JP2017216328A - セラミックコンデンサ - Google Patents
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Abstract
【課題】ESLが低く、基板への内蔵に好適なセラミックコンデンサを提供する。【解決手段】第1の外部電極15は、第1の主面10a上に位置する部分から第1の端面10eの一部の上に至る第1の部分15aと、第2の主面10b上に位置する部分から第1の端面10eの一部の上に至る第2の部分15bと、第1の側面10c上に位置する部分から第1の端面10eの一部の上に至る第3の部分15cと、第2の側面10d上に位置する部分から第1の端面10eの一部の上に至る第4の部分15dとを有する。第1の外部電極の最外層が、Cuめっき層により構成されている。【選択図】図2
Description
本発明は、セラミックコンデンサに関する。
近年、携帯電話機や携帯音楽プレイヤーなどの情報端末機器の小型化及び薄型化が進んでいる。それに伴い、電子機器に搭載される基板や基板に搭載される電子部品においても、小型化が進んでいる。基板に実装される電子部品の高密度実装化も進んでいる。電子部品の更なる小型化を図るために、基板内に電子部品が埋め込まれた電子部品内蔵基板も開発されてきている(例えば、特許文献1)。電子部品内蔵基板においては、基板に形成された配線と、埋め込まれている電子部品とが確実に電気的に接続される必要がある。
また、電子機器の情報量が増える中、更なる高周波域での電子機器の使用頻度が増えてきている。そのため、電子部品内蔵基板に内蔵された電子部品の等価直列インダクタンス(ESL)を低くして、高周波域での使用を可能にしたいという要望がある。
例えば特許文献2,3では、セラミックコンデンサの低ESL化を実現する手段として、3端子コンデンサ等の多端子コンデンサが提案されている。しかしながら、特許文献2、特許文献3に記載の多端子コンデンサは、基板への埋め込み、及び、基板に形成された配線との電気的な接続について考慮されていない。このため、特許文献2、特許文献3に記載の多端子コンデンサを好適に基板に埋め込むことは困難である。換言すれば、特許文献2、特許文献3に記載の多端子コンデンサは、基板への埋め込みに好適ではない。
したがって、ESLが低く、かつ基板への埋め込みに好適なセラミックコンデンサが求められている。
また、基板内に埋めこまれるセラミックコンデンサにおいては、セラミックコンデンサの高さ寸法を小さくする必要がある。そのため、セラミックコンデンサの高さ寸法を低くすると、セラミックコンデンサの強度が低下する傾向にある。従って、セラミックコンデンサに割れや欠けが発生するといった問題が生じることがある。
また、基板に内蔵されるセラミックコンデンサにおいては、一般的に基板に対する密着性が低いという問題がある。セラミックコンデンサと基板との密着力が低いと、セラミックコンデンサと基板を構成している樹脂とが剥離し、剥離部から基板内に水分が浸入した水分に起因してセラミックコンデンサの信頼性が低下したり、ビアホール電極とセラミックコンデンサの外部電極との接続部分が断裂したりする虞がある。
本発明の主な目的は、ESLが低く、基板への内蔵に好適なセラミックコンデンサを提供することにある。
本発明に係るセラミックコンデンサは、コンデンサ本体と、複数の内部電極と、外部電極とを備えている。コンデンサ本体は、第1及び第2の主面と、第1及び第2の側面と、第1及び第2の端面とを有する。第1及び第2の主面は、長さ方向及び幅方向に沿って延びている。幅方向は、長さ方向に対して垂直である。第1及び第2の側面は、長さ方向と、積層方向とに沿って延びている。積層方向は、長さ方向及び幅方向のそれぞれに対して垂直である。第1及び第2の端面は、幅方向及び積層方向に沿って延びている。複数の内部電極は、コンデンサ本体内に配されている。複数の内部電極は、第1及び第2の側面のそれぞれに露出している。複数の外部電極は、第1の側面の内部電極の露出部と、第2の側面の内部電極の露出部とから第1及び第2の主面の上に跨がるように形成されている。複数の内部電極は、第1の内部電極と、第2の内部電極とを含む。第2の内部電極は、第1の内部電極と積層方向において対向している。第1の内部電極は、第1の対向部と、第1及び第2の引き出し部と、第3及び第4の引き出し部とを有する。第1の対向部は、第2の内部電極と対向している。第1及び第2の引き出し部は、第1の対向部に接続されている。第1及び第2の引き出し部は、それぞれ、第1の側面に引き出されている。第3及び第4の引き出し部は、第1の対向部に接続されている。第3及び第4の引き出し部は、それぞれ、第2の側面に引き出されている。第2の内部電極は、第5の引き出し部と、第6の引き出し部とを有する。第2の対向部は、第1の対向部と対向している。第5の引き出し部は、第2の対向部に接続されている。第5の引き出し部は、第1の側面に引き出されている。第6の引き出し部は、第2の対向部に接続されている。第6の引き出し部は、第2の側面に引き出されている。複数の外部電極は、第1の外部電極と、第2の外部電極と、第3の外部電極とを有する。第1の外部電極は、第1の側面の第1の引き出し部の露出部と、第2の側面の第3の引き出し部の露出部とを覆い、かつ、第1の側面、第1の主面、第2の側面及び第2の主面を周回するように設けられている。第2の外部電極は、第1の側面の第2の引き出し部の露出部と、第2の側面の第4の引き出し部の露出部とを覆い、かつ、第1の側面、第1の主面、第2の側面及び第2の主面を周回するように設けられている。第3の外部電極は、第1の側面の第5の引き出し部の露出部と、第2の側面の第6の引き出し部の露出部とを覆うように、第1の側面、第1の主面、第2の側面及び第2の主面を周回するように設けられている。第1の外部電極は、第1の部分と、第2の部分と、第3の部分と、第4の部分とを有する。第1の部分は、第1の主面上に位置する部分から第1の端面の一部の上に至っている。第2の部分は、第2の主面上に位置する部分から第1の端面の一部の上に至っている。第3の部分は、第1の側面上に位置する部分から第1の端面の一部の上に至っている。第4の部分は、第2の側面上に位置する部分から第1の端面の一部の上に至っている。第2の外部電極は、第5の部分と、第6の部分と、第7の部分と、第8の部分とを有する。第5の部分は、第1の主面上に位置する部分から第2の端面の一部の上に至っている。第6の部分は、第2の主面上に位置する部分から第2の端面の一部の上に至っている。第7の部分は、第1の側面上に位置する部分から第2の端面の一部の上に至っている。第8の部分は、第2の側面上に位置する部分から第2の端面の一部の上に至っている。第1及び第2の外部電極のそれぞれの最外層が、Cuめっき層により構成されている。
本発明に係るセラミックコンデンサでは、外部電極の最外層がCuめっき層により構成されているため、基板への内蔵が容易である。具体的には、セラミックコンデンサを基板に内蔵する際には、電子部品と基板の配線とを接続するためのビアホール電極を設ける必要があるため、例えば、CO2レーザー等を用いて基板に電子部品の外部電極に臨むビアホールを形成する必要がある。ここで、本発明に係るセラミックコンデンサでは、外部電極の最外層がCuめっき層により構成されている。このため、ビアホールを形成するために照射するレーザー光が外部電極により高い反射率で反射されるため、セラミックコンデンサの劣化を抑制することができる。従って、本発明に係るセラミックコンデンサは、基板への内蔵が容易である。
また、本発明に係るセラミックコンデンサでは、第1及び第2の内部電極の引き出し部のすべてをコンデンサ本体の第1及び第2の側面に引き出す構成とすることにより、第1の内部電極の引き出し部と第2の内部電極の引き出し部との間の間隔を短くすることができる。このため、セラミックコンデンサ内において電流の流れる経路長を短くできる。従って、本発明に係るセラミックコンデンサは、低い等価直列インダクタンス(ESL)を有している。
本発明に係るセラミックコンデンサでは、第1及び第2の部分並びに第5及び第6の部分のそれぞれの積層方向における長さが、セラミックコンデンサの積層方向に沿った寸法の5%以上15%以下であることが好ましい。第3及び第4の部分並びに第7及び第8の部分のそれぞれの積層方向における長さが、セラミックコンデンサの幅寸法の5%以上15%以下であることが好ましい。
本発明に係るセラミックコンデンサでは、第1,第2,第5及び第6の部分のそれぞれの積層方向に沿った長さが、第3,第4,第7及び第8の部分の幅方向に沿った長さより短いことが好ましい。
本発明に係るセラミックコンデンサでは、セラミックコンデンサの積層方向に沿った寸法が、セラミックコンデンサの幅方向に沿った寸法よりも小さいことが好ましい。
