JP6671126B2 - 直流電源装置および空気調和機 - Google Patents

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Description

本発明は、交流電圧を直流電圧に変換する直流電源装置および、この直流電源装置を用いた空気調和機に関する。
電車、自動車、空気調和機などには、交流電圧を直流電圧に変換する直流電源装置が搭載されている。そして、直流電源装置から出力される直流電圧をインバータによって所定周波数の交流電圧に変換し、この交流電圧をモータなどの負荷に印加するようになっている。このような直流電源装置は、電力変換効率を高めて省エネルギ化を図ることが求められている。
そこで、特許文献1のように交流電源を直流電源に変換する直流電源装置において、回路にMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor-Field-Efect-Transistor)を備えた同期整流回路が提案されている。
特開2014−90570号公報
ところで、直流電源装置には省エネルギ化の他に、電子機器や配電・受電設備の保護といった観点から高調波電流の低減が求められており、そのためには電源力率の改善が必要である。そこで、電源力率改善のために交流電源と整流回路の間にリアクトルを設けて、電源半周期毎に少なくとも1回以上回路を短絡させることで電源力率の改善と直流電圧の昇圧を行う手法が一般的に用いられている。
ところで、直流電源装置に接続されている負荷が大きくなればなるほど、短絡回数を増やして力率の改善と直流電圧の昇圧を行わなければならない。しかし、スイッチング回数が増えるほどスイッチング損失が増えるため、回路損失としては大きくなってしまう。また、高速にスイッチングを行うためには電流検出の精度を上げる必要がある。
特許文献1の回路構成では、回路短絡時には同期整流を実施していないため回路損失は大きい。そして、回路を短絡するために第2の整流回路やスイッチング素子を追加しているため回路規模の増大やコストアップに繋がってしまう。更に、電流検出にカレントトランスを用いているため、高速スイッチングを行うためには高速のカレントトランスを用いる必要があるためコストアップになってしまう。
そこで本発明は、高効率かつ高調波電流の抑制を両立可能な直流電源装置を提供し、この直流電源装置を用いた空気調和機を提供することを課題とする。
前記した課題を解決するため、本発明の直流電源装置は、交流電源に接続され、第1ないし第4のダイオードを有する整流回路と、前記第3のダイオードを寄生ダイオードとして含むか、または前記第3のダイオードに並列接続されており、当該第3のダイオードがオフする方向に対して耐電圧特性を有し、かつ前記第1ないし第4のダイオードの順方向電圧降下よりも飽和電圧が低い第1のスイッチング素子と、前記第4のダイオードを寄生ダイオードとして含むか、または前記第4のダイオードに並列接続されており、当該第4のダイオードがオフする方向に対して耐電圧特性を有し、かつ前記第1ないし第4のダイオードの順方向電圧降下よりも飽和電圧が低い第2のスイッチング素子と、前記交流電源と前記整流回路との間に設けられるリアクトルと、前記整流回路の出力側に接続され、当該整流回路から印加される電圧を平滑化する平滑コンデンサと、前記第1,第2のスイッチング素子を制御する制御手段と、前記交流電源と前記整流回路との間に接続されて、前記整流回路に通流する平均電流を検出する第1の電流検出手段と、前記整流回路と前記平滑コンデンサの負極と間に接続されて、前記整流回路に通流する瞬時電流を検出する第2の電流検出手段とを備え、前記第1のダイオードのカソードと前記第1のスイッチング素子の一端とが前記平滑コンデンサの正極側に接続され、前記第1のダイオードのアノードと前記第2のダイオードのカソードとが前記交流電源の一端側に接続され、前記第1のスイッチング素子の他端と前記第2のスイッチング素子の一端とが前記交流電源の他端側に接続され、前記第2のダイオードのアノードと前記第2のスイッチング素子の他端とが前記平滑コンデンサの負極側に接続されており、前記第1の電流検出手段は、前記交流電源の一端側の電圧が正極性かつ前記第2のスイッチング素子がオフ状態の場合と、前記交流電源の一端側の電圧が負極性かつ前記第1のスイッチング素子がオフ状態の場合の瞬時電流を検出し、前記制御手段は、負荷の大きさに基づいて、前記交流電源の電圧の極性に同期して前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子とをスイッチングする同期整流制御を実施するモードと、前記同期整流制御および前記交流電源の半周期間に前記リアクトルを部分的に前記交流電源に短絡する制御を繰り返し複数回実施する部分スイッチング制御を同時に実施するモードとの切り替え、前記同期整流制御を実施するモードと、前記同期整流制御および交流全周期に亘って前記リアクトルを所定周波数で短絡する高速スイッチング制御を同時に実施するモードとの切り替え、前記同期整流制御を実施するモードと、前記同期整流制御および前記部分スイッチング制御を同時に実施するモードと、前記同期整流制御および前記高速スイッチング制御を同時に実施するモードとの切り替え、前記同期整流制御を実施するモードと、前記第1ないし第4のダイオードを用いるダイオード整流制御および前記部分スイッチング制御を同時に実施するモードとの切り替え、前記同期整流制御を実施するモードと、前記ダイオード整流制御および前記高速スイッチング制御を同時に実施するモードとの切り替え、前記同期整流制御を実施するモードと、前記ダイオード整流制御および前記部分スイッチング制御を同時に実施するモードと、前記ダイオード整流制御および前記高速スイッチング制御を同時に実施するモードとの切り替え、前記同期整流制御を実施するモードと、前記ダイオード整流制御および前記部分スイッチング制御を同時に実施するモードと、前記同期整流制御および前記高速スイッチング制御を同時に実施するモードとの切り替え、前記同期整流制御を実施するモードと、前記同期整流制御および前記部分スイッチング制御を同時に実施するモードと、前記ダイオード整流制御および前記高速スイッチング制御を同時に実施するモードとの切り替え、のうちいずれかを実施することを特徴とする。
その他の手段については、発明を実施するための形態のなかで説明する。
本発明によれば、高効率かつ高調波電流の抑制を両立可能な直流電源装置および、この直流電源装置を用いた空気調和機を提供可能となる。
本実施形態における直流電源装置を示す概略の構成図である。 交流電源電圧が正の極性の場合において、ダイオード整流を行ったときに回路に流れる電流経路を示した図である。 交流電源電圧が負の極性の場合において、ダイオード整流を行ったときに回路に流れる電流経路を示した図である。 交流電源電圧が正の極性の場合において、同期整流を行ったときに回路に流れる電流経路を示した図である。 交流電源電圧が負の極性の場合において、同期整流を行ったときに回路に流れる電流経路を示した図である。 同期整流時における、電源電圧と回路電流とMOSFETの駆動パルスの波形図である。 交流電源電圧が正の極性の場合において、力率改善動作を行った場合に回路に流れる電流経路を示した図である。 交流電源電圧が負の極性の場合において、力率改善動作を行った場合に回路に流れる電流経路を示した図である。 力率改善電流を通流させた場合における、電源電圧と回路電流とMOSFETの駆動パルスの波形図である。 高速スイッチングを行った場合の電源電圧と回路電流とMOSFETの駆動パルスの波形図である。 高速スイッチングを行った場合のMOSFETのデューティの関係を示した図である。 高速スイッチングを行い、デッドタイムを考慮した場合のMOSFETのデューティの関係を示した図である。 高速スイッチングを行った場合の交流電源電圧と回路電流の関係を示した図である。 交流電源電圧が正極性の場合に、リアクトルによる電流位相の遅れ分を考慮した場合のMOSFETのデューティを示した図である。 部分スイッチングの概要を説明した図である。 負荷の大きさに応じた直流電源装置の動作モードの切り替えを説明した図である。 部分スイッチングから高速スイッチングへ切り替える場合の電流波形を説明した図である。 電流検出のタイミングを示した図である。 交流電源電圧が正の極性の場合において、第2のスイッチング素子がオンの状態で、第1のスイッチング素子が誤動作によってオンしてしまい、回路に流れる短絡電流の経路を示した図である。 交流電源電圧が負の極性の場合において、第1のスイッチング素子がオンの状態で、第2のスイッチング素子が誤動作によってオンしてしまい、回路に流れる短絡電流の経路を示した図である。 交流電源電圧が負の極性の場合において、過電流を検知する回路を備える変形例を示した図である。 本実施形態における空気調和機の室内機、室外機、およびリモコンの正面図である。 負荷の大きさに応じて直流電源装置の動作モードと空気調和機の運転領域を切り替える様子を説明した概要図である。
