JP2015211488A - 昇圧回路及び空調調和機 - Google Patents

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Abstract

【課題】昇圧性能が高く、エネルギ効率の低下を抑制可能な昇圧回路等を提供する。【解決手段】ブリッジ形に接続されたダイオードD1〜D4を有し、交流電源40から配線c1,c2を介して入力される交流電圧を整流する整流回路と、前記整流回路から入力される電圧を平滑化するコンデンサ101と、配線c1,c2に設けられる昇圧用のリアクトルL1,L2と、交流電源40を介してリアクトルL1,L2を短絡接続するか否かを切り替えるスイッチ102及び短絡制御部105と、前記短絡接続が行われていない状態で、交流電源40からの電流がリアクトルL1,L2の一方をバイパスして通流可能となるように配置されるダイオードD5,D6と、を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、昇圧回路、及びこれを備える空気調和機に関する。
近年、家電製品等のエネルギ効率の指標としてAPF(Annual Performance Factor)が重視されている。なお、APFとは、所定の規格に基づく環境下で家電製品等を一年間運転した場合の運転効率であり、通年エネルギ消費効率とも呼ばれる。
例えば、空気調和機において、圧縮機のモータを低速回転域で駆動する時間は、高速回転域で駆動する時間よりも長い。したがって、前記したAPFを高くすることを目的として、圧縮機のモータの低速回転域でエネルギ効率が高くなるように空気調和機の電力変換器や制御装置が設計されている。
このように、モータの低速回転域でエネルギ効率が高くなるように電力変換器等を設計した場合、モータの高速回転域で誘起電圧が発生しやくなる。このような誘起電圧の発生を考慮し高速回転域で高電圧化を図るために、昇圧回路を用いて大きな直流電圧を生成する技術が知られている。
例えば、特許文献1には、交流電源又は整流手段からリアクトルを介して流れる短絡電流を制御するスイッチ手段と、このスイッチ手段の動作パルスを制御する制御手段と、を備えた直流電源装置について記載されている。前記したスイッチ手段をオン/オフすることで、交流電源からリアクトルを介して流れる短絡電流を制御し、昇圧動作を行うようになっている。
また、特許文献2には、交流電源と整流回路とを接続する配線に設けられたリアクトルと、整流回路のアノードコモンとなるダイオードの2素子に並列接続されたスイッチング素子を有する短絡回路と、を備える電力変換装置について記載されている。前記したスイッチング素子をオン/オフすることで、交流電源からリアクトルを介して流れる短絡電流を制御し、昇圧動作を行うようになっている。
特開2006−304586号公報 特開2011−109741号公報
特許文献1,2に記載の技術では、交流電源に接続される1個のリアクトルによって昇圧動作を行う構成になっているが、さらなる高電圧化を図るためにリアクトルのインダクタンス値を大きくする(つまり、巻数を増やす)ことが考えられる。このような場合、体積・コスト等の制約から、通常、比較的細い巻線が用いられる。そうすると、リアクトルの抵抗値も大きくなって導通損失が増加するため、エネルギ効率の低下を招いてしまう。
つまり、特許文献1,2に記載の技術では、モータの高速回転域(高入力時)の昇圧性能と、低速回転域(低入力時)のエネルギ効率と、がトレードオフの関係になっている。
そこで、本発明は、昇圧性能が高く、エネルギ効率の低下を抑制可能な昇圧回路等を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明に係る昇圧回路は、ブリッジ形に接続された複数の整流素子を有し、交流電源から配線を介して入力される交流電圧を整流する整流回路と、前記整流回路に接続され、当該整流回路から入力される電圧を平滑化する平滑部と、それぞれの前記配線に設けられる昇圧用のリアクトルと、前記交流電源を介して前記リアクトル同士を短絡接続するか否かを切り替えるスイッチ部と、前記スイッチ部による前記短絡接続が行われていない状態で、前記交流電源からの電流が前記リアクトルの一方をバイパスして通流可能となるように配置されるバイパス部と、を備え、前記バイパス部は、前記リアクトルよりも前記交流電源側における前記配線と、前記平滑部の正側と、に接続されるか、又は、前記リアクトルよりも前記交流電源側における前記配線と、前記平滑部の負側と、に接続されることを特徴とする。
なお、詳細については、発明を実施するための形態において説明する。
本発明によれば、昇圧性能が高く、エネルギ効率の低下を抑制可能な昇圧回路等を提供できる。
本発明の第1実施形態に係る昇圧回路を備える空気調和機のシステム構成図である。 (a)は、モータに入力される電圧及び電流と、モータの回転速度と、の関係を示す説明図であり、(b)は、モータの出力トルクと、モータの回転速度と、の関係を示す説明図である。 昇圧回路を備えるモータ駆動装置の構成図である。 高入力時において昇圧回路で短絡動作が行われているときの電流の流れを示す説明図である。 高入力時において昇圧回路で昇圧・整流動作が行われているときの電流の流れを示す説明図である。 低入力時において昇圧回路で整流動作が行われているときの電流の流れを示す説明図である。 本発明の第1実施形態の変形例に係る昇圧回路の構成図である。 本発明の第1実施形態の別の変形例に係る昇圧回路の構成図である。 本発明の第2実施形態に係る昇圧回路の構成図である。 高入力時において昇圧回路で短絡動作が行われているときの電流の流れを示す説明図である。 高入力時において昇圧回路で昇圧・整流動作が行われているときの電流の流れを示す説明図である。 低入力時において昇圧回路で整流動作が行われているときの電流の流れを示す説明図である。 本発明の第2実施形態に係る昇圧回路と、比較例2に係る昇圧回路と、において、整流動作時における電流の時間的変化を示すシミュレーション結果である。 本発明の第2実施形態に係る昇圧回路、及び、比較例2に係る昇圧回路の導通損失を示すグラフである。 本発明の第2実施形態に係る昇圧回路、及び、比較例2に係る昇圧回路において、モータの回転速度に対するモータ駆動装置の効率を示す説明図である。 本発明の第2実施形態の変形例に係る昇圧回路の構成図である。 本発明の第2実施形態の別の変形例に係る昇圧回路の構成図である。 本発明の第3実施形態に係る昇圧回路の構成図である。 比較例1に係る昇圧回路の構成図である。 別の比較例2に係る昇圧回路の構成図である。
