JP2000180967A - プロジェクションスクリーンおよびプロジェクションディスプレイ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 映像光源からプロジェクションスクリーンへ
上方あるいは下方へ映像を投射する投射系を有する背面
投射型プロジェクションディスプレイ装置に用いる少な
くともプリズムシートとレンチキュラーレンズシートで
構成されるプロジェクションスクリーンであって、プロ
ジェクションスクリーンの最入光面側に全反射プリズム
が設けられているプロジェクションスクリーンおよびプ
ロジェクションディスプレイ装置を提供する。 【解決手段】 プロジェクションスクリーン１０の最入
光面側に平行形状あるいは円弧状で、頂角が４３°以下
の全反射プリズム１１ａを設けたプリズムシート１１
と、観察者側のフロントシートとして拡散要素を有した
レンチキュラーレンズシート１２を配備することによ
り、プロジェクションスクリーンに対して映像光を上方
あるいは下方に投射する際に、コントラストに優れ、鮮
明な画質が得られるプロジェクションスクリーンおよび
プロジェクションディスプレイ装置を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ＬＣＤ（液晶表示
装置）、ＤＭＤ（Ｄｉｇｉｔａｌ Ｍｉｃｒｏ−ｍｉｒ
ｒｏｒ Ｄｅｖｉｃｅ）等のようなセル構造を有する画
像光源からの画像を斜めに投射して観察するのに適した
プロジェクションスクリーンおよびプロジェクションデ
ィスプレイ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より画像光源として、赤、緑、青の
３本のＣＲＴを用い、プロジェクションスクリーンとし
て、透過型プロジェクションスクリーンを用いる背面投
射型プロジェクションディスプレイ装置が知られてい
る。一般的にはプロジェクションスクリーンはフレネル
レンズシートおよびレンチキュラーレンズシートより構
成されており、そのプロジェクションスクリーン上にプ
ロジェクターからの映像光により画像を結像させ、指向
性をもった拡散面を得るためのプロジェクションスクリ
ーンである。 そして、図４に示すように、プロジェク
ションスクリーン１００は出光側にサーキュラータイプ
のフレネルレンズ１０１ｂが形成されたフレネルレンズ
シート１０１と、このフレネルレンズシート１０１のさ
らに観察側に配置され、入光側に水平拡散用のレンチキ
ュラーレンズが形成され、出光側にブラックストライプ
が形成されたレンチキュラーレンズシート１０２を備え
ている。

【０００３】そして、フレネルレンズはアクリル材に所
定の角度を持つ溝を所定のピッチで形成し、映像光から
放射線状に拡散された光を正面へ集光させる機能を有す
る。そしてまた、レンチキュラーレンズは主に水平方向
に指向性を持たせた拡散光を得るためのレンズであっ
て、シリンドリカルレンズ状のレンズが一つの平面上に
規則正しく縦方向に形成され配光特性を水平方向に拡げ
る機能を有する。

【０００４】これらに使用されているプロジェクション
スクリーンは通常、投射方法においても平行方向にのみ
に適したものであり、プロジェクションスクリーンへの
映像光の投射は反射ミラーを使用して焦点距離をかせぐ
方法が一般的であるが、近年、プロジェクションスクリ
ーンを用いた映像を見せるための種々の用途への拡がり
に伴い、投影方法においても、ＬＣＤ、ＤＭＤ等のよう
なセル構造を有する画像光源より映像を直にプロジェク
ションスクリーン上に投射して映像を観察するプロジェ
クションディスプレイ装置などのニーズが高まっている
が、対応すべきプロジェクションスクリーンが、今のと
ころ実用化されていない。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来シ
ステムで映像光源より映像をプロジェクションスクリー
ンに斜めに投射すると、投影されたプロジェクションス
クリーン上の画像の文字の大きさ、形状等に上下の差が
生じるため観察者には非常に見にくいなどの基本的な問
題を抱えている。そこで、プロジェクションディスプレ
イ装置の一つとして、画像の品位を損なわずに、プロジ
ェクションスクリーン上に映像を斜めに投射して観察す
ることが出来るプロジェクションスクリーンおよびシス
テムについて多方面より試みがなされているが、今のと
ころ、十分に満足出来るプロジェクションスクリーンお
よびプロジェクションディスプレイ装置は実現していな
い。