以降、本発明を実施するための形態を、各図を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る直流電源装置1の構成図である。
図1に示すように、直流電源装置1は、交流電源VSから供給される交流電源電圧Vsを直流電圧Vdに変換し、この直流電圧Vdを負荷H(インバータ、モータなど)に出力するコンバータである。直流電源装置1は、その入力側が交流電源VSに接続され、出力側が負荷Hに接続されている。
直流電源装置1は、リアクトルL1と、平滑コンデンサC1と、ダイオードD1,D2,D3,D4、スイッチング素子であるMOSFET(Q1,Q2)および第1の電流検出手段であるシャント抵抗R1、第2の電流検出手段であるカレントトランス11と、第3の電流検出手段であるシャント抵抗R2とを備えている。ダイオードD1,D2,D3,D4と、MOSFET(Q1,Q2)とは、ブリッジ整流回路10を構成する。
なお、MOSFET(Q1,Q2)はスイッチング素子であり、ダイオードD3はMOSFET(Q1)の寄生ダイオードであり、ダイオードD4はMOSFET(Q2)の寄生ダイオードである。また、MOSFET(Q1)とMOSFET(Q2)の飽和電圧はダイオードD1,D2と寄生ダイオードD3,D4の順方向電圧降下よりも低い。
この直流電源装置1は更に、ゲイン制御部12と、交流電圧検出部13と、ゼロクロス判定部14と、負荷検出部15と、昇圧比制御部16と、直流電圧検出部17と、コンバータ制御部18とを備えている。コンバータ制御部18は、交流電源VSのリアクトルL1側の端子の電圧が正極性かつMOSFET(Q2)がオフ状態の場合と、交流電源VSの一端側の電圧が負極性かつMOSFET(Q1)がオフ状態の場合の瞬時電流を検出する。
ダイオードD1,D2とMOSFET(Q1,Q2)は、ブリッジ接続されている。ダイオードD1のアノードは、ダイオードD2のカソードに接続され、その接続点N1は配線hbを介して交流電源VSの一端に接続されている。
MOSFET(Q1)のソースは、MOSFET(Q2)のドレインに接続されている。MOSFET(Q1)のソースは、接続点N2と配線haとリアクトルL1とを介して交流電源VSの一端に接続されている。
ダイオードD2のアノードは、MOSFET(Q2)のソースに接続されている。
MOSFET(Q1)のドレインは、ダイオードD1のカソードに接続されている。
また、ダイオードD1のカソードとMOSFET(Q1)のドレインは、配線hcを介して平滑コンデンサC1の正極と負荷Hの一端に接続されている。更にダイオードD2とMOSFET(Q2)のソースはシャント抵抗R1とシャント抵抗R2と配線hdを介して、それぞれ平滑コンデンサC1の負極および負荷Hの他端に接続されている。シャント抵抗R1はMOSFET(Q2)のソース端子と平滑コンデンサC1の負極端子の間に接続されている。シャント抵抗R2はダイオードD2のアノードとMOSFET(Q2)のソース端子の間に接続されている。
リアクトルL1は、配線ha上、つまり交流電源VSとブリッジ整流回路10との間に設けられている。このリアクトルL1は、交流電源VSから供給される電力をエネルギとして蓄え、更にこのエネルギを放出することで昇圧を行う。
平滑コンデンサC1は、ダイオードD1やMOSFET(Q1)を通して整流された電圧を平滑化して、直流電圧Vdとする。この平滑コンデンサC1は、ブリッジ整流回路10の出力側に接続されており、正極側が配線hcに接続され、負極側が配線hdに接続される。
スイッチング素子であるMOSFET(Q1,Q2)は、後記するコンバータ制御部18からの指令によってオン/オフ制御される。スイッチング素子としてMOSFET(Q1,Q2)を用いることで、スイッチングを高速で行うことができ、更に電圧ドロップの小さいMOSFETに電流を流すことで、いわゆる同期整流制御を行うことが可能であり、回路の導通損失を低減できる。
このMOSFET(Q1,Q2)として、オン抵抗の小さいスーパージャンクションMOSFETを用いることで、導通損失を更に低減することが可能である。ここで、MOSFETの寄生ダイオードには、回路短絡動作時に逆回復電流が発生する。特にスーパージャンクションMOSFETの寄生ダイオードは、通常のMOSFETの寄生ダイオードに対して逆回復電流が大きく、スイッチング損失が大きいという課題がある。そこで、MOSFET(Q1,Q2)として、逆回復時間(trr:Reverse Recovery Time)が小さいMOSFETを使用することで、スイッチング損失を低減することができる。
ダイオードD1,D2はアクティブ動作時においても逆回復電流が発生しないため、その順方向電圧小さいものを選定することが好ましい。例えば、一般的な整流ダイオードや高耐圧のショットキーバリアダイオードを使用することで、回路の導通損失を低減することが可能である。
カレントトランス11は、回路に通流する平均電流を検出する機能を有している。このカレントトランス11は、ダイオードD5を通して整流し、抵抗R3と平滑コンデンサC2によって平滑することで、回路に通流する平均電流を検出している。
シャント抵抗R1,R2は、回路に流れる瞬時電流を検出する機能を有している。
ゲイン制御部12は、回路電流実効値Isと直流電圧昇圧比aから決定される電流制御ゲインKpを制御する機能を有している。このときKp×Isを所定値に制御することで、交流電源電圧Vsから直流電圧Vdをa倍に昇圧することができる。
交流電圧検出部13は、交流電源VSから印加される交流電源電圧Vsを検出するものであり、配線ha,hbに接続されている。交流電圧検出部13は、その検出値をゼロクロス判定部14に出力する。
ゼロクロス判定部14は、交流電圧検出部13によって検出される交流電源電圧Vsの値に関して、その正負が切り替わったか、つまり、ゼロクロス点に達したか否かを判定する機能を有している。ゼロクロス判定部14は、交流電源電圧Vsの極性を検出する極性検出部である。例えば、ゼロクロス判定部14は、交流電源電圧Vsが正の期間中にはコンバータ制御部18に‘1’の信号を出力し、交流電源電圧Vsが負の期間中にはコンバータ制御部18に‘0’の信号を出力する。
負荷検出部15は、例えば不図示のシャント抵抗によって構成され、負荷Hに流れる電流を検出する機能を有している。なお、負荷Hがインバータやモータである場合、負荷検出部15によって検出した負荷電流によってモータの回転速度やモータの印加電圧を演算してもよい。また、後記する直流電圧検出部17によって検出した直流電圧とモータの印加電圧から、インバータの変調率を演算してもよい。負荷検出部15は、その検出値(電流、モータ回転数、変調率等)を昇圧比制御部16に出力する。