≪第1実施形態≫
<空気調和機の構成>
図1は、本実施形態に係る昇圧回路を備える空気調和機のシステム構成図である。
空気調和機Pは、リモコンReから受信する信号に応じて、室内(被空調空間)を空調する装置である。空気調和機Pは、圧縮機21と、四方弁22と、モータ23と、モータ駆動装置24と、室外熱交換器25と、室外ファン26と、膨張弁27と、室内熱交換器28と、室内ファン29と、制御装置30a,30bと、を備えている。
図1に示すように、圧縮機21、四方弁22、室外熱交換器25、膨張弁27、及び室内熱交換器28が冷媒配管Hを介して環状に順次接続されることで、空気調和機Sの冷媒回路Gが構成されている。
圧縮機21は、四方弁22を介して流入する冷媒を圧縮し、高温高圧のガス冷媒にして吐出する装置である。
四方弁22は、冷房運転時と暖房運転時とで冷媒配管Hを介して流れる冷媒の向きを切り替えるための弁である。なお、図1に示す実線矢印は、冷房運転時において冷媒が流れる向きを表している(暖房運転時には逆向きになる)。
モータ23は、圧縮機21を駆動する電動機(例えば、同期モータ)であり、圧縮機21に連結されている。
モータ駆動装置24は、交流電源40(図3参照)から供給される交流電圧を直流電圧に変換し、この直流電圧をPWM(Pulse Width Modulation)制御に基づいて三相交流電圧に変換する。そして、モータ駆動装置24は、この三相交流電圧をモータ23に出力する。これによって、モータ23の電機子(図示せず)で回転磁界を発生させ、回転子(図示せず)を回転させるようになっている。
モータ駆動装置24は、本実施形態に係る昇圧回路100(図3参照)と、インバータ回路200(図3参照)と、を有している。なお、昇圧回路100及びインバータ回路200については後記する。
図2(a)はモータに入力される電圧及び電流と、モータの回転速度と、の関係を示す説明図であり、図2(b)はモータの出力トルクと、モータの回転速度と、の関係を示す説明図である。
なお、図2(a)の横軸はモータ23の回転速度であり、縦軸はモータ23に入力される電圧及び電流である。図2(b)の横軸はモータ23の回転速度であり、縦軸はモータ23の出力トルクである。
図2(a)、(b)の実線で示すように、モータ23の回転速度を上昇させる過程で、モータ23に入力される電圧が供給可能電圧V0(回転速度:N1)に達する。さらに、弱め界磁制御等に基づいてモータ23の電流を大きくする過程で、モータ23の出力トルクが出力トルク限界τ0(回転速度:N2)に達する。ちなみに、図2(a)に示す供給可能電圧V0の大きさは、後記する昇圧回路100(図3参照)から出力される直流電圧の大きさに対応している。
ところで、モータ23が低速回転域で高効率となるように設計されている場合、前記したように誘起電圧が発生しやすくなる。したがって、図2(a)の破線で示すように、モータ23の回転速度を上昇させる際に大きな電圧を要し、その分だけ供給可能電圧V0に達する回転速度N1Aが小さくなってしまう(N1A<N1)。
本実施形態では、後記する昇圧回路100(図3参照)によって昇圧を行うことで、モータ23への供給可能電圧を引き上げるようにした。図2(a)の破線で示す例では、モータ23への供給可能電圧が電圧値V1(回転速度:N1)になっており、高速回転域でも実線(高速回転域で高効率となる構成)の場合と同等の性能が確保されている。
再び、図1に戻って説明を続ける。室外熱交換器25は、室外ファン26から送られてくる外気と冷媒との熱交換を行う熱交換器である。室外ファン26は、ファンモータ26aの駆動によって室外熱交換器25に外気を送り込むファンである。
膨張弁27は、室外熱交換器25又は室内熱交換器28から流入する冷媒を減圧するための弁である。室内熱交換器28は、室内ファン29から送られてくる室内空気と冷媒との熱交換を行う熱交換器である。室内ファン29は、ファンモータ29aの駆動によって吸引した室内空気を室内熱交換器28に送り込むファンである。
制御装置30aは、室内機Iuに設置されており、リモコンReから受信する信号に応じて、膨張弁27及びファンモータ29aに指令信号を出力する。また、制御装置30aは、通信線を介して室外機Ouの制御装置30bとの間で通信を行う。
制御装置30bは、室外機Ouに設置されており、室内機Iuの制御装置30aから受信する信号に応じて、四方弁22、モータ駆動装置24、及びファンモータ26aに指令信号を出力する。
図3は、本実施形態に係る昇圧回路を備えるモータ駆動装置の構成図である。モータ駆動装置24は、交流電源40から入力される交流電圧の整流及び昇圧を行う昇圧回路100と、昇圧回路100から入力される直流電圧を三相交流電圧に変換するインバータ回路200と、を有している。
<昇圧回路の構成>
昇圧回路100は、交流電源40から入力される交流電圧を整流し、整流した電圧をコンデンサ101によって平滑化することで直流電圧を生成する電力変換器である。また、昇圧回路100は、リアクトルL1,L2に蓄えた磁気エネルギを放出することで昇圧を行う機能も有している。
図3に示すように、昇圧回路100は、整流回路(ダイオードD1〜D4)と、コンデンサ101と、リアクトルL1,L2と、スイッチ102と、電圧検出器103,104と、短絡制御部105と、バイパス用のダイオードD5,D6と、を有している。
(整流回路)
整流回路は、交流電源40から配線c1,c2を介して入力される交流電圧を全波整流する回路であり、ブリッジ形に接続された4個のダイオードD1〜D4(整流素子)を有している。
ダイオードD2のカソードは、ダイオードD1のアノードに接続され、その接続点K1は配線c1を介して交流電源40に接続されている。なお、配線c1は、一端が交流電源40に接続され、他端が前記した接続点K1に接続されている。
ダイオードD4のカソードは、ダイオードD3のアノードに接続され、その接続点K2は配線c2を介して交流電源40に接続されている。なお、配線c2は、一端が交流電源40に接続され、他端が前記した接続点K2に接続されている。