【０００６】このような状況のもと、背面投射型プロジ
ェクションディスプレイにおいて、映像光源より映像を
プロジェクションスクリーンへ平行方向に投射する映像
画質と同等のレベルを維持しつつ、映像光源からプロジ
ェクションスクリーンへ上方あるいは下方へ画像を投射
する投射系であって、該プロジェクションスクリーンの
最入光面側に全反射プリズムを設けたプロジェクション
スクリーンおよびプロジェクションディスプレイ装置を
提供するものである。

【０００７】

【課題を解決する手段】本発明は、上記のような、プロ
ジェクションスクリーンの最入光面側に全反射プリズム
を設けることにより、映像光源より映像をプロジェクシ
ョンスクリーンに上方あるいは下方に投射しても、従来
の映像光源より該映像を平行方向に投射した映像画質と
同等のレベルが得られることに着目し、種々の研究の結
果、ある一定角度にて映像光源より映像をプロジェクシ
ョンスクリーンに投射することで、より効果が得られる
ことを見出し本発明に達した。

【０００８】本発明の要旨の第１は、映像光源からプロ
ジェクションスクリーンへ上方あるいは下方へ映像を投
射する投射系を備えた背面投射型プロジェクションディ
スプレイ装置に用いる少なくともプリズムシートとレン
チキュラーレンズシートで構成されるプロジェクション
スクリーンであって、該プリズムシートの最入光面側に
全反射プリズムが設けられていることを特徴とするプロ
ジェクションスクリーンにある。

【０００９】そして、全反射プリズムが、全反射プリズ
ムの入光側にある一辺より映像光が入射する形状に保持
されていることを特徴とするものである。そして、全反
射プリズムの頂角が４３°以下であることを特徴とする
ものである。そしてまた、全反射プリズムの頂角が、３
５°以上４０°以下であることを特徴とするものであ
る。そして、全反射プリズムの頂部が映像光と干渉しな
いようにカットされており、該カット部が光吸収部とな
っていることを特徴とするものである。更に、全反射プ
リズムの非入光部分および非反射部に光吸収部が設けら
れていることを特徴とするものである。更にまた、全反
射プリズムの非入光部分あるいは非反射部に光吸収部が
設けられていることを特徴とするものである。

【００１０】そして、全反射プリズムの反射部に光拡散
部が設けられていることを特徴とするものである。そし
てまた、光拡散部による拡散角が半値角で８〜２５°で
あることを特徴とするものである。また、光拡散部表面
がマット形状であることを特徴とするものである。

【００１１】そして、全反射プリズムが平行形状で複数
配列されていることを特徴とするものである。そしてま
た、全反射プリズムが円弧形状で複数配列されているこ
とを特徴とするものである。更に、全反射プリズムの出
光側に略リニア形状でフレネルレンズが設けられている
ことを特徴とするものである。そして、全反射プリズム
により、前記フレネルレンズからの出光光軸が水平、垂
直方向ともにプロジェクションスクリーンの略法線方向
となることを特徴とするものである。そしてまた、プリ
ズムシートの観察者側に、更に光拡散フロントシートが
設けられていることを特徴とするものである。

【００１２】そして、プロジェクションスクリーンの光
拡散フロントシートの一部もしくは光拡散フロントシー
ト全体が着色されていることを特徴とするものである。
そしてまた、光拡散フロントシートに、更にレンチキュ
ラーレンズが設けられていることを特徴とするものであ
る。

【００１３】本発明の要旨の第２は、プロジェクション
スクリーンへの入射光とプロジェクションスクリーン面
と成す角度が４５°以下であることを特徴とする背面投
射型プロジェクションディスプレイ装置にある。

【００１４】

【発明の実施の形態】以下、図面などを参照して、本発
明の実施の形態を挙げて、さらに詳細に説明する。図１
（ａ）は本発明によるプロジェクションスクリーンの実
施の形態の第１例を示す図である。この実施の形態のプ
ロジェクションスクリーン１０は、入光側表面に略リニ
ア形状で全反射リニアプリズム１１ａが形成され出光側
にサーキュラータイプのフレネルレンズ１１ｂが形成さ
れたプリズムシート１１と、このプリズムシート１１の
さらに観察側に配置され、入光側に水平拡散用のレンチ
キュラーレンズが形成された光拡散フロントシートであ
るレンチキュラーレンズシート１２とを備えている。
尚、図１（ａ）中の矢印（実線）は映像光源から投射さ
れた映像光のプロジェクションスクリーンへの入光から
出光までの光路を示すものである。次いで、光路につい
て詳述する。先ず、入射光とプリズム角度の設定によ
り、入射光が全反射リニアプリズム１１ａ側面の入射面
側から入り、全反射してフレネルレンズ部１１ｂより光
軸は垂直で出光し、レンチキュラーレンズ部に入光して
レンチキュラーレンズシート１２より観察側に垂直に出
光するような光路となる。

