JP2017178039A - 鞍乗型車両の後部構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】テールライトの形状による影響を抑制可能な鞍乗型車両の後部構造を提供する。【解決手段】鞍乗型車両1の後部構造において、アッパカウル10uは、第1カウル11と、第1カウル11の後方に連結されてテールライト20が露出する開口10hの開口上縁部10huを形成する第2カウル12と、を備え、ロアカウル10dは、第3カウル13と、第3カウル13の後方に連結されて開口10hの開口下縁部10hdを形成する第4カウル14と、を備える。第1カウル11と第3カウル13は、前後方向に延びる上下連結部10bで連結され、第3カウル13は、上下連結部10bの下方に、側面視で第3カウル後端13reが開放された略U字状のU字状凹部13aが形成され、第4カウル14は、側面視でU字状凹部13aを覆いつつ、開口下縁部10hdを構成する。【選択図】図11

Description

本発明は、鞍乗型車両の後部構造に関し、特に車両後端のテールライトの周縁を囲むように構成されたリアカウルを有する鞍乗型車両の後部構造に関する。
従来の鞍乗型車両の後部構造として、例えば特許文献1には、車両の後面視で、テールライトの外周がリアカウルの後端部に囲まれた構造が開示されている。
特許第5782424号公報
特許文献1に開示されているように、テールライトをリアカウルの後端部にて囲む構造の場合、リアカウル後端部の構造は、後面視でテールライトの外形に倣った形状となっている。この結果、テールライトが異なるごとにリアカウルの構造を変えて車両の後部構造を該テールライトに対応させる必要があり、テールライトの外形が車両の後部形状となっていた。
しかしながら、生産コストの廉価化の要求から、例えば車種が変わってテールライトが異なった形状でもできる限り車両の後部構造を流用できる構造が望まれている。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、テールライトの形状による影響を抑制可能な鞍乗型車両の後部構造を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、
車両後方に向かって後上がりに傾斜し乗車シートを支持するシートフレームと、
前記シートフレームの後端に支持されるテールライトと、
前記乗車シートの後部下方の前記シートフレームの上面を覆うアッパカウルと、該シートフレームの下面を覆うロアカウルと、を有するリアカウルと、を備えた鞍乗型車両の後部構造において、
前記アッパカウルは、第1カウルと、該第1カウルの後方に連結されて前記テールライトが露出する開口の開口上縁部を形成する第2カウルと、を備え、
前記ロアカウルは、第3カウルと、該第3カウルの後方に連結されて前記開口の開口下縁部を形成する第4カウルと、を備え、
前記第1カウルと前記第3カウルは、前後方向に延びる上下連結部で連結され、
前記第3カウルは、前記上下連結部の下方に、側面視で後端が開放された略U字状のU字状凹部が形成され、
前記第4カウルは、側面視で前記U字状凹部を覆いつつ、前記開口下縁部を構成する、ことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の鞍乗型車両の後部構造において、
前記第2カウルは、後面視で、前記開口上縁部が前記テールライトの上縁に沿う縁状に構成され、
前記第1カウルは、後面視で、前記第2カウルの左右端の左右外方に隣接する第1カウル左右内側端部から左右外方且つ下方に延出し、左右最外部を構成し、
前記第3カウルは、後面視で、前記第1カウル左右内側端部の下方に隣接する第3カウル左右内側端部から前記左右最外部に連結するように左右に膨らみ、前記U字状凹部が下方ほど車幅方向に広がるように構成され、
前記第4カウルは、後面視で、前記テールライトの下縁及び側縁を囲みつつ前記U字状凹部を塞ぐように構成される、ことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の鞍乗型車両の後部構造において、
前記シートフレームに前端が支持され、前記リアカウルの貫通部を貫通して車両後方に向かって延出され、後端にライセンスプレートを支持するライセンスステーをさらに備え、
前記第3カウルは、前記ライセンスステーの前記貫通部の上方に車幅方向に延びて左右部分を連結する第3カウル連結部を備える、ことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の鞍乗型車両の後部構造において、
前記第3カウルは、後面視で、前記U字状凹部の外周に、該U字状凹部に向かって車両外方から内方へ傾斜するU字状凹部外周部を備え、
