JP5040677B2 - 反射スクリーンとその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、反射スクリーンとその製造方法に関するものである。
従来から、投影画像を反射させて観察可能にする反射スクリーンが知られている。このような反射スクリーンとして、スクリーン基板の前面側に同一形状の多数の凸状の単位形状部が2次元的に規則的に配置され、凸状の単位形状部の投影光入射方向に向かう一部の表面部分にのみに反射面が形成されている反射スクリーンが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−215162号公報
しかしながら、上述したような従来技術には、以下のような問題が存在する。
例えばプロジェクタをスクリーン前方の下方側に配置し、プロジェクタからスクリーンに向けて斜め上方に投影画像を照射した場合、スクリーンの表面が凸形状の球状面に形成されていることから、スクリーンの下側は上側と比較して入射角が小さくなる。その結果、球状面で反射した投影光は、スクリーン上側と比較すると、スクリーン下側の方が上側に抜ける割合が多くなるため、反射スクリーン前方の観察者側に十分に反射されず、投影画像のコントラストが低下するという問題がある。
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、斜め方向からの光を反射スクリーンの前方の観察側に均一に反射させ、投影画像のコントラストを向上させることができる反射スクリーンとその製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために本発明は、以下の構成を採用している。
本発明の反射スクリーンは、スクリーン基板の観察面に複数の反射部を有し、前記観察面の法線に対して垂直方向にずれた位置に配置された投影部から、前記観察面に向けて斜めに射出された投影光を、観察側に反射する反射スクリーンであって、前記反射部は、凹または凸の球状面を有し、前記投影部からの距離に応じて径が漸次大きく形成されていることを特徴とするものである。
従って、本発明の反射スクリーンでは、投影部からの距離が大きい位置における反射部の数が減るため、投影光を観察側に反射する箇所も減ることになる。そのため、本発明では、投影部からの距離が大きい位置の反射部からの観察側への反射光が減り、投影部からの距離が小さい位置の反射部からの反射光と同等とすることができ、投影光を反射スクリーンの前方の観察側に均一に反射させることが可能になる。
前記反射部の径としては、前記観察面からの前記投影光の反射分布に応じて調整される構成を好適に採用できる。
これにより、本発明では、例えば反射スクリーンの端縁部等、投影光の反射が少ない箇所には反射部の径を小さくして反射部の数を増やし、反射量を大きくするように調整することができる。
前記反射部としては、前記投影部からの距離に応じて疎となる分布で配置される構成も好適に採用できる。
従って、本発明の反射スクリーンでは、投影部からの距離が大きい位置における反射部の数を減らすことができる。
前記反射部としては、前記投影部を臨む面に反射膜を有するとともに、前記反射膜の非形成領域に光吸収面を有する構成も好適に採用できる。
これにより、本発明では、投影部から投影された投影光を反射膜によってスクリーン基板の観察側に反射させると共に、反射膜の非形成領域で外光を吸収し、投影画像のコントラストを向上させることができる。また、反射部が凹の球状面を有する場合には、反射膜が凹状に形成されているので、反射スクリーンの外縁部に照射された投影光を反射スクリーンの法線方向により近い方向に反射させ、投影画像のコントラストを向上させることができる。
また、本発明の反射スクリーンは、前記スクリーン基板の前記観察面側に保護層が設けられていることを特徴とする。
このように構成することで、反射膜の損傷や劣化を防止することができる。
また、本発明では、前記スクリーン基板は光透過性を有する材料によって形成され、前記凹の球状面が、前記スクリーン基板の前記観察面と反対側の面に設けられた凹部に形成される構成も好適に採用できる。
このように構成することで、観察側から見て反射膜は凸状に形成される。投影光は、スクリーン基板を透過し、凸状の反射膜で反射して観察側に反射される。また、スクリーン基板自体を反射スクリーンの観察面側に対して反射膜の保護層として機能させることができる。
また、本発明では、前記スクリーン基板は光透過性を有する材料によって形成され、前記凸の球状面は、前記スクリーン基板の前記観察面と反対側の面に設けられた凸部に形成される構成も好適に採用できる。
このように構成することで、観察側から見て反射膜は凹状に形成される。投影光は、スクリーン基板を透過し、凹状の反射膜で反射して観察側に反射される。これにより、反射スクリーン外縁部に照射された投影光をより法線方向に近い方向に反射させ、反射スクリーンの投影画像のコントラストを向上させることができる。
また、光透過性を有するスクリーン基板を反射膜の保護層として機能させることができる。
また、本発明の反射スクリーンは、前記スクリーン基板の前記観察面側に反射防止層が設けられていることを特徴とする。
このように構成することで、投影光および外光が反射膜以外で反射することを防止して、投影画像のコントラストを向上させることができる。
また、本発明の反射スクリーンは、前記スクリーン基板が、可撓性を有する材料によって形成されていることを特徴とする。
このように構成することで、可撓性を有する反射スクリーンを形成することができ、反射スクリーンの巻き取り収納が可能となる。
