JP2018007328A - 電力変換装置、及びこれを備える空気調和機 - Google Patents

電力変換装置、及びこれを備える空気調和機 Download PDF

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Abstract

【課題】高効率で電力変換を行う電力変換装置等を提供する。【解決手段】電力変換装置1の制御部15は、平滑コンデンサC1を介した電流経路に含まれるスイッチング素子Q1,Q4のうち、平滑コンデンサC1の正極に接続されているスイッチング素子Q1を、ブリッジ回路10に電流が流れている期間の少なくとも一部でオン状態とし、前記電流経路に含まれないスイッチング素子Q2,Q3をオフ状態で維持する同期整流制御をシャント抵抗SH_R1に流れる電流の検出値に基づいて実行する。【選択図】図5

Description

本発明は、交流電圧を直流電圧に変換する電力変換装置等に関する。
電車、自動車、空気調和機等には、交流電圧を直流電圧に変換する電力変換装置(直流電源装置、コンバータ)が搭載されている。そして、電力変換装置から出力される直流電圧をインバータによって所定周波数の交流電圧に変換し、この交流電圧をモータ等の負荷に印加するようになっている。このような電力変換装置において、高調波電流規制に準拠して高調波を抑制し、また、電力変換効率を高めて省エネルギ化を図ることが求められている。
例えば、特許文献1には、直列接続された2つのダイオードと、直列接続された2つの半導体素子と、が並列接続されてなる整流回路と、交流電源から整流回路に流れる電流の検出値の極性に同期させて半導体スイッチをスイッチングする制御部と、を備える直流電源装置について記載されている。
特開2014−90570号公報
特許文献1に記載の整流回路は、前記したように、直列接続された2つのダイオードと、直列接続された2つの半導体素子と、が並列接続された構成になっている。したがって、半導体スイッチのオン・オフに関わらず、2つのダイオードのいずれかに電流が流れる。このように2つのダイオードに電流が流れるぶん損失が大きくなるため、さらに高効率化を図る余地がある。
そこで、本発明は、高効率で電力変換を行う電力変換装置等を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明は、ブリッジ形に接続された複数のスイッチング素子を有し、入力側は交流電源に接続され、出力側は負荷に接続されるブリッジ回路と、前記交流電源と前記ブリッジ回路とを接続する配線に設けられるリアクトルと、前記ブリッジ回路の出力側に接続され、前記ブリッジ回路から印加される電圧を平滑化して直流電圧にする平滑コンデンサと、前記平滑コンデンサを介した電流経路を流れる電流を検出する第1電流検出部と、前記電流経路に含まれる前記スイッチング素子のうち、前記平滑コンデンサの正極に接続されているスイッチング素子を、前記ブリッジ回路に電流が流れている期間の少なくとも一部でオン状態とし、前記電流経路に含まれないスイッチング素子をオフ状態で維持する同期整流動作を、前記第1電流検出部の検出値に基づいて実行する制御部と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、高効率で電力変換を行う電力変換装置等を提供できる。
本発明の第1実施形態に係る電力変換装置の構成図である。 ダイオード整流制御における交流電源電圧vs、回路電流is、及びスイッチング素子Q1〜Q4の駆動パルスの時間的変化を示す説明図である。 ダイオード整流制御において、交流電源電圧vsが正の半サイクルに含まれるときの回路電流isの流れを示す説明図である。 同期整流制御における交流電源電圧vs、回路電流is、及びスイッチング素子Q1〜Q4の駆動パルスの時間的変化を示す説明図である。 同期整流制御において、交流電源電圧vsが正の半サイクルに含まれるときの電流の流れを示す説明図である。 部分スイッチング制御における交流電源電圧vs、回路電流is・短絡電流isp、及びスイッチング素子Q1〜Q4の駆動パルスの時間的変化を示す説明図である。 交流電源電圧vsが正の極性の半サイクルにおいて、力率改善動作を行ったときの電流の流れを示す説明図である。 交流電源電圧vsが正の半サイクルにおける部分スイッチング制御の説明図である。 高速スイッチング制御における交流電源電圧vs、回路電流is・短絡電流isp、及びスイッチング素子Q1〜Q4の駆動パルスの時間的変化を示す説明図である。 交流電源電圧vsが正の半サイクルにおいて、高速スイッチング制御でのスイッチング素子Q1,Q2のオンデューティを示す説明図である。 高速スイッチング制御における交流電源電圧vsと回路電流isとの関係を示す説明図である。 高速スイッチング制御において、リアクトルによる電流位相の遅れを考慮しない場合と、電流位相の遅れを考慮した場合と、におけるスイッチング素子Q2のオンデューティを示す説明図である。 (a)は部分スイッチング制御における正の半サイクルでの交流電源電圧vs及び回路電流isの説明図であり、(b)は高速スイッチング制御における正の半サイクルでの交流電源電圧vs及び回路電流isの説明図である。 電力変換装置の制御部が実行する処理を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る電力変換装置の構成図である。 電力変換装置の制御部が実行する処理を示すフローチャートである。 本発明の第3実施形態に係る電力変換装置の構成図である。 電力変換装置の制御部が実行する処理を示すフローチャートである。 電力変換装置の制御部が実行する処理を示すフローチャートである。 第4実施形態に係る電力変換装置において、(a)は交流電源電圧vsが正の半サイクルのときの誤動作によって短絡電流iscが流れている状態を示す説明図であり、(b)は交流電源電圧vsが負の半サイクルのときの誤動作によって短絡電流iscが流れている状態を示す説明図である。 本発明の第5実施形態に係る空気調和機が備える室内機、室外機、及びリモコンの正面図である。 空気調和機の構成図である。 負荷の大きさ、動作モード、及び機器の運転領域の関係を示す説明図である。 電力変換装置の制御部が実行する処理を示すフローチャートである。 本発明の第1の変形例に係る電力変換装置の構成図である。 本発明の第2の変形例に係る電力変換装置の構成図である。 本発明の第3の変形例に係る電力変換装置において、同期整流制御における交流電源電圧vs、回路電流is、及びスイッチング素子Q1〜Q4の駆動パルスの時間的変化を示す説明図である。 本発明の第4の変形例に係る電力変換装置において、同期整流制御における交流電源電圧vs、回路電流is、及びスイッチング素子Q1〜Q4の駆動パルスの時間的変化を示す説明図である。 本発明の5の変形例に係る電力変換装置において、部分スイッチング制御における交流電源電圧vs、回路電流is・短絡電流isp、及びスイッチング素子Q1〜Q4の駆動パルスの時間的変化を示す説明図である。 本発明の第6の変形例に係る電力変換装置において、部分スイッチング制御における交流電源電圧vs、回路電流is・短絡電流isp、及びスイッチング素子Q1〜Q4の駆動パルスの時間的変化を示す説明図である。 本発明の第7の変形例に係る電力変換装置において、同期整流制御における交流電源電圧vs、回路電流is、及びスイッチング素子Q1〜Q4の駆動パルスの時間的変化を示す説明図である。 本発明の第8の変形例に係る電力変換装置において、同期整流制御における交流電源電圧vs、回路電流is、及びスイッチング素子Q1〜Q4の駆動パルスの時間的変化を示す説明図である。 本発明の第9の変形例に係る電力変換装置において、部分スイッチング制御における交流電源電圧vs、回路電流is・短絡電流isp、及びスイッチング素子Q1〜Q4の駆動パルスの時間的変化を示す説明図である。 本発明の第10の変形例に係る電力変換装置において、高速スイッチング整流制御における交流電源電圧vs、回路電流is・短絡電流isp、及びスイッチング素子Q1〜Q4の駆動パルスの時間的変化を示す説明図である。 本発明の他の変形例に係る電力変換装置の制御モードの切替えに関する説明図である。
≪第1実施形態≫
<電力変換装置の構成>
図1は、第1実施形態に係る電力変換装置1の構成図である。
電力変換装置1は、交流電源Gから印加される交流電源電圧Vsを直流電圧Vdに変換し、この直流電圧Vdを負荷H(インバータ、モータ等)に出力するコンバータである。電力変換装置1は、その入力側が交流電源Gに接続され、出力側が負荷Hに接続されている。
図1に示すように、電力変換装置1は、ブリッジ回路10と、リアクトルL1と、平滑コンデンサC1と、電流検出部11と、交流電圧検出部12と、直流電圧検出部13と、負荷検出部14と、シャント抵抗SH_R1(第1シャント抵抗)と、シャント抵抗SH_R2(第2シャント抵抗)と、増幅回路A1,A2と、制御部15と、を備えている。
ブリッジ回路10は、ブリッジ形に接続されたスイッチング素子Q1〜Q4を備えている。ブリッジ回路10は、その入力側が交流電源Gに接続され、出力側が負荷Hに接続されている。
スイッチング素子Q1〜Q4は、例えば、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)であり、制御部15によってオン・オフが制御される。なお、スイッチング素子Q1〜Q4としてMOSFETを用いることで、スイッチング損失を低減できるとともに、スイッチングを高速で行えるという利点がある。
また、スイッチング素子Q1は、その内部に寄生ダイオードD1を有している。寄生ダイオードD1は、スイッチング素子Q1のソースとドレインとの間に存在するpn接合の部分である。
なお、スイッチング素子Q1の飽和電圧(オン状態におけるドレイン・ソース間電圧)は、寄生ダイオードD1の順方向の電圧降下よりも低いことが好ましい。これによって、寄生ダイオードD1に電流を流すよりも、スイッチング素子Q1のソース・ドレインに電流を流すほうが電圧降下が小さくなり、ひいては、導通損失を低減できるからである。わかりやすくいうと、オフ状態のスイッチング素子Q1において寄生ダイオードD1に電流を流すよりも、オン状態のスイッチング素子Q1に電流を流すほうが導通損失が小さくなるようにしている。なお、他のスイッチング素子Q2〜Q4についても同様のことがいえる。
図1に示すように、ブリッジ回路10は、スイッチング素子Q1,Q2が直列接続されてなる第1レグJ1と、スイッチング素子Q3,Q4が直列接続されてなる第2レグJ2と、が並列接続された構成になっている。
第1レグJ1において、スイッチング素子Q1のソースと、スイッチング素子Q2のドレインと、が接続され、その接続点N1は、配線haを介して交流電源Gに接続されている。なお、配線haは、その一端が交流電源Gに接続され、他端が前記した接続点N1に接続されている。
第2レグJ2において、スイッチング素子Q3のソースと、スイッチング素子Q4のドレインと、が接続され、その接続点N2は、配線hbを介して交流電源Gに接続されている。なお、配線hbは、その一端が交流電源Gに接続され、他端が前記した接続点N2に接続されている。
スイッチング素子Q1のドレインと、スイッチング素子Q3のドレインと、は互いに接続され、その接続点N3は、配線hcを介して負荷Hに接続されている。なお、配線hcは、その一端が負荷Hに接続され、他端が前記した接続点N3に接続されている。
スイッチング素子Q2のソースと、スイッチング素子Q4のソースとは、後記するシャント抵抗SH_R2を介して接続されている。また、シャント抵抗SH_R2とスイッチング素子Q2のソースとの接続点N4は、配線hdを介して負荷Hに接続されている。なお、配線hdは、その一端がスイッチング素子Q2,Q4のソースに接続され、他端が負荷Hに接続されている。
リアクトルL1は、交流電源Gから供給される電力をエネルギとして蓄え、このエネルギを放出することで昇圧や力率の改善を行うものである。リアクトルL1は、交流電源Gとブリッジ回路10とを接続する配線haに設けられている。
平滑コンデンサC1は、ブリッジ回路10から印加される電圧を平滑化して直流電圧にするものであり、配線hc,hdを介してブリッジ回路10の出力側に接続されている。また、平滑コンデンサC1は、その正極が配線hcを介してスイッチング素子Q1,Q3のドレインに接続され、負極が配線hdを介してスイッチング素子Q2,Q4のソースに接続されている。
