以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明は実施形態に限定されない。
本実施形態においては、「左」、「右」、「前」、「後」、「上」、及び「下」の用語を用いて各部の位置関係について説明する。これらの用語は、埋設物探査装置1の中心を基準とした相対位置又は方向を示す。
[埋設物探査装置の概要]
図1は、本実施形態に係る埋設物探査装置1を模式的に示す正面図である。図2は、本実施形態に係る埋設物探査装置1を模式的に示す側面図である。図3は、本実施形態に係る埋設物探査装置1を模式的に示す上面図である。
埋設物探査装置1は、対象物OBに検出波を発射して、対象物OBを非破壊検査する。埋設物探査装置1は、対象物OBに埋設されている埋設物を探査する。対象物OBとして、コンクリート壁が例示される。埋設物として、コンクリート壁に埋設されている鉄筋が例示される。
埋設物探査装置1は、ハウジング2と、ローラ3と、検出装置4と、照明装置5と、指標装置6と、操作装置7と、表示装置8と、バッテリ装着部9と、制御装置10とを備える。
ハウジング2は、検出装置4及び制御装置10を収容する。ハウジング2は、上方向を向く上面2Aと、下方向を向く下面2Bと、左方向を向く左側面2Cと、右方向を向く右側面2Dと、前方向を向く前面2Eと、後方向を向く後面2Fとを有する。ハウジング2は、ハンドル2Hを含む。ハウジング2は、ローラ3の少なくとも一部を覆う。作業者は、ハンドル2Hを保持して探査作業を実施することができる。ハウジング2の少なくとも一部にガイダンス部2Sが設けられる。ガイダンス部2Sは、ハウジング2に設けられたスリットを含む。
ローラ3は、対象物OBの表面と接触している状態で回転軸AXを中心に回転する。ローラ3と対象物OBの表面とが接触している状態で、ハウジング2の前面2Eと対象物OBの表面とが対向する。ローラ3は、ハウジング2の少なくとも一部に回転可能に支持される。作業者は、ローラ3が対象物OBの表面と接触している状態で回転軸AXを中心に回転するように、ハンドル2Hを保持してハウジング2を移動させる。ローラ3が回転することにより、埋設物探査装置1は、対象物OBの表面を移動することができる。
埋設物探査装置1は、対象物OBの表面を左右方向に移動しながら埋設物を探査する。埋設物を探査するとき、埋設物探査装置1は、ローラ3の回転軸AXが上下方向に延在するように対象物OBの表面に配置される。すなわち、本実施形態において、作業者は、埋設物探査装置1が左右方向に移動するようにローラ3を回転させる。
ローラ3は、ハウジング2の中心よりも左側及び右側のそれぞれに設けられる。ローラ3の少なくとも一部は、ハウジング2に覆われる。
検出装置4は、対象物OBに検出波を照射して、対象物OBに埋設されている埋設物を検出する。検出装置4は、ローラ3と対象物OBの表面とが接触している状態で、ハウジング2の少なくとも一部を介して対象物OBと対向する検出面4Sを有する。検出面4Sは、一対のローラ3の間に配置される。
左右方向において、ハウジング2の中心の位置と検出面4Sの中心の位置とは一致する。
検出面4Sは、検出波を発射する発射部及び埋設物で反射した検出波を受信する受信部を含む。検出面4Sから前面2Eを介して対象物OBに発射された検出波は、対象物OBを透過し、埋設物に照射される。検出波は、埋設物で反射する。埋設物で反射した検出波は、前面2Eを介して検出面4Sに入射する。検出装置4は、埋設物によって反射された検出波を受信することにより、埋設物を検出する。本実施形態において、検出波は、電波を含む。すなわち、検出装置4は、レーダ装置を含む。なお、検出波は、超音波でもよい。
作業者は、ローラ3と対象物OBの表面とが接触し、検出面4Sから検出波が発射されている状態で、ローラ3が回転軸AXを中心に回転するように、ハンドル2Hを保持してハウジング2を左右方向に移動させる。すなわち、作業者は、検出面4Sと対象物OBの表面とが対向し、検出面4Sから検出波が発射されている状態で、検出装置4が左右方向に移動するように、ハウジング2を移動させる。検出装置4は、左右方向に移動されながら埋設物を検出する。埋設物探査装置1は、対象物OBの表面を左右方向に移動しながら、対象物OBの複数の部位のそれぞれについて埋設物を探査することができる。
照明装置5は、対象物OBの表面の少なくとも一部を照明する。照明装置5は、ハウジング2に設けられる。照明装置5は、ローラ3と対象物OBの表面とが接触している状態で、ハウジング2の周囲の対象物OBの表面を照明光ILで照明する。照明装置5は、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)を含む。
照明装置5は、ハウジング2から左右方向に照明光ILを射出する照明光射出部51と、ハウジング2から上下方向に照明光ILを射出する照明光射出部52とを含む。照明光射出部51及び照明光射出部52のそれぞれは、ハウジング2の外面に設けられる。
照明光射出部51は、左右方向におけるハウジング2の外面の端部に設けられる。照明光射出部51は、ハウジング2から左方向に照明光ILを射出する左照明光射出部51Lと、ハウジング2から右方向に照明光ILを射出する右照明光射出部51Rとを含む。左照明光射出部51Lは、ハウジング2の左側面2Cに設けられる。右照明光射出部51Rは、ハウジング2の右側面2Dに設けられる。左照明光射出部51Lは、ハウジング2よりも左側に存在する対象物OBの表面の少なくとも一部を照明する。右照明光射出部51Rは、ハウジング2よりも右側に存在する対象物OBの表面の少なくとも一部を照明する。
照明光射出部52は、上下方向においてハウジング2の外面の端部に設けられる。本実施形態において、照明光射出部52は、ハウジング2から上方向に照明光ILを射出する上照明光射出部である。照明光射出部52は、ハウジング2の上面2Aに設けられる。照明光射出部52は、ハウジング2よりも上側に存在する対象物OBの表面の少なくとも一部を照明する。
なお、照明光射出部52は、ハウジング2から下方向に照明光ILを射出する下照明光射出部を含んでもよい。下照明光射出部は、ハウジング2の下面2Bに設けられる。下照明光射出部は、ハウジング2よりも下側に存在する対象物OBの表面の少なくとも一部を照明する。
上下方向において、照明光射出部51の位置と検出面4Sの中心の位置とは実質的に一致する。左右方向において、照明光射出部52の位置と検出面4Sの中心の位置とは実質的に一致する。
指標装置6は、ハウジング2における検出面4Sの位置を示す。指標装置6は、ハウジング2に設けられる。指標装置6は、上下方向における検出面4Sの中心の位置を示す。
指標装置6は、左右方向にレーザ光GLを射出するレーザ光射出部61を含む。指標装置6は、レーザ装置を含む。
