JP2009107922A - レンズアレイの製造方法、レンズアレイ、照明光学装置、およびプロジェクタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】レンズアレイに応じた型621A1,621A2が形成された成形型60内に溶融ガラスGを給材してプレス成形し、複数のレンズアレイが一体成形された成形体を形成する。成形した後、成形型60から脱型し、隣り合うレンズアレイの境界を折り割ることで分割する。プレス成形する際には、レンズアレイの折割分割される折割分割面121C以外の側面のうち少なくとも2つの側面を外形位置基準面としてプレス成形する。
【選択図】図8
Description
照明光学装置は、通常、光源と、第1レンズアレイおよび第2レンズアレイと、重畳レンズとを備えている。光源から射出された光束は、第1レンズアレイに備えられた複数の小レンズによって複数の部分光束に分割される。複数の部分光束は、第1レンズアレイの複数の小レンズに対応する複数の小レンズを備える第2レンズアレイを通過した後に、重畳レンズによって光変調装置の画像形成領域上で重畳される。このような照明光学装置を用いることにより、光変調装置を照射する光の強度分布をほぼ均一にすることができる。
このレンズアレイは、ベース部と、ベース部上に膨出するように形成され、マトリクス状に配列する複数の小レンズを有するレンズ部とを備えている。そして、レンズ部において、最外周に配列された複数の最外周小レンズの側面は、ベース部の外縁に向かい、該ベース部の一方の面に対して斜めに交わる斜面として形成されている。
このようなレンズアレイを製造する際には、上述したレンズアレイに応じた型を有する成形型を用いて溶融光学材料をプレス加工する。そして、プレス加工時に生じる余剰部を切断することで、レンズアレイを製造する。この際、成形型には、小レンズの側面を構成する斜面に応じた斜面が形成されているので、プレス成形時に、溶融光学材料が該斜面に沿って拡がり、成形型の成形面が溶融光学材料に良好に転写され、製造されるレンズアレイは高精度のレンズ面を有することとなる。
さらに、特許文献1に記載の発明では、レンズアレイに応じた型が1つのみ形成された成形型にて、レンズアレイを一枚ずつ製造しているので、複数のレンズアレイを製造する際には、製造コストと手間が掛かる、という問題がある。
本発明によれば、成形型には、レンズアレイに応じた型が複数形成され、レンズアレイの製造方法は、プレス成形工程と、折割分割工程とを備えている。このことにより、プレス成形工程にて溶融光学材料をプレス成形し、成形された成形体を折割分割工程にて複数のレンズアレイに分割することで、1つの成形型にて複数のレンズアレイを容易に成形できる。したがって、レンズアレイの大量生産に対応できかつ、レンズアレイのコスト低減を図れる。
このような形状でレンズアレイを製造すれば、プレス加工面を外形位置基準面とすることで、従来のように、折り割りされた側面をさらに精密に成形する工程を設ける必要がなく、レンズアレイを容易に製造でき、レンズアレイのコスト低減を図れる。
また、このような形状でレンズアレイを製造すれば、成形型の形状を複雑化することがないので、成形型の製造コストに伴うレンズアレイの製造コストの増加も回避できる。
また、成形型には、上述したように2行×(1+n)列でマトリクス状に型が配列しているので、この成形型にてレンズアレイを成形すれば、少なくとも1つの折割分割面を有するレンズアレイを製造できる。したがって、この折割分割面以外の側面をプレス加工面とすることで、このプレス加工面を外形位置基準面として保持枠等により位置決めされた状態でレンズアレイを適切に保持させることができる。
本発明によれば、成形型には、光学的機能の異なる複数種類のレンズアレイに応じた型が形成されているので、光学的機能の異なる、例えば、第1レンズアレイおよび第2レンズアレイを1つの成形型にて同時に成形できる。
また、本発明のレンズアレイの製造方法では、前記レンズアレイに応じた型は、4つ形成され、これらの型は、各型の境界線同士が交わる点を通る軸に対して180°の回転対称となるように形成されていることが好ましい。
また、本発明のレンズアレイの製造方法において、前記成形型には、2個の前記レンズアレイに応じた型が形成され、これらの型は、各行の境界線の中心を通る回転軸を中心として180°の回転対称となるように形成されていることが好ましい。
以上のように、型を境界線を通る平面若しくは特定の回転軸に対して対称となるように形成することによって、プレス加工時に溶融光学材料に加わる圧力が均等となりやすく、また、その結果、レンズの精度を高めることが可能となる。また、各型を対称となるように配列すれば、レンズアレイを保持枠等に固定する際に、同一方向で位置決めさせることが可能となる。