【００１５】また、上記の全反射リニアプリズムは、プ
リズムの頂部がカットされた全反射リニアプリズムとす
ることもでき、平行形状でプリズムピッチが１００〜２
００μｍ、プリズム高さが１５０〜３００μｍで複数配
列されており、図１（ａ）において、プリズムの頂角θ
は４３°以下が適しており、好ましくは、３５°以上４
０°以下にするのが望ましく、このような頂角に設定さ
れたプリズムは観察者面側より入射する外光を効率的に
光源側に逃がす機能を有しており、画像品質の一つであ
るコントラストを大幅に向上することが出来る。そし
て、プリズムの頂部を、図１（ｂ）のように鈍角部θ１
が略１４０°、鋭角部θ２が略８０°に映像光と略干渉
しない角度にカットし、更に、図１（ｃ）のようにプリ
ズムカット面１１ｃに黒色インクを塗着加工することに
より、カット面１１ｃが光吸収部としての機能を有し、
コントラストの向上の一手段となる。そしてまた、プリ
ズム底部１１ｄの映像光の非入光部および非反射部に黒
色インクを塗着加工して出来る光吸収部を設けることに
よりコントラストを上げることが好ましい。尚、上記の
ような全反射プリズムを有するプリズムシートは、該プ
リズムの逆形状を旋盤加工して得られる金型で紫外線硬
化性樹脂を用いて成型加工して形成される。

【００１６】更に、出光側にはフレネルレンズ１１ｂが
フレネルレンズピッチ０．５〜１．２ｍｍ、フレネルレ
ンズ部高さ０．１〜０．３ｍｍのサーキュラーフレネル
レンズと逆形状に旋盤により切削加工して得られたフレ
ネルレンズ金型を用いて、該プリズムシートの裏側の所
定の位置に、紫外線硬化性樹脂にて成型加工して、フレ
ネルレンズ部を形成することにより、厚さ１〜３ｍｍの
プリズムシート１１が得られる。

【００１７】さらに、光拡散フロントシートであるレン
チキュラーレンズシートの入光面側に、レンチキュラー
レンズ製造用の円筒状のロール金型に設けられた、ピッ
チ１４０μｍでレンズ横径が１４０μｍ、レンズ縦径が
１００μｍの半楕円形状で、レンズ高さが５０μｍであ
るレンチキュラーレンズの逆形状を有する面を、サンド
ブラスト法で面性が、Ｒａ（中心線平均粗さ）０．１〜
１．０μｍ、Ｒｚ（十点平均粗さ）１．５〜１０μｍに
形成されたマット形状を押出し成型にて転写して設ける
ことにより、水平拡散角が半値角で２０〜５０°にする
ことが望ましい。

【００１８】また、該レンチキュラーレンズシートの押
出し成型の際に、耐衝撃性アクリル樹脂等に極微量の黒
色染料を混合または分散させることにより着色すること
が好ましい。そして、上記レンチキュラーレンズシート
１２の透過率は４０〜７０％にすることが望ましい。透
過率は７０％以上になるように着色濃度を低くすると、
透過率は上がるがそれに伴い、レンズ部で全反射して観
察側に返る外光の強度が強くなりコントラストが悪化す
る。逆に４０％よりも低くなるように着色濃度を高くす
ると、映像光の透過率が悪くなり、レンチキュラーレン
ズの最観察側での外光反射が目立つようになり、やは
り、コントラストの悪化をきたす。そしてまた、上記サ
ンドブラスト法等を用いて全反射プリズム面に該面性の
マット形状を形成することにより、拡散角が半値角で８
〜２５°、更に好ましくは、１０〜２０°にすることも
可能である。