一方、本発明の反射スクリーンの製造方法は、スクリーン基板の観察面に複数の反射部を有し、前記観察面の法線に対して垂直方向にずれた位置に配置された投影部から、前記観察面に向けて斜めに射出された投影光を、観察側に反射する反射スクリーンの製造方法であって、凹または凸の球状面を有する前記反射部を、前記投影部からの距離に応じて径を漸次大きくして形成する工程を有することを特徴とするものである。
従って、本発明の反射スクリーンの製造方法では、投影部からの距離が大きい位置における反射部の数が減るため、投影光を観察側に反射する箇所も減ることになる。そのため、本発明では、投影部からの距離が大きい位置の反射部からの反射光が減り、投影部からの距離が小さい位置の反射部からの反射光と同等とすることができ、投影光を反射スクリーンの前方の観察側に均一に反射させることが可能になる。
前記反射部の径としては、前記観察面からの前記投影光の反射分布に応じて調整されることが好ましい。
これにより、本発明では、例えば反射スクリーンの端縁部等、投影光の反射が少ない箇所には反射部の径を小さくして反射部の数を増やし、反射量を大きくするように調整することができる。
また、本発明では、前記反射部を前記投影部からの距離に応じて疎となる分布で配置する手順も好適に採用できる。
これにより、本発明では、投影部からの距離が大きい位置における反射部の数を減らすことができる。
また、本発明では、少なくとも前記スクリーン基板の前記観察面側に光吸収面を形成する工程と、前記反射部の前記投影部を臨む面に反射膜を形成する工程とを有する手順も好適に採用できる。
これにより、本発明では、投影部から投影された投影光を反射膜によってスクリーン基板の観察側に反射させると共に、反射膜の非形成領域で外光を吸収し、投影画像のコントラストを向上させることができる。また、反射部が凹の球状面を有する場合には、反射膜が凹状に形成されているので、反射スクリーンの外縁部に照射された投影光を反射スクリーンの法線方向により近い方向に反射させ、投影画像のコントラストを向上させることができる。
上記手順においては、ターゲットを有する蒸着源を前記投影部に配置し、前記ターゲットを前記反射部の前記投影部を臨む面に蒸着することが好ましい。
これにより、本発明では、反射部において投影光が投影される箇所にターゲットを蒸着して容易に反射面を形成することができる。
また、上記において前記反射部が凹の球状面を有する場合には、前記スクリーン基板の前記観察面側に、前記反射部に対応する位置に開口部を有するマスクを設ける工程と、前記マスクを設けた前記スクリーン基板を、前記投影部からの距離が大きい側からエッチング液に浸漬する工程と、前記エッチング液に浸漬した前記スクリーン基板を前記投影部からの距離が小さい側から引き上げる工程とを有する手順も好適に採用できる。
これにより、本発明では、前記投影部からの距離が大きい側に位置するマスクの開口部から露出するスクリーン基板はエッチング時間が長くなり、逆に前記投影部からの距離が大きい側に位置するマスクの開口部から露出するスクリーン基板はエッチング時間が短くなる。従って、本発明では、エッチング時間が長くなった反射部はその位置に応じてエッチング量が増えて凹の球状面の径を大きくでき、エッチング時間が短くなった反射部はその位置に応じてエッチング量が減って凹の球状面の径を小さくできる。そのため、スクリーン基板をエッチング液に浸漬する際の速度(時間)を調整することにより、反射部の径の分布を容易に調整することが可能になる。
また、本発明では、前記スクリーン基板の前記観察面側に保護層を設ける工程を有する手順も好適に採用できる。
これにより、本発明では、反射膜の損傷や劣化を防止することができる。
以下、本発明の反射スクリーンとその製造方法の実施の形態を、図1ないし図10を参照して説明する。なお、以下の各図面では、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材ごとに縮尺を適宜変更している。また、以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。鉛直面内における所定方向をX軸方向、鉛直面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれに直交する方向をZ軸方向とする。
(第1実施形態)
図1に示すように、反射スクリーン100は、反射スクリーン100の観察面100aの中心点Cを通る法線NLに対して垂直方向(Y軸方向)にずれた位置に配置されたプロジェクタPから、観察面100aに向けて斜めに射出された投影光Lpを、反射スクリーン100の観察側(Z軸正方向側)に反射するものである。反射スクリーン100は、法線NLがZ軸と平行になるように配置されている。
プロジェクタPは投影光Lpを反射スクリーン100の観察面100aに向けて反射するミラーMを備えている。ここで、投影光LpがミラーMを備えていないプロジェクタPから射出されたと仮定した場合のプロジェクタPの位置を仮想光源位置(投影部)PVとする。仮想光源位置PVもプロジェクタPと同様に、反射スクリーン100の観察面100aの法線NLに対して垂直方向にずれた位置となる。
プロジェクタPは、仮想光源位置PVと観察面100aとの距離Dを約900mmとし、仮想光源位置PVから反射スクリーン100の中心点Cに向かう投影光Lpと法線NLのなす角度θを約36°としたときに、反射スクリーン100に垂直方向の寸法Hが約996mm、水平方向(図のX軸方向)の寸法Wが1771mmの画像を投影可能に構成されている。すなわち、反射スクリーン100は80インチの投影画像を表示可能な大きさとなっている。
