JP7005584B2 - レンズ及びその製造方法とレンズモジュール - Google Patents
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Description
したがって、新たな構造を有するレンズを研究する必要がある。
前記多層反射防止フィルムは、高屈折率材料層と、前記高屈折率材料層と前記固定部との間に設けられる低屈折率材料層と、高屈折率材料層及び/又は低屈折率材料層内に混合される高吸収係数材料とを含む。
前記低屈折率材料層は、二酸化ケイ素、フッ化マグネシウム、および、二酸化ケイ素と酸化アルミニウムとの組成物のうちの少なくとも一つで製造され、
前記高吸収係数材料は、二酸化ケイ素とクロムとの組成物、二酸化ケイ素と酸化アルミニウムとクロムとの組成物、及び窒化チタンのうちの少なくとも一つで製造される。
レンズブランクをフィルムめっき機のワークトレイに配置することと、
フィルムめっき機を起動して真空吸引を行い、ワークトレイを加熱することと、
レンズブランクの固定部の外表面に黒色艶消しフィルムをメッキして、前記レンズを形成することと、を含む。
ここで、高屈折率材料層をメッキすることと、低屈折率材料層をメッキすることとは、いずれも酸素を通気する条件で行われ、且つ高屈折率材料層のフィルムメッキ速度は3―4A/sであり、低屈折率材料層のフィルムメッキ速度は4―6A/sである。
図1及び図2に示すように、本発明に係る実施例1は、レンズ1を提供し、レンズ1は、辺縁が円形である光学部10と、光学部10の外周に設けられる固定部20とを含み、本実施例では、レンズ1の外側の周方向輪郭形状は円形または正方形をなし、レンズ1における光学部10は、レンズ1の結像に用いられることが可能となり、固定部20は、レンズ1をレンズモジュールの鏡筒40の内壁に当接するために用いられる。そのため、本実施例では、固定部20の外表面には、艶消しのための黒色艶消しフィルム30が設けられ、レンズ1を艶消し処理することにより、レンズ1における固定部20が光線を反射しなくなることで、レンズモジュールが使用中に、固定部20に迷光が生じず、レンズモジュールの結像品質が効果的に向上する。
S101であって、レンズブランクをフィルムめっき機のフィルムメッキ位置、即ちワークトレイに配置し、
S102であって、フィルムめっき機を起動して真空吸引を行い、初期真空が1.0E―3Pa~4.0E―3Paまで達し、かつ、ワークトレイを加熱し、ワークトレイを50~150度に加熱した条件でフィルムメッキを開始することを準備し、
S103であって、単層または多層のフィルム系材料をそれぞれ蒸着し、レンズブランクの固定部20の外表面に黒色艶消しフィルム30をメッキして、前記レンズを形成する。加熱方法や材料特性によって、異なるガスを適時に導入し、メッキフィルムの厚さが設計仕様に達することは、光制御/結晶制御により確認される。
図5及び図6に示すように、本実施例2に係るレンズ1が、実施例1に係るレンズ1と相違する点は、黒色艶消しフィルム30の設置方式が異なることにある。具体的に、本実施例では、黒色艶消しフィルム30は多層反射防止フィルム32である。多層反射防止フィルム32は、2種類の構成を有し、第1種の構成として、多層反射防止フィルム32は、高屈折率材料層321と、高屈折率材料層321と固定部20との間に設けられ、且つ屈折率が高屈折率材料層321の屈折率よりも低い低屈折率材料層322とを含む。第2種の構成として、多層反射防止フィルム32は、高屈折率材料層321と、高屈折率材料層321と固定部20との間に設けられる低屈折率材料層322と、高屈折率材料層321及び/又は低屈折率材料層322に混合される高吸収係数材料とを含む。多層反射防止フィルム32は、通常の反射防止フィルムに高吸収係数材料が添加されるものであり、上述した高屈折率材料層321は、窒化チタン(TiN)、二酸化チタン(TiO2)及び二酸化タンタル(TaO2)のうちの少なくとも一つで製造され、低屈折率材料層322は、二酸化ケイ素(SiO2)、フッ化マグネシウム(MgF)、および、二酸化ケイ素と酸化アルミニウムとの組成物(SiO2/Al2O3)のうちの少なくとも一つで製造され、高吸収係数材料は、二酸化ケイ素とクロムとの組成物(SiO2/Cr)、二酸化ケイ素と酸化アルミニウムとクロムとの組成物(SiO2/Al2O3/Cr)、及び窒化チタン(TiN)のうちの少なくとも一つで製造され、ここで、高吸収係数材料では、窒化チタン自体が高い吸收特性を持つが、二酸化ケイ素を用いて下塗りする必要がある。