【００１９】そして、上記のように形成されたプロジェ
クションスクリーンへの映像光の入射光とプロジェクシ
ョンスクリーンと成す角度は４５°以下になるような背
面投射型プロジェクションディスプレイ装置にすること
が望ましい。そしてまた、観察者側にＡＲ、ＡＧ、Ａ
Ｓ、ＨＣ、防汚、センサー等の機能を付与することが好
ましい。ここで、上記のＡＲ、ＡＧ、ＡＳ、ＨＣ、防
汚、センサーについての機能概要を説明する。先ず、Ａ
Ｒとはアンチリフレクションの略で、例えばレンズ表面
に入光する光の反射率を抑える機能を有するフィルムを
ラミネートしたり、レンズ表面を直接ＡＲ処理すること
により得られる。ＡＧとはアンチグレアの略で、レンズ
の防眩性機能を有するフィルムをラミネートしたり、レ
ンズ表面を直接ＡＧ処理することにより得られる。ＡＳ
とはアンチスタティックの略で、レンズ表面に帯電防止
用のフィルムをラミネートしたり、レンズ表面を直接Ａ
Ｓ処理することにより得られる。ＨＣとはハードコート
の略で、レンズ表面の強度を増して傷等がつかないよう
な耐摩耗性フィルムをラミネートしたり、レンズ表面を
直接ＨＣ処理することにより得られる。防汚とはレンズ
表面に汚れが付着することを防止するフィルム等をラミ
ネートしたり、レンズ表面を直接、防汚処理することに
より得られる。そして、センサーとはタッチセンサー等
の機能の付与を意味するものである。そしてまた、現在
では、上記の機能の内、ＡＲ、ＡＳ、ＨＣ、防汚を併せ
持つフィルムも提供されている。

【００２０】図２は、本発明によるプロジェクションス
クリーンの実施の形態の第２例を示す図である。この実
施形態のプロジェクションスクリーン２０は、入光側表
面に略リニア形状で全反射円弧状プリズム２１ａが形成
されたプリズムシート２１と、このプリズムシート２１
のさらに観察側に配置され、入光側に水平拡散用のレン
チキュラーレンズが形成された光拡散フロントシートで
あるレンチキュラーレンズシート１２とを備えている。
尚、図２（ａ）中の矢印（実線）は、映像光源から投射
された映像光のプロジェクションスクリーンへの入光か
ら出光までの光路を示すものである。次に、光路につい
て詳述する。先ず、入射光とプリズム角度の設定によ
り、入射光が全反射円弧状プリズム２１ａ側面の入射面
側から入り、全反射してプリズムシート２１より光軸は
垂直で出光し、レンチキュラーレンズ部に入光してレン
チキュラーレンズシート２２より観察側に垂直に出光す
るような光路となる。

【００２１】次に、上記全反射円弧状プリズムは、プリ
ズムの頂部がカットされた全反射円弧状プリズムにする
こともでき、平行形状でプリズムピッチが１００〜１５
０μｍ、プリズム高さが１５０〜３００μｍで複数配列
されており、図２（ａ）において、プリズムの頂角θは
４３°以下が適しており、好ましくは、３５°以上４０
°以下にするのが望ましく、上記の実施形態の第１例と
同様に、このような頂角に設定されたプリズムは観察者
面側より入射する外光を効率的に光源側に逃がす機能を
有しており、画像品質の一つであるコントラストを大幅
に向上することが出来る。そして、プリズムの頂部を、
図２（ｂ）のように鈍角部θ１が略１４０°、鋭角部θ
２が略８０°に映像光と略干渉しない角度にカットし、
更に、図２（ｃ）のようにプリズムカット面２１ｂに黒
色インクを塗着加工することにより、プリズムカット面
２１ｂが、光吸収部としての機能を有し、コントラスト
の向上の一手段となる。そしてまた、プリズム底部２１
ｃの映像光の非入光部および非反射部に黒色インクを塗
着加工して出来る光吸収部を設けることによりコントラ
ストを上げることが好ましい。尚、上記のような全反射
円弧状プリズムを有するプリズムシートは、該プリズム
の逆形状を旋盤加工して得られる金型で紫外線硬化性樹
脂を用いて成型加工して形成される。

【００２２】さらに、光拡散フロントシートであるレン
チキュラーレンズシートの入光面側に、レンチキュラー
レンズ製造用の円筒状のロール金型に設けられた、ピッ
チ１４０μｍでレンズ横径が１４０μｍ、レンズ縦径が
１００μｍの半楕円形状で、レンズ高さが５０μｍレン
チキュラーレンズの逆形状の面を押出し成型にて転写し
て設けることにより、水平拡散角が半値角で２０〜５０
°と大きく出来る。さらにまた、該レンチキュラーレン
ズシートの押出し成型の際に、ポリメチルメタクリレー
ト系樹脂等に極微量の黒色染料をまぜ合わせることによ
り着色して、外光等の反射防止効果機能を付加すること
が望ましい。そして、プリズムを円弧形状にしたことに
よりプロジェクションスクリーンの光軸補正が映像光の
入光面側のみで制御が可能となる。そして、上記のよう
に形成されたプロジェクションスクリーンへの映像光の
入射光とプロジェクションスクリーン面と成す角度が４
５°以下となるような背面投射型プロジェクションディ
スプレイ装置にすることが望ましい。そしてまた、観察
者側にＡＲ、ＡＧ、ＡＳ、ＨＣ、防汚、センサー等の機
能を付与することが好ましい。

