JP3218662B2 - 反射型スクリーンの製造方法 - Google Patents

反射型スクリーンの製造方法

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JP3218662B2 JP02409492A JP2409492A JP3218662B2 JP 3218662 B2 JP3218662 B2 JP 3218662B2 JP 02409492 A JP02409492 A JP 02409492A JP 2409492 A JP2409492 A JP 2409492A JP 3218662 B2 JP3218662 B2 JP 3218662B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、映画、テレビジョンな
どの動画を映写するための、反射型スクリーンの製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶プロジェクターの普及にともない、
大画面に高画質の映像を、高い輝度をもって映し出すこ
とができるスクリーンが求められるようになってきた。
これに対応すべく出願人は、下記のようなスクリーン
を開発してすでに提案した(特願平3−19676
3)。 そのひとつは、裏面に光吸収層を有するガラス
繊維の基布上に、白色不透明で柔軟なプラスチックの基
材シート、および光輝性顔料または方解石の粉末を練り
込んだ半透明で柔軟なプラスチックの光拡散層を順に設
け、表面にエンボスを施したスクリーンであり、いまひ
とつは、裏面に光吸収層を有する白色不透明で柔軟なプ
ラスチックの基材シート、および光輝性顔料または方解
石の粉末を練り込んだ半透明で柔軟なプラスチックの光
拡散層を順に設け、表面にエンボスを施したスクリーン
である。
【0003】この種のスクリーンは、たとえば実開昭6
2−164329号公報に開示されているような方法に
より製造している。 すなわち、基布、基材シートおよ
び光拡散性層をそれぞれ積層した後に、光拡散性層の表
面にエンボスを施す方法によるか、または基布、基材シ
ートおよび光拡散性層を積層すると同時に、光拡散性層
の表面にエンボスを施す方法である。
【0004】ところが、エンボス法では正確なレンズ形
状をもつ微細凹凸を形成することが困難である。 十分
な熱と時間をかけてエンボス加工すれば凹凸形状は多少
正確になるが、それでも満足な光学特性を与えることは
難しいし、生産性が低くなって実用的な製造方法とはい
えない。
【0005】スクリーンの別の製造方法として、フレネ
ル凹面をもつ成形体に、高反射性フィルムおよび光拡散
性フィルムを真空成形法により積層一体化する方法が知
られている(特開昭53−123926号公報)。 こ
の方法は大型のスクリーン製造に適用するのが困難であ
るうえに、上記のような製法とちがって、固定式のスク
リーンしか製造できず、巻き上げ式のスクリーンが製造
できないという欠点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、所望
の光学特性をもつ反射型スクリーンを、工業的実施に有
利な生産性をもって製造できる方法を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の反射型スクリー
ンの製造方法は、表面にレンズ状の微細凹凸を配置した
反射型スクリーンを製造する方法であって、下記の諸工
程からなる: 1A)図1に示すように、表面にレンズ状の微細凹凸を
有するロール凹版(5)を回転させ、ロール凹版(5)
の少なくとも凹部に電離放射線硬化性樹脂液(13)を
充填し、このロール凹版に、ロール凹版の回転方向に同
期して走行する透明かつ柔軟なプラスチックの支持シー
ト(11)を押し当てるか、または 1B)図2に示すように、ロール凹版(5)に、電離放
射線硬化性樹脂液(13)を塗布した、ロール凹版の回
転方向に同期して走行する、透明かつ柔軟なプラスチッ
クの支持シート(11)を、塗布面がロール凹版に当た
るように押し当てて、 2)ロール凹版を支持シートがロール凹版から外れない