ここで、最外周小レンズとは、成形型に形成された型において、該成形型の外縁に沿った部分にて成形される小レンズである。
また、ダミー領域は、少なくとも最外周小レンズに形成されていればよく、レンズ部を構成する複数の小レンズのうち、外周部分に配列される小レンズの全てに形成してもよい。
本発明によれば、レンズ部には、レンズ領域の他に、ダミー領域を有しているので、このような形状を採用することにより、レンズアレイをプレス成形する際に、成形型の外縁側にダレが生じた場合でも、ダレはダミー領域に生じることとなり、レンズ領域の精度を良好に確保できる。したがって、レンズアレイの製造不良を減らし、レンズアレイの製造コストの低減をさらに図れる。
また、ダミー領域を最外周小レンズにのみ形成することで、最低限の領域により、成形される複数のレンズアレイにおけるレンズ領域の精度を良好に確保できる。
本発明によれば、ダミー領域は、レンズ領域から当該レンズアレイの外側に0.5〜2.0mm延長された領域であるので、ダミー領域を最適な範囲内とすることができ、レンズ領域の精度を良好に確保できる。
ここで、ダミー領域がレンズ領域から当該レンズアレイの外側に0.5mm未満の範囲で延長された領域である場合には、レンズアレイをプレス成形する際に成形型の外縁側にダレが生じると、レンズ領域にもダレによる影響が生じやすい。
また、ダミー領域がレンズ領域から当該レンズアレイの外側に2.0mmを超えて延長された領域である場合には、レンズアレイをプレス成形する際に成形型の外縁側にダレが生じても、レンズ領域の精度を良好に確保できる。しかしながら、ダミー領域が大きくなることにより、成形される溶融光学材料も多く必要とされ、レンズアレイのコスト低減を図りにくい。
なお、ダミー領域の長さ寸法は、上下左右方向でそれぞれ異なっていてもよい。例えば、ベース部の外縁からレンズ部の外縁までの長さが上下左右方向で異なる場合は、レンズアレイの成形時にレンズ部の外縁部分に生じるダレの程度も異なる。このような場合には、ダレの程度に応じて、上下左右方向の長さ寸法をそれぞれ異なる値に設定すると良い。
ここで、斜面の形状としては、平面状であってもよく、または、曲面状であってもよい。
本発明によれば、レンズ部は、四隅角部分が面取りされた平面視略矩形状に形成され、その外周縁は斜面で形成されているので、このような形状を採用することにより、レンズアレイをプレス成形する際、溶融光学材料に成形型の成形面を良好に転写でき、レンズアレイを精度良く製造できる。
また、このような形状を採用することにより、レンズアレイを成形した後、成形型からレンズアレイを容易に脱型できる。
ここで、互いの接続部分に段差を生じさせないように連接されている、とは、具体的には、レンズアレイ全体において、隣接する小レンズ間の段差がなるべく0に近くなるように、つまり、段差の平均値が極小となるように最適化された状態のことをいう。
本発明によれば、レンズ部を構成する複数の小レンズは、互いの接続部分に段差を生じさせないように連接されているので、このような形状を採用することにより、複数の小レンズが互いの接続部分に段差がある場合に比較して、レンズアレイをプレス成形する際、溶融光学材料に成形型の成形面を良好に転写でき、レンズアレイをさらに精度良く製造できる。
また、このような形状を採用することにより、レンズアレイを成形した後、成形型からレンズアレイをさらに容易に脱型できる。
本発明によれば、ベース部の平坦部には、段部が形成されているので、レンズアレイを保持枠等に保持させる際に、この段部を保持枠に位置決めする際の位置決め部として利用できる。例えば、折割分割面に形成された段部と折割分割面に対向するプレス加工面とでレンズアレイを位置決めでき、保持枠等にレンズアレイを適切に保持させることができる。
本発明によれば、レンズアレイは、上述したレンズアレイの製造方法により製造されているので、上述したレンズアレイの製造方法と同様の作用・効果を享受できる。
本発明の照明光学装置は、光源と、前記光源から射出された光束を複数の部分光束に分割する第1レンズアレイと、各部分光束を被照明領域で結像させるための第2レンズアレイとを備え、前記複数の部分光束を前記被照明領域で重畳してなる照明光学装置であって、前記第1レンズアレイおよび/または第2レンズアレイは、上述したレンズアレイであることを特徴とする。
本発明によれば、照明光学装置は、光源、第1レンズアレイ、および第2レンズアレイを備え、第1レンズアレイおよび/または第2レンズアレイは、上述したレンズアレイであるので、上述したレンズアレイと同様の作用・効果を享受できる。
また、照明光学装置は、低コストのレンズアレイを備えているので、照明光学装置自体のコストも低減できる。
