JP2017511422A - 熱可塑性配合物での高ゴム衝撃改質剤の使用 - Google Patents

熱可塑性配合物での高ゴム衝撃改質剤の使用 Download PDF

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Abstract

熱可塑性組成物は、熱可塑性樹脂(例えば、PVC)と、熱可塑性樹脂の100重量部当たり4.0部未満のコア−シェル衝撃改質剤であって、少なくとも90%のゴム含有量を有する衝撃改質剤とを含む。コア−シェル衝撃改質剤組成物は、コア−シェル衝撃改質剤粒子の92重量%超であるゴム含有量を有するコア−シェル衝撃改質剤粒子を含む。熱可塑性組成物から製造される製品がまた開示される。

Description

本発明は、高ゴム含有量のコア−シェル衝撃改質剤、熱可塑性配合物、特にポリ塩化ビニル(PVC)配合物でこの衝撃改質剤を使用する方法、及びそれらの方法によって製造される製品に関する。
ポリ塩化ビニル(PVC)は、フィルム、羽目板、シート、パイプ、窓枠、柵材料、甲板用材及び管材料などの用途に広く使用されている。PVCはそれ自体脆く、様々な最終用途向けに好適な衝撃強度を有さないことが多い。この欠点を克服するために、PVCは多くの場合、それが衝撃で破損する傾向がより少ないように衝撃改質剤とブレンドされる。
公知の衝撃改質剤としては、コア−シェル衝撃改質剤及び塩素化ポリエチレン(CPE)が挙げられる。コア−シェル衝撃改質剤は、比較的ハードな「シェル」(例えば、ポリ(メチルメタクリレート))によって取り囲まれた比較的ソフトなゴム状「コア」(例えば、ポリブタジエン)を含有する。総コア−シェルポリマー粒子を基準とするゴム状相の重量百分率は典型的には、シェルカバレージの強度を損なうことを回避するために90重量パーセントを超えなかった。コア−シェル衝撃改質剤の一般的な低費用代替品は、塩素化ポリエチレン(CPE)である。例えば、米国特許第3,006,889号明細書において、PVCとブレンドされた塩素化ポリエチレンが開示されている。歴史的には、CPEは、コア−シェル衝撃改質剤と同等の性能を達成するために増加したローディングレベルで使用された。しかし、CPE技術の最近の進歩は、より低い費用でコア−シェル衝撃改質剤のローディングレベルと同等のローディングレベルでCPEを使用することを可能にした。
多くの場合に、製造業者は、コア−シェル衝撃改質剤が多くの利点を提供し、例えば、コア−シェル衝撃改質剤は潤滑剤として作用することができ、かつ、それらは優れた衝撃効率、耐候性、及び広範囲のブレンディング及び押出条件にわたっての加工性を有する(例えば、それらは、溶融時間などの、配合又はブレンディングプロセス中の様々なパラメータを調整するより多くの柔軟性を製造業者に提供する)ため、それらのPVC樹脂での使用についてCPEからコア−シェル衝撃改質剤へ切り替えることを好むであろう。コア−シェル衝撃改質剤の利点にもかかわらず、CPEがそのより低い費用のために一般に使用されてきた。様々な方法が、例えば、米国特許第5,338,803号明細書及び欧州特許出願欧州特許出願公開第0,343,657号明細書でPVC樹脂におけるCPEの衝撃強度を向上させるために提案されてきた。しかし、製造業者が熱可塑性配合物、特にPVC配合物においてCPEをコア−シェル衝撃改質剤で置き替えることを可能にする費用効率が高い組成物及び方法が依然として必要とされている。
本発明の実施形態は、製造業者が熱可塑性配合物、特にPVC配合物においてCPEをコア−シェル衝撃改質剤で費用効果的に置き替えることを可能にする組成物及び方法に関する。本発明の実施形態はまた、そのような方法によって製造される製品に関する。
本発明の実施形態は、熱可塑性樹脂(例えば、PVC樹脂)と、熱可塑性樹脂の100重量部当たり4.0部未満(例えば、1.0部〜3.0部又は1.5部〜2.5部)のコア−シェル衝撃改質剤であって、少なくとも90重量%(例えば、90重量%〜96重量%又は92重量%〜95重量%)のゴム含有量を有する衝撃改質剤とを含む、それらから本質的になる、又はそれらからなる熱可塑性組成物に関する。好ましい実施形態によれば、本組成物から形成された製品は、組成物であって、それがコア−シェル衝撃改質剤の代わりに熱可塑性樹脂の100部当たり少なくとも3.5部のCPEを含むことを除いて同一である組成物から形成された製品の正規化平均耐衝撃性に等しいか、又はそれよりも大きい正規化平均耐衝撃性を有する。特定の実施形態によれば、組成物は、(i)少なくとも1つの安定剤、(ii)少なくとも1つの潤滑剤、(iii)少なくとも1つの加工助剤、(iv)少なくとも1つの無機充填材、及び(v)それらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの追加の原料をさらに含む。
本発明の実施形態はまた、熱可塑性樹脂(例えば、PVC樹脂)を、熱可塑性樹脂の100部当たり4.0部未満(例えば、1.0部〜3.0部又は1.5部〜2.5部)のコア−シェル衝撃改質剤とブレンドする工程であって、コア−シェル衝撃改質剤が少なくとも90%(例えば、90重量%〜96重量%又は92重量%〜95重量%)のゴム含有量を有する、工程から本質的になる、又はそれからなる、熱可塑性組成物を製造する方法に関する。特定の実施形態によれば、本方法は、少なくとも1つの追加の原料を、熱可塑性樹脂及びコア−シェル衝撃改質剤とブレンドする工程をさらに含み、少なくとも1つの原料が、(i)少なくとも1つの安定剤、(ii)少なくとも1つの潤滑剤、(iii)少なくとも1つの加工助剤、(iv)少なくとも1つの無機充填材、及び(v)それらの組み合わせからなる群から選択される。
