JP2003149402A - 防曇性部材 - Google Patents

防曇性部材

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JP2003149402A JP2001345149A JP2001345149A JP2003149402A JP 2003149402 A JP2003149402 A JP 2003149402A JP 2001345149 A JP2001345149 A JP 2001345149A JP 2001345149 A JP2001345149 A JP 2001345149A JP 2003149402 A JP2003149402 A JP 2003149402A
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】本発明の防曇性部材は、表面からの平均深
さが10nm〜10μmの多数の凹部を有すると共に、該
凹部に、界面活性剤が継続して流出可能に充填されてい
ることを特徴としている。 【効果】本発明によれば、防曇性に優れたレンズ、鏡な
どの光学部材が得られる。また、この防曇性は、長期間
安定しており、さらに本発明の防曇性部材の有する防曇
効果は減退しても回復させることが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、メガネあるいは鏡
などのように光透過性の素材から形成されている光学部
材であって、その表面に水滴などが付着することによっ
て発生する曇を有効に防止できる防曇性部材に関する。
【0002】
【従来の技術】レンズ、鏡などの光学部材は、光透過性
素材で形成されており、こうした光学部材は常に一定の
光学的特性を維持していることが望ましい。しかしなが
ら、こうした光学部材の表面には、温度差、湿度変化な
どによって空気中の水分が結露して曇りやすいという特
性を有している。
【0003】このような光学部材の曇り止め(防曇)に
は、種々の方法があるが、以下特にメガネのレンズを例
にしてレンズの防曇方法について説明する。従来から行
われている曇り止めの方法は、おおよそ4通りある。第
一は、吸湿性ポリマーを基材にコートして表面に水滴が
形成されにくくする方法である。第二は界面活性剤をス
プレー等でコートして基材表面の濡れ性を改善して表面
に水滴が形成されにくくする方法である。第三は光触媒
による超親水性によって水滴形成を防止する方法であ
る。第四はレンズ表面を多孔質にして曇りにくくする方
法である。
【0004】しかしながら、これらの方法はいずれもメ
ガネレンズの防曇方法としては必ずしも適切ではない。
例えば、第一の方法は、吸湿性ポリマー自体の耐擦傷性
が低く、メガネのように頻繁に使用する光学部材の防曇
方法としては適当ではない。即ち、吸湿性ポリマーから
なる層は、メガネの通常のハンドリングで容易に傷が付
いてしまう。
【0005】また、第二の方法では、界面活性剤の水溶
液をレンズに吹き付ける必要があるが、通常のメガネレ
ンズ(所謂マルチコートレンズ)の表面には、撥水性膜
が形成されているため一般に界面活性剤との親和性が低
く、曇り止め剤で相当厚い層を形成しなければ均質な防
曇層を形成することができない。しかしながら、有効な
防曇効果が発現するように厚い防曇層を形成するとマル
チコートレンズの反射防止効果が低減してしまう。他
方、反射防止を重視し薄塗りすると充分な防曇効果が発
現しない。また、メガネレンズに撥水性膜が形成されて
いない場合であっても、界面活性剤による防曇効果は、
比較的短時間で消失してしまう。
【0006】第三の防曇方法は、紫外線によって誘起さ
れるチタン酸化物の光触媒効果によって発現するレンズ
表面の超親水性現象を利用した防曇方法である。この方
法でメガネレンズに防曇性を発現させるためには、メガ
ネレンズの表面に比較的高い濃度でチタン酸化物を含有
する層を形成する必要がある。即ち、通常はレンズ表面
にチタン酸化物を高濃度で含有する酸化ケイ素層を形成
するが、この層が、チタン酸化物の有する光触媒効果に
よって超親水性を示すようにするには、チタン酸化物の
濃度を一定以上に高くする必要がある。しかしながら、
超親水性を示すためには酸化ケイ素からなる層における
チタン酸化物の含有率は、相当高くする必要があり、チ
タン酸化物の含有率が高くなるにつれて、この層の屈折
率が高くなり、レンズ基材の有する屈折率との差異が大
きくなると共に、機械的強度は低下する傾向がある。さ
らに、このような超親水性を発現させるためには、この
レンズにチタン酸化物を誘起させるために紫外線を照射
し続ける必要があり、超親水性を発現させるための連続
的な紫外線の照射は、メガネ用レンズにおける防曇方法
