JP2017198873A - 反射型スクリーン - Google Patents

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梅木 和博
Kazuhiro Umeki
和博 梅木
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Abstract

【課題】従来よりも容易にかつ低コストで製造することができ、さらには大型化も容易な構造を有する反射型スクリーンを提供する。【解決手段】反射型スクリーンは、光透過性の基板2と、前記基板の一表面側を覆うように設けられ、光を反射させるフレーク状粒子を含有する樹脂膜8と、を備えている。樹脂膜8は、凹凸の少ない極薄アルミニウムフレーク(粒子)をフレーク状粒子として含有した顔料(以下、アルミニウムフレーク顔料)を含むアルミ顔料などからなる樹脂膜である。顔料としては、共重合体を含有する被膜で被覆されたものを用いることができる。このアルミニウムフレークが重ならないように薄く配置する。この配置によって、均一に配置されたアルミニウムフレーク表面反射光の反射角度分布を制御できる。【選択図】図1

Description

本発明は、投射型プロジェクターからの光を反射させてその投射画像を映し出す反射型スクリーンに関するものである。反射型スクリーンには、背面側からの光を透過させるシースルースクリーンも含まれる。
近年、自動車運転の安全性を向上させることを目的として、自動車のフロントガラスにスピード情報やナビゲーション情報を表示することが提案され、実施もなされている。一般的に、自動車に搭載されるヘッドアップディスプレイは、フロントガラスに埋設された反射型スクリーンと、そのスクリーンに画像を投影するために、例えばダッシュボードに設けられた投射型プロジェクターによって構成される。
自動車のヘッドアップディスプレイでは、自動車を運転する者の視野を確保する必要があるため、プロジェクターからの光を反射させながらその背面側からの光を透過させるシースルースクリーンを用いる。かかるシースルースクリーンは、主に、光透過性基板と、その基板の一方の表面に所定の反射率を有するように設けられた反射層によって構成されている(特許文献1参照。)。
また、プロジェクターからの光を反射させるシースルースクリーンの開口数を拡大するとともに、反射光の干渉によるスペックルを解消することを目的として、基板と反射層との間にマイクロレンズアレイを埋設することも提案されている(特許文献2参照。)。
特開2005−202029号公報 特表2010−539525号公報 特許第3954024号公報 特許第5700490号公報
これまでの反射型スクリーンでは、誘電体材料からなる多層膜や薄いアルミニウム等の金属膜、又はそれらを組み合せた多層膜によって基板表面の反射層が構成されている。反射層を構成する膜は真空中における蒸着やスパッタリングによって形成する必要があるため、長い成膜プロセスを要する。さらに、より大きなシースルースクリーンを製造しようとする場合には、反射層を成膜するためにより大きな真空装置が必要となり、製造コストが高くなるだけでなく、その製造は容易でない。
そこで、本発明は、従来よりも容易にかつ低コストで製造することができ、さらには大型化も容易な構造を有する反射型スクリーンを提供することを目的とするものである。
例えば自動車の車体等、外観に高輝度感をもたせるためにメタリック塗料が用いられていることが知られている。メタリック塗料に含まれる顔料は、高反射率の微細なフレーク状粒子を含有している(特許文献3、4参照。)。かかるフレーク顔料を塗料中に混ぜ込むことで、塗料中に微細なフレーク状粒子がランダムに配置され、それらのフレーク状粒子がそれぞれ光を様々な方向へ反射することで、塗装表面に高級メタリック感を与えるものである。
本発明者は、上記フレーク顔料に含まれるフレーク状粒子の存在確率や配置方向のランダム性に着目し、フレーク顔料を反射型スクリーンの反射層の材料として使用することで、従来の反射型スクリーンよりも反射光の干渉をフレーク状粒子のランダム性によって抑制することができることを見出した。
