JP7135542B2 - 反射スクリーン、映像表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、反射スクリーン、映像表示装置に関するものである。
従来、映像源から投射された映像光を反射して表示する反射スクリーンにおいて、サーキュラーフレネルレンズ形状を備える物が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、透明性を有し、背景を透過して観察もかのうな透過型の反射スクリーンにおいても、サーキュラーフレネルレンズ形状を備える物が知られている(例えば、特許文献2参照)。
サーキュラーフレネルレンズ形状を備えることにより、点光源に近い映像源からの映像光の反射方向を適切に制御することが可能となり、視野角の制御が可能である。
しかし、従来の反射スクリーンでは、サーキュラーフレネルレンズ形状を用いても視野角を広げることには限度があり、より広い視野角を実現できる技術が求められていた。
特開2013-152305号公報 特開2018-40892号公報
本発明の課題は、視野角の広い反射スクリーン、映像表示装置を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
第1の発明は、映像源(LS)から投射された映像光の少なくとも一部を反射して映像を表示する反射スクリーン(10)であって、半透過性の反射スクリーン部(20,30)が少なくとも1層積層されており、前記半透過性の反射スクリーン部(20,30)よりも背面側に、非透過性の反射スクリーン部(40)がさらに積層されている反射スクリーン(10)である。
第2の発明は、第1の発明に記載の反射スクリーン(10)であって、前記半透過性の反射スクリーン部20,30)として、第1スクリーン部(20)と、前記第1スクリーン部(20)よりも背面側に設けられた第2スクリーン部(30)とを備え、前記非透過性の反射スクリーン部(40)として、前記第1スクリーン部(20)及び前記第2スクリーン部(30)よりも背面側に設けられた第3スクリーン部(40)を備え、これら前記第1スクリーン部(20)と、前記第2スクリーン部(30)と、前記第3スクリーン部(40)とが一体に積層されており、前記第1スクリーン部(20)は、光透過性を有し、第1単位光学形状(221)が同心円状に複数配列された第1サーキュラーフレネルレンズ形状を有する第1光学形状層(22)と、前記第1単位光学形状(221)の少なくとも一部に形成され、入射する光の一部を反射し、一部を透過する機能を有する第1反射層(23)と、を備え、前記第2スクリーン部(30)は、光透過性を有し、第2単位光学形状(321)が同心円状に複数配列された第2サーキュラーフレネルレンズ形状を有する第2光学形状層(32)と、前記第2単位光学形状(321)の少なくとも一部に形成され、入射する光の一部を反射し、一部を透過する機能を有する第2反射層(33)と、を備え、前記第3スクリーン部(40)は、第3単位光学形状(421)が同心円状に複数配列された第3サーキュラーフレネルレンズ形状を有する第3光学形状層と、前記第3単位光学形状(421)の少なくとも一部に形成され、入射する光の一部を反射する第3反射層(43)と、を備え、当該反射スクリーン(10)のスクリーン面を平面視した状態において、前記第1サーキュラーフレネルレンズ形状の同心円の中心位置(C1)と、前記第2サーキュラーフレネルレンズ形状の同心円の中心位置(C2)と、前記第3サーキュラーフレネルレンズ形状の同心円の中心位置(C3)とは、それぞれの位置が離間して配置されている反射スクリーン(10)である。
第3の発明は、第2の発明に記載の反射スクリーン(10)において、前記第1単位光学形状(221)は、前記第1スクリーン部(20)の表示領域外に位置する第1中心点(C1)を中心として同心円状に複数配列されており、前記第2単位光学形状(321)は、前記第2スクリーン部(30)の表示領域外に位置する第2中心点(C2)を中心として同心円状に複数配列されており、前記第3単位光学形状(421)は、前記第3スクリーン部(40)の表示領域外に位置する第3中心点(C3)を中心として同心円状に複数配列されており、当該反射スクリーン(10)のスクリーン面を平面視した状態において、前記第1中心点(C1)と前記第2中心点(C2)と前記第3中心点(C3)とは、いずれも当該反射スクリーン(10)の中心を基準として同じ側である第1の方向(Y方向)に位置しており、かつ、前記第1の方向(Y方向)に直交して当該スクリーン面に平行な第2の方向(X方向)で、それぞれの位置が離間して配置されていること、を特徴とする反射スクリーン(10)である。
第4の発明は、第2の発明又は第3の発明に記載の反射スクリーン(10)において、前記第1サーキュラーフレネルレンズ形状と、前記第2サーキュラーフレネルレンズ形状と、前記第3サーキュラーフレネルレンズ形状とは、同心円の中心位置が異なる他は、光学的な設計が同じであること、を特徴とする反射スクリーン(10)である。
第5の発明は、第2の発明又は第3の発明に記載の反射スクリーン(10)において、前記第1サーキュラーフレネルレンズ形状と、前記第2サーキュラーフレネルレンズ形状と、前記第3サーキュラーフレネルレンズ形状とは、光学的な設計が異なること、を特徴とする反射スクリーン(10)である。
第6の発明は、第2の発明から第5の発明までのいずれかに記載の反射スクリーン(10)において、前記非透過性の反射スクリーン部(40)は、背面側に光吸収層を備えること、を特徴とする反射スクリーン(10)である。
第7の発明は、第2の発明から第6の発明までのいずれかに記載の反射スクリーン(10)において、前記第1反射層(23)及び前記第2反射層(33)は、誘電体多層膜により形成されていること、を特徴とする反射スクリーン(10)である。
第8の発明は、第2の発明から第7の発明までのいずれかに記載の反射スクリーン(10)において、前記第1スクリーン部(20)と前記第2スクリーン部(30)と前記第3スクリーン部(40)との少なくとも一部に、光を拡散する作用を有する光拡散部を備えること、を特徴とする反射スクリーン(10)である。
