JP2017210391A - 窒化物半導体自立基板作製方法 - Google Patents

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【課題】より安価に貫通転位密度の少ない窒化物半導体自立基板が作製できるようにする。【解決手段】成長基板101の上に、六方晶系の窒化ホウ素(h−BN)からなる分離層102を形成し、分離層102の上にAlNからなるAlN層103を+c軸方向に結晶成長し、AlN層103の主表面を酸化して酸化アルミニウムに変質させて変質層104とし、変質層104の主表面を窒化して主表面をN極性とした成長準備層105とし、成長準備層105の上に、GaNを窒素極性で結晶成長してGaNの結晶からなるブール106を形成する。【選択図】 図1

Description

本発明は、GaN,AlN,InGaN,InNなどの窒化物半導体の結晶からなる窒化物半導体自立基板作製方法に関する。
近年、発光ダイオードやレーザなどの発光素子に用いる半導体材料として、III族窒化物半導体が着目されている。例えば、III族窒化物半導体としてGaNやInGaNなどがある。この窒化物半導体は、赤外光から紫外光の広い波長範囲に対応するバンドギャップエネルギーを有し、青色や緑色などの発光ダイオード(LED)や、発振波長が紫外域から赤外域の半導体レーザの材料として有望視されている。省エネの照明用に実用化され、広く市販されている白色LEDは、窒化物半導体からなる青色LEDと、黄色の蛍光材料との組み合わせから、構成されている。例えば、市販の高密度のDVD(Digital Versatile Disk)の記録・読み出しには、窒化物半導体からなる波長400〜410nmの半導体レーザが用いられている。
このような素子においては、結晶性の良い半導体薄膜が必須である。一般に、半導体素子は、単結晶基板上に基板と同種の材料からなる単結晶薄膜を複数積層した構造からなっている。このことによって、欠陥の少ない高品質な単結晶薄膜の成長が可能となっている。欠陥のうち、特に注目すべきは、転位である。光素子においては、この転位密度は、発光効率や素子寿命などの素子特性に大きな影響を与える。例えば、InP系の光ファイバ通信に用いられる半導体レーザにおいては、この転位密度を103/cm2以下にすることによって初めてシステムからの要求である素子寿命10万時間を確保できている。
ところが、窒化物半導体の場合、例えば、窒化物半導体の中心材料であるGaNにおいては、窒素(N)の気相・固相間の平衡蒸気圧が、従来からあるIII-V族半導体材料、例えば、InPの燐(P)の平衡蒸気圧に較べて数桁高い。このため、GaN単結晶基板を安価で作製することはできない。現在市販の白色LEDや青色交通信号機などには、サファイア基板が用いられている。GaNとサファイアとの間の格子不整は13.8%あり、GaN中には密度108-9/cm2もの貫通転位が存在している。このため、白色LEDの効率も、現状では、蛍光灯の2倍を超える程度である180lm/wでしかない。
殺菌灯として期待されている波長260nmの紫外LEDでは、転位密度の減少に伴い発光効率は改善されている(非特許文献1参照)。しかしながら、材料固有のバンドギャップエネルギーの制限から、発光層とキャリア注入層(クラッド層)との間のバンドギャップ差を大きくできないため、発光効率は限界に達している。
また、窒化物半導体には、窒化物半導体の物性から、高いパフォーマンスを有するトランジスタも期待されている。キャリアを基板表面に平行に移動する、いわゆる、横型トランジスタ、例えば、高電子移動度トランジスタ(HEMT)では、貫通転位が電子の移動度を低下させてしまう。また、基板表面に垂直な方向にキャリアを移動させる縦型トランジスタは、高耐圧・大電力動作が期待されているが、キャリアが貫通転位と平行に走行するために、横型トランジスタ以上に大きく貫通転位の影響を受ける。