昇圧比制御部16は、負荷検出部15の検出値から直流電圧Vdの昇圧比aを選定し、その選定結果をコンバータ制御部18に出力する。そして目標電圧まで直流電圧Vdを昇圧するようにコンバータ制御部18はMOSFET(Q1,Q2)に駆動パルスを出力することで、スイッチング制御を行う。
直流電圧検出部17は、平滑コンデンサC1に印加される直流電圧Vdを検出するものであり、その正側が配線hcに接続され、負側が配線hdに接続されている。直流電圧検出部17は、その検出値をコンバータ制御部18に出力する。なお、直流電圧検出部17の検出値は、負荷Hに印加される電圧値が所定の目標値に達しているか否かの判定に用いられる。
コンバータ制御部18を含むブロックMは、例えば、マイコン(Microcomputer:図示せず)であり、ROM(Read Only Memory)に記憶されたプログラムを読み出してRAM(Random Access Memory)に展開し、CPU(Central Processing Unit)が各種処理を実行するようになっている。コンバータ制御部18は、カレントトランス11またはシャント抵抗R1,R2、ゲイン制御部12、ゼロクロス判定部14、昇圧比制御部16、および直流電圧検出部17から入力される情報に基づいて、MOSFET(Q1,Q2)のオン/オフを制御する。なお、コンバータ制御部18が実行する処理については後記する。
本実施形態の直流電源装置1は、MOSFET(Q1,Q2)を上下に組んだ構成としている。この構成に変わる別形態として、本実施形態のダイオードD2の位置にMOSFET(Q1)を配置し、本実施形態のMOSFET(Q1)の位置にダイオードD2を配置する下2個の構成が考えられる。この構成の場合、後述する回路短絡動作を行った場合に、交流電源VSとMOSFET(Q1,Q2)との間にリアクトルL1を介さずに短絡電流が直接グランド(配線hd)を流れてしまうためノイズが過大となってしまう。
これを回避するため、本実施形態の直流電源装置1では、MOSFET(Q1,Q2)を上下に配置した構成としている。しかし、この構成の場合、前述した通り回路短絡動作を行ったときにMOSFET(Q1)の寄生ダイオードD3には逆回復電流(Irr)が発生する。この逆回復電流が大きいほど、更にはスイッチング回数が多いほどスイッチング損失は大きくなってしまう。そこで、本実施形態の直集電源装置ではMOSFET(Q1)にはIrrの小さい、つまり逆回復時間(trr)の速い高速trrタイプのMOSFETを用いている。
次に、本実施形態の直流電源装置1の動作モードについて説明する。
直流電源装置1の動作モードとしては、大きく分けてダイオード整流モード、同期整流モード、部分スイッチングモード、高速スイッチングモードの4つを考える。部分スイッチングモード、高速スイッチングモードは、コンバータがアクティブ動作(力率改善動作)をするモードであり、ブリッジ整流回路10に力率改善電流を通流させることで直流電圧Vdの昇圧と力率の改善を行うモードである。例えばインバータやモータなどの負荷が大きい場合には、直流電圧Vdを昇圧する必要がある。また、負荷が大きくなり、直流電源装置1に流れる電流が大きくなるにしたがって高調波電流も増大してしまう。そのため、高負荷の場合には、部分スイッチングモードまたは高速スイッチングモードで昇圧を行い、高調波電流の低減つまり、電源入力の力率を改善させる必要がある。
≪ダイオード整流モード≫
ダイオード整流モードは、4つのダイオードD1〜D4を用いて全波整流を行うモードである。このモードではMOSFET(Q1)およびMOSFET(Q2)はオフ状態である。
図2は交流電源電圧Vsが正の極性の場合において、ダイオード整流を行ったときに回路に流れる電流経路を示している。
図2において、交流電源電圧Vsが正の半サイクルの期間では、破線矢印で示す向きに電流が流れる。すなわち電流は、交流電源VS→リアクトルL1→寄生ダイオードD3→平滑コンデンサC1→シャント抵抗R1→シャント抵抗R2→ダイオードD2→カレントトランス11→交流電源VSの順に流れる。このとき、シャント抵抗R1に電流が流れるため、コンバータ制御部18は、シャント抵抗R1の端子電圧により瞬時電流値を検出する。またコンバータ制御部18は、カレントトランス11により平均電流を検出する。
図3は交流電源電圧Vsが負の極性の場合において、ダイオード整流を行ったときに回路に流れる電流経路を示している。
図3において、交流電源電圧Vsが負の半サイクルの期間では、破線矢印で示す向きに電流が流れる。すなわち電流は、交流電源VS→カレントトランス11→ダイオードD1→平滑コンデンサC1→シャント抵抗R1→寄生ダイオードD4→リアクトルL1→交流電源VSの順に流れる。
このとき、シャント抵抗R1に電流が流れるため、コンバータ制御部18は、シャント抵抗R1の端子電圧により瞬時電流を検出する。またコンバータ制御部18は、カレントトランス11で平均電流を検出する。
≪同期整流モード≫
前述のダイオード整流モードよりも高効率な動作を行うために、交流電源電圧Vsの極性に応じてMOSFET(Q1,Q2)をスイッチング制御することにより、同期整流制御を行う。
図4は、交流電源電圧Vsが正の極性の場合において、同期整流を行ったときに回路に流れる電流経路を示した図である。
図4において、交流電源電圧Vsが正の半サイクルの期間では、破線矢印で示す向きに電流が流れる。すなわち電流は、交流電源VS→リアクトルL1→MOSFET(Q1)→平滑コンデンサC1→シャント抵抗R1→シャント抵抗R1→シャント抵抗R2→ダイオードD2→カレントトランス11→交流電源VSの順に流れる。
このとき、シャント抵抗R1に電流が流れるため、コンバータ制御部18は、シャント抵抗R1の端子電圧により瞬時電流を検出する。またコンバータ制御部18は、カレントトランス11で平均電流を検出する。
このとき、MOSFET(Q2)は常時オフ、MOSFET(Q1)は常時オン状態である。仮にMOSFET(Q1)がオン状態で無い場合には、前述のダイオード整流動作のように電流はMOSFET(Q1)の寄生ダイオードD3を流れる。しかし通常、MOSFETの寄生ダイオードの特性は悪いため、大きな導通損失が発生してしまう。そこで、MOSFET(Q1)をオンさせて、MOSFET(Q1)のオン抵抗の部分に電流を流すことで、導通損失の低減を図ることが可能である。これが、いわゆる同期整流制御の原理である。なお、MOSFET(Q1)のオン動作開始のタイミングとしては、交流電源電圧Vsの極性が負から正に切り替わるゼロクロスのタイミングから行う。MOSFET(Q1)のオフさせるタイミングとしては、交流電源電圧Vsの極性が正から負に切り替わるタイミングである。
図5は、交流電源電圧Vsが負の極性の場合において、同期整流を行ったときに回路に流れる電流経路を示した図である。
図5において、交流電源電圧Vsが負の半サイクルの期間では、破線矢印で示す向きに電流が流れる。すなわち、交流電源VS→カレントトランス11→ダイオードD1→平滑コンデンサC1→シャント抵抗R1→MOSFET(Q2)→リアクトルL1→交流電源VSの順に電流が流れる。このとき、MOSFET(Q1)は常時オフ、MOSFET(Q2)は常時オン状態である。
このとき、シャント抵抗R1に電流が流れるため、コンバータ制御部18は、シャント抵抗R1の端子電圧により瞬時電流を検出する。またコンバータ制御部18は、カレントトランス11で平均電流を検出する。
なお、MOSFET(Q2)のオン動作開始のタイミングとしては、交流電源電圧Vsの極性が正から負に切り替わるゼロクロスのタイミングから行う。MOSFET(Q2)のオフさせるタイミングとしては、交流電源電圧Vsの極性が負から正に切り替わるタイミングである。
以上のように直流電源装置1を動作させることで、高効率動作が可能となる。
図6(a)〜(d)は、同期整流時における、交流電源電圧Vsと回路電流isとMOSFETの駆動パルスの波形図である。
図6(a)は交流電源電圧の瞬時値vsの波形を示し、図6(b)は回路電流isの波形を示している。図6(c)はMOSFET(Q1)の駆動パルス波形を示し、図6(d)はMOSFET(Q2)の駆動パルス波形を示している。
図6(a)に示すように交流電源電圧の瞬時値vsは、略正弦波状の波形である。
図6(c)に示すようにMOSFET(Q1)の駆動パルスは、交流電源電圧Vsの極性が正のときにHレベル、負のときにLレベルとなる。
図6(d)に示すようにMOSFET(Q2)の駆動パルスは、MOSFET(Q1)の駆動パルスとは反転しており、交流電源電圧Vsの極性が正のときにLレベル、負のときにHレベルとなる。
図6(b)に示すように、回路電流isは、交流電源電圧Vsが所定振幅に達した場合、つまり交流電源電圧Vsが直流電圧Vdに対して大きい場合に流れる。
≪高速スイッチング動作≫
次に直流電圧Vdの昇圧と力率の改善を行う高速スイッチング動作について説明する。
この動作モードでは、あるスイッチング周波数でMOSFET(Q1,Q2)をスイッチング制御して、リアクトルL1を介して回路を短絡させ(以降、力率改善動作と呼ぶ)、回路に短絡電流(以降、力率改善電流と呼ぶ)を通流させることで、直流電圧Vdの昇圧と力率の改善を行う。まず、力率改善電流を通流させた場合の動作について説明する。
交流電源電圧Vsが正のサイクルで同期整流を行った場合、電流の流れは図4の通りであり、MOSFET(Q1,Q2)の動作については前記した通りである。このとき、図6(b)に示したように、電源電圧に対して回路電流isは歪んでいる。これは、電流が流れるタイミングが交流電源電圧Vsに対して直流電圧Vdが小さくなった場合のみであることと、リアクトルL1の特性から生じるものである。
そこで、複数回に亘って回路に力率改善電流を通流させることで、回路電流isを正弦波に近づけることで力率の改善を行い、高調波電流を低減する。
図7は、電源電圧が正のサイクルでMOSFET(Q2)をオンさせた場合に流れる力率改善電流ispの経路を示した図である。
力率改善電流ispの経路としては、交流電源VS→リアクトルL1→MOSFET(Q2)→シャント抵抗R2→ダイオードD2→カレントトランス11→交流電源VS、の順である。このとき、リアクトルL1には、以下の式(1)で表されるエネルギが蓄えられる。このエネルギが平滑コンデンサC1に放出されることで、直流電圧Vdが昇圧される。
Figure 0006671126

交流電源電圧Vsが負のサイクルで同期整流を行った場合の電流の流れは図5の通りであり、MOSFET(Q1,Q2)の動作については前記の通りである。なお、このとき、シャント抵抗R2に電流が流れているため、このシャント抵抗R2で過電流検出を行う。
図8は、電源電圧が負のサイクルでMOSFET(Q1)をオンさせて力率改善電流ispを通流させた場合の経路を示した図である。
電流の経路としては、交流電源VS→カレントトランス11→ダイオードD1→MOSFET(Q1)→リアクトルL1→交流電源VSの順となる。このときも、前記したようにリアクトルL1にエネルギが蓄えられ、そのエネルギによって直流電圧Vdが昇圧される。
図9(a)〜(d)は、力率改善電流を2回通流させた場合(2ショットと呼ぶ)における、交流電源電圧Vsと回路電流isとMOSFET(Q1,Q2)の駆動パルスの波形図である。
図9(a)は交流電源電圧の瞬時値vsの波形を示し、図9(b)は回路電流isの波形を示している。図9(c)はMOSFET(Q1)の駆動パルス波形を示し、図9(d)はMOSFET(Q2)の駆動パルス波形を示している。
図9(a)に示すように交流電源電圧の瞬時値vsは、略正弦波状の波形である。
図9(c)に示すようにMOSFET(Q1)の駆動パルスは、交流電源電圧Vsの極性が正のときにHレベルとなり、更に所定タイミングで2回のLレベルのパルスとなる。交流電源電圧Vsの極性が負のときにLレベルとなり、更に所定タイミングで2回のHレベルのパルスとなる。
図9(c)に示すようにMOSFET(Q2)の駆動パルスは、MOSFET(Q1)の駆動パルスとは反転している。これは、力率改善動作と同期整流を組み合わせて行っているためである。例えば交流電源電圧Vsが正の極性の場合において、MOSFET(Q2)がオンして力率改善動作を行う。その後MOSFET(Q1)がオフした後、MOSFET(Q2)がオンしている区間は同期整流動作となる。このように、力率改善動作と同期性流動作を組み合わせることで、力率改善を行いつつ高効率動作が可能である。
図9(b)に示すように、回路電流isは、交流電源電圧Vsが正極性かつ、MOSFET(Q2)の駆動パルスがHレベルになったときに立ち上がり、交流電源電圧Vsが負極性かつ、MOSFET(Q1)の駆動パルスがHレベルになったときに立ち上がる。これにより、力率が改善される。
例えば交流電源電圧Vsが正の場合、力率改善動作中の電流経路は、図7に示すようになる。MOSFET(Q2)がオフしてMOSFET(Q1)がオンとなって同期整流動作に切り替わったときの電流経路は、図4に示すようになる。
なお、この力率改善動作と前述したダイオード整流動作を組み合わせてもよい。すなわち、交流電源電圧Vsが正の極性の場合、力率改善動作中の電流経路は図7に示すようになり、MOSFET(Q2)がオフした後、寄生ダイオードD3がオンとなってダイオード整流動作に切り替わったときの電流経路は図2に示すようになる。
図10(a)〜(d)は、高速スイッチングを行った場合の交流電源電圧Vsと回路電流isとMOSFET(Q1,Q2)の駆動パルスの波形図である。
図10(a)は交流電源電圧の瞬時値vsの波形を示し、図10(b)は回路電流isの波形を示している。図10(c)はMOSFET(Q1)の駆動パルス波形を示し、図10(d)はMOSFET(Q2)の駆動パルス波形を示している。
図10(a)に示すように交流電源電圧の瞬時値vsは、略正弦波状の波形である。
高速スイッチング動作においては、例えば電源電圧が正の極性の場合、力率改善動作時には、MOSFET(Q2)をオン、MOSFET(Q1)をオフ状態とすることで、力率改善電流ispを通流させる。次にMOSFET(Q2)をオフ状態にし、MOSFET(Q1)をオン状態にする。このように、このように力率改善動作の有無に応じてMOSFET(Q1,Q2)のオン、オフを切り替えているのは、同期整流を行っているためである。単純に高速スイッチング動作を行うためには、MOSFET(Q1)は常時オフ状態で、MOSFET(Q2)を一定周波数でスイッチング動作を行えばよい。しかし、このとき、MOSFET(Q2)オフ時にMOSFET(Q1)もオフ状態であると、電流はMOSFET(Q1)の寄生ダイオードD3を流れることになる。前記したように、この寄生ダイオードは特性が悪く、電圧ドロップが大きいために、導通損失が大きくなってしまう。そこで本実施形態では、MOSFET(Q2)のオフ時には、MOSFET(Q1)をオン状態にして同期整流を行うことで、導通損失を低減しているのである。
直流電源装置1に流れる回路電流is(瞬時値)は、以下の式(2)で表すことができる。
Figure 0006671126

さらに、この式(2)を書き換えると、以下の式(3)となる。
Figure 0006671126

式(4)は、回路電流is(瞬時値)と、回路電流実効値Isとの関係を示すものである。ここで、回路電流is(瞬時値)はシャント抵抗R1で検出した値であり、回路電流実効値Isはカレントトランス11にて検出した値である。
交流電源電圧Vsが正の極性の場合、MOSFET(Q2)をオフかつMOSFET(Q1)をオフにして力率改善動作を行う。このとき、シャント抵抗R1に電流は流れず、シャント抵抗R2に電流が流れる。この状態から、MOSFET(Q2)をオンさせて、MOSFET(Q1)をオフにして同期整流モードに変わったとき、シャント抵抗R1に電流が通流する。つまり、MOSFET(Q2)がオフ状態のとき(MOSFET(Q1)はオンまたはオフ)、言い換えると力率改善動作を行っていないときに回路電流is(瞬時値)を検出する。交流電源電圧Vsが負の極性の場合は同様にして、MOSFET(Q1)がオフ状態のとき(MOSFET(Q2)はオンまたはオフ)、言い換えると力率改善動作を行っていないときに回路電流is(瞬時値)を検出する。
Figure 0006671126

式(3)を変形して式(4)を代入すると、以下の式(5)となる。
Figure 0006671126

昇圧比の逆数を右辺とすると、以下の式(6)となる。
Figure 0006671126

さらに、MOSFETのデューティdは、式(7)のように表すことが可能である。
Figure 0006671126

以上より、式(6)に示したKp×Isを制御することで、交流電源電圧Vsの実効値のa倍に昇圧可能であり、そのときのMOSFETのデューティd(通流率)は、式(7)で与えることができる。
図11は、電源電圧半サイクル(正の極性)における、MOSFET(Q2)とMOSFET(Q1)の駆動パルスのオン・デューティの関係を示した図である。図11の縦軸はオン・デューティを示し、横軸は正の極性の電源電圧の半サイクル分の時間を示している。
破線で示したMOSFET(Q1)の駆動パルスのオン・デューティは、交流電源電圧Vsと比例している。2点鎖線で示したMOSFET(Q2)の駆動パルスのオン・デューティは、1.0からMOSFET(Q1)の駆動パルスのオン・デューティを減算したものとなる。
図11において、式(7)で示したように、回路電流isが大きくなるほど力率改善電流を流すためにスイッチング動作を行うMOSFET(Q2)の駆動パルスのデューティdは小さくなり、逆に回路電流isが小さいほどMOSFET(Q2)の駆動パルスのデューティdは大きくなる。同期整流を行う側のMOSFET(Q1)の駆動パルスのデューティdは、MOSFET(Q2)の駆動パルスのデューティdとは逆特性となる。
なお、実際には上下短絡を回避するためにデッドタイムを考慮する必要がある。図12は、電源電圧半サイクル(正の極性)における、デッドタイムを考慮したMOSFET(Q2)の駆動パルスのオン・デューティを実線で追記した図である。図12の縦軸はオン・デューティを示し、横軸は交流電源電圧Vsの正極性の半サイクル分の時間を示している。
このように、所定のデッドタイムを付与すると、MOSFET(Q2)の駆動パルスのデューティは、このデッドタイム分だけ小さくなる。
図13は、交流電源電圧Vsの瞬時値vsと、回路電流is(瞬時値)との関係を示した図である。実線は交流電源電圧Vsの瞬時値vsを示し、破線は回路電流isの瞬時値を示している。図13の横軸は正の極性の電源電圧の半サイクル分の時間を示している。
図13に示すように、高速スイッチング制御により、交流電源電圧Vsの瞬時値vsと回路電流is(瞬時値)とは両方とも略正弦波状となり、よって力率を改善することができる。
MOSFET(Q2)のデューティdQ2を、以下の式(8)に示す。
Figure 0006671126

MOSFET(Q1)のデューティdQ1を、以下の式(9)に示す。
Figure 0006671126

また、電源電圧と電流の関係をみると、回路電流isは正弦波状に制御されているため、力率は良い状態である。なお、これはリアクトルL1のインダクタンスが小さく電源電圧に対して電流の位相遅れが無い状態を想定している。仮に、リアクトルL1のインダクタンスが大きく、電流位相が電圧位相に対して遅れる場合には、電流位相を考慮してデューティdを設定すればよい。
図14は、交流電源電圧Vsが正極性の場合に、リアクトルL1による電流位相の遅れ分を考慮した場合のMOSFET(Q2)のデューティを示した図である。図14の縦軸はMOSFET(Q2)のデューティを示し、横軸は正の極性の電源電圧の半サイクル分の時間を示している。
実線は、リアクトルL1による電流位相の遅れ分を考慮しない場合のMOSFET(Q2)のデューティを示している。破線は、リアクトルL1による電流位相の遅れ分を考慮した場合のMOSFET(Q2)のデューティを示している。このように制御することにより、リアクトルL1のインダクタンスが大きい場合であっても、電流を正弦波状に制御可能である。
以上、高速スイッチングと同期整流を組み合わせて実施する場合について説明を行ってきた。なお、前述したように高速スイッチングとダイオード整流を組み合わせてもよい。すなわち、交流電源電圧Vsが正の極性の場合、MOSFET(Q1)を常時オフ状態で、MOSFET(Q2)のみ高速スイッチングを行う。このように制御を行っても力率の改善効果を得ることができる。
≪部分スイッチング動作≫
前記したように、高速スイッチング動作を行うことで回路電流isを正弦波に成形することができ、高力率を確保することができる。しかし、スイッチング周波数が大きければ大きいほどスイッチング損失は大きくなる。
回路の入力が大きいほど、高調波電流も増大するので、特に高次の高調波電流の規制値を満足することが難しくなるため、入力電流が大きいほど高力率を確保する必要がある。逆に入力が小さい場合には高調波電流も小さくなるので必要以上に力率を確保する必要が無い場合がある。つまり、言い換えると負荷条件に応じて効率を考慮しつつ最適な力率を確保することで高調波電流を低減すればよいと言える。
そこで、スイッチング損失の増大を抑えつつ、力率を改善する場合には部分スイッチング動作を行えばよい。
部分スイッチング動作とは、高速スイッチング動作のように所定周波数で力率改善動作を行うのではなく、交流電源電圧Vsの半サイクルの中で、所定の位相で複数回力率改善動作を行うことで直流電圧Vdの昇圧と力率の改善を行う動作モードである。高速スイッチング動作の場合と比べてMOSFET(Q1,Q2)のスイッチング回数が少ない分、スイッチング損失の低減が可能である。以下、図15を用いて部分スイッチング動作の説明を行う。
図15(a)〜(d)は、交流電源電圧Vsが正のサイクルにおける、MOSFET(Q1)の駆動パルスと交流電源電圧Vs、回路電流isの関係を示した図である。
図15(a)は交流電源電圧の瞬時値vsを示し、図15(b)は回路電流isを示している。図15(c)はMOSFET(Q2)の駆動パルスを示し、図15(d)はMOSFET(Q1)の駆動パルスを示している。
図15(a)に示すように交流電源電圧の瞬時値vsは、略正弦波状である。
図15(b)の一点鎖線は、理想的な回路電流isを略正弦波状に示している。このとき、最も力率が改善される。
ここで例えば、理想電流上の点P1を考えた場合、この点での傾きをdi(P1)/dtとおく。次に、電流がゼロの状態から、MOSFET(Q2)を時間ton1_Q2に亘ってオンしたときの電流の傾きをdi(ton1_Q2)/dtとおく。さらに時間ton1_Q2に亘ってオンした後、時間toff_Q2に亘ってオフした場合の電流の傾きをdi(toff1_Q2)/dtとおく。このときdi(ton1_Q2)/dtとdi(toff1_Q2)/dtとの平均値が点P1における傾きdi(P1)/dtと等しくなるように制御する。
次に、点P1と同様に、点P2での電流の傾きをdi(P2)/dtとおく。そして、MOSFET(Q2)を時間ton2_Q2に亘ってオンしたときの電流の傾きをdi(ton2_Q2)/dtとおき、時間toff2_Q2に亘ってオフした場合の電流の傾きをdi(toff2_Q2)/dtとおく。点P1の場合と同様に、di(ton2_Q2)/dtとdi(toff2_Q2)/dtの平均値が点P2における傾きdi(P2)/dtと等しくなるようにする。以降これを繰り返していく。このとき、MOSFET(Q2)のスイッチング回数が多いほど、理想的な正弦波に近似することが可能である。
なお、このようにMOSFET(Q1)とMOSFET(Q2)のスイッチングを相補に切り替えているのは、部分スイッチング動作と同期整流動作を組み合わせて実施しているためである。
なお、場合によっては部分スイッチング動作とダイオード整流動作を組み合わせて実施してもよい。
≪制御モードの切り替え≫
本実施形態の直流電源装置は、ダイオード整流動作と同期整流動作と部分スイッチング動作と高速スイッチング動作の4つの機能を備えている。例えば使用する機器によっては、負荷条件によって、高効率化優先の領域、昇圧と力率改善優先の領域等、求められる性能が変わる場合がある。そこで、前述した4つのモードをある決められた閾値情報を基にして選択的に切り替えることで、より最適に高効率化と高調波電流の低減を両立可能となる。
図16は、負荷の大きさに応じた直流電源装置の動作モードの切り替えを説明した図である。この図において、第1の閾値を「閾値#1」、第2の閾値を「閾値#2」と省略して記載している。また、第1〜第8の制御方法を単に「#1」から「#8」と省略して記載している。
第1制御方法は、予め決められた第1の閾値情報に基づいて、同期整流制御を実施するモードと、同期整流制御および部分スイッチング制御を同時に実施するモードとを切り替えるというものである。なお、図面では、部分スイッチング制御のことを「部分SW」と省略して記載している。
第2制御方法は、予め決められた第1の閾値情報に基づいて、同期整流制御を実施するモードと、同期整流制御および高速スイッチング制御を同時に実施するモードとを切り替えるというものである。なお、図面では、高速スイッチング制御のことを「高速SW」と省略して記載している。
第3制御方法は、予め決められた第1、第2の閾値情報に基づいて、同期整流制御を行うモードと、同期整流制御および部分スイッチング制御を同時に実施するモードと、同期整流制御および高速スイッチング制御を同時に実施するモードと、を切り替えるというものである。
第4制御方法は、予め決められた第1の閾値情報に基づいて、同期整流制御を実施するモードと、ダイオード整流制御および部分スイッチング制御を同時に実施するモードとを切り替えるというものである。
第5制御方法は、予め決められた第1の閾値情報に基づいて、同期整流制御を実施するモードと、ダイオード整流制御および高速スイッチング制御を同時に実施するモードとを切り替えるというものである。
第6制御方法は、予め決められた第1、第2の閾値情報に基づいて、同期整流制御を実施するモードと、ダイオード整流制御および部分スイッチング制御を同時に実施するモードと、ダイオード整流制御および高速スイッチング制御を同時に実施するモードとを切り替えるというものである。
第7制御方法は、予め決められた第1、第2の閾値情報に基づいて、同期整流制御を実施するモードと、ダイオード整流制御および部分スイッチング制御を同時に実施するモードと、同期整流制御および高速スイッチング制御を同時に実施するモードとを切り替えるというものである。
第8制御方法は、予め決められた第1、第2の閾値情報に基づいて、同期整流制御を実施するモードと、同期整流制御および部分スイッチング制御を同時に実施するモードと、ダイオード整流制御および高速スイッチング制御を同時に実施するモードとを切り替えるというものである。
例えば、効率と高調波電流の低減や昇圧を主目的にするのであれば、第1〜第3制御方法で切り替えればよい。また、効率はあまり優先ではなく、高調波電流の低減や昇圧を主目的にするのであれば、第4〜第6制御方法等のモードで切り替えればよい。例えば、部分スイッチング動作や高速スイッチング動作と同期整流動作を組み合わせる場合は、交流電源電圧半周期の中で2つのMOSFETを制御する必要があるため、制御としては複雑になる。しかし、ダイオード整流との組み合わせであれば、半周期のうち制御するMOSFETは1つであるため、制御の簡略化にも繋がる。要するに、効率や高調波の低減や制御性など、必要に応じて最適な制御を選択すればよい。
なお、制御切り替えのトリガとなる閾値情報としては、例えばカレントトランス11で検出した回路電流がある。或いは負荷検出部15にて検出した負荷情報を用いてもよい。負荷情報として例えば、負荷Hがモータやインバータの場合はモータ電流、モータ回転数、変調率、或いは直流電圧等を用いればよい。
更に、第1,第2,第4,第5制御方法のように2つのモードの間で制御を切り替える場合は閾値情報は1つ(第1の閾値情報)であればよい。第3、第6、第7、第8制御方法のように3つのモードの間で切り替える場合には、閾値情報は2つ(第1の閾値情報と第2の閾値情報)用意する。更に、第1の閾値情報と第2の閾値情報は負荷の大きさに関連されている。つまり、第1の閾値情報は、第2の閾値情報よりも大きいという関係がある。
例えば、第3制御方法では、第1の閾値未満の領域では同期整流動作で動作させ、第1の閾値以上・第2の閾値未満の領域では同期整流動作+部分スイッチング動作で動作させ、第2の閾値以上の領域では同期整流動作+高速スイッチング動作で動作させる。その他のモードに関しても同様である。
また、第3,第6〜第8制御方法のように部分スイッチング動作中から高速スイッチング動作に切り替える場合に、直流電圧Vdが変動する場合がある。部分スイッチング時に対して高速スイッチング時は力率が良いため、部分スイッチングの電流振幅と同じになるように切り替えてしまうと、直流電圧Vdが昇圧されすぎてしまうためである。
これを回避するために、切り替えの瞬間に部分スイッチング動作時の電流に対して高速スイッチング動作時の電流のピークが小さくなるようにオン時間を調整して切り替えるとよい。
図17は、部分スイッチングから高速スイッチングへ切り替える場合の電流波形を説明した図である。
図17(a)は、部分スイッチング制御時の交流電源電圧の瞬時値vsと回路電流isとを模式的に示している。
図17(b)は、高速スイッチング制御に切り替えたときの交流電源電圧の瞬時値vsと回路電流isとを模式的に示している。高速スイッチングへの切り替えの瞬間に、部分スイッチング動作時の回路電流isのピークに対して、高速スイッチング動作時の回路電流isのピークが小さくなるように制御している。これにより、直流電圧Vdの変動を抑えることが可能である。
同様に、高速スイッチングから部分スイッチングへの切り替え時には、先程とは逆に電流の振幅が大きくなるようにオン時間を調整して切り替えることで、逆に直流電圧Vdの低下を防ぐことが可能である。
更に、各制御の切り替えは電源電圧ゼロクロスのタイミングで行うことで、安定的に制御の切り替えを行うことができる。
本実施形態の直流電源装置1は、回路に通流する電流を検出するために、カレントトランス11とシャント抵抗R1,R2を備えている。カレントトランス11は平均電流を検出する機能を備えており、シャント抵抗R1,R2は瞬時電流を検出できる。
シャント抵抗R1を用いた電流検出の方法について前述したが、図18(a)〜(c)を用いて改めて説明する。
図18(a)は、交流電源電圧Vsが正の極性の場合においてダイオード整流または同期整流を行った場合の電流経路を示している。このときMOSFET(Q2)は常時オフ状態であり、MOSFET(Q1)はオンまたはオフ状態である。このとき、シャント抵抗R1を用いて電流検出を行う。
図18(b)は、交流電源電圧Vsが負の極性の場合においてダイオード整流または同期整流を行った場合の電流経路を示している。このときMOSFET(Q1)は常時オフ状態であり、MOSFET(Q2)はオンまたはオフ状態である。このとき、シャント抵抗R1を用いて電流検出を行う。
図18(a),(b)の場合ともに力率改善動作は行っていないタイミングである。言い換えると2つのMOSFET(Q1,Q2)のうち少なくとも1個がオフ状態のときにシャント抵抗R2を用いて瞬時電流isを検出している。
図18(c)は交流電源電圧Vsが正の極性で力率改善動作を行ったときの電流経路を示した図である。このとき力率改善電流ispはシャント抵抗R2を通るため、シャント抵抗R2を用いてこの力率改善電流ispを検出する。
