JPH06258717A

JPH06258717A - 反射型映写スクリーン

Info

Publication number: JPH06258717A
Application number: JP5070719A
Authority: JP
Inventors: Toshikazu Nishio; 俊和西尾; Michiko Takeuchi; 道子竹内
Original assignee: Dai Nippon Printing Co Ltd
Current assignee: Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date: 1993-03-08
Filing date: 1993-03-08
Publication date: 1994-09-16

Abstract

(57)【要約】【目的】少ない映写光量でも、高輝度、且つ高コントラ
ストの画面が得られる映写スクリーンを提供する。【構成】光反射シートの映写光側の表面にレンチキュラ
ー型又は蠅の眼型の微細凸面鏡群を形成し、その表面に
透明光拡散層を形成してなる。光反射シートは、樹脂シ
ートに金属蒸着するか、或いは高輝性顔料を分散させた
ものを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、映写装置から投射され
る映像を受けるための映写スクリーン、とくに液晶プロ
ジェクター用の反射スクリーンに関する。

【０００２】

【従来の技術】液晶プロジェクターなどに使用する反射
型の映写スクリーンには、輝度が高いことおよび拡散性
能が良いことが要求される。

【０００３】この要求に応えたスクリーンとして、プラ
スチックなどのシートに接着剤を塗布し、その上に小径
のガラスビーズを最密充填するように並べて製造したも
のが知られている。ところが、このスクリーンは、反
射角が小さくて、良く見える領域が狭い。また、その
構造上、ビーズが脱落しやすいうえに表面にホコリがた
まりやすく、実用性に乏しい。とくに、この種のもの
を巻き上げ式のスクリーンとして使用すると、スクリー
ンを何回も巻いたり拡げたりしているうちに、ガラスビ
ーズが次第に脱落してしまうという問題もある。

【０００４】上記の問題を解決した映写スクリーンとし
て、出願人は、基布上に金属蒸着層を有するポリエステ
ルフィルムと、光輝性顔料を含有する半透明のポリ塩化
ビニルフィルムとを積層した、反射型の映写スクリーン
を開示した（実願平２─９２６４０号）。さらに出願人
は、光の拡散方向を一定の範囲に限定した映写スクリー
ンとして、基布上に、プラスチックシートの全面に金属
蒸着層または印刷層を形成した反射層、プラスチックの
フレネルレンズシート、および光拡散材の粉末を含有す
るプラスチックの拡散層を順に設けたスクリーンを提案
した（特願平２─３３６６５４号）。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高輝
度および均一な拡散能を両立したうえで、さらに画面の
コントラストを高めて画像を見やすくした反射型映写ス
クリーンを提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の反射型映写スク
リーンは、最低限、図１に示すように、映写光側が微細
な凸面鏡５を多数配列した反射シート１の上に透明光拡
散層３を積層してなる反射型映写スクリーンである。具
体的な態様としては、反射シート１が、図１に示すよう
に、透明プラスチックシート自体に光輝性顔料を練り込
み、その表面に微細な突起を成形して凸面鏡にしたもの
でも良いし、或いは図４に示すように、予め微細な突起
を成形したプラスチック支持シートの表面に光反射層で
被覆することにより凸面鏡にしたものでも良い。

【０００７】本発明の反射型映写スクリーンの他の態様
としては、図２、図３、図５、図６に示すように、反射
シートと透明光拡散層との間に透明層を充填してなるも
の、及び図３、図６に示すように、入射光側と反対側の
表面が平坦になるように裏打ち層を設けてなるものであ
る。

【０００８】又図５のように透明層の裏面（映写光側と
反対側）に微細な突起を形成しその裏面に光反射層を形
成した物、或いは図７のように裏面に微細な突起を形成
しその裏面に光反射層を形成した物であっても良い。

【０００９】反射シート１又はその支持シート２には、
ポリ塩化ビニル、ポリスチレン等のビニル樹脂、、ポリ
メタアクリル酸メチル、ポリアクリル酸メチル等のアク
リル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレ
フィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテ
レフタレート等のポリエステル、トリアセチルセルロー
ス、ポリカーボネート等を代表とする透明性と成形性と
を有するプラスチックのシートを使用すればよい。特
に、可撓性、成形加工性の点からは可塑剤量が１０〜３
０重量分の半硬質ポリ塩化ビニルが好適である。支持シ
ートの厚さは任意であるが、通常は５０〜５００μｍの
範囲が適当である。

