JP6428893B2 - スポット溶接方法 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の鋼板を重ね合わせて接合するスポット溶接方法に関する。
従来から、自動車分野の主要な溶接法はスポット溶接であり、鋼板同士をスポット溶接で接合し、車体の組立や部品の製造を行っている。
例えば、自動車車体において、外側の意匠性の高いパネル部品には成形性や塗装性に優れた軟鋼板が用いられ、内部の強度・剛性を担保する骨格部品には高強度鋼板が用いられる。通常、軟鋼板は板厚が比較的薄く、高強度鋼板は板厚が比較的厚いものが適用される。
したがって、薄い軟鋼板と厚い高強度鋼鋼板をスポット溶接で接合する部位が発生することとなる。このとき、薄板と厚板の界面でナゲット(溶接金属)が十分に形成されない場合がある。
特許文献1には、複数枚の鋼板を抵抗スポット溶接で接合する際、抵抗スポット溶接を二段階で行い、第二段の溶接を、第一段の溶接に比べ、高加圧力、低電流又は同じ電流、長通電時間又は同通電時間で行うことが提案されている。
しかし、特許文献1の方法では、第一段の溶接の際の加圧力が低いため、鋼板間に板隙(鋼板間の間隙)が存在し、さらに、板厚比(=総板厚(mm)/一番薄い板厚(mm))が大きい場合、薄板と厚板の界面でナゲットが十分に形成されず、所望の継手強度が得られない場合がある。
特許文献2には、少なくとも1枚の高張力鋼板を含む複数の鋼板を重ね合せて抵抗溶接する高張力鋼板の抵抗溶接方法が提案されている。具体的には、通電により3√t以上5√t以下(t:鋼板の最小板厚(mm))のナゲット径を有するナゲットを形成する第1工程と、その後に溶接電流を降下する第2工程と、さらにその後に第1工程の溶接電流より大きな溶接電流を通電して前記ナゲットを拡大する第3工程を有する高張力鋼板の抵抗溶接方法が提案されている。
特許文献2の方法では、第2工程で加圧力を増大するが、板隙があり、かつ、板厚比が高い場合、所望のナゲット径を確保するのが困難である。
特許文献3には、少なくとも1枚の高張力鋼板を含む、複数の鋼板を重ね合わせて抵抗溶接する高張力鋼板の抵抗溶接方法が提案されている。具体的には、通電により所定のナゲット径を有するナゲットを形成する第1工程と、その後に溶接電流を降下する第2工程と、さらにその後に第1工程の溶接電流より大きな溶接電流を通電するとともに第1工程の加圧力より大きい加圧力を付与してナゲットを拡大する第3工程を有する高張力鋼板の抵抗溶接方法が提案されている。
特許文献3の方法では、ナゲットを拡大するため、第3工程で、第1工程の加圧力より大きい加圧力を付与しているが、特許文献2の方法と同様に、板隙があり、かつ、板厚比が高い場合、所望のナゲット径を確保するのが困難である。
特許文献4には、各鋼板間に隙間G(≦2(mm))を有する3枚以上の鋼板を多段通電でスポット溶接する方法であって、第1通電をアップスロープ通電で行い、次いで、第2通電を所要の通電時間及び電流値で行う方法が提案されている。
特許文献4の方法では、第二段の電流を第一段の最大電流より小さくするので、薄板と厚板の界面の溶融が不十分となり、所要形状のナゲットが得られず、所望の継手強度が得られない場合がある。
このように、板隙があり、かつ、板厚比が高い複数鋼板の重ね合わせの場合、薄鋼板と厚鋼板の接触界面を十分に溶融して、ナゲットを十分に形成するのが難しく、所望の継手強度が得られない場合がある。
特開2005−262259号公報 特開2010−207909号公報 特開2010−247215号公報 特開2013−188752号公報
自動車部材においては、板厚が異なるだけでなく、塗装性や加工性の良好な軟鋼や高張力鋼のように強度の異なる鋼板を重ね合わせてスポット溶接(抵抗溶接)を行う場合が多くなっている。(重ね合わせた複数の鋼板を板組とよぶ。)即ち、薄板と厚板、軟鋼と高張力鋼が複雑に組み合わせられ、溶接されることとなる。自動車部材では、様々な形状にプレスされた鋼板が用いられる。しかし、プレス成形後にスプリングバックと呼ばれる弾性変形が生じる。特に高張力鋼においては、スプリングバックが大きく、鋼板を重ねた際に板隙が大きくなる。鋼板を重ねて組み合わせた場合、最大2mm程度の板隙が生じることがある。スポット溶接では、板隙が大きく、加圧力が十分でない場合、通電前の鋼板の接触面積が小さくなる。この場合、通電経路が狭く、即ち電流密度が高くなるため、局所で急激に溶融が進み、散りが発生するという問題がある。
