JP5018753B2 - レンズアレイの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、略矩形板状のベース部と、複数の小レンズを有するレンズ部とを備えたレンズアレイの製造方法に関する。
プロジェクタでは、照明光学装置から射出された光が光変調装置によって画像情報に応じて変調され、変調された光が投写光学装置によってスクリーン上に拡大投写されることにより画像が表示される。
照明光学装置は、通常、光源と、第1レンズアレイおよび第2レンズアレイと、重畳レンズとを備えている。光源から射出された光束は、第1レンズアレイに備えられた複数の小レンズによって複数の部分光束に分割される。複数の部分光束は、第1レンズアレイの複数の小レンズに対応する複数の小レンズを備える第2レンズアレイを通過した後に、重畳レンズによって光変調装置の画像形成領域上で重畳される。このような照明光学装置を用いることにより、光変調装置を照射する光の強度分布をほぼ均一にすることができる。
この照明光学装置を構成するレンズアレイとして、高精度のレンズ面を有するレンズアレイが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このレンズアレイは、ベース部と、ベース部上に膨出するように形成され、マトリクス状に配列する複数の小レンズを有するレンズ部とを備えている。そして、レンズ部において、最外周に配列された複数の最外周小レンズの側面は、ベース部の外縁に向かい、該ベース部の一方の面に対して斜めに交わる斜面として形成されている。
このようなレンズアレイを製造する際には、上述したレンズアレイに応じた型を有する成形型を用いて溶融光学材料をプレス加工する。そして、プレス加工時に生じる余剰部を切断することで、レンズアレイを製造する。この際、成形型には、小レンズの側面を構成する斜面に応じた斜面が形成されているので、プレス成形時に、溶融光学材料が該斜面に沿って拡がり、成形型の成形面が溶融光学材料に良好に転写され、製造されるレンズアレイは高精度のレンズ面を有することとなる。
特開2002−328203号公報
ところで、特許文献1に記載の発明では、レンズアレイを製造する際、プレス加工時に生じる余剰部を切断しているので、レンズアレイの側面は、切断による凹凸が生じてしまう。このため、レンズアレイの側面を外形位置基準面として該レンズアレイを保持枠等に保持させる際には、余剰部を切断した後、レンズアレイの側面を精密に成形する必要がある、という問題がある。
また、この問題を回避するために、特許文献1に記載の発明には、余剰部が切断される切断面の一部にプレス加工面を有するレンズアレイが開示されているが、このようなレンズアレイを製造するためには、成形型を複雑な形状でかつ、高精度に製造する必要があり、レンズアレイの製造コストが増加してしまう。
さらに、特許文献1に記載の発明では、レンズアレイに応じた型が1つのみ形成された成形型にて、レンズアレイを一枚ずつ製造しているので、複数のレンズアレイを製造する際には、製造コストと手間が掛かる、という問題がある。
本発明の目的は、大量生産が可能で、工数低減により低コスト化が可能なレンズアレイの製造方法を提供することである。
本発明のレンズアレイの製造方法は、略矩形板状のベース部と、前記ベース部の一方の面に膨出するように形成され、複数の小レンズを有するレンズ部とを備えたレンズアレイの製造方法であって、前記レンズアレイに応じた型が複数形成された成形型内に溶融光学材料を給材してプレス成形し、複数のレンズアレイが一体成形された成形体を形成するプレス成形工程と、成形後、前記成形型から脱型し、隣り合うレンズアレイの境界を折り割ることで分割する折割分割工程とを備え、前記成形型には、nは0または1とすると、2×(1+n)個の前記レンズアレイに応じた型が形成され、これらの型は、2行×(1+n)列でマトリクス状に配列され、前記プレス成形工程では、前記レンズアレイの折割分割される折割分割面以外の側面のうち少なくとも2つの側面を外形位置基準面としてプレス成形するとともに、光学的に機能するレンズ領域と、前記レンズ領域から前記レンズアレイの外側に延長したダミー領域とを有する前記レンズ部を形成し、少なくとも前記成形型の外縁側にてプレス成形する最外周小レンズに前記ダミー領域を形成することを特徴とする。
ここで、最外周小レンズとは、成形型に形成された型において、該成形型の外縁に沿った部分にて成形される小レンズである。
また、ダミー領域は、少なくとも最外周小レンズに形成されていればよく、レンズ部を構成する複数の小レンズのうち、外周部分に配列される小レンズの全てに形成してもよい。
本発明によれば、成形型には、レンズアレイに応じた型が複数形成され、レンズアレイの製造方法は、プレス成形工程と、折割分割工程とを備えている。このことにより、プレス成形工程にて溶融光学材料をプレス成形し、成形された成形体を折割分割工程にて複数のレンズアレイに分割することで、1つの成形型にて複数のレンズアレイを容易に成形できる。したがって、レンズアレイの大量生産に対応できかつ、レンズアレイのコスト低減を図れる。
例えば、レンズアレイを構成するベース部の4つの側面のうち、少なくとも1つの側面を折割分割工程にて分割される折割分割面とし、他の側面をプレス成形工程において成形型によって成形されるプレス加工面とする。
このような形状でレンズアレイを製造すれば、プレス加工面を外形位置基準面とすることで、従来のように、折り割りされた側面をさらに精密に成形する工程を設ける必要がなく、レンズアレイを容易に製造でき、レンズアレイのコスト低減を図れる。
また、このような形状でレンズアレイを製造すれば、成形型の形状を複雑化することがないので、成形型の製造コストに伴うレンズアレイの製造コストの増加も回避できる。
また、成形型には、上述したように2行×(1+n)列でマトリクス状に型が配列しているので、この成形型にてレンズアレイを成形すれば、少なくとも1つの折割分割面を有するレンズアレイを製造できる。したがって、この折割分割面以外の側面をプレス加工面とすることで、このプレス加工面を外形位置基準面として保持枠等により位置決めされた状態でレンズアレイを適切に保持させることができる。
また、レンズ部には、レンズ領域の他に、ダミー領域を有しているので、このような形状を採用することにより、レンズアレイをプレス成形する際に、成形型の外縁側にダレが生じた場合でも、ダレはダミー領域に生じることとなり、レンズ領域の精度を良好に確保できる。したがって、レンズアレイの製造不良を減らし、レンズアレイの製造コストの低減をさらに図れる。
さらに、ダミー領域を最外周小レンズにのみ形成することで、最低限の領域により、成形される複数のレンズアレイにおけるレンズ領域の精度を良好に確保できる。
本発明のレンズアレイの製造方法では、前記成形型には、光学的機能の異なる複数種類のレンズアレイに応じた型が形成されていることが好ましい。
本発明によれば、成形型には、光学的機能の異なる複数種類のレンズアレイに応じた型が形成されているので、光学的機能の異なる、例えば、第1レンズアレイおよび第2レンズアレイを1つの成形型にて同時に成形できる。
本発明のレンズアレイの製造方法では、前記2行×(1+n)列でマトリクス状に配列された型は、各行の境界線を通る平面に対して対称となるように形成されていることが好ましい。
また、本発明のレンズアレイの製造方法では、前記レンズアレイに応じた型は、4つ形成され、これらの型は、各型の境界線同士が交わる点を通る軸に対して180°の回転対称となるように形成されていることが好ましい。
また、本発明のレンズアレイの製造方法において、前記成形型には、2個の前記レンズアレイに応じた型が形成され、これらの型は、各行の境界線の中心を通る回転軸を中心として180°の回転対称となるように形成されていることが好ましい。
以上のように、型を境界線を通る平面若しくは特定の回転軸に対して対称となるように形成することによって、プレス加工時に溶融光学材料に加わる圧力が均等となりやすく、また、その結果、レンズの精度を高めることが可能となる。また、各型を対称となるように配列すれば、レンズアレイを保持枠等に固定する際に、同一方向で位置決めさせることが可能となる。
本発明のレンズアレイの製造方法では、前記プレス成形工程では、前記レンズ領域から前記レンズアレイの外側に0.5〜2.0mm延長された領域に前記ダミー領域を形成することが好ましい。
本発明によれば、ダミー領域は、レンズ領域から当該レンズアレイの外側に0.5〜2.0mm延長された領域であるので、ダミー領域を最適な範囲内とすることができ、レンズ領域の精度を良好に確保できる。
