JP2017194538A - 光学結合素子、および光学結合素子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】歪みが低減された空中映像を表示できると共に、空中映像を明るく表示できる光学結合素子を提供する。【解決手段】透光性を有する透明部材(21)を、透明接着層(22)を挟んで1方向に連設することによって形成された2つのプレート(11・12)を備え、プレート(11・12)の積層面とは反対側の面に、プレート(11・12)との接触面とは反対側の面が平坦であり、かつ接触面において接触する透明部材(21)の屈折率との差が±0.2の範囲である屈折率を有する透明硬化物膜(13・14)が形成されている。【選択図】図1
Description
本発明は、空中に映像を表示する光学結合素子、および光学結合素子の製造方法に関する。
反射型光学結像素子を利用して、実像を空間中に結像させて、観察者が空中映像として認識することができる映像表示素子が提案されている。このような反射型光学結合素子は、互いに平行な複数の反射面を有する2つのリフレクタアレイを、反射面が互いに直交するように配置される2面リフレクタアレイを基本構成とし、様々な構成が提案されている。
例えば、特許文献1には、光学結合素子としての反射型面対称結像素子群が開示されている。特許文献1に開示された反射型面対称結像素子群100は、図19に示すように、リフレクタアレイとしての第1ミラーシート101と第2ミラーシート102とが重ね合わされたものからなっている。第1ミラーシート101および第2ミラーシート102は、透光性を有する光学部材である複数の直方体103がそれぞれ1方向に横並びに配列して形成されている。そして、第1ミラーシート101の第1の光反射面と第2ミラーシート102の第2の光反射面とが互いに直交するように、第1ミラーシート101と第2ミラーシート102とを重ね合わせることにより、反射型面対称結像素子110を形成している。
ここで、特許文献1に開示された反射型面対称結像素子群100では、空間映像の大きさを大きくすべく大型の反射型面対称結像素子群100を対象としており、そのための構成として、4つの反射型面対称結像素子110を二次元状に並べている。この場合、各反射型面対称結像素子110の第1ミラーシート101の高さ、および、第2ミラーシート102の高さが互いに揃わなくなる。そこで、特許文献1に開示された反射型面対称結像素子群100では、反射型面対称結像素子群100の両面にそれぞれ平板からなる透明カバー板120a・120bを設けることにより、横に並べた第1ミラーシート101同士の平坦性と、横に並べた第2ミラーシート102同士の平坦性とを確保している。
ところで、この種の光学結合素子では、図20の(a)に示すように、リフレクタアレイが複数の光学部材を並べて作製されているので、1つの光学結合素子の入射面に凹凸が形成されてしまう場合がある。光学結合素子の入射面に凹凸が形成されてしまうと、図20の(b)に示すように、光が光学結合素子に入射したときに、各光学部材に入射した光の屈折角が異なってしまう。その結果、光学結合素子から出射する光の方向にばらつきが生じ、実像の結像点がばらついてしまう。これにより、歪んだ空中映像を表示してしまう。
しかしながら、特許文献1に開示されている反射型面対称結像素子群100は、前述したように、複数の光学結合素子を横に並べて大型化する際に、横に並べた反射型面対称結像素子110同士の平坦性を確保するものであって、反射型面対称結像素子110内の表面に生じた凹凸の平坦性を確保するものではない。このため、特許文献1に開示されている反射型面対称結像素子群100では、反射型面対称結像素子110の入射面(または、出射面)の凹凸に起因して、反射型面対称結像素子110と、透明カバー板120a・120bとの間に空間が形成されてしまう。光が該空間に照射されると、該空間と透明カバー板120a・120bとの界面において、光が散乱・屈折してしまう。その結果、空間中に結像させる実像が歪んで表示されてしまうという問題を有している。
本発明は、前記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、歪みが低減された空中映像を表示できる光学結合素子、および光学結合素子の製造方法を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る光学結合素子は、透光性を有する複数の柱状の光学部材を、反射層を挟んで1方向に並列となるように連設することによって形成された第1プレート及び第2プレートを備え、前記第1プレート及び第2プレートが、それぞれの前記光学部材の連設方向が互いに直交となる向きで、それぞれの1つの面を積層面として互いに積層した光学結合素子であって、前記反射層は、透光性を有しており、前記反射層の屈折率は前記光学部材の屈折率よりも小さく、前記第1プレート及び前記第2プレートの少なくとも一方には、前記第1プレートと前記第2プレートとの積層面とは反対側の面に透明塗布膜が形成されており、前記透明塗布膜の、前記第1プレート又は前記第2プレートとの接触面とは反対側の面が、平坦になっており、前記透明塗布膜の屈折率と、前記透明塗布膜に接触する前記光学部材の屈折率との差が±0.2の範囲であることを特徴とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る光学結合素子の製造方法は、透光性を有する複数の柱状の光学部材を、前記光学部材の屈折率よりも小さい屈折率および透光性を有する反射層を挟んで1方向に並列となるように連設することによって第1プレート及び第2プレートを形成するプレート形成工程と、前記第1プレート及び第2プレートを、それぞれの前記光学部材の連設方向が互いに直交となる向きで、それぞれの1つの面を積層面として互いに積層する積層工程と、前記第1プレート及び前記第2プレートの少なくとも一方について、前記積層面とは反対側の表面に、前記第1プレート又は前記第2プレートとの接触面とは反対側の面が平坦であり、かつ前記接触面において接触する前記光学部材の屈折率との差が±0.2の範囲である屈折率を有する透明塗布膜を形成する塗布膜形成工程とを含むことを特徴とする。
本発明の一態様によれば、歪みが低減された空中映像を表示できる光学結合素子、および光学結合素子の製造方法を提供するという効果を奏する。
〔実施形態1〕
以下、本発明の実施形態1における光学結合素子1Aについて、図1〜図11を参照しながら詳細に説明する。
以下、本発明の実施形態1における光学結合素子1Aについて、図1〜図11を参照しながら詳細に説明する。
(光学結合素子1Aの構成)
本発明の実施形態1における光学結合素子1Aの構成について、図1〜図4に基づいて説明する。図1は、本発明の実施形態1における光学結合素子1Aの構成を示す断面図である。
本発明の実施形態1における光学結合素子1Aの構成について、図1〜図4に基づいて説明する。図1は、本発明の実施形態1における光学結合素子1Aの構成を示す断面図である。
図1に示すように、光学結合素子1Aは、光学素子である2枚のプレート11・12と、プレート(第1プレート、第2プレート)11・12のそれぞれに形成された透明硬化物膜(透明塗布膜)13・14とを備えている。以下にプレート11・12および透明硬化物膜13・14のそれぞれについて詳細に説明する。
<プレート11・12>
プレート11・12の構成について、図2および図3に基づいて説明する。図2は、本発明の実施形態1における光学結合素子1Aの2面リフレクタアレイ2Aの構造を示す斜視図である。図3は、光学結合素子1Aのプレート11・12を示すものであり、(a)は光学結合素子1Aのプレート11・12の斜視図であり、(b)は(a)のX−X’矢視断面図である。
プレート11・12の構成について、図2および図3に基づいて説明する。図2は、本発明の実施形態1における光学結合素子1Aの2面リフレクタアレイ2Aの構造を示す斜視図である。図3は、光学結合素子1Aのプレート11・12を示すものであり、(a)は光学結合素子1Aのプレート11・12の斜視図であり、(b)は(a)のX−X’矢視断面図である。
プレート11・12は、図2に示すように、プレート11およびプレート12が積層されることにより光学結合素子1Aの2面リフレクタアレイ2Aを形成するリフレクタアレイである。プレート11・12は、図2および図3の(a)(b)に示すように、それぞれ、複数の長尺の透明部材(光学部材)21を1方向に並列となるように連設され、隣接する透明部材21・21が透明接着層(反射層)22によって接着されている。すなわち、透明接着層22が透明部材21・21によって挟まれた状態となっている。ただし、本発明では、反射層は、透明部材21・21によって挟まれかつ接着剤によって形成された透明接着層22に限られない。反射層は、例えば、透明性を有し、接着性を有さない樹脂やガラスなどにより形成されてもよい。
光学結合素子1Aでは、透明部材21は、直方体の部材にてなっており、光が透明部材21内部を透過することができるようになっている。透明部材21は透光性を有していればその形状は直方体に限定されるものではなく、柱状であればよい。各透明部材21は、長手方向が平行になるように配置されている。
各透明部材21において、透明接着層22との界面23(透明部材21の側面)は、プレート11・12の厚さ方向に形成され、平坦なプレート11・12の表面(上下面)に対して垂直な面となっている。
透明接着層22は、透明部材21同士を接着するためのものであり、透明性を有し、光透過性を有する接着剤にてなっている。より具体的には、透明接着層22は、透明部材21の屈折率より小さい屈折率を有し、かつ、光を透過させる接着剤にてなっている。すなわち、透明部材21・21の間には、透明部材21の屈折率よりも小さい屈折率を有する透明接着層22が形成されることになる。
