JP2016206316A - スクリーン及び表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】スペックルを低減することができるスクリーンを提供する。【解決手段】スクリーン1は、高屈折率光学膜と低屈折率光学膜が交互に積層された光学多層膜層13と、使用する光の波長よりも厚みが小さい単層膜からなるギャップ層15と、を備え、複数の光学多層膜層13と複数のギャップ層15が交互に積層されている繰り返し積層体7を備えている。繰り返し積層体7は、複数の光学多層膜層13と複数のギャップ層15が交互に積層されている部分同士の間に、上記波長よりも厚みが大きい単層膜からなる中間層17a,17b,17cを備えている、【選択図】図1

Description

本発明は、スクリーン及び表示装置に関するものである。
表示すべき画像に対応する光を光源装置からスクリーンに照射して表示させる表示装置が知られている(例えば特許文献1を参照)。そのような表示装置に用いられる光源装置としてレーザーが用いられる。特許文献1に開示されている表示装置は、レーザー光を走査ミラーで反射させ、光線のラスター走査により透過型のスクリーンに画像を表示させる。このような表示装置として、例えばヘッドアップディスプレイやヘッドマウントディスプレイなどがある。
ところで、レーザーからの光をマイクロレンズアレイやフライアイレンズを通すことによってひとつの光束を複数の光束に分割する際、通常、分割された光は偏光方向が同一方向に揃っている。光学系の中で特定の条件が整うと、分割された光がそれぞれ迷光の原因となって光学系の途中で光が強めあう点と弱めあう点が発生してスペックルが生じる場合がある。スペックルは光が強めあう点と弱めあう点の輝点間の(標準偏差)/(平均値)で定義される。スペックルは、いろいろな光学系で発生することが知られている。
特表2010−539525号公報 特開2013−254031号公報
本発明の目的は、スペックルの発生を低減することができるスクリーン及びそれを用いた表示装置を提供することである。
本発明の実施形態に係るスクリーンは、高屈折率光学膜と低屈折率光学膜が交互に積層された光学多層膜と、使用する光の波長よりも厚みが小さい単層膜からなるギャップ層と、を備え、複数の前記光学多層膜層と複数の前記ギャップ層が交互に積層されている繰り返し積層体を備えているものである。
本発明の実施形態に係る表示装置は、本発明の実施形態のスクリーンと、表示すべき画像に対応する光を上記スクリーンに照射する光源装置と、を備えたものである。
本発明の実施形態のスクリーン及び表示装置はスペックルの発生を低減することができる。
スクリーンの一実施形態を説明するための模式的な断面図である。 同実施形態のスクリーンの反射面におけるマイクロレンズの配置例を説明するための模式的な平面図である。 反射率が15%の光学多層膜層の構成例を説明するための図表である。 反射率が30%の光学多層膜層の構成例を説明するための図表である。 1層の光学多層膜層の透過光量について説明するための模式的な断面図である 2層の光学多層膜層の透過光量について説明するための模式的な断面図である。 繰り返し積層体の光透過率について説明するための図表である。 スクリーンの他の実施形態を説明するための模式的な断面図である。 同実施形態のスクリーンの反射面におけるマイクロコーナーキューブの配置例を説明するための模式的な平面図である。 スクリーンのさらに他の実施形態を説明するための模式的な断面図である。 スクリーンのさらに他の実施形態を説明するための模式的な断面図である。 同実施形態のスクリーンの反射面におけるブロックの配置例を説明するための模式的な平面図である。 図12に示された各ブロックにおけるマイクロレンズの配列方向を説明するための模式的な平面図である。 反射面に配置されたマイクロレンズの不規則な配置の例を説明するための模式的な平面図である。 スクリーンのさらに他の実施形態を説明するための模式的な断面図である。 同実施形態のスクリーンの第2面及び第3面における四角錐構造の配置例を説明するための模式的な平面図である。 各実施形態のスクリーンについて、モアレ及びスペックルの発生を調べた結果を示す図表である。 スクリーンのさらに他の実施形態を説明するための模式的な断面図である。 同実施形態のスクリーンの反射面における四角錐構造の配置例を説明するための模式的な平面図である。 スクリーンのさらに他の実施形態を説明するための模式的な断面図である。 スクリーンのさらに他の実施形態を説明するための模式的な断面図である。 スクリーンのさらに他の実施形態を説明するための模式的な断面図である。 表示装置の一実施形態を説明するための模式的な構成図である。 表示装置の他の実施形態を説明するための模式的な構成図である。
本発明の実施形態のスクリーンは、例えば、上記繰り返し積層体は、複数の上記光学多層膜層と複数の上記ギャップ層が交互に積層されている部分同士の間に、上記波長よりも厚みが大きい単層膜からなる中間層を備えているようにしてもよい。
また、本発明の実施形態のスクリーンにおいて、例えば、上記繰り返し積層体に配置されている上記ギャップ層は同じ厚みで形成されているようにしてもよい。
また、本発明の実施形態のスクリーンにおいて、例えば、上記繰り返し積層体の一端面に全反射膜層が配置されているようにしてもよい。
さらに、例えば、上記繰り返し積層体と上記全反射膜層の間、又は上記繰り返し積層体の上記一端面とは反対側の端面に、マイクロレンズ、マイクロコーナーキューブ又は四角錐構造からなる光学素子が複数配置された反射面が配置されているようにしてもよい。
また、本発明の実施形態のスクリーンにおいて、例えば、上記繰り返し積層体の一端面に、マイクロレンズ、マイクロコーナーキューブ又は四角錐構造からなる光学素子が複数配置された反射面が配置されているようにしてもよい。
また、上記反射面を有する本発明の実施形態のスクリーンは、例えば、上記反射面において上記光学素子が不規則に配置されているようにしてもよい。