本発明に係るセラミックコンデンサでは、第3の外部電極の第1又は第2の主面上に位置する部分の長さ方向に沿った長さが、第3の外部電極の第1又は第2の側面の上に位置する部分の長さ方向に沿った長さよりも大きいことが好ましい。
本発明に係るセラミックコンデンサでは、第1の外部電極の第1又は第2の主面上に位置する部分の長さ方向に沿った長さが、第1の外部電極の第1及び第2の側面上に位置する部分の長さ方向に沿った長さよりも長いことが好ましい。第2の外部電極の第1又は第2の主面上に位置する部分の長さ方向に沿った長さが、第2の外部電極の第1及び第2の側面上に位置する部分の長さ方向に沿った長さよりも長いことが好ましい。
本発明に係るセラミックコンデンサでは、第1及び第2の外部電極の第1又は第2の主面上に位置する部分の長さ方向に沿った最大長さをL1とし、第1及び第2の外部電極の第1又は第2の主面上に位置する部分の最もコンデンサ本体から積層方向において離れた部分から、積層方向において、第1又は第2の外部電極の厚みの40%コンデンサ本体側の部分の長さ方向に沿った最大長さをL2としたときに、L2/L1が80%以上であることが好ましい。第3の外部電極の第1又は第2の主面上に位置する部分の長さ方向に沿った最大長さをL3とし、第3の外部電極の第1又は第2の主面上に位置する部分の最もコンデンサ本体から積層方向において離れた部分から、積層方向において、第3の外部電極の厚みの40%コンデンサ本体側の部分の長さ方向に沿った最大長さをL4としたときに、L4/L3が80%以上であることが好ましい。
本発明に係るセラミックコンデンサでは、第1〜第3の外部電極の少なくともひとつの電極のコンデンサ本体と接触している部分の長さ方向に沿った長さが、当該電極の最上面の長さ方向に沿った長さよりも短いことが好ましい。
本発明によれば、ESLが低く、基板への内蔵に好適なセラミックコンデンサを提供することができる。
以下、本発明を実施した好ましい形態の一例について説明する。但し、下記の実施形態は、単なる例示である。本発明は、下記の実施形態に何ら限定されない。
また、実施形態等において参照する各図面において、実質的に同一の機能を有する部材は同一の符号で参照することとする。また、実施形態等において参照する図面は、模式的に記載されたものである。図面に描画された物体の寸法の比率などは、現実の物体の寸法の比率などとは異なる場合がある。図面相互間においても、物体の寸法比率等が異なる場合がある。具体的な物体の寸法比率等は、以下の説明を参酌して判断されるべきである。
図1は、本実施形態に係るコンデンサの模式的斜視図である。図2は、図1の線II−II部分の模式的断面図である。図3は、第1の実施形態に係るコンデンサの長さ方向L及び幅方向Wに沿った模式的断面図である。図4は、第1の実施形態に係るコンデンサの長さ方向L及び幅方向Wに沿った模式的断面図である。なお、図3と図4とは、積層方向Tにおいて異なる部位の模式的断面図である。図5は、図1の線V−V部分の模式的断面図である。図6は、図1の線VI−VI部分の模式的断面図である。図7は、図1の線VII−VII部分の模式的断面図である。図8は、本実施形態に係るコンデンサの第1の端面の模式的平面図である。図9は、本実施形態に係るコンデンサの第2の端面の模式的平面図である。
図1〜図7に示すように、セラミックコンデンサ1は、コンデンサ本体10を備えている。コンデンサ本体10は、略直方体状である。コンデンサ本体10は、第1及び第2の主面10a、10bと、第1及び第2の側面10c、10dと、第1及び第2の端面10e、10fとを備えている。第1及び第2の主面10a、10bは、それぞれ、長さ方向L及び幅方向Wに沿って延びている。長さ方向Lは、第1の端面10eと第2の端面10fとを結ぶ方向である。幅方向Wは、長さ方向Lに対して垂直である。幅方向Wは、第1の側面10cと、第2の側面10dとを結ぶ方向である。第1及び第2の側面10c、10dは、それぞれ、長さ方向L及び積層方向Tに沿って延びている。積層方向Tは、第1の主面10aと、第2の主面10bとを結ぶ方向である。積層方向Tは、長さ方向L及び幅方向Wのそれぞれに対して垂直である。第1及び第2の端面10e、10fは、それぞれ、幅方向W及び積層方向Tに沿って延びている。コンデンサ本体10の稜線部及び角部は、面取り状とされていてもよいし、丸められた形状とされていてもよいが、クラックが発生することを抑制する観点からは、丸められた形状を有することが好ましい。
コンデンサ本体10は、例えば、適宜の誘電体セラミックスにより構成することができる。コンデンサ本体10は、具体的には、例えば、BaTiO3、CaTiO3、SrTiO3、CaZrO3などを含む誘電体セラミックスにより構成されていてもよい。コンデンサ本体10には、Mn化合物、Fe化合物、Cr化合物、Co化合物、Ni化合物などが添加されていてもよい。
コンデンサ本体10の寸法は、特に限定されないが、コンデンサ本体10の高さ寸法をDT、長さ寸法をDL、幅寸法をDWとしたときに、DT<DW<DL、(1/7)DW≦DT≦(1/3)DW、又は、DT<0.25mmが満たされることが好ましい。具体的には、0.05mm≦DT<0.25mm、0.4mm≦DL≦1mm、0.3mm≦DW≦0.5mmであることが好ましい。このように、本実施形態のセラミックコンデンサ1の積層方向に沿った寸法が小さいため、基板への内蔵に適している。但し、セラミックコンデンサ1の積層方向に沿った寸法が小さすぎると、セラミックコンデンサ1の容量が小さくなりすぎる場合や、セラミックコンデンサ1の強度が低くなりすぎる場合がある。従って、セラミックコンデンサ1の積層方向に沿った寸法は、幅寸法の1/5倍以上であることが好ましく、1/2倍以上であることがより好ましい。
なお、セラミックコンデンサ1の各寸法は、マイクロメータ又は顕微鏡を用いて測定することができる。
図2に示すように、コンデンサ本体10の内部には、複数の内部電極11、12が設けられている。具体的には、コンデンサ本体10の内部には、複数の第1の内部電極11と、複数の第2の内部電極12とが、積層方向Tに沿って交互に配されている。積層方向Tにおいて隣り合う第1の内部電極11と第2の内部電極12とは、セラミック部10gを介して対向している。これにより、容量が形成されている。なお、セラミック部10gの厚みは、例えば、0.5μm以上10μm以下であることが好ましい。
図3に示すように、第1の内部電極11は、第1の側面10c及び第2の側面10dのそれぞれに露出している。具体的には、第1の内部電極11は、対向部11aと、第1の引き出し部11bと、第2の引き出し部11cと、第3の引き出し部11dと、第4の引き出し部11eとを有する。
対向部11aは、第2の内部電極12と積層方向Tにおいて対向している。対向部11aは、略矩形状である。
第1の引き出し部11bは、対向部11aに接続されている。第1の引き出し部11bは、第1の側面10cに引き出されている。具体的には、第1の引き出し部11bは、対向部11aの第1の側面10c側かつ第1の端面10e側の角部から第1の側面10cに向かって延びている。
第2の引き出し部11cは、対向部11aに接続されている。第2の引き出し部11cは、第1の側面10cに引き出されている。具体的には、第2の引き出し部11cは、対向部11aの第1の側面10c側かつ第2の端面10f側の角部から第1の側面10cに向かって延びている。第1の引き出し部11cが、対向部11aの長さ方向Lの一方側端部に接続されている一方、第2の引き出し部11cは、対向部11aの長さ方向Lの他方側端部に接続されている。
第3の引き出し部11dは、対向部11aに接続されている。第3の引き出し部11dは、第2の側面10dに引き出されている。具体的には、対向部11aの第2の側面10d側かつ第1の端面10e側の角部から第2の側面10dに向かって延びている。
第4の引き出し部11eは、対向部11aに接続されている。第4の引き出し部11eは、第2の側面10dに引き出されている。具体的には、対向部11aの第2の側面10d側かつ第2の端面10f側の角部から第2の側面10dに向かって延びている。第3の引き出し部11dが対向部11aの長さ方向Lの一方側端部に接続されている一方、第4の引き出し部11eは、対向部11aの長さ方向Lの他方側端部に接続されている。
図4に示すように、第2の内部電極12は、第1及び第2の側面10c、10dのそれぞれに露出している。具体的には、第2の内部電極12は、対向部12aと、第5の引き出し部12bと、第6の引き出し部12cとを有する。
対向部12aは、積層方向Tにおいて、第1の内部電極11の対向部11aと対向している。対向部12aは、略矩形状である。