ここで、本実施形態における透明部材21および透明接着層22を形成する材料について、説明する。上述したように、透明部材21および透明接着層22は透明性を有しており、かつ、透明部材21の屈折率が透明接着層22の屈折率よりも大きくなっている。本実施形態における光学結合素子1Aでは、透明部材21は、屈折率が1.59のポリカーボネートにて形成されており、透明接着層22は、屈折率が1.50のアクリル系接着剤にて形成されている。ただし、本発明の光学結合素子は、この組み合わせに限られず、透明部材21および透明接着層22は透明性を有しており、かつ、透明部材21の屈折率が透明接着層22の屈折率よりも大きくなる組み合わせであればよい。例えば、本発明の光学結合素子は、透明部材がPMMA(ポリメタクリル酸メチル、polymethyl methacrylate、屈折率1.49)であり、透明接着層がフッ素系接着剤(屈折率1.38〜1.42)である組み合わせであってもよく、また、透明部材がガラス(屈折率1.52)であり、透明接着層がフッ素系接着剤(屈折率1.38〜1.42)やシリコーン系接着剤(屈折率1.40〜1.44)である組み合わせであってもよい。
ここで、透明部材21の間に、透明接着層22の代わりに、透明部材21の屈折率よりも小さい屈折率を有する層(以下、低屈折率層という。)として、空気層を設けることが考えられる。しかし、低屈折率層として空気層を設ける場合、透明部材21同士を面で接着させ、透明部材21を保持・固定することができなくなる。そこで、プレート11・12をそれぞれ1枚の平板にし、該平板に一定のピッチで凹形状の溝を形成し、空気層による低屈折率層を形成することが考えられる。しかし、光学結合素子を高精細化するためには、平板に設ける低屈折率層の幅は100μm以下にする必要がある。低屈折率層として空気層を設ける場合、凹形状の溝を精度よく作製するためには凹形状の溝は大きくならざるを得ず、100μm以下の凹形状の溝を形成するのは非常に困難である。
そこで、本実施形態の光学結合素子1Aでは、低屈折率層として透明接着層22を用いている。それにより、透明部材21同士を面で接着させ、透明部材21を保持・固定することができる。さらに、透明接着層22の幅D2を10μm以下にすることも可能であり、透明部材21の幅D1に対する透明接着層22の幅D2の比(D2/D1)を1/10以下にすることも可能である。
光学結合素子1Aの2面リフレクタアレイ2Aは、図2に示すように、プレート11の透明部材21の長手方向と、プレート12の透明部材21の長手方向とが互いに直交するように、プレート11とプレート12とを重ね合わせて構成されている。換言すれば、光学結合素子1Aの2面リフレクタアレイ2Aは、プレート11およびプレート12が、それぞれの透明部材21の連接方向が互いに直交となる向きで、それぞれの1つの面を積層面として互いに積層されて構成されている。以降では、便宜上、光学結合素子1Aのプレート11が配置されている方向を上方、プレート12が配置されている方向を下方として説明する。
本実施形態では、透明部材21の幅D1(透明部材21が並んでいる方向の幅)は0.5mmであり、透明部材21の厚さT1(プレート11・12の厚さ)は1.2mmである。また、透明接着層22の幅D2(透明部材21が並んでいる方向の幅)は0.05mmである。ただし、幅D1・D2、および厚さT1の値はあくまで1つの例であり、空中映像(図2の画像10’)の元画像(図2の画像10)の画素数や空中映像の視野角の設定によって様々な値をとることができる。
より詳細には、透明部材21の幅D1と透明接着層22の幅D2との比率は、光学結合素子1Aの開口率に影響する。ここで、開口率とは、プレート11・12の表面(プレート11・12の上下面)において、透明部材21が占める割合のことをいう。光学結合素子1Aに対して照射された光のうち、透明接着層22から入射する光は、空中映像の実像を結像するために使用することができない。したがって、透明接着層22の幅D2が大きいと、光学結合素子1Aの開口率が小さくなり、光の損失につながるため、光学結合素子1Aに入射する光を効率よく使用することができない。
ここで、上述のように、本実施形態における光学結合素子1Aでは、図3に示すように、プレート11・12における透明部材21の幅D1は0.5mmであり、透明接着層22の幅D2は0.05mmである。このため、この場合の光学結合素子1Aの開口率は、82.6%となる。なお、光学結合素子1Aでは、低屈折率層として透明接着層22を用いているため、透明接着層22の幅D2を10μm以下にすることも可能である。これにより、開口率を90%以上にすることができ、光学結合素子1Aに入射した光を効率よく使用することができる。
なお、本実施形態における光学結合素子1Aでは、低屈折率層は透明接着層22による単層にて構成されているが、本発明の光学結合素子はこれに限定されない。例えば、低屈折率層を複層にすることにより、より高精度に屈折率・厚みの制御を行うことが可能である。
<透明硬化物膜13・14>
次に、本実施形態における光学結合素子1Aの透明硬化物膜13・14について、図4を参照しながら説明する。図4は、本実施形態における光学結合素子1Aの透明硬化物膜13・14の構成を示すものであり、(a)は透明硬化物膜13・14が形成されていないプレート11・12を示す断面図であり、(b)は(a)のAで示す部分を拡大した図であり、(c)は透明硬化物膜13・14が形成されたプレート11・12を示す断面図であり、(d)は(c)のBで示す部分を拡大した図である。なお、図4の(a)〜(d)では、プレート11・12の上面が、光が入射または出射する面として説明する。
次に、本実施形態における光学結合素子1Aの透明硬化物膜13・14について、図4を参照しながら説明する。図4は、本実施形態における光学結合素子1Aの透明硬化物膜13・14の構成を示すものであり、(a)は透明硬化物膜13・14が形成されていないプレート11・12を示す断面図であり、(b)は(a)のAで示す部分を拡大した図であり、(c)は透明硬化物膜13・14が形成されたプレート11・12を示す断面図であり、(d)は(c)のBで示す部分を拡大した図である。なお、図4の(a)〜(d)では、プレート11・12の上面が、光が入射または出射する面として説明する。
本実施形態におけるプレート11・12は、上述したように、透明部材21が透明接着層22を挟んで接着されている。そのため、プレート11・12の表面は、透明部材21の長手方向の側面が並べられて形成されている。その結果、プレート11・12は、図4の(a)(b)に示すように、表面に凹凸が形成されてしまう(具体的には、入射面の十点平均粗さRzが1μm以上である)ため、光がプレート11・12に入射したときに、各光学部材に入射した光の屈折角が異なってしまう。
そこで、本実施形態における光学結合素子1Aでは、図4の(c)(d)に示すように、プレート11とプレート12とのと積層面は反対側の面に、透明硬化物膜13・14がそれぞれ形成されている。本実施形態では、透明硬化物膜13・14は、膜厚が0.3mmとなるように形成されている。
透明硬化物膜13・14は、一方の面がプレート11・12の表面と接触しており、他方の面(プレート11・12との接触面とは反対側の面)が外部に露出しており、プレート11・12との接触面とは反対側の面は、平坦になるように形成されている。具体的には、透明硬化物膜13・14のプレート11・12との接触面とは反対側の面は、十点平均粗さRzが1μm未満となるように形成されている。また、透明硬化物膜13・14のプレート11・12との接触面とは反対側の面は、透明部材21と透明接着層22との界面23に対して垂直に形成される。
透明硬化物膜13・14は、透光性を有する光硬化型透明樹脂に光を照射することによって形成される。本発明の光学結合素子では、透明硬化物膜の屈折率は、透明部材21の屈折率との差が±0.2となるように形成される。本実施形態における透明硬化物膜13・14は、屈折率が1.57であるアクリル系の光硬化型透明樹脂にて形成されている。すなわち、透明硬化物膜13・14の屈折率(1.59)と、透明部材21の屈折率(1.57)との差が0.02となっている。
(光学結合素子1Aの製造方法)
次に、本実施形態における光学結合素子1Aの製造方法について説明する。
次に、本実施形態における光学結合素子1Aの製造方法について説明する。
光学結合素子1Aの製造方法は、以下の3つの工程を含んでいる。
(1)プレート11およびプレート12を形成する工程(プレート形成工程)、
(2)プレート11とプレート12とを積層する工程(積層工程)、および
(3)プレート11およびプレート12の、プレート11とプレート12との積層面とは反対側の表面に、透明硬化物膜13・14をそれぞれ形成する工程(塗布膜形成工程)。
(1)プレート11およびプレート12を形成する工程(プレート形成工程)、
(2)プレート11とプレート12とを積層する工程(積層工程)、および
(3)プレート11およびプレート12の、プレート11とプレート12との積層面とは反対側の表面に、透明硬化物膜13・14をそれぞれ形成する工程(塗布膜形成工程)。
以下に、上記(1)〜(3)の工程について詳細に説明する。
(1)プレート形成工程
プレート形成工程では、透光性を有する複数の直方体状の透明部材21を、透光性を有する接着剤によって接着し、1方向に並列となるように連設することによって、プレート11およびプレート12を形成する。上記の接着剤は、形成されたプレート11・12において、透明接着層22となる。上述したように、透明接着層22の屈折率は、透明部材21の屈折率よりも小さい屈折率を有している。
プレート形成工程では、透光性を有する複数の直方体状の透明部材21を、透光性を有する接着剤によって接着し、1方向に並列となるように連設することによって、プレート11およびプレート12を形成する。上記の接着剤は、形成されたプレート11・12において、透明接着層22となる。上述したように、透明接着層22の屈折率は、透明部材21の屈折率よりも小さい屈折率を有している。
(2)積層工程
次に、プレート形成工程で形成されたプレート11およびプレート12を、それぞれの透明部材21の連設方向が互いに直交となる向きで、それぞれの1つの面を積層面として互いに積層する。上記積層面は、透明部材21の屈折率と略同じ屈折率を有する接着剤によって接着される。これにより、2面リフレクタアレイ2Aが形成される。
次に、プレート形成工程で形成されたプレート11およびプレート12を、それぞれの透明部材21の連設方向が互いに直交となる向きで、それぞれの1つの面を積層面として互いに積層する。上記積層面は、透明部材21の屈折率と略同じ屈折率を有する接着剤によって接着される。これにより、2面リフレクタアレイ2Aが形成される。