ここで、ダミー領域がレンズ領域から当該レンズアレイの外側に0.5mm未満の範囲で延長された領域である場合には、レンズアレイをプレス成形する際に成形型の外縁側にダレが生じると、レンズ領域にもダレによる影響が生じやすい。
また、ダミー領域がレンズ領域から当該レンズアレイの外側に2.0mmを超えて延長された領域である場合には、レンズアレイをプレス成形する際に成形型の外縁側にダレが生じても、レンズ領域の精度を良好に確保できる。しかしながら、ダミー領域が大きくなることにより、成形される溶融光学材料も多く必要とされ、レンズアレイのコスト低減を図りにくい。
なお、ダミー領域の長さ寸法は、上下左右方向でそれぞれ異なっていてもよい。例えば、ベース部の外縁からレンズ部の外縁までの長さが上下左右方向で異なる場合は、レンズアレイの成形時にレンズ部の外縁部分に生じるダレの程度も異なる。このような場合には、ダレの程度に応じて、上下左右方向の長さ寸法をそれぞれ異なる値に設定すると良い。
本発明のレンズアレイの製造方法では、前記プレス成形工程では、四隅角部分が面取りされた平面視略矩形状の前記レンズ部を形成するとともに、前記レンズ部の外周縁に、前記レンズ部の内側から外側に向かい、前記ベース部の前記一方の面に対して斜めに交わる斜面を形成することが好ましい。
ここで、斜面の形状としては、平面状であってもよく、または、曲面状であってもよい。
本発明によれば、レンズ部は、四隅角部分が面取りされた平面視略矩形状に形成され、その外周縁は斜面で形成されているので、このような形状を採用することにより、レンズアレイをプレス成形する際、溶融光学材料に成形型の成形面を良好に転写でき、レンズアレイを精度良く製造できる。
また、このような形状を採用することにより、レンズアレイを成形した後、成形型からレンズアレイを容易に脱型できる。
本発明のレンズアレイの製造方法では、前記プレス成形工程では、前記レンズ部を構成する複数の小レンズを互いの接続部分に段差が生じず連接するように形成することが好ましい。
ここで、互いの接続部分に段差を生じさせないように連接されている、とは、具体的には、レンズアレイ全体において、隣接する小レンズ間の段差がなるべく0に近くなるように、つまり、段差の平均値が極小となるように最適化された状態のことをいう。
本発明によれば、レンズ部を構成する複数の小レンズは、互いの接続部分に段差を生じさせないように連接されているので、このような形状を採用することにより、複数の小レンズが互いの接続部分に段差がある場合に比較して、レンズアレイをプレス成形する際、溶融光学材料に成形型の成形面を良好に転写でき、レンズアレイをさらに精度良く製造できる。
また、このような形状を採用することにより、レンズアレイを成形した後、成形型からレンズアレイをさらに容易に脱型できる。
本発明のレンズアレイの製造方法では、前記プレス成形工程では、前記複数の小レンズを形成する領域を囲み厚さの等しい平坦部を有する前記ベース部を形成するとともに、前記平坦部における前記折割分割面とされる端面に応じた位置に、前記平坦部から突出または没入する段部を形成することが好ましい。
本発明によれば、ベース部の平坦部には、段部が形成されているので、レンズアレイを保持枠等に保持させる際に、この段部を保持枠に位置決めする際の位置決め部として利用できる。例えば、折割分割面に形成された段部と折割分割面に対向するプレス加工面とでレンズアレイを位置決めでき、保持枠等にレンズアレイを適切に保持させることができる。
本発明のレンズアレイの製造方法では、前記プレス成形工程では、前記レンズアレイを側面から見た場合に、中央に位置する前記小レンズにおける前記ベース部から膨出する高さ寸法が他の前記小レンズの高さ寸法よりも大きく、前記複数の小レンズ全体として略円弧状となるように形成することが好ましい。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
〔プロジェクタの構成〕
図1は、本実施形態に係るプロジェクタ1の光学系を模式的に示す図である。
プロジェクタ1は、光源から射出された光束を、画像情報に応じて変調して光学像を形成し、スクリーン上に拡大投写する。このプロジェクタ1は、図1に示すように、照明光学装置としてのインテグレータ照明光学系10と、色分離光学系20と、リレー光学系30と、光学装置40と、投写光学装置としての投写レンズ50とを備えて構成される。そして、これらの光学部品10〜50は、図1に示すように、筐体として構成されるライトガイド2により所定の照明光軸A上に設置される。
インテグレータ照明光学系10は、照明光を複数の部分光束に分割するとともに、これら複数の部分光束を略1種類の偏光光束に揃えて射出し、光学装置40を構成する3枚の液晶パネル42(赤、緑、青の色光毎にそれぞれ液晶パネル42R,42G,42Bとする)の画像形成領域をほぼ均一に照明する。
なお、このインテグレータ照明光学系10の詳細な構成については、後述する。
色分離光学系20は、2枚のダイクロイックミラー21,22と、反射ミラー23とを備え、ダイクロイックミラー21,22によりインテグレータ照明光学系10から射出された複数の部分光束を赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の色光に分離する機能を有している。
リレー光学系30は、入射側レンズ31と、リレーレンズ33と、反射ミラー32,34とを備え、色分離光学系20で分離された色光である赤色光を液晶パネル42Rまで導く機能を有している。
この際、色分離光学系20のダイクロイックミラー21では、インテグレータ照明光学系10から射出された光束のうち、赤色光成分と緑色光成分とは透過し、青色光成分は反射する。ダイクロイックミラー21によって反射した青色光は、反射ミラー23で反射し、フィールドレンズ18を通って、青色用の液晶パネル42Bに到達する。このフィールドレンズ18は、インテグレータ照明光学系10から射出された各部分光束をその中心軸(主光線)に対して平行な光束に変換する。他の液晶パネル42G,42Rの光入射側に設けられたフィールドレンズ18も同様である。
また、ダイクロイックミラー21を透過した赤色光と緑色光のうちで、緑色光は、ダイクロイックミラー22によって反射し、フィールドレンズ18を通って、緑色用の液晶パネル42Gに到達する。一方、赤色光は、ダイクロイックミラー22を透過してリレー光学系30を通り、さらにフィールドレンズ18を通って、赤色光用の液晶パネル42Rに到達する。
ここで、赤色光にリレー光学系30が用いられているのは、赤色光の光路の長さが他の色光の光路長さよりも長いため、光の発散等による光の利用効率の低下を防止するためである。すなわち、入射側レンズ31に入射した部分光束をそのまま、フィールドレンズ18に伝えるためである。なお、リレー光学系30には、3つの色光のうちの赤色光を通す構成としたが、これに限らず、例えば、青色光を通す構成としてもよい。
光学装置40は、入射された光束を画像情報に応じて変調してカラー画像を形成する。この光学装置40は、図1に示すように、色分離光学系20で分離された各色光が入射される3つの入射側偏光板41と、各入射側偏光板41の後段に配置される光変調装置としての液晶パネル42(42R,42G,42B)と、各液晶パネル42の後段に配置される射出側偏光板43と、クロスダイクロイックプリズム44とを備える。
液晶パネル42は、一対の透明なガラス基板に電気光学物質である液晶を密閉封入したものであり、例えば、ポリシリコンTFTをスイッチング素子として、与えられた画像信号に従って、入射側偏光板41から射出された偏光光束の偏光方向を変調する。この液晶パネル42R,42G,42Bの変調を行う画像形成領域は、矩形状であり、その対角寸法は、例えば0.7インチである。
入射側偏光板41は、色分離光学系20で分離された各色光のうち、一定方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものであり、サファイアガラス等の基板に偏光膜が貼付されたものである。また、基板を用いずに、偏光膜をフィールドレンズ18に貼り付けてもよい。
射出側偏光板43も、入射側偏光板41と略同様に構成され、液晶パネル42(42R,42G,42B)から射出された光束のうち、所定方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものである。また、基板を用いずに、偏光膜をクロスダイクロイックプリズム44に貼り付けてもよい。
なお、これらの入射側偏光板41および射出側偏光板43は、互いの偏光軸の方向が直交するように設定されている。