【００１０】反射シート又は支持シート表面に微細な凸
面鏡状の突起を形成するには、例えば特開昭６４─６９
３５号公報、特開平２─１３１１７号公報等に開示の、
「ドラムプリンティングシステム」とよばれる技術を利
用すればよい。この印刷法は、突起を作る場合であれ
ば所定のパターンの凹みを設けた印刷ドラムを使用し、
その少なくとも凹部に紫外線または電子線で硬化する樹
脂等を充填してから支持シートをドラムに巻き付け、紫
外線または電子線を照射して樹脂を硬化させるとともに
支持シートに付着させ、ドラムから突起を賦型された硬
化樹脂層と支持シートを剥がすことからなる。

【００１１】この他、熱圧（プレス）成形、射出成形、
シルクスクリーン印刷等、既知の成形技術、印刷技術を
適用することができるが、突起の形状や曲率を正確に再
現するには、ドラムプリンティングシステムが最適であ
る。

【００１２】凸面反射鏡５を構成する微細な突起の形状
は、例えば、球面、楕円体面、回転放物面等（の一部
分）の微小凸面鏡群を全面に分布させた所謂『蠅の目レ
ンズ』型（図８）、或いは、円柱、放物面柱、楕円柱や
これらを対称軸方向に半裁したもの等の柱状形状の凸面
鏡群を、全面に、各柱状体の軸方向が平行になるように
隣接して分布させたもの、すなわちレンチキュラーレン
ズ型反射凸面鏡（図７）とがある。

【００１３】このうち、上下、左右、斜めの全方向に等
方向的に光を拡散させて、全方向の視野から同様の輝度
で見えるようにしたい場合は、前者の球面凸面鏡群の使
用が適しており、また通常の鑑賞用などで上下方向の広
視野は不要で、むしろ左右方向に広視野を要する場合に
は、後者のレンチキュラー型凸面鏡群が限られた光量を
効率よく必要部分（正面左右方向）にだけ拡散できるた
め好適である。通常、水平面内（左右方向）の光拡散
半値角（スクリーンに法線方向の反射率に対し、各Θ傾
斜した角度での反射率が１／２に減衰するとした場合、
２Θを半値角と定義する。）は大体２０°以上９０°以
下、好ましくは、３０°〜６０°程度必要である。

【００１４】さらに、映写スクリーンに対し中心正面か
ら見たときにスクリーン周辺部の輝度が不足するという
問題に対処するためには、本発明の各種凸面鏡群の正面
にフレネルレンズを置き、スクリーン周辺部から視野外
へ散逸していく光を、スクリーン中心正面方向に収束さ
せるようにすればよい。これは、透過型のテレビスクリ
ーンなどで知られている技術の転用といえる。或いは、
特開昭５６−１６５１３５号公報に開示されるように、
レンチキュラーレンズの軸をスクリーンの中心部から左
右両端に近づく程、中心部に向かって傾斜させることに
より、スクリーン周辺部から視野外へ散逸していく光
を、スクリーン中心正面方向に反射させるようにすれば
よい。微細な突起の大きさ、即ち凸面反射鏡５の曲率半
径、繰り返し周期、及び凸部の高さは、５０μｍ〜３０
０μｍ程度が適当である。これらパラメータのうち突起
の周期は映写スクリーンの寸法と走査線の数による画素
数等にもとづいて決定する。通常、１画素に１個の反射
凸面鏡突起を割り当てるか、又は１画素を数個の突起で
分割するが、特に画素と凸面鏡とのモワレ縞を防止する
為には、凸面鏡の周期を画素の周期の１／３以下にする
と良い。又突起部の屈折率、曲率半径、周期、高さ、形
状の選定によって反射光の光拡散性（半値角）、輝度、
が決定される。図７（Ｂ）に円柱型レンチキュラーレン
ズ、又は蠅の眼レンズ形状の場合について、曲率半径
Ｒ、周期Ｐ、凸部の高さＤの定義を図示する。

