JP3830806B2 - 防曇性部材 - Google Patents

防曇性部材 Download PDF

Info

Publication number
JP3830806B2
JP3830806B2 JP2001345149A JP2001345149A JP3830806B2 JP 3830806 B2 JP3830806 B2 JP 3830806B2 JP 2001345149 A JP2001345149 A JP 2001345149A JP 2001345149 A JP2001345149 A JP 2001345149A JP 3830806 B2 JP3830806 B2 JP 3830806B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antifogging
surfactant
light
concave portion
oxide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001345149A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003149402A (ja
Inventor
藤 勇 進
藤 幸 治 佐
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Crystal Systems Corp
Original Assignee
Crystal Systems Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Crystal Systems Corp filed Critical Crystal Systems Corp
Priority to JP2001345149A priority Critical patent/JP3830806B2/ja
Priority to EP02014235A priority patent/EP1275624B1/en
Priority to AT02014235T priority patent/ATE370107T1/de
Priority to DE60221753T priority patent/DE60221753T2/de
Priority to US10/184,585 priority patent/US20030017303A1/en
Priority to KR10-2002-0036589A priority patent/KR100529525B1/ko
Priority to CNB02140559XA priority patent/CN1302312C/zh
Publication of JP2003149402A publication Critical patent/JP2003149402A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3830806B2 publication Critical patent/JP3830806B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C17/00Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating
    • C03C17/34Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with at least two coatings having different compositions
    • C03C17/42Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with at least two coatings having different compositions at least one coating of an organic material and at least one non-metal coating
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C2217/00Coatings on glass
    • C03C2217/70Properties of coatings
    • C03C2217/75Hydrophilic and oleophilic coatings
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C2217/00Coatings on glass
    • C03C2217/70Properties of coatings
    • C03C2217/77Coatings having a rough surface

