JP2018030178A - スポット溶接方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明に係るスポット溶接方法は、予備通電、第1通電、第2通電、第3通電の各工程を有する。予備通電で鋼板間の接触面のなじみを改善し、第1通電で一定の溶接電流を通電し、鋼板間の電気的な接触抵抗による発熱でナゲットを生成させ、第2通電で第1通電より低い電流にし、中散りを抑制しつつ、ナゲットを径方向に成長させ、第3通電で第2通電より高い電流にし、径方向だけでなく、主に板厚方向へナゲットを成長させ、スポット溶接電極による加圧力を減少させる通電方法。
【選択図】図1
Description
即ち、複数の鋼板を重ね合わせたスポット溶接において、鋼板間に間隙(板隙)が最大2mm程度あり、さらに板厚比(重ね合わせた鋼板の板厚の総和/一番薄い鋼板の板厚)が大きい場合でも、適切な溶接継手を得ることを課題とする。特に自動車部材への適用を目的とし、最外層(最も電極側)に比較的薄い鋼板を配置した場合でも適用できるスポット溶接を提供することを目的とする。
スポット溶接におけるナゲット生成メカニズムを考察し、散り発生がなく、適切にナゲットを生成し成長させる通電パターンを見出した。
・予備通電:
鋼板間の接触を促進し、板隙を軽減することを目的とし、徐々に溶接電流を増加させる(例えば、アップスロープ状)通電方法。急激に電流を負荷すると局所的に通電し、その部分が急速に溶融することにより散りが発生するため、徐々に(例えばアップスロープ状に)通電し、局所加熱を回避する通電方法である。
・第1通電:
予備通電により鋼板間に一定の接触面を確保し、かつ接触抵抗が残存する条件下で、高めで一定の溶接電流を通電し、散りを抑制しつつ、鋼板間の電気的な接触抵抗による発熱で薄板―厚板間を溶融させる通電方法である。
・第2通電:
第1通電より低い電流にし、中散りを抑制しつつ、ナゲットを主に径方向に成長させる通電方法。
・第3通電:
第2通電工程で、ナゲット径がある程度の大きさになったところで、第2通電より高い電流にし、径方向だけでなく、特に板厚方向にもナゲットを成長させる通電方法。
本発明者らは、多数の実験により、各通電における通電時間と電流値を鋼板の板厚や板隙をパラメータとして規定することを試みた。その結果、鋼板のスポット溶接において、適切な通電時間、溶接電流量を規定することができた。
なお、通電時間は、交流電源周波数に応じたサイクル数で規定する。入熱量は入力電流値の積分に比例し、これらは交流電源周波数に依存するからである。例えば、50Hzの交流電源であれば、1サイクル=1/50秒に相当する。
tu≧2×Ta2×Tg
但し、Ta:平均板厚(mm)
(平均板厚Taは板厚の総和を2で割って求めた値で定義する。)
Tg:板隙の最大値(mm)
tu:予備通電時間(サイクル)。
板厚、板隙の単位はmm(以下同じ。)。
電流値は、最大で第1通電の電流量と同じ。
1≦t1≦7×Ta
但し、t1:第1通電の一定通電時間(サイクル)
I1≦10√(Ta) +2
但し、I1は第1通電での電流値であり、単位はkA。
1≦t2
但し、t2:第2通電時間(サイクル)
I2≦10√(Ta)
但し、I2は第2通電での電流値であり、単位はkA。
5×Ta≦t2+t3≦15×Ta
但し、t3:第3通電時間(サイクル)
10√(Ta)<I3
但し、I3は第3通電での電流値であり、単位はkA。
第3通電においてナゲット成長を促進させる際に、急激な成長促進は散り発生の危険性を伴う。そこで、第3通電においても徐々に増加する通電パターン(例えばアップスロープ状)にすることにより、散り発生を抑制しながら、ナゲットの成長を促進できることを見出した。
ナゲットの成長に際し、電流だけで制御するのではなく、ナゲット成長に合せて電極による加圧力を変化させることにより、より適切なナゲットを形成できることを見出した。
特に、第3通電時に加圧力を下げることにより、電極による冷却を弱め、板厚方向(電極方向)へのナゲット成長を促進することができることを見出した。しかし、加圧力を下げ過ぎると散りの発生につながるため、第1通電や第2通電での加圧力に対し、1/2以上の加圧力にすることが望ましい。