本発明の実施形態はまた、例えば、パイプ、フローリング、発泡体、羽目板、柵材料、パネル用材、甲板用材、キャップストック、窓枠、又はドア枠の形態での上記の熱可塑性組成物を含む製品に関する。
本発明は、製造業者が熱可塑性配合物においてCPEをコア−シェル衝撃改質剤で費用効果的に置き替えることを可能にする組成物及び方法を提供する。本出願人は、コア−シェル衝撃改質剤が、ゴム含有量が少なくとも90重量%である場合に特に、可能であると以前に考えられていたものよりも低いローディングレベルで、熱可塑性配合物、特にPVC配合物に含まれ得ることを発見した。低下したローディングレベルのコア−シェル衝撃改質剤(例えば、PVC樹脂の100部当たり4.0部未満のコア−シェル衝撃改質剤)入りの本出願人の熱可塑性配合物は、従来のローディングレベルの配合物と比べて同等の又は改善された衝撃性能を実証することが分かった。本出願人は、コア−シェル衝撃改質剤のゴム含有量を、シェルカバレージを損なうことなく、以前に公知のものよりも高い、例えば、92重量%ゴム含有量よりも高いレベルまで増加させ得ることをさらに発見した。これらの発見は、費用効率が同様に高く、かつ機械的性能を損なうことなくCPEのローディングレベルの何分の一かで使用することができる性能効率の高いコア−シェル衝撃改質剤を本出願人がもたらすことを可能にした。他の利点の中で、コア−シェル衝撃改質剤はまた、CPEと比べてより幅広い加工条件幅を提供する。
本発明の一態様は、熱可塑性樹脂(好ましくはPVC樹脂)と、熱可塑性樹脂の100重量部当たり4.0部未満のコア−シェル衝撃改質剤であって、少なくとも90重量%のゴム含有量を有する衝撃改質剤とを含む、それらから本質的になる、又はそれらからなる熱可塑性組成物に関する。好ましい実施形態によれば、本組成物で形成された製品は、組成物であって、それがコア−シェル衝撃改質剤の代わりに熱可塑性樹脂の100部当たり少なくとも3.5部のCPEを含むことを除いて同一である組成物で形成された製品の正規化平均耐衝撃性と同等の、又はそれよりも大きい正規化平均耐衝撃性(1ミル当たりの平均破損エネルギー)を有する。正規化平均耐衝撃性(1ミル当たりの平均破損エネルギー)は、例えば、熱可塑性組成物を成形してシートにし、及び各押出組成物の正規化平均破損エネルギー(正規化耐衝撃性)を計算するためにASTM D 4226、手順Aを用いる落槍衝撃を行うことによって測定され得る。他の好適な方法(例えば、ASTM D 256)が代わって用いられてもよい。組成物は、組成物を押し出して約40ミルの厚さのシートにすることによって(例えば、6インチflex−lipシートダイのBrabender円錐二軸スクリュー押出機に組成物を添加し、ゾーン1、172℃;ゾーン2、176℃;ゾーン3、183℃;ダイ 182℃;スクリュースピード、35rpm;及び55のフィーダー設定の押出機設定で組成物を押し出すことによって)成形されてシートになってもよい。あるいは、組成物は、(1)3分のミル時間、190℃でミルにかけ(ここで、スピード=25rpm、摩擦(第1ロールと第2ロールとの間のスピード比)=1.20、ギャップ=0.36インチ);バンディング後30秒毎にミルで材料をカットし、折り畳んでミックスすること;(2)シートをミルから取り出し、シートを6×6平方へ折り畳み、それをアルミニウムシートの7×7×0.125インチ枠へセットすること;(3)5トンでの低圧で2分、25トンでの高圧で3分、195℃で圧力をかけること;(4)冷却プレスに移すこと;(5)低圧で3.5分間冷却することによって成形されてシートになってもよい。
コア−シェル衝撃改質剤は、内側エラストマーコア(本明細書ではゴムコアとも言われる)と、内側エラストマーコア上に位置する少なくとも1つの外側熱可塑性シェルとを有する粒子の形態にある。本明細書で用いる場合、コア−シェル衝撃改質剤粒子の「ゴム含有量」は、粒子の総重量を基準とする粒子中のゴムコアの重量パーセントを意味する。特定の実施形態によれば、コア−シェル衝撃改質剤の粒度は一般に1μm未満;例えば、約50nm〜約1,000nm、又は約50nm〜約500nm、又は約80nm〜約700nm、最も好ましくは約90nm〜約350nmである。粒度は、例えば、NiComp(登録商標)Model 380 ZLSで測定されてもよい。コア−シェルポリマー粒子は典型的には球形状であるが、それらは、任意の好適な形状を有することができる。好ましい実施形態では、熱可塑性組成物に含まれるコア−シェル改質剤粒子は、同等の又は実質的に同等の平均粒径を有する(すなわち、組成物は、異なる平均粒径を有する2つ以上の集団のコア−シェル改質剤粒子を含まない)。
特定の実施形態によれば、コア−シェル衝撃改質剤は、少なくとも90重量%、又は少なくとも90.5重量%、又は少なくとも91重量%、又は少なくとも91.5重量%、又は少なくとも92重量%、又は少なくとも92.5重量%、又は少なくとも93重量%、又は少なくとも93.5重量%、又は少なくとも94重量%、又は少なくとも94.5重量%、又は少なくとも95重量%のゴム含有量を有する。代わりの実施形態によれば、コア−シェル衝撃改質剤は、90重量%〜97重量%、又は90重量%〜96.5重量%、又は90重量%〜96重量%、又は90重量%〜95.5重量%、又は90重量%〜95重量%、又は91重量%〜97重量%、又は91重量%〜96.5重量%、又は91重量%〜96重量%、又は91重量%〜95.5重量%、又は91重量%〜95重量%、又は92重量%〜97重量%、又は92重量%〜96.5重量%、又は92重量%〜96重量%、又は92重量%〜95.5重量%、又は92重量%〜95重量%のゴム含有量を有する。好ましい実施形態によれば、コア−シェル衝撃改質剤は、90重量%〜96重量%、又は92重量%〜95重量%のゴム含有量を有する。本発明のコア−シェル衝撃改質剤はゴムコアと少なくとも1つの外側熱可塑性シェル(本明細書に記載されるような)とを含み;それ故、それらは、100重量%未満(例えば99重量%未満、又は98重量%未満、又は97重量%未満、又は96重量%未満)の「ゴム含有量」を有する。
