JP4806169B2 - 反射型液晶空間光変調素子及び画像表示装置 - Google Patents
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Description
図9は特許文献1に開示されているマイクロレンズアレイを有する反射型液晶空間光変調素子を用いた画像表示装置の一例を示している。この例では、マイクロレンズアレイ13を画素配列に対向配置させ、入射光を効率良く反射画素電極50に集光させ光利用効率の向上を図っている。しかし、特許文献1に記載の従来技術では、コントラスト比に関しては考慮されておらず、マイクロレンズの挿入により、コントラスト比の低下が予想される。
第二の課題は、コントラスト比の高い、画像表示装置を提供することである。
第三の課題は、コントラスト比が高い、投射型の画像表示装置を提供することである。
第四の課題は、コントラスト比が高く、画素数の多い、画像表示装置を提供することである。
本発明の第1の手段は、光の入射側から順に配置された、カバーガラスと、接着層と、該接着層と接する側が凸面のレンズを有するマイクロレンズアレイと、液晶層と、該液晶層と接する反射面を有する画素の配列とから構成され、前記反射面が曲面である反射型液晶空間光変調素子において、前記液晶層は、垂直配向型強誘電液晶からなり、前記カバーガラスの屈折率が1.53、かつ、前記接着層の屈折率が1.42、かつ、前記マイクロレンズの屈折率が1.54、かつ、前記液晶層の屈折率が1.52であり、前記反射面の前記液晶層と接する側の曲面が凹面であり、前記マイクロレンズアレイの前記レンズの凸面の曲率半径をr1、その焦点距離をf1、前記反射面の凹面の曲率半径を|r3|、前記マイクロレンズアレイの前記レンズの凸面から前記反射面までの距離をdとしたとき、r1=10マイクロメートル、かつ、r3=−100マイクロメートルかつ、d/f1=0.27であることを特徴とする(請求項1)。
また、第3の手段は、第2の手段の画像表示装置において、前記反射型液晶空間光変調素子から出射する光束を投射する投射レンズを備えたことを特徴とする(請求項3)。
さらに第4の手段は、第2または第3の手段の画像表示装置において、前記反射型液晶空間光変調素子から出射する光束をシフトさせる素子を備えたことを特徴とする(請求項4)。
また、第3の手段によれば、高コントラスト比の反射型液晶空間光変調素子から出射する光束を投射レンズでスクリーン等に投射する、高コントラスト比の投射型画像表示装置を提供できる。
さらに第4の手段によれば、高コントラスト比の反射型液晶空間光変調素子から出射する光束をシフトさせる素子を用い、周期的に画素をシフトさせ、また、マイクロレンズにより集光した縮小画素を投射することができるため、高コントラスト比で大画素数の画像表示装置を提供できる。
|r1|<|r3|
としなければ、集光機能を有しないことになる。この画素面(凹面)の曲率半径r3とマイクロレンズ23の曲率半径r1との間には相関関係がある。マイクロレンズ23の曲率半径r1が大きい場合(画素サイズに対して)、この画素面(凹面)の曲率半径r3は小さくとも良く、逆に、上記の例のようにマイクロレンズ23の曲率半径r1が小さい場合(画素サイズに対して)は、画素面(凹面)の曲率半径r3は大きくとも良い。ここで、マイクロレンズ23及び画素の曲面の最適な曲率半径は、プロジェクタ装置全系の設計に依存し、一義的に決るものではない。プロジェクタ装置の所望の性能に合わせて、既存の光学シミュレータの最適化機能等により設計を行えばよい。
次に図3に本発明に係る反射型液晶空間光変調素子の光学系の別の例を示す。この例は反射面25を凸面とした例である。
ここで、マイクロレンズ23の曲率半径r1の絶対値を|r1|、画素面(凸面)の曲率半径r2の絶対値を|r2|とした場合、
|r1|<|r2|
である。
図3に示すように、反射面25が凸面の場合の曲率半径r2を50μm,100μm,150μmとして、上記と同様の計算を行ったときの直線偏光の劣化度を図4に示す。これらの例において、反射面25が凹面の場合と比較すると、全体的に値は小さいが、いずれも反射面が平面の場合の0.230よりも、値が向上している。