そして、色分離光学系20で分離された各色光は、上述した3枚の液晶パネル42(42R,42G,42B)、入射側偏光板41、および射出側偏光板43によって画像情報に応じて変調されて光学像を形成する。
クロスダイクロイックプリズム44は、射出側偏光板43から射出され、各色光毎に変調された光学像を合成してカラー画像を形成するものである。このクロスダイクロイックプリズム44には、赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが、4つの直角プリズムの界面に沿って略X字状に設けられ、これらの誘電体多層膜により3つの色光が合成される。
投写レンズ50は、光学装置40により形成されたカラー画像をスクリーン上に拡大投写する。この投写レンズ50は、筒状の鏡筒内に複数のレンズが収納された組レンズとして構成され、複数のレンズの相対位置を変更可能に構成され、投写像のフォーカス調整、および倍率調整可能に構成されている。
〔インテグレータ照明光学系の構造〕
図2は、インテグレータ照明光学系10の構造を示す模式図である。
インテグレータ照明光学系10は、図2に示すように、光源装置11と、第1レンズアレイ12と、第2レンズアレイ13と、偏光変換装置14と、重畳レンズ15とを備える。
光源装置11は、光源ランプ16と、リフレクタ17とを備え、光源ランプ16から射出された放射状の光線をリフレクタ17で反射して平行光線とし、この平行光線を外部へと射出する。光源ランプ16には、高圧水銀ランプを採用している。なお、光源ランプ16としては、高圧水銀ランプ以外に、メタルハライドランプやハロゲンランプ等も採用できる。また、リフレクタ17には、放物面鏡を採用している。なお、リフレクタ17としては、放物面鏡の代わりに、平行化凹レンズおよび楕円面鏡を組み合わせたものを採用してもよい。
第1レンズアレイ12は、光軸方向から見てほぼ矩形状の輪郭を有する小レンズ122Aがマトリクス状に配列されたマルチレンズアレイである。各小レンズ122Aは、図2に示すように、光源ランプ16から射出される光束を、複数の部分光束に分割している。
なお、第1レンズアレイ12の詳細な構造については、後述する。
第2レンズアレイ13は、第1レンズアレイ12と略同様な構成を有しており、小レンズ132Aがマトリクス状に配列されたマルチレンズアレイである。この第2レンズアレイ13は、図2に示すように、重畳レンズ15とともに、第1レンズアレイ12の各小レンズ122Aの像を液晶パネル42の画像形成領域42A上に結像させる機能を有する。
なお、第2レンズアレイ13の詳細な構造については、後述する。
偏光変換装置14は、第2レンズアレイ13と重畳レンズ15との間に配置され、第2レンズアレイ13からの光を略1種類の偏光光に変換する。これにより、光学装置40での光の利用効率が高められている。具体的に、この偏光変換装置14は、図2に示すように、遮光マスク141と、偏光変換素子本体142とを備える。
遮光マスク141は、図2に示すように、偏光変換素子本体142の光束入射側に配置され、第2レンズアレイ13の小レンズ132Aに対応して、複数の開口部141Aが帯状に形成された板状部材である。そして、この遮光マスク141は、第2レンズアレイ13から射出された光束のうち、無効な偏光光を生成する光束、すなわち、後述する偏光変換素子本体142の反射膜143Bに入射する光束を遮断する。
偏光変換素子本体142は、入射する多種類のランダムな偏光光を有する光束を略1種類の直線偏光光に変換して射出する。この偏光変換素子本体142は、図2に示すように、入射光束に対して傾斜配置された複数の偏光分離膜143A、各偏光分離膜143Aの間に交互に並行配置された反射膜143B、および、これらの偏光分離膜143Aおよび反射膜143Bの間に介在配置された板ガラス143Cを有する偏光変換素子アレイ143と、この偏光変換素子アレイ143の光束射出側に設置され、入射光束の位相をπずらす位相差板144とを備える。
そして、第2レンズアレイ13から射出される複数の部分光束が偏光変換装置14に入射されると、遮光マスク141にて無効な偏光光を生成する光束が遮断され、偏光変換素子アレイ143の偏光分離膜143AにてP偏光光およびS偏光光に分離される。すなわち、P偏光光は偏光分離膜143Aを透過し、S偏光光は偏光分離膜143Aで反射して光路が略90°偏向される。偏光分離膜143Aで反射したS偏光光は、反射膜143Bで反射され、再度、光路が略90°偏向され、偏光変換装置14への入射方向と略同一方向に進む。また、偏光分離膜143Aを透過したP偏光光は、位相差板144に入射し、位相をπずらされてS偏光光として射出される。したがって、偏光変換装置14から射出される光束は、略1種類のS偏光光となる。
重畳レンズ15は、第1レンズアレイ12、第2レンズアレイ13、および偏光変換装置14を経た複数の部分光束を集光して液晶パネル42(42R,42G,42B)の画像形成領域42A上に重畳させる光学素子である。そして、この重畳レンズ15から射出された光束は、色分離光学系20に射出される。
〔第1レンズアレイ12の構造〕
図3は、第1レンズアレイ12の構造を示す図である。具体的に、図3(A)は第1レンズアレイ12を正面から見た図であり、図3(B)は第1レンズアレイ12を側方から見た図であり、図3(C)は第1レンズアレイ12を上方から見た図である。
第1レンズアレイ12は、溶融光学材料である溶融ガラスの塊(ゴブとも呼ばれる)を後述する成形型でプレス成形することにより製造された成形品である。この第1レンズアレイ12は、図3に示すように、ベース部121と、レンズ部122とを備える。
ベース部121は、略矩形状の板体として形成され、一方の面がレンズ部122が形成されるレンズ面121Aとされ、他方の面は略平坦状の反レンズ面121Bとされている。また、詳しくは後述するが、第1レンズアレイ12は、後述する成形型により多数個取りされるものであり、ベース部121の4つの側面のうち、少なくとも1つの側面は、他の第1レンズアレイ12と分割される後述する折割分割面とされる。
レンズ部122は、ベース部121におけるレンズ面121Aの略中央部分に膨出するように形成され、光源装置11から射出された光束を複数の部分光束に分割する複数の小レンズ122Aで構成されている。
これら複数の小レンズ122Aは、レンズ面121A上において、マトリクス状(行を横一並びの要素、列を縦一並びの要素とすると6行×4列)に配列形成されている。また、各小レンズ122Aは、図3(B),(C)に示すように、断面略円弧状に形成され、互いの接続部分に段差を生じさせないように連接されている。具体的には、レンズアレイ全体において、隣接する小レンズ122A間の段差がなるべく0に近くなるように、つまり、段差の平均値が極小となるように最適化されている。
このレンズ部122において、縦一並びの小レンズ122Aは、図3(B)に示すように、ベース部121から最も膨出する高さ寸法が略同一となるように形成されている。そして、図3(C)に示すように、レンズ部122における4列のうちの中央の2列の小レンズ122Aの上記高さ寸法が左右の2列の小レンズ122Aの上記高さ寸法よりも大きく、全体として略円弧状に形成されている。
また、このレンズ部122において、略中央部分の矩形領域(図3(A)中、破線で示す領域)は、入射光束を光学的に処理するレンズ領域122Bとして機能し、レンズ領域122Bからレンズ部122の外周側に延長した領域は、光束が照射されないダミー領域122Cとされる。すなわち、このダミー領域122Cは、レンズ部122を構成する複数の小レンズ122Aのうち、最外周に配置される16個の最外周小レンズ122A1の外周部分に形成されている。このダミー領域122Cは、平面的に見た長さ寸法Lが0.5〜2.0mmの範囲であることが好ましい。なお、本実施形態では、上下左右方向の長さ寸法Lが、全てほぼ同一となっているが、これらは異なっていてもよい。例えば、ベース部の外縁からレンズ部の外縁までの長さが上下左右方向で異なる場合は、レンズアレイの成形時にレンズ部の外縁部分に生じるダレの程度も異なる。このような場合には、ダレの程度に応じて、上下左右方向の長さ寸法をそれぞれ異なる値に設定すると良い。
さらに、このレンズ部122において、ダミー領域122Cの外縁部分、すなわち、最外周小レンズ122A1の他の小レンズ122Aと隣接しない側面は、ベース部121のレンズ面121Aと直交する平面に対してレンズ部122の内部側に傾斜する斜面122Dで形成されている。この斜面122Dにより、レンズ部122は、ベース部121との境界部分から内部側に向かうにしたがって、ベース部121のレンズ面121Aからの膨出する寸法が大きくなっている。