電流検出部11(第5電流検出部)は、ブリッジ回路10に流れる電流を実効値(平均電流)として検出するものである。電流検出部11は、例えば、カレントトランスであり、1次側・2次側のコイルを有するトランス11aを備えるとともに、トランス11aの2次側から接地側に向けて順次に接続される保護ダイオードD5、負荷抵抗R、及びコンデンサC2を備えている。
交流電圧検出部12は、交流電源Gから印加される交流電源電圧Vsを検出するものであり、配線ha,hbに接続されている。
直流電圧検出部13は、平滑コンデンサC1の直流電圧Vdを検出するものであり、その正側が配線hcに接続され、負側が配線hdに接続されている。なお、直流電圧検出部13の検出値は、負荷Hに印加される電圧値が所定の目標値に達しているか否かの判定に用いられる。
負荷検出部14は、負荷Hに供給される電流を検出するものであり、この負荷Hに設置されている。負荷検出部14として、例えば、シャント抵抗を用いることができる。なお、負荷Hがモータである場合、負荷検出部14によってモータの回転速度を検出し、この回転速度から電流値を推定するようにしてもよい。
シャント抵抗SH_R1は、平滑コンデンサC1を介した電流経路(図3、図5の破線矢印を参照)を流れる電流の瞬時値(瞬時電流)を検出するための抵抗であり、配線hdに設けられている。すなわち、シャント抵抗SH_R1は、その一端がスイッチング素子Q2のソースに接続され、他端が平滑コンデンサC1の負極に接続されている。
増幅回路A1は、シャント抵抗SH_R1の両端の電圧を増幅するオペアンプであり、シャント抵抗SH_R1の両端に接続されている。なお、平滑コンデンサC1を介した電流経路を流れる電流(回路電流is)を検出する「第1電流検出部」は、シャント抵抗SH_R1と、増幅回路A1と、を含んで構成される。
図1に示すように、増幅回路A1の非反転入力端子(+)は、配線hdにおいて平滑コンデンサC1の負極と同電位の位置に接続されている。この電位を基準として、シャント抵抗SH_R1に流れる電流が検出される。また、増幅回路A1の反転入力端子(−)は、前記した接続点N4と同電位の位置に接続されている。そして、シャント抵抗SH_R1及び増幅回路A1によって、平滑コンデンサC1の負極から接続点N4に向かう電流を検出するようになっている。
シャント抵抗SH_R2は、平滑コンデンサC1を介さない短絡経路(図7の破線矢印を参照)を流れる短絡電流ispを検出するための抵抗であり、前記した短絡経路に設けられている。すなわち、シャント抵抗SH_R2は、その一端がスイッチング素子Q2のソースに接続され、他端がスイッチング素子Q4のソースに接続されている。
増幅回路A2は、シャント抵抗SH_R2の両端の電圧を増幅するオペアンプであり、シャント抵抗SH_R2の両端に接続されている。なお、交流電源Gの電圧が正の半サイクルの期間において、平滑コンデンサC1を介さずにリアクトルL1を介して流れる短絡電流isp(図7の破線矢印を参照)を検出する「第2電流検出部」は、シャント抵抗SH_R2と、増幅回路A2と、を含んで構成される。
詳細については後記するが、シャント抵抗SH_R1は、主に、スイッチング素子Q1〜Q4のオン・オフを切り替える制御に用いられる。他方のシャント抵抗SH_R2は、ブリッジ回路10に過電流が流れているか否かの判定に用いられる。したがって、シャント抵抗SH_R1の抵抗値は、シャント抵抗SH_R2の抵抗値よりも大きいことが好ましい。これによって、シャント抵抗SH_R1におけるSN比が十分に確保されるため、増幅回路A1からコンバータ制御部15dに出力される信号の雑音を低減できる。つまり、平滑コンデンサC1を介して流れる回路電流is(図5参照)を高精度で検出できるため、スイッチング素子Q1〜Q4のオン・オフを適切に制御できる。
図1に示すように、増幅回路A2の非反転入力端子(+)は、前記した接続点N4と同電位の位置に接続されている。この電位を基準として、シャント抵抗SH_R2に流れる電流が検出される。また、増幅回路A2の反転入力端子(−)は、スイッチング素子Q4のソースと同電位の位置に接続されている。つまり、シャント抵抗SH_R2及び増幅回路A2によって、接続点N4からスイッチング素子Q4のソースに向かう電流を検出するようになっている。
制御部15は、例えば、マイコン(Microcomputer:図示せず)であり、ROM(Read Only Memory)に記憶されたプログラムを読み出してRAM(Random Access Memory)に展開し、CPU(Central Processing Unit)が各種処理を実行するようになっている。制御部15は、前記したように、スイッチング素子Q1〜Q4のオン・オフを制御する機能を有している。
図1に示すように、制御部15は、ゼロクロス判定部15aと、昇圧比制御部15bと、ゲイン制御部15cと、コンバータ制御部15dと、を備えている。
ゼロクロス判定部15aは、交流電圧検出部12の検出値に基づいて、交流電源電圧Vsの正負が切り替わったか(つまり、ゼロクロスに達したか)否かを判定する機能を有している。例えば、ゼロクロス判定部15aは、交流電源電圧Vsが正の期間中にはコンバータ制御部15dに‘1’の信号を出力し、交流電源電圧Vsが負の期間中にはコンバータ制御部15dに‘0’の信号を出力する。
昇圧比制御部15bは、負荷検出部14の検出値に基づいて、直流電圧Vdの昇圧比を設定し、その昇圧比をゲイン制御部15c及びコンバータ制御部15dに出力する機能を有している。
ゲイン制御部15cは、電流検出部11によって検出される回路電流isの実効値と、直流電圧Vdの昇圧比と、に基づいて、電流制御ゲインを設定する機能を有している。
コンバータ制御部15dは、電流検出部11、直流電圧検出部13、シャント抵抗SH_R1、シャント抵抗SH_R2、ゼロクロス判定部15a、昇圧比制御部15b、及びゲイン制御部15cから入力される情報に基づいて、スイッチング素子Q1〜Q4のオン・オフを制御する。なお、コンバータ制御部15dが実行する処理については後記する。
<電力変換装置の制御モード>
次に、負荷(例えば、電流検出部11の検出値)の大きさに基づいて切り替えられる制御モードについて説明する。前記した制御モードには、「ダイオード整流制御」、「同期整流制御」、「部分スイッチング制御」、及び「高速スイッチング制御」が含まれる。
(1.ダイオード整流制御)
ダイオード整流制御は、4つの寄生ダイオードD1〜D4を用いて全波整流を行う制御モードである。ダイオード整流制御は、例えば、負荷の大きさが比較的小さいときに実行されるが、これに限定されるものではない。
図2は、ダイオード整流制御における交流電源電圧vs、回路電流is、及びスイッチング素子Q1〜Q4の駆動パルスの時間的変化を示す説明図である。
なお、図2(a)は、交流電源電圧vs(瞬時値)の波形であり、図2(b)は、回路電流is(瞬時値)の波形である。図2(c)〜(f)は、スイッチング素子Q1〜Q4の駆動パルスである。
図2(c)〜(f)に示すように、コンバータ制御部15dは、スイッチング素子Q1〜Q4の全てをオフ状態で維持することで、次に説明するように、寄生ダイオードD1〜D4を介して回路電流isを流す。
図3は、ダイオード整流制御において、交流電源電圧vsが正の半サイクルに含まれるときの回路電流isの流れを示す説明図である。交流電源電圧vsが正の半サイクルの期間では、図3の破線矢印で示すように、交流電源G→リアクトルL1→寄生ダイオードD1→平滑コンデンサC1→シャント抵抗SH_R1→シャント抵抗SH_R2→寄生ダイオードD4→交流電源Gの順に回路電流isが流れる。
また、交流電源電圧vsが負の半サイクルの期間では、図示はしないが、交流電源G→寄生ダイオードD3→平滑コンデンサC1→シャント抵抗SH_R1→シャント抵抗SH_R2→寄生ダイオードD2→リアクトルL1→交流電源Gの順に回路電流isが流れる。なお、回路電流isの波形は、図2(b)に示すとおりである。
このようなダイオード整流制御を低負荷時に行うことで、スイッチング素子Q1〜Q4におけるスイッチング損失を低減できる。
(2.同期整流制御)
同期整流制御は、平滑コンデンサC1を介した電流経路に含まれるスイッチング素子のうち、平滑コンデンサC1の正極に接続されているスイッチング素子を、ブリッジ回路10に電流が流れている期間の少なくとも一部でオン状態とし、前記した電流経路に含まれないスイッチング素子をオフ状態で維持する制御モードである。なお、交流電源電圧vsが正の半サイクルの期間において、前記した「電流経路」は、図5の破線矢印で示す経路である。
本実施形態では、一例として、交流電源電圧vsの極性に同期させてスイッチング素子Q2,Q4のオン・オフを切り替えるとともに(図4(d)、(f)参照)、回路電流isが流れているか否かによってスイッチング素子Q1,Q3のオン・オフを切り替えるようにしている(図4(c)、(e)参照)。なお、同期整流制御は、例えば、負荷(電流検出部11の検出値等)が比較的小さいときに実行されるが、これに限定されるものではない。
図4は、同期整流制御における交流電源電圧vs、回路電流is、及びスイッチング素子Q1〜Q4の駆動パルスの時間的変化を示す説明図である。
同期整流制御においてコンバータ制御部15dは、シャント抵抗SH_R1によって検出される回路電流isに同期させて、スイッチング素子Q1,Q3のオン・オフを切り替える。交流電源電圧vsが正の半サイクルの期間について説明すると(図4(a)参照)、コンバータ制御部15dは、回路電流isが流れているときには(図4(b)参照)、スイッチング素子Q1をオン状態とし(図4(c)参照)、回路電流isが流れていないときには、スイッチング素子Q1をオフ状態にする。なお、交流電源電圧vsが正の半サイクルの期間において、スイッチング素子Q3はオフ状態で維持される(図4(e)参照)。
また、コンバータ制御部15dは、交流電源電圧vsの極性の変化に同期させて、スイッチング素子Q2,Q4のオン・オフを切り替える。例えば、交流電源電圧vsが正の半サイクルの期間では(図4(a)参照)、コンバータ制御部15dは、スイッチング素子Q2をオフ状態にし(図4(d)参照)、スイッチング素子Q4をオン状態にする(図4(f)参照)。なお、交流電源電圧vsの極性は、ゼロクロス判定部15aによって判定(特定)される。
このように、スイッチング素子Q1,Q3は、回路電流isが流れているか否かによってオン・オフが切り替えられ、スイッチング素子Q2,Q4は、交流電源電圧vsの極性に同期させてオン・オフが切り替えられる。これは、次に説明するように、平滑コンデンサC1から交流電源G側への逆流電流を防ぐためである。
仮に、直流電圧Vdが交流電源電圧vsよりも高いときに、回路電流isが通流していない状態でスイッチング素子Q1,Q4を両方ともオン状態にすると、平滑コンデンサC1から交流電源G側に逆流電流が流れてしまう。
これに対して本実施形態では、前記した状態においてスイッチング素子Q1をオフにするため(図4(c)参照)、逆流電流が流れること防止できる。また、例えば、交流電源電圧vsが正の半サイクルではスイッチング素子Q2がオフ状態で維持されるため(図4(d)参照)、スイッチング素子Q2,Q4を介して逆流電流がループすることもない。
なお、交流電源電圧vsが直流電圧Vdよりも低くなった直後の所定時間dt(図4(b)参照)では、リアクトルL1のインダクタンスによって回路電流isが流れ続ける。ここで、前記した所定時間dtは、以下の(数式1)で表される。
Figure 2018007328
本実施形態では、図4(b)、(c)、(e)に示すように、交流電源電圧vsの絶対値が平滑コンデンサC1の電圧(直流電圧Vd)よりも小さくなってからも所定時間dtは、平滑コンデンサC1の正極に接続されているスイッチング素子Q1(交流電源電圧vsが負の半サイクルでは、スイッチング素子Q3)をオン状態で維持するようにしている。これによって、所定時間dtにおいてもスイッチング素子Q1のソース・ドレインを介して回路電流isを流すことができる。したがって、寄生ダイオードD1を介して回路電流isを流す場合よりも損失が小さくなるため、高効率で電力変換を行うことができる。なお、所定時間dtは、事前の実験に基づいて計算してもよいし、また、リアルタイムで計算してもよい。