第9の発明は、第1の発明から第8の発明までのいずれかに記載の反射スクリーン(10)において、その厚み方向において前記非透過性の反射スクリーン部(40)よりも映像源(LS)側に、反射防止機能、ハードコート機能、帯電防止機能、防汚機能の少なくとも1つの機能を有する層を備えること、を特徴とする反射スクリーン(10)である。
第10の発明は、第1の発明から第9の発明までのいずれかに記載の反射スクリーン(10)と、前記反射スクリーン(10)に映像光を投射する映像源(LS)と、を備える映像表示装置(1)である。
本発明によれば、視野角の広い反射スクリーン、映像表示装置を提供することができる。
本発明の映像表示装置1の斜視図である。 映像表示装置1を側面側から見た図である。 第1実施形態のスクリーン10の層構成を説明する図である。 第1実施形態の第1光学形状層22、第2光学形状層32、第3光学形状層42を並べてそれぞれ背面側(-Z側)から見た図である。 本実施形態のスクリーン10の画面上下方向(Y方向)における映像光及び外光の様子を説明する図である。 スクリーン10により反射される映像光の左右方向(X方向)における視野角と光量の関係を説明する図である。 反射層の変形形態を説明する図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面等を参照して説明する。
(実施形態)
図1は、本発明の映像表示装置1の斜視図である。
図2は、映像表示装置1を側面側から見た図である。
なお、図1及びを含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張して示している。
また、以下の説明では、具体的な数値、形状、材料等を示して説明を行うが、これらは、適宜変更することができる。
映像表示装置1は、スクリーン10、映像源LS等を有している。本実施形態のスクリーン(反射スクリーン)10は、映像源LSから投影された映像光Lを反射して、その映像源側の画面(表示領域)に映像を表示可能である。このスクリーン10の詳細に関しては、後述する。
ここで、理解を容易にするために、図1及び図2を含め以下に示す各図において、適宜、XYZ直交座標系を設けて示している。この座標系では、スクリーン10の画面左右方向(水平方向)をX方向、画面上下方向(鉛直方向)をY方向とし、スクリーン10の厚み方向をZ方向とする。スクリーン10の画面は、XY面に平行であり、スクリーン10の厚み方向(Z方向)は、スクリーン10の画面に直交する。
また、スクリーン10の厚み方向における映像源側の正面方向に位置する観察者O1から見て、画面左右方向の右側に向かう方向を+X方向、画面上下方向の上側に向かう方向を+Y方向、厚み方向において背面側(裏面側)から映像源側に向かう方向を+Z方向とする。
さらに、以下の説明中において、画面上下方向、画面左右方向、厚み方向とは、特に断りが無い場合、このスクリーン10の使用状態における画面上下方向(鉛直方向)、画面左右方向(水平方向)、厚み方向(奥行き方向)であり、それぞれ、Y方向、X方向、Z方向に平行であるとする。
映像源LSは、映像光Lをスクリーン10へ投影する映像投射装置(プロジェクタ)である。本実施形態の映像源LSは、短焦点型のプロジェクタである。
この映像源LSは、映像表示装置1の使用状態において、スクリーン10の画面(表示領域)を映像源側(+Z側)の正面方向(スクリーン面の法線方向)から見た場合に、スクリーン10の画面左右方向(X方向)の中央であって、スクリーン10の画面よりも鉛直方向下方側(-Y側)に位置している。
映像源LSは、奥行き方向(Z方向)において、スクリーン10の映像源側(+Z側)の表面からの距離が従来の汎用プロジェクタに比べて大幅に近い位置から、斜めに映像光Lを投影できる。したがって、従来の汎用プロジェクタに比べて、映像源LSは、スクリーン10までの投射距離が短く、投射された映像光Lがスクリーン10に入射する入射角度や、入射角度の変化量(最小値から最大値までの変化量)が大きい。
スクリーン10は、映像源LSが投射した映像光Lの一部を映像源側(+Z側)に位置する観察者O1側へ向けて反射して映像を表示する反射スクリーンである。
スクリーン10の画面(表示領域)は、使用状態において、映像源側(+Z側)の観察者O1側から見て長辺方向が画面左右方向に平行な略矩形形状である。
スクリーン10は、例えば、その画面サイズが対角40~100インチ程度の大きな画面を有しており、画面の横縦比が16:9である。なお、これに限らず、例えば、40インチ程度以下の大きさとしてもよく、使用目的や使用環境等に応じて、その大きさや形状は適宜選択できるものとする。
一般的に、スクリーン10は、樹脂製の薄い層の積層体等であり、それ単独では平面性を維持するだけの十分な剛性を有していない場合が多い。そのため、スクリーン10は、その背面側等に不図示の接合層を介して不図示の支持板を一体に接合(あるいは部分固定)し、画面の平面性を維持する形態としてもよい。
また、スクリーン10は、不図示の枠部材等によってその四辺等が支持され、その平面性を維持する形態としてもよい。
図3は、第1実施形態のスクリーン10の層構成を説明する図である。図3では、スクリーン10の映像源側(+Z側)の画面中央(画面の幾何学的中心)となる点A(図1参照)を通り、画面上下方向(Y方向)に平行であって、スクリーン面に垂直(厚み方向であるZ方向に平行)な断面の一部を拡大して示している。
図4は、第1実施形態の第1光学形状層22、第2光学形状層32、第3光学形状層42を並べてそれぞれ背面側(-Z側)から見た図である。理解を容易にするために、図4では、それぞれ、第1光学形状層22、第2光学形状層32、第3光学形状層42のみを示している。
スクリーン10は、図3に示すように、その映像源側(+Z側)から順に、第1スクリーン部20と、第2スクリーン部30と、第3スクリーン部40とを備えている。第1スクリーン部20と第2スクリーン部30と第3スクリーン部40とは、厚み方向において積層されて、一体に接合されている。
第1スクリーン部20と、第2スクリーン部30と、第3スクリーン部40とのそれぞれの映像の表示領域は、いずれもスクリーン10の画面と同じ矩形形状であり、スクリーン10の正面方向から見て、スクリーン10の画面(表示領域)に一致している。そして、スクリーン10の正面方向から見て、第1スクリーン部20の表示領域の幾何学的中心となる点A1と、第2スクリーン部30の表示領域の幾何学的中心となる点A2と、第3スクリーン部40の表示領域の幾何学的中心となる点A3とは、スクリーン10の画面の幾何学的中心となる点Aに一致している。
