JP2009192871A - 反射スクリーンとその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】斜め方向からの光を反射スクリーンの前方の観察側に効率よく反射させ、投影画像のコントラストを向上させる。
【解決手段】スクリーン基板1の観察面に複数の反射部2を有し、観察面の法線に対して垂直方向にずれた位置に配置された投影部PVから、観察面に向けて斜めに射出された投影光Lpを観察側に反射する。反射部は、凹または凸の球状面を有し、球状面の少なくとも一部は、投影光を乱反射させる所定の粗さとなるように粗面処理された粗面処理部20を有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、反射スクリーンとその製造方法に関するものである。
従来から、投影画像を反射させて観察可能にする反射スクリーンが知られている。このような反射スクリーンとして、スクリーン基板の前面側に同一形状の多数の凸状の単位形状部が2次元的に規則的に配置され、凸状の単位形状部の投影光入射方向に向かう一部の表面部分にのみに反射面が形成されている反射スクリーンが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−215162号公報
しかしながら、上述したような従来技術には、以下のような問題が存在する。
例えばプロジェクタをスクリーン前方の下方側に配置し、プロジェクタからスクリーンに向けて斜め上方に投影画像を照射した場合、スクリーンの表面が凸形状の球状面に形成されていることから、球状面のうち、プロジェクタと球状面とを結ぶ直線の近傍に位置する領域のみが投影光を前方の観察側へ反射する際に寄与し、他の領域については他の方向に反射する割合が多くなるため、反射スクリーン前方の観察者側に十分に反射されず、投影画像のコントラストが低下するという問題がある。
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、斜め方向からの光を反射スクリーンの前方の観察側に効率よく反射させ、投影画像のコントラストを向上させることができる反射スクリーンとその製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために本発明は、以下の構成を採用している。
本発明の反射スクリーンは、スクリーン基板の観察面に複数の反射部を有し、前記観察面の法線に対して垂直方向にずれた位置に配置された投影部から、前記観察面に向けて斜めに射出された投影光を、観察側に反射する反射スクリーンであって、前記反射部は、凹または凸の球状面を有し、前記球状面の少なくとも一部は、前記投影光を乱反射させる所定の粗さとなるように粗面処理された粗面処理部を有することを特徴とするものである。
従って、本発明の反射スクリーンでは、反射部のうち、粗面処理されなければ投影光を前方の観察側へ反射する際に寄与しない領域であっても、粗面処理部が投影光を乱反射することにより、投影光を観察側に反射することが可能となり、投影画像のコントラストを向上させることができる。
上記構成の反射スクリーンにおいては、前記粗面処理部が、前記球状面における周縁部に設けられる構成を好適に採用できる。
これにより、本発明では、粗面処理されなければ投影光を前方の観察側へ反射する際に寄与しづらい球状面の周縁部であっても、粗面処理部が投影光を乱反射することにより、投影光を観察側に反射することが可能となる。
また、上記構成の反射スクリーンにおいては、前記粗面処理部は、前記スクリーン基板の周辺部に配置された前記反射部の少なくとも一部に設けられる構成を好適に採用できる。
これにより、本発明では、粗面処理されなければ投影光を前方の観察側へ反射する際に寄与しづらいスクリーン基板の周辺部であっても、粗面処理部が投影光を乱反射することにより、投影光を観察側に反射することが可能となる。特に、スクリーン基板における周辺部は、到達した投影光の光量が低下しやすいが、当該周辺部において観察側に反射する投影光の光量を増すことができるため、スクリーン基板内での投影ムラを低減することができる。
さらに、前記粗面処理部が、前記スクリーン基板の周辺部に配置された前記反射部の少なくとも一部に設けられる構成の場合、前記粗面処理部を有する前記反射部が、前記粗面処理部を有さない前記反射部よりも大きな径で形成された球状面を有する構成を好適に採用できる。
これにより、本発明では、球状面の径が大きくなることにより平面に近づき、観察側に反射する投影光の光量を一層増すことが可能となる。
また、本発明では、前記粗面処理部は平均粗度が10nm〜50μmの範囲に形成される構成を好適に採用できる。
平均粗度が10nm未満である場合には十分な乱反射が得られず、また、平均粗度が50μmを超えると、投影光の乱反射が安定せず、画像の視認性が低下する可能性があるが、本発明ではこれらの不具合を回避できる。
また、上記平均粗度を有する構成の場合、前記粗面処理部の平均粗度としては、前記球状面の半径の1/10以下であることが好ましい。
平均粗度が前記球状面の半径の1/10を超えると、反射部の球状面の形状を維持できなくなる虞があるが、本発明では、球状面の形状を維持した状態で乱反射面(粗面処理部)を形成することが可能になる。
また、前記反射部の前記球状面の半径としては、30μm〜500μmの範囲に形成される構成を好適に採用できる。
球状面の半径が30μmを下回ると、スクリーンにモアレ縞(干渉縞)を生じやすく、500μmを超えるとスクリーンに投射した画像の視認性が低下する虞があるが、本発明では、これらの不具合を回避することができる。
また、本発明では、前記反射部が、前記投影部からの距離が大きくなるに従って、疎となる分布で配置される構成を好適に採用できる。
これにより、本発明では、投影部からの距離が大きい位置における反射部の数が減るため、投影光を観察側に反射する箇所も減ることになる。そのため、本発明では、投影部からの距離が大きい位置の反射部からの観察側への反射光が減り、投影部からの距離が小さい位置の反射部からの反射光と同等とすることができ、投影光を反射スクリーンの前方の観察側に均一に反射させることが可能になる。
前記反射部の配置分布としては、前記観察面からの前記投影光の反射分布に応じて調整される構成を好適に採用できる。
これにより、本発明では、例えば反射スクリーンの端縁部(周辺部)等、投影光の反射が少ない箇所には反射部の配置分布を密にして反射部の数を増やし、反射量を大きくするように調整することができる。
前記反射部としては、前記投影部を臨む面に反射膜を有するとともに、前記反射膜の非形成領域に光吸収面を有する構成も好適に採用できる。
これにより、本発明では、投影部から投影された投影光を反射膜によってスクリーン基板の観察側に反射させると共に、反射膜の非形成領域で外光を吸収し、投影画像のコントラストを向上させることができる。また、反射部が凹の球状面を有する場合には、反射膜が凹状に形成されているので、反射スクリーンの外縁部に照射された投影光を反射スクリーンの法線方向により近い方向に反射させ、投影画像のコントラストを向上させることができる。
また、本発明の反射スクリーンは、前記スクリーン基板の前記観察面側に保護層が設けられていることを特徴とする。
このように構成することで、反射膜の損傷や劣化を防止することができる。
また、本発明では、前記スクリーン基板は光透過性を有する材料によって形成され、前記凹の球状面が、前記スクリーン基板の前記観察面と反対側の面に設けられた凹部に形成される構成も好適に採用できる。
このように構成することで、観察側から見て反射膜は凸状に形成される。投影光は、スクリーン基板を透過し、凸状の反射膜で反射して観察側に反射される。また、スクリーン基板自体を反射スクリーンの観察面側に対して反射膜の保護層として機能させることができる。
また、本発明では、前記スクリーン基板は光透過性を有する材料によって形成され、前記凸の球状面は、前記スクリーン基板の前記観察面と反対側の面に設けられた凸部に形成される構成も好適に採用できる。
このように構成することで、観察側から見て反射膜は凹状に形成される。投影光は、スクリーン基板を透過し、凹状の反射膜で反射して観察側に反射される。これにより、反射スクリーン外縁部に照射された投影光をより法線方向に近い方向に反射させ、反射スクリーンの投影画像のコントラストを向上させることができる。
また、光透過性を有するスクリーン基板を反射膜の保護層として機能させることができる。
また、本発明の反射スクリーンは、前記スクリーン基板の前記観察面側に反射防止層が設けられていることを特徴とする。