図5は、同期整流制御において、交流電源電圧vsが正の半サイクルに含まれるときの電流の流れを示す説明図である。交流電源電圧Vsが正の半サイクルの期間では、図5の破線矢印で示すように、交流電源G→リアクトルL1→スイッチング素子Q1→平滑コンデンサC1→シャント抵抗SH_R1→シャント抵抗SH_R2→スイッチング素子Q4→交流電源Gの電流経路において回路電流isが流れる。このとき、スイッチング素子Q2,Q3は、オフ状態で維持される(図4(d)、(e)参照)。
また、交流電源電圧vsが負の半サイクルの期間では、図示はしないが、交流電源G→スイッチング素子Q3→平滑コンデンサC1→シャント抵抗SH_R1→シャント抵抗SH_R2→スイッチング素子Q2→リアクトルL1→交流電源Gの電流経路において回路電流isが流れる。このとき、スイッチング素子Q1,Q4は、オフ状態で維持される(図4(c)、(f)参照)。
このように同期整流制御では、スイッチング素子Q1,Q4には積極的に電流を流し、寄生ダイオードD1,D4にはほとんど電流を流さないようにしている。これによって、高効率で電力変換を行うことができる。また、後記する部分スイッチング制御や高速スイッチング制御と比較して、同期整流制御ではスイッチングの回数が少なくて済む。したがって、適度な力率を保ちながらもスイッチング損失を低減できるため、高効率で電力変換を行うことができる。
(3.部分スイッチング制御)
部分スイッチング制御は、スイッチング素子Q1〜Q4のうち、リアクトルL1に接続されている2つのスイッチング素子Q1,Q2を交互にオン・オフする動作を所定回数行う制御モードである。部分スイッチング制御は、例えば、負荷Hの定格運転中に実行されるが、これに限定されるものではない。
図6は、部分スイッチング制御における交流電源電圧vs、回路電流is・短絡電流isp、及びスイッチング素子Q1〜Q4の駆動パルスの時間的変化を示す説明図である。
交流電源電圧vsが正の半サイクルの期間について説明すると(図6(a)参照)、コンバータ制御部15dは、スイッチング素子Q1,Q2を所定回数・所定パルス幅で交互にオン・オフする。より詳しく説明すると、コンバータ制御部15dは、交流電源電圧vsの正・負が切り替わった直後に(図6(a)参照)、スイッチング素子Q1,Q2を交互にオン・オフする動作を所定回数行う(図6(c)、(d)参照)。また、コンバータ制御部15dは、交流電源電圧vsの極性に同期して、スイッチング素子Q3,Q4のオン・オフを制御する(図6(e)、(f)参照)。
以下では、部分スイッチング制御ついてわかりやすく説明するために、この部分スイッチング制御を「力率改善動作」と「同期整流動作」とに分けて説明する。
前記した「力率改善動作」とは、平滑コンデンサC1を介さずにリアクトルL1を介して短絡電流isp(図7の破線矢印を参照)が流れる短絡経路において、リアクトルL1に接続されているスイッチング素子をオン状態にすることで、力率を改善する動作である。
なお、前記した短絡経路においてリアクトルL1に接続されている「スイッチング素子」とは、交流電源電圧vsが正の半サイクルの期間ではスイッチング素子Q2であり(図7参照)、交流電源電圧vsが負の半サイクルの期間ではスイッチング素子Q1である。
前記した「同期整流動作」とは、平滑コンデンサC1を介した電流経路に含まれるスイッチング素子のうち、平滑コンデンサC1の正極に接続されているスイッチング素子を、ブリッジ回路10に電流が流れている期間の少なくとも一部でオン状態とし、前記した電流経路に含まれないスイッチング素子をオフ状態で維持する動作である。
なお、前記した電流経路において平滑コンデンサC1の正極に接続されている「スイッチング素子」とは、交流電源電圧vsが正の半サイクルの期間ではスイッチング素子Q1であり(図5参照)、交流電源電圧vsが負の半サイクルの期間ではスイッチング素子Q3である。
ちなみに、前記した同期整流モード(図4、図5参照)は、「同期整流動作」を継続的に行う制御モードである。
詳細については後記するが、部分スイッチング制御では、前記した「同期整流動作」と「力率改善動作」とが交互に所定回数行われる。
まず、「力率改善動作」について説明する。
例えば、交流電源電圧vsが正の半サイクルの期間においてコンバータ制御部15dは、スイッチング素子Q3をオフ状態で維持するとともに(図6(e)参照)、スイッチング素子Q4をオン状態で維持する(図6(f)参照)。また、コンバータ制御部15dは、ブリッジ回路10に電流が流れ始める所定の区間tfにおいて、スイッチング素子Q2をオン(図6(d)参照)、スイッチング素子Q1をオフにする(図6(c)参照)。このときに流れる短絡電流ispの経路について、図7を参照して説明する。
図7は、交流電源電圧vsが正の極性の半サイクルにおいて、力率改善動作を行ったときの電流の流れを示す説明図である。
交流電源電圧vsが正の極性のときに力率改善動作を行うと、図7の破線矢印で示すように、交流電源G→リアクトルL1→スイッチング素子Q2→シャント抵抗SH_R2→スイッチング素子Q4→交流電源Gの短絡経路において、短絡電流isp(力率改善電流)が流れる。このときリアクトルL1には、以下の(数式2)で表されるエネルギが蓄えられる。なお、(数式2)に示すIspは、短絡電流ispの実効値である。
Figure 2018007328
このように短絡電流ispを流すことで、電流波形の歪みを小さくし、電流波形を正弦波に近づけることができる(図6(b)参照)。したがって、電力変換装置1の力率を改善できるとともに、高調波電流に伴う高調波を抑制できる。
なお、交流電源電圧vsが負の極性である期間では、図示はしないが、交流電源G→スイッチング素子Q3→スイッチング素子Q1→リアクトルL1→交流電源Gの短絡経路において、短絡電流isp(力率改善電流)が流れる。
次に、「同期整流動作」について説明する。
図6(d)に示す所定の区間tfにおいて「力率改善動作」を行った後、コンバータ制御部15dは、所定の区間tgにおいて「同期整流動作」を行う。すなわち、コンバータ制御部15dは、スイッチング素子Q1をオフからオンに切り替えるとともに(図6(c)参照)、スイッチング素子Q2をオンからオフに切り替える(図6(d)参照)。なお、区間tgにおいてもスイッチング素子Q3はオフ状態で維持され(図6(e)参照)、スイッチング素子Q4はオン状態で維持される(図6(f)参照)。
このようにスイッチング素子Q1〜Q4が制御されることで、リアクトルL1に蓄えられたエネルギが平滑コンデンサC1に放出され、平滑コンデンサC1の直流電圧が昇圧される。なお、同期整流動作における電流経路は、前記した同期整流モードにおける電流経路(図5の破線矢印を参照)と同様である。
部分スイッチング制御では、前記したように、「力率改善動作」と「同期整流動作」とが、交流電源電圧vsの半サイクルごとに交互に所定回数行われる。このような制御を行った後、コンバータ制御部15dは、回路電流isが流れている区間thにおいて、スイッチング素子Q1をオン状態(図6(c)参照)、スイッチング素子Q2をオフ状態で維持する(図6(d))。つまり、コンバータ制御部15dは、シャント抵抗SH_R1(第1電流検出部)の検出値に基づいて、交流電源電圧vsの絶対値が平滑コンデンサC1の電圧(直流電圧Vd)よりも小さくなってから所定時間tdは、リアクトルL1に接続されているスイッチング素子Q1をオン状態とする同期整流動作を継続する。これによって、交流電源電圧vsが直流電圧Vdよりも低くなってからも、図5に示す電流経路で回路電流isを流すことができる。したがって、寄生ダイオードD1を介して回路電流isを流す場合よりも、スイッチング素子Q1の導通損失を低減し、高効率化を図ることができる。
例えば、負荷Hがモータである場合、回転速度の上昇に伴ってモータの誘起電圧が高くなり、モータが駆動しにくくなることがあるが、前記した「力率改善動作」及び「同期整流動作」を交互に行って昇圧することで、モータの回転速度の許容限度を高めることができる。
ちなみに、図6(c)に示すように、スイッチング素子Q1は、1ショット目の前の区間ta、及び、同期整流動作が継続される区間thの後の区間tbでは、オフ状態にされる。これは、前述した平滑コンデンサC1から逆流電流が流れることを防止するためである。なお、スイッチング素子Q1,Q2を交互にオン・オフする際のタイミングや回数は、適宜設定できる。
次に、部分スイッチング制御におけるスイッチング素子Q1〜Q4の駆動パルスの設定について、さらに詳しく説明する。
図8は、交流電源電圧vsが正の半サイクルにおける部分スイッチング制御の説明図である。
なお、図8(a)〜(f)の横軸は、時間である。図8(a)は、正の半サイクルにおける交流電源電圧vsである。図8(b)は、回路電流is、短絡電流isp、及び正弦波状の理想電流である。図8(c)、(d)(f)は、スイッチング素子Q2,Q4,Q1の駆動パルスである。図8の「理想電流」に示すように、正弦波状の回路電流isが交流電源電圧vsに対して同相で流れることが理想的である。この理想電流は、例えば、電流検出部11(図7参照)の検出値と、ゼロクロス判定部15a(図7参照)の判定結果と、に基づいて、ゲイン制御部15c(図7参照)によって求められる。
例えば、理想電流上の点P1(図8(b)参照)に関して、この点P1での傾きをdi(P1)/dtとおく。回路電流isがゼロの状態から、スイッチング素子Q2を時間ton1_Q2に亘ってオンする力率改善動作を行ったときの短絡電流ispの傾きをdi(ton1_Q2)/dtとおく。また、その後に時間toff1_Q2に亘ってオフして同期整流動作を行ったときの回路電流isの傾きをdi(toff1_Q2)/dtとおく。ここで、傾きdi(ton1_Q2)/dtと、傾きdi(toff1_Q2)/dtとの平均値が、点P1における傾きdi(P1)/dtと等しくなるようにスイッチング素子Q1,Q2のオン・オフが制御される。
また、点P1と同様に、点P2での電流の傾きをdi(P2)/dtとおく。そして、スイッチング素子Q2を時間ton2_Q2に亘ってオンする力率改善動作を行ったときの短絡電流ispの傾きをdi(ton2_Q2)/dtとおく。また、その後に時間toff2_Q2に亘ってスイッチング素子Q2をオフして同期整流動作を行ったときの回路電流isの傾きをdi(toff2_Q2)/dtとおく。点P1の場合と同様に、傾きdi(ton2_Q2)/dtと、傾きdi(toff2_Q2)/dtと、の平均値が、点P2における傾きdi(P2)/dtと等しくなるようにスイッチング素子Q1,Q2のオン・オフが制御される。交流電源電圧vsが正の半周期において、このような処理が所定回数繰り返される。なお、スイッチング素子Q2のスイッチング回数が多いほど、回路電流isを理想的な正弦波状の波形に近づけることができるが、スイッチング損失を考慮してスイッチング回数を設定することが望ましい。
なお、交流電源電圧vsが負の極性の半サイクルについても、前記と同様にしてスイッチング素子Q1,Q2が制御される。
(4.高速スイッチング制御)
高速スイッチング制御は、スイッチング素子Q〜Q4のうち、リアクトルL1に接続されている2つのスイッチング素子Q1,Q2を交互にオン・オフする動作を所定周期で繰り返す制御モードである。言い換えると、高速スイッチング制御は、前記した同期整流動作と力率改善動作とを所定周期で交互に繰り返す制御モードである。高速スイッチング制御は、例えば、負荷(電流検出部11の検出値等)が比較的大きい高負荷時に実行されるが、これに限定されるものではない。
図9は、高速スイッチング制御における交流電源電圧vs、回路電流is・短絡電流isp、及びスイッチング素子Q1〜Q4の駆動パルスの時間的変化を示す説明図である。
高速スイッチング制御では、部分スイッチング制御で説明した「力率改善動作」と「同期整流動作」とが所定周期で交互に繰り返される。
力率改善動作について、交流電源電圧vs(図9(a)参照)の正の半サイクルを例に説明すると、コンバータ制御部15dは、所定の区間tkにおいてスイッチング素子Q2をオン状態(図9(d)参照)、スイッチング素子Q1をオフ状態にする(図9(c)参照)。また、コンバータ制御部15dは、交流電源電圧vsが正の半サイクルにおいて、スイッチング素子Q3をオフ状態(図9(e)参照)、スイッチング素子Q4をオン状態で維持する(図9(f)参照)。これによって、リアクトルL1を介して短絡電流isp(図7参照)が流れるため、力率を改善できるとともに、高調波を抑制できる。