特定の実施形態によれば、熱可塑性組成物は、熱可塑性樹脂の100部当たり4.0部未満、又は熱可塑性樹脂の100部当たり3.9部未満、又は3.8部未満、又は3.7部未満、又は3.6部未満、又は3.5部未満、又は3.4部未満、又は3.3部未満、又は3.2部未満、又は3.1部未満、又は3.0部未満、又は2.9部未満、又は2.8部未満、又は2.7部未満、又は2.6部未満、又は2.5部未満のコア−シェル衝撃改質剤を含む。例えば、熱可塑性組成物は、熱可塑性樹脂の100部当たり1.0部〜3.9部、又は1.0部〜3.8部、又は1.0部〜3.7部、又は1.0部〜3.6部、又は1.0部〜3.5部、又は1.0部〜3.4部、又は1.0部〜3.3部、又は1.0部〜3.2部、又は1.0部〜3.1部、又は1.0部〜3.0部、又は1.0部〜3.0部、又は1.0部〜2.9部、又は1.0部〜2.8部、又は1.0部〜2.7部、又は1.0部〜2.6部、又は1.5部〜2.5部、又は1.5部〜3.9部、又は1.5部〜3.8部、又は1.5部〜3.7部、又は1.5部〜3.6部、又は1.5部〜3.5部、又は1.5部〜3.4部、又は1.5部〜3.3部、又は1.5部〜3.2部、又は1.5部〜3.1部、又は1.5部〜3.0部、又は好ましくは1.0部〜3.0部、又は最も好ましくは1.5部〜2.5部のコア−シェル衝撃改質剤を含んでもよい。
好ましい実施形態では、熱可塑性樹脂は、硬質PVC用途に使用されるPVC又はそのアロイである。PVC樹脂は好ましくは、40K〜100Kの範囲のK値、又は25,000Da〜200000Daの範囲の重量平均分子量を有する。PVCのK値、Mn及びMwに関する試料分子量当量が次表に提供される。
有用であり得る他の熱可塑性樹脂としては、アルキル(メタ)アクリレートポリマー及びコポリマー、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレンターポリマー、アクリロニトリル/スチレン/アクリレートコポリマー、ポリカーボネート、ポリ(ブチレンテレフタレート)及びポリ(エチレンテレフタレート)などのポリエステル、メタクリレート/ブタジエン/スチレンコポリマー、高衝撃ポリスチレン、アクリロニトリル/アクリレートコポリマー、アクリロニトリル/メチルメタクリレートコポリマー、ポリオレフィン、塩素化ポリ(塩化ビニル)(CPVC)、ポリアミド、ポリエーテルエステルアミド(PEBAX)、又は上述のポリマーのアロイが挙げられるが、それらに限定されない。熱可塑性ポリマーはまた、1,1−ジクロロエチレン又は1,1−ジフルオロエチレンなどの、ハロゲン化ビニリデンのホモポリマーからなることができる。ポリ乳酸又はポリヒドロキシブチレートなどの、生分解性ポリマーもまた、本発明によって考慮される。
当技術分野で公知の任意のタイプのコア−シェル衝撃改質剤が、本発明に従って使用され得る。例として、コアは、イソプレンホモポリマー又はブタジエンホモポリマー、イソプレン−ブタジエンコポリマー、イソプレンと最大でも98重量%のビニルモノマーとのコポリマー及びブタジエンと最大でも98重量%のビニルモノマーとのコポリマーでできていてもよい。ビニルモノマーは、スチレン、アルキルスチレン、アクリロニトリル、アルキル(メタ)アクリレート、ブタジエン又はイソプレンであってもよい。コア−シェルコポリマーのコアは、完全に又は部分的に架橋していてもよい。少なくとも二官能性モノマーが、コアの成長中に添加されてもよく、これらのモノマーは、ブチレンジ(メタ)アクリレート及びトリメチロールプロパントリメタクリレートなどの、ポリオールのポリ(メタ)アクリルエステルから選択されてもよい。他の二官能性モノマーは、例えば、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ビニルアクリレート、ビニルメタクリレート及びトリアリルシアヌレートである。コアはまた、不飽和カルボン酸の酸無水物、不飽和カルボン酸及び不飽和エポキシドなどの不飽和官能性モノマーを、重合中にコモノマーとしてそれへ導入することによって、グラフトすることによって又は架橋させることができる。例として、無水マレイン酸、(メタ)アクリル酸及びグリシジルメタクリレートが挙げられてもよい。架橋はまた、モノマー、例えばジエンモノマーの固有の反応性を用いることによって実施されてもよい。