本発明によれば、プロジェクタは、上述した照明光学装置、光変調装置、および投写光学装置を備えているので、上述した照明光学装置と同様の作用・効果を享受できる。
また、プロジェクタは、低コストの照明光学装置を備えているので、プロジェクタ自体のコストも低減できる。
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
〔プロジェクタの構成〕
図1は、本実施形態に係るプロジェクタ1の光学系を模式的に示す図である。
プロジェクタ1は、光源から射出された光束を、画像情報に応じて変調して光学像を形成し、スクリーン上に拡大投写する。このプロジェクタ1は、図1に示すように、照明光学装置としてのインテグレータ照明光学系10と、色分離光学系20と、リレー光学系30と、光学装置40と、投写光学装置としての投写レンズ50とを備えて構成される。そして、これらの光学部品10〜50は、図1に示すように、筐体として構成されるライトガイド2により所定の照明光軸A上に設置される。
なお、このインテグレータ照明光学系10の詳細な構成については、後述する。
この際、色分離光学系20のダイクロイックミラー21では、インテグレータ照明光学系10から射出された光束のうち、赤色光成分と緑色光成分とは透過し、青色光成分は反射する。ダイクロイックミラー21によって反射した青色光は、反射ミラー23で反射し、フィールドレンズ18を通って、青色用の液晶パネル42Bに到達する。このフィールドレンズ18は、インテグレータ照明光学系10から射出された各部分光束をその中心軸(主光線)に対して平行な光束に変換する。他の液晶パネル42G,42Rの光入射側に設けられたフィールドレンズ18も同様である。
ここで、赤色光にリレー光学系30が用いられているのは、赤色光の光路の長さが他の色光の光路長さよりも長いため、光の発散等による光の利用効率の低下を防止するためである。すなわち、入射側レンズ31に入射した部分光束をそのまま、フィールドレンズ18に伝えるためである。なお、リレー光学系30には、3つの色光のうちの赤色光を通す構成としたが、これに限らず、例えば、青色光を通す構成としてもよい。
液晶パネル42は、一対の透明なガラス基板に電気光学物質である液晶を密閉封入したものであり、例えば、ポリシリコンTFTをスイッチング素子として、与えられた画像信号に従って、入射側偏光板41から射出された偏光光束の偏光方向を変調する。この液晶パネル42R,42G,42Bの変調を行う画像形成領域は、矩形状であり、その対角寸法は、例えば0.7インチである。
射出側偏光板43も、入射側偏光板41と略同様に構成され、液晶パネル42(42R,42G,42B)から射出された光束のうち、所定方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものである。また、基板を用いずに、偏光膜をクロスダイクロイックプリズム44に貼り付けてもよい。
なお、これらの入射側偏光板41および射出側偏光板43は、互いの偏光軸の方向が直交するように設定されている。
そして、色分離光学系20で分離された各色光は、上述した3枚の液晶パネル42(42R,42G,42B)、入射側偏光板41、および射出側偏光板43によって画像情報に応じて変調されて光学像を形成する。
図2は、インテグレータ照明光学系10の構造を示す模式図である。
インテグレータ照明光学系10は、図2に示すように、光源装置11と、第1レンズアレイ12と、第2レンズアレイ13と、偏光変換装置14と、重畳レンズ15とを備える。
なお、第1レンズアレイ12の詳細な構造については、後述する。
第2レンズアレイ13は、第1レンズアレイ12と略同様な構成を有しており、小レンズ132Aがマトリクス状に配列されたマルチレンズアレイである。この第2レンズアレイ13は、図2に示すように、重畳レンズ15とともに、第1レンズアレイ12の各小レンズ122Aの像を液晶パネル42の画像形成領域42A上に結像させる機能を有する。
なお、第2レンズアレイ13の詳細な構造については、後述する。
遮光マスク141は、図2に示すように、偏光変換素子本体142の光束入射側に配置され、第2レンズアレイ13の小レンズ132Aに対応して、複数の開口部141Aが帯状に形成された板状部材である。そして、この遮光マスク141は、第2レンズアレイ13から射出された光束のうち、無効な偏光光を生成する光束、すなわち、後述する偏光変換素子本体142の反射膜143Bに入射する光束を遮断する。
図3は、第1レンズアレイ12の構造を示す図である。具体的に、図3(A)は第1レンズアレイ12を正面から見た図であり、図3(B)は第1レンズアレイ12を側方から見た図であり、図3(C)は第1レンズアレイ12を上方から見た図である。
