JP2017531734A - 熱電活性材料のニッケルおよびスズによるプラズマ被覆 - Google Patents

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Abstract

本発明は、プラズマ火炎を用いて、熱電活性材料上にニッケルの拡散バリアを設けるか、もしくはプラズマ火炎を用いて、ニッケルの拡散バリア上にスズの接触促進層を設ける、熱電素子のための熱電脚部を製造するための方法に関する。さらに、本発明は、相応に製造されている熱電脚部を備える熱電素子に関する。したがって、発明者は、従来のプラズマ溶射技術によって工業的規模で熱電脚部が製造できるように、従来のプラズマ溶射技術をさらに発展させるという課題に直面したことが分かった。この課題は、球形度に関して特別な仕様に従うニッケル粒子もしくはスズ粒子を使用することによって解決された。

Description

本発明は、プラズマ火炎を用いて、熱電活性材料上にニッケルの拡散バリアを設けるか、もしくは、プラズマ火炎を用いて、ニッケルの拡散バリア上にスズの接触促進層を設ける、熱電素子のための熱電脚部(Thermoschenkel)を製造するための方法に関する。さらに、本発明は、相応に製造されている熱電脚部を備える熱電素子に関する。
熱電素子は、ペルティエおよびゼーベックによって説明された熱電効果を利用して、熱エネルギーを電気エネルギーに変換するエネルギー変換器である。熱電効果は可逆的であるため、いずれの熱電素子も、電気エネルギーから熱エネルギーへの変換に利用することができる。いわゆるペルティエ素子は、電気入力して、対象物を冷却もしくは加熱するのに用いられる。したがって、ペルティエ素子とは、熱電素子でもあると理解される。熱エネルギーを電気エネルギーに変換するのに用いられる熱電素子は、しばしば熱電発電装置(TEG)と呼ばれる。
熱電素子の例および概論は、以下に記載されている:
・Thermoelectrics Goes Automotive、D.Jaensch(ed.)、expert verlag GmbH、2011、ISBN 978−3−8169−3064−8、
・特開2006−032850号公報(JP2006032850A)、
・欧州特許出願公開第0773592号明細書(EP0773592A2)、
・米国特許第6872879号明細書(US6872879B1)、
・米国特許出願公開第2005/0112872号明細書(US20050112872A1)、
・特開2004−265988号公報(JP2004265988A)。
工業的に実施される熱電素子は、熱電活性材料からなる2つの熱電脚部から構成される少なくとも1つの熱電対、ならびに熱電対を支持する、および/または取り囲む、および外部に対して電気的に絶縁する基板を含む。
先行技術には、数多くの熱電活性材料が記載されている。商業的な使用の場合、例えば半導体のテルル化ビスマスのクラスの合金(特に、セレンおよび/またはアンチモンの付加的な含分を有する)が好適であり、その合金から(一方はp型導電性ドープされ、他方はn型導電性ドープされている)熱電対を構成することができる。
さらなる熱電活性の物質クラスは、以下の通りである:ハーフホイスラー材料、種々のケイ化物(特にマグネシウム、鉄)、種々の方コバルト鉱、種々のテルル化物(鉛、スズ、ランタン、アンチモン、銀)、種々のアンチモン化物(亜鉛、セリウム、鉄、イッテルビウム、マンガン、コバルト、ビスマス(一部はジントル相とも呼ばれる))、TAGS、ゲルマニウム化ケイ素、クラスレート(特にゲルマニウムベース)。これらの半導体材料の他に、熱電素子は、ごく一般的な金属の組み合わせから製造することもでき、例えば、これは、例えば温度測定のための市販の熱電対、例えばNi−CrNiの場合である。しかし、そのようにして達成可能な、いわゆる性能指数(熱電「効率」)は、前述の半導体材料の場合より明らかに低い。
熱電素子においては、活性材料からなる熱電脚部は、電気的に金属導体(いわゆる「接点ブリッジ(Kontaktbruecken)」)と接触させて熱電対にされなければならず、ここで、接合箇所を通してきわめて低い電気抵抗が保証されていなければならない。それと同時に、熱電特性の不所望の変化をもたしうる、金属導体および/もしくは電気接続に使用されるはんだおよびはんだ補助手段からの原子、またはその他の接合方法で使用される物質の活性材料への拡散が防がれなければならない。このことは、拡散バリアを熱電活性材料上に設けることによって阻止することができる。現在使用される活性材料の多くに一般的な好適なバリア材料は、ニッケルである。
熱電活性材料上に拡散バリアを設ける際、一般的に、以下の観点が顧慮される:
・好適な均質性、密度および層厚を有する、効果的な、かつここで可能な限り薄い拡散バリアの作製、
・設けられた1つ以上の層の高い電気的体積抵抗、ならびに異なる層のすべての接触帯域において低い電気的接触抵抗、
・熱電素子の製造費用を低く抑えるために、被覆のための少ない投資費用および運転費用、それというのは、そのようにしてしか経済的効果がないからである、