例として、シェルは、スチレンホモポリマー、アルキルスチレンホモポリマー若しくはメチルメタクリレートホモポリマー、又は少なくとも70重量%の上記モノマーの1つと、他の上のモノマー、別のアルキル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル及びアクリロニトリルから選択される少なくとも1つのコモノマーとを含むコポリマーでできていてもよい。シェルは、不飽和カルボン酸の酸無水物、不飽和カルボン酸及び不飽和エポキシドなどの不飽和官能性モノマーを、重合中にコモノマーとしてそれへ導入することによって、グラフトすることによって又は官能化させることができる。例えば、無水マレイン酸、(メタ)アクリル酸 グリシジルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート及びアルキル(メタ)アクリルアミドが挙げられてもよい。例として、ポリスチレンシェルを有するコア−シェルコポリマー及びPMMAシェルを有するコア−シェルコポリマーが挙げられてもよい。シェルはまた、マレイミドとの共重合によるか第一級アミンでのPMMAの化学変性によるかのどちらかによって、イミド官能基を含有してもよい。2つのシェル(ポリスチレンでできた1つ及びPMMAでできた、外側上の、他のもの)を有するコア−シェルコポリマーもまたある。
本発明に従って使用されてもよいタイプのコア−シェル衝撃改質剤の非限定的な例としては、ブタジエン及びスチレンのコポリマーを含むコアと、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)を含むシェルとを典型的には有する、メタクリレート−ブタジエン−スチレンコポリマー(MBS);アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー(ABS);又はアクリルコア(例えば、ブチルアクリレート若しくは2−エチルヘキシルアクリレート)とPMMAシェルとを典型的には有する、アクリル衝撃改質剤(AIM)が挙げられる。
別の実施形態によれば、熱可塑性組成物は、少なくとも1つの安定剤をさらに含む。コア−シェル衝撃改質剤を含む熱可塑性配合物での使用に好適な任意の安定剤が、本発明の組成物に含まれてもよい。代表的な安定剤は当技術分野で公知である。非限定的な例としては、モノ−、ジ−、トリ−アルキルスズ/有機スズ、カルシウム/亜鉛安定剤、鉛安定剤、硫酸塩、炭酸塩、フェネート、カルボキシレ−ト、メルカプチドなどがあり又はなしで、バリウム/カドミウムが挙げられる。組成物に含まれる安定剤の量は特に限定されない。特定の実施形態によれば、組成物は、熱可塑性樹脂の100重量部当たり0.1〜10.0部の安定剤、又は0.2〜7.5部の安定剤、又は0.25〜5.0部の安定剤を含む。
別の実施形態によれば、熱可塑性組成物は、少なくとも1つの潤滑剤をさらに含む。コア−シェル衝撃改質剤を含む熱可塑性配合物での使用に好適な任意の潤滑剤が、本発明の組成物に含まれてもよい。代表的な潤滑剤は当技術分野で公知である。非限定的な例としては、ステアリン酸カルシウム、脂肪酸、脂肪酸塩、エステル(例えば、ポリオール、脂肪アルコールの)、エチレンビスステアリン酸アミド(EBS)、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス(例えば、ポリエチレンワックス酸化物)、OPEワックス、フィッシャー−トロプシュワックスなどが挙げられる。組成物に含まれる潤滑剤の量は特に限定されない。特定の実施形態によれば、組成物は、熱可塑性樹脂の100重量部当たり0.1〜5.0部の潤滑剤、又は0.1〜4.0部の潤滑剤、又は0.1〜3.0部の潤滑剤を含む。
本発明の別の実施形態によれば、熱可塑性組成物は、少なくとも1つの加工助剤(すなわち、少なくとも1つの線状の、非コア/シェル加工助剤)をさらに含む。異なるタイプの加工助剤が、異なる方法で、熱可塑性組成物、特にPVC組成物に影響を及ぼすことは当技術分野で公知である。例えば、いくつかの加工助剤は、熱可塑性組成物(例えば、PVC組成物)の溶解に役立つが、他のものは、溶融強度を追加するか又は潤滑を提供する。加工助剤は単独では、PVC組成物の機械的特性を典型的には変えないが、それらは、剪断加熱効率を高め、それによってPVCの溶解を改善させ得る。加工助剤の包含は多くの場合、熱可塑性組成物の衝撃性能を改善するが、加工助剤は、組成物に含まれる衝撃改質剤から分離する(すなわち、加工助剤はそれ自体、本質的に衝撃改質剤ではない)。熱可塑性配合物、特にコア−シェル衝撃改質剤を含むPVC配合物での使用に好適な任意の加工助剤が、本発明の組成物に含まれてもよい。代表的な加工助剤は当技術分野で公知である。非限定的な例としては、Plastistrength(登録商標)530、550、551、552、557、559、576、770及びL1000(Arkema,Inc.から入手可能)などの、アクリル加工助剤が挙げられる。
特定の実施形態によれば、衝撃改質剤及び加工助剤は、衝撃改質剤及び加工助剤の水性エマルジョン、懸濁液又はスラリーの共粉末化によって形成された均質ブレンドとして熱可塑性組成物に添加される。それらは、例えば、噴霧乾燥、凝固、凍結凝固又は他の公知の方法によって、一緒にブレンドされてもよい。そのような方法の非限定的な例は、本明細書に参照により援用される、米国特許第8,378,013号明細書及び米国特許出願公開第2011/0305862号明細書に記載されている。一実施形態によれば、本発明のPVC組成物は、一緒に共噴霧乾燥させられた衝撃改質剤と少なくとも1つの加工助剤とを含む。
組成物に含まれる加工助剤の量は特に限定されない。特定の実施形態によれば、組成物は、熱可塑性樹脂の100重量部当たり0.1〜10.0部の加工助剤、又は0.1〜7.5部の加工助剤、又は0.1〜5.0部の加工助剤、又は0.1〜2.5部の加工助剤を含む。