としては適当ではない。また、このようなチタン酸化物
の有する光触媒作用によって奏される超親水性自体は、
比較的長期間維持されるが、チタン酸化物の有する光触
媒作用は同時に汚れを分解する作用も有しており、この
分解作用は分解されない汚れの付着によって比較的短期
間で低下し、一旦低下した能力は修復することが困難で
ある。そして、こうした分解不能の汚れの付着に伴って
超親水性も著しく低下する。
【0007】従ってレンズの表面汚れがひどくなると防
曇機能は消失してしまうという問題点がある。紫外線の
照射量も問題で、酸化チタンの可視光対応化が進んでい
ない現状下では実用化はむずかしい。第四の方法は、レ
ンズ表面を多孔質にする方法であり、比較的古くから検
討されている。このようにレンズ表面を多孔質にするこ
とによって水滴が形成されにくくなるが、レンズの表面
が多孔質であるために、レンズの耐擦傷性が低下し、ま
た一旦汚れるとこの汚れを洗浄によって除去することが
難しく、実用性に乏しい。
【0008】このように従来から検討されているレンズ
の防曇方法は、例えばメガネレンズの防曇方法としては
必ずしも適当ではない。
【0009】
【発明の目的】本発明は、表面硬度及び耐擦傷性に優
れ、表面が汚れにくく、しかも基材の諸特性を基本的に
変えることなく防曇効果が長期安定して維持されるよう
な処理された光学部材を提供することを目的としてい
る。特に本発明は、メガネレンズあるいは鏡のような平
面状あるいは曲面状の基材の表面に防曇処理可能にされ
た防曇性光学部材を提供することを目的としている。
【0010】
【発明の概要】上記防曇における従来技術の欄で説明し
たように、例えばメガネレンズなどの防曇に用いられて
いる防曇用のスプレーは基材自体が撥水性の場合界面活
性剤もなじみにくく、有効な防曇性を維持することはで
きない。即ち、このような防曇用スプレーは短期間の曇
り止めにはなるが、表面に界面活性剤を長期間に亘って
安定に存在させることは困難である。
【0011】防曇の目的で界面活性剤を表面に長期間安
定に保持させるためには、基材表面を界面活性剤がなじ
み易いようにすることが必要である。さらに、メガネ用
のレンズのように耐久性を要求される部材においては、
表面を親水性にすると共に、この状態が長期間に亘って
維持することが可能であり、レンズの耐擦傷性が表面を
親水性にしたことによって低下することがなく、むしろ
耐擦傷性が向上するような表面処理をすることが必要に
なる。
【0012】こうした観点から、防曇性部材の形成に好
適な要素を以下に整理して記載する。1)基材表面を親水
性にすると共に、親水性物質によって突起を形成し、こ
の突起の隙間に界面活性剤を含ませると、表面全体を界
面活性剤で覆うことが可能となる。2)親水性を有し、透
明で強度も高い物質としてはシリカがあるが、紫外線照
射下の酸化チタンもその一例である。これらの物質を凹
部を形成するように析出させ、この凹部に界面活性剤を
含有させると界面活性剤は長期間に亘って少量ずつ流出
すると共に、毛細管効果によって部材の表面に広がるこ
とにより、長時間にわたって常に表面が界面活性剤に覆
われた状態を維持できる。3)表面に湿気が付着したりあ
るいは汚れなどを水洗いして表面にある薄膜状の界面活
性剤が除去されても、凹部に界面活性剤が残留している
間はこの凹部から界面活性剤が供給され、防曇効果は維
持できる。4)凹部に含有される界面活性剤を消費し尽く
すと当然のことながら防曇効果はなくなるが、この凹部
には再び界面活性剤を充填することによって、本発明の
防曇性部材を最初の状態にすることができる。5)界面活
性剤は、水溶性が望ましく、また界面活性剤は、その屈
折率が無機親水性物質の屈折率に近似したものであるこ
とが望ましい。6)無機親水性物質で形成された表面の突
起は、基本的には親水性である。表面全体における無機
親水性物質によって形成された親水性領域は表面全体の
10%以上であることが好ましい良い。7)平均屈折率を調
整するために屈折率の異なる物質を同時に析出させる方
法も有効であり、また平均強度を調整させるためにも同
様な方法が可能である。したがって無機親水性物質の組
成は目的に応じて任意に選択することが可能である。8)
粒子状の無機親水性物質が析出する過程において析出粒
子不整によって生じる空隙は、多孔質素材のような孔の
形状、分布頻度のように耐擦傷性や汚れに弱い原因とな
るようなものではなく、機能性発現に有効でかつ耐擦傷
性の高さや汚れに対する強さが維持できる程度の表面形
態及び組織を形成する。
【0013】本発明は、上記のような防曇に必要な機能
に鑑みてなされたものである。即ち、本発明の防曇性部
材は、表面からの平均深さが10nm〜10μmの多数の
凹部を有すると共に、該凹部に、界面活性剤が継続して
