトルクが実質的に伝達される。また、ハブ4は、高捩り角度領域Hにおいて、高剛性ダンパユニット2の第1フランジ11からトルクが伝達される。
(ヒステリシストルク発生機構)
図1及び図3に示すように、ヒステリシストルク発生機構5は、第1ヒステリシストルク発生機構61と、第2ヒステリシストルク発生機構62とを、有する。
−第1ヒステリシストルク発生機構−
第1ヒステリシストルク発生機構61は、高剛性スプリングユニット12の内周側において、第1入力側部材10(リティーニングプレート14)及び第1フランジ11の軸方向間に配置される。
図3及び図5に示すように、第1ヒステリシストルク発生機構62は、第1ブッシュ40と、第1付勢部材41と、第2ブッシュ42と、第2付勢部材43とを、有している。
第1ブッシュ40は、リティーニングプレート14に対して軸方向に移動可能に構成される。第1ブッシュ40は、第1付勢部材41によって第1フランジ11に向けて付勢される。
具体的には、第1ブッシュ40は、実質的に円環状に形成される。図5に示すように、第1ブッシュ40は、第1円環部44と、複数(例えば4個)の突出部45と、当接部46と、第1摺動部47とを、有する。第1円環部44は、ハブ4の径方向外側に配置される。具体的には、第1円環部44の内周部には、ハブ4が配置される。第1円環部44の内周面とハブ4の外周部とは、径方向に所定の間隔を隔てて配置されている。第1円環部44の内周面、例えば突出部45の内周面には、第2ブッシュ42の鍔部(後述する)が配置される。これにより、第1ブッシュ40は、第2ブッシュ42を径方向に位置決めする。
複数の突出部45それぞれは、第1円環部44から軸方向に突出している。詳細には、複数の突出部45それぞれは、第1円環部44からリティーニングプレート14に向けて軸方向に突出している。複数の突出部45は、第1付勢部材41を支持する。例えば、複数の突出部45の外周部には、第1付勢部材41が配置され、第1付勢部材41を径方向に位置決めする。
また、各突出部45は、リティーニングプレート14の支持孔14bに、挿通される(図1を参照)。各突出部45は、支持孔14bに対して、軸方向に移動可能である。また、各突出部45は、支持孔14bに対して、周方向及び径方向に移動不能である。これにより、第1ブッシュ40は、リティーニングプレート14に対して、軸方向に移動可能に支持され、周方向及び径方向に移動不能に支持される。
当接部46は、第1付勢部材41が当接する部分である。当接部46は、第1円環部44の外周部に設けられている。詳細には、当接部46は、複数の突出部45の径方向外側において、第1円環部44の外周部に形成されている。
第1摺動部47は、第1フランジ11の側面に対して接触し摺動する部分である。第1摺動部47は、第1円環部44の外周部に設けられている。詳細には、第1摺動部47は、第1円環部44の外周部において、突出部45とは反対側の面に設けられている。第1摺動部47が第1フランジ11の側面に接触した状態で、クラッチプレート13及びリティーニングプレート14が第1フランジ11に対して相対回転すると、第1摺動部47が第1フランジ11の側面を摺動する。これにより、ヒステリシストルクが発生する。
第1付勢部材41は、例えばコーンスプリングである。第1付勢部材41は、リティーニングプレート14及び第1ブッシュ40の軸方向間に、配置される。詳細には、第1付勢部材41は、リティーニングプレート14及び第1ブッシュ40の当接部46の軸方向間に、配置される。
第1付勢部材41は、軸方向に圧縮された状態で、軸方向の一端部がリティーニングプレート14に当接し、軸方向の他端部が第1ブッシュ40の当接部46に当接する。これにより、第1付勢部材41は、第1ブッシュ40を第1フランジ11に向けて付勢する。また、第1付勢部材41の内周部には、第1ブッシュ40の外周部例えば複数の突出部45が、配置される。これにより、第1付勢部材41は、第1ブッシュ40によって径方向に位置決めされる。
第2ブッシュ42は、リティーニングプレート14に対して軸方向に移動可能に構成される。第2ブッシュ42は、第2付勢部材43によって、ハブ4例えば大径部51に押し付けられる。
具体的には、図3及び図5に示すように、第2ブッシュ42は、第1ブッシュ40の内周部に配置される。第2ブッシュ42は、実質的に円環状に形成される。第2ブッシュ42は、第2円環部48と、第2摺動部49と、環状凸部50とを、有する。第2円環部48は、径方向において、ハブ4及び第1円環部44の間に配置される。
第2摺動部49は、ハブ4の大径部51の側面に対して接触し摺動する部分である。第2摺動部49は、第2円環部48においてハブ4の大径部51に対向する面に、設けられている。第2摺動部49がハブ4の大径部51に接触した状態で、クラッチプレート13及びリティーニングプレート14が、ハブ4に対して相対回転すると、第2摺動部49がハブ4の大径部51の側面を摺動する。これにより、ヒステリシストルクが発生する。
環状凸部50は、第2円環部48の内周部から軸方向に突出し、周方向に環状に形成されている。詳細には、環状凸部50は、第2円環部48の内周部からリティーニングプレート14に向けて軸方向に突出している。環状凸部50の先端部31b及びリティーニングプレート14の軸方向間には、所定の隙間が、設けられている。環状凸部50の基端部には、環状の段差部50aが形成されている。段差部50aには、第2付勢部材43が当接する。
第2付勢部材43は、例えばコーンスプリングである。第2付勢部材43は、リティーニングプレート14及び第2ブッシュ42の軸方向間に、配置される。詳細には、第2付勢部材43は、リティーニングプレート14及び第2ブッシュ42の段差部の軸方向間に、配置される。