次に、同期整流動作について、交流電源電圧vs(図9(a)参照)の正の半サイクルを例に説明すると、コンバータ制御部15dは、例えば、前記した区間tkの後の区間tmにおいて、スイッチング素子Q1をオン状態、スイッチング素子Q2をオフ状態にする。これによって、リアクトルL1に蓄えられたエネルギが平滑コンデンサC1に放出されるため、平滑コンデンサC1の直流電圧Vdが昇圧される。また、寄生ダイオードD1を介して回路電流isを流す場合と比べて導通損失が低減されるため、電力変換を高効率で行うことができる。なお、同期整流動作時における電流経路は、図5と同様である。
また、交流電源電圧vsが負の半サイクルにおいても、同様にして、スイッチング素子Q1,Q2が交互にオン・オフされる(図9(c)、(d)参照)。また、交流電源電圧vsの極性に同期して、スイッチング素子Q3がオン状態(図9(e)参照)、スイッチング素子Q4がオフ状態にされる(図9(f)参照)。なお、スイッチング素子Q1,Q2のオンデューティは、回路電流isを正弦波に近づけるように適宜設定される。
また、交流電源電圧vsの正の半サイクルの初期において、交流電源電圧vsが直流電圧Vdよりも低い区間tj(図9(c)参照)では、逆流電流を防止するためにスイッチング素子Q1がオフ状態で維持される。
また、交流電源電圧vsが直流電圧Vdを下回ってから所定時間dtが経過するまでは、スイッチング素子Q1,Q2のスイッチングが継続される(図9(c)、(d))。これによって寄生ダイオードD1,D2に流れる電流を抑制し、高効率で電力変換を行うことができる。そして、前記した所定時間dtが経過した後の区間tnでは、逆流電流が流れないように、スイッチング素子Q1がオフ状態にされる(図9(c)参照)。
なお、高負荷時には比較的大きな回路電流isが流れるため、それに伴って高調波が発生しやすくなる。本実施形態では、高負荷時に高速スイッチング制御を行うことで、回路電流isを正弦波に近づけるようにしている。これによって、高調波を抑制できるとともに、力率を改善できる。
以下では、部分スイッチング制御と、高速スイッチング制御と、を含めて「スイッチング制御」という。この「スイッチング制御」は、スイッチング素子Q1〜Q4のうち、リアクトルL1に接続されている2つのスイッチング素子Q1,Q2を交互にオン・オフする制御である。
次に、部分スイッチング制御及び高速スイッチング制御におけるデューティの設定について説明する。
電力変換装置1における回路電流is(瞬時値)は、以下の(数式3)で表される。ここで、Vsは交流電源電圧vsの実効値であり、Kpは電流制御ゲインであり、Vdは直流電圧であり、ωは角周波数である。
Figure 2018007328
上記の(数式3)を整理すると、以下の(数式4)になる。
Figure 2018007328
また、回路電流is(瞬時値)と、回路電流Is(実効値)と、の関係は、以下の(数式5)で表される。前記したように、回路電流is(瞬時値)はシャント抵抗SH_R1によって検出され、回路電流Is(実効値)は電流検出部11によって検出される。
Figure 2018007328
(数式4)を変形して(数式5)に代入すると、電流制御ゲインKpは、以下の(数式6)で表される。なお、aは昇圧比である。
Figure 2018007328
ここで、(数式6)から、昇圧比aの逆数を右辺に移項すると、以下の(数式7)の関係が成り立つ。
Figure 2018007328
また、交流電源電圧vsが正の半サイクルにおいて、スイッチング素子Q2のオンデューティd(通流率)は、以下の(数式8)で表される。なお、交流電源電圧vsが負の半サイクルにおけるスイッチング素子Q1のオンデューティdについても同様である。
Figure 2018007328
以上より、(数式7)に示したKp・Isを制御することで、直流電圧Vdを交流電源電圧Vs(実効値)のa倍に昇圧できる。そのときのスイッチング素子Q2(又は、スイッチング素子Q1)のオンデューティdは、(数式8)で与えられる。
なお、昇圧比aは、負荷検出部14によって検出される負荷に基づき、昇圧比制御部15b(図7参照)によって設定される。例えば、負荷が大きいほど、昇圧比aも大きな値に設定される。
図10は、交流電源電圧vsが正の半サイクルにおいて、高速スイッチング制御でのスイッチング素子Q1,Q2のオンデューティを示す説明図である。
なお、図10の横軸は、交流電源電圧vsが正の半サイクルにおける時間(正の半サイクルの開始時からの経過時間)であり、縦軸は、スイッチング素子Q1,Q2のオンデューティd_Q1,d_Q2である。
また、図10の破線は、デッドタイムdtxを考慮しない場合のスイッチング素子Q1のオンデューティd_Q1である。実線は、デッドタイムdtxを考慮した場合のスイッチング素子Q1のオンデューティd_Q1である。二点鎖線は、スイッチング素子Q2のオンデューティd_Q2である。
破線で示すスイッチング素子Q1のオンデューティd_Q1は、例えば、交流電源電圧Vsに比例するように設定されている。二点鎖線で示すスイッチング素子Q2のオンデューティd_Q2は、1.0からスイッチング素子Q1のオンデューティd_Q1を減算した値として設定される。
(数式8)で説明したように、回路電流isが大きいほど、スイッチング素子Q2のオンデューティd_Q2は小さな値に設定され、スイッチング素子Q1のオンデューティd_Q1は大きな値に設定される。言い換えると、同期整流動作でオンされるスイッチング素子Q1のオンデューティd_Q1は、力率改善動作でオンされるスイッチング素子Q2のオンデューティd_Q2に対して逆特性になっている。
なお、ブリッジ回路10における上下短絡を回避するために、図10の実線で示すように、デッドタイムdtxを考慮した制御を行うことが望ましい。所定のデッドタイムdtx(図示せず)を付与すると、スイッチング素子Q1のオンデューティd_Q1は、このデッドタイムdts分だけ小さくなる。
図11は、高速スイッチング制御における交流電源電圧vsと回路電流isとの関係を示す説明図である。
図11の横軸は、交流電源電圧vsの正の半サイクルが開始された時点からの経過時間(時間)であり、縦軸は、交流電源電圧vs(瞬時値)及び回路電流is(瞬時値)である。
図11に示すように、高速スイッチング制御を行うことで、交流電源電圧vs及び回路電流isが正弦波状の波形になっており、また、交流電源電圧vsと回路電流isとが同相になっている。つまり、高速スイッチング制御を行うことで、力率が改善されていることがわかる。このような正弦波状の回路電流isを流すために、スイッチング素子Q2のオンデューティd_Q2は、以下の(数式9)で設定される。また、スイッチング素子Q1のオンデューティd_Q1は、以下の(数式10)で設定される。
Figure 2018007328
図12は、高速スイッチング制御において、リアクトルL1による電流位相の遅れ分を考慮しない場合と、電流位相の遅れ分を考慮した場合と、におけるスイッチング素子Q2のオンデューティd_Q2を示す説明図である。
図12の横軸は、交流電源電圧vsの正の半サイクルが開始された時点からの経過時間(時間)であり、縦軸は、高速スイッチング制御におけるスイッチング素子Q2のオンデューティである。
また、実線は、リアクトルL1による電流位相の遅れを考慮しない場合のスイッチング素子Q2のオンデューティである。破線は、リアクトルL1による電流位相の遅れを考慮した場合のスイッチング素子Q2のオンデューティである。図12の破線で示すように、スイッチング素子Q2のオンデューティを設定することで、リアクトルL1のインダクタンスが大きい場合であっても、正弦波状の回路電流isを流すことができる。
<制御モードの切替えについて>
コンバータ制御部15d(図1参照)は、例えば、負荷が比較的小さい低負荷領域では同期整流制御を行い、定格運転領域では部分スイッチング制御を行い、負荷が比較的大きい高負荷領域では高速スイッチング制御を行う。なお、負荷が非常に小さいときにダイオード整流制御を行ってもよいし、また、ダイオード整流を行わないようにしてもよい。
図13(a)は、部分スイッチング制御における正の半サイクルでの交流電源電圧vs及び回路電流isの説明図である。なお、図13(a)に示すピーク値is1は、部分スイッチング制御における回路電流isのピーク値である。
図13(b)は、高速スイッチング制御における正の半サイクルでの交流電源電圧vs及び回路電流isの説明図である。
なお、図13(b)に示すピーク値is2は、高速スイッチング制御における回路電流isのピーク値である。図13(b)に示すように、高速スイッチング制御における回路電流isのピーク値is2は、部分スイッチング制御における回路電流isのピーク値is2よりも小さくなっている。
仮に、前記したピーク値is1,is2が略同一となるように制御すると、部分スイッチング制御よりも高速スイッチング制御のほうが力率が高いため、高速スイッチング制御において直流電圧Vdが昇圧されすぎてしまう。これに対して本実施形態では、ピーク値is1>ピーク値is2となるようにスイッチング素子Q1,Q2のオンデューティが調整される。つまり、コンバータ制御部15dは、部分スイッチング制御及び高速スイッチング制御の一方から他方に切り替える際、平滑コンデンサC1の直流電圧Vdの変動を抑制するように、スイッチング素子Q1,Q2のオンデューティを調整する。これによって、部分スイッチング制御及び高速スイッチング制御の一方から他方に移行する際、直流電圧Vdの変動を抑制できる。
また、コンバータ制御部15dは、交流電源電圧vsのゼロクロス(正・負の切り替わり)のタイミングで、制御モードの切替えを行うことが好ましい。例えば、コンバータ制御部15dは、交流電源電圧vsのゼロクロスのタイミングで、部分スイッチング制御から高速スイッチング制御に切り替える。これによって、制御モードの切替時に、制御が不安定になったり、直流電圧Vdが変動したりすることを抑制できる。
<電流の検出値に基づくスイッチング>
次に、前記した同期整流制御、部分スイッチング制御、及び高速スイッチング制御における制御部15の処理について説明する。
図14は、電力変換装置1の制御部15が実行する処理を示すフローチャートである(適宜、図1を参照)。
なお、図14の「START」において制御部15は、電流検出部11によって検出される回路電流isの大きさに基づいて、同期整流制御、部分スイッチング制御、及び高速スイッチング制御のいずれかを実行しているものとする。
ステップS101において制御部15は、現時点で同期整流動作を実行しているか否かを判定する。例えば、「同期整流制御」では、前記したように、同期整流動作が継続的に行われる(図4参照)。したがって、図14の「START」時において「同期整流制御」が行われている場合には、ステップS101の判定結果が常に「Yes」になる。
また、「部分スイッチング制御」や「高速スイッチング制御」では、前記したように、力率改善動作と同期整流動作とが交互に繰り返される。したがって、図14の「START」において「部分スイッチング制御」又は「高速スイッチング制御」が行われている場合、力率改善動作中にはステップS101の判定結果が「No」になり、同期整流動作中にはステップS101の判定結果が「Yes」になる。
ステップS101において現時点で同期整流動作を実行している場合(S101:Yes)、制御部15の処理はステップS102に進む。
ステップS102において制御部15は、シャント抵抗SH_R1に流れている電流(図5の破線矢印で示す回路電流is)の検出値I1を読み込む。
ステップS103において制御部15は、ステップS102で読み込んだ検出値I1が所定閾値I以上であるか否かを判定する。この所定閾値Iは、平滑コンデンサC1を介した回路電流isが過大であるか否かの判定基準となる閾値である。ステップS103において検出値I1が所定閾値I未満である場合(S103:No)、制御部15の処理はステップS104に進む。
