JP6226083B2 - 抵抗スポット溶接方法 - Google Patents

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Description

本発明は、重ね抵抗溶接法の一種である抵抗スポット溶接方法に関し、特に、散りなどの発生なしに径の大きいナゲット(溶融部)の形成を図ろうとする技術に関する。
近年、車体の信頼性向上と、大気汚染物質の削減を目的とした車体重量の軽減とを併せて達成するために、鋼板の高強度化が進められている。高強度鋼板の採用により、従来鋼に比べ薄肉化、軽量化をしても同程度の車体剛性が得られる。しかしいくつかの課題も指摘されている。その一つが、車体組立における溶接部の品質が、高強度化するにつれて低下するというものである。
抵抗スポット溶接は、図1に示すように、重ね合わせた2枚以上の鋼板(ここでは、下の鋼板1と上の鋼板2の2枚組)の板組3を、上下一対の電極(下の電極4と上の電極5)で挟持し、加圧しながら通電することによって挟持部分を溶融させ、必要サイズのナゲット(溶融部)6を形成して、溶接継手を得るものである。
このようにして得られた溶接継手の品質は、ナゲット径の大きさ、あるいはせん断引張強度(継手のせん断方向に引張試験をしたときの強度)や十字引張強度(継手の剥離方向に引張試験をしたときの強度)、疲労強度の大きさなどで評価されている。特に、鋼板の強度と延性を確保する上で、鋼板中のC量は増加する傾向にあるが、Cの含有成分量が多い高強度鋼板では十字引張強度が低下することが知られている。
高強度鋼板を含む板組を溶接して得られた溶接継手の十字引張強度を確保する手段としては、従来よりも径の大きいナゲットを形成することが考えられる。従来では、板厚をtとしたときに、ナゲット径は5√tで十分と考えられていたが、車体組立時の安定性を考えると、より大きいナゲット径が必要とされているといえる。特に、車体組立時には、連続した数百点の打点で溶接を行うが、その中で電極先端が損耗し、得られるナゲット径が次第に縮小するという現象が知られている。この問題は、より大きいナゲット径を設定することで解決することができる。
さらに、高強度鋼板を含む板組を溶接して得られた溶接継手のナゲットは、所定のナゲット径を確保したとしても、剥離方向荷重に対して脆性的に破断し、十字引張強度が低くなるという課題も指摘されている。これは、高強度鋼板のナゲットは、焼入されることで硬質化し、靱性が低下するためである。
このような課題に対し、従来より、様々な抵抗スポット溶接方法が提案されている。
特許文献1には、溶接を3ステップにわけ、ナゲット生成を行う第1ステップにおいて、漸変的に電流値を増加させることにより、急激な発熱による散りの発生を抑制する方法が開示されている。
特許文献2および3には、ナゲットを形成する第1工程と、第1工程よりも溶接電流を下降させる第2工程と、ナゲットを拡大させる第3工程からなる通電工程を有し、第1工程および第2工程の電流値を、第3工程の電流値に対して低くすることで、第3工程の通電時の散りを抑制し、第3工程では、電流をパルセーションとすることで、散りの発生を抑制しながらナゲットをさらに拡大する方法が開示されている。
特許文献4の溶接方法は、2段または3段の通電方式であり、ナゲットを形成する本通電である第2通電工程に対して、前通電である第1通電工程を低電流とすることで散りの抑制を、後通電である第3通電工程を低電流とすることで十字引張強度の向上を達成できるとしている。
特開2003−236674号公報 特開2010−207909号公報 特開2010−247215項公報 特許第5418726号公報
しかしながら、特許文献1から4に記載された抵抗スポット溶接方法では、径の大きいナゲットを安定的に形成させて十分な十字引張強度を確保することができず、特に、連続して数百点の打点で溶接を行う場合に、このような問題が顕著となる。
本発明は、このような問題点に対してなされたものであり、連続して数百点の打点で溶接を行う場合であっても、径の大きなナゲットを安定的に形成し、十分な十字引張強度を確保できる抵抗スポット溶接方法を提供することを目的とする。
発明者らは、上記の課題を解決するために、高強度鋼板を含む板組の抵抗スポット溶接継手について検討を重ねた。発明者らは、溶接継手を構成する高強度鋼板の硬さ分布と、散りの発生との関係に着目した。