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Geochemistry & Mineralogy (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Optical Elements Other Than Lenses (AREA)
  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Surface Treatment Of Glass (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、メガネあるいは鏡などのように光透過性の素材から形成されている光学部材であって、その表面に水滴などが付着することによって発生する曇を有効に防止できる防曇性部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
レンズ、鏡などの光学部材は、光透過性素材で形成されており、こうした光学部材は常に一定の光学的特性を維持していることが望ましい。
しかしながら、こうした光学部材の表面には、温度差、湿度変化などによって空気中の水分が結露して曇りやすいという特性を有している。
【0003】
このような光学部材の曇り止め(防曇)には、種々の方法があるが、以下特にメガネのレンズを例にしてレンズの防曇方法について説明する。
従来から行われている曇り止めの方法は、おおよそ4通りある。
第一は、吸湿性ポリマーを基材にコートして表面に水滴が形成されにくくする方法である。第二は界面活性剤をスプレー等でコートして基材表面の濡れ性を改善して表面に水滴が形成されにくくする方法である。第三は光触媒による超親水性によって水滴形成を防止する方法である。第四はレンズ表面を多孔質にして曇りにくくする方法である。
【0004】
しかしながら、これらの方法はいずれもメガネレンズの防曇方法としては必ずしも適切ではない。
例えば、第一の方法は、吸湿性ポリマー自体の耐擦傷性が低く、メガネのように頻繁に使用する光学部材の防曇方法としては適当ではない。即ち、吸湿性ポリマーからなる層は、メガネの通常のハンドリングで容易に傷が付いてしまう。
【0005】
また、第二の方法では、界面活性剤の水溶液をレンズに吹き付ける必要があるが、通常のメガネレンズ(所謂マルチコートレンズ)の表面には、撥水性膜が形成されているため一般に界面活性剤との親和性が低く、曇り止め剤で相当厚い層を形成しなければ均質な防曇層を形成することができない。しかしながら、有効な防曇効果が発現するように厚い防曇層を形成するとマルチコートレンズの反射防止効果が低減してしまう。他方、反射防止を重視し薄塗りすると充分な防曇効果が発現しない。また、メガネレンズに撥水性膜が形成されていない場合であっても、界面活性剤による防曇効果は、比較的短時間で消失してしまう。
【0006】
第三の防曇方法は、紫外線によって誘起されるチタン酸化物の光触媒効果によって発現するレンズ表面の超親水性現象を利用した防曇方法である。この方法でメガネレンズに防曇性を発現させるためには、メガネレンズの表面に比較的高い濃度でチタン酸化物を含有する層を形成する必要がある。即ち、通常はレンズ表面にチタン酸化物を高濃度で含有する酸化ケイ素層を形成するが、この層が、チタン酸化物の有する光触媒効果によって超親水性を示すようにするには、チタン酸化物の濃度を一定以上に高くする必要がある。しかしながら、超親水性を示すためには酸化ケイ素からなる層におけるチタン酸化物の含有率は、相当高くする必要があり、チタン酸化物の含有率が高くなるにつれて、この層の屈折率が高くなり、レンズ基材の有する屈折率との差異が大きくなると共に、機械的強度は低下する傾向がある。さらに、このような超親水性を発現させるためには、このレンズにチタン酸化物を誘起させるために紫外線を照射し続ける必要があり、超親水性を発現させるための連続的な紫外線の照射は、メガネ用レンズにおける防曇方法としては適当ではない。また、このようなチタン酸化物の有する光触媒作用によって奏される超親水性自体は、比較的長期間維持されるが、チタン酸化物の有する光触媒作用は同時に汚れを分解する作用も有しており、この分解作用は分解されない汚れの付着によって比較的短期間で低下し、一旦低下した能力は修復することが困難である。そして、こうした分解不能の汚れの付着に伴って超親水性も著しく低下する。
【0007】
従ってレンズの表面汚れがひどくなると防曇機能は消失してしまうという問題点がある。紫外線の照射量も問題で、酸化チタンの可視光対応化が進んでいない現状下では実用化はむずかしい。
第四の方法は、レンズ表面を多孔質にする方法であり、比較的古くから検討されている。このようにレンズ表面を多孔質にすることによって水滴が形成されにくくなるが、レンズの表面が多孔質であるために、レンズの耐擦傷性が低下し、また一旦汚れるとこの汚れを洗浄によって除去することが難しく、実用性に乏しい。
【0008】
このように従来から検討されているレンズの防曇方法は、例えばメガネレンズの防曇方法としては必ずしも適当ではない。
【0009】
【発明の目的】
本発明は、表面硬度及び耐擦傷性に優れ、表面が汚れにくく、しかも基材の諸特性を基本的に変えることなく防曇効果が長期安定して維持されるような処理された光学部材を提供することを目的としている。
特に本発明は、メガネレンズあるいは鏡のような平面状あるいは曲面状の基材の表面に防曇処理可能にされた防曇性光学部材を提供することを目的としている。
【0010】
【発明の概要】
上記防曇における従来技術の欄で説明したように、例えばメガネレンズなどの防曇に用いられている防曇用のスプレーは基材自体が撥水性の場合界面活性剤もなじみにくく、有効な防曇性を維持することはできない。即ち、このような防曇用スプレーは短期間の曇り止めにはなるが、表面に界面活性剤を長期間に亘って安定に存在させることは困難である。
【0011】
防曇の目的で界面活性剤を表面に長期間安定に保持させるためには、基材表面を界面活性剤がなじみ易いようにすることが必要である。
さらに、メガネ用のレンズのように耐久性を要求される部材においては、表面を親水性にすると共に、この状態が長期間に亘って維持することが可能であり、レンズの耐擦傷性が表面を親水性にしたことによって低下することがなく、むしろ耐擦傷性が向上するような表面処理をすることが必要になる。
【0012】
こうした観点から、防曇性部材の形成に好適な要素を以下に整理して記載する。
1)基材表面を親水性にすると共に、親水性物質によって突起を形成し、この突起の隙間に界面活性剤を含ませると、表面全体を界面活性剤で覆うことが可能となる。
2)親水性を有し、透明で強度も高い物質としてはシリカがあるが、紫外線照射下の酸化チタンもその一例である。これらの物質を凹部を形成するように析出させ、この凹部に界面活性剤を含有させると界面活性剤は長期間に亘って少量ずつ流出すると共に、毛細管効果によって部材の表面に広がることにより、長時間にわたって常に表面が界面活性剤に覆われた状態を維持できる。
3)表面に湿気が付着したりあるいは汚れなどを水洗いして表面にある薄膜状の界面活性剤が除去されても、凹部に界面活性剤が残留している間はこの凹部から界面活性剤が供給され、防曇効果は維持できる。
4)凹部に含有される界面活性剤を消費し尽くすと当然のことながら防曇効果はなくなるが、この凹部には再び界面活性剤を充填することによって、本発明の防曇性部材を最初の状態にすることができる。
5)界面活性剤は、水溶性が望ましく、また界面活性剤は、その屈折率が無機親水性物質の屈折率に近似したものであることが望ましい。
6)無機親水性物質で形成された表面の突起は、基本的には親水性である。表面全体における無機親水性物質によって形成された親水性領域は表面全体の10%以上であることが好ましい良い。
7)平均屈折率を調整するために屈折率の異なる物質を同時に析出させる方法も有効であり、また平均強度を調整させるためにも同様な方法が可能である。したがって無機親水性物質の組成は目的に応じて任意に選択することが可能である。
8)粒子状の無機親水性物質が析出する過程において析出粒子不整によって生じる空隙は、多孔質素材のような孔の形状、分布頻度のように耐擦傷性や汚れに弱い原因となるようなものではなく、機能性発現に有効でかつ耐擦傷性の高さや汚れに対する強さが維持できる程度の表面形態及び組織を形成する。
【0013】