すなわち、本発明に係る反射型スクリーンは、光透過性の基板と、前記基板の一表面側を覆うように設けられ、光を反射させるフレーク状粒子を含有する樹脂膜と、を備えているものである。
フレーク状粒子の材料の代表例としてアルミニウムが挙げられるが、例えば、チタン、シリコン、バナジウム、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、バナジウム、銀、金、インジウム、スズ、テルル、タングステン、水銀、鉛などの材料を使用することができる。
フレーク状粒子は樹脂膜の面内全域において、全体としては略均一に分布しているが、微視的(局部的)に見ると不均一(ランダム)に存在している。そして、フレーク状粒子は、後述するような特別な処理をしない限り、その配置方向が不均一である。特許文献2に示されているように、マイクロレンズアレイが規則的な繰り返しパターンで設けられ、かつその全面が反射面で全面が同じ反射率であると、それによってモアレ(干渉縞)が発生するという問題点がある。これに対し、本発明のようにフレーク状粒子を含有する樹脂膜を反射層とし、さらに、その樹脂膜中のフレーク状粒子の存在確率や配置方向が不均一であれば、モアレの発生を抑制することができる。
一方、上記とは異なり、フレーク状粒子は、略同一方向に並んで配列されていることが好ましい場合もある。金属製のフレーク状粒子を含有した顔料の溶液を基板表面に塗布すると、硬化処理される前ではフレーク状粒子の表面処理の効果により、その溶液中でフレーク状粒子が互いに重なり合わず、一定距離だけ離れて配置される。その状態で、基板を一様な磁場中に配置すると、フレミングの法則により、フレーク状粒子の方向が揃う。これにより、基板を一様な磁場中に配置すると、樹脂膜中にフレーク状粒子による金属ワイヤーグリッド構造が実現される。樹脂膜中のフレーク状粒子がかかる構造となることで、フレーク状粒子の長手方向に垂直な光成分は透過し、長手方向に平行な光成分は反射することとなる偏向機能を発現することが可能となる。これにより、特定の波長の光のみを透過させる偏光板としての機能を本発明の反射型スクリーンにもたせることができる。
上記偏光板としての機能は、本発明がシースルースクリーンである場合に特に効果を奏する。本発明に係るシースルースクリーンが偏光板としての機能を有していれば、例えば、シースルーで見る実像の反射ギラツキを遮るといったことや、運転時のぬれた路面白線の視認性を向上させるといったことのほか、海の家で水面からのまぶしい反射光を遮る、隣家の窓からの反射光や隣家の車のフロントガラスの反射光、太陽光発電用パネルからの反射光などを低減するといったことが可能になる。
また、樹脂膜の反射率は、フレーク状粒子の配合割合(表面での存在確率)で決定されるので、フレーク状粒子の存在確率を制御することができれば、樹脂膜の反射率は単なる構造設計事項になる。したがって、樹脂膜の反射率をスクリーン面内において不均一にすることも可能である。
樹脂膜の反射率がスクリーンの面内において不均一である場合の一例として、図5に示されているように、反射率が、スクリーン中央部よりもスクリーン外側部の方が高くなっている例を挙げることができる。
本発明の反射型スクリーンでは、前記基板と前記樹脂膜との間に、複数のマイクロレンズからなるマイクロレンズアレイが設けられていることが好ましい。特許文献2に開示されているように、基板と反射層との間にマイクロレンズアレイを埋設することで、反射型スクリーンの開口数が向上し、視野角が広くなるという効果が得られる。
特許文献2のように、マイクロレンズが規則正しく配列されたマイクロレンズアレイの表面全体に蒸着膜やスパッタ膜からなる一様な反射層を形成すると、規則正しく配列されたマイクロレンズ表面で反射された光が(規則正しい反射のために)干渉しやすくなる。マイクロレンズアレイの全面が同じ反射率となり、モアレ(干渉縞)が発生するという問題がある。これに対し、マイクロレンズアレイの表面の反射層を、上述のフレーク状粒子を含有する樹脂膜によって構成することで、フレーク状粒子のランダムな配置によってマイクロレンズアレイの表面の反射された光の可干渉性(機能)の規則性が乱れるため、モアレの発生を抑制することができる。
