JP2004286906A - マイクロレンズシートの製造方法およびそのマイクロレンズシートを用いた投写スクリーンの製造方法、並びに投写スクリーン - Google Patents
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Abstract
【課題】レーザ等のビームによるエッチング用穴の形成を確実に行うとともに、各マイクロレンズを確実に形成して、信頼性の高いマイクロレンズシートおよびそれを用いた投写スクリーン等を得ることのできるマイクロレンズシートの製造方法およびそのマイクロレンズシートを用いた投写スクリーンの製造方法、並びに投写スクリーンを提供する。
【解決手段】マイクロレンズを有するマイクロレンズシートの製造方法であって、マイクロレンズシートを作製する型16に設けられた各マイクロレンズを形成するそれぞれの凹部14を、各凹部14に対応してレーザ等のビームの微細加工により設けた複数のエッチング用穴13によって形成するマイクロレンズシートの製造方法であり、投写スクリーンはこの製造方法を用いて製造されたマイクロレンズシートを備えたものである。
【選択図】 図4
【解決手段】マイクロレンズを有するマイクロレンズシートの製造方法であって、マイクロレンズシートを作製する型16に設けられた各マイクロレンズを形成するそれぞれの凹部14を、各凹部14に対応してレーザ等のビームの微細加工により設けた複数のエッチング用穴13によって形成するマイクロレンズシートの製造方法であり、投写スクリーンはこの製造方法を用いて製造されたマイクロレンズシートを備えたものである。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば液晶リア型プロジェクションテレビやCRTリア型プロジェクションテレビなどの映像をスクリーンの背面より拡大投写して使用する映像投写装置の投写スクリーンに用いられるマイクロレンズを有するマイクロレンズシート(マイクロレンズアレイともいう)の製造方法およびそのマイクロレンズシートを用いた投写スクリーンの製造方法、並びに投写スクリーンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の映像投写装置(リアプロジェクションテレビ)の光学系は、投写レンズからある角度を持った光を出射し、フレネルレンズを有するフレネルシートによってある角度から平行光に変換し、マイクロレンズを有するマイクロレンズ層に照射する。マイクロレンズ層では光を拡散させ、ある一定の視野角を持った光を映像にしてユーザーの目に映し出す(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−35616号公報(第3〜4頁、図1、図4)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来の映像投写装置の投写スクリーンは、投写レンズからの入射光を平行光に変換するフレネルレンズ(フレネルシート)と、フレネルレンズからの平行光を拡散させるマイクロレンズ(マイクロレンズ層)とからなり、マイクロレンズは熱可塑性樹脂などをマイクロレンズを形成する型で型抜きすることによって形成されていた。そして、このマイクロレンズの型を形成する場合、各マイクロレンズとなる凹部に対して、その各凹部を形成するためのエッチング用穴が型となる基材の表面のエッチングマスク膜に必要であった。しかしながら、エッチングマスク膜に形成されるエッチング用穴は、レーザ等のビームによって形成する場合に、エッチングマスク膜の加工点にレーザ等のビームを反射・散乱するような異物や汚れが付着していると、エッチング用穴を形成することができないという問題があった。また、エッチングマスク膜にエッチング用穴を形成することができたとしても、異物がエッチング用穴を塞いでいた場合にはマイクロレンズとなる凹部が形成されない、つまりエッチングされないという問題があった。そして、いずれの場合でも、各マイクロレンズが形成されたマイクロレンズ層を形成することができず、このマイクロレンズ層を用いた投写スクリーンは少なくとも一部で光を拡散させることができないため、一部映像が得られないことがあり、信頼性の低いものになってしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、レーザ等のビームによるエッチング用穴の形成を確実に行うとともに、各マイクロレンズを確実に形成して、信頼性の高いマイクロレンズシートおよびこれを用いた投写スクリーン等を得ることのできるマイクロレンズシートの製造方法およびそのマイクロレンズシートを用いた投写スクリーンの製造方法、並びに投写スクリーンを提供することを目的としたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るマイクロレンズシートの製造方法は、マイクロレンズを有するマイクロレンズシートの製造方法であって、マイクロレンズシートを作製する型に設けられた各マイクロレンズを形成するそれぞれの凹部を、各凹部に対応して微細加工により設けた複数のエッチング用穴によって形成する方法である。これによれば、エッチング用穴を介してウェットエッチングを行う場合に、異物がエッチング用穴を塞ぐなどの妨げがあった場合でも、複数のエッチング用穴によってマイクロレンズとなる凹部を確実に形成することができる。これにより、信頼性の高いマイクロレンズシートを製造することができる。
また、上記の製造方法において、微細加工に、レーザ加工法を用いる方法である。これにより、複数のエッチング用穴を短時間で確実に形成することができ、この複数のエッチング用穴によってマイクロレンズとなる凹部を確実に形成することができる。
【0007】