第1レンズアレイ12は、溶融光学材料である溶融ガラスの塊(ゴブとも呼ばれる)を後述する成形型でプレス成形することにより製造された成形品である。この第1レンズアレイ12は、図3に示すように、ベース部121と、レンズ部122とを備える。
これら複数の小レンズ122Aは、レンズ面121A上において、マトリクス状(行を横一並びの要素、列を縦一並びの要素とすると6行×4列)に配列形成されている。また、各小レンズ122Aは、図3(B),(C)に示すように、断面略円弧状に形成され、互いの接続部分に段差を生じさせないように連接されている。具体的には、レンズアレイ全体において、隣接する小レンズ122A間の段差がなるべく0に近くなるように、つまり、段差の平均値が極小となるように最適化されている。
なお、この斜面122Dとしては、平面状で形成してもよく、曲面状で形成してもよい。
以上説明したレンズ部122の形状では、図3に示す平面Xおよび平面Yに対して対称となる。
図4は、第2レンズアレイ13の構造を示す図である。具体的に、図4(A)は第2レンズアレイ13を正面から見た図であり、図4(B)は第2レンズアレイ13を側方から見た図であり、図4(C)は第2レンズアレイ13を上方から見た図である。
第2レンズアレイ13は、第1レンズアレイ12と同様に、溶融光学材料である溶融ガラスの塊を後述する成形型でプレス成形することにより製造された成形品である。この第2レンズアレイ13は、第1レンズアレイ12の構造と略同様な構造を有し、図4に示すように、第1レンズアレイ12を構成するベース部121およびレンズ部122に相当する、ベース部131およびレンズ部132を備える。
レンズ部132も、第1レンズアレイ12を構成するレンズ部122と略同様の構成および形状を有し、小レンズ122A(最外周小レンズ122A1を含む)、レンズ領域122B、ダミー領域122C、斜面122D、およびコバ面122Eに相当する、小レンズ132A(最外周小レンズ132A1を含む)、レンズ領域132B、ダミー領域132C、斜面132D、およびコバ面132Eを有している。
次に、上述した第1レンズアレイ12および第2レンズアレイ13をプレス成形する際に用いる成形型60の構造を図面に基づいて説明する。なお、以下では、第1レンズアレイ12をプレス成形する際に用いる成形型60の構造を説明する。第2レンズアレイ13をプレス成形する際に用いる成形型60も略同様の構造であるとする。
図5は、成形型60の構造を示す断面図である。具体的に、図5は、成形型60を側方から見た断面図である。
成形型60は、第1レンズアレイ12を2個取りする成形型であり、図5に示すように、固定される固定型61と、この固定型61に対して進退自在に構成される可動型62とを備える。そして、固定型61および可動型62が組み合わされた状態で、その内部にキャビティが形成され、このキャビティ内に溶融光学材料を封入することで第1レンズアレイ12が2つ成形される。なお、成形型60の内部には、図示は省略するが、キャビティに封入された溶融光学材料を冷却して硬化させるための温度制御機構が設けられている。
可動型62は、略矩形状の板体であり、平面視略中央部分に凹部621が形成されている。
凹部621には、第1レンズアレイ12の形状に相当する2つの型が形成され、その内面が第1レンズアレイ12におけるベース部121のレンズ面121A、ベース部121の4つの側面のうちの3つの側面、および第1レンズアレイ12のレンズ部122をそれぞれ形成する成形面621Aとして機能する。
成形面621Aは、図6に示すように、第1レンズアレイ12の形状に相当する2つの型621A1,621A2で構成される。
これらの2つの型621A1,621A2は、マトリクス状(2行×1列)で配列形成されるとともに、各行の境界線を通る平面Oを中心として対称形状となるように配列形成されている。すなわち、型621A1および型621A2は、上下または左右方向が逆となっている。
次に、上述した成形型60を用いて、第1レンズアレイ12を製造する手順を図面に基づいて説明する。なお、第2レンズアレイ13を製造する手順も同様のものとする。
図8は、第1レンズアレイ12を製造する手順を示す図である。
先ず、図8(A)に示すように、作業者は、成形型60における固定型61および可動型62を開いた状態で、固定型61の上面に溶融ガラスGを載置する。なお、この溶融ガラスGは、棒状のガラス材の表面を研磨したものを加熱して溶融させたものを採用する。
そして、溶融ガラスGが固定型61および可動型62内のキャビティ内で十分冷却され硬化した後、図8(C)に示すように、可動型62を固定型61に対して離間する方向に移動させ、成形型60から脱型する。さらに詳しくは、溶融ガラスGは、可動型62に付着した状態で脱型し、可動型62が冷却されると、レンズアレイとして、離型し、型から自然落下する。
