JP2005037623A - 微細構造素子の製造方法、この方法により製造された微細構造素子、空間光変調装置及びプロジェクタ - Google Patents

微細構造素子の製造方法、この方法により製造された微細構造素子、空間光変調装置及びプロジェクタ Download PDF

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Abstract

【課題】外部環境(外乱)に関わらず、所望の微細形状素子を正確に製造することができる微細構造素子の製造方法等を提供すること。
【解決手段】加工領域をサブ領域SB1、SB2、SB3、SB4、SB5、SB6に分割する分割工程と、いずれか一のサブ領域SB1に第1の形状を形成する第1形状形成工程と、一のサブ領域SB1を基準として、一のサブ領域SB1に隣接するサブ領域SB2よりも遠い位置のサブ領域SB3に第2の形状を形成する第2形状形成工程と、第2の形状が形成されたサブ領域SB3を新たな基準として、第2形状形成工程を繰り返して行う繰り返し工程とを含むことを特徴とする。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、微細構造素子の製造方法、この方法により製造された微細構造素子、空間光変調装置及びプロジェクタに関し、特にマイクロプリズム等の微細構造素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
画像表示装置として、液晶パネル(液晶表示装置)、CRT表示装置、プラズマディスプレイ装置等のドットマトリックス画像表示装置が多く用いられている。ドットマトリックス画像表示装置は、二次元的に周期的に配列された多数の画素によって画像を表現する。この時、この周期的配列構造に起因する、いわゆるサンプリングノイズが発生し、画質が劣化する(画像がざらついて見える)現象がみられる。そして、画質が劣化する現象を低減する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−122709号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ドットマトリックス画像表示装置においては、画素と画素との間に領域は、不要光を低減するためにブラックマトリックスと呼ばれる遮光部が設けられている。近年、画像表示装置の使用態様として、大画面を比較的近距離から観察する場合が多くなってきている。このため、観察者がブラックマトリックスの像を認識してしまう場合がある。このように、従来のドットマトリックス画像表示装置は、ブラックマトリックスの像のため、スムーズさの少ない画像、又はざらつきを有する画像等のように画質が劣化するという問題点を有している。上述の特許文献1では、ブラックマトリックスの像に起因する画質の劣化を低減し本来の画像を向上させることは、高次の回折の影響により困難である。
【0005】
このため、観察者がブラックマトリックス等の遮光部を認識することがないように、画像表示装置からの光を、プリズム群へ入射させることが考えられる。プリズム群の平坦部は、画像表示装置からの光をそのまま透過させる。また、プリズム群の屈折面は、画像表示装置からの光を屈折させて透過させる。このような、プリズム群を透過した光は、平坦部を射出した後そのまま直進する光に加えて、プリズムの屈折面で光路を偏向された光も生ずる。光路を偏向された光により、画素像がブラックマトリックス上に形成される。これにより、ブラックマトリクスを認識することを低減できる。
【0006】
上述のプリズム群を構成する各プリズム素子の形状はミクロンオーダーの微細形状である。従来技術では、所定の領域内に切削加工を行うことにより、微細形状のプリズム素子を製造している。ここで、同一の加工データに基づいていても、所定の領域内に所望の形状のプリズム素子を繰り返して形成することは以下の3つの理由により困難である。第1の理由は、切削加工を行う加工機械の繰り返し位置決め精度が不足していることである。繰り返し位置決め精度が不足していると、所望の位置に微細形状を形成することが困難となり問題である。また、第2の理由は、加工機械の位置決め制御を行うサーボ機構が、温度、気圧、振動等の外乱の影響を受けやすいことである。第3の理由は、加工機の加工バイトと加工対象ワークとの位置関係をサブミクロン精度で合わせることは困難である一方、加工機単体内の相対位置はナノレベルで制御でき高精度の加工が可能であることである。
【0007】
例えば、従来技術により平行平板に微細なV字溝を形成した断面構成図を図13に示す。平行平板1300の位置Aから加工を開始して、位置Bで終了する。このとき、上述したように、加工機械のサーボ機構が温度、気圧、振動等の外乱の影響を受けると、加工側の面は点線1301で示すように直線とならずに、例えば凹形状面となってしまう。このように、サーボ機構が外部環境(外乱)の影響を受けると、所望の形状を十分な精度で形成することが困難となるので問題である。これらの問題は、単一な形状ではなく、不規則な形状の微細形状素子を製造する場合にさらに顕著になる。さらに、微細形状素子を製造する時、被加工物の同一部分に複数回の加工処理を行うことは困難であり問題である。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、外部環境に関わらず、所望の微細形状素子を正確に製造することができる微細構造素子の製造方法、この方法により製造された微細構造素子、空間光変調装置及びプロジェクタを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、第1の発明では、加工領域を5つ以上のサブ領域に分割する分割工程と、いずれか一の前記サブ領域に第1の形状を形成する第1形状形成工程と、一のサブ領域を基準として、一のサブ領域に隣接するサブ領域よりも遠い位置のサブ領域に第2の形状を形成する第2形状形成工程と、第2の形状が形成されたサブ領域を新たな基準として、第2形状形成工程を繰り返して行う繰り返し工程と、を含むことを特徴とする微細構造素子の製造方法を提供できる。