図2および図3に示すように、スクリーン基板1の観察面1aには、垂直方向(Y軸方向)および水平方向(X軸方向)に半球状に形成された凹の球状面6を有する凹部(反射部)2が複数配列されている。スクリーン基板1は、例えば、樹脂等の可撓性を有する材料によって形成されている。また、スクリーン基板1は、例えば、染色等によって全体が黒色の光吸収材によって着色され、可視光を吸収可能に形成されている。
また、凹部2は、直径が約200μm以下かつ20μm以上に形成され、且つ仮想光源位置PVからの距離に応じて直径が漸次大きくなるように形成されている。本実施形態では、仮想光源位置PVからの距離に応じて、凹部2の直径を大きくするとともに、配置分布を疎にすることにより、隣り合う凹部2間に露出する観察面1aの幅に大幅な差が生じないようにしている。
図3に示すように、凹部2の内壁面2a(球状面6)の、プロジェクタPからの投影光Lpが照射される部分に沿って、投影光Lpを反射する反射膜3が形成されている。すなわち、凹部2の内壁面2aの仮想光源位置PVからの投影光Lpが照射される部分にのみ、反射膜3が形成され、凹部2の内壁面2aのその他の部分には反射膜3が形成されず、スクリーン基板1の光吸収材によって形成された光吸収面7が露出した状態となっている。
凹部2の内壁面2aに形成された反射膜3は、観察側から見て凹状に形成されている。
反射膜3の面積は、スクリーン基板1の観察面1aの垂直方向上方(Y軸正方向)側に近づくにつれて徐々に小さくなるように形成されている。反射膜3は、例えば、アルミニウム等の反射性を有する材料によって、後述する蒸着により膜厚が10nm以上かつ5μm以下となるように形成されている。
スクリーン基板1の観察面1a上には、反射膜3およびスクリーン基板1の観察面1aを覆う保護層4が形成されている。保護層4は、例えば樹脂等の、可撓性を有する透明な材料によって形成されている。保護層4の上層側でスクリーン基板1の観察面1a側の最表面には、反射防止層5が形成されている。反射防止層5は、保護層4と同様の材料によって形成され、保護層4の表面4aでの投影光Lpや外光等の反射を防止するように、保護層4との間で屈折率が調整されている。この反射防止層5の表面が反射スクリーン100の観察面100aとなっている。
次に、上記構成のスクリーン基板1を製造する方法について説明する。
まず、図4に示すように、平板状のスクリーン基板1上にマスクMを形成する。このマスクMは、酸化クロム(CrO)層Maとクロム(Cr)層Mbとを、スパッタ等により順次積層して形成されたものである。
続いて、このようにスクリーン基板1上に形成されたマスクMに対して、凹部2を形成する位置に開口部Kを形成する。開口部Kは、フォトエッチングやレーザ加工等により形成することができる。
次に、図5に示すように、エッチング槽8に貯留されたエッチング液ELに、マスクMが形成されたスクリーン基板1を浸漬する。エッチング液ELとしては、例えば一水素二フッ化アンモニウム系のものを用いることができる。
また、ここでは、スクリーン基板1を、仮想光源位置PVからの距離が遠い側(すなわち直径が大きい凹部2が形成される側)の端部からエッチング液ELに浸漬する。スクリーン基板1をエッチング液ELに浸漬する速度としては、最大径の凹部2に対応する位置の開口部Kと、最小径の凹部2に対応する位置の開口部Kとがエッチング液ELに浸漬される時間に所定の時間差が生じる大きさに設定される。
例えば、エッチング液ELへの浸漬により、スクリーン基板1が単位時間あたりにエッチングされる厚さをw、凹部2の最大径(最大半径)と最小径(最小半径)との差をRs、Y方向における最大径の凹部2と最小径の凹部2との中心間距離(すなわち、対応する開口部Kの中心間距離)をLcとすると、浸漬速度Vは以下の式で表される。
V=(Lc×w)/Rs …(1)
このように、凹部2の直径に所定の差を生じさせるためには、式(1)に基づく速度でスクリーン基板1をエッチング液ELに浸漬し、各凹部2の直径の大きさは、図6に示すように、スクリーン基板1全体をエッチング液ELに浸漬させておく保持時間を調整することにより調整される。
このように浸漬速度及び保持時間を調整することにより、仮想光源位置PVからの距離に応じて径が漸次大きくなる凹部2を有するスクリーン基板1を形成することができる。
次に、凹部2を形成したスクリーン基板1全体を、例えば、染色等により黒色に着色する。
続いて、凹部2に反射膜3を形成する。
図3に示すように、スクリーン基板1の観察側(Z軸正方向側)で、スクリーン基板1の観察面1aの法線NLに対して垂直方向下方側(Y軸負方向側)にずれた位置の仮想光源位置PVに蒸着源Sを配置する。そして、蒸着法により反射膜材料を観察面1aに対して斜めに蒸着させ、凹部2の内壁面2aに反射膜3を形成する。反射膜材料としては、例えば、アルミニウム等の反射性に優れた金属材料を用いることができる。
蒸着法により反射膜3を形成する際には、観察面1aの各凹部2に対する反射膜材料の蒸着の角度θsが、観察面1aの各凹部2に対する仮想光源位置PVからの投影光Lpの入射角度θpと等しくなるようにターゲットとしてアルミニウム等を有する蒸着源Sを配置して、投影光Lpの入射方向から各凹部2に反射膜材料を蒸着させる。
なお、観察面1aについては、反射膜が成膜されないように、マスクを配しておくことが好ましい。
これにより、凹部2における仮想光源位置PVを臨む位置の内壁面2aの投影光Lpが照射される部分に沿って、観察側(Z軸正方向側)から見て凹状の反射膜3が、蒸着源Sを中心に、観察面1aに放射状に形成される。このとき、反射膜3の膜厚は、例えば約10nm以上かつ約5μm以下程度に形成される。