さらに、第1通電工程と第2通電工程の間、及び、第2通電工程と第3通電工程の間のいずれか又は両方に冷却工程(時間)を設けると、溶接部全体が冷却されてナゲット成長を一旦抑制することができ、散りの抑制に効果があることを見出した。
(1)
複数の鋼板を重ねて接合するスポット溶接方法であって、
徐々に電流を負荷する予備通電工程と、
電流値I1で一定通電を行う第1通電工程と、
その後、電流値I2で通電を行う第2通電工程と、
さらにその後、電流値I3で通電を行う第3通電工程を有し、
I1>I2、およびI2<I3の関係であり、
前記第3通電工程中に、スポット溶接電極による加圧力を減少させることを特徴とするスポット溶接方法。
ただし、I1,I2、I3の単位はkAとする。
(2)
前記複数の鋼板の板厚の合計と、前記複数の鋼板のうち一番板厚が薄い鋼板の板厚との比である板厚比が4.5以上であることを特徴とする(1)に記載のスポット溶接方法。
(3)
前記複数の鋼板において、一番板厚の薄い鋼板が一番外側になるように重ね合わせたことを特徴とする(1)または(2)に記載のスポット溶接方法。
(4)
前記予備通電工程が、アップスロープ状に溶接電流を増加させることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか一項に記載のスポット溶接方法。
(5)
前記予備通電工程が、パルセーション通電であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか一項に記載のスポット溶接方法。
(6)
前記予備通電工程のアップスロープ通電の通電時間が1〜30サイクルであることを特徴とする(4)に記載のスポット溶接方法。
(7)
前記予備通電工程のパルセーション通電の通電時間が1〜10サイクル、休止時間が1〜5サイクルであることを特徴とする前記(5)に記載のスポット溶接方法。
(8)
前記予備通電工程の通電時間をtu、前記第1通電工程の通電時間をt1とし、鋼板の板厚の総和を2で割って求めた値である平均板厚をTa、鋼板間の間隙である板隙の最大値をTgとしたとき、
tu≧2Ta2Tg、
1≦t1≦7Ta
I1≦10√(Ta) +2
の関係を満たすことを特徴とする(1)〜(7)のいずれか1項に記載のスポット溶接方法。
ただし、tuおよびt1の単位は、印加する交流電流のサイクル数とし、
TaおよびTgの単位はmmとする。
(9)
前記第2通電の通電時間をt2としたとき
1≦t2
I2≦10√(Ta)
の関係を満たすことを特徴とする(8)に記載のスポット溶接方法。
ただし、t2の単位は、印加する交流電流のサイクル数とする。
(10)
前記第3通電の通電時間をt3としたとき
5Ta≦t2+t3≦15Ta
10√(Ta)<I3
の関係を満たすことを特徴とする(9)に記載のスポット溶接方法。
ただし、t3の単位は、印加する交流電流のサイクル数とする。
(11)
前記第3通電工程において溶接電流をアップスロープ状に増加させることを特徴とする(1)〜(10)のいずれか1項に記載のスポット溶接方法。
(12)
前記減少させた後の加圧力をP2、減少させる前の加圧力をP1としたとき、
0.5×P1≦P2<P1であることを特徴とする(1)〜(11)のいずれか1項に記載のスポット溶接方法。
(13)
前記第1通電工程と前記第2通電工程の間、および前記第2通電工程と前記第3通電工程の間の少なくともどちらか一方に、溶接電流を流さない冷却工程を有することを特徴とする(1)〜(12)のいずれか1項に記載のスポット溶接方法。
(14)
前記冷却工程の冷却時間が10サイクル以下であることを特徴とする前記(13)に記載のスポット溶接方法。
特に、複数の鋼板が高張力鋼板を含み、さらに一番板厚の薄い鋼板が一番外側に配置されるように重ね合わせたスポット溶接において、その効果が発揮される。
第1通電工程での電流値をI1、第2通電工程での電流値をI2、第3通電工程での電流値をI3とし、単位はどれもkAとする。