【0010】
従来技術の製造方法では、加工領域において、加工を開始した位置から連続的に加工位置を移動させて、順次切削等の加工を行う。このような製造方法では、外乱の影響がそのまま加工結果に反映されてしまう。これに対して、第1の発明では、まず、加工領域を5つ以上の複数のサブ加工領域に分割する。次に、任意の一つのサブ領域に第1の形状を形成する。第1の形状が形成された後、第1の形状が形成されたサブ領域に隣接しないで、少なくともサブ領域一つ分だけ離れた位置のサブ領域に第2の形状を形成する。さらに、第2の形状が形成された後、第2の形状が形成されたサブ領域に隣接しないで、少なくともサブ領域一つ分だけ離れた位置のさらに別のサブ領域に第2の形状を形成する。このような工程を、全てのサブ領域に形状加工が行われるまで繰り返す。これにより、外部環境(外乱)の影響に起因する加工位置の変動を分散させることができる。この結果、外部環境に関わらず、所望の微細形状素子を正確に製造することができる。
【0011】
また、第1の発明の好ましい態様によれば、第1の形状と第2の形状とは略同一の形状であることが望ましい。これにより、所望の単一形状を十分な精度で形成することができる。
【0012】
また、第1の発明の好ましい態様によれば、第1の形状と第2の形状とは異なる形状であることが望ましい。これにより、不規則な形状であっても、所望の微細形状を十分な精度で形成することができる。
【0013】
また、第1の発明の好ましい態様によれば、加工領域とは異なる試し加工領域に対して、加工データに基づいて第1の形状を形成する試し加工工程と、試し加工工程で形成された第1の形状を測定する形状測定工程と、形状測定工程で得られた測定データと加工データとの差分を、加工データへフィードバックして加工データを補正するフィードバック工程と、補正された加工データに基づいて、第1形状形成工程と繰り返し工程とを行うことが望ましい。微細形状素子は、加工データに基づいて形成される。そして、外乱、加工バイトと加工ワークとの相対位置の設定不良などの影響で、加工データどおりに形状が形成されないことで所望の加工精度が得られない現象が生ずる。本態様では、予め試し加工領域において、加工した第1の形状を実際に測定する。微細形状の測定には、原子間力顕微鏡やレーザ顕微鏡を用いることが望ましい。そして、測定された微細形状素子の測定データと、元の加工データとを比較して、両データの差分を演算する。演算された差分は、加工データへフィードバックされる。次に、差分量だけ補正された加工データに基づいて、第1形状形成工程と繰り返し工程とを行う。これにより、外乱等の影響が低減された形状加工を行うことができる。
【0014】
また、本発明の好ましい態様によれば、試し加工工程と、第1形状形成工程と、繰り返し工程とは、同一位置に2回以上の形状加工を行う工程を含むことが望ましい。これにより、例えば、同一位置で切削バイトの角度を振って微細形状を加工する場合でも、所望の微細形状を得ることができる。
【0015】
また、第1の発明の好ましい態様によれば、形状測定工程では、第1の形状のピッチ、角度、深さ、及び平坦面粗さの少なくとも一つを測定することが望ましい。これにより、微細構造素子のピッチ、角度、深さ、及び平坦面粗さを正確に形成することができる。
【0016】
また、第2の発明によれば、上述の微細構造素子の製造方法により製造された微細構造素子を提供できる。これにより、単一形状又は不規則な形状の微細構造素子、例えば複数のマイクロプリズム素子からなるプリズム群を製造することができる。
【0017】
また、第3の発明によれば、上述の微細構造素子を有することを特徴とする空間光変調装置を提供できる。例えば、マイクロレンズ素子からなるプリズム群を有する透過型の液晶型空間光変調装置を得ることができる。所望の形状が形成されたプリズム群を光が透過することで、射出光の方向を正確に所定方向へ屈折させて偏向できる。このため、空間光変調装置の画素間のブラックマトリックス部の投写像上へ、画素からの光を屈折させて導くことができる。この結果、ブラックマトリックス部を認識することなく、高品質な画像を得ることができる。
【0018】
また、第4の発明によれば、照明光を供給する光源と、照明光を画像信号に応じて変調する上述の空間光変調装置と、変調された光を投写する投写レンズと、を有することを特徴とするプロジェクタを提供できる。本発明では、上述の空間光変調装置を備えているので、高品質の投写像を得ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0020】
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係るプロジェクタの概略構成を示す。
(プロジェクタ全体説明)