【００２３】尚、本発明の例として、図１および図２に
て説明を行ったが、本発明はこれに制約されるものでは
なく、プリズムシートは考えられる構成を全てとること
ができ、またプロジェクションスクリーンも考えられる
構成を全てとることができる。

【００２４】

【実施例】次に、本発明におけるプロジェクションスク
リーンおよびプロジェクションディスプレイ装置につい
ての実施例を順次説明する。

【００２５】（実施例１）図２に示す、プロジェクショ
ンスクリーンの形態図に基づきプロジェクションスクリ
ーンの実施例について述べる。このプロジェクションス
クリーンは５０インチ用で、全反射プリズムは頂角θが
３７°の全反射円弧状プリズムでプリズムピッチが１０
０μｍ、プリズム高さが１５０μｍ、円弧の半径は３８
０ｍｍのプリズムの逆形状を複数配列されるように、且
つ、プリズムの頂部が、図２（ｂ）のように鈍角部θ１
が１４０°、鋭角部θ２が７７°に映像光と略干渉しな
い角度に、旋盤により切削加工して得られる円弧状プリ
ズム金型で、紫外線硬化性樹脂を用いて成型加工して、
厚さ２ｍｍのプリズムシートが得られる。次に、上記の
ように形成されたプリズムシートの、図２（ｃ）のプリ
ズムカット面２１ｂに黒色インクを塗着加工することに
より、黒色インクが塗着されたカット面が、光吸収部と
しての機能を有し、コントラストの向上の一手段とな
る。次に、上記のプリズムシートの、図２（ｃ）のプリ
ズム底部２１ｃの映像光の非入光部および非反射部に黒
色インクを塗着加工した光吸収部を設けることにより、
さらにコントラストを上げることが出来る。このように
形成されたプリズムの全反射により光軸は垂直でプロジ
ェクションスクリーン面より出光するように出来る。

【００２６】さらに、全反射により光軸はプリズムシー
ト面に対して垂直に出光するようにして、観察者側には
フロントシートであるレンチキュラーレンズシートの入
光面側に、レンチキュラーレンズ製造用の円筒状のロー
ル金型に設けられた、ピッチ１４０μｍでレンズ横径が
１４０μｍ、レンズ縦径が１００μｍの半楕円形状で、
レンズ高さが５０μｍレンチキュラーレンズの逆形状の
面を、面性がＲａ（中心線平均粗さ）０．５μｍ、Ｒｚ
（十点平均粗さ）３μｍに形成されたマット形状を押出
し成型にて設け、水平拡散角が半値角で３５°で垂直拡
散角が半値角で１５°の特性を得る。このようにして、
プロジェクションスクリーンが構成される。

【００２７】（実施例２）図２に示す、プロジェクショ
ンスクリーンの形態図に基づきプロジェクションスクリ
ーンの実施例について述べる。このプロジェクションス
クリーンは５０インチ用で、全反射プリズムは頂角θが
３７°の全反射円弧状プリズムでプリズムピッチが１０
０μｍ、プリズム高さが１５０μｍ、円弧の半径は３８
０ｍｍのプリズムの逆形状を複数配列されるように、旋
盤により切削加工して得られる円弧状プリズム金型で、
紫外線硬化性樹脂を用いて成型加工して、厚さ２ｍｍの
プリズムシートが得られる。このように形成されたプリ
ズムの全反射により光軸は垂直でプロジェクションスク
リーン面より出光するように出来る。

