JPH11258585A - 反射型表示素子およびこれを用いた表示装置 - Google Patents

反射型表示素子およびこれを用いた表示装置

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JPH11258585A
JPH11258585A JP10063741A JP6374198A JPH11258585A JP H11258585 A JPH11258585 A JP H11258585A JP 10063741 A JP10063741 A JP 10063741A JP 6374198 A JP6374198 A JP 6374198A JP H11258585 A JPH11258585 A JP H11258585A
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light
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crystal display
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JP10063741A
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English (en)
Inventor
Akiyoshi Fujii
暁義 藤井
Hiroshi Hamada
浩 浜田
Toshiyuki Makii
俊之 槙井
Takashige Oota
隆滋 太田
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 実効的な画素の反射面積率を100%に近づ
け、より高輝度かつ高品位の画像を実現可能とする反射
型表示素子と、該反射型表示素子を用いた拡大投影型の
表示装置とを提供する。 【解決手段】 たとえば、表示素子として液晶表示素子
10を用いると、この液晶表示素子10に備えられてい
る複数のマイクロレンズ13…は、液晶層17における
液晶分子17a…の配向乱れ領域を避けて光源6からの
光を集光し、液晶パネル11に入射させる。入射した光
は液晶分子17a…が正常に配向している領域を透過し
た後に、反射電極50により反射されて出射される。こ
のように表示に寄与しない領域(上記配向乱れ領域)を
表示に利用しないため、光の利用効率を向上させて高品
位の画像を表示する表示素子を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に、プロジェク
タといった拡大投影型の表示装置に好適に用いられる反
射型表示素子と、この表示素子を備える表示装置とに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、たとえば、液晶プロジェクタ(プ
ロジェクション型の液晶表示装置)などの拡大投影型の
表示装置においては、表示情報量の増大、あるいは表示
される画像品位を向上させることが要求されている。
【0003】以下、拡大投影型の表示装置として液晶プ
ロジェクタを例に挙げて説明すると、この液晶プロジェ
クタでは、従来、表示素子として透過型かつアクティブ
マトリクス型の液晶表示素子(以下、特に説明がない限
り、アクティブマトリクス型の液晶表示素子を単に液晶
表示素子とする)を用いたものが主流となっている。こ
のような液晶プロジェクタでは、上述したような表示情
報量の増大や画像品位のために、該液晶プロジェクタに
用いられる表示素子である上記透過型の液晶表示素子に
対しても、高精細化、微細化が要求されている。
【0004】このような高精細化や微細化の際、透過型
液晶表示素子のコストアップを避けるために、表示画面
の面積は同じままで画素数を向上させようとすると、一
画素当たりの面積は小さくなる。しかしながら、各画素
に個々に設けられているスイッチング素子(アクティブ
素子)や補助容量などの占める面積を小さくすることは
困難である。
【0005】そのため、上記透過型の液晶表示素子で
は、高精細化や微細化するに伴って、該透過型液晶表示
素子上の一つの画素に占めるスイッチング素子(アクテ
ィブ素子)や補助容量などの面積が相対的に増大する。
それゆえ、透過型液晶表示素子における画素の開口率が
低下し、液晶プロジェクタにおける光源からの光の利用
効率が悪化する。
【0006】このような制約を解消するための技術に
は、上記液晶表示素子として透過型ではなく反射型の
ものを用いる手法がある。具体的には、たとえば、特開
平8−179377号公報に開示されている反射型アク
ティブ・マトリクス・ディスプレイ・パネル及びその製
造方法を挙げることができる。
【0007】このような反射型の液晶表示素子では、画
素を構成する画素電極のスイッチング素子(薄膜トラン
ジスタなど)や補助容量などを、該画素電極の下部に形
成し、画素電極の上部では、光源から照射される光をほ
とんど全て反射することが可能となる。そのため、反射
型の液晶表示素子は、その構造上、透過型液晶表示素子
の画素の開口率と比べてそれに相当する画素の反射面積
率を高めることが可能となる。
【0008】ところで、反射型液晶表示素子に対して、
外部から入射する光をより効率的に利用するための技術
としては、液晶表示素子の個々の画素に対応するよう
なマイクロレンズを設ける手法が知られている。この方
法としては、具体的には、たとえば、特開平5−272
30号公報には、直視型の液晶表示素子にマイクロレン
ズを設ける技術が開示されている。
【0009】なお、マイクロレンズを設けている液晶表
示装置としては、特開平9−15626号公報に開示さ
れている液晶表示装置(液晶デバイス)があり、この液
晶表示装置には、反射型液晶表示素子の反射電極(画素
電極)にその焦点を合わせたマイクロレンズアレイが設
けられている。しかしながら、上記公報に開示されてい
る技術は、カラーフィルタを用いずに単一の反射型液晶
表示素子によって拡大投影型の表示装置を実現しようと
することにあり、本発明の趣旨とは異なる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】液晶表示素子は一般に
交流で駆動される。この駆動方法の一つに、画像信号の
極性をフィールド毎に切り替える方法がある。この方法
では、フィールド毎に表示画面の全画素に同じ極性の電
圧が印加されていることになる。ここで、対向オフセッ
ト電圧の調整誤差などにより、液晶層に印加される電圧
波形が正負アンバランスになると、液晶の光学的応答に
フレームレートの半分の周波数成分が生じ、それがフリ
ッカーとして目障りとなる。
【0011】このフリッカーの発生を抑制する駆動方法
としては、画素ライン毎に極性を反転するライン反転駆
動(走査線または信号線毎)や、チェッカーフラッグ状
に画素毎に極性を反転させるドット反転駆動が挙げられ
る。
【0012】このようなライン反転駆動やドット反転駆
動では、入力される画像信号の極性が隣接する画素同士
で異なる部位が存在する。このような部位では、隣接す
る画素間の電圧差により横電界が発生し、該電界によ
り、配向乱れ(液晶分子が所望の配向とは異なる状態)
が引き起こされる。この配向乱れのために、画面上で
は、白表示の輝度の低下や黒表示の浮き上がり(黒浮
き)といった画像品位の低下が招来される。
【0013】そこで、このような配向乱れによる画像品
位の低下を回避するために、たとえば、画素間にある程
度の距離を設ける手法や、ブラックマトリクスで画素上
の配向乱れの領域を遮蔽する手法が考えられる。しかし
ながら、これらの手法では、表示に関与しない面積が増
大し、有効表示面積が減少するという問題点を招来す
る。
【0014】なお、液晶表示素子の駆動方式として、フ
ィールド反転駆動方式を採用すると、ライン反転駆動や
ドット反転駆動のように入力される画像信号の極性が隣
接する画素同士で異なる部位が発生しなくなる。そのた
め、このフィールド反転駆動では、液晶分子の配向乱れ
を防ぐことができるものの、フリッカーが顕著になっ
て、本来問題とされていたフリッカーの対策とはなり得
ない。
【0015】ちなみに、フィールド反転駆動方式で上記
フリッカーの発生を回避しようとすると、表示信号のフ
レームレートを高めることによりフリッカーの周波数を
高め、観察者の目に感じないようにしなければならな
い。そのためには、表示信号の変換およびアクティブ素
子の駆動能力の高速化などの新たな課題が発生する。
【0016】さて、上記の方法、すなわち、反射型液
晶表示素子にマイクロレンズを設ける手法は、光源から
の光の利用効率を向上させるための技術である。ここ
で、液晶プロジェクタにおける光源からの光は、±3°
〜±10°程度の発散角を有している。そのため、液晶
プロジェクタに備えられている投影レンズは、この発散
角を有する光を十分に利用できるようにそのF値が決定
されている。
【0017】つまり、液晶プロジェクタに備えられてい
る投影レンズは、所定の発散角の光を十分に受光できる
ようになっている。ところが、上記の方法に準じてマ
イクロレンズの焦点位置を画素の反射電極の表面に一致
させた場合、図20に示すように、所定の発散角の範囲
内でマイクロレンズに入射した光の一部は、該マイクロ
レンズを透過して反射電極によって反射された後に、入
射角以上に傾いた光として出射される(なお、詳細につ
いては、発明の実施の形態で後述する)。そのため、上
記投影レンズでは、マイクロレンズを透過して反射され
た光を完全には受光することができなくなる。
【0018】したがって、マイクロレンズを反射型液晶
表示素子へ設けることは、本来、光の利用効率の上昇を
目的としているためであるにもかかわらず、結果的に、
反射型液晶表示素子に反射された光の一部を無駄にして
いることになる。