また、特許文献2に開示されたスクリーンでは、視野角調整機能を有するのは、マイクロレンズアレイの反射面形状のみであり、設計の自由度が少なく、視野角の調整範囲が狭いという問題もある。そのため、プロジェクター光源とスクリーンの角度関係、及び、観察者との位置関係によって像の見え方に差が生じるという問題もあった。
上記問題を解決する方法の1つとして、マイクロレンズアレイにおけるマイクロレンズを不規則的に設けることが挙げられる。マイクロレンズを不規則的に設けるとは、マイクロレンズアレイの各マイクロレンズのピッチや球面の径Rの大きさ(レンズ高さ)、平面形状の径の大きさが、不均一であることをいう。マイクロレンズアレイが不均一であるため、モアレパターンの発生を抑制するだけでなく、視野角が広くなり、位置関係による見え方の歪みが是正される。
上記問題を解決する別の方法として、樹脂膜(反射層)の反射率をマイクロレンズアレイを構成する各マイクロレンズの面内において不均一にすることが挙げられる。樹脂膜の反射率がマイクロレンズアレイを構成する各マイクロレンズの面内において不均一であるとは、樹脂膜の構造(膜厚等)や樹脂膜中のフレーク状粒子の配列のされ方(配列程度、配列分布、配列密度)がマイクロレンズアレイを構成する各マイクロレンズの面内において不均一であることをいう。既述のように、樹脂膜の反射率は、フレーク状粒子の存在確率を制御することができれば単なる構造設計事項である。したがって、樹脂膜の反射率がマイクロレンズアレイを構成する各マイクロレンズの面内において不均一になるように設計することで、モアレパターンの発生を抑制するだけでなく、視野角が広くなり、位置関係による見え方の歪みが是正される。
これに加え、上述のように、樹脂膜(反射層)の反射率をスクリーン面内において不均一にすれば、モアレパターンの発生をさらに抑制することができる。マイクロレンズアレイが形成された基板の表面に、フレーク状粒子含有率の面内分布が形成されるようにフレーク状粒子を含む樹脂を塗布すると、設計要因によってアルミニウムの付着量(塗布量)がスクリーン面内で変化する。これにより、例えば、スクリーンの中心側よりも外側で反射率を高くすることができる。
また、反射型スクリーンに表面粗さのない滑らかなマイクロレンズアレイを設ける場合には、光がどのような角度でマイクロレンズアレイのどこの部位に入射し、反射するかによって、反射光の光量強度分布に大きく影響を与える。
(1)反射型スクリーンに対して光が垂直に入射する場合、マイクロレンズアレイのレンズ頂部(微視的にはほとんど平面とみなすことが出来る)に当たった光は、ほぼ垂直に反射する一方で、レンズ頂部以外(微視的には斜面に相当する)に当たった光は、反射面の角度に応じて反射する。
(2)反射型スクリーンに光が僅かに斜入射した場合も、上記(1)の場合と同様に、レンズ頂部(微視的にはほとんど平面とみなすことが出来る)に当たった光はほぼ垂直に反射し、レンズ頂部以外(微視的には斜面に相当する)に当たった光は、反射面の角度に応じて反射し、レンズ頂部以外(微視的には斜面に相当する)で入射側の反対側面に当たった光は、反射面の角度に応じてさらに大きな角度で反射する。
さらに、反射光の光量強度分布は、マイクロレンズアレイの表面状態によっても影響を受ける。すなわち、表面粗さが大きく滑らかでないマイクロレンズアレイを設ける場合、すなわち、マイクロレンズアレイの表面に有限な寸法を有するフレーク状粒子を配置した場合、マイクロレンズアレイ表面は不規則な凹凸表面となる。これによって、規則的なマイクロレンズアレイ表面から反射する光の可干渉性が低減される。
本発明において、マイクロレンズアレイの表面上に設けられる樹脂膜としては、次のような構成が挙げられる。
(1)マイクロレンズアレイの表面に厚みが均一な樹脂層を形成し、フレーク状粒子の単位面積当たりの存在確率が均一な構成。
(2)マイクロレンズアレイにおいて互いに隣接するマイクロレンズの間の谷部のほうがマイクロレンズの頂部よりも厚みが厚く、かつフレーク状粒子の単位面積当たりの存在確率が高くなっている構成。