なお、この斜面122Dとしては、平面状で形成してもよく、曲面状で形成してもよい。
さらにまた、このレンズ部122において、四隅角部分に位置する4つの最外周小レンズ122A1の他の小レンズ122Aと交差しない角部分は、面取りされたコバ面122E(図3(A))となっている。このコバ面122Eにより、レンズ部122における四隅角部分でも、上述した斜面122Dと同様に、ベース部121との境界部分から内部側に向かうにしたがって、ベース部121のレンズ面121Aから膨出する寸法が大きくなっている。
以上説明したレンズ部122の形状では、図3に示す平面Xおよび平面Yに対して対称となる。
〔第2レンズアレイ13の構造〕
図4は、第2レンズアレイ13の構造を示す図である。具体的に、図4(A)は第2レンズアレイ13を正面から見た図であり、図4(B)は第2レンズアレイ13を側方から見た図であり、図4(C)は第2レンズアレイ13を上方から見た図である。
第2レンズアレイ13は、第1レンズアレイ12と同様に、溶融光学材料である溶融ガラスの塊を後述する成形型でプレス成形することにより製造された成形品である。この第2レンズアレイ13は、第1レンズアレイ12の構造と略同様な構造を有し、図4に示すように、第1レンズアレイ12を構成するベース部121およびレンズ部122に相当する、ベース部131およびレンズ部132を備える。
ベース部131は、第1レンズアレイ12を構成するベース部121と同様の形状を有し、レンズ面131Aおよび反レンズ面131Bを有している。また、詳しくは後述するが、第2レンズアレイ13は、第1レンズアレイ12と同様に、後述する成形型により多数個取りされるものであり、ベース部131の4つの側面のうち、少なくとも1つの側面は、他の第2レンズアレイ13と分割される折割分割面とされる。
レンズ部132も、第1レンズアレイ12を構成するレンズ部122と略同様の構成および形状を有し、小レンズ122A(最外周小レンズ122A1を含む)、レンズ領域122B、ダミー領域122C、斜面122D、およびコバ面122Eに相当する、小レンズ132A(最外周小レンズ132A1を含む)、レンズ領域132B、ダミー領域132C、斜面132D、およびコバ面132Eを有している。
このレンズ部132において、該レンズ部132における6行のうちの中央の2行の小レンズ132Aは、図4(B)に示すように、ベース部131から最も膨出する高さ寸法が他の行の小レンズ132Aの上記高さ寸法よりも高く、上下の行に向かうにしたがって上記高さ寸法が低くなり、全体として略円弧状に形成されている。また、横一並びの小レンズ132Aは、図4(C)に示すように、上記高さ寸法が略同一となるように形成されている。
〔レンズアレイ12,13を製造するための成形型の構造〕
次に、上述した第1レンズアレイ12および第2レンズアレイ13をプレス成形する際に用いる成形型60の構造を図面に基づいて説明する。なお、以下では、第1レンズアレイ12をプレス成形する際に用いる成形型60の構造を説明する。第2レンズアレイ13をプレス成形する際に用いる成形型60も略同様の構造であるとする。
図5は、成形型60の構造を示す断面図である。具体的に、図5は、成形型60を側方から見た断面図である。
成形型60は、第1レンズアレイ12を2個取りする成形型であり、図5に示すように、固定される固定型61と、この固定型61に対して進退自在に構成される可動型62とを備える。そして、固定型61および可動型62が組み合わされた状態で、その内部にキャビティが形成され、このキャビティ内に溶融光学材料を封入することで第1レンズアレイ12が2つ成形される。なお、成形型60の内部には、図示は省略するが、キャビティに封入された溶融光学材料を冷却して硬化させるための温度制御機構が設けられている。
固定型61は、略矩形状の板体であり、その上面が第1レンズアレイ12の2つに共通するベース部121の反レンズ面121Bを形成する成形面として機能する。
可動型62は、略矩形状の板体であり、平面視略中央部分に凹部621が形成されている。
凹部621には、第1レンズアレイ12の形状に相当する2つの型が形成され、その内面が第1レンズアレイ12におけるベース部121のレンズ面121A、ベース部121の4つの側面のうちの3つの側面、および第1レンズアレイ12のレンズ部122をそれぞれ形成する成形面621Aとして機能する。
図6は、可動型62の成形面621Aを模式的に示す図である。なお、図6では、第1レンズアレイ12の形状に相当する2つの型の上下左右方向を説明するために、第1レンズアレイ12の形状に相当する型を簡略化して「A」の文字としている。
成形面621Aは、図6に示すように、第1レンズアレイ12の形状に相当する2つの型621A1,621A2で構成される。
これらの2つの型621A1,621A2は、マトリクス状(2行×1列)で配列形成されるとともに、各行の境界線を通る平面Oを中心として対称形状となるように配列形成されている。すなわち、型621A1および型621A2は、上下または左右方向が逆となっている。
また、これらの型621A1,621A2の各境界部分には、突出部621B(図5)が形成されている。この突出部621Bは、成形型60にて成形された2つの第1レンズアレイ12の境界部分に、2つの第1レンズアレイ12を分割可能とする後述する凹部を形成するものである。すなわち、この突出部621Bに当接した第1レンズアレイ12におけるベース部121の1つの側面が折割分割面とされ、図6に示す成形面621Aの4側面に当接した第1レンズアレイ12におけるベース部121の3つの側面がプレス加工面とされる。
なお、説明は省略するが、第2レンズアレイ13を2個取りする成形型60の構造も上記と同様の構造であり、この成形型60の成形面621Aを図7に示す。図7では、上述した第1レンズアレイ12の形状に相当する2つの型を「A」の文字としたのと同様に、第2レンズアレイ13の形状に相当する2つの型を「B」の文字としている。
〔レンズアレイ12,13の製造方法〕
次に、上述した成形型60を用いて、第1レンズアレイ12を製造する手順を図面に基づいて説明する。なお、第2レンズアレイ13を製造する手順も同様のものとする。
図8は、第1レンズアレイ12を製造する手順を示す図である。
先ず、図8(A)に示すように、作業者は、成形型60における固定型61および可動型62を開いた状態で、固定型61の上面に溶融ガラスGを載置する。なお、この溶融ガラスGは、棒状のガラス材の表面を研磨したものを加熱して溶融させたものを採用する。
次に、図8(B)に示すように、作業者は、成形型60における可動型62を固定型61に対して近接する方向に移動させ、固定型61および可動型62を型締めし、プレス成形を実施する。
そして、溶融ガラスGが固定型61および可動型62内のキャビティ内で十分冷却され硬化した後、図8(C)に示すように、可動型62を固定型61に対して離間する方向に移動させ、成形型60から脱型する。さらに詳しくは、溶融ガラスGは、可動型62に付着した状態で脱型し、可動型62が冷却されると、レンズアレイとして、離型し、型から自然落下する。
この後、成形型60の突出部621Bと当接して形成された凹部123(図8(C))を中心として、隣接する第1レンズアレイ12をそれぞれ折り割りによって分割する。すなわち、第1レンズアレイ12における分割された側面が折割分割面121Cであり、この折割分割面121C以外の3つの側面面がプレス加工面121Dである。
以上のような手順により、第1レンズアレイ12が製造される。
上述した製造手順により製造された第1レンズアレイ12は、図示しない保持枠により保持される。この際、第1レンズアレイ12は、ベース部121における4つの側面のうち、折割分割面121C以外の3つのプレス加工面121Dを外形位置基準面として位置決めされた状態で図示しない保持枠に保持される。そして、第1レンズアレイ12は、図示しない保持枠により、上述したライトガイド2内の所定の照明光軸A上に設置される。
〔第1実施形態の効果〕
上述した第1実施形態によれば、以下の効果がある。
(1)第1レンズアレイ12を製造するための成形型60には、第1レンズアレイ12の形状に相当する2つの型621A1,621A2が形成され、この成形型60により成形される第1レンズアレイ12を構成するベース部121の1つの側面は、折割分割面121Cとされる。このことにより、この成形型60を用いて溶融ガラスGをプレス成形し、成形された成形体を折割分割面121Cにて分割すれば、1つの成形型60にて2つの第1レンズアレイ12を容易に製造できる。したがって、第1レンズアレイ12の大量生産に対応できかつ、第1レンズアレイ12のコスト低減を図れる。また、同様の構造を有する成形型60にて第2レンズアレイ13も製造でき、第2レンズアレイ13の大量生産にも対応できかつ、第2レンズアレイ13のコスト低減も図れる。