このように構成することで、投影光および外光が反射膜以外で反射することを防止して、投影画像のコントラストを向上させることができる。
また、本発明の反射スクリーンは、前記スクリーン基板が、可撓性を有する材料によって形成されていることを特徴とする。
このように構成することで、可撓性を有する反射スクリーンを形成することができ、反射スクリーンの巻き取り収納が可能となる。
一方、本発明の反射スクリーンの製造方法は、スクリーン基板の観察面に複数の反射部を有し、前記観察面の法線に対して垂直方向にずれた位置に配置された投影部から、前記観察面に向けて斜めに射出された投影光を、観察側に反射する反射スクリーンの製造方法であって、前記反射部は、凹または凸の球状面を有し、前記球状面の少なくとも一部を、前記投影光を乱反射させる所定の粗さとなるように粗面処理する粗面処理工程を有することを特徴とするものである。
これにより、本発明では、反射部のうち、粗面処理されなければ投影光を前方の観察側へ反射する際に寄与しない領域であっても、粗面処理部が投影光を乱反射することにより、投影光を観察側に反射することが可能となり、投影画像のコントラストを向上させることができる。
上記反射スクリーンの製造方法においては、前記粗面処理部を、前記球状面における周縁部に設けることも好適に採用できる。
これにより、本発明では、粗面処理されなければ投影光を前方の観察側へ反射する際に寄与しづらい球状面の周縁部であっても、粗面処理部が投影光を乱反射することにより、投影光を観察側に反射することが可能となる。
また、上記反射スクリーンの製造方法においては、前記粗面処理部を、前記スクリーン基板の周辺部に配置された前記反射部の少なくとも一部に設けることも好適に採用できる。
これにより、本発明では、粗面処理されなければ投影光を前方の観察側へ反射する際に寄与しづらいスクリーン基板の周辺部であっても、粗面処理部が投影光を乱反射することにより、投影光を観察側に反射することが可能となる。特に、スクリーン基板における周辺部は、到達した投影光の光量が低下しやすいが、当該周辺部において観察側に反射する投影光の光量を増すことができるため、スクリーン基板内での投影ムラを低減することができる。
さらに、前記粗面処理部が、前記スクリーン基板の周辺部に配置された前記反射部の少なくとも一部に設けられる構成の場合、前記粗面処理部を有する前記反射部を、前記粗面処理部を有さない前記反射部よりも大きな径を有する球状面をもって形成することも好適に採用できる。
これにより、本発明では、球状面の径が大きくなることにより平面に近づき、観察側に反射する投影光の光量を一層増すことが可能となる。
また、本発明では、前記粗面処理部を、平均粗度が10nm〜50μmの範囲で形成する構成を好適に採用できる。
平均粗度が10nm未満である場合には十分な乱反射が得られず、また、平均粗度が50μmを超えると、投影光の乱反射が安定せず、画像の視認性が低下する可能性があるが、本発明ではこれらの不具合を回避できる。
また、上記平均粗度を有する構成の場合、前記粗面処理部の平均粗度としては、前記球状面の半径の1/10以下であることが好ましい。
平均粗度が前記球状面の半径の1/10を超えると、反射部の球状面の形状を維持できなくなる虞があるが、本発明では、球状面の形状を維持した状態で乱反射面(粗面処理部)を形成することが可能になる。
また、前記反射部の前記球状面の半径としては、30μm〜500μmの範囲に形成される構成を好適に採用できる。
球状面の半径が30μmを下回ると、スクリーンにモアレ縞(干渉縞)を生じやすく、500μmを超えるとスクリーンに投射した画像の視認性が低下する虞があるが、本発明では、これらの不具合を回避することができる。
前記粗面処理工程としては、型基板の前記反射部が転写される転写面に粗面処理する工程を有する手順を好適に採用できる。
これにより、本発明では、例えば熱可塑性樹脂を転写面に押し付けることにより、粗面処理部を有するスクリーン基板を容易に製造することができる。
この場合、粗面処理としては、前記転写面の少なくとも一部をショットブラスト法により粗面化する手順や、前記転写面の少なくとも一部をケミカルフロスト法により粗面化する手順、あるいは前記型基板として結晶化ガラスを用い、該結晶化ガラスをエッチング処理することにより、前記転写面の少なくとも一部を粗面化する手順を採用できる。
また、本発明では、前記反射部を、前記投影部からの距離が大きくなるに従って、疎となる分布で配置する手順も好適に採用できる。
これにより、本発明では、投影部からの距離が大きい位置における反射部の数が減るため、投影光を観察側に反射する箇所も減ることになる。そのため、本発明では、投影部からの距離が大きい位置の反射部からの観察側への反射光が減り、投影部からの距離が小さい位置の反射部からの反射光と同等とすることができ、投影光を反射スクリーンの前方の観察側に均一に反射させることが可能になる。
また、本発明の反射スクリーンの製造方法では、前記反射部の配置分布を、前記観察面からの前記投影光の反射分布に応じて調整することも好適である。
これにより、本発明では、例えば反射スクリーンの端縁部(周辺部)等、投影光の反射が少ない箇所には反射部の配置分布を密にして反射部の数を増やし、反射量を大きくするように調整することができる。
また、本発明の反射スクリーンの製造方法では、少なくとも前記スクリーン基板の前記観察面側に光吸収面を形成する工程と、前記反射部の前記投影部を臨む面に反射膜を形成する工程とを有する手順も好適に採用できる。
これにより、本発明では、投影部から投影された投影光を反射膜によってスクリーン基板の観察側に反射させると共に、反射膜の非形成領域で外光を吸収し、投影画像のコントラストを向上させることができる。また、反射部が凹の球状面を有する場合には、反射膜が凹状に形成されているので、反射スクリーンの外縁部に照射された投影光を反射スクリーンの法線方向により近い方向に反射させ、投影画像のコントラストを向上させることができる。
上記手順においては、ターゲットを有する蒸着源を前記投影部に配置し、前記ターゲットを前記反射部の前記投影部を臨む面に蒸着することが好ましい。
これにより、本発明では、反射部において投影光が投影される箇所にターゲットを蒸着して容易に反射面を形成することができる。
また、本発明では、前記スクリーン基板の前記観察面側に保護層を設ける工程を有する手順も好適に採用できる。
これにより、本発明では、反射膜の損傷や劣化を防止することができる。
以下、本発明の反射スクリーンとその製造方法の実施の形態を、図1ないし図11を参照して説明する。なお、以下の各図面では、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材ごとに縮尺を適宜変更している。また、以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。鉛直面内における所定方向をX軸方向、鉛直面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれに直交する方向をZ軸方向とする。
(第1実施形態)
図1に示すように、反射スクリーン100は、反射スクリーン100の観察面100aの中心点Cを通る法線NLに対して垂直方向(Y軸方向)にずれた位置に配置されたプロジェクタPから、観察面100aに向けて斜めに射出された投影光Lpを、反射スクリーン100の観察側(Z軸正方向側)に反射するものである。反射スクリーン100は、法線NLがZ軸と平行になるように配置されている。
プロジェクタPは投影光Lpを反射スクリーン100の観察面100aに向けて反射するミラーMを備えている。ここで、投影光LpがミラーMを備えていないプロジェクタPから射出されたと仮定した場合のプロジェクタPの位置を仮想光源位置(投影部)PVとする。仮想光源位置PVもプロジェクタPと同様に、反射スクリーン100の観察面100aの法線NLに対して垂直方向にずれた位置となる。
プロジェクタPは、仮想光源位置PVと観察面100aとの距離Dを約900mmとし、仮想光源位置PVから反射スクリーン100の中心点Cに向かう投影光Lpと法線NLのなす角度θを約36°としたときに、反射スクリーン100に垂直方向の寸法Hが約996mm、水平方向(図のX軸方向)の寸法Wが1771mmの画像を投影可能に構成されている。すなわち、反射スクリーン100は80インチの投影画像を表示可能な大きさとなっている。