本発明は、上記のような防曇に必要な機能に鑑みてなされたものである。即ち、本発明の防曇性部材は、ヘキサフルオロケイ酸アンモニウム、ヘキサフルオロチタン酸アンモニウムおよびヘキサフルオロジルコニウム酸アンモニウムよりなる群から選ばれるヘキサフルオロ金属塩が溶解された水溶液に30℃以上40℃未満の温度でフッ素補足剤を添加することにより析出する金属酸化物を光透過性基材の表面に析出させることによって形成された、表面からの平均深さが10nm〜10μmの多数の凹部を有すると共に、該凹部に、
界面活性剤が継続して流出可能に充填されていることを特徴としている。また、本発明の防曇性部材は、上記凹部が、光透過性基材の表面に形成された無機親水性物質からなる透明親水性部に形成されており、かつ、該凹部の平均深さが10nm〜10μmであると共に
、隣接する凹部との平均間隔5nm以上であることが好ましい。
【0014】
本発明の防曇性部材において使用される界面活性剤は、その屈折率が1.0〜2.5の範囲内にあることが好ましい。
本発明の防曇部材を構成する上記無機親水性物質は、ケイ素の酸化物と、チタンの酸化物および/またはジルコニウムの酸化物とを含むものであることが好ましい。
【0015】
また、本発明の防曇性部材において、上記凹部を、光透過性基材の両面に形成された透明親水性部に形成することができるし、あるいは、上記凹部を、光透過性基材の一方の面に形成された透明親水性部に形成することもできる。
また、本発明の防曇性部材においては、上記光透過性基材の凹部が形成された面とは反対の面に、光反射層を形成することができる。このような防曇性部材は、通常は鏡として使用することができる。
【0016】
本発明の防曇性部材には、無機親水性物質から形成された透明親水性部に多数の微細な凹部が形成されており、この微細な凹部にはそれぞれに界面活性剤が充填されている。この界面活性剤は、凹部から継続して長期間に亘って流出が可能なように凹部に充填されている。従って、一旦この微細な凹部に界面活性剤を充填すれば、その後数ヶ月はこの充填された界面活性剤が光学部材の表面に薄膜を形成し、滴状の水が接触しても瞬時に滴状の水の表面張力を低下させ、水滴を非常に薄い水膜に変化させる。こうして形成された非常に薄い水膜は均質であるので、光の屈折率が変わらず、従って、防曇性部材の光学的特性が長期期間にわたって維持される。特に界面活性剤を保持する凹部を、光透過性基材の表面に形成される凹部の平均深さが10nm〜10μmの範囲内、隣接する凹部との平均間隔5nm以上になるように無機親水性物質を析出させて透明親水性部を形成することにより、本発明の防曇性部材の表面全体が無機親水性物質によって親水性となると共に、透明親水性部に形成された凹部に充填された界面活性剤がこの無機親水性物質からなる透明親水性部の表面全体を覆うようになり、本発明の防曇性部材の表面に水が接触しても水滴は形成されず、均一な水の薄膜がより形成されやすくなる。従って、光の屈折率は防曇性部材を透過する光に対して影響を及ぼすことがなく、屈折率の変化による曇り現象を防止することができる。この防曇効果は、凹部から表面に界面活性剤が供給される間は維持され、さらに凹部に界面活性剤がなくなった場合には、界面活性剤を塗布することにより、この凹部に界面活性剤が選択的に蓄積され、さらに数ヶ月良好な防曇性が維持される。
【0017】
本発明において、無機親水性物質として好適に使用される酸化ケイ素と、チタン酸化物および/またはジルコニウムの酸化物とを複合体は、基材の屈折率と殆ど差異がなく良好な光学的特性は殆ど変化させずにその機械的強度を向上させることができる。
特に本発明の防曇性部材は、メガネレンズのように頻繁に表面の汚れを拭き取るような用途、また、例えば浴室の鏡のように湿度の変化によって曇りやすい環境で使用される鏡などとして好適である。
【0018】
【発明の具体的説明】
次に本発明の防曇性部材について図面を参照しながら具体的に説明する。
図1は、本発明の防曇性部材の断面の例を模式的に示す図である。図2は、無機酸化物の析出温度と、析出物の厚さとの関係の例を示す図である。
図1に示すように本発明の防曇性部材1は、光透過性基材10と、その表面に形成された透明親水性部12とを有している。
【0019】
本発明の防曇性部材において、光透過性基材10は、ガラス、透明プラスチックなどで形成することができる。この光透過性材基材10は平板状であっても曲面状であってもよい。例えば、本発明の防曇性部材が、メガネレンズの場合、この光透過性基材10は、ガラス製のレンズ、プラスチック製のレンズなどである。また、例えばこの光透過性基材10がガラスあるいはプラスチックレンズなどである場合、その表面に硬質層、反射防止層、屈折率の調整層などの種々の層が積層されていてもよい。さらに、これらの層は、単独であっても複数の層が積層されていてもよく、また、一つの層が複数の作用効果を有していてもよい。
【0020】
本発明の防曇性部材1は、上記のようにメガネレンズなどの場合には曲面を形成しているが、例えば窓および鏡などを形成する防曇性部材1の場合には平面状である。
このような本発明の防曇性部材1の表面には、無機親水性物質からなる透明親水性部12が形成されている。このような透明親水性部12の表面は平滑ではなく、凹凸が形成されている。図1に示すように、この凹凸のほぼ中心を通る仮想中心線を想定すると、この仮想中心線20の下方が界面活性剤を保持ための凹部14であり、この凹部14には界面活性剤16が充填されている。なお、本発明の防曇性部材1の表面には凹凸が形成されていることから、特に限定しない場合には、この仮想中心線をもって防曇性材料の表面とする。この仮想中心線20は、図2および図3に示すように、本発明の防曇性材料の表面性をAFM(Atomic Force Microscope)を用いて分析する際の基準線と略一致する。
【0021】
この凹部14は表面(即ち、仮想中心性20)からの平均深さが10nm〜10μmであり、さらにこの平均深さは、好ましくは20nm〜5μmの範囲内、特に好ましくは50nm〜3μmの範囲内にある。
この凹部14の平均深さは、図1において、H1、H2、H3、H4、・・・・・Hnの平均値である。上記のような深さの凹部14は、本発明の防曇性部材1を透過する光の波長に近似しているために、この凹部14の存在によって、本発明の防曇性部材1の光透過性が著しく低下することはなく、良好な光透過性を維持することができる。
【0022】
また、図1に示す態様においては、凹部14は、無機親水性物質からなる透明親水部12に形成されているが、この凹部14の平均間隔が5nm以上、好ましくは5nm〜1000nmの範囲内、特に好ましくは5nm〜500nmの範囲内になるように、無機親水性物質からなる透明親水部12を形成する。即ち、無機親水性物質からなる透明親水部12の表面には凹部14と突部18が形成されているが、この突部18の幅D1、D2、D3、D4、D5、D6、・・・・・・Dnの平均値が凹部14の平均間隔である。
【0023】
なお、凹部14の開口部の幅は、仮想中心線20における凹部14の幅G1、G2、G3、G4、G5、G6、・・・・・・Gnの平均値であり、この凹部14の開口部の幅の平均値は、通常は5nm〜1000nm、好ましくは5nm〜700nm、特に好ましくは5nm〜500nmである。
上記のような凹部14を有するように無機親水性物質からなる透明親水性部12を形成する方法に関しては詳細には後述するが、図2に示す無機親水性物質の析出温度とその表面構造を示すグラフから明らかなように、所定の温度で無機親水性物質を析出させることにより製造することが可能である。
【0024】
そして、本発明の防曇性部材1においては、この無機親水性物質は、光透過性基材10の表面の少なくとも10%を被覆していることが好ましく、良好な防曇性を発現させるためには、光透過性基材10の表面の70%以上がこの無機親水性部材によって被覆されていることが特に好ましい。
上記のような凹部14には、界面活性剤16が充填されている。本発明で使用される界面活性剤16としては、アルキルエーテル硫酸ナトリウムのようなアニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテルのようなノニオン系界面活性剤、脂肪酸アルキルグルアミドのような両性イオン系界面活性剤を使用することができる。これらは単独であるいは組み合わせて使用することができる。これらの界面活性剤の屈折率は通常は1.0〜2.5である。そして、このような界面活性剤16は、水などの溶媒に溶解して塗布することにより、あるいは、溶媒を用いることなく界面活性剤をそのまま塗布することにより。凹部14の中に充填することができる。さらにこのように凹部14に充填された界面活性剤16は、少量ずつ継続して無機親水性物質からなる透明親水性部12の表面に供給され、透明親水部12の表面に界面活性剤16の薄膜を形成すると考えられる。