一方、複数枚の鋼板を重ねてスポット溶接する場合、通常、板厚方向のほぼ中心にナゲットが形成される。これは、スポット溶接電極により抜熱されて電極に近くなるほど温度が低下することが主な理由である。したがって、電極側に板厚の薄い鋼板を配置した場合、薄板とそれに隣接する鋼板の界面にナゲットが形成し難くなる。
自動車部材の場合、表面に薄い軟鋼板を配置する部位があり、その隣に配置する高張力鋼とのスポット溶接性が問題となっている。即ち板厚比(重ね合わせた鋼板の板厚の総和/一番薄い鋼板の板厚)が大きく、且つ一番板厚の薄い鋼板がスポット溶接の電極側に配置されている場合が、一番問題となる。特許文献2,3は、高張力鋼のスポット溶接に際し、3工程の通電パターンを提案している。即ち、予備通電(第1工程)により鋼板の接触面を確保することで通電初期の散りを解消し、溶接電流を下げた通電(第2工程)と、さらに第1工程より溶接電流を上げた通電(第3工程)で、通電中期から後期にかけて発生する中散りを抑制している。しかし、板厚に関する課題認識がなく、板厚比が大きい場合の問題解決はできない。
特許文献4は、板隙を有し、板厚の薄い鋼板を電極側に配置する場合のスポット溶接方法を提案しているが、第2通電での溶接電流を下げているため、適正なナゲット径を確保できず、また溶接時間も長くなるため、実用的ではない。
本発明は、これらの問題を解決することを課題とする。
即ち、複数の鋼板を重ね合わせたスポット溶接において、鋼板間に間隙(板隙)が最大2mm程度あり、さらに板厚比(重ね合わせた鋼板の板厚の総和/一番薄い鋼板の板厚)が大きい場合でも、適切な溶接継手を得ることを課題とする。特に自動車部材への適用を目的とし、最外層(最も電極側)に比較的薄い鋼板を配置した場合でも適用できるスポット溶接を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決する手法について鋭意検討した。その結果、以下の知見を得た。
(a)
スポット溶接におけるナゲット生成メカニズムを考察し、散り発生がなく、適切にナゲットを生成し成長させる通電パターンを見出した。
・予備通電:
鋼板間の接触を促進し、板隙を軽減することを目的とし、徐々に溶接電流を増加させる(例えば、アップスロープ状)通電方法。急激に電流を負荷すると局所的に通電し、その部分が急速に溶融することにより散りが発生するため、徐々に(例えばアップスロープ状に)通電し、局所加熱を回避する通電方法である。
・第1通電:
予備通電により鋼板間に一定の接触面を確保し、かつ接触抵抗が残存する条件下で、高めで一定の溶接電流を通電し、散りを抑制しつつ、鋼板間の電気的な接触抵抗による発熱で薄板―厚板間を溶融させる通電方法である。
・第2通電:
第1通電より低い電流にし、中散りを抑制しつつ、ナゲットを主に径方向に成長させる通電方法。
・第3通電:
第2通電工程で、ナゲット径がある程度の大きさになったところで、第2通電より高い電流にし、径方向だけでなく、特に板厚方向にもナゲットを成長させる通電方法。
(b)
本発明者らは、多数の実験により、各通電における通電時間と電流値を鋼板の板厚や板隙をパラメータとして規定することを試みた。その結果、鋼板のスポット溶接において、適切な通電時間、溶接電流量を規定することができた。
なお、通電時間は、交流電源周波数に応じたサイクル数で規定する。入熱量は入力電流値の積分に比例し、これらは交流電源周波数に依存するからである。例えば、50Hzの交流電源であれば、1サイクル=1/50秒に相当する。
・予備通電
tu≧2×Ta×Tg
但し、Ta:平均板厚(mm)
(平均板厚Taは板厚の総和を2で割って求めた値で定義する。)
Tg:板隙の最大値(mm)
tu:予備通電時間(サイクル)。
板厚、板隙の単位はmm(以下同じ。)。
電流値は、最大で第1通電の電流量と同じ。
・第1通電
1≦t1≦7×Ta
但し、t1:第1通電の一定通電時間(サイクル)
I1≦10√(Ta) +2
但し、I1は第1通電での電流値であり、単位はkA。
・第2通電
1≦t2
但し、t2:第2通電時間(サイクル)
I2≦10√(Ta)
但し、I2は第2通電での電流値であり、単位はkA。
・第3通電
5×Ta≦t2+t3≦15×Ta
但し、t3:第3通電時間(サイクル)
10√(Ta)<I3
但し、I3は第3通電での電流値であり、単位はkA。