図2および図3に示すように、スクリーン基板1の観察面1aには、略同一径の半球状に形成された凹の球状面6を有する凹部(反射部)2が複数配列されている。凹部2の半径としては、例えば約500μm以下かつ30μm以上に形成されている。スクリーン基板1は、例えば、樹脂等の可撓性を有する材料によって形成されている。また、スクリーン基板1は、例えば、染色等によって全体が黒色の光吸収材によって着色され、可視光を吸収可能に形成されている。
また、凹部2は、仮想光源位置PVからの距離に応じて疎となる分布で配置されように、仮想光源位置PVからの距離が大きくなるに従って、配置ピッチが大きくなることにより、疎となる分布で配置されている。より詳細には、凹部2は、矩形のスクリーン基板1の長辺(X方向に延びる辺)に沿う方向、及び短辺(Y方向に延びる方向)に沿う方向に複数配列されており、X方向のピッチPX及びY方向のピッチPYが仮想光源位置PVからの距離が大きくなるに従って、順次大きくなるように形成されている。
図3に示すように、凹部2の内壁面2a(球状面6)には、投影光Lpを乱反射させる粗さとなるように粗面処理された粗面部(粗面処理部)20が形成されている。粗面部20の粗さとしては、平均粗度が球状面6の半径の1/10以下に設定され、より詳細には、10nm〜50μmの範囲に形成されている。
また、内壁面2a(球状面6)の、プロジェクタPからの投影光Lpが照射される部分に沿って、粗面部20の一部を覆うように、投影光Lpを反射する反射膜3が形成されている。すなわち、凹部2の内壁面2aの仮想光源位置PVからの投影光Lpが照射される部分にのみ、反射膜3が形成され、凹部2の内壁面2aのその他の部分には反射膜3が形成されず、スクリーン基板1の光吸収材によって形成された光吸収面7が露出した状態となっている(光吸収面7についても粗面部20となっている)。
凹部2の内壁面2aに形成された反射膜3は、観察側から見て凹状に形成されている。
反射膜3の面積は、スクリーン基板1の観察面1aの垂直方向上方(Y軸正方向)側に近づくにつれて徐々に小さくなるように形成されている。反射膜3は、例えば、アルミニウム等の反射性を有する材料によって、後述する蒸着により膜厚が10nm以上かつ5μm以下となるように形成されている。
スクリーン基板1の観察面1a上には、反射膜3およびスクリーン基板1の観察面1aを覆う保護層4が形成されている。保護層4は、例えば樹脂等の、可撓性を有する透明な材料によって形成されている。保護層4の上層側でスクリーン基板1の観察面1a側の最表面には、反射防止層5が形成されている。反射防止層5は、保護層4と同様の材料によって形成され、保護層4の表面4aでの投影光Lpや外光等の反射を防止するように、保護層4との間で屈折率が調整されている。この反射防止層5の表面が反射スクリーン100の観察面100aとなっている。
次に、上記構成のスクリーン基板1を製造する方法について、図4を参照して説明する。
まず、図4(a)に示すように、平板状のスクリーン基板1上にマスクMを形成する。このマスクMとしては、例えばクロム(Cr)を、スパッタ等により成膜して形成されたものである。
続いて、このようにスクリーン基板1上に形成されたマスクMに対して、図4(b)に示すように、凹部2を形成する位置に開口部Kを形成する。開口部Kは、フォトエッチングやレーザ加工等により形成することができる。
次に、図4(c)に示すように、開口部Kを有するマスクMが形成されたスクリーン基板1に対して、所定時間エッチング処理を施すことにより、スクリーン基板1の表面に凹部2を形成する。エッチング処理としてはドライエッチング、ウェットエッチングのいずれの方法を採ってもよく、ウェットエッチング処理を行う場合には、例えば一水素二フッ化アンモニウム系のものを用いることができる。
次に凹部2の球状面6に粗面処理を実施する方法について説明する。
凹部2が形成されたスクリーン基板1に対して、粗面処理としてショットピーニング法により鋳鉄や鋳鋼等の金属、あるいはアルミナ、炭化ケイ素等のセラミックからなる球状粒子を投射材Rとしてスクリーン基板1の表面に吹き付けたり、あるいは水に上記投射材Rを混合してスクリーン基板1の表面に吹き付ける湿式ブラスト法を実施する。投射材Rの粒径としては、例えば0.01mm〜2mmの範囲から選択することができ、また選択した粒径の標準偏差の3倍値は、0.005mm以内に管理された投射材Rを用いる。この粗面処理により、凹部2の表面には、所定の粗さを有する粗面部20が形成される。なお、これら投射材Rの粒径やスクリーン基板1に対する吹付速度は、上述した平均粗度が得られるように適宜調整される。
なお、粗面処理としてはショットピーニング法の他に、例えば、スクリーン基板1がガラス基板で形成される場合、粗面処理としてケミカルフロスト法により球状面6を粗面化する。このケミカルフロスト法は、フッ酸、塩酸等の化学薬品を使用してガラス基板の化学的に腐食することにより、球状面6の表面を磨りガラス状、またはつや消し状に加工するものである。
さらに、スクリーン基板1のガラス材料として、結晶化ガラスを用いることもできる。結晶化ガラスは、エッチング処理により表面が粗面化されるため、上記凹部2を形成する工程で同時に粗面部20を形成することができる。
結晶化ガラスとしては、例えばSiO−LiO−Al系ガラスからなる基板を結晶化処理し、その表面を研磨した後、フッ酸に硫酸あるいはフッ化アンモニウムを加えたエッチング剤によりエッチング処理し、表面に微細な凹凸を形成したものを用いることができる。フッ酸を主体とするエッチング剤としては、結晶化ガラスの結晶化層とアモルファス層の各層に対するエッチング速度が異なる(アモルファス層に対する溶解度がより大きい。)ものであり、このようなエッチング剤を用いることにより、アモルファス層に均質な結晶粒が凸状をなして規則正しく分布された微細構造を形成し、結晶化層とアモルファス層との間に微細な凹凸を均一に形成することができる。ここで、ガラス基板の表面に形成される凹凸の深さあるいは高さは、フッ酸の濃度、後述する硫酸またはフッ化アンモニウムの濃度、処理時間等の条件により制御される。これらの諸条件を調整することにより、凹凸の深さを50〜150オングストロームとすることが望ましい。
エッチング剤としてフッ酸に硫酸あるいはフッ化アンモニウムを添加した溶液を用いるのは、以下の理由による。すなわち、フッ酸のみを使用した場合には、ガラスとフッ酸との反応により生成した水に不溶若しくは難溶性のフッ化カルシウムやケイフッ化ソーダが、部分的にガラス表面を覆うため、その後の反応が妨げられて部分的な表面粗さの差が大きくなる。これに対して、添加剤として硫酸を併用した場合には、硫酸が前記した反応生成物を分解して可溶性の塩を作るため、ガラス面全体に腐食反応が均一に進行する。さらに、このような分解反応によりフッ酸が再生されるため、処理液中のフッ酸濃度の経時変化が小さくなり、これら両方の効果から部分的な表面粗さの差を小さくすることができる。また、添加剤としてフッ化アンモニウムを併用した場合にも、硫酸を加えた場合と同様に、ガラスとフッ酸との反応生成物が分解されかつフッ酸が再生されるため、反応が促進される。そのうえ、ガラスとフッ化アンモニウムとの反応により生じたケイフッ化アンモニウムの微結晶が、ガラス表面に接触するため、この微結晶の接触に対応して基板表面に非常に微細な凹凸が形成され、部分的な表面粗さの差がより小さくなる。
また、エッチング剤におけるフッ酸の望ましい濃度範囲としては、0.1〜3.0重量%(以下、単に%と示す。)とするとともに、硫酸およびフッ化アンモニウムの望ましい濃度範囲を、それぞれ2.0〜12.0%および1.0〜10.0%とする。フッ酸の濃度がエッチング剤全体の0.1%未満では、ガラス基板に対して十分なエッチング効果が発揮されず、また硫酸の濃度が2.0%未満である場合には、ガラスとフッ酸との反応により生じた水に難溶性の生成物を、硫酸が十分に分解することができないため、反応生成物によるエッチング阻害が生じ均一な凹凸が形成されない。さらに、フッ化アンモニウムの濃度が1.0%未満の場合にも、硫酸の場合と同様に腐食反応が均一に進行せず、表面粗さの差が大きくなる。またさらに、フッ酸、硫酸またはフッ化アンモニウムの濃度がそれぞれの上限値を越えた場合には、短時間の間に急激に反応が進行するため、エッチング工程から洗浄工程への移送時間にもエッチングが進行し、少しの時間差で表面粗さの値が大きく変動する。現実の工程管理を考慮すると、所望の表面粗さが得られるまでに、10秒以上より好ましくは20〜60秒の処理時間を要することが望ましく、そのために各成分の濃度を前記上限値以下とすることが望ましい。各成分のより好ましい濃度範囲は、フッ酸濃度が0.5〜2%、硫酸濃度が2〜8%、フッ化アンモニウム濃度が1〜5%である。