すなわち図2に示す、電極側表面付近Aの硬さ分布と、板組中央付近Bの硬さ分布を調査し、散りの発生との関係を検討した。なお、Aは、鋼板2の電極側表面から0.2mm以内の領域を示し、Bは、鋼板2における板組3の中央から0.2mm以内の領域を示している。
この結果、溶接継手を構成する高強度鋼板の電極側表面付近Aの硬さ分布と板組中央付近Bの硬さ分布の関係と、散りの発生電流値との間に相関があることを見いだした。
電極側表面付近Aと、板組中央付近Bの硬さ分布を比較した場合に、溶接の熱影響を受けた領域(熱影響部)と、前記熱影響部のうち溶接の熱影響により母材よりも軟化した領域(以下、軟化部)に着目すると、板組中央付近Bに比べて電極側表面付近Aの熱影響部径(熱影響部の板面方向の幅)が広ければ、散りの発生がなく大きなナゲット径が確保できる事が分かった。
電極側表面付近Aの熱影響部径を板組中央付近Bの熱影響部径より広く形成すると、以下のような作用効果が得られると考えられる。
ナゲットを形成する前に、板組中央付近Bに比べて電極側表面付近Aに対する熱影響を広く与える、すなわち板組中央付近Bに比べて電極側表面付近Aを広範に加熱することができれば、電極と接触する鋼板表面が十分に軟化する。このことにより、電極4と鋼板1、および電極5と鋼板2とが十分に接触し、鋼板1、2間に加圧力が広く伝わって、結果としてナゲット6の形成時に、散りの発生が抑制されると考えられる。
さらに、電極と接触する鋼板表面が十分に軟化し、電極と鋼板の接触範囲が広がることにより、電極開放時の電極(銅電極)および鋼板表面のめっき層の接触部における温度も低温側に変化する。電極と鋼板の接触範囲が狭い場合は、溶接完了後の冷却が十分でなく、前記めっき層と銅電極が化学的に反応することで、電極開放時に銅電極の摩耗の原因となるが、電極と接触する鋼板表面を十分に軟化し、電極と鋼板の接触範囲を広げることでこの反応が抑制され、良好な電極状態を保つことが出来るものと考えられる。このことにより、連続打点試験においても良好な電極状態を保つことが出来るものと推察される。
上記は溶接中の変化であるが、形成された継手の破断強度に関しても、発明者らは上記軟化部の影響を見いだした。すなわち、軟化部を拡大し、軟化部の板面方向の幅(以下、軟化幅)を増大させることで十字引張試験における破断を抑制できる。十字引張試験のような継手の剥離方向が荷重方向の場合、軟化部が降伏することにより、ナゲット端部に負荷される開口応力が軽減する。このことにより、軟化幅を拡大することにより、ナゲットでの破断を抑制し、結果的に十字引張強さを向上させることが出来る。この軟化幅の拡大は、ナゲット形成後に後通電を適切に行うことにより得られることを見いだした。
また、ナゲット形成後の後通電時に、高温加熱することにより、ナゲット端部のP偏析を拡散させて低減させることで、十字引張強度を向上させることができる。
このように散りの発生を抑制しつつ安定的にナゲットを形成することで、連続した数百点の打点で溶接するような場合であっても、十分なナゲット径を確保できることを見いだした。
すでに述べたように、電極側表面付近Aを板組中央付近Bより広く軟化させ、散りの発生を抑制して安定的にナゲットを形成することで、連続した数百点の打点で溶接するような場合であっても、十分なナゲット径を確保できる。
そのためにはナゲット形成前の予備通電を高電流化することにより、電極近傍を高電流密度化する。その結果として、電極近傍において所定の発熱量が得られ、ナゲット形成前に電極側表面付近Aを十分に軟化できる。さらに軟化部を拡大するためには、適切な無通電(冷却)時間を各通電の間に設定する必要がある。これは、無通電(冷却)時間の間に、伝熱により周囲の温度が昇温することで、電極から離れた部分が軟化され、軟化部が拡大するためである。
また、ナゲット形成後に、ナゲット6を形成する電流値よりも高い電流値で後通電することで、同様に、電極近傍が高電流密度化し、その結果として、電極近傍において所定の発熱量が得られ、ナゲット形成後にも、電極側表面付近Aを軟化させることができる。なお、前記後通電によりナゲット形成後に軟化部を拡大させる際に、ナゲット6を高温に加熱できて、ナゲット端部のP偏析を緩和させることもできる。また、本通電と、ナゲット形成後の後通電との間に、適切な無通電(冷却)を挟むことにより、電極近傍を低温に保ち、硬化させないようにすることもできる。
本発明は、このような検討の結果得られたものであり、その要旨構成は次とおりである。
[1] 鋼板を重ねた板組を抵抗スポット溶接する方法であって、