スペックルは、例えばレーザーのようなコヒーレント光が、その波長に比べて大きな、ランダムな粗さを有する散乱体で散乱されるとき、多数の要素散乱光が干渉することによって発生する光強度の空間的なゆらぎである。ここで、散乱体として、例えば、スクリーンのような反射型の散乱体や透過型の拡散板、微粒子懸濁液など考えられる。
スペックルコントラストは、以下の式(1)で表される。
C=1/√N …(1)
ここで、C:スペックルコントラスト、N:N個の独立なスペックルの多重度(FDS(fully developed speckle)の多重度)である。
本発明の実施形態のスクリーンは、使用する光の波長よりも小さい3次元的な体積散乱(厚さ方向に体積散乱を起こすこと)を発現することによってスペックルを制御する。ここで、使用する光の波長とは中心波長を意味する。例えば、セラミック焼結体にレーザーを照射すると反射散乱光はスペックルがなくなることが知られている。また、セラミック焼結体である蛍光発光素子にレーザーを照射すると、レーザー波長が変換され、かつ、反射散乱光はスペックルがなくなることが知られている。
本発明の実施形態のスクリーンは、高屈折率光学膜と低屈折率光学膜が交互に積層された光学多層膜層と、使用する光の波長よりも厚みが小さい単層膜からなるギャップ層と、を備え、複数の上記光学多層膜層と複数の上記ギャップ層が交互に積層されている繰り返し積層体を備えている。ギャップ層の働きは、上記理論による「3次元的な体積散乱(厚さ方向に体積散乱)を起こす」効果を発現する。
ギャップ層は、入射光に対して奥行き方向(厚さ方向)に反射する面を複数有するので、奥行き方向成分を有している。
また、複数のギャップ層と複数の光学多層膜が配置されている(繰り返し回数が複数あること)ので、複数の光学多層膜の間で多重反射が繰り替えされる。このことで、体積方向の多重散乱を発生させることができる。
本発明の実施形態のスクリーンにおいて、繰り返し積層体に配置されている複数のギャップ層は、厚みが同じであってもよいし、厚みが互いに異なっていてもよい。なお、干渉防止には、複数のギャップ層は厚みが互いに異なっていることが好ましい。また、複数のギャップ層について厚みが同じである場合は、上記繰り返し積層体において、光学多層膜層とギャップ層の間に中間層が配置されることが好ましい。ここで、中間層は、使用する光の波長よりも大きい厚みをもつ単層膜である。
また、複数の光学多層膜層と複数のギャップ層が交互に積層されている上記繰り返し積層体において、1つの光学多層膜層と1つのギャップ層を「1単位」とすると、「1単位」の反射率を制御することは透過率を設計制御することになる。したがって、「1単位」の下側から反射されてくる光の透過率を制御することができる。
本発明の実施形態のスクリーンにおいて、ギャップ層は、使用する光の波長よりも小さな厚みをもつ膜である。ここで、「ギャップ層の厚み」は、ギャップ層に入射する光の光路長を含めた寸法を意味している。例えば、ギャップ層の膜厚:d、ギャップ層に入射する光の入射角:Θの場合、光路長:D=(arccosΘ)×dである。
また、上記繰り返し積層体に、使用する光の波長よりも厚みが大きい上記中間層を設けることによって、例えばレーザー光の波長に比べて大きな寸法を有する散乱体を構成することになり、3次元的な体積散乱を起こすことができる。なお、「中間層の厚み」は、上記「ギャップ層の厚み」と同様に、中間層に入射する光の光路長を含めた寸法を意味している。
図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
(実施形態1)
図1は、スクリーンの一実施形態を説明するための模式的な断面図である。図2は、この実施形態のスクリーンの反射面におけるマイクロレンズの配置例を説明するための模式的な平面図である。
スクリーン1は、例えば基材3、全反射膜層5、繰り返し積層体7、光学素子アレイ基材9及び表面保護層11を備えている。スクリーン1の平面サイズは例えば□331.5mm×186.5mm(ミリメートル)(□テレビサイズ:15インチ相当)程度である。スクリーン1に対して使用される光の波長は例えば350〜700nmで、中心波長は510nm(ナノメートル)である。
基材3は例えば光透過性を有する基板である。基材3の材料は、例えば、ガラス(窓用ガラスを含む)、樹脂材料からなる基板やシート(PMMA(ポリメチルメタクリレート)、PC(ポリカーボネート)、ポリオレフィン、耐熱性樹脂:ORGA(登録商標))などである。基材3の厚みは例えば0.2〜1.0mm程度である。なお、基材3は遮光性を有するものであってもよい。
基材3の表面に全反射膜層5が形成されている。全反射膜層5は、例えば、屈折率が比較的高い高屈折率光学膜と屈折率が比較的低い低屈折率光学膜とが交互に積層された光学多層膜で形成されている。全反射膜層5では、反射率が100%程度になるように高屈折率光学膜と低屈折率光学膜の膜厚が設定されている。全反射膜層5の厚みは例えば1.5〜2.0μm(マイクロメートル)程度である。なお、全反射膜層5は、例えばアルミニウム膜等の金属膜で形成されていてもよい。
全反射膜層5に接して、複数の光学多層膜層13と複数のギャップ層15と中間層17a,17b,17cが積層された繰り返し積層体7が形成されている。光学多層膜層13とギャップ層15は交互に積層されている。中間層17a,17b,17cは、複数の光学多層膜層13と複数のギャップ層15が積層されている部分同士の間に配置されている。ここで、光学多層膜層13は、「それ自体が目的の反射率(設計事項であり製品仕様から決定される値)の機能を発現する多層膜」である。光学多層膜層13の反射率は設計事項として決定される。
例えば、ギャップ層15と光学多層膜層13を1単位とすると、全反射膜層5側から順に、6単位のギャップ層15及び光学多層膜層13、中間層17a、6単位のギャップ層15及び光学多層膜層13、中間層17b、6単位のギャップ層15及び光学多層膜層13、中間層17c、6単位のギャップ層15及び光学多層膜層13が積層されている。