・被覆法は、大量生産に適しており、良好に拡張可能かつ簡単にコントロール可能であり、一定の品質および高い処理能力を提供し、かつ変更された形状および/または材料に適合可能でなければならない、
・被覆法は、一様な、かつ良好に操作可能な層構造を提供しなければならない、
・被覆法は、異なるTE活性材料への一様かつ良好な接着性を提供しなければならない、
・被覆剤の損失は、ほんのわずかしか生じてはならない、
・微細に分散する金属(特にニッケル)の毒性は、コントロールされなければならない、
・方法は、局所的に定義可能な層構造を、すなわち活性材料の被覆される表面にのみ、一般的に導体への後々の接触箇所の領域において提供しなければならない。不所望または不必要な箇所での堆積は回避され、隣接するTE脚部の間での不所望な電気接続の形成も望ましくない、
・方法は、使用される被覆材料ならびに被覆される活性材料の品質変化に対して安定しているのが望ましい、
・方法は、物質結合の接続を可能にすることが望ましい、
・最後に、方法は、慣用の導電材料、例えば銅、銀、アルミニウム、スズ、または金への良好な機械的および電気的なボンディング性を保証するのが望ましい。
拡散バリアは、工業的な実施方法では、ニッケルスパッタリング、ガルバニック被覆(galvanische Beschichtung)、火炎溶射またはCVD/PVD被覆によって、活性材料上に設けられる。
従来の被覆技術は、さまざまな欠点を有している:
ニッケルスパッタリングは、高真空および高純度のニッケルターゲットを必要とする、費用のかかる高価な方法である。ニッケルスパッタリングは、高真空チャンバー、およびターゲットの限られたニッケル除去率のため、低い処理能力を提供するにすぎない。さらに、ここで、効率が悪いため、ニッケル消費量が高いことが難点である、それというのは、堆積が、真空チャンバーのほぼすべての表面で行われるからである。最後に、エネルギー消費量は計り知れない。同じことが、原則として、CVD/PVD技術にも当てはまる。ガルバニック被覆は、半導体への接着性を制限されてしか達成しない。さらに、ガルバニック被覆は、活性面の清浄および清潔さに対する要求が高い。侵食性のガルバニ浴は、半導体およびTE素子のその他の素子または対向電極にも作用することがあり、さらに、ガルバニ浴は、毒性が非常に高く、かつ環境的に危険である。
一様な層構造が、均質な電流密度分布を必要とすることも非難されるべきである。これは、実際には、しばしば不均質な半導体および活性材料上の表面の酸化物層/不純物のため、ほとんど達成されない。
複数のTE脚部を同時に被覆する場合、同様に、脚部の異なる内部抵抗および接触抵抗によって、脚部での著しく不均質な電流分布がもたらされる。したがって、n型脚部およびp型脚部の同時被覆は、一般的に不可能である。
多数のTE脚部を電気接触すると同時に、接触帯域と液状のガルバニ浴との接触を回避することは、構造上、きわめて費用がかかる。
対向電極は、浴が腐食性であるため、大きく摩耗し、それゆえ、高価である。また、対向電極において、毒性および/または腐食性の物質が形成されることがある。
最後に、浴組成物は、ガルバニック被覆の間に変化し、それによって、一様な堆積もしくはプロセスの制御が困難になる。
火炎溶射も、より適切な代替案ではない。したがって、ここで、一般的に、層構造は、不均質で制御しにくく、堆積の制御性は限られて局所的である。つまり、火炎は、ニッケル粉末を充分に加熱できるようにするために、ある程度の最小量に達しなければならない。したがって、火炎溶射は、直径数ミリメートル未満の組織構造には適していない。火炎溶射されたバリア層は、多くの場合、多孔度が高く、それゆえ、不充分な気密性を示す。
さらに、火炎溶射では、活性材料の浸食をもたらすサンドブラスト効果が観察される。
火炎溶射されたバリア層の半導体活性材料への接着性は、不充分であることが多く、これは、火炎中の酸化剤によるニッケルおよび半導体の酸化物形成によって引き起こされる。このことは、熱電脚部の接触箇所での高い電気抵抗をもたらし、それによって、TEモジュールの効率は低下する。
国際公開第2013/144106号(WO2013/144106A1)には、シートから型打ちされたディスクを圧入(Aufpressen)および焼結することによって、熱電活性材料上にニッケルの拡散バリアを設けることが開示されている。さらに、この文献は、バリア材料の施与に関連して、粉末プラズマ溶射に言及しているが、詳細には立ち入っていない。
圧入および焼結の欠点は、TE脚部全体が、ニッケルの焼結温度に上げられねばならないことである。これは、多くのTE半導体には過度に高いことがある。シートの使用は、バリアの不浸透性に必要であるよりも厚い層をもたらす。さらに、焼結は、機械的な圧力下で行われなければならず、比較的時間がかかり、これによって、処理能力および機械利用率が制限される。