ように同期回転させるとともに、電離放射線を照射して
上記電離放射線硬化性樹脂液を硬化させると同時に硬化
樹脂層(12)と支持シート(11)とを接着させ、 3)支持シートを硬化樹脂層とともにロール凹版から分
離することにより、支持シート(11)の一方の面にレ
ンズ状の微細凹凸硬化樹脂層(12)を形成したレンズ
シート(1)を製作し、 4)このレンズシートの非レンズ面に、図3に示すよう
に、光拡散反射性の裏打ち基材シート(2)を積層する
こと。
【0008】図1および図2において、(6),(7),
(8)はそれぞれ、押圧ロール、送りロール、電離放射線
照射手段であり、図2において(9)は塗布手段である。
【0009】ロール凹版の凹部に電離放射線硬化性樹脂
液を充填するには、図1に示したように、ロール凹版に
支持シートを押し当てるところに樹脂を供給して、ロー
ル凹版の回転とともにその凹部に樹脂が充填されるよう
にすればよい。 より好ましいのは、Tダイ式のノズル
塗工装置などを用いて樹脂をロール凹版の凹部に充填す
る手法であって、この方が樹脂層への気泡混入の防止が
容易である。
【0010】最も好適な製造装置は、図5に示す構成の
ものである。この装置を、図5(A)を参照して説明す
ると、ロール凹版(5)は、円筒状の版材に、レンズ形
状の凹部を設けたものである。 凹部は、円筒状の版材
に直接旋盤加工する方法、電鋳法で形成したミルによる
ミル加工等で切削する方法、あるいは電鋳法などで製造
できる。 ロール凹版の材質としては、銅、クロム、鉄
等の金属、NBR、エポキシ、エボナイト等の合成樹
脂、ガラス等のセラミックスを用いることができる。
ロール凹版の大きさはとくに限定されず、製造しようと
するスクリーンの大きさに応じて、適宜選択することが
できる。 図示しないが、ロール凹版には駆動装置を設
け、回転駆動するように構成する。
【0011】樹脂液(13)の粘度を所定の値に調整す
るには、図6に示したロール凹版の(A〜D)のよう
に、内部を中空とし、その中空部に、適当な温度の水、
油、蒸気等の熱媒体となる流体を流入・流出させ、版表
面温度を適切な値に制御する方法が利用できる。 樹脂
液の温度は、一般に高温になるほど低下するが、高温す
ぎると樹脂液の分解や蒸発が起るために、樹脂によって
も異なるが、約15〜50℃が好ましい。
【0012】前記流体を流入・流出させるには、図6に
示す、種々の態様が可能である。すなわち(A)のよう
にロール凹版(5A)の回転軸(5a)の一方側から他
方側に流体を流す方式、(B)のようにロール凹版(5
B)の内部に送り管(5b)を挿入し、送り管によって
ロール凹版の奥に送った流体をロール凹版の内壁に沿っ
て戻す方式、(C)のように、ロール凹版(5C)の内
部に、これとほぼ相似形の内管(5C)を設け、ロール
凹版と内管との間に流体を通す方式、(D)のようにロ
ール凹版(5D)の内部に(E)に示した開孔(5e)
を多数設けた送り管(5d)を挿入し、送り管の開孔か
ら噴射した流体をロール凹版の内壁に沿って戻す方式な
どである。
【0013】版表面の温度を均一に調整する上で最良の
ものは、図6(D)の態様である。
【0014】図5(A)に戻って、押圧ロール(6)
は、基材シート(11)を押圧するもので、通常、直径
140mm程度の大きさに、シリコンゴム、NBR、E
PT等で形成することができる。 押圧ロール(6)お
よび送りロール(7)は、ロール凹版(5)とつれ回る
形式でもよいが、駆動装置により駆動することが好まし
い。
【0015】電離放射線照射装置(8a)による電離放
射線硬化性樹脂液の硬化を完全にするために、追加の照
射装置(8b)を設けてもよい。
【0016】電離放射線硬化性樹脂液(13)をロ−ル
凹版(5)に塗工する手段としては、図5(A)に示し
た、ノズル塗工装置を用いることが望ましい。 このノ
ズル塗工装置は、Tダイ状のノズルが所定寸法の長方形
または線状の吐出口を有し、ロ−ル凹版の全幅のうちの
所定の幅をカバ−するように設けてあり、電離放射線硬
化性樹脂液を加圧してカ−テン状にロ−ル凹版1上へ吐
出するための加圧手段を備えている。
