JP2017510967A - 金属ガス拡散層と微細多孔質層とを組み合わせた燃料電池mea - Google Patents

金属ガス拡散層と微細多孔質層とを組み合わせた燃料電池mea Download PDF

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Abstract

本発明は、高分子電解質型燃料電池内の輸送層として使用するための膜電極接合体であって、多孔質金属ガス拡散層(GDL)(20)及び触媒層(40)を含み、それらの間に微細多孔質層(MPL)(30)が介在し、MPL(30)が、GDL(20)の細孔を充填し、かつ、GDL(20)の表面をコーティングするように構築される、膜電極接合体を記載する。【選択図】図2

Description

本発明は、高分子電解質型燃料電池内の輸送層として使用するための新規な金属ガス拡散層構造、及び、金属ガス拡散層構造と新規な微細多孔質層との組み合わせに関する。
ガス拡散層(GDL)は、高分子電解質型燃料電池の触媒層とバイポーラプレートとの間に配置された多孔質かつ導電性の材料である。その主な機能は、(1)バイポーラプレートから触媒層への反応ガス、及び、(2)触媒層からバイポーラプレートへの生成水の流路を提供することである。GDLはまた、熱除去を促進し、膜を機械的に支持する。さらにガスと水との両方の輸送を向上させ、触媒層との電気接触を高めるために、微細多孔質層(MPL)がGDLに塗布される。この構成では、GDLは、マクロ多孔質炭素繊維基材及び微細多孔質複合層の2層から構成される。MPLは、典型的にはカーボンブラック粉末及びPTFEなどの疎水剤から構成される。MPLは、触媒層の近くに大きい液滴が形成されることを防ぎ、それによって、入ってくる反応ガスに対して触媒サイトが閉塞しないようにする(特開2002−313359号公報)。MPLは、典型的にはカーボンブラック、PTFE及び溶剤を混合してインクを作製することによって準備され、GDLに塗布される。その後、塗布された層は、350℃で乾燥させられ、溶剤を除去してPTFE粒子を焼結させる。
現在の市販GDLは、ランダムに分散した炭素繊維から形成され、その結果、ランダムかつ広い細孔径分布を有する非常に多孔質の物質である。これらのGDLは、屈曲度の高い3次元細孔構造を有する。燃料電池の運転中、GDLが圧縮されるために気孔率が低下し、これによって、触媒層へのガス透過性が低下し、ガス分布が不十分となる。圧縮された細孔内で水が増加し、GDLフラッディングと呼ばれる現象につながり得る。フラッディングはさらに、ガスが触媒層に到達することを妨げる。
GDLをPTFEでコーティングすることによって、水の増加を抑えることができる。PTFEの疎水性は、「フィンガリング」すなわちGDLの頂面への狭い水路の形成をもたらす。
GDLに隣接してバイポーラプレートが存在する。バイポーラプレートは、反応ガスが流れる、溝のあるチャネル及びリブの構造を有する。バイポーラプレートはまた、触媒層からの熱の除去を促進する。反応ガスは、バイポーラプレートのチャネルから、ガス拡散層を通って、触媒層内に拡散する。触媒層内で生成された水は、GDLを通って、バイポーラプレートのチャネルに向かって移動する。高電流での燃料電池の運転中には、いわゆる「リブ下領域」における、バイポーラプレートのリブに接触しているGDL領域に水が滞留する傾向がある。この水の滞留もGDLフラッディングにつながる。
現在のGDL−MPL技術では、気孔率が高く、芯材として炭素を使用するために、熱伝導率及び電気伝導率が低い。このことによって、触媒層及び膜内が所望の温度より高くなり、特定の運転条件下で触媒層及び膜が乾燥し得る。さらに現在のGDL技術では剛性が低く、そのため燃料電池の運転中にGDLが圧縮されると、リブに接触するGDL領域にかかる圧力が増加し、「チャネル下領域」のGDL領域の圧縮が最小になる。その結果、特定の領域において、GDLの触媒層との接触が不十分となり、オーム抵抗が増加し、燃料電池性能が低下する。
燃料電池のフラッディングに対応するために、Goebel(Journal of Power Sources 196 (2011) 7550-7554)は、バイポーラプレートのリブ幅を減少させて、水の除去及びGDLを通るガス拡散を高めた。しかしながら、リブ幅を減少させると、リブとGDLとの接触領域が減少して電子抵抗が増加する。従って、リブを狭くするには、チャネルも狭くする必要があるが、狭いチャネルはそれ自体の固有の問題、すなわち、圧力降下が大きくなり、またチャネルが水で満たされる可能性が高くなり、チャネルのフラッディングにつながる。金属GDLを使用すると、バイポーラプレートも金属からなる場合、金属GDLと金属バイポーラとの接触領域は、カーボンGDLとバイポーラプレートとの接触領域ほど広くする必要がないため、狭いリブ幅及び比較的広いチャネル幅を使用することができる。従って、金属GDLは、電子抵抗を増加させることなく、狭いリブの使用を可能にすることができる。金属GDLは一般に、カーボンGDLに対する電子抵抗が著しくより低い。例えば、ステンレス鋼の電子抵抗率は96×10−6Ωmであり、従来のカーボンGDLの電子抵抗率は4.7〜5.8×10−1Ωmである(http://www.torayca.com/lineup/composites/com 009.html#data)。
純金属GDLは、おそらくほぼ1であるが、製造公差によりわずかに増加する低屈曲度の細孔を有する。
金属GDLの細孔は、典型的には化学エッチングによって構築される。化学エッチングは、以下の断面に示すような、両面エッチング又は片面エッチングであり得る。
Figure 2017510967