なお、上記結晶化ガラスに対するエッチング処理については、特開平7−296380号公報等に詳述されている。
この後、スクリーン基板1からマスクMを除去することにより、図4(d)に示すように、凹部2を有するスクリーン基板1を得ることができる。
次に、凹部2を形成したスクリーン基板1全体を、例えば、染色等により黒色に着色する。
続いて、凹部2に反射膜3を形成する。
図3に示すように、スクリーン基板1の観察側(Z軸正方向側)で、スクリーン基板1の観察面1aの法線NLに対して垂直方向下方側(Y軸負方向側)にずれた位置の仮想光源位置PVに蒸着源Sを配置する。そして、蒸着法により反射膜材料を観察面1aに対して斜めに蒸着させ、凹部2の内壁面2aに反射膜3を形成する。反射膜材料としては、例えば、アルミニウム等の反射性に優れた金属材料を用いることができる。
蒸着法により反射膜3を形成する際には、観察面1aの各凹部2に対する反射膜材料の蒸着の角度θsが、観察面1aの各凹部2に対する仮想光源位置PVからの投影光Lpの入射角度θpと等しくなるようにターゲットとしてアルミニウム等を有する蒸着源Sを配置して、投影光Lpの入射方向から各凹部2に反射膜材料を蒸着させる。
なお、観察面1aについては、反射膜が成膜されないように、マスクを配しておくことが好ましい。
これにより、凹部2における仮想光源位置PVを臨む位置の内壁面2aの投影光Lpが照射される部分に沿って、観察側(Z軸正方向側)から見て凹状の反射膜3が、蒸着源Sを中心に、観察面1aに放射状に形成される。このとき、反射膜3の膜厚は、例えば約10nm以上かつ約5μm以下程度に形成される。また、内壁面2aに粗面部20が形成されていることから、粗面部20の粗さが転写されることにより、反射膜3の表面にも粗面部20と同様の粗さが形成される。
また、このように斜め方向から蒸着法により反射膜3を形成することで、反射膜3の膜厚が反射膜3の非形成領域側の外縁3eに近づくに従って徐々に薄くなるように形成される。
また、反射膜3を蒸着法により形成することで、スプレーコート方法、印刷方法等よりも薄く高品質な反射膜3を形成することができる。
また、蒸着源Sを上述のように配置して反射膜材料を投影光Lpの入射方向から斜めに蒸着させることで、スクリーン基板1がマスクとして機能し、凹部2の投影光Lpが照射される部分に合わせて、部分的に反射膜3を形成することができる。また、蒸着源Sからの距離が遠くなるほど、凹部2の内壁面2aの反射膜3が形成される部分の面積が縮小し、反射膜3の非形成領域(光吸収面7)が拡大する。
また、観察面1aに対する反射膜材料の蒸着の角度θsを仮想光源位置PVからの投影光Lpの入射角度θpと等しくなるようにすることで、蒸着源Sから各凹部2までの投影光Lpの入射方向の距離の差による反射膜3の面積の差を小さくすることができる。
また、蒸着による反射膜3形成時の真空度は、例えば、約1×10−4Torr〜約1×10−5Torrの範囲であることが望ましい。このようにすることで、形成された反射膜3の表面3aの粗度を上昇させ、より明るい投影画像を得ることができる。
次に、図3に示したように、凹部2の内壁面2a(球状面6)を含むスクリーン基板1の観察面1aに保護層4を形成する。保護層4は、例えば、透明な樹脂等、光透過性を有する材料により形成する。さらに保護層4の表面に、反射防止層5を形成する。反射防止層5は、保護層4と同様の材料により形成され、反射防止層5に入射する投影光Lpや外光が保護層4の表面で反射しないように、保護層4との間で屈折率が調整されている。
以上、本実施形態の反射スクリーン100の製造方法によれば、図3に示すような反射スクリーン100を製造することができる。
次に、上記の反射スクリーン100の作用について説明する。
図1に示すように、プロジェクタPはミラーMに向けて投影光Lpを射出する。ミラーMに向けて射出された投影光Lpは、ミラーMによって反射され、仮想光源位置PVから射出されたと仮定した投影光Lpと同様に、スクリーン基板1の観察面1aに対して斜めに入射する。このとき、反射スクリーン100の中心点Cに入射する投影光Lpと、反射スクリーン100の観察面100aとのなす角度θは、約36°となっている。
反射スクリーン100の観察面100aに到達した投影光Lpは、図5(a)に示すように、反射防止層5に入射する。反射防止層5に入射した投影光Lpは、反射防止層5を透過して保護層4に入射する。このとき、反射防止層5は保護層4との間で屈折率が調整されているので、反射防止層5を透過した投影光Lpが保護層4の表面4aで反射することが防止される。
保護層4に入射した投影光Lpは、保護層4を透過して凹部2の内壁面2aに形成された反射膜3に到達する。反射膜3に到達した投影光Lpは、反射膜3によって反射スクリーン100の観察側に反射される。
ここで、凹部2(反射膜3)に入射した投影光Lpは、凹部2に粗面部20が設けられていない場合には、図5(b)に示すように、主に仮想光源位置PVと凹部2とを結ぶ光軸AXの近傍に位置する領域Raのみが観察側への反射に寄与し、光軸AXから離間した周辺領域Rbについては、二点鎖線の矢印Kaで示すように、多くが観察側への反射に寄与しないが、本実施形態では、凹部2に粗面部20が設けられているため、周辺領域Rbに入射した投影光Lpは矢印Kbで示すように、表面が粗面の反射膜3で乱反射し、その一部が反射スクリーン100の観察側に反射される。
また、図2に示すように、凹部2は、仮想光源位置PVからの距離が大きい位置の凹部2は距離が小さい位置の凹部2よりも分布が疎になって個数が少なくなっているため、仮想光源位置PVからの距離が大きい位置の凹部2については、観察側への反射に寄与する面積がトータルで仮想光源位置PVからの距離が小さい位置の凹部2に比べて減ることになる。その結果、仮想光源位置PVからの距離が小さい位置の凹部2で反射した投影光Lpが、観察側ではなく+Y側へ抜ける割合が大きく輝度が低下しやすい状況であっても、仮想光源位置PVからの距離が大きい位置の凹部2についても輝度を抑えることができる。
一方、反射スクリーン100の観察面100aには、投影光Lp以外に、図5(a)に示すように、スクリーン基板1の垂直方向の上方(Y軸正方向側)から外光Loが入射する。観察面100aに入射した外光Loは、反射防止層5に入射して、反射防止層5を透過し、保護層4の表面4aに到達する。
ここで、反射スクリーン100には、反射防止層5が形成されているので、観察面100aの上方から観察面100aに入射した外光Loが、保護層4の表面4aで観察側に反射することが防止される。
そして、保護層4の表面4aに到達した外光Loは、保護層4を透過して凹部2に入射する。凹部2に入射した外光Loは、凹部2の図示下方側の反射膜3の非形成領域に位置する光吸収面7に到達する。
ここで、スクリーン基板1は、上述のように可視光を吸収可能な光吸収面7を有しているので、凹部2の内壁面2aの反射膜3の非形成領域にある光吸収面7に到達した外光Loは、スクリーン基板1(光吸収面7)によって吸収される。また、外光Loが反射した場合でも、光吸収面7にも粗面部20が形成されているため、外光Loは乱反射し、観察側に反射する光量を抑制することができる。
また、スクリーン基板1の凹部2の非形成領域に到達した外光Loも、同様にスクリーン基板1によって吸収される。さらに、反射膜3は凹部2の上方側の、投影光Lpが入射する部分のみに形成されているので、外光Loは反射膜3に入射しない。
したがって、反射スクリーン100の観察面100aに入射した外光Loが、観察側に反射されることが防止できる。
このように、反射防止層5は、プロジェクタPから反射スクリーン100の観察面100aに入射する投影光Lpに対しては、投影光Lpを反射膜3により確実に到達させ、投影光Lpの反射率を向上させる効果がある。一方、観察面100aに入射する外光Loに対しては、外光Loを保護層4によって観察側に反射させず、スクリーン基板1に吸収させる効果がある。したがって、上述のように反射防止層5を形成することで、反射スクリーン100のコントラストを向上させることができる。