ステップS104において制御部15は、ステップS102で読み込んだ検出値I1に基づいて、スイッチング素子Q1〜Q4を制御する。例えば、制御部15は、交流電源電圧vsが正の半サイクルにおいて回路電流isが流れ続けている間は、リアクトルL1に接続されたスイッチング素子Q1をオン状態にする(図4(b)、(c)参照)。これによって、前記したように、寄生ダイオードD1ではなくスイッチング素子Q1のソース・ドレインを介して回路電流isが流れるため、高効率で電力変換を行うことができる。
なお、交流電源電圧vsが正の半サイクルにおいて、回路電流is(図4(b)参照)が流れ続けている期間の少なくとも一部でスイッチング素子Q1をオン状態にするようにしてもよい。交流電源電圧vsが負の半サイクルについても同様である。また、前記した制御は、同期整流制御(図4参照)のみではなく、部分スイッチング制御(図6参照)や高速スイッチング制御(図9参照)にも適用できる。
ステップS104の処理を行った後、制御部15の処理は「START」に戻る(RETURN)。
また、ステップS103において検出値Iが所定閾値I以上である場合(S103:Yes)、制御部15の処理はステップS105に進む。
ステップS105において制御部15は、ブリッジ回路10に過電流が流れていると判定する。つまり、制御部15は、平滑コンデンサC1を介した電流経路(図5の破線矢印を参照)に過大な回路電流isが流れていると判定する。
ちなみに、同期整流動作では、交流電源電圧vsが正の半サイクル(図5参照)であっても、負の半サイクル(図示せず)であっても、回路電流isは平滑コンデンサC1の負極からシャント抵抗SH_R1に向けて流れる。したがって、交流電源電圧vsが正・負の半サイクルのいずれであっても、そのときに流れている回路電流isをシャント抵抗SH_R1を用いて検出できる。
ステップS106において制御部15は、電力変換装置1や負荷Hを保護するための保護制御を実行する。制御部15は、例えば、負荷Hへの出力電流を減少させるか、又は、負荷Hを停止させる。これによって、ブリッジ回路10に過電流が流れることを防止できる。ステップS106の処理を行った後、制御部15の処理は「START」に戻る(RETURN)。
また、ステップS101において現時点で同期整流動作を実行していない場合(S101:No)、制御部15の処理はステップS107に進む。つまり、現時点で力率改善動作を実行している場合、制御部15の処理はステップS107に進む。
ステップS107において制御部15は、現時点での交流電源電圧vsの極性が正であるか否かを、ゼロクロス判定部15aによって判定する。現時点での交流電源電圧vsの極性が正である場合(S107:Yes)、制御部15の処理はステップS108に進む。一方、現時点での交流電源電圧vsの極性が負である場合(S107:No)、制御部15の処理は「START」に戻る(RETURN)。
ステップS108において制御部15は、シャント抵抗SH_R2に流れている電流(図7の破線矢印で示す短絡電流isp)の検出値I2を読み込む。
ステップS109において制御部15は、ステップS108で読み込んだ検出値I2が所定閾値I以上であるか否かを判定する。この所定閾値Iは、短絡電流ispが過大であるか否かの判定基準となる閾値である。
ステップS109において検出値I2が所定閾値I以上である場合(S109:Yes)、制御部15の処理はステップS105に進む。
ステップS105において制御部15は、ブリッジ回路10に過電流が流れていると判定する。つまり、制御部15は、交流電源電圧vsの正の半サイクルにおいて、リアクトルL1を介した短絡経路(図7の破線矢印を参照)に過大な短絡電流ispが流れていると判定する。
ステップS106において制御部15は、前記した保護制御を実行する。これによって、力率改善動作中に保護制御を開始できる。例えば、図14の「START」の時点で、同期整流動作と力率改善動作とを交互に行う高速スイッチング制御を行っている場合において、力率改善動作中に過大な短絡電流isp(図7参照)が流れたときには、その瞬間に(つまり、同期整流動作に切り替わるよりも早く)保護制御を開始できる。このように早いタイミングで過電流を抑えることができるため、電力変換装置1の信頼性を高めることができる。
また、ステップS109において検出値I2が所定閾値I未満である場合(S109:No)、制御部15の処理は「START」に戻る(RETURN)。このようにして、図14に示す一連の処理が繰り返される。
<効果>
本実施形態よれば、低負荷時には同期整流制御を行うことで、スイッチング素子Q1〜Q4に積極的に電流を流すようにしている。これによって、寄生ダイオードD1〜D4での損失を抑制し、電力変換を高効率で行うことができる。
また、定格運転時には部分スイッチング制御が行われ、スイッチング素子Q1,Q2が所定回数、交互にスイッチングされる。これによって、昇圧、力率の改善、及び高調波の抑制を行うことができる。また、高速スイッチング制御と比べてスイッチング回数が少ないため、スイッチング損失を低減できる。
また、高負荷時には高速スイッチング制御を行って、スイッチング素子Q1,Q2を所定周期で交互にスイッチングするようにしている。これによって、昇圧、力率の改善、及び高調波の抑制を行うことができる。高速スイッチング制御では、前記したように、回路電流isが正弦波状になるため(図9(b)参照)、特に力率の改善や高調波の抑制に効果がある。
また、シャント抵抗SH_R1を流れる電流の検出値I1に基づいてスイッチング素子Q1〜Q4を制御することで、前記したように、高効率で電力変換を行うことができる。
さらに、同期整流動作中に過大な回路電流is(図5参照)が流れている場合や(S103:Yes)、力率改善動作中に過大な短絡電流isp(図7参照)が流れている場合(S109:Yes)、保護制御が実行される(S106)。これによって、電力変換装置1の信頼性を高めることができる。
≪第2実施形態≫
第2実施形態は、スイッチング素子Q2(図15参照)を介して接続点N1(図15参照)に向かう短絡電流ispを検出するシャント抵抗SH_R3(図15参照)を設けている点が、第1実施形態とは異なっている。なお、その他については第1実施形態と同様である。したがって、第1実施形態とは異なる部分について説明し、重複する部分については説明を省略する。
<電力変換装置の構成>
図15は、第2実施形態に係る電力変換装置1Aの構成図である。
図15に示すように、電力変換装置1Aは、第1実施形態で説明した構成(図1参照)に加えて、シャント抵抗SH_R3(第3シャント抵抗)を備えている。このシャント抵抗SH_R3は、その一端がスイッチング素子Q2のソースに接続され、他端が、シャント抵抗SH_R1,SH_R2の接続点N4に接続されている。
また、図15では図示を省略したが、シャント抵抗SH_R3の両端に接続され、このシャント抵抗SH_R3に流れる短絡電流ispの値をコンバータ制御部15dに出力する増幅回路が設置されている。そして、前記した増幅回路及びシャント抵抗SH_R3によって、接続点N4から接続点N1に向かう短絡電流ispを検出するようになっている。
なお、交流電源電圧vsが負の半サイクルの期間において、平滑コンデンサC1を介さずに、平滑コンデンサC1の負極側に接続されたスイッチング素子Q2,Q4、及びリアクトルL1を介して流れる短絡電流ispを検出する「第3電流検出部」は、シャント抵抗SH_R3と、前記した増幅回路と、を含んで構成される。
また、図15に示すシャント抵抗SH_R1(第1シャント抵抗)の抵抗値は、シャント抵抗SH_R3(第3シャント抵抗)の抵抗値よりも大きいことが好ましい。これによって、シャント抵抗SH_R1におけるSN比を十分に確保し、回路電流is(瞬時値)を高精度で検出できるからである。
<制御部が実行する処理>
図16は、電力変換装置1Aの制御部15が実行する処理を示すフローチャートである(適宜、図15を参照)。なお、図16に示すステップS101〜S109については、第1実施形態(図14参照)と同様であるから、説明を省略する。
ステップS101において同期整流動作を実行しておらず、前記した力率改善動作を実行している場合において(S101:No)、現時点での交流電源電圧vsが負であるとき(S107:No)、制御部15の処理はステップS201に進む。
ステップS201において制御部15は、シャント抵抗SH_R3に流れている電流(図15の破線矢印で示す短絡電流isp)の検出値I3を読み込む。
ステップS202において制御部15は、ステップS201で読み込んだ検出値I3が所定閾値I以上であるか否かを判定する。この所定閾値Iは、制御部15が誤動作しているか否かの判定基準となる閾値である。
例えば、交流電源電圧vsが負の半サイクルで力率改善動作を行う場合において、本来ならばスイッチング素子Q1,Q3がオンされるべきところを(図5(c)、(e)参照)、誤ってスイッチング素子Q2,Q4がオンされると、図15の破線矢印で示す経路に短絡電流ispが流れる。この短絡電流ispが流れているか否か(つまり、制御部15が誤動作しているか否か)を判定するために、シャント抵抗SH_R3が設けられている。
ステップS202において検出値I3が所定閾値I以上である場合(S202:Yes)、制御部15の処理はステップS203に進む。一方、検出値I3が所定閾値I未満である場合(S202:No)、制御部15の処理は「START」に戻る(RETURN)。
ステップS203において制御部15は、誤動作が生じていると判定する。つまり、制御部は、自身によるスイッチング素子Q1〜Q4のオン・オフに誤りがあると判定する。
ステップS204において制御部15は、保護制御を実行する。例えば、制御部15は、負荷Hへの出力電流を減少させるか、又は、負荷Hを停止させる。これによって、誤ったスイッチングが継続されることを防止し、電力変換装置1や負荷Hを保護できる。
ステップS204の処理を行った後、制御部15の処理は「START」に戻る(RETURN)。
<効果>
本実施形態によれば、シャント抵抗SH_R3に流れている電流の検出値I3に基づき、スイッチング素子Q1〜Q4のオン・オフに誤動作が生じていると判定された場合には(S202:Yes、S203)、保護制御が実行される(S204)。これによって、誤ったスイッチングが継続されることを防止できるため、第1実施形態よりも電力変換装置1Aの信頼性を第1実施形態よりもさらに高めることができる。
≪第3実施形態≫
第3実施形態は、力率改善動作を行っている場合において、交流電源電圧vsが負の半サイクルのときに流れる短絡電流ispを検出する短絡電流検出部31(図17参照)を設けている点が、第2実施形態とは異なっている。なお、その他については第2実施形態と同様である。したがって、第2実施形態とは異なる部分について説明し、重複する部分については説明を省略する。
<電力変換装置の構成>
図17は、第3実施形態に係る電力変換装置1Bの構成図である。
図17に示すように、電力変換装置1Bは、第2実施形態で説明した構成(図15参照)に加えて、短絡電流検出部31(第4電流検出部)を備えている。この短絡電流検出部31は、交流電源電圧vsが負の半サイクルの期間において、平滑コンデンサC1を介さずに、平滑コンデンサC1の正極側に接続されたスイッチング素子Q1,Q3、及びリアクトルL1を介して流れる短絡電流ispを検出する機能を有している。
図17に示すように、短絡電流検出部31は、シャント抵抗SH_R4,SH_R5と、発光ダイオードD6と、ダイオードD7と、フォトトランジスタQ5と、を備えている。
シャント抵抗SH_R5は、配線hcに設けられ、その一端がスイッチング素子Q1のドレインに接続され、他端がスイッチング素子Q3のドレインに接続されている。
互いに直列接続されたシャント抵抗SH_R4及び発光ダイオードD6は、図17に示すように、シャント抵抗SH_R5に並列接続されている。そして、破線矢印で示すように、スイッチング素子Q3、シャント抵抗SH_R4、発光ダイオードD5、及びスイッチング素子Q1を順次に介して短絡電流ispが流れると、それに伴って発光ダイオードD6が発光するようになっている。なお、発光ダイオードD6には、保護用のダイオードD7が逆並列に接続されている。
フォトトランジスタQ5は、発光ダイオードD6から受光した光を電気信号に変換し、この電気信号をコンバータ制御部15dに出力する素子である。
<制御部が実行する処理>
図18A,図18Bは、電力変換装置1Bの制御部15が実行する処理を示すフローチャートである(適宜、図17を参照)。
