JP6160190B2 - 異種金属材の抵抗スポット溶接方法 - Google Patents
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いてこれらの接合強度を確保することができる。また、密着した個所を中心にナゲットを
円滑に生成・拡大させることができるため、接合具合にバラツキが少なくなり生産性も向
上する。
態について説明する。
おいて、電気抵抗が異なる異種金属材のうち、電気抵抗の低い方の材料でできた低抵抗の
板材1と、電気抵抗の高い方の材料でできた高抵抗の板材2とを溶接する場合について説
明する。
電極a,bにより挟持する。このとき、電極a,bを互いに近づく方向に押圧し、電極a
,bを介して板材1,2を互いに近づく方向に加圧する。そして、板材1,2への加圧を
維持した状態で、電極a,bに電流を供給する。電極a,bへの電流の供給に伴い、板材
1,2は加熱される。加熱されることで、板材1は溶融して板材2にはりつき、これら各
板材1,2間にナゲット3が形成されて、板材1,2が接合される。
および比較例1、では、低抵抗の板材1として、板厚0.9mmの板状のJIS6000
系(Al−Mg−Si系合金)材を用い、板材2として、板厚0.8mmの亜鉛メッキが
施された板状の鋼材(GA)を用いた。また、実施例4,5と比較例2には、板材1とし
て、板厚0.9mmの板状のJIS6000系(Al−Mg−Si系合金)材を用い、板
材2として、合金化溶融亜鉛めっき鋼板板厚0.8mmの板状の鋼材(GA)と、板厚1
.4mmの板状の非めっきの鋼板を用いた。
テップの通電時間、通電電流量と通電停止時間を制御する。
を必要とし装置負荷が高くなる上、チリが発生しやすくなる。そこで、この実施形態では
、前記電極a,bとして、先端面が平面を呈し各材と面接触するものを用いる。例えば、
その先端面が直径5〜6mm(電極の直径は13〜16mm)のものを用いる。溶接加圧
力は、500kgf(4.90kN)とした。
いるが、電源の種類はこれに限らない。例えば、単相交流式電源を用い、1/2サイクル
の交流波の一部を通電停止状態とさせてもよい。
I1の電流を通電するS1は上記ステップAに該当し、t2の通電停止時間とI2の電流
をt1の時間通電するS2は上記ステップBに該当し、t2の通電停止時間とI3の電流
をt1の時間通電するS3はステップCに該当する。本実施例1では、通電時間t1と通
電停止時間t2を一定とし通電電流量I1〜I4を制御した。S2に示す通電がS1の通
電量よりも少なく通電させるように、電極に電流を供給した。つまり、各ステップS1〜
S4に供給した通電電流量I1〜I4は、I4>I3>I1>I2である。
にI11の電流を通電するS11とt1
1の通電時間内にI12の電流を通電するS12は、それぞれ上記ステップAに該当し、
t12の通電停止時間とI13の電流をt11の時間通電するS13は上記ステップBに
該当し、t12の通電停止時間とI14の電流をt1の時間通電するS14はステップC
に該当する。本実施例2では、通電時間t11、通電停止時間t12を一定とし、S11
〜S14の通電電流量I11〜I14を制御した。実施例2は、S13の通電がS12の
通電量よりも少なく通電させるように、電極に電流を供給したほかは、実施例1と同様で
ある。つまり、各ステップS11〜S14に供給した通電電流量I11〜I14は、I1
4>I12>I11>I13である。
接合したことと、板材に合わせて通電電流量の絶対値を制御した以外は、実施例1と同様
である。
接合したことと、板材に合わせて通電電流量の絶対値を制御した以外は、実施例2と同様
である。
1の時間通電するS21は上記ステップAに該当し、t20の通電停止時間とI21の電
流をt22の時間通電するS22は上記ステップBに該当し、t20の通電停止時間とI
21の電流をt23の時間通電するS23はステップCに該当する。本実施例では、通電
停止時間t22と通電電流量I21を一定とし、S21〜S24の通電時間t21〜24
を制御した。S22の積算電流量がS21の通電量よりも少なくなるように、通電時間を
短くしたものである。つまり、各ステップS21〜S24に通電電流量I21を供給した
通電時間は、t21〜t24は、t22<t21<t23<t24である。
0の時間通電するS31と、I30の電流をt30の時間通電するS32は、それぞれ上
記ステップAに該当し、t32の通電停止時間とI30の電流をt30の時間通電するS
33は上記ステップBに該当し、t33の通電停止時間とI30の電流をt30の時間通
電するS34はステップCに該当する。S33の積算電流量とS32の通電量が等しくな
るように通電し、S33の通電の前の通電停止時間t32を長くした。停止時間t32を
長くすることで、S33の通電が始まるまでにS32以前の通電による熱エネルギーが逃
げて板材1が冷却し抵抗値が下がる。抵抗値が下がると発熱し難くなるため、S33通電
時の板材1の実際の発熱がS32より低くなり、上記ステップBとなる。つまり、S31
に通電電流量I31を、S32〜S34に通電電流量I30を供給した。通電停止時間は
、t33<t31<t32である。
らトータル的な発熱量を増加させることができる。そのため、板材1の変形を抑制しなが
らナゲット形成を促進させることができ、結果的に、板材1,2の接合強度を高めること
ができる。
1、通電停止時間t40を一定とし、上記ステップBを設けず、徐々に通電電流量を上昇
させたものである。つまり、各ステップS41〜S44に供給した通電電流量I41〜I
44は、I41<I42<I43<I44である。
接合したことと、板材に合わせて通電電流量の絶対値を制御した以外は、実施例1と同様
である。