本発明に係るマイクロレンズシートの製造方法は、マイクロレンズを有するマイクロレンズシートの製造方法であって、マイクロレンズシートを作製する型に設けられた各マイクロレンズを形成するそれぞれの凹部を、型となる基材を透過したビームにより形成されたエッチング用穴によって形成する方法である。これによれば、異物によるエッチング用穴の形成の妨げを防止することができ、確実にエッチング用穴を形成することができる。これにより、高い歩留まりで信頼性の高いマイクロレンズシートを製造することができる。
【0008】
本発明に係るマイクロレンズシートの製造方法は、マイクロレンズを有するマイクロレンズシートとを備えたマイクロレンズシートの製造方法であって、マイクロレンズシートの型となる基材の表面に、エッチングマスク膜を形成する工程と、基材の一方の面のエッチングマスク膜のマイクロレンズを形成する部分となる位置に、複数のエッチング用穴を形成する工程とを含んでなる方法である。これによれば、エッチングマスク膜に形成された複数のエッチング用穴によってマイクロレンズとなる凹部を基材に確実に形成することができるので、信頼性の高いマイクロレンズシートを製造することができる。
また、上記の製造方法において、複数のエッチング用穴を形成した後に、複数のエッチング用穴を介して基材をエッチングし、各マイクロレンズを形成するそれぞれの凹部を形成する工程と、基材のエッチングマスク膜を除去してマイクロレンズシートの型を作製する工程と、マイクロレンズシートとなる樹脂を型に密着させて樹脂に型の形状を転写させる工程と、型を樹脂から剥離する工程とを含んでなる方法である。これによれば、マイクロレンズが確実に形成されたマイクロレンズシートを製造することができる。
【0009】
本発明に係るマイクロレンズシートの製造方法は、マイクロレンズを有するマイクロレンズシートとを備えたマイクロレンズシートの製造方法であって、マイクロレンズシートの型となる基材の表面に、エッチングマスク膜を形成する工程と、基材の一方の面のエッチングマスク膜のマイクロレンズを形成する部分となる位置に、基材を透過したビームを用いて基材側からエッチング用穴を形成する工程とを含んでなる方法である。これによれば、基板またはエッチングマスク膜に異物等が付着している場合でも、基材を透過したビームがエッチングマスク膜に到達して確実にエッチング用穴を形成することができるので、高い歩留まりで信頼性の高いマイクロレンズシートを製造することができる。
また、上記の製造方法において、基材を透過したビームを用いてエッチング用穴を形成した後に、エッチング用穴を介して基材をエッチングし、各マイクロレンズを形成するそれぞれの凹部を形成する工程と、基材のエッチングマスク膜を除去してマイクロレンズシートの型を作製する工程と、マイクロレンズシートとなる樹脂を型に密着させて樹脂に型の形状を転写させる工程と、型を樹脂から剥離する工程とを含んでなる方法である。これによれば、マイクロレンズが確実に形成されたマイクロレンズシートを製造することができる。
さらに、上記の製造方法において、エッチング用穴を各凹部に対応して複数設ける方法である。これにより、マイクロレンズを確実に形成することができる。
【0010】
本発明に係るマイクロレンズシートの製造方法は、各凹部に対応した複数のエッチング用穴を、回折格子を用いて分岐した複数のビームにより形成する方法である。これによれば、複数のエッチング用穴を短時間で形成することができ、製造効率を高めることができる。
【0011】
本発明に係る投写スクリーンの製造方法は、上記のマイクロレンズシートの製造方法を用いて製造したマイクロレンズシートを備えた方法である。これによれば、確実にマイクロレンスが形成されたマイクロレンズシートを備えているため、高い歩留まりで信頼性の高い投写スクリーンを製造することができる。
【0012】
本発明に係る投写スクリーンは、上記のマイクロレンズシートの製造方法を用いて製造したマイクロレンズシートを備えたものである。これによれば、高い製造効率で信頼性の高い投写スクリーンを得ることができる。
また、上記の投写スクリーンにおいて、マイクロレンズシートのマイクロレンズと対向するように配設されたフレネルレンズを有するフレネルシートを備えたものである。これにより、映像をスクリーンの背面より拡大投写して使用する映像投写装置の投写スクリーンとして、信頼性の高いものが得られる。
【0013】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係る投写スクリーンの構成図である。図において、1は例えばリアプロジェクションテレビの如き映像投写装置の投写スクリーンで、フレネルレンズを有するフレネルシート2と、フレネルシート2側に対向するように複数のマイクロレンズ3aを有するマイクロレンズシート3とによって構成されており、図示しない投写レンズからの入射光Lをフレネルシート2により平行光に変換し、平行光をマイクロレンズシート3により水平方向および垂直方向に拡散する。
【0014】
次に、マイクロレンズシート3の製造工程について、図2の工程図を用いて説明する。
(A)まず、マイクロレンズシートの型となる例えば石英基板によって構成された基材11の外表面に、例えばCr−Au膜(Crを成膜した後にAuを成膜したもの)などのエッチングマスク膜12を塗布する。なお、ここでは、エッチングマスク膜12を基材11の上面および下面に塗布した場合を示したが、後述するエッチング用穴を形成する面(例えば上面)だけにエッチングマスク膜12を塗布してもよい。
(B)ついで、基材11の一方の面(上面)のエッチングマスク膜12のマイクロレンズ3aを形成する部分となる位置に、図3に示すレーザ加工装置21を用いて例えばYAGレーザによりエッチング用穴13を形成する。
【0015】
ここで、図3に示したレーザ加工装置21の構成およびその動作について説明する。