(3)塗布膜形成工程
次に、積層工程で積層されたプレート11およびプレート12の積層面とは反対側の表面に、透明硬化物膜13および透明硬化物膜14をそれぞれ形成する。詳細には、塗布膜形成工程では、塗布工程、および硬化工程を含んでおり、塗布工程、および硬化工程により、透明硬化物膜13および透明硬化物膜14を形成する。
次に、積層工程で積層されたプレート11およびプレート12の積層面とは反対側の表面に、透明硬化物膜13および透明硬化物膜14をそれぞれ形成する。詳細には、塗布膜形成工程では、塗布工程、および硬化工程を含んでおり、塗布工程、および硬化工程により、透明硬化物膜13および透明硬化物膜14を形成する。
塗布工程では、積層工程で積層されたプレート11およびプレート12の積層面とは反対側の表面に光硬化型透明樹脂(透明物質)を塗布する。
次に、硬化工程について、図5を参照しながら説明する。図5の(a)は、本実施形態における硬化工程を示す断面図であり、(b)は、硬化工程により透明硬化物膜13・14が形成されたプレート11・12を示す断面図である。
硬化工程では、図5の(a)に示すように、塗布工程により光硬化型透明樹脂が塗布されたプレート11およびプレート12の積層面とは反対側の表面に、表面が平坦なシート(本実施形態では、PET(ポリエチレンテレフラレート、polyethylene terephthalate)シート)Sを当接させた状態で、光硬化型透明樹脂に光を照射することによって光硬化型透明樹脂を硬化させる。次に、シートSを剥離させることにより、図5の(b)に示すように、積層工程で積層されたプレート11およびプレート12の積層面とは反対側の表面に、プレート11またはプレート12との接触面とは反対側の面が平坦である透明硬化物膜13および透明硬化物膜14がそれぞれ形成される。本実施形態における光学結合素子1Aでは、透明硬化物膜13および透明硬化物膜14の、プレート11またはプレート12との接触面とは反対側の面は、十点平均粗さRzが1μm未満であるように形成する。
ここで、本発明の光学結合素子の透明硬化物膜は、光硬化型透明樹脂を硬化させる方法による製造に限られない。例えば、積層工程で積層されたプレート11およびプレート12の積層面とは反対側の表面に熱硬化型透明樹脂を塗布し、熱硬化型透明樹脂の温度を上昇させることにより、透明硬化物膜を形成してもよい。
なお、本実施形態における光学結合素子1Aでは、プレート11およびプレート12の両方について、積層面とは反対側の表面に、透明硬化物膜13または透明硬化物膜14を形成する構成であるが、本発明の光学結合素子は、これに限られない。すなわち、プレート11またはプレート12の一方にのみ、透明硬化物膜を形成する構成であってもよい。
(光学結合素子1Aを用いた空間映像の表示)
光学結合素子1Aを用いた空間映像の表示について、図6〜図11を参照しながら説明する。
光学結合素子1Aを用いた空間映像の表示について、図6〜図11を参照しながら説明する。
まず、光学結合素子1Aを用いた空間映像表示の概略について、図6に基づいて説明する。図6は、光学結合素子1Aを用いた空間映像表示の概略図である。光学結合素子1Aでは、図6に示すように、プレート12の下方にある画像10が存在する場合、画像10のある点から出射された光のうち、プレート12内の透明部材21(図示せず)で1回目の反射をした後、プレート11内の透明部材21(図示せず)で2回目の反射をして、プレート12から出射された光は、必ず画像10のある点と光学結合素子1Aに対して対称の位置にある点に収束する。したがって、画像10と光学結合素子1Aに対して対称の位置に画像10’を実像として形成することができる。この画像10’はいわゆる空間映像として観察者Oによって認識される。このように、光学結合素子1Aは、空間映像の元画像となる画像10を、光学結合素子1Aを介して反転させて画像10’として結像し、画像10’を空間映像として表示することが可能となる。
次に、光学結合素子1Aによって空中に実像を形成する場合における、光の基本的な振る舞いについて、図7および図8に基づいて説明する。図7は、光学結合素子1Aによって実像が結像される原理を示す斜視図である。図7には光学結合素子1A内において光の反射が起こる透明部材21と透明接着層22との界面23a・23bでの光線の振る舞いが模式的に示されている。図8は、光学結合素子1Aによって実像が結像される位置を示す側面図である。なお、図8では、光の反射の概念を容易にするため、プレート11・12の本来の配置状態に対して45°傾けて図示している。また、光学結合素子1Aを真上から見た場合の光線の経路については、特許文献1の図4と同様であるため、説明を省略する。
図7に示すように、光学結合素子1Aは、プレート11における界面23bがそれぞれ平行に並んでおり、プレート12における界面23aもそれぞれ平行に並んでいる。そして、上述のように、プレート11を構成する透明部材21とプレート12を構成する透明部材21とはそれぞれ直交して配置されている。このため、プレート11における界面23bとプレート12における界面23aとが直交して配置されている。このように、光学結合素子1Aは、プレート11・12の界面23a・23bが互いに直交し、複数の界面23a・23bがアレイ状に整列配置された、2面リフレクタアレイとなっている。以下では、光学結合素子1Aの下面側の点C、点Dについて光学結合素子1Aを通過する光線の経路について説明する。
まず、プレート12の下方に存在する点Cから出射された光C1について説明する。点Cから出射された光C1は、プレート12の下面に入射する。つまり、本実施形態では、プレート12の下面が、光学結合素子1Aの入射面となる。プレート12に入射した光C1は、プレート12の内部を進行し、全反射条件でプレート12の界面23aに到達すると、界面23aにて1回目の反射が起こる。界面23aで反射した光C1は、再びプレート12の内部を進行し、プレート11に入射する。プレート11に入射した光C1は、プレート11の内部を進行し、全反射条件でプレート11の界面23bに到達すると、界面23bにて2回目の反射が起こる。界面23bで反射した光C1は、再びプレート11の内部を進行し、プレート11の上面から出射される。なお、全反射条件以外の光は、界面23a・23bで反射されずにプレート11・12を透過する。
次に、点Cから光C1とは異なる向きに出射された光C2について説明する。上述の光C1と同じように、光C2はプレート12の下面に入射する。光C2は、光C1が到達した界面23aでは全反射条件を満たさない。このため、光C2は、その界面23aでは反射されずに透過し、全反射条件となるまでプレート12の内部を進行する。そして、全反射条件を満たす界面23a(光C1が到達した界面23aとは異なる界面23a)にて、1回目の反射が起こる。その後、光C2は、プレート11に入射し、光C1が到達した界面23bにて2回目の反射が起こる。界面23bで反射した光C2は、再びプレート11の内部を進行し、プレート11の上面から出射される。
一方、点Cとは異なる位置の点Dから出射された光D1・D2についても同様である。つまり、プレート12に入射した光D1・D2は、プレート12の界面23aにて、1回目の反射が起こった後、プレート11の界面23bにて2回目の反射が起こり、プレート11の上面から出射される。
ここで、プレート11の界面23bとプレート12の界面23aとは、互いに直交するように配置されている。そのため、図8に示すように、点Cから出射された光の中で、プレート11内の界面(図示せず)で1回目の反射をし、プレート12内の界面(図示せず)で2回目の反射をして、プレート12から出射された光は、必ず点Cと光学結合素子1Aに対して対称の位置にある点C’を通る。したがって、プレート11から出射された光は、点Cと光学結合素子1Aに対して対称の位置にある点C’を通る。
このように、点Cから出射された光のうち、プレート11内の界面23aで1回目の反射をし、プレート12内の界面23bで2回目の反射をして、プレート12から出射された光は、必ず点Cと光学結合素子1Aに対して対称の位置にある点C’に収束する。
また、点Dから出射された光についても同様のことがいえる。つまり、点Dから出射された光D1、D2のうち、プレート11内の界面23aで1回目の反射をし、プレート12内の界面23bで2回目の反射をして、プレート12から出射された光は、必ず点Dと光学結合素子1Aに対して対称の位置にある点D’に収束する。
なお、図7および図8には、点C、点Dから出射された2種類の光C1・C2、光D1・D2の光路しか示していない。しかし、点C、点Dからの光線は、光学結合素子1Aの下面のあらゆる部位に出射され、全反射条件を満たす光線は、界面23aおよび界面23bにて2回反射される。その結果、全反射条件を満たすいずれの光線も、光学結合素子1Aに対して面対称の位置にある点C’または点D’に収束する。したがって、上述した図2に示すように、光学結合素子1Aの下面に配置された画像10を、光学結合素子1Aを介して、光学結合素子1Aの上面側に空間映像(画像10’)として表示することができる。
ここで、本実施形態における光学結合素子1Aに入射する光の振る舞い、および光学結合素子1Aから出射する光の振る舞いについて、図9および図20を参照しながら、より詳細に説明する。図9の(a)は、光学結合素子1Aに光が入射する様子を示す断面図であり、(b)は、光学結合素子1Aから光が出射する様子を示す断面図である。なお、図9の(a)(b)では、プレート11の上方に存在する画像を、光学結合素子1Aを用いて、プレート12の下方に空中映像として表示する場合について図示している。
従来のリフレクタアレイでは、図20の(a)に示すように、リフレクタアレイにおいて光が入射する面(入射面)が平坦でないので、図20の(b)に示すように、光がリフレクタアレイに入射したときに、各光学部材に入射した光の屈折角が異なってしまう。その結果、リフレクタアレイから出射する光の方向にばらつきが生じ、実像の結像点がばらついてしまう。これにより、従来の光学結合素子は、歪んだ空中映像を表示してしまう。