【0017】図示はしてないが、電離放射線硬化性樹脂
液をロ−ル凹版上へ塗工させず基材シ−ト上に塗工した
後に、押圧ロ−ルによってロ−ル凹版に基材シ−ト4上
の塗膜面を押圧して、上記と同じ効果を得ることもでき
る。 気泡の混入がなく、微小凹凸を忠実に再現するた
めには、ロ−ル凹版側に樹脂液を塗工する方が好まし
い。
【0018】電離放射線照射装置は、図5(A)に示し
たように1個でもよいが、図5(B)に示すように、複
数個(この実施例では、8a−1〜8a−5の5個)を
設け、ロ−ル凹版内の樹脂液を多段階に硬化させるよう
にしてもよい。 このようにすれば、基材シ−トの走向
速度を速くしても十分な照射量が得られ、また、徐々に
硬化させることにより、樹脂液の硬化物の歪み、基材シ
−トのカ−ルや歪みを低減することができて好ましい。
【0019】ここで使用する電離放射線硬化性樹脂は、
既知のもののなかからえらべばよいが、粘度が5000
cps以下のもの、とくに1000cps程度のものが、ロー
ル凹版の凹部によくゆきわたり好ましい。 樹脂の粘度
は、適宜なモノマー、オリゴマー、プレポリマーの選択
によるほか、ロール凹版の温度を変化させることによっ
て調節できる。 電離放射線硬化性樹脂液は、なるべく
は溶剤で希釈せずに使用したい。 溶剤を含まない樹脂
は、硬化時に体積収縮や形状変化がほとんどなく、版の
凹凸形状を正確に支持シート上に再現できるからであ
る。
【0020】電離放射線硬化性樹脂の側は、分子中にエ
チレン性不飽和結合またはエポキシ基もしくはチオ−ル
基を有するモノマ−、オリゴマ−、プレポリマ−であ
り、具体的にはウレタン(メタ)アクリレ−ト、ポリエ
ステル(メタ)アクリレ−ト等の(メタ)アクリレ−ト
類、不飽和ポリエステル類であり、とくに光または紫外
線で硬化させる場合には、既知の光反応開始剤を添加す
るとよい。
【0021】図2に示した態様において、支持シートへ
の電離放射線硬化性樹脂の塗布は、ロールコーター、ナ
イフコーターなど既知の塗布手段を利用すればよい。
この場合は、いずれの塗布手段によるにしても、樹脂を
溶剤で希釈しなければ実施が困難であるから、支持シー
トをロール凹版へ押し当てるのに先立ち、加熱して塗膜
から溶剤を輝散させることが好ましい。 必要ならば電
離放射線を照射して塗膜を半硬化させ、粘度を調節する
こともできる。
【0022】電離放射線の照射手段には、紫外線ラン
プ、たとえば超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、
カーボンアーク、ブラックライトランプ、メタルハライ
ドランプが、操作が簡単で好ましい。 各種の電子線加
速器、たとえばコックロフトワルトン型、バンデグラフ
型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナ
ミトロン型、高周波型の電子線加速器を使用してもよ
い。
【0023】支持シートの材料として紫外線を透過させ
難いものを用いる場合、たとえば後述するような光輝性
顔料などを練り込んだプラスチックシートを用いる場合
には、上記の電子線加速器を使用するか、またはロール
凹版を石英やガラスのような電離放射線を透過させる材
料で製作し、ロール凹版の内部から電離放射線を照射す
ればよい。
【0024】透明な支持シートおよび基材シートの材料
として使用するプラスチックは、柔軟なものであればよ
く、支持シ−トは可視光に対する透明性が要求される
が、基材シートは不透明のものを用いることができる。
材質はポリ塩化ビニルが代表的であって、とくに、ポ
リ塩化ビニル100重量部に対し、可塑剤を10〜60
重量部程度加えた半硬質ないし軟質の材料が好適であ
る。 そのほか、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリカーボネートなども好適
に使用できる。 支持シートの厚さは25〜200mmの
範囲が、基材シートの厚さは50〜200mmの範囲が適
当である。
【0025】高い反射率と適度の半値角を得るため、支
持シ−ト中に後述する光輝性熱料を0.5〜10重量%