第2付勢部材43は、軸方向に圧縮された状態で、軸方向の一端部がリティーニングプレート14に当接し、軸方向の他端部が第2ブッシュ42の段差部50aに当接する。この第2付勢部材43によって、第2ブッシュ42がハブ4に向けて付勢される。第2付勢部材43の内周部は、第2ブッシュ42の内周部例えば環状凸部50に、配置される。これにより、第2付勢部材43は、第2ブッシュ42によって径方向に位置決めされる。
上記のような第1ヒステリシストルク発生機構61では、低捩り角度領域Lにおいて第2ブッシュ42の摺動によってヒステリシストルクが発生し、高捩り角度領域Hにおいて第1ブッシュ40の摺動によってヒステリシストルクが発生する。
−第2ヒステリシストルク発生機構−
第2ヒステリシストルク発生機構62は、高剛性スプリングユニット12の内周側において、第1入力側部材10(クラッチプレート13)及び第1フランジ11の軸方向間に配置される。
第2ヒステリシストルク発生機構62は、摺動ボス30と、摺動プレート29とを、有する。
摺動ボス30は、実質的に円筒状に形成されている。摺動ボス30は、第1ホルダプレート27及びハブ4(後述する第2小径部53)の径方向間に、配置されている。また、摺動ボス30は、摺動プレート29及びハブ4(第2小径部53)の径方向間に、配置されている。さらに、摺動ボス30は、クラッチプレート13の内周部及びハブ4の大径部51の軸方向間に配置されている。
摺動ボス30は、軸方向において、クラッチプレート13の内周部及びハブ4の大径部51に、接触している。これにより、クラッチプレート13及びハブ4が相対回転すると、摺動ボス30がクラッチプレート13及びハブ4の少なくともいずれか一方と摺動し、ヒステリシストルクが発生する。
摺動プレート29は、実質的に環状の円板部材である。摺動プレート29は、第1ホルダプレート27及びクラッチプレート13の軸方向間に、配置されている。また、摺動プレート29は、摺動ボス30の外周部に配置されている。
摺動プレート29は、軸方向において、クラッチプレート13及び第1ホルダプレート27に、接触している。これにより、クラッチプレート13及び第1ホルダプレート27が相対回転すると、摺動プレート29がクラッチプレート13及び第1ホルダプレート27の少なくともいずれか一方と摺動し、ヒステリシストルクが発生する。
言い換えると、第1ホルダプレート27は、爪部31を介して、第1フランジ11と一体回転可能であるので、クラッチプレート13及び第1フランジ11が相対回転すると、摺動プレート29がクラッチプレート13及び第1ホルダプレート27の少なくともいずれか一方と摺動し、ヒステリシストルクが発生する。
上記のような第2ヒステリシストルク発生機構62では、低捩り角度領域Lにおいて摺動ボス30の摺動によってヒステリシストルクが発生し、高捩り角度領域Hにおいて摺動プレート29の摺動によってヒステリシストルクが発生する。
<クラッチ部>
図1に示すように、クラッチ部101は、プレッシャープレート7によってフライホイール6に押し付けられる部分である。詳細には、クラッチ部101は、エンジン側に配置されるフライホイール6と、トランスミッション側に配置されるプレッシャープレート7との軸方向間に配置される。この状態で、クラッチ部101は、プレッシャープレート7によって押圧され、フライホイール6に押し付けられる。
ここで、プレッシャープレート7は、ダイヤフラムスプリングを介して、クラッチカバー(図示しない)に設けられている。クラッチカバーは、フライホイール6に設けられている。
なお、図1では、フライホイール6及びプレッシャープレート7は、下方にのみ破線で表示し、上方のフライホイール6及びプレッシャープレート7は省略されている。
クラッチ部101は、クッショニングプレート70(支持部材の一例)と、1対の摩擦フェーシング71(接触部材の一例)と、複数の連結部材74とから、構成されている。
(クッショニングプレート)
図1に示すように、クッショニングプレート70は、クラッチプレート13に固定される。クッショニングプレート70は、弾性的に変形可能に構成されている。
クッショニングプレート70は、実質的に円環板状に形成されている。クッショニングプレート70は、1対の摩擦フェーシング71を支持する。詳細には、クッショニングプレート70は、1対の摩擦フェーシング71の間に配置され、1対の摩擦フェーシング71それぞれを弾性的に支持する。
具体的には、図6に示すように、クッショニングプレート70は、固定部81(本体部の一例)と、複数の取付部82(本体部の一例)と、複数の検知部83とを、有している。固定部81は、クラッチプレート13に固定される部分である。固定部81は、固定手段例えば溶接によって、クラッチプレート13に固定される。
複数の取付部82には、1対の摩擦フェーシング71が、取り付けられる。各取付部82は、固定部81の径方向外側において、周方向に並べて配置される(図1を参照)。各取付部82は、固定部81の外周部に一体に形成されている。各取付部82は、周方向に実質的に波型形状に折り曲げ成型されている。
各取付部82は、第1及び第2平坦部84,85と、中間部86と、第1及び第2姿勢保持部87,88とを、有している。
図6及び図8Aに示すように、各第1平坦部84には、フライホイール6に接触する摩擦フェーシング71、例えば第1摩擦フェーシング72(後述する)が、取り付けられる。
図6、図7、及び図8Bに示すように、各第2平坦部85には、プレッシャープレート7に接触する摩擦フェーシング71、例えば第2摩擦フェーシング73(後述する)が、取り付けられる。各第2平坦部85は、周方向において第1平坦部84と間隔を隔てて配置され、且つ軸方向において第1平坦部84からオフセットして配置される。