この後、成形型60の突出部621Bと当接して形成された凹部123(図8(C))を中心として、隣接する第1レンズアレイ12をそれぞれ折り割りによって分割する。すなわち、第1レンズアレイ12における分割された側面が折割分割面121Cであり、この折割分割面121C以外の3つの側面面がプレス加工面121Dである。
以上のような手順により、第1レンズアレイ12が製造される。
上述した第1実施形態によれば、以下の効果がある。
(1)第1レンズアレイ12を製造するための成形型60には、第1レンズアレイ12の形状に相当する2つの型621A1,621A2が形成され、この成形型60により成形される第1レンズアレイ12を構成するベース部121の1つの側面は、折割分割面121Cとされる。このことにより、この成形型60を用いて溶融ガラスGをプレス成形し、成形された成形体を折割分割面121Cにて分割すれば、1つの成形型60にて2つの第1レンズアレイ12を容易に製造できる。したがって、第1レンズアレイ12の大量生産に対応できかつ、第1レンズアレイ12のコスト低減を図れる。また、同様の構造を有する成形型60にて第2レンズアレイ13も製造でき、第2レンズアレイ13の大量生産にも対応できかつ、第2レンズアレイ13のコスト低減も図れる。
(11)プロジェクタ1は、上述したインテグレータ照明光学系10を含んで構成されているので、プロジェクタ1自体のコストも低減できる。
次に本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。
以下の説明では、前記第1実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
第1実施形態では、成形型60における可動型62の成形面621Aには、第1レンズアレイ12の形状に相当する2つの型621A1,621A2が形成されている。
これに対して第2実施形態では、成形型70における可動型72の成形面721Aには、第1レンズアレイ12の形状に相当する型と、第2レンズアレイ13の形状に相当する型が形成されている。その他の構成は、第1実施形態と同様である。
成形面721Aは、図9に示すように、第1レンズアレイ12の形状に相当する型721A1と、第2レンズアレイ13の形状に相当する型721A2とで構成される。
また、図示は省略するが、これらの型721A1,721A2の各境界部分には、第1実施形態で説明した突出部621Bと同様の突出部が形成され、この突出部により、成形型70にて成形された2つのレンズアレイ12,13の境界部分に凹部が形成され、この凹部を中心として2つのレンズアレイ12,13を折り割りにより分割可能とする。すなわち、この突出部に当接するレンズアレイ12,13におけるベース部121,131の1つの側面が折割分割面となる。
なお、この成形型70を用いたレンズアレイ12,13の製造手順、および製造されたレンズアレイ12,13の図示しない保持枠による保持は、第1実施形態と同様に実施でき、説明を省略する。
上述した第2実施形態によれば、上記(2)〜(7)、(9)〜(11)と略同様の効果の他、以下の効果がある。
(12)成形型70の成形面721Aには、第1レンズアレイ12の形状に相当する型721A1および第2レンズアレイ13の形状に相当する型721A2の2つの型が形成され、この成形型70により成形されるレンズアレイ12,13を構成するベース部121,131の1つの側面は、折割分割面とされる。このことにより、この成形型70を用いて溶融ガラスGをプレス成形し、成形された成形体を折割分割面にて分割すれば、1つの成形型60にて第1レンズアレイ12および第2レンズアレイ13を同時に製造できる。したがって、第1レンズアレイ12および第2レンズアレイ13の大量生産に対応できかつ、第1レンズアレイ12および第2レンズアレイ13のコスト低減を図れる。
次に、本発明の第3実施形態を図面に基づいて説明する。
以下の説明では、前記第1実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
第1実施形態および第2実施形態では、成形型60,70は、第1レンズアレイ12および/または第2レンズアレイ13を2個取りするものである。
これに対して第3実施形態では、成形型80は、第1レンズアレイ12および/または第2レンズアレイ13を6個取りするものである。その他の構成は、第1実施形態と同様である。
成形面821Aは、図10に示すように、第1レンズアレイ12の形状に相当する6つの型821A1〜821A6で構成される。