予備通電工程の通電時間をtu、第1通電工程の通電時間をt1、第2通電工程の通電時間をt2、第3通電工程の通電時間をt3とし、単位はどれもサイクル数とする。ここでサイクル数とは、入力に係る交流電源波形のサイクル数である。入熱量は入力電流値の積分に比例し、これらは交流電源周波数に依存するからである。例えば、50Hzの交流電源であれば、1サイクル=1/50秒に相当する。溶接電源が直流インバータの場合は、インバータに入力する交流電源の周波数から導かれるサイクル数とする。
鋼板の平均板厚をTa、鋼板間の間隙の最大値をTg(本明細書において「板隙」と呼ぶ場合がある。)とし、単位はどれもmmとする。前述したように、3枚以上の板を重ね合わせた場合、平均板厚Taは板厚の総和を2で割って求めた値で定義する。
板隙Tgは、スポット溶接をする部分についての鋼板間の間隙であって、スポット溶接を行わない部分の鋼板間の間隙は考慮しない。
板厚比は、前記複数の鋼板の板厚の合計と、前記複数の鋼板のうち一番板厚が薄い鋼板の板厚との比である。
板厚比=(複数の鋼板の板厚の合計)/(一番板厚が薄い鋼板の板厚)
複数の鋼板に薄い鋼板が配置され、特に一番外側に薄い鋼板が配置された場合、電極による冷却効果のため、電極に近くなるほど温度が低下し、ナゲットが形成しにくい。本発明はそれを解消するものであり、板厚比が4.5以上であれば、その効果は大きい。特に上限は設定しないが、一番外側に最も薄い鋼板を配置し、板厚比が10を超えると、そのスポット溶接性が悪化するので、上限を10にしてもよい。
[予備通電工程]
予備通電工程は、鋼板間の接触面を徐々に拡大させる、ことを目的とし、徐々に溶接電流の負荷量を増加させる工程である(例えば、アップスロープ状)。急激に電流を負荷すると、局所的に接している部分に集中的に通電することになり、その部分が急速に溶融し散りが発生するため、徐々に電流量が増加するように(例えばアップスロープ状に)通電し、局所加熱を回避する通電方法である。
徐々に溶接電流の負荷量を増加させる方法は、アップスロープ状(図1、図4、図5、図6、図7)に増加させる方法がある。また、この場合電流値は0から増加させてもよいが、ある特定の電流値から開始してもよい。
その他、例えばパルセーション通電も適用できる。パルセーション通電であれば、通電と冷却を交互に行い、通電時間と冷却時間を調整することにより、入熱量を調整することができるからである。
好ましくは、 tu≧2×Ta2×Tgとするとよい。本発明者らは各種試験により、通電時間と、平均板厚および最大板隙との間に相関があることを見出し、前記のような関係を導いた。
第1通電工程は、予備通電により鋼板間に一定の接触面を確保し、かつ接触抵抗が残存する条件下で、散りを抑制しつつ、鋼板間の電気的な接触抵抗による発熱で薄板−厚板間を溶融させるため、高めで一定の電流を通電する工程である。 アップスロープ状等の予備通電で電流が電流I1に到達した後は、継続して、電流I1を時間t1で通電する。電流I1、時間t1の通電で、鋼板間の接触抵抗を利用して、薄板−厚板間の発熱(温度上昇)を促進し、溶融部を拡大する。電流I1は、対象板組の板厚を考慮して設定する。
好ましくは、1≦t1≦7×Taにするとよい。本発明者らは各種試験により、通電時間t1と、平均板厚Taに相関があることを見出し、前記のような関係を導いた。T1が7×Taより大きいと、通電時間t1の間に散りが発生する場合がある。
第1通電工程で、ナゲットを生成し、ある程度成長させたところで、溶接電流を減少させ、中散りを抑制しつつ、ナゲットを主に径方向に成長させる工程である。そのため、I2<I1にする必要がある。電流I2は、鋼板の溶融を促進するに足る電流であればよいが、対象板組の板厚を考慮して設定するとよい。この観点で、平均板厚との関連を鋭意求めたところ、好ましくは、I2≦10√(Ta) にするとよいことを見出した。下限は、ナゲットが成長する程度であれば、特に限定はしないが、10√(Ta)−6以上とすることが好ましい。