レーザ加工装置21は、例えばYAGレーザが発振されるレーザ発振器22と、レーザ発振器22からのレーザビーム24の進行路上に配置され、レーザビーム24を被加工物である基材11に向けて反射させる全反射ミラー23と、全反射ミラー23と基材11との間に配置され、全反射ミラー23により反射されたレーザビーム24を集光して基材11のエッチングマスク膜12のエッチング用穴13を形成する加工点11aに照射する集光レンズ25と、基材11が載置され、制御手段(図示せず)によりX軸またはY軸方向に移動可能なテーブル26とによって構成されている。なお、テーブル26を移動させず、レーザ発振器22、全反射ミラー23および集光レンズ25をX軸またはY軸方向に移動可能に構成してもよい。また、基材11が載置されたテーブル26をガラスチャンバー等で囲い、基材11への異物等の付着を防止するようにしてもよい。
【0016】
このように構成されたレーザ加工装置21を用いて基材11のエッチングマスク膜12にエッチング用穴13を形成する場合、まず、外表面にエッチングマスク膜12が塗布された基材11をテーブル26上に載置し、レーザビーム24がエッチング用穴13が形成される位置に照射されるようにテーブル26を移動させる。ついで、レーザ発振器22を駆動させ、エッチング用穴13を形成する加工点11aに、レーザ発振器22から照射されて全反射ミラー23で反射し集光レンズ25で集光したレーザビーム24を照射して、エッチング用穴13を形成する。そして、テーブル26を次のエッチング用穴13を形成する位置に移動させ、次のエッチング用穴13を形成する加工点11aにレーザビーム24を照射して、エッチング用穴13を形成する。同様に複数のエッチング用穴13を形成する加工を行い、図4に示すように、後述するウェットエッチングにより形成される各マイクロレンズ3aとなる部分(凹部14)に対して複数のエッチング用穴13(ここでは5個)を有するようにする。なお、エッチング用穴13は、マイクロレンズ3aとなる凹部14がエッチングできるものであれば、大きさ、形状、個数および配置等はこれに限定するものではない。
【0017】
(C)図2において、上述したレーザ加工装置21によりエッチング用穴13を形成した後、基材11をウェットエッチングして、マイクロレンズ3aとなる凹部14を形成する。このとき、エッチングマスク膜12には、各マイクロレンズ3aの凹部14に対応して複数のエッチング用穴13が形成されているため、図5に示すように、凹部14に対応するエッチング用穴13の1つが異物15によって塞がれてしまっている場合でも、他のエッチング用穴13よりエッチング液が基材11に浸透してエッチングされる。また、異物15によりエッチング用穴13が塞がれていない場合は、図4(b)に示すように、マイクロレンズ3aとなる理想的な凹部14が形成されるが、異物15によりエッチング用穴13の一部が塞がれている場合は、図5(b)に示すように、図4(b)のような理想的な凹部14が形成されないおそれがある。しかしながら、図4(b)に示す理想的な形状の凹部14でなくてもある程度凹部14が形成されていれば光を拡散するマイクロレンズ3aは形成されているため、問題はない。
【0018】
(D)ついで、エッチングマスク膜12をウェットエッチングにより除去し、型16を作製する。なお、このときにエッチング液は、上記(C)の工程における基材11のエッチング液とは異なる。
(E)次に、型16の凹部14が設けられた面(上面)に、所定の厚さの例えばPMMA(ポリメチルメタクリレート)などの熱可塑性の樹脂17を熱を加えながら押し当てて、型16の形状を樹脂17に転写する。
(F)そして、樹脂17を型16から引き離し、一方の面にマイクロレンズ3aが形成された樹脂17からなるマイクロレンズシート3を作製する。
【0019】
このように作製されたマイクロレンズシート3は、図1に示すように、マイクロレンズ3a側がフレネルシート2側に対向するように、フレネルシート2に平行に配設し、投写スクリーン1を構成する。そして、投写レンズから光が照射されると、フレネルシート2は入射光を平行光に変換し、マイクロレンズシート3はマイクロレンズ3aにより平行光を水平方向および垂直方向に拡散して、ユーザに光(映像)を届ける。このとき、マイクロレンズ3aの一部が形成時に異物15によって理想的な形状になっていない場合でも、ある程度の拡散が得られるため、ユーザに映像を届けることができる。
【0020】
このように、マイクロレンズシート3の製造工程において、マイクロレンズ3aとなる型16の凹部14をウェットエッチングで形成する際に、異物15によってエッチングマスク膜12に形成されたエッチング用穴13を塞ぐなどの妨げがあった場合でも、エッチング用穴13を複数設けているため、凹部14を確実に形成することができ、信頼性の高いマイクロレンズ3aを有するマイクロレンズシート3を作製することができる。そして、このようなマイクロレンズシート3を用いることにより、信頼性の高い投写スクリーン1を製造することができる。
【0021】
実施の形態2.
図6は本発明の実施の形態2に係るマイクロレンズシートの製造過程で用いられるレーザ加工装置の構成説明図である。この実施の形態2は、実施の形態1に係るレーザ加工装置21の集光レンズ25と基材11との間に回折格子27を設けたもので、全反射ミラー23により基材11側に反射されたレーザビーム24を回折格子27により複数のレーザビーム24aに分岐し、各分岐したレーザビーム24aを基材11のエッチングマスク膜12に照射して同時に複数のエッチング用穴13を形成するようにしたものである。
【0022】
このように構成したレーザ加工装置21を用いてマイクロレンズ3aを形成する型16を作製する際に、型16となる基材11のマイクロレンズ3aが形成される部分となる位置に分岐したレーザビーム24aを照射して、エッチングマスク膜12に複数のエッチング用穴13を同時に形成するようにしたので、複数のエッチング用穴13を短時間で形成することができ、製造効率を高めることができる。
【0023】
実施の形態3.