国際公開第2008/077608号(WO2008/077608A2)からは、基板に導体路を溶射するための方法が公知であり、ここで、金属粉末は、低温のプラズマを用いて、大気条件で基板に設けられ、そこで、導体路が形成される。被覆材料として、この文献は、具体的にスズおよび銅を挙げている。実施例では、粒子径が1μmから100μmまでの範囲の粒径を有するスズ粉末が使用される。粉末の性質については、詳しく説明されていない。この文献の記載によれば、被覆される基板の前処理は不必要である。熱電活性材料は、被覆されない。
スイス国特許発明第401186号明細書(CH401186)では、プラズマ火炎を用いて、熱電活性材料上にニッケルの拡散バリアを設ける、熱電素子のための熱電脚部を製造するための方法が記載されている。被覆前の前処理としては、表面を粗くして、拡散バリアの接着性を改善するために、酸化材料の清浄、特に、サンドブラストによる酸化材料の清浄が推奨される。同様に、この文献は、電気接点の熱電脚部への溶着を軽減するために、拡散バリアに、例えば銅または鉄からなる第二の層を設ける方法について記載している。しかし、ここで、粉末の性質については、具体的に説明されていない。
市販のプラズマ溶射技術を用いて、粉末状のニッケルを熱電活性材料上に溶射し、その上に拡散バリアを形成させる出願人の試験は、不成功に終わった。
したがって、発明者は、従来のプラズマ溶射技術をさらに発展させて、その結果、それによって工業的規模で熱電脚部が製造できるようにするという課題に直面したことが分かった。
この課題は、0.74超の平均球形度を有するニッケル粒子が使用されることによって解決された。
つまり、発明者は、ニッケルの拡散バリアを成功裏に製造するための手掛かりは、プラズマ火炎への粒子の供給のコントロールであることが分かった。熱電活性材料上に上述の特性を有するニッケル層を堆積させるためには、明らかに、その他の金属粉末の供給とは異なる特別な方法で、プラズマ火炎にニッケル粉末が供給される必要がある。従来処理されていた金属粉末をニッケル粉末に交換するだけでは、成功に至らなかった。
本発明によれば、粒子が特別な球形度を有するニッケル粉末が使用される。
「球形度」Ψは、不規則に成形された物体の球形の程度の尺度である。それは、物体と同じ容積Vを有する球体の表面積の、物体の表面積Aに対する比によって数学的に定義されている:
Figure 2017531734
球形度Ψは、ゼロから1までの値をとってよい。理想的な球体の球形度は1である。物体が不規則に成形されていればいるほど、その球形度は小さくなる。3つの同じ長さの辺を有する立方体は、だいたい約0.8の球形度を有する。比較的尖った四面体は、たった0.67の球形度にしか達しない。それとは逆に、少なくとも部分的に丸い円柱は、0.87の比較的高い球形度を有する。
それゆえ、球形度の数学的概念は、粒子の真円度を表しており、粉末の流動特性の指標として使用されてよい。粉末は、それぞれの球形度が異なる、多数の個々の粒子からなるため、粉末に球形度の統計合計値を割り当てることは理にかなっている。そのためには、個々の粒子の球形度が測定され、それから平均値が出される。その場合、これは、粒子床の平均球形度SMと呼ばれる。
粒子技術は、粉末の球形度の測定を可能にするさまざまな測定方法を発展させている。
画像処理法は、形態の把握を可能にするものであり、形態および寸法から球形度を算出することができる。画像処理系には、動的または静的がある。動的系は、例えばSympatec社の型式QicPicである。静的系は、光学顕微鏡または走査型電子顕微鏡(SEM)に含まれるものであり、個々の画像を分析する。
Sympatec GmbH社のQicPicは、面積が同じ円の周囲長さPEQPCの、実際の周囲長さPrealに対する比に基づいて球形度を測定する。ここで、数学的に理想的な三次元方法とは異なる二次元方法を利用するが、それでもやはり、好ましい近似値を与える。
この測定方法によって、使用される粉末の平均球形度が測定された。試験は、0.74超の平均球形度を有するニッケル粉末は、ニッケル粉末を連続的にプラズマ火炎に供給することを可能にする流動特性を示し、その結果、それによって、確実に密な拡散バリアを作り出せることを示している。すなわち、粒子流の中断は、可能な限り回避される、それというのは、さもなければ、この使用目的の場合に必要な層の均質性および密度を維持することはできないからである。理想的には、平均球形度は、0.79である。
したがって、本発明の対象は、プラズマ火炎を用いて、熱電活性材料上にニッケルの拡散バリアを設け、その際、プラズマ火炎に、0.74超の平均球形度SMを有するニッケル粒子が供給される、熱電素子のための熱電脚部を製造するための方法である。
特に好ましくは、0.78から0.8までの範囲の平均球形度SMであり、その範囲において、最適な値は、0.79である。
これらの値は、Sympatec GmbH社のQicPicによる測定値を指している。
球形度のほかに、使用されるニッケル粉末の粒度分布も、粉末の処理性、ひいては達成された被覆品質に決定的な影響を与える。したがって、本発明の好ましいさらなる実施形態は、粒度分布に関して、以下の仕様:
50は、0.6μmから25μmまでであり、ここで、4μmから7μmまでが好ましい
を有するニッケル粒子を使用することを企図する。
粒度分布D50とは、使用される粒子の50%が、特許請求の範囲に記載される範囲の相当直径を有していると理解される。相当直径は、不規則な粒子と同じ容積を有する球体の直径である。ニッケル粉末に好適な測定法は、静的光散乱法である。好適な機器は、Retsch Horiba LA−950である。
粒子が、必要とされる球形度も、有利な粒度分布も有している好適なニッケル粉末は、粒子をスプレードライして、ふるい分けることによって得られる。スプレードライの際、液状のニッケルはガス流に噴霧され、そうして、液状のニッケル液滴は、その表面張力が低下して、球状の形態をとろうとする。ガス流中で固められて(乾燥して)、粒子はその球状の形態を維持し、その結果、粒子は、高い球形度を達成する。
これらの粒子は、その後、もはや粉砕されてはならない、それというのは、粉砕プロセスによって、円形の粒子は、再び平坦化される、および/または鋭角に割れるからである。したがって、粉砕された粉末は、D50値が同じ場合、0.47の平均球形度を有しており、したがって、本発明により使用することはできない。
これらの理由から、所望の粒度分布の調節は、ふるい分けによって行わなければならない。ふるい分けは、所望の大きさを有する粒子を、スプレードライされた粗粉末から選択する分級法である。空気分級の場合、微細含分は、細かい粒子が比較的ゆっくりガス流中に沈降することによって分離される。
スプレードライの後に、粒度分布の縮小をもたらす作業工程は行われないため、使用可能なニッケル粒子は、基本的にすでにスプレードライ後に存在しており、それらは、スプレードライされたニッケル粒子の全体量から選択される必要があるにすぎない。したがって、ニッケル粒子のスプレードライは、特に重要である。
粒子粉末の性質のほかに、プラズマ被覆設備のプロセスパラメーターも重要である:
プラズマ被覆設備は、市販されている。その中心をなすのは、ノズルであり、ノズル内に、イオン化可能なガスのキャリアガス流が流入する。ノズルには、金属粉末も送給され、ノズル内で、キャリアガス流中に分散される。キャリアガスは、高電圧が放電されるイオン化帯域を通される。具体的には、そのために、ノズルは、陽極および陰極を有しており、これらの間で、電圧が、火花放電によって放電される。キャリアガスは、放電の領域を流れ、ここで、イオン化される、つまり、同じ向きに(gleichsinnig)イオン的に帯電される。分散された粒子を有するイオン化されたキャリアガスは、ノズルをプラズマ流として離れ、熱電活性材料の被覆される表面に当たる。ニッケル粒子は、そのようにして活性材料上に堆積する。
つまり、プラズマ火炎中では、金属粒子の表面は、金属粒子が目標表面に衝突する際に、この目標表面に付着して層を形成できるように活性化される。場合によって、そのうえさらに、被覆材料は、その下にある基板、つまり、活性材料もしくは第一の被覆材料とともに焼結する。
イオン化可能なキャリアガスとしては、好ましくは窒素(N2)または水素(H2)またはそれらの混合物が使用される。好ましくは、95体積%の窒素と5体積%の水素からなる混合物であるフォーミングガスがキャリアガスとして使用される。水素含分は、プラズマ流に、熱電活性材料上の不所望な酸化物層の除去を可能にする還元作用を与える。それによって、接触箇所の熱抵抗および電気抵抗が低下し、その結果、後々の熱電素子の効率が上昇する。高い窒素含分は、新たな酸化を抑え、爆発の危険を下げる。
イオン化のためには、好ましくは、15kHzから25kHzの間のパルス周波数で、10kVから50kVの間のパルス直流電圧が使用される。
しかし、プロセス効率は、イオン化および分散が同時にノズル内で行われる場合に上がる。それにもかかわらず、市販のプラズマノズルは、最初にキャリアガスのイオン化が行われて、粉末は、その直後に、つまり、ノズルから出る前に、すでにイオン化されたキャリアガスに分散されるように構成されている。
プラズマ火炎の温度は、3000K未満の値に設定されるのが望ましく、それゆえ、熱電活性材料は損なわれない。プラズマ温度は、プロセスガス、出力および圧力に依存している。しかし、決定的に重要であるのは、基板上の温度である。ここで、半導体の融点を超過してはならない。基板上の温度は、さらにプラズマピン(Plasmastift)の移動速度の影響を受ける。ニッケルを表面で活性化するための充分なプラズマ温度、および基板を破壊しない基板上の温度が選択される必要がある。
具体的には、プラズマ被覆は以下の通り行われる:
a)キャリアガスを、10Nl/minから60Nl/minまでの体積流量でノズルに送給し、ここで、30Nl/minが好ましい、
b)キャリアガスを、電圧によって引き起こされた放電を通過させることによって、ノズル内でイオン化し、
c)ニッケル粒子を、1g/minから10g/minまでの送給速度でノズルに送給し、ここで、3.5g/minが好ましい、