(C)
第3通電においてナゲット成長を促進させる際に、急激な成長促進は散り発生の危険性を伴う。そこで、第3通電においても徐々に増加する通電パターン(例えばアップスロープ状)にすることにより、散り発生を抑制しながら、ナゲットの成長を促進できることを見出した。
(D)
ナゲットの成長に際し、電流だけで制御するのではなく、ナゲット成長に合せて電極による加圧力を変化させることにより、より適切なナゲットを形成できることを見出した。
特に、第3通電時に加圧力を下げることにより、電極による冷却を弱め、板厚方向(電極方向)へのナゲット成長を促進することができることを見出した。しかし、加圧力を下げ過ぎると散りの発生につながるため、第1通電や第2通電での加圧力に対し、1/2以上の加圧力にすることが望ましい。
(E)
さらに、第1通電工程と第2通電工程の間、及び、第2通電工程と第3通電工程の間のいずれか又は両方に冷却工程(時間)を設けると、溶接部全体が冷却されてナゲット成長を一旦抑制することができ、散りの抑制に効果があることを見出した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、その要旨は以下のとおりである。
(1)
複数の鋼板を重ねて接合するスポット溶接方法であって、
徐々に電流を負荷する予備通電工程と、
電流値I1で一定通電を行う第1通電工程と、
その後、電流値I2で通電を行う第2通電工程と、
さらにその後、電流値I3で通電を行う第3通電工程を有し、
I1>I2、およびI2<I3の関係であり、
前記第3通電工程中に、スポット溶接電極による加圧力を減少させることを特徴とするスポット溶接方法。
ただし、I1,I2、I3の単位はkAとする。
(2)
前記複数の鋼板の板厚の合計と、前記複数の鋼板のうち一番板厚が薄い鋼板の板厚との比である板厚比が4.5以上であることを特徴とする(1)に記載のスポット溶接方法。
(3)
前記複数の鋼板において、一番板厚の薄い鋼板が一番外側になるように重ね合わせたことを特徴とする(1)または(2)に記載のスポット溶接方法。
(4)
前記予備通電工程が、アップスロープ状に溶接電流を増加させることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか一項に記載のスポット溶接方法。
(5)
前記予備通電工程が、パルセーション通電であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか一項に記載のスポット溶接方法。
(6)
前記予備通電工程のアップスロープ通電の通電時間が1〜30サイクルであることを特徴とする(4)に記載のスポット溶接方法。
(7)
前記予備通電工程のパルセーション通電の通電時間が1〜10サイクル、休止時間が1〜5サイクルであることを特徴とする前記(5)に記載のスポット溶接方法。
(8)
前記予備通電工程の通電時間をtu、前記第1通電工程の通電時間をt1とし、鋼板の板厚の総和を2で割って求めた値である平均板厚をTa、鋼板間の間隙である板隙の最大値をTgとしたとき、
tu≧2TaTg、
1≦t1≦7Ta
I1≦10√(Ta) +2
の関係を満たすことを特徴とする(1)〜(7)のいずれか1項に記載のスポット溶接方法。
ただし、tuおよびt1の単位は、印加する交流電流のサイクル数とし、
TaおよびTgの単位はmmとする。
(9)
前記第2通電の通電時間をt2としたとき
1≦t2
I2≦10√(Ta)
の関係を満たすことを特徴とする(8)に記載のスポット溶接方法。
ただし、t2の単位は、印加する交流電流のサイクル数とする。
(10)
前記第3通電の通電時間をt3としたとき
5Ta≦t2+t3≦15Ta
10√(Ta)<I3
の関係を満たすことを特徴とする(9)に記載のスポット溶接方法。
ただし、t3の単位は、印加する交流電流のサイクル数とする。
(11)
前記第3通電工程において溶接電流をアップスロープ状に増加させることを特徴とする(1)〜(10)のいずれか1項に記載のスポット溶接方法。
(12)
前記減少させた後の加圧力をP2、減少させる前の加圧力をP1としたとき、
0.5×P1≦P2<P1であることを特徴とする(1)〜(11)のいずれか1項に記載のスポット溶接方法。
(13)
前記第1通電工程と前記第2通電工程の間、および前記第2通電工程と前記第3通電工程の間の少なくともどちらか一方に、溶接電流を流さない冷却工程を有することを特徴とする(1)〜(12)のいずれか1項に記載のスポット溶接方法。