本発明の別の実施形態によれば、熱可塑性組成物は、炭酸カルシウム(CaCO3)などの、少なくとも1つの無機充填材をさらに含む。コア−シェル衝撃改質剤を含む熱可塑性(例えば、PVC)配合物での使用に好適な任意の無機充填材が、本発明の組成物に含まれてもよい。代表的な無機充填材は当技術分野で公知である。非限定的な例としては、細かくした天然炭酸カルシウム(GCC)、沈澱炭酸カルシウム(PCC)、ナノサイズのPCC(NPCC)、シリカ(ヒュームド又は沈澱)、粘土、モンモリロナイト(ナノ粘土)、ゼオライト、パーライトなどが挙げられる。組成物に含まれる無機充填材の量は特に限定されない。特定の実施形態によれば、組成物は、熱可塑性樹脂の100部当たり0.1〜40.0部の無機充填材、又は0.1〜35.0部の無機充填材、又は0.1〜30.0部の無機充填材、又は0.1〜25.0部の無機充填材、又は0.1〜20.0部の無機充填材、又は0.1〜15.0部の無機充填材、又は0.1〜10.0部の無機充填材、又は0.1〜5.0部の無機充填材、又は0.1〜2.5部の無機充填材を含む。
特定の実施形態によれば、衝撃改質剤及び無機充填材は、衝撃改質剤及び無機充填材の水性エマルジョン、懸濁液又はスラリーの共粉末化によって形成された均質ブレンドとして熱可塑性組成物に添加される。均質ブレンドは、加工助剤をさらに含んでもよい(すなわち、均質ブレンドは、衝撃改質剤と、無機充填材と加工助剤とを含んでもよい)。成分は、例えば、噴霧乾燥、凝固、凍結凝固又は他の公知の方法によって、一緒にブレンドされてもよい。上で述べたように、そのような方法の非限定的な例は、米国特許第8,378,013号明細書及び米国特許出願公開第2011/0305862号明細書に記載されている。一実施形態によれば、本発明のPVC組成物は、一緒に共噴霧乾燥させられた衝撃改質剤と、少なくとも1つの無機充填材とを含む。別の実施形態によれば、本発明のPVC組成物は、一緒に共噴霧乾燥させられた衝撃改質剤と、少なくとも1つの加工助剤と、少なくとも1つの無機充填材とを含む。
追加の実施形態によれば、熱可塑性組成物は、熱可塑性(例えば、PVC)樹脂と、熱可塑性樹脂の100重量部当たり4.0部未満のコア−シェル衝撃改質剤(ここで、コア−シェル衝撃改質剤は少なくとも90重量%のゴム含有量を有する)と、少なくとも1つの低Tg加工助剤(例えば、Plastistrength(登録商標)576)と、少なくとも1つの無機充填材とを含む、それらから本質的になる、又はそれらからなる。低Tg加工助剤は、PVC組成物中の無機充填材(例えば、炭酸カルシウム)の含有量が増やされることを可能にする、より速い溶解を促進し得る。本明細書で用いる場合、低Tg加工助剤は、ASTM D3418(示差走査熱量測定法によるポリマーの遷移温度(Transition Temperatures of Polymer by Differential Scanning Calorimetry))によってDSCにより測定されるように90℃未満のTgを有する加工助剤である。
熱安定剤、内部及び外部潤滑剤、溶融強度添加剤、他の充填材、可塑剤、流動助剤、発泡剤、及び/又は顔料(例えば、二酸化チタン)などの、他の任意選択の添加剤がまた、本発明の熱可塑性組成物に含まれてもよい。組成物に含まれる添加剤の量は特に限定されない。特定の実施形態によれば、組成物は、熱可塑性樹脂の100部当たり0.1〜40.0部の添加剤、又は0.1〜30.0部の添加剤、又は0.1〜20.0部の添加剤、又は0.1〜15.0部の添加剤、又は0.1〜10.0部の添加剤、又は0.1〜5.0部の添加剤、又は0.1〜2.5部の添加剤、又は0.1〜1.0部の添加剤を含む。
特定の実施形態によれば、熱可塑性組成物は、熱可塑性樹脂(好ましくはPVC)と、熱可塑性樹脂の100部当たり4.0部未満(例えば、1.0〜3.0部、又は1.5〜2.5部)のコア−シェル衝撃改質剤と、任意に少なくとも1つの安定剤と、任意に少なくとも1つの潤滑剤と、任意に少なくとも1つの加工助剤と、任意に少なくとも1つの無機充填材と、任意に少なくとも1つの追加タイプの添加剤とを含み、それらから本質的になり、又はそれらからなり、ここで、コア−シェル衝撃改質剤は少なくとも90%のゴム含有量を有する。好ましい実施形態によれば、熱可塑性組成物は、熱可塑性樹脂(好ましくはPVC)と、PVC樹脂の100部当たり4.0部未満のコア−シェル衝撃改質剤(少なくとも90%のゴム含有量の)と、少なくとも1つの加工助剤と、少なくとも1つの無機充填材(例えば、炭酸カルシウム)とを含む、それらから本質的になる、又はそれらからなる。代わりの実施形態によれば、熱可塑性組成物は、熱可塑性樹脂(好ましくはPVC)と、PVC樹脂の100部当たり4.0部未満のコア−シェル衝撃改質剤(少なくとも90%のゴム含有量の)と、(i)少なくとも1つの安定剤、(ii)少なくとも1つの潤滑剤、(iii)少なくとも1つの加工助剤、(iv)少なくとも1つの無機充填材、及び(v)それらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの追加の原料とを含む、それらから本質的になる、又はそれらからなる。
本発明の追加の実施形態は、(例えば、射出成形、押出成形、カレンダー掛け、ブロー成形、発泡及び熱成形などによって)本発明の熱可塑性組成物から形成される製品を提供する。製品の非限定的な例としては、パイプ、発泡体、羽目板、柵材料、パネル用材、甲板用材、キャップストック、窓枠、ドア枠などが挙げられる。