ここで、図6及び図8Aに示すように、各第1平坦部84は、第1孔部84a(第1孔部の一例)を有している。第1孔部84aは、各第1平坦部84を軸方向に貫通している。第1孔部84aには、第1摩擦フェーシング72を第1平坦部84に取り付けるための連結部材74(後述する第1連結部材75)が、配置される。
図6及び図9Aに示すように、各第2平坦部85は、第2孔部85a(第1孔部の一例)を有している。第2孔部85aは、各第2平坦部85を軸方向に貫通している。第2孔部85aには、第2摩擦フェーシング73を第2平坦部85に取り付けるための連結部材74(後述する第2連結部材76)が、配置される。
図6、図8A、及び図9Aに示すように、中間部86は、第1平坦部84及び第2平坦部85を連結する部分である。中間部86は、第1平坦部84及び第2平坦部85が軸方向にオフセットした状態で、第1平坦部84及び第2平坦部85を周方向に連結する。
中間部86は、第1平坦部84の周方向端部から、第2摩擦フェーシング73側に向けて延び、第2平坦部85に接続されている。言い換えると、中間部86は、第2平坦部85の周方向端部から、第1摩擦フェーシング72側に向けて延び、第1平坦部84に接続されている。
図6に示すように、第1姿勢保持部87は、第1平坦部84の姿勢を保持する部分である。第1姿勢保持部87は、第1平坦部84の周方向端部に一体に設けられている。第1姿勢保持部87は、第2摩擦フェーシング73側に延び、第2摩擦フェーシング71に当接可能に構成されている。第2姿勢保持部8882eは、第2平坦部85の周方向端部に一体に設けられている。第2姿勢保持部8882eは、第1摩擦フェーシング72側に延び、第1摩擦フェーシング72に当接可能に形成されている。
図6に示すように、複数の検知部83それぞれは、摩擦フェーシング71の摩耗を検知する部分である。各検知部83は、取付部82に設けられる。詳細には、各検知部83は、第1平坦部84及び第2平坦部85に設けられる。以下では、第1平坦部84に設けられる検知部83を、第1検知部83aと記す。また、第2平坦部85に設けられる検知部83を、第2検知部83bと記す。
図6に示すように、第1検知部83aは、第1平坦部84の第1孔部84aに設けられる。第1検知部83aは、第1孔部84aの内周部からフライホイール6に向けて延びている。例えば、第1検知部83aは、矩形板状に形成されており、第1孔部84aの内周部からフライホイール6に向けて突出している。
図8Bに示すように、第1検知部83aの少なくとも一部は、第1平坦部84と、フライホイール6に接触する摩擦フェーシング71の第1接触面72a(後述する)との間に、配置される。ここでは、第1検知部83aの先端部が、第1平坦部84及び第1接触面72aとの間に、配置される。詳細には、第1検知部83aの先端部は、摩擦フェーシング71(第1摩擦フェーシング72)の第3孔部72b(後述する)に、配置される。
図6に示すように、第2検知部83bは、第2平坦部85の第2孔部85aに設けられる。第2検知部83bは、第2孔部85aの内周部から、プレッシャープレート7に向けて延びている。例えば、第2検知部83bは、矩形板状に形成されており、第2孔部84bの内周部からフライホイール6に向けて突出している。
図9Bに示すように、第2検知部83bの少なくとも一部は、第2平坦部85と、プレッシャープレート7に接触する摩擦フェーシング71の第2接触面73a(後述する)との間に、配置される。ここでは、第2検知部83bの先端部が、第2平坦部85及び第2接触面73aとの間に、配置される。詳細には、第2検知部83bの先端部は、摩擦フェーシング71(第2摩擦フェーシング73)の第5孔部73b(後述する)に、配置される。
(摩擦フェーシング)
図1に示すように、1対の摩擦フェーシング71それぞれは、フライホイール6又はプレッシャープレート7に接触可能に構成される。1対の摩擦フェーシング71それぞれは、クッショニングプレート70の両面に固定される。1対の摩擦フェーシング71それぞれは、フライホイール6又はプレッシャープレート7との接触によって、摩耗する。
摩擦フェーシング71は、有機質系の材料、例えば、繊維及び/又は合成樹脂と、硬質粒子と、黒鉛等の潤滑粒子等とから、構成される。また、摩擦フェーシング71は、無機質系の材料、例えば、銅・ニッケル・錫等の基材と、硬質粒子と、黒鉛等の潤滑粒子等とから、構成されていてもよい。
具体的には、図8A、図8B、図9A、及び図9Bに示すように、1対の摩擦フェーシング71は、第1摩擦フェーシング72と、第2摩擦フェーシング73とを、有する。
第1摩擦フェーシング72は、実質的に円環板状に形成されている。第1摩擦フェーシング72は、クッショニングプレート70におけるフライホイール6側の面に、固定される。
図8A及び図8bに示すように、第1摩擦フェーシング72は、第1接触面72a(接触面の一例)と、複数の第3孔部72b(第2孔部の一例)と、複数の第4孔部72c(図9A及び図9Bを参照)とを、有する。第1接触面72aは、フライホイール6に対向して配置され、フライホイール6に接触可能である。例えば、クラッチ部101がプレッシャープレート7によってフライホイール6側に押圧された場合に、第1接触面72aはフライホイール6に接触する。
各第3孔部72bは、周方向に間隔を隔てて配置され、第1摩擦フェーシング72を軸方向に貫通している。ここでは、第3孔部72bは、例えばテーパ孔である。詳細には、第3孔部72bでは、第1接触面72aからクッショニングプレート70(第1平坦部84)に向けて、第3孔部72bの内径が徐々に小さくなっている。