第1スクリーン部20は、映像光Lの一部を反射して映像を表示し、かつ、映像光Lの一部を透過する。また、第2スクリーン部30は、第1スクリーン部20を透過した映像光Lの一部を反射して映像を表示し、かつ、第1スクリーン部20を透過した映像光Lの一部を透過する。さらに、第3スクリーン部40は、第1スクリーン部20及び第2スクリーン部30の双方を透過した映像光Lの一部を反射して映像を表示し、反射しきれない残りの光は光吸収層44によって吸収して、光を背面側へ透過させない。したがって、第1スクリーン部20が表示する映像と第2スクリーン部30が表示する映像と第3スクリーン部40が表示する映像とは同じである。
また、第2スクリーン部30の結像面は、第1スクリーン部20の結像面より背面側(-Z側)に位置しており、第3スクリーン部40の結像面は、第2スクリーン部30の結像面よりもさらに背面側(-Z側)に位置している。
第1スクリーン部20は、映像源側(+Z側)から順に、第1基材層21、第1光学形状層22、第1反射層23を備えた、反透過性の反射スクリーン部である。
また、第2スクリーン部30は、第1スクリーン部20よりも背面側(-Z側)に位置し、映像源側から順に、第2光学形状層32、第2反射層33、第2樹脂層34、第2基材層35を備えた、反透過性の反射スクリーン部である。
さらに、第3スクリーン部40は、第2スクリーン部30よりもさらに背面側(-Z側)に位置し、映像源側から順に、第3光学形状層42、第3反射層43、光吸収層44、第3基材層45を備えた、非透過性の反射スクリーン部である。
ている。
まず、第1スクリーン部20から説明する。
第1基材層21は、光透過性を有するシート状の部材である。第1基材層21は、その背面側(裏面側,-Z側)に、第1光学形状層22が一体に形成されている。第1基材層21は、第1光学形状層22を形成する基材(ベース)となる層である。また、第1基材層21は、スクリーン10の映像源側(+Z側)を保護する機能を有していてもよい。
第1基材層21は、例えば、高い光透過性を有するPET(ポリエチレンテレフタレート)等のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリルスチレン樹脂、PC(ポリカーボネート)樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂、TAC(トリアセチルセルロース)樹脂等により形成される。
第1光学形状層22は、第1基材層21の背面側(-Z側)に形成された光透過性を有する層である。第1光学形状層22の背面側の面には、第1単位光学形状(単位レンズ)221が複数配列されて設けられている。
図4に示すように、第1単位光学形状221は、真円の一部形状(円弧状)であり、スクリーン10の画面外(第1スクリーン部20の表示領域外)に位置する第1中心点C1を中心として、同心円状に複数配列されている。すなわち、第1光学形状層22は、背面側の面に、第1中心点C1をフレネルセンターとする、いわゆるオフセット構造のサーキュラーフレネルレンズ形状を有している。
この第1中心点C1は、図4に示すように、スクリーン10の画面(第1スクリーン部20の表示領域)の画面下方(-Y方向:第1の方向)の表示領域外に位置している。また、第1中心点C1は、点Aよりも-X側にずれた位置に設けられている。
第1単位光学形状221は、図3に示すように、スクリーン面に直交する方向(Z方向)に平行であって、第1単位光学形状221の配列方向に平行な断面における断面形状が、略三角形形状である。
第1単位光学形状221(単位レンズ)は、背面側に凸であり、映像光が入射する第1斜面(レンズ面)221aと、これに対向する第2斜面(非レンズ面)221bとを有している。1つの第1単位光学形状221において、第2斜面221bは、頂点t1を挟んで第1斜面221aの下側に位置している。
第1斜面221aがスクリーン面に平行な面となす角度は、θ1である。第2斜面221bがスクリーン面に平行な面となす角度は、θ2である。角度θ1,θ2は、θ2>θ1という関係を満たしている。
この第1単位光学形状221の第1斜面221a及び第2斜面221bは、微細かつ不規則な凹凸形状を有する粗面である。この凹凸形状は、微細な凸形状と凹形状とが2次元方向に不規則に配列されて形成されており、凸形状及び凹形状は、その大きさや形状、高さ等は不規則である。
第1単位光学形状221の配列ピッチは、P1であり、第1単位光学形状221の高さ(厚み方向における頂点t1から第1単位光学形状221間の谷底となる点v1までの寸法)は、h1である。
理解を容易にするために、図3では、第1単位光学形状221の配列ピッチP1、角度θ1,θ2は、第1単位光学形状221の配列方向において一定である例を示している。しかし、本実施形態の第1単位光学形状221は、実際には、配列ピッチP1は一定であるが、角度θ1が第1単位光学形状221の配列方向においてフレネルセンターとなる点C1から離れるにつれて次第に大きくなっている。
角度θ1,θ2、配列ピッチP1等は、映像源LSからの映像光の投射角度(スクリーン10への映像光の入射角度)や、映像源の画素(ピクセル)の大きさ、スクリーン10の画面サイズ、各層の屈折率等に応じて、適宜設定してよい。例えば、第1単位光学形状221の配列方向に沿って、配列ピッチP1が変化し、角度θ1,θ2が変化する形態としてもよい。
第1光学形状層22は、光透過性の高いウレタンアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、エポキシアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系、ポリチオール系、ブタジエンアクリレート系等の紫外線硬化型樹脂により形成されている。
なお、本実施形態では、第1光学形状層22を構成する樹脂として、紫外線硬化型樹脂を例に挙げて説明するが、これに限らず、例えば、電子線硬化型樹脂等の他の電離放射線硬化型樹脂により形成してもよい。