化学エッチングを利用することによって、金属GDLの孔は、特に薄板には本質的に直線である。化学エッチングは酸性溶液で行われ、酸は、金属をほぼ直線にエッチングすることができる。公差を上に示す。しかしながら、この方法による孔は、形状及び寸法において本質的に均一ではない。孔の寸法又は形状はマスキング設計(典型的にはフォトレジスト工程)によって制御することができる。
先行技術
金属GDLを使用する様々な先行技術の試みでは、3次元金属GDL細孔構造が利用された。これらには、米国特許出願公開第2014/004441A1号、米国特許出願公開第2005/250002A1号、国際公開第2013/172174号及び中国特許出願公開第102082277A1号が挙げられる。
本出願人の知る限りでは、GDL用金属シートの使用について記載する、2013年12月以前に出願された特許は1件のみ存在する。Zhangらは、2010年に金属GDLの特許(米国特許第7785748B2号)を取得した。金属GDLの細孔寸法は1nm〜300μmの範囲であった。GDLは、疎水処理のために自己組織化単分子層(SAM)でコーティングされた。金属材料は、アルミニウム、銅、白金、錫、金又は銀のいずれかであった。金属GDL設計に加えて、「面内浸透性促進層」が、以下の図に示すようにリブと金属GDLとの間に配置された。Zhangらは、液体の水及びガスの輸送には非円形孔が好ましいと主張した。円形孔は、液体の水で満たされる傾向があるが、非円形孔は、部分的に液体の水で満たされる傾向があり、ガスが流れる領域を与える。
Figure 2017510967
この効果は、以下のZhangらの図に示される。
Figure 2017510967
Zhangらが提示した金属GDLは、燃料電池環境において、いくつかの望ましくない特性及び潜在的な問題を有する。これらの問題として以下が挙げられる。
1.疎水性SAM材料を含む細孔であっても、すべての細孔に液体の水が滞留する傾向がある。ガスが輸送される空間が不十分であり、このことは、より多くの水が生成され、より多くのガスが触媒層に輸送される必要のある高電流密度での運転において、より問題となるであろう。この問題はZhangらの図に示され、より高い電流密度で性能が急速に低下している。
Figure 2017510967
2.金属GDLの「ブリッジ下領域」において、触媒サイトが反応ガスに曝されていない。ブリッジとは、金属GDLの連続する細孔間の領域を指す。ブリッジに接触する触媒を反応ガスに曝すためには、触媒層の拡散率が高くなければならず、このことは、小さいナノサイズ細孔を有する触媒層では可能ではない。
3.「面内浸透性促進層」は、金属GDL上の各細孔へのガスの均一な分配を促進するが、2つの接触抵抗及びバルク材抵抗の結果としてさらなる電子抵抗も生じる。さらに、この層に液体の水が滞留する可能性もある。
4.金属GDL材料は、アルミニウム、銅、白金、錫、金又は銀のいずれかである。これらの金属は、非常に高価であるか、又は燃料電池の運転電位下で、具体的には最大1.2Vになり得るカソードで腐食する。これらの材料のいくつかはまた、提案された厚さで比較的柔らかいため、燃料電池環境内で圧縮されると、圧力分布が不十分になり得る。これにより、圧力分布は不均一となり、電子抵抗は高くなる。
そのため、本発明の目的は、高分子電解質型燃料電池内の輸送層として使用するための新規な金属ガス拡散層構造を提供することである。
本明細書において、屈曲度とは、多孔質媒体内の拡散率に対する自由空間内の拡散率の比率を意味するものとみなされ、また、拡散ガスが、自由空間内で移動するであろうものに対して移動しなければならない実効流路長として述べることができるであろう。
この意味による屈曲度は、以下のように計算され得る。
屈曲度=(孔の中心線に沿ったガス流路の長さ)/金属GDLの厚さ)
そのため、屈曲度1は、公差のない、完全に直線の孔又は細孔を表すことになる。
本発明によれば、膜電極接合体は、多孔質金属ガス拡散層(GDL)及び触媒層を含み、それらの間に微細多孔質層(MPL)が介在し、GDLの(充填されていない)細孔の屈曲度が1.5未満であり、及び、MPLが、GDLの細孔を充填し、かつGDLの表面をコーティングするように構築される。
触媒層が金属GDLの表面上に存在する場合、反応ガスは、バイポーラプレートのガスチャネルを通って供給され、次いで、金属GDLの孔又は細孔を通って拡散する。Zhangらの発明の問題1及び2と同様に、金属GDLの孔に水が滞留し、金属GDLのブリッジによって、すべての反応ガスが触媒層に到達可能なわけではない。さらにバイポーラプレートのリブは、金属GDLの細孔を完全又は部分的に覆い、反応ガスが孔に浸透すること、又は液体の水が孔を離れ、バイポーラプレートのチャネルを出ることを難しくする。
GDLと触媒層との間にMPLを挿入することによって、水が滞留する問題に対応する。MPLは、触媒層と金属GDLとの界面で水が滞留することを防ぎ、また、金属GDLのブリッジ領域下の触媒層へのガスの拡散を高める。GDLの細孔をMPLの材料で充填すると、水の滞留の防止がさらに向上する。
この場合のMPLは、特開2002−313359号公報に記載されるようなカーボンブラック(CB)粉末及びポリテトラフルオロエチレン(PTFE)から形成された標準MPL設計を含み得る。CB/PTFE MPLは、ナノサイズの疎水性細孔を形成する。細孔は、大きい水の液滴が成長するのを防ぎ、液体の水を粒子のような小さい指に制限する(Journal of The Electrochemical Society, 151, A399-A406 (2004))。