(2)第1レンズアレイ12を構成するベース部121の4つの側面のうち、1つの側面は折割分割面121Cとされる。すなわち、折割分割面以外の3つの側面は、成形型60によって成形されるプレス加工面121Dとされる。したがって、このプレス加工面121Dを外形位置基準面とし、保持枠等に位置決めした状態で保持させれば、従来のように、折り割りされた側面をさらに精密に成形する必要がなく、第1レンズアレイ12を製造する手間が省け、第1レンズアレイ12のコスト低減を図れる。また、第2レンズアレイ13も同様である。
(3)第1レンズアレイ12および第2レンズアレイ13を上述した形状とすることで、成形型60の形状を複雑化することがないので、成形型60の製造コストに伴う第1レンズアレイ12および第2レンズアレイ13の製造コストの増加も回避できる。
(4)第1レンズアレイ12および第2レンズアレイ13を構成するレンズ部122,132には、レンズ領域122B,132Bの他に、ダミー領域122C,132Cを有している。このような形状を採用することにより、第1レンズアレイ12および第2レンズアレイ13をプレス成形する際に、成形型60の外縁側にダレが生じた場合でも、ダレはダミー領域122C,132Cに生じることとなり、レンズ領域122B,132Bの精度を良好に確保できる。したがって、第1レンズアレイ12および第2レンズアレイ13の製造不良を減らし、第1レンズアレイ12および第2レンズアレイ13の製造コストの低減をさらに図れる。
(5)ダミー領域122C,132Cは、レンズ領域122B,132Bからレンズアレイ12,13の外側に0.5〜2.0mmの範囲で延長された領域であるので、ダミー領域122C,132Cを最適な範囲内とすることができ、レンズ領域122B,132Bの精度を良好に確保できる。
(6)第1レンズアレイ12および第2レンズアレイ13のレンズ部122,132の外縁部分は、斜面122D,132Dおよびコバ面122E,132Eが形成されている。このような形状を採用することにより、レンズアレイ12,13をプレス成形する際、溶融光学材料に成形型60の成形面621Aを良好に転写でき、レンズアレイ12,13を精度良く製造できる。また、このような形状を採用することにより、レンズアレイ12,13を成形した後、成形型60からレンズアレイ12,13を容易に脱型できる。
(7)レンズ部122,132を構成する各小レンズ122A,132Aは、断面略円弧状に形成され、隣接する小レンズ122A間および小レンズ132A間の段差は、略0となるように連接されている。このような形状を採用することにより、小レンズが互いの接続部分に段差がある場合に比較して、レンズアレイ12,13をプレス成形する際、溶融ガラスGに成形型60の成形面621Aを良好に転写でき、レンズアレイ12,13をさらに精度良く製造できる。また、このような形状を採用することにより、レンズアレイ12,13を成形した後、成形型60からレンズアレイ12,13をさらに容易に脱型できる。
(8)成形型60の成形面621Aには、型621A1,621A2が形成され、これら型621A1,621A2は、2行×1列のマトリクス状に配列形成されるとともに、各行の境界線を通る平面Oに対して対称となるように配列形成されている。このことにより、この成形型60にて成形される2つの第1レンズアレイ12において、各ベース部121の4つの側面のうち、折割分割面121Cを下方側の各側面に形成できる。すなわち、2つの第1レンズアレイ12において、各ベース部の4つの側面のうち、上側、左側、および右側の3つの各側面にプレス加工面121Dを形成できる。したがって、第1レンズアレイ12を保持枠等に保持させる場合には、3つの共通の各側面に形成されたプレス加工面121Dを外形位置基準面として、2つの第1レンズアレイ12を各保持枠に対して同一方向で位置決めさせることができる。また、第2レンズアレイ13も同様である。
(9)成形型60にて製造される2つの第1レンズアレイ12には、ベース部121の4つの側面のうち、3つの側面がプレス加工面121Dとなるので、3つの側面を外形位置基準面とすることができ、第1レンズアレイ12を保持枠等に適切に位置決めさせることができる。また、第2レンズアレイ13も同様である。
(10)インテグレータ照明光学系10は、上述した第1レンズアレイ12、および第2レンズアレイ13を含んで構成されているので、インテグレータ照明光学系10自体のコストも低減できる。
(11)プロジェクタ1は、上述したインテグレータ照明光学系10を含んで構成されているので、プロジェクタ1自体のコストも低減できる。
[第2実施形態]
次に本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。
以下の説明では、前記第1実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
第1実施形態では、成形型60における可動型62の成形面621Aには、第1レンズアレイ12の形状に相当する2つの型621A1,621A2が形成されている。
これに対して第2実施形態では、成形型70における可動型72の成形面721Aには、第1レンズアレイ12の形状に相当する型と、第2レンズアレイ13の形状に相当する型が形成されている。その他の構成は、第1実施形態と同様である。
図9は、第2実施形態における可動型72の成形面721Aを模式的に示す図である。なお、図9に示す「A」および「B」の文字は、図6および図7で説明した文字「A」および「B」と同様の意味を持つ。
成形面721Aは、図9に示すように、第1レンズアレイ12の形状に相当する型721A1と、第2レンズアレイ13の形状に相当する型721A2とで構成される。
これらの2つの型721A1,721A2は、図9に示すように、マトリクス状(2行×1列)で配列形成されるとともに、上下または左右方向が逆になるように配列形成される。
また、図示は省略するが、これらの型721A1,721A2の各境界部分には、第1実施形態で説明した突出部621Bと同様の突出部が形成され、この突出部により、成形型70にて成形された2つのレンズアレイ12,13の境界部分に凹部が形成され、この凹部を中心として2つのレンズアレイ12,13を折り割りにより分割可能とする。すなわち、この突出部に当接するレンズアレイ12,13におけるベース部121,131の1つの側面が折割分割面となる。
なお、この成形型70を用いたレンズアレイ12,13の製造手順、および製造されたレンズアレイ12,13の図示しない保持枠による保持は、第1実施形態と同様に実施でき、説明を省略する。
〔第2実施形態の効果〕
上述した第2実施形態によれば、上記(2)〜(7)、(9)〜(11)と略同様の効果の他、以下の効果がある。
(12)成形型70の成形面721Aには、第1レンズアレイ12の形状に相当する型721A1および第2レンズアレイ13の形状に相当する型721A2の2つの型が形成され、この成形型70により成形されるレンズアレイ12,13を構成するベース部121,131の1つの側面は、折割分割面とされる。このことにより、この成形型70を用いて溶融ガラスGをプレス成形し、成形された成形体を折割分割面にて分割すれば、1つの成形型60にて第1レンズアレイ12および第2レンズアレイ13を同時に製造できる。したがって、第1レンズアレイ12および第2レンズアレイ13の大量生産に対応できかつ、第1レンズアレイ12および第2レンズアレイ13のコスト低減を図れる。
(13)成形面721Aにおいて、型721A1,721A2は、互いに上下または左右が逆となるように配列されているので、この成形体にて成形されるレンズアレイ12,13の各ベース部121,131の下方側の各側面を折割分割面とし、上側、左側、および右側の3つの各側面をプレス加工面とすることができる。したがって、第1レンズアレイ12および第2レンズアレイ13を保持枠等に保持させる場合には、3つの上下左右方向を共通とする3つのプレス加工面を外形位置基準面として、2つの第1レンズアレイ12および第2レンズアレイ13を各保持枠に対して同一方向で位置決めさせることができ、第1レンズアレイ12および第2レンズアレイ13の光軸合わせを容易に実施できる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態を図面に基づいて説明する。