本発明は上記(1)、(2)のいずれも含んでいるが、特に(2)の構成とすることが好ましい。そうすれば、反射型スクリーンにプロジェクター光が垂直に入射する場合反射光の干渉が発生しやすいマイクロレンズの頂部では反射率が低く、反射光の干渉が発生しにくいマイクロレンズの谷部では反射率が高くなるため、干渉縞の発生をさらに抑制することができる。
本発明の対象である反射型スクリーンには、基板の面のうち樹脂膜が設けられている面とは反対側の面からの光を透過させるシースルースクリーンが含まれる。
本発明に係る反射型スクリーンは、光透過性基板の一表面側に設けられた反射層が、光を反射させるフレーク状粒子を含有する樹脂膜によって構成されているので、反射層を塗布によって形成することができる。このため、反射層を形成するために真空中での蒸着法やスパッタリングを用いる必要がないため、反射層の形成が容易であり、反射型スクリーンの大型化にも対応することができる。真空装置等が不要であるため、製造プロセスが簡略化され、製造コストの低減を図ることができる。さらに、樹脂膜に存在するフレーク状粒子の配列程度、配列分布、配列密度がランダムになるため、光の干渉が発生しにくくなり、スペックルや干渉縞の発生を抑制することができる。
また、必要に応じて、フレーク状粒子が略同一方向に並んで配列することが可能であるので、金属ワイヤーグリッド構造を実現して偏向機能を発現することも可能となる。これにより、特定の波長の光のみを透過させる偏光板としての機能を反射型スクリーンにもたせることができる。
反射型スクリーンの一実施例を示す断面図である。 同実施例を拡大して示す断面図である。 反射型スクリーンの他の実施例を示す断面図である。 同実施例の反射型スクリーンを用いた表示装置の一例を概略的に示す図である。 同実施例のスクリーン面内における反射率分布の一例を示すイメージ図である。 同実施例のマイクロレンズ面内における反射率分布の一例を示すイメージ図である。
以下、本発明に係る反射型スクリーンの実施形態について、図面を用いて説明する。
まず、図1を用いて反射型スクリーンの1つであるシースルースクリーンの一実施例について説明する。
この実施例のシースルースクリーンは、光透過性の基板2の一方の表面(図において上面)にマイクロレンズアレイ4が設けられ、そのマイクロレンズアレイ4の表面に樹脂膜8が設けられている。樹脂膜8は樹脂層10内に埋設されており、樹脂層10の表面に保護基板12が設けられている。基板2及び保護基板12は、例えば石英ガラスによって構成されている。マイクロレンズアレイ4は、複数のマイクロレンズ6が基板2の主平面内に規則的に又は不規則に配列されたものであり、例えば成形可能な液体ポリマー等の光硬化樹脂によって構成されている。樹脂層10は、例えばエポキシ樹脂により構成されている。
この実施例において、樹脂膜8は、凹凸の少ない極薄アルミニウムフレーク(粒子)をフレーク状粒子として含有した顔料(以下、アルミニウムフレーク顔料)を含むアルミ顔料などからなる樹脂膜である。顔料としては、例えば、特許文献4参照に開示されているものであって、フレーク状粒子の表面が、フッ素を有するフッ素系重合性モノマー由来の結合ユニットとリン酸基を有する重合性モノマー由来の結合ユニットとを備える共重合体を含有する被膜で被覆されたものを用いることができる。このアルミニウムフレークが重ならないように薄く配置する。この配置によって、均一に配置されたアルミニウムフレーク表面反射光の反射角度分布を制御できる。
マイクロレンズアレイ4の表面凹凸形状に倣って(マイクロレンズアレイ4の表面に平行に)アルミニウムフレークが配列されるためには、アルミニウムフレークが、極薄くかつ存在確率が制御されていることが重要である。そのため、アルミニウムフレークの表面が非常に滑らかであり、樹脂膜8中においてアルミニウムフレークが凹凸なく配列されていることが必要である。
これを実現するアルミニウムフレーク顔料は、基体粒子としてアルミニウムフレークを備えるアルミニウムフレーク顔料であって、このアルミニウムフレークの平均粒子径が5nm〜10μmの範囲にあり、平均厚みが0.001μm〜1μm、最短径/最長径の平均値が0.8以上であることが好ましい。特に好ましくは、アルミニウムフレークの直径が8μm以下、平均アスペクト比が5〜400範囲である。かかる顔料を用いることで、「散乱光が少なくなる」といった効果や、「正反射方向で反射光が強く、透過方向では反射光が少なくなる」といった効果を得ることができる。