MPLは、典型的には、水、CB及びPTFEを含むインクの形態で標準カーボンGDLに塗布される。次いでGDL/MPLは、350℃で30分間焼結される。MPLインクの粘度は、GDLの高密度繊維がインクのGDLへの浸透を防ぎ、GDLの表面上に層が生じるようなものである。同じMPLインクが金属GDLの場合に使用されると、インクは金属GDLの孔(21)に浸透する。金属GDLの孔を充填し、続いて金属GDL上に層を形成するためには、ポリビニルアルコール(PVA)のような粘性剤を使用してMPLインクの粘度を増加させ、約1000cP〜10000cPの範囲のインク粘度を得なければならない。粘性剤は、水溶性で、分解温度が400℃未満であるべきである。PTFEのガラス転移温度は320℃〜340℃であり、PTFEの分解温度は約420℃である。粘性MPLは、ドクタブレード法を使用し、塗布工程中、圧力をかけることによって金属の片面にコーティングされる。金属GDLの孔にインクを押し込むために、圧力が必要である。
金属GDLのブリッジ下のガス拡散をさらに高めるために、異方性フレーク系MPLが、金属GDLの表面にコーティングされ、また、金属GDLの細孔を充填するようにされる。次いで従来のCB MPLが、異方性MPLの表面にコーティングされる。異方性MPLは、フレーク形状の粒子及びPTFEからなり、その水平層状構造によりガス拡散を高める。フレーク材料は、炭素、銀又はチタンフレークであり得る。フレーク系MPLの塗布中、フレークの配向は、ドクタブレードの剪断応力のために乱され得る。水平層状構造を維持するために、フレークMPLは、まずCB MPLと同様の高い粘性インクとして、ついで再度10cP〜1000cPの範囲のより低い粘性のインクとしてコーティングされるべきである。第1コーティングでは、金属GDL孔にフレーク材料が押し込まれ、粘度のより低い第2コーティングでは、フレークの水平構造が最終MPL層内に確実に維持される。フレークの寸法はミクロン範囲にあり、その結果、フレーク系MPLもミクロン範囲の細孔を有する。従来のCB MPLと比較して大きい細孔は、MPL内に生じる水粒子をより大きくし得る。これは望ましくなく、反応ガスが触媒層に到達することを妨げ得る。より大きい液体水粒子がこのように形成されないように、CB MPLを、触媒層に接触するようにフレーク系MPLにコーティングした。フレーク材料が銀又はチタンの場合には、CB MPLは、バリアとして機能し、フレークが触媒層に直接接触しないようにすることによって、金属フレークの電気化学的腐食を防ぐ。
金属GDLを通る拡散をさらに向上させるために、金属GDLの孔のMPL設計を修正した。金属GDLの孔に、より大きい粒子MPL(232)を堆積させた。その結果、触媒層の隣のCB MPL、金属GDL上の異方性フレーク系MPL、及び金属GDLの孔内のより大きい粒子MPLを含む3層MPL設計が得られる。CB MPLは、大きい液体水粒子の形成を防ぎ、フレーク系MPLは、金属MPLのブリッジ下のガス拡散を水平方向に高め、より大きい粒子MPLは、そのより大きい細孔の結果としてMPLの孔を通る垂直方向のガス拡散を高める。MPLの相対細孔寸法は、CB MPL<フレークMPL<より大きい粒子MPLである。より大きい粒子MPLの材料は、粒径が1μm〜10μmの範囲の炭素、チタン又は銀であり得る。
本発明のさらなる態様によれば、膜電極接合体は、孔及びブリッジの繰り返しパターンを含む多孔質金属ガス拡散層であって、孔及びブリッジの幅が以下の式(1)〜(3):
≧2×W (1)
2×(W+W)=L+L (2)
≧L (3)
(式中、W及びWは、金属GDLの孔の幅及びブリッジの幅を表し、一方、L及びLはそれぞれ、チャネルの幅及びリブの幅を表す)
に従って、電極のバイポーラプレートのチャネル及びリブの幅に対して決定される、多孔質金属ガス拡散層を含む。
上記に従って膜電極接合体MEAを構築すると、金属GDLの孔のいくつかの領域の3分の2が、電極のバイポーラプレートのチャネル領域に曝され、これらの孔の残り3分の1がバイポーラプレートのリブによって覆われる構造になる。次いで、金属GDL及びバイポーラプレートを正しく位置合わせする場合、3分の2がチャネル領域に曝される孔の隣に、チャネルに完全に曝される孔が1つあるように、繰り返しパターンが作られる。金属GDL及びバイポーラプレートのこれらの寸法により、ガス拡散がより良好になり、触媒層へのガス供給がより均一になる。
本発明の一形態では、金属GDL及びバイポーラプレートのより良好な位置合わせを補助するために、金属GDLは、好ましくはバイポーラプレートの穴と位置が合うピンの形態の少なくとも1つの位置合わせ補助具を有するべきである。ピンは、金属GDLのブリッジ領域上に位置すべきであり、穴は、バイポーラプレートのリブ領域上にあるべきである。ピン及び穴の位置は、ガスケット及びシーリングシステムに影響がないように、MEAの活性領域内にあるべきである。
金属GDLのブリッジにはさらに、ブリッジに当接するバイポーラプレートのコンプリメンタリ(complimentary)形成物に係合するための形成物が設けられてもよい。一形態では、形成物は、バイポーラプレートのコンプリメンタリ溝を備えた隆起部を含む。或いは、GDLには、バイポーラプレートのコンプリメンタリ隆起部と係合するために溝が設けられてもよい。好ましい形態では、金属GDL上の形成物は、バイポーラプレートのチャネルに対して直角に配向する。
この構成では、隆起部は金属GDLの剛性を高め、バイポーラプレートから触媒層上への圧力分布がより均一になる。圧力がより均一になると、触媒層、CB MPL、フレーク系MPL、及びより大きい粒子MPL間の接触抵抗が低下する。隆起部を備えた金属MPLとバイポーラプレートとの接触を向上させるために、バイポーラプレートは、金属GDL上の隆起部と位置が合う、リブ領域上の溝を有するべきである。