【0019】本発明は、上記の問題点に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、実効的な画素の反射効率を
100%に近づけ、より高輝度かつ高品位の画像を実現
可能とする反射型表示素子と、この反射型表示素子を用
いた特に拡大投影型の表示装置とを提供することを目的
とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
反射型表示素子は、上記の課題を解決するために、入射
した光を反射する反射部を備えた複数の画素と、該複数
の画素に対応するようにして設けられたマイクロレンズ
とを備えている反射型表示素子において、上記マイクロ
レンズは、反射効率の低い領域を避けて上記光を集光す
ることを特徴としている。
【0021】たとえば、液晶を用いた表示素子では、ラ
イン反転駆動を採用すると、液晶分子の配向の乱れる配
向乱れの領域が形成される。この配向乱れの領域は、入
射する光に不均一な変調を与え、画像のコントラストを
低下させ、反射効率の低い領域となる。
【0022】しかしながら、上記の請求項1記載の構成
によれば、配向乱れのため反射効率が低い領域が発生し
ても、入射する光を収束するマイクロレンズが、この領
域に光を照射しないように、すなわちこの配向乱れの領
域を表示に利用しないようにしている。そのため、画素
における実効的な反射効率を100%に近づけ、光の利
用効率を向上させることができる。
【0023】本発明の請求項2記載の反射型表示素子
は、上記の課題を解決するために、上記請求項1記載の
構成に加えて、上記マイクロレンズの焦点距離は、該マ
イクロレンズと上記反射部との距離よりも大きいことを
特徴としている。
【0024】上記請求項2記載の構成を液晶表示素子に
適用すると、焦点距離が上記のように設定されていれ
ば、液晶表示素子に入射した入射光が反射部により反射
された後に、隣接するマイクロレンズから出射するよう
なことがない。そのため、入射光は、反射部で反射され
て反射光となっても、所定の発散角の範囲内で出射する
ことになる。その結果、液晶表示素子の光の利用効率を
向上させて、表示される画像の輝度や表示品位を十分に
向上させることができる。
【0025】本発明の請求項3記載の反射型表示素子
は、上記の課題を解決するために、上記請求項1または
2記載の構成に加えて、上記マイクロレンズの焦点距離
は、該マイクロレンズと上記反射部との距離の約2倍と
なっていることを特徴としている。
【0026】上記の請求項3記載の構成によれば、マイ
クロレンズの焦点距離がマイクロレンズと反射部との間
の距離の約2倍となるように設定されていると、入射す
る光の発散角が最大受光角度以下の角度であれば、反射
光の発散角は、入射光の発散角以上にはならないように
することができる。つまり、入射する光の発散角を保存
することができる。そのため、光学系の設計が容易とな
る。
【0027】本発明の請求項4記載の反射型表示素子
は、上記の課題を解決するために、上記請求項1、2ま
たは3記載の構成に加えて、上記マイクロレンズは、上
記反射型表示素子を構成する基板に一体化されて備えら
れていることを特徴としている。
【0028】上記の請求項4記載の構成によれば、マイ
クロレンズが反射型表示素子を構成する基板に一体化さ
れているため、マイクロレンズを画素に位置合わせして
貼り合わせる必要がなくなる。その結果、反射型表示素
子の製造方法をより簡素化することができる。また、マ
イクロレンズの焦点距離が短い場合には、マイクロレン
ズを該基板に埋め込むことによって、焦点距離を最適に
設定することが可能となる。
【0029】本発明の請求項5記載の反射型表示装置
は、上記の課題を解決するために、請求項1から4の何
れか1項に記載の反射型表示素子を備えていることを特
徴としている。
【0030】上記の請求項5記載の構成によれば、反射
型表示素子の光の利用効率が向上しているために、表示
される画像の輝度およびコントラストを従来よりも一層
向上させたものとすることができる。特に、拡大投影型
の表示装置であれば、その表示品位をさらに向上させる
ことができる。
【0031】なお、個々の微小なレンズをマイクロレン
ズと呼び、多数のマイクロレンズが規則的に配列された
集合体をマイクロレンズアレイと呼んで区別する場合も
ある。
【0032】
【発明の実施の形態】〔実施の形態1〕本発明の実施の
一形態について、図1ないし図15および図19ないし
図21に基づいて説明すれば以下の通りである。なお、
本実施の形態では、反射型表示素子として液晶表示素子
を例に挙げるとともに、拡大投影型の表示装置として、
液晶プロジェクタを例に挙げている。しかしながら、本
発明はこれに限定されるものではない。
【0033】本発明にかかる複屈折モードの反射型のア
クティブマトリクス液晶表示素子(反射型液晶表示素
子、以下、単に液晶表示素子とする)10は、図2に示
すように、一対の透光性基板(基板)14・15からな
る液晶パネル11にマイクロレンズアレイ12が備えら
れている構成となっている。
【0034】具体的には、上記液晶パネル11は、アク
ティブ素子として薄膜トランジスタ(以下、TFTと略
す)を備えているアクティブマトリクス基板(以下、T
FT基板とする)14と、このTFT基板14に対向す
る対向基板15とを有しており、これら各基板の間に図
示しない液晶層を封入している。
【0035】上記TFT基板14の表面には、液晶表示
素子10の各画素毎に対応するように設けられている複
数の反射電極(反射部)50…が、マトリクス状に配列
されている。本実施の形態では、反射電極50…は画素
列50a…として配置されており、各画素列50a毎に
同極性の画像信号が印加されるようになっている。
【0036】たとえば、図2に示すように、九個示して
いる反射電極50…のうち、図面左側の三つの反射電極
51a、51b、51cは画素列51を形成するように
配置されている。同様に、図面中央部の三つの反射電極
52a、52b、52cは画素列52を形成するように
配置されており、図面右側の反射電極53a、53b、
53cは画素列53を形成するように配置されている。
上記反射電極50…の下層には、アクティブ素子である
図示しないTFTや、補助容量などが形成されている。
【0037】なお、図2に示している反射電極50…は
九個しかないが、これは、説明の便宜上、本実施の形態
における液晶表示素子10の画素の一部のみを図示し、
その他の画素を省略しているためである。実際の液晶表
示素子10(または液晶パネル11)では、一つの画素
列50a毎に数百個単位の反射電極50…、すなわち画
素が形成されている。
【0038】TFT基板14上に形成されている上記反
射電極50…の配列、すなわち、液晶表示素子10にお
ける画素の配列は、図示しない信号線に沿っていてもよ
いし、走査線に沿っていてもよい。本実施の形態の液晶
表示素子10における液晶分子の駆動方式はライン反転
駆動であるが、この反転駆動を行う方向のラインとして
は信号線であっても走査線であっても構わない。つま
り、ライン駆動反転としては、信号線に沿って反転駆動
を行うソース反転駆動でもよいし、走査線に沿って反転
駆動を行うゲート反転駆動でもよい。
【0039】TFT基板14に対向する対向基板15の
対向面には、対向電極16が形成されている。この対向
電極16と上記反射電極50…との間に存在する図示し
ない液晶分子に対して、上記反射電極50…から所定の
画像信号を印加する。これによって該液晶分子の方向を
変化させて液晶パネル11を透過する光の偏光状態を制
御し、その結果として、投影の強度を変化させる。
【0040】対向基板15における対向面とは反対側の
面、すなわち、対向基板15におけるTFT基板14と
は対向していない側の面には、図2に示すように、マイ
クロレンズアレイ12が設けられている。このマイクロ
レンズアレイ12には、半円筒形状あるいは蒲鉾状の複
数のマイクロレンズ13…が設けられており、各マイク
ロレンズ13…は液晶パネル11の各画素、つまり反射
電極50…に正確に対応するように位置合わせされてい
る。なお、図2では、便宜上三つのマイクロレンズ13
a・13b・13cのみを図示している。また、対向基
板15(液晶パネル11)に対するマイクロレンズアレ
イ12の固定は、透光性を有する接着剤によって貼り合
わせることによってなされる。
【0041】本実施の形態では、上記マイクロレンズ1
3…は、図2に示すような各画素列50aに対応するよ
うな形状のものが用いられている。すなわち、一つのマ
イクロレンズ13が一つの画素列50aを形成する複数
(図2では三つ)の反射電極50…に対応するようにな
っている。図2では、マイクロレンズ13aが画素列5
1に対応し、マイクロレンズ13bが画素列52に対応
し、マイクロレンズ13cが画素列53に対応してい
る。
【0042】また、本実施の形態における液晶表示素子
としては、図3(a)・(b)に示すように、一つのマ
イクロレンズ43が一つの画素(反射電極50)に個々
に対応するようなマイクロレンズアレイ42が設けられ
ている液晶表示素子40であってもよい。この液晶表示
素子40は、上述した液晶パネル11に対して、マイク
ロレンズ43…が複数設けられているマイクロレンズア
レイ42を貼り合わせてなっている構成である。
【0043】上記マイクロレンズ43…と反射電極50
…との対応関係について説明すると、画素列51におけ
る反射電極51a・51b・51cには、マイクロレン
ズアレイ42におけるマイクロレンズ44a・44b・
44cがそれぞれ対応し、画素列52における反射電極
52a・52b・52cには、マイクロレンズ45a・
45b・45cがそれぞれ対応し、画素列53における
反射電極53a・53b・53cには、マイクロレンズ
46a・46b・46cが対応している。
【0044】なお、液晶表示素子40では、個々のマイ
クロレンズ43のレンズ面は球面あるいは非球面の一部