以上のように、本実施形態では、凹部2の球状面6に粗面部20が形成されているため、粗面部20が存在しない場合には観察側に反射しなかった投影光Lpの一部を観察側に反射させることが可能となり、また、外光Loの観察側への反射も抑制できるため、投影画像のコントラストを向上させて表示品質を高めることができる。また、粗面部20の平均粗度が10nm未満である場合には十分な乱反射が得られず、また、平均粗度が50μmを超えると、投影光の乱反射が安定せず、画像の視認性が低下する可能性があるが、本実施形態では、平均粗度を10nm〜50μmの範囲としているため、これらの不具合を回避できる。さらに、粗面部20の平均粗度が球状面6の半径の1/10を超えると、凹部2の球状面6の形状を維持できなくなる虞があるが、本実施形態では、球状面6の半径の1/10以下とすることにより、球状面6の形状を維持した状態で粗面部20を形成することが可能である。
また、本実施形態では、凹部2が仮想光源位置PVからの距離に応じて疎となる分布で配置されているため、仮想光源位置PVからの距離が小さい位置の凹部2で反射した投影光Lpが、観察側ではなく+Y側へ抜ける割合が大きく輝度が低下しやすい状況であっても、仮想光源位置PVからの距離が大きい位置の凹部2についても輝度を抑えることができ、斜め方向からの投影光Lpを反射スクリーン100の前方の観察側に均一に反射させて、投影画像のコントラストを向上させることが可能になる。特に、本実施形態では、凹部2が球状面6を有しており、投影光Lpを反射スクリーン100の前方の観察側に反射させる面積がその一部であることから、配置分布の粗密を調整することにより、反射光の輝度分布を容易に調整することが可能になる。
しかも、本実施形態では、反射部が凹で形成されているため、凸のように投影光Lpが遮られることなく、凹部2に到達することができ、全体的に輝度を向上させることができる。
また、本実施形態では、仮想光源位置PVに蒸着源Sを配置し、凹部2の仮想光源位置PVに臨む位置に反射膜3を形成するため、投影光Lpが照射される位置にのみ反射膜3を形成し、外光Loが入射するその他の凹部2については光吸収面7に設定できるため、外光Loが、観察側に反射されることを効果的に防止でき、投影品質を向上させることが可能になる。
加えて、本実施形態では、反射膜3を覆うように保護層4が形成されているので、反射膜3の損傷や劣化を防止することができる。
さらに、スクリーン基板1が可撓性を有する材料によって形成されているので、可撓性を有する反射スクリーン100を形成することができ、反射スクリーン100の巻き取りを可能とし、反射スクリーン100をコンパクトに収納することができる。
(第2実施形態)
続いて、反射スクリーン100の第2実施形態について、図6を参照して説明する。
本実施形態では上述の第一実施形態で説明した反射スクリーン100と、スクリーン基板11に凹部2ではなく凸部21がされている点で異なっている。その他の点は第一実施形態と同様であるので、同一の部分には同一の符号を付して説明は省略する。
図6に示す反射スクリーン200は、プロジェクタPに対して、図1に示す第一実施形態の反射スクリーン100と同様に配置されている。反射スクリーン200のスクリーン基板11は、第一実施形態のスクリーン基板1と同様に、可視光を吸収可能に形成されている。
スクリーン基板11の観察面11aには、図6に示すように、複数の半球状の凸部(反射部)21が形成されている。凸部21は、図2に示す凹部2と同様に、半球状に形成された凸の球状面26を有し、スクリーン基板11の垂直方向(Y軸方向)および水平方向(X軸方向)に複数配列されている。また、凹部2と同様に、凸部21は、直径が約500μm以下かつ30μm以上の範囲の略同一径に形成され、且つ仮想光源位置PVからの距離に応じて疎となる分布で配置されように、仮想光源位置PVからの距離が大きくなるに従って、配置ピッチが大きくなるように配置されている(平面的な配置は、図2に示した凹部2と同様である)。
凸部21の表面21a(球状面26)には、上記第1実施形態における凹部2の粗面部20と同様に、投影光Lpを乱反射させる粗さとなるように粗面処理された粗面部(粗面処理部)20Aが形成されている。粗面部20Aの粗さとしては、平均粗度が球状面26の半径の1/10以下に設定され、より詳細には、10nm〜50μmの範囲に形成されている。
凸部21の表面21aの、プロジェクタPからの投影光Lpが照射される部分に沿って、粗面部20Aの一部を覆うように、第一実施形態の反射膜3と同様の反射膜31が形成されている。反射膜31は凸部21の表面21aの、投影光Lpが照射される部分のみに形成され、凸部21の表面21aのその他の部分には反射膜31が形成されず、スクリーン基板11の一部である凸部21の表面21aが露出した光吸収面27となっている(光吸収面27についても粗面部20Aとなっている)。また、凸部21の表面21aに形成された反射膜31は、観察側(Z軸正方向側)から見て凸状に形成されている。
スクリーン基板11の観察面11a側には、反射膜31およびスクリーン基板11の観察面11aを覆うように、第一実施形態と同様の保護層4が形成されている。また、保護層4の上層側で、スクリーン基板11の観察面11a側の最表面には、第一実施形態と同様に、反射防止層5が形成されている。
上記のスクリーン基板11に凸部21を形成する方法としては、公知のものを用いることができる。例えば、特開2004−286906号公報に記載されているように、凸部21を形成するための型基板に、凸部21に対応する凹部をエッチング等により形成した後に当該凹部に粗面処理を行い、型基板の凹部が形成された面に熱可塑性の樹脂等を、熱を加えながら押し当てて転写することにより、凸部21を形成することができる。
型基板に凸部21に対応する凹部を形成する工程としては、第1実施形態における図4で示した、スクリーン基板1に凹部2を形成し、当該凹部2の表面を粗面処理する手順と同様である。図4を用いて具体的に説明すると、図4(a)に示すように、まず平板状の型基板P上にクロム等によりマスクMを形成する。型基板Pとしては、ここではガラス材料を用いる。
続いて、このように型基板P上に形成されたマスクMに対して、図4(b)に示すように、凸部21を形成する位置にフォトエッチングやレーザ加工等により開口部Kを形成する。次に、図4(c)に示すように、開口部Kを有するマスクMが形成された型基板Pに対して、所定時間エッチング処理を施すことにより、型基板Pの表面に凹部PRを形成する。エッチング処理としてはドライエッチング、ウェットエッチングのいずれの方法を採ってもよい。
そして、凹部PRが形成された型基板Pに対して、粗面処理としてショットピーニング法により鋳鉄や鋳鋼等の金属、あるいはアルミナ、炭化ケイ素等のセラミックからなる球状粒子を投射材Rとしてスクリーン基板1の表面に吹き付けたり、あるいは水に上記投射材Rを混合してスクリーン基板1の表面に吹き付ける湿式ブラスト法を実施する。投射材Rの粒径としては、例えば0.01mm〜2mmの範囲から選択することができ、また選択した粒径の標準偏差の3倍値は、0.005mm以内に管理された投射材Rを用いる。この粗面処理により、凹部PRの表面には、所定の粗さを有する粗面部20A’が形成される。なお、これら投射材Rの粒径や型基板Pに対する吹付速度は、上述した平均粗度が得られるように適宜調整される。
なお、粗面処理としてはショットピーニング法の他に、例えば、型基板Pがガラス基板で形成される場合、粗面処理としてケミカルフロスト法により凹部PRの表面を粗面化する。このケミカルフロスト法は、フッ酸、塩酸等の化学薬品を使用してガラス基板の化学的に腐食することにより、凹部PRの表面を磨りガラス状、またはつや消し状に加工するものである。
さらに、型基板Pのガラス材料として、結晶化ガラスを用いることもできる。結晶化ガラスは、エッチング処理により表面が粗面化されるため、上記凹部PRを形成する工程で同時に粗面部20A’を形成することができる。
そして、このように形成された型基板Pを用いて、上述したように、熱可塑性の樹脂等を、熱を加えながら型基板Pの表面に押し当てることにより、図6に示した粗面処理された複数の凸部21を有するスクリーン基板11を形成することができる。
次に、上記第1実施形態と同様に、スクリーン基板11全体を、例えば、染色等により黒色に着色する。
次いで、上記と同様に、仮想光源位置PVに蒸着源Sを配置し、蒸着法により反射膜材料を観察面11aに対して斜めに蒸着させ、凸部21の表面に反射膜31を形成する。この反射膜31についても、凸部21の表面に粗面部20Aが形成されているため、粗面部20Aの粗さが転写されることにより、反射膜31の表面にも粗面部20Aと同様の粗さが形成される。
この後の工程は、上記第1実施形態と同様である。
次に、この実施の形態の作用について説明する。