第1反射層23は、入射した光の一部を反射し、その他を透過する半透過型の反射層であり、いわゆるハーフミラーである。本実施形態の第1反射層23は、第1単位光学形状221上(第1斜面221a及び第2斜面221b上)に形成されている。
前述のように、第1斜面221a及び第2斜面221bには、微細かつ不規則な凹凸形状が形成されており、第1反射層23は、この微細かつ不規則な凹凸形状に追従して形成され、その凹凸形状を維持した状態で成膜されている。そのため、第1反射層23の第1光学形状層22側(映像源側)の面及び第1樹脂層24側(背面側)の面は、微細かつ不規則な凹凸形状を有する粗面となっている。
この第1反射層23は、入射した光の一部を微細かつ不規則な凹凸形状により拡散して反射し、反射しない他の光を拡散しないで透過する。
第1反射層23は、屈折率の高い誘電体膜(以下、高屈折率誘電体膜という)と屈折率が低い誘電体膜(以下、低屈折率誘電体膜という)とが交互に複数積層されて形成された誘電体多層膜により形成されている。
高屈折率誘電体膜は、例えば、TiO(二酸化チタン)、Nb(五酸化ニオブ)、Ta(五酸化タンタル)等により形成される。高屈折率誘電体膜の屈折率は、2.0~2.6程度である。
低屈折率誘電体膜は、例えば、SiO(二酸化ケイ素)、MgF(フッ化マグネシウム)等により形成される。低屈折率誘電体膜の屈折率は、1.3~1.5程度である。
高屈折率誘電体膜及び低屈折率誘電体膜の膜厚は、約5~100nmであり、これらが交互に2~10層程積層されて形成されており、誘電体多層膜の総厚は、10~1000nm程度である。
この第1反射層23は、波長域400~800nmの光に対して、その反射率が約5~45%、透過率が約55~85%である。
誘電体多層膜により形成された第1反射層23は、アルミニウム等の金属蒸着膜等により形成された反射層に比べて、高い透明性を有しており、また、光の吸収損失が小さく、高い反射率を実現できる。
本実施形態の第1反射層23は、TiO(二酸化チタン)等の金属酸化膜により形成された高屈折率誘電体膜と、SiOにより形成された低屈折率誘電体膜を複数積層して形成されている。
第1反射層23は、第1単位光学形状221上(第1斜面221a及び第2斜面221b上)に、上述のような誘電体多層膜を蒸着加工する、又はスパッタ加工する等により、所定の厚さで形成される。
なお、第1反射層23は、これに限らず、例えば、アルミニウム、銀、ニッケル等の光反射性の高い金属を蒸着したり、光反射性の高い金属をスパッタリングしたり、金属箔を転写したりする等により形成してもよい。
次に、第2スクリーン部30について説明する。
第2光学形状層32は、第1光学形状層22及び第1反射層23の背面側(-Z側)に形成された光透過性を有する層である。
第2光学形状層32は、図4に示すように、その背面側の面に、真円の一部形状(円弧状)である第2単位光学形状(単位レンズ)321がスクリーン10の画面外(第2スクリーン部30の表示領域外)に位置する第2中心点C2を中心として同心円状に複数配列された、オフセット構造のサーキュラーフレネルレンズ形状を有している。
本実施形態では、この第2中心点C2は、図4に示すように、スクリーン10の画面(第2スクリーン部30の表示領域)の画面下方(-Y方向:第1の方向)の表示領域外に位置している。また、第2中心点C2は、点Aよりも+X側にずれた位置に設けられている。
したがって、第1スクリーン部20のサーキュラーフレネルレンズ形状と、第2スクリーン部30のサーキュラーフレネルレンズ形状とは、スクリーン10の中心である点Aを通るY方向の仮想線を基準として左右方向(X方向)に第1中心点C1と第2中心点C2とをそれぞれ振り分けた形態となっている。
第2単位光学形状321は、図3に示すように、スクリーン面に直交する方向(Z方向)に平行であって、第2単位光学形状321の配列方向に平行な断面における断面形状が、略三角形形状である。
第2単位光学形状321(単位レンズ)は、背面側に凸であり、第1斜面(レンズ面)321aと、第2斜面(非レンズ面)321bとを有している。
第1斜面321aがスクリーン面に平行な面となす角度は、θ3である。第2斜面321bがスクリーン面に平行な面となす角度は、θ4である。角度θ3,θ4は、θ4>θ3という関係を満たしている。
第1斜面321a及び第2斜面321bは、第1単位光学形状221の第1斜面221a及び第2斜面221bと同様に、微細かつ不規則な凹凸形状を有する粗面である。
第2単位光学形状321の配列ピッチは、P2であり、第2単位光学形状321の高さ(厚み方向における頂点t2から第2単位光学形状321間の谷底となる点v2までの寸法)は、h2である。
理解を容易にするために、図3では、第2単位光学形状321の配列ピッチP2、角度θ3,θ4は、第2単位光学形状321の配列方向において一定である例を示している。しかし、本実施形態の第2単位光学形状321は、実際には、配列ピッチP2は一定であるが、角度θ3が第2単位光学形状321の配列方向においてフレネルセンターとなる第2中心点C2から離れるにつれて次第に大きくなっている。
角度θ3,θ4、配列ピッチP2等は、前述の角度θ1,θ2及び配列ピッチP1と同様に、映像源LSからの映像光の投射角度(第2スクリーン部30への映像光の入射角度)や、映像源の画素(ピクセル)の大きさ、スクリーン10の画面サイズ、各層の屈折率等に応じて、適宜設定してよい。例えば、第2単位光学形状321の配列方向に沿って、配列ピッチP2が変化し、角度θ3,θ4が変化する形態としてもよい。
本実施形態では、第1光学形状層22のサーキュラーフレネルレンズ形状と第2光学形状層32のサーキュラーフレネルレンズ形状とは、同心円の中心位置が異なる他は、光学的な設計が同じであり、同様の形状である。したがって、第1単位光学形状221の配列ピッチP1と第2単位光学形状321の配列ピッチP2とは等しい(P1=P2)。また、各スクリーン部のフレネルセンターとなる点C1,C2からの距離rが等しい位置の第1単位光学形状221及び第2単位光学形状321では、θ1=θ3、θ2=θ4である。
また、第2光学形状層32は、第1光学形状層22の第1単位光学形状221間の谷部を埋めるように形成されており、その映像源側(+Z側)の面に、第1単位光学形状221の略逆型となる形状が複数配列されて形成されている。