第5の引き出し部12bは、対向部12aに接続されている。第5の引き出し部12bは、第1の側面10cに引き出されている。第5の引き出し部12bは、長さ方向Lにおいて、第1の引き出し部11bと、第2の引き出し部11cとの間に位置している。第5の引き出し部12bは、長さ方向Lにおいて、対向部12aの略中央から第1の側面10cに向かって延びている。
第6の引き出し部12cは、対向部12aに接続されている。第6の引き出し部12cは、第2の側面10dに引き出されている。第6の引き出し部12cは、長さ方向Lにおいて第3の引き出し部11dと第4の引き出し部11eとの間に位置している。第6の引き出し部12cは、長さ方向Lにおいて、対向部12aの略中央から第2の側面10dに向かって延びている。
なお、引き出し部11b、11c、11d、11e、12b、12cの幅は、それぞれ、例えば、50μm以上100μm以下とすることができる。
上述のように内部電極11、12の引き出し部11b、11c、11d、11e、12b、12cのすべてをコンデンサ本体10の第1及び第2の側面に引き出す構成とすることにより、第1の内部電極11の引き出し部11b、11c、11d、11eと、第2の内部電極12の引き出し部12b、12cとの間のそれぞれの間隔を短くすることができる。このため、セラミックコンデンサ1内において電流の流れる経路長を短くできる。従って、セラミックコンデンサ1の等価直列インダクタンス(ESL)を低くすることができる。
第1及び第2の内部電極11、12の厚みは、例えば、0.2μm以上2μm以下程度とすることができる。
第1及び第2の内部電極11、12は、適宜の導電材料により構成することができる。第1及び第2の内部電極は、例えば、Ni、Cu、Ag、Pd、Auなどの金属や、これらの金属の一種を含む例えばAg−Pd合金などの合金により構成することができる。
図1に示すように、セラミックコンデンサ1は、複数の外部電極15、16、17を有する。具体的には、セラミックコンデンサ1は、第1の外部電極15と、第2の外部電極16と、第3の外部電極17とを有する。
第1の外部電極15は、第1の内部電極11の第1の引き出し部11bの第1の側面10cにおける露出部と、第1の内部電極11の第3の引き出し部11dの第2の側面10dにおける露出部とから第1及び第2の主面10a、10bの上に跨がるように設けられている。具体的には、第1の外部電極15は、第1の引き出し部11bと第3の引き出し部11dの露出部を覆うように、第1の側面10c、第1の主面10a、第2の側面10d、第2の主面10bを周回するように設けられている。第1の外部電極15の幅は、190μm以上270μm以下であることが好ましい。
第2の外部電極16は、第1の内部電極11の第2の引き出し部11cの第1の側面10cにおける露出部と、第1の内部電極11の第4の引き出し部11eの第2の側面10dにおける露出部とから第1及び第2の主面10a、10bの上に跨がるように設けられている。具体的には、第2の外部電極16は、第2の引き出し部11cと第4の引き出し部11eの露出部を覆うように、第1の側面10c、第1の主面10a、第2の側面10d、第2の主面10bを周回するように設けられている。第2の外部電極16の幅は、190μm以上270μm以下であることが好ましい。
第1の外部電極15は、コンデンサ本体10の長さ方向Lの一方側端部に設けられている一方、第2の外部電極16は、コンデンサ本体10の長さ方向Lの他方側端部に設けられている。
長さ方向Lにおいて、第1の外部電極15と第2の外部電極16との間には、第3の外部電極17が設けられている。第3の外部電極17は、第2の内部電極12の第5の引き出し部12bの第1の側面10cにおける露出部と、第2の内部電極12の第6の引き出し部12cの第2の側面10dにおける露出部とから第1及び第2の主面10a、10bの上に跨がるように設けられている。具体的には、第3の外部電極17は、第5の引き出し部12bと第6の引き出し部12cの露出部を覆うように、第1の側面10c、第1の主面10a、第2の側面10d、第2の主面10bを周回するように設けられている。第3の外部電極17の幅は、240μm以上320μm以下であることが好ましい。第3の外部電極17と、第1又は第2の外部電極15、16との間の長さ方向Lに沿った距離は、70μm以上であることが好ましい。
以上のように、第1〜第3の外部電極15〜17は、それぞれコンデンサ本体10を周回するように設けられているため、外部電極15〜17の面積を十分に確保することができ、基板に埋め込まれたセラミックコンデンサ1の外部電極15〜17に臨むビアホールを容易に形成することができる。また、外部電極15〜17のそれぞれに対して複数のビアホール電極を導通させることが可能となるため、基板側からセラミックコンデンサ1までの配線抵抗を小さくすることができる。従って、さらなる低ESL化を図ることが可能となる。
第1〜第3の外部電極15〜17のそれぞれの最外層は、Cuめっき層により構成されている。
第1〜第3の外部電極15〜17は、それぞれ、例えば、下地電極層と、薄膜電極層と、Cuめっき層との積層体により構成することができる。
下地電極層としては、例えば、Cu、Ni、Ag、Pd、Ag−Pd合金、Auなどからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属を含むことが好ましい。下地電極層は、内部電極11、12を含むコンデンサ本体10と同時焼成したものでもよく、内部電極11、12を含むコンデンサ本体10を焼きつけた後に導電性ペーストを塗布して焼き付けたものでもよい。また、下地電極層は、めっきにより形成されていてもよく、熱硬化性樹脂を含む導電性樹脂を硬化させることにより形成されていてもよい。下地電極層は、無機結合材をさらに含むことが好ましい。無機結合材は、コンデンサ本体10に対する密着強度を高めるための成分である。下地電極層が内部電極11、12を含むコンデンサ本体10と同時焼成して形成される場合は、無機結合材は、共材とも呼ばれる。その場合、無機結合剤は、例えば、コンデンサ本体10に含まれるセラミック材料と同種のセラミック材料であることが好ましい。無機結合材は、例えば、コンデンサ本体10に含まれるセラミック材料と主成分が同じセラミック材料であってもよい。また、下地電極層の無機結合材は、例えば、ガラス成分であってもよい。
下地電極層は、コンデンサ本体10の第1及び第2の側面10c、10dにおける、内部電極11、12の露出部上に形成されている。なお、下地電極層は、第1及び第2の側面10c、10d上の内部電極11、12の露出部上だけでなく、コンデンサ本体10の第1及び第2の主面10a、10bと第1及び第2の側面10c、10dとが交わる稜線部とにまで延びていてもよく、コンデンサ本体10の主面10a、10bの一部の上に形成されていてもよい。本実施形態では、第1の外部電極15及び第2の外部電極16は、第1及び第2の主面10a、10bと第1及び第2の端面10e、10fとが交わる稜線部、かつ、第1及び第2の端面10e、10fの上に配置されていない。このため、基板を構成している樹脂との密着力の高いコンデンサ本体10の表面積を大きくすることができる。従って、基板とセラミックコンデンサ1との密着性を向上することができる。
下地電極層の最大厚みは、1μm以上であることが好ましい。
本実施形態では、薄膜電極層は、下地電極層上と、第1及び第2の主面10a、10bの上に設けられている。薄膜電極層は、例えば、Mg、Al、Ti、W、Cr、Cu、Ni、Ag、Co、Mo及びVからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属を含むことが好ましい。この場合、外部電極15〜17のコンデンサ本体10に対する固着力を高めることができる。薄膜電極層の厚みは、0.05μm以上1μm以下であることが好ましい。薄膜電極層は、単層であってもよいし、複数の層の積層体であってもよい。薄膜電極層は、例えば、スパッタリング法等により形成することができる。換言すれば、薄膜電極層は、スパッタリング膜により構成されていてもよい。
Cuめっき層は、下地電極層及び薄膜電極層を被うように設けられている。めっき層は、単層、もしくは、複数層で形成されていてもよいが、最外層はCuめっき層により構成されている。めっき層の最外層が、Cuめっき層により構成されていることにより、セラミックコンデンサ1を基板内に埋めこむ際に容易にセラミックコンデンサ1を内蔵することが可能となる。これは、基板にセラミックコンデンサ1を埋め込む際に外部電極15〜17との導通を図るための電子部品接続用のビアホールを設けることが必要となるが、この電子部品接続用のビアホールは、例えば、CO2レーザーなどのレーザーを用いて形成される。レーザーを用いてビアホールを形成する場合、レーザーがセラミックコンデンサ1の外部電極15〜17に直接照射されることとなる。この時、外部電極15〜17の最外層をCuめっき膜により構成することにより、レーザーを高い反射率で反射させることができる。従って、めっき層の最外層が、Cuめっき層により構成されたセラミックコンデンサ1は、基板埋め込み型のコンデンサとして好適に使用することができる。仮に、外部電極15〜17のレーザーに対する反射率が低いと、レーザーがコンデンサの内部にまで至り、コンデンサが損傷してしまう場合がある。