図6に示す仮想光源位置PVから射出されたと仮定した投影光Lpは、反射スクリーン200の観察面200aに対して斜めに入射する。
観察面200aに到達した投影光Lpは、反射防止層5に入射する。反射防止層5に入射した投影光Lpは、反射防止層5を透過して保護層4に入射する。
このとき、第1実施形態と同様に、反射防止層5によって投影光Lpが保護層4の表面4aで反射することが防止される。
保護層4に入射した投影光Lpは、保護層4を透過して凸部21に形成された反射膜31に到達する。反射膜31に到達した投影光Lpは、凸状の反射膜31によって反射スクリーン200の観察側に反射される。
ここで、凸部21に入射した投影光Lpは、凸部21に粗面部20Aが設けられていない場合には、上述したように、主に仮想光源位置PVと凸部21とを結ぶ光軸AXの近傍に位置する領域のみが観察側への反射に寄与し、光軸AXから離間した周辺領域については、多くが観察側への反射に寄与しないが、本実施形態では、凸部21に粗面部20Aが設けられているため、周辺領域に入射した投影光Lpは表面が粗面の反射膜31で乱反射し、その一部が反射スクリーン200の観察側に反射される。
また、凸部21は、仮想光源位置PVからの距離が大きい位置の凸部21が、距離が小さい位置の凸部21よりも分布が疎になって個数が少なくなっているため、仮想光源位置PVからの距離が大きい位置の凸部21については、観察側への反射に寄与する面積がトータルで仮想光源位置PVからの距離が小さい位置の凸部21に比べて減ることになる。その結果、仮想光源位置PVからの距離が小さい位置の凸部21で反射した投影光Lpが、観察側ではなく+Y側へ抜ける割合が大きく輝度が低下しやすい状況であっても、仮想光源位置PVからの距離が大きい位置の凸部21についても輝度を抑えることができ、上記第1実施形態と同様の作用・効果を得ることができる。
また、本実施形態では、反射膜31が半球状の凸部21の表面21aの、投影光Lpが照射される部分に沿って形成されている。これにより、反射膜31の形状は、反射スクリーン200の観察面200a側からみて凸面状に形成されるので、反射膜31が凹面状に形成されている場合と比較して、投影光Lpをより広い角度に反射させて投影画像の視野角を拡大することができる。
(第3実施形態)
続いて、反射スクリーンの第3実施形態について、図7を参照して説明する。
本実施形態では上述の第1実施形態で説明した反射スクリーン100と、スクリーン基板12が光透過性を有する材料によって形成され、スクリーン基板12の観察面12a側とは反対側の面12bに凹部22が形成されている点で異なっている。その他の点は第一実施形態と同様であるので、同一の部分には同一の符号を付して説明は省略する。
図7に示す反射スクリーン300は、プロジェクタPに対して、図1に示す第1実施形態の反射スクリーン100と同様に配置されている。
図7に示すように、反射スクリーン300のスクリーン基板12は、例えば、樹脂等の光透過性および可撓性を備えた材料によって形成されている。スクリーン基板12の観察面12aとは反対側の面12bには、半球状に形成された凹の球状面36を有する凹部(反射部)22が略同一径に複数形成されている。凹部22は、図2に示す凹部2と同様に、仮想光源位置PVからの距離に応じて疎となる分布で配置されように、仮想光源位置PVからの距離が大きくなるに従って、配置ピッチが大きくなるように配置されている。
凹部22の内壁面22aには、上述した凹部2における粗面部20と同様に、投影光Lpを乱反射させる粗さとなるように粗面処理された粗面部(粗面処理部)20Bが形成されている。粗面部20Bの粗さとしては、上述した粗面部20と同様である。
内壁面22aのプロジェクタPからの投影光Lpが照射される部分に沿って、投影光Lpを反射する反射膜32が粗面部20Bの一部を覆うことにより粗面が転写された状態に形成されている。凹部22の内壁面22aの投影光Lpが照射される部分のみに反射膜32が形成され、凹部22の内壁面22aのその他の部分には反射膜32が形成されず、スクリーン基板12の光吸収材によって形成された光吸収面37が露出した状態となっている(光吸収面37についても粗面部20Bとなっている)。凹部22の内壁面22aに形成された反射膜32は、観察側(Z軸正方向側)から見て凸状に形成されている。また、反射膜32は、第1実施計態の反射膜3と同様の材質および膜厚で形成されている。
スクリーン基板12の観察面12a側には、スクリーン基板12の観察面12aでの光の反射を防止するように屈折率が調整された反射防止層51が形成されている。
一方、スクリーン基板12の観察面12aとは反対側の面12bには、光を吸収する材料によって光吸収層16が形成されている。光吸収層16は、例えば、染色等によって黒色に着色された樹脂や、黒色の顔料を含有する樹脂等を用いて形成する。光吸収層16は、凹部22の内側を含むスクリーン基板12の観察面12aとは反対側の面12bに、反射膜32を覆うように形成されている。
次に、この実施の形態の作用について説明する。
図1に示すようにプロジェクタPからミラーMに向けて投影光Lpが射出され、図7に示す仮想光源位置PVから射出されたと仮定した投影光Lpと同様に、反射スクリーン300の観察面300aに対して斜めに入射する。
観察面300aに到達した投影光Lpは、図7に示すように、反射防止層51に入射する。反射防止層51に入射した投影光Lpは、反射防止層51を透過してスクリーン基板12に入射する。このとき、反射防止層51によって投影光Lpがスクリーン基板12の観察面12aで反射することが防止される。
スクリーン基板12に入射した投影光Lpは、スクリーン基板12を透過して凹部22に形成された反射膜32に到達する。反射膜32に到達した投影光Lpは、観察側から見て凸状に形成された反射膜32によって反射スクリーン300の観察側に反射される。
ここで、図6に示す凸部21と同様に、凹部22(の裏面側)に入射した投影光Lpは、凹部22に粗面部20Bが設けられていない場合には、上述したように、主に仮想光源位置PVと凹部22とを結ぶ光軸の近傍に位置する領域のみが観察側への反射に寄与し、光軸から離間した周辺領域については、多くが観察側への反射に寄与しないが、本実施形態では、凹部22に粗面部20Bが設けられているため、周辺領域に入射した投影光Lpは表面が粗面の反射膜32で乱反射し、その一部が反射スクリーン300の観察側に反射される。
また、凹部22は、仮想光源位置PVからの距離が大きくなるに従って、配置ピッチが大きくなるように配置されている。また、凹部22は、上述のように、スクリーン基板12の観察面12aとは反対側の面12bの凹部22の内壁面22aに反射膜32および光吸収層16が形成されている。このため、反射膜32は、反射スクリーン300の観察面300a側から見て凸状に形成され、上述の第2実施形態で説明した凸部21および反射膜31と略同様の構成となっている。
すなわち、凹部22の反射膜32の非形成領域に入射した外光Loを、凹部22に充填された光吸収層16によって吸収し、外光Loが反射スクリーン300の観察側に反射することを防止することができる。また、外光Loが凹部22で反射した場合でも、粗面部20Bが形成されているため、外光Loは乱反射し、観察側に反射する光量を抑制することができる。
また、反射スクリーン300の水平方向に隣接する凹部22,22(観察面300a側から見て凸部)の間に投影光Lpを通過させて、垂直方向に隣接する凹部22の反射膜32に入射させることができる。
したがって、本実施形態によれば、上述の第2実施形態と同様の効果を得ることができる。加えて、スクリーン基板12自体が第2実施形態における保護層4と同様に機能するので、保護層4を形成する必要がなく、反射スクリーン300の製造工程を簡略化し、生産性を向上させることができる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について、図8を用いて説明する。
本実施形態では上述の第1実施形態で説明した反射スクリーン100と、スクリーン基板13が光透過性を有する材料によって形成され、スクリーン基板13の観察面13aとは反対側の面13bに凸部(反射部)23が形成されている点で異なっている。その他の点は第一実施形態と同様であるので、同一の部分には同一の符号を付して説明は省略する。図8に示す反射スクリーン400は、プロジェクタPに対して、図1に示す第1実施形態の反射スクリーン100と同様に配置されている