前記U字状凹部外周部は、前記U字状凹部を囲う稜線を介して前記U字状凹部に連なる平面を備える、ことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の鞍乗型車両の後部構造において、
前記第4カウルは、後面視で、前記U字状凹部に位置し、左右の側壁部と底部とで形成される略U字形状の後露出部を有し、
左右の前記側壁部は、車両前方から車両後方に向かって車幅方向間隔が小さくなる、ことを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項3に記載の鞍乗型車両の後部構造において、
前記アッパカウルは、側面視で、アッパカウル上部が前後方向に延びる略直線状に構成され、
前記ロアカウルは、側面視で、ロアカウル下部が前後方向に延びる略直線状で、該ロアカウル下部が車両後方ほど前記アッパカウル上部との距離を小さくするように構成され、
前記テールライトのレンズ外面は、側面視で、前記アッパカウル上部と前記ロアカウル下部の間に配置され、該レンズ外面の上端が下端よりも後方になるように下向きに配置されている、ことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、アッパカウルは、第1カウルと、該第1カウルの後方に連結されてテールライトが露出する開口の開口上縁部を形成する第2カウルと、を備え、ロアカウルは、第3カウルと、該第3カウルの後方に連結されて開口の開口下縁部を形成する第4カウルと、を備え、第1カウルと第3カウルは、前後方向に延びる上下連結部で連結され前後方向に延びるので、アッパカウルとロアカウルの連結を良好にできる。更に、第3カウルは、上下連結部の下方に、側面視で後端が開放された略U字状のU字状凹部が形成され、第4カウルは、側面視でU字状凹部を覆いつつ、開口下縁部を構成するので、テールライトを露出する開口の殆どの部分を第4カウルにて構成することができる。この結果、第4カウルの後部の形状を変えるだけで、テールライトの形状に対応することができる。この結果、テールライトの形状を変更し易くできる。
請求項2の発明によれば、第2カウルは、後面視で、開口上縁部がテールライトの上縁に沿う縁状に構成されるので、テールライトを高い位置に配置できる。また、第1カウルは、後面視で、第2カウルの左右端の左右外方に隣接する第1カウル左右内側端部から左右外方且つ下方に延出し、左右最外部を構成し、第3カウルは、後面視で、第1カウル左右内側端部の下方に隣接する第3カウル左右内側端部から左右最外部に連結するように左右に膨らみ、U字状凹部が下方ほど車幅方向に広がるように構成され、第4カウルは、後面視で、テールライトの下縁及び側縁を囲みつつU字状凹部を塞ぐように構成されるので、テールライトの形状に対して第4カウルのテールライトを囲む部分の形状変更で対応可能となり、テールライト形状の自由度を高めることができる。また、後面視で、第3カウルがテールライトの左右両端に見えるように配置されるので、後方からの外観の意匠性を向上させることができる。
請求項3の発明によれば、第3カウルは、ライセンスステーの貫通部の上方に車幅方向に延びて左右部分を連結する第3カウル連結部を備えるので、リアカウルの後方側の開口を塞ぎ、水の浸入を防ぐことができる。また、第3カウル連結部が第3カウル13の車幅方向の左右部分を繋いで一体構造となっているので、部品数を減らして第3カウルの組み付け性を良くすることができる。
請求項4の発明によれば、第3カウルは、後面視で、U字状凹部の外周に、該U字状凹部に向かって車両外方から内方へ傾斜するU字状凹部外周部を備え、U字状凹部外周部は、U字状凹部を囲う稜線を介して連なる平面を備えるので、U字状凹部周辺の剛性を高めつつ外観の意匠性を高めることができる。
請求項5の発明によれば、第4カウルは、後面視で、U字状凹部に位置し、左右の側壁部と底部とで形成される略U字形状の後露出部を有し、左右の側壁部は、車両前方から車両後方に向かって車幅方向間隔が小さくなるので、U字状凹部を塞ぐ第4カウルの後部を幅狭な構造にでき、ロアカウルを小型軽量化することができる。
請求項6の発明によれば、アッパカウルは、側面視で、アッパカウル上部が前後方向に延びる略直線状に構成され、ロアカウルは、側面視で、ロアカウル下部が前後方向に延びる略直線状で、該ロアカウル下部が車両後方ほどアッパカウル上部との距離を小さくするように構成され、更に、テールライトのレンズ外面は、側面視で、アッパカウル上部とロアカウル下部の間に配置され、該レンズ外面の上端が下端よりも後方になるように下向きに配置されているので、リアカウルを後方細りにして小型軽量化ができる。