分であるが、マイクロレンズ43の平面図の輪郭は反射
電極と同じ形状(一般に正方形または長方形)であり、
マイクロレンズ43同士の間に隙間が存在しないように
配置している。
【0045】マイクロレンズ43の形状は、このような
形状に限定されるものではないが、マイクロレンズ43
…同士の間に隙間がある場合には、その隙間に照射され
る光を表示に利用することができない。これに対し、マ
イクロレンズ43…を隙間なく配列すると光源からの光
をほぼ完全にマイクロレンズ43…で受光することがで
きるため、利用効率を向上させることができる。したが
って、隣接するマイクロレンズ43…を隙間なく詰める
稠密配列にすることが好ましい。
【0046】また、上記のようなマイクロレンズを作成
する方法としては、たとえば、2p形成法やフォトリソ
グラフィーを用いた熱だれによる形成法、エッチングで
基板本体に窪みを形成する方法などが挙げられる。
【0047】まず、2p形成法は、基板本体上にUV硬
化樹脂をレンズ雌型で型押しする方法である。熱だれに
よる形成法は、基板本体上に、アクリル系のレジストを
所定のピッチでフォトリソグラフィーによってパターニ
ングし、その後、熱だれによってレンズ形成を行う方法
である。このときのピッチは、マイクロレンズを形成す
るピッチ、すなわちマイクロレンズの大きさのピッチと
なるようにする。
【0048】また、エッチングで基板本体に窪みを形成
する方法は、まず、基板本体となるガラス基板の表面を
耐エッチング性の保護膜で覆う。次に、この保護膜に対
して、マイクロレンズのピッチとなるような所定の間隔
で細かい穴を開ける。次に、この穴からガラスをエッチ
ングし、ガラス基板上にレンズ形状の凹型の複数の窪み
を形成する。最後に、この複数の窪みに、ガラス基板よ
りも屈折率の大きい樹脂を流し込んで硬化させる。これ
によって、複数のマイクロレンズを形成することができ
る。なお、上述したマイクロレンズを作成する方法はこ
れに限定されるものではない。
【0049】TFT基板14および対向基板15として
は、たとえば、コーニング7059などの無アルカリガ
ラスが好適に用いられる。反射電極50としては、液晶
表示素子10に入射した光を良好に反射できる材質であ
れば特に限定されるものではないが、たとえば、アルミ
ニウム、銀、白金、パラジウムあるいはこれらを主成分
とする合金からなる電極などが好適に用いられる。ま
た、SiO2 、TiO2、Al2 3 などの酸化物を積
層した誘電体ミラーを反射板とし、酸化インジウム錫
(ITO)を電極として誘電体層に積層したものでもよ
い。マイクロレンズアレイ12と液晶パネル11とを接
着する接着剤としては、たとえば、紫外線硬化型樹脂な
どの透光性を有する光硬化型の樹脂が好適に用いられ
る。
【0050】対向電極14としては、酸化インジウム錫
(ITO)などの透明電極を好適に用いることができ
る。また、アクティブ素子としては、TFTに限定され
るものではなく、MIM(Metal Inslator Metal)素子
などのダイオード素子も好適に用いることができる。上
述した各構成も含めて、その他、本発明にかかる液晶表
示素子10が有する構成は、特に限定されるものではな
く、同様の機能を有するものを用いることができる。
【0051】本実施の形態における液晶プロジェクタ
(拡大投影型の液晶表示装置、プロジェクション型の液
晶表示装置)5は、図1および図4(a)・(b)に示
すように、光源6、偏光ビームスプリッタ7、投影レン
ズ8、液晶表示素子10などを備えている。なお、図4
(a)・(b)にはマイクロレンズアレイ12あるいは
42は図示していない。
【0052】図1および図4(a)・(b)に矢印Lで
示すように、上記光源6は、偏光ビームスプリッタ7に
対して光を照射する。この光は、偏光ビームスプリッタ
7によってP偏光成分の光(図中矢印P1 )とS偏光成
分の光(図中矢印S1 )とに分離される。つまり、この
偏光ビームスプリッタ7は、P偏光成分の光P1 をその
まま透過させる一方、S偏光成分の光S1 を反射する。
【0053】ここで、液晶パネル11(液晶表示素子1
0)がオフ状態であると、図4(a)に示すように、対
向電極16と反射電極50…(図4(a)では、一つの
み表示)との間には、駆動信号電圧源18から画像信号
としての電圧が印加されない。そのため、液晶層17に
おける液晶分子17a…は、TFT基板14および対向
基板15の表面に対してほぼ垂直となる方向に配向して
いる。
【0054】このような配向状態の液晶層17に直線偏
光(ここではS1 )が入射すると、偏波面は回転せず、
反射電極50によって反射され、再び液晶層17を透過
し、そのままS偏光成分の光(図中矢印S2 )として液
晶パネル11から出射する。
【0055】反射されたS偏光成分の光S2 は、再び偏
光ビームスプリッタ7に入射する。ここで、上述したよ
うに偏光ビームスプリッタ7はS偏光成分の光を反射す
るため、再入射したS偏光成分の光S2 は光源6側へ反
射されて投影レンズ8には入射しない。それゆえ、液晶
表示素子10がオフ状態のときには、投影レンズ8から
スクリーン9(図4(a)・(b)には図示せず)に光
の投影はなされず、投影された画面上では黒表示とな
る。
【0056】なお、本実施の形態では、垂直配向モード
で液晶を動作させるため、対向する両基板(TFT基板
14および対向基板15)の表面に垂直配向処理を施し
ており、また、液晶材料として、誘電率異方性がn型の
ものを使用している。
【0057】一方、液晶表示素子10がオン状態の場合
には、図1および図4(b)に示すように、上記対向電
極16と反射電極50…とに対して駆動信号用電圧源1
8から画像信号電圧が印加される。それに応じて、液晶
層17における液晶分子17a…の方向が変化して、印
加電圧に応じた角度に傾斜する。その結果、液晶表示素
子は、垂直入射光に対し、複屈折性を示す。
【0058】このように液晶分子17a…が傾斜した状
態となっている液晶層17にS偏光成分の光S1 が入射
すると、図1および図4(b)に示すように、このS偏
光成分の光S1 が液晶層17を透過して反射電極50…
により反射され、再び液晶層17を透過し、液晶パネル
11を出射するが、その光S1 が液晶層17を往復する
間に、液晶層17の複屈折により楕円偏光に変化する。
ここで、液晶層17の複屈折の大きさ、つまり、位相差
が入射光の1/4波長になっていると、入射光が往復す
る間に1/2波長の位相差が生じ、入射光の偏波面が9
0°回転したP偏光成分の光(図中矢印P2 )に変換さ
れることになる。
【0059】上述したように、偏光ビームスプリッタ7
は、入射した光のうちS偏光成分の光は反射するがP偏
光成分の光は透過する。そのため、上記変換されたP偏
光成分の光P2 は、そのまま偏光ビームスプリッタ7を
透過して投影レンズ8に入射する。その結果、液晶パネ
ル11がオン状態の場合には、投影レンズ8からスクリ
ーン9に対して光が投影されることになり、画面上では
白表示となる。
【0060】次に、「配向乱れ」について説明する。上
記液晶パネル11がオフ状態、つまり、対向電極16と
反射電極50…との間の液晶層17には電圧(画像信
号)は印加されていない場合では、図5に示すように、
液晶分子17a…は、TFT基板14および対向基板1
5の表面に対して垂直となる状態に配向している。
【0061】これに対して、液晶表示素子10がオン状
態の場合では、図6に示すように、対向電極16と反射
電極50…との間の液晶層17に画像信号電圧が印加さ
れるため、液晶分子17a…は、上記表面に対して所定
の角度αに傾斜した方向に配向することになる。そのた
め、図7に示すように、偏光ビームスプリッタ7から液
晶パネル11に入射するS偏光成分の光(図中実線の矢
印S1 )は、液晶分子17a…が傾斜している液晶層1
7を透過して偏光状態の変調を受け、反射電極50…に
より反射される。
【0062】反射された光は、液晶パネル11から出射
した時点ではP偏光成分の光(図中破線の矢印P2 )に
変換されている。そのため、このP偏光成分の光は、偏
光ビームスプリッタ7の反射面7aでは反射されずに、
該偏光ビームスプリッタ7を透過して投影レンズ8に到
達する。その結果、図示しないスクリーン9では、一様
な白表示が投影される。
【0063】ところが、本実施の形態における液晶表示
素子10の駆動方式であるライン反転駆動では、一つの
反射電極50に隣接する四つの反射電極50…のうちの
二つには、常に逆の極性の画像信号電圧が印加されてお
り、そのような反射電極50との境界近傍では、図8に
示すように、横電界50bが発生する。そのため、この
横電界50bは、上記反射電極50・50における電極
端近傍に位置する液晶分子17a…の配向状態に影響を
及ぼし、その結果、液晶分子17a…の所定の配向(所
定の角度αに傾斜している状態)を変化させ、傾斜の角
度が異なる配向乱れを引き起こす。
【0064】この配向乱れが生じている液晶層17の領
域(以下、配向乱れ領域とする)に、図9に示すよう
に、液晶パネル11に一様にS偏光成分の光が入射して
も、該光を所定の偏光状態へ変調させることができな
い。その結果、配向乱れ領域を透過したS偏光成分の光
(図中実線の矢印S1 )は、偏光が90°回転せず、S
偏光成分の光(図中実線の矢印S2 )を含む楕円偏光と
なって、液晶表示素子10から出射される。したがっ
て、この楕円偏光に含まれているS偏光成分の光は偏光
ビームスプリッタ7を透過することができず、反射面7
aで反射されて投影レンズ8へは到達しない。
【0065】つまり、配向乱れの生じていない通常の領
域から反射され、偏光ビームスプリッタ7を透過して投
影レンズ8に到達する場合と比べて、反射効率が低下し
たように見える。そのため、投影レンズ8に到達する光
の量が全体的に少なくなって輝度が低下する。
【0066】ところで、上記配向乱れは、図8および図