本発明の追加の態様は、熱可塑性組成物及び本明細書に記載される製品の製造方法に関する。熱可塑性組成物は、均一な配合物が得られるまでブレンドされる成分のドライブレンドとして一般に、当技術分野で公知の任意の方法によって調合され、及び従来の溶融加工技術(例えば、射出成形、押出成形、カレンダー掛け、ブロー成形、発泡及び熱成形など)によって成形されて製品になり得る。一実施形態によれば、熱可塑性組成物の製造方法は、熱可塑性樹脂(好ましくはPVC樹脂)を、PVC樹脂の100部当たり4.0部未満(例えば、1.0〜3.0部、又は1.5〜2.5部)のコア−シェル衝撃改質剤であって、少なくとも90%(例えば、90重量%〜96重量%、又は92重量%〜95重量%)のゴム含有量を有する衝撃改質剤とブレンドする工程を含む、それから本質的になる、又はそれからなる。本方法は、少なくとも1つの追加の原料を、熱可塑性樹脂及びコア−シェル衝撃改質剤とブレンドする工程であって、少なくとも1つの原料が、(i)少なくとも1つの安定剤、(ii)少なくとも1つの潤滑剤、(iii)少なくとも1つの加工助剤、(iv)少なくとも1つの無機充填材、及び(v)それらの組み合わせからなる群から選択される、工程をさらに含んでもよい。本方法は、熱可塑性組成物を押し出して物品(例えば、パイプ、フローリング、発泡体、羽目板、柵材料、パネル用材、甲板用材、キャップストック、窓枠、ドア枠など)を形成する工程をさらに含んでもよい。
コア−シェル衝撃改質剤のゴムコア重量分率が増加するにつれて、外側ポリマーシェルの重量分率、厚さ、及び硬度がそれに応じて低下する傾向がある。シェルが余りにも薄くなる場合、それは、ゴムコアを十分にカバーしないであろう。不適切なシェルカバレージは、ポリマーブレンドにおける衝撃強度の低下などの、問題につながり得る。本発明の別の態様は、組成物中のコア−シェル衝撃改質剤粒子の92重量%超、又は93重量%超、又は94重量%超であるゴム含有量を有するコア−シェル衝撃改質剤粒子を含む、それから本質的になる、又はそれからなるコア−シェル衝撃改質剤組成物に関する。他の実施形態によれば、コア−シェル衝撃改質剤粒子は、コア−シェル衝撃改質剤粒子の92.5重量%〜97重量%、又は93重量%〜96重量%、又は94重量%〜96重量%、又は約95重量%のゴム含有量を有する。本明細書に考察されるように、当技術分野で公知の任意のタイプのコア−シェル衝撃改質剤;例えば、メタクリレート−ブタジエン−スチレンコポリマー(MBS)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー(ABS)、又はアクリル衝撃改質剤(AIM)が、本発明に従って使用されてもよい。
好ましい実施形態によれば、コア−シェル衝撃改質剤粒子は、同等の又は実質的に同等の平均粒径を有する(すなわち、組成物は、異なる平均粒径を有する2つ以上の集団のコア−シェル衝撃改質剤粒子を含まない)。これは、第1集団の粒子の平均粒径が第2集団の粒子の平均粒径よりも少なくとも50パーセント大きい、2つの別個の集団で提供される、米国特許第6,639,012号明細書に記載されているコア−シェル衝撃改質剤に反している。本発明に従って、コア−シェル衝撃改質剤粒子は、異なる平均粒径を有する2つの集団の粒子の代わりに、単一集団の粒子を生成するために(米国特許第6,639,012号明細書に記載されているような、バッチ法の代わりに)半連続法によって好ましくは製造される。
本発明の別の実施形態によれば、コア−シェル衝撃改質剤組成物は、少なくとも1つの加工助剤をさらに含む。本明細書に考察されるように、コア−シェル衝撃改質剤を含む熱可塑性配合物での使用に好適な任意の加工助剤が、本発明の組成物に含まれてもよい。代表的な加工助剤は当該技術分野で公知である。非限定的な例としては、Plastistrength(登録商標)530、550、551、552、557、559、576、770及びL1000(Arkema,Inc.から入手可能)などの、アクリル加工助剤が挙げられる。特定の実施形態によれば、コア−シェル衝撃改質剤組成物は、組成物中のコア−シェル衝撃改質剤粒子の92重量%超(例えば、93重量%超、94重量%超、92.5重量%〜97重量%、93重量%〜96重量%、94重量%〜96重量%、又は約95重量%)であるゴム含有量を有するコア−シェル衝撃改質剤粒子と、少なくとも1つの加工助剤とを含む、それらから本質的になる、又はそれらからなる。本明細書に記載されるように、加工助剤は、(例えば、コア−シェル衝撃改質剤と加工助剤とを共噴霧乾燥させることによる)コア−シェル衝撃改質剤との均質ブレンドで提供されてもよい。
本発明の別の実施形態によれば、コア−シェル衝撃改質剤組成物は、炭酸カルシウム(CaCO3)などの、少なくとも1つの無機充填材をさらに含む。本明細書に考察されるように、コア−シェル衝撃改質剤を含むPVC配合物での使用に好適な任意の無機充填材が、本発明の組成物に含まれてもよい。本明細書に記載されるように、無機充填材は、(例えば、コア−シェル衝撃改質剤と無機充填材とを共噴霧乾燥させることによる)コア−シェル衝撃改質剤との均質ブレンドで提供されてもよい。代表的な無機充填材は当技術分野で公知である。特定の実施形態によれば、コア−シェル衝撃改質剤組成物は、組成物中のコア−シェル衝撃改質剤粒子の92重量%超(例えば、93重量%超、94重量%超、92.5重量%〜97重量%、93重量%〜96重量%、94重量%〜96重量%、又は約95重量%)であるゴム含有量を有するコア−シェル衝撃改質剤粒子と、少なくとも1つの無機充填材と、任意に少なくとも1つの加工助剤とを含む、それらから本質的になる、又はそれらからなる。