これに対して、本実施形態における光学結合素子1Aでは、図9の(a)に示すように、プレート11の上方に存在する画像から出射され、光学結合素子1Aに入射する光は、まず、外部(空気)と透明硬化物膜13との界面に達する。ここで、透明硬化物膜13は、プレート11との接触面とは反対側の面が平坦になっているので、透明硬化物膜13に入射した互いに平行な光は、外部(空気)と透明硬化物膜13との界面において、同じ方向に屈折する。そして、透明硬化物膜13に入射した光は、透明硬化物膜13の内部を進行し、透明硬化物膜13とプレート11との界面に達する。ここで、透明硬化物膜13の屈折率と、透明部材21の屈折率との差が0.02と小さいため、透明硬化物膜13とプレート11との界面に達した光は、透明硬化物膜13とプレート11との界面においてほとんど屈折せずに、プレート11の内部に入射する。
プレート11の内部に進行した光は、プレート11内の界面23aで1回目の反射をし、プレート12に入射する。プレート12に入射した光は、図9の(b)に示すように、プレート12内の界面23bで2回目の反射をして、透明硬化物膜14とプレート12との界面に達する。ここで、透明硬化物膜14の屈折率と、透明部材21の屈折率との差が0.02と小さいため、透明硬化物膜14とプレート12との界面に達した光は、透明硬化物膜14とプレート12との界面においてほとんど屈折せずに、透明硬化物膜14に入射する。透明硬化物膜14に入射した光は、透明硬化物膜14の内部を進行し、外部(空気)と透明硬化物膜14との界面に達する。ここで、透明硬化物膜14は、プレート12との接触面とは反対側の面が平坦になっているので、外部(空気)と透明硬化物膜14との界面に達した互いに平行な光は、外部(空気)と透明硬化物膜14との界面において、同じ方向に屈折し、外部に向けて照射される。すなわち、プレート11の上方に存在する画像から出射された互いに平行な光は、光学結合素子1Aを通過した後においても、略互いに平行な光として光学結合素子1Aから出射される。これにより、光学結合素子1Aでは、元の画像から出射され光学結合素子1Aに入射した光を、光学結合素子1Aに対して対称な位置に精度良く出射することができる。これにより、プレート12の下方に、空中画像の歪みが発生することなく、空中映像を表示することができるようになっている。
また、透明硬化物膜13・14は、上述したように、厚みが0.3mmの薄い膜にて構成されている。これにより、透明硬化物膜13・14を通過する際に、光の透過率の低下を抑えることができ、光学結合素子1Aを透過する光の透過率を高くすることができるようになっている。その結果、光学結合素子1Aは、プレート12の下方に、空中映像を明るく表示することができるようになっている。
また、本実施形態における光学結合素子1Aでは、透明硬化物膜13・14が形成されていることにより、1つのプレート11(またはプレート12)において、プレート11に入射した光が2回反射することを防ぐことができるようになっている。詳細について、図10を参照しながら説明する。図10は、光学結合素子の表面に対して60°の角度で入射した光の進行の様子を示すものであり、(a)は、透明硬化物膜が形成されていないリフレクタアレイにおける光の進行の様子を示す断面図であり、(b)は、透明硬化物膜が形成されたリフレクタアレイにおける光の進行の様子を示す断面図である。
透明硬化物膜が形成されていないリフレクタアレイでは、図10の(a)に示すように、リフレクタアレイに入射した光は、リフレクタアレイ内の、透明部材と透明接着層との界面において一度反射する。その後、透明部材と透明接着層との界面において一度反射した光の一部は、リフレクタアレイの出射面近傍の、透明部材と透明接着層との界面においてもう一度反射している(図中のCで示す部分)。2回反射した光は、空中映像を形成するために使用することができない。そのため、透明硬化物膜が形成されていないリフレクタアレイを用いた光学結合素子では、空中映像を形成する光が減少してしまうため、空中映像が暗くなってしまう。
それに対して、本実施形態における光学結合素子1Aのように透明硬化物膜が形成されたリフレクタアレイでは、図10の(b)に示すように、リフレクタアレイに照射された光は、外部(空気)と透明硬化物膜との界面において屈折し他後、透明硬化物膜に入射する。そのため、透明硬化物膜が形成されたリフレクタアレイでは、透明硬化物膜が形成されていないリフレクタアレイと比べて、1回目の反射がリフレクタアレイのより内側の、透明部材と透明接着層との界面において起こる。その結果、リフレクタアレイ内で2回目の反射が起こらないようになっている。すなわち、リフレクタアレイ内で光が損失することがないようになっている。これにより、空中映像を明るく表示できるようになっている。
次に、光学結合素子の表面に対して30°の角度で入射した光の進行について、図11を参照しながら説明する。図11は、光学結合素子の表面に対して30°の角度で入射した光の進行の様子を示すものであり、(a)は、透明硬化物膜が形成されていないリフレクタアレイにおける光の進行の様子を示す断面図であり、(b)は、透明硬化物膜が形成されたリフレクタアレイにおける光の進行の様子を示す断面図である。
透明硬化物膜が形成されていないリフレクタアレイでは、図11の(a)に示すように、リフレクタアレイに入射した光は、透明部材と透明接着層との界面において全反射せず、透明部材と透明接着層との界面を通過しながらリフレクタアレイ内を進行した後、外部に出射する。
同様に、本実施形態における光学結合素子1Aのように透明硬化物膜が形成されたリフレクタアレイにおいても、図11の(b)に示すように、リフレクタアレイに入射した光は、透明部材と透明接着層との界面において全反射せず、透明部材と透明接着層との界面を通過しながらリフレクタアレイ内を進行した後、外部に出射する。
このように、本実施形態における光学結合素子1Aのように透明硬化物膜が形成されたリフレクタアレイにおいても、光学結合素子の表面に対して浅い角度で入射した光は、リフレクタアレイを透過することができる。すなわち、本実施形態の光学結合素子1Aのように透明硬化物膜が形成されたリフレクタアレイにおいても、リフレクタアレイに透明硬化物膜が形成されたことによる、光学結合素子の表面に対して浅い角度で入射した光の透過に対するデメリットはない。
なお、特許文献1に開示されている光学結合素子としての反射型面対称結像素子群100では、図19に示すように、反射型面対称結像素子群100の両面にそれぞれ平板からなる透明カバー板120a・120bを設けることにより、横に並べた第1ミラーシート101同士の平坦性と、横に並べた第2ミラーシート102同士の平坦性とを確保している。そして、反射型面対称結像素子群100と透明カバー板120a・120bとの間には、反射型面対称結像素子群100および透明カバー板120a・120bと略同一の屈折率を有するオプティカルカップリング剤を塗布することにより、反射型面対称結像素子群100と透明カバー板120a・120bとの間に発生する微小な隙間を埋めている。しかしながら、反射型面対称結像素子群100では、反射型面対称結像素子110内の表面に生じた凹凸の程度が大きい場合(例えば、十点平均粗さRzが1μm以上)、オプティカルカップリング剤を塗布するだけでは、反射型面対称結像素子群100と透明カバー板120a・120bとの間に発生する凹凸を埋めることができず、反射型面対称結像素子110と透明カバー板120a・120bとの間に空間(気泡)が形成されてしまう。光が該空間に照射されると、該空間と透明カバー板120a・120bとの界面において、光が散乱・屈折してしまう。その結果、空間中に結像させる実像が歪んで表示されてしまう。
これに対して、本実施形態の光学結合素子1Aでは、特許文献1に開示されている反射型面対称結像素子群100のような透明カバー部材を用いる構成ではないので、上記の空間が形成されることがない。したがって、該空間による実像の歪みが発生することがないようになっている。
以上のように、本実施形態における光学結合素子1Aでは、プレート11およびプレート12の、プレート11とプレート12との積層面とは反対側の面に、透明硬化物膜13・14がそれぞれ形成されている。透明硬化物膜13・14は、プレート11またはプレート12との接触面とは反対側の面が平坦になっている。また、透明硬化物膜13・14の屈折率は、透明硬化物膜13・14に接触する透明部材21との差が0.02となっている。
上記の構成によれば、光学結合素子に光が入射する面(入射面)が、プレート11とプレート12との接触面とは反対側の面が平坦になっている透明硬化物膜13となる。したがって、透明硬化物膜13に入射した互いに平行な光は、外部(空気)と透明硬化物膜13との界面において、同じ方向に屈折する。また、透明硬化物膜13・14の屈折率は、透明硬化物膜13・14に接触する透明部材21との差が0.02と小さくなっているため、透明硬化物膜13に入射し、透明硬化物膜13とプレート11の透明部材21との界面に達した光は、該界面においてほとんど屈折することなく、プレート11の内部に入射する。すなわち、互いに平行な光は、透明硬化物膜13とプレート11の透明部材21との界面を通過した後においても、互いに平行な光となる。また、互いに平行な光が、プレート12から透明硬化物膜14を通過し、外部に出射するときにも同様に、互いに平行な光となる。その結果、光学結合素子1Aでは、元の画像から出射され光学結合素子1Aに入射した光を、光学結合素子1Aに対して対称な位置に精度良く出射することができる。これにより、プレート12の下方に、空中画像の歪みが発生することなく、空中映像を表示することができるようになっている。
また、本実施形態における透明硬化物膜13・14は、膜厚が0.3mmと薄く形成されている。これにより、光学結合素子1Aの膜厚を小さくすることができる。その結果、光学結合素子1Aに入射した光の透過率を高くすることができ、空中映像を明るく表示できるようになっている。