レーザ光射出部61は、左右方向におけるハウジング2の外面に設けられる。レーザ光射出部61は、ハウジング2から左方向にレーザ光GLを射出する左レーザ光射出部61Lと、ハウジング2から右方向にレーザ光GLを射出する右レーザ光射出部61Rとを含む。左レーザ光射出部61Lは、ハウジング2の左側面2Cに設けられる。右レーザ光射出部61Rは、ハウジング2の右側面2Dに設けられる。左レーザ光射出部61Lは、ハウジング2よりも左側に存在する対象物OBの表面の少なくとも一部にレーザGLを照射する。右レーザ光射出部61Rは、ハウジング2よりも右側に存在する対象物OBの表面の少なくとも一部にレーザ光GLを照射する。
上下方向において、レーザ光射出部61の位置と検出面4Sの中心の位置とは実質的に一致する。
レーザ光射出部61は、照明光射出部51よりも後方に配置される。上下方向において、レーザ光射出部61の位置と照明光射出部51の位置とは実質的に一致する。
左右方向において、ハウジング2の中心とレーザ光射出部61との距離は、ハウジング2の中心とハウジング2の端部との距離よりも短い。すなわち、左レーザ光射出部61Lは、ハウジング2の左端部よりもハウジング2の中心に近い位置に設けられる。右レーザ光射出部61Rは、ハウジング2の右端部よりもハウジング2の中心に近い位置に設けられる。
また、左右方向において、ハウジング2の中心とレーザ光射出部61との距離は、ハウジング2の中心と照明光射出部51との距離よりも短い。すなわち、左レーザ光射出部61Lは、左照明光射出部51Lよりもハウジング2の中心に近い位置に設けられる。右レーザ光射出部61Rは、右照明光射出部51Rよりもハウジング2の中心に近い位置に設けられる。
操作装置7は、作業者に操作されることにより操作信号を生成する。本実施形態において、操作装置7は、少なくとも照明装置5に係る操作信号を生成する。
照明装置5に係る操作信号は、照明装置5を起動する起動信号を含む。照明装置5に係る操作信号は、照明装置5を停止する停止信号を含む。照明装置5に係る操作信号は、照明装置5から射出される照明光ILの光量を調整する光量調整信号を含む。操作装置7が操作されることにより、照明装置5が起動又は停止する。操作装置7が操作されることにより、照明光ILの光量が調整される。
操作装置7は、ハウジング2の外面に配置される複数のボタンを含む。図1に示すように、操作装置7は、電源ボタン71と、設定ボタン72と、メニューボタン73と、移動ボタン74と、決定ボタン75とを含む。移動ボタン74は、左移動ボタン74Lと、右移動ボタン74Rとを含む。
電源ボタン71は、埋設物探査装置1の電源の起動と停止とを切り換えるために操作される。設定ボタン72は、表示装置8に表示される設定画面を切り換えるために操作される。メニューボタン73は、表示装置8に表示されるメニュー画面を切り換えるために操作される。移動ボタン74は、表示装置8に表示されるカーソル又は選択枠を移動させるために操作される。決定ボタン75は、メニュー画面又は設定画面に表示される複数の選択肢からカーソル又は選択枠により選択された選択肢を決定するために操作される。
表示装置8は、表示データを表示する。表示装置8は、ハウジング2に設けられる。表示装置8として、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)又は有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electroluminescence Display)のようなフラットパネルディスプレイが例示される。
バッテリ装着部9は、電動工具用のバッテリ11が装着される。バッテリ11は、埋設物探査装置1の電源として機能する。
制御装置10は、埋設物探査装置1を制御する。制御装置10は、コンピュータシステムを含む。制御装置10は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサを含む演算処理装置と、RAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリ及びROM(Read Only Memory)のような不揮発性メモリを含む記憶装置と、入出力インターフェースとを有する。
[バッテリ装着部]
図4は、本実施形態に係るバッテリ装着部9を示す図である。図4に示すように、バッテリ装着部9は、バッテリ11をガイドするガイドレール9Gと、バッテリ11のバッテリ端子に接続される接続端子とを有する。一対のガイドレール9Gは、左右方向に配置される。一対のガイドレール9Gは、平行に配置される。接続端子は、一対のガイドレール9Gの間に配置される。
バッテリ11は、電動工具に使用される直流電源である。バッテリ11は、埋設物探査装置1の電源として使用される。バッテリ11は、複数のリチウムイオン電池セルを含む。バッテリ11は、充電器により充電可能である。バッテリ11は、携帯可能である。バッテリ11は、検出装置4、照明装置5、指標装置6、操作装置7、表示装置8、及び制御装置10のそれぞれに電力を供給する。
バッテリ11は、ガイドレール9Gにガイドされる一対のスライドレール11Gと、バッテリ装着部9の接続端子に接続されるバッテリ端子と、解除ボタン11Bとを有する。
スライドレール11Gは、バッテリ装着部9のガイドレール9Gにガイドされる。一対のスライドレール11Gは、平行に配置される。バッテリ端子は、一対のスライドレール11Gの間に配置される。バッテリ11がバッテリ装着部9に装着された状態で、バッテリ11のバッテリ端子とバッテリ装着部9の接続端子とが接続される。
解除ボタン11Bは、バッテリ11とバッテリ装着部9との固定を解除するために操作される。
バッテリ11をバッテリ装着部9に装着する場合、作業者は、バッテリ装着部9の後方からバッテリ装着部9にバッテリ11を挿入する。スライドレール11Gがガイドレール9Gにガイドされながら、バッテリ端子と接続端子とが接続されるように、バッテリ11はバッテリ装着部9を移動される。バッテリ端子と接続端子とが接続されることにより、バッテリ11がバッテリ装着部9に装着される。
バッテリ11をバッテリ装着部9から外す場合、解除ボタン11Bが操作される。解除ボタン11Bが操作されることにより、バッテリ11とバッテリ装着部9との固定が解除される。バッテリ11とバッテリ装着部9との固定が解除された後、バッテリ11が後方にスライドされ、バッテリ装着部9から抜去される。
[制御装置]
図5は、本実施形態に係る埋設物探査装置1を示す機能ブロック図である。図5に示すように、制御装置10は、操作装置7、回転センサ30、検出装置4、照明装置5、指標装置6、表示装置8、及び報知装置12のそれぞれと接続される。
回転センサ30は、ローラ3の回転を検出する。回転センサ30は、ローラ3の回転角度を検出する。回転センサ30は、ローラ3の回転方向を検出する。回転センサ30の検出データは、制御装置10に出力される。
報知装置12は、報知データを出力する。報知装置12は、音声出力装置及び発光装置の一方又は両方を含む。音声出力装置は、報知データとして音声を出力する。発光装置は、報知データとして光を出力する。