【0025】
このように形成された界面活性剤16の薄膜と透明親水性部12を形成する無機親水性物質とが共同して、この透明親水性部12の表面が非常に高い親水性を示すようになり、この表面に水滴が接触した瞬間に水の表面張力が低下して、透明親水性部12には薄い水膜が形成され、水滴は付着しない。従って、本発明の防曇性部材1は、例えば、湿度、温度などの環境の急激な変化によっても水滴が付着してこの部材が曇ることがない。しかも、この透明親水性部12を形成する無機親水性物質が、ケイ素の酸化物と、チタンの酸化物および/またはジルコニウムの酸化物とを含有することによって、この透明親水性部12が優れた機械的特性を示すようになる。
【0026】
本発明の防曇性材料1における透明親水性部12の平均厚さT0は、通常は300nm以下、好ましくは200nm以下、特に好ましくは100nm以下であり、従って、この本発明の防曇性部材1においては、透明親水性部12が存在せず、光透過性基材10が凹部14の底部に露出していることもある。
さらに、本発明の防曇性部材1における防曇性が凹部14に充填された界面活性剤16による水分の表面張力の低下によることこが大きいことから、図5に示すように、無機親水性物質からなる透明親水性部12を配置することなく、光透過性基材10に直接凹部14を形成し、この凹部14に界面活性剤を充填することによっても、良好な防曇性を示す。この場合における凹部14の平均深さは、上記図1におけるのと同様に、H11、H12、H13、H14、H14、H15、H16・・・・・Hnの平均値であり、10nm〜10μmであり、さらにこの平均深さは、好ましくは20nm〜5μmの範囲内、特に好ましくは50nm〜3μmの範囲内にある。また、凹部14の間隔は D11、D12、D13、D14、D15、・・・・・・Dnの平均値であり、5nm以上、好ましくは5nm〜1000nmの範囲内、特に好ましくは5nm〜500nmの範囲内にある。さらに、この凹部14の開口部の平均直径は、G11、G12、G13、G14、G15、G16、・・・・・・Gnの平均値であり、通常は5nm〜1000nm、好ましくは5nm〜700nm、特に好ましくは5nm〜500nmである。
【0027】
このように図5に示すように形成された凹部14に界面活性剤(図示なし)を充填することに、界面活性剤が少量ずつ継続的により光透過性基材10の表面に供給され,この表面に界面活性剤の薄膜を形成し、この防曇性部材1に高い防曇性を付与する。
次に、本発明の防曇性材料を製造する方法について説明する。
【0028】
本発明の防曇性材料は、上記詳述のように、その表面が特異的な構造を有しており、本発明の防曇性材料を製造するに際しては、こうした表面の構造を形成することができる方法であれば特に限定的ではなく採用することができる。このような防曇性材料の形成方法の例としては、多元系真空蒸着法などで膜形成後、エッチングする方法、イオンビーム照射技術でこれらの表面構造を構築する方法、水溶液中から無機親水性物質を析出させる方法(水溶液法)などを挙げることができる。
【0029】
以下、水溶液法を例にして、本発明の防曇性部材の製造方法を説明する。
水溶液法は、水性媒体中に溶存している金属を金属酸化物として基材表面に析出させる方法である。
析出反応を進行させるために、まずフッ化金属錯塩(例えばフッ化金属アンモニウム塩)を所定量純水の中に混合し溶解させる。
【0030】
ここで使用するフッ化金属錯塩の例としては、ヘキサフルオロ金属酸塩を挙げることができ、特にヘキサフルオロ金属のアンモニウム塩を用いることが好ましい。具体的には、ヘキサフルオロケイ酸アンモニウム((NH42SiF6:6フッ化ケイ素酸アンモニウム)、ヘキサフルオロチタン酸アンモニウム((NH42TiF6:6フッ化チタンアンモニウム)およびヘキサフルオロジルコニウム酸アンモニウム((NH42ZrF6:6フッ化ジルコニウムアンモニウム)を挙げることができる。これらは単独であるいは組み合わせて使用することができる。なお、本発明では、上記のようなヘキサフルオロ金属のアンモニウム塩を使用することが好ましいが、このようなヘキサフルオロ金属のアンモニウム塩中に、例えば、ヘキサフルオロスズ酸アンモニウム((NH42SnF6)、ヘキサフルオロ鉄酸アンモニウム((NH42FeF6)、ヘキサフルオロ亜鉛酸アンモニウム((NH42ZnF6)、ヘキサフルオロストロンチウム酸アンモニウム((NH42SrF6)、ヘキサフルオロタングステン酸アンモニウム((NH42WF6)、および、ヘキサフルオロビスマス酸アンモニウム((NH42BiF6)などの他のヘキサフルオロ金属酸塩が含有されていてもよい。これらは単独であるいは組み合わせて使用することができる。
【0031】
また、上記の例示した化合物は、アンモニウム塩の例であるが、Li、K、Naなどのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩などであってもよい。
特に本発明では、ヘキサフルオロケイ酸アンモニウム((NH42SiF6)、ヘキサフルオロジルコニウム酸アンモニウム((NH42ZrF6)、ヘキサフルオロチタン酸アンモニウム((NH42TiF6)を使用することが好ましい。
【0032】
これらのフッ化金属錯塩を水性媒体に溶解することにより、水性媒体中にフッ化金属イオンが形成される。
次いで、このフッ化金属イオンからフッ素を捕捉することにより金属酸化物が析出する。ここで使用されるフッ素捕捉剤としてホウ酸等を添加する。これによってホウ素はフッ素と結合して安定なフッ化ホウ素イオンを形成するため、遊離した金属イオンは高活性な状態となって酸素と化合し、金属酸化物として析出を開始する。水性媒体中での金属酸化物の析出はほぼ均質核形成プロセスと類似する反応であり、金属酸化物は、数ナノ〜数百ナノメートルの粒子径を有する球状粒子となって析出する。これらの球状粒子は、アモルファス状態からなることもあり、単結晶、或いは多結晶集合体からなることもある。単結晶粒子は基材表面に対し表面自由エネルギーの高い結晶方位で接合し、結晶配向性を示す場合がある。
【0033】
このようなナノサイズの析出粒子は、基材表面に付着析出し特異な表面構造を形成する。形成粒子のサイズが均一である場合は、基材表面にこれらのナノサイズの析出粒子が整然とかつ繊密に配列しながら膜形成が進行する。最初に一層が形成されると、さらにその上に第二層が形成されはじめ、ところどころに島状析出物(所謂、突起状の析出物)が形成され始める。このような形成プロセスによって、本発明の防曇性部材に固有の表面構造が形成される場合もある。しかしより一般的には、形成粒子のサイズが不均一であるため粒子配列の不整が生じ、成膜表面に凹凸が生じたり、成膜の各所に空隙がつながって生じるホローが形成されることもある。
【0034】
即ちこれらの集積プロセス下で機能発現にとってより望ましい特異な表面構造及び組織を形成することができる。即ち、ホローの単位面積当たりの密度が、高すぎたり、ホローのサイズが大きすぎたりすると、形成される表面状態が多孔質体表面と同様となり耐擦傷性が低下したり汚れが落ちにくくなり、本発明におけるような防曇性が発現しにくくなる。
【0035】
これらの表面構造を機能発現にとって適正なものとするためには、水溶液中の溶解した試薬の濃度や、析出温度及び析出時間等をコントロールする必要がある。また反応時間の経過とともに析出物の量が増加してくると水溶液の粘性値が増し、基材表面への付着成膜が円滑に形成されにくくなる。
そして、図2に示すように、30℃未満の温度での析出反応では、粒度の揃った繊密な膜が形成されるが、成膜速度は、30℃以上40℃未満の温度条件における成膜速度の1/3以下になる。これに対し40℃以上の成膜環境下では表面が粗く粒度も大きくなり、しばしば膜の透明性が低下する場合がある。また成膜スピードも速まり、膜が厚くなりすぎるとクラック形成の原因となる場合もある。従って、本発明の防曇性部材の製造においては、30℃以上40℃未満の温度条件で金属酸化物を析出させることが好ましい。
【0036】
なお、析出温度が高すぎると析出速度が急激に上昇することから、水溶液の粘性係数が上昇するために、逆に金属酸化物の膜への付着成長が抑制される。