各第3孔部72bは、クッショニングプレート70(第1平坦部84)の各第1孔部84aと対向して、配置される。各第3孔部72bには、第1検知部83aの少なくとも一部例えば第1検知部83aの先端部が、配置される。また、各第3孔部72bには、連結部材74(後述する第1連結部材75)が配置される。
各第4孔部72cは、連結部材74(後述する第2連結部材76)を装着する際に用いられる作業用の孔部である。例えば、各第4孔部72cは、第2連結部材76を加熱する際に用いられる孔部である。
各第4孔部72cは、周方向において第3孔部72bから離れて配置され、第1摩擦フェーシング72を軸方向に貫通している。各第4孔部72cは、クッショニングプレート70(第2平坦部85)の各第2孔部85aと対向して、配置される。また、各第4孔部72cは、第2摩擦フェーシング73の各第5孔部73b(後述する)と対向して、配置される。
第2摩擦フェーシング73は、実質的に円環板状に形成されている。第2摩擦フェーシング73は、クッショニングプレート70におけるプレッシャープレート7側の面に、固定される。
図9A及び図9Bに示すように、第2摩擦フェーシング73は、第2接触面73a(接触面の一例)と、複数の第5孔部73b(第2孔部の一例)と、複数の第6孔部73c(図8A及び図8Bを算法)とを、有する。第2接触面73aは、プレッシャープレート7に対向して配置され、プレッシャープレート7に接触可能である。例えば、クラッチ部101がプレッシャープレート7によってフライホイール6側に押圧された場合に、第2接触面73aはプレッシャープレート7に接触する。
各第5孔部73bは、周方向に間隔を隔てて配置され、第2摩擦フェーシング73を軸方向に貫通している。ここでは、第5孔部73bは、例えばテーパ孔である。詳細には、第5孔部73bでは、第2接触面73aからクッショニングプレート70(第2平坦部85)に向けて、第3孔部72bの内径が徐々に小さくなっている。
各第5孔部73bは、クッショニングプレート70(第2平坦部85)の各第2孔部85aと対向して、配置される。各第5孔部73bには、第2検知部83bの少なくとも一部例えば第2検知部83bの先端部が、配置される。また、各第5孔部73bには、連結部材74(後述する第2連結部材76)が配置される。
各第6孔部73cは、連結部材74(後述する第1連結部材75)を装着する際に用いられる作業用の孔部である。例えば、各第6孔部73cは、第1連結部材75を加熱する際に用いられる孔部である。
各第6孔部73cは、周方向において第5孔部73bから離れて配置され、第2摩擦フェーシング73を軸方向に貫通している。各第6孔部73cは、クッショニングプレート70(第1平坦部84)の各第1孔部84aと対向して、配置される。また、各第6孔部73cは、第1摩擦フェーシング72の各第3孔部72bと対向して、配置される。
(連結部材)
図1に示すように、複数の連結部材74それぞれは、1対の摩擦フェーシング71及びクッショニングプレート70を連結可能に構成される。また、複数の連結部材74それぞれは、フライホイール6又はプレッシャープレート7に対して接触可能且つ摩耗可能に構成される。
図8A、図8B、図9A、及び図9Bに示すように、複数の連結部材74それぞれは、第3孔部72b(テーパ孔)及び第5孔部73b(テーパ孔)に接触した状態で、クッショニングプレート70を保持している。言い換えると、複数の連結部材74それぞれは、クッショニングプレート70によって抜け止めされている。
複数の連結部材74は、複数の第1連結部材75と、複数の第2連結部材76とを、有している。各第1連結部材75は、クッショニングプレート70(第1平坦部84)の各第1孔部84a及び第1摩擦フェーシング72の各第3孔部72bに、配置される。
各第1連結部材75は、フライホイール6に対して接触可能且つ摩耗可能に構成されている。各第1連結部材75は、クッショニングプレート70の各第1検知部83aによって、抜け止めされる。詳細には、各第1連結部材75は、クッショニングプレート70の各第1検知部83a及び各第1孔部84aの内周部によって、抜け止めされる。
各第1連結部材75は、第3接触面75aを有する。第3接触面75aは、フライホイール6に対向して配置され、フライホイール6に接触可能である。第3接触面75aは、第1摩擦フェーシング72の第1接触面72aと実質的に同一面上に形成される。例えば、クラッチ部101がプレッシャープレート7によってフライホイール6側に押圧された場合に、第3接触面75aは、第1接触面72aとともに、フライホイール6に接触する。
上記の第1連結部材75は、例えば、合成樹脂から構成される。ここでは、第1連結部材75が、熱硬化性樹脂から構成される。例えば、加熱によって軟化した各第1連結部材75が、クッショニングプレート70の各第1検知部83a及び各第1孔部84aの内周部を挟持するように、クッショニングプレート70の各第1孔部84a、及び第1摩擦フェーシング72の各第3孔部72bに、配置される。
この状態で各第1連結部材75を更に加熱すると、各第1連結部材75が硬化する。この各第1連結部材75によって、クッショニングプレート70及び第1摩擦フェーシング72が連結される。なお、第1連結部材75は、第1連結部材75の第3接触面75a側及び各第6孔部73c側から、加熱される。
ここで、第1連結部材75の硬度、例えば熱硬化性樹脂の硬度は、第1摩擦フェーシング72の硬度以下である。これにより、第1連結部材75の第3接触面75aが、第1摩擦フェーシング72の第1接触面72aとともに、フライホイール6に接触すると、第1連結部材75は第1摩擦フェーシング72とともに摩耗する。そして、第1連結部材75の摩耗が進行して、クッショニングプレート70の第1検知部83aがフライホイール6に接触すると、第1摩擦フェーシング72の交換が行われる。