熱安定剤、内部及び外部潤滑剤、溶融強度添加剤、他の充填材、流動助剤、ならびに/又は顔料などの、他の任意選択の添加剤がまた、本発明のコア−シェル衝撃改質剤組成物に含まれてもよい。一実施形態によれば、コア−シェル衝撃改質剤組成物は、組成物中のコア−シェル衝撃改質剤粒子の92重量%超(例えば、93重量%超、94重量%超、92.5重量%〜97重量%、93重量%〜96重量%、94重量%〜96重量%、又は約95重量%)であるゴム含有量を有するコア−シェル衝撃改質剤粒子と、任意に少なくとも1つの無機充填材と、任意に少なくとも1つの加工助剤と、少なくとも1つの任意選択の添加剤とを含む、それらから本質的になる、又はそれらからなる。コア−シェル衝撃改質剤組成物に含まれる各成分の量は特に限定されない。特定の実施形態によれば、組成物は、組成物の総重量を基準として、50重量%〜99重量%のコア−シェル衝撃改質剤粒子と、1重量%〜50重量%の少なくとも1つの加工助剤と、0重量%〜50重量%の少なくとも1つの無機充填材と、0重量%〜20重量%の少なくとも1つの添加剤とを含む。
本発明の別の実施形態は、熱可塑性樹脂と、本明細書に記載されるようなコア−シェル衝撃改質剤組成物(例えば、組成物中のコア−シェル衝撃改質剤粒子の92重量%超であるゴム含有量を有するコア−シェル衝撃改質剤粒子と、任意に少なくとも1つの無機充填材と、任意に少なくとも1つの加工助剤と、任意に少なくとも1つの添加剤とを含む、それらから本質的になる、又はそれらからなるコア−シェル衝撃改質剤組成物)とを含む樹脂組成物を提供する。好ましい実施形態では、少なくとも1つの熱可塑性樹脂は、硬質PVC用途に使用されるPVC又はそのアロイである。
本明細書に記載される実施形態は、本発明の例として役立つものであり、それを限定するものではないことを意図する。当業者は、本開示の実施形態及び実施例の修正が本開示の範囲から逸脱することなく行われ得ることを十分理解するであろう。
本発明の実施形態は、用語「含む」及びその変形を用いて上に記載されている。しかし、用語「含む」が、本発明の範囲から逸脱することなく「からなる」及び「から本質的になる」で本明細書に記載される実施形態のいずれかにおいて置き換えられてもよいことは本発明の真意である。特に明記しない限り、本明細書に提供される全ての値は、与えられる出発点及び終点を含めそれらの点まで含む。
以下の実施例は、本発明の実施形態をさらに例示し、本発明の例として役立つものであり、かつ、本発明を限定しないと解釈されるべきである。
本明細書で用いる場合、高分子量加工助剤は、5,000,000Da超の重量平均分子量を有し、中間分子量加工助剤は、約1,000,000Da〜約5,000,000Daの分子量を有し、低分子量加工助剤は、1,000,000Da未満の分子量を有する。
本発明のPVC配合物の実施形態は、以下の成分を含む、それらから本質的になる、又はそれらからなる:
PVC樹脂(100部)
安定剤(0.25〜5.0部)
下記の潤滑剤パッケージ
1.ステアリン酸カルシウム(0.0〜3.0部)
2.パラフィンワックス(0.0〜3.0部)
3.酸化ポリエチレンワックス(0.0〜3.0部)
コア−シェル衝撃改質剤(0.25〜3.5部)
加工助剤(0.0〜5.0部)
潤滑加工助剤(0.0〜5.0部)
炭酸カルシウム(0.0〜35.0部)
二酸化チタン(0.0〜15部)。
羽目板基材又は棚材料基材の製造に使用され得る本発明の組成物の実施形態は、以下の成分を含む、それらから本質的になる、又はそれらからなる(コア−シェル衝撃改質剤と、加工助剤と、炭酸カルシウムとが、一緒に共噴霧乾燥させられた均質ブレンドとして任意に含まれてもよい)。
窓枠又は羽目板キャップストックの製造に使用され得る本発明の組成物の実施形態は、以下の成分を含む、それらから本質的になる、又はそれらからなる(コア−シェル衝撃改質剤と、加工助剤と、炭酸カルシウムとが、一緒に共噴霧乾燥させられた均質ブレンドとして任意に含まれてもよい)。
羽目板基材の製造に使用され得る本発明の組成物の実施形態は、以下の成分を含む、それらから本質的になる、又はそれらからなる(コア−シェル衝撃改質剤と、加工助剤と、炭酸カルシウムとが、一緒に共噴霧乾燥させられた均質ブレンドとして任意に含まれてもよい)。
下の表1〜3は、それらの表に示されるような、以下の衝撃改質剤、又は衝撃改質剤の組み合わせを除けば同一であるPVC配合物について押出シートの色及び光沢(表1)、衝撃性能(表2)、ならびに加工時間(表3)を記載する:
D3000=一緒に共噴霧乾燥させられたコア−シェル衝撃改質剤と、加工助剤と、炭酸カルシウムとの均質ブレンド(Arkema,Inc.から入手可能);
PD1133=一緒に共噴霧乾燥させられたコア−シェル衝撃改質剤と、加工助剤と、炭酸カルシウムとの均質ブレンド(Arkema,Inc.から入手可能);
CPE=塩素化ポリエチレン;
P530=Plastistrength(登録商標)530高分子量加工助剤(Arkema,Inc.);
D350=90重量%ゴム含有量のDurastrength(登録商標)350(Arkema,Inc.)アクリル衝撃改質剤;及び
P576=Plastistrength(登録商標)576低Tg、高分子量加工助剤(Arkema,Inc.)。
下の表1において、以下の省略形が用いられる:
IM(衝撃改質剤)レベル=100部PVC樹脂当たりの衝撃改質剤の部数;
PA(加工助剤)レベル=100部PVC樹脂当たりの加工助剤の部数;
L=Hunter L;
A=Hunter A;
B=Hunter B;
Yl=黄色度;及び
20°、60°、及び85°=光沢度。
ASTM D 4226、手順Aを用いる落槍衝撃試験を、下に示される各押出組成物の正規化平均破損エネルギー(正規化平均耐衝撃性)を測定するために行った。