初めに図1を参照して、本発明の実施形態1に係るプロジェクタの概略構成を説明する。次に、図2以降を参照して、本実施形態の特徴的な構成を説明する。まず、図1において、光源部である超高圧水銀ランプ101は、第1色光である赤色光(以下、「R光」という。)、第2色光である緑色光(以下、「G光」という。)、及び第3色光である青色光(以下、「B光」という。)を含む光を供給する。インテグレータ104は、超高圧水銀ランプ101からの光の照度分布を均一化する。照度分布を均一化された光は、偏光変換素子105にて特定の振動方向を有する偏光光、例えばs偏光光に変換される。s偏光光に変換された光は、色分離光学系を構成するR光透過ダイクロイックミラー106Rに入射する。以下、R光について説明する。R光透過ダイクロイックミラー106Rは、R光を透過し、G光、B光を反射する。R光透過ダイクロイックミラー106Rを透過したR光は、反射ミラー107に入射する。反射ミラー107は、R光の光路を90度折り曲げる。光路を折り曲げられたR光は、第1色光であるR光を画像信号に応じて変調する第1色光用空間光変調装置110Rに入射する。第1色光用空間光変調装置110Rは、R光を画像信号に応じて変調する透過型の液晶表示装置である。なお、ダイクロイックミラーを透過しても、光の偏光方向は変化しないため、第1色光用空間光変調装置110Rに入射するR光は、s偏光光のままの状態である。
【0021】
第1色光用空間光変調装置110Rは、λ/2位相差板123R、ガラス板124R、第1偏光板121R、液晶パネル120R、及び第2偏光板122Rを有する。液晶パネル120Rの詳細な構成については後述する。λ/2位相差板123R及び第1偏光板121Rは、偏光方向を変換させない透光性のガラス板124Rに接する状態で配置される。これにより、第1偏光板121R及びλ/2位相差板123Rが、発熱により歪んでしまうという問題を回避できる。なお、図1において、第2偏光板122Rは独立して設けられているが、液晶パネル120Rの射出面や、クロスダイクロイックプリズム112の入射面に接する状態で配置しても良い。
【0022】
第1色光用空間光変調装置110Rに入射したs偏光光は、λ/2位相差板123Rによりp偏光光に変換される。p偏光光に変換されたR光は、ガラス板124R及び第1偏光板121Rをそのまま透過し、液晶パネル120Rに入射する。液晶パネル120Rに入射したp偏光光は、画像信号に応じた変調により、R光がs偏光光に変換される。液晶パネル120Rの変調により、s偏光光に変換されたR光が、第2偏光板122Rから射出される。このようにして、第1色光用空間光変調装置110Rで変調されたR光は、色合成光学系であるクロスダイクロイックプリズム112に入射する。
【0023】
次に、G光について説明する。R光透過ダイクロイックミラー106Rで反射された、G光とB光とは光路を90度折り曲げられる。光路を折り曲げられたG光とB光とは、B光透過ダイクロイックミラー106Gに入射する。B光透過ダイクロイックミラー106Gは、G光を反射し、B光を透過する。B光透過ダイクロイックミラー106Gで反射されたG光は、第2色光であるG光を画像信号に応じて変調する第2色光用空間光変調装置110Gに入射する。第2色光用空間光変調装置110GはG光を画像信号に応じて変調する透過型の液晶表示装置である。第2色光用空間光変調装置110Gは、液晶パネル120G、第1偏光板121G及び第2偏光板122Gを有する。液晶パネル120Gの詳細に関しては後述する。
【0024】
第2色光用空間光変調装置110Gに入射するG光は、s偏光光に変換されている。第2色光用空間光変調装置110Gに入射したs偏光光は、第1偏光板121Gをそのまま透過し、液晶パネル120Gに入射する。液晶パネル120Gに入射したs偏光光は、画像信号に応じた変調により、G光がp偏光光に変換される。液晶パネル120Gの変調により、p偏光光に変換されたG光が、第2偏光板122Gから射出される。このようにして、第2色光用空間光変調装置110Gで変調されたG光は、色合成光学系であるクロスダイクロイックプリズム112に入射する。
【0025】
次に、B光について説明する。B光透過ダイクロイックミラー106Gを透過したB光は、2枚のリレーレンズ108と、2枚の反射ミラー107とを経由して、第3色光であるB光を画像信号に応じて変調する第3色光用空間光変調装置110Bに入射する。第3色光用空間光変調装置110Bは、B光を画像信号に応じて変調する透過型の液晶表示装置である。
【0026】
なお、B光にリレーレンズ108を経由させるのは、B光の光路の長さがR光及びG光の光路の長さよりも長いためである。リレーレンズ108を用いることにより、B光透過ダイクロイックミラー106Gを透過したB光を、そのまま第3色光用空間光変調装置110Bに導くことができる。第3色光用空間光変調装置110Bは、λ/2位相差板123B、ガラス板124B、第1偏光板121B、液晶パネル120B、及び第2偏光板122Bを有する。なお、第3色光用空間光変調装置110Bの構成は、上述した第1色光用空間光変調装置110Rの構成と同様なので、詳細な説明は省略する。
【0027】
第3色光用空間光変調装置110Bに入射するB光は、s偏光光に変換されている。第3色光用空間光変調装置110Bに入射したs偏光光は、λ/2位相差板123Bによりp偏光光に変換される。p偏光光に変換されたB光は、ガラス板124B及び第1偏光板121Bをそのまま透過し、液晶パネル120Bに入射する。液晶パネル120Bに入射したp偏光光は、画像信号に応じた変調により、B光がs偏光光に変換される。液晶パネル120Bの変調により、s偏光光に変換されたB光が、第2偏光板122Bから射出される。第3色光用空間光変調装置110Bで変調されたB光は、色合成光学系であるクロスダイクロイックプリズム112に入射する。このように、色分離光学系を構成するR光透過ダイクロイックミラー106RとB光透過ダイクロイックミラー106Gとは、超高圧水銀ランプ101から供給される光を、第1色光であるR光と、第2色光であるG光と、第3色光であるB光とに分離する。