本通電と、本通電より前の予備通電と、本通電の後の後通電とを行い、前記各通電の間には通電を休止する無通電時間が設けられ、
本通電の電流値をIm[kA]、通電時間をTm[ms]とし、
予備通電の電流値をIp[kA]、通電時間をTp[ms]、
予備通電と本通電の間の無通電時間をTcp[ms]、
後通電の電流値をIr[kA]、通電時間をTr[ms]、
本通電と後通電の間の無通電時間をTcr[ms]としたとき、
以下の式(1)〜(6)を満たす抵抗スポット溶接方法。
1.05 × Im ≦ Ip ≦ 2.0 × Im (1)
1.05 × Im ≦ Ir ≦ 2.0 × Im (2)
40ms ≦ Tp ≦ 100ms (3)
40ms ≦ Tr ≦ 100ms (4)
10ms ≦ Tcp ≦ 60ms (5)
80ms ≦ Tcr ≦ 300ms (6)
[2] さらに以下の式(7)および式(8)を満たす[1]に記載の抵抗スポット溶接方法。
160ms ≦ Tm ≦ 500ms (7)
0.25 ≦ Rpm ≦ 0.95 (8)
ただし、Rpm = (Ip / Im) 2 × (Tp / Tm)
[3] 予備通電を2回以上行い、
各予備通電の間には通電を休止する無通電時間が設けられ、
2回目以降の予備通電を、前の回の予備通電の電流値以下の電流値で行う[1]または[2]に記載の抵抗スポット溶接方法。
[4] さらに以下の式(9)を満たす[1]乃至[3]のいずれかに記載の抵抗スポット溶接方法。
0.10 ≦ Rmr≦ 1.50 (9)
ただし、Rmr = (Ir / Im)2 × (Tr / Tm)
[5] 後通電を2回以上行い、
各後通電の間には通電を休止する無通電時間が設けられる[1]乃至[4]のいずれかに記載の抵抗スポット溶接方法。
[6] 板組のうち少なくとも1枚の鋼板は、引張強度780MPa以上を有する高強度鋼板である[1]乃至[5]のいずれかに記載の抵抗スポット溶接方法。
本発明によれば、散りの発生を抑制しつつ径の大きなナゲットを安定的に形成し、十分な十字引張強度を確保できる抵抗スポット溶接方法を提供することができる。
抵抗スポット溶接の概要を示す図である。 本発明に係る抵抗スポット溶接方法を説明するための図である。 本発明に係る抵抗スポット溶接方法の通電時間と電流値との関係を示す図である。
本発明の抵抗スポット溶接方法は、図1に示したように、複数枚の鋼板(下の鋼板1、上の鋼板2)を重ね合わせた板組3を、上下一対の電極4、5で挟み、加圧しながら通電して、必要サイズのナゲット6を形成して溶接継手を得るものである。
かかるスポット溶接方法は、上下一対の電極4、5を備え、一対の電極4、5で溶接する部分を挟んで、加圧しながら通電でき、また溶接中に加圧力および溶接電流をそれぞれ任意に制御可能な加圧力制御機能および溶接電流制御機能を有する溶接装置を用いて実施することができる。溶接装置の加圧機構(エアシリンダやサーボモータ等)や、電流制御機構(交流や直流等)、形式(定置式、ロボットガン等)等はとくに限定されない。
本発明の抵抗スポット溶接方法では、ナゲット6を所定の径に成長させる本通電と、本通電より前に予備通電と、本通電の後に後通電をそれぞれ行う。
本発明に係る抵抗スポット溶接方法では、適切に電流値と通電時間が制御された予備通電を行うことで、ナゲット形成前に、図2に示す電極側表面付近Aを十分に軟化させる。そして、予備通電の後に、通電を休止することで、無通電時に伝熱により周囲の温度を昇温させて、電極から離れた部分を軟化し、ナゲット形成前に、電極側表面付近Aの軟化部を拡大する。
これにより、ナゲット6を形成する本通電時において、電極側表面付近Aが十分に軟化され、電極4と鋼板1および電極5と鋼板2とを十分に接触させることができる。
図3(a)は、本発明に係る抵抗スポット溶接方法の一例の通電時間と電流値との関係を示す図である。
本通電の電流値をIm[kA]、通電時間をTm[ms]、予備通電の電流値をIp[kA]、通電時間をTp[ms]、予備通電と本通電の間の無通電時間をTcp[ms]、後通電の電流値をIr[kA]、通電時間をTr[ms]、本通電と後通電の間の無通電時間をTcr[ms]としたとき、本発明の抵抗スポット溶接方法は、以下の式(1)〜(6)を満たす。
1.05 × Im ≦ Ip ≦ 2.0 × Im (1)
1.05 × Im ≦ Ir ≦ 2.0 × Im (2)