以下の説明では、前記第1実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
第1実施形態および第2実施形態では、成形型60,70は、第1レンズアレイ12および/または第2レンズアレイ13を2個取りするものである。
これに対して第3実施形態では、成形型80は、第1レンズアレイ12および/または第2レンズアレイ13を6個取りするものである。その他の構成は、第1実施形態と同様である。
図10は、第3実施形態における成形型80の可動型82の成形面821Aを模式的に示す図である。なお、図10では、第1レンズアレイ12を6個取りする際の成形型80を示し、図10に示す「A」の文字は、図6で説明した文字「A」と同様の意味を持つ。
成形面821Aは、図10に示すように、第1レンズアレイ12の形状に相当する6つの型821A1〜821A6で構成される。
これら6つの型821A1〜821A6は、マトリクス状(2行×3列)で配列形成されるとともに、各行の境界線を通る平面Oを中心として対称形状となるように配列形成されている。具体的に、型821A1〜821A3は、上下左右方向が同一であり、これら型821A1〜821A3に対して、型821A4〜821A6は、それぞれ、上下または左右方向が逆となっている。
また、図示は省略するが、これらの型821A1〜821A6の各境界部分には、第1実施形態で説明した突出部621Bと同様の突出部が形成され、この突出部により、成形型80にて成形された6つの第1レンズアレイ12の境界部分に凹部が形成され、この凹部を中心として折り割りすることで6つの第1レンズアレイ12をそれぞれ分割可能とする。すなわち、この突出部に当接した第1レンズアレイ12におけるベース部121の側面が折割分割面とされ、図10に示す成形面821Aの4側面に当接した第1レンズアレイ12におけるベース部121の側面がプレス加工面とされる。本実施形態では、成形面821Aにおける1列目および3列目において成形された第1レンズアレイ12におけるベース部121には、2つの折割分割面および2つのプレス加工面が形成され、中央の2列目において成形された第1レンズアレイ12におけるベース部121には、3つの折割分割面および1つのプレス加工面が形成される。
さらに、成形面821Aにおける各行の境界部分であって、型821A1と型821A4との間、型821A2と型821A5との間、および型821A3と型821A6との間には、平面視矩形状の段部としての凸部821Bが形成されている。
なお、この成形型80を用いた第1レンズアレイ12の製造手順は、第1実施形態と同様に実施でき、説明を省略する。
図11は、成形型80により製造された第1レンズアレイ12を示す図である。具体的に、図11(A)は、第1レンズアレイ12を正面から見た図であり、図11(B)は、第1レンズアレイ12を下方から見た図である。なお、図11に示す第1レンズアレイ12は、成形型80により成形された6つの第1レンズアレイ12のうち、型821A2により成形されたものであり、ベース部121の下方側端面が折割分割面121Cであり、上方側端面がプレス加工面121Dである。
成形型80により製造された第1レンズアレイ12には、図11に示すように、成形型80における成形面821Aに形成された凸部821Bにより、ベース部121のレンズ面121A上に折割分割面121Cに沿って略三角形状の凹部121Eが形成される。
そして、成形型80により製造された第1レンズアレイ12は、図示しない保持枠により、折割分割面121Cに沿って形成された凹部121Eがチャックされ、該折割分割面121Cと対向するプレス加工面121Dが外形位置基準面として位置決めされた状態で保持され、上述したライトガイド2内の所定の照明光軸A上に設置される。
なお、説明は省略するが、第2レンズアレイ13を6個取りする成形型80の構造も上記と同様の構造であり、この成形型80の成形面821Aを図12に示す。図12に示す「B」の文字は、図7で説明した文字「B」と同様の意味を持つ。
〔第3実施形態の効果〕
上述した第3実施形態によれば、上記(3)〜(7)、(10)、(11)と略同様の効果の他、以下の効果がある。
(14)第1レンズアレイ12を製造するための成形型80には、第1レンズアレイ12の形状に相当する6つの型821A1〜821A6が形成され、この成形型80により成形される第1レンズアレイ12を構成するベース部121の2つまたは3つの側面は、折割分割面121Cとされる。このことにより、この成形型80を用いて溶融ガラスGをプレス成形し、成形された成形体を折割分割面121Cにて分割すれば、1つの成形型80にて6つの第1レンズアレイ12を容易に製造できる。したがって、第1レンズアレイ12の大量生産に確実に対応できかつ、第1レンズアレイ12のさらなるコスト低減を図れる。また、同様の構造を有する成形型80にて第2レンズアレイ13も製造でき、第2レンズアレイ13の大量生産にも確実に対応できかつ、第2レンズアレイ13のさらなるコスト低減も図れる。
(15)型821A1〜821A6は、2行×3列のマトリクス状に配列形成されるとともに、各行の境界線を通る平面Oに対して対称となるように配列形成される。このため、成形型80により製造される6つの第1レンズアレイ12は、各ベース部121の上方の側面がプレス加工面121Dとなり、下方の側面が折割分割面121Cとなる。また、成形型80における成形面821Aには、各行の境界部分に凸部821Bが形成され、この凸部821Bにより、第1レンズアレイ12には、ベース部121のレンズ面121A上に折割分割面121Cに沿って凹部121Eが形成される。このことにより、成形された6つの第1レンズアレイ12において、1つの側面のみが外形位置基準面とするプレス加工面121Dとなる第1レンズアレイ12があった場合であっても、折割分割面121Cに形成された凹部121Eをチャックして、折割分割面121Cと対向するプレス加工面121Dを保持枠等に押し付けることで、保持枠等に第1レンズアレイ12を適切に保持させることができる。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態を図面に基づいて説明する。
以下の説明では、前記第1実施形態ないし前記第3実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
前記第3実施形態では、成形型80は、第1レンズアレイ12または第2レンズアレイ13の形状に相当する6つの型が形成されている。
これに対して第4実施形態では、成形型90における可動型92の成形面921Aには、第1レンズアレイ12の形状に相当する3つの型と、第2レンズアレイ13の形状に相当する3つの型が形成されている。
図13は、第4実施形態における成形型90の可動型92の成形面921Aを模式的に示す図である。なお、図13に示す「A」および「B」の文字は、図6および図7で説明した文字「A」および「B」と同様の意味を持つ。
成形面921Aは、図13に示すように、第1レンズアレイ12の形状に相当する3つの型921A1,921A3,921A5、および第2レンズアレイ13の形状に相当する3つの型921A2,921A4,921A6で構成される。
これら6つの型921A1〜921A6は、第3実施形態の型821A1〜821A6と同様に、マトリクス状(2行×3列)で配列形成されるとともに、図13に示すように、隣り合う型が異なる種類の型となるように配列形成されている。また、隣接する型921A1,921A2,921A4,および921A5の4つの型、および型921A2,921A3,921A5,および921A6の4つの型は、各4つの型の境界線が互いに交差する点を通る回転軸Ax1,Ax2にて180°の回転対称となるようにそれぞれ配列形成されている。
なお、その他の構成は第3実施形態と同様であり、また、この成形型90を用いたレンズアレイ12,13の製造手順、および製造されたレンズアレイ12,13の図示しない保持枠による保持は、第3実施形態と同様に実施でき、説明を省略する。
〔第4実施形態の効果〕
上述した第4実施形態によれば、上記(3)〜(7)、(10)、(11)、(15)と略同様の効果の他、以下の効果がある。
(16)成形型90には、第1レンズアレイ12の形状に相当する3つの型921A1,921A3,921A5、および第2レンズアレイ13の形状に相当する3つの型921A2,921A4,921A6が形成され、レンズアレイ12,13の2つの側面は、折割分割面とされる。このことにより、この成形型90を用いて溶融ガラスGをプレス成形し、成形された成形体を折割分割面にて分割すれば、1つの成形型90にて3つの第1レンズアレイ12および3つの第2レンズアレイ13を容易に製造できる。したがって、第1レンズアレイ12および第2レンズアレイ13の大量生産に確実に対応できかつ、第1レンズアレイ12および第2レンズアレイ13のさらなるコスト低減を図れる。