めっき膜一層あたりの厚みは、1μm以上15μm以下であることが好ましい。下地電極層とめっき層との間に、応力緩和用の導電性樹脂層が形成されていてもよい。
図2に示すように、本実施形態では、第3の外部電極17の第1又は第2の主面10a、10bの上に設けられた部分の厚みt1が、第1及び第2の外部電極15、16の第1又は第2の主面10a、10bの上に設けられた部分の厚みt2よりも小さい。このため、セラミックコンデンサ1を基板に実装する際に、実装機の実装ノズルが第3の外部電極17のみに当接することを抑制でき、第1及び第2の外部電極15、16にも当接する。このため、実装ノズルで吸着する際に生じる応力を分散させることができる。従って、外部電極15〜17の端部を起点としてコンデンサ本体10にクラック等が発生することを抑制することができる。すなわち、セラミックコンデンサ1の信頼性を向上することができる。
外部電極15〜17の端部を起点としてコンデンサ本体10にクラック等が発生することをより効果的に抑制する観点からは、第3の外部電極17の第1又は第2の主面10a、10bの上に設けられた部分の厚みt1と、第1及び第2の外部電極15、16の第1又は第2の主面10a、10bの上に設けられた部分の厚みt2との差が、0.5μm以上であることが好ましい。
図2、図3及び図8に示すように、第1の外部電極15は、第1及び第2の主面10a、10b並びに第1及び第2の側面10c、10dの上から第1の端面10eの一部の上に跨がって設けられている。第1の外部電極15は、第1の部分15aと、第2の部分15bと、第3の部分15cと、第4の部分15dとを有する。
第1の部分15aは、第1の主面10a上に位置する部分から、第1の端面10eの一部の上に至っている。このため、第1の部分15aは、第1の主面10aと第1の端面10eとにより構成されたコンデンサ本体10の稜線部を覆っている。
第2の部分15bは、第2の主面10b上に位置する部分から第1の端面10eの上に至っている。このため、第2の部分15bは、第2の主面10bと第1の端面10eとにより構成されたコンデンサ本体10の稜線部を覆っている。第2の部分15bは、第1の部分15aと直接接続されていない。このため、第1の端面10eは、第1の部分15aと第2の部分15bとの間において露出している。
第3の部分15cは、第1の側面10c上に位置する部分から第1の端面10eの上に至っている。このため、第3の部分15cは、第1の側面10cと第1の端面10eとにより構成されたコンデンサ本体10の稜線部を覆っている。
第4の部分15dは、第2の側面10d上に位置する部分から、第1の端面10eの上に至っている。このため、第4の部分15dは、第2の側面10dと第1の端面10eとにより構成されたコンデンサ本体10の稜線部を覆っている。第4の部分15dは、第3の部分15cと直接接続されていない。このため、第1の端面10eは、第3の部分15cと第4の端面15dとの間において露出している。
図2、図3及び図9に示すように、第2の外部電極16は、第1及び第2の主面10a、10b並びに第1及び第2の側面10c、10dの上から第2の端面10fの一部の上に跨がって設けられている。第2の外部電極16は、第5の部分16aと、第6の部分16bと、第7の部分16cと、第8の部分16dとを有する。
第5の部分16aは、第1の主面10a上に位置する部分から、第2の端面10fの一部の上に至っている。このため、第5の部分16aは、第1の主面10aと第2の端面10fとにより構成されたコンデンサ本体10の稜線部を覆っている。
第6の部分16bは、第2の主面10b上に位置する部分から第2の端面10fの上に至っている。このため、第6の部分16bは、第2の主面10bと第2の端面10fとにより構成されたコンデンサ本体10の稜線部を覆っている。第6の部分16bは、第5の部分16aと直接接続されていない。このため、第2の端面10fは、第5の部分16aと第6の部分16bとの間において露出している。
第7の部分16cは、第1の側面10c上に位置する部分から第2の端面10fの上に至っている。このため、第7の部分16cは、第1の側面10cと第2の端面10fとにより構成されたコンデンサ本体10の稜線部を覆っている。
第8の部分16dは、第2の側面10d上に位置する部分から、第2の端面10fの上に至っている。このため、第8の部分16dは、第2の側面10dと第2の端面10fとにより構成されたコンデンサ本体10の稜線部を覆っている。第8の部分16dは、第7の部分16cと直接接続されていない。このため、第2の端面10fは、第7の部分16cと第8の部分16dとの間において露出している。
以上のように、第1の外部電極15の第1〜第4の部分15a〜15dにより、コンデンサ本体10の第1の端面10eと、第1及び第2の主面10a、10b並びに第1及び第2の側面10c、10dのそれぞれとにより構成された稜線部が覆われている。第2の外部電極16の第5〜第8の部分16a〜16dにより、コンデンサ本体10の第2の端面10fと、第1及び第2の主面10a、10b並びに第1及び第2の側面10c、10dのそれぞれとにより構成された稜線部が覆われている。従って、コンデンサ本体10の稜線部が、第1及び第2の外部電極15,16により保護されている。よって、セラミックコンデンサ1に対して、外部から衝撃や応力が加わったとしても、コンデンサ本体10が破損しにくい。従って、セラミックコンデンサ1は、優れた信頼性を有する。
セラミックコンデンサ1では、第1の外部電極15が第1の端面10eの全面を覆っておらず、第2の外部電極16が第2の端面10fの全面を覆っていない。言い換えると、上述したように、第1の端面10eは、第1の部分15aと第2の部分15bとの間において露出しており、第3の部分15cと第4の端面15dとの間において一部が露出している。また、第2の端面10fは、第5の部分16aと第6の部分16bとの間において露出しており、第7の部分16cと第8の部分16dとの間において一部が露出している。よって、外部電極15,16の表面よりも基板との密着力の高いコンデンサ本体10の表面を露出させることができる。このため、セラミックコンデンサ1を基板に内蔵した際にセラミックコンデンサ1と基板との密着強度を高めることができる。従って、コンデンサ内蔵基板内への水分などの浸入を抑制することができる。よって、基板に内蔵された場合であっても、セラミックコンデンサ1は、優れた信頼性を有する。
セラミックコンデンサ1では、第1の外部電極15の第1及び第2の部分15a、15bと、第2の外部電極16の第5及び第6の部分16a、16bとのそれぞれの積層方向Tにおける長さが、セラミックコンデンサ1の積層方向Tに沿った寸法の5%以上15%以下である。第1の外部電極15の第3及び第4の部分15c、15dと、第2の外部電極16の第7及び第8の部分16c、16dとのそれぞれの積層方向Tにおける長さが、セラミックコンデンサ1の幅寸法の5%以上15%以下である。このため、外部電極15,16の表面よりも基板との密着力の高いコンデンサ本体10の表面を最適な範囲で露出させることができる。このため、セラミックコンデンサ1を基板に内蔵した際に、基板との密着性を向上できる。また、外部電極15,16によりコンデンサ本体10の稜線部を保護できるためセラミックコンデンサ1に割れや欠けが発生し難くい。かつ、第1の外部電極15の第3及び第4の部分15c、15dと、第2の外部電極16の第7及び第8の部分16c、16dの長さを最適な範囲にすることにより、セラミックコンデンサ1の長さ方向Lにおける外部電極15,16の寸法もコントロールすることができる。このため、積層セラミックコンデンサ1を実装する基板のキャビティへの挿入不良などが起こりにくく、セラミックコンデンサ1の実装エラーが生じにくい。
また、セラミックコンデンサ1では、第1の外部電極15の第1及び第2の部分15a、15bと、第2の外部電極16の第5及び第6の部分16a、16bとのそれぞれの積層方向Tにおける長さが、セラミックコンデンサ1の積層方向Tに沿った寸法の8%以上12%以下であることがより好ましい。このようにすることにより上述の効果がより顕著になる。
