JP2014227029A - 車両用シートの取付構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】フロアパン1の車幅方向中央部において、車両前後方向に延びるトンネル状のバックボーン6を形成する。また、車両用シート10の車室中央側の固定箇所を支持するシートブラケット2をフロアパン1の上面側でバックボーン6に接合する。加えて、固定箇所を補強するための補強部材4をフロアパン1の下面側でシートブラケット2と対向する位置に接合する。さらに、補強部材4とフロアパン1との接合面の端縁に、フロアパン1から離れる方向に向かって湾曲する曲面部5を形成する。
【選択図】図1
Description
例えば、車両の前面衝突時には、乗員,シートが慣性により車両前方に向かって移動しようとする。このとき、乗員の体はシートベルトによって拘束されており、車両前方方向への衝撃力がシートベルトの張力で支えられることになる。一方、一般的な三点式シートベルトの場合、ベルトの支点は車室外側における車体の上方(アジャスター)及び下方(リトラクター)と車室中央側のシート下方(バックル)とに設定される。そのため、前面衝突時の衝撃力は、シートベルトのバックルを介してシートを斜め上方の前方外側に向かって押し上げるように作用する。
なお、バックボーンやフロアパンの板厚を大きくすることで、このような変形,破断を抑制することも考えられる。しかしこの場合、車体の重量増加やコスト増加を招くことになる。
また、前記フロアパンの下面側において、前記フロアパンを挟んで前記シートブラケットと対向する位置に接合され、前記車両用シートの車室中央側の固定箇所を補強する補強部材を備える。
さらに、前記補強部材の車幅方向外側の端部において前記フロアパンに接合される接合面の端縁に、前記フロアパンから離れる方向に向かって湾曲する曲面部を形成する。
(3)また、前記補強部材の車幅方向外側の端部における前記接合面が、前記フロアパンを挟んだ状態で前記シートブラケットに一体的に結合されていることが好ましい。
つまり、前記補強部材のうち、前記第一閉断面部の外側に(クロスメンバとして機能する部位を避けた位置に)前記曲面部が形成されることが好ましい。
つまり、前記フロアパンを挟んで、前記第一閉断面部と前記第二閉断面部とが対向するように、前記補強部材及び前記シートブラケットが設けられることが好ましい。
本実施形態の車両用シートの取付構造は、図1に示す車両のフロントシート10に適用される。フロントシート10の下部には、例えば着座位置を車両前後方向に調節するための左右一対のレールが設けられ、このレールがフロアパン1上に締結具で固定される。フロントシート10の一脚あたりの固定箇所は、一対のレールの前後端部の四カ所である。図1に示す例では、レールの前後端部が下方に向かって延び、その先端部近傍に締結具の締結面が略水平に設けられる。
[2−1.第一後方側シートブラケット]
図3(a)は、第一後方側シートブラケット2を例示する斜視図である。第一後方側シートブラケット2は、板材を屈曲又は溶接して組み立てられた部材であり、支持面2a,一対の第一フランジ面2b,一対の第二フランジ面2c,一対の第一縦壁面2d,第二縦壁面2eを有する。
第一フランジ面2b(第二接合面)は、バックボーン6よりも車幅方向外側のフロアパン1の上面、すなわちフロア面部1aに接合されるフランジ面である。一方、第二フランジ面2cは、バックボーン6の表面に接合されるフランジ面であり、台形状のバックボーン6の傾斜面に対して接合される。これらの第一フランジ面2b,第二フランジ面2cは、車幅方向に連続して形成され、支持面2aを車両前後方向に挟んで車両前方及び後方のそれぞれに配置される。
支持面2a及び第一縦壁面2d(第二閉断面部)は、フロアパン1との間に矩形の閉断面を形成する。また、一対の第一フランジ面2bをフロアパン1に接合し、一対の第二フランジ面2cをバックボーン6に接合すると、図4(a)に示すように、第一後方側シートブラケット2とフロアパン1との間に箱状の空間が形成され、この空間内にウェルドナット2fが収容される。
図3(b)は、第二後方側シートブラケット3を例示する斜視図である。第二後方側シートブラケット3も、第一後方側シートブラケット2と同様に、板材を屈曲又は溶接して組み立てられた部材であり、支持面3a,一対の第一フランジ面3b,一対の第二フランジ面3c,一対の第一縦壁面3d,傾斜面3eを有する。
第二後方側シートブラケット3の車幅方向の寸法は、図4(a)に示すように、第二フランジ面3cをサイドシル7に接合したときに、傾斜面3eの車室中央側の端辺がフロントサイドメンバ8の直上方に位置するように設定される。これにより、第二後方側シートブラケット3に作用する車幅方向の荷重がフロントサイドメンバ8へと伝達されやすくなり、フロントシート10の取付強度が向上する。
図3(c)は、補強部材4を例示する斜視図である。補強部材4は、バックボーン6の下面に対して鉛直方向に間隔を開けて設けられるクロスメンバ面4aと、バックボーン6の下面に接合されるフランジ面4b(第一接合面)と、これらのクロスメンバ面4a及びフランジ面4bを鉛直方向に接続する縦壁面4cとを有する。クロスメンバ面4a及び縦壁面4c(第一閉断面部)は、フロアパン1との間に矩形の閉断面を形成するように車幅方向に延設される。また、フランジ面4bは、縦壁面4cの端辺から車両前後方向に向かって延設された平面状の部位である。