反射スクリーン400のスクリーン基板13は、例えば、樹脂等の光透過性および可撓性を備えた材料によって形成されている。スクリーン基板13の反射観察面13aとは反対側の面13bには、略同一径の半球状に形成された凸の球状面46を有する凸部23が複数形成されている。凸部23は、図2に示す凹部2と同様に、仮想光源位置PVからの距離に応じて疎となる分布で配置されように、仮想光源位置PVからの距離が大きくなるに従って、配置ピッチが大きくなるように配置されている。
凸部23の表面23aには、上記第2実施形態における凸部21の粗面部20Aと同様に、投影光Lpを乱反射させる粗さとなるように粗面処理された粗面部(粗面処理部)20Cが形成されている。粗面部20Cの粗さとしては、粗面部20Aと同様である。
凸部23の表面23aの、プロジェクタPからの投影光Lpが照射される部分に沿って、投影光Lpを反射する反射膜33が粗面部20Cの一部を覆うことにより粗面が転写された状態に形成されている。すなわち、図8に示すように、凸部23の表面23aの投影光Lpが照射される部分のみに反射膜33が形成され、凸部23の表面23aのその他の部分には反射膜33が形成されず、スクリーン基板13の光吸収材によって形成された光吸収面47が露出した状態となっている(光吸収面47についても粗面部20Cとなっている)。
凸部23の表面23aに形成された反射膜33は、観察側(Z軸正方向側)から見て凹状に形成されている。また、反射膜33は、第1実施計態の反射膜3と同様の材質および膜厚に形成されている。
スクリーン基板13の観察面13aには、第3実施形態と同様の反射防止層51が形成されている。一方、スクリーン基板13の観察面13aとは反対側の面13bには、第3実施形態と同様の光吸収層16が凸部23および反射膜33を覆うように形成されている。
次に、この実施の形態の作用について説明する。
プロジェクタPからミラーMに向けて投影光Lpが射出され、図8に示す仮想光源位置PVから射出された投影光Lpと同様に、反射スクリーン400の観察面400aに対して斜めに入射する。
観察面400aに到達した投影光Lpは、反射防止層51に入射する。反射防止層51に入射した投影光Lpは、反射防止層51を透過してスクリーン基板13に入射する。このとき、反射防止層51によって投影光Lpがスクリーン基板13の観察面13aで反射することが防止される。
スクリーン基板13に入射した投影光Lpは、スクリーン基板13を透過して凸部23の表面23aに形成された反射膜33に到達する。反射膜33に到達した投影光Lpは、反射スクリーン400の観察側から見て凹状に形成された反射膜33によって反射スクリーン400の観察側に反射される。
ここで、図5に示す凹部2と同様に、凸部23(の裏面側)に入射した投影光Lpは、凸部23に粗面部20Cが設けられていない場合には、上述したように、主に仮想光源位置PVと凸部23とを結ぶ光軸の近傍に位置する領域のみが観察側への反射に寄与し、光軸から離間した周辺領域については、多くが観察側への反射に寄与しないが、本実施形態では、凸部23に粗面部20Cが設けられているため、周辺領域に入射した投影光Lpは表面が粗面の反射膜33で乱反射し、その一部が反射スクリーン400の観察側に反射される。
また、凸部23は、仮想光源位置PVからの距離に応じて疎となる分布で配置されように、仮想光源位置PVからの距離が大きくなるに従って、配置ピッチが大きくなるように配置されている。また、凸部23は、上述のように、スクリーン基板13の観察面13aとは反対側の面13bに形成され、表面23aに反射膜33および光吸収層16が形成されている。このため、反射膜33は、反射スクリーン400の観察面400a側から見て凸状に形成され、上述の第1実施形態で説明した凹部2と略同様の構成となっている。
すなわち、凸部23の反射膜33の非形成領域に入射した外光を、凸部23の表面23aを覆う光吸収層16によって吸収し、外光Loが反射スクリーン400の観察側に反射することを防止することができる。また、外光Loが凸部23で反射した場合でも、粗面部20Cが形成されているため、外光Loは乱反射し、観察側に反射する光量を抑制することができる。
したがって、本実施形態の反射スクリーン400によれば、第1実施形態の反射スクリーン100と同様の効果が得られるだけでなく、第3実施形態と同様に、保護層4を形成する必要がないので、反射スクリーン400の製造工程を簡略化し、生産性を向上させることができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、凹部または凸部の形状は、球状面を有するものであれば、上述した実施形態で説明したような半球状ではなく、半楕円球状、円錐状、扇型、またはこれらの組み合わせであってもよく、これらの形状も球状面に含まれる。
また、上記実施形態では、凹部2、22及び凸部21、23の全面に粗面部を形成する構成としたが、これに限定されるものではなく、例えば図9の正面図及び図10の断面図に示すように、各凹部2の球状面6における中心部を平滑面部40とし、周縁部のみに粗面部20を形成する構成としてもよい。
この構成では、平滑面部40において観察側へ反射される投影光Lpの光量が増えるとともに、前方の観察側へ反射する際に寄与しづらい周縁部であっても、粗面部20が投影光Lpを乱反射することにより、投影光の一部を観察側に反射することが可能となり、投影画像のコントラストを向上させて表示品質を高めることができる。
さらに、各凹部または各凸部において粗面部と平滑面部とを区画して設ける構成ではなく、例えば図11に示すように、スクリーン基板1の周辺部に位置する凹部2に粗面部20を設け、中央側に位置する凹部2に平滑面部40を設ける構成としてもよい。
この構成では、中央側に位置する凹部2において観察側へ反射される投影光Lpの光量が増えるとともに、前方の観察側へ反射する際に寄与しづらいスクリーン基板1の周辺部であっても、粗面部20が投影光Lpを乱反射することにより、投影光の一部を観察側に反射することが可能となり、投影画像のコントラストを向上させて表示品質を高めることができる。また、この構成においても、スクリーン基板1の周辺部に位置する凹部2毎に球状面6における中心部を平滑面部40とし、周縁部のみに粗面部20を形成する構成としてもよい。
また、粗面部20を有する凹部2がスクリーン基板1の周辺部に配置される場合には、粗面部20を有する凹部2(球状面)の半径が、粗面部20を有さない凹部2の半径よりも大きな半径で形成される構成としてもよい。
この構成では、球状面の径が大きくなることにより平面に近づき、スクリーン基板1の周辺部に照射された投影光Lpであっても、観察側に反射する投影光Lpの光量を一層増すことが可能となる。
また、凹部または凸部は、仮想光源位置PVからの距離に応じて疎となる分布で配置されように、仮想光源位置PVからの距離が大きくなるに従って、配置ピッチが大きくなるように配置されていれば、平面的な配置は、仮想光源位置PVを中心として放射状に延びる直線上に配置される構成や、スクリーン基板の−Y側の端縁から順次配列される構成、扁平千鳥状に配置したものであってもよい。
さらに、仮想光源位置PVからの距離に応じて疎となる分布で配置されていれば、一様に配置する必要はなく、例えば観察面からの投影光Lpの反射分布に偏りが生じている場合には、当該偏りを有する領域の配置分布を調整することにより、反射分布(輝度分布)を補正してもよい。
また、上記実施形態で説明したように、スクリーン基板の全体を染色によって着色するのではなく、観察面側の一部だけを着色したり、観察面のみを黒色に塗装し光吸収用の膜を設けたりしてもよい。
また、上記実施形態では、反射膜を形成する際に蒸着源を仮想光源位置PVに配置して放射状に蒸着する構成としたが、これに限定されるものではなく、例えば矩形の蒸着源をスクリーン基板の−Y側の端縁に沿って平行に配置し、ライン状に蒸着する構成としてもよい。
本発明の第1実施形態に係る反射スクリーンとプロジェクタの位置関係を示す断面図である。 本発明の第1実施形態に係る反射スクリーンの正面図である。 本発明の第1実施形態に係る反射スクリーンの垂直方向の断面図である。 スクリーン基板1を製造する手順を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る反射スクリーンの垂直方向の断面図である。 本発明の第2実施形態に係る反射スクリーンの垂直方向の断面図である。 本発明の第3実施形態に係る反射スクリーンの垂直方向の断面図である。 本発明の第4実施形態に係る反射スクリーンの垂直方向の断面図である。 本発明の別形態に係る反射スクリーンの正面図である。 同別形態に係る反射スクリーンの垂直方向の断面図である。 本発明の別形態に係る反射スクリーンの正面図である。