また、このように斜め方向から蒸着法により反射膜3を形成することで、反射膜3の膜厚が反射膜3の非形成領域側の外縁3eに近づくに従って徐々に薄くなるように形成される。
また、反射膜3を蒸着法により形成することで、スプレーコート方法、印刷方法等よりも薄く高品質な反射膜3を形成することができる。
また、蒸着源Sを上述のように配置して反射膜材料を投影光Lpの入射方向から斜めに蒸着させることで、スクリーン基板1がマスクとして機能し、凹部2の投影光Lpが照射される部分に合わせて、部分的に反射膜3を形成することができる。また、蒸着源Sからの距離が遠くなるほど、凹部2の内壁面2aの反射膜3が形成される部分の面積が縮小し、反射膜3の非形成領域(光吸収面7)が拡大する。
また、観察面1aに対する反射膜材料の蒸着の角度θsを仮想光源位置PVからの投影光Lpの入射角度θpと等しくなるようにすることで、蒸着源Sから各凹部2までの投影光Lpの入射方向の距離の差による反射膜3の面積の差を小さくすることができる。
また、蒸着による反射膜3形成時の真空度は、例えば、約1×10−4Torr〜約1×10−5Torrの範囲であることが望ましい。このようにすることで、形成された反射膜3の表面3aの粗度を上昇させ、より明るい投影画像を得ることができる。
次に、図3に示したように、凹部2の内壁面2a(球状面6)を含むスクリーン基板1の観察面1aに保護層4を形成する。保護層4は、例えば、透明な樹脂等、光透過性を有する材料により形成する。さらに保護層4の表面に、反射防止層5を形成する。反射防止層5は、保護層4と同様の材料により形成され、反射防止層5に入射する投影光Lpや外光が保護層4の表面で反射しないように、保護層4との間で屈折率が調整されている。
以上、本実施形態の反射スクリーン100の製造方法によれば、図3に示すような反射スクリーン100を製造することができる。
次に、上記の反射スクリーン100の作用について説明する。
図1に示すように、プロジェクタPはミラーMに向けて投影光Lpを射出する。ミラーMに向けて射出された投影光Lpは、ミラーMによって反射され、仮想光源位置PVから射出されたと仮定した投影光Lpと同様に、スクリーン基板1の観察面1aに対して斜めに入射する。このとき、反射スクリーン100の中心点Cに入射する投影光Lpと、反射スクリーン100の観察面100aとのなす角度θは、約36°となっている。
反射スクリーン100の観察面100aに到達した投影光Lpは、図7に示すように、反射防止層5に入射する。反射防止層5に入射した投影光Lpは、反射防止層5を透過して保護層4に入射する。このとき、反射防止層5は保護層4との間で屈折率が調整されているので、反射防止層5を透過した投影光Lpが保護層4の表面4aで反射することが防止される。
保護層4に入射した投影光Lpは、保護層4を透過して凹部2の内壁面2aに形成された反射膜3に到達する。反射膜3に到達した投影光Lpは、反射膜3によって反射スクリーン100の観察側に反射される。
ここで、図2に示すように、凹部2は、仮想光源位置PVからの距離に応じて直径が漸次大きくなるように形成されているため、仮想光源位置PVからの距離が大きい位置の凹部2は距離が小さい位置の凹部2よりも分布が疎になって個数が少なくなる。そのため、仮想光源位置PVからの距離が大きい位置の凹部2については、観察側への反射に寄与する面積がトータルで仮想光源位置PVからの距離が小さい位置の凹部2に比べて減ることになる。その結果、仮想光源位置PVからの距離が小さい位置の凹部2で反射した投影光Lpが、観察側ではなく+Y側へ抜ける割合が大きく輝度が低下しやすい状況であっても、仮想光源位置PVからの距離が大きい位置の凹部2についても輝度を抑えることができる。
一方、反射スクリーン100の観察面100aには、投影光Lp以外に、図7に示すように、スクリーン基板1の垂直方向の上方(Y軸正方向側)から外光Loが入射する。観察面100aに入射した外光Loは、反射防止層5に入射して、反射防止層5を透過し、保護層4の表面4aに到達する。
ここで、反射スクリーン100には、反射防止層5が形成されているので、観察面100aの上方から観察面100aに入射した外光Loが、保護層4の表面4aで観察側に反射することが防止される。
そして、保護層4の表面4aに到達した外光Loは、保護層4を透過して凹部2に入射する。凹部2に入射した外光Loは、凹部2の図示下方側の反射膜3の非形成領域に位置する光吸収面7に到達する。
ここで、スクリーン基板1は、上述のように可視光を吸収可能な光吸収面7を有しているので、凹部2の内壁面2aの反射膜3の非形成領域にある光吸収面7に到達した外光Loは、スクリーン基板1(光吸収面7)によって吸収される。また、スクリーン基板1の凹部2の非形成領域に到達した外光Loも、同様にスクリーン基板1によって吸収される。さらに、反射膜3は凹部2の上方側の、投影光Lpが入射する部分のみに形成されているので、外光Loは反射膜3に入射しない。
したがって、反射スクリーン100の観察面100aに入射した外光Loが、観察側に反射されることが防止できる。
このように、反射防止層5は、プロジェクタPから反射スクリーン100の観察面100aに入射する投影光Lpに対しては、投影光Lpを反射膜3により確実に到達させ、投影光Lpの反射率を向上させる効果がある。一方、観察面100aに入射する外光Loに対しては、外光Loを保護層4によって観察側に反射させず、スクリーン基板1に吸収させる効果がある。したがって、上述のように反射防止層5を形成することで、反射スクリーン100のコントラストを向上させることができる。