流出可能に充填されていることを特徴としている。ま
た、本発明の防曇性部材は、上記凹部が、光透過性基材
の表面に形成された無機親水性物質からなる透明親水性
部に形成されており、かつ、該凹部の平均深さが10nm
〜10μmであると共に、隣接する凹部との平均間隔5n
m以上であることが好ましい。
【0014】本発明の防曇性部材において使用される界
面活性剤は、その屈折率が1.0〜2.5の範囲内にあ
ることが好ましい。本発明の防曇部材を構成する上記無
機親水性物質は、ケイ素の酸化物と、チタンの酸化物お
よび/またはジルコニウムの酸化物とを含むものである
ことが好ましい。
【0015】また、本発明の防曇性部材において、上記
凹部を、光透過性基材の両面に形成された透明親水性部
に形成することができるし、あるいは、上記凹部を、光
透過性基材の一方の面に形成された透明親水性部に形成
することもできる。また、本発明の防曇性部材において
は、上記光透過性基材の凹部が形成された面とは反対の
面に、光反射層を形成することができる。このような防
曇性部材は、通常は鏡として使用することができる。
【0016】本発明の防曇性部材には、無機親水性物質
から形成された透明親水性部に多数の微細な凹部が形成
されており、この微細な凹部にはそれぞれに界面活性剤
が充填されている。この界面活性剤は、凹部から継続し
て長期間に亘って流出が可能なように凹部に充填されて
いる。従って、一旦この微細な凹部に界面活性剤を充填
すれば、その後数ヶ月はこの充填された界面活性剤が光
学部材の表面に薄膜を形成し、滴状の水が接触しても瞬
時に滴状の水の表面張力を低下させ、水滴を非常に薄い
水膜に変化させる。こうして形成された非常に薄い水膜
は均質であるので、光の屈折率が変わらず、従って、防
曇性部材の光学的特性が長期期間にわたって維持され
る。特に界面活性剤を保持する凹部を、光透過性基材の
表面に形成される凹部の平均深さが10nm〜10μmの
範囲内、隣接する凹部との平均間隔5nm以上になるよう
に無機親水性物質を析出させて透明親水性部を形成する
ことにより、本発明の防曇性部材の表面全体が無機親水
性物質によって親水性となると共に、透明親水性部に形
成された凹部に充填された界面活性剤がこの無機親水性
物質からなる透明親水性部の表面全体を覆うようにな
り、本発明の防曇性部材の表面に水が接触しても水滴は
形成されず、均一な水の薄膜がより形成されやすくな
る。従って、光の屈折率は防曇性部材を透過する光に対
して影響を及ぼすことがなく、屈折率の変化による曇り
現象を防止することができる。この防曇効果は、凹部か
ら表面に界面活性剤が供給される間は維持され、さらに
凹部に界面活性剤がなくなった場合には、界面活性剤を
塗布することにより、この凹部に界面活性剤が選択的に
蓄積され、さらに数ヶ月良好な防曇性が維持される。
【0017】本発明において、無機親水性物質として好
適に使用される酸化ケイ素と、チタン酸化物および/ま
たはジルコニウムの酸化物とを複合体は、基材の屈折率
と殆ど差異がなく良好な光学的特性は殆ど変化させずに
その機械的強度を向上させることができる。特に本発明
の防曇性部材は、メガネレンズのように頻繁に表面の汚
れを拭き取るような用途、また、例えば浴室の鏡のよう
に湿度の変化によって曇りやすい環境で使用される鏡な
どとして好適である。
【0018】
【発明の具体的説明】次に本発明の防曇性部材について
図面を参照しながら具体的に説明する。図1は、本発明
の防曇性部材の断面の例を模式的に示す図である。図2
は、無機酸化物の析出温度と、析出物の厚さとの関係の
例を示す図である。図1に示すように本発明の防曇性部
材1は、光透過性基材10と、その表面に形成された透
明親水性部12とを有している。
【0019】本発明の防曇性部材において、光透過性基
材10は、ガラス、透明プラスチックなどで形成するこ
とができる。この光透過性材基材10は平板状であって
も曲面状であってもよい。例えば、本発明の防曇性部材
が、メガネレンズの場合、この光透過性基材10は、ガ
ラス製のレンズ、プラスチック製のレンズなどである。
また、例えばこの光透過性基材10がガラスあるいはプ
ラスチックレンズなどである場合、その表面に硬質層、
反射防止層、屈折率の調整層などの種々の層が積層され
ていてもよい。さらに、これらの層は、単独であっても
複数の層が積層されていてもよく、また、一つの層が複
数の作用効果を有していてもよい。
【0020】本発明の防曇性部材1は、上記のようにメ
ガネレンズなどの場合には曲面を形成しているが、例え
ば窓および鏡などを形成する防曇性部材1の場合には平
面状である。このような本発明の防曇性部材1の表面に
は、無機親水性物質からなる透明親水性部12が形成さ
れている。このような透明親水性部12の表面は平滑で