これら6つの型821A1〜821A6は、マトリクス状(2行×3列)で配列形成されるとともに、各行の境界線を通る平面Oを中心として対称形状となるように配列形成されている。具体的に、型821A1〜821A3は、上下左右方向が同一であり、これら型821A1〜821A3に対して、型821A4〜821A6は、それぞれ、上下または左右方向が逆となっている。
なお、この成形型80を用いた第1レンズアレイ12の製造手順は、第1実施形態と同様に実施でき、説明を省略する。
成形型80により製造された第1レンズアレイ12には、図11に示すように、成形型80における成形面821Aに形成された凸部821Bにより、ベース部121のレンズ面121A上に折割分割面121Cに沿って略三角形状の凹部121Eが形成される。
そして、成形型80により製造された第1レンズアレイ12は、図示しない保持枠により、折割分割面121Cに沿って形成された凹部121Eがチャックされ、該折割分割面121Cと対向するプレス加工面121Dが外形位置基準面として位置決めされた状態で保持され、上述したライトガイド2内の所定の照明光軸A上に設置される。
上述した第3実施形態によれば、上記(3)〜(7)、(10)、(11)と略同様の効果の他、以下の効果がある。
(14)第1レンズアレイ12を製造するための成形型80には、第1レンズアレイ12の形状に相当する6つの型821A1〜821A6が形成され、この成形型80により成形される第1レンズアレイ12を構成するベース部121の2つまたは3つの側面は、折割分割面121Cとされる。このことにより、この成形型80を用いて溶融ガラスGをプレス成形し、成形された成形体を折割分割面121Cにて分割すれば、1つの成形型80にて6つの第1レンズアレイ12を容易に製造できる。したがって、第1レンズアレイ12の大量生産に確実に対応できかつ、第1レンズアレイ12のさらなるコスト低減を図れる。また、同様の構造を有する成形型80にて第2レンズアレイ13も製造でき、第2レンズアレイ13の大量生産にも確実に対応できかつ、第2レンズアレイ13のさらなるコスト低減も図れる。
次に、本発明の第4実施形態を図面に基づいて説明する。
以下の説明では、前記第1実施形態ないし前記第3実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
前記第3実施形態では、成形型80は、第1レンズアレイ12または第2レンズアレイ13の形状に相当する6つの型が形成されている。
これに対して第4実施形態では、成形型90における可動型92の成形面921Aには、第1レンズアレイ12の形状に相当する3つの型と、第2レンズアレイ13の形状に相当する3つの型が形成されている。
成形面921Aは、図13に示すように、第1レンズアレイ12の形状に相当する3つの型921A1,921A3,921A5、および第2レンズアレイ13の形状に相当する3つの型921A2,921A4,921A6で構成される。
これら6つの型921A1〜921A6は、第3実施形態の型821A1〜821A6と同様に、マトリクス状(2行×3列)で配列形成されるとともに、図13に示すように、隣り合う型が異なる種類の型となるように配列形成されている。また、隣接する型921A1,921A2,921A4,および921A5の4つの型、および型921A2,921A3,921A5,および921A6の4つの型は、各4つの型の境界線が互いに交差する点を通る回転軸Ax1,Ax2にて180°の回転対称となるようにそれぞれ配列形成されている。
上述した第4実施形態によれば、上記(3)〜(7)、(10)、(11)、(15)と略同様の効果の他、以下の効果がある。
(16)成形型90には、第1レンズアレイ12の形状に相当する3つの型921A1,921A3,921A5、および第2レンズアレイ13の形状に相当する3つの型921A2,921A4,921A6が形成され、レンズアレイ12,13の2つの側面は、折割分割面とされる。このことにより、この成形型90を用いて溶融ガラスGをプレス成形し、成形された成形体を折割分割面にて分割すれば、1つの成形型90にて3つの第1レンズアレイ12および3つの第2レンズアレイ13を容易に製造できる。したがって、第1レンズアレイ12および第2レンズアレイ13の大量生産に確実に対応できかつ、第1レンズアレイ12および第2レンズアレイ13のさらなるコスト低減を図れる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の改良並びに設計の変更が可能である。
前記各実施形態では、第1レンズアレイ12および/または第2レンズアレイ13を2個(2行×1列)取り、および6個(2行×3列)取りする成形型60,70,80,90を説明したが、これに限らない。本発明では、nは0を含む自然数とすると、2×(1+n)個のレンズアレイの型が形成され、これらの型が2行×(1+n)列で配列していればよい。