図7は本発明の実施の形態3に係るマイクロレンズシートの製造過程で用いられるレーザ加工装置の要部の構成説明図である。この実施の形態3は、実施の形態1に係るレーザ加工装置21のテーブル26に加工用にげ穴26aを設けたもので、エッチングマスク膜12が下面で、かつエッチング用穴13を形成する位置が加工用にげ穴26aに対応するように基材11をテーブル26上に載置し、基材11を透過したレーザビーム24によってエッチングマスク膜12にエッチング用穴13を形成するようにしたものである。なお、この実施の形態3では、基材11をレーザビーム24が透過する透明材料で構成する。
【0024】
このように構成したレーザ加工装置21を用いてマイクロレンズ3aを形成する型16を作製する際に、図7(c)に示すように、基材11のエッチングマスク膜12のエッチング用穴13を形成する位置に異物15が付着して加工を妨げるおそれがある場合でも、図7(a)に示すように、レーザビーム24を基材11側から照射し、基材11を透過したレーザビーム24によってエッチング用穴13を形成することができる。また、図7(b)に示すように、基材11の表面に異物15が付着している場合でも、レーザビーム24が基材11を透過してエッチングマスク膜12に到達するので、確実にエッチング用穴13を形成することができる。これらにより、高い歩留まりで信頼性の高いマイクロレンズシート3を製造することができる。そして、このマイクロレンズシート3を用いることにより、信頼性の高い投写スクリーン1を製造することができる。
【0025】
なお、上述の実施の形態3も実施の形態2に係る回折格子を用いてレーザビーム24を複数に分岐させ、分岐したレーザビーム24aにより同時に複数のエッチング用穴13を形成するようにしてもよい。この場合も確実にエッチング用穴13を形成することができるとともに、短時間で複数のエッチング用穴13を形成することができ、製造効率を高めることができる。
【0026】
また、上述の実施の形態3では、エッチングマスク膜12が直接テーブル26に接触するように基材11をテーブル26上に載置する場合を示したが、エッチングマスク膜12は、その膜厚が薄いので、基材11の載置時または加工時等で傷が付いてしまうおそれがある。このため、図8に示すように、エッチングマスク膜12の上面に例えば粘着性を有する合成樹脂材料によって構成された保護シート18を貼り付け、保護シート18がテーブル26に接触するように基材11をテーブル26上に載置して、エッチング用穴13を形成するようにしてもよく、また、テーブル26の上面側(基材11が載置される側)に保護シート18を貼り付け、この保護シート18上にエッチングマスク膜12が接触するように基材11をテーブル26上に載置して、エッチング用穴13を形成するようにしてもよい。これらの場合、図7(b)に示すように、基材11の表面に異物15が付着している場合でも、エッチングマスク膜12を保護シート18で保護しながら確実にエッチング用穴13を形成することができる。これにより、より高い歩留まりで信頼性の高いマイクロレンズシート3を製造することができる。
【0027】
さらに、上述の実施の形態1乃至3では、エッチング用穴13をレーザビーム24または分岐したレーザビーム24aにより形成した場合を示したが、これに限定するものではなく、例えば集光した赤外線ビームなど、エッチングマスク膜12にエッチング用穴13を形成できるビームであれば、いずれのビームを用いてもよい。この場合も同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る投写スクリーンの構成図。
【図2】実施の形態1のマイクロレンズシートの製造工程図。
【図3】実施の形態1のレーザ加工装置の構成説明図。
【図4】図2におけるマイクロレンズシートの型の要部の構成説明図。
【図5】図4のマイクロレンズシートの型の異物がある場合の説明図。
【図6】実施の形態2のレーザ加工装置の構成説明図。
【図7】実施の形態3のレーザ加工装置の要部の構成説明図。
【図8】実施の形態3の変形例を示す図。
【符号の説明】
1 投写スクリーン、2 フレネルシート、3 マイクロレンズシート、3aマイクロレンズ、11 基材、12 エッチングマスク膜、13 エッチング用穴、14 凹部、16 型、17 樹脂、18 保護シート、21 レーザ加工装置、24 レーザビーム、24a 分岐したレーザビーム、27 回折格子。
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば液晶リア型プロジェクションテレビやCRTリア型プロジェクションテレビなどの映像をスクリーンの背面より拡大投写して使用する映像投写装置の投写スクリーンに用いられるマイクロレンズを有するマイクロレンズシート(マイクロレンズアレイともいう)の製造方法およびそのマイクロレンズシートを用いた投写スクリーンの製造方法、並びに投写スクリーンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の映像投写装置(リアプロジェクションテレビ)の光学系は、投写レンズからある角度を持った光を出射し、フレネルレンズを有するフレネルシートによってある角度から平行光に変換し、マイクロレンズを有するマイクロレンズ層に照射する。マイクロレンズ層では光を拡散させ、ある一定の視野角を持った光を映像にしてユーザーの目に映し出す(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−35616号公報(第3〜4頁、図1、図4)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来の映像投写装置の投写スクリーンは、投写レンズからの入射光を平行光に変換するフレネルレンズ(フレネルシート)と、フレネルレンズからの平行光を拡散させるマイクロレンズ(マイクロレンズ層)とからなり、マイクロレンズは熱可塑性樹脂などをマイクロレンズを形成する型で型抜きすることによって形成されていた。