【0028】
色合成光学系であるクロスダイクロイックプリズム112は、2つのダイクロイック膜112a、112bをX字型に直交して配置して構成されている。ダイクロイック膜112aは、B光を反射し、R光、G光を透過する。ダイクロイック膜112bは、R光を反射し、B光、G光を透過する。このように、クロスダイクロイックプリズム112は、第1色光用空間光変調装置110R、第2色光用空間光変調装置110G、及び第3色光用空間光変調装置110Bでそれぞれ変調されたR光、G光及びB光を合成する。投写レンズ114は、クロスダイクロイックプリズム112で合成された光をスクリーン116に投写する。これにより、スクリーン116上でフルカラー画像を得ることができる。
【0029】
なお、上述のように、第1色光用空間光変調装置110R及び第3色光用空間光変調装置110Bからクロスダイクロイックプリズム112に入射される光は、s偏光光となるように設定される。また、第2色光用空間光変調装置110Gからクロスダイクロイックプリズム112に入射される光は、p偏光光となるように設定される。このようにクロスダイクロイックプリズム112に入射される光の偏光方向を異ならせることで、クロスダイクロイックプリズム112において各色光用空間光変調装置から射出される光を有効に合成できる。ダイクロイック膜112a、112bは、通常、s偏光光の反射特性に優れる。このため、ダイクロイック膜112a、112bで反射されるR光及びB光をs偏光光とし、ダイクロイック膜112a、112bを透過するG光をp偏光光としている。
【0030】
(液晶パネルの構成)
次に、図2を用いて液晶パネルの詳細について説明する。図1で説明したプロジェクタ100では、3つの液晶パネル120R、120G、120Bを備えている。これら3つの液晶パネル120R、120G、120Bは変調する光の波長領域が異なるだけであり、基本的構成は同一である。このため、液晶パネル120Rを代表例にして以後の説明を行う。
【0031】
図2は液晶パネル120Rの斜視断面図である。超高圧水銀ランプ101からのR光は、図2の下側から液晶パネル120Rに入射し、上側からスクリーン116の方向へ射出する。入射側防塵透明プレート201の内側には、透明電極等を有する対向基板202が形成されている。また、射出側防塵透明プレート206の内側にはTFT(薄膜トランジスタ)や透明電極等を有するTFT基板205が形成されている。そして、対向基板202とTFT基板205とを対向させて、入射側防塵透明プレート201と射出側防塵透明プレート206とを貼り合わせる。対向基板202とTFT基板205との間には、画像表示のための液晶層204が封入されている。また、液晶層204の入射光側には遮光のためのブラックマトリックス形成層203が設けられている。
【0032】
射出側防塵透明プレート206の射出側表面には複数のプリズム素子211からなるプリズム群210が形成されている。プリズム群210の構成及び作用の詳細については後述する。なお、図1で示した構成では、第1偏光板121R、第2偏光板122Rを、液晶パネル120Rに対して別体に設けている。しかし、これに代えて、入射側防塵用透明プレート201と対向基板202との間、射出側防塵透明プレート206とTFT基板205との間などにも偏光板を設けることもできる。さらに、プリズム群210は、第2偏光板122Rに形成すること、又はクロスダイクロイックプリズム112のR光の入射面に形成することの何れでもよい。
【0033】
(プリズム群の形状)
図3は、プリズム群210を製造する際、中間過程の状態のプリズム群310を斜視方向から見た構成を示す。なお、以下全ての説明において便宜のため、図2で示したプリズム群210とは、凹凸が反対の形状を用いて説明を行う。凹凸が反対の形状のプリズム群でも、光学的な作用効果は図2で示すプリズム群と基本的に同一である。
【0034】
射出側防塵透明プレート206は、長方形形状の平行平板硝子である。そして、平行平板硝子の一方の面に、後述する方法でプリズム素子211を形成する。まず、加工手順を説明する。加工領域である射出側防塵透明プレート206の一方の面を6つの短冊状のサブ領域SB1、SB2、SB3、SB4、SB4、SB5、SB6に分割する。なお、分割数は5つ以上であれば良い。
【0035】
いずれか一のサブ領域SB1に第1の形状である平坦部311aと屈折面311bとを形成する。2つの屈折面311bでV字形状の溝を形成する。次に、一のサブ領域SB1を基準として、一のサブ領域SB1に隣接するサブ領域SB2よりも遠い位置のサブ領域SB3に第2の形状である平坦部313aと屈折面313bとを形成する。続いて、第2の形状が形成されたサブ領域SB3を基準として、第2の形状が形成されたサブ領域SB3に隣接するサブ領域SB4よりも遠い位置のサブ領域SB5に第2の形状である平坦部315aと屈折面315bとを形成する。そして、同様の手順を繰り返して、順番に、サブ領域SB2と、サブ領域SB4と、サブ領域SB6とに対して、平坦部と屈折面とからなるV字形状の溝を形成する。
【0036】
これにより、外部環境(外乱)の影響に起因する加工位置の変動を分散させることができる。この結果、外乱に関わらず、所望の微細形状素子であるプリズム素子211を正確に製造することができる。そして、V字形状の溝の長手方向に略直交する方向に、上述と同様の手順の加工を行う。この結果、略直交する格子状に配列された複数のプリズム素子211からなるプリズム群210を製造することができる。