(17)型921A1〜921A6は、マトリクス状(2行×3列)で配列形成されるとともに、隣り合う型が異なる種類の型となるように配列形成されている。また、隣接する4つの型は、境界線が互いに交差する点を通る回転軸Ax1,Ax2にて180°の回転対称となるようにそれぞれ配列形成されている。このことにより、成形型90により成形された同一種類の各レンズアレイ12,13において、各ベース部121,131の4つの側面のうち、上方の側面をプレス加工面とし、下方の側面を折割分割面とすることができる。したがって、同一種類のレンズアレイ12,13を同一方向で保持枠等に位置決めさせることができる。
〔実施形態の変形〕
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の改良並びに設計の変更が可能である。
前記各実施形態では、第1レンズアレイ12および/または第2レンズアレイ13を2個(2行×1列)取り、および6個(2行×3列)取りする成形型60,70,80,90を説明したが、これに限らない。本発明では、nは0を含む自然数とすると、2×(1+n)個のレンズアレイの型が形成され、これらの型が2行×(1+n)列で配列していればよい。
例えば、図14は、4個のレンズアレイを成形する成形型100における可動型102の成形面102Aを模式的に示す図である。具体的に、図14(A)は第1レンズアレイ12を4個取りする成形型100の成形面102Aを示し、図14(B)は第2レンズアレイ13を4個取りする成形型100の成形面102Aを示し、図14(C)は、第1レンズアレイ12および第2レンズアレイ13を2個ずつで4個取りする成形型100の成形面102Aを示す。
同一種類のレンズアレイ12または13を製造する場合の例を、図14(A),(B)に示す。この例では、成形型100において、型102A1〜102A4は、各行の境界線を通る平面Oを中心として対称となるように配列形成されている。
また、異なる種類の第1レンズアレイ12および第2レンズアレイ13を製造する場合の例を、図14(C)に示す。この例では、成形型100において、隣り合う型は、異なる型となるように配列形成されるとともに、隣接する4つの型102A1〜102A4の境界線が互いに交差する点を通る回転軸Axにて180°の回転対称となるように配列形成されている。
また、例えば、図15は、8個以上のレンズアレイを形成する成形型110における可動型112の成形面112Aを模式的に示す図である。
各型は、各行の境界線を通る平面Oを中心として対称となるように配列形成してもよいし、境界線が互いに交差する点を通る回転軸Ax1,Ax2,Ax3・・・にて180°の回転対称となるように配列形成してもよい。つまり、各型は、対称となるように配列した方が、プレス加工時に溶融ガラスGに加わる圧力が均等となりやすく、また、その結果、レンズの精度を高めることが可能となる。また、各型を対称となるように配列すれば、レンズアレイを保持枠等に固定する際に、同一方向で位置決めさせることが可能となる。
また、このように8個以上のレンズアレイを形成する場合には、図15に示すように、第3実施形態で説明した凸部821Bと同様の配置位置および構造を有する凸部112Bを成形面112Aに形成する。そして、図示しない保持枠により、凸部112Bにより形成されるレンズアレイの凹部をチャックさせ、この凹部と対向する面であるプレス加工面を外形位置基準面として位置決めした状態でレンズアレイを保持させる。また、図14に示す4個のレンズアレイを成形する成形型100の成形面102Aにも、同様の凸部を形成してもよい。
なお、各型を、各行の境界線を通る平面Oを中心として対称となるように配列形成してもよいし、境界線が互いに交差する点を通る回転軸Ax1,Ax2,Ax3・・・にて180°の回転対称となるように配列形成してもよいということは、第3、第4実施形態並びに図14(A)〜(C)を用いて説明した変形例についても言えることである。
さらに、第1、第2実施形態については、各型が、各行の境界線を通る平面Oを中心として対称となるように配列形成されていたが、各行の境界線の中心を通る回転軸を中心として180°の回転対称となるように配列形成してもよい。
前記各実施形態では、第1レンズアレイ12および第2レンズアレイ13には、それぞれ最外周小レンズ122A1,132A1に沿って、ダミー領域122C,132Cが形成されていたが、これに限らない。例えば、成形面621A,721A,821A,921Aにおいて、ダミー領域を形成する部分は、少なくともそれぞれの成形面621A,721A,821A,921Aにおける4つの側面に沿った部分に設けておけばよい。少なくともこの部分に形成しておけば、プレス成形時に成形面の外縁側にダレが生じた場合でも、複数のレンズアレイにおける各レンズ領域を高精度に確保でき、最小限のダミー領域で高精度なレンズアレイを製造できる。
前記第3実施形態では、第1レンズアレイ12を6個取りする際、可動型82の成形面821Aに凸部821Bを形成していたが、これに限らない。例えば、固定型61の上面である成形面に凸部を形成してもよい。なお、第2レンズアレイ13を6個取りする場合、第4実施形態における第1レンズアレイ12および第2レンズアレイ13をそれぞれ3個ずつで6個取りする場合も同様とする。
図16は、固定型61の成形面に凸部を形成した場合に成形された第1レンズアレイ12を下方から見た図である。なお、図16において、第1レンズアレイ12の下方側側面を折割分割面121Cとする。
固定型61の成形面に凸部が形成された場合には、図16に示すように、第1レンズアレイ12におけるベース部121の反レンズ面121B上に折割分割面121Cに沿って、凹部121Fが形成される。そして、この凹部121Fが形成された第1レンズアレイ12は、第3実施形態と略同様に、凹部121Fおよびこの凹部121Fと対向するプレス加工面とで位置決めされた状態で図示しない保持枠に保持される。
また、このように固定型61または可動型82の成形面に凸部を形成するのではなく、凹部を形成してもよい。この場合、凹部が形成された成形面にて成形された第1レンズアレイ12には、凹部に対応する凸部が形成される。そして、この凸部が形成された第1レンズアレイ12は、この凸部およびこの凸部と対向するプレス加工面とで位置決めされた状態で図示しない保持枠に保持される。
なお、第1レンズアレイ12と第2レンズアレイ13の位置合わせを、所定のセル間を透過する光束によって光学的に行う方法を採用すれば、前記の凹部、凸部はなくても対応可能となる。また、この場合は、プレス加工面の精度も粗い精度でよくなる。
前記各実施形態において、第1レンズアレイ12および第2レンズアレイ13の構成および形状は、上述した各実施形態に限らない。
例えば、複数の小レンズ122A,132Aを行と列の数が一致するように形成してもよい。このような構成では、レンズアレイ12,13の成形をさらに容易に実施でき、製造コストの低減をさらに図れる。
また、例えば、コバ面122E,132Eがベース部121,131のレンズ面121A,131Aから最も膨出する高さ寸法を、各小レンズ122A,132Aがレンズ面121A,131Aから最も膨出する高さ寸法よりも大きくなるように形成してもよい。
前記各実施形態において、成形面621A,721A,821A,921Aにおいて、形成される各型の配置方向は、各実施形態で説明した配置方向に限らず、その他の配置方向で各型を形成してもよい。
また、前記第1実施形態ないし前記第4実施形態、および上述した各実施形態の変形においては、第2レンズアレイ13と重畳レンズ15とが独立して用いられていたが、これらの機能を1つのレンズアレイによって実現してもよい。この場合のレンズアレイは、偏光変換装置14の光束入射側または光束射出側に配置できる。このレンズアレイを偏光変換装置14の光束射出側に配置する場合には、各部分光束が偏光変換素子アレイ143において、P偏光光とS偏光光に分離される事によって2倍になるため、レンズアレイのレンズ数を第2レンズアレイ13のレンズ数の2倍の数にすることが望ましい。このように、第2レンズアレイ13と重畳レンズ15を1つのレンズアレイによって実現することで、部品数が削減でき、さらなる低コスト化が可能となる。