制御装置10は、検出制御部101と、検出データ取得部102と、照明制御部103と、指標制御部104と、表示制御部105と、報知制御部106と、記憶部107とを有する。
検出制御部101は、検出装置4を制御する。検出制御部101は、検出装置4を制御する制御指令を出力する。本実施形態において、検出制御部101は、検出装置4による検出動作の開始及び終了に係る制御指令を出力する。
検出データ取得部102は、検出装置4の検出データを取得する。検出データ取得部102は、検出装置4により検出された埋設物を示す検出データを取得する。検出データ取得部102は、回転センサ30の検出データを取得する。
照明制御部103は、照明装置5を制御する。照明制御部103は、操作装置7から出力された操作信号に基づいて、照明装置5を制御する。操作装置7から操作信号として起動信号が出力された場合、照明制御部103は、照明装置5から照明光ILを射出させる。これにより、対象物OBの表面の少なくとも一部が照明光ILで照明される。操作装置7から操作信号として停止信号が出力された場合、照明制御部103は、照明装置5からの照明光ILの射出を停止させる。操作装置7から操作信号として光量調整信号が出力された場合、照明制御部103は、照明装置5から射出される照明光ILの光量を調整する。
図6は、本実施形態に係る照明装置5を起動又は停止するときの表示装置8の表示例を示す図である。図6に示すように、照明装置5を起動又は停止させるとき、作業者は、操作装置7を操作して、照明装置5の起動又は停止させるための設定画面を表示装置8に表示させる。作業者は、設定ボタン72及びメニューボタン73を操作して、図6に示すような設定画面を表示装置8に表示させる。作業者は、選択枠Faが「ライト」を囲むように移動ボタン74を操作した後、決定ボタン75を操作する。照明装置5を起動する場合、作業者は、「ライト」が選択された状態で、選択枠Fbが「入」を囲むように移動ボタン74を操作した後、決定ボタン75を操作する。これにより、照明装置5から照明光ILが射出される。照明装置5を停止する場合、作業者は、「ライト」が選択された状態で、選択枠Fbが「切」を囲むように移動ボタン74を操作した後、決定ボタン75を操作する。これにより、照明装置5からの照明光ILの射出が停止される。
図7は、本実施形態に係る照明装置5から射出される照明光ILの光量を調整するときの表示装置8の表示例を示す図である。図7に示すように、照明装置5から射出される照明光ILの光量を調整するとき、作業者は、操作装置7を操作して、照明光ILの光量を調整するための設定画面を表示装置8に表示させる。作業者は、設定ボタン72及びメニューボタン73を操作して、図7に示すような設定画面を表示装置8に表示させる。作業者は、選択枠Faが「ライト」を囲むように移動ボタン74を操作した後、決定ボタン75を操作する。照明光ILの光量を増大させる場合、作業者は、「ライト」が選択された状態で、選択枠Fcが「明」を囲むように移動ボタン74を操作した後、決定ボタン75を操作する。これにより、照明装置5から射出される照明光ILの光量が増大される。照明光ILの光量を低減させる場合、作業者は、「ライト」が選択された状態で、選択枠Fcが「暗」を囲むように移動ボタン74を操作した後、決定ボタン75を操作する。これにより、照明装置5から射出される照明光ILの光量が低減される。
指標制御部104は、指標装置6を制御する。指標制御部104は、操作装置7から出力された操作信号に基づいて、指標制御部104を制御する。操作装置7から操作信号として起動信号が出力された場合、指標制御部104は、指標装置6からレーザ光GLを射出させる。これにより、対象物OBの表面の少なくとも一部にレーザ光GLが照射される。操作装置7から操作信号として停止信号が出力された場合、指標制御部104は、指標装置6からのレーザ光GLの射出を停止させる。操作装置7から操作信号として光量調整信号が出力された場合、指標制御部104は、指標装置6から射出されるレーザ光GLの光量を調整する。
図6に示したように、指標装置6を起動又は停止させるとき、作業者は、操作装置7を操作して、指標装置6の起動又は停止させるための設定画面を表示装置8に表示させる。作業者は、設定ボタン72及びメニューボタン73を操作して、図6に示すような設定画面を表示装置8に表示させる。作業者は、選択枠Faが「レーザ」を囲むように移動ボタン74を操作した後、決定ボタン75を操作する。指標装置6を起動する場合、作業者は、「レーザ」が選択された状態で、選択枠Fbが「入」を囲むように移動ボタン74を操作した後、決定ボタン75を操作する。これにより、指標装置6からレーザ光GLが射出される。指標装置6を停止する場合、作業者は、「レーザ」が選択された状態で、選択枠Fbが「切」を囲むように移動ボタン74を操作した後、決定ボタン75を操作する。これにより、指標装置6からのレーザ光GLの射出が停止される。
図7に示したように、指標装置6から射出されるレーザ光GLの光量を調整するとき、作業者は、操作装置7を操作して、レーザ光GLの光量を調整するための設定画面を表示装置8に表示させる。作業者は、設定ボタン72及びメニューボタン73を操作して、図7に示すような設定画面を表示装置8に表示させる。作業者は、選択枠Faが「レーザ」を囲むように移動ボタン74を操作した後、決定ボタン75を操作する。レーザ光GLの光量を増大させる場合、作業者は、「レーザ」が選択された状態で、選択枠Fcが「明」を囲むように移動ボタン74を操作した後、決定ボタン75を操作する。これにより、指標装置6から射出されるレーザ光GLの光量が増大される。レーザ光GLの光量を低減させる場合、作業者は、「レーザ」が選択された状態で、選択枠Fcが「暗」を囲むように移動ボタン74を操作した後、決定ボタン75を操作する。これにより、指標装置6から射出されるレーザ光GLの光量が低減される。
表示制御部105は、表示装置8を制御する。表示制御部105は、規定の表示データを表示装置8に表示させる。
報知制御部106は、報知装置12を制御する。報知制御部106は、規定の音声を音声出力装置から出力させる。報知制御部106は、規定の光を発光装置から出力させる。
記憶部107は、検出データ取得部102により取得された検出装置4の検出データを記憶する。本実施形態において、記憶部107は、検出制御部101から出力された検出動作の開始及び終了に係る制御指令に基づいて、検出装置4の検出データを記憶する。
[探査モードの選択]
埋設物探査装置1は、複数の探査モードのそれぞれで埋設物を探査することができる。探査モードは、第1探査モードと第2探査モードとを含む。本実施形態において、第1探査モードは、検出装置4による1回の検出動作において生成された表示データを表示装置8に表示させるシングル探査モードである。第2探査モードは、検出装置4による複数の検出動作のそれぞれにおいて生成された複数の表示データを表示装置8に併せて表示させるマルチ探査モードである。作業者は、操作装置7を操作して、探査モードを選択することができる。