【0037】
また、平坦部311aと、屈折面311bとを連続して形成する。そして、平坦部311aと、屈折面311bとを1つのユニット形状として扱う。このように、本実施形態では、第1の形状と第2の形状とが同一である。上述の工程では、複数のユニット形状を、隣接する加工が連続しないように離散的にランダムな位置に微細形状を形成している。このように、平坦部311aと屈折面311bとを1つのユニット形状とすることで、V字形状の溝の斜面に対応する屈折面311bの面積を相対的に一定にすることができる。
【0038】
さらに好ましくは、常に所定間隔だけ離れた位置のサブ領域に微細形状を加工することが望ましい。例えば、加工領域を25個のサブ領域SB1〜SB25に分割する。そして、サブ領域SB1を起点として加工した後、4つのサブ領域分離れた位置のサブ領域SB6を加工する。以後同様に、順番にサブ領域SB11、サブ領域SB16、サブ領域SB21に加工を行う。次に、サブ領域SB2に戻って、ここを起点として加工を行う。次に、4つのサブ領域分離れた位置のサブ領域SB7を加工する。以後同様に、順番にサブ領域SB12、サブ領域SB17、サブ領域SB22に加工を行う。再び、サブ領域SB3に戻って、加工を行う。この手順を25個の全てのサブ領域に加工が行われるまで繰り返す。これにより、外乱等の影響を加工面にわたって均等に分散させることができる。
【0039】
(実施形態2)
図4は、本発明の実施形態2に係るプリズム群410の断面構成を示す。上記実施形態1では、V字形状の溝は、略同一のピッチで、略同一の深さを有している。このような構成の場合、プリズム群の構造の周期性に起因して、回折光が生じてしまう場合がある。回折光は、投写像の品質を劣化させてしまう。
【0040】
本実施形態において、第1の形状と第2の形状とを異ならせる。そして、微細形状の加工手順は、あるV字形状の溝を切削加工した後に、乱数を用いて、上記実施形態1と同様に近隣を連続して加工しないようにデータを設定する。設定されたデータに基づいて順次V字形状の溝を切削加工する。所定の方向に平行な直線に沿ったV字形状の溝の切削加工が終了した後、所定の方向に略直交する方向に対してV字形状の溝を同様に形成する。そして、直交する2方向においてV字形状の溝の加工が終了した場合、次に平坦部411aの切削加工を行う。1つの平坦部411aの加工が終了したら、予め設定されている位置の他の平坦部の加工を行う。このように、ランダムな順番で切削加工を行うことで、外乱の影響が所定の領域に集中することを防止できる。このため、均一な精度ですべての領域にわたって、微細構造素子であるプリズム群410を形成できる。また、プリズム群410をランダムな微細形状で構成することで、回折光を低減できる。この結果、観察者は高品質な投写像を観察できる。
【0041】
また、図1で示したインテグレータ104のFナンバーと、投写レンズ114のFナンバーとに基づいて、有効にスクリーン116に投写される液晶パネル120R上の単位面積が定まる。具体的には、インテグレータ104のFナンバーと、投写レンズ114のFナンバーとが異なる場合には、小さいほうのFナンバーで単位面積が規定される。さらに、インテグレータ104のFナンバーと、投写レンズ114のFナンバーとが同一の場合には、同一のFナンバーで単位面積が規定される。
【0042】
液晶パネル120Rは、インテグレ−タ104により重畳的に照明されている。このため、液晶パネル120Rの単位面積における平坦部と屈折面との面積比が、平坦面からの透過光と屈折面からの屈折光との光量比に対応する。本実施形態では、液晶パネル120R上の各単位面積あたりにおける、所定の方向を向いている屈折面の面積和、及び平坦部の面積和は同一となるように構成されている。これにより、液晶パネル120R上の各単位面積からの屈折光と直接透過光との光量を略同一にできる。この結果、観察者は、ブラックマトリックス形成層203のブラックマトリックス部を認識することなく、高品質な投写像を観察できる。
【0043】
(V字溝の製造方法)
次に、V字形状の溝の製造方法を図5(a)、5(b)に基づいて説明する。2つの屈折面311bでV字形状の溝を構成する。V字形状の溝を形成するときは、図5(a)に示すように、角度θvを有するバイト500を用いて、射出側防塵透明プレート206に対して略垂直方向から加工する。このとき、切削する深さは、本来プリズム素子211が必要とする深さd0よりも大きい深さd1とする。本来必要とする深さd0に対して、加工機械の外乱の影響による加工変動量を切削深さに加える。これにより、加工機械が外乱の影響を受けた場合でも、未加工エリアの発生を低減できる。また、平坦部311aを形成するときは、図5(b)に示すように、バイト500を射出側防塵透明プレート206に対して角度θv/2だけ傾けて切削加工を行う。
【0044】
(実施形態3)
(製造方法のフローチャート)
本発明の実施形態3に係るV字形状の溝の製造手順を図6を参照して説明する。まず、ステップS601において、オペレータは、所望の微細形状を形成するための、加工位置、加工角度、加工深さ、バイト回転数、加工速度等の加工データを加工機械の制御部に入力する。そして、必要な形状のバイトを加工機械のバイトホルダに取り付ける。ステップS602において、被加工物であるワークを加工機械のホルダにセットする。ワークは、例えば平行平板硝子である。ステップS603において、平行平板硝子のプリズム群を形成する領域と異なるテスト加工領域に、第1の形状である、例えばV字形状の溝の試し加工を行う。テスト加工領域は、平行平板硝子の周辺領域等を用いることができる。