ダイオードD1のカソードと、ダイオードD3のカソードと、は互いに接続され、その接続点K3はコンデンサ101の正側に接続されている。ダイオードD2のアノードと、ダイオードD4のアノードと、は互いに接続され、その接続点K4はコンデンサ101の負側に接続されている。
(コンデンサ)
コンデンサ101(平滑部)は、整流回路(ダイオードD1〜D4)から入力される電圧を平滑化する機能を有している。前記したように、コンデンサ101の正側はダイオードD1,D3のカソードに接続され、負側はダイオードD2,D4のアノードに接続されている。
(リアクトル)
リアクトルL1,L2は、交流電源40から供給される電力を磁気エネルギとして蓄え、さらにこの磁気エネルギを放出することで昇圧を行う機能を有している。図3に示すように、リアクトルL1は配線c1に設けられ、リアクトルL2は配線c2に設けられている。
詳細については後記するが、スイッチ102が閉状態になった場合、交流電源40から供給される電力がリアクトルL1,L2に磁気エネルギとして蓄えられる(図4参照)。その後にスイッチ102が開状態に切り替えられた場合、リアクトルL1,L2から磁気エネルギが放出される(図5参照)。その結果、交流電源40から出力される電圧にリアクトルL1,L2の電圧が上乗せされ(つまり、昇圧され)、昇圧された電圧が平滑用のコンデンサ101に出力される。
(スイッチ)
スイッチ102(スイッチ部)は、交流電源40を介してリアクトルL1,L2同士を短絡接続するか否かを切り替える機能を有し、配線c3に設けられている。ここで、短絡接続とは、スイッチ102を閉状態にすることで、交流電源40から供給される電流がコンデンサ101を介することなくリアクトルL1,L2に流れるようにすることを意味している(図4参照)。
図3に示すように、リアクトルL1が設けられた配線c1と、スイッチ102が設けられた配線c3と、は接続点K1を介して接続されている。また、リアクトルL2が設けられた配線c2と、スイッチ102が設けられた配線c3と、は接続点K2を介して接続されている。スイッチ102が閉状態になると、交流電源40、リアクトルL1、スイッチ102、及びリアクトルL2が、環状に順次接続される(図4参照)。
なお、スイッチ102の開閉は、後記する短絡制御部105から入力される指令信号に従って行われる。
(電圧検出器)
電圧検出器103は、交流電源40の電圧値(つまり、交流電圧)を検出するものであり、配線c1,c2に接続されている。電圧検出器103は、検出した交流電圧の値を短絡制御部105に出力する。
電圧検出器104は、コンデンサ101の電圧(つまり、直流電圧)を検出するものであり、コンデンサ101の正側及び負側に接続されている。電圧検出器104は、検出した直流電圧の値を短絡制御部105に出力する。
(短絡制御部)
短絡制御部105(スイッチ部)は、電圧検出器103,104の検出結果と、モータ23の回転速度指令値と、に基づいて、スイッチ102を開閉する機能を有している。なお、モータ23の回転速度指令値は、現時点での室温や設定温度に基づいて室外機Ouの制御装置30b(図1参照)で生成され、さらに短絡制御部105に出力される。
例えば、モータ23の回転速度指令値が所定値以上であり、モータ23の駆動に高電圧を要する場合(高入力時)、短絡制御部105は交流電源40の半周期の間に短絡動作と整流・昇圧動作とを交互に行う。
前記した「短絡動作」とは、スイッチ102を閉状態にしてリアクトルL1,L2同士を短絡接続し(図4参照)、交流電源40から供給される交流電力でリアクトルL1,L2に磁気エネルギを蓄える動作を意味している。
また、「整流・昇圧動作」とは、スイッチ102を開状態にすることで(図5参照)、ダイオードD1〜D4によって交流電圧(磁気エネルギの放出で昇圧された電圧)を全波整流し、整流された電圧をコンデンサ101に出力する動作を意味している。
また、モータ23の回転速度指令値が所定値未満であり、モータ23の駆動に高電圧を要しない場合(低入力時)、短絡制御部105はスイッチ102を開状態で維持する(図6参照)。つまり、短絡制御部105は、前記した昇圧動作を行わずに整流動作のみを行う。なお、各動作の詳細については後記する。
(ダイオード)
バイパス用のダイオードD5,D6(バイパス部)は、前記した短絡接続が行われない低入力時に、交流電源40からの電流がリアクトルL1,L2の一方をバイパスするように配置されている(図6参照)。
すなわち、ダイオードD5のアノードは、リアクトルL1よりも交流電源40側における配線c1に接続されている。ダイオードD5のカソードは、コンデンサ101の正側に接続されている。
ダイオードD6のアノードは、リアクトルL2よりも交流電源40側における配線c2に接続されている。ダイオードD6のカソードは、コンデンサ101の正側に接続されている。
前記した整流動作のみを行う低入力時、短絡制御部105によってスイッチ102が開状態で維持される(図6参照)。そうすると、交流電源40からの電流がダイオードD5,D6を介して流れ、リアクトルL1,L2の一方をバイパスする(図6参照)。これによって、リアクトルL1,L2の両方を介して電流が流れる場合と比較して導通損失を低減し、高効率化を図ることができる。
<インバータ回路の構成>
図3に示すインバータ回路200は、コンデンサ101を介して入力される直流電圧を三相交流電圧に変換し、この三相交流電圧をモータ23に出力する電力変換器である。インバータ回路200は、スイッチング素子S7〜S12と、ダイオードD7〜D12と、インバータ制御部201と、を備えている。
図3に示すように、スイッチング素子S7,S8を備える第1レグと、スイッチング素子S9,S10を備える第2レグと、スイッチング素子S11,S12を備える第3レグと、が互いに並列接続されている。また、それぞれのスイッチング素子S7〜S12には、転流による破壊を防止するための還流ダイオードD11〜D16が逆並列に接続されている。
詳細な説明は省略するが、インバータ制御部201から入力されるPWM信号に従ってスイッチング素子S7〜S12のオン/オフを切り替えることで、配線u,v,wを介してモータ23の電機子に三相交流電圧が入力される。これによってモータ23の電機子で回転磁界が発生し、回転子(図示せず)でトルクを発生させるようになっている。