そして、このマイクロレンズの型を形成する場合、各マイクロレンズとなる凹部に対して、その各凹部を形成するためのエッチング用穴が型となる基材の表面のエッチングマスク膜に必要であった。しかしながら、エッチングマスク膜に形成されるエッチング用穴は、レーザ等のビームによって形成する場合に、エッチングマスク膜の加工点にレーザ等のビームを反射・散乱するような異物や汚れが付着していると、エッチング用穴を形成することができないという問題があった。また、エッチングマスク膜にエッチング用穴を形成することができたとしても、異物がエッチング用穴を塞いでいた場合にはマイクロレンズとなる凹部が形成されない、つまりエッチングされないという問題があった。そして、いずれの場合でも、各マイクロレンズが形成されたマイクロレンズ層を形成することができず、このマイクロレンズ層を用いた投写スクリーンは少なくとも一部で光を拡散させることができないため、一部映像が得られないことがあり、信頼性の低いものになってしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、レーザ等のビームによるエッチング用穴の形成を確実に行うとともに、各マイクロレンズを確実に形成して、信頼性の高いマイクロレンズシートおよびこれを用いた投写スクリーン等を得ることのできるマイクロレンズシートの製造方法およびそのマイクロレンズシートを用いた投写スクリーンの製造方法、並びに投写スクリーンを提供することを目的としたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るマイクロレンズシートの製造方法は、マイクロレンズを有するマイクロレンズシートの製造方法であって、マイクロレンズシートを作製する型に設けられた各マイクロレンズを形成するそれぞれの凹部を、各凹部に対応して微細加工により設けた複数のエッチング用穴によって形成する方法である。これによれば、エッチング用穴を介してウェットエッチングを行う場合に、異物がエッチング用穴を塞ぐなどの妨げがあった場合でも、複数のエッチング用穴によってマイクロレンズとなる凹部を確実に形成することができる。これにより、信頼性の高いマイクロレンズシートを製造することができる。
また、上記の製造方法において、微細加工に、レーザ加工法を用いる方法である。これにより、複数のエッチング用穴を短時間で確実に形成することができ、この複数のエッチング用穴によってマイクロレンズとなる凹部を確実に形成することができる。
【0007】
本発明に係るマイクロレンズシートの製造方法は、マイクロレンズを有するマイクロレンズシートの製造方法であって、マイクロレンズシートを作製する型に設けられた各マイクロレンズを形成するそれぞれの凹部を、型となる基材を透過したビームにより形成されたエッチング用穴によって形成する方法である。これによれば、異物によるエッチング用穴の形成の妨げを防止することができ、確実にエッチング用穴を形成することができる。これにより、高い歩留まりで信頼性の高いマイクロレンズシートを製造することができる。
【0008】
本発明に係るマイクロレンズシートの製造方法は、マイクロレンズを有するマイクロレンズシートとを備えたマイクロレンズシートの製造方法であって、マイクロレンズシートの型となる基材の表面に、エッチングマスク膜を形成する工程と、基材の一方の面のエッチングマスク膜のマイクロレンズを形成する部分となる位置に、複数のエッチング用穴を形成する工程とを含んでなる方法である。これによれば、エッチングマスク膜に形成された複数のエッチング用穴によってマイクロレンズとなる凹部を基材に確実に形成することができるので、信頼性の高いマイクロレンズシートを製造することができる。
また、上記の製造方法において、複数のエッチング用穴を形成した後に、複数のエッチング用穴を介して基材をエッチングし、各マイクロレンズを形成するそれぞれの凹部を形成する工程と、基材のエッチングマスク膜を除去してマイクロレンズシートの型を作製する工程と、マイクロレンズシートとなる樹脂を型に密着させて樹脂に型の形状を転写させる工程と、型を樹脂から剥離する工程とを含んでなる方法である。これによれば、マイクロレンズが確実に形成されたマイクロレンズシートを製造することができる。
【0009】
本発明に係るマイクロレンズシートの製造方法は、マイクロレンズを有するマイクロレンズシートとを備えたマイクロレンズシートの製造方法であって、マイクロレンズシートの型となる基材の表面に、エッチングマスク膜を形成する工程と、基材の一方の面のエッチングマスク膜のマイクロレンズを形成する部分となる位置に、基材を透過したビームを用いて基材側からエッチング用穴を形成する工程とを含んでなる方法である。これによれば、基板またはエッチングマスク膜に異物等が付着している場合でも、基材を透過したビームがエッチングマスク膜に到達して確実にエッチング用穴を形成することができるので、高い歩留まりで信頼性の高いマイクロレンズシートを製造することができる。
また、上記の製造方法において、基材を透過したビームを用いてエッチング用穴を形成した後に、エッチング用穴を介して基材をエッチングし、各マイクロレンズを形成するそれぞれの凹部を形成する工程と、基材のエッチングマスク膜を除去してマイクロレンズシートの型を作製する工程と、マイクロレンズシートとなる樹脂を型に密着させて樹脂に型の形状を転写させる工程と、型を樹脂から剥離する工程とを含んでなる方法である。これによれば、マイクロレンズが確実に形成されたマイクロレンズシートを製造することができる。