10 光学部
20 固定部
21 頂壁面
22 底壁面
23 側壁面
30 黒色艶消しフィルム
31 単層吸収フィルム
32 多層反射防止フィルム
321 高屈折率材料層
322 低屈折率材料層
40 鏡筒
50 遮光板
60 押さえリング。
Claims (11)
- レンズであって、
結像のための光学部と、前記光学部の外周に設けられる固定部とを含み、
前記固定部の外表面には、艶消しのための黒色艶消しフィルムが設けられており、
前記黒色艶消しフィルムは、単層吸収フィルムであり、前記単層吸収フィルムは、二酸化ケイ素とクロムとの組成物で製造されることを特徴とするレンズ。 - レンズであって、
結像のための光学部と、前記光学部の外周に設けられる固定部とを含み、
前記固定部の外表面には、艶消しのための黒色艶消しフィルムが設けられており、
前記黒色艶消しフィルムは、多層反射防止フィルムであり、
前記多層反射防止フィルムは、高屈折率材料層と、前記高屈折率材料層と前記固定部との間に設けられ、且つ屈折率が前記高屈折率材料層の屈折率よりも低い低屈折率材料層と、前記高屈折率材料層及び/又は前記低屈折率材料層内に混合される高吸収係数材料とを含み、
前記高屈折率材料層は、二酸化チタンであり、前記低屈折率材料層は、二酸化ケイ素とクロムとの組成物であることを特徴とするレンズ。 - 前記固定部の外表面は、頂壁面と、底壁面と、前記頂壁面と前記底壁面との間に接続される側壁面とを含み、
前記頂壁面と側壁面と底壁面とは、いずれも前記黒色艶消しフィルムが設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のレンズ。 - 前記高吸収係数材料は、二酸化ケイ素とクロムとの組成物、二酸化ケイ素と酸化アルミニウムとクロムとの組成物、および窒化チタンのうちの少なくとも一つで製造されることを特徴とする請求項2に記載のレンズ。
- 前記高屈折率材料層と低屈折率材料層とは、いずれも少なくとも2つあり、前記多層反射防止フィルムは、低屈折率材料層と高屈折率材料層とが順に交互に積層されるように、前記固定部の外表面から前記固定部から離れた方向に向かって設けられていることを特徴とする請求項2に記載のレンズ。
- 前記高屈折率材料層と前記低屈折率材料層との層数の合計は、偶数であることを特徴とする請求項5に記載のレンズ。
- レンズモジュールであって、
少なくとも一つの請求項1~6のいずれか1項に記載のレンズを含むことを特徴とするレンズモジュール。 - 請求項1~6のいずれか1項に記載のレンズの製造方法であって、
レンズブランクをフィルムめっき機のワークトレイに配置することと、
フィルムめっき機を起動して真空吸引を行い、ワークトレイを加熱することと、
レンズブランクの固定部の外表面に黒色艶消しフィルムをメッキして、前記レンズを形成することと、を含むことを特徴とするレンズの製造方法。 - 前記黒色艶消しフィルムをメッキすることは、フィルムめっき機において1.0E―3Pa~4.0E―3Paまで真空吸引を行い、ワークトレイを50~150度まで加熱するという条件で開始することを特徴とする請求項8に記載のレンズの製造方法。
- 前記黒色艶消しフィルムをメッキすることは、フィルムめっき機において2.0E―3Paまで真空吸引を行い、ワークトレイを65~90度まで加熱するという条件で開始することを特徴とする請求項9に記載のレンズの製造方法。
- 前記黒色艶消しフィルムが多層反射防止フィルムである場合には、
前記黒色艶消しフィルムをメッキすることは、レンズの固定部の外表面に順に低屈折率材料層と高屈折率材料層とを交互に積層してメッキすることを含み、
高屈折率材料層をメッキすることと、低屈折率材料層をメッキすることとは、いずれも酸素を通気する条件で行われ、且つ高屈折率材料層のフィルムメッキ速度は3―4A/sであり、低屈折率材料層のフィルムメッキ速度は4―6A/sであることを特徴とする請求項10に記載のレンズの製造方法。
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