膜形成のための水溶液中での反応は一般に下記のような式で進行する。
まずフルオロ金属錯化合物を水溶液に溶解させると、下記のような反応式で表現される。
(NH4)2MeF6+H20=2NH4 ++MeF6 2-+H20
この状態に、フッ素捕捉剤としてホウ酸を添加すると次の2反応式が同時進行して金属酸化物が析出する。
MeF6 2-+2H20=Me02↓+6F-+4H+
B03 3-+3Fl-+6H+=BF3+3H20
本発明では、例えばメガネに対する応用では、反射防止膜の最外層に用いなければならないので、屈折率の調整、硬さの調整及び機能特性の調整という観点から、単一成分からの析出物ではこれらの要件をすべて満足することは非常に困難である。
【0037】
しかも、形成された透明親水性部の表面には、界面活性剤を保持可能なような凹部を形成しなければならない。そこで、多成分同時析出法によって、表面形態的特長を備えた機能性複合膜(MeI02/MeIIH02/MeIIIO2)を作成する。MeI、MeII、MeIIIの酸化物の成分量比を変化させることによって屈折率、硬度及び機能性(界面活性剤に対する馴染み安さ(濡れ性))を調整することができる。
【0038】
図2には、ある特定の物質を析出させたときの析出温度と膜厚及び表面構造の関係を模式的に示す図である。
金属酸化物の析出温度範囲を30℃未満、30℃以上40℃未満、40℃以上に変えることによって、その析出物の粒子集合状態が異なる防曇性部材を形成することができる。
【0039】
ここでは、30℃未満の温度条件での析出では、粒子径が数ナノメートル〜数十ナノメートルの範囲内にある一層目の析出粒子の集合によって基材表面が整然と覆われた表面を形成することができ、更にその上に島状粒子集合体(突起状に粒子が析出した集合体)を形成しながら、析出が進行する。従って、30℃未満で成膜した場合の防曇性部材に形成される膜は繊密で表面の凹凸も少ない。
【0040】
これに対して30℃以上40℃未満の温度領域になると数ナノメートル〜数百ナノメートルの粒子径を有する金属酸化物が析出し、しかも上記範囲内で、粒子径の異なる金属酸化物粒子が混在した状態で金属酸化物の析出層を形成する。このため本発明の防曇性部材の表面構造にやや凹凸が生じるようになる。この領域で形成された表面構造が本発明の機能発現に最も適している。
【0041】
さらに40℃以上になると数百ナノメートルサイズの粒子が顕著になり、しかも形成した膜にクラックが入り易くなる。また光散乱によって、形成した膜自体が白濁する場合もある。表面状態がかなりラフになり、多孔質体に近い状態になる。
なお、温度条件は、析出反応を制御する一要因であり、例えば上記の温度領域内であっても、原料の濃度など他の要因によって析出する金属酸化物の状態は変化する。
【0042】
また、反応時間が長くなるにつれて、化学反応が進むが、析出工程末期になると、水溶液内部において原料物質の重合反応などが進行し、反応溶液の粘性が急速に増大してくる。このような状態になると成膜速度は大きく低下してしまう。界面活性剤が安定的にしかも長期にわたって保持されるための本発明の防曇性部材の表面構造は、表面からの平均深さが10nm〜10μmの多数の凹部を有するとように金属酸化物を析出させた構造を有しており、この凹部に、界面活性剤が充填されてなる。
【0043】
このような本発明の防曇性部材の表面構造は、水溶液析出法においては、原料成分の濃度条件、温度条件、更には析出経過時間等を制御、管理することによって形成することができる。
本発明の防曇性部材は、例えばレンズの両面に親水性物質からなる透明親水性部を形成し、この透明親水性部に凹部を形成し、この凹部に界面活性剤を含有させることにより、メガネ用などのレンズとして好適に使用することができる。
【0044】
また、ガラスの一方の面に親水性物質からなる透明親水性部を形成し、この透明親水性部に凹部を形成し、この凹部に界面活性剤を含有させることにより、例えば、防曇性に優れた窓用のガラスなどとして好適に使用することができる。
さらに、両面に透明親水性部を形成せずに、ガラスの一方の面に親水性物質からなる透明親水性部を形成し、この透明親水性部に凹部を形成し、この凹部に界面活性剤を含有させ、このような透明親水性部が形成されていないガラス面に反射層を形成することにより、防曇性のある鏡として使用することができる。
【0045】
さらに、プラスチックフィルムの一方の面に親水性物質からなる透明親水性部を形成し、この透明親水性部に凹部を形成し、この凹部に界面活性剤を含有させ、このような透明親水性部が形成されていない面に例えばアクリル系接着剤のように透明性の接着剤層を形成したフィルムを形成し、このフィルムを既に設置され鏡の表面に貼着することにより既存の鏡を防曇性にすることができる。さらに、このフィルムを既に設置された窓ガラスの両面に貼着することにより、既存の窓ガラスを防曇性にすることができる。
【0046】
【発明の効果】
メガネレンズやプラスチック窓表面に硬質無機薄膜をコートし、特定の微細表面構造或いは組織を形成することによって、界面活性剤を長期にわたって安定的に表面に保持することが可能になり高い蒸気圧下でも曇らなくすることができる。
【0047】
即ち、本発明によれば、温度、湿度などの環境の変化によっても曇らず、しかもこの長期間に亘って安定した防曇効果を有する光学部材が提供される。
しかも、本発明の防曇性部材の有する防曇効果は、減退しても、界面活性剤を補充することにより、初期の状態にまで回復する。
【0048】
【実施例】
次に本発明の実施例を示して本発明の防曇性部材について説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
【0049】
【実施例1】
ポリスチレン製の円筒容器に、(NH4)2ZrF6を8.3g、(NH4)2SiF6を25gを純水中に添加し完全に溶解させた。さらにこの溶液に、酸化ホウ素:B203を25g添加混合して溶解し1リットルの水溶液(処理液)を作成した。
次にこの水溶液を38℃に保温し、マルチコートレンズを処理液中に浸漬した。約15時間後レンズを取り出し、水洗乾燥した。その後、界面活性剤(アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、脂肪酸メチルグルカミドの混合液)をレンズ表面に塗布し、レンズ反射防止効果が生じる程度まで薄く延ばし塗布した。その後、このレンズに呼気をあてたが、均一に水膜がレンズ表面に形成され、曇りが生じなかった。
【0050】
このレンズをそのまま2週間放置したが、曇りが生じない状態を維持できた。
【0051】
【実施例2】
ポリスチレン製の円筒容器に、(NH4)2SiF6を25g、(NH4)2TiF6を8.3gさらに(NH4)2ZrF6を0.25gをそれぞれ純水中に混合溶解し、さらにB203を7g添加混合し完全に溶解し1リットルの水溶液(処理液)を作成した。
次に水溶液を38℃に保温し、マルチコートレンズを処理液中に浸漬した。約20時間後レンズを取り出し水洗乾燥させた。その後界面活性剤(アルキノレエーテル硫酸エステルナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、脂肪酸メチルグルカミドの混合液)をレンズ表面に塗布し、レンズ反射防止効果が生じる程度まで薄く伸ばし塗布した。その後呼気をあてたが、均一に水膜がレンズ表面に形成され曇りが生じなかった。
【0052】
また同時に同一条件で浸漬したレンズの一部表面から5×5mmの試験片を2枚切り出し、この試験片の表面の凹凸を、AFM(Atomic Force Microscope)によって実測した。結果を図3、図4に示す。
これによって目的の表面構造がレンズ基材表面に形成されていることを確かめることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の防曇性部材の断面の例を示す図である。
【図2】 図2は、無機酸化物の析出温度と、析出物の厚さとの関係の例を示す図である。
【図3】 図3は、本発明の実施例で製造されたレンズの表面状態をAFMによって測定したチャートである。
【図4】 図4は、本発明の実施例で製造されたレンズの表面状態をAFMによって測定したチャートである。
【図5】 図5は、本発明の他の態様における防曇性材料の断面の例を示す図である。
【符号の説明】
1・・・防曇性部材
10・・・光透過性基材(基材)
12・・・透明親水性部
14・・・凹部
16・・・界面活性剤
18・・・突部
20・・・仮想中心線