しかしながら、この設計では、バイポーラプレートのチャネル内に液体の水を閉じ込める隆起部が生じ得る。これを緩和するために、燃料電池は、チャネルが垂直に位置し、確実にガスが下方に流れ、液体の水の除去が重力によって促進されるように構成されるべきである。
種輸送のための金属GDL系システムの設計は、容易に修正し、異なる運転条件及び用途に合わせる得ることが留意されるべきである。
このことは、比較的ランダムな炭素繊維からなる現在のカーボン系GDLには当てはまらない。低湿度又は乾燥した状態での運転には、MPLが水を急速に除去することを防ぎ、それを行う際、膜が乾燥するのを防ぐように、金属GDLの孔領域をより小さくすることができる。燃料電池が高電流で、続いて非常に湿潤な状態で動作する自動車用途には、水の除去を向上させ、フラッディングを防ぐために、孔領域をより大きくすることができる。さらに、バイポーラプレートのリブ幅はさらに小さくすることができるため、金属GDLのより多くの孔がチャネル領域、ひいては反応ガスに曝される。これは、リブ幅を減少させる際、金属GDLのバイポーラプレートとの接触抵抗が、カーボンGDLとバイポーラプレートとの間ほど影響を受けないため、金属GDLの場合でのみ可能である。金属GDLはまた、熱伝導率がカーボン系GDLより高いため、温度のより高い高分子電解質型燃料電池に使用することができる。金属GDLは、カーボン系GDLより効果的に触媒層から燃料電池の冷媒チャネルに熱を伝達する。
しかしながら、この設計では、バイポーラプレートのチャネル内に液体の水を閉じ込める隆起部が生じ得る。これを緩和するために、燃料電池は、チャネルが垂直に位置し、確実にガスが下方に流れ、液体の水の除去が重力によって促進されるように構成されるべきである。
また本発明の好ましい形態では、バイポーラプレートの活性領域は、酸性燃料電池環境内の金属GDLの腐食を防ぐために、1μm厚の金層でコーティングされ、またバイポーラプレートとGDLとの接触を向上させる。
MPLの材料でGDLの細孔を充填することによって水のフラッディングを低減することは、驚くべき結果であるが、以下の主張が根拠となり得る。
水のフラッディングなく、金属GDLを利用する際に克服しなければならない障害が3つある。
第1に、GDLの孔に水が滞留することを回避する必要がある。第2に、孔及びチャネル/ランド位置を合わせることが課題であり、最後に、孔がランドによって覆われるランド領域下の触媒の利用を最適化する必要がある。
純金属GDLの孔は、典型的には通常の、すなわちカーボンGDL内に見られる孔より大きい。その結果、水が孔に滞留する傾向があり、大きい液滴を形成して、表面がPTFEでコーティングされていても、直線の(屈曲していない)孔が塞がれる。これは、本発明によって、ナノカーボン及びPTFEで孔を充填することによって回避されることが示されている。
水の滞留が回避されると、第2及び第3の障害はごく現実的に対応することができる。
10ミクロンサイズレベルで操作する場合、かなりの注意を払っても、バイポーラプレートのランド/チャネル設計とGDLの孔とを位置合わせすることは難しい。孔の均一なパターニングが、MEAのフラッディングのない運転を可能とするのに十分であれば、M−GDL及び燃料電池生産のコストを実質的に下げ得ることが分かった。
ランドがバイポーラプレートの孔を覆わない最良の場合、拡散流路長は短い。孔が覆われている最悪の場合の状況でさえ、本特許の主題であるGDL構造を使用して、拡散流路長はランド幅の長さよりわずかに長いだけである。PTFEコーティングの疎水性、並びに、ナノサイズの炭素及びナノ細孔サイズの構造効果により、水は、MPLコーティングされ、充填された金属GDLの細孔を通る狭い流路内に保持される。
さらに、屈曲度が1.5未満であることは、最短の拡散長(おそらく水が広く広がることも防ぐ)を達成することを促進し、そのため、ナノ規模でMPLを貫通する細孔寸法を直線かつ均一に維持する。
Figure 2017510967
従来のGDLの場合には、GDLの厚さはより大きく、PTFE処理をしても水が広く広がる。これは、細孔寸法が実質的により大きい(ナノサイズではなくサブmm)からである。この影響によって、触媒層へのガスの拡散率が低下する。
Figure 2017510967
GDLが存在しない状況では、拡散は、本明細書で提案するような金属GDLで達成される拡散に匹敵し得るが、MPLと触媒層との接触抵抗は、この領域にかかる接触圧力がないために劇的に増加する。抵抗の増加とは別に、この配置では、圧力差及び機械的応力に耐えるには強度が不十分であろう。
これに対して、より薄いカーボンGDLが使用される場合、拡散は、標準厚さC−GDLの拡散より良好であり得るが、より薄いC−GDLはまた、水路がより広く、電子接触抵抗が高く、剛性がより低く、機械的応力がより低い。
Figure 2017510967
より薄いC−GDLが疎水性MPLで充填されると、同じ厚さの金属GDLと比較して、水は、同様の流路内又はより広い流路内に保持され、拡散は、同様又はより低く維持され得る。これは、サブmm及びナノサイズの細孔を混合することによって、細孔分布が広がり、流路が広がるからである。従って、非常に屈曲したC−GDLとその細孔のMPLコーティングとの組合せは、より複雑なガス拡散流路をもたらす。さらに、主な強度はC−GDLによって保持されるため、接触抵抗及び機械的強度は本発明の金属GDLの接触抵抗及び機械的強度より低い。
本発明の実施形態について、添付図面及び実施例を参照しながら以下に述べる。