さらに、反射面25の曲面を非球面にすると、コントラスト比のさらなる向上が図れる。一例として、反射面25が凹面で、中心部の曲率半径が−50μmとし、非球面形状としては、公知の非球面式中のコーニック定数kが−5の場合の偏光光線追跡計算を行った。そのときの値は、0.357となり、非球面でない場合の0.261(図5)よりも向上する。これは非球面化により、収差が低減されたことによると考えられる。
図6は本発明に係る画像表示装置の一例を示すプロジェクタ装置の概略構成図である。図6において、符号31は光源(例えば白色ランプ)、32は光均一化光学素子(例えば、フライアイレンズ)、33は色分離装置(例えば、カラーホイール)、34は前述の実施例で述べた反射型液晶空間光変調素子(反射型液晶ライトバルブ)、35は偏光ビームスプリッタ、36は投射レンズ、37はスクリーンである。このプロジェクタ装置では、反射型液晶空間光変調素子34が前述のように高コントラスト比であるため、これをプロジェクタ装置に用いると、プロジェクタ装置自体の性能が向上する。このため、高コントラスト比の液晶プロジェクタ装置の実現が可能となる。図6では、反射型液晶空間光変調素子34を一枚用いる単板式プロジェクタの光学系の一例であるが、反射型液晶空間光変調素子34を3枚用いる3板式プロジェクタであっても構わない。
この例では反射型液晶空間光変調素子41の画素から出射した光の光路を変調させる手段として2つのピエゾ素子42,43を用いている。つまり、これはピエゾ素子42,43を用いて反射型液晶空間光変調素子自体を機械的に動かすものである。素子自体が動くため画素も動くことになる。また、ピエゾ素子を用いれば画素サイズが10数μm以下であっても、それ以下の光路のシフトを行うことができる。これは反射型液晶空間光変調素子41の縦(y方向)シフト45及び横(x方向)シフト46用にそれぞれピエゾ素子42,43を設置して周期的に動かせばよい。なお、この例では機械的に駆動させているが、液晶のスイッチング機能を利用して、光学的にシフトさせるものであってもよい。
22:接着層
23:マイクロレンズ
24:液晶層
25:反射面
31:白色ランプ
32:光均一化光学素子
33:色分離装置
34:反射型液晶空間光変調素子
35:偏光ビームスプリッタ
36:投射レンズ
37:スクリーン
41:反射型液晶空間光変調素子
42:第1ピエゾ素子(y方向シフト)
43:第2ピエゾ素子(x方向シフト)
44:治具
45:y方向シフト(±Δy)
46:x方向シフト(±Δx)
47:座標
Claims (4)
- 光の入射側から順に配置された、カバーガラスと、接着層と、該接着層と接する側が凸面のレンズを有するマイクロレンズアレイと、液晶層と、該液晶層と接する反射面を有する画素の配列とから構成され、前記反射面が曲面である反射型液晶空間光変調素子において、
前記液晶層は、垂直配向型強誘電液晶からなり、
前記カバーガラスの屈折率が1.53、かつ、
前記接着層の屈折率が1.42、かつ、
前記マイクロレンズの屈折率が1.54、かつ、
前記液晶層の屈折率が1.52であり、
前記反射面の前記液晶層と接する側の曲面が凹面であり、前記マイクロレンズアレイの前記レンズの凸面の曲率半径をr1、その焦点距離をf1、前記反射面の凹面の曲率半径を|r3|、前記マイクロレンズアレイの前記レンズの凸面から前記反射面までの距離をdとしたとき、
r1=10マイクロメートル、かつ、
r3=−100マイクロメートル
かつ、
d/f1=0.27
であることを特徴とする反射型液晶空間光変調素子。 - 請求項1記載の反射型液晶空間光変調素子を用いたことを特徴とする画像表示装置。
- 請求項2記載の画像表示装置において、
前記反射型液晶空間光変調素子から出射する光束を投射する投射レンズを備えたことを特徴とする画像表示装置。 - 請求項2または3記載の画像表示装置において、
前記反射型液晶空間光変調素子から出射する光束をシフトさせる素子を備えたことを特徴とする画像表示装置。
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