予備通電の電流値Ipが1.05 × Im未満であると、電極側表面付近Aが十分に軟化されない。また、後通電の電流値Irが1.05 × Im未満であると、電極側表面付近Aが十分に軟化されず、また、ナゲット端部のPの偏析を緩和するという後通電の効果を十分に得ることができない。予備通電の電流値Ipおよび後通電の電流値Irが2.0 × Imより大きくなると、溶融により散りが発生する。Ip、Irは、それぞれ、1.80 × Im以下が好ましく、1.60 × Im以下がより好ましい。
40ms ≦ Tp ≦ 100ms (3)
40ms ≦ Tr ≦ 100ms (4)
同様に、予備通電の通電時間Tpが40ms未満であると、電極側表面付近Aが十分に軟化されない。また、後通電の通電時間Trが40ms未満であると、電極側表面付近Aが十分に軟化されず、また、ナゲット端部のPの偏析を緩和するという後通電の効果を十分に得ることができない。予備通電の通電時間Tpおよび後通電の通電時間Trが100msより大きくなると、溶融しすぎて散りが発生する。
10ms ≦ Tcp ≦ 60ms (5)
無通電時間Tcpが10ms未満では、次の通電により発熱が過大となるため、無通電時の伝熱による軟化の効果を十分に得ることができない。無通電時間Tcpが60msより大きくなると、冷却が進んでしまい、本通電で再加熱するのに時間がかかる。
80ms ≦ Tcr ≦ 300ms (6)
無通電時間Tcrが80ms未満では、後通電において高温となり過ぎて再溶融し、散りが発生してしまう。無通電時間Tcrが300msより大きくなると、後通電で再加熱するのに時間がかかる。
さらに、本通電の通電時間Tmは、式(7)を満たすことが好ましい。
160ms ≦ Tm ≦ 500ms (7)
通電時間Tmが160ms以上であると、ナゲットの形成が安定し、必要なナゲット径をより得られやすくなる。Tmは、200ms以上がより好ましい。通電時間Tmが500msより大きくなると、溶接時間が長くなり、生産性が悪くなるおそれがある。
さらに、式(8)を満たすことが好ましい。
0.25 ≦ Rpm ≦ 0.95 (8)
ただし、Rpm = (Ip / Im) 2 × (Tp / Tm) とする。
Rpmは、本通電の入力エネルギーに対する予備通電の入力エネルギーの比率を意味する。Rpmが0.25以上であると、発熱が十分に得られ軟化の効果がさらに高められる。Rpmが0.95以下であると、急峻な発熱に起因する散りの発生をより抑制しやすくなる。Rpmは、0.85以下がより好ましく、0.75以下がさらに好ましい。
また、必要に応じ、図3(b)に示すように、予備通電を2回以上行い、各予備通電の間に無通電(冷却)を設け、2回目以降の予備通電を、前の回の予備通電の電流値以下の電流値で行う。これにより、本通電によるナゲット形成前に電極側表面付近Aを軟化する効果がさらに高められる。前記各予備通電の間の無通電の時間は、予備通電と本通電の間の無通電時間(Tcp)と同様、すなわち、10ms以上60ms以下であることが好ましい。
後通電に関して、式(9)を満たすことが好ましい。
0.10 ≦ Rmr≦ 1.50 (9)
ただし、Rmr = (Ir / Im)2 × (Tr / Tm) とする。
Rmrは、本通電の入力エネルギーに対する後通電の入力エネルギーの比を意味する。Rmrが0.10以上であると、発熱が過少となり過ぎず偏析緩和の効果がさらに高められる。Rmrが1.50以下であると、急峻な発熱による再溶融をより抑制しやすくなる。Rmrは、0.15以上がより好ましく、0.20以上がさらに好ましい。また、Rmrは、1.25以下がより好ましく、1.00以下がさらに好ましい。
また、本通電後の後通電を2回以上行い、各後通電の間に無通電(冷却)を設けることで、電極側表面付近Aを軟化する効果がさらに高められ、ナゲット端部のPの偏析を緩和する効果がさらに高められる。前記各後通電の間の無通電の時間は、本通電と後通電の間の無通電時間(Tcr)と同様、すなわち、80ms以上300ms以下であることが好ましい。
このように、本発明では、予備通電の通電時間Tpおよび電流値Ipを適切に制御することで、ナゲット形成前に電極側表面付近Aを十分に軟化させ、本通電において、十分な加圧力を確保し、通電経路を広げ、散りの発生を抑制しつつ、安定的に大きなナゲット径を得ることができる。さらに、予備通電の後の無通電時間を適切に制御することで、ナゲット形成前に、電極側表面付近Aの軟化部を拡大させることができる。