光学多層膜層13は高屈折率光学膜と低屈折率光学膜が交互に(A/B/A/…/B/Aの基本構成で示される)奇数層だけ積層されたものである。ここでA:高屈折率光学膜、B:低屈折率光学膜であってもよいし、A:低屈折率光学膜、B:高屈折率光学膜であってもよい。光学多層膜層13は、積層されている高屈折率光学膜と低屈折率光学膜の各膜厚が設定されて所望の反射率に設定されている。この実施形態のスクリーン1では、光学多層膜層13の反射率は例えば10%である。
例として、反射率が15%の光学多層膜層13の構成例を図3に示す。反射率が30%の光学多層膜層13の構成例を図4に示す。
このような光学多層膜層の反射率は高屈折率光学膜と低屈折率光学膜の膜厚を変更することによって変更可能である。このような光学多層膜層は反射率を100%程度に設定することもできる。反射率が100%程度の光学多層膜層は、例えば図1に示された全反射膜層5に適用できる。
ギャップ層15は、使用する光の波長(510nm)よりも厚みが小さい単層膜で形成されている。ギャップ層15は例えばSiO2(二酸化ケイ素)で形成されている。ギャップ層15の厚みは例えば150nm〜200nmである。ギャップ層15は反射光学的な機能はない。ギャップ層15は光学多層膜層13間のギャップ(距離)を得るための膜層である。
中間層17a,17b,17cは、使用する光の中心波長(510nm)よりも厚みが大きい単層膜でそれぞれ形成されている。中間層17a,17b,17cは例えばSiO2で形成されている。中間層17aの厚みは例えば600nm程度である。中間層17bの厚みは例えば630nm程度である。中間層17cの厚みは例えば650nm程度である。この実施形態では、中間層17a,17b,17cの厚みが互いに異なっている。
光学素子アレイ基材9は、反射面9aに複数のマイクロレンズ19(光学素子)を備えている。反射面9aは、繰り返し積層体7とは反対側の光学素子アレイ基材9の面に設けられている。マイクロレンズ19は反射面9aのほぼ全面に配置されている。反射面9aの反射率は、光学素子アレイ基材9の材料と表面保護層11の材料によって決定されうる。反射面9aの反射率は例えば15〜30%程度である。なお、本発明の実施形態のスクリーンにおいて、マイクロレンズ19(光学素子)は設けられていなくてもよい。
図2に示されるように、マイクロレンズ19は例えば正六角形が平面充填された六角緻密(ハニカム状)にそれぞれ配列されている。マイクロレンズ19のピッチdx19(内接円の直径)は例えば300μm程度である。
この実施形態ではマイクロレンズ19の配列の一例として「正六角形が平面充填された六角緻密(ハニカム状)」を記載したが、マイクロレンズ19の配列は六角緻密に限定されるものではない。例えば、マイクロレンズ19の平面形状は、三角形や四角形などの多角形、円形や楕円形などであってもよい。そして、そのような平面形状を有するマイクロレンズ19が緻密に又は間隔をもって配列されていてもよい。
光学素子アレイ基材9の材料は、例えば基材3の材料と同じである。ただし、光学素子アレイ基材9の材料は基材3の材料とは異なっていてもよい。光学素子アレイ基材9の厚みは例えば0.1〜0.3mm程度である。
光学素子アレイ基材9の反射面9aに接して表面保護層11が配置されている。表面保護層11は、スクリーン1の表面(入射面)を平坦化するためのものである。表面保護層11は、例えばナノインプリント技術によって形成された樹脂層である。表面保護層11の厚みは例えば50μm程度である。表面保護層11の表面(光学素子アレイ基材9とは反対側の面)に反射防止膜が形成されている。この反射防止膜は図1では表面保護層11と一体化されている。なお、表面保護層11や反射防止膜は設けられていなくてもよい。
次に、光学多層膜層13とギャップ層15の繰り返し構造の透過光量(透過率)について説明する。
図5は、1層の光学多層膜層の透過光量について説明するための模式的な断面図である。
一般的に、高屈折率光学膜と低屈折率光学膜が交互に積層された光学多層膜は、例えば
図3及び図4に示されるように、上下反転対象の膜構成になっている。この実施形態の光学多層膜層13も同様である。したがって、光が上面から入射しても下面から入射しても光学特性は同じである。例えば反射率が30%の光学多層膜層13は、入射方向に関係なく反射率は30%である。また、光学多層膜層13の反射率が例えば30%である場合、透過光量は70%となる。
図6は、2層の光学多層膜層の透過光量について説明するための模式的な断面図である。
光学多層膜層13、ギャップ層15、光学多層膜層13がその順に積層されて、光学多層膜層13が2層配置されている場合、この積層構造のトータルの透過光量(透過率)は、光が光学多層膜層13を2回透過するので、70%×70%=49%となる。したがって、この積層構造のトータルの反射率は100%−49%=51%となる。
スクリーン1では、上記「1単位」(ギャップ層15と光学多層膜層13)が複数層重ねられている。このことにより、光学多層膜層13間で多重反射が発生する。なお、ここでは説明を簡素化するために反射率に関して多重反射を考慮していない。
例えば図6に示された構成の場合、光学多層膜層13間の多重反射を考慮すると、計算式から「透過率は51%よりもわずかに小さく」となり、「反射率は49%よりもわずかに大きく」なる。ただし、この多重反射を考慮してもしなくても、本件議論に大きな影響はない。
また、光学多層膜層13間に配置されているギャップ層15は、光学多層膜層13の設計時に考慮されている。この層は、光学多層膜層13を構成する薄膜層としての機能はなく、誘電体層として存在するだけである。換言すれば、ギャップ層15を空気層ギャップとして考えることもできる。スクリーン1では、実際に製作する場合を考慮してギャップ層15を空気層で構成することはできないため、例えばSiO2の誘電体膜がギャップ層15として配置されている。
図7は、繰り返し積層体の光透過率について説明するための図表である。図7において、1層、2層、…、6層は、上記「1単位」(ギャップ層15と光学多層膜層13)の積層回数を意味している。なお、図7の透過率の数値について、光学多層膜層13間の多重反射は考慮されていない。