以上のことを検討すると、基板としての1つの解は、GaN基板を用いることである。現在、「自立基板」と称されるGaN基板が市販されている。市販されているGaN自立基板の価格は、直径2インチで20〜30万円程度である。この基板は、GaAsやサファイアなどの単結晶基板上へのGaN成長、基板剥離、GaNの切断、GaN基板の研磨の工程を通して作製されている。紫外LEDの場合、このGaN自立基板を用いることによって、LED構造内の転位密度を低減でき、発光効率を1桁以上向上させることが実現されている(非特許文献2参照)。
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ところで、現在、一般には、サファイア基板を成長基板として用い、この上に有機金属気相成長(MOVPE)法を用いて膜厚1〜2μm程度のGaN単結晶薄膜を結晶成長し、その後、成長速度がMOVPE法に較べて二桁早いハイドライド気相成長(HVPE)法を用いて、厚膜GaNを成長し、この後、成長基板を除去してインゴット状のGaN膜を形成し、これを所望の厚さの基板に切り出すことで、GaN自立基板を作製している。現状では、インゴット状のGaN膜は、Ga極性(III族極性)で成長されている。この極性は、従来から実用化されてきたGaAsやInPの立方晶状の結晶構造であるジンクブレンド型にはないGaNの結晶構造である六方晶状の結晶構造であるウルツ鉱型特有の特性である。
以下、図3を用いて上記極性について説明する。図3は、ウルツ鉱型のc軸方向に結晶成長したときの極性を示す説明図である。図3の(a)に示すように、Ga(+C)極性成長の場合には、気相−固相間の平衡蒸気圧の高いN原子1個がGa原子1個で捕獲されている。一方、図3の(b)に示すように、N(−C)極性では、N原子1個がGa原子3個で捕獲されている。このように、N極性成長では、Ga極性成長の場合より、N原子が捕獲されやすいことになる。従って、極性によって、結晶成長の状況が左右されることが容易に類推される。
市販のLEDなどは、全てGa極性成長で作製されている。この理由は、N極性成長に較べて、成長が容易なためである(非特許文献3参照)。Ga極性で作製されるGaN自立基板用の厚膜GaN成長後の状態を、図4を用いて説明する。直径2インチのGaN自立基板を得るために、直径2.5インチのサファイア基板401が用いられている。成長させているGaN膜402の側壁の面方位は、{1−101}または{1−102}となり、GaN膜402の膜厚が厚くなるのにともない直径が小さくなる。成長したGaN膜402の膜厚が7〜8mm程度に到達すると、最上面の直径が2インチにまで小さくなり、これ以上成長させることができない状態となる。この厚さでは、6枚程度しかGaN自立基板を作製できない。このため、現状の作製技術では、一枚の自立基板の作製のために、高いコストを要し、GaN自立基板が高価になってしまうという問題がある。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、より安価に貫通転位密度の少ない窒化物半導体自立基板が作製できるようにすることを目的とする。
本発明に係る窒化物半導体自立基板作製方法は、成長基板の上に六方晶系の窒化ホウ素からなる分離層を形成する第1工程と、分離層の上にAlNからなるAlN層を+c軸方向に結晶成長する第2工程と、AlN層の主表面を酸化して変質させて変質層とする第3工程と、変質層の主表面を窒化して主表面をN極性とする成長準備層とする第4工程と、主表面をN極性とした成長準備層の上に、GaN、AlN、InGaNおよびInNのいずれかの窒化物半導体を窒素極性で結晶成長して窒化物半導体の結晶からなるブールを作製する第5工程と、成長基板を分離層で分離することでブールより成長基板を取り除く第6工程と、ブールを分割して複数の窒化物半導体自立基板を作製する第7工程とを備える。
上記窒化物半導体自立基板作製方法において、成長基板は、単結晶ニッケル、単結晶鉄、鉄とシリコンの合金の単結晶および鉄とガリウムの合金の単結晶の何れかから構成されて主表面が(111)面とされている。
