JP2017210206A - 車体構造 - Google Patents
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Abstract
Description
このため、サイドシルの側面に衝撃荷重が入力された場合には、フロアクロスメンバ上の脆弱部を基点として望ましい衝撃吸収性能を発揮することができるが、サイドシルよりも上方側部分、例えば、センターピラー部分等に衝撃荷重が入力された場合には、サイドシルの上部を車幅方向内側に倒す回転モーメントに対してフロアクロスメンバは大きな抗力を発揮しにくい。
即ち、本発明に係る車体構造は、フロアパネル(例えば、実施形態のフロアパネル3)の車幅方向両側に車体前後方向に略沿って配置された一対のサイドシル(例えば、実施形態のサイドシル2)と、車幅方向に略沿って延出して、両端部が一対の前記サイドシルに結合されたフロアクロスメンバ(例えば、実施形態のフロアクロスメンバ5)と、を備え、前記フロアクロスメンバは、一対の前記サイドシルの各上壁に接合される端縁接合部(例えば、実施形態の端縁接合部12)と、車幅方向内側から外側に向かって下方傾斜して前記端縁接合部に連設される高剛性部(例えば、実施形態のビード14)と、前記高剛性部の車幅方向内側に連設される中央上壁(例えば、実施形態の中央上壁16)と、を有し、前記端縁接合部と前記高剛性部と前記中央上壁が前記サイドシルの前記上壁の上面よりも上方に配置され、前記中央上壁に、凹状に下方に窪む下方屈曲部(例えば、実施形態の下方屈曲部17)が設けられていることを特徴とする。
また、車両のサイドシルよりも上方側部分に衝撃荷重が入力され、サイドシルの上部を車幅方向内側に倒す回転モーメントがサイドシルに作用すると、サイドシルの上壁に端縁接合部を介して接続されたフロアクロスメンバの高剛性部が上記回転モーメントに対して反力を作用させる。このとき、フロアクロスメンバは、下方屈曲部を含む中央上壁と高剛性部がサイドシルの上壁の上面よりも上方側に位置されているため、下方屈曲部には屈曲が生じにくくなる。したがって、車両のサイドシルよりも上方側部分に衝撃荷重が入力された場合には、サイドシルの上部の車幅方向内側への倒れを抑制し、センターピラー等の側壁部材の変形を抑制することができる。
この場合、内側延長部から上方に隆起するビードが、サイドシルの回転モーメントに対して大きな抗力を生じるようになる。また、内側延長部が端縁接合部から直線状に延出しているため、端縁延長部をサイドシルの上壁の上面に対して安定して当接させ易くなる。
この場合、シート取付用の取付ブラケットがフロアクロスメンバの下方屈曲部を補強することになる。このため、サイドシルよりも上方側部分に衝撃荷重が入力されたときに、サイドシルの回転モーメントに対する反力を発生し易くなる。
この場合、フロアパネルは、低位パネルと高位パネルに分離して構成されているが、低位パネルと高位パネルは、これらの間においてフロアクロスメンバの前後のフランジ部にそれぞれ接合されることで、両者の間の剛性が高く維持される。さらに、フロアクロスメンバは、閉断面を構成する上板部材と下板部材とを有しているため、上板部材と下板部材を相互に接合する前に、上板部材に高剛性部や下方屈曲部を形成することができる。したがって、この構成を採用することにより、フロアメンバの加工を容易にすることができる。
この場合、フロアクロスメンバと高位パネルや低位パネルとの接合部剛性をより高めることができる。
この場合、車体前後方向に略沿って配置されるフロアフレームの上方側に、左右のサイドシルを連結するフロアクロスメンバが車幅方向に略沿って配置され、フロアフレームの凹状固定部にフロアクロスメンバの下面が固定されることになる。したがって、車幅方向中央領域の剛性が高まり、サイドシルからフロアクロスメンバに入力される荷重を高い剛性で支持することが可能になる。
この場合、フロアフレームの側壁の高さの高い部位においては、補強ビードによって側壁の支持剛性を確保することができる。したがって、高位パネルに対する支持剛性を有利に高めることができる。
車両1の左右の側部の下端には、車体前後方向に略沿って延出するサイドシル2が配置されている。左右のサイドシル2の車幅方向内側面には、乗員室の下方のフロアパネル3の左右両端部が接合されている。左右のサイドシル2の車体前後方向の略中央部にはセンターピラー4が立設されている。左右のサイドシル2のセンターピラー4の立設位置よりも前方側には、車幅方向に略沿って延出して左右のサイドシル2を連結するフロアクロスメンバ5が配置されている。また、フロアパネル3の車幅方向の略中央には、下側に開口する略コ字状の断面が車体前後に連続するフロアトンネル6が設けられている。