程度添加することもできる。
【0026】硬化樹脂層、すなわち支持シート上の微細
凹凸は、その凹部または凸部の形状が二次曲面または三
次曲面になるように形成すればよい。 具体的には、た
とえば球面、楕円面、回転放物面など(の一部分)、円
錐または円錐台、角錐または角錐台、または微小凹面鏡
群を全面に分布させた、いわゆる蝿の目レンズ型あるい
は、円柱、放物面柱、楕円柱やこれらを対称軸方向に半
裁したものなどの形状の凹面鏡群を、全面に、上下方向
が軸方向になるように分布させたもの、すなわちレンチ
キュラー型反射凹面鏡とがある。
【0027】このうち、上下、左右、斜めの全方向に等
方向的に光を拡散させて、全方向の視野から同様の輝度
で見えるようにしたい場合は、前者の球面凹面鏡群の使
用が適しており、また通常の鑑賞用などで上下方向の広
視野は不要で、むしろ左右方向に広視野を要する場合に
は、後者のレンチキュラー型凹面鏡群が限られた光量を
効率よく必要部分(正面左右方向)にだけ拡散できるた
め好適である。 通常、水平面内(左右方向)の光拡散
半値角(スクリーンに垂直の方向の反射率に対し、傾斜
した角度での反射率が1/2に減衰する角度)は20°
以上、好ましくは60°程度必要である。
【0028】硬化樹脂層の表面形状は、在来の反射型ス
クリーンに常用されているようなエンボスパターン、た
とえば波型が90°交叉するパターンや、砂目調、ヘア
ライン調のパターンの類で構成することができる。
【0029】裏打基材シートの構成は、支持シートに近
い側から、光拡散層、光反射層、黒色または白色の不透
明な基材シート、基布、光吸収性層をこの順で積層した
ものである。 とくに大きな反射率、狭い光拡散半値角
を要しないときは、光拡散層、光反射層の一方または両
方を省いてもよい。
【0030】白色不透明な基材シートを得るには、前記
した基材シート用のプラスチックに、TiO2微粉末等
の白色顔料を混練して製膜すればよい。 所望する反射
量によっては、黒色の樹脂シートを代りに使用してもよ
い。
【0031】基布は、スクリーンの寸法安定性を高める
ためのものであり、とくに巻上げ式スクリーンとして使
用したときには、引き下したスクリーンがたるまないよ
うにするはたらきを要求される。 また、巻上げて保管
したスクリーンを再度巻戻して映写に使用するときに、
巻き癖が残っていると映像が歪むため、基布は十分な弾
性復元性と剛性をもつことを要求される。 これらの要
求を満たすものが、ガラス繊維の織布または不織布であ
る。
【0032】ガラス繊維の基布に光吸収層を設けるとき
は、暗色たとえば黒色、黒褐色または濃紺色の顔料を基
材シートの材料と同様なプラスチックに練り込み、成形
したシートを基布に積層すればよい。 このシートの厚
さは、基材シートと支持シートとの合計の厚さと同程度
にすると、スクリーンが厚さ方向にバランスのとれたも
のとなり好ましい。
【0033】基材シートに光吸収層を設けるときは、基
材シートに暗色インキのベタ印刷を施せばよい。 印刷
は既知の手段に従うことができる。
【0034】レンズシート、基材シートおよび基布は、
三者を同時に積層してもよいし、まず基材シートと基布
とを積層して裏打ちシートを形成し、次にこの積層体と
レンズシートとを積層してもよく、順序は任意である。
積層はドライラミネート法、熱融着法など、既知の手
法のなかから適宜にえらぶ。
【0035】スクリーンの光学特性として、日光や電灯
光のような光がスクリーンに照射する明るい場所でも鮮
明な映像を見えることが要求される場合は、レンズシー
トと、基布または基材シートとの間に、光拡散層や光反
射層のいずれか一方または両方を設けてもよい。 光拡
散層は、光輝性顔料または方解石の粉末を練り込んだ、
半透明で柔軟なプラスチックのシートである。 光拡散
層に用いるプラスチックは、基材シートや支持シートに
用いるプラスチックと同様なものでよい。
【0036】光輝性顔料の例をあげれば、次のとおりで
ある。 (イ)パール顔料と称するもの、具体的には貝
がらの内側の部分や真珠を粉砕したもの、マイカ、マイ
カの微粒子にTiO2または酸化鉄を焼き付けたもの、