以上説明したことにより、本発明によれば、より安価に窒化物半導体自立基板が作製できるという優れた効果が得られる。
図1は、本発明の実施の形態における窒化物半導体自立基板作製方法を説明するための説明図である。 図2は、主表面をGa極性とした状態でGaNを結晶成長した場合の問題を説明するための説明図である。 図3は、GaN基板表面の極性について説明する説明図である。 図4は、Ga極性で作製される窒化物半導体自立基板用の厚膜GaN成長後の状態を説明するための説明図である。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態における窒化物半導体自立基板作製方法を説明するための説明図である。
まず、第1工程S101で、図1の(a)に示すように、成長基板101の上に、六方晶系の窒化ホウ素(h−BN)からなる分離層102を形成する。成長基板101は、単結晶ニッケルから構成されて主表面が(111)面とされていればよい。また、成長基板101は、単結晶鉄、鉄とシリコンの合金の単結晶、および鉄とガリウムの合金の単結晶の何れかから構成されて主表面が(111)面とされていてもよい。以下では、成長基板101が単結晶ニッケルの場合について説明する。分離層102は、よく知られた有機金属気相成長法により、トリエチルボロンおよびアンモニアをソースガスとして窒化ホウ素を堆積させることで形成すればよい(非特許文献4参照)。
また、ボラジン(B336)をソースガスとし(キャリアガスは窒素)、単結晶基板に吸収および拡散させ、原料供給を止めた後、単結晶基板中に含まれるホウ素と窒素を基板結晶表面に析出させて、成長基板101の上にh−BNを結晶成長してもよい(非特許文献5参照)。この場合、基板温度条件を400℃として成長基板101の主表面にボランジンを晒すことで、polyborazyleneを基板表面に形成し、この後、1000℃まで5℃/分の昇温速度で温度を上昇させ、1000℃で1時間保持すればよい。
次に、第2工程S102で、図1の(b)に示すように、分離層102の上にAlNからなるAlN層103を+c軸方向に結晶成長する。例えば、アンモニアおよびトリメチルアルミニウム(TMA)を原料とした有機金属気相成長(MOVPE)法により、例えば1000℃程度の温度条件で、AlN層103を結晶成長すればよい。AlN層103は、例えば、厚さ0.5μm程度に形成すればよい。
次に、第3工程S103で、AlN層103の主表面を酸化して酸化アルミニウムに変質させ、図1の(c)に示すように、変質層104とする。例えば、大気中に1000℃で30分保持することで、酸化することができる。これによって、AlN層103の表面が酸化され、AlOx(x≦1.5)あるいはAlNxy(x≦1,y≦1.5)などの酸化アルミニウムとなり、変質層104が得られる。
次に、第4工程S104で、変質層104の主表面を窒化する。これにより、図1の(d)に示すように、主表面をN極性とした(主表面がN極性に変質したAlNとなっている)成長準備層105が得られる(非特許文献6参照)。例えば、AlN層103の形成に用いたMOVPE装置の成長炉内で窒化すればよい。まず、成長炉内に成長基板101を搬入し、成長炉内にアンモニアガスを供給し、成長基板101の温度を1050℃に加熱する。供給するアンモニアガスの流量は、5standard little/min.(slm)とし、成長炉内の圧力は86659.3Pa(650Torr)とする。この環境下で5分窒化する。
次に、第5工程S105で、図1の(e)に示すように、主表面をN極性とした成長準備層105の上に、GaNをc軸に沿って結晶成長してGaNの結晶からなるブール106を、主表面をN極性とした状態で作製する。