第1及び第2の外部電極15,16の第1又は第2の主面10a、10b上に位置する部分の長さ方向Lに沿った最大長さをL1とし、第1及び第2の外部電極15,16の第1又は第2の主面10a、10b上に位置する部分の最もコンデンサ本体10から積層方向Tにおいて離れた部分から、積層方向Tにおいて、第1又は第2の外部電極15,16の厚みの40%コンデンサ本体10側に後退した部分の第1及び第2の外部電極15,16の長さ方向Lに沿った最大長さをL2としたときに、L2/L1が80%以上90%以下であることが好ましい。
この構成によれば、セラミックコンデンサ1を基板にマウントするときのセラミックコンデンサ1の稜線部に加わる衝撃を効果的に拡散できるため、セラミックコンデンサ1の実装時における割れや欠けを抑制することができる。また、第1及び第2の外部電極15,16の平坦な部分の表面積を大きくできるため、ビアホール電極と第1及び第2の外部電極15,16との優れた電気的接続性を実現することができる。
なお、第1の外部電極及び第2・BR>フ外部電極のいずれかにおいて、L2/L1が80%以上90%以下とすることでも効果を得られるが、第1の外部電極及び第2の外部電極の両方において、L2/L1が80%以上90%以下とすることでより効果を得られる。
第3の外部電極17の第1又は第2の主面10a、10b上に位置する部分の長さ方向Lに沿った最大長さをL3とし、第3の外部電極17の第1又は第2の主面10a、10b上に位置する部分のコンデンサ本体10から積層方向Tにおいて最も離れた部分から、積層方向Tにおいて、第3の外部電極17の厚みの40%だけコンデンサ本体10側の部分の長さ方向Lに沿った最大長さをL4としたときに、L4/L3が80%以上であることが好ましい。
この構成によれば、第1及び第2の外部電極15,16の平坦な部分の表面積を大きくできるため、ビアホール電極と第1及び第2の外部電極15,16との優れた電気的接続性を実現することができる。
第3の外部電極17の第1及び第2の主面10a、10b上に位置する部分の長さ方向Lにおける長さをL5、第3の外部電極17の第1及び第2の側面10c、10d上に位置する部分の長さ方向Lにおける長さをL6としたとき、L5>L6であることが好ましい。この構成によれば、第3の外部電極17の第1及び第2の主面10a、10b上に位置する部分の面積を大きくできる。このため、セラミックコンデンサ1が内蔵された基板に、セラミックコンデンサ1の第3の外部電極17に臨むビアホールを形成するためにレーザー光を照射できる面積を大きくすることができる。従って、ビアホール電極とセラミックコンデンサ1との接続不良を抑制することができる。また、ビアホール電極の位置の自由度が向上する。
セラミックコンデンサ1では、外部電極15,16の主面10a、10b上に位置する部分の幅寸法よりも、外部電極15,16の側面10c、10d上に位置する部分の幅寸法が小さいことが好ましい。この構成によれば、基板との密着性が高いコンデンサ本体10の露出部の面積を大きくすることができる。よって、セラミックコンデンサ1と基板との密着性を向上することができる。よって、セラミックコンデンサ1と基板とが剥離し、剥離部から水分等が浸入することを抑制することができる。その結果、マイグレーションに起因する第1の外部電極15と第2の外部電極16との間で短絡が生じることを抑制することができる。
第1及び第2の外部電極15,16の第1及び第2の主面10a、10bの上に位置する部分の長さ方向Lにおける長さをL7とし、第1及び第2の外部電極15,16の第1及び第2の側面10c、10dの上に位置する部分の長さ方向Lにおける長さをL8としたときに、L7>L8であることが好ましい。この構成によれば、第1及び第2の外部電極15,16の第1及び第2の主面10a、10b上に位置する部分の面積を大きくできる。このため、セラミックコンデンサ1が内蔵された基板に、セラミックコンデンサ1の第1及び第2の外部電極15,16に臨むビアホールを形成するためにレーザー光を照射できる面積を大きくすることができる。従って、ビアホール電極とセラミックコンデンサ1との接続不良を抑制することができる。また、ビアホール電極の位置の自由度を向上することができる。また、第1及び第2の外部電極15,16の第1及び第2の主面10a、10b上に位置する部分の幅よりも、第1及び第2の外部電極15,16の第1及び第2の側面10c、10d上に位置する部分の幅が小さいため、基板との密着性が高いコンデンサ本体10の露出部の面積を大きくすることができる。このため、セラミックコンデンサ1と基板との密着性を向上することができる。よって、セラミックコンデンサ1と基板とが剥離し、剥離部から水分等が浸入することを抑制することができる。その結果、マイグレーションに起因する第1の外部電極15と第2の外部電極16との間で短絡が生じることを抑制することができる。
なお、第3の外部電極17の第1及び第2の主面10a、10b上に位置する部分の長さ方向Lにおける長さをL5、第3の外部電極17の第1及び第2の側面10c、10d上に位置する部分の長さ方向Lにおける長さをL6としたとき、L6/L5が0.77以上0.96以下であることが好ましい。第1及び第2の外部電極15,16の第1及び第2の主面10a、10bの上に位置する部分の長さ方向Lにおける長さをL7とし、第1及び第2の外部電極15,16の第1及び第2の側面10c、10dの上に位置する部分の長さ方向Lにおける長さをL8としたときに、L8/L7が0.78以上0.96以下であることが好ましい。この構成によれば、より効果的に上述の効果を得ることができる。
第3の外部電極17の第1又は第2の主面10a、10b上に位置する部分の厚みは、第1及び第2の外部電極15,16の第1又は第2の主面10a、10b上に位置する部分の厚みよりも薄いことが好ましい。この構成によれば、セラミックコンデンサ1を、基板に実装する際、実装機の実装ノズルが、長さ方向Lにおける中央に位置する第3の外部電極17のみに当接することを防ぐことができ、その両側の第1及び第2の外部電極15,16にも当接させ得るため、応力を分散させることができる。このため、外部電極15〜17を起点としてコンデンサ本体10にクラックが発生することを抑制することができる。
コンデンサ本体10にクラックが発生することをより効果的に抑制する観点からは、第3の外部電極17の第1又は第2の主面10a、10b上に位置する部分の厚みと、第1及び第2の外部電極15,16の第1又は第2の主面10a、10b上に位置する部分の厚みとの差が、0.5μm以上15μm以下であることが好ましい。
第3の外部電極17のコンデンサ本体10に接触している部分の長さ方向Lに沿った寸法をL9とし、第3の外部電極17の最上面の長さ方向Lに沿った寸法をL10としたときに、L9<L10であることが好ましい。この構成によれば、第3の外部電極17と基板との間でアンカー効果が生じ、基板とセラミックコンデンサ1との密着強度を向上することができる。また、L9<L10とすることで、第1の外部電極15と第3の外部電極17との間の距離、及び第2の外部電極16と第3の外部電極17との間の距離を小さくすることができる。そのため、イオンマイグレーションの発生を抑制することが可能となる。同様の観点から、第1の外部電極15のコンデンサ本体10に接触している部分の長さ方向Lに沿った寸法を、第1の外部電極15の最上面の長さ方向Lに沿った寸法よりも小さくすることが好ましい。第2の外部電極16のコンデンサ本体10に接触している部分の長さ方向Lに沿った寸法を、第2の外部電極16の最上面の長さ方向Lに沿った寸法よりも小さくすることが好ましい。
なお、外部電極15〜17のそれぞれの横断面形状は、コンデンサ本体10側から離れるにしたがって幅広となるテーパ形状であることが好ましい。これにより、上記の効果をより顕著なものにすることができる。
(セラミックコンデンサ1の製造方法)
次に、セラミックコンデンサ1の製造方法の一例について説明する。
次に、セラミックコンデンサ1の製造方法の一例について説明する。
まず、セラミックグリーンシート、内部電極用導電性ペースト及び外部端子電極用導電性ペーストをそれぞれ準備する。セラミックグリーンシート及び導電性ペーストは、バインダ及び溶剤を含有していてもよい。セラミックグリーンシート及び導電性ペーストに用いられるバインダ及び溶媒は、例えば、公知のものを用いることができる。
次に、セラミックグリーンシート上に、例えば、スクリーン印刷法やグラビア印刷法などにより所定のパターンに導電性ペーストを印刷し、内部電極パターンを形成する。
次に、内部電極パターンが印刷されていない外層用セラミックグリーンシートを所定枚数積層し、その上に内部電極パターンが印刷されたセラミックグリーンシートを順次積層し、その上に外層用セラミックグリーンシートを所定枚数積層し、マザー積層体を作製する。その後、マザー積層体を静水圧プレスなどの手段により積層方向にプレスする。