はなく、凹凸が形成されている。図1に示すように、こ
の凹凸のほぼ中心を通る仮想中心線を想定すると、この
仮想中心線20の下方が界面活性剤を保持ための凹部1
4であり、この凹部14には界面活性剤16が充填され
ている。なお、本発明の防曇性部材1の表面には凹凸が
形成されていることから、特に限定しない場合には、こ
の仮想中心線をもって防曇性材料の表面とする。この仮
想中心線20は、図2および図3に示すように、本発明
の防曇性材料の表面性をAFM(AtomicForce Microsco
pe)を用いて分析する際の基準線と略一致する。
【0021】この凹部14は表面(即ち、仮想中心性2
0)からの平均深さが10nm〜10μmであり、さらに
この平均深さは、好ましくは20nm〜5μmの範囲内、
特に好ましくは50nm〜3μmの範囲内にある。この凹
部14の平均深さは、図1において、H1、H2、H3
4、・・・・・Hnの平均値である。上記のような深さの凹
部14は、本発明の防曇性部材1を透過する光の波長に
近似しているために、この凹部14の存在によって、本
発明の防曇性部材1の光透過性が著しく低下することは
なく、良好な光透過性を維持することができる。
【0022】また、図1に示す態様においては、凹部1
4は、無機親水性物質からなる透明親水部12に形成さ
れているが、この凹部14の平均間隔が5nm以上、好ま
しくは5nm〜1000nmの範囲内、特に好ましくは5nm
〜500nmの範囲内になるように、無機親水性物質から
なる透明親水部12を形成する。即ち、無機親水性物質
からなる透明親水部12の表面には凹部14と突部18
が形成されているが、この突部18の幅D1、D2
3、D4、D5、D6、・・・・・・Dnの平均値が凹部14の
平均間隔である。
【0023】なお、凹部14の開口部の幅は、仮想中心
線20における凹部14の幅G1、G2、G3、G4
5、G6、・・・・・・Gnの平均値であり、この凹部14の
開口部の幅の平均値は、通常は5nm〜1000nm、好ま
しくは5nm〜700nm、特に好ましくは5nm〜500nm
である。上記のような凹部14を有するように無機親水
性物質からなる透明親水性部12を形成する方法に関し
ては詳細には後述するが、図2に示す無機親水性物質の
析出温度とその表面構造を示すグラフから明らかなよう
に、所定の温度で無機親水性物質を析出させることによ
り製造することが可能である。
【0024】そして、本発明の防曇性部材1において
は、この無機親水性物質は、光透過性基材10の表面の
少なくとも10%を被覆していることが好ましく、良好
な防曇性を発現させるためには、光透過性基材10の表
面の70%以上がこの無機親水性部材によって被覆され
ていることが特に好ましい。上記のような凹部14に
は、界面活性剤16が充填されている。本発明で使用さ
れる界面活性剤16としては、アルキルエーテル硫酸ナ
トリウムのようなアニオン系界面活性剤、カチオン系界
面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテルのよう
なノニオン系界面活性剤、脂肪酸アルキルグルアミドの
ような両性イオン系界面活性剤を使用することができ
る。これらは単独であるいは組み合わせて使用すること
ができる。これらの界面活性剤の屈折率は通常は1.0
〜2.5である。そして、このような界面活性剤16
は、水などの溶媒に溶解して塗布することにより、ある
いは、溶媒を用いることなく界面活性剤をそのまま塗布
することにより。凹部14の中に充填することができ
る。さらにこのように凹部14に充填された界面活性剤
16は、少量ずつ継続して無機親水性物質からなる透明
親水性部12の表面に供給され、透明親水部12の表面
に界面活性剤16の薄膜を形成すると考えられる。
【0025】このように形成された界面活性剤16の薄
膜と透明親水性部12を形成する無機親水性物質とが共
同して、この透明親水性部12の表面が非常に高い親水
性を示すようになり、この表面に水滴が接触した瞬間に
水の表面張力が低下して、透明親水性部12には薄い水
膜が形成され、水滴は付着しない。従って、本発明の防
曇性部材1は、例えば、湿度、温度などの環境の急激な
変化によっても水滴が付着してこの部材が曇ることがな
い。しかも、この透明親水性部12を形成する無機親水
性物質が、ケイ素の酸化物と、チタンの酸化物および/
またはジルコニウムの酸化物とを含有することによっ
て、この透明親水性部12が優れた機械的特性を示すよ
うになる。
【0026】本発明の防曇性材料1における透明親水性
部12の平均厚さT0は、通常は300nm以下、好まし
くは200nm以下、特に好ましくは100nm以下であ
り、従って、この本発明の防曇性部材1においては、透