符号の説明
1、11、12、13…スクリーン基板、 2、22…凹部(反射部)、 3、31、32、33…反射膜、 4…保護層、 5、51…反射防止層、 6、26、36、46…球状面、 7、27、37…光吸収面、 20、20A、20B…粗面部(粗面処理部)、 21、23…凸部(反射部)、 100、200、300…反射スクリーン、 100a、200a…観察面、 Lp…投影光、 NL…法線、 PV…仮想光源位置(投影部)

Claims (31)

  1. スクリーン基板の観察面に複数の反射部を有し、前記観察面の法線に対して垂直方向にずれた位置に配置された投影部から、前記観察面に向けて斜めに射出された投影光を、観察側に反射する反射スクリーンであって、
    前記反射部は、凹または凸の球状面を有し、
    前記球状面の少なくとも一部は、前記投影光を乱反射させる所定の粗さとなるように粗面処理された粗面処理部を有することを特徴とする反射スクリーン。
  2. 請求項1記載の反射スクリーンにおいて、
    前記粗面処理部は、前記球状面における周縁部に設けられることを特徴とする反射スクリーン。
  3. 請求項1または2記載の反射スクリーンにおいて、
    前記粗面処理部は、前記スクリーン基板の周辺部に配置された前記反射部の少なくとも一部に設けられることを特徴とする反射スクリーン。
  4. 請求項3記載の反射スクリーンにおいて、
    前記粗面処理部を有する前記反射部は、前記粗面処理部を有さない前記反射部よりも大きな径で形成された球状面を有することを特徴とする反射スクリーン。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の反射スクリーンにおいて、
    前記粗面処理部は、平均粗度が10nm〜50μmの範囲に形成されることを特徴とする反射スクリーン。
  6. 請求項5記載の反射スクリーンにおいて、
    前記粗面処理部の平均粗度は、前記球状面の半径の1/10以下であることを特徴とする反射スクリーン。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載の反射スクリーンにおいて、
    前記反射部の前記球状面の半径は、30μm〜500μmの範囲に形成されることを特徴とする反射スクリーン。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載の反射スクリーンにおいて、
    前記反射部は、前記投影部からの距離が大きくなるに従って、疎となる分布で配置されることを特徴とする反射スクリーン。
  9. 請求項8記載の反射スクリーンにおいて、
    前記反射部の配置分布は、前記観察面からの前記投影光の反射分布に応じて調整されることを特徴とする反射スクリーン。
  10. 請求項1から9のいずれか一項に記載の反射スクリーンにおいて、
    前記反射部は、前記投影部を臨む面に反射膜を有するとともに、前記反射膜の非形成領域に光吸収面を有することを特徴とする反射スクリーン。
  11. 請求項1から10のいずれか一項に記載の反射スクリーンにおいて、
    前記スクリーン基板の前記観察面側に保護層が設けられていることを特徴とする反射スクリーン。
  12. 請求項1から11のいずれか一項に記載の反射スクリーンにおいて、
    前記スクリーン基板は光透過性を有する材料によって形成され、
    前記凹の球状面は、前記スクリーン基板の前記観察面と反対側の面に設けられた凹部に形成されることを特徴とする反射スクリーン。
  13. 請求項1から11のいずれか一項に記載の反射スクリーンにおいて、
    前記スクリーン基板は光透過性を有する材料によって形成され、
    前記凸の球状面は、前記スクリーン基板の前記観察面と反対側の面に設けられた凸部に形成されることを特徴とする反射スクリーン。
  14. 請求項1から13のいずれか一項に記載の反射スクリーンにおいて、
    前記スクリーン基板の前記観察面側に反射防止層が設けられていることを特徴とする反射スクリーン。
  15. 請求項1から14のいずれか一項に記載の反射スクリーンにおいて、
    前記スクリーン基板が、可撓性を有する材料によって形成されていることを特徴とする反射スクリーン。
  16. スクリーン基板の観察面に複数の反射部を有し、前記観察面の法線に対して垂直方向にずれた位置に配置された投影部から、前記観察面に向けて斜めに射出された投影光を、観察側に反射する反射スクリーンの製造方法であって、
    前記反射部は、凹または凸の球状面を有し、
    前記球状面の少なくとも一部を、前記投影光を乱反射させる所定の粗さとなるように粗面処理する粗面処理工程を有することを特徴とする反射スクリーンの製造方法。
  17. 請求項16記載の反射スクリーンの製造方法において、
    前記粗面処理部を、前記球状面における周縁部に設けることを特徴とする反射スクリーンの製造方法。
  18. 請求項16または17記載の反射スクリーンの製造方法において、
    前記粗面処理部を、前記スクリーン基板の周辺部に配置された前記反射部の少なくとも一部に設けることを特徴とする反射スクリーンの製造方法。
  19. 請求項18記載の反射スクリーンの製造方法において、
    前記粗面処理部を有する前記反射部を、前記粗面処理部を有さない前記反射部よりも大きな径を有する球状面をもって形成することを特徴とする反射スクリーンの製造方法。
  20. 請求項16から19のいずれか一項に記載の反射スクリーンの製造方法において、
    前記粗面処理部を、平均粗度が10nm〜50μmの範囲で形成することを特徴とする反射スクリーンの製造方法。
  21. 請求項20記載の反射スクリーンの製造方法において、
    前記粗面処理部の平均粗度は、前記球状面の半径の1/10以下であることを特徴とする反射スクリーンの製造方法。
  22. 請求項16から21のいずれか一項に記載の反射スクリーンの製造方法において、
    前記反射部の前記球状面の半径を、30μm〜500μmの範囲で形成することを特徴とする反射スクリーンの製造方法。
  23. 請求項16から22のいずれか一項に記載の反射スクリーンの製造方法において、
    前記粗面処理工程は、型基板の前記反射部が転写される転写面に粗面処理する工程を有することを特徴とする反射スクリーンの製造方法。
  24. 請求項23記載の反射スクリーンの製造方法において、
    前記転写面の少なくとも一部をショットブラスト法により粗面化することを特徴とする反射スクリーンの製造方法。
  25. 請求項23記載の反射スクリーンの製造方法において、
    前記転写面の少なくとも一部をケミカルフロスト法により粗面化することを特徴とする反射スクリーンの製造方法。
  26. 請求項23記載の反射スクリーンの製造方法において、
    前記型基板として結晶化ガラスを用い、該結晶化ガラスをエッチング処理することにより、前記転写面の少なくとも一部を粗面化することを特徴とする反射スクリーンの製造方法。
  27. 請求項16から26のいずれか一項に記載の反射スクリーンの製造方法において、
    前記反射部を、前記投影部からの距離が大きくなるに従って、疎となる分布で配置することを特徴とする反射スクリーンの製造方法。
  28. 請求項27記載の反射スクリーンの製造方法において、
    前記反射部の配置分布は、前記観察面からの前記投影光の反射分布に応じて調整されることを特徴とする反射スクリーンの製造方法。
  29. 請求項16から28のいずれか一項に記載の反射スクリーンの製造方法において、
    少なくとも前記スクリーン基板の前記観察面側に光吸収面を形成する工程と、
    前記反射部の前記投影部を臨む面に反射膜を形成する工程とを有することを特徴とする反射スクリーンの製造方法。
  30. 請求項29記載の反射スクリーンの製造方法において、
    ターゲットを有する蒸着源を前記投影部に配置し、前記ターゲットを前記反射部の前記投影部を臨む面に蒸着することを特徴とする反射スクリーンの製造方法。
  31. 請求項16から30のいずれか一項に記載の反射スクリーンの製造方法において、
    前記スクリーン基板の前記観察面側に保護層を設ける工程を有することを特徴とする反射スクリーンの製造方法。
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