(ロ)金属粉、具体的には銅、アルミニウム、真ちゅ
う、青銅、金、銀などの、好ましくは1〜120μmの
微粒子、(ハ)蒸着されたプラスチックフィルムの破
片、たとえばポリエチレンテレフタレートフィルムに上
記のような金属、通常はアルミニウムを蒸着し、粉砕し
たもの。 これらの光輝性顔料は、形状が鱗片状のもの
が好ましい。 鱗片状体の面を基材シートの面と平行に
配列されると、高輝度の乱反射をさせることができる。
【0037】方解石の粉末は、平均粒径が2〜20μm
のものが好適であって、その粒度分布はなるべく狭いこ
とが好ましい。 たとえば平均粒径5μmの場合、80
重量%以上が3〜7μmの範囲に入るような粒度分布で
ある。
【0038】光拡散層とするプラスチックに添加する光
輝性顔料または方解石粉末の量は、0.5〜10重量
%、とくに2重量%程度が好ましい。
【0039】光拡散層の厚さは、反射層を設けない場合
には、反射光の減衰を抑えて映像を明るく保つという配
慮にもとづき、0.04〜0.8mmの範囲とするのが適
当である。 反射層を設けた場合は、反射光量の減衰は
少ないから、むしろ光拡散層の厚さを厚めにして半値角
を広げるという観点から、0.05〜1mmの範囲が適当
である。
【0040】光拡散層の積層も、他のシートの積層と同
様に行なえばよい。 支持シートに上記の光輝性顔料ま
たは方解石粉末を分散させたものを用いて、支持シート
を光拡散層とすることもできる。
【0041】光反射層は、各シートの積層前に、光拡散
層または基材シートに、光輝性顔料または方解石の粉末
を含有するインキをベタ印刷して設ける。
【0042】光反射層の印刷に使用するインキは、通常
のインキビヒクル中に光輝性顔料または方解石の粉末を
分散したインキであって、ビヒクルの例は、ポリ塩化ビ
ニル、塩ビ酢ビ共重合体、アクリル樹脂、ポリウレタ
ン、ポリエステルなどである。インキに占める光輝性顔
料の割合は高い方が好ましいが、ビヒクルの割合が低す
ぎると基材シート上の印刷層形成が難しくなるので、イ
ンキ組成は、顔料100重量部に対しビヒクル5〜50
重量部が好ましい。 印刷により塗布する厚さは、通常
1〜10μm程度である。
【0043】この種の粗粒の光輝性顔料を分散させたイ
ンキは、印刷時にムラが生じやすいから、1回で所望の
厚さまで印刷することをせず、数分の一の厚さに印刷す
ることを数回繰り返す重ね刷りを行なって全層で所望の
厚さにすると、光拡散層の反射性能が高く得られて好ま
しい。
【0044】方解石粉末を用いる場合、インキの組成
は、上記と同じ理由により、方解石粉末100重量部に
対しビヒクル10〜100重量部、とくに10〜50重
量部の範囲が好ましい。
【0045】印刷は、グラビア法、シルクスクリーン法
などの印刷法や、スプレーコート、ロールコートなどの
塗布法をはじめとする既知の手法によればよく、印刷層
の厚さは、乾燥状態で1μm以上あれば足りる。
【0046】
【作用】本発明ではスクリーン表面の微細凹凸の形成手
段として、従来のエンボス法に代え、ロール凹版を使用
して電離放射線硬化性樹脂を印刷的に支持シート上に配
置するという方法を採用した。 この方法によれば、流
動性の未硬化樹脂で凹凸形状を形成し、凹版で規制した
状態でそれを硬化させるので、凹版の形状を正確に再現
した微細凹凸をスクリーン表面に形成でき、結果として
所望の光学特性をもつ反射型スクリーンが製造できる。
【0047】本発明の製法によれば、レンズシートは連
続的に製造できるので、スクリーン一枚ごとにエンボス
を施す方法にくらべて生産性が高い。
【0048】
【実施例】レンチキュラーレンズ形状と逆の凹凸形状を
電鋳法により形成し、表面にクロムメッキをした銅製の
ロール凹版を用意した。 図5に示したような、電離放
射線硬化性樹脂液をロール凹版の凹部に充填するノズル
塗工装置、支持シートをロール凹版に押し当てる押圧ロ
ール、支持シートをロール凹版から外す送りロールを組
み立て、押圧ロールと送りロールとの間に、電離放射線
照射手段として、二灯式オゾン発生タイプ高圧水銀灯
(強度120W/cm)を、ロール凹版の回転方向に沿っ
て5灯設けた。