【0045】
ステップS604において、平行平板硝子をワークホルダから外さずに、そのままの状態で、レーザ顕微鏡や原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscpoe)を用いて、試し加工されたV字形状の溝の微細形状を測定する。測定データのパラメータは、ピッチ、角度、深さ、及び平坦面粗さの少なくとも一つであることが望ましい。
【0046】
ステップS605において、測定データと加工データとの差分を、加工データへフィードバックする。ステップS606において、フィードバックされた差分値に基づいて、加工データを補正する。具体的には、バイトの加工角度、切削深さ、ピッチ、平坦面加工用のパラメータ等を補正する。例えば、加工角度、切削深さ、溝ピッチ、平坦面加工用のパラメータの補正は、それぞれバイトの角度補正、バイトの深さ補正、送りピッチ補正、送りピッチ補正により行う。ここまでで、試し加工の工程を終える。次に、補正されたデータに基づいて、ステップS607において、図5(b)に示したように、バイト500を角度θv/2だけ傾けて、平坦部311aを形成する。ステップS608において、図5(a)に示したように、屈折面311bからなるV字形状の溝を形成する。
【0047】
ステップS609において、V字形状の溝の加工が終了したか否かを判断する。判断結果が偽の場合、ステップ610において、バイト500が保持されている加工ヘッドの位置を上述した手順で移動する。そして、ステップS607、S608の加工を繰り返して行う。ステップS609の判断結果が真の場合、加工を終了する。
【0048】
上述したように、外乱、加工バイトと加工ワークとの相対位置設定不良などの影響で、加工データどおりに形状が形成されないことで所望の加工精度が得られない現象が生ずる。本実施形態の製造方法では、予め試し加工領域において、加工した第1の形状を実際に測定する。そして、測定された微細形状素子の測定データと、元の加工データとを比較して、両データの差分を演算する。演算された差分は、加工データへフィードバックされる。次に、差分量だけ補正された加工データに基づいて、第1形状形成工程と繰り返し工程とを行う。これにより、外乱等の影響が低減された形状加工を行うことができる。
【0049】
なお、射出側防塵透明プレートを構成する平行平板は硝子部材に限られず、例えば、アクリル等の透明樹脂でも良い。さらに、微細形状を形成した平行平板にメッキ処理を行い金型を製造することもできる。また、直接、金型を製造するために、ヘビーアロイ(商品名)等の硬質部材を上述の方法で加工しても良い。そして、加工された硬質部材を金型として転写工程によりプリズム群210を製造する。転写による複製によって形成されたプリズム群でも、金型上の単位面積と、転写されたプリズム群とにおける、単位面積あたりの平坦部の面積、屈折面の面積は同一である。このため、形状の凹凸が逆となっても、光学素子としての機能は同じである。
【0050】
(実施形態4)
本発明の実施形態4に係る微細構造素子のV字形状の溝の製造方法を図7(a)、図7(b)を参照して説明する。バイト700は、角度θvの開き角度を有する。図7(a)に示すように、バイト700のV字部を用いて、V字形状の溝を切削加工する。これは、いわゆるヘール加工と呼ばれる方法である。次に、図8(a)、8(b)、8(c)を用いて、V字形状の溝を切削加工する手順をさらに説明する。例えば、2回の切削加工でV字形状の溝を形成する場合を考える。図8(a)において、バイト700を用いて、第1の位置800aの状態で一度切削加工する。次に、V字の頂点位置Caを中心として、バイト700が第2の位置800bとなるように移動させる。さらに詳しく説明すると、図8(b)に示すように、頂点位置Cbの状態で第1回目の切削加工を行う。このとき、平行平板である射出側防塵透明プレート206に略直交する中心軸AXと、バイト700の一方の屈折面711bとは角度θbをなす。次に、図8(c)に示すように、頂点位置Ccの状態で第2回目の切削加工を行う。この状態では、中心軸AXと他方の屈折面711bとは角度θcをなす。そして、頂点位置Cbと頂点位置Ccとが、頂点位置Caと一致するようにバイト700を制御する。さらに、V字形状の溝の頂点角度θvは、角度θbと角度θcとの和となるようにバイト700を制御する。2つの屈折面711bからなるV字形状の溝を切削加工した後、図7(b)に示すように、平坦部711aを加工する。平坦部711aの加工は、バイト先端部を送りピッチをミクロンオーダーとする。これにより、Rz3/100マイクロメートル程度のRz平坦度を達成できる。
【0051】
V字形状の溝を形成する手順は、まず、試し加工工程において、同一位置Caに、図8(b)、8(c)で示したような2回以上の形状加工を行う工程を含む点が上記実施形態3と異なる。上記実施形態3と同一の手順は重複するので省略する。本実施形態では、まず、第1の位置800aでの試し切削加工後に、レーザ顕微鏡やAFMで角度θbを測定する。次に、第2の位置800bでの試し切削加工後に、角度θcを測定する。これより、V字形状の溝の斜面を形成する角度θv(図8(a)は、次式で算出できる。
θv=θb+θc
【0052】
また、2回の試し切削加工において、頂点位置θbと頂点位置θcとを測定し、これらの位置が頂点位置θaで一致するように加工データを補正する。さらに、平坦部711aに関しては、平坦面粗さを測定する。加えて、測定データのパラメータは、ピッチ、角度、深さの少なくとも一つであることが望ましい。このように本実施形態では、加工角度、頂点位置、平坦面粗さの補正は、それぞれバイト角度補正、バイトの仮想頂点位置の補正、送りピッチの補正により行う。これにより、同一位置で切削バイトの角度を振って微細形状を加工する場合でも、所望の微細形状を得ることができる。