燃料電池バイポーラプレート、金属GDL及び触媒層の断面概略図である。 本発明に係る、燃料電池バイポーラプレート、金属GDL、金属GDLの表面上及び孔内のカーボンブラックMPL、並びに触媒層の断面概略図である。 本発明に係る、燃料電池バイポーラプレート、金属GDL、金属GDLの表面上及び孔内のフレーク系MPL、フレーク系MPL上の第2のカーボンブラックMPL、並びに触媒層の断面概略図である。 本発明に係る、燃料電池バイポーラプレート、金属GDL、(i)金属GDL孔内のより大きい粒子MPL、(ii)金属GDL表面上のフレーク系MPL、及び(iii)フレーク系MPL上のカーボンブラックMPLからなる3層MPL設計、並びに触媒層の断面概略図である。 本発明に係る、式(1)〜(3)に示すような金属GDLにおける孔及びブリッジの寸法の概略図である。 本発明に係る、金属GDL上の隆起部及びバイポーラプレートのリブ上の対応する溝の結果、高まった金属GDLの剛性を示す概略図である。
表1:異なる金属GDL−MPL設計の燃料電池性能及び高周波抵抗(HFR)の概要である。
図1では、膜電極接合体(MEA)の基本構造が、燃料電池バイポーラプレート(21)、金属GDL(20)及び触媒層(40)を備えていること示している。触媒層は金属GDLの表面上に存在する。反応ガスは、バイポーラプレート(10)のガスチャネル(12)を通って供給され、次いで、金属GDLの孔又は細孔(21)を通って拡散する。Zhangらの発明の問題1及び2と同様に、金属GDLの孔(21)に水が滞留することがあり、金属GDLのブリッジ(22)によって、すべての反応ガスが触媒層(40)に到達可能なわけではない。さらにバイポーラプレートのリブ(11)は、金属GDLの細孔(21)を完全又は部分的に覆い、反応ガスが孔に浸入すること、又は液体の水が孔を離れ、バイポーラプレートのチャネルに入ることを難しくする。
図2は、本発明に係る、水が滞留する問題に対応する、図1に示すようなMEAの構造の改良形態を示す。触媒層(40)と金属GDL(20)との間にMPL(30)を挿入した。MPLの領域(31)は、触媒層と金属GDLとの界面で水が滞留することを防ぎ、また、金属GDLのブリッジ(22)領域下の触媒層へのガスの拡散を高める。水の滞留をさらに防ぐために、金属GDLの孔もMPL材料(32)で充填した。この場合のMPLは、カーボンブラック(CB)粉末及びポリテトラフルオロエチレン(PTFE)からなる標準MPL設計である。CB/PTFE MPLは、ナノサイズの疎水性細孔を形成する。先行技術に示されているように、細孔は、大きい水の液滴が成長することを防ぎ、液体の水を粒子のような小さい指に制限する。
MPLは、典型的には、水、CB及びPTFEを含むインクの形態で標準カーボンGDLに塗布される。次いでGDL/MPLは、350℃で30分間焼結される。MPLインクの粘度は、GDLの高密度繊維がインクのGDLへの浸透を防ぎ、GDLの表面上に層が生じるようなものである。同じMPLインクが金属GDLの場合に使用されると、インクは金属GDLの孔(21)に浸透する。金属GDLの孔を充填し、続いて金属GDL上に層を形成するためには、ポリビニルアルコール(PVA)のような粘性剤を使用してMPLインクの粘度を増加させ、約1000cP〜10000cPの範囲のインク粘度を得なければならない。粘性剤は、水溶性で、分解温度が400℃未満であるべきである。PTFEのガラス転移温度は320℃〜340℃であり、PTFEの分解温度は約420℃である。粘性MPLは、ドクタブレード法を使用し、塗布工程中、圧力をかけることによって金属の片面にコーティングされる。金属GDLの孔にインクを押し込むために、圧力が必要である。
ここで図3を参照すると、金属GDLのブリッジ(22)下のガス拡散を高める、MEA構造のさらなる改良形態が示される。本発明のこの形態では、異方性フレーク系MPL(130)が、金属GDLの表面にコーティングされ、また、金属GDLの細孔を充填するようにされる。次いで従来のCB MPLが、異方性MPLの表面にコーティングされる。異方性MPLは、フレーク形状の粒子及びPTFEからなり、その水平層状構造によりガス拡散を高める。フレーク材料は、炭素、銀又はチタンのフレークであり得る。フレーク系MPLの塗布中、フレークの配向は、ドクタブレードの剪断応力のために乱され得る。水平層状構造を維持するために、フレークMPLは、まずCB MPLと同様の高い粘性のインクとして、ついで再度10cP〜1000cPの範囲のより低い粘性のインクとしてコーティングされるべきである。第1コーティングでは、金属GDL孔にフレーク材料が押し込まれ、粘度のより低い第2コーティングでは、フレークの水平構造が最終MPL層(131)内に確実に維持される。フレークの寸法はミクロン範囲にあり、その結果、フレーク系MPLもミクロン範囲の細孔を有する。従来のCB MPLと比較して大きい細孔は、MPL内に生じる水粒子をより大きくし得る。これは望ましくなく、反応ガスが触媒層に到達することを妨げ得る。より大きい液体水粒子がこのように形成されないように、CB MPL(133)が、触媒層と接触するようにフレーク系MPLにコーティングされる。フレーク材料が銀又はチタンの場合には、CB MPLは、バリアとして機能し、フレークが触媒層と直接接触しないようにすることによって、金属フレークの電気化学的腐食を防ぐ。
図4は、金属GDLを通るガス拡散の向上を可能とする、図3のMPL設計の修正形態を示す。修正形態では、ガス拡散を水平方向に高めるより大きいMPLの細孔が生じる。本発明のこの形態では、金属GDLの孔に、より大きい粒子MPL(232)を堆積させた。その結果、触媒層の隣のCB MPL(233)、金属GDL上の異方性フレーク系MPL(231)、及び金属GDLの孔内のより大きい粒子MPL(232)を含む3層MPL設計が得られる。CB MPLは、大きい液体水粒子の形成を防ぎ、フレーク系MPLは、金属MPLのブリッジ下のガス拡散を水平方向に高め、より大きい粒子MPLは、そのより大きい細孔の結果としてMPLの孔を通る垂直方向のガス拡散を高める。MPLの相対細孔寸法は、CB MPL<フレークMPL<より大きい粒子MPLである。より大きい粒子MPLの材料は、粒径が1μm〜10μmの範囲の炭素、チタン又は銀であり得る。