Claims (7)

  1. ヘキサフルオロケイ酸アンモニウム、ヘキサフルオロチタン酸アンモニウムおよびヘキサフルオロジルコニウム酸アンモニウムよりなる群から選ばれるヘキサフルオロ金属塩が溶解された水溶液に30℃以上40℃未満の温度でフッ素補足剤を添加して光透過性基材の表面に金属酸化物を析出させることによって形成された、表面からの平均深さが10nm〜10μmの多数の凹部を有すると共に、該凹部に、界面活性剤が継続して流出可能に充填されていることを特徴とする防曇性部材。
  2. 上記凹部が、光透過性基材の表面に形成された無機親水性物質からなる透明親水性部に形成されており、かつ、該凹部の平均深さが10nm〜10μmであると共に、隣接する凹部との平均間隔5nm以上であることを特徴とする請求項第1項記載の防曇性部材。
  3. 上記界面活性剤の屈折率が1.0〜2.5の範囲内にあることを特徴とする請求項第1項記載の防曇性部材。
  4. 上記無機親水性物質が、ケイ素の酸化物と、チタンの酸化物および/またはジルコニウムの酸化物とを含むことを特徴とする請求項第2項記載の防曇性部材。
  5. 上記凹部が、光透過性基材の両面に形成された透明親水性部に形成されていることを特徴とする請求項第1項記載の防曇性部材。
  6. 上記凹部が、光透過性基材の一方の面に形成された透明親水性部に形成されていることを特徴とする請求項第1項記載の防曇性部材。
  7. 上記光透過性基材の凹部が形成された面とは反対の面に、光反射層が形成されていることを特徴とする請求項第6記載の防曇性部材。
JP2001345149A 2001-06-29 2001-11-09 防曇性部材 Expired - Fee Related JP3830806B2 (ja)