9に示すように、反射電極50…の電極端に生じる。言
い換えれば、配向乱れの生じていない領域は、反射電極
50…の中央部、つまり画素の中央部のみであり、画素
の周囲は配向乱れ領域となっている。
【0067】そこで、前述した従来の技術に準じて、図
19に示すように、液晶パネル11にマイクロレンズ6
3…を設け、該マイクロレンズ63の焦点位置を反射電
極50の中央部に一致させ、配向乱れが生じていない画
素中央部の領域のみに光を集光させることによって、配
向乱れに伴う光利用効率の低下、およびコントラスト比
の低下を回避することが考えられる。しかしながら、こ
のような配置でマイクロレンズ63…を液晶パネル11
に単に設けるだけでは、光の利用効率を上昇させること
ができず、逆に、光の利用効率を低下させてしまう。
【0068】ここで、図1に示すように、本発明にかか
る液晶表示素子10が備えているマイクロレンズ13…
は、光源6からの光を液晶層17における液晶分子17
a…の配向が乱れている領域を避けて、配向が乱れてい
ない領域にのみ光を集光できるようになっている。特
に、本実施の形態では、マイクロレンズ13…は、その
焦点距離が該マイクロレンズ13と反射電極50との間
の距離よりも大きくなるように設定されている。この本
発明におけるマイクロレンズ13について、比較例のマ
イクロレンズ63と対比しながら説明する。
【0069】比較例では、図19に示すように、液晶パ
ネル11の表面に垂直に入射する光は、マイクロレンズ
63…により反射電極50…の中央部に集光されて反射
され、入射した光路と同一の光路で液晶パネル11から
出射する。なお、マイクロレンズ63…の焦点距離f
は、該マイクロレンズ63…と反射電極50…との間の
距離tに一致している。また、上記焦点距離fとは、マ
イクロレンズ63…が配設されている側、すなわち光が
入射する側の基板(対向基板15)での焦点距離を示
す。
【0070】このように入射する光が全て液晶パネル1
1の表面に垂直に入射していれば、マイクロレンズ63
により光を効率よく集光することができ、反射電極50
…が形成されていない領域や配向乱れ領域に光が照射さ
れることがなく、光の利用効率の向上やコントラストの
低下を抑制することが可能となる。
【0071】しかしながら、現実には、上記光源6から
照射される光は、通常±3°〜±10°程度の発散角
(光線の進行方向のバラツキの幅)を有している。この
発散角発生の主原因は、光源6における発光源の大きさ
が有限であることによるものであり、他に、光源6に備
えられている図示しないランプリフレクタの歪みなどに
よる照明光学系の収差や迷光、あるいは、光源6から直
接入射してくる光なども原因となる。
【0072】上記光源6における発光源の大きさ(アー
ク長)が小さければ小さいほど光源6から照射される光
の発散角を小さくすることができるが、通常、このアー
ク長の大きさは1〜3mm程度である。そのため、光源
からの光は必ず上記発散角を有する広がりをもったもの
となる。
【0073】上記光源6から照射される光の発散角がθ
であるとする。まず、図21に示すように、点Sが画素
(反射電極50)同士の間の中間点に位置するように入
射角θ=θmax の入射光L11が入射すると、反射光L12
の出射角θref は、入射光L11の入射角θと同一となる
(θref =θ)。ここで、マイクロレンズ63を透過し
た入射光L11が反射電極50上にスポットを形成する際
に、該スポットの端がちょうど隣接画素(反射電極5
0)との境界に達するような入射光L11の入射角θ=θ
max を最大受光角度とする。この状態よりも入射角θが
小さい値で入射光L11が入射すると、次に説明するよう
に、この入射光L11の発散角θに比べて、入射光L12
出射角θref は大きくなる(θref >θ)。
【0074】図20に示すように、一つのマイクロレン
ズ63aに対して、端部(図20では右側の端部)から
入射角θの入射光(図中L11で示す)が入射すると、こ
のマイクロレンズ63aに対応する反射電極54で入射
光L11は反射され、反射光L12となる。その後、入射光
11が入射した端部から見て、マイクロレンズ63aの
中央部を挟んで反対側となる位置に隣接しているマイク
ロレンズ63b(図20ではマイクロレンズ63aの左
側に位置する)から反射光L12は出射する。
【0075】この反射光L12の出射角θref は、入射角
θで入射した入射光L11が反射電極54上で反射される
位置である点Sと隣接するマイクロレンズ63bの主点
Hbとを結んで得られる直線の傾きと等しくなる。
【0076】なぜなら、上記入射光L11のように、入射
角θでマイクロレンズ63aに入射した光のうち、該マ
イクロレンズ63aの主点Haを通過する光の経路と、
上記反射光L12のように、画素ピッチpだけ離れた位置
に隣接するマイクロレンズ63bから出射する光のう
ち、該マイクロレンズ63bの主点Hbを通過する光の
経路とは反射電極54上で一致するからである。したが
って、上記θref とθとの関係は、次式(1)で表すこ
とができる。なお、図20に示すマイクロレンズ63a
・63b間の間隔(Ha−Hb間の距離、マイクロレン
ズ63のピッチ)と画素ピッチ(すなわち、反射電極5
4のピッチ)とは等しいものとするとする。また、図2
0に示すように、主点Haを通り反射電極54上に垂直
となる線を考えた場合に、この線が反射電極54の表面
と交わる点をCaとし、同様に主点Hbを通り反射電極
50に垂直となる線を考えた場合に、この線が反射電極
50と交わる点をCbとすると、S−Ca間の距離をC
1 とし、S−Cb間の距離をC2 とする。
【0077】 このように、入射角±θを有する入射光L11がマイクロ
レンズ63に入射した場合、±θが最大受光角度θmax
の場合を除き、反射光L12の一部の出射角θref は、θ
よりも大きくなることがわかる。
【0078】ここで、投影レンズ8のF値は、通常、±
θの発散角を有する光を十分利用することができるよう
に決定されている。そのため、液晶パネル11からの出
射する反射光L12の発散角θref がθよりも大きくなる
と、この反射光L12が投影レンズ8に入射できなくな
る。
【0079】その結果、本来、光源6からの入射光L11
の利用効率を向上させるために液晶パネル11に設けた
マイクロレンズ63は、反射光L12の一部を投影レンズ
8へ入射させることができずに入射光L11を無駄にして
いることになる。したがって、表示される画像の輝度や
表示品位を十分に向上させることができない。
【0080】しかしながら、本発明にかかる液晶表示素
子10では、図1に示すように、液晶パネル11に対し
て、焦点距離fが対応する反射電極50までの距離tよ
りも大きく設定されているマイクロレンズ13を備えて
いる。このように焦点距離fが反射電極50までの距離
t(以下、距離tと略す)よりも大きくなっていると、
上述したように、入射光が反射電極50により反射され
た後に、隣接するマイクロレンズ13から出射するよう
なことがない。
【0081】そのため、光源6からの光は、液晶パネル
11を介して反射光となっても、投影レンズ8へ入射で
きる大きさの発散角を有する光として該投影レンズ8に
入射する。その結果、液晶パネル11の光の利用効率を
向上させて、表示される画像の輝度や表示品位を十分に
向上させることができる。
【0082】たとえば、本実施の形態では、液晶表示素
子10に対してマイクロレンズアレイ12として複数の
マイクロレンズ13…を設けているが、このマイクロレ
ンズ13…の焦点距離fは、上記距離tの2倍(f=2
t)のものを用いている。
【0083】このマイクロレンズ13に対して、図10
に示すように、液晶パネル11の表面に対してほぼ垂直
に入射光L1 が入射すると、この入射光L1 はマイクロ
レンズ13により反射電極50上に集光されるが、この
とき、上述した従来のマイクロレンズ63とは異なり、
入射光L1 は反射電極50上で点Sとして収束せず、幅
0 のスポットを形成する。なお、以下の説明では、焦
点距離fは、液晶表示素子10の基板中での値とする。
【0084】そして、スポットとして反射電極50によ
り反射された反射光L2 は、液晶パネル11とマイクロ
レンズ13との境界で一点に収束し、その後、広がりな
がらマイクロレンズ13から出射していく。なお、上記
スポットS0 の幅は、マイクロレンズ13全面に光が照
射されるとすると、マイクロレンズ13の幅の1/2と
なる。
【0085】図10に示したマイクロレンズ13に入射
して反射される光の経路(光路)をさらに分かりやすく
するために、上記光路を展開した図を図11として示
す。なお、図中A−A線は反射電極50を起点とした折
り返しの境界線であり、この境界線の図中下方は、境界
線上方の鏡像となっている。具体的には、図11下方の
マイクロレンズ13a…は、図10上方のマイクロレン
ズ13…に対応する鏡像であり、図11下方の対向基板
15aは図10上方の対向基板15に対応する鏡像であ
る。また、図11では、反射電極50の厚さを無視して
いる。
【0086】図11に示すように、マイクロレンズ13
の焦点距離fはf=2tであるので、反射光L2 はマイ
クロレンズ13の鏡像である図面下方のマイクロレンズ
13aと対向基板15aとの境面に位置する該マイクロ
レンズ13aの主点に収束される。そして、マイクロレ
ンズ13a(マイクロレンズ13)を出射した光L
2は、次式(2)で表される発散角θref =θ1 で広が
っていく。なお、マイクロレンズ13の直径をDとす
る。
【0087】 θref =2tan-1(D/4t)・・・(2) 一方、図12に示すように、液晶パネル11の表面に垂
直な方向に対して角度θ=θmax を有して入射光L1
入射したとする。ここで、この角度θmax は最大受光角
度であり、図12のB−B線光路展開図である図13に