以上のように、本実施形態では、凹部2が仮想光源位置PVからの距離に応じて直径が漸次大きくなるように形成されているため、仮想光源位置PVからの距離が小さい位置の凹部2で反射した投影光Lpが、観察側ではなく+Y側へ抜ける割合が大きく輝度が低下しやすい状況であっても、仮想光源位置PVからの距離が大きい位置の凹部2についても輝度を抑えることができ、斜め方向からの投影光Lpを反射スクリーン100の前方の観察側に均一に反射させて、投影画像のコントラストを向上させることが可能になる。特に、本実施形態では、凹部2が球状面6を有しており、投影光Lpを反射スクリーン100の前方の観察側に反射させる面積がその一部であることから、配置分布の粗密を調整することにより、反射光の輝度分布を容易に調整することが可能になる。
しかも、本実施形態では、反射部が凹で形成されているため、凸のように投影光Lpが遮られることなく、凹部2に到達することができ、全体的に輝度を向上させることができる。
また、本実施形態では、仮想光源位置PVに蒸着源Sを配置し、凹部2の仮想光源位置PVに臨む位置に反射膜3を形成するため、投影光Lpが照射される位置にのみ反射膜3を形成し、外光Loが入射するその他の凹部2については光吸収面7に設定できるため、外光Loが、観察側に反射されることを効果的に防止でき、投影品質を向上させることが可能になる。
加えて、本実施形態では、反射膜3を覆うように保護層4が形成されているので、反射膜3の損傷や劣化を防止することができる。
さらに、スクリーン基板1が可撓性を有する材料によって形成されているので、可撓性を有する反射スクリーン100を形成することができ、反射スクリーン100の巻き取りを可能とし、反射スクリーン100をコンパクトに収納することができる。
さらに、本実施形態では、スクリーン基板1に直径が漸次大きくなる凹部2を製造する際にも、マスクMを配したスクリーン基板1の浸漬速度を調整するという簡単な工程で、容易、且つ迅速に複数の凹部2を一括的に形成することができ、製造コスト低減及び製造効率の向上に寄与できる。
(第2実施形態)
続いて、反射スクリーン100の第2実施形態について、図8を参照して説明する。
本実施形態では上述の第一実施形態で説明した反射スクリーン100と、スクリーン基板11に凹部2ではなく凸部21がされている点で異なっている。その他の点は第一実施形態と同様であるので、同一の部分には同一の符号を付して説明は省略する。
図8に示す反射スクリーン200は、プロジェクタPに対して、図1に示す第一実施形態の反射スクリーン100と同様に配置されている。反射スクリーン200のスクリーン基板11は、第一実施形態のスクリーン基板1と同様に、可視光を吸収可能に形成されている。
スクリーン基板11の観察面11aには、図8に示すように、複数の半球状の凸部(反射部)21が形成されている。凸部21は、図2に示す凹部2と同様に、半球状に形成された凸の球状面26を有し、スクリーン基板11の垂直方向(Y軸方向)および水平方向(X軸方向)に複数配列されている。また、凹部2と同様に、凸部21は、直径が約200μm以下かつ20μm以上に形成され、且つ仮想光源位置PVからの距離に応じて直径が漸次大きくなるように形成されている。本実施形態でも、仮想光源位置PVからの距離に応じて、凹部2の直径を大きくするとともに、配置分布を疎にすることにより、隣り合う凹部2間に露出する観察面1aの幅に大幅な差が生じないようにしている。
図8に示すように、凸部21の表面21aの、プロジェクタPからの投影光Lpが照射される部分に沿って、第一実施形態の反射膜3と同様の反射膜31が形成されている。反射膜31は凸部21の表面21aの、投影光Lpが照射される部分のみに形成され、凸部21の表面21aのその他の部分には反射膜31が形成されず、スクリーン基板11の一部である凸部21の表面21aが露出した光吸収面27となっている。また、凸部21の表面21aに形成された反射膜31は、観察側(Z軸正方向側)から見て凸状に形成されている。
スクリーン基板11の観察面11a側には、反射膜31およびスクリーン基板11の観察面11aを覆うように、第一実施形態と同様の保護層4が形成されている。また、保護層4の上層側で、スクリーン基板11の観察面11a側の最表面には、第一実施形態と同様に、反射防止層5が形成されている。
上記のスクリーン基板11に凸部21を形成する方法としては、公知のものを用いることができる。例えば、特開2004−286906号公報に記載されているように、凸部21を形成するための型に、凸部21に対応する凹部をエッチング等により形成し、型の凹部が形成された面に熱可塑性の樹脂等を、熱を加えながら押し当てることにより、凸部21を形成することができる。
これにより、略半球状の凸部21が形成される。
また、上記第1実施形態で説明したマスクMを用い、エッチング液へ浸漬する際の速度を調整することにより型を形成してもよい。
次に、上記第1実施形態と同様に、スクリーン基板11全体を、例えば、染色等により黒色に着色する。
次いで、上記と同様に、仮想光源位置PVに蒸着源Sを配置し、蒸着法により反射膜材料を観察面11aに対して斜めに蒸着させ、凸部21の表面に反射膜31を形成する。
この後の工程は、上記第1実施形態と同様である。
次に、この実施の形態の作用について説明する。
図8に示す仮想光源位置PVから射出されたと仮定した投影光Lpは、反射スクリーン200の観察面200aに対して斜めに入射する。
観察面200aに到達した投影光Lpは、反射防止層5に入射する。反射防止層5に入射した投影光Lpは、反射防止層5を透過して保護層4に入射する。