<高入力時:短絡動作>
例えば、空気調和機P(図1参照)の冷房運転の開始時、リモコンReから送信される設定温度に対して室温が高くなっていることが多い。このような場合、制御装置30bは、圧縮機21に連結されたモータ23を高速回転させ、冷媒配管Hを通流する冷媒の流量を大きくする。前記したように、モータ23の回転速度指令値は、制御装置30b(図1参照)から短絡制御部105(図3参照)に入力される。
モータ23の回転速度指令値が所定値以上である高入力時、短絡制御部105はコンデンサ101から出力される直流電圧の目標値を、モータ23の低速回転時よりも高い値に設定する。そして、短絡制御部105は、電圧検出器104から入力される直流電圧が前記した目標値となるように、短絡動作と(図4参照)、昇圧・整流動作(図5参照)と、を時間的に交互に実行する。
図4は、高入力時において昇圧回路で短絡動作が行われているときの電流の流れを示す説明図である。なお、図4では、インバータ回路200及びモータ23の図示を省略した(以下の図5等についても同様)。
例えば、電圧検出器104から入力される直流電圧の値が所定の目標値に達していない場合、短絡制御部105は、スイッチ102を閉状態に切り替えて短絡動作を開始する。そして、短絡制御部105は、電圧検出器103から入力される交流電圧の極性に基づき、交流電圧の半周期当たりで1回又は複数回、スイッチ102の開閉を行う。前記したように、スイッチ102が閉状態のときに「短絡動作」が行われてリアクトルL1,L2に磁気エネルギが蓄えられ(図4参照)、スイッチ102が開状態のときに「昇圧・整流動作」が行われる(図5参照)。
図4に示すようにスイッチ102が閉状態になると、リアクトルL1,L2同士がスイッチ102を介して短絡接続され、交流電源40からリアクトルL1,L2に短絡電流が流れる。
すなわち、図4の実線矢印で示すように、交流電源40からの正の電流が、リアクトルL1、スイッチ102、及びリアクトルL2を介して流れ、交流電源40に戻る。また、図4の破線矢印で示すように、交流電源40からの負の電流が、前記した向きとは逆向きに流れる。これによってリアクトルL1,L2の両方に磁気エネルギが蓄えられる。
<高入力時:昇圧・整流動作>
図5は、高入力時において昇圧回路で昇圧・整流動作が行われているときの電流の流れを示す説明図である。スイッチ102を閉状態から開状態に切り替えると、前記した短絡動作中に蓄えられていた磁気エネルギによって、リアクトルL1,L2で(L・dI/dt)の電圧が発生する。なお、前記した「L」はリアクトルL1,L2のインダクタンスであり、「dI/dt」は電流の時間微分値である。
スイッチ102が開状態に切り替えられるとリアクトルL1で電圧が発生し、接続点K1の電位がコンデンサ101の正側の電位よりも高くなる。同様に、リアクトルL2でも電圧が発生し、接続点K2の電位がコンデンサ101の負側の電位よりも低くなる。
その結果、図5の実線矢印で示すように、交流電源40からの正の電流が、リアクトルL1、ダイオードD1、コンデンサ101、ダイオードD4、及びリアクトルL2を介して流れ、交流電源40に戻る。また、図5の破線矢印で示すように、交流電源40からの負の電流が、リアクトルL2、ダイオードD3、コンデンサ101、ダイオードD2、及びリアクトルL1を介して流れ、交流電源40に戻る。
このように、モータ23の回転速度指令値が大きい高入力時には、2個のリアクトルL1,L2によって昇圧し、ダイオードD1〜D4によって整流する。したがって、回転速度指令値に応じた比較的高い直流電圧が、コンデンサ101からインバータ回路200に供給される。
なお、スイッチ102を閉状態から開状態に切り替えた直後において、バイパス用のダイオードD5,D6に電流が流れることはない。ダイオードD5,D6のアノードの電位は、コンデンサ101の正側の電位よりも低いからである。
<低入力時・整流動作>
図6は、低入力時において昇圧回路で整流動作が行われているときの電流の流れを示す説明図である。通常、空気調和機P(図1参照)の運転開始から時間が経過するにつれて、室温が設定温度に近づいていく。制御装置30bは、例えば、室温と設定温度との差が所定値以下になったとき、前記した高入力時の運転モードから低入力時の運転モードに切り替えて、モータ23の回転速度指令値を小さくする。これによって、冷媒配管Hを通流する冷媒の流量が小さくなる。
モータ23の回転速度指令値が所定値未満である低入力時には、リアクトルL1,L2を用いて昇圧する必要がない。したがって、短絡制御部105は、スイッチ102を開状態で維持する。
そうすると、図6の実線矢印で示すように、交流電源40からの正の電流が、ダイオードD5、コンデンサ101、ダイオードD4、及びリアクトルL2を介して流れ、交流電源40に戻る。また、図5の破線矢印で示すように、交流電源40からの負の電流が、ダイオードD6、コンデンサ101、ダイオードD2、及びリアクトルL1を介して流れ、交流電源40に戻る。なお、スイッチ102が開状態で維持されるため、リアクトルL1,L2に磁気エネルギは蓄えられていない。
このように、モータ23の回転速度指令値が小さい低入力時には、バイパス用のダイオードD5,D6を介して電流が流れ、リアクトルL1,L2の一方を迂回(バイパス)する。したがって、リアクトルL1,L2の両方を介して通電する場合と比較して、リアクトルL1,L2で生じる導通損失を低減できる。
<効果>
本実施形態に係る昇圧回路100によれば、高入力時には、スイッチ102を閉状態にすることでリアクトルL1,L2に磁気エネルギを蓄え(図4参照)、さらにスイッチ102を開状態に切り替えることで、リアクトルL1,L2の両方を用いて昇圧を行うことができる。このような動作を交互に繰り返すことで、比較的高い直流電圧をコンデンサ101からインバータ回路200に出力できる。
また、前記した短絡動作(図4参照)と昇圧・整流動作(図5参照)とを交互に繰り返すことで、コンデンサ101に入力される電圧と電流の位相を近づけることができ、力率を改善できる。なお、スイッチ102を開閉する周期を短くするほど、力率を1に近づけることができる。