第2光学形状層32の屈折率は、第1光学形状層22の屈折率と等しい、又は、略等しい(等しいとみなせる程度に屈折率差が小さい)ことが望ましい。また、第2光学形状層32は、第1光学形状層22と同じ紫外線硬化型樹脂を用いて形成することが好ましいが、異なる材料により形成してもよい。
本実施形態の第2光学形状層32は、第1光学形状層22と同じ材料により形成され、その屈折率が第1光学形状層22の屈折率に等しい。
第2反射層33は、第1スクリーン部20の第1反射層23に相当する層であり、第1反射層23と同様に、誘電体多層膜により形成されている。
なお、第2反射層33の反射率は、第1反射層23の反射率と同等であることが、観察位置(方向)によらずに均一な映像を表示する観点から好ましい。
第2樹脂層34は、第2光学形状層32及び第2反射層33の背面側(-Z側)に設けられた光透過性を有する層である。
第2樹脂層34は、第2単位光学形状321間の谷部を埋めるように形成されており、第2光学形状層32及び第2反射層33の背面側(-Z側)の面を平坦としている。したがって、第2樹脂層34の映像源側(+Z側)の面は、第2光学形状層32の第2単位光学形状321の略逆型の形状が複数配列されて形成されている。
第2基材層35は、光透過性の高い樹脂製のシート状の部材により形成される。第2基材層35は、第2光学形状層32を形成する基材(ベース)となる層である。第2基材層35の屈折率は、第2樹脂層34の屈折率と等しい、又は、略等しい(等しいとみなせる程度に屈折率差が小さい)ことが望ましい。第2基材層35は、例えば、第1基材層21と同様の材料を用いて形成されたシート状の部材を用いて形成してもよい。
次に、第3スクリーン部40について説明する。
第3光学形状層42は、第2基材層35の背面側(-Z側)に形成された光透過性を有する層である。
第3光学形状層42は、図4に示すように、その背面側の面に、真円の一部形状(円弧状)である第3単位光学形状(単位レンズ)421がスクリーン10の画面外(第3スクリーン部40の表示領域外)に位置する第3中心点C3を中心として同心円状に複数配列された、オフセット構造のサーキュラーフレネルレンズ形状を有している。
本実施形態では、この第3中心点C3は、図4に示すように、スクリーン10の画面(第3スクリーン部40の表示領域)の画面下方(-Y方向:第1の方向)の表示領域外に位置している。また、この第3中心点C3は、図4に示すように、スクリーン10を正面方向(Z方向)から見た場合、第3中心点C3と点Aとは、Y方向に平行な同一直線上に位置している。すなわち、第3中心点C3は、第3スクリーン部40(スクリーン10)の左右方向の中央を通るY方向に平行な直線上に設けられている。
第3単位光学形状421は、図3に示すように、スクリーン面に直交する方向(Z方向)に平行であって、第3単位光学形状421の配列方向に平行な断面における断面形状が、略三角形形状である。
第3単位光学形状421(単位レンズ)は、背面側に凸であり、第1斜面(レンズ面)421aと、第2斜面(非レンズ面)421bとを有している。
第1斜面421aがスクリーン面に平行な面となす角度は、θ5である。第2斜面421bがスクリーン面に平行な面となす角度は、θ6である。角度θ5,θ6は、θ6>θ5という関係を満たしている。
第1斜面421a及び第2斜面421bは、第1単位光学形状221の第1斜面221a及び第2斜面221bと同様に、微細かつ不規則な凹凸形状を有する粗面である。
第3単位光学形状421の配列ピッチは、P3であり、第3単位光学形状421の高さ(厚み方向における頂点t3から第3単位光学形状421間の谷底となる点v3までの寸法)は、h3である。
理解を容易にするために、図3では、第3単位光学形状421の配列ピッチP3、角度θ5,θ6は、第3単位光学形状421の配列方向において一定である例を示している。しかし、本実施形態の第3単位光学形状421は、実際には、配列ピッチP3は一定であるが、角度θ5が第3単位光学形状421の配列方向においてフレネルセンターとなる第3中心点C3から離れるにつれて次第に大きくなっている。
角度θ5,θ6、配列ピッチP3等は、前述の角度θ1,θ2及び配列ピッチP1と同様に、映像源LSからの映像光の投射角度(第3スクリーン部40への映像光の入射角度)や、映像源の画素(ピクセル)の大きさ、スクリーン10の画面サイズ、各層の屈折率等に応じて、適宜設定してよい。例えば、第3単位光学形状421の配列方向に沿って、配列ピッチP3が変化し、角度θ5,θ6が変化する形態としてもよい。
本実施形態では、第1光学形状層22のサーキュラーフレネルレンズ形状と第3光学形状層42のサーキュラーフレネルレンズ形状とは、同心円の中心位置が異なる他は、光学的な設計が同じであり、同様の形状である。したがって、第1単位光学形状221の配列ピッチP1と第3単位光学形状421の配列ピッチP3とは等しい(P1=P3)。また、各スクリーン部のフレネルセンターとなる点C1,C3からの距離rが等しい位置の第1単位光学形状221及び第3単位光学形状421では、θ1=θ5、θ2=θ6である。
第3光学形状層42の屈折率は、第2樹脂層34の屈折率及び第2基材層35の屈折率と等しい、又は、略等しい(等しいとみなせる程度に屈折率差が小さい)ことが望ましい。また、第3光学形状層42は、第2樹脂層34と同じ紫外線硬化型樹脂を用いて形成することが好ましいが、異なる材料により形成してもよい。
本実施形態の第3光学形状層42は、第2樹脂層34と同じ材料により形成され、その屈折率が第2樹脂層34の屈折率に等しい。
第3反射層43は、光を反射する作用を有し、第3単位光学形状421上(第1斜面421a及び第2斜面421b上)に形成されている。
第3反射層43は、アルミニウムや銀、ニッケル等の金属を蒸着する、又は、スパッタリングする等により形成することができる。また、第3反射層43は、白色系や銀色系の塗料や、白色形や銀色系の顔料やビーズ又は金属の微細な蒸着膜を粉砕した粒子等を含有する紫外線硬化型樹脂や熱硬化型樹脂等により形成してもよい。また、第3反射層43は、明るい映像を表示するために、その反射率が40%以上とすることが好ましく、70%以上とすることがさらに好ましい。この第3反射層43により、第1斜面421aに入射する光は、反射される。