【0053】
(実施形態5)
次に、実施形態5に係る微細構造素子の製造手順を図9を参照して説明する。本実施形態では、V字形状の溝をランダムな位置に加工した後、平坦部を加工する点が上記各実施形態と異なる。まず、ステップS901において、オペレータは、所望の微細形状を形成するための、加工位置、加工角度、加工深さ、バイト回転数、加工速度等の加工データを加工機械の制御部に入力する。そして、必要な形状のバイトを加工機械のバイトホルダに取り付ける。ステップS902において、被加工物であるワークを加工機械のホルダにセットする。ワークは、例えば平行平板硝子である。ステップS903において、平行平板硝子のプリズム群を形成する領域と異なるテスト加工領域に、第1の形状である、例えばV字形状の溝を構成する屈折面711bと、平坦部711aとの試し加工を行う。テスト加工領域は、平行平板硝子の周辺領域等を用いることができる。ステップS904において、ワークを加工機械から外さずに、そのままの状態で上記各実施形態と同様の測定を行う。
【0054】
ステップ905において、測定データと加工データとの差分を、加工データへフィードバックする。ステップ906において、フィードバックされた差分値に基づいて、加工データを補正する。具体的には、バイトの頂点位置、加工角度、切削深さ、ピッチ、平坦面加工用のパラメータ等を補正する。次に、試し加工を終えて、プリズム群の加工を行う。ステップS907において、フィードバックで補正された加工データに基づいて、V字形状の溝の切削加工を行う。例えば、V字形状の溝の深さは、加工装置の誤差量を上乗せした深さで切削加工する。次に、スッテプS908において、加工ヘッドをランダムな位置へ移動する。ステップS909でV字形状の溝の切削加工が終了したか否かを判断する。ステップS909の判断結果が偽の場合、さらにV字形状の溝を切削加工する。例えば、第1の直線に沿ってV字形状の溝を形成した後、加工ヘッドを移動して第1の直線に平行で、かつ隣接しない第2の直線に沿ってV字形状の溝を形成する。そして、一方の方向のV字形状の溝の加工が全て終了したら、一方の方向に略直交する方向に対して同様の手順を繰り返してランダムにV字形状の溝を形成する。このように、ランダムな位置でV字形状の溝を形成することで、切削深さのばらつき、即ちV字斜面の面積のばらつきを平行平板上において均一に分散させることができる。
【0055】
ステップS909の判断結果が真の場合、ステップS910において平坦部711aを切削加工する。そして、ステップS911において、すべて平坦部711aの切削加工が終了したか否かを判断する。ステップS911の判断結果が偽の場合、ステップS912において、バイト700を保持している加工ヘッドを予めランダムに設定された位置へ移動する。そして、ステップS910の切削加工を繰り返す。ステップS911の判断結果が真の場合、加工を終了する。
【0056】
(実施形態6)
図10(a)は、本発明の実施形態6に係る微細構造素子の製造方法を示す。加工砥石1000の先端部は、2つの屈折面1011bからなるV字形状の溝の頂点角度θvと同一の角度θvを有する。そして、加工砥石1000は軸AX1を中心に回転しながら、平行平板である射出側防塵透明プレート206のz方向に対して所定の深さを形成する。所定の深さは、上述したように、V字形上の溝の深さに対して、加工機械の精度の振れ幅分を加えた深さである。
【0057】
図10(b)は、加工砥石1000で平坦部1011aを形成する方法を示す。加工砥石1000を回転させた状態でz方向に所定量だけ移動する。そして、平坦部1011aの位置で停止させ、y方向に沿って平坦部1011aを切削加工する。このように、図11(a)に示すように、まず、V字形状の溝を構成する屈折面1011bを上記実施形態1で述べたような手順で繰り返し形成する。次に、同様の手順で平坦部1011aを形成する。図11(b)は、本実施形態により製造された微細構造素子であるプリズム群1110の断面構成を示す。上記各実施形態と同様に、屈折面1011bからなるV字形状の溝と、平坦部1011aとが所望の精度で切削加工できる。
【0058】
また、上記各実施形態に係る製造方法で得られた微細形状素子に対して、無電解メッキを用いてNi型を製造することもできる。そして、Ni型により転写による副生物を形成すると、安価な微細構造素子を容易に製造できる。
【0059】
(実施形態7)
図12は、本発明の実施形態7に係る空間光変調装置1200の斜視断面を示す。空間光変調装置1200は、透過型の液晶型空間光変調装置である。なお、図12は主要な構成のみを示し、偏光板などの図示は省略する。対向基板1201に、無機の垂直配向層である上述のV溝群1202が光学的透明接着剤で固着される。V溝群1202のV字形状の溝部には、ITO膜等の透明電極1203が形成されている。TFT基板1208にも同様に、V溝群1206が光学的透明接着剤で固着されている、そして、V字溝部は、透明電極1205が形成されている。また、TFT基板1208には、薄膜トランジスタ(TFT)部1207が形成されている。対向基板1201と、TFT基板1208との間には、液晶1204が封入されている。
【0060】
透明電極間に電圧が印加されていない状態では、液晶分子は、配向膜であるV字形状の溝に沿って配列する。これに対して、透明電極間に電圧を印加すると、電圧に比例して液晶分子は、図12に示すように垂直な方向に揃うように配列する。これにより、印加電圧に応じて透過光量を制御できる。