なお、本実施形態の光学結合素子1Aでは、透明硬化物膜13・14の屈折率は、透明部材21の屈折率よりも0.02小さい構成であった。しかし、本発明の光学結合素子では、これに限られない。すなわち、透明硬化物膜の屈折率と、透明硬化物膜に接触する透明部材の屈折率との差が±0.2の範囲であればよい。この構成によれば、元の画像から出射され光学結合素子に入射した光を、光学結合素子に対して対称な位置に精度良く出射することができる。ただし、透明硬化物膜とプレートの透明部材との界面において、光の屈折の程度を小さくするためには、透明硬化物膜の屈折率と、透明硬化物膜に接触する透明部材の屈折率との差ができるだけ小さいことが好ましい。例えば、透明硬化物膜の屈折率と、透明硬化物膜に接触する透明部材の屈折率との差は、好ましくは、±0.1の範囲であり、より好ましくは±0.02の範囲であり、最も好ましくは、透明硬化物膜の屈折率と、透明硬化物膜に接触する透明部材の屈折率とが同じ屈折率である。
さらに、透明硬化物膜の屈折率は、透明部材の屈折率よりも小さくすることが好ましい。これにより、透明硬化物膜とプレートの透明部材との界面において、光が反射しないようにできる。その結果、空中映像をより明るく表示することができる。
また、プレート11・12にそれぞれ形成された透明硬化物膜13・14は、積層されたプレート11・12を両面から保持することができる。これにより、積層されたプレート11.12の強度を確保することができる。また、透明硬化物膜13・14は、透明部材21と透明接着層22との界面である光反射面を保護する機能も有している。
また、プレート11・12にそれぞれ透明硬化物膜13・14を形成することにより、斜めから見たときにおける開口率が高くなる(すなわち、光学結合素子1Aの厚み方向において、透明部材21と透明接着層22との界面の長さが小さくなる)ので、光学結合素子1Aを透過した映像をより見やすくすることができる。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
本発明の他の実施形態について、説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
本実施形態における光学結合素子1Bは、実施形態1における積層工程と塗布膜形成工程との間に、プレートの表面を研磨処理する研磨工程を含む製造方法により製造される点が実施形態1における光学結合素子1Aとは異なっている。
(光学結合素子1Bの製造方法)
本実施形態における光学結合素子1Bの製造方法について、図12〜図15に基づいて説明する。
本実施形態における光学結合素子1Bの製造方法について、図12〜図15に基づいて説明する。
図12は、本実施形態における光学結合素子1Bのプレート31・32の構造を示すものであり、(a)は、積層工程を行った後のプレート11・12の形状を示す断面図であり、(b)は積層工程後のプレート11・12に対して研磨工程を行った後のプレート31・32の形状を示す断面図である。
図12の(a)に示すように、積層工程を行った後のプレート11・12は、その表面に凹凸が残ってしまうことがある。実施形態1における光学結合素子1Aでは、凹凸を埋めるために透明硬化物膜13・14を形成していた。
これに対して、本実施形態における光学結合素子1Bでは、透明硬化物膜を形成する前に(すなわち、塗布膜形成工程を行う前に)、積層工程を行った後のプレート11・12の表面(より詳細には、透明硬化物膜を形成する対象となる、プレート11とプレート12との積層面とは反対側の表面)を研磨処理する研磨工程を行う。これにより、図12の(b)に示すように、上述の積層面とは反対側の表面が平滑化されたプレート31・32が形成される。
ここで、プレート31・32の積層面とは反対側の表面の状態について、図13を参照しながら説明する。図13は、プレート31・32の積層面とは反対側の表面の状態を示すものであり、(a)は、積層面とは反対側の表面が平滑化されたプレート31・32の表面を拡大した断面図であり、(b)はプレート31・32に光が入射した様子を示す断面図である。
プレート31・32は、巨視的に見ると積層面とは反対側の表面が平滑化されている。しかしながら、微視的に見ると、図13の(a)に示すように、プレート31・32における積層面とは反対側の表面が、透明接着層22、及び透明接着層22に隣接する透明部材21の表面端部が、透明部材21の表面中央部に対して凹んだ状態となっている。より詳細には、プレート31・32における積層面とは反対側の表面が、積層面に向けて下がるテーパ形状となっている。更により詳細には、透明接着層22に隣接する透明部材21の表面端部が、積層面に向けて下がる、凸状の曲面を有するテーパ形状となっている。
プレート31・32における積層面とは反対側の表面がこのような形状となる理由は、透明接着層22が透明部材21に比べて研磨処理に対してより削れやすいためである。すなわち、研磨処理によって、プレート31・32の表面のうち、削れやすい透明接着層22が透明部材21よりも先に削られる。これにより、プレート31・32の表面の透明接着層22の部分が凹状となる。これにより、凹状となったプレート31・32の表面の透明接着層22の部分に隣接する透明部材21が突き出た状態となるため、透明部材21の角が研磨処理によって削られる。その結果、透明部材21の角が丸みを帯びた形状となり、透明接着層22に隣接する透明部材21の表面端部が、積層面に向けて下がる、凸状の曲面を有するテーパ形状となる。このように、プレート31・32は、異なる材料が接合されて構成されている以上、研磨処理によって完全に平坦な面にすることが困難である。
透明接着層22に隣接する透明部材21の表面端部が、積層面に向けて下がる、凸状の曲面を有するテーパ形状となったプレート31・32に光を照射した場合、図13の(b)に示すように、プレート31・32の表面の透明部材21における、凸状の曲面を有するテーパ形状となった部分と、中央部分とでは、プレート31・32に入射する光の屈折する方向が均一でなくなる。また、プレート31・32に照射された光の一部は、透明部材21のテーパ形状となった部分において反射される。その結果、プレート31とプレート32とからなる光学結合素子では、歪んだ空中映像を表示してしまう。
そこで、本実施形態における光学結合素子1Bでは、プレート31およびプレート32の、研磨処理された面に対して、透明硬化物膜13・14を形成する。透明硬化物膜13・14の形成方法は、実施形態1における塗布膜形成工程とほぼ同様である。すなわち、プレート31とプレート32の、研磨処理された表面(プレート31およびプレート32の積層面とは反対側の表面)に光硬化型透明樹脂を塗布する塗布工程と、塗布工程により光硬化型透明樹脂が塗布されたプレート31およびプレート32の積層面とは反対側の表面に、表面が平坦なシートSを当接させた状態で、光硬化型透明樹脂に光を照射することによって光硬化型透明樹脂を硬化させる硬化工程とを行う。そして、シートSを剥離させることにより、プレート31およびプレート32の積層面とは反対側の表面に、プレート31またはプレート32との接触面とは反対側の面が平坦である透明硬化物膜13および透明硬化物膜14をそれぞれ形成する。透明硬化物膜13および透明硬化物膜14の屈折率は、プレート31およびプレート32の透明部材21の屈折率との差が±0.2の範囲となっている。本実施形態の光学結合素子1Bでは、透明部材21は、屈折率が1.59のポリカーボネートにて形成されており、透明硬化物膜13・14は、屈折率が1.57であるアクリル系の光硬化型透明樹脂にて形成されている。すなわち、透明硬化物膜13・14の屈折率(1.59)と、透明部材21の屈折率(1.57)との差が0.02となっている。
次に、本実施形態における光学結合素子1Bにおいて、透明硬化物膜13または透明硬化物膜14がそれぞれ形成されたプレート31またはプレート32の積層面とは反対側の表面の状態について、図14を参照しながら説明する。図14は、透明硬化物膜13または透明硬化物膜14がそれぞれ形成されたプレート31またはプレート32の積層面とは反対側の表面の状態を示すものであり、(a)は、透明硬化物膜13または透明硬化物膜14がそれぞれ形成されたプレート31またはプレート32の表面を拡大した断面図であり、(b)は透明硬化物膜13が形成されたプレート31に光が入射した様子を示す断面図である。
光学結合素子1Bでは、図14の(a)に示すように、プレート31またはプレート32の積層面とは反対側の表面に、透明硬化物膜13または透明硬化物膜14がそれぞれ形成されている。透明硬化物膜13が形成されたプレート31に光が入射すると、図14の(b)に示すように、プレート31の上方に存在する画像から出射され、光学結合素子1Bに入射する光は、まず、外部(空気)と透明硬化物膜13との界面に達する。ここで、透明硬化物膜13は、プレート11との接触面とは反対側の面が平坦になっているので、透明硬化物膜13に入射した互いに平行な光は、外部(空気)と透明硬化物膜13との界面において、同じ方向に屈折する。そして、透明硬化物膜13に入射した光は、透明硬化物膜13の内部を進行し、透明硬化物膜13とプレート31との界面に達する。ここで、透明硬化物膜13の屈折率と、透明部材21の屈折率との差が0.02と小さいため、透明硬化物膜13とプレート31との界面に達した光は、透明硬化物膜13とプレート31との界面においてほとんど屈折せずに、プレート31の内部に入射する。その後の光の進行については、実施形態1において説明した光学結合素子1Aにおける光の進行と同様であるため、説明を省略する。
このように、本実施形態における光学結合素子1Bでは、プレート31およびプレート32の積層面とは反対側の表面が平滑化されたプレート31・32に対して、透明硬化物膜13・14を形成している。これにより、実施形態1における光学結合素子1Aに比べて、透明硬化物膜13・14の膜厚を薄くすることができる。その結果、透明硬化物膜13・14を通過する際に、光の透過率の低下をさらに抑えることができ、光学結合素子1Bを透過する光の透過率をさらに高くすることができるようになっている。その結果、光学結合素子1Bは、プレート32の下方に、空中映像をより明るく表示することができるようになっている。