第2通電工程で、ナゲット径がある程度の大きさになったところで、第2通電より高い電流にし、径方向だけでなく、板厚方向にもナゲットを成長させる工程である。そのため、第3通電工程では、電流I2より高い電流I3(>I2)を、時間t3の間通電する。電流I3、時間t3の通電で、鋼板の溶融をさらに促進し、即ち、ナゲットの拡大(横方向と板厚方向の両方に拡大)を図る。第2通電工程の終了までに鋼板間の接触と溶融が進行していて、つまり、通電面積が十分に増大(電流密度は低下)しているので、散りが発生する電流I3のレベルは上昇している。したがって、I3はI2より大きくすることが可能である。
通常、2枚組のスポット溶接においては、10×Ta(サイクル)あるいは10×Ta+2(サイクル)程度で、昇温が飽和傾向を示すことが知られている。本発明者らは、この観点から平均板厚と通電時間の関係を鋭意求めた。その結果、t2とt3の合計通電時間を5Ta以上、15Ta以下とするとよいことを見出した。t2とt3の合計通電時間が5Taより短いと、ナゲットが十分成長しないため、適正なスポット溶接が得られない。一方、t2とt3の合計通電時間が15Taより長いと、温度分布はほぼ定常となってナゲット径は飽和し、生産性を低下させてしまう。
減少後の加圧力P2の上限はP1より小さければよいが、その効果を確実に得るためには0.9P1を上限にするとよい。
第1通電工程と第2通電工程の間、および第2通電工程と第3通電工程の間のどちらか一方もしくは両方に、溶接電流を流さない冷却工程を設けてもよい(図8、図9)。
冷却工程を設けることにより、ナゲットの成長が緩和され、散りの発生を抑制し、ナゲット形成が安定する。
冷却工程を設けると、第1通電、第2通電、及び、第3通電を連続して行うスポット溶接に比べ、溶接完了時間が、冷却時間の分、長くなり、生産性が低下するように見えるが、冷却工程を設けることにより、第2通電工程及び/又は第3通電工程において、電流I2及び/又は電流I3を高めに設定し、通電時間t2及び/又は通電時間t3を短縮できるので、生産性は低下しない。
図8には、図1に示す通電パターンに冷却工程を追加した例を示す。図9は、図8の予備通電工程がパルセーション通電である場合の一例を示す。
3枚の鋼板を重ねた板組において、外側の鋼板の板厚が一番薄い場合、この薄鋼板と隣接鋼板の接触界面での接合が十分になされない場合があるが、本発明溶接方法においては、外側の鋼板の板厚が一番薄い場合でも、外側の薄鋼板と隣接鋼板の接触界面を強固に接合することができる。
本発明溶接方法によれば、図2に示すように、ナゲット4が、薄い鋼板と比較的厚い2枚の鋼板にわたって形成される。図3に、本発明溶接方法で形成した溶接継手を光学顕微鏡で観察した断面組織を示す。3枚の鋼板を貫通してナゲットが形成され、全鋼板間の界面が十分に溶融されていることが確認できる。特に一番薄い鋼板が、外側にあるが、その鋼板を含めてナゲットが形成されていることが分かる。
表1に示す2種類の板組を用いて、スポット溶接を実施した。鋼板は、すべて、合金化溶融亜鉛めっき鋼板であり、片面当たりのめっき付着量は45g/m2である。スポット溶接条件を表2に示す。溶接電源は単相交流を用いた。
実施例1と同条件で、図5の通電パターンおよび加圧力パターンでスポット溶接を実施した。スポット溶接条件と評価結果を表4に示す。溶接電源は単相交流を用いた。
その結果、散り発生もなく、良好なナゲットが形成された。なお、各鋼板間のナゲット径≧4×√(鋼板1(一番薄い鋼板)の板厚)となったナゲットを合格と判断した。以下、実施例3、4、5も同じ判断をした。
実施例1と同条件で、図6の通電パターンおよび加圧力パターンでスポット溶接を実施した。スポット溶接条件と評価結果を表5に示す。溶接電源は単相交流を用いた。
その結果、散り発生もなく、良好なナゲットが形成された。
実施例1と同条件で、図7の通電パターンおよび加圧力パターンでスポット溶接を実施した。スポット溶接条件と評価結果を表6に示す。溶接電源は単相交流を用いた。
その結果、散り発生もなく、良好なナゲットが形成された。