1〜6と、電極a,bに徐々に通電電流量を上げて板材1,2を抵抗スポット溶接した比
較例1、2の、引張強度を表1に示す。なお、表1において引張強度におけるn1、n2
、n3は、それぞれ異なる試験片における値である。また、表1には、各実施例1〜6に
ついて、それぞれこれら電流量と通電時間と通電停止時間の具体的値を示している。
2.70〜2.85kN、Al/GA/非めっき鋼板板組では3.24〜3.28kN程度
の引張強度を示している。これに対してステップBを有さない比較例1、2では、両比較
例とも板材1のチリが生じ、Al/GA板組では2.3kN、Al/GA/非めっき鋼板板
組では2.9kN程度と低い引張強度しか得ることができなかった。
が実現されており、これは上記実施例の通電工程中にステップBを有しているためである
と考察できる。
を得ることができる。特に、通電工程において、ステップAの後にステップBを有するこ
とにより、板材1,2の急減な温度上昇を抑制しながら板材1と板材2の軟化したナゲッ
ト部をより密着させることができ、結果的に、板材1,2の接合強度を高めていると考え
られる。
電を完全に停止するのではなく、わずかな通電を行うような制御にしても良い。また、通
電時間、通電停止時間、溶接電流値、電流供給ステップ数は前記に限らない。また、例え
ば板材1には、マグネシウム合金、チタン合金などが考えられ、板材2については、亜鉛
めっき銅板等が考えられる。
は、通電停止時間を長くするのが好ましい。過剰な加熱に伴うアルミニウム系材の変形、
厚みの減少、電極a,bへの凝着、チリの発生といった事態を回避して高い生産性を確保
することができることが分かっている。また、アルミニウム系材の過剰な加熱を確実に抑
制するためには、通電電流量をある程度低く抑えるのが好ましい。具体的には、通電電流
量を20kA以下、より好ましくは17.5kA以下に抑えれば、板材1の過剰な加熱に
伴うアルミニウム系材の変形等を確実に抑えることができることが分かっている。
プ数を3以上とすることが好ましい。
の接触面をなじませるステップBと、その後のナゲット増加を目的とするステップCとを
上記順序で有していれば良く、その具体的な通電方法は前記に限らない。例えば、前述の
各実施形態に係る通電方法を組み合わせてもよい。
全体として上記効果を得られれば良い。
Claims (7)
- 電気抵抗が異なる異種金属材を互いに重ね合わせた状態で一対の電極により加圧するとともに、当該電極への通電により溶接する溶接方法であって、一点の溶接において前記電極に複数回のステップに分けて断続的に電流を供給する通電工程を有し、上記通電工程はステップA、ステップB、ステップCの順に構成され、 上記ステップAが、金属材の少なくとも一方の金属が軟化に要する通電量以上となるように通電する通電ステップであり、上記ステップBが、少なくとも通電していて、かつ上記ステップAの通電量未満である通電ステップであり、上記ステップCが、上記ステップAの通電量以上となるように通電する通電ステップであり、上記各ステップに通電時間と通電停止時間を少なくとも一度ずつ含み、上記通電時間が一定であることを特徴とする、異種金属材の抵抗スポット溶接方法。
- 請求項1において、上記通電停止時間が一定であることを特徴とする、 異種金属材の抵抗スポット溶接方法。
- 請求項1又は2において、上記異種金属材が二種の板材からなり、上記金属材の少なくとも一が軽合金であり、少なくとも一つがめっき鋼板であることを特徴とする、異種金属材の抵抗スポット溶接方法。
- 請求項1又は2において、上記異種金属材が三種の板材からなり、上記金属材の少なくとも一が軽合金であり、少なくとも一つがめっき鋼板であり、少なくとも一つが非めっき鋼板であることを特徴とする、異種金属材の抵抗スポット溶接方法。
- 請求項1乃至4のいずれか一において、 上記の通電工程に、ステップCより後の通電ステップの通電量はステップCの通電量よりも大きく設定することを特徴とする溶接方法。
- 電気抵抗が異なる異種金属材を互いに重ね合わせた状態で一対の電極により加圧するとともに、当該電極への通電により溶接する溶接方法であって、一点の溶接において前記電極に複数回のステップに分けて断続的に電流を供給する通電工程を有し、上記通電工程はステップA、ステップB、ステップCの順に構成され、 上記ステップAが、金属材の少なくとも一方の金属が軟化に要する通電量以上となるように通電する通電ステップであり、上記ステップBが、少なくとも通電していて、かつ上記ステップAの通電量未満である通電ステップであり、上記ステップCが、上記ステップAの通電量以上となるように通電する通電ステップであり、上記各ステップに通電時間と通電停止時間を少なくとも一度ずつ含み、上記通電停止時間が一定であることを特徴とする、 異種金属材の抵抗スポット溶接方法。
- 電気抵抗が異なる異種金属材を互いに重ね合わせた状態で一対の電極により加圧するとともに、当該電極への通電により溶接する溶接方法であって、一点の溶接において前記電極に複数回のステップに分けて断続的に電流を供給する通電工程を有し、上記通電工程はステップA、ステップB、ステップCの順に構成され、 上記ステップAが、金属材の少なくとも一方の金属が軟化に要する通電量以上となるように通電する通電ステップであり、上記ステップBが、少なくとも通電していて、かつ上記ステップAの通電量未満である通電ステップであり、上記ステップCが、上記ステップAの通電量以上となるように通電する通電ステップであり、上記の通電工程に、ステップCより後の通電ステップの通電量はステップCの通電量よりも大きく設定することを特徴とする溶接方法。
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