さらに、上記の製造方法において、エッチング用穴を各凹部に対応して複数設ける方法である。これにより、マイクロレンズを確実に形成することができる。
【0010】
本発明に係るマイクロレンズシートの製造方法は、各凹部に対応した複数のエッチング用穴を、回折格子を用いて分岐した複数のビームにより形成する方法である。これによれば、複数のエッチング用穴を短時間で形成することができ、製造効率を高めることができる。
【0011】
本発明に係る投写スクリーンの製造方法は、上記のマイクロレンズシートの製造方法を用いて製造したマイクロレンズシートを備えた方法である。これによれば、確実にマイクロレンスが形成されたマイクロレンズシートを備えているため、高い歩留まりで信頼性の高い投写スクリーンを製造することができる。
【0012】
本発明に係る投写スクリーンは、上記のマイクロレンズシートの製造方法を用いて製造したマイクロレンズシートを備えたものである。これによれば、高い製造効率で信頼性の高い投写スクリーンを得ることができる。
また、上記の投写スクリーンにおいて、マイクロレンズシートのマイクロレンズと対向するように配設されたフレネルレンズを有するフレネルシートを備えたものである。これにより、映像をスクリーンの背面より拡大投写して使用する映像投写装置の投写スクリーンとして、信頼性の高いものが得られる。
【0013】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係る投写スクリーンの構成図である。図において、1は例えばリアプロジェクションテレビの如き映像投写装置の投写スクリーンで、フレネルレンズを有するフレネルシート2と、フレネルシート2側に対向するように複数のマイクロレンズ3aを有するマイクロレンズシート3とによって構成されており、図示しない投写レンズからの入射光Lをフレネルシート2により平行光に変換し、平行光をマイクロレンズシート3により水平方向および垂直方向に拡散する。
【0014】
次に、マイクロレンズシート3の製造工程について、図2の工程図を用いて説明する。
(A)まず、マイクロレンズシートの型となる例えば石英基板によって構成された基材11の外表面に、例えばCr−Au膜(Crを成膜した後にAuを成膜したもの)などのエッチングマスク膜12を塗布する。なお、ここでは、エッチングマスク膜12を基材11の上面および下面に塗布した場合を示したが、後述するエッチング用穴を形成する面(例えば上面)だけにエッチングマスク膜12を塗布してもよい。
(B)ついで、基材11の一方の面(上面)のエッチングマスク膜12のマイクロレンズ3aを形成する部分となる位置に、図3に示すレーザ加工装置21を用いて例えばYAGレーザによりエッチング用穴13を形成する。
【0015】
ここで、図3に示したレーザ加工装置21の構成およびその動作について説明する。
レーザ加工装置21は、例えばYAGレーザが発振されるレーザ発振器22と、レーザ発振器22からのレーザビーム24の進行路上に配置され、レーザビーム24を被加工物である基材11に向けて反射させる全反射ミラー23と、全反射ミラー23と基材11との間に配置され、全反射ミラー23により反射されたレーザビーム24を集光して基材11のエッチングマスク膜12のエッチング用穴13を形成する加工点11aに照射する集光レンズ25と、基材11が載置され、制御手段(図示せず)によりX軸またはY軸方向に移動可能なテーブル26とによって構成されている。なお、テーブル26を移動させず、レーザ発振器22、全反射ミラー23および集光レンズ25をX軸またはY軸方向に移動可能に構成してもよい。また、基材11が載置されたテーブル26をガラスチャンバー等で囲い、基材11への異物等の付着を防止するようにしてもよい。
【0016】
このように構成されたレーザ加工装置21を用いて基材11のエッチングマスク膜12にエッチング用穴13を形成する場合、まず、外表面にエッチングマスク膜12が塗布された基材11をテーブル26上に載置し、レーザビーム24がエッチング用穴13が形成される位置に照射されるようにテーブル26を移動させる。ついで、レーザ発振器22を駆動させ、エッチング用穴13を形成する加工点11aに、レーザ発振器22から照射されて全反射ミラー23で反射し集光レンズ25で集光したレーザビーム24を照射して、エッチング用穴13を形成する。そして、テーブル26を次のエッチング用穴13を形成する位置に移動させ、次のエッチング用穴13を形成する加工点11aにレーザビーム24を照射して、エッチング用穴13を形成する。同様に複数のエッチング用穴13を形成する加工を行い、図4に示すように、後述するウェットエッチングにより形成される各マイクロレンズ3aとなる部分(凹部14)に対して複数のエッチング用穴13(ここでは5個)を有するようにする。なお、エッチング用穴13は、マイクロレンズ3aとなる凹部14がエッチングできるものであれば、大きさ、形状、個数および配置等はこれに限定するものではない。
【0017】
(C)図2において、上述したレーザ加工装置21によりエッチング用穴13を形成した後、基材11をウェットエッチングして、マイクロレンズ3aとなる凹部14を形成する。このとき、エッチングマスク膜12には、各マイクロレンズ3aの凹部14に対応して複数のエッチング用穴13が形成されているため、図5に示すように、凹部14に対応するエッチング用穴13の1つが異物15によって塞がれてしまっている場合でも、他のエッチング用穴13よりエッチング液が基材11に浸透してエッチングされる。また、異物15によりエッチング用穴13が塞がれていない場合は、図4(b)に示すように、マイクロレンズ3aとなる理想的な凹部14が形成されるが、異物15によりエッチング用穴13の一部が塞がれている場合は、図5(b)に示すように、図4(b)のような理想的な凹部14が形成されないおそれがある。しかしながら、図4(b)に示す理想的な形状の凹部14でなくてもある程度凹部14が形成されていれば光を拡散するマイクロレンズ3aは形成されているため、問題はない。