も示すように、入射光L1 がマイクロレンズ13により
集光される。そして、反射電極50上に形成される幅S
0 のスポットの端は画素(反射電極50)の境界に達す
ることになる。なお、この角度θmax を越える角度で入
射した入射光(図示せず)は、反射電極50で反射され
た後に隣接するマイクロレンズ13から出射することに
なる。
【0088】上記スポットとして集光された入射光L1
は反射電極50により反射されて反射光L2 となるが、
この反射光L2 マイクロレンズ13と液晶パネル11
(対向基板15)の境界で、かつマイクロレンズ13の
端部となるような位置に収束する。これはマイクロレン
ズ13の焦点距離fが上述したようにf=2tであるた
めであり、図13に示すように、鏡像のマイクロレンズ
13aと鏡像の対向基板15aとの境界が焦点距離f=
2tとなる位置に相当するためである。そして、この点
に収束した反射光L2 は鏡像のマイクロレンズ13a
(マイクロレンズ13)を透過して発散角±θref =±
θ(全角=2θ、この場合±θref =±θmax となる)
で広がって出射していく。
【0089】なお、図12では、光路が反射電極50の
端部に接触しているが、この図12に対応する光路の展
開図である図13では、光路が反射電極50の端部に接
触していない。これは、図10ないし図13に示してい
る反射電極50同士の間の間隔を、説明の便宜上、実際
よりも大きく記載しているためであり、矛盾するもので
はない。
【0090】上記の説明では、液晶パネル11の表面に
垂直な方向から一方向のみ傾斜して(図12・図13で
は、図面右方向に傾斜)入射光L1 が入射した場合につ
いて説明したが、逆方向に角度θだけ傾斜(−θ、図面
左方向に傾斜)した場合であっても、反射光L2 の発散
角は±θref =±θ(全角=2θ)となる。
【0091】したがって、焦点距離f=2tの条件でマ
イクロレンズ13の焦点距離fを設定した場合では、発
散角±θで入射した入射光L1 の反射光L2 も同じ大き
さの発散角±θを有していることになる。すなわち、本
実施の形態における液晶表示素子10に発散角±θの入
射光L1 が入射したとしても、得られる反射光L2 も同
じ大きさの発散角±θを有していることになり、従来の
液晶表示素子と比較して入射光L1 の発散角θが拡大す
ることなく保存されている。
【0092】このように、本実施の形態における液晶表
示素子10を用いれば、図1に示すように、光源6から
の光を液晶表示素子10に照射する際に、液晶パネル1
1における液晶層17に生じている液晶分子17a…の
配向乱れ領域に光を照射することがない。したがって、
対向電極16と反射電極50…との間に、ライン駆動反
転により電圧が印加されて反射電極50・50同士の間
に電界が生じることにより、液晶分子17a…の配向が
部分的に乱れても、配向が正常な領域のみに効率的に光
を照射できる。
【0093】しかも、本実施の形態における液晶表示素
子10では、マイクロレンズアレイ12が備えているマ
イクロレンズ13…が、該マイクロレンズ13と反射電
極50との間の距離tよりも大きい焦点距離fを有して
いる。
【0094】そのため、液晶パネル11に入射した入射
光L1 が反射電極50で反射される場合でも、入射光L
1 の発散角θが保存される。その結果、反射電極50で
反射された反射光L2 は、隣接するマイクロレンズ13
から出射することがなく、入射したマイクロレンズ13
から出射するとともに、この反射光L2 は散乱すること
がなく投影レンズ8に到達する。
【0095】それゆえ、光源6から投影レンズ8に至る
までの光路において、光源6からの光のロスを解消する
ことができるため、上記液晶表示素子10を用いた液晶
プロジェクタ5では、従来よりもより一層明るく、かつ
高品位の画像をスクリーン9上に表示することができ
る。また、液晶表示素子10からの反射光L2 が投影レ
ンズ8に入射する際に、該投影レンズ8でケラレること
もないため、光源6からの光の利用効率をさらに向上さ
せることができる。
【0096】なお、上述した説明では、入射光L1 の発
散角θとして最大受光角度θmax を用いてマイクロレン
ズ13の作用および効果を説明したが、発散角θとして
はこれに限定されるものではなく、幾何光学的に考慮す
れば、発散角θがθmax 以下の任意の角度であっても成
立することは明らかである。
【0097】また、図10および図11を用いて説明し
たような、液晶パネル11の表面に対して垂直に入射光
1 が入射した場合に得られる反射光L2 の発散角θ
ref =θ1 は、図12および図13に示すような入射光
1 が傾斜して入射する場合の反射光L2 の発散角θ
ref =θとほぼ等しい。そのため、入射光L1 の入射す
る方向によって反射光L2 の発散角θref が変化するよ
うなことはないとして構わない。
【0098】本実施の形態におけるマイクロレンズ13
…の焦点距離fは、上述したように、マイクロレンズ1
3と該マイクロレンズ13に対応する反射電極50との
間の距離tよりも大きいことが好ましい。焦点距離fが
上記距離tよりも長くなると、反射電極50上に集光さ
れる入射光L2 は、点状のスポットとしてではなくある
程度の大きさの面積を有する面状のスポットとなる。
【0099】上記光源6から照射される光の発散角がθ
であるとすると、入射角±θを有する入射光L1 がマイ
クロレンズ13に入射した場合、図20において説明し
たように、±θが最大受光角度θmax の場合を除き、反
射光L2 の一部の出射角θref は、θよりも大きくなる
ことがわかる。
【0100】この状態では、入射光L1 が垂直よりθ
max 以下の入射角でマイクロレンズ13に入射して反射
電極50により反射されても、その反射光L2 は隣接す
るマイクロレンズ13から出射することがない。そのた
め、液晶表示素子10に入射した光が大きな発散角θ
ref を有して反射されることを回避することができる。
【0101】なかでも、特に、焦点距離fは、上述した
ようにf=2tに設定されていることが特に好ましい。
ここで、この焦点距離fの範囲をt<f<2t、f=2
t、f>2tの三つの場合に分けて各焦点距離fの範囲
の特徴について説明する。
【0102】まず、焦点距離fの範囲がt<f<2tと
なる場合では、入射光L1 の入射角θがθmax 以下のあ
る角度(説明省略)以下であれば、出射光L2 の出射角
θref はθmax を超えることがないという効果を奏する
ことはできるものの、隣接するマイクロレンズ13から
出射する一部の反射光L2 の出射角θref 以上の入射角
に対してはθmax よりも大きくなってしまう。そのた
め、このような反射光L2 が投影レンズ8に達しても、
該投影レンズ8で反射光L2 がケラレてしまう。そのた
め、入射光L1 の入射角θを最大受光角度θmax よりも
十分に小さくしなければならない。
【0103】次に、焦点距離fがf=2tの場合では、
マイクロレンズ13と反射電極50との間の距離tに対
して焦点距離fを2倍にしている。そのため、マイクロ
レンズ13の形状がたとえば図3(a)・(b)に示す
ような正方形であるとすると、このマイクロレンズ13
に入射した入射光L1 は、該マイクロレンズ13に対応
する反射電極50上に、マイクロレンズ13の一辺の1
/2の大きさの辺を有する(すなわち、面積に換算すれ
ば1/4の大きさとなる)正方形スポットとして集光さ
れる。
【0104】このとき、入射光L1 が発散角θを有して
入射したとしても、反射電極50上において、上記スポ
ットの端部が隣接する反射電極50の境界にまで達する
ような入射角θ=θmax (最大受光角度)を越えて入射
光L1 が入射しない限りは、反射光L2 は隣接するマイ
クロレンズ13から出射するようなことがない。
【0105】さらに、この場合では、入射光L1 の入射
角θと反射光L2 の出射角θref とが等しくなるため、
光源6から液晶表示素子10に照射される入射光L1
入射角θは、反射光L2 となっても保存されることにな
る。そのため、液晶表示素子10に対して特別な考慮を
行う必要がなく、光学系に合わせて投影レンズ8を選択
することができる。
【0106】焦点距離fの範囲がf>2tの場合では、
図11や図13に示すような鏡像としてのマイクロレン
ズ13aの外側に焦点が位置することになる。そのた
め、最大受光角度θmax に達するまでの角度であれば、
隣接するマイクロレンズ13から反射光L2 が出射する
ようなことはないが、最大受光角度θmax の大きさが焦
点距離fの大きさに依存することになる。すなわち、焦
点が鏡像のマイクロレンズ13aの外側に離れていくに
伴って、最大受光角度θmax が小さくなっていく。その
結果、焦点距離fが大きくなるほどマイクロレンズ13
の集光効果が低下することになる。
【0107】上記の理由から、マイクロレンズ13の焦
点距離fがf=2tであれば、最大受光角度θmax を最
も大きい角度とすることができる。そのため、マイクロ
レンズ13により集光できる光量を最も大きくすること
ができることになる。それゆえ、マイクロレンズ13の
焦点距離fとしてはf=2tが最も好ましい条件である
と言える。
【0108】上述した焦点距離fがf=2tとなってい
ることが特に好ましい理由についてより具体的に説明す
る。今、投影レンズ8のF値をFp とすると、該投影レ
ンズ8に入射し得る入射光L1 の発散角θは、次式
(3)で示す範囲内となる。そのため、マイクロレンズ
13から出射する反射光L2 の発散角θref もこの範囲
内に収まっていることが好ましい。
【0109】 θref =±tan-1(1/2Fp )・・・(3) ここで、マイクロレンズ13の焦点距離をfmicro 、F
値をFmicro 、直径をDmicro として、まず、マイクロ
レンズ13からの反射電極50までの距離tの設定を行
う。上記投影レンズ8の受光角がマイクロレンズ13か