【００１５】反射層１１は、光輝性顔料または金属の被
覆により形成できる。少ない映写光量で高輝度の画面を
得る時、特に３管式の投影式テレビジョンで高輝度の画
面を得る場合は金属被覆が好ましい。光輝性顔料の被覆
は透明樹脂ビビクル中に光輝性顔料を分散した塗料をス
プレー、グラビヤ、ロール方式により塗布して得られ
る。使用される光輝性顔料としてはアルミニュウム（Ａ
ｌ）、銀等の銀白色の金属粉末顔料、二酸化チタン被覆
雲母、酸塩化ビスマス、魚鱗粉等のパール顔料等を使用
する。これちは鱗片状粒子となっている物を使用するの
が、光の反射性（映写面の輝度）の点から好ましい。平
均粒径は５μｍ〜５０μｍ程度のものを用いる。金属の
被覆は蒸着、スパッタ又は無電解メッキ等により得られ
る。この場合に使用する金属は、Ａｇ、Ａｌ、Ｎｉ、Ｃ
ｒなど既知のものでよい。

【００１６】透明光拡散層３は、光拡散材を含有する塗
料の塗布又は光拡散材を分散含有する透明樹脂層の積層
により形成できる。或いは光拡散材を分散含有する塗料
を一旦透明樹脂シート上に塗工した物を透明光拡散層と
して積層することもできる。透明プラスチックシート
は、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポ
リエチレン、ポリスチレン等のポリオレフィン、ポリメ
タアクリル酸メチル等のアクリル樹脂、塩化ビニル樹
脂、ポリスチレン等のビニル樹脂、ポリカーボネート、
トリアセチルセルロース等任意である。

【００１７】透明層２としては、前記した透明光拡散層
や光反射層支持シートの材料と同様の透明樹脂を用いる
ことも出来るが、別々のシートとして作った透明光拡散
層と反射シートとを積層させる場合には、透明な無溶剤
硬化型接着剤を用いて接着し硬化した接着剤層を該透明
層２とすると良い。該無溶剤硬化型接着剤の例として
は、熱硬化型樹脂、特に２液反応硬化型樹脂を用いた
物、例えばイソシアネートとポリオールとの架橋硬化反
応を用いるポリウレタン樹脂、アミン等を硬化剤として
用いるエポキシ樹脂、イソシアネート等を硬化剤として
用いるポリエステル樹脂等。電離放射線硬化型樹脂を
用いた物、例えばウレタンアクリレート、ポリエステル
アクリレート等のアクリレート、不飽和ポリエステル等
の多官能の単量体、プレポリマー又はオリゴマーからな
る物。電離放射線としては通常電子線又は紫外線が用い
られる。勿論、の無溶剤硬化型接着剤は塗工時には
溶剤で稀釈してもよいが、気泡残留を防止する為に溶剤
を完全に乾燥除去して後、透明光拡散層と反射シートと
を接着させる。

【００１８】裏打ち層としては、巻き上げスクリーンを
製造する場合は、ガラス繊維、ビニロン等の織布又は不
織布、或いは２軸延伸ポリエチレンテレフタレート等の
プラスチックフィルムの柔軟で可撓性且つ寸法安定性の
ある材料を使用し、固定式スクリーンが所望ならば、金
属板、木質板、プラスチック板等の剛性のある材料を積
層して形成できる。また、塗料を全面に塗布することに
よっても形成できる。映写スクリーン裏面からの外光
（ノイズ光）が映写画面に透過して来るのを防止する
為、該裏打ち層には、チタン白、カーボンブラック等の
隠蔽性顔料を添加するのが好ましい。

【００１９】

【作用】本発明の反射型映写スクリーンは、反射シート
の有する金属被覆等の高反射率の光反射面により同じ映
写光量で映写しても、より高輝度、且つ高コントラスト
の画面が得られる。又凸面鏡と透明拡散層とを組合せた
拡散反射特性により、適度の半値角内で均一な輝度の画
面を観察することができる。更に、詳しい機構は不明で
あるが、映写光側に向かって凸になった微細な凸面鏡群
と３原色が相互に角度をなしてスクリーン面に到達する
３管式の投影式テレビジョンと組み合わせると、良好な
天然色（或いは白色）の再現性と高輝度の画面を得るこ
とが出来る。