同一種類のレンズアレイ12または13を製造する場合の例を、図14(A),(B)に示す。この例では、成形型100において、型102A1〜102A4は、各行の境界線を通る平面Oを中心として対称となるように配列形成されている。
また、異なる種類の第1レンズアレイ12および第2レンズアレイ13を製造する場合の例を、図14(C)に示す。この例では、成形型100において、隣り合う型は、異なる型となるように配列形成されるとともに、隣接する4つの型102A1〜102A4の境界線が互いに交差する点を通る回転軸Axにて180°の回転対称となるように配列形成されている。
各型は、各行の境界線を通る平面Oを中心として対称となるように配列形成してもよいし、境界線が互いに交差する点を通る回転軸Ax1,Ax2,Ax3・・・にて180°の回転対称となるように配列形成してもよい。つまり、各型は、対称となるように配列した方が、プレス加工時に溶融ガラスGに加わる圧力が均等となりやすく、また、その結果、レンズの精度を高めることが可能となる。また、各型を対称となるように配列すれば、レンズアレイを保持枠等に固定する際に、同一方向で位置決めさせることが可能となる。
また、このように8個以上のレンズアレイを形成する場合には、図15に示すように、第3実施形態で説明した凸部821Bと同様の配置位置および構造を有する凸部112Bを成形面112Aに形成する。そして、図示しない保持枠により、凸部112Bにより形成されるレンズアレイの凹部をチャックさせ、この凹部と対向する面であるプレス加工面を外形位置基準面として位置決めした状態でレンズアレイを保持させる。また、図14に示す4個のレンズアレイを成形する成形型100の成形面102Aにも、同様の凸部を形成してもよい。
なお、各型を、各行の境界線を通る平面Oを中心として対称となるように配列形成してもよいし、境界線が互いに交差する点を通る回転軸Ax1,Ax2,Ax3・・・にて180°の回転対称となるように配列形成してもよいということは、第3、第4実施形態並びに図14(A)〜(C)を用いて説明した変形例についても言えることである。
さらに、第1、第2実施形態については、各型が、各行の境界線を通る平面Oを中心として対称となるように配列形成されていたが、各行の境界線の中心を通る回転軸を中心として180°の回転対称となるように配列形成してもよい。
図16は、固定型61の成形面に凸部を形成した場合に成形された第1レンズアレイ12を下方から見た図である。なお、図16において、第1レンズアレイ12の下方側側面を折割分割面121Cとする。
また、このように固定型61または可動型82の成形面に凸部を形成するのではなく、凹部を形成してもよい。この場合、凹部が形成された成形面にて成形された第1レンズアレイ12には、凹部に対応する凸部が形成される。そして、この凸部が形成された第1レンズアレイ12は、この凸部およびこの凸部と対向するプレス加工面とで位置決めされた状態で図示しない保持枠に保持される。
なお、第1レンズアレイ12と第2レンズアレイ13の位置合わせを、所定のセル間を透過する光束によって光学的に行う方法を採用すれば、前記の凹部、凸部はなくても対応可能となる。また、この場合は、プレス加工面の精度も粗い精度でよくなる。
例えば、複数の小レンズ122A,132Aを行と列の数が一致するように形成してもよい。このような構成では、レンズアレイ12,13の成形をさらに容易に実施でき、製造コストの低減をさらに図れる。
また、例えば、コバ面122E,132Eがベース部121,131のレンズ面121A,131Aから最も膨出する高さ寸法を、各小レンズ122A,132Aがレンズ面121A,131Aから最も膨出する高さ寸法よりも大きくなるように形成してもよい。
さらに、ベース部121,131の厚さを各小レンズ122A,132Aより高くなるように構成すれば、成形型60,70,80,90において、ベース部121,131に対応する部分が各小レンズ122A,132Aに対応する部分よりも低くなるため、各小レンズ122A,132Aに対応する部分の切削研磨加工が容易となる。これにより、1個取り組合せ多数個型を、一体構成で多数個取りの型を作製することを可能とする。
前記各実施形態では、光変調装置として液晶パネルを用いていたが、マイクロミラーを用いたデバイスなど、液晶以外の光変調装置を用いてもよい。
前記各実施形態では、光入射面と光射出面とが異なる透過型の光変調装置を用いていたが、光入射面と光射出面とが同一となる反射型の光変調装置を用いてもよい。
前記各実施形態では、本発明の光源装置をプロジェクタに搭載した構成を説明したが、これに限らず、その他の光学機器に搭載してもよい。
したがって、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