らの反射光L2の出射角(発散角)θref に等しいとし
て、次式(4)のように置く。
【0110】Fmicro =Fp ・・・(4) このとき、上記焦点距離fmicro は次式(5)で表され
る。
【0111】fmicro =Fp micro ・・・(5) マイクロレンズ13の焦点距離f=fmicro は、マイク
ロレンズ13とこれに対応する反射電極50との間の距
離tの2倍となっている。そのため、マイクロレンズ1
3の位置は、反射電極50から次式(6)で表される距
離tの位置にある。
【0112】t=Fp micro /2・・・(6) 次に、光の利用効率について考える。まず、画素ピッチ
がpであるとし、画像信号が液晶層17に印加される際
に、画素間での液晶分子17a…の配向が乱れている領
域(以下、配向乱れ領域とする)の一辺の幅と画素ピッ
チとの比をdとすると、反射電極50(画素)として表
示に利用できる有効面積s1 は次式(7)で表される。
【0113】s1 =p2 (1−2d)2 ・・・(7) この有効面積s1 は、マイクロレンズ13が存在しない
場合の画素(反射電極50)において、有効な表示に用
いることができる面積に他ならない。そのため、配向乱
れ領域の面積(式(7)では比d)を減少させない限
り、光の利用効率を向上させることができない。なお、
ここでは、一つのマイクロレンズ13は図3(a)・
(b)のごとく正方形であり、一つの画素の四辺すべて
に配向乱れ領域があるとしている。
【0114】上述した各式から、配向乱れ領域を避けて
入射光L1 が入射する場合について考える。図14は、
入射光L1 の発散角θがθ=θ0 である際に、液晶分子
17a…が正常な状態で配向している領域(以下、正常
領域とする)71と配向乱れ領域72との境界(破線で
示している領域)に上記入射光L1 が透過する場合につ
いて示している。ここで、θ0 の傾き方向は、便宜上、
図14中に示した方向のみで、紙面に対して前後方向に
ついては傾いていないとしている。
【0115】上記入射光L1 が有する発散角θ0 は、配
向乱れ領域72を透過しないで、正常領域71のみを透
過し得る限界の発散角θであるとする。そのため、入射
光L1 は、ちょうど液晶層17の対向基板15側にあ
り、配向乱れ領域72と正常領域71との境界を通過す
る。ここで、上記入射光L1 はマイクロレンズ13を介
して入射している。このマイクロレンズ13の焦点距離
fはf=2tであるので、入射光L1 はマイクロレンズ
13から反射電極50までの上記距離tの2倍となる位
置(TFT基板14中となる位置)に収束することにな
る。
【0116】しかしながら、マイクロレンズ13から距
離tとなる位置に反射電極50が存在するので、この反
射電極50により入射光L1 は全て反射されて反射光L
2 (図14には図示せず)となる。そのため、液晶表示
素子10の表面に対して垂直な方向から角度θ0 の範囲
(すなわち、0°<θ<θ0 )内の発散角θで入射する
入射光L1 は、反射電極50によって100%反射され
ることになる。そのため、上記角度θ0 は、次式(8)
で表すことができる。
【0117】 θ0 =tan-1(p(1−4d)/2fmicro )・・・(8) 一方、入射光L1 の発散角θが上記発散角θ0 よりも大
きい場合、つまり、入射光L1 の発散角θがθ0 <θ<
θmax の範囲内にある場合には、図15に示すように、
マイクロレンズ13により集光された入射光L1 の一部
が配向乱れ領域72を透過することになる。そこで、こ
のときの入射光L1 の反射率について、具体的な数値を
用いて考える。なお、図15では、発散角θとして最大
受光角度θmax を例に挙げている。
【0118】まず、画素ピッチpをp=28μmとし、
一つの画素に生ずる配向乱れ領域72の面積の幅が画素
ピッチの10%(すなわち、d=0.1)であるとし、
マイクロレンズ13のF値であるFmicro を、Fmicro
=2.5とすると、焦点距離fmicro は、上記式(5)
から、次のように算出される。なお、画素ピッチpとマ
イクロレンズ13の直径Dmicro は同一の長さである。
【0119】fmicro =2.5×28=70μm また、マイクロレンズ13に入射する入射光L1 におい
て、液晶層17における配向乱れ領域72を透過しない
で、正常領域71のみを透過し得る限界の発散角(入射
角)θ0 は、上記(8)式から次のように算出される。
【0120】θ0 =tan-1(2.8×(1−4×0.
1)/2×70)=6.8° そのため、入射光L1 の入射角θが、0°<θ<6.8
°(範囲)の範囲内である場合、すなわち、図14に
示すような入射光L1 の発散角θが0°<θ<θ0 の範
囲内では、配向乱れ領域72に入射光L1 が照射されな
いので、入射光L1 はほぼ100%反射される。
【0121】一方、投影レンズ8に入射できる液晶表示
素子10からの反射光L2 (図15には図示せず)の発
散角θref は、上記式(3)および(4)から次のよう
に算出される。この投影レンズ8に入射できる反射光L
2 の発散角θref が最大入射角度θmax となる。
【0122】θref =±tan-1(1/(2×2.
5))=11.3° ここで、入射角θ=反射角θref がθmax である場合で
も、上記距離tが焦点距離fの1/2の距離となる位置
であるため、反射電極50上のスポットの幅はDmicro
/2=14μmで範囲の場合と同じである。しかしな
がら、図15に示すように、上記スポットのうち、配向
乱れ領域72に入射したスポットの領域は有効に反射さ
れない。配向乱れ領域の反射率を0%と仮定し、この場
合の入射光L1 の反射率を算出すると、次式(9)のよ
うになる。
【0123】 反射率=(スポット幅−配向乱れ領域の幅)/スポット幅・・・(9) =(14−28×0.1)/14=0.8 つまり、入射光L1 の入射角θが最大入射角度θmax
ある場合には、入射光L1 のほぼ80%が反射されるこ
とになる。ただし、反射電極50での反射光L2 の一部
は配向乱れ領域を通過するため、この反射率よりも若干
高くなる。
【0124】上記の結果から、入射光L1 の入射角θが
6.8°<θ<11.3°(範囲)の範囲内であれ
ば、反射光L2 の光量は100%から80%にまで減少
することになる。そこで、この範囲の平均反射光量を9
0%として考え、上記範囲と範囲とを加重平均すれ
ば、入射光L1 における入射角θの範囲が0°<θ<1
1.3°の範囲内では、入射する入射光L1 の96%を
表示に利用することができる。すなわち、入射光利用効
率は96%である。
【0125】これに対して、マイクロレンズ13が備え
られていない液晶表示素子の場合について考えると、一
つの画素が正方形状であってその面積をs0 とした場
合、このs0 は画素ピッチpの二乗で表すことができる
(s0 =p2 )。そこで、上記式(7)より、マイクロ
レンズ13が備えられていない状態の入射光利用効率
は、次のように算出できる。
【0126】s1 =s0 ×(1−2×0.1)21 /s0 =入射光利用効率=0.64 これにより、マイクロレンズ13が備えられていない場
合の入射光利用効率(0.64=64%)とマイクロレ
ンズ13を備えている場合の入射光利用効率(96%)
とを比較すると、マイクロレンズ13を備えている場合
であれば、備えていない場合に比べて、1.5倍の入射
光利用効率を有していることになる。
【0127】以上のように、本実施の形態における液晶
表示素子は、複数の画素を備えているとともに、少なく
とも1つの画素に対応するように複数のマイクロレンズ
を備えており、このマイクロレンズにより入射する光を
集光する際に、液晶層における液晶分子の配向が部分的
に乱れている領域を避けて光が集光されるように、その
焦点距離を設定している。
【0128】通常、上記反射型液晶表示素子における画
素の全ての領域が、有効に表示に利用される訳ではな
い。たとえば、ライン反転駆動やドット反転駆動は、液
晶分子に印加される画像信号が交流電圧であるために、
隣接する画素間の境界領域や、この境界の近傍の反射電
極上に液晶分子に対して形成される電界が基板間が対向
する方向だけでなく、隣接する画素間にも電界が形成さ
れる。そのため、液晶分子の配向の乱れる配向乱れ領域
を形成するため、入射する光に不均一な変調を与え、画
像のコントラストの低下を招来することになる。
【0129】しかしながら、配向乱れ領域が発生して
も、入射光を収束するマイクロレンズが、この領域に入
射光を照射しないように、すなわちこの配向乱れ領域を
表示に利用しないようにすれば、画素における実効的な
反射面積率を100%に近づけ、光の利用効率を向上さ
せることができる。
【0130】また、入射光の発散角によりマイクロレン
ズで集光される入射光の集光スポットの面積が広がるこ
とを考慮した上で、入射光を配向乱れでない領域に集光
させれば、光の利用効率をより向上させて、高コントラ
ストかつ高品位の表示を実現した画像を得ることができ
る。
【0131】さらに、上記マイクロレンズの焦点距離
は、該マイクロレンズと上記反射部との間の距離よりも
大きくなっていることが好ましく、上記マイクロレンズ
の焦点距離は、該マイクロレンズと上記反射部との間の
距離の約2倍となっていることが特に好ましい。これに
より、光の利用効率をより一層向上させることができ
る。
【0132】また、上記の反射型液晶表示素子を用いた
拡大投影型の液晶表示装置は、表示される画像の輝度お
よびコントラストを従来よりも一層向上させたものとす
ることができる。
【0133】〔実施の形態2〕本発明の実施の他の形態
について、図16ないし図18に基づいて説明すれば以
下の通りである。なお、本実施の形態では、前記実施の
形態と同様に、反射型表示素子として液晶表示素子を例
に挙げているが、本発明はこれに限定されるものではな