また、低入力時にはスイッチ102を開状態で維持して整流動作のみを行い、バイパス用のダイオードD5,D6を介して電流を流す。これによって、交流電源40からの電流がリアクトルL1,L2の一方を迂回して流れる(図6参照)。つまり、電流が流れるリアクトルが1個になるため、リアクトルL1,L2の両方を介して電流が流れる場合と比較して導通損失を低減できる。
図19は、比較例1に係る昇圧回路の構成図である。図19に示す比較例1は、図3に示す本実施形態の構成からバイパス用のダイオードD5,D6を省略した構成になっている。
図19に示す構成では、低入力時にスイッチ102を開状態で維持して整流動作を行う場合、リアクトルL1,L2の両方に電流が流れる。そうすると、その分だけリアクトルL1,L2で導通損失が発生し、昇圧回路100Mの効率が低くなってしまう。
これに対して本実施形態では、整流動作のみを行う低入力時、リアクトルL1,L2のうち一方のみに(つまり、リアクトルL1,L2に関して時間的に交互に)電流が流れる。したがって、図19に示す比較例1と比べて高効率で整流動作を行うことができ、ひいては昇圧回路100を高効率で駆動できる。
すなわち本実施形態によれば、高入力時にはリアクトルL1,L2の両方で昇圧を行うことで高出力化を図り、低入力時にはリアクトルL1,L2の導通損失を低減して高効率化を図ることができる。つまり、高入力時と低入力時とにおいて通電するリアクトルの個数を変えることで、従来技術ではトレードオフになっていた高出力化と高効率化とを両立させることができる。
≪変形例1≫
図7は、第1実施施形態の変形例に係る昇圧回路の構成図である。図7に示す昇圧回路100Aは、バイパス用のダイオードD5,D6(バイパス部)がコンデンサ101の負側に接続されている点が第1実施形態の構成(図3参照)と異なるが、その他の点については第1実施形態と同様である。
ダイオードD5のアノードは、コンデンサ101の負側に接続されている。ダイオードD5のカソードは、リアクトルL1よりも交流電源40側における配線c1に接続されている。
ダイオードD6のアノードは、コンデンサ101の負側に接続されている。ダイオードD6のカソードは、リアクトルL2よりも交流電源40側における配線c2に接続されている。
なお、短絡制御部105の動作については、第1実施形態と同様であるから説明を省略する。図7に示す構成でも、第1実施形態と同様の作用・効果が奏される。
≪変形例2≫
図8は、第1実施施形態の別の変形例に係る昇圧回路の構成図である。図8に示す昇圧回路100Bは、第1実施形態で説明したスイッチ102(図3参照)に代えて、スイッチング素子S10と、ダイオードD15〜D18と、を備える点が第1実施形態と異なるが、その他の点については第1実施形態と同様である。
スイッチング素子S10(第1のスイッチング素子)は、短絡制御部105からオン信号が入力された場合、紙面下側に向かう電流の流れを許容する一方向性の素子である。つまり、スイッチング素子S10は、一方側に向かう電流の流れを許容することで短絡接続を行う機能を有している。なお、スイッチング素子S10として、例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を用いることができる。
ダイオードD15〜D18(整流部)は、交流電源40からスイッチング素子S10に向かう電流が前記した一方側に流れるように整流するためのものであり、ブリッジ形に接続されている。つまり、交流電源40からの正の電流がダイオードD15,D18を介して流れ、負の電流がダイオードD17,D16を介して流れるようになっている。
なお、短絡制御部105の動作については、第1実施形態と同様であるから説明を省略する。図8に示す構成を備えることで、スイッチング素子S10によって高速でスイッチングを行うことが可能となり、昇圧を行う際の力率をさらに改善できる。
≪第2実施形態≫
第2実施形態に係る昇圧回路100C(図9参照)は、ダイオードD2,D4(図3参照)に代えてスイッチング素子S21,S22を備える点と、配線c3(図3参照)及びスイッチ102を省略した点と、が第1実施形態と異なるが、その他については第1実施形態と同様である。したがって、第1実施形態と異なる部分について説明し、重複する部分については説明を省略する。
図9は、本実施形態に係る昇圧回路の構成図である。スイッチング素子S21,S22(第2のスイッチング素子)は、短絡制御部105からの指令に応じてオン/オフを切り替えることでリアクトルL1,L2を短絡接続したり(図10参照)、昇圧・整流動作を行ったりする機能を有している(図11、図12参照)。つまり、スイッチング素子S21,S22は、第1実施形態で説明したスイッチ102の機能と、ダイオードD2,D4の機能と、を兼ねている。
なお、整流回路が有する「ブリッジ形に接続された複数の整流素子」は、図9に示すダイオードD1,D3と、スイッチング素子S21,S22と、を含んで構成される。
スイッチング素子S21,S22として、例えば、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)を用いることができる。スイッチング素子S21には、転流による破壊を防止するための還流ダイオードD21が逆並列に接続されている(スイッチング素子S22についても同様)。
高入力時において短絡制御部105は、電圧検出器104から入力される直流電圧が所定の目標値となるように、短絡動作と(図10参照)、昇圧・整流動作(図11参照)と、を時間的に交互に実行する。
すなわち、短絡制御部105は、電圧検出器103から入力される交流電圧の極性が正である半周期において、スイッチング素子S21のオン/オフを1回又は複数回行い、スイッチング素子S22をオン状態で維持する。また、短絡制御部105は、電圧検出器103から入力される交流電圧の極性が負ある半周期において、スイッチング素子S22をオン状態で維持し、スイッチング素子S21のオン/オフを1回又は複数回行う。
なお、スイッチング素子S21,S22の両方がオン状態のときに短絡動作が行われる(図10参照)。スイッチング素子S21,S22のうち一方がオン、他方がオフのときに整流・昇圧動作が行われる(図11参照)。
<高入力時:短絡動作>
図10は、高入力時において昇圧回路で短絡動作が行われているときの電流の流れを示す説明図である。