(14)
前記冷却工程の冷却時間が10サイクル以下であることを特徴とする前記(13)に記載のスポット溶接方法。
本発明によれば、複数の鋼板を重ね合わせたスポット溶接において、鋼板間に間隙(板隙)があり、さらに板厚比(重ね合わせた鋼板の板厚の総和/一番薄い鋼板の板厚)が大きい場合でも、適切な溶接継手が得ることを課題とする。特に自動車部材への適用を目的とし、最外層(最も電極側)に比較的薄い鋼板を配置した場合でも適用できるスポット溶接を提供することができる。
特に、複数の鋼板が高張力鋼板を含み、さらに一番板厚の薄い鋼板が一番外側に配置されるように重ね合わせたスポット溶接において、その効果が発揮される。
本発明の通電態様の一例を示す図である。 本発明に係るスポット溶接継手の態様の一例を模式的に示す図である。 本発明で形成した溶接継手の一態様を光学顕微鏡で観察した断面組織を示す図である。 本発明の通電態様と加圧力の関係の一例を示す図である。 本発明の通電態様と加圧力の関係の他の一例を示す図である。 本発明の通電態様と加圧力の関係の他の一例を示す図である。 本発明の通電態様と加圧力の関係の他の一例を示す図である。 本発明の通電態様で冷却工程を有する一例を示す図である。 本発明の通電態様で冷却工程を有する他の一例を示す図である。
本発明のスポット溶接方法(以下「本発明溶接方法」ということがある。)は、複数の鋼板を重ねた板組を1対のスポット溶接電極(本明細書において、単に「電極」と言うことがある。)で挟持し、その電極で加圧しながら通電して、鋼板の接触部を溶融して接合するスポット溶接方法である。
本発明溶接方法において、適用する鋼板は、鋼種、形態、機械特性等では特に限定されない。どのような鋼種、形態、及び/又は、機械特性の鋼板でも、通電可能であれば、本発明溶接方法の適用対象となる。鋼板の形態では、例えば、電気めっき鋼板、溶融めっき鋼板、合金化溶融めっき鋼板も、本発明溶接方法の適用対象となる。
また、本発明方法において、溶接電源は、鋼板に、所要のサイクル数で通電できる電源であればよく、特定の電源に限定されない。単相交流、三相整流の他、直流インバータも溶接電源として使用できる。直流インバータを使用した場合も、本発明溶接方法の効果を達成することができる。
図1に、本発明溶接方法の通電態様の一例を示す。
本発明に係るスポット溶接方法は、予備通電工程、第1通電工程、第2通電工程、第3通電工程で構成される。本発明に用いる記号について、以下に説明する。
[電流]
第1通電工程での電流値をI1、第2通電工程での電流値をI2、第3通電工程での電流値をI3とし、単位はどれもkAとする。
[通電時間]
予備通電工程の通電時間をtu、第1通電工程の通電時間をt1、第2通電工程の通電時間をt2、第3通電工程の通電時間をt3とし、単位はどれもサイクル数とする。ここでサイクル数とは、入力に係る交流電源波形のサイクル数である。入熱量は入力電流値の積分に比例し、これらは交流電源周波数に依存するからである。例えば、50Hzの交流電源であれば、1サイクル=1/50秒に相当する。溶接電源が直流インバータの場合は、インバータに入力する交流電源の周波数から導かれるサイクル数とする。
[板厚、板隙]
鋼板の平均板厚をTa、鋼板間の間隙の最大値をTg(本明細書において「板隙」と呼ぶ場合がある。)とし、単位はどれもmmとする。前述したように、3枚以上の板を重ね合わせた場合、平均板厚Taは板厚の総和を2で割って求めた値で定義する。
板隙Tgは、スポット溶接をする部分についての鋼板間の間隙であって、スポット溶接を行わない部分の鋼板間の間隙は考慮しない。
[板厚比]
板厚比は、前記複数の鋼板の板厚の合計と、前記複数の鋼板のうち一番板厚が薄い鋼板の板厚との比である。
板厚比=(複数の鋼板の板厚の合計)/(一番板厚が薄い鋼板の板厚)
複数の鋼板に薄い鋼板が配置され、特に一番外側に薄い鋼板が配置された場合、電極による冷却効果のため、電極に近くなるほど温度が低下し、ナゲットが形成しにくい。本発明はそれを解消するものであり、板厚比が4.5以上であれば、その効果は大きい。特に上限は設定しないが、一番外側に最も薄い鋼板を配置し、板厚比が10を超えると、そのスポット溶接性が悪化するので、上限を10にしてもよい。
次に、通電工程について説明する。
[予備通電工程]