い。また、前記実施の形態と同様の機能を有する構成に
ついては、同一の符号を付記し、その説明を省略する。
【0134】本実施の形態にかかる液晶表示素子(反射
型液晶表示素子)20は、図16に示すように、一対の
透光性基板からなる液晶パネル21における一方の透光
性基板25に複数のマイクロレンズ23…が一体化され
て備えられている構成となっている。
【0135】この液晶表示素子20は、一対の透光性基
板であるTFT基板14と対向基板25とが対向してそ
の間に図示しない液晶層を封入して液晶パネル21を構
成している。また、マイクロレンズ23…は対向基板2
5に一体化されて設けられているため、液晶パネル21
とマイクロレンズ23…とは一体化されて液晶表示素子
20を構成していることになる。
【0136】上記TFT基板14の表面には、液晶表示
素子20の各画素毎に対応するように設けられている複
数の反射電極50…が、マトリクス状に配列されてい
る。また、この反射電極50…は画素列50a…として
配置され、各画素列50a毎に同極性の画像信号が印加
されるようになっている。これら各構成については、前
記実施の形態1における液晶パネル11と同様である。
【0137】TFT基板14に対向する対向基板25の
対向面には、対向電極16が形成されている。また、こ
の対向基板25における対向面とは反対側の面、すなわ
ち、対抗基板25におけるTFT基板14とは対向して
いない側の面には、図16に示すように、複数の反射電
極50…のそれぞれ一つに少なくとも対応するようにし
て複数のマイクロレンズ23…が設けられている。
【0138】これら複数のマイクロレンズ23…は、対
向基板25に一体化されるようにして設けられており、
各マイクロレンズ23…はTFT基板14における反射
電極50…に正確に対応するように位置合わせされてい
る。なお、図16では、便宜上三つのマイクロレンズ2
3a・23b・23cのみを図示している。
【0139】また、本実施の形態における液晶表示素子
としては、図17に示すように、一つの正方形状のマイ
クロレンズ33が一つの反射電極50に個々に対応する
ようにして対向基板35に一体化するように設けられて
いる液晶表示素子30であってもよい。この液晶表示素
子30は、上記液晶表示素子20と同様に、液晶パネル
31とマイクロレンズ33…とが一体化された構成とな
っている。
【0140】液晶表示素子30の具体的な構成について
説明すると、TFT基板14と対向基板35とが対向し
てその間に図示しない液晶層を封入して液晶パネル31
がなっている。さらに対向基板35にマイクロレンズ3
3…が設けられているため、液晶パネル31とマイクロ
レンズ33…が一体化されて液晶表示素子30を構成し
ている。
【0141】なお、図17では、便宜上、三つの画素列
51・52・53の個々の画素50に対応するマイクロ
レンズ33…(すなわち、画素列51の画素50…に対
応するマイクロレンズ34a・34b・34c、画素列
52の画素50…に対応するマイクロレンズ35a・3
5b・35c、および画素列53の画素50…に対応す
るマイクロレンズ36a・36b・36c)の九個のみ
を図示している。
【0142】このような液晶表示素子20または30が
備えているマイクロレンズ23…または33…は、前記
実施の形態1と同様に、その焦点距離fが対応する反射
電極50までの距離tよりも大きく設定されているもの
となっており、特に、焦点距離fがf=2tとなってい
ることが好ましい。
【0143】本発明にかかる液晶表示素子20または3
0では、上述したように、焦点距離fが上記距離tより
も大きく、好ましくは焦点距離f=2tとなっているマ
イクロレンズ23…または33…を備えることによっ
て、従来の液晶表示素子よりも明るい表示を実現するこ
とができる。しかしながら、特に、焦点距離f=2tの
条件を満たすマイクロレンズ23…または33…では、
前記実施の形態1において示した式(5)から算出した
ように(fmicro =70μm)、この焦点距離f=f
micro が非常に短くなってしまうことになる。
【0144】そこで、このような焦点距離fが非常に短
いマイクロレンズ23…または33…を対向基板25ま
たは35に一体化する構成として、たとえば、マイクロ
レンズ23…または33…を対向基板25または35に
埋め込む構成を挙げることができる。
【0145】なお、以下の説明では、説明の便宜上、図
18に示すように、半円筒形状のマイクロレンズ23…
を対向基板25に埋め込む場合のみについて説明する
が、対向基板に埋め込むマイクロレンズの構成について
は特に限定されるものではなく、たとえば、上述した円
形状のマイクロレンズ33…を対向基板35に埋め込む
構成であってもよく、他の形状のマイクロレンズを他の
形状の対向基板に埋め込む構成であってもよい。
【0146】通常、対向基板25などとして用いられる
ガラス基板は、その厚さが0.5mm〜1.1mm程度
である。これに対して、前記式(5)からマイクロレン
ズ23の焦点距離fがfmicro =70μmとすることが
できる。そのため、マイクロレンズ23の焦点は、ガラ
ス基板中で、しかも該マイクロレンズ23から70μm
に位置しなければならない。
【0147】ここで、マイクロレンズ23から反射電極
50までの距離tは、焦点距離fの1/2であり、ガラ
ス基板の屈折率をn=1.52であると考えると、マイ
クロレンズ23から液晶層17までのガラス基板の厚さ
は次のように算出することができる。
【0148】 f/2×n=70/2×1.52=53.2μm したがって、液晶層17の厚さを5μm程度と考慮して
も、ガラス基板の厚さは約50μmとする必要が生じ
る。そこで、図18に示すように、対向基板25の内部
にマイクロレンズ23…を埋め込むことによって、マイ
クロレンズ23から反射電極50までの距離を50μm
とすることができる。
【0149】対向基板25は、少なくとも基板本体25
bと複数のマイクロレンズ23…とカバーガラス25c
とからなっており、カバーガラス25cは、カバーガラ
ス用接着樹脂25dによりマイクロレンズ23…を備え
ている基板本体25bと接着されている。すなわち、図
18に示すような液晶表示素子20では、マイクロレン
ズ23と反射電極50の間には、対向基板25そのもの
が存在するのではなく、対向基板50の一部であるカバ
ーガラス25cが存在していることになる。
【0150】対向基板25に備えられている複数のマイ
クロレンズ23…を反射電極50…に対して50μmの
間隔を有するように配置する方法としては、たとえば、
次の二つの方法を好適に用いることができる。
【0151】第一の方法としては、対向基板25を後か
ら形成する方法である。具体的には、先にカバーガラス
25cとなる厚さ50μmのガラス基板を対向基板25
として液晶パネル21(図18には図示せず)を作成す
る。これと並行して、基板本体25bとなるガラス基板
に複数のマイクロレンズ23…を形成する。その後、液
晶パネル21のカバーガラス25cに対してマイクロレ
ンズ23…付きの基板本体25bをカバーガラス用接着
樹脂25dにより貼り合わせる。
【0152】第二の方法としては、先に対向基板25を
形成しておく方法である。具体的には、基板本体25b
となるガラス基板にマイクロレンズ23…を形成した後
に、カバーガラス25cとなるガラス基板をカバーガラ
ス用接着樹脂25dにより貼り合わせてマイクロレンズ
23…を埋め込んだ対向基板25を形成する。そして、
この対向基板25の表面に対向電極26を形成した後
に、TFT基板14と貼り合わせて液晶層17を封入す
る。
【0153】なお、上記各方法では、カバーガラス25
cを貼り合わせる際に用いるカバーガラス用接着樹脂2
5dは、マイクロレンズ23となる樹脂よりも屈折率の
低いUV硬化型樹脂であることが好ましい。このような
樹脂を用いることで、マイクロレンズ23となる樹脂と
カバーガラス用接着樹脂25dとの屈折率差によって入
射光を良好に集光することができる。
【0154】さらに、マイクロレンズ23…を埋め込ん
だ対向基板25の形成方法についても上述した方法に限
定されるものではない。上述した各方法以外に、様々な
方法などを用いることによっても、本発明にかかる液晶
表示素子20を製造することが可能である。
【0155】なお、上記液晶表示素子20または30を
本発明にかかる液晶プロジェクタ5に用いた場合の構成
および作用、効果については、前記実施の形態1と同様
であるため、その説明は省略する。
【0156】以上のように、本実施の形態にかかる反射
型液晶表示素子は、マイクロレンズが対向基板に一体化
している、すなわち、対向基板とマイクロレンズアレイ
とが一体化している構成である。そのため、液晶表示素
子における一つの画素の実効的な反射面積率を100%
に近づけることができる。また、この反射型液晶表示素
子を用いてなる拡大投影型の液晶表示素子は、高輝度、
かつ高品位な画質を実現することができる。
【0157】さらに、マイクロレンズが液晶表示素子を
構成する対向基板に一体化されていれば、TFT基板と
対向基板とを位置合わせして貼り合わせることにより液
晶表示素子が製造されることになる。すなわち、液晶表
示素子の製造過程において、マイクロレンズを位置合わ
せして貼り合わせるという工程を省略することができ
る。その結果、液晶表示素子の製造方法を簡素化するこ
とができる。
【0158】上述した各実施の形態において、液晶表示
素子の表示モードとしては、垂直配向の複屈折モードを
例に挙げて説明したが、この表示モードとしてはこのモ
ードに限定されるものではない。たとえば、水平配向の
TNモードなど他の表示モードを用いた場合であって
も、本発明にかかる液晶表示素子および液晶表示装置
は、好適な画像を表示することができる。
【0159】以上の各実施の形態では、表示素子として
液晶表示素子を例に挙げて説明してきたが、本発明は、