明親水性部12が存在せず、光透過性基材10が凹部1
4の底部に露出していることもある。さらに、本発明の
防曇性部材1における防曇性が凹部14に充填された界
面活性剤16による水分の表面張力の低下によることこ
が大きいことから、図5に示すように、無機親水性物質
からなる透明親水性部12を配置することなく、光透過
性基材10に直接凹部14を形成し、この凹部14に界
面活性剤を充填することによっても、良好な防曇性を示
す。この場合における凹部14の平均深さは、上記図1
におけるのと同様に、H11、H12、H13、H14、H14
15、H16・・・・・Hnの平均値であり、10nm〜10μm
であり、さらにこの平均深さは、好ましくは20nm〜5
μmの範囲内、特に好ましくは50nm〜3μmの範囲内に
ある。また、凹部14の間隔は D11、D12、D13、D
14、D15、・・・・・・Dnの平均値であり、5nm以上、好ま
しくは5nm〜1000nmの範囲内、特に好ましくは5nm
〜500nmの範囲内にある。さらに、この凹部14の開
口部の平均直径は、G11、G12、G13、G14、G15、G
16、・・・・・・Gnの平均値であり、通常は5nm〜1000n
m、好ましくは5nm〜700nm、特に好ましくは5nm〜
500nmである。
【0027】このように図5に示すように形成された凹
部14に界面活性剤(図示なし)を充填することに、界
面活性剤が少量ずつ継続的により光透過性基材10の表
面に供給され,この表面に界面活性剤の薄膜を形成し、
この防曇性部材1に高い防曇性を付与する。次に、本発
明の防曇性材料を製造する方法について説明する。
【0028】本発明の防曇性材料は、上記詳述のよう
に、その表面が特異的な構造を有しており、本発明の防
曇性材料を製造するに際しては、こうした表面の構造を
形成することができる方法であれば特に限定的ではなく
採用することができる。このような防曇性材料の形成方
法の例としては、多元系真空蒸着法などで膜形成後、エ
ッチングする方法、イオンビーム照射技術でこれらの表
面構造を構築する方法、水溶液中から無機親水性物質を
析出させる方法(水溶液法)などを挙げることができ
る。
【0029】以下、水溶液法を例にして、本発明の防曇
性部材の製造方法を説明する。水溶液法は、水性媒体中
に溶存している金属を金属酸化物として基材表面に析出
させる方法である。析出反応を進行させるために、まず
フッ化金属錯塩(例えばフッ化金属アンモニウム塩)を所
定量純水の中に混合し溶解させる。
【0030】ここで使用するフッ化金属錯塩の例として
は、ヘキサフルオロ金属酸塩を挙げることができ、特に
ヘキサフルオロ金属のアンモニウム塩を用いることが好
ましい。具体的には、ヘキサフルオロケイ酸アンモニウ
ム((NH42SiF6:6フッ化ケイ素酸アンモニウム)、
ヘキサフルオロチタン酸アンモニウム((NH42TiF6
6フッ化チタンアンモニウム)およびヘキサフルオロジ
ルコニウム酸アンモニウム((NH42ZrF6:6フッ化ジ
ルコニウムアンモニウム)を挙げることができる。これ
らは単独であるいは組み合わせて使用することができ
る。なお、本発明では、上記のようなヘキサフルオロ金
属のアンモニウム塩を使用することが好ましいが、この
ようなヘキサフルオロ金属のアンモニウム塩中に、例え
ば、ヘキサフルオロスズ酸アンモニウム((NH42SnF
6)、ヘキサフルオロ鉄酸アンモニウム((NH42Fe
F6)、ヘキサフルオロ亜鉛酸アンモニウム((NH42Zn
F6)、ヘキサフルオロストロンチウム酸アンモニウム
((NH42SrF6)、ヘキサフルオロタングステン酸ア
ンモニウム((NH42WF6)、および、ヘキサフルオロ
ビスマス酸アンモニウム((NH42BiF6)などの他のヘ
キサフルオロ金属酸塩が含有されていてもよい。これら
は単独であるいは組み合わせて使用することができる。
【0031】また、上記の例示した化合物は、アンモニ
ウム塩の例であるが、Li、K、Naなどのアルカリ金属
塩、アルカリ土類金属塩などであってもよい。特に本発
明では、ヘキサフルオロケイ酸アンモニウム((NH42
SiF6)、ヘキサフルオロジルコニウム酸アンモニウム
((NH42ZrF6)、ヘキサフルオロチタン酸アン
モニウム((NH42TiF6)を使用することが好ましい。
【0032】これらのフッ化金属錯塩を水性媒体に溶解
することにより、水性媒体中にフッ化金属イオンが形成
される。次いで、このフッ化金属イオンからフッ素を捕
捉することにより金属酸化物が析出する。ここで使用さ
れるフッ素捕捉剤としてホウ酸等を添加する。これによ
ってホウ素はフッ素と結合して安定なフッ化ホウ素イオ
ンを形成するため、遊離した金属イオンは高活性な状態
となって酸素と化合し、金属酸化物として析出を開始す