このとき、第1実施形態と同様に、反射防止層5によって投影光Lpが保護層4の表面4aで反射することが防止される。
保護層4に入射した投影光Lpは、保護層4を透過して凸部21に形成された反射膜31に到達する。反射膜31に到達した投影光Lpは、凸状の反射膜31によって反射スクリーン200の観察側に反射される。
ここで、凸部21は、仮想光源位置PVからの距離に応じて直径が漸次大きくなるように形成されているため、仮想光源位置PVからの距離が大きい位置の凸部21は距離が小さい位置の凸部21よりも分布が疎になって個数が少なくなる。そのため、仮想光源位置PVからの距離が大きい位置の凸部21については、観察側への反射に寄与する面積がトータルで仮想光源位置PVからの距離が小さい位置の凸部21に比べて減ることになる。その結果、仮想光源位置PVからの距離が小さい位置の凸部21で反射した投影光Lpが、観察側ではなく+Y側へ抜ける割合が大きく輝度が低下しやすい状況であっても、仮想光源位置PVからの距離が大きい位置の凸部21についても輝度を抑えることができ、上記第1実施形態と同様の作用・効果を得ることができる。
また、本実施形態では、反射膜31が半球状の凸部21の表面21aの、投影光Lpが照射される部分に沿って形成されている。これにより、反射膜31の形状は、反射スクリーン200の観察面200a側からみて凸面状に形成されるので、反射膜31が凹面状に形成されている場合と比較して、投影光Lpをより広い角度に反射させて投影画像の視野角を拡大することができる。
(第3実施形態)
続いて、反射スクリーンの第3実施形態について、図9を参照して説明する。
本実施形態では上述の第1実施形態で説明した反射スクリーン100と、スクリーン基板12が光透過性を有する材料によって形成され、スクリーン基板12の観察面12a側とは反対側の面12bに凹部22が形成されている点で異なっている。その他の点は第一実施形態と同様であるので、同一の部分には同一の符号を付して説明は省略する。
図9に示す反射スクリーン300は、プロジェクタPに対して、図1に示す第1実施形態の反射スクリーン100と同様に配置されている。
図9に示すように、反射スクリーン300のスクリーン基板12は、例えば、樹脂等の光透過性および可撓性を備えた材料によって形成されている。スクリーン基板12の観察面12aとは反対側の面12bには、半球状に形成された凹の球状面36を有する凹部(反射部)22が複数形成されている。凹部22は、図2に示す凹部2と同様に、仮想光源位置PVからの距離に応じて直径が漸次大きくなるように形成されている。
凹部22の内壁面22aの、プロジェクタPからの投影光Lpが照射される部分に沿って、投影光Lpを反射する反射膜32が形成されている。凹部22の内壁面22aの投影光Lpが照射される部分のみに反射膜32が形成され、凹部22の内壁面22aのその他の部分には反射膜32が形成されず、スクリーン基板12の光吸収材によって形成された光吸収面37が露出した状態となっている。凹部22の内壁面22aに形成された反射膜32は、観察側(Z軸正方向側)から見て凸状に形成されている。また、反射膜32は、第1実施計態の反射膜3と同様の材質および膜厚で形成されている。
スクリーン基板12の観察面12a側には、スクリーン基板12の観察面12aでの光の反射を防止するように屈折率が調整された反射防止層51が形成されている。
一方、スクリーン基板12の観察面12aとは反対側の面12bには、光を吸収する材料によって光吸収層16が形成されている。光吸収層16は、例えば、染色等によって黒色に着色された樹脂や、黒色の顔料を含有する樹脂等を用いて形成する。光吸収層16は、凹部22の内側を含むスクリーン基板12の観察面12aとは反対側の面12bに、反射膜32を覆うように形成されている。
次に、この実施の形態の作用について説明する。
図1に示すようにプロジェクタPからミラーMに向けて投影光Lpが射出され、図9に示す仮想光源位置PVから射出されたと仮定した投影光Lpと同様に、反射スクリーン300の観察面300aに対して斜めに入射する。
観察面300aに到達した投影光Lpは、図9に示すように、反射防止層51に入射する。反射防止層51に入射した投影光Lpは、反射防止層51を透過してスクリーン基板12に入射する。このとき、反射防止層51によって投影光Lpがスクリーン基板12の観察面12aで反射することが防止される。
スクリーン基板12に入射した投影光Lpは、スクリーン基板12を透過して凹部22に形成された反射膜32に到達する。反射膜32に到達した投影光Lpは、観察側から見て凸状に形成された反射膜32によって反射スクリーン300の観察側に反射される。
ここで、図2に示す凹部2と同様に、凹部22は、仮想光源位置PVからの距離に応じて直径が漸次大きくなるように形成されている。また、凹部22は、上述のように、スクリーン基板12の観察面12aとは反対側の面12bの凹部22の内壁面22aに反射膜32および光吸収層6が形成されている。このため、反射膜32は、反射スクリーン300の観察面300a側から見て凸状に形成され、上述の第2実施形態で説明した凸部21および反射膜31と略同様の構成となっている。
すなわち、凹部22の反射膜32の非形成領域に入射した外光Loを、凹部22に充填された光吸収層16によって吸収し、外光Loが反射スクリーン300の観察側に反射することを防止することができる。また、反射スクリーン300の水平方向に隣接する凹部22,22(観察面300a側から見て凸部)の間に投影光Lpを通過させて、垂直方向に隣接する凹部22の反射膜32に入射させることができる。