なお、図18A,図18Bに示すステップS101〜S109については第1実施形態(図14参照)と同様であり、ステップS201〜S204については第2実施形態(図16参照)と同様であるから、説明を省略する。
図18AのステップS101において同期整流動作を実行しておらず、前記した力率改善動作を実行している場合において(S101:No)、交流電源電圧vsの極性が負である場合(S201:No)、制御部15の処理は、図18BのステップS301に進む。
ステップS301において制御部15は、シャント抵抗SH_R4に流れている電流(図17の破線矢印で示す短絡電流isp)の検出値I4を読み込む。
ステップS302において制御部15は、ステップS301で読み込んだ検出値I4が所定閾値I以上であるか否かを判定する。この所定閾値Iは、短絡電流ispが過大であるか否かの判定基準となる閾値である。
ステップS302において検出値I4が所定閾値I以上である場合(S302:Yes)、制御部15の処理はステップS303に進む。
ステップS303において制御部15は、ブリッジ回路10に過電流が流れていると判定する。つまり、制御部15は、交流電源電圧vsの負の半サイクルにおいて、リアクトルL1を介した短絡経路(図7の破線矢印を参照)に過大な短絡電流ispが流れていると判定する。
ステップS304において制御部15は、保護制御を実行する。例えば、制御部15は、負荷Hへの出力電流を減少させるか、又は、負荷Hを停止させる。これによって、ブリッジ回路10に過電流が流れることを防止できる。つまり、交流電源電圧vsが負の半サイクルの期間での力率改善動作中に過電流が流れたときには、ステップS301〜S304の処理によって、その瞬間に(つまり、同期整流動作に切り替わるよりも早く)保護制御を開始できる。したがって、早いタイミングで過電流を抑えることができるため、電力変換装置1の信頼性を高めることができる。
ちなみに、交流電源電圧vsが正の半サイクルの期間での力率改善動作中に過電流が流れたか否かは、第1実施形態で説明したように、ステップS109(図18A参照)の処理で判定される。
ステップS304の処理を行った後、制御部15の処理は、図18Aの「START」に戻る(図18Aの「RETURN」)。また、図18BのステップS302において検出値I4が所定閾値I未満である場合(S302:No)、制御部15の処理はステップS201に進む。なお、ステップS201〜S201の処理は、第2実施形態で説明したとおりである。
<効果>
本実施形態によれば、交流電源電圧vsが負の半サイクルの期間での力率改善動作中に過電流が流れたときには(S302:Yes、S303)、次の同期整流動作に切り替わる前に保護制御を開始できる(S304)。これによって、電力変換装置1Bの信頼性を第2実施形態よりもさらに高めることができる。
≪第4実施形態≫
第4実施形態は、シャント抵抗SH_R1を流れる電流の検出値に基づいて、スイッチング素子Q1〜Q4のオン・オフに誤りがあるか否かを判定する点が第1実施形態とは異なっている。なお、その他については第1実施形態と同様である。したがって、第1実施形態とは異なる部分について説明し、重複する部分については説明を省略する。
図19(a)は、第4実施形態に係る電力変換装置1Cにおいて、交流電源電圧vsが正の半サイクルのときの誤動作によって短絡電流iscが流れている状態を示す説明図である。
電力変換装置1Cは、シャント抵抗SH_R1を用いて、平滑コンデンサC1の負極から接続点N4に向かう電流を検出するとともに、これとは逆向きの電流も検出できるようになっている。第1実施形態(図1参照)で説明した構成に、前記した逆向きの電流を検出するための増幅回路(図示せず)が追加することで、シャント抵抗SH_R1を介した双方向の電流検出が可能になる。
例えば、交流電源電圧vsが正の半サイクルの期間での力率改善動作中に、誤ってスイッチング素子Q1がオン状態になると、図19(a)に示す短絡電流iscが流れる。このような短絡電流iscがシャント抵抗SH_R1に流れた場合、制御部15は、負荷Hへの出力電流を減少させるか、又は、負荷Hを停止させる保護制御を行う。これによって、誤ったスイッチングが継続されることを防止できる。
図19(b)は、交流電源電圧vsが負の半サイクルのときの誤動作によって短絡電流iscが流れている状態を示す説明図である。
例えば、交流電源電圧vsが負の半サイクルで力率改善動作中に、誤ってスイッチング素子Q1がオン状態になると、図19(b)に示す短絡電流iscが流れる。このような場合でも、前記した保護制御を行うことで、誤ったスイッチングが継続されることを防止できる。
≪第5実施形態≫
第5実施形態は、電流検出部11の検出値Iと所定の閾値I,Iとの大小を比較し、その比較結果に基づいて制御モードを切り替える点が、第1実施形態とは異なっている。また、第5実施形態では、電力変換装置1の負荷Hが、空気調和機W(図21参照)の圧縮機41のモータ41aである点が、第1実施形態とは異なっている。なお、その他の構成(図1に示す電力変換装置1の構成や、各制御モードの内容)については、第1実施形態と同様である。したがって、第1実施形態と異なる部分について説明し、重複する部分については説明を省略する。
<空気調和機の構成>
図20は、第5実施形態に係る空気調和機Wが備える室内機U1、室外機U2、及びリモコンReの正面図である。
空気調和機Wは、冷媒回路4(図21参照)において周知のヒートポンプサイクルで冷媒を循環させることによって、空調(冷房運転、暖房運転、除湿運転等)を行う機器である。図20に示すように、空気調和機Wは、室内機U1と、室外機U2と、リモコンReと、を備えている。
室内機U1は、次に説明する室内熱交換器44(図21参照)、室内ファンF2等を備えている。
室外機U2は、次に説明する圧縮機41(図21参照)、室外熱交換器42、膨張弁43、室外ファンF1等を備えている。
なお、室内機U1と室外機U2とは、冷媒が通流する配管kを介して接続されるとともに、図示はしないが、通信線を介して接続されている。
リモコンReは、室内機U1との間で所定の信号(運転/停止指令、設定温度の変更、タイマの設定、運転モードの変更等)を送受信するものである。
図21は、空気調和機Wの構成図である。
図21に示すように、空気調和機Wは、電力変換装置1と、インバータ2と、冷媒回路4と、を備えている。なお、電力変換装置1の構成については、第1実施形態(図1参照)で説明したとおりである。
インバータ2は、電力変換装置1から印加される直流電圧を、例えば、PWM制御(Pulse Width Modulation)に基づいて交流電圧に変換する電力変換器である。
冷媒回路4は、圧縮機41と、室外熱交換器42と、膨張弁43と、室内熱交換器44と、が配管kを介して環状に順次接続された構成になっている。
圧縮機41は、モータ41aの駆動によって冷媒を圧縮する機器である。なお、モータ41aは、インバータ2から印加される交流電圧によって駆動する。
室外熱交換器42は、室外ファンF1から送り込まれる室内空気と、冷媒と、の熱交換が行われる熱交換器である。
膨張弁43は、室外熱交換器42又は室内熱交換器44から流れ込む冷媒を膨張させて減圧する減圧器である。
室内熱交換器44は、室内ファンF2から送り込まれる室内空気と、冷媒と、の熱交換が行われる熱交換器である。
そして、圧縮機41、室外熱交換器42、膨張弁43、及び室内熱交換器44が配管kを介して環状に順次接続されてなる冷媒回路4においてヒートポンプサイクルで冷媒を循環させるようになっている。
なお、空気調和機Wは、冷房用であってもよいし、また、暖房用であってもよい。また、冷房時と暖房時とで冷媒の流れる向きを切り替える四方弁(図示せず)を設けてもよい。
次に、電力変換装置1が備える電流検出部11(図1参照)の検出値(負荷)に基づいて、電力変換装置1の制御モードを切り替える処理について説明する。
図22は、負荷の大きさ、動作モード、及び機器の運転領域の関係を示す説明図である。
図22に示す「中間運転領域」は、負荷(つまり、電流検出部11の検出値:図1参照)が比較的小さい領域である。本実施形態では、負荷の大きさが閾値I未満である場合に「同期整流制御」を行うことで、電力変換装置1の高効率化を図るようにしている。
図22に示す「定格運転領域」は、前記した「中間運転領域」よりも負荷が大きく、圧縮機41のモータ41a(つまり、図1に示す負荷H)を定格運転できる領域である。本実施形態では、負荷の大きさが閾値I以上かつ閾値I未満である場合に「部分スイッチング制御」を行うことで、昇圧、力率の改善、及び高調波の抑制を行うようにしている。
図22に示す「高負荷領域」は、負荷の大きさが比較的大きい領域である。例えば、外気温が非常に低いときに暖房運転を行う場合や、外気温が非常に高いときに冷房運転を行う場合の運転領域が「高負荷領域」に相当する。本実施形態では、負荷の大きさが閾値I以上である場合に「高速スイッチング制御」を行うことで、昇圧、力率の改善、及び高調波の抑制を行うようにしている。なお、閾値I,Iの大きさは、事前の実験やシミュレーションに基づいて適宜設定される。
<電力変換装置の動作>
図23は、電力変換装置1の制御部15が実行する処理を示すフローチャートである(適宜、図1を参照)。なお、図23の「START」時において、モータ41a(図21参照)が駆動しているものとする。
ステップS401において制御部15は、電流検出部11の検出値I(負荷)を読み込む。
ステップS402において制御部15は、ステップS401で読み込んだ検出値Iが閾値I(第1閾値)未満であるか否かを判定する。つまり、制御部15は、電流の検出値Iが「中間運転領域」(図22参照)に含まれるか否かを判定する。
電流の検出値Iが閾値I未満である場合(S402:Yes)、制御部15の処理はステップS403に進む。
ステップS403において制御部15は、同期整流制御を実行する。このように中間運転領域において同期整流制御を行うことで、第1実施形態で説明したように、電力変換を高効率で行うことができる。
また、ステップS402において電流の検出値Iが閾値I以上である場合(S402:No)、制御部15の処理はステップS404に進む。
ステップS404において制御部15は、電流検出部11の検出値Iが閾値I(第2閾値)未満であるか否かを判定する。つまり、制御部15は、電流の検出値Iが「定格運転領域」(図22参照)に含まれるか否かを判定する。ちなみに、前記した閾値Iは、閾値Iよりも大きな値である(図22参照)。
電流の検出値Iが閾値I未満である場合(S404:Yes)、制御部15の処理はステップS405に進む。
ステップS405において制御部15は、部分スイッチング制御を実行する。このように定格運転領域において部分スイッチング制御を行うことで、第1実施形態で説明したように、昇圧、力率の改善、及び高調波の抑制を行うことができる。
また、ステップS404において電流検出部11の検出値Iが閾値I以上である場合(S404:No)、制御部15の処理はステップS406に進む。
ステップS406において制御部15は、高速スイッチング制御を実行する。これによって、高負荷運転領域で大きな回路電流isが流れたとしても、力率を改善できるとともに、高調波を抑制できる。
ステップS403,S405,S406のいずれかの処理を行った後、制御部15の処理は「START」に戻る(RETURN)。
なお、電流の検出値Iが非常に小さい場合に、第1実施形態で説明したダイオード整流制御(図2,3参照)を行うようにしてもよい。
<効果>
本実施形態によれば、負荷の大きさに応じて制御モードを切り替えることで、電力変換装置1の高効率化を図るとともに、高調波を抑制できる。このような電力変換装置1を備えることで、エネルギ効率(つまり、APF:Annual Performance Factor)が高く、省エネ化を図った空気調和機Wを提供できる。
≪変形例≫
以上、本発明に係る電力変換装置1等について各実施形態により説明したが、本発明はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
≪第1の変形例≫
図24は、第1の変形例に係る電力変換装置1Dの構成図である。
図24に示す電力変換装置1Dは、第1実施形態で説明した電力変換装置1(図1参照)にリアクトルL2を追加した構成になっている。リアクトルL2は、接続点N2と交流電源Gとを接続する配線hbに設けられている。このようにリアクトルL2を設けることで、第1実施形態で説明した「力率改善動作」に伴うノイズを低減できる。