d)ニッケル粒子を、キャリアガス流中に分散させ、ここで、これは、キャリアガスのイオン化の前、またはその後、またはその間に行われる、
e)プラズマ火炎をノズルから熱電活性材料の方向に出させ、
f)ノズルおよび熱電活性材料を、一定の距離で、80mm/sから250mm/sまでの送り込み速度で相互に相対的に動かし、ここで、200mm/sの送り込み速度が好ましい、
そのようにして、
g)プラズマ火炎によって、ノズルに供給されたニッケル粒子を熱電活性材料上に堆積させ、その結果、3μmから100μmまでの層厚を有する拡散バリアが熱電活性材料上で成長し、ここで、10μmから20μmまでの層厚が好ましい。
本発明による粒子が使用される限り、この方法で、ニッケルの拡散バリアは、卓越した品質で、熱電素子の工業的大量生産に適合した処理能力で製造できる。
熱電活性材料、例えばテルル化ビスマスは、半導体上で大気酸素との接触により生じる酸化物層を有していることが多い。そのような酸化物層は、電気絶縁体および断熱材として作用するので、これらの酸化物層は、熱電素子の高いエネルギー効率のために、少なくとも電気接点が作られる後々の拡散バリアの領域では除去されるべきである。
本発明の特に好ましい実施形態は、拡散バリアを設ける前に、熱電活性材料を、後々の拡散バリアの領域において、粒子が分散されていないプラズマ火炎で処理し、ここで、分散された粒子を含まないプラズマ火炎を、ニッケル粒子が分散されているプラズマ火炎と同じように生成させるが、分散された粒子を含まないプラズマ火炎に、ニッケル粒子を供給しないことが異なることである。
このさらなる実施形態の基礎をなす考えは、被覆に利用されるプラズマ火炎を、被覆の前に、酸化物層の除去に利用することである。そのためには、酸化物層を還元する還元性キャリアガス、例えば水素またはフォーミングガスが使用される。清浄火炎に、粒子は供給されない。その他の点では、被覆設備のパラメーターは同じであってよい。そのようにして、同一の設備および工作物装置は、活性材料上の酸化物層を被覆の前に除去するために利用されてよい。これによって、生産は特に効率がよくなる。サンドブラストによる清浄と比べて、粒子を添加しないプラズマ火炎の使用は、活性材料の表面が機械的にそれほど強く損なわれないという利点がある。
バリア層は、プラズマジェットで清浄されたばかりの半導体の接触面(n型もp型も)に直接設けられ、したがって、待機時間または設備インターフェースによる接触面の新たな汚れまたは新たな酸化の危険は生じない。新たな酸化を回避するために、プロセスは、保護雰囲気下で実施されるのが望ましい。
本発明の利点は、真空または正圧が不必要なことにある。酸化物形成の回避のために保護ガスによる不活性化を実現するために、ならびに微細粒の金属の環境への放出を防ぐために、筐体が必要であるにすぎない。
本発明の利点は、大気圧で行うことができることでもある。それに応じて、本方法は、例えば大気圧で行われるので、保護雰囲気の絶対圧は、0.8*105Paから1.2*105Paの間である。
不活性化の保証のため、ひいては不所望の酸化物形成を回避するために、保護雰囲気中の酸素含分は、100ppm体積%未満であるのが望ましい。特に、保護雰囲気としては、少なくとも99.9体積%の純度を有する窒素が使用される。
一般的に、ニッケルの拡散バリアに、電導体、例えば銅またはアルミニウムの電気接点ブリッジが直接溶着されるのではなく、その間に、ニッケル層上のはんだの接触を改善する接触促進層が企図される。本発明によれば、スズの接触促進層も同じく、プラズマ溶射を用いて、ニッケルバリア上に、好ましくは同一の設備で設けられる。しかし、ここで処理されるスズ粉末は、任意に選択されてよいのではなく、むしろ、0.72超の平均球形度SMを有していることが望ましい。理想値は、SM=0.77であるので、0.75<SM<0.8の付近範囲が特に好ましい。これらの値も同じくSympatec GmbH社のQicPicによる測定値を指している。
特別の球形度を有するスズ粉末の使用は、ニッケル粉末の選択におけるのと同じ発明の構想に相当するため、プラズマ火炎を用いて、ニッケルの拡散バリア上に、スズからなる接触促進層を設け、かつここで、球形度に関して前述の仕様を満たすスズ粒子がプラズマ火炎に供給される、熱電素子のための熱電脚部を製造するための方法も、同じく本発明の対象である。
接触促進層は、必ずしも本発明によりプラズマ溶射されたバリア層上に設けられる必要はないが、2つのプロセス工程を、本発明により同一の設備で実施することは充分に理にかなっている。
スズを用いるプラズマ溶射の場合、以下のパラメーターが維持されるのが望ましい:
以下の仕様を満たす粒度分布を有するスズ粒子が使用されるのが望ましい:
50は、1μmから40μmまでであり、ここで、18μmから22μmまでが好ましい。
適切な球形度および粒度分布を有するスズ粉末は、スプレードライおよびふるい分けによって得られる。