スクリーン1では、光学多層膜層13の反射率が10%である上記「1単位」が、全反射膜層5と中間層17aの間、中間層17a、17bの間、中間層17b、17cの間、中間層17c、光学素子アレイ基材9の間で、それぞれ6回積層されている(6層)。6層の光学多層膜層13(上記「1単位」)の透過率は53.1%程度になる。
また、スクリーン1の繰り返し積層体7では、中間層17a,17b,17cを挟んで、6層の上記「1単位」が4段積層されている。したがって、スクリーン1の繰り返し積層体7の透過率は7.9%程度になる。
なお、光学多層膜層13の反射率が例えば50%である場合、上記「1単位」が6層重ね合わせられると透過率は0.8%になる。この場合、6層の上記「1単位」の積層構造は、ほとんどの光を反射するミラー面として機能する。
スクリーン1は、複数の光学多層膜層13と複数のギャップ層15が交互に積層されている繰り返し積層体7を備えている。ギャップ層15は、光学多層膜層13間で多重反射を発生させ、「3次元的な体積散乱(厚さ方向に体積散乱)を起こす」効果を発現する。これにより、スクリーン1は、使用する光の波長よりも小さい3次元的な体積散乱を発現することによってスペックルの発生を低減することができる。
さらに、スクリーン1の繰り返し積層体7において、配置されているギャップ層15の厚みは同じであるが、厚みが互いに異なっている中間層17a,17b,17cが配置されていることによって光学多層膜層13間の間隔が不規則になっている。これにより、繰り返し積層体7を通過する光の干渉が低減されている。これも、スペックルの発生の低減に寄与している。このスペックル発生を低減させる機能は、マイクロレンズ19が配置されていない場合であっても作用する。したがって、本発明の実施形態のスクリーンは、マイクロレンズ19(光学素子)を備えていない場合であっても、スペックルの発生を低減できる。
ところで、例えば特許文献1のように、凹凸パターンが規則的に配置されているスクリーンは、凹凸パターンが回折格子として作用し、モアレを発生させる。
実施形態1のスクリーン1にはマイクロレンズ19が規則的に配列された反射面9aが設けられている。しかし、スクリーン1は、厚みが互いに異なっている中間層17a,17b,17cが配置されていることによって光学多層膜層13間の間隔が不規則になっている。これにより、繰り返し積層体7を通過する光の干渉が低減されている。繰り返し積層体7において複数の光学多層膜層13の間で多重反射が繰り替えされることによって体積方向の多重散乱を発生させるので、モアレの発生を低減することができる。なお、このモアレ発生を低減させる機能は、スクリーンに配置される規則的な凹凸パターンが複数のマイクロレンズ19ではない場合であっても作用する。したがって、本発明の実施形態のスクリーンは、マイクロレンズ19(光学素子)ではない凹凸パターンが規則的に配置されている場合であっても、モアレの発生を低減できる。
(実施形態2)
図8は、スクリーンの他の実施形態を説明するための模式的な断面図である。図9は、この実施形態のスクリーンの反射面におけるマイクロコーナーキューブの配置例を説明するための模式的な平面図である。図8及び図9において、図1及び図2と同じ機能を果たす部分には同じ符号が付されている。
この実施形態のスクリーン21は、繰り返し積層体7において、6層の上記「1単位」(ギャップ層15と光学多層膜層13)が中間層17a,17bを挟んで3段設けられている。繰り返し積層体7における、光学多層膜層13(反射率は10%)、ギャップ層15及び中間層17a,17bの構成は、図1及び図2を参照して説明した実施形態1のスクリーン1のものと同じである。
図7に示されるように、6層の光学多層膜層13(反射率は10%)が3段設けられている繰り返し積層体7の透過率は14.5%程度である。
スクリーン21は、光学素子アレイ基材9の反射面9aに斜め配置のコーナーキューブからなる複数のマイクロコーナーキューブ23(光学素子)を備えている。マイクロコーナーキューブ23は反射面9aのほぼ全面に配置されている。マイクロコーナーキューブ23は表面保護層11側(光入射側)に凸になるように配置されている。反射面9aの反射率は例えば15〜30%程度である。
図8に示されるように、マイクロコーナーキューブ23は例えば正三角錐形状を有している。マイクロコーナーキューブ23は例えば正三角形が平面充填された三角緻密に配列されている。マイクロコーナーキューブ23のピッチdx23(正三角形の一辺の長さ)は例えば300μm程度である。
この実施形態ではマイクロコーナーキューブ23の配列の一例として「正三角形が平面充填された三角緻密」を記載したが、マイクロコーナーキューブ23の配列は三角緻密に限定されるものではない。例えば、マイクロコーナーキューブ23の平面形状は、正三角形以外の三角形であってもよい。また、マイクロコーナーキューブ23は間隔をもって配列されていてもよい。
実施形態2のスクリーン21は、複数の光学多層膜層13と複数のギャップ層15が交互に積層されている繰り返し積層体7を備えているので、実施形態1のスクリーン1と同様に、スペックルの発生を低減することができる。
また、実施形態2のスクリーン21にはマイクロコーナーキューブ23が規則的に配列された反射面9aが設けられているが、スクリーン21は、実施形態1のスクリーン1と同様に、モアレの発生を低減することができる。
(実施形態3)
図10は、スクリーンのさらに他の実施形態を説明するための模式的な断面図である。図10において、図1と同じ機能を果たす部分には同じ符号が付されている。
この実施形態のスクリーン31は、繰り返し積層体7において、6層の上記「1単位」(ギャップ層15と光学多層膜層13)が中間層17aを挟んで2段設けられている。繰り返し積層体7における、光学多層膜層13、ギャップ層15及び中間層17aの構成は、実施形態1のスクリーン1のものと同様である。ただし、スクリーン31において、光学多層膜層13の反射率は20%である。
図7に示されるように、6層の光学多層膜層13(反射率は20%)が2段設けられている繰り返し積層体7の透過率は6.9%程度である。