次に、マザー積層体を所定のサイズにカットし、生のセラミック積層体を切り出す。このとき、バレル研磨などにより生のセラミック積層体の稜線部や角部に丸みをつけてもよい。
所定のサイズにカットされた生のセラミック積層体の側面に露出する内部電極露出部上に、下地電極ペーストを塗布する。下地電極ペーストの塗布方法は、限定されない。下地電極ペーストの塗布方法としては、例えば、ローラ転写法等が挙げられる。ローラ転写法で下地電極層を形成することにより、例えば、ローラの押しつけ圧力を制御することにより、積層体の側面上のみや、積層体のコーナー部又は稜部、積層体の主面の一部上にも形成することができる。
なお、ローラ転写法とは、具体的には、以下のような方法である。ローラ転写法の塗布ローラは、弾性体からなるものであってもよいし、金属からなるものであってもよい。塗布ローラの周面には、溝が形成されている。塗布ローラの溝には下地電極ペーストが充填されており、チップ側面上を塗布ローラが当接して移動することで、下地電極ペーストがチップ側面に転写される。なお、生のセラミック積層体をローラの回転と同期するようにローラ回転方向へ移動させて転写してもよい。また、転写後に、下地電極ペーストが充填されていないローラを、チップ端面に押し付けることで、余剰に転写された導電ペーストを除去してもよい。
次に、生のセラミック積層体を焼成することによりコンデンサ本体10を得る。焼成温度は、用いられるセラミック材料や導電材料にもよるが、例えば、900℃以上1300℃以下であることが好ましい。この後に、コンデンサ本体10をバレル研磨するなどしてコンデンサ本体10の稜線部や角部に丸みをつけてもよい。
次に、その後、薄膜電極層を形成する。まず、薄膜電極層は下地電極層が形成された焼成済みのコンデンサ本体10を専用マスク冶具に振込む。このマスク冶具は、薄膜電極層を形成したい領域のみを露出させることができるように構成されている。そして、コンデンサ本体10の主面うち、外部電極を形成したい領域のみを露出させた状態で、スパッタ設備にコンデンサ本体10を供給して、コンデンサ本体10の主面の所定の領域に、スパッタリング法等により薄膜電極層を形成する。例えば、NiCr膜と、NiCu膜の2層の薄膜電極層(コンデンサ本体10に接する薄膜電極層)を形成する。
次に、薄膜電極層上にめっき層を形成することにより外部電極15〜17を完成させる。めっき層は単層でも複数層でもよいが、最外層はCuめっき層とする。めっき層は、例えば、電解めっき法や無電解めっき法等で形成することができる。
めっき層を電解めっき法により形成する場合、具体的には、めっき液で満たされためっき浴、カソード電極及びアノード電極とを準備する。めっき液内でカソード電極とアノード電極間にめっき電圧を印加し、コンデンサ本体10に形成された焼結電極層にカソード電極が接触するように通電させる。このようにすることにより、めっき層が焼結電極層上に析出する。なお、めっき浴内にコンデンサ本体10と共に導電メディアを入れて、導電メディアを介してコンデンサ本体10の焼結電極層に通電させてもよい。なお、焼成電極層に通電させる方法としては、例えば、振動によりコンデンサ本体10と導電メディアを攪拌することでめっきする振動めっき法、バレル内に入れられた導電メディアとコンデンサ本体10とを回転攪拌させながらめっきする回転バレルめっき法、バレルの遠心力によりコンデンサ本体10を攪拌しめっきする遠心めっき法等が好ましく用いられる。
さらに、必要に応じて、熱処理及び外部電極の表面処理を行う。熱処理をすることにより、外部電極15〜17を緻密化することができ、信頼性が向上する。また、外部電極15〜17の表面を表面処理することにより、外部電極15〜17の表面を租化することができ、部品内蔵用基板に埋めこんだ際に、基板の樹脂と外部電極15〜17との密着性が向上する。
以上の工程により、セラミックコンデンサ1を製造することができる。
以下、本発明について、具体的な実施例に基づいて、さらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。
(実施例1)
第1の実施形態に係るセラミックコンデンサ1と実質的に同様の構成を有するコンデンサを第1の実施形態において説明した製造方法を用いて、以下の条件で1000個作製した。
第1の実施形態に係るセラミックコンデンサ1と実質的に同様の構成を有するコンデンサを第1の実施形態において説明した製造方法を用いて、以下の条件で1000個作製した。
条件:
セラミックコンデンサの寸法(規格寸法):L×W×T=1.000mm×0.600mm×0.220mm
セラミック材料:BaTi2O3
容量:1μF
定格電圧:6.3V
外部電極の構造:下地電極層/薄膜電極層/めっき層
下地電極層:Ni焼成電極層
薄膜電極層:NiCrスパッタ膜/NiCuスパッタ膜
めっき層:1層のCuめっき層
下地電極層の厚み(中央部):6μm
薄膜電極層の厚み(中央部):合計0.3μm(各層0.15μmずつ)
めっき層の厚み(中央部):10μm
第1,第2,第5及び第6の部分の厚み方向に沿った長さ:11μm
第3,第4,第7及び第8の部分の幅方向に沿った長さ:30μm
セラミックコンデンサの寸法(規格寸法):L×W×T=1.000mm×0.600mm×0.220mm
セラミック材料:BaTi2O3
容量:1μF
定格電圧:6.3V
外部電極の構造:下地電極層/薄膜電極層/めっき層
下地電極層:Ni焼成電極層
薄膜電極層:NiCrスパッタ膜/NiCuスパッタ膜
めっき層:1層のCuめっき層
下地電極層の厚み(中央部):6μm
薄膜電極層の厚み(中央部):合計0.3μm(各層0.15μmずつ)
めっき層の厚み(中央部):10μm
第1,第2,第5及び第6の部分の厚み方向に沿った長さ:11μm
第3,第4,第7及び第8の部分の幅方向に沿った長さ:30μm
(比較例1)
比較例1として、第1の内部電極の引き出し部がそれぞれの端面にのみ引き出されており、第1及び第2の外部電極がコンデンサ本体の端面全体を覆うように外部電極が形成されたセラミックコンデンサを準備した。なお、外部電極を、Ni焼成電極層からなる下地電極と、その上に形成された1層のCuめっき層の積層体により構成した。それ以外は、実施例1と同様にして1000個のサンプルを作製した。
比較例1として、第1の内部電極の引き出し部がそれぞれの端面にのみ引き出されており、第1及び第2の外部電極がコンデンサ本体の端面全体を覆うように外部電極が形成されたセラミックコンデンサを準備した。なお、外部電極を、Ni焼成電極層からなる下地電極と、その上に形成された1層のCuめっき層の積層体により構成した。それ以外は、実施例1と同様にして1000個のサンプルを作製した。
(密着性の評価)
実施例1及び比較例1で作製したセラミックコンデンサを基板に内蔵し、セラミックコンデンサ内蔵基板を作製した。次に、セラミックコンデンサ内蔵基板を、セラミックコンデンサの側面と平行にセラミックコンデンサの幅方向寸法が1/2となるまでセラミックコンデンサ内蔵基板を研磨し断面を露出させた。
実施例1及び比較例1で作製したセラミックコンデンサを基板に内蔵し、セラミックコンデンサ内蔵基板を作製した。次に、セラミックコンデンサ内蔵基板を、セラミックコンデンサの側面と平行にセラミックコンデンサの幅方向寸法が1/2となるまでセラミックコンデンサ内蔵基板を研磨し断面を露出させた。
次に、上記断面を金属顕微鏡を用いて、基板とセラミックコンデンサとが密着しているか否かを観察し、基板とセラミックコンデンサとが密着していないサンプルを不良品として、不良品の個数をカウントした。結果を表1に示す。
(実験例)
第1の実施形態に係るセラミックコンデンサ1と実質的に同様の構成を有するコンデンサを第1の実施形態において説明した製造方法を用いて、表2に示す条件で各1000個作製し、密着性の評価、割れ、欠けの発生率の算出、及び実装性の評価を行った。
第1の実施形態に係るセラミックコンデンサ1と実質的に同様の構成を有するコンデンサを第1の実施形態において説明した製造方法を用いて、表2に示す条件で各1000個作製し、密着性の評価、割れ、欠けの発生率の算出、及び実装性の評価を行った。
(密着性の評価)
上記評価方法と同様の方法で、各実験例において作製したセラミックコンデンサの密着性を評価した。結果を表2〜表11に示す。
上記評価方法と同様の方法で、各実験例において作製したセラミックコンデンサの密着性を評価した。結果を表2〜表11に示す。
(割れ、欠けの発生率)
各実験例で作製したセラミックコンデンサの第1及び第2の端面を金属顕微鏡を用いて観察し、割れ、欠けが発生したサンプルを不良品として不良品の数をカウントした。結果を表2〜表11に示す。
各実験例で作製したセラミックコンデンサの第1及び第2の端面を金属顕微鏡を用いて観察し、割れ、欠けが発生したサンプルを不良品として不良品の数をカウントした。結果を表2〜表11に示す。