ここで、図15に、研磨工程を行った後に、塗布膜形成工程を行ったプレートの表面の凹凸を表すグラフを示す。図15の(a)は、透明部材がPMMAで構成されているプレートにおける、研磨工程を行う前、研磨工程を行った後、および研磨工程後に塗布膜形成工程を行った後の表面の凹凸を表すグラフであり、(b)は、透明部材がポリカーボネートで構成されているプレートにおける、研磨工程を行う前、研磨工程を行った後、および研磨工程後に塗布膜形成工程を行った後の表面の凹凸を表すグラフである。
図15の(a)(b)に示すように、プレートがPMMAまたはポリカーボネートで構成されている場合、研磨前のプレートは、表面が平坦となっていない。また、研磨後のプレートは、透明接着層の部分が凹んでおり、透明接着層に隣接する透明部材の表面端部が、積層面に向けて下がる、凸状の曲面を有するテーパ形状となった。そして、研磨後に透明硬化物膜を形成したプレートは、表面が平坦となった。すなわち、研磨工程を行った後に、塗布膜形成工程を行うことにより、表面が平坦である透明硬化物膜を形成することができた。
このように、本実施形態における光学結合素子1Bは、積層工程と塗布膜形成工程との間に、プレートの表面を研磨処理する研磨工程を行うことにより製造される。このように製造された光学結合素子1Bでは、塗布膜形成工程を行う際に、プレート31・32の積層面とは反対側の表面が平滑化されているので、透明硬化物膜13・14の膜厚をさらに薄くすることができる。その結果、透明硬化物膜13・14を通過する際に、光の透過率の低下をさらに抑えることができ、光学結合素子1Bを透過する光の透過率をさらに高くすることができるようになっている。その結果、光学結合素子1Bは、プレート32の下方に、空中映像をより明るく表示することができるようになっている。
また、本実施形態における光学結合素子1Bは、研磨処理により、プレート31・32における積層面とは反対側の表面が、積層面に向けて下がるテーパ形状となっている。これにより、透明硬化物膜13・14とプレート31・32との界面における光の散乱が起こりにくくなるため、歪みがより低減された空中映像を表示することができるようになっている。
さらに、本実施形態における光学結合素子1Bは、透明接着層22に隣接する透明部材21の表面端部が、積層面に向けて下がる、凸状の曲面を有するテーパ形状となっている。これにより、透明塗布膜形成工程の塗布工程において、光硬化型透明樹脂が、透明部材21の表面中央部に対して凹んだ箇所に入り込みやすくなる。その結果、透明硬化物膜13・14とプレート31・32との間に隙間が生じにくくなり、密着性に優れた光学結合素子1Bを形成することができる。その結果、歪みがより低減された空中映像を表示することができるようになっている。
なお、本実施形態における光学結合素子1Bでは、研磨工程を行う前において透明接着層22であった領域に透明硬化物膜13・14の一部が形成されることになるので、透明部材21と透明接着層22との界面の面積が小さくなる。その結果、空中映像を表示するためのリフレクタとして光を反射する領域が小さくなる。しかしながら、光の入射面における透明接着層22の幅は、透明部材21の幅と比べて小さく、また、リフレクタとして光を反射する領域は、光の入射面の近傍ではない。したがって、研磨工程を行う前において透明接着層22であった領域に透明硬化物膜13・14の一部が形成されたとしても、光学結合素子としての特性には問題がない。それどころか、研磨工程を行う前において透明接着層22であった領域に透明硬化物膜13・14の一部が形成されることにより、研磨処理によって透明接着層22が削られることによるプレート31・32の強度の低下を防ぐことができるようになっている。
〔実施形態3〕
本発明の他の実施形態について、説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
本発明の他の実施形態について、説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
本実施形態における光学結合素子1Cは、透明硬化物膜のプレートとの接触面とは反対側の面に、反射防止のための微細構造が形成されている点が他の実施形態おける光学結合素子とは異なっている。
(光学結合素子1Cの製造方法)
本実施形態における光学結合素子1Cの製造方法について、図16および図17を参照しながら説明する。図16は、本実施形態における光学結合素子1Cの硬化工程を示す断面図である。
本実施形態における光学結合素子1Cの製造方法について、図16および図17を参照しながら説明する。図16は、本実施形態における光学結合素子1Cの硬化工程を示す断面図である。
本実施形態における光学結合素子1Cの製造方法は、実施形態1における光学結合素子1Aの製造方法とは、硬化工程が異なっている。本実施形態における硬化工程では、図16に示すように、反射防止のための微細構造を転写するための型が形成された平坦なシートS1を用いて行う。具体的には、光硬化型透明樹脂が塗布されたプレート11およびプレート12の積層面とは反対側の表面に、表面が平坦なシートS1を当接する。ここで、本実施形態における表面が平坦なシートS1には、反射防止のための微細構造を転写するための型が形成されている。反射防止のための微細構造を転写するための型が形成された、表面が平坦なシートS1を光硬化型透明樹脂に当接させた状態で、光硬化型透明樹脂に光を照射することによって光硬化型透明樹脂を硬化させる。これにより、プレート11およびプレート12の積層面とは反対側の表面に、プレート11またはプレート12との接触面とは反対側の面に反射防止のための微細構造を有し、十点平均粗さRzが1μm未満である透明硬化物膜53および透明硬化物膜54がそれぞれ形成される(図18参照)。
ここで、反射防止のための微細構造について、図17および図18を参照しながら説明する。図17は、本実施形態における光学結合素子1Cの透明硬化物膜53・54に形成される微細構造を示す断面図である。
反射防止のための微細構造は、図17に示すように、ピッチ(周期)が光の波長以下(例えば、150nm未満)であり、高さがピッチに対して数倍(例えば、数百nm)である高アスペクト比の凹凸を周期的に形成した構造である。
次に、反射防止のための微細構造を有した透明硬化物膜53および透明硬化物膜54が形成された光学結合素子1Cに照射された光の振る舞いについて、図18を参照しながら説明する。図18は、本実施形態における光学結合素子1Cに照射された光の振る舞いを示す断面図である。
上述した反射防止のための微細構造では、凸部の先端部分では凸部の面積が非常に小さく空気がほとんど占めており、一方、凸部の根元部分では凸部の面積がほとんどを占め、空気が占める面積が非常に小さくなる。そのため、凸部の先端から根元まで、屈折率が緩やかに変化する。すなわち、反射防止のための微細構造では、屈折率が大きく変化する所がない状態となっている。その結果、反射防止のための微細構造に照射された光は、反射・屈折がほとんど起こらなくなる。
その結果、本実施形態における光学結合素子1Cでは、図18に示すように、空中映像を視認する視線方向とは逆方向から入射する光が、透明硬化物膜53または透明硬化物膜54に反射されることを防ぐことができるようになっている。これにより、本実施形態における光学結合素子1Cは、観察者が空中映像を表示するための光以外の光を視認することがないため、観察者がより鮮明に空中映像を視認することができるようになっている。すなわち、本実施形態における光学結合素子1Cは、より高品位な空中映像を表示することができるようになっている。
なお、空中映像を視認する視線方向とは逆方向から入射する光の反射防止のために、反射防止フィルムを貼り付けることが考えられるが、反射防止フィルムを貼り付ける場合、透明硬化物膜に対して接着剤を介して反射防止フィルムを貼り付けることになる。その結果、反射防止フィルムによって光の透過率が低下してしまうため、表示される空中映像が暗くなってしまうという問題がある。それに対して、本実施形態における光学結合素子1Cでは、透明硬化物膜53および透明硬化物膜54に反射防止構造を形成することができるため、空中映像を明るく表示することができる。
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る光学結合素子1A〜1Cは、透光性を有する複数の柱状の光学部材(透明部材21)を、反射層(透明接着層22)を挟んで1方向に並列となるように連設することによって形成された第1プレート(プレート11およびプレート12の一方、または、プレート31およびプレート32の一方)及び第2プレート(プレート11およびプレート12の他方、または、プレート31およびプレート32の他方)を備え、前記第1プレート(プレート11およびプレート12の一方、または、プレート31およびプレート32の一方)及び第2プレート(プレート11およびプレート12の他方、または、プレート31およびプレート32の他方)が、それぞれの前記光学部材(透明部材21)の連設方向が互いに直交となる向きで、それぞれの1つの面を積層面として互いに積層した光学結合素子であって、前記反射層(透明接着層22)は、透光性を有しており、前記反射層(透明接着層22)の屈折率は前記光学部材(透明部材21)の屈折率よりも小さく、前記第1プレート(プレート11およびプレート12の一方、または、プレート31およびプレート32の一方)及び前記第2プレート(プレート11およびプレート12の他方、または、プレート31およびプレート32の他方)の少なくとも一方には、前記第1プレート(プレート11およびプレート12の一方、または、プレート31およびプレート32の一方)と前記第2プレート(プレート11およびプレート12の他方、または、プレート31およびプレート32の他方)との積層面とは反対側の面に透明塗布膜(透明硬化物膜13・14、53・54)が形成されており、前記透明塗布膜(透明硬化物膜13・14、53・54)の、前記第1プレート(プレート11およびプレート12の一方、または、プレート31およびプレート32の一方)又は前記第2プレート(プレート11およびプレート12の他方、または、プレート31およびプレート32の他方)との接触面とは反対側の面が、平坦になっており、前記透明塗布膜(透明硬化物膜13・14、53・54)の屈折率と、前記透明塗布膜に接触する前記光学部材の屈折率との差が±0.2の範囲であることを特徴としている。