実施形態3のスクリーン31は、複数の光学多層膜層13と複数のギャップ層15が交互に積層されている繰り返し積層体7を備えているので、実施形態1のスクリーン1と同様に、スペックル及びモアレの発生を低減することができる。
(実施形態4)
図11は、スクリーンのさらに他の実施形態を説明するための模式的な断面図である。図12は、この実施形態のスクリーンの反射面におけるブロックの配置例を説明するための模式的な平面図である。図13は、図12に示された各ブロックにおけるマイクロレンズの配列方向を説明するための模式的な平面図である。図11から図13において、図1及び図2と同じ機能を果たす部分には同じ符号が付されている。
この実施形態のスクリーン41は、繰り返し積層体7において、6層の上記「1単位」(ギャップ層15と光学多層膜層13)が中間層17a,17bを挟んで3段設けられている。繰り返し積層体7における、光学多層膜層13、ギャップ層15及び中間層17a,17bの構成は、実施形態1のスクリーン1のものと同様である。ただし、スクリーン41において、光学多層膜層13の反射率は20%である。また、中間層17bの厚みは例えば230nm程度である。
図7に示されるように、6層の光学多層膜層13(反射率は20%)が3段設けられている繰り返し積層体7の透過率は1.8%程度である。
スクリーン41の光学素子アレイ基材9の反射面9aにおいて、マイクロレンズ19は不規則に配置されている(ランダム配置)。図12に示されるように、反射面9aにおけるマイクロレンズ19の配置領域は複数のブロックA19a,A19b,A19c,A19dに分割されている。
図13に示されるように、各ブロックA19a〜A19dには複数のマイクロレンズ19が配列されている。なお、ブロックの周縁部に配置されるマイクロレンズ19は、ブロックの輪郭に接していてもよいし、ブロックの輪郭とは間隔をもって配置されていてもよい。
マイクロレンズ19の配列方向について、例えば、X軸方向を0°とする。
ブロックA19a〜A19dの平面形状は、例えば一辺が500μm程度の正六角形である。反射面9aにおいてブロックA19a〜A19dは六角緻密に配列されている。なお、隣り合うブロック同士は、隣接して配置されていてもよいし、間隔をもって配置されていてもよい。
反射面9aにおけるブロックA19a〜A19d及びマイクロレンズ19の配置について説明する。
ブロックA19a〜A19dは、図12及び図13に示されるように、輪郭である正六角形の3本の対角線のうち1本がX軸と平行に配置されている。図13に示されるように、ブロックA19a〜A19dにおいて、マイクロレンズ19が六角緻密にそれぞれ配列されている。例えば、マイクロレンズ19の基本形状は、一辺が100μm程度の正六角形である。ブロックA19a〜A19dにおいて、100個程度のマイクロレンズ19がそれぞれ配置されている。
ブロックA19aにおいて、マイクロレンズ19は輪郭である正六角形の3本の対角線のうち1本がY軸と平行に配置されている。ブロックA19aにおいて六角緻密に配列されたマイクロレンズ19はX軸と平行な直線上に並んでいる。ブロックA19aにおけるマイクロレンズ19の配列方向を0°とする。なお、ブロックA19aにおいて、マイクロレンズ19は、X軸方向に対して反時計回りに60°回転した方向と平行な直線上、及びX軸方向に対して反時計回りに120°回転した方向と平行な直線上にも並んでいる。
ブロックA19bでは、マイクロレンズ19の配列方向が、ブロックA19aにおけるマイクロレンズ19の配列方向に対して反時計回りに15°回転している。ブロックA19bにおけるマイクロレンズ19の配列方向を15°とする。
ブロックA19c,A19dでは、マイクロレンズ19の配列方向が、ブロックA19aにおけるマイクロレンズ19の配列方向に対して、反時計回りに30°又は45°回転している。ブロックA19c,A19dにおけるマイクロレンズ19の配列方向を順に30°、45°とする。
ブロックA19a〜A19dは、各ブロックの輪郭に接するマイクロレンズ19として、平面形状が三角形のもの、四角形のもの、五角形のものを含んでいる。
図12において、反射面9aのブロックA19a〜A19dの配置領域におけるマイクロレンズ19の配置方向は矢印で示されている(図13も参照。)。
反射面9aにおいて、ブロックA19a〜A19dは不規則に配置されている。反射面9aにおいて、ブロックA19a〜A19dが不規則に配列されていることにより、マイクロレンズ19の配列方向は不規則になっている。ここで、隣り合うブロック同士でマイクロレンズ19の配列方向が同じである箇所は1つのブロックとみなされる。これにより、隣り合うブロック間でマイクロレンズ19の配列方向が異なっている。
実施形態4のスクリーン41は、複数の光学多層膜層13と複数のギャップ層15が交互に積層されている繰り返し積層体7を備えているので、実施形態1のスクリーン1と同様に、スペックル及びモアレの発生を低減することができる。
さらに、スクリーン41は、反射面9aにおいてマイクロレンズ19が不規則に配置されているので、モアレパターンの発生を低減したり、防止したりすることができる。
また、マイクロレンズ19が不規則に配置されていることにより、スクリーン41は視野角を広げることができる。視野角は、反射面9aで反射される光の入射角度によって一義的に決定されるものである。反射面9aにおいてマイクロレンズ19が不規則に配置されているので、スクリーン41は、マイクロレンズ19が規則的に配置されている場合に比べて、視野角を広げることができる。また、反射面9aに配置されるマイクロレンズ19の配置と形状によって視野角を調整することができる。これにより、視野角調整機能の設計の自由度が向上した。
このように、反射面9aにおいて、マイクロレンズ19(光学素子)が不規則に配置されているようにしてもよい。