したがって、本実施形態によれば、上述の第2実施形態と同様の効果を得ることができる。加えて、スクリーン基板12自体が第2実施形態における保護層4と同様に機能するので、保護層4を形成する必要がなく、反射スクリーン300の製造工程を簡略化し、生産性を向上させることができる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について、図10を用いて説明する。
本実施形態では上述の第1実施形態で説明した反射スクリーン100と、スクリーン基板13が光透過性を有する材料によって形成され、スクリーン基板13の観察面13aとは反対側の面13bに凸部(反射部)23が形成されている点で異なっている。その他の点は第一実施形態と同様であるので、同一の部分には同一の符号を付して説明は省略する。図10に示す反射スクリーン400は、プロジェクタPに対して、図1に示す第1実施形態の反射スクリーン100と同様に配置されている
反射スクリーン400のスクリーン基板13は、例えば、樹脂等の光透過性および可撓性を備えた材料によって形成されている。スクリーン基板13の反射観察面13aとは反対側の面13bには、半球状に形成された凸の球状面46を有する凸部23が複数形成されている。凸部23は、図2に示す凹部2と同様に、仮想光源位置PVからの距離に応じて直径が漸次大きくなるように、反射スクリーン400の垂直方向(Y軸方向)および水平方向(X軸方向)に複数形成されている。
凸部23の表面23aの、プロジェクタPからの投影光Lpが照射される部分に沿って、投影光Lpを反射する反射膜33が形成されている。すなわち、図10に示すように、凸部23の表面23aの投影光Lpが照射される部分のみに反射膜33が形成され、凸部23の表面23aのその他の部分には反射膜33が形成されず、スクリーン基板13の光吸収材によって形成された光吸収面47が露出した状態となっている。
凸部23の表面23aに形成された反射膜33は、観察側(Z軸正方向側)から見て凹状に形成されている。また、反射膜33は、第1実施計態の反射膜3と同様の材質および膜厚に形成されている。
スクリーン基板13の観察面13aには、第3実施形態と同様の反射防止層51が形成されている。一方、スクリーン基板13の観察面13aとは反対側の面13bには、第3実施形態と同様の光吸収層16が凸部23および反射膜33を覆うように形成されている。
次に、この実施の形態の作用について説明する。
プロジェクタPからミラーMに向けて投影光Lpが射出され、図10に示す仮想光源位置PVから射出された投影光Lpと同様に、反射スクリーン400の観察面400aに対して斜めに入射する。
観察面400aに到達した投影光Lpは、反射防止層51に入射する。反射防止層51に入射した投影光Lpは、反射防止層51を透過してスクリーン基板13に入射する。このとき、反射防止層51によって投影光Lpがスクリーン基板13の観察面13aで反射することが防止される。
スクリーン基板13に入射した投影光Lpは、スクリーン基板13を透過して凸部23の表面23aに形成された反射膜33に到達する。反射膜33に到達した投影光Lpは、反射スクリーン400の観察側から見て凹状に形成された反射膜33によって反射スクリーン400の観察側に反射される。
ここで、図2に示す凹部2と同様に、凸部23は、仮想光源位置PVからの距離に応じて直径が漸次大きくなるように形成されている。また、凸部23は、上述のように、スクリーン基板13の観察面13aとは反対側の面13bに形成され、表面23aに反射膜33および光吸収層16が形成されている。このため、反射膜33は、反射スクリーン400の観察面400a側から見て凸状に形成され、上述の第1実施形態で説明した凹部2と略同様の構成となっている。
すなわち、凸部23の反射膜33の非形成領域に入射した外光を、凸部23の表面23aを覆う光吸収層16によって吸収し、外光Loが反射スクリーン400の観察側に反射することを防止することができる。
したがって、本実施形態の反射スクリーン400によれば、第1実施形態の反射スクリーン100と同様の効果が得られるだけでなく、第3実施形態と同様に、保護層4を形成する必要がないので、反射スクリーン400の製造工程を簡略化し、生産性を向上させることができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、凹部または凸部の形状は、球状面を有するものであれば、上述した実施形態で説明したような半球状ではなく、半楕円球状、円錐状、扇型、またはこれらの組み合わせであってもよく、これらの形状も球状面に含まれる。
また、凹部または凸部は、仮想光源位置PVからの距離に応じて直径が漸次大きくなるように形成されていれば、平面的な配置は、仮想光源位置PVを中心として放射状に延びる直線上に配置される構成や、スクリーン基板の−Y側の端縁から順次配列される構成、扁平千鳥状に配置したものであってもよい。
さらに、仮想光源位置PVからの距離に応じて直径が漸次大きくなるように形成されていれば、一様に配置する必要はなく、例えば観察面からの投影光Lpの反射分布に偏りが生じている場合には、当該偏りを有する領域の凹部または凸部の径を調整することにより、反射分布(輝度分布)を補正してもよい。
また、上記実施形態で説明したように、スクリーン基板の全体を染色によって着色するのではなく、観察面側の一部だけを着色したり、観察面のみを黒色に塗装し光吸収用の膜を設けたりしてもよい。
また、上記実施形態では、反射膜を形成する際に蒸着源を仮想光源位置PVに配置して放射状に蒸着する構成としたが、これに限定されるものではなく、例えば矩形の蒸着源をスクリーン基板の−Y側の端縁に沿って平行に配置し、ライン状に蒸着する構成としてもよい。