なお、第3反射層43の反射率は、第1反射層23の反射率及び第2反射層33の反射率と合せる必要はなく、用途に応じて任意に設定するとよい。本実施形態では、第3反射層43の反射率は、第1反射層23の反射率及び第2反射層33の反射率それぞれよりも高い反射率となるように設定した。
本実施形態の第3反射層43は、第1斜面421a及び第2斜面421bを被覆する形態となっており、銀色の顔料を含有する紫外線硬化型樹脂により形成されている。
光吸収層44は、光を吸収する作用を有する層であり、第3光学形状層42及び第3反射層43の背面側(-Z側)に設けられている。この光吸収層44は、黒色等の暗色系の塗料や、暗色系の顔料や染料、カーボン粒子等を含有する紫外線硬化型樹脂や熱硬化型樹脂等により形成される。
本実施形態の光吸収層44は、図3に示すように、第3単位光学形状421間の谷部分を充填するように形成されているが、これに限らず、例えば、第3基材層45を形成しない構成であれば、第3単位光学形状421単位レンズ111及び第3反射層43の凹凸形状に沿って形成されてもよい。
第3基材層45は、光吸収層44を形成する基材(ベース)となる層である。また、第3基材層45は、スクリーン10の背面側を保護する機能を有している。
第3基材層45は、例えば、第1基材層21や第2基材層35と同様の材料を用いて形成されたシート状の部材を用いてもよい。
本実施形態のスクリーン10は、例えば、以下のような製造方法により製造される。
まず、第1基材層21を用意し、その一方の面に、第1単位光学形状221を賦形する成形型に紫外線硬化型樹脂を充填した状態で積層し、紫外線を照射して紫外線硬化型樹脂を硬化させるUV成形法により第1光学形状層22を形成する。このとき、第1単位光学形状221を賦形する成形型の第1斜面221a及び第2斜面221bを賦形する面には、微細かつ不規則な凹凸形状が形成されている。この微細かつ不規則な凹凸形状は、成形型の第1斜面221a及び第2斜面221bを賦形する面に、めっき処理やエッチング処理、ブラスト処理等を1回以上行うことによって形成できる。
次に、第1単位光学形状221の第1斜面221a及び第2斜面221bに、誘電体多層膜を蒸着することにより第1反射層23を形成する。これにより、第1スクリーン部20が形成される。
第2スクリーン部30は、前述の第1スクリーン部20と略同様の製造方法により製造できる。
まず、第2基材層35を用意し、その一方の面に、第2単位光学形状321の逆型を賦形する成形型に紫外線硬化型樹脂を充填した状態で積層し、紫外線を照射して紫外線硬化型樹脂を硬化させるUV成形法により第2樹脂層34を形成する。このとき、成形型の第1斜面321a及び第2斜面321bに対応する面を賦形する面には、前述のようなめっき処理等により、微細かつ不規則な凹凸形状が形成されている。
次に、第2樹脂層34の第2単位光学形状321の逆型の各面(第1斜面321a及び第2斜面321bに対応する面)に、誘電体多層膜を蒸着することにより第2反射層33を形成する。これにより、第2基材層35、第2樹脂層34、第2反射層33が一体に積層された積層部材が形成される。
次に、第1スクリーン部20と上記積層部材とを紫外線硬化型樹脂により、一体に接合し、第2光学形状層32を形成する。第1スクリーン部20の第1反射層23の上に紫外線硬化型樹脂を塗布して上述の積層部材を積層し、紫外線を照射して紫外線硬化型樹脂を硬化させ、第2光学形状層32を形成する。これにより、第1スクリーン部20と積層部材とは一体となる。ここまでの工程で、第1スクリーン部20と第2スクリーン部30とが一体に積層された状態となる。
次に、第3基材層45を用意し、その一方の面に、第3単位光学形状421の逆型を賦形する成形型に光吸収層44とするための紫外線硬化型樹脂を充填した状態で積層し、紫外線を照射して紫外線硬化型樹脂を硬化させるUV成形法により光吸収層44を形成する。このとき、成形型の第1斜面421a及び第2斜面421bに対応する面を賦形する面には、前述のようなめっき処理等により、微細かつ不規則な凹凸形状が形成されている。
次に、光吸収層44の第3単位光学形状421の逆型の各面(第1斜面421a及び第2斜面421bに対応する面)に、アルミニウムや銀、ニッケル等の金属を蒸着する、又は、スパッタリングする等により第3反射層43を形成する。
最後に、第3反射層43と第2基材層35との間を、紫外線硬化型樹脂を用いて一体に接合して、第3光学形状層42を形成する。その後、所定の大きさに裁断する等により、スクリーン10が完成する。
図5は、本実施形態のスクリーン10の画面上下方向(Y方向)における映像光及び外光の様子を説明する図である。図5では、点Aを通り第1単位光学形状221及び第2単位光学形状321の配列方向(Y方向)及びスクリーンの厚み方向(Z方向)に平行な断面での断面の一部を拡大して示している。また、図5では、スクリーン10内の各層の界面における屈折率差はないものとして示している。
スクリーン10の下方に位置する映像源LSから投射された映像光L1のうち、一部の映像光は、スクリーン10に入射する際にスクリーン10の表面で反射し、スクリーン10の映像源側上方へ向かう。この映像光L2は、観察者O1には届かない。
映像光L1のうち、スクリーン10に入射した一部の映像光L3は、第1単位光学形状221の第1斜面221aに入射して第1反射層23によって拡散反射し、観察者O1側へ出射する。
第1斜面221aに入射した映像光のうち反射しなかった一部の映像光L4は、第1反射層23を透過し、スクリーン10の背面側(-Z側)へ向かう。映像光L4の一部は、第2単位光学形状321の第1斜面321aに入射して第2反射層33によって拡散反射し、第1反射層23を透過して観察者O1側へ出射する。
第1斜面321aに入射した映像光のうち反射しなかった一部の映像光L5は、第2反射層33を透過し、スクリーン10の背面側(-Z側)へ向かう。映像光L5の一部は、第3単位光学形状421の第1斜面421aに入射して第3反射層43によって拡散反射し、第2反射層33及び第1反射層23を透過して観察者O1側へ出射する。
第1斜面421aに入射した映像光のうち反射しなかった残りの映像光は、光吸収層44により吸収されて、スクリーン10の背面側には進むことなく遮光される。