ここでは、反射面において、光学素子の配置領域が複数の上記光学素子をそれぞれ含む複数のブロックに分割されており、隣り合う上記ブロック間で上記光学素子の配列方向が互いに異なっていることにより、光学素子が不規則に配置されている例を説明した。ただし、光学素子が不規則に配置されている構成はこれに限定されない。
例えば、スクリーン41では、各ブロックに配置されたマイクロレンズ19の平面形状やピッチ、高さ、曲率半径、表面滑らかさなどは、ブロック間で同じであるが、光学素子が不規則に配置されている構成はこれに限定されない。
例えば、隣り合うブロック間で、配列されているマイクロレンズに関して、平面形状、大きさ、ピッチ、配列方向、高さ、曲率半径、表面滑らかさのうち少なくとも1つが互いに異なっていてもよい。
また、上記スクリーンの実施形態では、1つのブロックに配置されるマイクロレンズの配列方向は、0°、15°、30°、45°の4方向であるが、本発明のスクリーンの実施形態はこれに限定されない。本発明のスクリーンの実施形態において、1つのブロックに配置されるマイクロレンズの配列方向とブロックの辺がなす角度は任意である。また、反射面において、マイクロレンズの配列方向の数も任意である。反射面において、マイクロレンズの配列方向が互いに異なるブロックの種類が多いほど、モアレは発生しにくくなる。したがって、マイクロレンズの配列方向がより細分化されて、マイクロレンズの配列方向が互いに異なるブロックの種類がより多く設定されることが好ましい。ただし、マイクロレンズの配列方向が互いに異なるブロックが少なくとも2種類あれば、反射面においてマイクロレンズを不規則に配置することは可能である。
また、1つのブロックに配置される複数のマイクロレンズは、平面形状や大きさ、ピッチ、高さ、曲率半径、表面滑らかさが互いに異なるものを含んでいてもよい。
また、ブロックの形状は、正六角形に限定されず、どのような形状であってもよい。例えば、ブロックの形状は、三角形や四角形、五角形などの多角形、円形、楕円形などであってもよい。
また、1つの反射面に配置される複数のブロックは、ブロックの形状が互いに異なるものを含んでいてもよい。
また、光学素子の不規則な配置に関して、マイクロレンズに替えて、マイクロコーナーキューブや後述する四角錐構造を用いることも可能である。
また、光学素子が不規則に配置されている構成は、反射面に配置される複数の光学素子の形状、高さ、周期、表面の滑らかさのうち少なくとも1つが不規則であればよい。
例えば図14に示されるように、反射面9aに配置されたマイクロレンズ19は、平面形状や大きさ、高さ、曲率半径が互いに異なるものを含んでいるようにしてもよい。これらのマイクロレンズ19はランダムに配置されている。
(実施形態5)
図15は、スクリーンのさらに他の実施形態を説明するための模式的な断面図である。図15において、図1と同じ機能を果たす部分には同じ符号が付されている。
この実施形態のスクリーン51は、繰り返し積層体7において、6層の上記「1単位」(ギャップ層15と光学多層膜層13)が中間層17aを挟んで2段設けられている。繰り返し積層体7における、光学多層膜層13、ギャップ層15及び中間層17aの構成は、実施形態1のスクリーン1のものと同様である。ただし、スクリーン31において、光学多層膜層13の反射率は30%である。また、中間層17aの厚みは例えば180nm程度である。
図7に示されるように、6層の光学多層膜層13(反射率は30%)が2段設けられている繰り返し積層体7の透過率は1.4%程度である。
実施形態5のスクリーン41は、複数の光学多層膜層13と複数のギャップ層15が交互に積層されている繰り返し積層体7を備えているので、実施形態1のスクリーン1と同様に、スペックル及びモアレの発生を低減することができる。
(実施形態6)
図16は、スクリーンのさらに他の実施形態を説明するための模式的な断面図である。図16において、図1と同じ機能を果たす部分には同じ符号が付されている。
この実施形態のスクリーン61は、繰り返し積層体7において、6層の上記「1単位」(ギャップ層15と光学多層膜層13)が1段設けられている。スクリーン61において上記中間層は設けられていない。繰り返し積層体7における光学多層膜層13及びギャップ層15及び中間層17aの構成は、実施形態1のスクリーン1のものと同様である。ただし、スクリーン61において、光学多層膜層13の反射率は40%である。
図7に示されるように、6層の光学多層膜層13(反射率は40%)が1段設けられている繰り返し積層体7の透過率は4.7%程度である。
実施形態6のスクリーン61は、複数の光学多層膜層13と複数のギャップ層15が交互に積層されている繰り返し積層体7を備えているので、実施形態1のスクリーン1と同様に、スペックル及びモアレの発生を低減することができる。
図17は、各実施形態のスクリーンについて、モアレ及びスペックルの発生を調べた結果を示す図表である。使用した光の波長は510nmである。図17には、比較例として、反射率が30%のマイクロレンズアレイの結果が記載されている。
図17において、モアレ発生の欄及びスペックル発生の欄における効果「◎」は「モアレ又はスペックルが観察されなかった」ことを意味する。効果「△」は「見る角度によってはわずかに観察された」ことを意味する。効果「×」は「どの角度から見ても観察された」ことを意味する。
図17の結果から、実施形態1〜6は、いずれもモアレ及びスペックルの低減の効果が得られることがわかった。特に、実施形態1のスクリーン1(図1及び図2を参照。)と実施形態4のスクリーン41(図11から図13を参照。)は、モアレ及びスペックルの低減の効果について良好な結果が得られた。
(実施形態7)
図18は、スクリーンの他の実施形態を説明するための模式的な断面図である。図19は、この実施形態のスクリーンの反射面における四角錐構造の配置例を説明するための模式的な平面図である。図18及び図19において、図1及び図2と同じ機能を果たす部分には同じ符号が付されている。
この実施形態のスクリーン71は、実施形態1のスクリーン1と比較して、マイクロレンズ19に替えて四角錐構造73(光学素子)を光学素子アレイ基材9の反射面9aに備えている。四角錐構造73は反射面9aのほぼ全面に配置されている。四角錐構造73は表面保護層11側(光入射側)に凸になるように配置されている。反射面9aの反射率は例えば15〜30%程度である。