≪第2の変形例≫
図25は、第2の変形例に係る電力変換装置1Eの構成図である。
図25に示す電力変換装置1Eは、接続点N1を介してリアクトルL1に接続されるスイッチング素子Q1,Q2として、MOSFETではなく、IGBT(Insulated-Gate-Bipolar-Transistor)を用いている点が、第1実施形態(図1参照)とは異なっている。このようにスイッチング素子Q1,Q2としてIGBTを用いても、第1実施形態と同様の効果が奏される。なお、スイッチング素子Q1,Q2として、FRD(Fast-Recovery-Diode)を用いてもよい。
その他、スイッチング素子Q1〜Q4として、オン抵抗の小さいスーパージャンクションMOSFET(SJMOSFET)を用いてもよい。特に、逆回復時間(time of reverse recovery:trr)が比較的短い高速trrタイプのものを用いることが好ましい。前記した「逆回復時間」とは、逆回復電流が流れる時間であり、「逆回復電流」とは、寄生ダイオードD1〜D4に印加される電圧が順方向電圧から逆方向電圧に切り替わった瞬間に流れる電流である。例えば、逆回復時間が300nsec以下のSJMOSFETをスイッチング素子Q1〜Q4として用いることで損失を低減し、さらなる高効率化を図ることができる。
また、スイッチング素子Q1〜Q4として、オン抵抗が0.1Ω以下のものを用いることが好ましい。これによって、スイッチング素子Q1〜Q4における導通損失を低減できる。
また、スイッチング素子Q1,Q2の逆回復時間は、スイッチング素子Q3,Q4よりも短いことが好ましい。前記したように、同期整流制御、部分スイッチング制御、高速スイッチングでは、スイッチング素子Q1,Q2のオン・オフが、交流電源電圧vsの半サイクルごとに所定回数行われる。したがって、スイッチング素子Q1,Q2として逆回復時間の短いものを用いることで、逆回復電流が流れる時間が短くなるため、スイッチング損失を低減できる。ちなみに、スイッチング素子Q3,Q4については、オン・オフする頻度がスイッチング素子Q1,Q2に比べて少ないため、逆回復時間が比較的長い安価な素子を用いても効率にそれほど影響はない。
また、スイッチング素子Q1〜Q4として、例えば、SiC(Silicon Carbide)−MOSFETやGaN(Gallium nitride)を用いてもよい。これによって、電力変換装置1のエネルギ損失をさらに低減し、高効率化を図ることができる。
≪第3の変形例≫
図26は、第3の変形例に係る電力変換装置において、同期整流制御における交流電源電圧vs、回路電流is、及びスイッチング素子Q1〜Q4の駆動パルスの時間的変化を示す説明図である。
図26に示す変形例では、同期整流制御においてスイッチング素子Q2,Q4(図26(d)、(f)参照)をオン状態にする期間が、第1実施形態(図4(d)、(f)参照)よりも短くなっている。例えば、図26に示す変形例では、交流電源電圧vsが正の半サイクルでは、その一部の区間(回路電流isが流れている期間の一部)でスイッチング素子Q4をオン状態にしている。なお、正の回路電流isが流れている期間の一部でスイッチング素子Q4がオフ状態であっても、寄生ダイオードD4を介して電流が流れるため、同期整流制御に支障が生じることはない。
≪第4の変形例≫
図27は、第4の変形例に係る電力変換装置において、同期整流制御における交流電源電圧vs、回路電流is、及びスイッチング素子Q1〜Q4の駆動パルスの時間的変化を示す説明図である。
図27に示す変形例では、同期整流制御においてスイッチング素子Q1,Q3(図27(c)、(e)参照)をオン状態にする期間が、第1実施形態(図4(c)、(e)参照)よりも短くなっている。このようにスイッチング素子Q1,Q3を制御しても、同期整流制御を適切に行うことができる。
なお、同期整流制御において、交流電源電圧vsの極性に同期させてスイッチング素子Q3,Q4をオン・オフする処理に代えて、回路電流isが流れているか否かに応じてスイッチング素子Q3,Q4をオン・オフするようにしてもよい。
≪第5の変形例≫
図28は、第5の変形例に係る電力変換装置において、部分スイッチング制御における交流電源電圧vs、回路電流is・短絡電流isp、及びスイッチング素子Q1〜Q4の駆動パルスの時間的変化を示す説明図である。
図28に示す変形例では、部分スイッチング制御においてスイッチング素子Q3,Q4(図28(e)、(f)参照)をオン状態にする期間が、第1実施形態(図6(e)、(f)参照)よりも短くなっている。例えば、交流電源電圧vsが正の半サイクルでは、回路電流isが流れている期間の一部でスイッチング素子Q4をオン状態にしている。このようにスイッチング素子Q3,Q4を制御しても、部分スイッチング制御を適切に行うことができる。
≪第6の変形例≫
図29は、第6の変形例に係る電力変換装置において、部分スイッチング制御における交流電源電圧vs、回路電流is・短絡電流isp、及びスイッチング素子Q1〜Q4の駆動パルスの時間的変化を示す説明図である。
図29に示す変形例では、部分スイッチング制御においてスイッチング素子Q1,Q2(図29(c)、(d)参照)をオン状態にする期間が、第1実施形態(図6(c)、(d)参照)よりも短くなっている。例えば、交流電源電圧vsが正の半サイクルでは、回路電流が流れている期間の一部でスイッチング素子Q1をオン状態にしている。このようにスイッチング素子Q1,Q2を制御しても、部分スイッチング制御を適切に行うことができる。
≪第7の変形例≫
図30は、第7の変形例に係る電力変換装置において、同期整流制御における交流電源電圧vs、回路電流is、及びスイッチング素子Q1〜Q4の駆動パルスの時間的変化を示す説明図である。
図30に示す変形例は、同期整流制御の実行中、スイッチング素子Q1,Q3(図30(c)、(e)参照)がオフ状態で維持されている点が、第1実施形態(図4(c)、(e)参照)とは異なっている。例えば、交流電源電圧vsが正の半サイクルにおいてスイッチング素子Q1がオフ状態で維持されても、寄生ダイオードD1を介して回路電流isが流れるため、同期整流制御に支障が生じることはない。
≪第8の変形例≫
図31は、第8の変形例に係る電力変換装置において、同期整流制御における交流電源電圧vs、回路電流is、及びスイッチング素子Q1〜Q4の駆動パルスの時間的変化を示す説明図である。
図31に示す変形例は、同期整流制御の実行中、スイッチング素子Q2,Q4はオフ状態で維持され(図31(d)、(f)参照)、スイッチング素子Q1,Q3は交流電源電圧vsに同期してオン・オフされている点が(図31(c)、(e)参照)、第1実施形態(図4(c)〜(f)参照)とは異なっている。このようにスイッチング素子Q1〜Q4を制御しても、同期整流制御を適切に行うことができる。
なお、同期整流制御において、ブリッジ回路10に回路電流isが流れている期間のうち、交流電源電圧vsの絶対値|vs|が平滑コンデンサC1の電圧(直流電圧Vd)よりも小さい期間では、この平滑コンデンサC1の正極に接続されているスイッチング素子Q1,Q3をオフ状態にしてもよい。これによって、ブリッジ回路10を介して逆流電流が流れることを防止できる。
また、スイッチング制御(部分スイッチング制御、高速スイッチング制御)を行う場合において、リアクトルL1を介して短絡電流ispが流れる短絡経路(例えば、図7の破線矢印を参照)に含まれるスイッチング素子のうち、リアクトルL1に接続されているスイッチング素子を、交流電源電圧vsの絶対値|vs|が平滑コンデンサC1の電圧よりも小さい期間ではオフ状態にするようにしてもよい。これによって、ブリッジ回路10に逆流電流が流れることを防止できる。
≪第9の変形例≫
図32は、第9の変形例に係る電力変換装置において、部分スイッチング制御における交流電源電圧vs、回路電流is・短絡電流isp、及びスイッチング素子Q1〜Q4の駆動パルスの時間的変化を示す説明図である。
図32に示す変形例は、部分スイッチング制御において、交流電源電圧vsが正の半サイクルではスイッチング素子Q1がオフ状態で維持され(図32(c)参照)、交流電源電圧vsが負の半サイクルではスイッチング素子Q2がオフ状態で維持される点が(図32(d)参照)、第1実施形態(図6(c)、(d)参照)とは異なっている。このようにしても、例えば、交流電源電圧vsが正の半サイクルでは寄生ダイオードD1を介して回路電流isが流れるため、部分スイッチング制御を適切に行うことができる。
≪第10の変形例≫
図33は、第10の変形例に係る電力変換装置において、高速スイッチング整流制御における交流電源電圧vs、回路電流is・短絡電流isp、及びスイッチング素子Q1〜Q4の駆動パルスの時間的変化を示す説明図である。
図33に示す変形例は、高速スイッチング制御において、交流電源電圧vsが正の半サイクルではスイッチング素子Q1がオフ状態で維持され(図33(c)参照)、交流電源電圧vsが負の半サイクルではスイッチング素子Q2がオフ状態で維持される点が(図33(d)参照)、第1実施形態(図9(c)、(d)参照)とは異なっている。このようにしても、高速スイッチング制御を適切に行うことができる。
その他、例えば、交流電源電圧vsが正の極性の場合、スイッチング素子Q1,Q3,Q4をオフ状態で維持し、スイッチング素子Q2によって高速スイッチングを行うようにしてもよい(交流電源電圧vsが負の極性の場合も同様)。このように制御しても、力率を改善できるとともに、高調波を抑制できる。
≪他の変形例≫
図34は、他の変形例に係る電力変換装置の制御モードの切替えに関する説明図である。
図34に示す「同期整流」は、同期整流モードを意味している。また、「同期整流+部分SW」は、部分スイッチング制御に、前記した同期整流動作が含まれる(つまり、力率改善動作と同期整流動作とを交互に行う)ことを意味している。「同期整流+高速SW」とは、高速スイッチング制御に同期整流動作が含まれることを意味している。
また、「ダイオード整流+部分SW」とは、部分スイッチング制御にダイオード整流動作が含まれることを意味している。前記した「ダイオード整流動作」とは、寄生ダイオードD1等を介して回路電流isを流す動作である。つまり、「ダイオード整流+部分SW」とは、力率改善動作とダイオード整流動作とを交互に行うことで、部分スイッチング制御を行うことを意味している。「ダイオード整流+高速SW」とは、高速スイッチング制御にダイオード整流動作が含まれることを意味している。
例えば、制御方法X1に示すように、負荷(例えば、電流検出部11の検出値)が閾値I以上である場合には、同期整流動作を含む部分スイッチング制御を行い、負荷が閾値I未満である場合には、同期整流制御を行うようにしてもよい。
また、例えば、制御方法X2で示すように、負荷が閾値I以上である場合には、同期整流動作を含む高速スイッチング制御を行い、負荷が閾値I未満である場合には、同期整流制御を行うようにしてもよい。
図34に示す制御方法X3は、第5実施形態で説明した制御方法(図22、図23参照)と同一である。
また、例えば、制御方法X4に示すように、負荷が閾値I以上である場合には、ダイオード整流動作を含む部分スイッチング制御を行い、負荷が閾値I未満である場合には、同期整流制御を行うようにしてもよい。このようにダイオード整流動作を行うことで、交流電源電圧vsの半サイクルにおいて、オン状態にするスイッチング素子が1つで済むため、制御の簡略化を図ることができる。
図34に示す他の制御方法X5〜X8については説明を省略するが、効率・高調波の抑制・昇圧等を考慮して、制御方法を適宜設定すればよい。例えば、高効率化、高調波電流の抑制、及び昇圧が主目的である場合には、制御方法X1〜X3のいずれかを選択すればよい。また、高効率化は主目的でなく、高調波電流の抑制及び昇圧が主目的である場合には、制御方法X4〜X6を選択すればよい。
また、各実施形態では、電流検出部11(図1参照)の検出値に基づいて制御モードを切り替える場合について説明したが、これに限らない。すなわち、配線ha,hb(図1参照)に流れる電流と正の相関を有する「負荷」を、負荷検出部14(図1参照)によって検出し、この「負荷」の大きさに基づいて制御モードを切り替えるようにしてもよい。例えば、直流電圧検出部13の検出値(出力電圧)に基づいて、制御モードを切り替えるようにしてもよい。なお、負荷が大きくなるにつれて出力電圧も大きくなるため、複数の閾値によって分けられる負荷領域と出力電圧との関係は、図22と同様になる。