スズ溶射のためのプラズマ火炎は、スズ粒子が分散されているイオン化されたキャリアガス流であり、
a)ここで、窒素、水素、またはそれらの混合物から選択されるキャリアガスを使用する、ここで、空気がキャリアガスとして好ましい、
b)ここで、キャリアガスを、電圧を用いて、特に、15kHzから25kHzの間のパルス周波数で、10kVから50kVの間のパルス直流電圧でイオン化する、
c)ここで、プラズマ火炎の温度は、3000K未満である。
スズ溶射のためのプラズマ火炎を、ノズル内で、以下
a)キャリアガスを、10Nl/minから60Nl/minまでの体積流量でノズルに送給し、ここで、30Nl/minが好ましい、
b)キャリアガスを、電圧によって引き起こされた放電を通過させることによって、ノズル内でイオン化し、
c)スズ粒子を、1g/minから10g/minまでの送給速度でノズルに送給し、ここで、3.5g/minが好ましい、
d)スズ粒子をキャリアガス流中に分散させ、ここで、これは、キャリアガスのイオン化の前、またはその後、またはその間に行われる、
e)プラズマ火炎をノズルから拡散バリアの方向に出させて、
f)ノズルおよび拡散バリアを、一定の距離で、80mm/sから250mm/sまでの送り込み速度で相互に相対的に動かす、ここで、200mm/sの送り込み速度が好ましい、
ことによって生成させ、
そのようにして、
g)プラズマ火炎によって、ノズルに供給されたスズ粒子を拡散バリア上に堆積させ、その結果、20μmから200μmまでの層厚を有する接触促進層が拡散バリア上で成長し、ここで、50μmから100μmまでの層厚が好ましい。
したがって、ニッケルによるプラズマ被覆にも、スズによるプラズマ被覆にも、同様の技術的な境界条件が適用され、このことは、本発明の単一性の要件を強調している。
両方の場合においても決定的であるのは、相応の供給性を可能にする粒子の流動性である。ニッケル粒子もしくはスズ粒子のプラズマ火炎への供給は、空気圧によって行われる。したがって、本発明による球形度を有する粉末は、工業的規模で求められる質量流量でも、きわめて連続的に送給されうる。空気圧による送給のための体積流量の割合は、プラズマによるガス流と比べてきわめて低い。
その他の点では、活性材料に関して、活性材料を被覆の間に約80℃に加熱するのが望ましいことが判明した、それというのは、これによって、被覆の成長が改善されるからである。したがって、本発明のさらなる実施形態は、熱電活性材料の被覆される表面が、清浄の前に、および/または被覆の前に、60℃から100℃までの温度、特に80℃の温度に温度調節されることを企図する。
基本的に、冒頭に記載された熱電活性材料はすべて、本発明による技術を用いて被覆されうる。しかし、試験は、テルル化ビスマスにアンチモンおよび/またはセレンの含分が加えられている場合にも、テルル化ビスマスは、特に良好に被覆されうることを示している。
総じて、本発明によるプロセスは、以下の利点を目的とする:
金属粉末、ならびにプラズマ火炎によってならされる(bestreichen)被覆される工作物の表面への、局所的にきわめて制限されたエネルギー入力は、工作物の加熱を減少させ、それどころか、温度感受性の材料、例えば、熱電脚部を取り囲むまたはおおう、特に多数のTE半導体または熱電受動基板の被覆を可能にする。
本発明による被覆法の特別な利点は、プラズマ火炎の還元特性ならびに保護雰囲気による不活性化が、不所望の金属酸化物の形成を回避することである。このことによって、接着性が改善され、抵抗が減少して、それによってTEモジュールの効率が改善される。
本方法の別な利点は、n型脚部およびp型脚部を、同一条件下に金属化できることである。異なってドープされた2つの半導体の焼結温度が異なることに基づく温度調節は、不必要である。このことは、プロセス操作、ひいては費用を簡素化する。
さらに、本発明は、3つの加工工程のために、ならびにp型脚部およびn型脚部のために1つの加工ステーション(Bearbeitungsstation)しか利用しない可能性を広げるものである。大気圧プラズマ溶射に好適な加工ステーションは、少ない投資費用で既製として利用可能であり、コンパクトであり、かつ良好に自動化できる。
有利には、本発明は、危険な物質、すなわち、微粉末の重金属であるニッケルおよびスズの完全な閉じ込め(Einschluss)を可能にする。これは、プロセスにおいて、必要不可欠な不活性ガス筐体によって本質的にもたらされている。
本発明の利点は、生産能力の適応が、複数の同一のステーションを並列化することによって容易に可能であることでもある。
同じく、柔軟な構造化も、溶射ヘッドのプログラム可能な3D−位置調整および金属流量の調節可能性、つまり、特別な要求への迅速な適応性によって可能である。少量ラインも経済的に行うことができる。
本発明により設けられた金属層は、プラズマ調節の選択および金属粉末の供給によって、高度に多孔性ないしほぼ無孔に調節することができる。充分に厚い層を設けることによって、貫通孔がまったくない被覆を製造して、そのようにして、その下にある構造を完全に流体の影響から保護するか、もしくは、有効な拡散バリアを電導体と熱電半導体との間に生成させて、金属原子の移動を阻止することが可能である。