【0061】
また、本発明に係る微細構造素子は、例えば、リア・プロジェクタのスクリーンに適用できる。リア・プロジェクタのスクリーンは、観察者の方向へ有効に光を導くために、フレネルレンズの機能を有するとともに、光の拡散機能を必要とする。このため、本発明に係る微細構造素子をスクリーン面上に形成することで、入射光を拡散させて観察者の方向へ射出できる。このように、本発明は、上記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変形例をとることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係るプロジェクタの概略構成図。
【図2】実施形態1の液晶パネルの概略構成図。
【図3】実施形態1のプリズム群の概略図。
【図4】実施形態2のプリズム群の概略図。
【図5】(a)はプリズム群の製造方法の説明図、(b)はプリズム群の製造方法の他の説明図。
【図6】実施形態3のプリズム群の製造方法のフローチャート。
【図7】(a)、(b)はプリズム群の製造方法の説明図。
【図8】(a)、(b)、(c)は、実施形態4のV字溝の製造方法の説明図。
【図9】実施形態5のプリズム群の製造方法のフローチャート。
【図10】(a)、(b)は実施形態6のプリズム群の製造方法の説明図。
【図11】(a)、(b)は実施形態6のプリズム群の製造方法の説明図。
【図12】実施形態7の空間光変調装置の斜視構成図。
【図13】従来技術のプリズム群の構成図。
【符号の説明】
100 プロジェクタ、101 超高圧水銀ランプ、104 インテグレータ、105 偏光変換素子、106R R光透過ダイクロイックミラー、106G B光透過ダイクロイックミラー、107 反射ミラー、108 リレーレンズ、110R 第1色光用空間光変調装置、110G 第2色光用空間光変調装置、110B 第3色光用空間光変調装置、112 クロスダイクロイックプリズム、112a、112b ダイクロイック膜、114 投写レンズ、116 スクリーン、120R、120G、120B 液晶パネル、121R、121G、121B 第1偏光板、123R、123B λ/2位相差板、124R、124B ガラス板、201 入射側防塵透明プレート、202 対向基板、203 ブラックマトリックス形成層、204 液晶層、205 TFT基板、206 射出側防塵透明プレート、210 プリズム群、211 プリズム素子、311a、312a、313a、314a、315a、316a 平坦部、311b、312b、313b、314b、315b、316b 屈折面、SB1、SB2、SB3、SB4、SB5、SB6 サブ領域、310 プリズム群、410 プリズム群、411a、412a 平坦部、411b、412b 屈折面、500 バイト、700 バイト、711a 平坦部、711b 屈折面、800a第1の位置、800b 第2の位置、Ca、Cb、Cc 頂点位置、1000加工砥石、1011a 平坦部、1011b 屈折面、1110プリズム群、1201 対向基板、1202 V溝群、1203 透明電極、1204 液晶、1205 透明電極、1206 V溝群、1208 TFT基板、1207 TFT

Claims (9)

  1. 加工領域を5つ以上のサブ領域に分割する分割工程と、
    いずれか一の前記サブ領域に第1の形状を形成する第1形状形成工程と、
    前記一のサブ領域を基準として、前記一のサブ領域に隣接するサブ領域よりも遠い位置のサブ領域に第2の形状を形成する第2形状形成工程と、
    前記第2の形状が形成された前記サブ領域を新たな基準として、前記第2形状形成工程を繰り返して行う繰り返し工程と、を含むことを特徴とする微細構造素子の製造方法。
  2. 前記第1の形状と前記第2の形状とは略同一の形状であることを特徴とする請求項1に記載の微細構造素子の製造方法。
  3. 前記第1の形状と前記第2の形状とは異なる形状であることを特徴とする請求項1に記載の微細構造素子の製造方法。
  4. 前記加工領域とは異なる試し加工領域に対して、加工データに基づいて前記第1の形状を形成する試し加工工程と、
    前記試し加工工程で形成された前記第1の形状を測定する形状測定工程と、
    前記形状測定工程で得られた測定データと前記加工データとの差分を、前記加工データへフィードバックして前記加工データを補正するフィードバック工程と、
    補正された前記加工データに基づいて、前記第1形状形成工程と前記繰り返し工程とを行うことを特徴とする請求項1に記載の微細構造素子の製造方法。
  5. 前記試し加工工程と、前記第1形状形成工程と、前記繰り返し工程とは、同一位置に2回以上の形状加工を行う工程を含むことを特徴とする請求項4に記載の微細構造素子の製造方法。
  6. 前記形状測定工程では、前記第1の形状のピッチ、角度、深さ、及び平坦面粗さの少なくとも一つを測定することを特徴とする請求項4又は5に記載の微細構造素子の製造方法。
  7. 請求項1〜6の何れか一項に記載の微細構造素子の製造方法により製造された微細構造素子。
  8. 請求項7に記載の微細構造素子を有することを特徴とする空間光変調装置。
  9. 照明光を供給する光源と、
    前記照明光を画像信号に応じて変調する請求項8に記載の空間光変調装置と、変調された光を投写する投写レンズと、を有することを特徴とするプロジェクタ。
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