スイッチング素子S21,S22の両方がオン状態になると、図10の実線矢印で示すように、交流電源40からの正の電流が、リアクトルL1、スイッチング素子S21、スイッチング素子S22、及びリアクトルL2を介して流れ、交流電源40に戻る。また、図10の破線矢印で示すように、交流電源40からの負の電流が、リアクトルL2、スイッチング素子S22、スイッチング素子S21、及びリアクトルL1を介して流れ、交流電源40に戻る。
このようにしてリアクトルL1,L2の両方に短絡電流が流れ、これらに磁気エネルギが蓄えられる。
<高入力時:昇圧・整流動作>
図11は、高入力時において昇圧回路で昇圧・整流動作が行われているときの電流の流れを示す説明図である。
交流電源40の交流電圧が正である半周期において、スイッチング素子S22をオン状態で維持しつつ、スイッチング素子S21がオンからオフに切り替えられた場合、図11の実線矢印で示すように電流が流れる。すなわち、交流電源40からの正の電流が、リアクトルL1、ダイオードD1、コンデンサ101、スイッチング素子S22、及びリアクトルL2を介して流れ、交流電源40に戻る。
また、交流電源40の交流電圧が負である半周期において、スイッチング素子S21をオン状態で維持しつつ、スイッチング素子S22がオンからオフに切り替えられた場合、図11の破線矢印で示すように電流が流れる。すなわち、交流電源40からの負の電流が、リアクトルL2、ダイオードD3、コンデンサ101、スイッチング素子S21、及びリアクトルL1を介して流れ、交流電源40に戻る。つまり、2個のリアクトルL1,L2によって昇圧しつつ、ダイオードD1,D3及びスイッチング素子S21,S22によって整流が行われる。
<低入力時・整流動作>
図12は、低入力時において昇圧回路で整流動作が行われているときの電流の流れを示す説明図である。
低入力時には昇圧を行う必要がないため、短絡制御部105は整流動作のみを行う。すなわち、短絡制御部105は、交流電圧の正の半周期においてスイッチング素子S21をオフ状態、スイッチング素子S22をオン状態にする。そうすると、図12の実線矢印で示すように、交流電源40からの正の電流が、ダイオードD5、コンデンサ101、スイッチング素子S22、及びリアクトルL2を介して流れ、交流電源40に戻る。
また、短絡制御部105は、交流電圧の負の半周期においてスイッチング素子S21をオン状態、スイッチング素子S22をオフ状態にする。そうすると、図12の破線矢印で示すように、交流電源40からの負の電流が、ダイオードD6、コンデンサ101、スイッチング素子S21、及びリアクトルL1を介して流れ、交流電源40に戻る。
つまり、モータ23の回転速度指令値が小さい低入力時には、リアクトルL1,L2のうち一方を迂回して電流が流れる。
このように短絡制御部105は、昇圧が不要である場合、交流電源40からの電流がバイパス用のダイオードD5,D6を介して流れるように、交流電圧の極性に応じてスイッチング素子S21,S22のオン/オフを制御する。
<効果>
本実施形態によれば、第1実施形態と同様に、高入力時にはリアクトルL1,L2の両方を用いて昇圧を行い、低入力時にはリアクトルL1,L2のうち一方のみに通電して整流を行うことができる。つまり、高入力時の高出力化と、低入力時での高効率化と、を両立できる。
また、低入力時には整流動作のみを行い、交流電圧の正負が切り替わる場合にのみスイッチング素子S21,S22のオン/オフを切り替える構成になっている。したがって、低入力時においてスイッチング素子S21,S22のスイッチング損失をほとんど発生させることなく、コンデンサ101からインバータ回路200に向けて直流電圧を供給できる。
また、本実施形態では、低入力時においてリアクトルL1,L2の一方のみを介して電流を流すとともに(図12参照)、オン抵抗の比較的小さいスイッチング素子S21,S22(例えば、MOSFET)を介して電流を流すことができる。したがって、昇圧回路100におけるエネルギ損失を低減し、高効率で整流動作を行うことができる。
図20は、比較例2に係る昇圧回路の構成図である。比較例2に係る昇圧回路100Nは、図9に示す本実施形態の構成からバイパス用のダイオードD5,D6が省略されている。つまり、高入力時及び低入力時においてリアクトルL1,L2の両方に電流を流す構成になっている。
図13は、本実施形態に係る昇圧回路(図9参照)と、比較例2に係る昇圧回路(図20参照)と、において、整流動作時における電流の時間的変化を示すシミュレーション結果である。図13では、交流電圧の正の半周期においてスイッチング素子S21をオフ、スイッチング素子S22をオンにしたときに流れる電流の時間的変化を示した。
本実施形態では整流動作時に通電するリアクトルが1個になるため、回路全体のインダクタンスが小さくなる。その結果、図13の実線で示す本実施形態の方が、破線で示す比較例2よりも電流の振幅値が大きくなっている。
図14は、本実施形態に係る昇圧回路(図9参照)、及び、比較例2に係る昇圧回路(図20参照)の導通損失を示すグラフである。
前記したように、電流の振幅値は比較例2よりも本実施形態の方が大きくなっているが、図14に示すように、導通損失については本実施形態のほうが小さくなっている。これは、本実施形態において整流動作を行う際、リアクトルL1,L2の一方のみに(交互に)電流が流れるため回路全体の抵抗値が小さくなるためである。このように、本実施形態によれば、比較例2よりも高効率で整流動作を行うことができる。
図15は、本実施形態に係る昇圧回路(図9参照)、及び、比較例2に係る昇圧回路(図20参照)において、モータの回転速度に対するモータ駆動装置の効率を示す説明図である。
前記したように、本実施形態では、低入力時において比較例2よりも昇圧回路100の導通損失を低減できる(図14参照)。したがって、図15に示すように、低入力時における効率を比較例2よりも高くすることができ、ひいては、空気調和機PのAPF(通年エネルギ消費効率)を大きくすることができる。また、モータ23の高速回転域では、リアクトルL1,L2の両方で昇圧を行うことで、図20に示す比較例2と同等の効率を確保できる。
≪変形例3≫
図16は、本実施形態の変形例に係る昇圧回路の構成図である。図16に示す昇圧回路100Dは、図10に示す昇圧回路100Cと比較して、ダイオードD23,D24を追加した点が異なるが、その他については第2実施形態と同様である。