本発明の態様1に係る光学結合素子1A〜1Cは、透光性を有する複数の柱状の光学部材(透明部材21)を、反射層(透明接着層22)を挟んで1方向に並列となるように連設することによって形成された第1プレート(プレート11およびプレート12の一方、または、プレート31およびプレート32の一方)及び第2プレート(プレート11およびプレート12の他方、または、プレート31およびプレート32の他方)を備え、前記第1プレート(プレート11およびプレート12の一方、または、プレート31およびプレート32の一方)及び第2プレート(プレート11およびプレート12の他方、または、プレート31およびプレート32の他方)が、それぞれの前記光学部材(透明部材21)の連設方向が互いに直交となる向きで、それぞれの1つの面を積層面として互いに積層した光学結合素子であって、前記反射層(透明接着層22)は、透光性を有しており、前記反射層(透明接着層22)の屈折率は前記光学部材(透明部材21)の屈折率よりも小さく、前記第1プレート(プレート11およびプレート12の一方、または、プレート31およびプレート32の一方)及び前記第2プレート(プレート11およびプレート12の他方、または、プレート31およびプレート32の他方)の少なくとも一方には、前記第1プレート(プレート11およびプレート12の一方、または、プレート31およびプレート32の一方)と前記第2プレート(プレート11およびプレート12の他方、または、プレート31およびプレート32の他方)との積層面とは反対側の面に透明塗布膜(透明硬化物膜13・14、53・54)が形成されており、前記透明塗布膜(透明硬化物膜13・14、53・54)の、前記第1プレート(プレート11およびプレート12の一方、または、プレート31およびプレート32の一方)又は前記第2プレート(プレート11およびプレート12の他方、または、プレート31およびプレート32の他方)との接触面とは反対側の面が、平坦になっており、前記透明塗布膜(透明硬化物膜13・14、53・54)の屈折率と、前記透明塗布膜に接触する前記光学部材の屈折率との差が±0.2の範囲であることを特徴としている。
この特徴によれば、光学結合素子に光が入射する面(入射面)が、第1プレートと第2プレートとの接触面とは反対側の面が平坦になっている。したがって、透明塗布膜に入射した互いに平行な光は、外部(空気)と透明塗布膜との界面において、略同じ方向に屈折する。また、透明塗布膜の屈折率は、透明塗布膜に接触する光学部材の屈折率との差が0.2の範囲であるため、透明塗布膜に入射し、透明塗布膜と第1プレート(または第2プレート)の光学部材との界面に達した光は、該界面においてほとんど屈折することなく、第1プレート(または第2プレート)の内部に入射する。すなわち、互いに平行な光は、透明塗布膜と第1プレート(または第2プレート)の光学部材との界面を通過した後においても、互いに平行な光となる。その結果、元の画像から出射されて光学結合素子に入射した光を、光学結合素子に対して対称な位置に精度良く出射することができる。これにより、第2プレート(または第1プレート)の下方に、空中画像の歪みが発生することなく、歪みが低減された空中映像を表示することができるようになっている。
したがって、歪みが低減された空中映像を表示できる光学結合素子を提供することができる。
なお、透明塗布膜は、薄く形成することが可能である。これにより、光学結合素子の膜厚を小さくすることができる。その結果、光学結合素子に入射した光の透過率を高くすることができ、空中映像を明るく表示できるようになっている。
本発明の態様2に係る光学結合素子1Bは、上記態様1において、前記透明塗布膜(透明硬化物膜13・14、53・54)が形成されている前記第1プレート(プレート11およびプレート12の一方、または、プレート31およびプレート32の一方)または前記第2プレート(プレート11およびプレート12の他方、または、プレート31およびプレート32の他方)における前記積層面とは反対側の表面は、前記反射層(透明接着層22)、及び前記反射層(透明接着層22)に隣接する前記光学部材(透明部材21)の表面端部が、前記光学部材(透明部材21)の表面中央部に対して凹んでいる構成であってもよい。
上記の構成によれば、例えば、研磨処理によって、反射層、及び反射層に隣接する光学部材の表面端部が光学部材の表面中央部に対して凹んでいる、第1プレートまたは第2プレートにおける積層面とは反対側の表面に透明塗布膜を形成する。したがって、凹んでいる箇所に透明塗布膜の一部が形成されるので、透明塗布膜に入射し、透明塗布膜と第1プレート(または第2プレート)の光学部材との界面に達した光は、該界面においてほとんど屈折することなく、第1プレート(または第2プレート)の内部に入射することができる。
本発明の態様3に係る光学結合素子1Bは、上記態様2において、前記反射層(透明接着層22)に隣接する前記光学部材(透明部材21)の表面端部は、前記積層面に向けて下がるテーパ形状となっている構成であることが好ましい。
上記の構成によれば、透明塗布膜と第1プレート(または、第2プレート)との界面における光の散乱が起こりにくくなるため、歪みがより低減された空中映像を表示することができる。
本発明の態様4に係る光学結合素子1Bは、上記態様3において、前記反射層(透明接着層22)に隣接する前記光学部材(透明部材21)の表面端部は、前記積層面に向けて下がる、凸状の曲面を有するテーパ形状となっている構成であることが好ましい。
上記の構成によれば、反射層に隣接する光学部材の表面端部が積層面に向けて下がる、凸状の曲面を有するテーパ形状となっているので、透明塗布膜形成工程の塗布工程において、光硬化型透明樹脂が、光学部材の表面中央部に対して凹んだ箇所に入り込みやすくなる。その結果、透明塗布膜と第1プレート(または、第2プレート)との間に隙間が生じにくくなり、密着性に優れた光学結合素子を形成することができる。その結果、歪みがより低減された空中映像を表示することができる。
本発明の態様5に係る光学結合素子1A〜1Cは、上記態様1〜4のいずれかにおいて、前記透明塗布膜(透明硬化物膜13・14、53・54)が形成されている前記第1プレート(プレート11およびプレート12の一方、または、プレート31およびプレート32の一方)または前記第2プレート(プレート11およびプレート12の他方、または、プレート31およびプレート32の他方)における前記積層面とは反対側の表面は、十点平均粗さRzが1μm以上である。
上記の構成によれば、十点平均粗さRzが1μm以上である、透明塗布膜が形成されている第1プレートまたは第2プレートにおける積層面とは反対側の表面を平坦にすることにより、歪みがより低減された空中映像を表示することができる。
本発明の態様6に係る光学結合素子1A〜1Cは、上記態様1〜5のいずれかにおいて、前記透明塗布膜(透明硬化物膜13・14、53・54)の、前記第1プレート(プレート11およびプレート12の一方、または、プレート31およびプレート32の一方)又は前記第2プレート(プレート11およびプレート12の他方、または、プレート31およびプレート32の他方)との接触面とは反対側の面は、十点平均粗さRzが1μm未満であることが好ましい。
上記の構成によれば、光学結合素子に光が入射する面(入射面)が、十点平均粗さRzが1μm未満である。したがって、透明塗布膜に入射した互いに平行な光は、外部(空気)と透明塗布膜との界面において、同じ方向に屈折する。
本発明の態様7に係る光学結合素子1Cは、上記態様1〜6のいずれかにおいて、前記透明塗布膜(透明硬化物膜53・54)の、前記第1プレート(プレート11およびプレート12の一方、または、プレート31およびプレート32の一方)又は前記第2プレート(プレート11およびプレート12の他方、または、プレート31およびプレート32の他方)との接触面とは反対側の面に、反射防止のための微細構造が形成されていることが好ましい。
上記の構成によれば、空中映像を視認する視線方向とは逆方向から入射する光が、透明塗布膜に反射されることを防ぐことができるようになっている。これにより、観察者が空中映像を表示するための光以外の光を視認することがないため、観察者がより鮮明に空中映像を視認することができるようになっている。すなわち、より高品位な空中映像を表示することができる。
本発明の態様8に係る光学結合素子の製造方法は、透光性を有する複数の柱状の光学部材(透明部材21)を、前記光学部材(透明部材21)の屈折率よりも小さい屈折率および透光性を有する反射層(透明接着層22)を挟んで1方向に並列となるように連設することによって第1プレート(プレート11およびプレート12の一方、または、プレート31およびプレート32の一方)及び第2プレート(プレート11およびプレート12の他方、または、プレート31およびプレート32の他方)を形成するプレート形成工程と、前記第1プレート(プレート11およびプレート12の一方、または、プレート31およびプレート32の一方)及び第2プレート(プレート11およびプレート12の他方、または、プレート31およびプレート32の他方)を、それぞれの前記光学部材(透明部材21)の連設方向が互いに直交となる向きで、それぞれの1つの面を積層面として互いに積層する積層工程と、前記第1プレート(プレート11およびプレート12の一方、または、プレート31およびプレート32の一方)及び前記第2プレート(プレート11およびプレート12の他方、または、プレート31およびプレート32の他方)の少なくとも一方について、前記積層面とは反対側の表面に、前記第1プレート(プレート11およびプレート12の一方、または、プレート31およびプレート32の一方)又は前記第2プレート(プレート11およびプレート12の他方、または、プレート31およびプレート32の他方)との接触面とは反対側の面が平坦であり、かつ前記接触面において接触する前記光学部材(透明部材21)の屈折率との差が±0.2の範囲である屈折率を有する透明塗布膜(透明硬化物膜13・14、53・54)を形成する塗布膜形成工程とを含むことを特徴としている。