図5では、バイポーラプレートから触媒へのガス拡散は、金属GDL及びバイポーラプレートの相対寸法を修正することによって対処される。ガス拡散が向上し、触媒層へのガス供給がより均一になる、金属GDLの矩形孔における特定の配置が設けられる。
図5では、金属GDL上におけるバイポーラプレートのランドの接触領域及びリブの接触領域はそれぞれ「チャネル下」及び「リブ下」と呼ばれる。W及びWは、金属GDLの孔の幅及びブリッジの幅を示し、L及びLはそれぞれ、チャネルの幅及びリブの幅を示す。これらの寸法が式(1)〜(3)に従う場合、金属GDLの孔(21)のいくつかの領域の3分の2が、バイポーラプレートのチャネル領域(20)に曝され、これらの孔の残り3分の1がバイポーラプレートのリブ(22)によって覆われる。次いで、金属GDL及びバイポーラプレートを正しく位置合わせする場合、3分の2がチャネル領域に曝される孔(Y)の隣に、チャネルに完全に曝される孔(X)が1つあるように、繰り返しパターンが作られる。金属GDL及びバイポーラプレートのこれらの寸法により、ガス拡散がより良好になり、触媒層へのガス供給がより均一になる。
金属GDL及びバイポーラプレートをより良好に位置合わせするために、金属GDLは、バイポーラプレートの穴と位置が合う少なくとも1つのピン(図示せず)を有するべきである。ピンは、金属GDLのブリッジ領域上に位置すべきであり、穴は、バイポーラプレートのリブ領域上にあるべきである。ピン及び穴の位置は、ガスケット及びシーリングシステムに影響がないように、MEAの活性領域内にあるべきである。
図6は、触媒層上への圧縮圧力分布をどのように向上することができるか示す。金属GDLは、ブリッジ領域の上に隆起部(23)を有するように作ることができる。金属GDL(20)上の隆起部(23)は、バイポーラプレート(10)のチャネルに対して直角であるべきである。この構成では、隆起部は金属GDLの剛性を高め、バイポーラプレートから触媒層上への圧力分布がより均一になる。圧力がより均一になると、触媒層、CB MPL、フレーク系MPL、及びより大きい粒子MPL間の接触抵抗が低下する。隆起部を備えた金属MPLとバイポーラプレートとの接触を向上させるために、バイポーラプレート(10)は、金属GDL上の隆起部と位置が合う、リブ領域上の溝(13)を有するべきである。しかしながら、この設計では、バイポーラプレートのチャネル内に液体の水を閉じ込める隆起部が生じ得る。これを緩和するために、燃料電池は、チャネルが垂直に位置し、確実にガスが下方に流れ、液体の水の除去が重力によって促進されるように構成されるべきである。
以下の実施例は、本発明の様々な実施形態の構造及び試験を示し、試験の結果を表1に示す。
触媒コーティング膜(CCM)及び膜電極接合体(MEA)の準備
まず、白金40wt%担持炭素触媒(HySA-V40、Mintek、South Africa) Nafion solution(5wt%イオノマー、Ion Power、United States)、イソプロパノール(Sigma-Aldrich)、及び超純水を混合することによって、触媒インクを準備した。インク中のイオノマーに対する炭素の比率は0.65であり、インクの固形分は20wt%であった。USI Prism 300超音波スプレコータを使用して、125ミクロンのテフロン(登録商標)シートに混合インクをスプレコーティングした。次いで、コーティングしたテフロン(登録商標)シートをオーブン内で、80℃で3時間乾燥させた。コーティングした基材上のPt担持量は0.4mg/cmであった。乾燥ステップに続いて、コーティングした2枚のテフロン(登録商標)シートをNafion-XL膜(Ion Power、United States)の両側に、手動Carverホットプレスを使用して135℃、10MPaで10分間、加熱圧縮した。次いで、活性領域が15cm(3cm×5cm)の得られたCCMを、以下の様々な実施例で説明するような異なるGDL−MPL例と結合した。各GDL−MPL例に対し、新しいCCMを使用した。
燃料電池試験
MEAは、バイポーラプレート及びエンドプレートから組み立てられた単一燃料電池で評価した。バイポーラプレートは、長さ50mm、深さ0.1mm及び幅0.2mmのチャネル、並びに長さ50mm、高さ0.1mm及び幅0.1mmのリブを有していた。バイポーラプレートの活性領域は金メッキし、バイポーラプレート上に1μm厚の金層を得た。燃料電池は、セル温度80℃、周囲気圧、水素/空気の一定流量それぞれ0.5NL/min及び1.0NL/min、相対湿度100%で運転した。FuelCon試験場を使用して、分極曲線及び1kHzでの高周波抵抗(HFR)実測値を測定した。表1は、以下の異なる実施例についての1Acm−2のセル電圧及びHFRの概要である。
実施例1(市販GDL/MPL)
MPLを備えた市販GDL(TGP−H60、東レ、日本)とCCMを結合した。GDLは炭素繊維系紙材であり、MPLはカーボンブラック及びPTFEからなる。
実施例2(金属GDLの表面上にCB MPLを備えた金属GDL)