好ましい実施形態では、フレーク状粒子として極薄アルミニウム MS−650(東洋アルミニウム株式会社の製品)を所定の有機材料(例えばアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ニトロセルロース樹脂、又はフッ素樹脂など)に混合させ、添加剤として、有機溶媒(ケトン、トルエン等)、硬化剤、紫外線吸収剤、紫外線硬化剤、静電気除去剤を混合する。その低粘度樹脂は、好ましくは無溶媒の紫外線硬化性を有することが望ましい。この樹脂を、基板2上に形成されたマイクロレンズアレイ4の表面に塗布する。塗布方法は、マイクロレンズアレイ4が形成された基板2の表面に上記の有機材料を配置して回転させることで行なう。この際、回転数を100rpm、500rpm、1000rpmと徐々に上げていき、回転速度を最適化させる。溶媒を含む場合は、溶媒の乾燥速度も考慮して回転速度を最適化する必要がある。溶媒を含む場合は、回転速度が速すぎると乾燥が早くなり、均一な塗布が実現できないからである。均一な塗布を実現するために、回転体中心から液体を塗布しながら回転させても良い。
さらに、塗布方法を変更することによって、アルミニウムフレークの面内存在確率を変更し、スクリーン1の面内における反射率分布を制御することができる。マイクロレンズアレイ4が形成された基板2の表面に上記の有機材料を配置して回転させる際、塗布する場所を回転中心から離れた位置から塗布すると、塗布位置から外側のみでアルミニウムフレーク付着量(塗布量)が増加する。塗布回数やフレーク含有率を変化させると、これらの設計要因によってアルミニウムの付着量(塗布量)が増加する。これにより、図5に示されているように、スクリーン1の中心側よりも外側で反射率を高くすることができる。
近年のプロジェクターでは、コンパクト化が進行しているために光学設計の難易度が上昇している。これに起因して、安価なプロジェクターでは、画像(スクリーン)の隅部で色合いや輝度が低下している場合がある。上記のように、スクリーン端部の反射率を中央部よりも高くすることで、スクリーン端部の輝度・色合いなどのバラツキ(ムラ)を解消することが出来る。
マイクロレンズ6の高さが高いと、塗料がマイクロレンズ6の表面に付着しにくい場合がある。その場合には、濃度の低い樹脂から塗布するのが望ましい。アルミニウムフレーク顔料の濃度を変更することにより、アルミニウムフレークの存在確率(表面被覆率)を変更することができる。これにより、光の反射率を制御することができる。光の反射率は、溶液濃度、積層数、フレーク状粒子の粒子径、フレーク状粒子のアスペクト比、乾燥条件、塗布条件等によって変わり、これらを調節することにより反射率を制御することができる。
ここで、特許文献4のアルミニウムフレークのように、フレーク状粒子は表面処理がなされ、その表面処理によって反発力が発生し、フレーク状粒子同士は互いに一定距離だけ離れて配置されているようになっている。そのため、樹脂膜8の膜厚を制御することにより、フレーク状粒子の存在確率を制御することができ、シースルースクリーンの反射率を制御することができる。また、かかる性質を利用することにより、糸状の金属材料(フレーク)が一方向に並んだ配列構造を製作することができる。
樹脂膜8の材料として用いる好適なアルミニウムフレーク顔料について説明する。好適なフレーク顔料は特許第5700490号に開示されているものであり、ここでは、特許第5700490号公報の記載を引用して説明する。
好適なフレーク顔料は、フレーク粒子の表面が、フッ素を有するフッ素系重合性モノマー由来の結合ユニット(第1結合ユニット)と、リン酸基を有する重合性モノマー由来の結合ユニット(第2結合ユニット)と、を備える共重合体を含有する被膜によって被覆されたフレーク顔料である。
共重合体は、第1結合ユニットと第2結合ユニットのほかに、重合性モノマー由来の1種以上の第3結合ユニットを備えた共重合体であってもよい。また、上記第3結合ユニットは、メチルメタクリレートに由来するものであってもよい。