図16に示すダイオードD23は、スイッチング素子S21に対して逆並列に接続されている。また、ダイオードD24は、スイッチング素子S22に対して逆並列に接続されている。
ダイオードD23を設置することで、仮にスイッチング素子S21及び還流ダイオードD21を有する電子部品P1に不具合が生じた場合でも、ダイオードD23によって電流が流れる経路を確保できる(ダイオードD24についても同様)。つまり、前記した不具合が生じた場合でも、少なくとも整流動作を継続して行うことができる。
≪変形例4≫
図17は、本実施形態の別の変形例に係る昇圧回路の構成図である。図17に示す昇圧回路100Eは、第2実施形態で説明したスイッチング素子S21,S22(図9参照)に代えてダイオードD2,D4を設置し、ダイオードD1,D3(図9参照)に代えてスイッチング素子S21,S22(第2のスイッチング素子)を設置した構成になっている。また、バイパス用のダイオードD5,D6がコンデンサ101の負側に接続されている点が、第2実施形態の構成と異なっている。
高入力時において短絡制御部105は、スイッチング素子S21,S22をオン状態にすることで短絡動作を行い、リアクトルL1,L2に磁気エネルギを蓄える。その後、短絡制御部105は、スイッチング素子S21,S22の一方(正の半周期ではスイッチング素子S21)をオン、他方(正の半周期ではスイッチング素子S22)をオフにすることで、昇圧・整流動作を行う。
また、低入力時において短絡制御部105は、交流電圧の極性に応じてスイッチング素子S21,S22の一方をオン、他方をオフとすることで、整流動作のみを行う。
図17に示す構成でも、第2実施形態(図9参照)と同様の作用・効果が奏される。
≪第3実施形態≫
第3実施形態に係る昇圧回路100F(図18参照)は、第2実施形態で説明した昇圧回路100C(図9参照)のダイオードD1,D3,D5,D6に代えて、スイッチング素子S31,S33,S35,S36を設置した点が異なるが、その他については第2実施形態と同様である。したがって、主に短絡制御部105が行う処理について説明し、第2実施形態と重複する部分については説明を省略する。
図18は、本実施形態に係る昇圧回路の構成図である。昇圧及び整流を行うためのスイッチング素子S31,S32,S33,S34(第3のスイッチング素子)、及び、バイパス用のスイッチング素子S35,S36には、短絡制御部105からオン/オフの指令信号が入力されるようになっている。
なお、整流回路が有する「ブリッジ形に接続された複数の整流素子」は、図18に示すスイッチング素子S31,S32,S33,S34を含んで構成される。
<高入力時:短絡動作>
短絡動作を行う際、短絡制御部105は、スイッチング素子S32,S34をオン状態、スイッチング素子S31,S33,S35,S36をオフ状態にする。そうすると、第2実施形態で説明した図10と同様の経路に電流が流れ、リアクトルL1,L2に磁気エネルギが蓄えられる。
<高入力時:昇圧・整流動作>
電圧検出器103から入力される交流電圧の極性が正である場合、短絡制御部105は、次のようにして昇圧・整流動作を行う。つまり、短絡制御部105は、スイッチング素子S32をオフに切り替え、スイッチング素子S34をオン状態で維持する。また、短絡制御部105は、スイッチング素子S31をオンに切り替え、スイッチング素子S33,S35、S36をオフ状態で維持する。そうすると、図11に示す実線と同様の経路に電流が流れる。
電圧検出器103から入力される交流電圧の極性が負である場合、短絡制御部105は、次のようにして昇圧・整流動作を行う。つまり、短絡制御部105は、スイッチング素子S34をオフに切り替え、スイッチング素子S32をオン状態で維持する。また、短絡制御部105は、スイッチング素子S33をオンに切り替え、スイッチング素子S31,S35、S36をオフ状態で維持する。そうすると、図11に示す破線と同様の経路に電流が流れる。
<低入力時:整流動作>
電圧検出器103から入力される交流電圧の極性が正である場合、短絡制御部105は、次のようにして整流動作を行う。つまり、短絡制御部105は、スイッチング素子S32をオフ状態とし、スイッチング素子S34をオン状態とする。また、短絡制御部105は、スイッチング素子S35をオンに切り替え、スイッチング素子S31,S33、S36をオフ状態にする。そうすると、図12に示す実線と同様の経路に電流が流れる。
電圧検出器103から入力される交流電圧の極性が負である場合、短絡制御部105は、次のようにして整流動作を行う。つまり、短絡制御部105は、スイッチング素子S34をオフ状態とし、スイッチング素子S32をオン状態とする。また、短絡制御部105は、スイッチング素子S36をオンに切り替え、スイッチング素子S31,S33、S36をオフ状態にする。そうすると、図12に示す破線と同様の経路に電流が流れる。
<効果>
本実施形態によれば、第1実施形態と同様に、高入力時にはリアクトルL1,L2の両方を用いて昇圧を行い、低入力時にはリアクトルL1,L2のうち一方のみに通電して整流を行うことができる。つまり、高入力時の高出力化と、低入力時での高効率化と、を両立できる。
また、各スイッチング素子として、例えば、オン抵抗の小さいMOSFETを用いることで回路全体の導通損失を低減し、昇圧回路100Fの効率を高めることができる。
≪他の変形例≫
以上、本発明に係る昇圧回路100等について各実施形態により説明したが、本発明はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
各実施形態では、昇圧回路100等が空気調和機P(図1参照)に搭載される場合について説明したが、これに限らない。例えば、冷蔵庫、空気圧縮機、ポンプ等、他の機器に昇圧回路100等を搭載してもよい。
また、第2実施形態では、スイッチング素子S21、S22としてMOSFETを用いる場合について説明したが、これに限らない。例えば、スイッチング素子S21,S22としてバイポーラトランジスタ、IGBT等、他の種類のスイッチング素子を用いてもよい。なお、第3実施形態等についても同様である。