このブール106の成長手順の一例は、以下のとおりである。まず、窒化した成長準備層105の上に、GaNからなるバッファ層を形成する。例えば、アンモニアおよびトリメチルガリウム(TEG)を原料とした有機金属気相成長(MOVPE)法により、例えば550℃程度の低温条件として結晶とはなっていないバッファ層を形成すればよい。バッファ層は、厚さ20nm程度に形成すればよい。例えば、成長炉内への原料輸送のキャリアガスを水素とし、V族原料であるアンモニアの流量を5slmとし、アンモニア供給量とIII族原料であるTEG供給量との比(V/III比)を2000とし、成長炉圧力を650Torrとする。また、成長時間を3分間とする。
次に、バッファ層を加熱することで単結晶化して上面がN極性とされた六角柱状の複数の成長島からなる結晶化層を形成する。例えば、バッファ層形成に用いたMOVPE装置内で、1050℃程度に加熱すればよい。成長炉圧力を650Torrとし、成長炉内には、窒素ガスおよびアンモニアガスを供給し、処理時間を5分間とする。この加熱処理により、バッファ層の一部は蒸発(気化)し、一部が結晶化し、薄い六角柱状の複数の成長島が形成されるようになる。また、成長準備層105の表面が窒化されているので、各成長島の上面は、N極性となっている。
次に、成長準備層105の平面に平行な方向への成長を促進させることにより成長島を凝集させ、連続した結晶膜を形成する。例えば、成長炉内への原料輸送のキャリアガスを水素とし、アンモニア流量を5slmとし、Ga原料であるトリメチルガリウム(TMG)の供給量をV/III比2000となるようにし、成長炉圧力を650Torrとする。また、成長時間を1時間とする。結晶の膜厚を1.7μm程度になるように成長する。結晶化層を構成している成長島は上面側をN極性としているので、エピタキシャル成長するGaNも、成長表面側がN極性となり、結晶膜の主表面はN極性となる。
次に、結晶膜の上に、主表面をN極性とした状態でGaNを結晶成長してGaNの結晶からなるブール106を形成する。バッファ層の形成に用いたMOVPE装置を用いた連続処理により、アンモニアおよびトリメチルガリウムをソースとしたMOVPE法で、結晶膜を構成する各成長島を核とし、GaNをエピタキシャル成長させればよい。
例えば、成長炉内への原料輸送のキャリアガスを水素(10slm)とし、アンモニア流量を15slmとし、Ga原料であるトリメチルガリウム(TMG)の供給量をV/III比1500となるようにし、成長炉圧力を650Torrとする。この条件によれば、成長速度は、毎時3μm程度となる。このとき、前工程で成長島が凝集された結晶層の上面側をN極性としているので、エピタキシャル成長するGaNも、成長表面側がN極性となる。また、既に平坦な結晶膜が形成された上における成長であり、成長速度を高めても、平坦な状態でGaNが成長できる。
なお、上述したMOVPE法によりGaNをある程度エピタキシャル成長させた後、続いて、HClとGaソースとを反応させることで生成したGaCl3ガスおよびNH3ガスを用いたハイドライド気相成長(Hydride Vapor Phase Epitaxy;HVPE)法により、GaNをエピタキシャル成長させることでブール106を形成してもよい。ハイドライド気相成長法によれば、成長速度が速いので、より短時間で所望の大きさ(厚さ)のブール106が形成できるようになる。
次に、第6工程S106で、成長基板101を分離層102で分離することでブール106より成長基板101を取り除く。六方晶系の窒化ホウ素は、グラファイトや雲母と同様に、六角形の頂点にホウ素と窒素とが交互に配置されて構成された六角網面の層が積層された構造を有し、各層間は、弱いファンデルワールス力で結合されている。このため、六方晶系の窒化ホウ素における剥離は容易であり、分離層102でブール106を基板から剥離できる。
次に、第7工程S107で、図1の(g)に示すように、ブール106を分割して複数の窒化物半導体自立基板107を作製する。例えば、ブール106を所望の厚さの円盤状に切断して複数の円板状結晶を作製し、作製した円盤状の結晶を鏡面研磨して窒化物半導体自立基板107を完成させる。この実施の形態では、GaN自立基板が作製される。