また、平滑コンデンサC1(図1参照)の出力側に接続されるインバータ2(図21参照)の電流値や、このインバータ2に接続されるモータ41a(図21参照)の回転速度、モータ41aの変調率に基づいて、制御モードを切り替えるようにしてもよい。前記した「変調率」とは、インバータ2の直流電圧に対するモータ41aの印加電圧(線間電圧)の実効値の比である。なお、負荷が大きくなるにつれてインバータ2に流れる電流(モータ41aの回転速度、変調率)も大きくなる。したがって、複数の閾値によって分けられる負荷領域と、インバータ2に流れる電流(モータ41aの回転速度、変調率)との関係は、図22と同様になる。
また、各実施形態では、シャント抵抗SH_R1(図1参照)によって回路電流isを検出する構成について説明したが、これに限らない。例えば、シャント抵抗SH_R1に代えて、高速の電流トランスを用いてもよい。
また、第1実施形態では、シャント抵抗SH_R1の抵抗値が、シャント抵抗SH_R2の抵抗値よりも大きい場合について説明し、第2実施形態では、シャント抵抗SH_R1の抵抗値が、シャント抵抗SH_R2,SH_R3の抵抗値よりも大きい場合について説明したが、抵抗値の大小関係はこれに限定されない。すなわち、電力変換装置1の使用条件等に応じて、シャント抵抗SH_R1,SH_R2,SH_R3等の抵抗値を適宜設定すればよい。
また、第1実施形態では、電力変換装置1(図1参照)がシャント抵抗SH_R1,SH_R2を備える構成について説明したが、過電流の有無を検出するためのシャント抵抗SH_R2を省略してもよい。
また、第2実施形態では、電力変換装置1A(図15参照)がシャント抵抗SH_R1,SH_R2,SH_R3を備える構成について説明したが、シャント抵抗SH_R2,SH_R3の一方を省略してもよい。
また、第3実施形態では、電力変換装置1B(図17参照)がシャント抵抗SH_R1,SH_R2,SH_R3,SH_R4,SH_R5を備える構成について説明したが、これに限らない。すなわち、シャント抵抗SH_R2,SH_R3,SH_R4,SH_R5のうち一つ又は複数を適宜省略してもよい。
また、スイッチング素子Q1〜Q4に、それぞれ、整流ダイオード(図示せず)を逆並列に接続してもよい。
また、各実施形態では、電力変換装置1が2レベルのコンバータである構成について説明したが、例えば、3レベルや5レベルのコンバータにも適用できる。
また、各実施形態では、負荷の大きさに応じて制御モードを切り替える処理について説明したが、電力変換装置1の用途や仕様によっては、負荷の大きさに関わらず、所定の制御モード(例えば、部分スイッチング制御)を実行するようにしてもよい。
また、各実施形態や変形例は、適宜組み合わせることができる。例えば、制御方法X1〜X8(図34参照)のいずれかを用いて電力変換を行うことで、第5実施形態で説明した圧縮機41(図21参照)のモータ41aを駆動するようにしてもよい。
また、第5実施形態では、電力変換装置1が空気調和機W(図21参照)に搭載される場合について説明したが、これに限らない。例えば、電車、自動車、冷蔵庫、給湯機、洗濯機、乗り物、バッテリへの充電設備等に電力変換装置1を搭載してもよい。
また、前記した各構成、機能、処理部、処理手段などは、それらの一部又は全部を、例えば集積回路などのハードウェアで実現してもよい。上記の各構成、機能などは、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈して実行することにより、ソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイルなどの情報を、メモリ、ハードディスクなどの記録装置、又は、フラッシュメモリカード、DVD(Digital Versatile Disk)等の記録媒体に記録してもよい。
また、各実施形態に於いて、制御線や情報線は、説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には、ほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
1,1A,1B,1C,1D,1E 電力変換装置
10 ブリッジ回路
L1 リアクトル
C1 平滑コンデンサ
Q1,Q2,Q3,Q4 スイッチング素子
D1,D2,D3,D4 寄生ダイオード
J1 第1レグ
J2 第2レグ
11 電流検出部(第5電流検出部)
12 交流電圧検出部
13 直流電圧検出部
14 負荷検出部
15 制御部
G 交流電源
H 負荷
ha 配線
SH_R1 シャント抵抗(第1電流検出部、第1シャント抵抗)
A1 増幅回路(第1電流検出部)
SH_R2 シャント抵抗(第2電流検出部、第2シャント抵抗)
A2 増幅回路(第2電流検出部)
SH_R3 シャント抵抗(第3電流検出部、第3シャント抵抗)
31 短絡電流検出部(第4電流検出部)
SH_R4,SH_R5 シャント抵抗(第4電流検出部)
D6 発光ダイオード(第4電流検出部)
D7 ダイオード(第4電流検出部)
Q5 フォトトランジスタ(第4電流検出部)
W 空気調和機
2 インバータ
4 冷媒回路
41 圧縮機
41a モータ
42 室外熱交換器
43 膨張弁
44 室内熱交換器
k 配管

Claims (12)

  1. ブリッジ形に接続された複数のスイッチング素子を有し、入力側は交流電源に接続され、出力側は負荷に接続されるブリッジ回路と、
    前記交流電源と前記ブリッジ回路とを接続する配線に設けられるリアクトルと、
    前記ブリッジ回路の出力側に接続され、前記ブリッジ回路から印加される電圧を平滑化して直流電圧にする平滑コンデンサと、
    前記平滑コンデンサを介した電流経路を流れる電流を検出する第1電流検出部と、
    前記電流経路に含まれる前記スイッチング素子のうち、前記平滑コンデンサの正極に接続されているスイッチング素子を、前記ブリッジ回路に電流が流れている期間の少なくとも一部でオン状態とし、前記電流経路に含まれないスイッチング素子をオフ状態で維持する同期整流動作を、前記第1電流検出部の検出値に基づいて実行する制御部と、を備えること
    を特徴とする電力変換装置。
  2. 前記制御部は、前記同期整流動作の実行中、前記第1電流検出部の検出値に基づいて、前記ブリッジ回路に過電流が流れていると判定した場合、前記負荷への出力電流を減少させるか、又は、前記負荷を停止させること
    を特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 前記交流電源の電圧が正の半サイクルの期間において、前記平滑コンデンサを介さずに前記リアクトルを介して流れる短絡電流を検出する第2電流検出部を備え、
    前記制御部は、
    複数の前記スイッチング素子のうち、前記短絡電流が流れる短絡経路において、前記リアクトルに接続されているスイッチング素子をオン状態にすることで力率を改善する力率改善動作と、前記同期整流動作と、を交互に実行し、
    前記交流電源の電圧が正の半サイクルの期間での前記力率改善動作の実行中、前記第2電流検出部の検出値に基づいて、前記ブリッジ回路に過電流が流れていると判定した場合、前記負荷への出力電流を減少させるか、又は、前記負荷を停止させること
    を特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
  4. 前記第1電流検出部は、前記電流経路に設けられる第1シャント抵抗を有し、
    前記第2電流検出部は、前記短絡経路に設けられる第2シャント抵抗を有し、
    前記第1シャント抵抗の抵抗値は、前記第2シャント抵抗の抵抗値よりも大きいこと
    を特徴とする請求項3に記載の電力変換装置。
  5. 前記交流電源の電圧が負の半サイクルの期間において、前記平滑コンデンサを介さずに、前記平滑コンデンサの負極側に接続された前記スイッチング素子、及び前記リアクトルを介して流れる短絡電流を検出する第3電流検出部を備え、
    前記制御部は、前記交流電源の電圧が負の半サイクルの期間での前記力率改善動作の実行中、前記第3電流検出部の検出値が所定閾値以上である場合、複数の前記スイッチング素子のオン・オフに誤りがあると判定し、前記負荷への出力電流を減少させるか、又は、前記負荷を停止させること
    を特徴とする請求項3に記載の電力変換装置。
  6. 前記第1電流検出部は、前記電流経路に設けられる第1シャント抵抗を有し、
    前記第3電流検出部は、前記平滑コンデンサの負極側に接続された前記スイッチング素子、及び前記リアクトルを介した経路に設けられる第3シャント抵抗を有し、
    前記第1シャント抵抗の抵抗値は、前記第3シャント抵抗の抵抗値よりも大きいこと
    を特徴とする請求項5に記載の電力変換装置。
  7. 前記交流電源の電圧が負の半サイクルの期間において、前記平滑コンデンサを介さずに、前記平滑コンデンサの正極側に接続された前記スイッチング素子、及び前記リアクトルを介して流れる短絡電流を検出する第4電流検出部を備え、
    前記制御部は、前記交流電源の電圧が負の半サイクルの期間での前記力率改善動作の実行中、前記第4電流検出部の検出値に基づいて、前記ブリッジ回路に過電流が流れていると判定した場合、前記負荷への出力電流を減少させるか、又は、前記負荷を停止させること
    を特徴とする請求項5に記載の電力変換装置。
  8. 前記ブリッジ回路に流れる電流を実効値として検出する第5電流検出部を備え、
    前記制御部は、複数の制御モードとして、
    前記同期整流動作を継続的に行う同期整流制御と、
    複数の前記スイッチング素子のうち、前記平滑コンデンサを介さずに前記リアクトルを介して短絡電流が流れる短絡経路において、前記リアクトルに接続されているスイッチング素子をオン状態にすることで力率を改善する力率改善動作と、前記同期整流動作と、を前記交流電源の電圧の半サイクルごとに交互に所定回数行う部分スイッチング制御と、
    前記同期整流動作と前記力率改善動作とを所定周期で交互に繰り返す高速スイッチング制御と、を有し、
    前記制御部は、
    前記第5電流検出部の検出値が第1閾値未満である場合、前記同期整流制御を実行し、
    前記第5電流検出部の検出値が前記第1閾値以上、かつ、前記第1閾値よりも大きい第2閾値未満である場合、前記部分スイッチング制御を実行し、
    前記第5電流検出部の検出値が前記第2閾値以上である場合、前記高速スイッチング制御を実行すること
    を特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
  9. 前記制御部は、前記交流電源の電圧のゼロクロスのタイミングで、前記制御モードの切替えを行うこと
    を特徴とする請求項8に記載の電力変換装置。
  10. 前記制御部は、前記部分スイッチング制御及び前記高速スイッチング制御の一方から他方に切り替える際、前記平滑コンデンサの電圧の変動を抑制するように、複数の前記スイッチング素子のオンデューティを調整すること
    を特徴とする請求項8に記載の電力変換装置。
  11. 複数の前記スイッチング素子は、スーパージャンクションMOSFET、SiC−MOSFET、又はGaNであること
    を特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
  12. 請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の電力変換装置と、
    前記電力変換装置から印加される直流電圧を交流電圧に変換するインバータと、
    前記インバータから印加される交流電圧で駆動するモータと、を備えるとともに、
    前記モータによって駆動する圧縮機と、室外熱交換器と、膨張弁と、室内熱交換器と、が配管を介して環状に順次接続されてなる冷媒回路を備えること
    を特徴とする空気調和機。
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