予備通電工程は、鋼板間の接触面を徐々に拡大させる、ことを目的とし、徐々に溶接電流の負荷量を増加させる工程である(例えば、アップスロープ状)。急激に電流を負荷すると、局所的に接している部分に集中的に通電することになり、その部分が急速に溶融し散りが発生するため、徐々に電流量が増加するように(例えばアップスロープ状に)通電し、局所加熱を回避する通電方法である。
徐々に溶接電流の負荷量を増加させる方法は、アップスロープ状(図1、図4、図5、図6、図7)に増加させる方法がある。また、この場合電流値は0から増加させてもよいが、ある特定の電流値から開始してもよい。
その他、例えばパルセーション通電も適用できる。パルセーション通電であれば、通電と冷却を交互に行い、通電時間と冷却時間を調整することにより、入熱量を調整することができるからである。
パルセーション通電の電流I0は、第1通電工程の電流I1未満とし、時間t0の間継続する。I0=(0.5〜0.8)・I1が好ましいが、これに限定されない。電流I0を高めに設定し、継続時間t0を短くしてもよいし、また、電流I0を低めに設定し、継続時間t0を長くしてもよい。
例えば、通電時間:1〜10サイクル、休止時間:1〜5サイクルとして、通電と休止繰り返すことにより、アップスロープ通電と同様の効果を得ることができる。なお、通電時間及び休止時間は、所要の効果の発現程度を考慮して、適宜設定すればよい。
通電時間tuは1サイクル以上であればよい。通電時間tuが1サイクル未満ではアップスロープの上記効果が得られないので、1サイクル以上とする。
好ましくは、 tu≧2×Ta×Tgとするとよい。本発明者らは各種試験により、通電時間と、平均板厚および最大板隙との間に相関があることを見出し、前記のような関係を導いた。
[第1通電工程]
第1通電工程は、予備通電により鋼板間に一定の接触面を確保し、かつ接触抵抗が残存する条件下で、散りを抑制しつつ、鋼板間の電気的な接触抵抗による発熱で薄板−厚板間を溶融させるため、高めで一定の電流を通電する工程である。 アップスロープ状等の予備通電で電流が電流I1に到達した後は、継続して、電流I1を時間t1で通電する。電流I1、時間t1の通電で、鋼板間の接触抵抗を利用して、薄板−厚板間の発熱(温度上昇)を促進し、溶融部を拡大する。電流I1は、対象板組の板厚を考慮して設定する。
通電時間t1は、所要の発熱量を確保し、かつ、散りが発生しない範囲の時間とし、少なくとも1サイクル以上あればよい。1サイクル未満であると、入熱が不足し、ナゲットが生成しない場合があるからである。
好ましくは、1≦t1≦7×Taにするとよい。本発明者らは各種試験により、通電時間t1と、平均板厚Taに相関があることを見出し、前記のような関係を導いた。T1が7×Taより大きいと、通電時間t1の間に散りが発生する場合がある。
また、通電電流I1は特に限定しない。しかし、本発明者らはI1と平均板厚Taとの相関があることを見出した。即ち、I1は10√(Ta) +2 以下とすることが好ましい。I1がこの値を超えると、ナゲットが急速に成長し、散りの発生が容易となるからである。I1の下限も特に限定しない。しかし、好ましくは10√(Ta)−4 以上とすることが好ましい。あまりにI1が小さいと、ナゲットの成長が促進されず、十分な大きさのナゲットが得られないからである。
[第2通電工程]
第1通電工程で、ナゲットを生成し、ある程度成長させたところで、溶接電流を減少させ、中散りを抑制しつつ、ナゲットを主に径方向に成長させる工程である。そのため、I2<I1にする必要がある。電流I2は、鋼板の溶融を促進するに足る電流であればよいが、対象板組の板厚を考慮して設定するとよい。この観点で、平均板厚との関連を鋭意求めたところ、好ましくは、I2≦10√(Ta) にするとよいことを見出した。下限は、ナゲットが成長する程度であれば、特に限定はしないが、10√(Ta)−6以上とすることが好ましい。
第2通電工程での通電時間t2は1サイクル以上であればよい。第1通電工程でナゲットが生成し、ある程度のナゲット径が確保できているためである。上限についても、特に限定しないが次の第3通電工程と合せて設定することが好ましい。
[第3通電工程]