以上に示したように、主表面をN極性としてブールを形成することで、膜厚が増大するほど結晶方面は拡大するため、Ga極性成長に比べてより厚いブールを形成できるようになる。このため、1つのブールからより多くの窒化物半導体自立基板が作製できるようになり、より安価に窒化物半導体自立基板が作製できるようになる。
一般には、GaNの結晶成長では、主表面はGa極性(III族極性)とされている。しかし、この条件では、結晶成長するとともに主表面の面積が小さくなる。このため、従来では、7〜8mm程度の厚さにまでしか形成できていない。一方で、主表面をN極性として結晶成長させれば、成長させている結晶層表面の面積が、成長基板の主表面の面積と同等あるいはそれ以上となるため、主表面の面積を縮小させることなく、より厚く形成できる。この性質は、結晶のハビットによっている。
また、より厚く形成することで、基板の表面側においては、貫通転位などの欠陥を減少させることができるようになる。基板とGaNとの格子不整のために基板とGaNとの界面に発生する転位密度は、膜厚の増加と共に減少する。結晶中に存在している歪みのために、隣接する2本の貫通転位が転位ループを形成して消失してしまうためである。Ga極性成長の場合、GaNと基板との界面に存在していた貫通転位密度108-9/cm3は、7〜8mm厚さ成長すると105-6/cm3に減少する。このため、本発明における窒化物半導体自立基板の表面においては、より結晶性のよい状態とすることができる。
主表面をGa極性とした状態での結晶成長では、図2に示すように、基板201の上にエピタキシャル成長させているGaN膜202の側部に、付随成長203が生じる。付随成長203には、引っ張り応力が掛かっている。この結果、エピタキシャル成長中にGaN膜202に転位が入りやすい。さらに、原子空孔も生じやすい。転位や空孔は、結晶欠陥として働き、エピタキシャル成長層の特性を劣化させる。これに対し、主表面をN極性とした状態でGaNを結晶成長する場合には、上述した付随成長はほとんど生じない。この結果、高品質のブールを得ることができる。
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形および組み合わせが実施可能であることは明白である。例えば、成長基板は、サファイア基板やScAlMgO4の結晶基板であってもよい。また、上述した同様の方法で、AlN、InGaN、もしくはInNの自立基板を作製できる。
101…成長基板、102…分離層、103…AlN層、104…変質層、105…成長準備層、106…ブール、107…窒化物半導体自立基板。

Claims (3)

  1. 成長基板の上に六方晶系の窒化ホウ素からなる分離層を形成する第1工程と、
    前記分離層の上にAlNからなるAlN層を+c軸方向に結晶成長する第2工程と、
    前記AlN層の主表面を酸化して変質させて変質層とする第3工程と、
    前記変質層の主表面を窒化して主表面をN極性とした成長準備層とする第4工程と、
    主表面をN極性とした前記成長準備層の上に、GaN、AlN、InGaN、およびInNのいずれかの窒化物半導体を窒素極性で結晶成長して前記窒化物半導体の結晶からなるブールを作製する第5工程と、
    前記成長基板を前記分離層で分離することで前記ブールより前記成長基板を取り除く第6工程と、
    前記ブールを分割して複数の窒化物半導体自立基板を作製する第7工程と
    を備えることを特徴とする窒化物半導体自立基板作製方法。
  2. 請求項1記載の窒化物半導体自立基板作製方法において、
    前記成長基板は、単結晶ニッケルから構成されて主表面が(111)面とされている
    ことを特徴とする窒化物半導体自立基板作製方法。
  3. 請求項1記載の窒化物半導体自立基板作製方法において、
    前記成長基板は、単結晶鉄、鉄とシリコンの合金の単結晶、および鉄とガリウムの合金の単結晶の何れかから構成されて主表面が(111)面とされている
    ことを特徴とする窒化物半導体自立基板作製方法。
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