る。水性媒体中での金属酸化物の析出はほぼ均質核形成
プロセスと類似する反応であり、金属酸化物は、数ナノ
〜数百ナノメートルの粒子径を有する球状粒子となって
析出する。これらの球状粒子は、アモルファス状態から
なることもあり、単結晶、或いは多結晶集合体からなる
こともある。単結晶粒子は基材表面に対し表面自由エネ
ルギーの高い結晶方位で接合し、結晶配向性を示す場合
がある。
【0033】このようなナノサイズの析出粒子は、基材
表面に付着析出し特異な表面構造を形成する。形成粒子
のサイズが均一である場合は、基材表面にこれらのナノ
サイズの析出粒子が整然とかつ繊密に配列しながら膜形
成が進行する。最初に一層が形成されると、さらにその
上に第二層が形成されはじめ、ところどころに島状析出
物(所謂、突起状の析出物)が形成され始める。このよ
うな形成プロセスによって、本発明の防曇性部材に固有
の表面構造が形成される場合もある。しかしより一般的
には、形成粒子のサイズが不均一であるためあるため粒
子配列の不整が生じ、成膜表面に凹凸が生じたり、成膜
の各所に空隙がつながって生じるホローが形成されるこ
ともある。
【0034】即ちこれらの集積プロセス下で機能発現に
とってより望ましい特異な表面構造及び組織を形成する
ことができる。即ち、ホローの単位面積当たりの密度
が、高すぎたり、ホローのサイズが大きすぎたりする
と、形成される表面状態が多孔質体表面と同様となり耐
擦傷性が低下したり汚れが落ちにくくなり、本発明にお
けるような防曇性が発現しにくくなる。
【0035】これらの表面構造を機能発現にとって適正
なものとするためには、水溶液中の溶解した試薬の濃度
や、析出温度及び析出時間等をコントロールする必要が
ある。また反応時間の経過とともに析出物の量が増加し
てくると水溶液の粘性値が増し、基材表面への付着成膜
が円滑に形成されにくくなる。そして、図2に示すよう
に、30℃未満の温度での析出反応では、粒度の揃った
繊密な膜が形成されるが、成膜速度は、30℃以上40
℃未満の温度条件における成膜速度の1/3以下にな
る。これに対し40℃以上の成膜環境下では表面が粗く
粒度も大きくなり、しばしば膜の透明性が低下する場合
がある。また成膜スピードも速まり、膜が厚くなりすぎ
るとクラック形成の原因となる場合もある。従って、本
発明の防曇性部材の製造においては、30℃以上40℃
未満の温度条件で金属酸化物を析出させることが好まし
い。
【0036】なお、析出温度が高すぎると析出速度が急
激に上昇することから、水溶液の粘性係数が上昇するた
めに、逆に金属酸化物の膜への付着成長が抑制される。
膜形成のための水溶液中での反応は一般に下記のような
式で進行する。まずフルオロ金属錯化合物を水溶液に溶
解させると、下記のような反応式で表現される。 (NH4)2MeF6+H20=2NH4 ++MeF6 2-+H20 この状態に、フッ素捕捉剤としてホウ酸を添加すると次
の2反応式が同時進行して金属酸化物が析出する。 MeF6 2-+2H20=Me02↓+6F-+4H+ B03 3-+3Fl-+6H+=BF3+3H20 本発明では、例えばメガネに対する応用では、反射防止
膜の最外層に用いなければならないので、屈折率の調
整、硬さの調整及び機能特性の調整という観点から、単
一成分からの析出物ではこれらの要件をすべて満足する
ことは非常に困難である。
【0037】しかも、形成された透明親水性部の表面に
は、界面活性剤を保持可能なような凹部を形成しなけれ
ばならない。そこで、多成分同時析出法によって、表面
形態的特長を備えた機能性複合膜(MeI02/MeIIH02/MeIII
O2)を作成する。MeI、MeII、MeIIIの酸化物の成分量比
を変化させることによって屈折率、硬度及び機能性(界
面活性剤に対する馴染み安さ(濡れ性))を調整すること
ができる。
【0038】図2には、ある特定の物質を析出させたと
きの析出温度と膜厚及び表面構造の関係を模式的に示す
図である。金属酸化物の析出温度範囲を30℃未満、3
0℃以上40℃未満、40℃以上に変えることによっ
て、その析出物の粒子集合状態が異なる防曇性部材を形
成することができる。
【0039】ここでは、30℃未満の温度条件での析出
では、粒子径が数ナノメートル〜数十ナノメートルの範
囲内にある一層目の析出粒子の集合によって基材表面が
整然と覆われた表面を形成することができ、更にその上
に島状粒子集合体(突起状に粒子が析出した集合体)を
形成しながら、析出が進行する。従って、30℃未満で
成膜した場合の防曇性部材に形成される膜は繊密で表面
の凹凸も少ない。
【0040】これに対して30℃以上40℃未満の温度
領域になると数ナノメートル〜数百ナノメートルの粒子
径を有する金属酸化物が析出し、しかも上記範囲内で、