第2通電工程で、ナゲット径がある程度の大きさになったところで、第2通電より高い電流にし、径方向だけでなく、板厚方向にもナゲットを成長させる工程である。そのため、第3通電工程では、電流I2より高い電流I3(>I2)を、時間t3の間通電する。電流I3、時間t3の通電で、鋼板の溶融をさらに促進し、即ち、ナゲットの拡大(横方向と板厚方向の両方に拡大)を図る。第2通電工程の終了までに鋼板間の接触と溶融が進行していて、つまり、通電面積が十分に増大(電流密度は低下)しているので、散りが発生する電流I3のレベルは上昇している。したがって、I3はI2より大きくすることが可能である。
さらに、本発明者らは、I3について検討した。即ち、電流I3は、散りを発生させずに、ナゲット形状を所望の形状まで拡大し得る範囲で設定すればよい。電流I3は、総板厚の影響を受けるため、平均板厚を考慮して設定すればよいことを見出した。その結果、好ましくはI3>10√(Ta)とすればよいことが分かった。I3の上限は特に限定する必要はない。スポット溶接において散りが発生しないように設定すればよい。
通電時間t2と通電時間t3の和(t2+t3)は、鋼板間の接触やナゲットの拡大を図る点で重要な指標である。
通常、2枚組のスポット溶接においては、10×Ta(サイクル)あるいは10×Ta+2(サイクル)程度で、昇温が飽和傾向を示すことが知られている。本発明者らは、この観点から平均板厚と通電時間の関係を鋭意求めた。その結果、t2とt3の合計通電時間を5Ta以上、15Ta以下とするとよいことを見出した。t2とt3の合計通電時間が5Taより短いと、ナゲットが十分成長しないため、適正なスポット溶接が得られない。一方、t2とt3の合計通電時間が15Taより長いと、温度分布はほぼ定常となってナゲット径は飽和し、生産性を低下させてしまう。
一方、第2通電工程を長くしてもよいが、溶接電流が比較的小さい分、ナゲットの成長速度が鈍化する。そのため、適正なスポット溶接を得るための溶接時間が長くなる可能性がある。そのため、t3はt2より長くしてもよい。
第3通電工程では、ナゲットを成長させることが目的であり、特に板厚方向に成長させることが重要である。そのため、急激に加熱するのではなく、予備加熱と同様に徐々に入熱量を増加させることにより、散り発生を抑制することができる。徐々に入熱量を増加する方法は特に限定しないが、アップスロープ状に溶接電流を増加させることが好ましい。例えば、第3通電電流I3を通電時間の関数にするとよい。例えば、通電時間の一次関数にすることにより、単調増加するアップスロープ状の通電パターンが得られる(図6、図7)。
第3通電工程をアップスロープ状にすることにより、ナゲット成長を徐々に行うことができるため、第2通電工程を兼ねることもできる。即ち、この場合、第2通電工程を短時間にすることができる。例えば、t2=1(サイクル)にしてもよい。
さらに、ナゲットを板厚方向に成長させるに当たり、電極による冷却効果を軽減するとよいことを、発明者らは見出した。即ち、電極自体が水冷されているため、板厚方向の温度は、電極に接触している部分が一番低くなる。そのため、ナゲットが板厚方向へ成長しにくいのである。
そこで、第3通電工程においてナゲットを板厚方向に成長させるに際し、電極による加圧力を減少させ、電極と鋼板の接触領域を減少して電流密度を上昇させると同時に、電極の冷却効果を弱めることにより、より効果的に板厚方向にもナゲットが成長することを見出した(図5、図7)。加圧力の減少に伴い、加圧力の下限値は特に限定しない。しかし、加圧力をあまり減少しすぎると、散りが発生するため、加圧力は減少前の半分(1/2)以上にすることが好ましい。即ち、加圧力を減少する前、つまり第1通電工程、第2通電工程での加圧力をP1、減少させた後の加圧力をP2とすると、1/2P1≦P2<P1とするとよい。さらに好ましくは2/3P1≦P2<P1にするとよい。
減少後の加圧力P2の上限はP1より小さければよいが、その効果を確実に得るためには0.9P1を上限にするとよい。
加圧力を減少させるタイミングは第3通電中であれば、特に限定しない。しかし、ナゲットの板厚方向への成長段階である第3通電に入ったあと、できるだけ早いタイミングで加圧力を減少させることが好ましい。例えば、第3通電に入ったあと3サイクル以内に加圧力を減少させるとよく、1サイクル以内であるとさらに好ましい。
図4〜7は、通電パターンと加圧力のパターンを組み合わせた場合を示す。図4と図5は、第3通電工程が一定電流通電の場合であり、図6と図7は、第3通電パターンがアップスロープ状の場合である。また図4と図6は加圧力が一定の場合、図5と図7は第3通電工程で加圧力を減少させた場合である。