【0049】支持シートとして厚さ25μmの無色透明
な二軸延伸ポリエチレンテレフタレートシートを使用
し、その上にポリエステルアクリレート多官能単量体を
主成分とする紫外線硬化性樹脂液(無溶剤タイプ、粘度
1000cps)を、上記の装置を用いて適用し、レンチキ
ュラーレンズ形状の硬化樹脂層を形成したレンズシート
を製作した。
【0050】基布の裏面に設ける光吸収層として、厚さ
0.2mmの黒色ポリ塩化ビニルシート(DOP:60ph
r)を使用し、基布としてガラス繊維の織布を使用した。
基材シートとしては厚さ0.13mmの白色ポリ塩化ビ
ニルシート(DOP:60phr)を使用し、光拡散層とし
て、ポリ塩化ビニル(DOP:60phr)に2重量%のパ
ール顔料(チタンコーティング雲母)を混練して押出し
成形した、厚さ0.12mmの半透明なシートを使用し
た。
【0051】上記の光吸収層の上に、基布、基材シート
および光拡散層を順に重ね、鏡面版ラミネートロールを
用いた熱圧ダブリング法により一体化した。
【0052】この積層体の光拡散層の上に、前記のレン
ズシートを、二液硬化型ポリウレタン接着剤を使用した
ドライラミネート法により積層し、所定の大きさに裁断
して本発明の反射型スクリーンを得た。
【0053】
【発明の効果】本発明の方法によれば、所望どおりの光
学特性をもつ反射型スクリーンを製造できる。 この製
造方法は、従来のエンボス法による製造方法にくらべ
て、生産性が高く、従ってコスト面で有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の製造方法におけるレンズシート製作
の、一態様を説明するための概念的な図。
【図2】 本発明の製造方法におけるレンズシート製作
の、図1とは別の態様を説明するための同様な図。
【図3】 本発明の製造方法における積層工程の、ひと
つの態様を説明するための模式的な断面図。
【図4】 本発明の製造方法における、積層工程が図3
とは別の態様をとった例を説明するための図。
【図5】 Aは、本発明の製造方法におけるレンズシー
ト製造の、図1および図2と別の態様を説明するための
同様な図。 Bは、Aのさらに変更態様を示す、一部を
拡大して示した図。
【図6】 A,B,CおよびDは、図5Aに示した凹版
ロールの内部の構造について諸態様を示す縦断面図。
Eは、Dに示した構造の一部をとり出して外観を示した
斜視図。
【符号の説明】 1 レンズシート 11 支持シート 12 硬化樹脂層 13 電離放射線硬化性樹脂液 2 基材シート 3 基布 4 光吸収層 5 ロール凹版 6 押圧ロール 7 送りロール 8 電離放射線照射手段 9 塗布手段

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の諸工程からなる、表面にレンズ状
    の微細凹凸を配置した反射型スクリーンの製造方法: 1A)表面にレンズ状の微細凹凸を有するロール凹版を
    回転させ、ロール凹版の少なくとも凹部に電離放射線硬
    化性樹脂液を充填し、このロール凹版に、ロール凹版の
    回転方向に同期して走行する透明かつ柔軟なプラスチッ
    クの支持シートを押し当てるか、または 1B)ロール凹版に、電離放射線硬化性樹脂液を塗布し
    た、ロール凹版の回転方向に同期して走行する透明かつ
    柔軟なプラスチックの支持シートを、塗布面がロール凹
    版に当たるように押し当てて、 2)ロール凹版を支持シートがロール凹版から外れない
    ように同期回転させるとともに、電離放射線を照射して
    上記電離放射線硬化性樹脂液を硬化させると同時に硬化
    樹脂層と支持シートとを接着させ、 3)支持シートを硬化樹脂層とともにロール凹版から分
    離することにより、支持シートの一方の面にレンズ状の
    微細凹凸硬化樹脂層を形成したレンズシートを製作し、 4)このレンズシートの非レンズ面に、光拡散反射性の
    裏打ち基材シートを積層すること。
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