Claims (13)
- 略矩形板状のベース部と、前記ベース部の一方の面に膨出するように形成され、複数の小レンズを有するレンズ部とを備えたレンズアレイの製造方法であって、
前記レンズアレイに応じた型が複数形成された成形型内に溶融光学材料を給材してプレス成形し、複数のレンズアレイが一体成形された成形体を形成するプレス成形工程と、
成形後、前記成形型から脱型し、隣り合うレンズアレイの境界を折り割ることで分割する折割分割工程とを備え、
前記成形型には、nは0または1とすると、2×(1+n)個の前記レンズアレイに応じた型が形成され、これらの型は、2行×(1+n)列でマトリクス状に配列され、
前記プレス成形工程では、前記レンズアレイの折割分割される折割分割面以外の側面のうち少なくとも2つの側面を外形位置基準面としてプレス成形することを特徴とするレンズアレイの製造方法。 - 請求項1に記載のレンズアレイの製造方法において、
前記成形型には、光学的機能の異なる複数種類のレンズアレイに応じた型が形成されていることを特徴とするレンズアレイの製造方法。 - 請求項1または請求項2に記載のレンズアレイの製造方法において、
前記2行×(1+n)列でマトリクス状に配列された型は、各行の境界線を通る平面に対して対称となるように形成されていることを特徴とするレンズアレイの製造方法。 - 請求項1または請求項2に記載のレンズアレイの製造方法において、
前記レンズアレイに応じた型は、4つ形成され、
これらの型は、各型の境界線同士が交わる点を通る軸に対して180°の回転対称となるように形成されていることを特徴とするレンズアレイの製造方法。 - 請求項1または請求項2に記載のレンズアレイの製造方法において、
前記成形型には、2個の前記レンズアレイに応じた型が形成され、これらの型は、各行の境界線の中心を通る回転軸を中心として180°の回転対称となるように形成されていることを特徴とするレンズアレイの製造方法。 - 請求項1から請求項5のいずれかに記載のレンズアレイの製造方法において、
前記プレス成形工程では、光学的に機能するレンズ領域と、前記レンズ領域から前記レンズアレイの外側に延長したダミー領域とを有する前記レンズ部を形成し、少なくとも前記成形型の外縁側にてプレス成形する最外周小レンズに前記ダミー領域を形成することを特徴とするレンズアレイの製造方法。 - 請求項6に記載のレンズアレイの製造方法において、
前記プレス成形工程では、前記レンズ領域から前記レンズアレイの外側に0.5〜2.
0mm延長された領域に前記ダミー領域を形成することを特徴とするレンズアレイの製造方法。 - 請求項1から請求項7のいずれかに記載のレンズアレイの製造方法において、
前記プレス成形工程では、四隅角部分が面取りされた平面視略矩形状の前記レンズ部を形成するとともに、前記レンズ部の外周縁に、前記レンズ部の内側から外側に向かい、前記ベース部の前記一方の面に対して斜めに交わる斜面を形成することを特徴とするレンズアレイの製造方法。 - 請求項1から請求項8のいずれかに記載のレンズアレイの製造方法において、
前記プレス成形工程では、前記レンズ部を構成する複数の小レンズを互いの接続部分に段差が生じず連接するように形成することを特徴とするレンズアレイの製造方法。 - 請求項1から請求項9のいずれかに記載のレンズアレイの製造方法において、
前記プレス成形工程では、前記複数の小レンズを形成する領域を囲み厚さの等しい平坦部を有する前記ベース部を形成するとともに、前記平坦部における前記折割分割面とされる端面に応じた位置に、前記平坦部から突出または没入する段部を形成することを特徴とするレンズアレイの製造方法。 - 溶融光学材料をレンズアレイに応じた型が複数形成された成形型でプレス成形することにより製造された当該レンズアレイであって、
請求項1から請求項10のいずれかに記載のレンズアレイの製造方法により製造されたことを特徴とするレンズアレイ。 - 光源と、前記光源から射出された光束を複数の部分光束に分割する第1レンズアレイと、各部分光束を被照明領域で結像させるための第2レンズアレイとを備え、前記複数の部分光束を前記被照明領域で重畳してなる照明光学装置であって、
前記第1レンズアレイおよび/または第2レンズアレイは、請求項11に記載のレンズアレイであることを特徴とする照明光学装置。 - 請求項12に記載の照明光学装置と、前記照明光学装置から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成する光変調装置と、形成された光学像を拡大投写する投写光学装置とを備えていることを特徴とするプロジェクタ。
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