熱電活性材料のニッケルおよびスズによる被覆のための本発明による方法は、卓越した被覆品質を有する熱電脚部をもたらす。そのようにして被覆された2つの熱電脚部は、被覆された箇所に接点ブリッジを溶着することによって相互に接続されて、熱電素子の構成要素になりうる熱電対にすることができる。
本発明による方法で達成可能なそのような高い被覆品質が得られるため、接点ブリッジによって相互に導電接続されて熱電対にされる、熱電活性材料からなる少なくとも2つの熱電脚部を含む熱電素子は、熱電脚部の少なくとも1つが本発明により得ることが可能であるか、または得られる限り、本発明の対象である。
ここで、本発明を、図をもとに詳述する。
原理図 Ni/Sb被覆を有する、受動基板における活性材料からなる熱電脚部(第一作業結果)を示す図 Ni/Sb被覆を有する、受動基板における活性材料からなる熱電脚部(第二作業結果)を示す図 Ni/Sb被覆を有する、活性材料からなる熱電脚部(第三作業結果)を示す図 Ni/Sb被覆を有する、活性材料からなる熱電脚部(第四作業結果)を示す図
図1は、本発明によるプラズマ溶射の原理図を示している。ノズル1は、陰極2と陽極3とを含む。陰極2は、陽極3に囲まれて配置されている。陰極2と陽極3の間に高電圧がかけられる。高電圧は、20kVのパルス直流電圧である。パルス周波数は、20kHzである。電圧は、陽極3と陰極2の間で火花放電によって放電する。
キャリアガス4は、ノズル1を流れて、陽極と陰極の間での高電圧の放電によってイオン化される。ノズル1の合流領域(Muendungsbereich)では、金属の被覆材料5(ニッケルもしくはスズ)が粉末状で導入される。これは、イオン化されていない送給ガス、例えばアルゴンを用いて空気圧によって行われる。ノズル1内では、粉末状の被覆材料5は、キャリアガス4中に分散されて、そうして、被覆ガス流6は、ノズル1から出る。
ノズルは、被覆される熱電活性材料7に合わせられる。接近する際に、アークが点火される。プラズマ8によって、粉末状の被覆材料5は、熱電活性材料7の被覆される表面に堆積される。図示されていないマニピュレーターが、活性材料7を、固定されているノズル1に相対的に動かし、それによって、活性材料の表面上で、被覆材料からなる層9が成長する。相対運動は、保護雰囲気が充填された空間内で、より正確に言えば、被覆装置の筐体内で行われる。使用される被覆材料5(ニッケルまたはスズ)に応じて、設けられる層9は、拡散バリアまたは接触促進層である。
図2から図5までは、熱電活性材料の熱電脚部11に、本発明によりニッケルの第一層9が拡散バリアとして設けられて、その上にスズの第二層10が接触促進層として設けられたさまざまな作業結果を示している。熱電脚部11は、図2および図3に示される作業結果では、セラミック複合材料の熱電受動基板12に存在している。図4および図5に示される作業結果における熱電脚部11は、その側面に、その電気的な接触領域の外部に、同じく本発明により設けられた任意の保護層13が備えられている。つまり、活性材料の電気的な接触箇所のみが本発明によって被覆されうるのではなく、拡散および酸化に曝されているその他の表面領域も被覆されうる。
1 ノズル
2 陰極
3 陽極
4 キャリアガス
5 被覆材料(粉末状)
6 被覆ガス流
7 熱電活性材料
8 プラズマ
9 第一層Ni(拡散バリア)
10 第二層Sb(接触促進)
11 熱電脚部
12 基板
13 保護層

Claims (13)

  1. プラズマ火炎を用いて、熱電活性材料上にニッケルの拡散バリアを設ける、熱電素子のための熱電脚部を製造するための方法において、
    プラズマ火炎に、0.74超の平均球形度を有するニッケル粒子を供給することを特徴とする、前記方法。
  2. ニッケル粒子は、その粒度分布に関して、以下の仕様:
    50は、0.6μmから25μmまでであり、ここで、4μmから7μmまでが好ましい
    を満たすことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. スプレードライされ、ふるい分けられたニッケル粒子を使用することを特徴とする、請求項2に記載の方法。
  4. プラズマ火炎は、ニッケル粒子が分散されているイオン化されたキャリアガス流であるという条件で、
    a)窒素、水素、またはそれらの混合物から選択されるキャリアガスを使用すること、ここで、95体積%の窒素と5体積%の水素からなる混合物がキャリアガスとして好ましい、
    b)キャリアガスを、電圧を用いて、特に、15kHzから25kHzの間のパルス周波数で、10kVから50kVの間のパルス直流電圧でイオン化すること、
    c)プラズマ火炎の温度は、3000K未満であること
    を特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