表7に示す2種類の板組を用いて、実施例1と同条件で、冷却工程を設けたにスポット溶接を実施した。表中の「クール」が冷却工程を示す。鋼板は、すべて、合金化溶融亜鉛めっき鋼板であり、片面当たりのめっき付着量は45g/m2である。
スポット溶接条件を表8に、評価結果を表9示す。溶接電源は単相交流を用いた。
その結果、散り発生もなく、良好なナゲットが形成された。
2、3 鋼板
4 ナゲット
Claims (14)
- 複数の鋼板を重ねて接合するスポット溶接方法であって、
徐々に電流を負荷する予備通電工程と、
電流値I1で一定通電を行う第一通電工程と、
その後、電流値I2で通電を行う第2通電工程と、
さらにその後、電流値I3で通電を行う第3通電工程を有し、
I1>I2、およびI2<I3の関係であり、
前記第3通電工程中に、スポット溶接電極による加圧力を減少させることを特徴とするスポット溶接方法。
ただし、I1,I2、I3の単位はkAとする。
- 前記複数の鋼板の板厚の合計と、前記複数の鋼板のうち一番板厚が薄い鋼板の板厚との比である板厚比が4.5以上であることを特徴とする請求項1に記載のスポット溶接方法。
- 前記複数の鋼板において、一番板厚の薄い鋼板が一番外側になるように重ね合わせたことを特徴とする請求項1または2に記載のスポット溶接方法。
- 前記予備通電工程が、アップスロープ状に溶接電流を増加させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のスポット溶接方法。
- 前記予備通電工程が、パルセーション通電であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のスポット溶接方法。
- 前記予備通電工程のアップスロープ通電の通電時間が1〜30サイクルであることを特徴とする請求項4に記載のスポット溶接方法。
- 前記予備通電工程のパルセーション通電の通電時間が1〜10サイクル、休止時間が1〜5サイクルであることを特徴とする請求項5に記載のスポット溶接方法。
- 前記予備通電工程の通電時間をtu、前記第1通電工程の通電時間をt1とし、鋼板の板厚の総和を2で割って求めた値である平均板厚をTa、鋼板間の間隙である板隙の最大値をTgとしたとき、
tu≧2Ta2Tg、
1≦t1≦7Ta
I1≦10√(Ta) +2
の関係を満たすことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のスポット溶接方法。
ただし、tuおよびt1の単位は、印加する交流電流のサイクル数とし、
TaおよびTgの単位はmmとする。
- 前記第2通電の通電時間をt2としたとき
1≦t2
I2≦10√(Ta)
の関係を満たすことを特徴とする請求項8に記載のスポット溶接方法。
ただし、t2の単位は、印加する交流電流のサイクル数とする。
- 前記第3通電の通電時間をt3としたとき
5Ta≦t2+t3≦15Ta
10√(Ta)<I3
の関係を満たすことを特徴とする請求項9に記載のスポット溶接方法。
ただし、t3の単位は、印加する交流電流のサイクル数とする。
- 前記第3通電工程において溶接電流をアップスロープ状に増加させることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のスポット溶接方法。
- 前記減少させた後の加圧力をP2、減少させる前の加圧力をP1としたとき、
0.5×P1≦P2<P1であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項記載のスポット溶接方法。
- 前記第1通電工程と前記第2通電工程の間、および前記第2通電工程と前記第3通電工程の間の少なくともどちらか一方に、溶接電流を流さない冷却工程を有することを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載のスポット溶接方法。
- 前記冷却工程の冷却時間が10サイクル以下であることを特徴とする前記請求項13に記載のスポット溶接方法。
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