また、後部側のフランジ部5U−r,5L−rの間には、上位パネル3Bの前縁部3B−1が配置されている。上位パネル3Bの前縁部3B−1は、その状態でフランジ部5U−r,5L−rに溶接固定されている。
高位パネル3Bの下方に配置される部位の左右の側壁9s−1のうちの少なくともいずれか一方には、膨出部が略上下方向に延出する複数の補強ビード10が形成されている。
フロアクロスメンバ5は、図3,図6,図7に示すように、左右の側縁部に、左右の対応するサイドシル2の上壁2aの上面に接合される端縁接合部12と、端縁接合部12から車幅方向内側に直線状に延出する一対の内側延長部13と、端縁接合部12と内側延長部13に対して上方に隆起する一対のビード14と、一対のビード14を連結する連結壁15と、設けられている。ビード14は、その上面が車幅方向内側から外側に向かって下方傾斜して端部が端縁接合部12に接続されている。本実施形態においては、一対のビード14が端縁接合部12に連設される高剛性部を構成している。
フロアクロスメンバ5は、左右の端縁接合部12と、ビード14と、中央上壁16とが左右のサイドシル2の上壁2aの上面よりも上方に配置されている。また、図1,図2に示すように、フロアクロスメンバ5の左右の各下方屈曲部17の上方を跨ぐ位置には、図示しない乗員着座用のシートを取り付けるための取付ブラケット18が取り付けられている。
また、フロアクロスメンバ5は、閉断面を構成する上板部材5Uと下板部材5Lを相互に接合して構成されているため、上板部材5Uと下板部材5Lを相互に接合する前に、上板部材5Uにビード14や下方屈曲部17を容易に形成することができる。
3…フロアパネル
3A…低位パネル
3B…高位パネル
5…フロアクロスメンバ
5U…上板部材
5U−f,5U−r…フランジ部
5L…下板部材
5L−f,5L−r…フランジ部
9…フロアフレーム
9s…側壁
10…補強ビード
11…凹状固定部
12…端縁接合部
13…内側延長部
14…ビード(高剛性部)
16…中央上壁
17…下方屈曲部
18…取付ブラケット
Claims (7)
- フロアパネルの車幅方向両側に車体前後方向に略沿って配置された一対のサイドシルと、
車幅方向に略沿って延出して、両端部が一対の前記サイドシルに結合されたフロアクロスメンバと、を備え、
前記フロアクロスメンバは、
一対の前記サイドシルの各上壁に接合される端縁接合部と、
車幅方向内側から外側に向かって下方傾斜して前記端縁接合部に連設される高剛性部と、
前記高剛性部の車幅方向内側に連設される中央上壁と、を有し、
前記端縁接合部と前記高剛性部と前記中央上壁が前記サイドシルの前記上壁の上面よりも上方に配置され、
前記中央上壁に、凹状に下方に窪む下方屈曲部が設けられていることを特徴とする車体構造。 - 前記フロアクロスメンバは、前記端縁接合部から車幅方向内側に直線状に延出する内側延長部を有し、
前記高剛性部は、前記内側延長部に対して上方に隆起するビードによって構成されていることを特徴とする請求項1に記載の車体構造。 - 前記フロアクロスメンバの前記下方屈曲部を跨ぐ位置には、乗員着座用のシートを取り付けるための取付ブラケットが固定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の車体構造。
- 前記フロアパネルは、
前記フロアクロスメンバの前方側に配置される低位パネルと、
前記フロアクロスメンバの後方側に配置され、少なくとも前縁部が前記低位パネルよりも高位となる高位パネルと、を有し、
前記フロアクロスメンバは、閉断面を構成する上板部材と下板部材とを有し、前記上板部材と前記下板部材が前後のフランジ部で相互に接合されているとともに、前後の前記フランジ部が前記低位パネルと前記高位パネルにそれぞれ接合されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車体構造。 - 前記上板部材と前記下板部材は、互いに接合されるフランジ部の間に前記高位パネルと前記低位パネルの一方が挟み込まれた状態で接合されていることを特徴とする請求項4に記載の車体構造。
- 前記フロアパネルの下面側には、車体前後方向に略沿って延出するフロアフレームが配置され、
前記フロアフレームのうちの前記低位パネルと前記高位パネルの境界部位置には、前記フロアクロスメンバの下方を前後に跨ぎ当該フロアクロスメンバの下面に固定される凹状固定部が設けられていることを特徴とする請求項4または5に記載の車体構造。 - 前記フロアフレームの前記高位パネルの下方に配置される部位の左右の側壁は、前記低位パネルの下方に配置される部位の左右の側壁よりも上方突出高さが高く設定され、
前記高位パネルの下方に配置される部位の左右の前記側壁の少なくとも一方は補強ビードを有していることを特徴とする請求項5に記載の車体構造。
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