図8は、本実施形態に係る探査モードを選択するときの表示装置8の表示例を示す図である。図8に示すように、電源ボタン71が操作され、埋設物探査装置1の電源が起動すると、探査モードを選択するためのメニュー画面が表示装置8に表示される。シングル探査モードを選択する場合、作業者は、選択枠Fdが「シングル」を囲むように移動ボタン74を操作した後、決定ボタン75を操作する。これにより、埋設物探査装置1は、シングル探査モードで埋設物を探査する。マルチ探査モードを選択する場合、作業者は、選択枠Fdが「マルチ」を囲むように移動ボタン74を操作した後、決定ボタン75を操作する。これにより、埋設物探査装置1は、マルチ探査モードで埋設物を探査する。
[シングル探査モード]
図9は、本実施形態に係るシングル探査モードにおいて埋設物を探査したときの表示装置8の表示例を示す図である。
図9に示すように、シングル探査モードにおいて、表示制御部105は、左右方向におけるハウジング2の中心を示す中心ライン81と、中心ライン81の両側においてハウジング2の端部を示す端部ライン82とを表示装置8に表示させる。
端部ライン82は、ハウジング2の左端部を示す左端部ライン82Lと、ハウジング2の右端部を示す右端部ライン82Rとを含む。
中心ライン81は、表示装置8の表示画面の中央部において上下方向に延在するように表示される。左端部ライン82Lは、中心ライン81の左側に表示される。右端部ライン82Rは、中心ライン81の右側に表示される。左端部ライン82L及び右端部ライン82Rのそれぞれは、表示装置8の表示画面において上下方向に延在するように表示される。中心ライン81と左端部ライン82Lと右端部ライン82Rとは平行である。
表示制御部105は、対象物OBの表面を示す表面ライン83を表示装置8に表示させる。表面ライン83は、表示装置8の表示画面の上部において左右方向に延在するように表示される。
表示制御部105は、対象物OBの表面からの前後方向における距離を示す深度ライン84を表示装置8に表示させる。深度ライン84は、表示装置8の表示画面の左端部及び右端部のそれぞれにおいて上下方向に延在するように表示される。表示装置8の表示画面における上下方向は、対象物OBの前後方向に相当する。対象物OBの前後方向は、対象物OBの表面からの深さ方向に相当する。深さ方向における対象物OBの表面からの距離を示す数値が深度ライン84の隣に表示される。
表示制御部105は、対象物OBの表面に存在する埋設物探査装置1を模したアイコン85を表示装置8に表示させる。
作業者は、検出面4Sと対象物OBの表面とが対向し、検出面4Sから検出波が発射されている状態で、検出装置4が左右方向に移動するように、ハウジング2を移動させる。検出装置4の検出データは、検出データ取得部102に取得される。検出装置4が埋設物を検出した場合、表示制御部105は、埋設物の画像BUを表示装置8に表示させる。
表示装置8の表示画面において、中心ライン81の位置、端部ライン82の位置、表面ライン83の位置、及び深度ライン84の位置のそれぞれは、固定される。表示装置8の表示画面において、埋設物の画像BUの位置は、対象物OBにおける埋設物の位置に基づいて変化する。検出装置4は、左右方向に移動されながら埋設物を検出する。表示装置8の表示画面において、埋設物の画像BUの位置は、検出装置4と埋設物との相対位置の変化に基づいて変化する。
検出装置4による検出動作において、左右方向におけるハウジング2の中心の位置と埋設物の位置とが一致したときに、表示装置8の表示画面において中心ライン81と画像BUとが一致するように、表示装置8の表示画面における中心ライン81の位置が定められている。すなわち、表示装置8の表示画面において中心ライン81と画像BUとが一致するように埋設物探査装置1の位置が調整されたときに、左右方向におけるハウジング2の中心の位置と埋設物の位置とが一致する。
また、検出装置4による検出動作において、左右方向におけるハウジング2の端部の位置と埋設物の位置とが一致したときに、表示装置8の表示画面において端部ライン82と画像BUとが一致するように、表示装置8の表示画面における端部ライン82の位置が定められている。すなわち、表示装置8の表示画面において左端部ライン82Lと画像BUとが一致するように埋設物探査装置1の位置が調整されたときに、左右方向におけるハウジング2の左端部の位置と埋設物の位置とが一致する。表示装置8の表示画面において右端部ライン82Rと画像BUとが一致するように埋設物探査装置1の位置が調整されたときに、左右方向におけるハウジング2の右端部の位置と埋設物の位置とが一致する。
表示制御部105は、左右方向においてハウジング2の中心とハウジング2の端部との間に存在する埋設物の画像BUを第1表示形態で表示装置8に表示させる。表示制御部105は、左右方向においてハウジング2よりも外側に存在する埋設物の画像BUを第1表示形態とは異なる第2表示形態で表示装置8に表示させる。
左右方向においてハウジング2の中心とハウジング2の端部との間に存在する埋設物は、ハウジング2の左端部と右端部との間に存在する埋設物である。換言すれば、左右方向においてハウジング2の中心とハウジング2の端部との間に存在する埋設物は、埋設物探査装置1と対面する位置に存在する埋設物である。
左右方向においてハウジング2よりも外側に存在する埋設物は、ハウジング2の左端部及び右端部のそれぞれから外側に存在する埋設物である。換言すれば、左右方向においてハウジング2の外側に存在する埋設物は、埋設物探査装置1と対面しない位置に存在する埋設物である。
以下の説明において、埋設物がハウジング2の左端部と右端部との間に存在する状態を適宜、対面状態、と称し、埋設物がハウジング2の左端部及び右端部のそれぞれから外側に存在する状態を適宜、非対面状態、と称する。
検出装置4が左右方向に移動されながら埋設物を検出する期間において、埋設物は、対面状態及び非対面状態の一方から他方に変化する。表示制御部105は、対面状態の埋設物の画像BUを第1表示形態で表示装置8に表示させる。表示制御部105は、非対面状態の埋設物の画像BUを第2表示形態で表示装置8に表示させる。
図9に示すように、表示制御部105は、第1表示形態として、対面状態の埋設物の画像BUに第1マーク86を付して表示装置8に表示させる。表示制御部105は、第2表示形態として、非対面状態の埋設物の画像BUに第2マーク87付して表示装置8に表示させる。第1マーク86の寸法は、第2マーク87の寸法よりも大きい。第1マーク86の輝度は、第2マーク87の輝度よりも高い。表示制御部105は、対面状態の埋設物の画像BUが非対面状態の埋設物の画像BUよりも強調されるように表示装置8に表示させる。