特に、車体組立時には、連続して数十点〜数百点を溶接するが、その中で電極先端が損耗し、得られるナゲット径が次第に縮小する。これに対し、本発明を適用することで、連続して数百点の打点で溶接を行うような場合においても、安定して大きなナゲット径を得ることができる。
本発明は、少なくとも1枚の高強度鋼板を含む板組3の溶接に適用することが好ましい。高強度鋼板は、通常の鋼板に比べると、板隙に起因した散りが発生しやすい。従って、本発明をこのような板組の溶接に適用することで本発明の効果をより享受することができる。具体的には、板組のうち少なくとも1枚の鋼板が、引張強度780MPa以上を有する高強度鋼板である場合に、本発明を適用することが好ましい。
本発明の実施例として、前述の図1に示したように、2枚の鋼板(下の鋼板1、上の鋼板2)を重ねた板組3について、抵抗スポット溶接を行い、抵抗スポット溶接継手を作製した。抵抗スポット溶接に用いた装置は、サーボモータにより電極を加圧するCガンタイプの溶接装置である。なお、電源は、直流電源である。
この時の通電は表1に示す条件で行った。
また、電極4、5としては、先端の曲率半径R40、先端径8mmのアルミナ分散銅のDR型電極を用いた。
表1に、溶接を行った際のナゲット径(表中、「径」と表記)について調べた結果を示す。なお、ナゲット径は切断断面(JIS Z 3139の記載に準拠し、板の表面に垂直で、かつ、溶接点のほぼ中心を通るように切断した断面)のエッチング組織で評価した。ナゲット径はtを板厚として5.5√t以上を○、5.5√t未満を×とした。さらに、JIS Z 3137に準拠し、十字引張強度(CTS)を評価した。なお、同じ鋼板を20mmピッチで300打点の溶接を行った後に、同様にナゲット径を評価し、その変化を評価した。
Figure 0006226083
表1に示したとおり、本発明に従い抵抗スポット溶接を行った場合は、比較例に比べると、連続打点を行った後であっても、散りの発生がなく5.5√t以上の大きいナゲット径が形成され、十字引張強度も他の条件に比べて高いことが分かる。
1 下の鋼板
2 上の鋼板
3 板組
4 下の電極
5 上の電極
6 ナゲット

Claims (6)

  1. 鋼板を重ねた板組を抵抗スポット溶接する方法であって、
    本通電と、本通電より前の予備通電と、本通電の後の後通電とを行い、前記各通電の間には通電を休止する無通電時間が設けられ、
    本通電の電流値をIm[kA]、通電時間をTm[ms]とし、
    予備通電の電流値をIp[kA]、通電時間をTp[ms]、
    予備通電と本通電の間の無通電時間をTcp[ms]、
    後通電の電流値をIr[kA]、通電時間をTr[ms]、
    本通電と後通電の間の無通電時間をTcr[ms]としたとき、
    以下の式(1)〜(6)を満たす抵抗スポット溶接方法。
    1.05 × Im ≦ Ip ≦ 2.0 × Im (1)
    1.05 × Im ≦ Ir ≦ 2.0 × Im (2)
    40ms ≦ Tp ≦ 100ms (3)
    40ms ≦ Tr ≦ 100ms (4)
    10ms ≦ Tcp ≦ 60ms (5)
    80ms ≦ Tcr ≦ 300ms (6)
  2. さらに以下の式(7)および式(8)を満たす請求項1に記載の抵抗スポット溶接方法。
    160ms ≦ Tm ≦ 500ms (7)
    0.25 ≦ Rpm ≦ 0.95 (8)
    ただし、Rpm = (Ip / Im) 2 × (Tp / Tm)
  3. 予備通電を2回以上行い、
    各予備通電の間には通電を休止する無通電時間が設けられ、
    2回目以降の予備通電を、前の回の予備通電の電流値以下の電流値で行う請求項1または2に記載の抵抗スポット溶接方法。
  4. さらに以下の式(9)を満たす請求項1乃至3のいずれかに記載の抵抗スポット溶接方法。
    0.10 ≦ Rmr≦ 1.50 (9)
    ただし、Rmr = (Ir / Im)2 × (Tr / Tm)
  5. 後通電を2回以上行い、
    各後通電の間には通電を休止する無通電時間が設けられる請求項1乃至4のいずれかに記載の抵抗スポット溶接方法。
  6. 板組のうち少なくとも1枚の鋼板は、引張強度780MPa以上を有する高強度鋼板である請求項1乃至5のいずれかに記載の抵抗スポット溶接方法。
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