[冷却工程]
第1通電工程と第2通電工程の間、および第2通電工程と第3通電工程の間のどちらか一方もしくは両方に、溶接電流を流さない冷却工程を設けてもよい(図8、図9)。
冷却工程を設けることにより、ナゲットの成長が緩和され、散りの発生を抑制し、ナゲット形成が安定する。
冷却工程を設けると、第1通電、第2通電、及び、第3通電を連続して行うスポット溶接に比べ、溶接完了時間が、冷却時間の分、長くなり、生産性が低下するように見えるが、冷却工程を設けることにより、第2通電工程及び/又は第3通電工程において、電流I2及び/又は電流I3を高めに設定し、通電時間t2及び/又は通電時間t3を短縮できるので、生産性は低下しない。
図8には、図1に示す通電パターンに冷却工程を追加した例を示す。図9は、図8の予備通電工程がパルセーション通電である場合の一例を示す。
図2に、3枚の鋼板(外側に薄鋼板)を重ねた板組を、本発明溶接方法で形成した溶接継手の態様を模式的に示す。
3枚の鋼板を重ねた板組において、外側の鋼板の板厚が一番薄い場合、この薄鋼板と隣接鋼板の接触界面での接合が十分になされない場合があるが、本発明溶接方法においては、外側の鋼板の板厚が一番薄い場合でも、外側の薄鋼板と隣接鋼板の接触界面を強固に接合することができる。
本発明によれば、鋼板間に板隙があっても、薄板―厚板間に確実にナゲットが形成される。ナゲットの大きさは、スポット溶接後、スポット溶接の中心を通る線で、板組を切断し、切断面を研磨し、エッチング後、光学顕微鏡で観察できる。
本発明溶接方法によれば、図2に示すように、ナゲット4が、薄い鋼板と比較的厚い2枚の鋼板にわたって形成される。図3に、本発明溶接方法で形成した溶接継手を光学顕微鏡で観察した断面組織を示す。3枚の鋼板を貫通してナゲットが形成され、全鋼板間の界面が十分に溶融されていることが確認できる。特に一番薄い鋼板が、外側にあるが、その鋼板を含めてナゲットが形成されていることが分かる。
次に、本発明の実施例について説明するが、実施例での条件は、本発明の実施可能性及び効果を確認するために採用した一条件例であり、本発明は、この一条件例に限定されるものではない。本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得るものである。
[実施例1]
表1に示す2種類の板組を用いて、スポット溶接を実施した。鋼板は、すべて、合金化溶融亜鉛めっき鋼板であり、片面当たりのめっき付着量は45g/mである。スポット溶接条件を表2に示す。溶接電源は単相交流を用いた。
電極には、呼び径が16mm、先端の直径が6mm、先端のRが40mmであるCr−Cu製DR形のものを用いた。3段通電の後の電極保持時間は、すべて、5サイクルとした。溶接後、スポット溶接の中心を通る線に沿って、板組を切断した。切断面を研磨し、エッチング後、光学顕微鏡で、ナゲットの大きさを測定した。測定結果を、散りの発生の有無とともに表3に示す。(鋼板1−2間のナゲット径)≧4×√(鋼板1の板厚)となったナゲットを合格と判断した。
[実施例2]
実施例1と同条件で、図5の通電パターンおよび加圧力パターンでスポット溶接を実施した。スポット溶接条件と評価結果を表4に示す。溶接電源は単相交流を用いた。
その結果、散り発生もなく、良好なナゲットが形成された。なお、各鋼板間のナゲット径≧4×√(鋼板1(一番薄い鋼板)の板厚)となったナゲットを合格と判断した。以下、実施例3、4、5も同じ判断をした。
[実施例3]
実施例1と同条件で、図6の通電パターンおよび加圧力パターンでスポット溶接を実施した。スポット溶接条件と評価結果を表5に示す。溶接電源は単相交流を用いた。
その結果、散り発生もなく、良好なナゲットが形成された。
[実施例4]
実施例1と同条件で、図7の通電パターンおよび加圧力パターンでスポット溶接を実施した。スポット溶接条件と評価結果を表6に示す。溶接電源は単相交流を用いた。
その結果、散り発生もなく、良好なナゲットが形成された。
[実施例5]
表7に示す2種類の板組を用いて、実施例1と同条件で、冷却工程を設けたにスポット溶接を実施した。表中の「クール」が冷却工程を示す。鋼板は、すべて、合金化溶融亜鉛めっき鋼板であり、片面当たりのめっき付着量は45g/mである。
スポット溶接条件を表8に、評価結果を表9示す。溶接電源は単相交流を用いた。
その結果、散り発生もなく、良好なナゲットが形成された。