上記フッ素を有するフッ素系重合性モノマーは、パーフルオロオクチルエチルアクリレートであり、上記リン酸基を有する重合性モノマーは、2−メタクリロイルオキシエチルアシッドフォスフェートであってもよい。
共重合体は、樹脂や溶媒に可溶な共重合体である。
このフレーク顔料において、微粒子は、アルミナ微粒子及び/又は酸化チタン微粒子であってもよい。フレーク顔料は、フレーク粒子と、該フレーク粒子の表面を被覆する単層又は複層の被膜と、微粒子と、を備えるものである。
フレーク粒子としては、アルミニウム又はアルミニウム合金で構成されるフレーク粒子のほか、亜鉛、銅、ブロンズ、ニッケル、チタン、ステンレスなどの金属フレーク及びそれらの合金フレークが挙げられる。フレーク粒子の中でも、アルミニウムフレーク又はアルミニウム合金フレークは金属光沢に優れ、安価な上に比重が小さいため扱いやすく、特に好適である。
好適なフレーク顔料の説明については以上である。
ここで、フレーク状粒子が金属からなるものである場合、フレーク状粒子の性質を利用して、樹脂膜8内に金属ワイヤーグリッド構造を形成することができる。すなわち、金属製のフレーク状粒子を含有した顔料の溶液を基板表面に塗布し、その基板を一様な磁場中に配置することで、金属製のフレーク状粒子は、フレミングの法則に従って力の加わる一定方向に向きが揃うこととなる。フレーク状粒子の表面処理の効果により、フレーク状粒子は互いに重なり合わず、フレーク状粒子の太さ(直径)の寸法分だけ離れた状態で配置される。
この状態は、まさに金属ワイヤーグリッド構造である。かかる構造により、糸状のフレーク状粒子の長手方向に垂直な光成分は透過し、長手方向に平行な光成分は反射する。したがって、この金属ワイヤーグリッド構造により、シースルースクリーンに、特定の偏向方向の光のみを透過させる偏光板としての機能をもたせることができる。
さらに好ましい実施形態では、図2に示されているように、マイクロレンズアレイ4のマイクロレンズ6の頂部6aでは樹脂膜8の膜厚が薄く、谷部6bでは樹脂膜8の膜厚が頂部6aよりも厚くなっている。上述のように、樹脂膜8に含有されるフレーク状粒子の存在確率は、樹脂膜8の膜厚によって制御することができることから、このようにマイクロレンズ6の頂部6aと谷部6bで樹脂膜8の膜厚を異ならせることで、図6に示されているように、マイクロレンズアレイ4を構成する各マイクロレンズ6の面内に反射率分布を発生させることができる。これにより、マイクロレンズアレイ4の表面に樹脂膜8を均一に設ける場合に比べて、干渉縞の発生を抑制することができる。また、シースルー特性を向上させることもできる。さらに、視認性の角度依存性を小さくすることができ、スクリ−ンを斜めから見た場合でも視認性が良く、見る角度による画像の歪みが是正される。
特に、樹脂膜8の膜厚を図2のように制御することで、反射光の干渉が発生しやすいマイクロレンズ6の頂部6aでは反射率が低く、反射光の干渉が発生しにくいマイクロレンズ6の谷部6bでは反射率が高くなる(図6参照。)ため、干渉縞の発生をさらに抑制することができる。かかる構造は、樹脂膜8の形成工程において、マイクロレンズアレイ4の表面に塗布する樹脂粘度が低くなるように、フレーク状粒子を含有する顔料と溶媒との比率を調節し、その顔料溶液を基板表面にスピンナー方式等によって塗布し、一定時間、自然放置する。顔料溶液が硬化処理される前では、表面張力と重力の関係で顔料溶液がマイクロレンズアレイ4の各マイクロレンズ6間の谷部6bに沈み込む。他方、マイクロレンズ6の頂部6aには顔料溶液が残りにくい。この現象により、樹脂膜8の膜厚が、谷部6bのほうが頂部6aよりも厚くなり、フレーク状粒子の存在確率が高くなる。
このように、フレーク状粒子を含有する顔料と溶媒との比率を調節することでスクリーン全体における反射率分布を制御することができる。薄膜によって反射層が構成されている場合、膜構成を変更して反射率を変化させる必要があるが、樹脂膜8によって反射層を構成すれば、フレーク状粒子の含有率を変更することによって反射膜を制御することができる。また、フレーク状粒子の構造(粒径、アスペクト比、表面処理の差による重なり具合など)によっても反射膜を制御することができる。したがって、スクリーンの反射率の設計範囲が広く、かつその制御が容易である。