この特徴を有する製造方法によって製造された光学結合素子では、光学結合素子に光が入射する面(入射面)が、第1プレートと第2プレートとの接触面とは反対側の面が平坦になっている透明塗布膜となる。したがって、透明塗布膜に入射した互いに平行な光は、外部(空気)と透明塗布膜との界面において、略同じ方向に屈折する。また、透明塗布膜の屈折率は、透明塗布膜に接触する光学部材との差が0.2の範囲であるため、透明塗布膜に入射し、透明塗布膜と第1プレート(または第2プレート)の光学部材との界面に達した光は、該界面においてほとんど屈折することなく、第1プレート(または第2プレート)の内部に入射する。すなわち、互いに平行な光は、透明塗布膜と第1プレート(または第2プレート)の光学部材との界面を通過した後においても、互いに平行な光となる。その結果、元の画像から出射され光学結合素子に入射した光を、光学結合素子に対して対称な位置に精度良く出射することができる。これにより、第2プレート(または第1プレート)の下方に、空中画像の歪みが発生することなく、空中映像を表示することができるようになっている。また、透明塗布膜は、薄く形成されている。これにより、光学結合素子の膜厚を小さくすることができる。その結果、光学結合素子に入射した光の透過率を高くすることができ、空中映像を明るく表示できるようになっている。すなわち、上記の特徴を有する光学結像素子の製造方法は、歪みが低減された空中映像を表示できると共に、空中映像を明るく表示できる光学結合素子を具体的に製造することができる。
本発明の態様9に係る光学結合素子の製造方法は、上記態様8において、前記塗布膜形成工程は、前記第1プレート(プレート11およびプレート12の一方、または、プレート31およびプレート32の一方)及び前記第2プレート(プレート11およびプレート12の他方、または、プレート31およびプレート32の他方)の少なくとも一方について、前記積層面とは反対側の表面に透明物質を塗布する塗布工程と、前記積層面とは反対側の表面に平坦なシートSを当接させた状態で、前記透明物質を硬化させることにより、前記透明塗布膜(透明硬化物膜13・14、53・54)を形成する硬化工程とを含む構成であってもよい。
上記の構成によれば、積層面とは反対側の表面に透明物質を塗布し、積層面とは反対側の表面に平坦なシートを当接させた状態で、透明物質を硬化させることにより、表面が平坦な前記透明塗布膜を具体的に形成することができる。
本発明の態様10に係る光学結合素子の製造方法は、上記態様8または9において、前記積層工程と前記塗布膜形成工程との間に、前記透明塗布膜(透明硬化物膜13・14、53・54)を形成する対象となる、前記積層面とは反対側の表面を研磨処理する研磨工程をさらに含む構成であってもよい。
上記の構成によれば、研磨工程によって、第1プレートまたは第2プレートにおける積層面とは反対側の表面に存在する高さの不揃いの各光学部材の高さを揃える。したがって、高さの高い光学部材を研磨することによって、容易に各光学部材の高さを揃えることができる。
本発明の態様11に係る光学結合素子の製造方法は、上記態様9において、前記硬化工程において、前記透明塗布膜(透明硬化物膜13・14、53・54)の、前記第1プレート(プレート11およびプレート12の一方、または、プレート31およびプレート32の一方)又は前記第2プレート(プレート11およびプレート12の他方、または、プレート31およびプレート32の他方)との接触面とは反対側の面の十点平均粗さRzが1μm未満となるように、前記透明塗布膜を形成することが好ましい。
上記の構成によれば、透明塗布膜に入射した互いに平行な光が外部(空気)と透明塗布膜との界面において、同じ方向に屈折する光学結合素子を製造することができる。また、十点平均粗さRzが1μm未満となるようにすればよいので、製造する際の基準が明確となる。
本発明の態様12に係る光学結合素子の製造方法は、上記態様9において、前記硬化工程において、光硬化型透明樹脂からなる前記透明物質に光を照射することにより、前記透明物質を硬化させる構成であってもよい。
上記の構成によれば、光硬化型透明樹脂からなる前記透明物質に光を照射することにより、前記透明物質を硬化させるので、透明塗布膜の形成が容易となる。
本発明の態様13に係る光学結合素子の製造方法は、上記態様9において、前記硬化工程において、反射防止のための微細構造を転写するための型が形成された平坦なシートS1を、前記透明塗布膜(透明硬化物膜13・14、53・54)の、前記第1プレート(プレート11およびプレート12の一方、または、プレート31およびプレート32の一方)又は前記第2プレート(プレート11およびプレート12の他方、または、プレート31およびプレート32の他方)との接触面とは反対側の面に当接させた状態で、前記透明物質を硬化させる構成であってもよい。
上記の構成によれば、空中映像を視認する視線方向とは逆方向から入射する光が、透明硬塗布膜に反射されることを防ぐことができる光学結合素子を製造することができる。すなわち、観察者が空中映像を表示するための光以外の光を視認することがなく、観察者がより鮮明な空中映像を視認することができる光学結合素子を具体的に製造することができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
1A〜1C 光学結合素子
11、12、31、32 プレート(第1プレート、第2プレート)
13、14、53、54 透明硬化物膜
21 透明部材(光学部材)
22 透明接着層(反射層)
S、S1 シート
11、12、31、32 プレート(第1プレート、第2プレート)
13、14、53、54 透明硬化物膜
21 透明部材(光学部材)
22 透明接着層(反射層)
S、S1 シート
Claims (13)
- 透光性を有する複数の柱状の光学部材を、反射層を挟んで1方向に並列となるように連設することによって形成された第1プレート及び第2プレートを備え、
前記第1プレート及び第2プレートが、それぞれの前記光学部材の連設方向が互いに直交となる向きで、それぞれの1つの面を積層面として互いに積層した光学結合素子であって、
前記反射層は、透光性を有しており、
前記反射層の屈折率は前記光学部材の屈折率よりも小さく、
前記第1プレート及び前記第2プレートの少なくとも一方には、前記第1プレートと前記第2プレートとの積層面とは反対側の面に透明塗布膜が形成されており、
前記透明塗布膜の、前記第1プレート又は前記第2プレートとの接触面とは反対側の面が、平坦になっており、
前記透明塗布膜の屈折率と、前記透明塗布膜に接触する前記光学部材の屈折率との差が±0.2の範囲であることを特徴とする光学結合素子。 - 前記透明塗布膜が形成されている前記第1プレートまたは前記第2プレートにおける前記積層面とは反対側の表面は、前記反射層、及び前記反射層に隣接する前記光学部材の表面端部が、前記光学部材の表面中央部に対して凹んでいることを特徴とする請求項1に記載の光学結合素子。
- 前記反射層に隣接する前記光学部材の表面端部は、前記積層面に向けて下がるテーパ形状となっていることを特徴とする請求項2に記載の光学結合素子。
- 前記反射層に隣接する前記光学部材の表面端部は、前記積層面に向けて下がる、凸状の曲面を有するテーパ形状となっていることを特徴とする請求項3に記載の光学結合素子。
- 前記透明塗布膜が形成されている前記第1プレートまたは前記第2プレートにおける前記積層面とは反対側の表面は、十点平均粗さRzが1μm以上であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の光学結合素子。
- 前記透明塗布膜の、前記第1プレート又は前記第2プレートとの接触面とは反対側の面は、十点平均粗さRzが1μm未満であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の光学結合素子。
- 前記透明塗布膜の、前記第1プレート又は前記第2プレートとの接触面とは反対側の面に、反射防止のための微細構造が形成されていることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の光学結合素子。
- 透光性を有する複数の柱状の光学部材を、前記光学部材の屈折率よりも小さい屈折率および透光性を有する反射層を挟んで1方向に並列となるように連設することによって第1プレート及び第2プレートを形成するプレート形成工程と、
前記第1プレート及び第2プレートを、それぞれの前記光学部材の連設方向が互いに直交となる向きで、それぞれの1つの面を積層面として互いに積層する積層工程と、
前記第1プレート及び前記第2プレートの少なくとも一方について、前記積層面とは反対側の表面に、前記第1プレート又は前記第2プレートとの接触面とは反対側の面が平坦であり、かつ前記接触面において接触する前記光学部材の屈折率との差が±0.2の範囲である屈折率を有する透明塗布膜を形成する塗布膜形成工程とを含むことを特徴とする光学結合素子の製造方法。 - 前記塗布膜形成工程は、
前記第1プレート及び前記第2プレートの少なくとも一方について、前記積層面とは反対側の表面に透明物質を塗布する塗布工程と、
前記積層面とは反対側の表面に平坦なシートを当接させた状態で、前記透明物質を硬化させることにより、前記透明塗布膜を形成する硬化工程とを含むことを特徴とする請求項8に記載の光学結合素子の製造方法。 - 前記積層工程と前記塗布膜形成工程との間に、
前記透明塗布膜を形成する対象となる、前記積層面とは反対側の表面を研磨処理する研磨工程をさらに含むことを特徴とする請求項8または9に記載の光学結合素子の製造方法。 - 前記硬化工程において、前記透明塗布膜の、前記第1プレート又は前記第2プレートとの接触面とは反対側の面の十点平均粗さRzが1μm未満となるように、前記透明塗布膜を形成することを特徴とする請求項9に記載の光学結合素子の製造方法。
- 前記硬化工程において、光硬化型透明樹脂からなる前記透明物質に光を照射することにより、前記透明物質を硬化させることを特徴とする請求項9に記載の光学結合素子の製造方法。
- 前記硬化工程において、反射防止のための微細構造を転写するための型が形成された平坦なシートを、前記透明塗布膜の、前記第1プレート又は前記第2プレートとの接触面とは反対側の面に当接させた状態で、前記透明物質を硬化させることを特徴とする請求項9に記載の光学結合素子の製造方法。
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