表示装置8は、左右方向におけるハウジング2の中心を示す中心ライン81と、左右方向におけるハウジング2の端部を示す一対の端部ライン82とを表示する。図9に示すように、表示装置8は、一対の端部ライン82の間において埋設物の画像BUを第1表示形態で表示し、端部ライン82よりも外側において埋設物の画像BUを第2表示形態で表示する。埋設物が対面状態から非対面状態に変化した場合、表示装置8は、第1マーク86を表示する状態から第2マーク87を表示する状態に変化する。埋設物が非対面状態から対面状態に変化した場合、表示装置8は、第2マーク87を表示する状態から第1マーク86を表示する状態に変化する。
図10は、本実施形態に係るシングル探査モードにおける埋設物探査方法を説明するための図である。
作業者は、検出面4Sと対象物OBの表面とが対向し、検出面4Sから検出波が発射されている状態で、埋設物探査装置1を動かして、埋設物BUを探査する。検出装置4により埋設物が検出されると、埋設物の画像BUが表示装置8に表示させる。図10(A)に示すように、作業者は、表示装置8の表示画面において中心ライン81と埋設物の画像BUとが一致するように、埋設物探査装置1の位置を調整する。
埋設物の画像BUが左端部ライン82Lと右端部ライン82Rとの間に存在する場合、表示装置8は、埋設物の画像BUを第1表示形態で表示する。表示装置8は、対面状態の埋設物の画像BUを第1マーク86により強調して表示する。作業者は、第1マーク86を参照しながら、表示装置8の表示画面において中心ライン81と埋設物の画像BUとが一致するように、埋設物探査装置1の位置を調整する。作業者は、表示装置8の表示画面において中心ライン81と第1マーク86とが一致するように、埋設物探査装置1の位置を調整してもよい。中心ライン81と埋設物の画像BUとが一致するように埋設物探査装置1の位置が調整されることにより、左右方向におけるハウジング2の中心の位置と埋設物の位置とが一致する。
作業者は、表示装置8の表示画面において中心ライン81と埋設物の画像BUとが一致した後、マーカーを使って対象物OBの表面にマークMaを付す。作業者は、ハウジング2よりも上側の対象物OBの表面において、左右方向における検出面4Sの中心にマークMaを付す。
左右方向において、照明光射出部52の位置と検出面4Sの中心の位置とは実質的に一致する。また、左右方向においてハウジング2の中心の位置と検出面4Sの中心の位置とは一致する。作業者は、中心ライン81と埋設物の画像BUとが一致した状態で、照明光射出部52を指標としてマークMaを付すことにより、左右方向における検出面4Sの中心の位置にマークMaを付すことができる。
本実施形態において、ハウジング2よりも上側の対象物OBの表面は、照明光射出部52から射出された照明光ILで照明される。そのため、対象物OBが暗い空間に存在する場合においても、作業者は、マークMaを円滑に付すことができる。
対象物OBの表面にマークMaを付した後、作業者は、ローラ3と対象物OBの表面とが接触し、検出面4Sから検出波が発射されている状態で、ローラ3が回転軸AXを中心に回転するように、ハウジング2を左右方向に移動させる。図10(B)に示すように、作業者は、表示装置8の表示画面において左端部ライン82Lと埋設物の画像BUとが一致するように、埋設物探査装置1の位置を調整する。
埋設物の画像BUが左端部ライン82Lに存在する場合、又は埋設物の画像BUが左端部ライン82Lよりも外側に存在する場合、表示装置8は、埋設物の画像BUを第2表示形態で表示する。表示装置8は、非対面状態の埋設物の画像BUを第2マーク87により表示する。作業者は、第2マーク87を参照しながら、表示装置8の表示画面において左端部ライン82Lと埋設物の画像BUとが一致するように、埋設物探査装置1の位置を調整する。作業者は、表示装置8の表示画面において左端部ライン82Lと第2マーク87とが一致するように、埋設物探査装置1の位置を調整してもよい。左端部ライン82Lと埋設物の画像BUとが一致するように埋設物探査装置1の位置が調整されることにより、ハウジング2の左端部の位置と埋設物の位置とが一致する。
作業者は、表示装置8の表示画面において左端部ライン82Lと埋設物の画像BUとが一致した後、マーカーを使って対象物OBの表面にマークMbを付す。作業者は、ハウジング2よりも左側の対象物OBの表面において、ハウジング2の左端部の近傍であり且つ左レーザ光射出部61Lから射出されたレーザ光GLの照射領域にマークMbを付す。
上下方向において、左レーザ光射出部61Lの位置及び左レーザ光射出部61Lから射出されたレーザ光GLの位置と検出面4Sの中心の位置とは実質的に一致する。また、左右方向において、ハウジング2の左端部の位置と埋設物の位置とは一致する。そのため、作業者は、左端部ライン82Lと埋設物の画像BUとが一致した状態で、レーザ光GLを指標としてハウジング2の左端部の近傍における対象物OBの表面にマークMbを付すことにより、図10(A)の状態における検出面4Sの中心の位置にマークMbを付すことができる。すなわち、作業者は、対象物OBの表面において埋設物が存在する位置にマークMbを付すことができる。
本実施形態において、ハウジング2よりも左側の対象物OBの表面は、左照明光射出部51Lから射出された照明光ILで照明される。そのため、対象物OBが暗い空間に存在する場合においても、作業者は、マークMbを円滑に付すことができる。
以上、ハウジング2の左側の対象物OBの表面にマークMbを付す作業について説明した。図10(A)を参照して説明した作業の後、埋設物探査装置1を左方向に移動させることにより、作業者は、ハウジング2の右側の対象物OBの表面にマークMbを付すことができる。
[マルチ探査モード]
次に、マルチ探査モードについて説明する。図11は、本実施形態に係るマルチ探査モードにおける埋設物探査方法を説明するための図である。
マルチ探索モードは、検出装置4による複数の検出動作のそれぞれにおいて生成された複数の表示データを表示装置8に併せて表示させる探査モードである。図11に示すように、作業者は、検出装置4が複数の検出動作を実行するように、検出面4Sと対象物OBの表面とを対向させた状態で、埋設物探査装置1を移動する。
検出装置4による検出動作は、検出装置4が対象物OBの表面を左右方向に移動する動作を含む。本実施形態において、検出装置4による検出動作は、検出装置4が対象物OBの表面の第1領域AR1を左右方向に移動する第1検出動作と、検出装置4が対象物OBの表面の第2領域AR2を左右方向に移動する第2検出動作と、検出装置4が対象物OBの表面の第3領域AR3を左右方向に移動する第3検出動作とを含む。
本実施形態において、第1領域AR1は、対象物OBの表面における位置Paと位置Pbとの間の領域である。第2領域AR2は、対象物OBの表面における位置Pcと位置Pdとの間の領域である。第3領域AR3は、対象物OBの表面における位置Peと位置Pfとの間の領域である。第1領域AR1と第2領域AR2と第3領域AR3とは、上下方向に規定される。本実施形態において、第2領域AR2は、第1領域AR1の下方に規定される。第3領域AR3は、第2領域AR2の下方に規定される。