(実装性評価)
基板のセラミックコンデンサを内蔵するキャビティに実装機を用いてセラミックコンデンサを実装し、実装できなかったものを不良品として不良品の数をカウントした。実装機としては、SIGMA−G:日立ハイテクノロジーズを用いた。キャビティのサイズは、L×W=1.080mm×0.670mmとした。結果を表2〜表11に示す。
基板のセラミックコンデンサを内蔵するキャビティに実装機を用いてセラミックコンデンサを実装し、実装できなかったものを不良品として不良品の数をカウントした。実装機としては、SIGMA−G:日立ハイテクノロジーズを用いた。キャビティのサイズは、L×W=1.080mm×0.670mmとした。結果を表2〜表11に示す。
(第1〜第8の部分の長さの測定方法)
第1〜第4の部分の長さは、セラミックコンデンサを第1の端面側から金属顕微鏡を用いて観察し、最長部の長さを測定することにより求めた。
第1〜第4の部分の長さは、セラミックコンデンサを第1の端面側から金属顕微鏡を用いて観察し、最長部の長さを測定することにより求めた。
第5〜第8の部分の長さは、セラミックコンデンサを第2の端面側から金属顕微鏡を用いて観察し、最長部の長さを測定することにより求めた。
下記の表2〜表11における記号の意味は、以下の通りである。
T1:第1及び第5の部分の積層方向Tに沿った長さである。具体的には、第1及び第2の外部電極のうち、第1及び第2の主面上に位置する部分の表面から、第1及び第2の外部電極のうち、第1及び第2の端面上に位置する部分の先端までの積層方向Tにおける最大長さ(μm)である。
T2:第2及び第6の部分の積層方向Tに沿った長さである。具体的には、第1及び第2の外部電極のうち、第1及び第2の主面に位置する部分の表面から、第1及び第2の外部電極のうち、第1及び第2の端面上に位置する部分の先端までの、積層方向Tにおける最大長さ(μm)である。
T:セラミックコンデンサの積層方向Tに沿った長さ(μm)
W1:第3及び第7の部分の幅方向Wに沿った長さである。具体的には、第1及び第2の外部電極のうち、第1及び第2の側面上に位置する部分の表面から、第1及び第2の外部電極のうち、第1及び第2の端面上に位置する部分の先端までの、長さ方向Lにおける最大長さ(μm)である。
W2:第4及び第8の部分の幅方向Wに沿った長さである。具体的には、第1及び第2の外部電極のうち、第1及び第2の側面上に位置する部分の表面から、第1及び第2の外部電極のうち、第1及び第2の端面上に位置する部分の先端までの、長さ方向Lにおける最大長さ(μm)である。
W:セラミックコンデンサの幅方向Wに沿った長さ(μm)
S1:第1及び第2の端面のそれぞれの第1又は第2の外部電極から露出している部分の面積(mm2)
S2:第1及び第2の端面のそれぞれの第1又は第2の外部電極に覆われている部分の面積(mm2)
S2:第1及び第2の端面のそれぞれの第1又は第2の外部電極に覆われている部分の面積(mm2)
L1:第1〜第8の部分の長さ方向Lに沿った厚み(μm)
なお、T1、T2、T、W1、W2、W、S1、S2、Lは、以下の要領で測定した。
(T1の測定方法)
T1は、セラミックコンデンサを第1及び第2の端面側から金属顕微鏡を用いて観察し、第1及び第2の外部電極の第1の主面上に形成されている部分の表面から、第1及び第2の外部電極の第1及び第2の端面上に位置する部分の先端までの厚み方向Tに沿った最大長さをそれぞれ測定した。実施例では、第1の部分の長さと第5の部分の長さとが同じになるように形成している。
T1は、セラミックコンデンサを第1及び第2の端面側から金属顕微鏡を用いて観察し、第1及び第2の外部電極の第1の主面上に形成されている部分の表面から、第1及び第2の外部電極の第1及び第2の端面上に位置する部分の先端までの厚み方向Tに沿った最大長さをそれぞれ測定した。実施例では、第1の部分の長さと第5の部分の長さとが同じになるように形成している。
(T2の測定方法)
T2は、セラミックコンデンサを第1及び第2の端面側から金属顕微鏡を用いて観察し、第1及び第2の外部電極の第2の主面上に形成された部分の表面から、第1及び第2の外部電極の第1及び第2の端面上に位置する部分の先端までの最大長さを測定した。実施例では、第2の部分の長さと第6の部分の長さとが同じになるように形成している。
T2は、セラミックコンデンサを第1及び第2の端面側から金属顕微鏡を用いて観察し、第1及び第2の外部電極の第2の主面上に形成された部分の表面から、第1及び第2の外部電極の第1及び第2の端面上に位置する部分の先端までの最大長さを測定した。実施例では、第2の部分の長さと第6の部分の長さとが同じになるように形成している。
(Tの測定方法)
Tは、セラミックコンデンサの厚み方向Tに沿った長さをマイクロスコープを用いて測定した。
Tは、セラミックコンデンサの厚み方向Tに沿った長さをマイクロスコープを用いて測定した。
(W1の測定方法)
W1は、セラミックコンデンサを第1及び第2の端面側から金属顕微鏡を用いて観察し、第1及び第2の外部電極の第1の側面上に位置する部分の表面から、第1及び第2の外部電極の第1及び第2の端面上に位置する部分の先端までの最大長さを測定した。実施例では、第3の部分の長さと第7の部分の長さとが同じになるように形成している。
W1は、セラミックコンデンサを第1及び第2の端面側から金属顕微鏡を用いて観察し、第1及び第2の外部電極の第1の側面上に位置する部分の表面から、第1及び第2の外部電極の第1及び第2の端面上に位置する部分の先端までの最大長さを測定した。実施例では、第3の部分の長さと第7の部分の長さとが同じになるように形成している。
(W2の測定方法)
W2は、セラミックコンデンサを第1及び第2の端面側から金属顕微鏡を用いて観察し、第1及び第2の外部電極の第2の側面の上に位置している部分の表面から、第1及び第2の外部電極の第1及び第2の端面の上に位置している部分の先端までの最大長さを測定した。実施例では、第4の部分の長さと第8の部分の長さとが同じになるように形成している。
W2は、セラミックコンデンサを第1及び第2の端面側から金属顕微鏡を用いて観察し、第1及び第2の外部電極の第2の側面の上に位置している部分の表面から、第1及び第2の外部電極の第1及び第2の端面の上に位置している部分の先端までの最大長さを測定した。実施例では、第4の部分の長さと第8の部分の長さとが同じになるように形成している。
(Wの測定方法)
Wは、セラミックコンデンサの幅方向に沿った長さをマイクロスコープを用いて測定した。
Wは、セラミックコンデンサの幅方向に沿った長さをマイクロスコープを用いて測定した。
(S1の測定方法)
S1は、第1又は第2の端面において、コンデンサ本体の長さ方向Lに沿った長さと、コンデンサ本体の厚み方向Tに沿った長さとをマイクロメータを用いて測定し、それらの値の積により算出した。なお、コンデンサ本体の長さ方向Lに沿った長さは、セラミックコンデンサの厚み方向Tにおける中央で測定した。コンデンサ本体の表面における厚み方向Tに沿った長さは、セラミックコンデンサの幅方向Wの中央で測定した。
S1は、第1又は第2の端面において、コンデンサ本体の長さ方向Lに沿った長さと、コンデンサ本体の厚み方向Tに沿った長さとをマイクロメータを用いて測定し、それらの値の積により算出した。なお、コンデンサ本体の長さ方向Lに沿った長さは、セラミックコンデンサの厚み方向Tにおける中央で測定した。コンデンサ本体の表面における厚み方向Tに沿った長さは、セラミックコンデンサの幅方向Wの中央で測定した。
(S2の測定方法)
S2は、まず、第1又は第2の主面を平面視した際の第1又は第2の外部電極と第3の外部電極間の長さG1と、第1又は第2の側面を平面視した際の第1又は第2の外部電極と第3の外部電極間の長さG2をマイクロスコープを用いて測定した。その後、G1×G2によりコンデンサ本体の表面積を求め、コンデンサ本体の表面積からS1を除算することによりS2の値を算出した。
S2は、まず、第1又は第2の主面を平面視した際の第1又は第2の外部電極と第3の外部電極間の長さG1と、第1又は第2の側面を平面視した際の第1又は第2の外部電極と第3の外部電極間の長さG2をマイクロスコープを用いて測定した。その後、G1×G2によりコンデンサ本体の表面積を求め、コンデンサ本体の表面積からS1を除算することによりS2の値を算出した。
(L1の測定方法)
実施例2〜161のそれぞれにおいて作製したセラミックコンデンサの幅方向の中央部の長さ方向Lにおける長さから、実施例1において作製したセラミックコンデンサの幅方向の中央部の長さ方向Lにおける長さを除算して得られた値の1/2をL1とした。なお、長さは、マイクロメータを用いて測定した。