図6は、スクリーン10により反射される映像光の左右方向(X方向)における視野角と光量の関係を説明する図である。図6中には、視野角と光量の関係を示すグラフと合せて、第1スクリーン部20と、第2スクリーン部30と、第3スクリーン部40、及び、それらの第1中心点C1と、第2中心点C2と、第3中心点C3とを併記した。
第1スクリーン部20のフレネルレンズ形状の第1中心点C1と、第2スクリーン部30のフレネルレンズ形状の第2中心点C2とは、第3スクリーン部40のフレネルレンズ形状の第3中心点C3を基準に左右(-X側と+X側)に振り分けられて配置されている。したがって、第1スクリーン部20及び第2スクリーン部30の視野角による映像光の光量分布は、それぞれ、図6中の分布曲線D20及び分布曲線D30のように、左右(-X側と+X側)にスクリーン中心からずれた位置にピークを持つ。一方、第3スクリーン部40のフレネルレンズ形状の第3中心点C3は、スクリーン10のX方向の中央に配置されているので、図6中の分布曲線D40のように、スクリーン中心に対応した位置にピークを持つ。
第1スクリーン部20と、第2スクリーン部30と、第3スクリーン部40とがそれぞれ反射する映像光は、いずれも同じ映像源LSからの映像光であるから、観察者が視認する映像は、これら複数の映像光をまとめて観察することとなる。よって、スクリーン10全体の映像光の光量分布は、図6中の分布曲線D10のように、分布曲線D20,D30,D40を合せたものとなる。したがって、単一のスクリーン部(第1スクリーン部20、第2スクリーン部30、第3スクリーン部40のいずれかのみ)を用いる場合に比べて、視野角が大きな位置における映像光の光量を高めることができ、映像光を鑑賞可能な視野角を飛躍的に拡大することができる。
なお、映像光L3と映像光L4と映像光L5とは、スクリーン10からの出射位置がずれているが、人間の視覚で識別不可能なずれであるので、二重像等の影響は非常に少ない。
以上説明したように、本実施形態によれば、半透過性の反射スクリーン部を複数積層し、これら複数の半透過性の反射スクリーン部よりも背面側に、非透過性の反射スクリーン部を配置したので、映像光を鑑賞可能な視野角を飛躍的に拡大することができる。
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
(1)実施形態において、第1スクリーン部20と第2スクリーン部30との2つの半透過性の反射スクリーン部を配置した例を挙げて説明した。これに限らず、例えば、半透過性の反射スクリーン部は、1層であってもよいし、4層の半透過性の反射スクリーン部を配置してもよく、積層する数は、適宜変更可能である。
(2)実施形態において、スクリーン10全体における視野角に対する光量の分布は、左右方向(X方向)の中央にピークを持つようにした例を挙げて説明した。これに限らず、例えば、ピーク位置を意図的にずらす構成としてもよい。
(3)実施形態において、第1反射層23、第2反射層33、第3反射層43は、それぞれ、第1単位光学形状221、第2単位光学形状321、第3単位光学形状421の前面に形成されている例を挙げて説明した。これに限らず、例えば、反射層は、各単位光学形状の一部に形成されるように構成してもよい。より具体的には、例えば、反射層は、各単位光学形状の第1斜面のみに形成され、第2斜面には形成しないようにしてもよい。
(4)実施形態において、第1スクリーン部20と第2スクリーン部30と第3スクリーン部40とは、中心の位置がずれている他は光学的な設計が同じサーキュラーフレネルレンズ形状を備えている例を挙げて説明した。これに限らず、例えば、スクリーン部毎にサーキュラーフレネルレンズ形状の光学的な設計を異ならせてもよい。
(5)実施形態において、映像源LSは、例えば、スクリーン10の斜め下側等に配置され、スクリーン10に対して画面左右方向において斜め方向光から映像光を投射する形態としてもよい。このような形態とすれば、映像源LSの位置等の自由度が向上する。
(6)実施形態において、具体的な層構成は、一例として挙げたものであり、必要とする機能や製造方法に応じて、他の層を追加したり、一部の層を省略したりしてもよい。例えば、映像源側に、反射防止機能、ハードコート機能、帯電防止機能、防汚機能の少なくとも1つの機能を有する層を備えるようにしてもよい。
(7)実施形態において、第1反射層23及び第2反射層33は、誘電体を複数積層した誘電体多層膜によって形成されている例を挙げて説明した。これに限らず、半透過性の反射スクリーン部に形成する反射層は、様々な構成に変更可能である。例えば、半透過性の反射スクリーン部に形成する反射層は、誘電体を用いて単層で構成してもよい。
(8)実施形態において、第1反射層23及び第2反射層33は、第1光学形状層22及び第2光学形状層23に一様に形成されている例を挙げて説明した。これに限らず、例えば、半透過性の反射スクリーン部に形成する反射層は、部分的に形成して、反射層が占める面積比率で透過光量と反射光量との比率を設定する構成としてもよい。
図7は、反射層の変形形態を説明する図である。図7は、第1光学形状層22を第1斜面221a側から見た状態で示している。なお、以下の説明は、第1反射層23を例にしているが、第2反射層33についても同様である。
例えば、反射層23は、図7(a)に示すように、第1斜面221a上において複数の島状に形成してもよい。ここで、複数の島状とは、第1斜面221a上において、円形、楕円、矩形等の多角形、その他の任意の形状が、複数、規則的又は不規則的に配置されている状態をいう。なお、図7(a)では、円形状の反射膜23aの直径が、第1単位光学形状221の配列ピッチP1(第1斜面221aの配列方向の幅)よりも小さく、第1斜面221a上に複数の円形状の反射膜23aが形成される例を示したが、これに限定されるものでない。例えば、図7(b)に示すように、円形状の反射膜23aの直径が、第1単位光学形状221の配列ピッチP1(第1斜面221aの配列方向の幅)よりも大きく、円形状の反射膜23aが、隣接する第1斜面221a上にまたがるようにして形成されるようにしてもよい。また、図示しないが、円形形状状の部分を抜きとして反射層を形成せず、その周囲を反射層として構成してもよい。また、これらの配置は、図7に示すような規則的な配置に限らず、不規則に配置してもよい。さらに、このような反射層を部分的に形成する場合には、反射層自体が透過性を備えない材料によって構成してもよく、したがって、半透過性の反射スクリーン部に形成する反射層は、誘電体以外の材料により構成してもよい。例えば、アルミニウム、クロム(Cr)、銀、ニッケル等の光反射性の高い金属を蒸着したり、光反射性の高い金属をスパッタリングしたり、金属箔を転写したりする等により形成してもよい。