(1)上記の車両用シートの取付構造では、補強部材4の車幅方向外側の端部に曲面部5が設けられる。これにより、フロントシート10の中央側後方の固定箇所に上方向の力が作用したとしても、フロアパン1の下方面に補強部材4(フランジ面4b)の車幅方向外側端部のエッジが当接して応力が集中するようなことがない。したがって、フロアパン1の破断を抑制することができる。
一方、中央側後方の固定箇所は第一後方側シートブラケット2の支持面2aに締結され、外側後方の固定箇所は第二後方側シートブラケット3の支持面3aに締結される。第一後方側シートブラケット2と第二後方側シートブラケット3とが別体に設けられるため、中央側と外側との特性の相違に合わせてそれぞれの固定箇所の強度,剛性を設定することが容易である。
加えて、上記の実施形態では、第一後方側シートブラケット2の下方に補強部材4を設けて、中央側後方の固定箇所を補強しているため、例えば車両の前方衝突時にロール方向,ピッチ方向の回転力が作用した場合であっても、フロントシート10の取付状態を維持することができる。
上記の車両用シートの取付構造では、図3(c)に示すように、フロアパン1との間に閉断面を形成する構造を備えた補強部材4を例示したが、補強部材4の具体的な形状はこれに限定されない。例えば図3(d)に示すように、フロアパン1との間に閉断面を形成しない補強部材14を用いてもよい。あるいは、図3(e)に示すように、左シート10aの中央側後方の固定箇所を補強する補強部材15と、右シート10bの中央側後方の固定箇所を補強する補強部材16とを別体に形成してもよい。少なくとも、車幅方向外側の端部に曲面部5が形成された補強部材14,15,16で第一後方側シートブラケット2の下方を補強することで、上述の実施形態と同様の作用,効果を獲得することができる。
さらに、上述の実施形態では、フロントシート10の中央側後方の固定箇所と外側後方の固定箇所とをそれぞれ固定する別体の第一後方側シートブラケット2、第二後方側シートブラケット3を例示したが、中央側後方と外側後方とを第一後方側シートブラケット2に固定してもよい。その場合、第一後方側シートブラケット2の車幅方向外側はサイドシル7に接合すればよい。
2 第一後方側シートブラケット(シートブラケット)
2a 支持面(第二閉断面部の一部)
2b 第一フランジ面(第二接合面)
2c 第二フランジ面
2d 第一縦壁面(第二閉断面部の一部)
2e 第二縦壁面
3 第二後方側シートブラケット(第二シートブラケット)
4 補強部材
4a クロスメンバ面(第一閉断面部の一部)
4b フランジ面(第一接合面)
4c 縦壁面(第一閉断面部の一部)
5 曲面部
6 バックボーン
10 フロントシート
X 接合部(溶接点)
Claims (6)
- 車幅方向中央部を車両前後方向に延びるトンネル状に形成されたバックボーンを有するフロアパンと、
前記フロアパンの上面側において前記バックボーンに接合され、車両用シートの車室中央側の固定箇所を支持するシートブラケットと、
前記フロアパンの下面側において、前記フロアパンを挟んで前記シートブラケットと対向する位置に接合され、前記車両用シートの車室中央側の固定箇所を補強する補強部材と、を備える車両用シートの取付構造であって、
前記補強部材の車幅方向外側の端部において前記フロアパンに接合される接合面の端縁に、前記フロアパンから離れる方向に向かって湾曲する曲面部を形成した
ことを特徴とする、車両用シートの取付構造。 - 前記曲面部が、球面状に形成されてなる
ことを特徴とする、請求項1記載の車両用シートの取付構造。 - 前記補強部材の車幅方向外側の端部における前記接合面が、前記フロアパンを挟んだ状態で前記シートブラケットに一体的に結合されている
ことを特徴とする、請求項1又は2記載の車両用シートの取付構造。 - 前記補強部材が、
前記フロアパンとの間に閉断面を形成するように車幅方向に延設された第一閉断面部と、
前記第一閉断面部の車両前後方向の端辺から車両前後方向に延設され前記フロアパンの下面と接合される第一接合面と、を有し、
前記曲面部が、前記第一接合面における車幅方向外側の端縁に形成される
ことを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の車両用シートの取付構造。 - 前記シートブラケットが、
前記フロアパンとの間に閉断面を形成する第二閉断面部と、
前記第二閉断面部の車両前後方向の端辺から車両前後方向に延設され前記フロアパンの上面と接合される第二接合面と、を有し、
前記第二接合面が、前記フロアパンを挟んで前記補強部材の前記第一接合面と対向する位置に接合される
ことを特徴とする、請求項4記載の車両用シートの取付構造。 - 前記車両用シートが、前記バックボーンを挟んで車幅方向右側と左側にそれぞれ設けられ、
前記補強部材が、左側の前記車両用シートの車室中央側の固定箇所と右側の前記車両用シートの車室中央側の固定箇所とを連結して配置される
ことを特徴とする、請求項1〜5の何れか1項に記載の車両用シートの取付構造。
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