【００２８】さらに、全反射により光軸はプリズムシー
ト面に対して垂直に出光するようにして、観察者側には
フロントシートであるレンチキュラーレンズシートの入
光面側に、レンチキュラーレンズ製造用の円筒状のロー
ル金型に設けられた、ピッチ１４０μｍでレンズ横径が
１４０μｍ、レンズ縦径が１００μｍの半楕円形状で、
レンズ高さが５０μｍレンチキュラーレンズの逆形状の
面を、面性がＲａ（中心線平均粗さ）０．５μｍ、Ｒｚ
（十点平均粗さ）３μｍに形成されたマット形状を押出
し成型にて設け、水平拡散角が半値角で３５°で垂直拡
散角が半値角で１５°の特性を得る。尚、該レンチキュ
ラーレンズシートの押出し成型の際に、耐衝撃性アクリ
ル樹脂等に極微量の黒色染料を混合することによりレン
チキュラーレンズシートの透過率を７０％とし、外光等
の反射防止効果機能を付加する。このようにして、プロ
ジェクションスクリーンが構成される。

【００２９】（実施例３）このプロジェクションスクリ
ーンの構成は実施例１と同様であり、円弧状プリズム面
を、サンドブラスト法で面性が、Ｒａ（中心線平均粗
さ）０．３μｍ、Ｒｚ（十点平均粗さ）３μｍのマット
形状にしたものである。このプリズムシートは拡散角が
半値角で１５°の等方拡散の機能を有する。

【００３０】（実施例４）図２に示す、プロジェクショ
ンスクリーンの形態図に基づきプロジェクションスクリ
ーンの実施例について述べる。このプロジェクションス
クリーンは５０インチ用で、全反射プリズムは頂角θが
３７°の全反射円弧状プリズムでプリズムピッチが１０
０μｍ、プリズム高さが１５０μｍ、円弧の半径は３８
０ｍｍのプリズムと逆形状を複数配列されるように、旋
盤により金型を切削加工して得られる円弧状プリズム面
を、サンドブラスト法で面性が、Ｒａ（中心線平均粗
さ）０．３μｍ、Ｒｚ（十点平均粗さ）５μｍのマット
形状にして、紫外線硬化性樹脂を用いて成型加工して、
該マット形状の全反射円弧状プリズムを有する厚さ２ｍ
ｍのプリズムシートが得られる。このように形成された
プリズムの全反射により光軸は垂直でプロジェクション
スクリーン面より出光するように出来る。

【００３１】さらに、観察者側には光拡散フロントシー
トであるレンチキュラーレンズシートの入光面側に、レ
ンチキュラーレンズ製造用の円筒状のロール金型に設け
られた、ピッチ１４０μｍでレンズ横径が１４０μｍ、
レンズ縦径が１００μｍの半楕円形状で、レンズ高さが
５０μｍであるレンチキュラーレンズの逆形状を有する
面を、面性がＲａ（中心線平均粗さ）０．５μｍ、Ｒｚ
（十点平均粗さ）３μｍに形成されたマット形状を押出
し成型にて設けて厚さ１ｍｍのレンチキュラーレンズシ
ートを得る。このように、観察者側に水平拡散を拡大す
る機能を設けることにより、水平拡散が半値角で３５°
で、垂直拡散が半値角で１５°の特性が得られる。この
場合のスクリーンの透過率は８０％、反射率は５％であ
る。このようにして、プロジェクションスクリーンが構
成される。

【００３２】（実施例５）このプロジェクションスクリ
ーンの構成は、上記の実施例３の、光拡散フロントシー
トの最観察者側に、厚さ０．１ｍｍのＡＲコートフィル
ムをラミネートすること以外は同様のものであり、反射
率は１．５％に改善できる。

【００３３】（実施例６）このプロジェクションスクリ
ーンは５０インチ用で、全反射プリズムは頂角が３７°
のリニアプリズムでプリズムピッチが１００μｍ、プリ
ズム高さが１５０μｍであるプリズムと逆形状を複数配
列されるように、且つ、プリズムの頂部が、図１（ｂ）
のように鈍角部θ１が１４０°、鋭角部θ２が７７°に
映像光と略干渉しない角度に、旋盤にて切削加工して得
られる円弧状プリズム金型で、紫外線硬化性樹脂を用い
て成型加工して、該プリズム形状を保持する厚さ１ｍｍ
のプリズムシートが得られる。次に、上記のように形成
されたプリズムシートの、図１（ｃ）のプリズムカット
面１１ｃに黒色インクを塗着加工することにより、プリ
ズムカット面１１ｃが光吸収部としての機能を有し、コ
ントラストの向上の一手段となる。次に、上記プリズム
シートの、図１（ｃ）のプリズム底部１１ｄの映像光の
非入光部および非反射部に黒色インクを塗着加工した光
吸収部を設けることにより、さらにコントラストを上げ
ることが出来る。