外部から入射した光を反射する反射部と、反射部で反射
された光が外部に出射可能となっている表示素子に適用
可能な構成となっている。そのため、本発明にかかる表
示素子の構成は、上述した液晶表示素子に対してのみ限
定されるものではない。本発明にかかる表示素子の構成
は、特に、表示素子上が画素のような複数の素子に区切
られており、各素子の間隔が光の利用効率に影響を及ぼ
すような表示素子に好適な構成となっている。
【0160】たとえば、DMD(Digital Miller Devic
e )は、液晶を用いないが、複数の画素により構成され
ている表示素子であり、光源部と投影レンズ、および光
学系を加えてプロジェクタとして用いられている。この
DMDは、反射板の角度を変化させることで、入射した
光を投影レンズの方向に反射させるか否かを選択し、画
像を表示している。それゆえ、液晶表示素子を用いたプ
ロジェクタとは投影光学系が大変似ている。
【0161】このDMDでは画像の表示に液晶を用いて
いないが、画素と画素との間には表示に寄与しない領域
があり、入射光を100%反射しているわけではない。
したがって、本発明の構成をDMDに適用することによ
って、より光の利用効率の高い表示素子を実現すること
ができる。
【0162】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の反射型表示素子
は、以上のように、入射した光を反射する反射部を備え
た複数の画素と、該複数の画素に対応するようにして設
けられたマイクロレンズとを備えている反射型表示素子
において、上記マイクロレンズは、反射効率の低い領域
を避けて上記光を集光する構成である。
【0163】それゆえ、上記構成をたとえば液晶表示素
子に適応したとすると、液晶層に配向乱れの領域が発生
しても、入射する光を収束するマイクロレンズが、この
領域に光を照射しないようにしている。そのため、画素
における実行的な反射面積率を100%に近づけ、光の
利用効率を向上させることができるという効果を奏す
る。
【0164】本発明の請求項2記載の反射型表示素子
は、以上のように、上記請求項1記載の構成に加えて、
上記マイクロレンズの焦点距離は、該マイクロレンズと
上記反射部との距離よりも大きい構成である。
【0165】それゆえ、上記構成では、表示素子に入射
した入射光が反射部により反射された後に、隣接するマ
イクロレンズから出射するようなことがない。そのた
め、入射光は、反射部で反射された後、所定の発散角を
有する光として出射することになる。その結果、表示素
子の光の利用効率を向上させて、表示される画像の輝度
や表示品位を十分に向上させることができるという効果
を奏する。
【0166】本発明の請求項3記載の反射型表示素子
は、以上のように、上記請求項1または2記載の構成に
加えて、上記マイクロレンズの焦点距離は、該マイクロ
レンズと上記反射部との距離の約2倍となっている構成
である。
【0167】それゆえ、上記構成では、入射する光の発
散角が最大受光角度以下の角度であれば、入射する光の
発散角と反射部で反射された反射光の発散角とを等しく
することができる。そのため、入射する光の発散角を保
存することができるという効果を奏する。
【0168】しかも、焦点距離が上記のように設定され
ていれば、該焦点距離がマイクロレンズと反射部との間
の距離よりも長いという条件下において、最大受光角度
を最も大きい値とすることができる。そのため、マイク
ロレンズにより集光できる光量を最も大きくすることが
できるという効果も合わせて奏する。
【0169】本発明の請求項4記載の反射型表示素子
は、以上のように、上記請求項1、2または3記載の構
成に加えて、上記マイクロレンズは、上記反射型表示素
子を構成する基板に一体化されて備えられている構成で
ある。
【0170】それゆえ、上記構成では、マイクロレンズ
が電極付き基板の一方に一体化されているため、マイク
ロレンズを画素に位置合わせして貼り合わせる必要がな
くなる。その結果、反射型表示素子の製造方法をより簡
素化することができるという効果を奏する。また、マイ
クロレンズの焦点距離が短い場合には、マイクロレンズ
を電極付き基板に埋め込むことによって、焦点距離を最
適に設定することができるという効果も合わせて奏す
る。
【0171】本発明の請求項5記載の反射型表示装置
は、以上のように、請求項1から4の何れか1項に記載
の反射型表示素子を備えている構成である。
【0172】それゆえ、上記構成では、特に、拡大投影
型の表示装置であれば、その表示品位をさらに向上させ
ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態にかかる液晶表示素子を
用いてなる、本発明にかかる液晶プロジェクタの構成を
示す模式図である。
【図2】図1の液晶表示素子における画素とマイクロレ
ンズとの対応関係を示す説明図である。
【図3】(a)は、図1の液晶表示素子における画素と
マイクロレンズとの対応関係の他の例を示す説明図であ
り、(b)は、(a)に示す一つのマイクロレンズの構
成を示す斜視図である。
【図4】(a)は、図1の液晶表示素子に駆動電圧が印
加されていない場合における液晶プロジェクタの動作の
状態を示す模式図であり、(b)は、図2の液晶表示素
子に駆動電圧が印加された場合における液晶プロジェク
タの動作の状態を示す模式図である。
【図5】本発明の液晶表示素子における液晶層の液晶分
子に画像信号が印加されない場合の配向状態を示す模式
図である。
【図6】本発明の液晶表示素子における液晶層の液晶分
子に画像信号がフィールド反転駆動により印加された場
合の配向状態を示す模式図である。
【図7】図6の液晶表示素子を用いた液晶プロジェクタ
において、入射した光の光路を示す説明図である。
【図8】本発明の液晶表示素子における液晶層の液晶分
子に画像信号がライン反転駆動により印加された場合の
配向状態を示す模式図である。
【図9】図8の液晶表示素子を用いた液晶プロジェクタ
において、入射した光の経路を示す説明図である。
【図10】図1の液晶表示素子に、該液晶表示素子の表
面に対して垂直となる方向から入射する光の経路を示す
断面図である。
【図11】図10の液晶表示素子における反射電極を折
り返しの境界として展開し、上記光の経路を示す光路展
開図である。
【図12】図1の液晶表示素子に、該液晶表示素子の表
面に対して垂直となる方向から傾斜して入射する光の経
路を示す断面図である。
【図13】図12の液晶表示素子における反射電極を折
り返しの境界として展開し、上記光の経路を示す光路展
開図である。
【図14】図1の液晶表示素子に、発散角θ0 の入射光
が入射する状態を示す断面図である。
【図15】図1の液晶表示素子に、最大受光角度θmax
の入射光が入射する状態を示す断面図である。
【図16】本実施の他の形態にかかる液晶表示素子にお
ける画素とマイクロレンズとの対応関係を示す説明図で
ある。
【図17】図16の液晶表示素子における画素とマイク
ロレンズとの対応関係の他の例を示す説明図である。
【図18】図16の液晶表示素子において、マイクロレ
ンズが対抗基板に埋め込まれた状態を示す断面図であ
る。
【図19】比較例の液晶表示素子に、該液晶表示素子の
表面に対して垂直となる方向から入射する光の光路を示
す断面図である。
【図20】比較例の液晶表示素子に、該液晶表示素子の
表面に対して垂直となる方向から傾斜して入射する光の
光路を示す断面図である。
【図21】比較例の液晶表示素子に、該液晶表示素子の
表面に対して垂直となる方向から傾斜して入射する光の
光路の他の例を示す断面図である。
【符号の説明】
10 反射型液晶表示素子(反射型表示素子) 11 液晶パネル 13 マイクロレンズ 15 対向基板(基板) 17 液晶層 17a 液晶分子 20 反射型液晶表示素子(反射型表示素子) 21 液晶パネル 23 マイクロレンズ 25 対向基板(基板) 30 反射型液晶表示素子(反射型表示素子) 31 液晶パネル 33 マイクロレンズ 35 対向基板(基板) 40 反射型液晶表示素子(反射型表示素子) 43 マイクロレンズ 50 反射電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 太田 隆滋 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入射した光を反射する反射部を備えた複数
    の画素と、 該複数の画素に対応するようにして設けられたマイクロ
    レンズとを備えている反射型表示素子において、 上記マイクロレンズは、反射効率の低い領域を避けて上
    記光を集光することを特徴とする反射型表示素子。
  2. 【請求項2】上記マイクロレンズの焦点距離は、該マイ
    クロレンズと上記反射部との距離よりも大きいことを特
    徴とする請求項1記載の反射型表示素子。
  3. 【請求項3】上記マイクロレンズの焦点距離は、該マイ
    クロレンズと上記反射部との距離の約2倍となっている
    ことを特徴とする請求項1または2記載の反射型表示素
    子。
  4. 【請求項4】上記マイクロレンズは、上記反射型表示素
    子を構成する基板に一体化されて備えられていることを
    特徴とする請求項1、2または3記載の反射型表示素
    子。
  5. 【請求項5】請求項1から4の何れか1項に記載の反射
    型表示素子を備えていることを特徴とする表示装置。
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WO2020125570A1 (zh) * 2018-12-17 2020-06-25 上海普利生机电科技有限公司 光固化型3d打印设备及其图像曝光系统

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