以上において説明した実施例では、基板2と樹脂膜8との間にマイクロレンズアレイ4が介在しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、図3に示されているように、基板2の表面に直接的に樹脂膜8が設けられている構造であっても、反射型スクリーンとして機能させることができる。この場合、マイクロレンズアレイ4が存在することによる視野角拡大効果やスペックル解消効果は得られないが、樹脂膜8中のフレーク状粒子の配置のランダム性によるスペックル解消効果を得ることができる。
次に、以上において説明したシースルースクリーンを用いた表示装置の一例について、図4を用いて説明する。
この表示装置は、例えば自動車のフロントガラスにスピード情報やナビゲーション情報を表示するものである。その場合、シースルースクリーン1はフロントガラスに埋設され、ユーザはシースルースクリーン1の側方(図において左側)に位置する。シースルースクリーン1は、以上において説明した本発明のシースルースクリーンである。
投射型プロジェクターによって構成される表示部14がシースルースクリーン1の下方に配置されている。表示部14には情報処理部16が接続されており、情報処理部16から送信された画像情報に基づいた光をシースルースクリーン1に向かって上方へ投射する。シースルースクリーン1は、表示部14から投射される光に対して斜めに配置されており、表示部14からの光の一部を反射させる。
シースルースクリーン1はその背面側(図において右側)からの光を透過させながら、その下方に設けられた表示部14からの光の一部を反射させる。これによってユーザは、シースルースクリーン1を透視してその背面側の景色を見ながらも、表示部14によってシースルースクリーン1上に映し出される画像を見ることができる。
以上においては、シースルースクリーンについて説明したが、本発明において反射層(樹脂膜)の反射率は設計事項であり、反射率の制御が容易であるため、本発明を、シースルースクリーンに限らない反射型スクリーン全般に適用することができる。
2 基板
4 マイクロレンズアレイ
6 マイクロレンズ
6a 頂部
6b 谷部
8 樹脂膜
10 樹脂層
12 保護基板
14 表示部
16 情報処理部

Claims (10)

  1. 光透過性の基板と、
    前記基板の一表面側を覆うように設けられ、光を反射させるフレーク状粒子を含有する樹脂膜と、を備えた反射型スクリーン。
  2. 前記フレーク状粒子はアルミニウムフレークである請求項1に記載の反射型スクリーン。
  3. 前記フレーク状粒子は金属からなり、前記樹脂膜中において略同一方向に並んで配列されている請求項1又は2に記載の反射型スクリーン。
  4. 前記樹脂膜の反射率が該反射型スクリーンの面内において不均一である請求項1から3のいずれか一項に記載の反射型スクリーン。
  5. 前記樹脂膜の反射率は該反射型スクリーンの中央部よりも外側部のほうが高くなっている請求項4に記載の反射型スクリーン。
  6. 前記基板と前記樹脂膜との間に、複数のマイクロレンズからなるマイクロレンズアレイが設けられている請求項1から5のいずれか一項に記載の反射型スクリーン。
  7. 前記マイクロレンズアレイにおいて前記マイクロレンズが不規則的に設けられている請求項6に記載の反射型スクリーン。
  8. 前記樹脂膜の反射率が前記マイクロレンズアレイを構成する前記各マイクロレンズの面内において不均一である請求項6又は7に記載の反射型スクリーン。
  9. 前記樹脂膜は、互いに隣接する前記マイクロレンズの間の谷部のほうが前記マイクロレンズの頂部よりも、厚みが厚く、かつ前記フレーク状粒子の単位面積当たりの存在確率が高くなっている請求項8に記載の反射型スクリーン。
  10. 前記反射膜は、光の一部のみを反射させ、残りを透過させるものであって、
    該反射型スクリーンは、前記基板の前記樹脂膜とは反対側の面から入射した光を透過させるシースルースクリーンである請求項1から9のいずれか一項に記載の反射型スクリーン。
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