なお、実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した各実施形態によって限定されることはない。
1 映像表示装置
10 スクリーン
20 第1スクリーン部
21 第1基材層
22 第1光学形状層
23 第1反射層
24 第1樹脂層
30 第2スクリーン部
32 第2光学形状層
33 第2反射層
34 第2樹脂層
35 第2基材層
40 スクリーン部
42 第3光学形状層
43 第3反射層
44 光吸収層
45 第3基材層
111 単位レンズ
221 第1単位光学形状
221a 第1斜面
221b 第2斜面
321 第2単位光学形状
321a 第1斜面
321b 第2斜面
421 第3単位光学形状
421a 第1斜面
421b 第2斜面

Claims (9)

  1. 映像源から投射された映像光の少なくとも一部を反射して映像を表示する反射スクリーンであって、
    半透過性の反射スクリーン部が少なくとも1層積層されており、
    前記半透過性の反射スクリーン部よりも背面側に、非透過性の反射スクリーン部がさらに積層されており、
    前記半透過性の反射スクリーン部として、第1スクリーン部と、前記第1スクリーン部よりも背面側に設けられた第2スクリーン部とを備え、
    前記非透過性の反射スクリーン部として、前記第1スクリーン部及び前記第2スクリーン部よりも背面側に設けられた第3スクリーン部を備え、
    これら前記第1スクリーン部と、前記第2スクリーン部と、前記第3スクリーン部とが一体に積層されており、
    前記第1スクリーン部は、
    光透過性を有し、第1単位光学形状が同心円状に複数配列された第1サーキュラーフレネルレンズ形状を有する第1光学形状層と、
    前記第1単位光学形状の少なくとも一部に形成され、入射する光の一部を反射し、一部を透過する機能を有する第1反射層と、
    を備え、
    前記第2スクリーン部は、
    光透過性を有し、第2単位光学形状が同心円状に複数配列された第2サーキュラーフレネルレンズ形状を有する第2光学形状層と、
    前記第2単位光学形状の少なくとも一部に形成され、入射する光の一部を反射し、一部を透過する機能を有する第2反射層と、
    を備え、
    前記第3スクリーン部は、
    第3単位光学形状が同心円状に複数配列された第3サーキュラーフレネルレンズ形状を有する第3光学形状層と、
    前記第3単位光学形状の少なくとも一部に形成され、入射する光の一部を反射する第3反射層と、
    を備え、
    当該反射スクリーンのスクリーン面を平面視した状態において、前記第1サーキュラーフレネルレンズ形状の同心円の中心位置と、前記第2サーキュラーフレネルレンズ形状の同心円の中心位置と、前記第3サーキュラーフレネルレンズ形状の同心円の中心位置とは、それぞれの位置が離間して配置されている反射スクリーン。
  2. 請求項に記載の反射スクリーンにおいて、
    前記第1単位光学形状は、前記第1スクリーン部の表示領域外に位置する第1中心点を中心として同心円状に複数配列されており、
    前記第2単位光学形状は、前記第2スクリーン部の表示領域外に位置する第2中心点を中心として同心円状に複数配列されており、
    前記第3単位光学形状は、前記第3スクリーン部の表示領域外に位置する第3中心点を中心として同心円状に複数配列されており、
    当該反射スクリーンのスクリーン面を平面視した状態において、前記第1中心点と前記第2中心点と前記第3中心点とは、いずれも当該反射スクリーンの中心を基準として同じ側である第1の方向に位置しており、かつ、前記第1の方向に直交して当該スクリーン面に平行な第2の方向で、それぞれの位置が離間して配置されていること、
    を特徴とする反射スクリーン。
  3. 請求項又は請求項に記載の反射スクリーンにおいて、
    前記第1サーキュラーフレネルレンズ形状と、前記第2サーキュラーフレネルレンズ形状と、前記第3サーキュラーフレネルレンズ形状とは、同心円の中心位置が異なる他は、光学的な設計が同じであること、
    を特徴とする反射スクリーン。
  4. 請求項又は請求項に記載の反射スクリーンにおいて、
    前記第1サーキュラーフレネルレンズ形状と、前記第2サーキュラーフレネルレンズ形状と、前記第3サーキュラーフレネルレンズ形状とは、光学的な設計が異なること、
    を特徴とする反射スクリーン。
  5. 請求項から請求項までのいずれかに記載の反射スクリーンにおいて、
    前記非透過性の反射スクリーン部は、背面側に光吸収層を備えること、
    を特徴とする反射スクリーン。
  6. 請求項から請求項までのいずれかに記載の反射スクリーンにおいて、
    前記第1反射層及び前記第2反射層は、誘電体多層膜により形成されていること、
    を特徴とする反射スクリーン。
  7. 請求項から請求項までのいずれかに記載の反射スクリーンにおいて、
    前記第1スクリーン部と前記第2スクリーン部と前記第3スクリーン部との少なくとも一部に、光を拡散する作用を有する光拡散部を備えること、
    を特徴とする反射スクリーン。
  8. 請求項から請求項までのいずれかに記載の反射スクリーンにおいて、
    その厚み方向において前記非透過性の反射スクリーン部よりも映像源側に、反射防止機能、ハードコート機能、帯電防止機能、防汚機能の少なくとも1つの機能を有する層を備えること、
    を特徴とする反射スクリーン。
  9. 請求項から請求項までのいずれかに記載の反射スクリーンと、
    前記反射スクリーンに映像光を投射する映像源と、
    を備える映像表示装置。
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