【0018】
(D)ついで、エッチングマスク膜12をウェットエッチングにより除去し、型16を作製する。なお、このときにエッチング液は、上記(C)の工程における基材11のエッチング液とは異なる。
(E)次に、型16の凹部14が設けられた面(上面)に、所定の厚さの例えばPMMA(ポリメチルメタクリレート)などの熱可塑性の樹脂17を熱を加えながら押し当てて、型16の形状を樹脂17に転写する。
(F)そして、樹脂17を型16から引き離し、一方の面にマイクロレンズ3aが形成された樹脂17からなるマイクロレンズシート3を作製する。
【0019】
このように作製されたマイクロレンズシート3は、図1に示すように、マイクロレンズ3a側がフレネルシート2側に対向するように、フレネルシート2に平行に配設し、投写スクリーン1を構成する。そして、投写レンズから光が照射されると、フレネルシート2は入射光を平行光に変換し、マイクロレンズシート3はマイクロレンズ3aにより平行光を水平方向および垂直方向に拡散して、ユーザに光(映像)を届ける。このとき、マイクロレンズ3aの一部が形成時に異物15によって理想的な形状になっていない場合でも、ある程度の拡散が得られるため、ユーザに映像を届けることができる。
【0020】
このように、マイクロレンズシート3の製造工程において、マイクロレンズ3aとなる型16の凹部14をウェットエッチングで形成する際に、異物15によってエッチングマスク膜12に形成されたエッチング用穴13を塞ぐなどの妨げがあった場合でも、エッチング用穴13を複数設けているため、凹部14を確実に形成することができ、信頼性の高いマイクロレンズ3aを有するマイクロレンズシート3を作製することができる。そして、このようなマイクロレンズシート3を用いることにより、信頼性の高い投写スクリーン1を製造することができる。
【0021】
実施の形態2.
図6は本発明の実施の形態2に係るマイクロレンズシートの製造過程で用いられるレーザ加工装置の構成説明図である。この実施の形態2は、実施の形態1に係るレーザ加工装置21の集光レンズ25と基材11との間に回折格子27を設けたもので、全反射ミラー23により基材11側に反射されたレーザビーム24を回折格子27により複数のレーザビーム24aに分岐し、各分岐したレーザビーム24aを基材11のエッチングマスク膜12に照射して同時に複数のエッチング用穴13を形成するようにしたものである。
【0022】
このように構成したレーザ加工装置21を用いてマイクロレンズ3aを形成する型16を作製する際に、型16となる基材11のマイクロレンズ3aが形成される部分となる位置に分岐したレーザビーム24aを照射して、エッチングマスク膜12に複数のエッチング用穴13を同時に形成するようにしたので、複数のエッチング用穴13を短時間で形成することができ、製造効率を高めることができる。
【0023】
実施の形態3.
図7は本発明の実施の形態3に係るマイクロレンズシートの製造過程で用いられるレーザ加工装置の要部の構成説明図である。この実施の形態3は、実施の形態1に係るレーザ加工装置21のテーブル26に加工用にげ穴26aを設けたもので、エッチングマスク膜12が下面で、かつエッチング用穴13を形成する位置が加工用にげ穴26aに対応するように基材11をテーブル26上に載置し、基材11を透過したレーザビーム24によってエッチングマスク膜12にエッチング用穴13を形成するようにしたものである。なお、この実施の形態3では、基材11をレーザビーム24が透過する透明材料で構成する。
【0024】
このように構成したレーザ加工装置21を用いてマイクロレンズ3aを形成する型16を作製する際に、図7(c)に示すように、基材11のエッチングマスク膜12のエッチング用穴13を形成する位置に異物15が付着して加工を妨げるおそれがある場合でも、図7(a)に示すように、レーザビーム24を基材11側から照射し、基材11を透過したレーザビーム24によってエッチング用穴13を形成することができる。また、図7(b)に示すように、基材11の表面に異物15が付着している場合でも、レーザビーム24が基材11を透過してエッチングマスク膜12に到達するので、確実にエッチング用穴13を形成することができる。これらにより、高い歩留まりで信頼性の高いマイクロレンズシート3を製造することができる。そして、このマイクロレンズシート3を用いることにより、信頼性の高い投写スクリーン1を製造することができる。
【0025】
なお、上述の実施の形態3も実施の形態2に係る回折格子を用いてレーザビーム24を複数に分岐させ、分岐したレーザビーム24aにより同時に複数のエッチング用穴13を形成するようにしてもよい。この場合も確実にエッチング用穴13を形成することができるとともに、短時間で複数のエッチング用穴13を形成することができ、製造効率を高めることができる。
【0026】