Priority Applications (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001345149A JP3830806B2 (ja) 2001-11-09 2001-11-09 防曇性部材
AT02014235T ATE370107T1 (de) 2001-06-29 2002-06-26 Beschlagungsresistente transparente artikel, stoffe, die eine hydrophile anorganische schicht hoher härte bilden und verfahren zur herstellung einer beschlagungsarmen linse
DE60221753T DE60221753T2 (de) 2001-06-29 2002-06-26 Beschlagungsresistente transparente Artikel, Stoffe, die eine hydrophile anorganische Schicht hoher Härte bilden und Verfahren zur Herstellung einer beschlagungsarmen Linse
EP02014235A EP1275624B1 (en) 2001-06-29 2002-06-26 Antifogging product, inorganic hydrophilic hard layer forming material and process for producing antifogging lens
US10/184,585 US20030017303A1 (en) 2001-06-29 2002-06-28 Antifogging product, inorganic hydrophilic hard layer forming material and process for producing antifogging lens
KR10-2002-0036589A KR100529525B1 (ko) 2001-06-29 2002-06-28 안티포깅 생성물, 무기친수성 경질층 형성 물질 및안티포깅 렌즈의 제조방법
CNB02140559XA CN1302312C (zh) 2001-06-29 2002-07-01 防雾产品、无机亲水硬涂层的成形材料和制备防雾透镜的方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001345149A JP3830806B2 (ja) 2001-11-09 2001-11-09 防曇性部材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003149402A JP2003149402A (ja) 2003-05-21
JP3830806B2 true JP3830806B2 (ja) 2006-10-11