【００３４】更に、出光側にはフレネルレンズピッチ
０．８ｍｍ、フレネルレンズ部高さ０．２ｍｍのサーキ
ュラーフレネルレンズと逆形状に旋盤により切削加工し
て得られたフレネルレンズ金型を用いて、該プリズムシ
ートの裏側の所定の位置に、紫外線硬化性樹脂にて成型
加工して、フレネルレンズ部を形成することにより、厚
さ２ｍｍのフレネルレンズシートが得られる。さらに、
観察者側にはフロントシートであるレンチキュラーレン
ズシートの入光面側に、レンチキュラーレンズ製造用の
円筒状のロール金型に設けられた、ピッチ１４０μｍで
レンズ横径が１４０μｍ、レンズ縦径が１００μｍの半
楕円形状で、レンズ高さが５０μｍであるレンチキュラ
ーレンズの逆形状を有する面を、面性がＲａ（中心線平
均粗さ）０．５μｍ、Ｒｚ（十点平均粗さ）３μｍに形
成されたマット形状を押出し成型にて設けて厚さ１ｍｍ
のレンチキュラーレンズシートを得る。このようにして
プロジェクションスクリーンが構成される。

【００３５】（実施例７）このプロジェクションスクリ
ーンの構成は、実施例６の、全反射プリズムの頂角部の
カットを無くした以外は同様のものである。

【００３６】（実施例８）このプロジェクションスクリ
ーンの構成は、上記実施例６の、レンチキュラーレンズ
シートのマット形状を無くした以外は同様のものであ
る。

【００３７】（実施例９）背面投射型プロジェクション
ディスプイ装置の形態として、図３（ａ）に示すよう
に、プロジェクションテレビセット５０において、この
プロジェクションスクリーン５１には映像光源はＬＣＤ
ライトバルブ５２を用いて上方にスクリーンと成す角度
がプロジェクションスクリーンの下端でθ１１が４５
°、上端でθ１０が３０°になるように映像をプロジェ
クションスクリーン上に投射するシステムである。この
場合、プロジェクションスクリーンと映像光源との水平
状態での距離は略８０ｃｍである。尚、本実施例９は実
施例１に対応した背面投射型プロジェクションディスプ
レイ装置である。

【００３８】（実施例１０）背面投射型プロジェクショ
ンディスプレイ装置の形態として、図３（ｂ）に示すよ
うに、プロジェクションテレビセット６０において、こ
のプロジェクションスクリーン６１には映像光源はＤＭ
Ｄ用光源６２を用いて下方にプロジェクションスクリー
ンと成す角度がプロジェクションスクリーンの上端でθ
２０が４５°、下端でθ２１が２０°になるように画像
をプロジェクションスクリーン上に投射する。この場
合、プロジェクションスクリーンと映像光源との水平状
態での距離は略７０ｃｍである。尚、本実施例１０は実
施例２に対応した背面投射型プロジェクションディスプ
レイ装置である。

【００３９】

【発明の効果】上記のように、本発明によれば、映像光
源からプロジェクションスクリーンへ上方あるいは下方
へ映像を投射する投射系であって、該プロジェクション
スクリーンの最入光面側に全反射リニアプリズムあるい
は全反射円弧状プリズムが設けられていることを特徴と
し、且つ、プロジェクションスクリーンの観察者側に拡
散要素を有するフロントシートを設けることにより画像
光源より投射された映像がプロジェクションスクリーン
上に、映像光源より平行に映像を投射した場合と同等レ
ベルで、コントラストが良好なる状態で投射することが
出来るプロジェクションスクリーンおよびプロジェクシ
ョンディスプレイ装置を提供する、と言う効果がある。

【００４０】また、本発明は、該プロジェクションスク
リーンの全反射プリズムの頂角が３５°以上４０°以下
で、画像光源から投射されたプロジェクションスクリー
ンへの入射光とプロジェクションスクリーン面と成す角
度が４５°以下である場合には、特に有効で、鮮明で、
コントラストが優れた画像が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるプロジェクションスクリーンの実
施の形態の第１例を示す図である。

【図２】本発明によるプロジェクションスクリーンの実
施の形態の第２例を示す図である。

【図３】本発明の映像光源からの映像をプロジェクショ
ンスクリーン上に投射する状態を説明する図である。

【図４】一般的なプロジェクションスクリーンを説明す
る図である。

【符号の説明】

１０ プロジェクションスクリーン １１ プリズムシート １１ａ 全反射リニアプリズム １１ｂ フレネルレンズ １１ｃ プリズムカット面（光吸収部） １１ｄ プリズム底部 １２ レンチキュラーレンズシート ２０ プロジェクションスクリーン ２１ プリズムシート ２１ａ 全反射円弧状プリズム ２１ｂ プリズムカット面（光吸収部） ２１ｃ プリズム底部 ５０ プロジェクションテレビセット ５１ プロジェクションスクリーン ５２ 液晶ライトバルブ ６０ プロジェクションテレビセット ６１ プロジェクションスクリーン ６２ ＤＭＤ用光源 １００ プロジェクションスクリーン １０１ フレネルレンズシート １０１ｂ フレネルレンズ １０２ レンチキュラーレンズシート

Claims (18)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 映像光源からプロジェクションスクリー
   ンへ上方あるいは下方へ映像を投射する投射系を備えた
   背面投射型プロジェクションディスプレイ装置に用いる
   すくなくともプリズムシートとレンチキュラーレンズシ
   ートで構成されるプロジェクションスクリーンであっ
   て、該プリズムシートの最入光面側に全反射プリズムが
   設けられていることを特徴とするプロジェクションスク
   リーン。
2. 【請求項２】 全反射プリズムが、全反射プリズムの入
   光側にある一辺より映像光が入射する形状に保持されて
   いることを特徴とする請求項１記載のプロジェクション
   スクリーン。
3. 【請求項３】 全反射プリズムの頂角が４３°以下であ
   ることを特徴とする請求項１、２記載のプロジェクショ
   ンスクリーン。
4. 【請求項４】 全反射プリズムの頂角が、３５°以上、
   ４０°以下であることを特徴とする請求項３記載のプロ
   ジェクションスクリーン。
5. 【請求項５】 全反射プリズムの頂部が映像光と略干渉
   しないようにカットされており、該カット部分が光吸収
   部となっていることを特徴とする請求項１、２記載のプ
   ロジェクションスクリーン。
6. 【請求項６】 全反射プリズムの非入光部分および非反
   射部に光吸収部が設けられていることを特徴とする請求
   項１から５記載のプロジェクションスクリーン。
7. 【請求項７】 全反射プリズムの非入光部分あるいは非
   反射部に光吸収部が設けられていることを特徴とする請
   求項１から５記載のプロジェクションスクリーン。
8. 【請求項８】 全反射プリズムの反射部に光拡散部が設
   けられていることを特徴とする請求項１から７記載のプ
   ロジェクションスクリーン。
9. 【請求項９】 光拡散部による拡散角が半値角で８〜２
   ５°であることを特徴とする請求項８記載のプロジェク
   ションスクリーン。
10. 【請求項１０】 光拡散部表面がマット形状であること
    を特徴とする請求項８、９記載のプロジェクションスク
    リーン。
11. 【請求項１１】 全反射プリズムが平行形状で複数配列
    されていることを特徴とする請求項１から１０記載のプ
    ロジェクションスクリーン。
12. 【請求項１２】 全反射プリズムが円弧形状で複数配列
    されていることを特徴とする請求項１から１０記載のプ
    ロジェクションスクリーン。
13. 【請求項１３】 プリズムシートの出光側に略リニア形
    状でフレネルレンズが設けられていることを特徴とする
    請求項１から１０記載のプロジェクションスクリーン。
14. 【請求項１４】 全反射プリズムにより、前記フレネル
    レンズからの出光光軸が水平、垂直両方向ともにプロジ
    ェクションスクリーンの略法線方向となることを特徴と
    する請求項１３記載のプロジェクションスクリーン。
15. 【請求項１５】 プリズムシートの観察者側に、更に光
    拡散フロントシートが設けられていることを特徴とする
    請求項１から１４記載のプロジェクションスクリーン。
16. 【請求項１６】 光拡散フロントシートの一部もしくは
    光拡散フロントシート全体が着色されていることを特徴
    とする請求項１５記載のプロジェクションスクリーン。
17. 【請求項１７】 光拡散フロントシートに、更にレンチ
    キュラーレンズが設けられていることを特徴とする請求
    項１５または１６記載のプロジェクションスクリーン。
18. 【請求項１８】 請求項１から１７記載のプロジェクシ
    ョンスクリーンへの入射光とプロジェクションスクリー
    ン面と成す角度が４５°以下であることを特徴とする背
    面投射型プロジェクションディスプレイ装置。