  5. プラズマ火炎をノズル内で生成させるという条件で、
    a)キャリアガスを、10Nl/minから60Nl/minまでの体積流量でノズルに送給し、ここで、30Nl/minが好ましい、
    b)キャリアガスを、電圧によって引き起こされた放電を通過させることによって、ノズル内でイオン化し、
    c)ニッケル粒子を、1g/minから10g/minまでの送給速度でノズルに送給し、ここで、3.5g/minが好ましい、
    d)ニッケル粒子をキャリアガス流中に分散させ、ここで、これは、キャリアガスのイオン化の前、またはその後、またはその間に行われる、
    e)プラズマ火炎をノズルから熱電活性材料の方向に出させて、
    f)ノズルおよび熱電活性材料を、一定の距離で、80mm/sから250mm/sまでの送り込み速度で相互に相対的に動かし、ここで、200mm/sの送り込み速度が好ましい、
    そのようにして、
    g)プラズマ火炎によって、ノズルに供給されたニッケル粒子を熱電活性材料上に堆積させ、その結果、3μmから100μmまでの層厚を有する拡散バリアが熱電活性材料上で成長し、ここで、10μmから20μmまでの層厚が好ましい、
    ことを特徴とする、請求項4に記載の方法。
  6. 拡散バリアを設ける前に、熱電活性材料を、後々の拡散バリアの領域において、粒子が分散されていないプラズマ火炎で処理し、ここで、分散された粒子を含まないプラズマ火炎を、ニッケル粒子が分散されているプラズマ火炎と同じように生成させるが、分散された粒子を含まないプラズマ火炎に、ニッケル粒子を供給しないことが異なることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
  7. プラズマ火炎を用いて、ニッケルの拡散バリア上に接触促進層を設ける、特に請求項1から6までのいずれか1項に記載の、熱電素子のための熱電脚部を製造するための方法において、
    接触促進層は、スズからなること、およびプラズマ火炎に、0.72超の平均球形度を有するスズ粒子を供給することを特徴とする、前記方法。
  8. スズ粒子は、その粒度分布に関して、以下の仕様:
    50は、1μmから40μmまでであり、ここで、18μmから22μmまでが好ましい
    を満たすことを特徴とする、請求項7に記載の方法。
  9. スプレードライされ、ふるい分けられたスズ粒子を使用することを特徴とする、請求項8に記載の方法。
  10. プラズマ火炎は、スズ粒子が分散されているイオン化されたキャリアガス流であるという条件で、
    a)窒素、水素、またはそれらの混合物から選択されるキャリアガスを使用すること、ここで、空気がキャリアガスとして好ましい、
    b)キャリアガスを、電圧を用いて、特に、15kHzから25kHzの間のパルス周波数で、10kVから50kVの間のパルス直流電圧でイオン化すること、
    c)プラズマ火炎の温度は、3000K未満であること
    を特徴とする、請求項7から9までのいずれか1項に記載の方法。
  11. プラズマ火炎をノズル内で生成させるという条件で、
    a)キャリアガスを、10Nl/minから60Nl/minまでの体積流量でノズルに送給し、ここで、30Nl/minが好ましい、
    b)キャリアガスを、電圧によって引き起こされた放電を通過させることによって、ノズル内でイオン化し、
    c)スズ粒子を、1g/minから10g/minまでの送給速度でノズルに送給し、ここで、3.5g/minが好ましい、
    d)スズ粒子を、キャリアガス流中に分散させ、ここで、これは、キャリアガスのイオン化の前、またはその後、またはその間に行われる、
    e)プラズマ火炎をノズルから拡散バリアの方向に出させて、
    f)ノズルおよび拡散バリアを、一定の距離で、80mm/sから250mm/sまでの送り込み速度で相互に相対的に動かし、ここで、200mm/sの送り込み速度が好ましい、
    そのようにして、
    g)プラズマ火炎によって、ノズルに供給されたスズ粒子を拡散バリア上に堆積させ、その結果、20μmから200μmまでの層厚を有する接触促進層が拡散バリア上で成長し、ここで、50μmから100μmまでの層厚が好ましい、
    ことを特徴とする、請求項10に記載の方法。
  12. ニッケル粒子および/またはスズ粒子を、空気圧による送給を用いてプラズマ火炎に供給することを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項に記載の方法。
  13. 接点ブリッジによって相互に導電接続されて熱電対にされる、熱電活性材料からなる少なくとも2つの熱電脚部を含み、ここで、該熱電脚部の少なくとも1つは、請求項1から12までのいずれか1項に記載の方法によって得ることが可能であるか、または得られる熱電素子。
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