図18に示されるように、四角錐構造73は例えば正四角錐形状を有している。四角錐構造73は例えば正方形が平面充填された正方形緻密(格子状)に配列されている。四角錐構造73のピッチdx73(正方形の一辺の長さ)は例えば300μm程度である。
この実施形態では四角錐構造73の配列の一例として「正方形が平面充填された正方形緻密」を記載したが、四角錐構造73の配列は正方形緻密に限定されるものではない。四角錐構造73の配列は例えば千鳥状配列であってもよい。また、四角錐構造73の平面形状は、正方形以外の四角形であってもよい。また、四角錐構造73は間隔をもって配列されていてもよい。
実施形態7のスクリーン71は、繰り返し積層体7を備えているので、実施形態1のスクリーン1と同様に、スペックル及びモアレの発生を低減することができる。
(実施形態8)
図20は、スクリーンのさらに他の実施形態を説明するための模式的な断面図である。図20において、図1と同じ機能を果たす部分には同じ符号が付されている。
この実施形態のスクリーン81は、実施形態1のスクリーン1と比較して、光学素子アレイ基材9及び表面保護層11が繰り返し積層体7よりも全反射膜層5側に配置されている。光学素子アレイ基材9と表面保護層11は、全反射膜層5と繰り返し積層体7の間にその順に配置されている。なお、基材3、全反射膜層5、繰り返し積層体7、光学素子アレイ基材9及び表面保護層11の膜構成は、例えば、配置されている順番を除いて実施形態1のスクリーン1と同様である。
表面保護層11とは反対側の繰り返し積層体7の面に第2表面保護層83が配置されている。第2表面保護層83は、例えば厚みが10〜50μmの樹脂で形成されている。第2表面保護層83は繰り返し積層体7の表面を保護するためのものである。第2表面保護層83の表面(光入射面)に反射防止膜が形成されている。この反射防止膜は図18では第2表面保護層83と一体化されている。なお、第2表面保護層83や反射防止膜は設けられていなくてもよい。
この実施形態のスクリーン81のように、繰り返し積層体7が複数のマイクロレンズ19が配置された反射面9aを有する光学素子アレイ基材9よりも入射面側に配置されている構成であっても、実施形態1のスクリーン1と同様の作用及び効果が得られる。
なお、繰り返し積層体7が光学素子アレイ基材9よりも入射面側に配置されている構成は、例えば、上記実施形態2〜7で説明したスクリーン21,31,41,51,61,71にも適用可能である。
(実施形態9)
図21は、スクリーンのさらに他の実施形態を説明するための模式的な断面図である。図21において、図1及び図20と同じ機能を果たす部分には同じ符号が付されている。
この実施形態のスクリーン81は、実施形態8のスクリーン81と比較して、光学素子アレイ基材9及び表面保護層11が配置されていない。その他の構成は、実施形態8のスクリーン81と同様である。
スクリーン81は、複数の光学多層膜層13と複数のギャップ層15が交互に積層されている繰り返し積層体7を備えているので、実施形態1のスクリーン1と同様に、スペックルの発生を低減することができる。
なお、光学素子アレイ基材9が配置されていない構成は、例えば、上記実施形態1〜7で説明したスクリーン21,31,41,51,61,71にも適用可能である。
(実施形態10)
図22は、スクリーンのさらに他の実施形態を説明するための模式的な断面図である。図22において、図1と同じ機能を果たす部分には同じ符号が付されている。
この実施形態のスクリーン101は、実施形態3のスクリーン31と同様に、繰り返し積層体7において、6層の上記「1単位」(ギャップ層15と光学多層膜層13)が中間層17aを挟んで2段設けられている。また、スクリーン101において、光学多層膜層13の反射率は例えば5%である。
また、スクリーン101には、実施形態1のスクリーン1と比較して、全反射膜層5が設けられていない。
スクリーン101のその他の構成は、実施形態1のスクリーン1のものと同様である。なお、基材3は光透過性を有する材料で形成されている。
光学多層膜層13の反射率が5%のとき、6層の上記「1単位」の透過率は、73.5%程度である。また、スクリーン101の繰り返し積層体7では上記「1単位」が中間層17aを挟んで2段設けられているので、繰り返し積層体7の透過率は54.0%程度である。なお、これらの透過率について光学多層膜層13間の多重反射は考慮されていない。
この実施形態のスクリーン101には全反射膜層5が設けられていないので、例えば基材3側から入射した光の一部は繰り返し積層体7、光学素子アレイ基材9を透過して表面保護層11側から出射される。また、表面保護層11側から入射した光の一部は基材3側から出射される。
実施形態10のスクリーン101は、複数の光学多層膜層13と複数のギャップ層15が交互に積層されている繰り返し積層体7を備えている。スクリーン101に入射した光はスクリーン101内で多重反射されるので、スクリーン101は、実施形態1のスクリーン1と同様に、反射光及び出射光についてスペックル及びモアレの発生を低減することができる。
光透過性を有するスクリーン101は、例えば、ヘッドアップディスプレイ(HUD)やプロジェクターなどの表示装置用の透過型の疑似スクリーン(中間像スクリーン)に適用できる。また、スクリーン101は、例えばヘッドアップディスプレイのコンバイナ(透過型のスクリーン)にも適用できる。
なお、全反射膜層5が配置されていない構成は、例えば、上記実施形態1〜9で説明したスクリーン21,31,41,51,61,71,81,91にも適用可能である。
本発明の実施形態のスクリーンを備えた表示装置の一例を説明する。
図23は表示装置の一実施形態を説明するための模式的な構成図である。この実施形態の表示装置は透過型のスクリーンを備えている。
表示装置111は、スクリーン101と光源装置113を備えている。スクリーン101は、例えば図22を参照して説明した実施形態10のものである。