Family

ID=19158544

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001345149A Expired - Fee Related JP3830806B2 (ja) 2001-06-29 2001-11-09 防曇性部材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3830806B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2913231B1 (fr) * 2007-03-02 2009-07-10 Essilor Int Article ayant une surface nanotexturee a proprietes superhydrophobes.
NZ620507A (en) * 2011-08-05 2015-10-30 Massachusetts Inst Technology Devices incorporating a liquid - impregnated surface
JP6211247B2 (ja) * 2012-03-14 2017-10-11 学校法人五島育英会 機能性網状構造体
JP5971337B2 (ja) 2012-07-13 2016-08-17 東洋製罐株式会社 内容物に対する滑り性に優れた包装容器
SE539598C2 (sv) * 2012-12-21 2017-10-17 A & R Carton Lund Ab Metod för tillverkning av behållare med gastät öppning för icke-destruktiv detekering av gasinnehåll

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003149402A (ja) 2003-05-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1275624B1 (en) Antifogging product, inorganic hydrophilic hard layer forming material and process for producing antifogging lens
JP5220066B2 (ja) 機能性表面の製造方法
JP5962652B2 (ja) 反射防止性ガラス基体及び反射防止性ガラス基体の製造方法
US20070184247A1 (en) Transparent, super-hydrophobic, disordered composite material
US20130236695A1 (en) Superhydrophobic transparent glass (stg) thin film articles
CN106348579A (zh) 不对称构成的在两个表面侧上化学强化的薄玻璃板、其制备方法及其用途
TWI642705B (zh) 用於在基板上噴塗溶膠-凝膠薄膜之方法及配方
KR20090038363A (ko) 광학 막의 형성방법 및 이러한 막을 갖는 광학 소자
TW201434738A (zh) 防霧之奈米紋理化表面及含其之物件
JPH10204323A (ja) 親水性被膜形成用コーティング液およびその製造方法
WO2012020899A1 (ko) 반사 방지성 유리 및 그 제조 방법
KR101451790B1 (ko) 내구성을 갖는 저반사 표면체의 제조 방법 및 그 저반사 표면체
JP2008274409A (ja) 防曇膜の形成方法
JP3830806B2 (ja) 防曇性部材
WO2018235707A1 (ja) 撥水性反射防止構造体および撥水性反射防止構造体の製造方法
Kyung et al. Control of structure and film thickness using spray layer-by-layer method: Application to double-layer anti-reflection film
JP3435136B2 (ja) 基材の親水化処理方法
TW201514111A (zh) 低反射性物品與製作該低反射性物品之方法
JP3400259B2 (ja) 親水性被膜およびその製造方法
JP2002078821A (ja) 防曇性を有する水中用ゴーグル
JP3597152B2 (ja) レンズの製造方法
WO2012020981A2 (ko) 유리 기판 제조 방법 및 그 유리
JP2000001340A (ja) 親水性被膜の製造方法
JP3626921B2 (ja) レンズ用無機親水性硬質層形成材料、レンズ用無機親水性硬質層形成方法
JP2003015092A (ja) メガネレンズ

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20041013

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060201

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060403

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060621

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060712

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090721

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120721

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees