位置特定システムは、少なくとも位置特定システムの第1の動作モードのときに探知表面に対する位置特定装置のポジション変更なしに位置特定データから方向解像および/または位置解像された位置特定情報を決定および/または提供し、第2の動作モードのときにポジションデータに対する位置特定データの割当によって位置特定データおよびポジションデータから少なくとも三次元の位置特定情報を決定するために意図される少なくとも1つの評価装置を有していることが提案される。
位置特定システム、好ましくはハンドヘルド型の位置特定器は、探知表面の下に隠れている位置特定物体に関する位置特定データを検出するために意図される少なくとも1つのハンドヘルド型の位置特定装置を有している。位置特定装置とは、特に、位置特定物体の存在を推定させる物理的および/または化学的な量を検出して、電気的に評価可能な信号へと変換するために意図される手段を有する装置であると理解される。特に位置特定装置は、この手段を作動させるために必要なコンポーネント、電気回路などを含んでいる。位置特定装置は、探知表面の下に隠れている位置特定物体を位置特定する役目を果たす。位置特定にあたっては、位置特定装置と位置特定されるべき位置特定物体との間に、触覚による特に直接的な接触は必要ないのが好ましい。位置特定装置は、位置特定を実行するために少なくとも1つの位置特定センサを有しているのが好ましい。位置特定センサは、たとえば電気的および/または機械的な場の変化、あるいは探知されるべき材料の中へ照射された放射の進行時間変化の評価によって、探知対象物の下に隠れている位置特定物体を検知するのに原理的に適している。位置特定装置は、たとえば誘導センサ、ACセンサ、容量センサなどを有することができるのが好ましい。同様に、電磁放射による検出のために意図されるセンサ、たとえば50ヘルツセンサ、マイクロ波センサ、レーダーセンサ、テラヘルツセンサ、超高周波センサ、X線センサ、赤外センサ、またはNMRセンサも適している。さらに、音響センサ、たとえば超音波センサや衝撃エコーセンサ、中性子ゾンデも位置特定として考えられる。特に異なる種類の、複数の位置特定センサの組合せも、位置特定を実行するために好ましく考えられる。
「意図されている」とは、特に、「プログラミング」され、「設計され」、および/または「装備している」ことを意味するものとする。あるオブジェクトが特定の機能のために「意図されている」とは、特に、そのオブジェクトがその特定の機能を少なくとも1つの使用状態および/または動作状態のときに遂行および/または実行し、もしくはその機能を遂行するために設計されていることを意味するものとする。
ハンドヘルド型の位置特定装置とは、特に、輸送機械の補助なしで位置特定システムの位置特定装置を手だけで、特に片方の手だけで、運ぶことができることを意味するものとする。特に位置特定装置は測定プロセス中にも、位置特定システムの利用者によって自由に行われる運動で、特に2つの方向に沿った自由な運動で、手で保持しながら探知表面にわたって案内することができる。ハンドヘルド型の位置特定装置の質量は特に5kg以下、好ましくは3kg以下、特別に好ましくは1kg以下である。ハンドヘルド型の位置特定装置は、探知されるべき対象物の探知表面にわたって位置特定装置を案内することができるグリップまたはグリップ領域を備えたハウジングを有しているのが好ましい。位置特定センサは、ハンドヘルド型の位置特定装置の一部として構成されるのが好ましい。さらに、位置特定装置はポジションセンサを含んでいる。位置特定センサとポジションセンサは、ハンドヘルド型の位置特定装置のハウジングに格納されるのが好ましい。
自由な運動とは、特に、位置特定装置のポジション変更について、特に運動または移動経路について、所定のラスタや所定の軌道に左右されない運動であると理解される。
位置特定システムの主要な機能コンポーネントを少なくとも収容するハウジングを有する、ハンドヘルド型の位置特定器を具体化できるのが特別に好ましい。特にハウジングは、制御装置と、位置特定センサを含めた位置特定装置と、ポジションセンサと、評価装置と、入力装置および/または出力装置、特に表示装置と、エネルギー供給装置とを少なくとも収容する。特に各コンポーネントはその総容積に関して50%以上、好ましくは75%以上、特別に好ましくは100%、位置特定器のハウジングの中に格納される。ハンドヘルド型の位置特定器は、探知されるべき対象物の探知表面にわたって位置特定器を案内することができるグリップまたはグリップ領域を有することができるのが好ましい。ハンドヘルド型の位置特定器の質量は特に5kg以下、好ましくは3kg以下、特別に好ましくは1kg以下である。このようにして、特別にコンパクトな位置特定システムを、利用者により片手で容易に案内可能な位置特定器の形態で具体化することができる。さらに、このようにして位置特定システムの各コンポーネントを位置特定器のハウジングによって損傷や外部要因に対して、特に水分やダストの侵入に対して防護できるという利点がある。
このような種類のハンドヘルド型の位置特定器は、本発明による位置特定システムの1つの好ましい実施形態をなす。したがって以下においては、(ハンドヘルド型の)位置特定器と位置特定システムとはほぼ同義語として使用する。ただし付言しておくと、本発明による思想はハンドヘルド型でない位置特定システムにも応用することができる。
位置特定データとは、特に、位置特定装置の測定データおよび/または測定信号、特に少なくとも1つの位置特定センサの測定値および/または測定信号を意味するものとする。このような種類の測定値および/または測定信号は、たとえば測定された振幅、位相位置、方向情報、信号強度、緩和時間などに関わるものである。
探知表面とは、特に、隠れている位置特定物体に関して探知されるべき対象物または加工材の表面であると理解される。加工材は、完結的ではなく一例として建築資材、壁、床面、天井、たたき、有機的な構成物(特に身体の各部分)、および/または敷地の一部である。対象物または加工材は、たとえば特に木材、ガラス、プラスチック、コンクリート、石材、レンガ、石膏、金属、有機材料などでできていてよい。さらには原則として液体も探知することができる。たとえば探知されるべき対象物の材料と相違する材料の封入物、もしくは物理特性が探知されるべき対象物のものとは相違する材料の封入物が、一例としての位置特定物体となる。このような種類の位置特定物体の典型的な例は、建築物の壁に隠れている電気配線、配管、ガス管、中空スペース、鉄筋などである。
位置特定システム、好ましくはハンドヘルド型の位置特定器は、探知表面に対する位置特定装置のポジションデータを検出するためのポジションセンサをさらに有している。ポジションセンサとは、特に、場の変化、進行時間の変化、および/または位相位置を電気的に評価可能な信号に変換し、探知表面上でのポジションセンサの現在のポジションを出力または伝送するために意図される装置であると理解される。このとき現在のポジションは、以前のポジションに対して相対的に、または特に少なくとも1つの定置の基準点に対して絶対的に検出し、ポジションデータとして出力または伝送することができる。さらにポジションセンサは、ポジションセンサおよびそれに伴って位置特定装置のアライメントも決定できるのが好ましい。ポジションデータは、少なくとも、探知表面におけるポジションセンサのポジションを規定する2つの方向の座標に関わるものである。さらに、ポジションデータは探知表面に対するポジションセンサのアライメントも決定することができる。
基準点とは、探知表面に対して相対的に固定的に配置された点、たとえば位置特定システムのマーキング要素によって規定される点や、探知表面から他の建築物部分表面への移行部にある特異点を意味するものとする。たとえばこのような種類の基準点は、地面と壁により形成されるエッジにある点であり得る。さらに、ポジションセンサは外部の参照物によって、たとえば定置の送信機および/または人工衛星によって位置決定をするために意図されていることが考えられる。さらに別案として、ポジションセンサは位置特定プロセスのために探知表面の上の基準点に関わりなく、ポジションデータを純粋に相対的に検出するために意図されていることが考えられる。
ポジションセンサは、たとえば1つの動作状態のとき探知表面上での位置特定装置の運動および/または回転を検出する光学式または機械式の距離区間センサとして構成される。1つの好ましい実施形態では、ポジションセンサは光学式の変位センサとして具体化されるのが好ましい。光学式の変位センサは、位置特定装置を使用するときに探知表面のほうを向く、位置特定装置および/または位置特定器のハウジング側に配置されるのが好ましい。光学式の変位センサを利用したうえで、位置特定装置の位置特定深さを向上させるために、位置特定装置と探知表面との間の間隔を最低限に抑えることができるのが好ましい。その代替または追加のポジションセンサの実施形態では、特にポジションセンサは位置特定装置のハウジングの外部に設けられていてもよい。
同様にポジションセンサは間隔センサとして構成され、電磁放射によって、たとえばレーザ光、赤外波、またはレーダー波によって、少なくとも1つの基準点に対する距離測定をするために意図されていてよい。さらに、ポジションセンサは当業者に好都合と思われるその他の測定方式に依拠することもでき、たとえば超音波センサ、気圧センサ、またはGPSセンサとして構成される。さらに、特にポジションセンサは、少なくとも傾斜、角度、間隔、並進、加速度、角速度に感度のあるセンサを含むセンサ群に属する1つまたは複数のセンサを有することができる。
さらに、特に探知表面に対する位置特定装置の現在のアライメントを検出するために、別個のセンサおよび/またはポジションセンサに組み込まれたセンサが意図されていてよいのが好ましい。たとえば慣性センサ装置が設けられていてよく、これを用いて任意の方向への位置特定装置の回転を検知することができ、定量的に評価することができる。
さらに、ポジションセンサは少なくとも1つのカメラを含んでいることもできる。それにより、容易にセットアップ可能で特別に正確な、特に絶対的なポジション決定を提供することができる。カメラとは、ここでの関連においては、画像データの連続的な検出のために意図される装置を意味するものとする。カメラは光学式のカメラとして、赤外線カメラとして、またはその他の周波数領域のためのカメラとして構成されていてよい。カメラはたとえば三脚などで探知表面に対して相対的に定置に配置されるのが好ましく、探知表面における位置特定センサのポジションを検出するために意図される。カメラは単一の光学ユニットまたは複数の光学ユニットを有していて、たとえば立体カメラとして構成されることが考えられる。この実施形態では位置特定装置は、位置特定センサに対して相対的に空間的に固定され、ポジションセンサにより、特にカメラにより検出されるために意図される少なくとも1つのマーキングを含んでいるのが好ましい。「マーキング」とは、ここでの関連においては特に1つの領域であって、当該領域の周辺とは相違する表面をポジションセンサの検出のために有している領域を意味するものとする。マーキングはカメラによる検出のために意図されるのが好ましい。そのためにマーキングの表面は、マーキングの周囲とは相違する色、構造および/または反射特性を、カメラが感度を有している波長領域に応じて有しているのが好ましい。位置特定システムは、マーキングのうちのいくつかが位置特定プロセス中に少なくとも一時的にポジションセンサに対して、特にカメラに対して隠れたときにポジションデータを供給するためにそれぞれ意図される、複数のマーキングを有しているのが特別に好ましい。
さらに位置特定システムは、位置特定システムの機能コンポーネントを制御するための、特に少なくとも位置特定装置、ポジションセンサ、および評価装置を制御するための、好ましくは入力装置および/または出力装置、データ通信インターフェース、記憶装置、ならびに当業者に有意義と思われるその他のコンポーネントも制御するための、制御装置を有している。制御装置とは、特に、ハンドヘルド型の位置特定システムの他のコンポーネントと通信をする手段を有する、たとえば位置特定装置を制御および/または調節する手段および/またはデータ処理のための手段および/または当業者に有意義と思われるその他の手段を有する、少なくとも1つの制御エレクトロニクスを備えた装置を意味するものとする。特に制御装置は、位置特定システムの少なくとも1つの動作機能パラメータを、少なくとも1つの利用者入力および/または評価装置の評価結果に依存して調整するために意図される。制御装置の制御エレクトロニクスとは、記憶装置ユニットならびに記憶装置ユニットに保存されて制御プロセス中に実行される動作プログラムとの関連におけるプロセッサユニットであると理解できるのが好ましい。特に制御装置の電子デバイスは、基板(配線板)の上に好ましくはマイクロコントローラの形態で配置されていてよい。これに加えて制御装置は、位置特定システムの全体を制御してその動作を可能にするために意図されていてよいのが特別に好ましい。制御装置は、位置特定システムの他の機能コンポーネント、特に位置特定装置、評価装置、ポジションセンサ、入力装置および/または出力装置、記憶装置、データ通信インターフェース、および/または当業者に有意義と思われるその他のコンポーネントと通信をするために意図される。
位置特定システムのエネルギー供給装置は、位置特定システムへ使用開始のために、および作動中に、電気エネルギーを供給するために意図される。この装置は電力網に依存しないエネルギー蓄積器、特に蓄電池、バッテリ、燃料電池、コンデンサ、当業者に有意義と思われるその他のエネルギー蓄積器、またはこれらの組合せ/多重化であるのが好ましい。特に位置特定システムへのエネルギー供給に好適なのは、特に高い出力密度および/またはエネルギー密度を提供する化学セルを備えた蓄電池である。これに属するのは、現在、たとえばリチウム化学セルおよびリチウムイオン化学セルの蓄電池、特にリチウム燐酸鉄蓄電池、リチウム酸化マンガン蓄電池、リチウム・ニッケル・コバルト・マンガン酸化物蓄電池、過リチウム化されたリチウム・ニッケル・コバルト・マンガン・酸化物蓄電池、リチウム硫黄蓄電池、リチウム・ポリマー蓄電池、リチウム酸素蓄電池などである。エネルギー供給をする装置は、離脱可能な形状接合式および/または摩擦接合式の接続インターフェースを有しているのが好ましい。離脱可能とは、ここでの関連においては特に、非破壊式に分離可能なことを意味するものとする。したがってエネルギー供給をする装置を、脱着可能かつ交換可能なように位置特定器に配置可能であるのが好ましい。エネルギー供給をする脱着可能な装置は、位置特定器の内部および/または外部で再び電力網からエネルギーの供給を受けて充電できるのが特別に好ましい。その代替または追加の実施形態では、位置特定システムはエネルギー供給のために電源接続部も有することができる。
本発明によると位置特定システムは、少なくとも位置特定システムの第1の動作モードのときに探知表面に対する位置特定装置のポジション変更なしに位置特定データから方向解像および/または位置解像された位置特定情報を決定および/または提供し、第2の動作モードのときにポジションデータに対する位置特定データの割当によって位置特定データおよびポジションデータから少なくとも三次元の位置特定情報を決定および/または提供するために意図される少なくとも1つの評価装置を有している。
位置特定システムの動作モードとは、特に、制御装置および/または評価装置および/または表示装置が動作プログラムおよび/または調節ルーチンおよび/または制御ルーチンおよび/または評価ルーチンおよび/または計算ルーチンおよび/または表示ルーチンを適用する情報処理、情報出力、および/または情報入力および/または情報取得を意味するものとする。特に位置特定システムの動作モードの適用は、位置特定システムの機能コンポーネントの機能および/または連動に対する、たとえば制御装置、評価装置、位置特定装置、位置特定センサ、ポジションセンサ、入力装置および/または出力装置、特に表示装置、データ通信インターフェース、および/または当業者に有意義と思われるその他のコンポーネントに対する作用を惹起する。
評価装置とは、情報入力部、情報処理ユニット、ならびに情報出力部を有する装置であると理解される。情報入力部は、位置特定装置により判定された位置特定データを、および/またはポジションセンサにより判定されたポジションデータを受け取る役目を果たすのが好ましい。情報処理ユニットは受け取られたデータを処理する、特に評価する役目を果たす。情報出力部は、処理および/または評価されたデータを位置特定システムの制御装置および/または記憶装置および/またはデータ通信インターフェースおよび/または出力装置および/または表示装置へ転送する役目を果たす。評価装置は、プロセッサ、メモリ、および評価・計算ルーチンを有する動作プログラムを少なくとも含むコンポーネントを有しているのが好ましい。特に評価装置の電子デバイスは配線板の上に配置されていてよく、好ましくは制御装置と共通の配線板の上に、特別に好ましくはマイクロコントローラの形態で配置されるのが好ましい。さらに、制御装置と評価装置が単一のデバイスとして施工されていてよいのも特別に好ましい。さらに、評価装置は表示装置のコンポーネントとともに単一のデバイスとして施工されていてもよい。
評価装置は2つの動作モードで作動するために意図される。このとき評価装置は、少なくとも位置特定システムの第1の動作モードのときに探知表面に対する位置特定装置のポジション変更なしに位置特定データから方向解像および/または位置解像された位置特定情報を決定および/または提供するために意図されるのが好ましい。
位置特定情報の決定および/または提供とは、特に、探知表面の下に隠れている位置特定物体の存在、位置、深さ、材料、および/または向きに関わる少なくとも1つの情報が、位置特定装置により検出された位置特定データから評価装置により決定され、および/または位置特定システムに提供されることを意味するものとする。このようにして評価装置は、設計的に特別に簡素な仕方により、位置特定装置から提供される電気信号を、特に位置特定データを評価し、そこから位置特定情報を決定して位置特定システムに提供することを可能にする。特に位置特定情報は、位置特定システムに、好ましくは表示装置および/またはデータ通信インターフェースおよび/または記憶装置に、評価装置による以後の処理のために提供される。
方向解像および/または位置解像された位置特定情報とは、特に、探知表面が沿って延びている少なくとも2つの方向における、少なくとも1つの位置特定物体に関する情報を意味するものとする。方向解像および/または位置解像は、探知表面に対して、特に基準としての位置特定装置に関する所与および/または規定可能な基準を用いて行われるのが好ましい。位置特定装置を基準とするこのような種類の位置特定の方向または位置の相関関係は、たとえば角度および/または座標を利用したうえで具体化することができる。このようにして、たとえば隠れている物体の位置特定を、相応の位置特定データおよびこれに伴って評価される位置特定情報が位置特定装置から見て検知される方向指定と組み合わせることができる。さらに、方向解像および/または位置解像された位置特定情報から、探知表面の下に隠れている少なくとも1つの位置特定物体の配置の見積りを導き出すことができる。
本発明によると、方向解像および/または位置解像された位置特定情報は、探知表面に対する位置特定装置のポジション変更なしに決定可能である。「ポジション変更」とは、特に、任意の方向に行われる移動、運動、変位、回転、回動、またはその他の形での探知表面に対する位置特定装置のポジションおよび/または向きの変化であると理解される。位置特定装置および評価装置の本発明に基づく構成により、設計的に簡単かつ省スペースに、特別に包括的な位置特定情報を導き出すことができる。特に、位置特定装置を探知表面の上でポジション変更する必要なしに、隠れている位置特定物体の潜在的な位置を特別に正確に導き出すことが可能である。さらに、評価された位置特定情報を方向情報および/または位置情報と、特に探知表面上での位置特定装置のポジションと、相関させることを実現することができる。
方向解像および/または位置解像された位置特定情報の決定と提供により、多次元のマトリクス、表、リスト、および/または地図情報を作成および/または評価できるのが特別に好ましい。このような多次元のマトリクス、表、リスト、および/または地図情報として、方向情報および/または位置情報を含む位置特定データが特に位置特定装置に対して、好ましくは探知表面に対して検出されていてよい。このようなマトリクス、表、リスト、および/または地図情報は、評価された位置特定データの表示を生成するための基礎として、探知表面の少なくとも二次元の地図または二次元の図像の形態で利用できるのが特別に好ましい。
このようにして、ただ1回の測定で、高いコストのかかる探知表面に対する位置特定装置のポジション変更なしに、それにもかかわらず位置特定装置のある程度の検出領域内で方向解像および/または位置解像された位置特定情報を得ることが位置特定システムの利用者に可能である。たとえば、探知表面の上の選択された(測定)ポジションで、探知表面の下に隠れている探知対象物の損傷なしに穴を穿設することができるかどうかの情報を、直接的かつ高い信頼度で、方向解像および/または位置解像された位置特定情報から導き出すことが可能である。さらに、選択されたポジションの近傍にある位置特定物体をすでに認識できるので、利用者にはリスク見積りや危険見積りが容易になる。特別に好都合かつ直感的に、このような情報提供をたとえば少なくとも二次元の地図情報を出力することで、器具の利用者に行うことができる。1つの好ましい実施形態では、少なくとも二次元の地図情報はたとえば探知表面の下の位置特定状況の二次元の地図として、または二次元の図像として具体化されていてよい。どこに、すなわち特に位置特定装置から見てどの方向に、位置特定物体が検知されているかを地図または図像から直接的に読み取ることができる。1つの好ましい実施形態では、たとえば利用者に出力される地図は、位置特定装置の下に隠れている位置特定状況の縮尺に忠実な1:1図像を再現することができる。このようにして、地図から読み取ることができる位置特定された位置特定物体のポジションを、特別に簡単に工作材料に当てはめることが可能である。そのとき地図に表示される位置特定物体は、利用者から見て正確に位置特定装置のすぐ背後の対応する個所で、探知表面の下に隠れている。その代替または追加として、これ以外の表示縮尺も可能である。特に、縮尺どおりの表示と縮尺どおりでない表示をいずれも位置特定システムの利用者への出力のために適用することができる。
ここで付言しておくと、「地図情報」という概念は本件出願の枠内では、好ましくは特に多次元のマトリクス、表、アレイ、リストなどの形態で処理および/または保存および/または再現されるデータを意味する。地図情報は、方向解像および/または位置解像された位置特定情報を含むのが好ましく、その代替または追加として多次元の、特に擬似多次元の、ただし少なくとも二次元の評価された位置特定情報、好ましくは複数の位置特定情報であって、位置特定時点での探知表面に対する位置特定装置の二次元のポジションデータと相関関係にあるものを含んでいる。地図情報は、表示装置によって少なくとも部分的に地図の形態で位置特定システムの利用者に出力されるために意図される。このとき「地図」とは、グラフィックで前処理された地図情報の表現である。この意味において「地図情報」および「地図」という概念は相違してはいるものの、互いに密接に組み合わせて理解すべきである。特に、「表示装置は少なくとも二次元の地図情報を表示するために意図される」といった表現は、「表示装置は少なくとも二次元の地図情報を地図の形態で表示するために意図される」と同義である。
さらに評価装置は、第2の動作モードのときにポジションデータに対する位置特定データの割当によって位置特定データおよびポジションデータから少なくとも三次元の位置特定情報を決定および/または提供するために意図される。
このようにして評価装置は、位置特定装置により生成される位置特定データを、特にたとえば位置特定センサにより判定される振幅値、深さ情報、信号位相などを、ポジションセンサにより判定されるポジションデータに、特に二次元のポジション座標に割り当てることが意図されるのが好ましい。割当は原則としてこの逆に行うこともできる。このようにして評価装置は、少なくとも三次元の位置特定情報を位置特定データとポジションデータから決定し、提供することが意図される。このように、評価された位置特定情報を、探知表面に対する位置特定装置のポジションと相関させることを実現できるという利点がある。
すなわち、少なくとも三次元の位置特定情報とは、探知表面が沿って延びる少なくとも2つの方向で相関関係にある位置特定データとポジションデータであると理解される。1つの単純な実施形態では、少なくとも三次元の位置特定情報はたとえば多次元のマトリクス、表、アレイなどを形成する。このような多次元のマトリクス、表、アレイなどで、たとえばそれぞれ1つの欄に、直交する2つの空間方向のうちそれぞれ1つに関するポジションデータを割り当てることができる。3番目の欄は、相応のポジションで判定された位置特定データ、および/またはすでに評価ずみの位置特定情報、たとえば位置特定物体の存在に関する情報や、位置特定物体が検知された深さに関する情報を割り振るために利用される。このように、位置特定データないし位置特定情報がポジションデータとともに、少なくとも三次元の位置特定情報として検出される。
連続するポジション変更により、特に探知表面に対する位置特定装置の移動により、探知表面の連続する計測を実行できるのが好ましい。このとき、特に探知表面に対して位置特定装置のポジションデータおよび/またはアライメントに対する位置特定データが検出される、少なくとも三次元の位置特定情報が連続して決定および/または提供される。これを少なくとも二次元の地図情報の生成のために、および/または探知表面の二次元の地図の形態での評価された位置特定データの表示のために利用できるのが特別に好ましい。
本発明による位置特定システムの1つの好ましい実施形態では、作業パラメータを入力するための入力装置、および/または作業パラメータを出力するための出力装置が存在する。位置特定器の好ましい実施形態では、入力装置および/または出力装置は、位置特定器の使用時に利用者のほうを向くハウジング側に配置されるのが好ましい。ハウジング側とは、特に、位置特定システムを、特に位置特定器をその周囲に向かって区切るハウジングの外壁を意味する。「ハウジング側に配置される」とは、入力装置および/または出力装置がハウジング側でその表面に挿入され、装着され、もしくはその他の形で取り付けられることを意味するものとする。特にハウジングはそれ自体、入力装置ないし出力装置の構成要素であってもよい。
作業パラメータは、特に位置特定システムのための一切の必要かつ/または有意義な動作パラメータ、ならびに測定結果の評価に関わるパラメータを表す。
入力装置とは、特に、少なくとも1つの情報を位置特定システムの利用者から受けとって、制御装置および/または評価装置へ転送するために意図される手段を意味するものとする。入力装置はたとえばユーザーインターフェースの形態で、および/または他の機器を利用したうえで具体化されていてよい。このとき利用者入力は、特に音響式、光学式、ジェスチャー支援式、および/または触覚式の入力を通じて実行することができる。たとえば入力装置は操作部材、キーボード、ディスプレイ、特にタッチディスプレイ、音声入力モジュール、ジェスチャー認識ユニット、および/またはポインタ器具(たとえばマウス)で構成することができる。さらに入力装置は追加的に位置特定システムの外部にも、特に位置特定器の外部にも、たとえばスマートフォン、タブレットPC、PCのような外部データ機器の形態で、あるいは、位置特定器の制御装置および/または評価装置とデータ通信インターフェースを介して接続された、当業者に有意義と思われるその他の外部データ機器の形態で存在していてよい。後者が特別に好ましいのは、たとえば専用に前処理された入力手段などのように、外部データ機器が位置特定システムの拡張された機能性を可能にし、および/または支援する場合である。
出力装置とは、少なくとも1つの変化する情報を音響式、光学式、および/または触覚式に位置特定システムの利用者へ、特に位置特定器の利用者へ出力するために意図される少なくとも1つの手段を意味するものとする。このことは、たとえばディスプレイ、タッチディスプレイ、音声信号、動作パラメータの変化、振動発生器、および/またはLED表示器を用いて具体化することができる。特別に好ましい実施形態では、出力装置は表示装置として具体化されていてよい。さらに、出力されるべき情報、たとえば評価結果および/または位置特定器の動作状態に関する情報などを、位置特定システムの機能コンポーネントへ、特に制御装置、位置特定装置、ポジションセンサ、評価装置、および/または特に利用者快適性の向上のためにデータ処理システムへも出力することができる。後者は、データ通信インターフェースを介して位置特定システムの評価装置および/または制御装置と接続された、スマートフォン、タブレットPC、PCなどの外部機器への、ならびに当業者に有意義と思われるその他の外部データ機器への情報の出力を少なくとも含んでいる。
入力装置と出力装置はいずれも位置特定システムのハウジングに、特にモバイル位置特定器のハウジングに、直接格納されていてよいのが好ましい。その代替または追加として、入力装置および/または出力装置を外部委託し、たとえば外部の装置を通じて具体化することもできる。後者の具体化可能性は、たとえば遠隔操作部、コンピュータ制御部、タブレットPC、および/またはその他の携帯電話やスマートフォンなどのモバイル機器のような、有線式および/または無線式の外部システムを通じての制御、評価、および位置特定結果の出力を明示的に含んでいる。
位置特定システムの1つの好ましい実施形態では、測定結果および/または位置特定情報および/または作業パラメータを記憶するための少なくとも1つの記憶装置が設けられる。記憶装置とは、特に、その制御のために必要な手段を含めた電子式のデータ記憶装置を意味するものとする。記憶装置は測定結果および/または位置特定情報および/または作業パラメータおよび/または位置特定システムの動作の枠内で必要もしくは有意義なその他のデータの保存と呼出のために意図される。特に記憶装置は、位置特定データおよび/または評価された位置特定情報を、好ましくは少なくとも二次元の地図情報も、少なくとも一時的に保存し、呼び出すために意図される。原則として、記憶装置がデータコンポーネントの保存と呼出のために意図されることも考えられる。
記憶装置は、評価装置および/または制御装置により書込可能かつ読出可能な記憶装置として構成されるのが好ましい。記憶装置は、外部および内部の電子式の、特にデジタル式のメモリのあらゆる形態を含むことができ、たとえばRAMモジュールや集積回路を含むことができる。その代替または追加として、特に記憶装置は、メモリーチップ、USBスティック、メモリースティック、メモリーカード、SDカードのような交換可能なメモリ媒体を書き込み、および読み取るために意図されていてもよい。1つの好ましい実施形態では、記憶装置は評価装置および/または制御装置および/または入力装置および/または出力装置に組み込まれていてよく、すなわち、たとえば評価装置のメモリの一部として構成されていてよい。
上記に加えて、位置特定システムはデータ通信インターフェースを特にワイヤレス式の通信のために有していることが提案され、これを用いて位置特定器がデータを交換することができ、特に測定結果および/または位置特定情報および/または作業パラメータを送信および/または受信することができる。データ通信インターフェースは、少なくとも位置特定システムの制御装置および/または評価装置に信号工学的に接続される。データ通信インターフェースは、電子式の、特にデジタル式のデータを伝送するために、標準化された通信プロトコルを使用するのが好ましい。データ通信インターフェースは、ワイヤレス式のインターフェース、特にたとえばWLANインターフェース、ブルートゥースインターフェース、赤外線インターフェース、NFCインターフェース、RFIDインターフェース、または当業者に有意義と思われるその他のワイヤレス式のインターフェースを含んでいるのが好ましい。その代替または追加として、データ通信インターフェースはケーブル式のアダプタ、たとえばUSBアダプタやマイクロUSBアダプタも有することができる。
データ通信インターフェースによって測定結果および/または位置特定情報および/または作業パラメータを位置特定システムから外部のデータ機器へ、たとえばスマートフォン、タブレットPC、PC、プリンタ、または当業者に有意義と思われるその他の外部機器へ送信することができ、もしくはこれから受信できるのが好ましい。本発明の構成により、位置特定システムで検出された測定信号および/または位置特定情報の以後の評価のために利用可能なデータの伝送を可能にできるという利点がある。さらに、特にスマートフォン(特にプログラミングされたアプリを通じて)やこれに類似するポータブルなデータ機器との直接的な通信を必要とする多彩な追加機能を可能にして、取り込むことができるという利点がある。これらはたとえば自動式のマッピング機能、ファームウェアアップデート、データ再加工、データ前処理、他の機器とのデータ照合などを含むことができる。
本発明による位置特定システム、特にハンドヘルド型の位置特定器の好ましい実施形態では、位置特定装置は、探知表面の下に隠れている位置特定物体に関する位置特定データを方向解像および/または位置解像したうえで検出するために意図される。
位置特定装置は、位置特定物体に関する情報を、探知表面が沿って延びている2つの次元または方向で少なくとも部分的に方向解像および/または位置解像したうえで検出することを可能にするのが好ましい。方向解像および/または位置解像は、探知表面に対して、特に基準としての位置特定装置に関する所与および/または規定可能な基準を用いて行われるのが好ましい。位置特定装置を基準とする位置特定の方向または位置の相関関係は、たとえば角度および/または座標を利用したうえで具体化することができる。このようにして、評価された位置特定情報を方向情報および/または位置情報と、特に探知表面上での位置特定装置のポジションおよび/またはアライメントに関して、相関させることを実現することができるという利点がある。このような種類の相関関係は、たとえばそれぞれ位置特定装置の指標に対する、たとえばその中心点に対する相対的な角度ないし座標を定義する相対的な位置特定角度または相対的な位置特定座標を利用したうえで、具体化することができる。このようにして、たとえば隠れている物体の位置特定を、相応の位置特定データが位置特定装置から見て検知される方向指定と組み合わせることができる。すなわち、方向解像および/または位置解像は位置特定装置そのものを利用するだけで行われ、それにより、方向解像および/または位置解像を生起するために探知表面に対する位置特定装置をポジション変更する必要がない。
さらに、方向解像および/または位置解像された位置特定情報から、探知表面の下に隠れている位置特定物体の配置の見積りを導き出すことができる。そのために、位置特定装置は位置特定データを出力するのが好ましく、該位置特定データによって、探知表面の下に隠れている位置特定物体の方向解像および/または位置解像された配置を導き出すことが可能である。
方向解像および/または位置解像をする位置特定装置を利用することで、方向解像および/または位置解像された位置特定データが検出されて、以後の処理のために提供されるのが好ましい。特に、位置特定データを評価装置によって評価することができ、それにより、方向解像および/または位置解像された位置特定情報が得られる。そしてこの位置特定情報を、マトリクス、表、および/または少なくとも二次元の地図情報として二次処理し、特に表示または出力することができる。方向解像および/または位置解像された位置特定情報を、探索表面の少なくとも二次元の地図情報または図像の形態で、特に多次元の地図情報を含めて、評価された位置特定データの表示を生成するために利用できるのが特別に好ましい。方向解像および/または位置解像をする位置特定装置の利用は、位置特定装置周辺の探知表面に関して、方向解像および/または位置解像された位置特定情報を含む地図情報の作成を可能にするという利点がある。位置特定装置周辺の探知表面に関わる、方向解像および/または位置解像された位置特定情報を含む地図情報の作成は、探知表面に対する位置特定装置のポジション変更なしに具体化されるのが特別に好ましい。
位置特定装置の1つの実施形態では、位置特定装置は、たとえば互いに独立したさまざまな伸長方向、立体角、または立体容積で位置特定データを検出するために意図されていてよい。
本発明による位置特定システム、特にハンドヘルド型の位置特定器の好ましい実施形態では、位置特定装置は検出領域で方向解像および/または位置解像をする少なくとも1つの位置特定センサを有している。
このようにして、設計的に特別に簡単に、方向解像および/または位置解像をする位置特定装置を具体化することができる。特に、方向解像および/または位置解像をする位置特定センサは、互いに独立したさまざまな伸長方向、立体角、または立体容積を測定し、そのようにして検出領域での位置特定データを方向解像および/または位置解像しながら検出するために意図されていてよい。それに応じて検出領域は、互いに独立して測定可能な伸長方向、立体角、または立体容積が組み合わされてなっている。位置特定装置は、本発明による位置特定装置の1つの好ましい実施形態では、少なくとも誘電方式および/または抵抗方式に基づくセンサ、特に容量センサ、マイクロ波センサ、超音波センサ、抵抗センサ、伝導率センサ、および/またはレーダーセンサ、特に超広帯域レーダーセンサおよび/または広帯域インパルスレーダーセンサ、あるいは誘導感度、放射感度、ならびに磁界感度のあるセンサを含むセンサ群に属する、少なくとも1つの方向解像および/または位置解像をする位置特定センサを有することができるのが好ましい。さらに、当業者に有意義と思われるその他の位置特定センサが意図されていてもよい。
方向解像および/または位置解像をする位置特定センサは、位置特定物体の存在を推定させる物理的および/または化学的な量を方向依存的および/または位置依存的に検出して、電気的に評価可能な信号へと変換するために意図される。このような種類の物理的および/または化学的な量は、たとえば電気的および/または磁気的な場の変化、あるいは進行時間変化である。方向解像および/または位置解像をする位置特定センサは、たとえば誘導センサ、ACセンサ、または容量センサとして構成されていてよいのが好ましい。別案として、方向解像および/または位置解像をする位置特定センサは、電磁放射による位置特定のために意図されていてよく、たとえばその形態は50ヘルツセンサ、マイクロ波センサ、レーダーセンサ、テラヘルツセンサ、超高周波センサ、X線センサ、赤外センサ、またはNMRセンサなどである。さらに、方向解像および/または位置解像をする音響センサ、たとえば超音波センサまたは衝撃エコーセンサも考えられる。
方向解像および/または位置解像をする位置特定センサは、検出領域および/または互いに別々に測定可能な伸長方向、立体角、または立体容積に影響を及ぼし、そのようにして位置特定センサの方向解像および/または位置解像に影響を及ぼすことを可能にする手段を有しているのが好ましい。
方向解像および/または位置解像をする位置特定センサはレーダーセンサであり得るのが特別に好ましい。この実施例では、検出領域は立体角または立体容積であり、その中に電磁放射が放出されて、そこから電磁的に散乱した放射が受信される。
本発明による位置特定システム、特にハンドヘルド型の位置特定器の1つの好ましい実施形態では、位置特定装置の少なくとも1つの方向解像および/または位置解像をする位置特定センサは、電気的および/または機械的に旋回可能な位置特定センサ、および/または電気的にアライメント可能な位置特定センサ、および/または位置特定センサからなるアレイ、および/または撮像式の位置特定センサとして構成される。
機械的に旋回可能な位置特定センサは、方向解像および/または位置解像をする位置特定センサの特別に簡素な具体化であり、ほぼ任意のあらゆるセンサ、たとえば誘電方式および/または誘導方式および/または抵抗方式に基づくセンサを採用することができる。位置特定センサの機械的な旋回の結果として、適用可能などのような位置特定センサによっても、少なくとも部分的に方向解像式および/または位置解像式の位置特定を実行することが可能である。1つの好ましい実施形態では、機械的に旋回可能な位置特定センサは、電気回路を利用したうえで、モータまたはこれに匹敵するアクチュエータとの関連で好ましくは自動式に旋回させることができる。このようにして、旋回運動の速度と精度を高めることができる。
代替または追加の実施形態では、位置特定センサが適切に選択されていれば、位置特定センサの、特に位置特定センサにより発信および/または検知される信号のアライメント(指向性)も、電気制御によって行うことができる。このことは、たとえば好ましくは電磁放射を放出および/または検知する位置特定センサを用いて具体化することができる。このような位置特定センサでは、位置特定センサの適当な構成により、位置特定センサの制御部の適当な構成との関連で、さまざまな仕方により電気制御可能かつそれに伴って電気的にアライメント可能なアンテナ、特に指向性アンテナを具体化できるという利点がある。付言しておくと、電気制御部による電気的なアライメントは、電気的な、特にモータ式の位置特定センサの旋回とは異なる。
上述した具体化形態では、方向解像および/または位置解像される位置特定データは、旋回角および/または旋回ポジションおよび/またはアライメント角および/またはアライメントポジションに依存して位置特定センサにより判定されて、評価装置へ出力されるのが好ましい。
その代替または追加として、方向解像および/または位置解像をする機能性は、複数の位置特定センサ、特に位置特定センサのアレイの利用によっても具体化できるのが好ましい。このときセンサは、たとえば規則的な、特に周期的な、好ましくは二次元の構造で利用することができる。このような構造の、特にアレイの、各々の個別センサが、少なくとも1つの立体角および/または立体容積を検出する。このようにして、信頼度の高い位置解像式の位置特定を、それぞれ個々のセンサの検出領域の総計によって定義される位置特定センサの検出領域の内部で具体化することができる。特に、方向解像式および/または位置解像式の位置特定を具体化するために、撮像式の位置特定センサ、たとえば多数のピクセルからなる位置特定センサを利用できるのが特別に好ましい。多数またはアレイの位置特定センサもしくは撮像式の位置特定センサが、それぞれ方向解像および/または位置解像された位置特定データを検出し、それが次の評価装置へ以後の処理のために出力される。
1つの好ましい実施形態では、方向解像および/または位置解像をする位置特定センサは、方向解像および/または位置解像をする位置特定アンテナとして、特にレーダーアンテナまたはLCRアンテナとして構成される。位置特定アンテナとは、特に、特にマイクロ波領域の特に電磁波の形態の出力を無線式に発信および/または受信するために意図される手段を意味するものとする。そのために位置特定アンテナは送信ユニットおよび/または受信ユニットを有しており、送信ユニットおよび/または受信ユニットは、電磁信号を方向解像および/または位置解像したうえで定義された伸長方向へ送信し、ないしは発信された信号の反射を方向解像および/または位置解像したうえで、定義された伸長方向から受信するために意図される。特に、このようにして位置特定アンテナの送信特性および/または受信特性が定義され、そのもとで電磁放射が実質的に送信特性および/または受信特性を規定する伸長方向で送信および/または受信される。位置特定アンテナは、位置特定アンテナの送信特性および/または受信特性を調整するために、およびそれに伴って伸長方向を調整するために、切換ユニットによって制御可能であるのが好ましい。切換ユニットとは、特に、位置特定アンテナの少なくとも1つのインターフェース、好ましくは少なくとも2つのインターフェースを、位置特定アンテナの異なる動作状態でそれぞれ別様に切り換えるために意図されるユニットであると理解される。切換ユニットは、位置特定アンテナを特に選択的に信号発生器、復調器、および/または位置特定アンテナに合わせて適合化された成端抵抗と接続するのが好ましい。切換ユニットを用いて的確に制御をすることで簡単な仕方により、位置特定アンテナにより発信および/または受信される電磁放射の変化する送信特性および/または受信特性を、これに伴って変化する伸長方向とともに具体化することができる。
送信ユニットおよび/または受信ユニットは、当業者に有意義と思われる反射された信号の特性量を、ただし好ましくは進行時間、周波数、振幅、および/または特別に好ましくは位相位置を復調するのが好ましい。
このようにして、検出領域内での方向解像式および/または位置解像式の位置特定を、それぞれ異なる伸長方向への放射の発信ないし伸長方向からの受信によって具体化できるのが好ましい。この場合には可動のコンポーネント、たとえば旋回装置などを省略できるという利点がある。伸長方向の総計が、特にそれぞれ異なる伸長方向により規定される立体容積の総計が、このような電気的にアライメント可能な位置特定アンテナの検出領域を定義する。
本発明による位置特定システム、特にハンドヘルド型の位置特定器の1つの好ましい実施形態では、位置特定装置の方向解像および/または位置解像をする位置特定センサは設定可能な、特に選択可能および/または調整可能な検出領域を有している。
位置特定センサの検出領域は、位置特定センサに対する−およびそれに伴って位置特定装置に対する−空間的なアライメントとして、またはサイズとして設定可能であってよく、特に選択可能または調整可能であってよい。検出領域のサイズは、特に、検出領域により定義される容積および/または検出領域により定義される容積の直径および/または1つの立体角で方向解像をする位置特定センサの広がり角αを特徴づける。このようにして、サイズおよび/またはアライメントを設定可能である、特に選択可能または調整可能である検出領域を具体化できるという利点がある。特に、設定可能な検出領域は、位置特定センサによって測定工学的にカバーされる位置特定領域のアライメントおよび/またはサイズに関して、位置特定センサの解像度を、可変に、特に選択可能および/または調整可能に適合化する役目を果たす。
位置特定アンテナの実施例に関しては、たとえばそれぞれの伸長方向での送信特性および/または受信特性の総計によって位置特定アンテナの検出領域として定義される立体角を設定可能であり、特に選択可能および/または調整可能であることが意図されていてよい。たとえば位置特定アンテナは、立体角(α)が5度よりも大きく、好ましくは10度よりも大きく、特別に好ましくは15度よりも大きい検出領域を有している。
本発明に基づく位置特定装置の構成により、設定可能である、特に選択可能および/または調整可能である、位置特定センサの検出領域での位置特定を設計的に容易に具体化することができる。そのようにして、自由に設定可能な、特に調整可能および/または選択可能な検出領域に合わせた位置特定装置の焦点合わせを行うことができる。このようにして、位置特定装置により判定される位置特定データが、同じく自由に設定可能な、特に調整可能および/または選択可能な検出領域に関連づけられ、ないしは限定されるという利点がある。そのようにして特別に正確な、すなわち特に改善された方向解像式および/または位置解像式の位置特定を実現することができる。したがって、本発明による位置特定センサを利用したうえで、角度関連および/または横方向のポジションの特別に正確な決定が可能であるという利点がある。
本発明による位置特定システム、特にハンドヘルド型の位置特定器の1つの好ましい実施形態では、評価装置は、位置特定システムの第1の動作モードのとき、方向解像および/または位置解像をする位置特定センサにより検出された位置特定データに基づいて、方向解像および/または位置解像された位置特定情報を決定および/または提供するために意図される。
位置特定システムの評価装置は、位置特定センサにより提供される位置特定データから、少なくとも1つの方向解像および/または位置解像された位置特定情報を、特に位置特定物体に関するポジション情報および/またはアライメント情報も含めて判定するために意図されるのが好ましい。そのようにして設計的に簡単な仕方により、高い情報含有量での正確な位置特定が可能である。評価装置は、位置特定システムの第1の動作モードのとき、方向解像および/または位置解像をする位置特定センサにより検出された位置特定データに基づいて、方向解像および/または位置解像された位置特定情報を決定および/または提供することを可能にするのが好ましい。特に評価装置は、相応の評価のために必要な手段、たとえば特に調節ルーチン、制御ルーチン、および/または計算ルーチンを備えている。たとえば、方向解像および/または位置解像された位置特定データを、実行された位置特定のさまざまな方向および/または位置に割り当てることを評価装置に可能にする計算ルーチンおよび/または割当ルーチンが設けられる。このようにして、たとえば方向解像および/または位置解像された位置特定データから、立体角または位置特定座標への位置特定データの割当によって、方向解像および/または位置解像された位置特定情報を判定することができる。
本発明による位置特定システム、特にハンドヘルド型の位置特定器の1つの好ましい実施形態では、評価装置は、位置特定システムの第2の動作モードのとき、少なくとも三次元の位置特定情報から少なくとも二次元の地図情報を決定および/または提供し、特にリアルタイムで決定および/または提供するために意図される。
このようにして、ポジションデータだけでなく位置特定装置により判定された位置特定データおよび/またはすでに評価ずみの位置特定情報も相関させた少なくとも二次元の地図情報を評価装置により決定、提供できるという利点がある。特に、特別に包括的な方向解像および/または位置解像された少なくとも二次元の地図情報を、簡単な仕方により生成することができる。
少なくとも二次元の地図情報とは、本件出願の枠内においては特に、表示装置によって少なくとも部分的に地図の形態で位置特定システムの利用者に出力されることが意図されるデータを意味するものとする。1つの好ましい実施形態では、この出力はたとえば表示装置の平面的な二次元の出力ディスプレイを通じて、二次元の地図の形態で行うことができる。地図情報は多次元の、特に擬似多次元の、ただし少なくとも二次元の、評価された位置特定情報であるのが好ましい。ここで「二次元の」という表現は、探知表面の下に隠れている位置特定物体に関する情報を少なくとも2つの方向で、好ましくは2つの直交する方向で、地図情報が含んでいることを表す。ここで探知表面の2つの方向は、たとえば所与の基準点および/または規定可能な基準点を参照して割当可能であるのが好ましい。2つの方向は探知表面の平面に延びているのが好ましく、特に探知表面に沿って、および/または探知表面に対して平行に配置された、位置特定センサと交わる平面に沿って延びている。少なくとも二次元の地図情報は、位置特定の時点での探知表面に対する位置特定装置の二次元のポジションデータと相関づけられた位置特定情報を少なくとも含んでいるのが好ましい。位置特定情報は、特に、測定に直接的に関連づけられる、少なくとも1つの位置特定センサの情報もしくは測定値に関わるものであり、たとえば振幅、位相位置、緩和時間などに関わるものである。別案として、少なくとも二次元の地図情報の位置特定情報は解釈および/または前処理された情報、たとえば方向情報、位置特定信号の定性的な信号強度、深さ情報などに関わることもできる。少なくとも二次元の地図情報は、カラーコーディングまたはグレーレベルコーディングを利用したうえで位置特定システムの利用者に出力されるべき位置特定情報、たとえば深さ情報や位置特定物体の存在に関する情報を有しているのが特別に好ましい。
深さ情報とは、ここでの関連においては特に、探知表面から位置特定物体までの距離、および/または探知表面に対して垂直方向の位置特定物体の長さを再現する情報を意味するものとする。
1つの好ましい実施形態では、少なくとも二次元の地図情報は特に多次元のマトリクス、表、アレイ、リストなどの形態で処理および/または保存および/または出力することができる。このとき出力は、以後の利用のために、制御装置および/または表示装置および/またはデータ通信インターフェースに対して行うことができるのが好ましい。特に表示装置は、特に多次元のマトリクス、表、アレイ、リストなどの形態で提供される少なくとも二次元の地図情報を処理し、たとえばディスプレイのような表示部材により地図情報として、好ましくは地図として表示するために意図される。特に付言しておくと、その場合に表示装置は少なくとも二次元の地図情報をカラーコーディングまたはグレーレベルコーディングされた地図の形態で表示するために意図される。
位置特定システムの利用者にとって、特別に容易で一覧しやすく直感的に把握可能な仕方で、少なくとも二次元の地図情報の表示によって位置特定情報を出力することができる。1つの好ましい実施形態では、少なくとも二次元の地図情報は、探知表面の下の位置特定状況を再現するたとえば二次元の地図または二次元の図像を表す。地図または図像は直感的かつ容易な仕方により、すでに探知された探知表面のどの個所で位置特定物体が検知されたかを直接的に見て取ることができる。
少なくとも二次元の地図情報は高い情報密度を有しているのが好ましく、これを用いて利用者は地図情報の解釈にあたって特別に良好にサポートを受けることができる。そのようにして、少ない練習コストまたは習熟コストしか必要としない高い操作快適性で、位置特定システムを提供できるという利点がある。
1つの好ましい実施形態では、評価装置は少なくとも二次元の地図情報をリアルタイムで決定および/または提供するために意図される。リアルタイムとは、ここでの関連においては特に、評価装置の処理速度が利用者による位置特定装置のポジション変更速度に、特に移動速度に相当していることを意味するものとし、すなわち利用者は、自身により位置特定装置を用いて行われる運動を、地図情報の変化に直接的に対応させることができる。評価装置は、そのつど最新の伝送される位置特定データとポジションデータを受信して、2つの処理サイクルの間に受信されたデータを処理から排除するために意図される。位置特定システムは、位置特定システムの表示が位置特定データを少なくとも実質的に遅延なく再現しているという印象を利用者に与えるのが好ましい。それにより利用者は、特別に迅速かつ確実に位置特定物体を認識することができ、特別に効率的な位置特定システムを提供することができる。
1つの好ましい実施形態では、少なくとも二次元の地図情報の決定と提供は器具内部の処理速度によってのみ、すなわち特に信号伝達速度ならびに評価速度によってのみ制限される。特に、評価装置により受信される位置特定データおよびポジションデータの処理速度は、評価装置の処理速度に合わせて適合化される。そのようにして、評価装置により直接的に処理することができないデータは考慮されずに残される。
このように高い処理速度によって、位置特定センサで通過された領域についての位置特定データがただちに評価されて、地図情報として提供されるという印象を位置特定システムの利用者に喚起することができる。リアルタイムでの少なくとも二次元の地図情報の決定および提供であると考えられるのは、特に、表示装置の表示部材で、特にディスプレイで、少なくとも二次元の地図情報が表示されるまでの器具内部の処理時間が2秒以下、好ましくは1秒以下、特別に好ましくは0.1秒以下である場合である。
位置特定システムの1つの好ましい実施形態では、評価装置により決定および/または提供される少なくとも二次元の地図情報は記憶装置で少なくとも一時的に保存することができる。
本発明による位置特定システム、特にハンドヘルド型の位置特定器の1つの好ましい実施形態では、評価装置は第1および第2の動作モードで決定および/または判定された位置特定情報を組み合わせるために意図される。
第1および第2の動作モードで決定された、特に提供または判定された位置特定情報の組合せは、予備処理、プレコンディショニング、組合せ、補足、拡張、厳格化、精密化、豊富化、重ね合わせ、重みづけ、追加提供、融合などの形態で行うことができるのが好ましい。このとき、第1および/または第2の動作モードで決定または判定される位置特定情報は、第2ないし第1の動作モードで決定または判定された位置特定情報と組み合わせることができ、ないしは、そのような位置特定情報によって組み合わせることができるのが好ましい。そのように、両方の動作モードのうちの一方で決定された位置特定情報を、相応に他方の動作モードで決定された位置特定情報と組み合わせ、そのようにして、好ましく高い情報密度を得ることができるという利点がある。本発明によると、両方の動作モードで決定された位置特定情報が評価装置によって組み合わされる。
このように、方向解像および/または位置解像された位置特定データから位置特定装置のポジション変更なしに判定される、位置特定システムの第1の動作モードで判定された方向解像および/または位置解像された位置特定情報を、探知表面に対する位置特定装置のポジションデータが対応するポジションに割り当てられる位置特定データと相関づけられる、第2の動作モードで判定された少なくとも三次元の位置特定情報と組み合わせることができる。すなわち換言すると、位置特定装置のポジション変更なしに判定される位置特定情報を、位置特定装置のポジション変更の結果として得られる位置特定情報と組み合わせることが可能である。このようにして、2つの動作モードで判定される位置特定情報を組み合わせて1つの全体位置特定情報にする位置特定システムを具体化できるという特別な利点がある。さらに、そのようにして位置特定システムの直感的な使用が可能となる。
そのようにして1つの適用ケースでは、まず探知表面に対する位置特定装置のポジション変更のない測定のみによって、位置特定装置のある程度の検出範囲内で方向解像および/または位置解像された位置特定情報を得ることを可能にする位置特定システムが、位置特定システムの利用者に提供される。たとえば探知表面上の選択されたポジションで、探知表面の下に隠れている探知対象物を損傷させることなく穴を穿設できるかどうかの情報を、直接的かつ高い信頼度で、方向解像および/または位置解像された位置特定情報から導き出すことが可能である。さらに、選択されたポジションの近傍にある位置特定物体をすでに認識することができる。位置特定装置のポジション変更なしに得られる、このような実質的に局所的な位置特定情報が地図に表示されるのが好ましい。特に、選択されたポジションの近傍にある位置特定物体を地図の縁部で、位置特定センサの検出領域の縁部に対応させて示唆することができる。それにより、利用者にとってリスク見積りや危険見積りが容易になる。
そのほか利用者が探知表面の下に隠れている位置特定物体について、少なくとも部分的に広い面積で一覧することに関心があるときは、位置特定装置を自由な運動で、たとえば自由なワイプ運動で、探知表面の探知されるべき関心領域にわたって通過させる。その際に、位置特定システムの第2の動作モードで判定される位置特定データを、同じく少なくとも二次元の地図情報の形態で、位置特定システムの利用者に出力できるという利点がある。
そして本発明によると、両方の動作モードで判定された位置特定情報を評価装置によって組み合わせることができる。すなわち1つの好ましい実施形態では、両方の動作モードで判定された位置特定情報を考慮する組み合わされた位置特定情報(全体位置特定情報)を具体化し、たとえば二次元の地図情報として、特に探知表面の下の位置特定状況の地図または二次元の図像として、出力することができる。組み合わされた少なくとも二次元の地図情報または図像は高い情報密度を有しているのが好ましく、これを用いて利用者が、少なくとも二次元の地図情報の解釈にあたって特別に良好にサポートを受けることができる。さらに、位置特定システムの操作を直感的かつ高い操作快適性で可能であり、それにより、位置特定システムを利用するために少ない練習コストまたは習熟コストしか必要ない。
本発明による位置特定システム、特にハンドヘルド型の位置特定器の1つの好ましい実施形態では、評価装置は位置特定装置がポジション変更されたときに、特に探知表面の領域があらためて通過されたときに、すでに決定されている位置特定情報を補足および/または更新および/または精緻化および/または上書きするために意図される。
そのようにして、位置特定情報を、特に少なくとも二次元の地図情報を、好ましくは少なくとも二次元の地図情報の各領域を、地図情報の当該領域に割り当てられる位置特定物体が位置特定されたときに補足および/または精緻化および/または更新および/または上書きすることができるという利点がある。それにより位置特定情報の、特に少なくとも二次元の地図情報の、高い情報密度および/または品質および/または最新性を実現することができる。さらに、特別に直感的に解釈可能な位置特定システムを提供することができる。補足および/または精緻化および/または更新および/または上書きされた位置特定情報は直接的に、すなわちリアルタイムで利用者に出力されるのが好ましい。
「補足する」および「精緻化する」とは、ここでの関連においては特に、評価装置がすでに判定ずみの位置特定情報を、たとえば記憶装置から読み出された位置特定情報を、最新の位置特定情報を利用しながら上書きし、および/または補足することを意味するものとする。特に、位置特定装置のまだ割り当てられていないポジションについての新たな位置特定情報が、既存の位置特定情報に付け加えられる。特に補足は精緻化をもたらすことができ、すなわち位置特定データおよび/またはポジションデータの、およびそれに伴って位置特定情報の解像度の改善をもたらすことができ、もしくはそのために利用することができる。「精緻化する」とは、ここでの関連においては特に、別の位置特定情報を提供し、および/または別の位置特定情報を既存の位置特定情報と融合させ、および/または合成データおよび/または半合成データを位置特定情報について提供することを意味するものとする。評価装置はあらためて、または次の位置特定がなされたときに、情報密度および/または方向解像度および/または位置解像度を向上させて、いっそう精緻なディテールを解像するのが好ましい。それにより評価装置は位置特定情報を、特に地図情報を、本件出願の意味においてリアルタイムで補足または精緻化するのが好ましい。
「更新する」とは、ここでの関連においては特に、評価装置がすでに判定ずみの位置特定情報を、たとえば記憶装置から読み出された位置特定情報を、最新の、特に時間的にいっそう最新の位置特定情報を利用して上書きすることを意味するものとする。そのようにして評価装置は、位置特定装置のポジションについての新たな、変更された、特にいっそう最新の値を決定するが、それは、その位置特定情報が記憶装置から読み出された位置特定情報と比べて変わっている限りにおいてである。特に更新は、時間的な変化を考慮しているという利点がある、位置特定データおよび/またはポジションデータの、およびそれに伴う位置特定情報の適合化をもたらすことができ、もしくはそのために利用することができる。評価装置は位置特定情報を、特に地図情報を、リアルタイムで更新するのが好ましい。
「上書きする」とは、ここでの関連においては特に、評価装置がすでに判定ずみの位置特定情報を、たとえば記憶装置から読み出された位置特定情報を、新たに判定された位置特定情報によって上書きし、すなわち置き換えることを意味するものとする。位置特定装置のポジションについての新たな値が決定されるが、それは、その位置特定情報がすでに判定ずみの位置特定情報と比べて変わっているか否かに左右されない。特に上書きは、位置特定データおよび/またはポジションデータの、およびそれに伴う位置特定情報の変更または適合化をもたらすことができ、もしくはそのために利用することができる。評価装置は位置特定情報を、特に地図情報を、リアルタイムで上書きするのが好ましい。
このように利用者は特別に容易な仕方により、位置特定結果すなわち位置特定情報を、自身にとって特別な関連性のある領域で改善し、精緻化し、および/または更新することができる。位置特定システムの利用者が関連性のある領域を位置特定物体に関して的確に探知できることによって、特別に効率的な位置特定プロセスを実現することができる。すなわち特に、位置特定情報を、特に少なくとも二次元の地図情報をいっそう正確に、すなわちいっそう詳細かついっそう精緻に解像および/または更新して表示することが可能であるという利点があり、それは、探知表面の上の探知されるべき領域を位置特定装置で繰り返し、またはあらためて通過させることによる。さらに、このようにして冗長的な位置特定データを検出することも可能である。
特別に効率的かつ直感的に利用可能な位置特定システム、特に位置特定器を提供することができるが、それは、位置特定システムが短時間のうちに包括的な、好ましくは高解像度の位置特定情報を検出することができるからである。それにより、特別に効率的な位置特定プロセスを具体化可能である。さらに、位置特定物体のさまざまな指標を検出し、位置特定物体の分類のために利用することができる。特別に多彩な位置特定システム、特に位置特定器を高い操作快適性で提供することができる。
本発明による位置特定システム、特にハンドヘルド型の位置特定器の1つの好ましい実施形態では、さらに評価装置はデータ改善モジュールを有している。データ改善モジュールは、統計的な手法によって値の変動を補正するため、および/またはコントラストを改善するために意図されていてよい。このようなデータ改善モジュールはこの目的のために、特に、たとえば統計モーメントを計算するための統計関数を含む多数の計算ルーチンを有することができる。データ改善モジュールは、位置特定情報の補足および/または精緻化および/または更新のときに、たとえばデータの重みづけ、平均値計算などの統計的な評価を実行し、それにより、改善された位置特定データの評価を保証するために利用できるのが好ましい。
本発明による位置特定システム、特にハンドヘルド型の位置特定器の1つの好ましい実施形態では、評価装置は、位置特定装置がポジション変更されたときに、特に探知表面の1つの領域があらためて通過されたときに、すでに第1の動作モードのときに決定または判定された位置特定情報を補足および/または更新および/または精緻化および/または上書きするために意図される。
このようにして、2つの動作モードで判定される位置特定情報が組み合わされて1つの全体位置特定情報になる位置特定システム、特に位置特定器を具体化できるという利点がある。すでに第1の動作モードのときに初期位置で決定された、すなわち判定された位置特定情報が、位置特定装置によって当該初期位置をあらためて通過するときに好ましくは補足および/または更新および/または精緻化および/または上書きされる。特にこのようにして、方向解像式および/または位置解像式に実質的に局所的に位置特定システムの位置特定装置のポジション変更なく判定される位置特定情報を、位置特定装置のポジション変更の結果として、別の位置特定情報により補足および/または更新および/または精緻化および/または上書きすることができる。
そのようにして位置特定システムの利用者に、特別に容易で一覧性のある直感的に把握可能な仕方で位置特定情報を判定して出力する位置特定システム、特に位置特定器を提供することができる。特に、少なくとも二次元の地図情報、好ましくは地図の形態での位置特定情報の出力との関連で、実質的に局所的な、すなわち位置特定装置のポジション変更なしに判定された位置特定情報を、位置特定装置のポジション変更の結果として広い面積での位置特定の枠内で判定された位置特定情報によって拡張、精緻化、および/または更新できるという利点がある。
したがって、常時更新される高解像度の地図情報、特に地図から、直感的かつ簡単な仕方により、すでに探知された探知表面のどの個所で位置特定物体が検知されているかを直接的に見て取ることができる。
さらには特に、このようにして補足的または冗長的な位置特定情報を検出し、第1および/または第2の動作モードで判定された位置特定情報と組み合わせることができる。したがって、高い位置特定品質と情報密度を実現することができる。この位置特定システムは短時間で大量の位置特定情報を検出することができ、それにより、特別に効率的な位置特定プロセスを実現することができる。さらに、位置特定物体のさまざまな指標を検出し、位置特定物体の分類のために利用することができる。特別に多彩な位置特定システム、特に位置特定器を高い操作性で提供することができる。
本発明による位置特定システム、特にハンドヘルド型の位置特定器の1つの好ましい実施形態では、評価装置は、位置特定システムの第1および/または第2の動作モードのときに位置特定データおよび/または位置特定情報を補間および/または外挿するために意図される。
このようにして、特に広範な位置特定情報を、特に二次元の地図情報を、特別に迅速に提供することができる。誤測定を補正することができ、位置特定情報の高い品質を実現することができる。
「補間する」とは、特に、評価装置が、特に記憶装置に保存されている既存の位置特定データおよび/または位置特定情報を前提としたうえで、好都合な計算規則および/または加重規則を用いて中間値を計算することを意味するものとする。この中間値は、既存の位置特定データないし位置特定情報の空間的な間にある点(またはコンポーネントもしくはピクセルに分解された地図情報の各セグメント)へ割当可能である。「外挿する」とは、ここでの関連においては特に、評価装置が、特に記憶装置に保存されている既存の位置特定データおよび/または位置特定情報を前提としたうえで、空間的な領域の内部で好都合な計算規則および/または加重規則を用いて、当該領域の空間的に外部にある点へ割当可能である値を計算することを意味するものとする。
さらに評価装置は、位置特定システムの1つの好ましい実施形態では、位置特定システムの第1および/または第2の動作モードのときに位置特定データおよび/または位置特定情報の少なくとも一部を、既存の位置特定情報の生成および/または補足、精緻化、更新、上書きにあたって重みづけするために意図されていてよい。それにより、位置特定データおよび/または位置特定情報の、特にすでに判定ずみの位置特定データおよび/または位置特定情報と新しい位置特定データおよび/または位置特定情報の冗長性を、位置特定情報の、特に少なくとも二次元の地図情報の高い品質を実現するために、活用できるという利点がある。重みづけするとは、ここでの関連においては特に、生成および/または補足、精緻化、更新、上書きにあたってデータが加重係数と乗算されることを意味するものとする。評価装置は、冗長的なデータの評価によって判定されるのが好ましいデータ品質に依存して、重みづけを決定するのが好ましい。加重係数は特にゼロであってもよい。このケースでは、データは補足、精緻化、更新、上書きの枠内では考慮されないままとなり、それは、たとえば測定誤差として位置づけられるデータである。そのようにして評価装置は、位置特定データおよび/または位置特定情報を生成、補足、精緻化、更新、上書きにあたって除外することもできる。そのようにして、位置特定システムの利用者への出力からも、特にたとえば表示装置による表示からも、位置特定情報を除外できるのが好ましい。
本発明による位置特定システム、特にハンドヘルド型の位置特定器の1つの好ましい実施形態では、位置特定システムの動作モードは手動で選択可能である。
このようにして位置特定システムの利用者は、位置特定システムの適用されるべき動作モードを自身で選択し、そのようにして用途および/または測定課題および/または測定状況に合わせて適合化できるという利点がある。特別に臨機応変に利用可能、かつ目的に即して作動可能な位置特定システムを具体化できるという利点がある。
たとえば利用者が、方向解像式および/または位置解像式ではあるが、それにもかかわらず定義された出発点の周辺の実質的に局所的な位置特定情報を、たとえば当該出発点に穴を穿設できるかどうか調べるために得たいときには、位置特定システムの第1の動作モードを自分で設定することができる。そのために利用者は、たとえば位置特定システムの、特に位置特定器の入力装置のメニューで、または操作部材を用いて、第1の動作モードを選択する。一方、利用者がさらに広い面積の探知表面を対象とする位置特定情報を得たいときには、たとえば同じく位置特定システムの、特に位置特定器の入力装置のメニューで、または操作部材を用いて、手動で第2の動作モードを選択する。次いで利用者は、探知表面に対して位置特定装置のポジション変更をすることで、特に広い面積の探知を実行することができる。
本発明による位置特定システム、特にハンドヘルド型の位置特定器の1つの好ましい実施形態では、制御装置が動作モードを自動的に選択し、および/または位置特定システムの各動作モードの間で自動的に切換をするために意図される。
このようにして、位置特定システムの適用されるべき動作モードの選択を位置特定システムによって、特に位置特定システムの制御装置によって、自動的に実行できるという利点がある。そのようにして、用途および/または測定課題および/または測定状況に合わせた動作モードの最善の適合化を実行できるという利点がある。そのようにして、慣れていない利用者による誤操作を排除できるという特別な利点がある。さらに、位置特定システムの動作が迅速化されるとともに、位置特定システムの直感的な操作が促進される。
位置特定システムは、位置特定システムの利用者により、各動作モードの間で自動式または手動式の選択、ないし自動式または手動式の切換を行うかどうか設定することができるのが好ましい。この設定は、たとえば入力装置を利用して行われる。
本発明による位置特定システム、特にハンドヘルド型の位置特定器の1つの好ましい実施形態では、制御装置は、探知表面に対する位置特定装置のポジション変化および/またはアライメント変化が認識されると第2の動作モードに切り換えるために意図される。
位置特定装置のポジション変化および/またはアライメント変化は、ポジションセンサによって認識または検知されるのが好ましい。このようにして、第1の動作モードから第2の動作モードへの切換が、利用者の入力なしに、位置特定装置のポジション変更の結果としてのみ行われることを具体化できるという利点がある。その代替または追加として、位置特定装置のポジション変化および/またはアライメント変化を、たとえば位置特定装置のポジション変更加速度および/または回転加速度に対して感度のある加速度センサによって認識または検知することもできる。さらに、位置特定装置のポジション変化および/またはアライメント変化を位置特定装置を利用して、たとえば相前後して検知された位置特定データの分析、特に比較の結果として認識または検知することが考えられる。
そのようにして、特別に利用者に配慮した直感的な位置特定システムの操作が、位置特定システムの利用者に可能になるという利点がある。特に利用者は、まず選択された出発点の周辺で方向解像および/または位置解像される位置特定を、第1の動作モードを利用しながら実行することができる。この位置特定は実質的に局所的に行われ、すなわち位置特定装置のポジション変更なしに行われる。次いで、任意の方向へ位置特定装置を移動または運動させることで、特に位置特定装置をポジション変更することで、第2の動作モードへの位置特定システムの切換が主導される。利用者は第2の動作モードを利用しながら、位置特定装置で探知表面を連続して通過させることで、少なくとも二次元の地図情報を生起することが引き続き可能である。その際には、すでに第1の動作モードで判定されている方向解像および/または位置解像された位置特定情報を好ましく拡張、精緻化、更新、または上書きすることができる。
本発明による位置特定システム、特に位置特定器の1つの好ましい実施形態では、制御装置は、探知表面に対する位置特定装置のポジション変化および/またはアライメント変化が認識されると第1の動作モードから第2の動作モードへ流れるように切り換えるために意図される。「第1の動作モードから第2の動作モードへ流れるように切り換える」とは、特に、位置特定システムの各動作モードの切換が、好ましくは位置特定システムの利用者によって気づかれないことであると理解される。一例としての実施形態では、位置特定システムはまず第1の動作モードで方向解像式および/または位置解像式に位置特定をして、位置特定情報を二次元の地図情報として、特に地図として、位置特定システムの利用者に出力する。位置特定装置のポジション変化が認識される結果として、制御装置は第2の動作モードへの位置特定システムの切換を開始する。引き続いて評価装置は第2の動作モードで作動するにもかかわらず、位置特定システムの利用者にはこの切換を認識可能ではない。位置特定情報、特に二次元の地図情報は変わりなく表示されるが、それからは位置特定装置のポジション変更の枠内で探知された探知表面の領域が、地図情報で追加および/または精緻化および/または更新および/または上書きされていく。
本発明による位置特定システム、特にハンドヘルド型の位置特定器の1つの好ましい実施形態では、ポジション変化の認識の感度を設定可能であり、特に選択可能および/または調整可能である。
特に、ポジション変化の認識の感度は、ポジション変化を検知する手段の感度閾値の形態で設定可能であり、特に選択可能および/または調整可能であってよい。たとえば1つの実施形態では、ポジションセンサおよび/または加速度センサの感度閾値、およびこれに伴うポジション変化の認識の感度を設定可能であり、特に選択可能および/または調整可能であってよい。
設定可能、特に選択可能および/または調整可能なポジション変化の認識の感度を利用して、ポジション変化の程度がポジション変化の認識の感度に少なくとも相当している場合に限り、位置特定システムが探知表面に対する位置特定装置のポジション変更を認識または検知することを具体化することができる。感度は位置特定システムの利用者により、たとえばポジション変化を検知する手段の感度閾値の選択、設定、または調整によって、選択および/または調整できるのが好ましい。そのようにして、ポジション変化が位置特定装置のポジション変更として、特に位置特定装置の移動、運動、またはスキャンとして、どれだけの感度から認識または検知されるかを設定可能である。したがって、程度が感度閾値を超えていないポジション変化は認識されない。ポジション変化の認識の最大の感度、特に最小の感度閾値は、技術的には、ポジション変化を検知する手段、たとえばポジションセンサによりちょうどまだ解像可能な最小の位置特定装置のポジション変化によって制約される。そのようにして、位置特定システムの制御装置が些細な、特に意図しないポジション変化に基づいて、第1の動作モードから第2の動作モードへの切換を実行することを排除できるという利点がある。このような意図しない位置特定装置のポジション変化は、たとえば利用者による手の震えや手振れの結果として不可避的に生じる可能性がある。
特に、感度は特定のパラメータによって設定可能であってもよい。1つの好ましい実施形態では、たとえば位置特定装置のポジション変化の認識の感度は、位置特定センサの検出領域のサイズまたは直径によって与えられる。そのようにして、行われた位置特定装置のポジション変更が、第1の動作モードのとき方向解像式および/または位置解像式に位置特定をする位置特定装置の検出領域のサイズまたは直径よりも少なくとも大きい探知表面上の距離に相当しているときに、第1から第2の動作モードへの切換を行えるという利点がある。
別案として、たとえば位置特定装置のポジション変更速度やポジション変更加速度に依存して、感度をダイナミックに設定可能であってもよい。そのために、ダイナミックな量に対して相応の対応する感度を割り当てる、特に関数、特に評価関数、および/または表が意図されていてよい。
本発明による位置特定システム、特にハンドヘルド型の位置特定器の1つの好ましい実施形態では、位置特定装置は、探知表面への位置特定装置の載置、および/またはこれからの離脱を検知するために意図される載置認識装置を有している。
載置認識装置はさまざまな仕方で具体化されていてよく、好ましくは光学式、機械式、および/または電気式のセンサとして、特にたとえばキーまたはスイッチとして具体化され、これらが探知表面への、またはこれからの位置特定装置の載置および/または離脱の結果として出力信号を生起する。さらに、載置認識装置は間隔センサとして構成されていてもよく、探知表面と位置特定装置との間の間隔を検知して評価することができる。位置特定システムの1つの好ましい実施形態では、載置認識装置はポジションセンサとともに1つのコンポーネントとして、または特別に好ましくはポジションセンサと同一に施工されていてよい。その代替または追加として、載置認識装置は位置特定装置を利用したうえで具体化されていてもよい。
探知表面への、ないしこれからの位置特定装置の載置および/または離脱が認識される結果として、位置特定システムの機能を制御し、特に始動および/または終了させることができるという利点がある。このような種類の機能は、たとえば動作モードの選択、位置特定システムまたは出力装置の照明のスイッチオンおよび/またはスイッチオフ、位置特定、測定、測定の記録などの開始または終了を対象とすることができる。特に、位置特定装置の載置が認識される結果として、それまでに判定ずみの位置特定情報を消去することができ、および/または新たなデータセットを記憶装置に印加し、これに判定されるべき位置特定情報を、特に少なくとも二次元の地図情報を保存することができるのが好ましい。このように、位置特定システムの測定のためのリセット機能または新規スタート機能を簡単な仕方で具体化することができる。
その代替または追加として、探知表面からの位置特定装置の離脱が認識される結果として、判定された位置特定情報の、特に少なくとも二次元の地図情報の、保存および/またはデータ伝達を実行することができる。これに加えて、位置特定プロセスを中断するための、および/または位置特定システムの利用者に出力される地図情報を凍結するための「ホールド」機能または「フリーズ」機能も考えられる。「ホールド」機能または「フリーズ」機能は、たとえば探知表面の同一のポジションに長くとどまっている場合や、探知表面から位置特定装置が離脱された場合に作動化することができる。それが特に好ましいのは、見通しの良くない探知表面で位置特定装置が使用されるときである。
そのようにして位置特定システムは、位置特定システムの機能の自動化により、位置特定システムの使用時に利用者をサポートするために意図されるという利点がある。このようにして、位置特定システムの操作快適性およびそれに伴うユーザー適合性が明らかに向上するという利点がある。これに加えて、利用者による位置特定システムの誤った使用、特に、たとえばデータ紛失などを回避できるという利点がある。
付言しておくと、この種の機能を代替的または追加的に利用者により手動で作動化可能または不作動化可能に構成することが意図されていてよく、それにより、たとえば位置特定システムの特に操作部材などの入力装置を利用したうえでの利用者の入力または選択の結果として、機能を作動化または不作動化することができる。
本発明による位置特定システム、特にハンドヘルド型の位置特定器の1つの好ましい実施形態では、制御装置は、載置認識装置によって探知表面への位置特定装置の載置が認識されると第1の動作モードを選択および/または作動化するために意図される。
載置認識装置を利用したうえで、位置特定システムの利用時における操作快適性を明らかに向上させることができる。探知表面への位置特定装置の載置が載置認識装置によって検知され、その結果として位置特定システムの第1の動作モードが制御装置により選択されるのが好ましい。このようにして、第1の動作モードの選択が、探知表面へ位置特定装置が載置されるだけの結果として、利用者のその他の助力なしに行われることを具体化できるという利点がある。
そのようにして位置特定システムの利用者に、特別にユーザーフレンドリーで直感的な位置特定システムの操作が可能になるという利点がある。特に利用者は、位置特定装置を載置した後、選択された出発点の周辺での位置特定をただちに始めることができる。その際には第1の動作モードを適用したうえで、方向解像式および/または位置解像式の位置特定が実行される。このとき出発点は、利用者が位置特定装置を載置した探知表面の個所に正確に相当しているのが好ましい。
そして利用者が、当該個所で検知可能な位置特定物体について概要を把握すると、引き続き利用者は、任意の方向へ位置特定装置を単純に動かすことで、特に位置特定装置のポジション変更または移動をすることで、第2の動作モードへの位置特定システムの切換を開始することができる。そして第2の動作モードを適用しながら、探知表面に位置特定装置を連続して通過させることで、少なくとも二次元の地図情報を生起することが利用者に可能となる。このとき、すでに第1の動作モードで判定されている方向解像および/または位置解像された位置特定情報が拡張、精緻化、更新、または上書きされるのが好ましい。
本発明による位置特定システム、特にハンドヘルド型の位置特定器の1つの好ましい実施形態では、制御装置は、載置認識装置によって探知表面への位置特定装置の載置が認識されると位置特定プロセスを、特に測定を開始し、特に新たに開始するために意図される。
このようにして、位置特定システムの位置特定プロセスを新たに開始するために、直感的に利用可能なリセット機能または新規スタート機能を具体化することができる。位置特定プロセスの開始には、すでに判定ずみの位置特定データ、位置特定情報、および/または地図情報の保存が結びついているのが好ましい。さらに、出力装置により利用者に出力される地図情報の消去も、位置特定プロセスの開始に結びついていてよい。
その代替または追加の実施形態では、位置特定装置の載置の認識には関わりなく、位置特定システムによって新たな位置特定プロセスを開始することもできる。このことは、たとえば位置特定データ、位置特定情報、および/または地図情報の完全性を損なう妨害現象を回避するために実行することができる。特に、たとえば位置特定に影響を及ぼす妨害信号の存在のもとで、あるいは検知されたポジションデータの時間的なずれの結果として、およびそれに伴うポジションデータの不十分な精度の結果として、新たな位置特定プロセスを開始することができる。
本発明による位置特定システム、特にハンドヘルド型の位置特定器の1つの好ましい実施形態では、位置特定情報を表示するため、特に少なくとも二次元の地図情報を表示するために意図される少なくとも1つの表示装置が存在する。
表示装置は位置特定情報を表示するために意図される。表示装置は、二次元の地図情報の少なくとも1つの区域を表示するため、好ましくは少なくとも1つの二次元の地図情報または地図を表示するために意図されるのが好ましい。つまり表示装置とは、ここでの関連においては特に、表示データの伝達および/または出力のために評価装置と接続されている装置を意味するものとする。表示装置は、情報の具象的な表示ないし出力のために意図される、平面状の二次元の表示部材を有しているのが好ましい。特に表示装置は、少なくとも二次元の地図情報を平面状の表示部材を利用して表示し、そのようにして出力するためにも設計される。表示装置はグレーレベルの表示のため、特別に好ましくはカラーの表示のために意図されるのが好ましい。表示器が3D表示能力を有するように構成されていて、利用者に三次元の画像印象を伝えるために意図される手段を含んでいることも考えられる。そのようにして、カラーコーディングまたはグレーレベルコーディングを利用して地図情報を位置特定システムの利用者に出力できるという利点がある。表示装置により位置特定システムの利用者に位置特定情報が表示および出力されることで、特別にコンパクトでフレキシブルでただちに利用可能な位置特定システムを提供することができる。
表示装置は、位置特定情報、特に地図情報を伝送するために評価装置と接続されているのが好ましい。このとき表示装置はデータケーブルを用いて、またはケーブルレス式に評価装置と接続されていてよい。評価装置が表示装置に組み込まれており、または表示装置が評価装置のコンポーネントとともに単一のデバイスとして施工されることが考えられる。表示装置の平面状の表示部材は、たとえば液晶表示器、OLED表示器、LED表示器、その他の適当な表示技術のために意図されるスクリーン、あるいはプロジェクタとして具体化されていてよいのが好ましい。その代替または追加として、表示装置は、3D表示能力のある表示部材によって位置特定情報を表示するために意図されていてよい。
1つの好ましい実施形態では、表示装置は、特に多次元のマトリクス、表、アレイ、リストなどの形態の少なくとも二次元の地図情報を処理し、地図または地図の少なくとも1つのセグメントの形態で表示する目的で適合化するために意図される。表示装置は特に、位置特定情報を具象的な再現のためのディスプレイアトリビュートへと変換するため、たとえばグレー値レベル、グレー値推移のグレー値、色値レベル、色推移の色値、明度レベル、明度推移の明度値、飽和レベルもしくは飽和推移の飽和値、および/またはパターンおよび/または記号へと変換するために意図される。
1つの構成では、記憶装置が表示装置に組み込まれていてよい。さらに、表示装置が位置特定装置の一部として構成されることが考えられる。同様に、表示装置が位置特定装置から切り離されて構成され、および/または位置特定システムが、位置特定装置から切り離されて構成された別の表示装置を含んでいることも考えられる。表示装置は、位置特定システムのさまざまな位置特定センサおよび/またはさまざまな動作モードに付属していてよい。さらには位置特定システムが、外部の計算ユニットの一部として構成された表示装置との少なくとも1つのインターフェースを有していることが考えられる。このとき特に電子式のデータ処理機器が考えられ、たとえばコンピュータ、携帯電話、スマートフォン、オーガナイザー、PDA、タブレット、ラップトップなどが考えられる。
原則として、表示装置が位置特定器と切り離された状態でのみ構成され、出力値の伝送のために無線接続を介して、たとえばPoint−to−Point接続、アドホック接続、WLAN接続、ブルートゥース接続などを介して接続されることも考えられる。
さらに表示装置は、高い処理速度と表示速度とによって、位置特定センサを通過させた領域についての位置特定データがただちに、好ましくはリアルタイムで評価されて、位置特定情報および/または地図情報として表示されるという印象を位置特定システムの利用者に喚起するために意図されるのが好ましい。リアルタイムでの表示とは、特に、表示部材で位置特定情報の表示が完了するまでの表示装置による装置内部の処理時間が2秒以下、好ましくは1秒以下、特別に好ましくは0.1秒以下であることが意味される。
表示装置は、位置特定情報を、特に少なくとも二次元の地図情報を、表示部材により少なくとも縮尺どおりに具象的に表示するために意図されるのが好ましい。具象的な表示とは、ここでの関連においては特に、少なくとも位置特定物体の輪郭を利用者にとって認識可能にするために意図される、視覚的な、好ましくは実質的に縮尺どおりの位置解像された位置特定データの再現を意味するものとする。具象的な表示は、人間の観察者による解釈のために意図されるのが好ましく、閾値ベースの検知プロセスには左右されない。地図情報は、具象的な表示のために前処理された、最新の位置特定データおよび保存された位置特定データを含んでいるのが好ましい。原則として、地図情報は合成データ、たとえばグリッドネット、シンボル、ライン、カラーエイリアシング、および/またはシェーディングを含んでいることが考えられる。さらに表示装置は、1つの動作状態のときに二次元の地図情報全体を特に地図の形態で表示するために意図される。
一例としての実施形態では、位置特定情報の、特に少なくとも二次元の地図情報の、表示されるセグメントは、表示部材での地図情報の長さと、探知表面の対応する領域の長さとの比率に相当する結像縮尺を有することができる。結像縮尺は、第1の次元についてと第2の次元について等しい結像縮尺を有しているのが好ましい。結像縮尺は位置特定システムの利用者によって変更可能であるのが特別に好ましく、それにより、表示部材で表示される地図情報を拡大または縮小し、そのようにしてズームすることができる。
その代替または追加として、これ以外の表示縮尺も考えられる。特に、縮尺どおりの表示と縮尺どおりでない表示を両方とも位置特定システムの利用者への出力のために利用することができる。
原則として表示装置は、位置特定方向、位置特定精度、位置特定情報の解釈を容易にする記号を表示するためや、操作指図などを表示するために意図されることが考えられる。特に、このような情報を表示するために、表示部材から切り離されて位置特定情報のために構成された少なくとも1つの別の表示部材が設けられていてよい。
特に、位置特定システムの1つの好ましい実施形態では表示装置は、位置特定物体の位置特定方向を位置特定センサに対して相対的に表示するために意図されていてよい。このような位置特定方向は好ましくは矢印の形態で、または角度や距離などを指示しながら表示することができる。それにより利用者に方向指示を、特に少なくとも1つの位置特定物体が位置特定センサに対して存在している位置特定方向を、表示、出力することができる。そのようにして、位置特定物体が配置されている探知表面の領域を的確にさらに探知することができる。位置特定方向の別途の出力は、特別に効率的な位置特定プロセスを可能にする。
付言しておくと、表示装置、特に表示部材は、位置特定情報の出力以外に、位置特定システムの操作と制御に関連する、必要および/または有意義な一切の作業パラメータを表示するためにも同じく意図される。
本発明による位置特定システム、特にハンドヘルド型の位置特定器の1つの好ましい実施形態では、表示装置は、第1の動作モードによって、またはこれを適用したうえで決定/判定される方向解像および/または位置解像された位置特定情報を少なくとも二次元の地図情報として表示するために意図される。
本発明によると、方向解像および/または位置解像をする位置特定装置を利用して第1の動作モードで判定される方向解像および/または位置解像された位置特定情報を、少なくとも二次元の地図情報の形態で、特に地図として表示することができる。表示される少なくとも二次元の地図情報は、方向解像および/または位置解像をする位置特定装置の検出領域で探知表面を再現するのが好ましい。この表示は、方向解像および/または位置解像をする位置特定装置の検出領域における、方向解像および/または位置解像された位置特定情報の少なくとも実質的に縮尺どおりの具象的な表示であるのが好ましい。すなわち位置特定情報は視覚的に、特に縮尺どおりに、かつ方向解像式および/または位置解像式に再現されるのが好ましい。
1つの好ましい実施形態では、少なくとも二次元の地図情報はたとえば二次元の地図として、または探知表面の下の位置特定状況の二次元の図像として具体化される。どこに、すなわち特に位置特定装置から見てどの方向に、位置特定物体が検知されているかを地図または図像から直接的に読み取ることができる。1つの好ましい実施形態では、たとえば利用者に出力される地図は、位置特定装置の下に隠れている位置特定状況の縮尺に忠実な1:1図像を再現することができる。このようにして、地図から読み取ることができる位置特定された位置特定物体のポジションを、特別に簡単に工作材料に当てはめることが可能である。そのとき地図に表示される位置特定物体は、利用者から見て正確に位置特定装置のすぐ背後の対応する個所で、探知表面の下に隠れている。その代替または追加として、これ以外の表示縮尺も可能である。特に、縮尺どおりの表示と縮尺どおりでない表示をいずれも位置特定システムの利用者への出力のために適用することができる。
一例としての実施形態では、方向解像および/または位置解像された位置特定情報の少なくとも二次元の地図情報としての表示は、グレー値推移または色推移を利用して行われるのが好ましい。
表示される少なくとも二次元の地図情報は、最新に測定された位置特定データと、具象的な表示のために前処理されている、保存された位置特定データとを両方とも含むことができるのが好ましい。原則として、地図情報は合成データ、たとえばグリッドネット、シンボル、ライン、カラーエイリアシング、および/またはシェーディングを含んでいることが考えられる。
そのようにして、直感的な仕方により解釈可能な少なくとも二次元の地図情報を、特に地図の形態で、位置特定装置の周辺の探知表面に関わる方向解像および/または位置解像された位置特定情報によって得ることが位置特定システムの利用者に可能になるという利点がある。位置特定装置の周辺の探知表面に関わる方向解像および/または位置解像された位置特定情報による少なくとも二次元の地図情報の作成は、探知表面に対する位置特定装置のポジション変更なしに具体化されるのが特別に好ましい。したがって、探知表面に対する位置特定装置のポジション変更をしない測定をするだけで、位置特定システムの利用者は一覧性のある直感的かつ容易に解釈可能な少なくとも二次元の地図情報を得る。たとえば、探知表面の上の選択されたポジションで、探知表面の下に隠れている探知対象物の損傷なしに穴を穿設することができるかどうかの情報を、直接的かつ高い信頼度で少なくとも二次元の地図情報の表示から導き出すことが可能である。さらに、選択されたポジションの近傍にある位置特定物体を少なくとも二次元の地図情報の表示から容易な仕方ですでに認識できるので、利用者にはリスク見積りや危険見積りが容易になる。
本発明による位置特定システム、特にハンドヘルド型の位置特定器の1つの好ましい実施形態では、表示装置は、第2の動作モードにより、またはこれを利用して決定された位置特定情報を、特に三次元の位置特定情報を、少なくとも二次元の地図情報として表示するために意図される。
本発明によると、第2の動作モードで判定される位置特定情報、特に少なくとも三次元の位置特定情報を、少なくとも二次元の地図情報の形態で、特に少なくとも二次元の地図として表示することができる。表示される少なくとも二次元の地図情報は、位置特定装置のポジション変更により探知された探知表面の領域に関する探知表面を再現するのが好ましい。表示される少なくとも二次元の地図情報は、位置特定時点での探知表面に対する位置特定装置の二次元のポジションデータと位置特定データが相関づけられた、少なくとも三次元の位置特定情報を含んでいるのが好ましい。少なくとも三次元の位置特定情報は、特に、少なくとも1つの位置特定センサの、測定に直接的に関連する情報または測定値、たとえば振幅、位相位置、緩和時間などを対象とすることができる。別案として地図情報の位置特定情報は、方向情報、位置特定信号の定性的な信号強度、深さ情報などのような、解釈および/または前処理された情報を対象とすることができる。この表示は、少なくとも実質的に縮尺どおりの具象的な位置特定情報の表示であるのが好ましい。すなわち位置特定情報は視覚的に、特に縮尺どおりに、かつ方向解像式および/または位置解像式に再現されるのが好ましい。一例としての実施形態では、位置特定情報の、特に少なくとも二次元の地図情報の、表示されるセグメントは、表示部材での地図情報の長さと、探知表面の対応する領域の長さとの比率に相当する結像縮尺を有することができる。結像縮尺は、第1の方向についてと第2の方向について等しい結像縮尺を有することができる。一例としての実施形態では、少なくとも三次元の位置特定情報の表示は、好ましくはグレー値推移または色推移を利用したうえで、少なくとも二次元の地図情報の形態で行われる。位置特定状況の少なくとも二次元の地図情報または探知表面の下の二次元の図像から、どこで、すなわち特にどの方向で、特に位置特定装置から見て、および/または探知表面上のどのポジションで、位置特定物体が検知されるかを直接的に見て取れるのが好ましい。そのために少なくとも二次元の地図情報は、最新の位置特定データだけでなく、具象的な表示のために前処理されている、保存された位置特定データも含むことができるのが好ましい。原則として、地図情報は合成データ、たとえばグリッドネット、シンボル、ライン、カラーエイリアシング、および/またはシェーディングを含んでいることが考えられる。
第2の動作モードを適用しながら、探知表面に位置特定装置を連続して通過させることで、少なくとも二次元の地図情報を生起することが利用者に可能である。探知表面に関わる位置特定情報を含む、直感的な仕方により解釈可能な二次元の地図を得ることが位置特定システムの利用者に可能になるという利点がある。探知表面に対する位置特定装置のポジション変更の結果として探知表面が連続して測定されることで、位置特定システムの利用者は、一覧性のある直感的かつ容易に解釈可能な少なくとも二次元の地図情報を得る。
本発明による位置特定システム、特にハンドヘルド型の位置特定器の1つの好ましい実施形態では、表示装置は、地図情報の表示されるセグメントをポジションデータに依存して、および/または動作モードに依存して変えるために意図される。
表示装置および/または評価装置は、地図情報の表示されるべきセグメントをポジションデータに依存して、および/または動作モードに依存して決定するために意図されるのが好ましい。それにより、特別に臨機応変に使用可能な位置特定システムを提供することができ、位置特定物体を特別に迅速に位置特定することができる。現在位置特定センサに割り当てられているポジションデータが表示されているセグメントの縁部領域に達すると、表示装置は、表示されるセグメントを変位または拡大するのが好ましい。縁部領域は、表示されているセグメントの全長の5パーセント、好ましくは10パーセント、特別に好ましくは15パーセントの幅を有しているのが好ましい。
位置特定システムの1つの好ましい実施形態では、表示装置は、地図情報の表示されるセグメントを位置特定センサのポジションに対して固定し、特にセンタリングするために意図される。そのようにして、探知表面の上で位置特定装置がポジション変更されたときに地図情報が変位および/または回転して、位置特定センサおよびこれに伴って位置特定装置の最新のポジションが常に−地図情報の表示されるセグメントに関して−固定され、特にセンタリングされるようになる。「固定する」または「センタリングする」とは、ここでの関連においては特に動的に固定ないしセンタリングすること、すなわち、位置特定プロセス中に地図情報の表示されるセグメントを位置特定センサのポジションに追従させることを意味するものとする。換言すると、利用者に表示される地図情報における、特に地図における位置特定装置のポジションは、常に事前定義された点に固定されており、特に中央にセンタリングされる。探知表面上で位置特定装置がポジション変更されると、表示される地図情報も、特に地図も、その固定を、特にセンタリングを維持するために変位する。
このようにして、利用者への直感的で誤りの起こりにくいオリエンテーションをサポートするという利点がある、特別に直感的に使用可能な位置特定システムを提供することができる。そのようにして位置特定システムの利用者に、探知表面に対する位置特定装置の実際のポジションに直感的に割当可能な地図情報のセグメントが常に出力されるという利点がある。
利用者に表示される地図情報、特に地図における固定された、特にセンタリングされた位置特定装置のポジションは、マーキングされているのが好ましい。このような種類のマーキングは、たとえば十字線、長方形、正方形などの形態の記号によって具体化されていてよい。相応の位置が位置特定器および/または位置特定装置および/または位置特定センサおよび/または位置特定センサのアクティブなセンサ領域の、縮尺に忠実な表現および/またはシルエットによって再現されるのが特別に好ましい。さらに、固定および/またはセンタリングされた表示に関わる表示パラメータを利用者によって調整可能および/または選択可能に構成することが考えられる。特に、このようにしてたとえば表示部材のどの個所で、地図情報の表示されているセグメントに対する位置特定センサおよびそれに伴って位置特定装置のポジションが固定されて表示されるかを定義する座標ペアを自由に調整することができる。
位置特定システムの1つの好ましい実施形態では、表示装置は、位置特定センサの最新のポジションを、探知表面に対する位置特定装置のポジション変更に応じて、地図情報の表示されているセグメントで追従するために意図される。そのようにして位置特定システムの利用者は、位置特定装置の最新のポジションを、地図情報の表示されているセグメントと直接的に相関づけることができる。表示されている地図情報における位置特定センサのマーキングされた位置が、探知表面に対する位置特定装置のポジション変更に依存して変化するからである。このとき地図情報の表示されるセグメントは実質的に維持されるのが好ましいが、地図情報の表示されるセグメントに再現される探知表面の領域を、利用者が位置特定装置に任せているときにはその限りでない。
たとえば位置特定システムのシステム設定を変更することで、両方の表示可能性の間で切換をすることが位置特定システムの利用者に可能になるのが好ましい。
位置特定システムの代替または追加の実施形態では、表示装置は、表示される地図情報をポジションデータに依存してスケーリングするために意図される。それにより、特別に臨機応変に使用可能な位置特定システムを提供することができる。位置特定物体を特別に迅速に位置特定することができ、位置特定を特別に関連性のある領域だけに限定することができるからである。スケーリングとは、ここでの関連においては特に、表示装置が結像縮尺を適合化し、特に解像度を拡大および/または縮小して、細かいディテールを目に見えるようにすることを意味するものとする。その代替または追加として表示装置は、解像度が低減されて細かいディテールがあまり目に見えなくなるように、結像縮尺を適合化することもできる。結像縮尺とは、表示部材での地図情報の長さと、これに対応する探知表面の領域の長さとの比率を意味するものとする。表示装置は検出されたすべてのポジションデータに依存して結像縮尺を決定するか、または表示装置は最後に検出されたポジションデータに依存して結像縮尺を決定して、利用者が探知表面の限定された領域内で位置特定装置を動かすと、結像縮尺を拡大することが考えられる。「最後に」とは、過ぎ去った設定可能な時間インターバルの内部で、たとえばそのつど直近の30秒以内で理解されるものとする。
位置特定システムの代替または追加の実施形態では、表示装置は、地図情報の表示されるセグメントを移動速度に依存してスケーリングし、および/または解像度を変更するために意図される。それにより、特別に臨機応変に利用可能な位置特定システムを提供することができる。位置特定物体を特別に迅速に位置特定することができ、特別に関連性のある領域だけに位置特定を限定することができるからである。高い移動速度は小さい結像縮尺に対応するのが好ましく、表示装置は探知表面の広い領域を表示部材で表示し、それに対して低い移動速度は大きい結像縮尺に対応し、表示装置は探知ユニットの狭い領域を相応に高い、および/または精緻な解像度で表示する。
位置特定システムの1つの好ましい実施形態では、表示装置は、地図情報の表示されるセグメントを手動式に、すなわち利用者入力に依存して変更し、特に変位させ、拡大し、縮小し、回転させるなどのために意図される。このようにして位置特定システムの利用者は、特に位置特定の実行後に、位置特定された位置特定物体に関する詳細な一覧を知るという可能性を得る。たとえば利用者は自分の関心の対象となる地図情報の、特に地図の領域を詳細に、すなわち拡大して眺めることができる。地図情報の表示されるセグメントの変更、特に地図情報の表示されるセグメントの変位、拡大、縮小、回転などは、たとえば入力装置や出力装置を利用して、あるいはポジションセンサを入力補助として利用したうえで、具体化されていてよい。このようにして位置特定システムの利用者は、たとえば探知表面の上で位置特定装置を移動させることで、地図情報の表示されるセグメントの変更を惹起することができ、それは実際の位置特定の実行に準じて、すでに判定ずみの地図情報の、およびそれに伴って探知表面の下に隠れている位置特定物体の、オフライン鑑定を利用者に可能にする。
位置特定システムの代替または追加の実施形態では、表示装置は地図情報を探知表面へ投影するために意図されており、それにより、位置特定物体の配置を探知表面上で直接表示することができる。このようにして、利用者による位置特定データの空間的な割当のときの潜在的な間違いを回避できるという利点がある。さらに、特別に高い操作快適性が実現される。位置特定システムの利用者は、位置特定にあたって探知表面に集中するだけでよく、探知表面と表示装置の間で視線を交代させる必要がないからである。
位置特定システムの1つの好ましい実施形態では、表示装置は、位置特定装置の、特に位置特定器の指標に割り当てられ、そのようにして表示される地図情報における当該指標のポジションを表すマーキングを、地図情報の表示されるセグメントに表示するために意図される。特にこの指標は位置特定センサの中心点、位置特定装置の、特に位置特定器の輪郭、位置特定装置の、特に位置特定器の定義されたマーキング装置、特に標識個所などであってよい。このようにして、位置特定装置の、特に位置特定器の指標のポジションを、容易かつ一義的な仕方により、地図情報の表示されるセグメントに対して直接的に関連づけることができる。そのようにして、たとえば探知表面の上で関心の対象となるポジションを識別またはマーキングするために意図される、位置特定装置の、特に位置特定器のマーキング装置、特に標識個所を、表示装置により表示される地図情報のセグメントと関連づけることができる。たとえばマーキング装置を表す、特に標識個所を表すマーキングが、表示されている地図情報において位置特定物体の上にあるとき、位置特定装置の、特に位置特定器のマーキング装置は、特に標識個所は、探知表面に対して同じく位置特定物体の上にある。
「標識個所」とは、特に、位置特定装置に、特に位置特定器に設けられる切欠きであって、たとえばペンで実行されるべき、探知表面上の識別表示またはポジションマーキングの定義された標識づけの役目を果たすものであると理解される。
さらに、位置特定システムの利用者は、位置特定装置の、特に位置特定器の異なる指標に割り当てられる異なるマーキングの間で選択および/または切換できることが考えられる。すなわち位置特定システムの1つの実施形態では、特に、たとえば位置特定装置の、特に位置特定器の相違する位置に設けられた異なるマーキング装置の間で、特に標識個所の間で、選択および/または切換をすることが意図されていてよい。
位置特定システムの1つの実施形態では、異なるマーキングの間での選択または切換は、たとえば位置特定装置の、特に位置特定器のポジション変更の方向に依存して、位置特定システムにより主導されることが意図されていてもよい。
位置特定システムの代替または追加の実施形態では、表示装置は、ポジションデータに依存して警告信号を出力するために意図されていてよく、それにより、位置特定プロセスを特別に容易に、直感的に、かつ誤りが生じないように、規定された探知領域だけに限定することができる。そのために、評価ユニットは利用者により規定可能な探知領域を有しているのが好ましく、現在検出されているポジションデータが探知領域の縁部領域に配置されているときに、または探知領域の範囲外に配置されているときに、警告信号を出力するために意図される。
位置特定システムの別の代替または追加の好ましい実施形態では、表示装置は、位置特定センサの移動速度に依存して警告信号を出力するために意図されていてよい。このことは、地図情報の高いデータ品質を確保するために利用できるという利点がある。評価ユニットは、移動速度が上側の閾値を上回ったときに警告信号を出力するために意図されているのが好ましい。原則として評価ユニットは、位置特定プロセスを中断させて、その旨を利用者に表示するために意図されることも考えられる。上側の「閾値」とは、ここでの関連においては特に、利用者により規定可能またはシステムにより生起可能であり、および/または測定プロセス中に評価ユニットにより位置特定データの品質を参照して判定されて、その範囲内では位置特定データの品質が少なくとも満足のいくものである値を意味するものとする。
本発明による位置特定システム、特にハンドヘルド型の位置特定器の1つの好ましい実施形態では、表示装置および/または評価装置は、地図情報の生成および/または修正にあたって位置特定情報の少なくとも一部を表示せず、ないしは除外するために意図される。
評価装置は、地図情報の生成および/または修正にあたって位置特定データおよび/または位置特定情報の少なくとも一部を除外し、特に表示しないために意図される。位置特定データおよび/または位置特定情報のそれぞれ一部が地図情報の生成および/または修正にあたって除外され、特に表示されない数多くの実施形態が考えられる。特に、表示または表現からの位置特定データおよび/または位置特定情報の一部の除外をもたらすことができる、数多くの基準および/またはルーチンが考えられる。たとえば評価装置は、1つの実施形態では、位置特定センサから伝送される位置特定データを予想される値範囲と比較し、特にたとえば保存されている位置特定データおよび/または探知表面に関して隣接する領域についてすでに判定されている位置特定データと比較するために意図されていてよい。そして判断規則を適用したうえで、位置特定データ相互の差異に依存して、または予想される値範囲と位置特定データとの比較に依存して、データ品質についての値を提供することができる。さらに、この判断規則はポジションセンサのデータを考慮して、位置特定データを確実にポジションデータに割り当てることができるかどうかチェックする。したがって評価装置は、判定されたデータ品質と位置特定データとに依存して、高い信頼度でポジションデータへ割当可能ではない位置特定データを、地図情報の生成および/または修正にあたって除外する。
本発明による位置特定システムの好ましい実施形態では、位置特定システムは、位置特定装置と、評価装置と、制御装置と、ポジションセンサと、表示装置とを少なくとも収容するハウジングを有する、ハンドヘルド型の位置特定器として施工される。
位置特定器は、位置特定システムの主要な機能コンポーネントを少なくとも収容するハウジングを有しているのが好ましい。ハウジングは、制御装置と、位置特定装置と、ポジションセンサと、評価装置と、入力装置および/または出力装置と、記憶装置と、エネルギー供給装置とを少なくとも収容するのが好ましい。特に各コンポーネントはその総容積に関して50%以上、好ましくは75%以上、特別に好ましくは100%、位置特定器のハウジングの中に格納される。ハンドヘルド型の位置特定器は、探知されるべき対象物の探知表面にわたって位置特定器を案内することができるグリップまたはグリップ領域を有することができるのが好ましい。ハンドヘルド型の位置特定器の質量は特に5kg以下、好ましくは3kg以下、特別に好ましくは1kg以下である。このようにして、片手で容易に案内可能なコンパクトな位置特定器を具体化することができる。さらに、このようにして各コンポーネントを損傷や外部要因に対して、特に水分やダストに対して防護できるという利点がある。
別案として、位置特定センサおよびポジションセンサを有する、手で案内される位置特定装置を備えた位置特定システムが提案される。
これに加えて、位置特定センサと、ポジションセンサと、本発明による位置特定システムの表示装置とを有する、手で案内される位置特定装置が提案される。それにより、特別にコンパクトで臨機応変に利用可能な位置特定装置を提供することができる。位置特定装置とは、ここでの関連においては特に、位置特定センサと、ポジションセンサと、評価装置と、表示装置とを少なくとも収容するハウジングを有するユニットを意味するものとする。
さらに、探知表面の下に隠れている位置特定物体を位置特定する本発明の方法が提案され、この方法では、位置特定システムの少なくとも2つの動作モードを選択可能であり、第1の動作モードのときに位置特定装置のポジション変更なしに方向解像および/または位置解像された位置特定情報を決定および/または提供するとともに、第2の動作モードのときにポジションセンサのポジションデータに対する位置特定データの割当によって少なくとも三次元の位置特定情報を決定および/または提供するために評価装置が意図される。特にこの方法は、本発明に基づく2つの動作モードを適用したうえで、探知表面の下に隠れている位置特定物体に関する探知表面の探知を可能にする。
本方法の1つの好ましい実施形態では、この方法は特に次の各ステップのうち少なくとも1つを有することを特徴としていてよい:
・探知表面の上でのハンドヘルド型の位置特定装置の載置が載置認識装置によって認識ないし検知され;
・探知表面への位置特定装置の載置の認識時に、ないしは認識の結果として、制御装置により第1の動作モードが選択され;
・ハンドヘルド型の位置特定装置の方向解像および/または位置解像をする位置特定センサの設定可能な検出領域を適用したうえで、探知表面の下に隠れている位置特定物体に関する位置特定データが方向解像式および/または位置解像式に検出され、特に、探知表面の上に位置特定装置が載置された個所で探知表面に対する位置特定装置のポジション変更なしに方向解像および/または位置解像された位置特定がなされ;
・方向解像および/または位置解像をする位置特定センサにより検出された位置特定データをベースとして評価装置を利用しながら方向解像および/または位置解像された位置特定情報が決定および提供され;
・位置特定情報、特に少なくとも二次元の地図情報が表示装置を用いて表示され;好ましくは少なくとも二次元の地図が表示され;
・探知表面に対する位置特定装置のポジション変化がポジションセンサを用いて認識され;
・位置特定装置のポジション変化が認識されると、ないしは認識の結果として制御装置により主導されて位置特定システムが第2の動作モードに切り換えられ;
・位置特定データとポジションセンサのポジションデータからポジションデータに対する位置特定データの割当によって少なくとも三次元の位置特定情報が決定および提供され;
・少なくとも三次元の位置特定情報から評価装置を用いて少なくとも二次元の地図情報が、特に地図が好ましくはリアルタイムで決定および提供され;
・位置特定情報が、特に少なくとも二次元の地図情報が表示装置を用いて表示され;好ましくは少なくとも二次元の地図が表示され;
このとき、
・位置特定データおよび/または位置特定情報が評価装置により補間および/または外挿され;
・第1および第2の動作モードで決定された位置特定情報が評価装置によって組み合わされ;
・すでに決定された位置特定情報、特にすでに第1の動作モードで決定された位置特定情報が、位置特定装置のポジション変更のときに、特に探知表面の領域があらためて通過されたときに、評価装置を用いて補足および/または更新および/または精緻化および/または上書きされ;
・地図情報の表示されるセグメントがポジションデータに依存して、および/または動作モードに依存して表示装置によって変えられ;
・位置特定情報の少なくとも一部が評価装置および/または表示装置による地図情報の生成および/または修正のときに表示されない。
図面に示された実施例を参照しながら、本発明について以下の記述で詳しく説明する。図面、発明の詳細な説明、および特許請求の範囲は数多くの構成要件を組合せの形で含んでいる。当業者はこれらの構成要件を目的に即して単独で考察し、有意義な別の組合せをなすようにまとめることもできる。図中の同じ符号は同じ部材を表している。
図1および図2は、本発明による位置特定システム10の一例としての実施形態の2通りの図面を斜視側面図として、および簡略化した模式的な平面図として示している。図示された位置特定システム10は、ハンドヘルド型の位置特定器10’として具体化されている。位置特定システム10の以下の実施例はすべてハンドヘルド型の位置特定器10’としての位置特定システム10の実施形態を対象としており、したがって、位置特定システム10および位置特定器10’という両方の用語は、以下においては同義語として使用される。位置特定器10’の記載されているすべての構成要件は、本発明による位置特定システム10の別案の実施形態に同じように転用可能である。
以下に示す実施例では、位置特定装置12は、位置特定システム10の好ましくはすべてのコンポーネントを含む位置特定器10’の構成要素として具体化されている。したがって位置特定器10’は、本発明に基づく位置特定装置12を有している。以下においてたとえば「探知表面14に対する位置特定器10’のポジション変化の認識」という言い方をする場合、このことは、「探知表面14に対する位置特定装置12のポジション変化の認識」という意味で位置特定装置12にも転用可能である。
一例として製作されているこの位置特定器10’は、ハウジング16と、位置特定器10’のオンオフをするのに適した操作部材18、ならびに測定プロセスの開始とコンフィギュレーションをするため、および作業パラメータを入力するための接触感度のある表示部材20の形態の入力装置とを有している。接触感度のある表示部材20は表示装置22の一部であり、この表示装置は作業パラメータおよび/または評価結果を、特に位置特定情報を表示および出力する役目を果たす。
操作部材18ならびに接触感度のある表示部材20からなる入力装置は、位置特定器10’の利用者による作業パラメータの入力に用いられる。入力装置の各コンポーネントは、利用者入力を伝送するために、評価装置24および/または制御装置26と接続されている。評価装置24および/または制御装置26は、利用者入力を評価して、位置特定情報の生成と修正のためのパラメータを適合化するために意図される。たとえば利用者入力を通じてカラースケール、カラースケールの割当、結像縮尺、位置特定センサ28の感度などを定義し、もしくは適合化することができる。
表示装置22は、位置特定情報を表示するため、特に二次元の地図情報の少なくとも1つのセグメントを表示するため、好ましくは少なくとも1つの二次元の地図情報32または地図を表示するために意図される。表示装置22は、位置特定情報を伝送するために評価装置24と接続されている。表示装置22は、少なくとも1つの二次元の地図情報32を表示し、好ましくは縮尺どおりに表示するために意図される。さらに表示装置22は、1つの動作モードのときに全体の二次元の地図情報32を表示するために意図される。表示装置22は、少なくとも二次元の地図情報を表示するための表示部材20を有している。本実施例では、表示部材20はカラー表示能力のあるOLEDディスプレイとして構成されている。表示装置22は位置特定器10’の一部として構成されていて、位置特定器10’のハウジング16に組み込まれている。評価装置24は、出力値を伝送するために表示装置22と接続されている。原則として、表示装置22が位置特定器10’から切り離されて構成されていて、出力値の伝送のためにワイヤレス接続を介して接続され、たとえばPoint−to−Pointアドホック接続、WLAN接続、ブルートゥース接続などを介して接続されることも考えられる。表示装置22により、特に表示部材20により表示される少なくとも二次元の地図情報のセグメントは、表示部材20での地図情報の長さと、これに対応する探知表面14の領域の長さとの比率に相当する結像縮尺を有している。結像縮尺は、第1の方向と、特に第1の方向に対して直行する第2の方向とについて同じ結像縮尺を有している。少なくとも二次元の地図情報の表示は、特に、探知表面の上での位置特定器10’の向きに左右されない。したがって表示される少なくとも二次元の地図情報は、位置特定器10’の向きに関わりなく、探知表面14の下で位置特定される位置特定物体30を忠実な位置で表す。表示される少なくとも二次元の地図情報は、位置特定器10’が回転したときに、その回転運動の方向と反対向きに回転するのが好ましく、それにより、表示される少なくとも二次元の地図情報は、位置特定10’が回転しているときでも、探知表面14の下で位置特定される位置特定物体30を忠実な位置で再現する。
表示装置22は、位置特定物体30の判定された位置特定方向を位置特定センサ28に対して相対的に表示するために意図される。原則として表示装置22は、さらに別の必要な、有用な、および/または有意義な情報を出力または表示するために意図されており、たとえば位置特定方向、位置特定精度、位置特定情報の解釈を容易にする記号、操作指図などを出力するために意図されることが考えられる。そのために表示装置22は、別の実施形態では、位置特定情報および/または地図情報のための表示部材20から切り離されて構成された別の表示部材20’を有することができる。
位置特定システム10の表示装置22により、第1の動作モードおよび/または第2の動作モードを適用して判定された方向解像および/または位置解像された位置特定情報を、少なくとも二次元の地図情報32として、特に二次元の地図として、表示することができるという利点がある。さらに位置特定器10’は、その持ち運びや案内のためにハンドグリップ34を備えている。ハンドグリップ34、操作部材18、ならびに表示部材20は、位置特定器10’が操作されるとき典型的には利用者のほうを向く位置特定器10’のハウジング側にある。
位置特定器10’へエネルギー供給をするために、位置特定器10’は器具裏側36に、すなわち表示部材20を収容する器具側と器具裏面で向かい合う器具側に、電力網に依存しない少なくとも1つのエネルギー蓄積器38、特にバッテリまたは再充電可能な蓄電池を収容するために意図される切欠きを有している。一例として説明しているこの位置特定器10’はリチウムイオン蓄電池を有しており、その高いエネルギー密度と出力密度は、位置特定器10’へのエネルギー供給のために好適である。別案の実施形態では、エネルギー蓄積器38が位置特定10’のハンドグリップ34に格納されていてもよい。エネルギー蓄積器38は、離脱可能な形状接合式および/または摩擦接合式の接続インターフェースを有しているのが好ましく、それにより、少なくとも1つのエネルギー蓄積器38を脱着可能かつ交換可能なように、位置特定器10’の表面または内部に配置可能である。これに加えてエネルギー蓄積器38は位置特定器10’の内部および/または外部で、電力網からエネルギーの供給を受けて充電することができる。
位置特定器10’は、位置特定データに割当可能な、探知表面14に対する位置特定装置12のポジションデータを検出するために意図されるポジションセンサ40を含んでいる。ポジションセンサ40は、位置特定器10’が組付状態にあるとき、器具裏側36のハウジング壁に収容される。ポジションセンサ40は、位置特定センサ28とポジションセンサ40とが少なくとも実質的に固定的な互いの相対位置で配置されるように、位置特定器10’のハウジング16と結合されるのが好ましい。ポジションセンサ40により位置特定器10’は、探知されるべき加工材42の探知表面14に対する位置特定器10’のアライメント変化および/またはポジション変化を検知することができる(図3も参照)。ポジションセンサ40は、特に、位置特定器10’の運動ならびに進んだ距離および/または方向を検出し、そのようにして、特に探知表面14に対する位置特定器10’のポジションに関して測定結果を、特に位置特定データを設定することを可能にする。これに加えて特にポジションセンサ40は、探知表面14に対して垂直に、かつ位置特定センサ28の中心点を通って延びる軸を中心とする位置特定器10’の回転を検知することを可能にする。図示した実施例では、ポジションセンサ40は、位置特定器10’の使用時に探知されるべき加工材42のほうを向く器具裏面36のハウジング壁に配置された、光学式のポジションセンサ40として、特に光学式の変位センサとして構成されている。さらにポジションセンサ40は、探知表面14への位置特定器10’の載置、またはこれからの離脱を検知するように設計されている。このようにしてポジションセンサ40は同時に、位置特定器10’およびそれに伴う位置特定装置12の探知表面14への載置やこれからの離脱を検知するために、位置特定器10’の、特に位置特定装置12の、載置認識装置44としての役目を果たす。
その代替または追加としてポジションセンサ40は、位置特定器10’の1つの実施形態では、2つのレーザ光源(詳しくは図示せず)を含んでおり、それらの放射方向は互いに垂直に、探知表面14と平行の平面に配置されている。ポジションセンサ40は、この実施形態では、反射される光線に対する発信された光線の位相位置の決定をもとにして、他の建築物部分、たとえば建物床面、建物天井、建物壁などからの位置特定センサ28の距離を決定するために意図される。ポジションセンサ40は、本実施例では、位置特定センサ28のポジションを絶対的に決定するために意図され、すなわち、ポジション決定はその直前に占めていた位置特定センサ28のポジションに左右されない。
位置特定システム10は、ポジションデータについての基準系として意図される、詳しくは図示しない座標系を有しているのが好ましい。座標系は直交座標系として構成されていてよい。ポジションセンサ40は、座標系の原点に対するポジションデータを判定して伝送する。位置特定システム10は利用者入力を参照して、座標系の原点を探知表面14の基準点に割り当てるために意図される。原則として、基準点が探知表面14の範囲外に配置されていることも可能である。ポジションデータは、x値とy値とを有するポジション座標ペアを形成するのが好ましい。
測定されるべき加工材42の探知表面14の上に、たとえば壁42’またはコンクリート床面の上に位置特定器10’が載置された後、ポジション変更の結果としての、特に加工材42の上での位置特定器10’の移動やスライドの結果としての、位置特定器10’のポジション変化が判定される。このポジションデータが以後の評価のために評価装置24へ転送される。探知表面14のポジション依存的な測定と評価により、測定結果の多次元の表現を、たとえば特に少なくとも二次元の地図情報32および/または擬似三次元の表示(特に図7参照)の形態で生成できるのが特別に好ましい。
いっそう厳密な、特に相対的なポジション決定をするために、代替的または追加的に、特に写真、傾斜、角度、並進、加速度、ならびに角速度に感度のあるセンサも存在していてよい。
位置特定器10’の支持部材46の上に、特にハウジング16内部のシステム基板または配線板の上に、位置特定器10’のさらに別のコンポーネント、特に位置特定装置12、制御装置26、評価装置24、ならびに制御装置26および/または評価装置24と接続されたデータ通信インターフェース48および記憶装置50が格納されている(特に図2および図3を参照)。
制御装置26は、位置特定器10’の他のコンポーネントと通信する手段を含む制御エレクトロニクスを有しており、たとえば位置特定装置12を制御および/または調節する手段、ならびに位置特定器10’を制御する手段を含んでいる。制御装置26は、特に、プロセッサユニットと、記憶装置ユニットと、記憶装置ユニットに保存された動作プログラムとを有する詳しくは図示しないユニットを含んでいる。制御装置26は、位置特定器10’の少なくとも1つの動作機能パラメータを利用者による少なくとも1つの入力に依存して、評価装置24および/またはデータ通信インターフェース48により調整するために意図される。
制御装置26は、特に、位置特定システム10の動作モードを自動的に選択し、位置特定システム10の各動作モードの間で自動的に切換をするように構成される。第1の動作モードへの位置特定システム10の切換は、探知表面14への位置特定装置12の、特に位置特定器10’の載置の検知に関する信号を制御装置26が載置認識装置44から受け取るとただちに、制御装置26により主導される。これに加えて制御装置26は、探知表面14に対する位置特定器10’の、特に位置特定装置42のポジション変化が認識されたとき、第2の動作モードへの位置特定システム10の切換を主導する。位置特定器10’の運動がポジション変化として認識される感度は、位置特定システム10の利用者によって設定可能である。さらに位置特定システム10の利用者は、位置特定システム10の適用されるべき動作モードを手動で選択し、および/または動作モードの自動的な切換を不作動化することができる。
評価装置24は、データを伝送するために位置特定センサ28およびポジションセンサ40と接続されており、位置特定センサ28の位置特定データを評価するために意図される。そのために評価装置24は、少なくとも1つのプロセッサと、詳しくは図示しない記憶装置およびそこに保存された実行可能な動作プログラムとを有している。評価装置24は、評価結果を解釈し、換算し、補間および/または外挿し、ならびに位置特定器10’を、特に評価ルーチンをキャリブレーションすることを可能にする、保存された修正表および/またはキャリブレーション表を有しているのが特別に好ましい。さらに評価装置24は、データ通信インターフェース48および表示装置22と、特に表示部材20と、信号工学的に接続されている。評価結果、特に位置特定データから導き出された位置特定情報が、評価装置24から以後の利用のために制御装置26を介して記憶装置50へ、またはデータの送信のためにデータ通信インターフェース48へ、もしくは位置特定器10’の利用者へ直接出力される。利用者への出力は特に表示装置22によって行われ、すなわち、表示部材20での表示によって行われる。表示部材20での出力はグラフィック式、数値式、および/またはアルファベット式に、たとえば測定値の形態、測定曲線の形態、信号推移の形態、時間推移の形態、画像データとして、勾配表示として、記号を用いて、ならびにこれらの組合せとして行うことができる(特に図6,7,8参照)。その代替または追加として信号表示による表示、特にたとえばカラーコーディング(たとえば赤、黄色、緑)を通じて目標量を判断する発光ダイオードによる表示も可能である。
位置特定システム10、特に位置特定器10’は、探知表面14の下に隠れている位置特定物体30に関する位置特定データを方向解像式および/または位置解像式に検出するために意図される位置特定装置12を有している。そのために位置特定装置12は、検出領域52で方向解像および/または位置解像をする少なくとも1つの位置特定センサ28を含んでいる。位置特定センサ28を含めた位置特定装置12は、位置特定器10’のハウジング16に格納されており、それにより位置特定装置12は位置特定システム10の組付状態のときハウジング16によって保持、保護される。図示した実施例では、位置特定センサ28はLCRアンテナ54として構成される。LCRアンテナ54は、位置特定器10’の利用者と反対を向いている器具裏側36で、電磁放射を照射するために意図される。加工材42の内部で反射および/または散乱された信号が、特に、探知表面14の下に隠れている位置特定物体30によって少なくとも部分的に反射された電磁放射が、位置特定装置12の位置特定センサ28によって検知される。その際に、少なくとも位置特定センサ28の検出領域52にある探知表面14の下に配置された容積部の電磁特性が検出される。探知表面14により引き起こされる反射は、受信された信号からフィルタアウトされる。反射された電磁放射を利用して検出される電磁特性は、たとえば、探知表面14の下に隠れている位置特定物体30の電気的または磁気的な伝導率や、電気的または磁気的な感受率に関わるものである。位置特定装置12の位置特定センサ28は、位置特定器10’の使用時に利用者と反対を向くほうのハウジング側のすぐ下で、ハウジング16の内部に配置されている。このようにして位置特定センサ28を位置特定器10’の使用時に、特に探知されるべき探知表面14の上に位置特定器10’が載置されたときに、探知表面14の近傍で位置決めできるという利点がある。
位置特定センサ28は、位置特定装置12の方向解像および/または位置解像をする位置特定センサ28として構成されている。位置特定センサ28、特にLCRアンテナ54は電気的にアライメント可能なように構成されている(特に図5b参照)。位置特定装置12の方向解像および/または位置解像をする位置特定センサ28は、設定可能な、特に選択可能または調整可能な検出領域52を有している(特に図5b参照)。
1つの領域で探知表面14の下に配置されている位置特定物体30、たとえば鉄筋、配線、配管、補強材、中空スペースなどが、位置特定センサ28により生成される電磁場を、そのような位置特定物体30のない領域と比較して変化させる。位置特定センサ28は、そうした変化を連続的な値範囲で検出するために意図される。このような位置特定データ、特に物理的および/または工学的なパラメータおよび/または特性量、たとえば振幅、電圧、電流強度、パルス時間、出力などが評価装置24へと転送され、これにより評価ルーチンを用いて評価、前処理される。
図3には、本発明による図1および2の位置特定器10’の実施形態が、簡略化された模式的な側面図として示されている。図示するように位置特定器10’は、探知表面14の下に隠れている位置特定物体30の位置特定を実行するために、器具裏側36によって探知表面14のすぐ近傍で、特に探知表面14と接触するように、平坦に位置決めされる。図3(同様に図4〜5,7〜8)の探知表面14は、一例として建物壁42’の表面として図示されている。ここでは位置特定器10’は手によって探知表面14に沿っておよび/または探知表面14にわたって案内されるために意図される。このとき位置特定器10’は器具裏側36をもって、探知されるべき探知表面14のすぐ近傍で位置決めされ、それにより、器具裏側36と探知表面14との間の間隔が最小限となるようにされる。このようにして、位置特定装置12から放出される電磁放射が、探知されるべき加工材42の中へ浸透できることが実現される。
利用者は、探知表面14の上に位置特定器10’が載置された後で局所的に、すなわちスタティックかつ位置特定10’のポジション変更なしに、位置特定を行うことができる。このことは図4aおよび図7に示されている。局所的な位置特定、すなわち位置特定10’の、特に位置特定装置12のポジション変更のないスタティックな位置特定は、本発明に基づく位置特定システム10の第1の動作モードで可能となる。その代替または追加として利用者は、位置特定器10’を作動中に探知表面14に沿って動かすことができ、特にスライドまたは移動させることができる。このことは図4bおよび4cに、位置特定器10’のポジション変更の経路56を表す矢印で示唆されている。この経路56は、図4bに示す実施形態では、互いに垂直に向く部分経路56’の連続に対応する。探知されるべき壁42’に対して、これらの部分経路56’はたとえば水平方向と垂直方向に延びることができる。1つの好ましいユーザーフレンドリーで特別に直感的な実施形態では、図4cに示すように、位置特定器10’を探知表面14にわたって自由に動かすこともできる。この実施形態では、所定の、特に固定的な経路56’に沿った運動が必要ないのが特別に好ましい。そのようにして利用者は、自由に実行可能なワイプ運動で位置特定器を、特に位置特定装置12を、探知表面14にわたって案内し、簡単かつ直感的な仕方により探知表面14を探知することができる。位置特定器の自由なワイプ運動は、自由な、特に任意に構成された経路56’’に帰結し、この経路は、運動または移動路についての所定のラスタや所定のスプールに左右されない。位置特定器10’のポジション変更中に実行される位置特定は、本発明に基づく位置特定システム10の第2の動作モードで可能となる。
位置特定システム10の、特に位置特定器10’の、方向解像および/または位置解像をする位置特定センサ28は、設定可能な、特に選択可能または調整可能な検出領域52を有している。特に、検出領域の立体角α(図3参照)を選択可能または調整可能である。この検出領域52の内部で、位置特定センサ28が好ましくは方向解像式および/または位置解像式に位置特定をすることができ、すなわち、探知表面14の下に隠れている位置特定物体30に関する位置特定データを方向解像式および/または位置解像式に検出することができる。特に、方向解像および/または位置解像をする位置特定センサ28は、位置特定器10’の図示した実施形態では、電気制御によってアライメント可能(方向づけ可能)な位置特定センサ28として具体化されている。
位置特定器10’の位置特定装置12は、一例としての実施形態では、電磁放射の送受信ユニット58として構成される。位置特定装置12は、位置特定センサ28としての少なくとも1つのLCRアンテナ54と、これを制御するための切換ユニット60とを含んでいる。一例として施工されたLCRアンテナ54が図5aに斜視側面図として示されている。図5bは、同じLCRアンテナ54を、探知されるべき加工材42の手前で模式的な側面図として示している。LCRアンテナ54は、正方形の平面放射器62と、4つのインターフェース64a〜dと、4つの適合化手段66とを有している。適合化手段66は、インターフェース64a〜dのうちそれぞれ1つを平面放射器62と接続する。向かい合う2つのインターフェース64a,c(ないし64b,d)が、それぞれ切換ユニット60と導電接続されている。別案としてLCRアンテナ54は、2つのインターフェース64a,cだけを有することもできる。平面放射器62は、LCRアンテナ54のアース面68に対して平行に延びている。適合化手段66は、平面放射器62と平行に、台形状の、特に三角形状の形状を有しており、それぞれ2つのインターフェース64a,c(ないし64b,d)を切換ユニット60と接続する回線の特性インピーダンスに合わせて、平面放射器62の特性インピーダンスを適合化する。回線の特性インピーダンスは、1つの好ましい実施形態では50オームである。
図5bに模式的な断面で示すとおり、LCRアンテナ54は加工材42の中に侵入する電磁信号を器具裏面36で発信する。さらに図5bが示すように、LCRアンテナ54は探知表面14と平行の方向に、それぞれLCRアンテナ54の配線に応じて相違する3つの送信特性および/または受信特性70a〜cを有している。この送信特性および/または受信特性70a〜cは、図5bでは、送信ローブおよび/または受信ローブ(アンテナパターン)として模式的に再現されている。切換ユニット60は、作動時に3つの異なる送信特性および/または受信特性70a〜cを切り換える。そのために切換ユニット60は、詳しくは図示しない位相アクチュエータおよび/または振幅アクチュエータと、成端抵抗とを有している。位相アクチュエータは、入力部と出力部の間で通過する信号の位相を180度だけシフトさせる。位相アクチュエータおよび/または振幅アクチュエータはインターフェース64の1つと固定的に接続されている。別案として位相アクチュエータおよび/または振幅アクチュエータは、動作状態に応じて別様に配線されていてよい。成端抵抗は、インターフェース64a,cまたは64b,dのうちの1つを無反射で成端させるために意図される。そのために成端抵抗は、LCRアンテナ54のインターフェース64a〜dと導電接続可能である。
LCRアンテナ54のほか、LCRアンテナ54の作動のために、アンテナ制御部、信号発生器、アンテナ分岐部、および復調器がさらに設けられており、これらが位置特定装置12の中にまとめられている(詳しくは図示せず)。信号発生器は、アンテナ制御部により復調器の評価に適合するように制御されながら送信信号を生成する。アンテナ分岐部は送信信号を信号発生器から切換ユニット60へ導通するとともに、LCRアンテナ54により受信される受信信号を切換ユニット60から復調器へ導通させる。別案として位置特定装置12は、別々の送信アンテナと受信アンテナを有することもでき、これらにより特に送信アンテナだけの、または受信アンテナだけの送信特性および/または受信特性だけが切り換えられる。位置特定信号が発信されて受信されることで、アンテナ制御部は、LCRアンテナ54と位置特定物体30の間の距離を、ただし少なくとも位置特定物体30の存在および/または横方向位置に関する情報を、送信特性および/または受信特性70a〜cを利用して決定できるのが好ましい。
これに加えてアンテナ制御部は、中央の検知方向74に対して垂直方向の少なくとも1つの軸72における位置特定物体30のポジションに関する少なくとも1つの情報を信号から決定する。切換ユニット60は、送信信号をLCRアンテナ54の第1のインターフェース64aに印加し、LCRアンテナ54の対応する第2のインターフェース64cを無反射で成端することによって、第1の送信特性および/または受信特性70aを切り換える。第1の送信特性および/または受信特性70aの主放射方向76aは、LCRアンテナ54の中央の検知方向74に対して相対的に第1の方向へおよそ20度の角度を有している。切換ユニット60は、送信信号をLCRアンテナ54の対応する第2のインターフェース64cに印加し、LCRアンテナ54の対応する第1のインターフェース64aを無反射で成端することによって、第2の送信特性および/または受信特性70cを切り換える。第2の送信特性および/または受信特性70cの主放射方向76cは、LCRアンテナ54の中央の検知方向74に対して、第1の方向と反対向きの方向でおよそ20度の角度を有している。切換ユニット60は、送信信号をLCRアンテナ54の第1のインターフェース64aへ直接印加するとともに、位相アクチュエータおよび/または振幅アクチュエータを介してLCRアンテナ54の第2のインターフェース64cへ印加することによって、第3の送信特性および/または受信特性70bを切り換える。このとき切換ユニット60は2つの異なる位相角および/または振幅で、LCRアンテナ54の2つのインターフェース64a,cに送信信号を供給する。第3の送信特性および/または受信特性70bの主放射方向76bは、LCRアンテナ54の中央の検知方向74に対して平行に延びている。このように切換ユニット60は、単一のLCRアンテナ54の3つの送信特性および/または受信特性70a,b,cの間で切換をするために意図されている。付言しておくと、それぞれの送信特性および/または受信特性の間の切換は、同じく軸70に対して垂直に延びる第2の軸70’(詳しくは図示せず)でも行うことができる。このようにして、LCRアンテナ54を的確に制御することで、方向解像式および/または位置解像式の位置特定を実行することができる。図示した実施例では、LCRアンテナ54の検出領域52の全体を5つの送信特性および/または受信特性70a〜cおよび70d〜e(図示せず)に分割できるのが好ましい。つまりLCRアンテナ54を的確に制御することで、互いに独立した少なくとも5つの空間方向ないし位置特定セグメントで、方向解像式および/または位置解像式の位置特定を具体化可能であるという利点があり、それぞれ異なる送信特性および/または受信特性70a〜eが、それぞれ1つの空間方向ないし位置特定セグメントを定義する。たとえば表示部材20を用いて利用者に出力することができる、このような種類のLCRアンテナ54の互いに独立した位置特定方向ないし位置特定セグメントの表現が、図6a〜cに示されている。いっそう多い数の互いに独立した位置特定方向ないし位置特定セグメントとして帰結する、LCRアンテナ54のいっそう細かい制御も同じく考えられる。
位置特定器10’の評価装置24は、少なくとも位置特定システム10が第1の動作モードにあるとき、方向解像および/または位置解像をする位置特定センサ28により検出された位置特定データをベースとして、方向解像および/または位置解像された位置特定情報を決定および提供するために意図される。したがって特に評価装置24は、探知表面14に対する位置特定装置12のポジション変更なしに位置特定データから方向解像および/または位置解像された位置特定情報を決定して提供するために意図される(特に図4,7)。そのために評価装置24は、方向解像および/または位置解像をするLCR位置特定アンテナ54の位置特定特性を利用して検出される位置特定データを受け取る。評価結果は、特に方向解像および/または位置解像された位置特定データから導き出された位置特定情報は、評価装置24から以後の利用のために制御装置26を介して、データの発信のためにデータ通信インターフェース48へ出力されるか、または保存のために記憶装置50へ出力されるか、または位置特定器10’の利用者に直接出力される。利用者への出力は特に表示装置22によって、すなわち表示部材20での表示によって行うことができる。ここでは表示装置22は、位置特定情報を、特に少なくとも二次元の地図情報32を、好ましくは二次元の地図として表示するために意図される。表示装置22により、第1の動作モードを適用したうえで判定される方向解像および/または位置解像された位置特定情報を、少なくとも二次元の地図情報32として、特に二次元の地図として表示できるのが好ましい。表示部材20での出力は、説明している実施形態では選択的にグラフィック式、数値式、および/またはアルファベット式に、たとえば測定値の形態、測定曲線の形態、信号推移の形態、時間推移の形態、画像データとして、勾配表示として、記号を用いて、二次元の地図として、および/またはこれらの組合せとして行うことができる。
図6は、表示装置22を用いた位置特定情報の二次元の表示のさまざまな例としての実施形態を示している。特にこの表示は、二次元の地図情報32の形態、特に二次元の地図の形態での表示である。図6aには、位置特定装置12ないしLCR位置特定アンテナ54から5つの立体角の各々へ互いに独立して発信ないし受信される5つの送信特性および/または受信特性70a〜eが、それぞれ1つの円として模式的に示されている。ここで各々の円は、LCRアンテナ54から5つの空間方向の各々へ発信ないし受信される送信特性および/または受信特性70a〜eのそれぞれ1つの投影を表す。1つの送信方向および/または受信方向で位置特定信号が受信されると、そこから判定される位置特定情報が、当該方向ないし当該位置特定セグメントに対応する送信特性および/または受信特性70a〜eの影つきまたは色つきで表された面によって、特に円形面によって出力される。一例として図示する実施形態では、5つの方向ないし位置特定セグメントのうちの2つ(右と下)で位置特定信号が受信され、それが当該方向ないし位置特定セグメントの色つきで表された(本例:影つきの)円形面で表現される。他の3つの方向ないし位置特定セグメントでは位置特定信号が受信されておらず、したがって、当該方向ないし位置特定セグメントの対応する円形面は色つきではない(本例:影つきではない)。このように、LCRアンテナ54から評価装置24へ転送される位置特定データは、探知表面14に対する位置特定装置12のポジション変更なしに、方向解像および/または位置解像をするLCRアンテナ54の的確な制御によってのみ判定される。
図6bに示す別の実施形態では、位置特定データは補間された位置特定データとして、位置特定情報の二次元のカラーレベル地図表示またはグレーレベル地図表示32’(本例:影)の形態で出力される。位置特定データおよび/または位置特定情報の補間および/または外挿の機能は、位置特定システム10の第1および/または第2の動作モードのときに評価装置24によって提供される。
別案として信号表示78による表現も考えられ、その様子が図6cに示されている。この信号表示では、色つきでマーキングされる要素を通じて、位置特定センサ28に対して相対的な位置特定物体30の位置特定方向が利用者に出力される。特にこのような表示は、位置特定システム10の別案の実施形態では、表示部材20とは別個に施工される別の表示部材20’を用いて出力することができる。
図7は、探知表面14の上での、およびそれに伴って位置特定物体30に対する、位置特定器10’の3つの異なるポジションを取り上げて、補間される二次元の地図情報32を用いた位置特定情報の表示に対して、変化する位置特定情報が及ぼす影響を示している。特に、二次元の地図情報32が位置特定情報を、特に位置特定物体30の存在を、本例では探知される壁の下にある鉄筋の存在を、直感的に理解できるように再現する様子が明らかに認められる。
さらに評価装置24は、第2の動作モードのときに、ポジションデータに対する位置特定データの割当によって位置特定データとポジションデータから少なくとも三次元の位置特定情報を決定して提供するために意図される(特に図4b〜cおよび図8も参照)。この少なくとも三次元の位置特定情報から、評価装置24により、少なくとも二次元の地図情報32を決定して提供することができ、特にリアルタイムで決定して提供することができる。
少なくとも二次元の地図情報32は、行と列に配置された成分を含むマトリクス構造を有する、詳しくは図示しない区画(ピクセル)の集合として構成される。このときマトリクスの1つの成分が、地図情報の1つの区画に相当する。位置特定装置12の各々の出力値が、少なくとも1つの区画に割り当てられる。1つの区画ポジションは、地図x値および地図y値を有する地図座標ペアによって規定される。評価ユニット24は、ポジションセンサ40のポジションデータとの組合せに基づいて、位置特定データを地図情報のそれぞれ少なくとも1つの区画に割り当てるために意図されている。そのようにして評価装置24は位置特定センサ28の位置特定データを、ポジションセンサ40のポジションデータによって二次元の地図情報32の各区画へ直接割り当てる。評価装置24は位置特定データをちょうど1つの区画に割り当てるか、または複数の区画に割り当てることが考えられる。複数の位置データが1つの区画に割り当てられ、評価ユニット24がそのために位置特定データを重みづけすることも考えられる。原則として、目的に適ったさまざまな重みづけを適用可能であり、重みづけはポジションデータに依存して構成されていてよい。1つの動作モードのとき、評価ユニット24は区画への位置特定データの割当をデータ密度に合わせて適合化し、特に割当およびそれに伴って空間的な解像度を精緻化して、地図情報32を改善していく。利用者が探知表面14または探知表面14の一領域を複数回位置特定器10’によって、およびそれに伴い位置特定センサ28によって通過させる位置特定プロセスのとき、データ密度が増えていき、評価ユニット24は地図情報32の各区画への位置特定データの割当を精緻化していって、地図情報32の空間的な解像度を向上させ、および/または精緻化する。そのために、評価装置24は最新の位置特定データおよびポジションデータについて、先行する測定に由来する同じポジション座標ペアを有する対応するデータセットが存在するかどうか、たとえば記憶装置50に存在するかどうかチェックすることが意図されていてよい。それが該当するとき、評価装置24は位置特定データを、特に記憶装置50から読み出された位置特定データを出力値の計算に取り込み、その際に、すでに存在するデータに対する最新の位置特定データの重みづけを利用する。原則として、目的に適ったさまざまな重みづけを適用可能である。
このように特に評価装置24は、すでに決定および/または表示されている位置特定情報を、特に少なくとも二次元の地図情報32を、位置特定装置12がポジション変更されたときに、特に探知表面14の領域があらためて通過されたときに補足および/または更新および/または精緻化および/または上書きするために意図される。すでに第1の動作モードで決定されている位置特定情報も、特に少なくとも二次元の地図情報32も、位置特定装置12がポジション変更されたとき、このようにして位置特定器10’の移動および/または新たな領域80の通過および/またはすでに探知されている探知表面14の領域84のあらためての通過の結果として、補足および/または更新および/または精緻化および/または上書きされるのが好ましい。このように評価装置24は、第1および第2の動作モードで決定される位置特定データおよび/または位置特定情報を、特に少なくとも二次元の地図情報32を組み合わせることを可能にする。したがって、位置特定10’の利用者へも同じく組み合わされた出力を行うことができる。
本実施例では、少なくとも二次元の地図情報32の出力値は、連続的または準連続的なカラースケールの色値を有している。評価装置24は、探知表面14の下に隠れている位置特定物体30を含んでいる領域を特徴づける色値を決定する。特に位置特定された物体30は、それが探知表面14の下で位置特定された深さに依存して、それぞれ異なる色値で表示される。
評価装置24は地図情報32をリアルタイムで決定して提供するために意図される。評価装置24は作動時にそのつど位置特定センサ28のデータとポジションセンサ40のデータを、位置特定センサ28およびポジションセンサ40によってそれが検出された順序で逐次的に処理する。処理速度は、位置特定センサ28で通過された領域84についての位置特定データがただちに割り当てられて、地図情報32として提供されるという印象を位置特定器10’の利用者に喚起することができる。評価装置24によって処理される位置特定データおよびポジションデータのデータレートは、評価装置24によりただちに処理できないデータが考慮されないままになるように、評価装置24の処理速度に合わせて適合化される。
評価装置24は、位置特定データおよび/または位置特定情報を位置特定システム10の両方の動作モードで補間および外挿するために意図される。評価装置24は、補間および外挿された二次元の地図情報32を提供し、すなわち二次元の地図情報32の各領域の少なくとも一部分について、特に位置特定データのない領域について、補間データまたは外挿データを提供するために意図される。位置特定データのない領域の周辺の領域の位置特定データが、補間または外挿された位置特定情報を計算するために利用されるのが好ましい。そのようにして評価装置24は、補間値を判定するために1つの領域の周囲に由来する位置特定データを空間的に補間し、そのために、当該領域の周辺に由来する位置特定データを重みづけする。評価装置24は補間および/または外挿により、最新のポジションデータの周辺にある領域についての出力値を生成する。特に、地図情報の領域とは、マトリクス構造で処理される地図情報の個々の区画も意味される。
評価装置24は、地図情報32の生成および/または修正にあたって位置特定データおよび/または位置特定情報の少なくとも一部分を除外し、特に表示しないために意図される。そのために評価装置24は、位置特定センサ28から伝送される位置特定データを予想される値範囲と比較し、特に、たとえば保存されている位置特定データと、および/または探知表面14に対して隣接する領域ないし区画についてすでに判定されている位置特定データと比較するために意図される。そのように判断規則を適用したうえで、たとえば位置特定データ相互の差異に依存して、または予想される値範囲と位置特定データとの比較に依存して、データ品質についての値を提供することができる。さらに、この判断規則はポジションセンサ40のデータを考慮して、位置特定データを高い信頼度でポジションデータに割り当てることができるかどうかチェックする。評価装置24は、判定されたデータ品質や、高い信頼度でポジションデータに割当可能でない位置特定データに依存して、地図情報32の生成および/または修正にあたって位置特定データを除外する。
さらに、たとえば表示のコントラスト値、グレー値、色値、色飽和、または明度が、実行された位置特定に関わる追加の情報の役目を果たすことが意図されていてよい。1つの実施形態では、二次元の地図情報32における不正確または不確実なデータを、たとえばカラーレベルでなくグレーレベルで表示することによってマーキングすることができる。そして利用者は、データの品質および/または密度を高めるために、探知表面14のどの領域を位置特定器10’で、特に位置特定装置12でもう一度通過させねばならないかを判断することができる。利用者は探知表面14のその領域を場合によりもう一度、または複数回通過させ、位置特定システム10が二次元の地図情報32および地図情報32の表示を補足、圧縮、および/または改善する。特に位置特定システム10は、地図情報32および/または表示装置22の空間解像度を向上および/または精緻化させる。
さらに評価装置24は、探知表面14に対する位置特定器10’の、特に位置特定装置12の移動速度に依存して、警告信号を出力するために意図される。警告信号が特に出力されるのは、位置特定器10’の高すぎる加速度および/または高すぎる移動速度に基づき、位置特定データの精度および/または信頼度が所定のおよび/または設定可能な値よりも低下している場合である。本実施例では位置特定システム10は、警告信号を伝送するために評価装置24と接続され、利用者に警告信号を出力するために意図される、詳しくは図示しない信号部材を有している。本実施例では、信号部材は音響式の信号部材として構成されている。しかし原則として、信号部材が光学式または触覚式の信号部材として、たとえば振動部材として構成され、あるいは、それ以外の目的に適った信号を出力するために意図されることも考えられる。
さらに評価装置24は、ポジションデータに依存して警告信号を出力するために意図される。動作中に評価装置24は、表示されるセグメントの縁部領域にポジションデータが配置されているときに第1の警告信号を出力する。縁部領域は、表示されるセグメントの全長のたとえば10パーセントの幅を有している。原則として、この幅はこれ以外の目的に適った値を有することもできる。その代替または追加として評価装置24は、最新のポジションデータが表示されるセグメントの範囲外に配置されているときに、その種類に関して第1の警告信号と相違する別の警告信号を出力する。そのために位置特定器10’は、音響信号を出力する信号部材を利用する。
さらに評価装置24は、表示されているセグメントのポジションが、最新のポジションデータに対して相対的にどの方向に位置しているかを利用者に表示する方向情報を提供するために意図されることが考えられる。方向情報は、表示されているセグメントに対応する探知表面14の領域へと位置特定器10’を案内するにあたって利用者をサポートする。
表示装置22は、ポジションデータに依存して、および/または動作モードに依存して、地図情報32の表示されるセグメントを変えるために意図される。1つの動作モードのとき、表示装置22は各々の座標値について、検出されるポジションデータの値範囲の限界を判定し、すなわち、検出されるx座標値の最小値と最大値ならびに検出されるy座標値の最大値と最小値を判定する。検出されるポジションデータの値範囲は、探知表面14にわたっての位置特定器10’の運動に基づいてダイナミックに変化する。1つの動作状態のとき、表示されるセグメントは、探知表面14の上の1つの区間の長さと、表示されるセグメントにおける当該区間の画像の長さとの比率を表す固定的な結像縮尺を有している。表示装置22は、位置特定器10’の移動方向(経路56を参照)に相当する方向へ、表示されるセグメントを変位させ、直近に検出されて割り当てられた位置特定データをセグメント内部で表示する。表示装置22は、直近に検出されたポジションデータが表示されるセグメントの縁部領域に配置されているとき、表示されるセグメントを変位させる。1つの動作状態のとき、表示装置22は表示されるセグメントをダイナミックに変位させて、表示されるセグメント内での位置特定センサのポジションをセンタリングする。探知表面14の上で位置特定器10’が回転または回動したとき、地図情報32の表示されるセグメントは回転運動の方向と反対向きに回転し、それにより、表示されるセグメントは位置特定器10’の回転のもとでも、探知表面14の下に隠れている位置特定物体30を位置に忠実に、かつそれに伴って回転角の分だけ回転することなく再現する。
表示装置22は、地図情報の表示されるセグメントをスケーリングするために意図される。表示装置22はポジションデータに依存して、表示されるセグメントをスケーリングするために意図される。表示装置22は、表示されるセグメントが、検出されるポジションデータの範囲全体を含む動作状態を有している。表示装置22はこの動作状態のときスケーリングを適合化し、すなわち、表示装置22は結像縮尺を小さくして、表示されるセグメントが探知表面14のいっそう広い領域に相当する。スケーリングの変更は、たとえば図8bおよび8dに示す地図情報32の間で行われる。
別の動作状態のとき、表示装置22は表示されるセグメントの決定のために援用される多数のポジションデータを制限する時間インターバルを有している。この値領域について、別の動作モードでは、最新の時点を起点として時間インターバル内で検出されたポジションデータだけが考慮される。時間インターバル内で位置特定センサ28が探知表面14の小さな領域の内部に配置されている位置特定プロセスのとき、表示装置22は結像縮尺を大きくし、表示されるセグメントは探知表面14のいっそう小さい領域に相当する。表示装置22は表示されるセグメントの解像度を向上および/または精緻化させて、表示されるセグメントに対応する探知表面14の領域のいっそう細かいディテールを表示する。利用者は、位置特定器10’の、特に位置特定装置34の移動運動の広さを通じて、表示されるセグメントの解像度を制御する。
表示装置22は、地図情報32の表示されるセグメントを移動速度に依存してスケーリングするために意図される。表示装置22は、移動速度からどのようにして結像縮尺が求められるかを表す計算規則を有している。1つの動作状態のとき、表示装置22は移動速度に依存して結像縮尺を決定する。表示装置22は、高い移動速度については小さい結像縮尺を決定し、低い移動速度については大きい結像縮尺を決定する。すなわち低い移動速度について、表示装置22は大きい結像縮尺を設定して、表示されるセグメントの解像度を向上および/または精緻化させ、表示されるセグメントに対応する探知表面14の領域のいっそう細かいディテールを表示する。利用者は位置特定器10’の、特に位置特定装置34の移動速度を通じて、表示されるセグメントの解像度を制御する。
さらに、位置特定システム10の別案の実施形態では、位置特定システム10は、地図情報32を探知表面14へ投影するために意図される別の表示装置22’を有していることが意図されていてよい。そのために別の表示装置22’は、カラー表示能力のあるプロジェクタを有することができる。位置特定システム10は、利用者入力を参照してプロジェクタの1つの投影点または複数の投影点を、ポジションセンサ40についての1つの基準点または複数の基準点に割り当てるために意図される。そして評価装置24は、ポジションセンサ40の基準点への投影点の割当を、位置特定データのスケーリングおよび基準作成のために、プロジェクタにより表示される地図情報32に関して評価するために意図される。原則として、位置特定システム10は別の表示装置22’をただ1つの表示装置22として有することが考えられる。
さらに位置特定器10’は、二次元の地図表示32の修正および/または評価に関するデータを、外部のデータ機器(詳しくは図示せず)または外部のアプリケーションに提供するために意図される。1つの実施例では、外部のデータ機器はモバイル計算ユニット、たとえばスマートフォンや携帯型のコンピュータとして構成されていてよい。データ伝達のために位置特定器10’は、1つの好ましい実施形態ではWLANインターフェースまたはブルートゥースインターフェースとして具体化されるデータ通信インターフェース48を有している。
以下において、図8および9を参照しながら、機能形態と操作について、特に位置特定器10’の操作の基礎となる方法について、一例としてのシナリオの中で説明する。このシナリオでは、位置特定器10’の利用者が加工材42としての建物壁42’を隠れている位置特定物体36があるかどうか、特にたとえば鉄筋などがあるかどうか調べようとしている。操作部材18を通じての位置特定器10’のスイッチオンにより、位置特定器10’はまず位置特定システム10の機能コンポーネントのキャリブレーションを実行する(方法ステップ100)。キャリブレーションは、位置特定器10’の機能コンポーネントを使用開始する役目を果たし、特に、内部の記憶装置50の読出し、動作ルーチンのロード、位置特定センサ28、評価装置24、およびポジションセンサ40、ならびに載置認識装置44の初期化の役目を果たす。この使用開始のとき、位置特定器10’は利用者の手の中で自由に空中にあるのが好ましく、すなわち、特に探知表面14と接触していない。引き続いて位置特定器10’は使用準備が整い、待機状態、アイドリングモード、または検知状態になる(方法ステップ102)。
位置特定器10’の利用者は位置特定器10’を、そのために意図される器具裏側36で、探知されるべき壁42’の探知表面14へ任意の個所に載せる。このとき利用者は位置特定器10’を壁42’に軽く押しあてて、壁42’の上での位置特定器10’の意図しない滑りおよび/または手ぶれが回避されるようにする。位置特定器10’の載置認識装置が方法ステップ104で、探知表面14の上への位置特定器10’の載置を検知ないし認識し、この情報を位置特定器10’の制御装置26へ転送する。これを受けて制御装置26は、載置認識装置44による探知表面14への位置特定装置12の載置の認識の結果として、方法ステップ106で第1の動作モードへの位置特定器10’の自動的な切換を主導する。次いで位置特定器10’は動作準備が整い、特に、第1の動作モードで、探知表面14に対する位置特定器10’の、特に位置特定装置12のポジション変更なしに、位置特定センサの位置特定データから、方向解像および/または位置解像された位置特定情報を決定および提供する準備ができる。
器具内部で自動的に実行される第1の動作モードの選択を変更し、もしくはこれに影響を及ぼすために、位置特定器10’の利用者は、位置特定システム10の適用されるべき動作モードを手動で選択するという選択肢も常時有している(方法ステップ108)。このことは特に、位置特定器10’の入力装置による動作モードの選択を通じて行われる。各動作モードのうちの1つの自動的に実行された選択が、このようにして上書きされる。
位置特定器10’が第1の動作モードに入るとただちに、位置特定装置12の方向解像および/または位置解像をする位置特定センサ28が設定可能な、特に選択可能または調整可能な検出領域52で、位置特定を連続して実行する(方法ステップ110、図8a)。位置特定センサ28は、この実施例では、電気的にアライメント可能な位置特定センサ28として検出領域52で、方向解像および/または位置解像をする位置特定を可能にするために意図される、少なくとも1つのLCRアンテナ54を有する送受信装置58として具体化されている(図5a,b参照)。すなわち位置特定システム10の第1の動作モードでは、方法ステップ110で、探知表面14に対する位置特定装置12のポジション変更なしに位置特定データから方向解像および/または位置解像された位置特定情報が決定されて、評価装置24に提供される(方法ステップ110)。
評価装置24は位置特定装置12の位置特定データを受信し、位置特定システム10の第1の動作モードで、方向解像および/または位置解像をする位置特定センサ28により検出された位置特定データをベースとして、方向解像および/または位置解像された位置特定情報を決定する。評価装置24は、位置特定システム10の第1の動作モードのとき、方向解像および/または位置解像された位置特定データから、少なくとも二次元の地図情報32を、特に地図を決定するのが好ましい(図8b、図6a〜cおよび7も参照)。さらに評価装置24は、必要な場合、位置特定データの補間および/または外挿および/または重みづけを実行し、そのようにして評価された高価値な位置特定情報を生成する。引き続いて評価装置24は位置特定情報を、特に地図情報32を、器具内部で表示装置22および/またはデータ通信インターフェース48および/または記憶装置50に以後の利用のために伝送する。評価ステップは方法ステップ112にまとめられている。
表示装置22は位置特定情報を表示する役目を果たし、特に、少なくとも二次元の地図情報32を、好ましくは地図を表示するために意図される(図8b、図6a〜c,7も参照)。特に表示装置22は、第1の動作モードを適用して決定された方向解像および/または位置解像された位置特定情報を、少なくとも二次元の地図情報32として表示するために意図される。表示装置22は表示されるセグメントおよびそのセグメントのスケーリングをチェックし、セグメントおよび/またはセグメントのスケーリングを相応に適合化する。そして表示装置22は、地図情報32の準備されたセグメントを表示する。位置特定情報の表示と関連する重要な、必要な、または有意義なすべての方法ステップが、方法ステップ114としてまとめられている。
このようにして利用者は、探知表面14に対する位置特定装置12のポジション変更なしに決定された方向解像および/または位置解像された位置特定情報を受け取る。表示される位置特定情報の直感的で容易な解釈が可能である。特に位置特定器10’の利用者は、好ましく表示される地図情報32(図8b参照)を参照して、位置特定器10’の位置特定センサ28のすぐ下に隠れた位置特定物体30があるかどうかを、すでに認識することができる。このような情報を利用者が必要とするのは、たとえばちょうどその個所(位置特定センサ28の中心点)に穴を穿設しようとする場合である。
さらに利用者は、表示される方向解像および/または位置解像された地図情報32から、位置特定センサ28に対して(およびそれに伴い探知表面14に対して)どの方向に位置特定物体30が隠れて位置しているかを見て取ることができる。図8bに示す少なくとも二次元の地図情報32の例では、少なくとも1つの隠れた位置特定物体30が右下の方向に位置しており、出力された地図情報32の色つきの識別表示によって表されている(本例:影つき)。したがって利用者は、探知表面14の関心の対象となる領域を地図情報32を参照して識別することができる。
評価装置24は地図情報32をリアルタイムで決定するのが好ましく、それにより、地図情報32の時間的に解像された表示が表示装置22によって可能である。そのようにして時間的に変化する位置特定物体の位置特定が、時間解像式に可能である。たとえば変化する地図情報32を参照して、位置特定物体30が位置特定センサ28の検出領域52を通ってどのように通過移動するかを観察することができる。処理速度は、位置特定データがさほどの時間的遅延なくただちに地図情報32として提供されるという印象を利用者に喚起することができる。
探知表面14の下に隠れている位置特定物体30に関するさらに別の情報に利用者が関心を抱いているとき、利用者は位置特定器10’を位置特定センサ28およびポジションセンサ40とともに、好ましくは自由運動で探知表面14にわたって動かす(図8c,e,g)。位置特定器10’の制御装置26が、ポジションセンサ40から提供されるポジションデータを参照して、探知表面14に対する位置特定装置12のポジション変化を認識する。ポジション変化の認識の感度は、位置特定器10’の利用者によって位置特定器10’に設定可能であり、特に選択可能または調整可能である。方法ステップ116でのポジション変化の認識の結果として、制御装置26は位置特定システム10を第2の動作モードに移行させる(方法ステップ118)。
第2の動作モードのとき、位置特定センサ28が位置特定物体30の位置特定データを検出する。位置特定センサ28は位置特定データを評価装置24へ伝送する(方法ステップ120)。それと同時にポジションセンサ40がポジションデータを検出する(方法ステップ120)。ポジションセンサ40は、ポジションデータを同じく評価装置24へ伝送する。評価装置24は、第2の動作モードのとき、位置特定データおよびポジションデータから、ポジションデータへの位置特定データの割当によって少なくとも三次元の位置特定情報を決定、提供するために意図される(方法ステップ122)。そのために評価装置24は、位置特定データをポジションデータに割り当てる。得られた少なくとも三次元の位置特定情報から、さらに評価装置24は位置特定システム10の第2の動作モードで、少なくとも二次元の地図情報32、好ましくは二次元の地図を決定する。少なくとも二次元の地図情報32の決定はリアルタイムで行われるのが好ましい。さらに評価装置24は、必要な場合には補間および/または外挿および/または重みづけを実行し、そのようにして評価された位置特定情報を生成する。引き続いて評価装置24は位置特定情報を、特に地図情報32を、器具内部で表示装置22および/またはデータ通信インターフェース48および/または記憶装置50に以後の利用ないし保存のために伝送する。第2の動作モードでの位置特定・評価ステップは、シーケンシャルに反復して実施することができる方法ステップ120ないし122にまとめられている(破線の矢印によって図示)。
評価装置24は評価の枠内において、位置特定データ、ポジションデータ、および場合によりその他のデータを記憶装置50に保存することができる。特に評価装置24は、以前に検出された位置特定データおよびデータであって位置特定センサの最新のポジションの周辺のポジションが割り当てられているデータも、記憶装置50から呼び出すことができる。呼び出された位置特定データおよび/または位置特定情報を、改善された評価のために援用することができる。特に位置特定データの比較に基づく、特に位置特定データの補間、外挿、および/または重みづけに基づく種々の評価ルーチンが考えられる。評価装置24は補間および/または外挿された二次元の地図情報32を提供し、すなわち、少なくともそれまで位置特定データを利用可能でなかった二次元の地図情報32の領域の一部について、補間ルーチンまたは外挿ルーチンにより位置特定情報が提供される。そのために、位置特定データのない領域の周辺にある地図情報の領域の位置特定データが、当該領域の補間または外挿された位置特定情報の計算のために利用されるのが好ましい。そのようにして評価装置24は、補間値を判定するために1つの領域の周辺に由来する位置特定データを空間的に補間し、そのために当該領域の周辺に由来する位置特定データを重みづけする(方法ステップ122)。特に、地図情報の各領域とは、マトリクス構造で処理される地図情報の個々の区画も意味される。
利用者が探知表面14または探知表面14の1つの領域を、位置特定器10’および特に位置特定センサ28によって複数回通過させる位置特定プロセスではデータ密度が増大し、評価装置24は地図情報32の各領域への位置特定データの割当を精緻化するとともに、地図情報32の空間解像度を向上および/または精緻化させる。そのために、評価装置24は最新の位置特定データとポジションデータについて、先行する測定に由来する同じポジション座標ペアを有する対応するデータセットがすでに存在するかどうか、たとえば記憶装置50に存在するかどうかチェックすることが意図される。それが該当するとき、評価装置24は位置特定データを出力値の計算に取り込み、その際に、すでに存在するデータに対する最新の位置特定データの重みづけを利用する(方法ステップ122)。
このように特に評価装置24は、すでに決定および/または表示されている位置特定情報を、位置特定装置12がポジション変更されたときに、特に探知表面14の領域があらためて通過されたときに補足および/または更新および/または精緻化および/または上書きする。すでに第1の動作モードで決定されている位置特定情報も、位置特定装置12がポジション変更されたとき、このようにして位置特定器10’の移動および/または新たな領域80の通過および/またはすでに探知されている探知表面14の領域84のあらためての通過の結果として、補足および/または更新および/または精緻化および/または上書きされるのが好ましい。評価装置24は、第1および第2の動作モードで決定される位置特定データおよび/または位置特定情報を組み合わせることを可能にする。したがって、位置特定10’の利用者へも同じく組み合わされた出力を行うことができる。
表示、すなわち特に少なくとも二次元の地図情報32の評価と表示はリアルタイムで行われる。評価装置24は作動時にそのつど位置特定センサ28のデータとポジションセンサ40のデータを、位置特定センサ28およびポジションセンサ40によってそれが検出された順序で逐次的に処理する。処理速度は、位置特定センサ28で通過された領域84についての位置特定データがただちに割り当てられて、地図情報として提供されるという印象を利用者に喚起することができる。評価装置24によって処理される位置特定データおよびポジションデータのデータレートは、評価装置24の処理速度に合わせて適合化され、すなわち、評価装置24によりただちに処理できないデータが考慮されないままになる(方法ステップ122)。
評価装置24は、地図情報32の生成および/または修正にあたって位置特定データおよび/または位置特定情報の少なくとも一部分を除外し、特に表示しないために意図される。そのために評価装置24は、位置特定センサ28から伝送される位置特定データを予想される値範囲と比較し、特にたとえば保存されている位置特定データと、および/または探知表面14に対して隣接する領域についてすでに判定されている位置特定データと比較するために意図される。そのように判断規則を適用したうえで、たとえば位置特定データ相互の差異に依存して、または予想される値範囲と位置特定データとの比較に依存して、データ品質についての値を提供することができる。さらに、この判断規則はポジションセンサ40のデータを考慮して、位置特定データを高い信頼度でポジションデータに割り当てることができるかどうかチェックする。評価装置24は、判定されたデータ品質や、高い信頼度でポジションデータに割当可能でない位置特定データに依存して、地図情報32の生成および/または修正にあたって位置特定データを除外する(方法ステップ122)。
引き続いて評価装置24は位置特定情報を、特に地図情報32を表示装置22に伝送する。表示装置22は表示されているセグメントやセグメントのスケーリングをチェックし、セグメントおよび/またはセグメントのスケーリングを相応に適合化する。表示装置22は、第2の動作モードを適用して決定された位置特定情報を、特に三次元の位置特定情報を、少なくとも二次元の地図情報32として表示するために意図される(方法ステップ124)。利用者は地図情報32を解釈し、修正された地図情報32を参照して位置特定物体30の配置を識別し、および/または地図情報が不十分である探知表面14の領域80/84を識別して、当該領域80/84についての位置特定プロセスを続行する。評価装置24は、位置特定プロセスの過程で地図情報32を完全化、改善する。評価装置24は、地図情報32のためのポジションデータへの割当に関して、位置特定データの空間解像度を適合化する。表示装置は、表示されるセグメントに関して空間解像度を適合化する。
付言しておくと、本発明はアンテナ、特にレーダーアンテナまたはLCRアンテナの使用に限定されるものではない。原則として、位置特定器は探知表面の下に隠れている位置特定物体を位置特定するためにそれ以外の位置特定センサ、特にそれ以外の測定方式をベースとする位置特定センサ、たとえば少なくとも1つの誘導センサ、ACセンサ、容量性センサ、50ヘルツセンサ、マイクロ波センサ、テラヘルツセンサ、超高周波センサ、X線センサ、赤外センサ、NMRセンサなどを有するように具体化されていてよい。
上記に加えて、位置特定システムはデータ通信インターフェースを特にワイヤレス式の通信のために有していることが提案され、これを用いて位置特定器がデータを交換することができ、特に測定結果および/または位置特定情報および/または作業パラメータを送信および/または受信することができる。データ通信インターフェースは、少なくとも位置特定システムの制御装置および/または評価装置に信号工学的に接続される。データ通信インターフェースは、電子式の、特にデジタル式のデータを伝送するために、標準化された通信プロトコルを使用するのが好ましい。データ通信インターフェースは、ワイヤレス式のインターフェース、特にたとえばWLANインターフェース、ブルートゥース(登録商標)インターフェース、赤外線インターフェース、NFCインターフェース、RFIDインターフェース、または当業者に有意義と思われるその他のワイヤレス式のインターフェースを含んでいるのが好ましい。その代替または追加として、データ通信インターフェースはケーブル式のアダプタ、たとえばUSBアダプタやマイクロUSBアダプタも有することができる。
原則として、表示装置が位置特定器と切り離された状態でのみ構成され、出力値の伝送のために無線接続を介して、たとえばPoint−to−Point接続、アドホック接続、WLAN接続、ブルートゥース(登録商標)接続などを介して接続されることも考えられる。
表示装置22は、位置特定情報を表示するため、特に二次元の地図情報の少なくとも1つのセグメントを表示するため、好ましくは少なくとも1つの二次元の地図情報32または地図を表示するために意図される。表示装置22は、位置特定情報を伝送するために評価装置24と接続されている。表示装置22は、少なくとも1つの二次元の地図情報32を表示し、好ましくは縮尺どおりに表示するために意図される。さらに表示装置22は、1つの動作モードのときに全体の二次元の地図情報32を表示するために意図される。表示装置22は、少なくとも二次元の地図情報を表示するための表示部材20を有している。本実施例では、表示部材20はカラー表示能力のあるOLEDディスプレイとして構成されている。表示装置22は位置特定器10’の一部として構成されていて、位置特定器10’のハウジング16に組み込まれている。評価装置24は、出力値を伝送するために表示装置22と接続されている。原則として、表示装置22が位置特定器10’から切り離されて構成されていて、出力値の伝送のためにワイヤレス接続を介して接続され、たとえばPoint−to−Pointアドホック接続、WLAN接続、ブルートゥース(登録商標)接続などを介して接続されることも考えられる。表示装置22により、特に表示部材20により表示される少なくとも二次元の地図情報のセグメントは、表示部材20での地図情報の長さと、これに対応する探知表面14の領域の長さとの比率に相当する結像縮尺を有している。結像縮尺は、第1の方向と、特に第1の方向に対して直行する第2の方向とについて同じ結像縮尺を有している。少なくとも二次元の地図情報の表示は、特に、探知表面の上での位置特定器10’の向きに左右されない。したがって表示される少なくとも二次元の地図情報は、位置特定器10’の向きに関わりなく、探知表面14の下で位置特定される位置特定物体30を忠実な位置で表す。表示される少なくとも二次元の地図情報は、位置特定器10’が回転したときに、その回転運動の方向と反対向きに回転するのが好ましく、それにより、表示される少なくとも二次元の地図情報は、位置特定10’が回転しているときでも、探知表面14の下で位置特定される位置特定物体30を忠実な位置で再現する。
さらに位置特定器10’は、二次元の地図表示32の修正および/または評価に関するデータを、外部のデータ機器(詳しくは図示せず)または外部のアプリケーションに提供するために意図される。1つの実施例では、外部のデータ機器はモバイル計算ユニット、たとえばスマートフォンや携帯型のコンピュータとして構成されていてよい。データ伝達のために位置特定器10’は、1つの好ましい実施形態ではWLANインターフェースまたはブルートゥース(登録商標)インターフェースとして具体化されるデータ通信インターフェース48を有している。