金属GDLの表面上にCB MPLを備えた金属GDLとCCMとを結合した。金属GDLは、株式会社メルテック(日本)製であり、直径70μmの円形孔及び幅30μmの孔間ブリッジから構成されていた。30μm厚のステンレス鋼(SS316L)箔上に孔を化学エッチングし、金メッキして、ステンレス鋼の表面に1μm厚の金層を残した。低粘性MPLインクを使用して、ドクタブレード法によって金属GDLの表面にCB MPLをコーティングした。低粘度であることにより、MPLは確実に、金属GDLの孔内ではなく表面上にのみ存在する。MPLインクは、CB粉末(Sigma-Aldrich製アセチレンブラック)、PTFEエマルジョン(Fuel Cell Earth)、界面活性剤(Sigma-Aldrich製TRITON X-114)、及び超純水を重量比4:1:8:80で使用して準備した。MPLのコーティングに続いて、MPLを備えた金属GDLを350℃で1時間焼結した。
実施例3(金属GDLの表面上及び孔内にCB MPLを備えた金属GDL)
金属GDLの表面上及び孔内にCB MPLを備えた金属GDLとCCMとを結合した。粘性MPLインクを用いてドクタブレード法を使用し、ドクタブレードに20kgの荷重をかけることによって、CB MPLを金属GDLの表面にコーティングし、金属GDLの孔に押し込んだ。MPLインクは、CB粉末(Sigma-Aldrich製アセチレンブラック)、PTFEエマルジョン(Fuel Cell Earth)、界面活性剤(Sigma-Aldrich製TRITON X-114)、PVP(Sigma-Aldrich)、及び超純水を重量比4:1:8:4:4で使用して準備した。MPLのコーティングに続いて、MPLを備えた金属GDLを420℃で1時間焼結した。
実施例4(金属GDLの表面上及び孔内のフレーク系MPLと、フレーク系MPL上の第2のCB MPLとを備えた金属GDL)
金属GDLの表面上及び孔内のフレーク系MPLと、フレーク系MPL表面上のCB MPLとを備えた金属GDLとCCMとを結合した。フレーク材料は銀であり、粘性MPLインクを用いてドクタブレード法を使用し、ドクタブレードに20kgの荷重をかけることによって、フレークMPLを金属GDLの表面にコーティングし、金属GDLの孔に押し込んだ。MPLインクは、銀フレーク(Sigma-Aldrich製で直径10μm、厚さ1μm)、PTFEエマルジョン(Fuel Cell Earth)、PVP(Sigma-Aldrich)、及び超純水を重量比20:1:8:4で使用して準備した。銀フレークは粒径が大きいため、界面活性剤は必要なかった。MPLのコーティングに続いて、MPLを備えた金属GDLを420℃で1時間焼結した。
実施例5(実施例4によるMPL設計を備えた金属GDLであり、金属GDL及びバイポーラの寸法が式(1)〜(3)による)
新たな寸法の、実施例4によるMPL設計を備えた金属GDLとCCMとを結合した。金属GDLは株式会社メルテック(日本)製であり、寸法が100μm×50μmの矩形状孔、及び幅50μmの孔間ブリッジから構成されていた。孔の配置を図5に示す。30μm厚のステンレス鋼(SS316L)箔上に孔を化学エッチングし、金メッキして、ステンレス鋼の表面に1μm厚の金層を残した。実施例4の通り、銀フレークMPL及びCB MPLを付け加えた。
実施例6(剛性を高めるために金属GDL上に隆起部を付け加えた、実施例5による金属GDL)
隆起部を付け加え、実施例4によるMPL設計を備えた実施例5による金属GDLとCCMとを結合した。金メッキステップ前に拡散接合法を使用して、金属GDLに50μm厚の別のステンレス鋼(SS316L)箔を溶接する以外は実施例5と同様に金属GDLを製造した。次いで、結合したステンレス鋼板を平らな側面から化学エッチングして、高さ50μm及び幅25μmの隆起部を残した。次いで、実施例2〜実施例5の通り、隆起部を備えた金属GDLを金メッキした。実施例4の通り、銀フレークMPL及びCB MPLを付け加えた。バイポーラプレートのリブの表面も、この実施例を試験するために化学エッチングした。エッチングによって、バイポーラプレートに深さ50μmの溝を得た。次いで、図6に示すように、バイポーラプレートの溝を金属GDLの隆起部に位置合わせした。
結果
結果を表1にまとめる。実施例1では、物質移動制限及びフラッディングは示さなかったが(1Acm−2で比較的高電圧)、高いHFRを示した。バイポーラプレート上の狭いリブは、物質移動制限を低減するリブの下のガス拡散を高めた。しかしながら、狭いリブではまた、バイポーラプレートのカーボンGDLとの接触が少なくなり、接触抵抗が増加する。
実施例2及び実施例3は同様のHFRを示すが、実施例2は1Acm−2ではるかに低い電圧を示す。この同様のHFRは、金属GDL−MPL設計が非常によく似ていることに起因する。金属GDLとバイポーラプレートの狭いリブとの接触が、カーボンGDLの場合よりも良好であるために、HFRは実施例1より低い。実施例2の低電圧は、フラッディングの結果、厳しい物質移動制限を示す。実施例2と実施例3との違いは、金属GDLの孔におけるCB MPLの有無である。実施例2でのように孔にCB MPLがない場合、液体の水が孔に滞留し、フラッディングにつながる。実施例3では、1Acm−2の電圧が実施例2の場合よりもはるかに良好であり、液体の水が孔内で増加するのをCBが防ぐことを示す。
実施例4は、実施例1〜実施例3よりHFRが低く、電圧が高いことを示した。これは、銀フレーク系MPLが、CB MPLより高い導電率を有するからである。向上した電圧は、銀フレークの水平配置の結果である。水平配置によって、特に金属GDLのブリッジ領域下のガス拡散が高まる。
実施例5は、実施例4によく似た結果を示す。実施例5に使用したようなより大きい開口部を備えた金属GDLの矩形孔は、ガス拡散が良好になるはずであるが、これは1Acm−2の電圧では現れない。実施例5において、わずかにHFRが高いのは、金属GDLの孔がより大きく、従って金属GDL領域の、バイポーラプレートのリブとの接触がより少ないからである。