各第2連結部材76は、クッショニングプレート70(第2平坦部85)の各第2孔部85a及び第2摩擦フェーシング73の各第5孔部73bに、配置される。
各第2連結部材76は、プレッシャープレート7に対して接触可能且つ摩耗可能に構成されている。各第2連結部材76は、クッショニングプレート70の各第2検知部83bによって、抜け止めされる。詳細には、各第2連結部材76は、クッショニングプレート70の各第2検知部83b及び各第2孔部85aの内周部によって、抜け止めされる。
各第2連結部材76は、第4接触面76aを有する。第4接触面76aは、プレッシャープレート7に対向して配置され、プレッシャープレート7に接触可能である。第4接触面76aは、第2摩擦フェーシング73の第2接触面73aと実質的に同一面上に形成される。これにより、例えば、クラッチ部101がプレッシャープレート7によってフライホイール6側に押圧された場合に、第4接触面76aは、第2接触面73aとともに、プレッシャープレート7に接触する。
上記の第2連結部材76は、例えば、合成樹脂から構成される。ここでは、第2連結部材76が、熱硬化性樹脂から構成される。例えば、加熱によって軟化した各第2連結部材76が、クッショニングプレート70の各第2検知部83b及び各第2孔部85aの内周部を挟持するように、クッショニングプレート70の各第2孔部85a、及び第2摩擦フェーシング71aの各第5孔部73bに、配置される。
この状態で各第2連結部材76を更に加熱すると、各第2連結部材76が硬化する。この各第2連結部材76によって、クッショニングプレート70及び第2摩擦フェーシング73が連結される。なお、第1連結部材75は、第1連結部材75の第3接触面75a側及び各第6孔部73c側から、加熱される。
ここで、第2連結部材76の硬度、例えば熱硬化性樹脂の硬度は、第2摩擦フェーシング73の硬度以下である。これにより、第2連結部材76の第4接触面76aが、第2摩擦フェーシング71aの第2接触面73aとともに、フライホイール6に接触すると、第2連結部材76は第2摩擦フェーシング73とともに摩耗する。そして、第2連結部材76の摩耗が進行して、クッショニングプレート70の第2検知部83bがプレッシャープレート7に接触すると、第2摩擦フェーシング73の交換が行われる。
[クラッチディスク組立体の動作]
ここでは、クラッチ部101がプレッシャープレート7によってフライホイール6側に押圧された状態において、ダンパ部100が、正側に作動する場合の動作について、図10に示す捩り特性を参照しながら、説明する。
出力側のハブ4に対して、入力側のクラッチプレート13及びリティーニングプレート14がR1側に捩れ始めると、高剛性ダンパユニット2の剛性が、低剛性ダンパユニット3の剛性より高いので、低剛性ダンパユニット3が先に作動する。
具体的には、低捩り角度領域Lにおいて、入力側のクラッチプレート13及びリティーニングプレート14がハブ4に対してR1側に捩れ始めると、クラッチプレート13、リティーニングプレート14、複数の高剛性スプリングユニット12、及び第1フランジ11が、実質的に一体的に回転する。ここで、低捩り角度領域Lでは、上述したように、第1フランジ11はハブ4に対して相対回転するので、第1フランジ11の回転はハブ4には伝達されていない。
上記のように、クラッチプレート13、リティーニングプレート14、複数の高剛性スプリングユニット12、及び第1フランジ11が、一体的に回転すると、この回転は、第1フランジ11から、第1フランジ11に係合する第1ホルダプレート27へと伝達される。詳細には、第1ホルダプレート27及び第2ホルダプレート28とは一体回転可能に構成されているので、この回転は、第1フランジ11から、第1ホルダプレート27及び第2ホルダプレート28へと伝達される。これにより、トルクが、高剛性ダンパユニット2から低剛性ダンパユニット3へと伝達される。
低捩り角度領域Lでは、まず、第2低剛性用スプリング38より剛性が低い第1低剛性用スプリング37が、実質的に作動する。詳細には、低捩り角度領域Lにおける第1捩り角度A1未満においては、第1低剛性用スプリング37が、第1ホルダプレート27及び第2ホルダプレート28と、第2フランジ24との周方向間で、実質的に作動する。すなわち、第1捩り角度A1未満においては、第1低剛性用スプリング37によって、トルク変動が主に減衰される。このように、第1低剛性用スプリング37の作動によって、1段目の捩り剛性K1が形成される。
この状態において、捩り角度が第1捩り角度A1に到達すると、第1スプリングシート26a及び第2スプリングシート26bが当接し、第1低剛性用スプリング37の作動が停止する。すると、第1低剛性用スプリング37より剛性が高い1対の第2低剛性用スプリング38が実質的に作動を開始する。詳細には、第1捩り角度A1以上且つ第2捩り角度A2未満においては、第2低剛性用スプリング38が、第1ホルダプレート27及び第2ホルダプレート28と、第2フランジ24との周方向間で、実質的に作動する。すなわち、第1捩り角度A1以上且つ第2捩り角度A2未満においては、第2低剛性用スプリング38によって、トルク変動が減衰される。このように、第2低剛性用スプリング38の作動によって、2段目の捩り剛性K2が形成される。