上下方向において、位置Paと位置Pbとは実質的に一致する。上下方向において、位置Pcと位置Pdとは実質的に一致する。上下方向において、位置Peと位置Pfとは実質的に一致する。左右方向において、位置Paと位置Pcと位置Peとは実質的に一致する。左右方向において、位置Pbと位置Pdと位置Pfとは実質的に一致する。
複数の検出動作を実行する場合、検出制御部101は、複数の検出動作のそれぞれの開始及び終了に係る制御指令を出力する。本実施形態において、検出動作の開始は、記憶部107による検出装置4の検出データの記憶の開始を含む。検出動作の終了は、記憶部107による検出装置4の検出データの記憶の終了を含む。記憶部107は、検出制御部101から出力された制御指令に基づいて、検出装置4の検出データを記憶する。検出制御部101から検出動作の開始に係る制御指令が出力された場合、記憶部107は、検出データ取得部102により取得された検出装置4の検出データの記憶を開始する。検出制御部101から検出動作の終了に係る制御指令が出力された場合、記憶部107は、検出装置4の検出データの記憶を終了する。
検出制御部101は、検出装置4の検出面4Sと対象物OBの表面との距離に基づいて、検出動作の開始及び終了に係る制御指令を出力する。検出面4Sから検出波が発射されている状態で、検出装置4の検出面4Sと対象物OBの表面との距離が変化すると、検出面4Sが受信する検出波の強度が変化する。検出装置4の検出面4Sと対象物OBの表面との距離が短いほど検出面4Sが受信する検出波の強度は強くなり、検出装置4の検出面4Sと対象物OBの表面との距離が長いほど検出面4Sが受信する検出波の強度は弱くなる。検出制御部101は、検出面4Sが受信する検出波の強度に基づいて、検出装置4の検出面4Sと対象物OBの表面との距離が距離閾値以下になったと判定した場合、検出データの記憶を開始させる制御指令を記憶部107に出力する。検出制御部101は、検出面4Sが受信する検出波の強度に基づいて、検出装置4の検出面4Sと対象物OBの表面との距離が距離閾値よりも長くなったと判定した場合、検出データの記憶を終了させる制御指令を記憶部107に出力する。距離閾値は予め定められている値である。
第1検出動作は、対象物OBの表面と接触している状態でローラ3が回転することにより検出装置4が対象物OBの表面の第1領域AR1を移動する動作を含む。検出面4Sから検出波が発射されている状態で、検出装置4の検出面4Sと対象物OBの表面との距離が距離閾値以下になるように、位置Paにおいて埋設物探査装置1が対象物OBの表面に近付けられると、記憶部107は、検出装置4の検出データの記憶を開始する。記憶部107による検出データの記憶が開始された後、検出面4Sと対象物OBの表面とが対向し、検出面4Sから検出波が発射されている状態で、検出装置4が位置Paから位置Pbに向かって右方向に移動される。検出装置4が位置Pbに到達した後、検出装置4の検出面4Sと対象物OBの表面との距離が距離閾値よりも長くなるように、位置Pbにおいて埋設物探査装置1が対象物OBの表面から離される。記憶部107は、第1検出動作における検出データの記憶を終了する。これにより、第1検出動作における検出装置4の検出データが記憶部107に記憶される。
第1検出動作の後、第2検出動作が実行される。第2検出動作は、対象物OBの表面と接触している状態でローラ3が回転することにより検出装置4が対象物OBの表面の第2領域AR2を移動する動作を含む。検出面4Sから検出波が発射されている状態で、検出装置4の検出面4Sと対象物OBの表面との距離が距離閾値以下になるように、位置Pcにおいて埋設物探査装置1が対象物OBの表面に近付けられると、記憶部107は、検出装置4の検出データの記憶を開始する。記憶部107による検出データの記憶が開始された後、検出面4Sと対象物OBの表面とが対向し、検出面4Sから検出波が発射されている状態で、検出装置4が位置Pcから位置Pdに向かって右方向に移動される。検出装置4が位置Pdに到達した後、検出装置4の検出面4Sと対象物OBの表面との距離が距離閾値よりも長くなるように、位置Pdにおいて埋設物探査装置1が対象物OBの表面から離される。記憶部107は、第2検出動作における検出データの記憶を終了する。これにより、第2検出動作における検出装置4の検出データが記憶部107に記憶される。
第2検出動作の後、第3検出動作が実行される。第3検出動作は、対象物OBの表面と接触している状態でローラ3が回転することにより検出装置4が対象物OBの表面の第3領域AR3を移動する動作を含む。検出面4Sから検出波が発射されている状態で、検出装置4の検出面4Sと対象物OBの表面との距離が距離閾値以下になるように、位置Peにおいて埋設物探査装置1が対象物OBの表面に近付けられると、記憶部107は、検出装置4の検出データの記憶を開始する。記憶部107による検出データの記憶が開始された後、検出面4Sと対象物OBの表面とが対向し、検出面4Sから検出波が発射されている状態で、検出装置4が位置Peから位置Pfに向かって右方向に移動される。検出装置4が位置Pfに到達した後、検出装置4の検出面4Sと対象物OBの表面との距離が距離閾値よりも長くなるように、位置Pfにおいて埋設物探査装置1が対象物OBの表面から離される。記憶部107は、第3検出動作における検出データの記憶を終了する。これにより、第3検出動作における検出装置4の検出データが記憶部107に記憶される。
図12は、本実施形態に係る第1検出動作が実行されたときの表示装置8の表示例を示す図である。複数の検出動作のそれぞれは、上述のシングル探査モードと同様に実行される。
位置Paにおいて検出面4Sと対象物OBの表面との距離が距離閾値以下になるように埋設物探査装置1が対象物OBの表面に近付けられると、記憶部107による検出装置4の検出データの記憶が開始され、第1検出動作が開始される。第1検出動作において、検出装置4が位置Paから位置Pbに向かって右方向に移動される。検出装置4が位置Pbに到達した時点において、図12に示すように、埋設物の画像BU、第1マーク86、及び第2マーク87を含む表示データD1が表示装置8に表示される。
図13は、本実施形態に係るマルチ探査モードにおける表示装置8の表示例を示す図である。第1検出動作において検出装置4が位置Pbに到達し、位置Pbにおいて検出面4Sと対象物OBの表面との距離が距離閾値よりも長くなるように埋設物探査装置1が対象物OBの表面から離されると、記憶部107は、第1検出動作における検出装置4の検出データの記憶を終了する。第1検出動作における検出装置4の検出データは、記憶部107に記憶される。表示制御部105は、記憶部107に記憶されている第1検出動作における検出データに基づいて、表示データD1rを生成する。表示制御部105は、表示データD1rを表示装置8に表示させる。