粒子径の異なる金属酸化物粒子が混在した状態で金属酸
化物の析出層を形成する。このため本発明の防曇性部材
の表面構造にやや凹凸が生じるようになる。この領域で
形成された表面構造が本発明の機能発現に最も適してい
る。
【0041】さらに40℃以上になると数百ナノメート
ルサイズの粒子が顕著になり、しかも形成した膜にクラ
ックが入り易くなる。また光散乱によって、形成した膜
自体が白濁する場合もある。表面状態がかなりラフにな
り、多孔質体に近い状態になる。なお、温度条件は、析
出反応を制御する一要因であり、例えば上記の温度領域
内であっても、原料の濃度など他の要因によって析出す
る金属酸化物の状態は変化する。
【0042】また、反応時間が長くなるにつれて、化学
反応が進むが、析出工程末期になると、水溶液内部にお
いて原料物質の重合反応などが進行し、反応溶液の粘性
が急速に増大してくる。このような状態になると成膜速
度は大きく低下してしまう。界面活性剤が安定的にしか
も長期にわたって保持されるための本発明の防曇性部材
の表面構造は、表面からの平均深さが10nm〜10μm
の多数の凹部を有するとように金属酸化物を析出させた
構造を有しており、この凹部に、界面活性剤が充填され
てなる。
【0043】このような本発明の防曇性部材の表面構造
は、水溶液析出法においては、原料成分の濃度条件、温
度条件、更には析出経過時間等を制御、管理することに
よって形成することができる。本発明の防曇性部材は、
例えばレンズの両面に親水性物質からなる透明親水性部
を形成し、この透明親水性部に凹部を形成し、この凹部
に界面活性剤を含有させることにより、メガネ用などの
レンズとして好適に使用することができる。
【0044】また、ガラスの一方の面に親水性物質から
なる透明親水性部を形成し、この透明親水性部に凹部を
形成し、この凹部に界面活性剤を含有させることによ
り、例えば、防曇性に優れた窓用のガラスなどとして好
適に使用することができる。さらに、両面に透明親水性
部を形成せずに、ガラスの一方の面に親水性物質からな
る透明親水性部を形成し、この透明親水性部に凹部を形
成し、この凹部に界面活性剤を含有させ、このような透
明親水性部が形成されていないガラス面に反射層を形成
することにより、防曇性のある鏡として使用することが
できる。
【0045】さらに、プラスチックフィルムの一方の面
に親水性物質からなる透明親水性部を形成し、この透明
親水性部に凹部を形成し、この凹部に界面活性剤を含有
させ、このような透明親水性部が形成されていない面に
例えばアクリル系接着剤のように透明性の接着剤層を形
成したフィルムを形成し、このフィルムを既に設置され
鏡の表面に貼着することにより既存の鏡を防曇性にする
ことができる。さらに、このフィルムを既に設置された
窓ガラスの両面に貼着することにより、既存の窓ガラス
を防曇性にすることができる。
【0046】
【発明の効果】メガネレンズやプラスチック窓表面に硬
質無機薄膜をコートし、特定の微細表面構造或いは組織
を形成することによって、界面活性剤を長期にわたって
安定的に表面に保持することが可能になり高い蒸気圧下
でも曇らなくすることができる。
【0047】即ち、本発明によれば、温度、湿度などの
環境の変化によっても曇らず、しかもこの長期間に亘っ
て安定した防曇効果を有する光学部材が提供される。し
かも、本発明の防曇性部材の有する防曇効果は、減退し
ても、界面活性剤を補充することにより、初期の状態に
まで回復する。
【0048】
【実施例】次に本発明の実施例を示して本発明の防曇性
部材について説明するが、本発明はこれらによって限定
されるものではない。
【0049】
【実施例1】ポリスチレン製の円筒容器に、(NH4)2ZrF6
を8.3g、(NH4)2SiF6を25gを純水中に添加し完全に
溶解させた。さらにこの溶液に、酸化ホウ素:B203を2
5g添加混合して溶解し1リットルの水溶液(処理液)を
作成した。次にこの水溶液を38℃に保温し、マルチコ
ートレンズを処理液中に浸漬した。約15時間後レンズ
を取り出し、水洗乾燥した。その後、界面活性剤(アル
キルエーテル硫酸エステルナトリウム、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテル、脂肪酸メチルグルカミドの混合
液)をレンズ表面に塗布し、レンズ反射防止効果が生じ
る程度まで薄く延ばし塗布した。その後、このレンズに
呼気をあてたが、均一に水膜がレンズ表面に形成され、
曇りが生じなかった。
【0050】このレンズをそのまま2週間放置したが、
曇りが生じない状態を維持できた。
【0051】
【実施例2】ポリスチレン製の円筒容器に、(NH4)2SiF6
を25g、(NH4)2TiF6を8.3gさらに(NH4)2ZrF6を0.