ここで、低捩り角度領域Lにおいては、第1低剛性用スプリング37又は第2低剛性用スプリング38が作動し、トルクが第2フランジ24からハブ4に伝達されている。これにより、第1入力側部材10(クラッチプレート13及びリティーニングプレート14)及びハブ4が相対回転すると、第1ヒステリシストルク発生機構61の第2ブッシュ42の摺動、及び第2ヒステリシストルク発生機構62の摺動ボス30の摺動によって、ヒステリシストルクが発生する。
この状態において、捩り角度が高捩り角度領域Hの第2捩り角度A2に到達すると、第1フランジ11の複数の内歯17aが、ハブ4の複数の外歯51aに当接する。すなわち、捩り角度が第2捩り角度A2以上になると、第1フランジ11及び第2フランジ24が、ハブ4と一体回転し、且つ第1ホルダプレート27及び第2ホルダプレート28が、第1フランジ11とともに一体回転する。これにより、第1及び第2ホルダプレート27,28と第2フランジ24との捩り角度は、第2捩り角度A2で維持される。すなわち、この状態では、1対の第2低剛性用スプリング38は、伸縮をしておらず、圧縮された状態で作動を停止している。
このように、捩り角度が第2捩り角度A2以上になり、1対の第2低剛性用スプリング38が作動を停止した状態では、高剛性ダンパユニット2の複数の高剛性スプリングユニット12が、作動する。詳細には、高捩り角度領域Hにおける第2捩り角度A2以上且つ第3捩り角度A3未満においては、複数の高剛性スプリングユニット12が、クラッチプレート13及びリティーニングプレート14と、第1フランジ11との間で、作動する。このように、複数の高剛性スプリングユニット12の作動によって、3段目の捩り剛性K3が形成される。
ここで、高捩り角度領域Hにおいて、高剛性スプリングユニット12が作動し、第1入力側部材10(クラッチプレート13及びリティーニングプレート14)と第1フランジ11とが、相対回転すると、第1ヒステリシストルク発生機構61の第1ブッシュ40の摺動、及び第2ヒステリシストルク発生機構62の摺動プレート29の摺動によって、ヒステリシストルクが発生する。
この状態において、捩り角度が第3捩り角度A3に到達すると、第1フランジ11のストッパ用突起20が、クラッチプレート13及びリティーニングプレート14を連結するピン部材16に、当接する。これにより、第1フランジ11は、クラッチプレート13及びリティーニングプレート14に対して、相対回転不能になり、複数の高剛性スプリングユニット12は作動を停止する。
このように、クラッチディスク組立体が動作する状態では、クラッチ部101がプレッシャープレート7によってフライホイール6側に押圧されている。具体的には、第1摩擦フェーシング72の第1接触面72a及び第1連結部材75の第3接触面75aと、第2摩擦フェーシング71aの第2接触面73a及び第2連結部材76の第4接触面76aとが、フライホイール6及びプレッシャープレート7に、各別に接触している。
そして、第1摩擦フェーシング72及び第1連結部材75が摩耗し、クッショニングプレート70の第1検知部83aが、フライホイール6に接触すると、第1摩擦フェーシング72及び第1連結部材75が交換される。また、第2摩擦フェーシング73及び第2連結部材76が摩耗し、クッショニングプレート70の第2検知部83bが、プレッシャープレート7に接触すると、第2摩擦フェーシング73及び第2連結部材76が交換される。
このように、クッショニングプレート70の検知部83(第1検知部83a及び第2検知部83b)によって、摩擦フェーシング71(第1摩擦フェーシング72及び第2摩擦フェーシング73)の摩耗を、検知することができる。また、クッショニングプレート70に検知部83を設けることによって、摩擦フェーシング71の摩耗を検知する位置を、容易に管理することができる。さらに、連結部材74(第1連結部材75及び第2連結部材76)によってクッショニングプレート70及び摩擦フェーシング71を連結することによって、摩擦フェーシング71を薄型化することができる。
<変形例1>
前記実施形態では、第1摩擦フェーシング72の第1接触面72aと、各第1連結部材75の第3接触面75aとが、実質的に同一面上に形成される場合の例を示した。
これに代えて、図11に示すように、第1摩擦フェーシング72の第1接触面72aと、少なくとも1つの第1連結部材75の第3接触面75aとの間に、段差Dが形成されていてもよい。同様に、第2摩擦フェーシング73の第2接触面73aと、少なくとも1つの第2連結部材76の第4接触面76aとの間に、段差が形成されていてもよい。なお、第2連結部材76の構成は、図11に示した第1連結部材75の構成と実質的に同じであるので、図示していない。
<変形例2>
前記実施形態では、クッショニングプレート70の第1検知部83a及び第2検知部83bによって、第1摩擦フェーシング72及び第2摩擦フェーシング71aの摩耗が検知される場合の例を、示した。
これに加えて(又は、これに代えて)、クッショニングプレート70が第3検知部83を有するように構成してもよい。この場合、図12に示すように、第3検知部83は、クッショニングプレート70に、設けられる。
ここでは、第3検知部83は、クッショニングプレート70の外周部に設けられている。例えば、第3検知部83は、クッショニングプレート70の外周部の一部を、折り曲げることによって、形成されている。
ここで、第3検知部83は、第1摩擦フェーシング72に設けられる第1凹部72dに、配置される。このように構成しても、第3検知部83によって第1摩擦フェーシング72の摩耗を検知することができる。
同様に、第3検知部83を、第2摩擦フェーシング73に設けられる第2凹部73dに、配置することによって、第3検知部83は、第2摩擦フェーシング73の摩耗を検知することができる。
なお、第1凹部72d及び第2凹部73dのいずれか一方だけを用いて、第1摩擦フェーシング72及び第2摩擦フェーシング73のいずれか一方の摩耗を検知してもよい。また、第1凹部72d及び第2凹部73dそれぞれは、孔部であってもよい。