前述したように、本発明によれば、高張力厚鋼板を含む板厚比の高い3枚板組において、板組に板隙があっても、散りの発生を抑制するとともに、所要のナゲット径を確保して、所要形状のナゲットを安定的に形成し、所望の継手強度を確保することができる。よって、本発明は、溶接構造物製造産業において利用可能性が高いものである。
1 薄鋼板
2、3 鋼板
4 ナゲット

Claims (14)

  1. 複数の鋼板を重ねて接合するスポット溶接方法であって、
    徐々に電流を負荷する予備通電工程と、
    電流値I1で一定通電を行う第一通電工程と、
    その後、電流値I2で通電を行う第2通電工程と、
    さらにその後、電流値I3で通電を行う第3通電工程を有し、
    I1>I2、およびI2<I3の関係であり、
    前記第3通電工程中に、スポット溶接電極による加圧力を減少させることを特徴とするスポット溶接方法。
    ただし、I1,I2、I3の単位はkAとする。
  2. 前記複数の鋼板の板厚の合計と、前記複数の鋼板のうち一番板厚が薄い鋼板の板厚との比である板厚比が4.5以上であることを特徴とする請求項1に記載のスポット溶接方法。
  3. 前記複数の鋼板において、一番板厚の薄い鋼板が一番外側になるように重ね合わせたことを特徴とする請求項1または2に記載のスポット溶接方法。
  4. 前記予備通電工程が、アップスロープ状に溶接電流を増加させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のスポット溶接方法。
  5. 前記予備通電工程が、パルセーション通電であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のスポット溶接方法。
  6. 前記予備通電工程のアップスロープ通電の通電時間が1〜30サイクルであることを特徴とする請求項4に記載のスポット溶接方法。
  7. 前記予備通電工程のパルセーション通電の通電時間が1〜10サイクル、休止時間が1〜5サイクルであることを特徴とする請求項5に記載のスポット溶接方法。
  8. 前記予備通電工程の通電時間をtu、前記第1通電工程の通電時間をt1とし、鋼板の板厚の総和を2で割って求めた値である平均板厚をTa、鋼板間の間隙である板隙の最大値をTgとしたとき、
    tu≧2TaTg、
    1≦t1≦7Ta
    I1≦10√(Ta) +2
    の関係を満たすことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のスポット溶接方法。
    ただし、tuおよびt1の単位は、印加する交流電流のサイクル数とし、
    TaおよびTgの単位はmmとする。
  9. 前記第2通電の通電時間をt2としたとき
    1≦t2
    I2≦10√(Ta)
    の関係を満たすことを特徴とする請求項8に記載のスポット溶接方法。
    ただし、t2の単位は、印加する交流電流のサイクル数とする。
  10. 前記第3通電の通電時間をt3としたとき
    5Ta≦t2+t3≦15Ta
    10√(Ta)<I3
    の関係を満たすことを特徴とする請求項9に記載のスポット溶接方法。
    ただし、t3の単位は、印加する交流電流のサイクル数とする。
  11. 前記第3通電工程において溶接電流をアップスロープ状に増加させることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のスポット溶接方法。
  12. 前記減少させた後の加圧力をP2、減少させる前の加圧力をP1としたとき、
    0.5×P1≦P2<P1であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項記載のスポット溶接方法。
  13. 前記第1通電工程と前記第2通電工程の間、および前記第2通電工程と前記第3通電工程の間の少なくともどちらか一方に、溶接電流を流さない冷却工程を有することを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載のスポット溶接方法。
  14. 前記冷却工程の冷却時間が10サイクル以下であることを特徴とする前記請求項13に記載のスポット溶接方法。
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