表示データD1rは、表示データD1を上下方向に縮小した表示データに相当する。表示制御部105は、表示データD1rを表示装置8の表示画面の上部に表示させる。
表示データD1rが表示された後、位置Pcにおいて検出面4Sと対象物OBの表面との距離が距離閾値以下になるように埋設物探査装置1が対象物OBの表面に近付けられると、記憶部107による検出装置4の検出データの記憶が開始され、第2検出動作が開始される。第2検出動作において、検出装置4が位置Pcから位置Pdに向かって右方向に移動される。検出装置4が位置Pdに到達した時点において、表示データD2が表示装置8に表示される。表示データD2は、図12を参照して説明した表示データD1と同様、埋設物の画像BU、第1マーク86、及び第2マーク87を含む。
図14は、本実施形態に係るマルチ探査モードにおける表示装置8の表示例を示す図である。第2検出動作において検出装置4が位置Pdに到達し、位置Pdにおいて検出面4Sと対象物OBの表面との距離が距離閾値よりも長くなるように埋設物探査装置1が対象物OBの表面から離されると、記憶部107は、第2検出動作における検出装置4の検出データの記憶を終了する。第2検出動作における検出装置4の検出データは、記憶部107に記憶される。表示制御部105は、記憶部107に記憶されている第2検出動作における検出データに基づいて、表示データD2rを生成する。表示制御部105は、表示データD2rを表示データD1rと併せて表示装置8に表示させる。
表示データD2rは、表示データD2を上下方向に縮小した表示データに相当する。表示制御部105は、表示データD1rと表示データD2rと表示装置8の表示画面に並べて表示させる。図14に示す例において、表示装置8は、表示データD1rの下方に表示データD2rを表示する。
表示データD1r及び表示データD2rが表示された後、位置Peにおいて検出面4Sと対象物OBの表面との距離が距離閾値以下になるように埋設物探査装置1が対象物OBの表面に近付けられると、記憶部107による検出装置4の検出データの記憶が開始され、第3検出動作が開始される。第3検出動作において、検出装置4が位置Peから位置Pfに向かって右方向に移動される。検出装置4が位置Pfに到達した時点において、表示データD3が表示装置8に表示される。表示データD3は、図12を参照して説明した表示データD1と同様、埋設物の画像BU、第1マーク86、及び第2マーク87を含む。
図15は、本実施形態に係るマルチ探査モードにおける表示装置8の表示例を示す図である。第3検出動作において検出装置4が位置Pfに到達し、位置Pfにおいて検出面4Sと対象物OBの表面との距離が距離閾値よりも長くなるように埋設物探査装置1が対象物OBの表面から離されると、記憶部107は、第3検出動作における検出装置4の検出データの記憶を終了する。第3検出動作における検出装置4の検出データは、記憶部107に記憶される。表示制御部105は、記憶部107に記憶されている第3検出動作における検出データに基づいて、表示データD3rを生成する。表示制御部105は、表示データD3rを表示データD1r及び表示データD2rと併せて表示装置8に表示させる。
表示データD3rは、表示データD3を上下方向に縮小した表示データに相当する。表示制御部105は、表示データD1rと表示データD2rと表示データD3rとを表示装置8の表示画面に並べて表示させる。図15に示す例において、表示装置8は、表示データD2rの下方に表示データD3rを表示する。
このように、マルチ探査モードにおいて、表示装置8は、検出装置4による複数の検出動作のそれぞれにおいて生成された複数の表示データD1r,D2r,D3rを併せて表示する。表示装置8は、複数の表示データD1r,D2r,D3rを並べて表示する。
本実施形態において、表示制御部105は、複数の表示データD1r,D2r,D3rを表示装置8の表示画面において同期して移動させることができる。以下の説明において、表示データD1r,D2r,D3rを適宜、統合表示データDa、と総称する。
図16は、本実施形態に係るマルチ探査モードにおける表示装置8の表示例を示す図である。記憶部107は、複数の検出動作のそれぞれにおいて生成された複数の表示データD1r,D2r,D3rを記憶する。また、記憶部107は、複数の表示データD1r,D2r,D3rを併せた統合表示データDaを記憶する。表示制御部105は、記憶部107に記憶されている統合表示データDaに基づいて、表示装置8の表示画面において、統合表示データDaを左右方向に移動させることができる。すなわち、表示制御部105は、統合表示データDaを左右方向にスクロールさせることができる。また、表示制御部105は、統合表示データDaがスクロール中であることを示すアイコン88を表示装置8に表示させる。図16に示す例において、アイコン88は、統合表示データDaのスクロール方向を示す矢印を含む。
本実施形態において、表示制御部105は、ローラ3と同期して統合表示データDaを左右方向に移動させる。作業者は、統合表示データDaをスクロールさせたい場合、ローラ3と対象物OBの表面とが接触している状態で、ハウジング2を左右方向に移動させる。回転センサ30は、ローラ3の回転を検出する。表示制御部105は、回転センサ30の検出データに基づいて、統合表示データDaを左右方向に移動させる。
回転センサ30は、ローラ3の回転角度及びローラ3の回転方向を検出する。表示制御部105は、ローラ3の回転角度から算出されたローラ3の移動距離に基づいて、統合表示データDaのスクロールを調整する。表示制御部105は、ローラ3の回転方向に基づいて、統合表示データDaのスクロール方向を調整する。表示制御部105は、ローラ3が左方向に回転する場合、統合表示データDaを左方向にスクロールさせ、ローラ3が右方向に回転する場合、統合表示データDaを右方向にスクロールさせる。作業者は、統合表示データDaのスクロール速度を高くしたい場合、ローラ3と対象物OBの表面とが接触している状態で、ハウジング2を左右方向に高速で移動させる。作業者は、統合表示データDaのスクロール速度を低くしたい場合、ローラ3と対象物OBの表面とが接触している状態で、ハウジング2を左右方向に低速で移動させる。作業者は、統合表示データDaを左方向にスクロールさせたい場合、ローラ3と対象物OBの表面とが接触している状態で、ハウジング2を左方向に移動させる。作業者は、統合表示データDaを右方向にスクロールさせたい場合、ローラ3と対象物OBの表面とが接触している状態で、ハウジング2を右方向に移動させる。
表示制御部105は、ローラ3の回転角度から算出されたローラ3の回転速度に基づいて、ローラ3の回転速度に係る表示データを表示装置8に表示させる。ローラ3の回転速度が予め設定されている規定速度以上になった場合、表示制御部105は、ローラ3の回転速度が規定速度以上であることを示す表示データを表示装置8に表示させる。作業者は、表示データを確認することにより、埋設物探査装置1の移動速度が過度に高いことを認識して、適切な移動速度で埋設物探査装置1を移動させることができる。