<変形例3>
前記実施形態では、各第1連結部材75が、クッショニングプレート70の各第1孔部84a及び第1摩擦フェーシング72の各第3孔部72bに配置される場合の例を、示した。
これに代えて、第1連結部材75を配置しない第3孔部72bを、設けてもよい。この場合、図13に示すように、第1検知部83aは、第3孔部72bの内部に露出した状態で配置される。このように構成しても、第1検知部83aによって第1摩擦フェーシング72の摩耗を検知することができる。
同様に、第2連結部材76を配置しない第5孔部73bを、設けてもよい。この場合、第2検知部83bは、第5孔部73bの内部に露出した状態で配置される。このように構成しても、第2検知部83bによって、第1摩擦フェーシング72の摩耗及び第2摩擦フェーシング73の摩耗を、検知することができる。なお、第2連結部材76を配置しない第5孔部73bの構成は、図13に示した構成と実質的に同じであるので、図示していない。
<他の実施形態>
本発明は以上のような実施形態(変形例を含む)に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形又は修正が可能である。
(a)前記実施形態では、第1摩擦フェーシング72及び第2摩擦フェーシング73が実質的に円環板状に形成される場合の例を示した。
これに代えて、第1摩擦フェーシング72及び/又は第2摩擦フェーシング73が、複数の円弧状の摩擦フェーシングから、構成されていてもよい。この場合、各摩擦フェーシングが、各連結部材74(第1連結部材75及び/又は第2連結部材76)によって、クッショニングプレート70の各取付部82に装着される。
(b)前記実施形態では、第1摩擦フェーシング72及び第2摩擦フェーシング73が、第1連結部材75及び第2連結部材76によって、クッショニングプレート70に各別に固定される場合の例を示した。
これに代えて、第1摩擦フェーシング72及び第2摩擦フェーシング73のいずれか一方が、前記実施形態と同様の形態で、クッショニングプレート70に固定されてもよい。この場合、第1摩擦フェーシング72及び第2摩擦フェーシング73のいずれか他方は、従来の固定手段例えばリベットによって、クッショニングプレート70に固定される。
(c)前記実施形態では、クラッチ構造体の一例であるクラッチ部101が、クラッチディスク組立体1に設けられる場合の例を示した。
これに代えて、上記のクラッチ101(クラッチ構造体の一例)の構成を、トルクコンバータにおける、ピストン(支持部材の一例)と、摩擦フェーシング(接触部材の一例)とを連結する連結部材として、用いてもよい。
(d)前記実施形態では、ダンパ部100が、高剛性ダンパユニット2と、低剛性ダンパユニット3と、ハブ4と、ヒステリシストルク発生機構5とを有する場合の例を、示した。ダンパ部100の構成は、前記実施形態に限定されず、トルク変動を減衰することができる構成であれば、どのような構成であってもよい。
1 クラッチディスク組立体。
100 ダンパ部
101 クラッチ部
6 フライホイール
7 プレッシャープレート
70 クッショニングプレート
71 摩擦フェーシング
72 第1摩擦フェーシング
73 第2摩擦フェーシング
81 固定部
82 取付部
83 検知部
83a 第1検知部
83b 第2検知部
72a 第1接触面
72b 第3孔部
73a 第2接触面
73b 第5孔部
74 連結部材
75 第1連結部材
76 第2連結部材
84a 第1孔部
85a 第2孔部

Claims (8)

  1. 被接触部材に接触可能に構成される接触部材と、
    前記接触部材を支持する支持部材と、
    前記被接触部材に接触可能且つ摩耗可能に構成され、前記接触部材及び前記支持部材を連結する連結部材と、
    を備えるクラッチ構造体。
  2. 前記被接触部材に接触する前記接触部材の第1接触面は、前記被接触部材に接触する前記連結部材の第2接触面と、実質的に同一面上に形成されている、
    請求項1に記載のクラッチ構造体。
  3. 前記被接触部材に対する前記接触部材の第1接触面と、前記被接触部材に接触する前記連結部材の第2接触面との間には、段差が形成されている、
    請求項1に記載のクラッチ構造体。
  4. 前記接触部材は、テーパ孔を有し、
    前記連結部材は、前記テーパ孔に接触した状態で、前記支持部材を保持する、
    請求項1から3のいずれか1項に記載のクラッチ構造体。
  5. 前記連結部材の硬度は、前記接触部材の硬度以下である、
    請求項1から4のいずれか1項に記載のクラッチ構造体。
  6. 前記連結部材の材質は、樹脂である、
    請求項1から5のいずれか1項に記載のクラッチ構造体。
  7. 前記連結部材の材質は、熱可塑性の樹脂である、
    請求項6に記載のクラッチ構造体。
  8. 被接触部材に接触可能に構成される請求項1から7のいずれか1項に記載のクラッチ構造体と、
    前記被接触部材から前記クラッチ構造体に伝達されるトルク変動を減衰するダンパ部と、
    を備えるクラッチディスク組立体。
JP2016172241A 2016-09-02 2016-09-02 クラッチ構造体及びクラッチディスク組立体 Pending JP2018035932A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016172241A JP2018035932A (ja) 2016-09-02 2016-09-02 クラッチ構造体及びクラッチディスク組立体