全ての実施例に共通する効果として、外周セル部にダミー領域を形成することにより、成形時の充填不足による影響を排除できる。したがって、第1レンズアレイ12については、透過照明光のロスをなくし、第2レンズアレイ13に集光することが可能となり、液晶パネル42の照明領域への重畳照明の不有効領域を最小限にでき、照明効率を向上できる。第2レンズアレイ13についても、最外周のセルの光軸ずれを最小限にでき、照明効率を向上できる。
さらに、ベース部121,131の厚さを各小レンズ122A,132Aより高くなるように構成すれば、成形型60,70,80,90において、ベース部121,131に対応する部分が各小レンズ122A,132Aに対応する部分よりも低くなるため、各小レンズ122A,132Aに対応する部分の切削研磨加工が容易となる。これにより、1個取り組合せ多数個型を、一体構成で多数個取りの型を作製することを可能とする。
前記各実施形態では、3つの光変調装置を用いたプロジェクタの例のみを挙げたが、本発明は、1つの光変調装置のみを用いたプロジェクタ、2つの光変調装置を用いたプロジェクタ、あるいは、4つ以上の光変調装置を用いたプロジェクタにも適用可能である。
前記各実施形態では、光変調装置として液晶パネルを用いていたが、マイクロミラーを用いたデバイスなど、液晶以外の光変調装置を用いてもよい。
前記各実施形態では、光入射面と光射出面とが異なる透過型の光変調装置を用いていたが、光入射面と光射出面とが同一となる反射型の光変調装置を用いてもよい。
前記各実施形態では、スクリーンを観察する方向から投写を行なうフロントタイプのプロジェクタの例のみを挙げたが、本発明は、スクリーンを観察する方向とは反対側から投写を行なうリアタイプのプロジェクタにも適用可能である。
前記各実施形態では、本発明の光源装置をプロジェクタに搭載した構成を説明したが、これに限らず、その他の光学機器に搭載してもよい。
本発明を実施するための最良の構成などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
したがって、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
本発明のレンズアレイの製造方法は、大量生産が可能で、工数低減により低コスト化が可能であるため、ホームシアターやプレゼンテーションで利用されるプロジェクタに用いられるレンズアレイの製造方法として有用である。
本実施形態に係るプロジェクタの光学系を模式的に示す図。 前記実施形態におけるインテグレータ照明光学系の構造を示す模式図。 前記実施形態における第1レンズアレイの構造を示す図。 前記実施形態における第2レンズアレイの構造を示す図。 第1実施形態における成形型の構造を示す断面図。 前記実施形態における可動型の成形面を模式的に示す図。 前記実施形態における可動型の成形面を模式的に示す図。 前記実施形態における第1レンズアレイを製造する手順を示す図。 第2実施形態における可動型の成形面を模式的に示す図。 第3実施形態における可動型の成形面を模式的に示す図。 前記実施形態における成形型により製造された第1レンズアレイを示す図。 前記実施形態における可動型の成形面を模式的に示す図。 第4実施形態における可動型の成形面を模式的に示す図。 前記各実施形態の変形例を示す図。 前記各実施形態の変形例を示す図。 前記各実施形態の変形例を示す図。
符号の説明
1・・・プロジェクタ、10・・・インテグレータ照明光学系(照明光学装置)、11・・・光源装置、12・・・第1レンズアレイ(レンズアレイ)、13・・・第2レンズアレイ(レンズアレイ)、42・・・液晶パネル(光変調装置)、50・・・投写レンズ(投写光学装置)、60,70,80,90・・・成形型、121,131・・・ベース部、121C・・・折割分割面、122,132・・・レンズ部、122A,132A・・・小レンズ、122A1,132A1・・・最外周小レンズ、122B,132B・・・レンズ領域、122C,132C・・・ダミー領域、621A1,621A2,721A1,721A2,821A1〜821A6,921A1〜921A6・・・型、821B・・・凸部(段部)、Ax1,Ax2・・・回転軸、G・・・溶融ガラス(溶融光学材料)、O・・・平面。

Claims (10)

  1. 略矩形板状のベース部と、前記ベース部の一方の面に膨出するように形成され、複数の小レンズを有するレンズ部とを備えたレンズアレイの製造方法であって、
    前記レンズアレイに応じた型が複数形成された成形型内に溶融光学材料を給材してプレス成形し、複数のレンズアレイが一体成形された成形体を形成するプレス成形工程と、
    成形後、前記成形型から脱型し、隣り合うレンズアレイの境界を折り割ることで分割する折割分割工程とを備え、
    前記成形型には、nは0または1とすると、2×(1+n)個の前記レンズアレイに応じた型が形成され、これらの型は、2行×(1+n)列でマトリクス状に配列され、
    前記プレス成形工程では、前記レンズアレイの折割分割される折割分割面以外の側面のうち少なくとも2つの側面を外形位置基準面としてプレス成形するとともに、光学的に機能するレンズ領域と、前記レンズ領域から前記レンズアレイの外側に延長したダミー領域とを有する前記レンズ部を形成し、少なくとも前記成形型の外縁側にてプレス成形する最外周小レンズに前記ダミー領域を形成することを特徴とするレンズアレイの製造方法。
  2. 請求項1に記載のレンズアレイの製造方法において、
    前記成形型には、光学的機能の異なる複数種類のレンズアレイに応じた型が形成されていることを特徴とするレンズアレイの製造方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載のレンズアレイの製造方法において、
    前記2行×(1+n)列でマトリクス状に配列された型は、各行の境界線を通る平面に対して対称となるように形成されていることを特徴とするレンズアレイの製造方法。
  4. 請求項1または請求項2に記載のレンズアレイの製造方法において、
    前記レンズアレイに応じた型は、4つ形成され、
    これらの型は、各型の境界線同士が交わる点を通る軸に対して180°の回転対称となるように形成されていることを特徴とするレンズアレイの製造方法。
  5. 請求項1または請求項2に記載のレンズアレイの製造方法において、
    前記成形型には、2個の前記レンズアレイに応じた型が形成され、これらの型は、各行の境界線の中心を通る回転軸を中心として180°の回転対称となるように形成されていることを特徴とするレンズアレイの製造方法。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載のレンズアレイの製造方法において、
    前記プレス成形工程では、前記レンズ領域から前記レンズアレイの外側に0.5〜2.0mm延長された領域に前記ダミー領域を形成することを特徴とするレンズアレイの製造方法。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載のレンズアレイの製造方法において、
    前記プレス成形工程では、四隅角部分が面取りされた平面視略矩形状の前記レンズ部を形成するとともに、前記レンズ部の外周縁に、前記レンズ部の内側から外側に向かい、前記ベース部の前記一方の面に対して斜めに交わる斜面を形成することを特徴とするレンズアレイの製造方法。
  8. 請求項1から請求項7のいずれかに記載のレンズアレイの製造方法において、
    前記プレス成形工程では、前記レンズ部を構成する複数の小レンズを互いの接続部分に段差が生じず連接するように形成することを特徴とするレンズアレイの製造方法。
  9. 請求項1から請求項8のいずれかに記載のレンズアレイの製造方法において、
    前記プレス成形工程では、前記複数の小レンズを形成する領域を囲み厚さの等しい平坦部を有する前記ベース部を形成するとともに、前記平坦部における前記折割分割面とされる端面に応じた位置に、前記平坦部から突出または没入する段部を形成することを特徴とするレンズアレイの製造方法。
  10. 請求項1から請求項9のいずれかに記載のレンズアレイの製造方法において、
    前記プレス成形工程では、前記レンズアレイを側面から見た場合に、中央に位置する前記小レンズにおける前記ベース部から膨出する高さ寸法が他の前記小レンズの高さ寸法よりも大きく、前記複数の小レンズ全体として略円弧状となるように形成することを特徴とするレンズアレイの製造方法。
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