例えば力率改善動作を行った場合にシャント抵抗R2にて検出した電流値がある決められた閾値よりも大きいとなって過電流であると判定された場合、デューティを小さする、或いは力率改善動作を停止する等の保護制御を行う。
本実施形態の直流電源装置1は、シャント抵抗R1を用いて直流電圧の上下短絡による短絡電流に対して保護制御を行うことが可能である。
例えば図19(a)に示すように交流電源電圧Vsが正の極性の場合において、MOSFET(Q2)がスイッチングして昇圧動作を行っていたときを考える。この場合、シャント抵抗R2により、過電流を検知可能である。
このとき、図19(b)に示すように、MOSFET(Q1)が誤動作によってオンしてしまった場合、破線で示すような短絡電流ixが回路に通流してしまい。最悪の場合回路素子が破壊してしまう。
また、図20(a)に示すように交流電源電圧Vsが負の極性の場合においても、図20(b)に示すように、MOSFET(Q2)の誤動作による上下短絡によって破線で示す短絡電流ixが流れてしまう。
特許文献1のように平滑コンデンサと負荷の間に電流検出部を設けても、この短絡電流ixを検出することは不可能である。また、交流電源VS側に設置されている電流検出手段はカレントトランス11であるため、短絡電流ixのような瞬時の電流を検出することはできない。前述したように高速タイプのカレントトランス11を用いた場合コストアップとなってしまう。
そこで本実施形態の直流電源装置1のように平滑コンデンサC1の負極側とMOSFET(Q2)のソース端子の間にシャント抵抗R1を設置することによって、このような瞬時の短絡電流ixを検出して過電流保護を行うことが可能となる。
図21は、変形例の直流電源装置1Aを示す構成図である。図1に示した直流電源装置1と同一の構成には同一の符号を付与している。
変形例の直流電源装置1Aは、ダイオードD1のカソード端子とMOSFET(Q1)のドレイン端子との間に、抵抗R4,R5およびフォトトランジスタQ3を含んで構成される電流検出部が接続される。抵抗R5とフォトトランジスタQ3とは直列接続され、更に抵抗R4と並列接続されている。ここでは、ダイオードD1に所定値以上の過電流が流れたとき、フォトトランジスタQ3がオンするように抵抗R4,R5の値が設定される。このフォトトランジスタQ3の出力端子は、コンバータ制御部18に接続される。
この電流検出部により、前記した図20(a)に示すように交流電源電圧が負の極性の場合において、過電流が流れたことを検知可能となる。
≪空気調和機と直流電源装置の動作≫
図22は、本実施形態における空気調和機の室内機、室外機、およびリモコンの正面図である。
図22に示すように、空気調和機Aは、いわゆるルームエアコンであり、室内機100と、室外機200と、リモコンReと、不図示の直流電源装置(図1参照)とを備えている。室内機100と室外機200とは冷媒配管300で接続され、周知の冷媒サイクルによって、室内機100が設置されている室内を空調する。また、室内機100と室外機200とは、通信ケーブル(図示せず)を介して互いに情報を送受信するようになっている。更に室外機200には配線(図示せず)で繋がれており室内機100を介して交流電圧が供給されている。直流電源装置は、室外機200に備えられており、室内機100側から供給された交流電力を直流電力に変換している。
リモコンReは、ユーザによって操作されて、室内機100のリモコン送受信部Qに対して赤外線信号を送信する。この赤外線信号の内容は、運転要求、設定温度の変更、タイマ、運転モードの変更、停止要求などの指令である。空気調和機Aは、これら赤外線信号の指令に基づいて、冷房モード、暖房モード、除湿モードなどの空調運転を行う。また、室内機100は、リモコン送受信部QからリモコンReへ、室温情報、湿度情報、電気代情報などのデータを送信する。
空気調和機Aに搭載された直流電源装置の動作の流れについて説明する。直流電源装置は、高効率動作と力率の改善による高調波電流の低減と直流電圧Vdの昇圧を行うものである。そして、動作モードとしては前記のように、ダイオード整流動作、同期整流動作、高速スイッチング動作、部分スイッチング動作の4つの動作モードをベースにして、前述した第1〜第8モードの動作モードを備えている。
例えば負荷Hとして空気調和機Aのインバータやモータを考えた場合、負荷が小さく、効率重視の運転が必要であれば、直流電源装置を全波整流モードで動作させるとよい。
負荷が大きくなり、昇圧と力率の確保とが必要であれば、直流電源装置に高速スイッチング動作を行わせるとよい。また空気調和機Aの定格運転時のように、負荷としてはそれほど大きくないが昇圧や力率の確保が必要な場合には、部分スイッチング動作を行わせるとよい。
図23は、負荷の大きさに応じて直流電源装置1の動作モードと空気調和機Aの運転領域を切り替える様子を説明した概要図である。
負荷に、閾値#1,#2を設けて、かつ機器として空気調和機Aを考えた場合、負荷が小さい中間領域において、直流電源装置1は同期整流を行い、定格運転時には部分スイッチング(ダイオード整流または同期整流の何れかを組み合わせる)を行い、必要に応じて高速スイッチング(ダイオード整流または同期整流の何れかを組み合わせる)を行う。
定格運転よりも更に負荷が大きい低温暖房運転領域などにおいて、直流電源装置1は高速スイッチングを行い、必要に応じて部分スイッチング(ダイオード整流または同期整流の何れかを組み合わせる)を行う。
以上のように、直流電源装置1は、空気調和機Aの運転領域に応じた最適な動作モードに切り替えることで、高効率動作を行いつつ、高調波電流の低減を行うことが可能である。
なお、負荷Hがインバータやモータなどの場合、負荷の大きさを決めるパラメータとして、インバータやモータに流れる電流、インバータの変調率、モータの回転速度が考えられる。また、直流電源装置1に通流する回路電流isで負荷の大きさを判断してもよい。また、直流電圧で負荷の大きさを判断してもよい。
例えば、負荷の大きさが閾値#1以下ならば、直流電源装置1は同期整流を行い、閾値#1を超えたならば部分スイッチング(ダイオード整流または同期整流の何れかを組み合わせる)を行う。または負荷の大きさが閾値#2を超えたならば、直流電源装置1は高速スイッチング(ダイオード整流または同期整流の何れかを組み合わせる)を行い、閾値#2を以下ならば部分スイッチング(ダイオード整流または同期整流の何れかを組み合わせる)を行う。
以上のように直流電源装置1は、負荷の大きさに応じた最適な動作モードに切り替えることで、高効率動作を行いつつ、高調波電流の低減を行うことが可能である。
本実施形態では、MOSFET(Q1,Q2)としてスーパージャンクションMOSFETを使用した例を説明した。このMOSFET(Q1,Q2)としてSiC(Silicon Carbide)−MOSFETやGaN(Gallium nitride)を用いることで、更なる高効率動作を実現することが可能である。GaNを用いたスイッチング素子を用いることでスイッチング損失の増大を更に抑制しつつ高効率動作が可能となる。
このように、空気調和機Aが本実施形態の直流電源装置を搭載することで、エネルギ効率(つまり、APF)を高め、また、信頼性を高めることができる。空気調和機以外の機器が本実施形態の直流電源装置を搭載しても、高効率で信頼性の高い機器を提供することが可能である。
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば上記した実施形態は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることも可能である。
更に、MOSFET(Q1,Q2)として高速trr(逆回復時間)タイプの素子を用いているが、具体的にtrr(逆回復時間)を300ns以下の素子を用いることで高効率動作が可能である。
また、MOSFET(Q1,Q2)のオン抵抗に関しても小さいほど同期整流の効果が高まる。具体的にはオン抵抗が0.1Ω以下とすることで高効率動作が可能である。