PCT/JP2017/028538 WO2018043043A1 (ja) 2016-09-02 2017-08-07 クラッチ構造体及びクラッチディスク組立体
CN201780047588.8A CN109642620A (zh) 2016-09-02 2017-08-07 离合器构造体以及离合器盘组装体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016172241A JP2018035932A (ja) 2016-09-02 2016-09-02 クラッチ構造体及びクラッチディスク組立体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018035932A true JP2018035932A (ja) 2018-03-08
JP2018035932A5 JP2018035932A5 (ja) 2019-09-19

Family

ID=61300511

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016172241A Pending JP2018035932A (ja) 2016-09-02 2016-09-02 クラッチ構造体及びクラッチディスク組立体

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP2018035932A (ja)
CN (1) CN109642620A (ja)
WO (1) WO2018043043A1 (ja)

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4965863U (ja) * 1972-09-25 1974-06-08
JPS5816435U (ja) * 1981-07-24 1983-02-01 株式会社大金製作所 クラツチデイスク
JPS601429A (ja) * 1983-06-16 1985-01-07 Aisin Seiki Co Ltd クラツチデイスク
JPS6031528U (ja) * 1983-08-09 1985-03-04 株式会社 大金製作所 クラツチデイスク
JPS60201122A (ja) * 1984-03-26 1985-10-11 Daikin Mfg Co Ltd ダンパ−デイスク
DE3718147A1 (de) * 1987-05-29 1988-12-15 Fichtel & Sachs Ag Kupplungsscheibe fuer eine reibscheibenkupplung
JP2000018273A (ja) * 1998-06-29 2000-01-18 Unisia Jecs Corp クラッチディスク
JP4205848B2 (ja) * 2000-09-29 2009-01-07 日野自動車株式会社 摩擦フェーシング及び摩擦ディスク
JP4976255B2 (ja) * 2007-10-19 2012-07-18 株式会社アクロス 摩擦クラッチ

Also Published As

Publication number Publication date
WO2018043043A1 (ja) 2018-03-08
CN109642620A (zh) 2019-04-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5705935B2 (ja) ダンパディスク組立体
JP2015175440A (ja) ダンパディスク組立体
WO2018043042A1 (ja) クラッチ構造体及びクラッチディスク組立体
JP4451914B1 (ja) ダンパー機構
JP2018035931A5 (ja)
JP4834783B1 (ja) クラッチカバー組立体
JP2017187067A (ja) ダンパディスク組立体
WO2018043043A1 (ja) クラッチ構造体及びクラッチディスク組立体
KR101448113B1 (ko) 자동차의 클러치 디스크
JP2018035932A5 (ja)
JP2022095172A (ja) ダンパ装置
JP6292293B2 (ja) ダンパ装置
JP3619372B2 (ja) ダンパーディスク組立体
JP2011241984A (ja) トルク変動吸収装置
JP6654162B2 (ja) ダンパディスク組立体
JP2000002263A (ja) ブッシュ
JP2019090428A (ja) ダンパディスク組立体
JP7376334B2 (ja) ダンパ装置
JP2015098933A (ja) トルクコンバータのロックアップ装置
JP2018150956A (ja) 車輌用の摩擦発生構造
JP7384654B2 (ja) ダンパ装置
JP3645707B2 (ja) 摩擦ワッシャー組立体
JP2006144883A (ja) サブダンパーユニットおよびクラッチディスク組立体
JP2016142339A (ja) トルク変動吸収装置
JPH09144812A (ja) ダンパーディスク組立体

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190808

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190808

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200428

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20201104