また、各実施形態では、単相の交流電源40から昇圧回路100等に交流電力が供給される場合について説明したが、これに限らない。例えば、三相の交流電源(図示せず)から昇圧回路100等に三相交流電圧が供給される場合にも各実施形態を適用できる。
また、各実施形態を適宜組み合わせてもよい。例えば、第1実施形態の変形例(図7参照)と、第3実施形態(図18参照)と、を組み合わせ、図7に示すダイオードD2〜D6を全てスイッチング素子に置き換えた構成にしてもよい。
また、第3実施形態では、第2実施形態で説明したダイオードD1,D3,D5,D6の全てをスイッチング素子に置き換える構成について説明したが、これに限らない。すなわち、ダイオードD1,D3,D5,D6のうち任意のダイオードをスイッチング素子に置き換えた構成にしてもよい。
また、前記した各実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に記載したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能である。また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加える事も可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、前記した各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現しても良い。また、機構や構成は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての機構や構成を示しているとは限らない。
P 空気調和機
G 冷媒回路
21 圧縮機
22 四方弁
23 モータ
25 室外熱交換器
27 膨張弁
28 室内熱交換器
H 冷媒配管
40 交流電源
100,100A,100B,100C,100D,100E,100F 昇圧回路
101 コンデンサ(平滑部)
102 スイッチ(スイッチ部)
103 電圧検出器
104 電圧検出器
105 短絡制御部(スイッチ部)
200 インバータ回路
D1,D2,D3,D4 ダイオード(整流素子)
D5,D6 ダイオード(バイパス部)
D15、D16,D17,D18 ダイオード(スイッチ部、整流部)
L1,L2 リアクトル
S10 スイッチング素子(スイッチ部、第1のスイッチング素子)
S21,S22 スイッチング素子(整流素子、第2のスイッチング素子)
S31,S32,S33,S34 スイッチング素子(整流素子、第3のスイッチング素子)
S35,S36 スイッチング素子(バイパス部)
c1,c2 配線

Claims (8)

  1. ブリッジ形に接続された複数の整流素子を有し、交流電源から配線を介して入力される交流電圧を整流する整流回路と、
    前記整流回路に接続され、当該整流回路から入力される電圧を平滑化する平滑部と、
    それぞれの前記配線に設けられる昇圧用のリアクトルと、
    前記交流電源を介して前記リアクトル同士を短絡接続するか否かを切り替えるスイッチ部と、
    前記スイッチ部による前記短絡接続が行われていない状態で、前記交流電源からの電流が前記リアクトルの一方をバイパスして通流可能となるように配置されるバイパス部と、を備え、
    前記バイパス部は、
    前記リアクトルよりも前記交流電源側における前記配線と、前記平滑部の正側と、に接続されるか、
    又は、
    前記リアクトルよりも前記交流電源側における前記配線と、前記平滑部の負側と、に接続されること
    を特徴とする昇圧回路。
  2. 前記スイッチ部は、
    一方側に向かう電流の流れを許容することで前記短絡接続を行う第1のスイッチング素子と、
    前記交流電源から前記第1のスイッチング素子に向かう電流が前記一方側に流れるように整流する整流部と、を有すること
    を特徴とする請求項1に記載の昇圧回路。
  3. 前記整流回路において前記平滑部の正側に接続される二つの前記整流素子、又は、前記平滑部の負側に接続される二つの前記整流素子は、第2のスイッチング素子であり、
    前記スイッチ部は、それぞれの前記第2のスイッチング素子をオン状態にすることで前記短絡接続を行うこと
    を特徴とする請求項1に記載の昇圧回路。
  4. 前記スイッチ部は、
    前記短絡接続を行った後、前記交流電源の電圧の極性に応じて、前記第2のスイッチング素子の一方をオフに切り替えることで、それぞれの前記リアクトルによって昇圧を行うこと
    を特徴とする請求項3に記載の昇圧回路。
  5. 前記スイッチ部は、
    前記交流電源の電圧の半周期において、前記短絡接続及び前記昇圧のサイクルを1回又は複数回実行すること
    を特徴とする請求項4に記載の昇圧回路。
  6. 前記スイッチ部は、
    前記平滑部に出力される電圧の昇圧が不要である場合、前記交流電源からの電流が前記バイパス部を介して流れるように、前記交流電源の電圧の極性に応じて前記第2のスイッチング素子のオン/オフを制御すること
    を特徴とする請求項3に記載の昇圧回路。
  7. 複数の前記整流素子及び前記バイパス部のうち、一部又は全部は第3のスイッチング素子であり、
    前記スイッチ部は、
    前記平滑部に出力される電圧の昇圧を行う場合、前記交流電源を介して前記リアクトル同士を短絡接続した後、それぞれの前記リアクトルを介して電流が流れるように前記第3のスイッチング素子のオン/オフを制御し、
    前記平滑部に出力される電圧の昇圧が不要である場合、前記交流電源からの電流が前記バイパス部を介して流れるように、前記第3のスイッチング素子のオン/オフを制御すること
    を特徴とする請求項1に記載の昇圧回路。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の昇圧回路と、
    圧縮機と、四方弁と、室外熱交換器と、膨張弁と、室内熱交換器と、が冷媒配管を介して環状に順次接続されてなる冷媒回路と、
    前記圧縮機を駆動するモータと、
    前記昇圧回路から入力される直流電圧を交流電圧に変換し、当該交流電圧を前記モータに出力するインバータ回路と、
    を備えることを特徴とする空気調和機。
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