光走査型の光源装置113は、例えば光源115と全反射ミラー117と光偏向器119を備えている。レーザー光を平行光として射出する光源115から射出されたレーザー光は全反射ミラー117で反射されて光偏向器119に入射する。光偏向器119に入射した光は光偏向器119によって偏向走査される。光偏向器119によって偏向走査された光はスクリーン101に照射される。光偏向器119は入射した光が所定の走査角度の範囲内で走査されるように振動されている。
光源装置113からスクリーン1の一表面101a側に照射された光の一部はスクリーン101で反射され、視認者に認識される。
また、一表面101aとは反対側の裏面101bからスクリーン101に入射した光の一部は、スクリーン101を透過して視認者に認識される。
スクリーン101はスペックル及びモアレの発生を低減又は防止できるので、表示装置111はスペックル及びモアレの発生が低減又は防止された画像を表示できる。
表示装置111は例えばヘッドアップディスプレイとして用いられる。ヘッドアップディスプレイにおいて、スクリーン101は、いわゆるコンバイナ(combiner)として使用される。ヘッドアップディスプレイは例えば特許文献2に開示されている。なお、スクリーン101はヘッドアップディスプレイなどの表示装置において中間像スクリーンとして用いることも可能である。
図24は表示装置の他の実施形態を説明するための模式的な構成図である。この実施形態の表示装置は反射型のスクリーンを備えている。
表示装置121は、スクリーン1と光源装置123を備えている。スクリーン1は、例えば図1を参照して説明した実施形態1のものである。光源装置123は例えばレーザー光走査式プロジェクターである。
スクリーン1はスペックル及びモアレの発生を低減又は防止できるので、表示装置121はスペックル及びモアレの発生が低減又は防止された画像を表示できる。
以上、本発明の実施例が説明されたが本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、本発明のスクリーンの実施形態において、光学多層膜層とギャップ層の積層数は特に限定されない。また、上記実施形態では、光学多層膜層とギャップ層の積層数は偶数であるが、奇数であってもよい。また、中間層が設けられた構成において、中間層を挟んで配置される一方の光学多層膜層とギャップ層の積層数と、他方の光学多層膜層とギャップ層の積層数は異なっていてもよい。
また、本発明のスクリーンの実施形態において、光学多層膜層における高屈折率光学膜と低屈折率光学膜の積層数は特に限定されない。なお、光学多層膜層の一表面とその裏面について反射率(透過率)が等しくなるように、高屈折率光学膜と低屈折率光学膜の積層数は奇数層であることが好ましい。
なお、光学素子が配置された反射面を備えている構成において、光学素子は、必ずしも整った形状のマイクロレンズ、マイクロコーナーキューブ、四角錐構造である必要はない。例えば、マイクロレンズ、マイクロコーナーキューブ、四角錐構造の形状において、先端構造が一部平坦構造である物(設計)も有効である。
さらには、言うまでもないが、マイクロレンズの曲率やマイクロコーナーキューブの底面角度は一定である必要ない。例えばマイクロレンズで言えば、非球面構造や自由曲面構造であってもよい。マイクロコーナーキューブや四角錐構造の反射面は、平面である必要はなく、曲面の構造であってもよい。
また、上記実施形態では、反射面において、光学素子は平面充填されているが、光学素子の配置領域の中に光学素子が配置されていない領域(隙間)があってもよい。
また、本発明の実施形態の透過型のスクリーンの用途はヘッドアップディスプレイに限定されない。本発明の実施形態の透過型のスクリーンは、例えばショーウインドウや透明窓、自動車のフロントガラスやリヤガラス、電話ボックスやエスカレータ側面などの透明壁、展示物の保護ガラスなど、透明部材に適用できる。
1,21,31,41,51,61,71,81,91,101 スクリーン
9a 反射面
13 光学多層膜層
15 ギャップ層
17a,17b,17c 中間層
19 マイクロレンズ(光学素子)
23 マイクロコーナーキューブ(光学素子)
73 四角錐構造(光学素子)
111 表示装置
113 光源装置

Claims (8)

  1. 高屈折率光学膜と低屈折率光学膜が交互に積層された光学多層膜層と、使用する光の波長よりも厚みが小さい単層膜からなるギャップ層と、を備え、複数の前記光学多層膜層と複数の前記ギャップ層が交互に積層されている繰り返し積層体を備えているスクリーン。
  2. 前記繰り返し積層体は、複数の前記光学多層膜層と複数の前記ギャップ層が交互に積層されている部分同士の間に、前記波長よりも厚みが大きい単層膜からなる中間層を備えている、請求項1に記載のスクリーン。
  3. 前記繰り返し積層体に配置されている前記ギャップ層は同じ厚みで形成されている、請求項1又は2に記載のスクリーン。
  4. 前記繰り返し積層体の一端面に全反射膜層が配置されている、請求項1から3のいずれか一項に記載のスクリーン。
  5. 前記繰り返し積層体と前記全反射膜層の間、又は前記繰り返し積層体の前記一端面とは反対側の端面に、マイクロレンズ、マイクロコーナーキューブ又は四角錐構造からなる光学素子が複数配置された反射面が配置されている、請求項4に記載のスクリーン。
  6. 前記繰り返し積層体の一端面に、マイクロレンズ、マイクロコーナーキューブ又は四角錐構造からなる光学素子が複数配置された反射面が配置されている、請求項1から3のいずれか一項に記載のスクリーン。
  7. 前記反射面において前記光学素子が不規則に配置されている、請求項5又は6に記載のスクリーン。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載のスクリーンと、
    表示すべき画像に対応する光を前記スクリーンに照射する光源装置と、を備えた表示装置。
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