【００２０】

【実施例】下記の組成で仕様で突起を多数配列した透明
支持シートを、ドラムプリンティングシステムにより用
意した。レンズ形状と同形状で凹凸が逆の形状を刻設し
た金属円筒の成形型（版）を低速で回転させつつ、該凹
凸形状部へ紫外線硬化型樹脂液を塗布供給し、成形型の
周速度と同期する速度で走行する基材シートを、該樹脂
液を介して成形型に押圧、密着させた状態で紫外線照射
で該樹脂液を硬化させ、而る後基材シートとこれに接着
しレンズ形状を賦型された硬化樹脂を離型した。レンズ形状形：円柱型レンチキュラーレンズ周期Ｐ：５９ μｍ半径Ｒ：３５ μｍ高さＤ：１７ μｍ透明支持シートの基材シート：２軸延伸ポリエチレンテ
レフタレートシート（帝人ＨＰ−７、厚み７５μ
ｍ）紫外線硬化樹脂：ウレタンアクリレート系の多官能オ
リゴマー及びモノマー上記の透明支持シートの突起状表面の全面に、アルミニ
ウムを蒸着して反射層を形成して表面に凸面鏡群を有す
る反射シートを作製した。一方、下記の仕様で透明光拡
散層を表面凹凸を有するシートを、ドラムプリンティン
グシステムにより用意した。凹凸形状形不規則な微小凹凸平均ピッチ３６μ 平均深さ０．３７μ 透明支持シートの基材シート：２軸延伸ポリエチレンテ
レフタレートシーと（帝人ＨＰ−７、厚み３８μ
ｍ）紫外線硬化樹脂：ウレタンアクリレート系の多官能オ
リゴマー及びモノマー上記の透明光拡散シートについて、下記の光学特性が得
られた。全透過率９０．５％拡散透過率５９．２％ヘイズ値６５．０％グロス値１６．０％

【００２１】ガラス繊維の基布上に、中間シートとして
支持シートと同じ大きさの半硬質黒色ポリ塩化ビニルシ
ート（厚さ２００μｍ）を積層し、その上に上記の反射
シートをその凸面鏡側が外側になるよう積層し、更にそ
の凸面鏡の上に上記透明拡散シート（層）を積層した。
積層は透明な２液硬化型ポリウレタン樹脂の接着剤を用
いた（アクリルポリオールにトリレンジイソシアネート
を硬化剤として添加）。この積層体を長さ１５２４mm単
位に裁断して、本発明の映写スクリーンを得た。

【００２２】

【発明の効果】本発明の反射型映写スクリーンは、従来
よりも少ない映写光量で、より高輝度の画像が得られ、
かつコントラストが明瞭である。従って大画面に高画
質の映像を映し出すことができるから、液晶プロジェク
ターをはじめとする各種の映写手段と組み合わせて使用
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の反射型映写スクリーンの一例を説明
するための、模式的な断面図。反射シート自体に光輝性
顔料を分散させた態様。

【図２】本発明の反射型映写スクリーンの一例を説明す
るための、模式的な断面図。反射シート自体に光輝性顔
料を分散させた態様。

【図３】本発明の反射型映写スクリーンの一例を説明す
るための、模式的な断面図。反射シート自体に光輝性顔
料を分散させた態様。

【図４】本発明の反射型映写スクリーンの一例を説明す
るための、模式的な断面図。反射シートが支持体シート
と反射層の２層からなる態様。

【図５】本発明の反射型映写スクリーンの一例を説明す
るための、模式的な断面図。反射シートが支持体シート
と反射層の２層からなる態様。

【図６】本発明の反射型映写スクリーンの一例を説明す
るための、模式的な断面図。反射シートが支持体シート
と反射層の２層からなる態様。

【図７】本発明の反射型映写スクリーンの一例の正面図
（Ａ）、及び断面図（Ｂ）。レンズ形状が円柱型レンチ
キュラーレンズの態様。

【図８】本発明の反射型映写スクリーンの一例の正面図
（Ａ）、及び断面図（Ｂ）。レンズ形状が蠅の眼レンズ
の態様。

【符号の説明】

１反射シート２透明層３透明光拡散層４裏打ち層５凸面鏡

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】映写光側が突起状になった微細な凸面鏡
を多数配列した反射シートと、さらにその突起の上に透
明光拡散層を積層してなる反射型映写スクリーン。
【請求項２】請求項１において、更に反射シートと透
明光拡散層との間に透明層を充填してなる反射型映写ス
クリーン。
【請求項３】請求項１または２において、更に映写光
側と反対側の表面が平坦になるように裏打ち層を設けて
なる反射型映写スクリーン。