また、上述の実施の形態3では、エッチングマスク膜12が直接テーブル26に接触するように基材11をテーブル26上に載置する場合を示したが、エッチングマスク膜12は、その膜厚が薄いので、基材11の載置時または加工時等で傷が付いてしまうおそれがある。このため、図8に示すように、エッチングマスク膜12の上面に例えば粘着性を有する合成樹脂材料によって構成された保護シート18を貼り付け、保護シート18がテーブル26に接触するように基材11をテーブル26上に載置して、エッチング用穴13を形成するようにしてもよく、また、テーブル26の上面側(基材11が載置される側)に保護シート18を貼り付け、この保護シート18上にエッチングマスク膜12が接触するように基材11をテーブル26上に載置して、エッチング用穴13を形成するようにしてもよい。これらの場合、図7(b)に示すように、基材11の表面に異物15が付着している場合でも、エッチングマスク膜12を保護シート18で保護しながら確実にエッチング用穴13を形成することができる。これにより、より高い歩留まりで信頼性の高いマイクロレンズシート3を製造することができる。
【0027】
さらに、上述の実施の形態1乃至3では、エッチング用穴13をレーザビーム24または分岐したレーザビーム24aにより形成した場合を示したが、これに限定するものではなく、例えば集光した赤外線ビームなど、エッチングマスク膜12にエッチング用穴13を形成できるビームであれば、いずれのビームを用いてもよい。この場合も同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る投写スクリーンの構成図。
【図2】実施の形態1のマイクロレンズシートの製造工程図。
【図3】実施の形態1のレーザ加工装置の構成説明図。
【図4】図2におけるマイクロレンズシートの型の要部の構成説明図。
【図5】図4のマイクロレンズシートの型の異物がある場合の説明図。
【図6】実施の形態2のレーザ加工装置の構成説明図。
【図7】実施の形態3のレーザ加工装置の要部の構成説明図。
【図8】実施の形態3の変形例を示す図。
【符号の説明】
1 投写スクリーン、2 フレネルシート、3 マイクロレンズシート、3aマイクロレンズ、11 基材、12 エッチングマスク膜、13 エッチング用穴、14 凹部、16 型、17 樹脂、18 保護シート、21 レーザ加工装置、24 レーザビーム、24a 分岐したレーザビーム、27 回折格子。
Claims (12)
- マイクロレンズを有するマイクロレンズシートの製造方法であって、
前記マイクロレンズシートを作製する型に設けられた前記各マイクロレンズを形成するそれぞれの凹部を、前記各凹部に対応して微細加工により設けた複数のエッチング用穴によって形成することを特徴とするマイクロレンズシートの製造方法。 - 前記微細加工に、レーザ加工法を用いることを特徴とする請求項1記載のマイクロレンズシートの製造方法。
- マイクロレンズを有するマイクロレンズシートの製造方法であって、
前記マイクロレンズシートを作製する型に設けられた前記各マイクロレンズを形成するそれぞれの凹部を、前記型となる基材を透過したビームにより形成されたエッチング用穴によって形成することを特徴とするマイクロレンズシートの製造方法。 - マイクロレンズを有するマイクロレンズシートの製造方法であって、
前記マイクロレンズシートの型となる基材の表面に、エッチングマスク膜を形成する工程と、
前記基材の一方の面のエッチングマスク膜の前記マイクロレンズを形成する部分となる位置に、複数のエッチング用穴を形成する工程と
を含んでなることを特徴とするマイクロレンズシートの製造方法。 - 前記複数のエッチング用穴を形成した後に、
前記複数のエッチング用穴を介して前記基材をエッチングし、前記各マイクロレンズを形成するそれぞれの凹部を形成する工程と、
前記基材のエッチングマスク膜を除去して前記マイクロレンズシートの型を作製する工程と、
前記マイクロレンズシートとなる樹脂を前記型に密着させて前記樹脂に型の形状を転写させる工程と、
前記型を前記樹脂から剥離する工程と
を含んでなることを特徴とする請求項4記載のマイクロレンズシートの製造方法。 - マイクロレンズを有するマイクロレンズシートの製造方法であって、
前記マイクロレンズシートの型となる基材の表面に、エッチングマスク膜を形成する工程と、
前記基材の一方の面のエッチングマスク膜の前記マイクロレンズを形成する部分となる位置に、前記基材を透過したビームを用いて前記基材側からエッチング用穴を形成する工程と
を含んでなることを特徴とするマイクロレンズシートの製造方法。 - 前記基材を透過したビームを用いてエッチング用穴を形成した後に、
前記エッチング用穴を介して前記基材をエッチングし、前記各マイクロレンズを形成するそれぞれの凹部を形成する工程と、
前記基材のエッチングマスク膜を除去して前記マイクロレンズシートの型を作製する工程と、
前記マイクロレンズシートとなる樹脂を前記型に密着させて前記樹脂に型の形状を転写させる工程と、
前記型を前記樹脂から剥離する工程と
を含んでなることを特徴とする請求項6記載のマイクロレンズシートの製造方法。 - 前記エッチング用穴を前記各凹部に対応して複数設けることを特徴とする請求項3,6または7に記載のマイクロレンズシートの製造方法。
- 前記各凹部に対応した複数のエッチング用穴を、回折格子を用いて分岐した複数のビームにより形成することを特徴とする請求項1,2,4,5または8記載のマイクロレンズシートの製造方法。
- 請求項1乃至9のいずれかに記載のマイクロレンズシートの製造方法を用いて製造したマイクロレンズシートを備えたことを特徴とする投写スクリーンの製造方法。
- 請求項1乃至9のいずれかに記載のマイクロレンズシートの製造方法を用いて製造したマイクロレンズシートを備えたことを特徴とする投写スクリーン。
- 前記マイクロレンズシートのマイクロレンズと対向するように配設されたフレネルレンズを有するフレネルシートを備えたことを特徴とする請求項11記載の投写スクリーン。
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-
2003
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