実施例6は、実施例5よりはるかに低いHFRを示す。隆起部は、活性領域上への圧縮圧力の均一な分散を促進し、その結果、これにより、触媒層、MPL、金属GDL及びバイポーラプレート間の接触抵抗が低下する。

Claims (23)

  1. 多孔質金属ガス拡散層(GDL)及び触媒層を含み、それらの間に微細多孔質層(MPL)が介在する膜電極接合体であって、前記GDLの(充填されていない)細孔の屈曲度が1.5未満であり、及び、前記MPLが前記GDLの前記細孔を充填し、かつ前記GDLの表面をコーティングするように構築されることを特徴とする、膜電極接合体。
  2. 前記MPLが多層構造を含むことを特徴とする、請求項1に記載の膜電極接合体。
  3. 前記MPLが、異方性フレーク系MPLであって、その上に従来のカーボンブラックMPLがコーティングされた異方性フレーク系MPLを含むことを特徴とする、請求項2に記載の膜電極接合体。
  4. 前記フレーク系MPL内のフレークが、炭素、チタン又は銀のうちの1つを含むことを特徴とする、請求項3に記載の膜電極接合体。
  5. 前記フレーク系MPLが2層構造を含み、前記2層構造において、第1層内の前記フレークが不均一に配向され、第2層内の前記フレークが実質的に水平方向に層状の構造内で配向されることを特徴とする、請求項2〜4のいずれか1項に記載の膜電極接合体。
  6. 前記多層MPLの各層の前記細孔が不均一であることを特徴とする、請求項2〜5のいずれか1項に記載の膜電極接合体。
  7. 細孔寸法が比較的より大きいMPLが前記金属GDLの前記細孔に塗布されることを特徴とする、請求項6に記載の膜電極接合体。
  8. 前記MPLの各層における前記細孔の相対細孔寸法が、CB MPL<フレークMPL<より大きい粒子MPLであることを特徴とする、請求項6に記載の膜電極接合体。
  9. 前記金属GDLの前記細孔に塗布された前記MPLの前記細孔寸法が1μm〜10μmの範囲であることを特徴とする、請求項7又は8に記載の膜電極接合体。
  10. 前記より大きい細孔寸法MPLの前記フレークが、炭素、チタン又は銀を含むことを特徴とする、請求項9に記載の膜電極接合体。
  11. 前記多孔質金属ガス拡散層が、孔及びブリッジの繰り返しパターンを含み、前記孔及びブリッジの幅が電極のバイポーラプレートのチャネル及びリブの幅に対して決定されることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の膜電極接合体。
  12. 前記孔及びブリッジの前記幅が、以下の式(1)〜(3):
    ≧2×W (1)
    2×(W+W)=L+L (2)
    ≧L (3)
    に従って決定され、式中、W及びWは、前記金属GDLの前記孔の前記幅及び前記ブリッジの前記幅を表し、一方、L及びLはそれぞれ、前記チャネルの幅及び前記リブの前記幅を表すことを特徴とする、請求項11に記載の膜電極接合体。
  13. 前記金属GDL及び前記バイポーラプレートが、位置合わせの際、前記金属GDL及び前記バイポーラプレートを確実に正しく位置合わせする1つ又は複数の相互係合形成物の形態の位置合わせ補助具を含むことを特徴とする、請求項12に記載の膜電極接合体。
  14. 前記相互係合形成物が、ピン及び穴を含むことを特徴とする、請求項13に記載の膜電極接合体。
  15. 前記位置合わせ補助具が前記膜電極接合体の活性領域内に位置することを特徴とする、請求項13又は14に記載の膜電極接合体。
  16. 前記金属ガス拡散層の前記ブリッジ及び前記ブリッジに当接する前記バイポーラプレートがコンプリメンタリ係合形成物を含むことを特徴とする、請求項1〜15のいずれか一項に記載の膜電極接合体。
  17. 前記形成物が隆起部及びコンプリメンタリ溝を含み、前記金属ガス拡散層の前記形成物が、前記バイポーラプレートの前記チャネルに対して直角に配向されることを特徴とする、請求項16に記載の膜電極接合体。
  18. 水、カーボンブラック及びポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含むMPLインク、並びに、粘性剤を標準金属GDL上に形成するステップと、このように形成された前記粘性MPLを、ドクタブレード法を使用して、かつ塗布工程中に圧力をかけて、前記金属の片面にコーティングするステップと、次いで、その上に、カーボンブラックMPLを塗布するステップとを含むことを特徴とする、請求項1に記載の微細多孔質層(MPL)を塗布する方法。
  19. 前記粘性剤が水溶性であり、摂氏400度未満の分解温度を有し、かつ、1000cP〜10000cPの範囲のMPLインク粘度をもたらすことを特徴とする、請求項18に記載のMPLを塗布する方法。
  20. 前記MPLがフレークMPLであり、前記方法が、高粘性インクとしての前記フレークMPLを塗布する第1ステップと、低粘性インクとしての前記フレークMPLを塗布し、及び、最後にその上にカーボンブラックMPLを塗布する第2ステップと、を含むことを特徴とする、請求項18又は19に記載のフレークMPLを塗布する方法。
  21. 前記低粘性インクの粘度が10cP〜1000cPの範囲であることを特徴とする、請求項20に記載のフレークMPLを塗布する方法。
  22. 前記MPLを塗布する前に、前記金属GDLに1μm金層が塗布されることを特徴とする、請求項18〜21のいずれか1項に記載のMPLを塗布する方法。
  23. 請求項1〜17のいずれか1項に記載の膜電極接合体を含むことを特徴とする、高分子電解質型燃料電池。
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