本発明の第1実施形態に係る反射スクリーンとプロジェクタの位置関係を示す断面図である。 本発明の第1実施形態に係る反射スクリーンの正面図である。 本発明の第1実施形態に係る反射スクリーンの垂直方向の断面図である。 スクリーン基板1を製造する手順を示す図である。 スクリーン基板1を製造する手順を示す図である。 スクリーン基板1を製造する手順を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る反射スクリーンの垂直方向の断面図である。 本発明の第2実施形態に係る反射スクリーンの垂直方向の断面図である。 本発明の第3実施形態に係る反射スクリーンの垂直方向の断面図である。 本発明の第4実施形態に係る反射スクリーンの垂直方向の断面図である。
符号の説明
1、11、12、13…スクリーン基板、 2、22…凹部(反射部)、 3、31、32、33…反射膜、 4…保護層、 5、51…反射防止層、 6、26、36、46…球状面、 7、27、37…光吸収面、 21、23…凸部(反射部)、 100、200、300…反射スクリーン、 100a、200a…観察面、 Lp…投影光、 NL…法線、 PV…仮想光源位置(投影部)

Claims (15)

  1. スクリーン基板の観察面に複数の反射部を有し、前記観察面の法線に対して垂直方向にずれた位置に配置された投影部から、前記観察面に向けて斜めに射出された投影光を、観察側に反射する反射スクリーンであって、
    前記反射部は、凹または凸の球状面を有し、前記投影部からの距離に応じて径が漸次大きく形成されていることを特徴とする反射スクリーン。
  2. 請求項1記載の反射スクリーンにおいて、
    前記反射部は、前記投影部からの距離に応じて疎となる分布で配置されることを特徴とする反射スクリーン。
  3. 請求項1または2に記載の反射スクリーンにおいて、
    前記反射部は、前記投影部を臨む面に反射膜を有するとともに、前記反射膜の非形成領域に光吸収面を有することを特徴とする反射スクリーン。
  4. 請求項1からのいずれか一項に記載の反射スクリーンにおいて、
    前記スクリーン基板の前記観察面側に保護層が設けられていることを特徴とする反射スクリーン。
  5. 請求項1からのいずれか一項に記載の反射スクリーンにおいて、
    前記スクリーン基板は光透過性を有する材料によって形成され、
    前記凹の球状面は、前記スクリーン基板の前記観察面と反対側の面に設けられた凹部に形成されることを特徴とする反射スクリーン。
  6. 請求項1からのいずれか一項に記載の反射スクリーンにおいて、
    前記スクリーン基板は光透過性を有する材料によって形成され、
    前記凸の球状面は、前記スクリーン基板の前記観察面と反対側の面に設けられた凸部に形成されることを特徴とする反射スクリーン。
  7. 請求項1からのいずれか一項に記載の反射スクリーンにおいて、
    前記スクリーン基板の前記観察面側に反射防止層が設けられていることを特徴とする反射スクリーン。
  8. 請求項1からのいずれか一項に記載の反射スクリーンにおいて、
    前記スクリーン基板が、可撓性を有する材料によって形成されていることを特徴とする反射スクリーン。
  9. スクリーン基板の観察面に複数の反射部を有し、前記観察面の法線に対して垂直方向にずれた位置に配置された投影部から、前記観察面に向けて斜めに射出された投影光を、観察側に反射する反射スクリーンの製造方法であって、
    凹または凸の球状面を有する前記反射部を、前記投影部からの距離に応じて径を漸次大きくして形成する工程を有することを特徴とする反射スクリーンの製造方法。
  10. 請求項記載の反射スクリーンの製造方法において、
    前記反射部の径は、前記観察面からの前記投影光の反射分布に応じて調整されることを特徴とする反射スクリーンの製造方法。
  11. 請求項または10記載の反射スクリーンの製造方法において、
    前記反射部を前記投影部からの距離に応じて疎となる分布で配置することを特徴とする反射スクリーンの製造方法。
  12. 請求項から11のいずれか一項に記載の反射スクリーンの製造方法において、
    少なくとも前記スクリーン基板の前記観察面側に光吸収面を形成する工程と、
    前記反射部の前記投影部を臨む面に反射膜を形成する工程とを有することを特徴とする反射スクリーンの製造方法。
  13. 請求項12記載の反射スクリーンの製造方法において、
    ターゲットを有する蒸着源を前記投影部に配置し、前記ターゲットを前記反射部の前記投影部を臨む面に蒸着することを特徴とする反射スクリーンの製造方法。
  14. 請求項12記載の反射スクリーンの製造方法において、
    前記反射部は、凹の球状面を有し、
    前記スクリーン基板の前記観察面側に、前記反射部に対応する位置に開口部を有するマスクを設ける工程と、
    前記マスクを設けた前記スクリーン基板を、前記投影部からの距離が大きい側からエッチング液に浸漬する工程と、
    前記エッチング液に浸漬した前記スクリーン基板を前記投影部からの距離が小さい側から引き上げる工程とを有することを特徴とする反射スクリーンの製造方法。
  15. 請求項から14のいずれか一項に記載の反射スクリーンの製造方法において、
    前記スクリーン基板の前記観察面側に保護層を設ける工程を有することを特徴とする反射スクリーンの製造方法。
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