ブリッジ整流回路10は、MOSFET(Q1,Q2)の寄生ダイオードとダイオードD1,D2の構成に限られず、MOSFET(Q1,Q2)にそれぞれダイオードを並列接続し、これにダイオードD1,D2を組み合わせて構成してもよい。
上記の各構成、機能、処理部、処理手段などは、それらの一部または全部を、例えば集積回路などのハードウェアで実現してもよい。上記の各構成、機能などは、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈して実行することにより、ソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイルなどの情報は、メモリ、ハードディスクなどの記録装置、または、フラッシュメモリカード、DVD(Digital Versatile Disk)などの記録媒体に置くことができる。
各実施形態に於いて、制御線や情報線は、説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には、殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
1 直流電源装置
10 ブリッジ整流回路
11 カレントトランス (第2の電流検出部)
R1 シャント抵抗 (第1の電流検出部)
R2 シャント抵抗 (第3の電流検出部)
12 ゲイン制御部
13 交流電圧検出部
14 ゼロクロス判定部
15 負荷検出部
16 昇圧比制御部
17 直流電圧検出部
18 コンバータ制御部 (制御手段)
Vs 交流電源
C1 平滑コンデンサ
D1 ダイオード (第1のダイオード)
D2 ダイオード (第2のダイオード)
D3 ダイオード (第3のダイオード)
D4 ダイオード (第4のダイオード)
ha,hb,hc,hd 配線
L1 リアクトル
Q1 MOSFET (第1のスイッチング素子)
Q2 MOSFET (第2のスイッチング素子)

Claims (8)

  1. 交流電源に接続され、第1ないし第4のダイオードを有する整流回路と、
    前記第3のダイオードを寄生ダイオードとして含むか、または前記第3のダイオードに並列接続されており、当該第3のダイオードがオフする方向に対して耐電圧特性を有し、かつ前記第1ないし第4のダイオードの順方向電圧降下よりも飽和電圧が低い第1のスイッチング素子と、
    前記第4のダイオードを寄生ダイオードとして含むか、または前記第4のダイオードに並列接続されており、当該第4のダイオードがオフする方向に対して耐電圧特性を有し、かつ前記第1ないし第4のダイオードの順方向電圧降下よりも飽和電圧が低い第2のスイッチング素子と、
    前記交流電源と前記整流回路との間に設けられるリアクトルと、
    前記整流回路の出力側に接続され、当該整流回路から印加される電圧を平滑化する平滑コンデンサと、
    前記第1,第2のスイッチング素子を制御する制御手段と、
    前記整流回路と前記平滑コンデンサの負極と間に接続されて、前記整流回路に通流する瞬時電流を検出する第1の電流検出手段と、
    を備え、
    前記第1のダイオードのカソードと前記第1のスイッチング素子の一端とが前記平滑コンデンサの正極側に接続され、前記第1のダイオードのアノードと前記第2のダイオードのカソードとが前記交流電源の一端側に接続され、前記第1のスイッチング素子の他端と前記第2のスイッチング素子の一端とが前記交流電源の他端側に接続され、前記第2のダイオードのアノードと前記第2のスイッチング素子の他端とが前記平滑コンデンサの負極側に接続されており、
    前記第1の電流検出手段は、前記交流電源の一端側の電圧が正極性かつ前記第2のスイッチング素子がオフ状態の場合と、前記交流電源の一端側の電圧が負極性かつ前記第1のスイッチング素子がオフ状態の場合の瞬時電流を検出し
    前記制御手段は、負荷の大きさに基づいて、
    前記交流電源の電圧の極性に同期して前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子とをスイッチングする同期整流制御を実施するモードと、前記同期整流制御および前記交流電源の半周期間に前記リアクトルを部分的に前記交流電源に短絡する制御を繰り返し複数回実施する部分スイッチング制御を同時に実施するモードとの切り替え、
    前記同期整流制御を実施するモードと、前記同期整流制御および交流全周期に亘って前記リアクトルを所定周波数で短絡する高速スイッチング制御を同時に実施するモードとの切り替え、
    前記同期整流制御を実施するモードと、前記同期整流制御および前記部分スイッチング制御を同時に実施するモードと、前記同期整流制御および前記高速スイッチング制御を同時に実施するモードとの切り替え、
    前記同期整流制御を実施するモードと、前記第1ないし第4のダイオードを用いるダイオード整流制御および前記部分スイッチング制御を同時に実施するモードとの切り替え、
    前記同期整流制御を実施するモードと、前記ダイオード整流制御および前記高速スイッチング制御を同時に実施するモードとの切り替え、
    前記同期整流制御を実施するモードと、前記ダイオード整流制御および前記部分スイッチング制御を同時に実施するモードと、前記ダイオード整流制御および前記高速スイッチング制御を同時に実施するモードとの切り替え、
    前記同期整流制御を実施するモードと、前記ダイオード整流制御および前記部分スイッチング制御を同時に実施するモードと、前記同期整流制御および前記高速スイッチング制御を同時に実施するモードとの切り替え、
    前記同期整流制御を実施するモードと、前記同期整流制御および前記部分スイッチング制御を同時に実施するモードと、前記ダイオード整流制御および前記高速スイッチング制御を同時に実施するモードとの切り替え、のうちいずれかを実施する、
    ことを特徴とする直流電源装置。
  2. 前記制御手段は、前記部分スイッチング制御から前記高速スイッチング制御への切り替えの場合、または前記高速スイッチング制御から前記部分スイッチング制御への切り替えの場合に、出力する直流電圧が所定値を保つように切り替える、
    ことを特徴とする請求項に記載の直流電源装置。
  3. 前記制御手段は、前記交流電源が印加する交流電圧のゼロクロスで制御を切り替える、
    ことを特徴とする請求項に記載の直流電源装置。
  4. 前記交流電源と前記整流回路との間に接続されて、前記整流回路に通流する平均電流を検出する第2の電流検出手段を更に備える、
    ことを特徴とする請求項1から3のうち何れか1項に記載の直流電源装置。
  5. 前記第2のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのアノードとの間に接続されて、過電流検出を行う第3の電流検出手段を更に備える、
    ことを特徴とする請求項1から4のうち何れか1項に記載の直流電源装置。
  6. 前記第1のダイオードのカソードと前記第のダイオードのカソードとの間に接続されて、過電流検出を行う第4の電流検出手段を更に備える、
    ことを特徴とする請求項1から4のうち何れか1項に記載の直流電源装置。
  7. 前記第1,第2のスイッチング素子は、スーパージャンクションMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)、SiC−MOSFET、GaN(Gallium nitride)を用いたスイッチング素子のうちいずれかである、
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項の何れか1項に記載の直流電源装置。
  8. 請求項1ないし請求項の何れか1項に記載の直流電源装置を備えた、
    ことを特徴とする空気調和機。
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