25gをそれぞれ純水中に混合溶解し、さらにB203を7g
添加混合し完全に溶解し1リットルの水溶液(処理液)を
作成した。次に水溶液を38℃に保温し、マルチコート
レンズを処理液中に浸漬した。約20時間後レンズを取り
出し水洗乾燥させた。その後界面活性剤(アルキノレエ
ーテル硫酸エステルナトリウム、ポリオキシエチレンア
ルキルエーテル、脂肪酸メチルグルカミドの混合液)を
レンズ表面に塗布し、レンズ反射防止効果が生じる程度
まで薄く伸ばし塗布した。その後呼気をあてたが、均一
に水膜がレンズ表面に形成され曇りが生じなかった。
【0052】また同時に同一条件で浸漬したレンズの一
部表面から5×5mmの試験片を2枚切り出し、この試験
片の表面の凹凸を、AFM(Atomic Force Microscop
e)によって実測した。結果を図3、図4に示す。これ
によって目的の表面構造がレンズ基材表面に形成されて
いることを確かめることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の防曇性部材の断面の例を示
す図である。
【図2】 図2は、無機酸化物の析出温度と、析出物の
厚さとの関係の例を示す図である。
【図3】 図3は、本発明の実施例で製造されたレンズ
の表面状態をAFMによって測定したチャートである。
【図4】 図4は、本発明の実施例で製造されたレンズ
の表面状態をAFMによって測定したチャートである。
【図5】 図5は、本発明の他の態様における防曇性材
料の断面の例を示す図である。
【符号の説明】
1・・・防曇性部材 10・・・光透過性基材(基材) 12・・・透明親水性部 14・・・凹部 16・・・界面活性剤 18・・・突部 20・・・仮想中心線
フロントページの続き (72)発明者 進 藤 勇 山梨県北巨摩郡小淵沢町上笹尾1506番地 (72)発明者 佐 藤 幸 治 山梨県甲府市北口一丁目九の十九 ダイタ 北口マンション504 Fターム(参考) 2H042 AA32 BA04 BA07 DA11 DA12 DB11 DC04 2K009 BB02 BB11 CC01 CC03 CC47 DD02 DD03 DD12 DD17 EE02 4F100 AA01A AA20A AA21A AA27A AR00B AR00C BA02 BA03 BA07 BA10A BA10B BA10C CA18A DD09A GB90 JB05B JL07 JN01B JN06C JN18A YY00A 4G059 AA11 AC01 AC21 EA01 EA05 FA02 FA03 FA04 FB03 GA01 GA05 GA16

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面からの平均深さが10nm〜10μm
    の多数の凹部を有すると共に、該凹部に、界面活性剤が
    継続して流出可能に充填されていることを特徴とする防
    曇性部材。
  2. 【請求項2】 上記凹部が、光透過性基材の表面に形成
    された無機親水性物質からなる透明親水性部に形成され
    ており、かつ、該凹部の平均深さが10nm〜10μmで
    あると共に、隣接する凹部との平均間隔5nm以上である
    ことを特徴とする請求項第1項記載の防曇性部材。
  3. 【請求項3】 上記界面活性剤の屈折率が1.0〜2.
    5の範囲内にあることを特徴とする請求項第1項記載の
    防曇性部材。
  4. 【請求項4】 上記無機親水性物質が、ケイ素の酸化物
    と、チタンの酸化物および/またはジルコニウムの酸化
    物とを含むことを特徴とする請求項第2項記載の防曇性
    部材。
  5. 【請求項5】 上記凹部が、光透過性基材の両面に形成
    された透明親水性部に形成されていることを特徴とする
    請求項第1項記載の防曇性部材。
  6. 【請求項6】 上記凹部が、光透過性基材の一方の面に
    形成された透明親水性部に形成されていることを特徴と
    する請求項第1項記載の防曇性部材。
  7. 【請求項7】 上記光透過性基材の凹部が形成された面
    とは反対の面に、光反射層が形成されていることを特徴
    とする請求項第6記載の防曇性部材。
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