また、報知制御部106は、ローラ3の回転速度が予め設定されている規定速度以上になった場合、報知装置12を作動させる。報知制御部106は、ローラ3の回転速度が規定速度以上であることを示す音声を音声出力装置から出力させる。報知制御部106は、ローラ3の回転速度が規定速度以上であることを示す発光状態で発光装置を作動させる。作業者は、報知装置12の作動により、埋設物探査装置1の移動速度が過度に高いことを認識して、適切な移動速度で埋設物探査装置1を移動させることができる。
[ガイダンス部]
図17は、本実施形態に係るマルチ探査モードにおける埋設物探査方法を説明するための図である。ハウジング2にガイダンス部2Sが設けられる。ガイダンス部2Sは、ハウジング2に設けられたスリットを含む。なお、ガイダンス部2Sは、ハウジング2に設けられたマークでもよい。
ガイダンス部2Sは、上下方向に規定される第1領域及び第2領域のそれぞれを検出装置4で検出するときの上下方向におけるハウジング2の位置をガイダンスする。ガイダンス部2Sにより、上下方向における第1領域と第2領域との距離が規定値に調整される。
図17に示すように、第1検出動作が実行される前において、ガイダンス部2Sを指標として、対象物OBの表面の一部にマークMcが付される。マークMcは、上下方向におけるガイダンス部2Sの位置を示す。マークMcが付された後、第2検出動作が実行される前に、上下方向においてレーザ光GLの位置と第1検出動作が実行される前に付されたマークMcの位置とが一致するように、ハウジング2の位置が調整される。これにより、ハウジング2は、第1検出動作における位置からガイダンス部2Sとレーザ光GLとの距離だけ下方に移動する。レーザ光GLの位置とマークMcの位置とが一致した状態で、第2検出動作が実行される。上下方向において、第1領域AR1と第2領域AR2との距離は、ガイダンス部2Sとレーザ光GLとの距離と等しい。
また、第2検出動作が実行される前に、レーザ光GLの位置と第1検出動作が実行される前に付されたマークMcの位置とが一致した状態で、ガイダンス部2Sを指標として対象物OBの表面の一部にマークMcが付される。第3検出動作が実行される前に、上下方向においてレーザ光GLの位置と第2検出動作が実行される前に付されたマークMcの位置とが一致するように、ハウジング2の位置が調整される。これにより、ハウジング2は、第2検出動作における位置からガイダンス部2Sとレーザ光GLとの距離だけ下方に移動する。レーザ光GLの位置とマークMcの位置とが一致した状態で、第3検出動作が実行される。上下方向において、第2領域AR2と第3領域AR3との距離は、ガイダンス部2Sとレーザ光GLとの距離と等しい。
このように、ガイダンス部2Sにより、上下方向における第1領域AR1と第2領域AR2との距離と、第2領域AR2と第3領域AR3との距離とを、同じ距離にすることができる。
[効果]
以上説明したように、本実施形態によれば、埋設物探査装置1は、検出装置に4よる複数の検出動作のそれぞれにおいて生成された複数の表示データD1r,D2r,D3rを併せて表示する表示装置8を備える。作業者は、表示装置8に表示された表示データD1r,D2r,D3rに基づいて、複数の検出動作による検出装置4の検出データを効率良く確認することができる。したがって、探査作業を円滑に実施することを目的とする。
表示装置8は、複数の表示データD1r,D2r,D3rを並べて表示する。これにより、作業者は、埋設物の位置及び形状を確認することができる。例えば、図15に示したように、複数の表示データD1r,D2r,D3rのそれぞれにおいて左右方向における埋設物の画像BUの位置が異なる場合、作業者は、表示装置8に表示された表示データD1r,D2r,D3rに基づいて、埋設物が傾斜していることを確認することができる。
ガイダンス部2Sが設けられることにより、図17を参照して説明したように、上下方向における第1領域AR1と第2領域AR2との距離を規定値に調整することができる。
図16を参照して説明したように、表示装置8は、表示画面において複数の表示データD1r,D2r,D3rを同期して移動させる。これにより、作業者は、埋設物の状態を再確認することができる。また、作業者は、埋設物の状態を広範囲に亘って確認することができる。
表示装置8は、ローラ3の回転と同期して表示データD1r,D2r,D3rを移動させる。これにより、作業者は、ローラ3を転がすだけで、表示データD1r,D2r,D3rをスクロールさせることができる。
[その他の実施形態]
上述の実施形態において、複数の表示データD1r,D2r,D3rは、上下方向に並べて表示されることとした。複数の表示データD1r,D2r,D3rは、左右方向に並べて表示されてもよい。また、複数の表示データD1r,D2r,D3rが重複するように表示されてもよい。
上述の実施形態において、第1領域AR1と第2領域AR2と第3領域AR3とは、上下方向に配置されることとした。第1領域AR1と第2領域AR2と第3領域AR3とは、左右方向に配置されてもよい。
上述の実施形態において、第1領域AR1と第2領域AR2と第3領域AR3とは、異なる領域であることとした。複数の検出動作のそれぞれにおいて検出される第1領域AR1と第2領域AR2とは、同一の領域でもよい。すなわち、作業者は、埋設物探査装置1を用いて、対象物OBの表面の同一の領域を何度も探査してもよい。表示装置8は、同一の領域における複数の検出動作のそれぞれにおいて生成された複数の表示データを併せて表示してもよい。
上述の実施形態において、第1検出動作により取得された検出データと第2検出動作により取得された検出データとが演算処理され、表示制御部105は、演算処理された後の検出データを示す表示データを表示装置8に表示させてもよい。
上述の実施形態において、ガイダンス部2Sは、目盛を含んでもよい。ガイダンス部2Sは、例えばレーザ光を射出する射出部を含んでもよい。
上述の実施形態において、表示装置8は、ローラ3の回転と同期して表示データをスクロールさせることとした。表示装置8は、操作装置7の操作信号に基づいて表示データをスクロールさせてもよい。
上述の実施形態において、記憶部107による検出データの記憶開始のタイミング及び記憶終了のタイミングは、検出装置4の検出面4Sと対象物OBの表面との距離に基づいて決定されることとした。記憶部107による検出データの記憶開始のタイミング及び記憶終了のタイミングは、操作装置7の操作信号に基づいて決定されてもよい。記憶部107による検出データの記憶開始のタイミング及び記憶終了のタイミングは、回転センサ30の検出データに基づいて決定されてもよい。例えば、検出動作においてローラ3の回転が開始したとき、記憶部107による検出データの記憶が開始され、検出動作においてローラ3の回転が終了したとき、記憶部107による検出データの記憶が終了されてもよい。