下の表2において、以下の省略形が用いられる:
IM(衝撃改質剤)レベル=100部PVC樹脂当たりの衝撃改質剤の部数;
PA(加工助剤)レベル=100部PVC樹脂当たりの加工助剤の部数;
MFE=平均破損エネルギー;
厚さ=フィルムの厚さ(ミル単位での);
MFE/ミル=1ミル当たりの平均破損エネルギー。
表2のデータは、100部PVC樹脂当たり4部未満のコア−シェル衝撃改質剤を含有するPVC配合物が、100部PVC樹脂当たり4.0部CPEを含有するPVC配合物と比べてより高い1ミル当たりの平均破損エネルギー(MFE)値を提供できることを実証する。例えば、試料15(3.0部コア−シェル衝撃改質剤)、試料18(2.0部コア−シェル衝撃改質剤)、及び試料19(3.0部コア−シェル衝撃改質剤)が、2.70のMFE/ミル値を提供する試料12(4.0部CPE)と比べて、それぞれ2.76、2.79及び2.71のMFE/ミルを提供した。
下の表3は、ASTM D2538に従ってBrabenderトルクレオメータで行った様々なローディングレベルでの添加剤組み合わせを示す。この分析において、溶融時間は、圧縮ピークと溶融ピークとの間のデルタとして測定し、溶融トルクは、溶融ピークの高さとして測定し、平衡トルク(EQトルク)は、トルク/温度グラフの勾配がゼロであるときの溶融後のトルクとして測定した。嵩密度は、ASTM D1895を用いて測定した。

Claims (19)

  1. 熱可塑性樹脂と;
    前記熱可塑性樹脂の100部当たり4.0部未満のコア−シェル衝撃改質剤であって、少なくとも90%のゴム含有量を有する衝撃改質剤と
    を含む、熱可塑性組成物。
  2. 前記熱可塑性樹脂がPVCである、請求項1に記載の熱可塑性組成物。
  3. 前記コア−シェル衝撃改質剤が、メタクリレート−ブタジエン−スチレンコポリマー(MBS)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー(ABS)、アクリルコア/シェルポリマー(AIM)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の熱可塑性組成物。
  4. 前記熱可塑性樹脂の100部当たり1.0部〜3.0部の前記コア−シェル衝撃改質剤を含む、請求項1に記載の熱可塑性組成物。
  5. 前記熱可塑性樹脂の100部当たり1.5部〜2.5部の前記コア−シェル衝撃改質剤を含む、請求項1に記載の熱可塑性組成物。
  6. 前記コア−シェル衝撃改質剤が、90重量%〜96重量%のゴム含有量を有する、請求項1に記載の熱可塑性組成物。
  7. 前記コア−シェル衝撃改質剤が、92重量%〜95重量%のゴム含有量を有する、請求項1に記載の熱可塑性組成物。
  8. 前記組成物から形成された製品が、組成物であって、それが前記コア−シェル衝撃改質剤の代わりに前記熱可塑性樹脂の100部当たり少なくとも3.5部のCPEを含むことを除いて同一である組成物から形成された製品の正規化平均耐衝撃性に等しいか、又はそれよりも大きい正規化平均耐衝撃性を有する、請求項1に記載の熱可塑性組成物。
  9. (i)少なくとも1つの安定剤、(ii)少なくとも1つの潤滑剤、(iii)少なくとも1つの加工助剤、(iv)少なくとも1つの無機充填材、及び(v)それらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの追加の原料をさらに含む、請求項1に記載の熱可塑性組成物。
  10. パイプ、フローリング、発泡体、羽目板、柵材料、パネル用材、甲板用材、キャップストック、窓枠、又はドア枠の形態での請求項1に記載の熱可塑性組成物を含む物品。
  11. 熱可塑性樹脂を、前記熱可塑性樹脂の100部当たり4.0部未満のコア−シェル衝撃改質剤とブレンドする工程であって、前記コア−シェル衝撃改質剤が少なくとも90%のゴム含有量を有する、工程を含む、熱可塑性組成物を製造する方法。
  12. 少なくとも1つの追加の原料を、前記熱可塑性樹脂及び前記コア−シェル衝撃改質剤とブレンドする工程をさらに含む、請求項11に記載の方法であって、前記少なくとも1つの原料が、(i)少なくとも1つの安定剤、(ii)少なくとも1つの潤滑剤、(iii)少なくとも1つの加工助剤、(iv)少なくとも1つの無機充填材、及び(v)それらの組み合わせからなる群から選択される、方法。
  13. 前記熱可塑性組成物を押し出して物品を形成する工程をさらに含む、請求項11に記載の方法。
  14. パイプ、フローリング、発泡体、羽目板、柵材料、パネル用材、甲板用材、キャップストック、窓枠、又はドア枠の形態にある、請求項13に記載の方法に従って製造される物品。
  15. 前記熱可塑性樹脂がPVCである、請求項11に記載の方法。
  16. 前記熱可塑性樹脂を、前記熱可塑性樹脂の100部当たり1.0部〜3.0部の前記コア−シェル衝撃改質剤とブレンドする工程を含む、請求項11に記載の方法。
  17. 前記コア−シェル衝撃改質剤が90重量%〜96重量%のゴム含有量を有する、請求項11に記載の方法。
  18. 前記コア−シェル衝撃改質剤が92重量%超であるゴム含有量を有する、請求項1に記載の熱可塑性組成物。
  19. 前記コア−シェル衝撃改質剤が93重量%〜97重量%のゴム含有量を有する、請求項1に記載の熱可塑性組成物。
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