実施例2〜161のそれぞれにおいて作製したセラミックコンデンサの幅方向の中央部の長さ方向Lにおける長さから、実施例1において作製したセラミックコンデンサの幅方向の中央部の長さ方向Lにおける長さを除算して得られた値の1/2をL1とした。なお、長さは、マイクロメータを用いて測定した。
表2〜表11に示す結果から、T1/T、T2/T、W1/W、W2/Wを5%以上15%以下とすることにより、外部電極の表面よりも基板との密着性の高いコンデンサ本体10の露出部を最適な範囲で露出させることができる。このため、基板に内蔵した際の基板との密着不良が発生することを効果的に抑制でき、コンデンサ本体10の稜線部を保護することができる。よって、セラミックコンデンサに割れ、欠けが発生することを効果的に抑制できる。また、第1の外部電極15の第3及び第4の部分15c、15dと、第2の外部電極16の第7及び第8の部分16c、16dの長さを最適な範囲にすることにより、セラミックコンデンサ1の長さ方向における外部電極の寸法もコントロールすることができる。従って、積層セラミックコンデンサを実装する基板のキャビティへの挿入不良などを起こしにくく、実装不良が発生することを効果的に抑制できることが分かる。
1 :セラミックコンデンサ
10 :コンデンサ本体
10a :第1の主面
10b :第2の主面
10c :第1の側面
10d :第2の側面
10e :第1の端面
10f :第2の端面
10g :セラミック部
11 :第1の内部電極
11a :対向部
11b :第1の引き出し部
11c :第2の引き出し部
11d :第3の引き出し部
11e :第4の引き出し部
12 :第2の内部電極
12a :対向部
12b :第5の引き出し部
12c :第6の引き出し部
15 :第1の外部電極
15a :第1の部分
15b :第2の部分
15c :第3の部分
15d :第4の部分
16 :第2の外部電極
16a :第5の部分
16b :第6の部分
16c :第7の部分
16d :第8の部分
17 :第3の外部電極
10 :コンデンサ本体
10a :第1の主面
10b :第2の主面
10c :第1の側面
10d :第2の側面
10e :第1の端面
10f :第2の端面
10g :セラミック部
11 :第1の内部電極
11a :対向部
11b :第1の引き出し部
11c :第2の引き出し部
11d :第3の引き出し部
11e :第4の引き出し部
12 :第2の内部電極
12a :対向部
12b :第5の引き出し部
12c :第6の引き出し部
15 :第1の外部電極
15a :第1の部分
15b :第2の部分
15c :第3の部分
15d :第4の部分
16 :第2の外部電極
16a :第5の部分
16b :第6の部分
16c :第7の部分
16d :第8の部分
17 :第3の外部電極
Claims (8)
- 長さ方向及び長さ方向に対して垂直な幅方向に沿って延びる第1及び第2の主面と、長さ方向と、長さ方向及び幅方向のそれぞれに対して垂直な積層方向とに沿って延びる第1及び第2の側面と、幅方向及び積層方向に沿って延びる第1及び第2の端面とを有するコンデンサ本体と、
前記コンデンサ本体内に配されており、前記第1及び第2の側面のそれぞれに露出する複数の内部電極と、
前記第1の側面の前記内部電極の露出部と、前記第2の側面の前記内部電極の露出部とから前記第1及び第2の主面の上に跨がるように形成された複数の外部電極と、
を備え、
前記複数の内部電極は、
第1の内部電極と、
前記第1の内部電極と積層方向において対向する第2の内部電極と、
を含み、
前記第1の内部電極は、
前記第2の内部電極と対向する第1の対向部と、
前記第1の対向部に接続されており、それぞれ、前記第1の側面に引き出された第1及び第2の引き出し部と、
前記第1の対向部に接続されており、それぞれ、前記第2の側面に引き出された第3及び第4の引き出し部と、
を有し、
前記第2の内部電極は、
前記第1の対向部と対向する第2の対向部と、
前記第2の対向部に接続されており、前記第1の側面に引き出された第5の引き出し部と、
前記第2の対向部に接続されており、前記第2の側面に引き出された第6の引き出し部と、
を有し、
前記複数の外部電極は、
前記第1の側面の前記第1の引き出し部の露出部と、前記第2の側面の前記第3の引き出し部の露出部とを覆い、かつ、前記第1の側面、前記第1の主面、前記第2の側面及び前記第2の主面を周回するように設けられた第1の外部電極と、
前記第1の側面の前記第2の引き出し部の露出部と、前記第2の側面の前記第4の引き出し部の露出部とを覆い、かつ、前記第1の側面、前記第1の主面、前記第2の側面及び前記第2の主面を周回するように設けられた第2の外部電極と、
前記第1の側面の前記第5の引き出し部の露出部と、前記第2の側面の前記第6の引き出し部の露出部とを覆うように、前記第1の側面、前記第1の主面、前記第2の側面及び前記第2の主面を周回するように設けられた第3の外部電極と、
を有し、
前記第1の外部電極は、
前記第1の主面上に位置する部分から前記第1の端面の一部の上に至る第1の部分と、
前記第2の主面上に位置する部分から前記第1の端面の一部の上に至る第2の部分と、
前記第1の側面上に位置する部分から前記第1の端面の一部の上に至る第3の部分と、
前記第2の側面上に位置する部分から前記第1の端面の一部の上に至る第4の部分と、
を有し、
前記第2の外部電極は、
前記第1の主面上に位置する部分から前記第2の端面の一部の上に至る第5の部分と、
前記第2の主面上に位置する部分から前記第2の端面の一部の上に至る第6の部分と、
前記第1の側面上に位置する部分から前記第2の端面の一部の上に至る第7の部分と、
前記第2の側面上に位置する部分から前記第2の端面の一部の上に至る第8の部分と、
を有し、
前記第1及び第2の外部電極のそれぞれの最外層が、Cuめっき層により構成されている、セラミックコンデンサ。 - 前記第1及び第2の部分並びに前記第5及び第6の部分のそれぞれの積層方向における長さが、前記セラミックコンデンサの積層方向に沿った寸法の5%以上15%以下であり、
前記第3及び第4の部分並びに前記第7及び第8の部分のそれぞれの積層方向における長さが、前記セラミックコンデンサの幅寸法の5%以上15%以下である、請求項1に記載のセラミックコンデンサ。 - 前記第1,第2,第5及び第6の部分のそれぞれの積層方向に沿った長さは、前記第3,第4,第7及び第8の部分の幅方向に沿った長さより短い、請求項1又は2に記載のセラミックコンデンサ。
- 前記セラミックコンデンサの積層方向に沿った寸法が、前記セラミックコンデンサの幅方向に沿った寸法よりも小さい、請求項1〜3のいずれか一項に記載のセラミックコンデンサ。
- 前記第3の外部電極の前記第1又は第2の主面上に位置する部分の長さ方向に沿った長さが、前記第3の外部電極の前記第1又は第2の側面の上に位置する部分の長さ方向に沿った長さよりも大きい、請求項1〜4のいずれか一項に記載のセラミックコンデンサ。
- 前記第1の外部電極の前記第1又は第2の主面上に位置する部分の長さ方向に沿った長さが、前記第1の外部電極の前記第1及び第2の側面上に位置する部分の長さ方向に沿った長さよりも長く、
前記第2の外部電極の前記第1又は第2の主面上に位置する部分の長さ方向に沿った長さが、前記第2の外部電極の前記第1及び第2の側面上に位置する部分の長さ方向に沿った長さよりも長い、請求項1〜5のいずれか一項に記載のセラミックコンデンサ。 - 前記第1及び第2の外部電極の前記第1又は第2の主面上に位置する部分の長さ方向に沿った最大長さをL1とし、前記第1及び第2の外部電極の前記第1又は第2の主面上に位置する部分の最もコンデンサ本体から積層方向において離れた部分から、積層方向において、前記第1又は前記第2の外部電極の厚みの40%前記コンデンサ本体側に後退した部分の前記第1及び第2の外部電極の長さ方向に沿った最大長さをL2としたときに、L2/L1が80%以上90%以下であり、
前記第3の外部電極の前記第1又は第2の主面上に位置する部分の長さ方向に沿った最大長さをL3とし、前記第3の外部電極の前記第1又は第2の主面上に位置する部分の最もコンデンサ本体から積層方向において離れた部分から、積層方向において、前記第3の外部電極の厚みの40%前記コンデンサ本体側に後退した部分の前記第3の外部電極の長さ方向に沿った最大長さをL4としたときに、L4/L3が80%以上である、請求項1〜6に記載のセラミックコンデンサ。 - 前記第1〜第3の外部電極の少なくともひとつの電極の前記コンデンサ本体と接触している部分の長さ方向に沿った長さが、当該電極の最上面の長さ方向に沿った長さよりも短い、請求項1〜7のいずれか一項に記載のセラミックコンデンサ。
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