本発明の一実施形態に係る鞍乗型車両の右側面図である。 図1に示す鞍乗型車両の後部を拡大した拡大右側面図である。 図1に示す鞍乗型車両の後部を拡大した拡大平面図である。 図1に示す鞍乗型車両のリアカウルにおけるアッパカウルを構成する第1カウルを斜め上方から見た斜視図である。 図4に示す第1カウルであって、(a)は左側面図であり、(b)は平面図である。 図1に示す鞍乗型車両のリアカウルにおけるアッパカウルを構成する第2カウルであって、(a)は平面図であり、(b)は左側面図である。 図1に示す鞍乗型車両のリアカウルにおけるロアカウルを構成する第3カウルを斜め下方から見た斜視図である。 図7に示す第3カウルであって、(a)は平面図であり、(b)は左側面図である。 図1に示す鞍乗型車両のリアカウルにおけるロアカウルを構成する第4カウルを斜め下方から見た斜視図である。 図9に示す第4カウルであって、(a)は平面図、(b)は左側面図である。 図1に示す鞍乗型車両を後方から見た背面図である。
以下、本発明の鞍乗型車両の一実施形態を、添付図面に基づいて説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとし、以下の説明において、前後、左右、上下は、運転者から見た方向に従い、図面に車両の前方をFr、後方をRr、左側をL、右側をR、上方をU、下方をD、として示す。
図1において、自動二輪車である鞍乗型車両1の車体フレーム2は、前輪FWを軸支するフロントフォーク3およびハンドル4を操向可能に支承するヘッドパイプ2aと、該ヘッドパイプ2aから後下がりに延びるメインフレーム2bと、該メインフレーム2bの後部に連設され下方に延びるピボットフレーム2e、該ピボットフレーム2eに連設されて後上がりに傾斜した左右一対のシートフレーム2cと、メインフレーム2bの前端部に連設されるとともにメインフレーム2bよりも急角度で後下がりに延びるダウンフレーム2dとを備える。メインフレーム2bの下部およびピボットフレーム2eよりも前方にはエンジン及び変速機からなる駆動ユニットEが配置される。この駆動ユニットEは、メインフレーム2b、ダウンフレーム2dおよびピボットフレーム2eで囲まれるようにして車体フレーム2に搭載されるものであり、ダウンフレーム2dの下端部およびピボットフレーム2eで支持される。
メインフレーム2b上には燃料タンク5が搭載され、その燃料タンク5の後方には、運転者が着座する運転者シート7f及び添乗者シート7rからなるタンデム型の乗車シート7がシートフレーム2cで支持される。
ピボットフレーム2eには、後輪RWを後端部で軸支するスイングアーム8の前端部が揺動可能に支承されており、不図示のリヤクッションにより適宜支持されている。後輪RWには、駆動ユニットEからの動力が、スイングアーム8に沿うように架け渡されたチェーン26を介して伝達される。また、駆動ユニットEには、前方から下方を通って後方に延びる排気管27aが接続され、排気管27aに連結された排気マフラー27がスイングアーム8の右外側に配置される。
車体を覆うカバー部材は、車両を適宜覆う樹脂成形体で形成されており、例えば、ヘッドライトHL周囲からフロントフォーク3上部の側面を覆うフロントカウル17と、該フロントカウル17に連続してフロントフォーク3の後方側及び駆動ユニットEの前方側から該駆動ユニットEの下部を覆うアンダーカウル18と、燃料タンク5の下側及び運転者シート7fの前部下側からメインフレーム2b及びシートフレーム2cの上部までの間を覆うサイドカウル19と、運転者シート7fの後部の下方側からシートフレーム2cの側面及び下面を囲いつつテールライト20の周囲を覆うように車両後部に配置されたリアカウル10と、前輪FWの上を覆うフロントフェンダ41と、後輪RWの上を覆うリアフェンダ42と、を備えている。なお、テールライト20は、リアフェンダ42の後端に支持される。また、テールライト20の下側には、ライセンスステー30がシートフレーム2cに適宜支持されて車両後方に向かって延出し、該ライセンスステー30の後端にライセンスプレート31、ウィンカ32が支持されている。
図2及び図3において、前掲のリアカウル10は、大別すると上側のアッパカウル10uと下側のロアカウル10dとで構成される。詳細には、アッパカウル10uは、運転者シート7fの後部下側から添乗者シート7rの後方まで延びシートフレーム2cの上面を覆うように構成され(図3参照)、ロアカウル10dは、シートフレーム2cの下面及び側面を覆うように構成され、アッパカウル10uとロアカウル10dとは前後方向に沿う上下連結部10b(図2参照)に沿って上下に組み合わされる。
アッパカウル10uは、側面視で、アッパカウル上部10uuが若干後上がりに延びる略直線状に構成されている。また、ロアカウル10dは、側面視で、ロアカウル下部10ddがアッパカウル上部10uuよりも急角度で後上がりに延びる略直線状である。すなわち、ロアカウル下部10ddが車両後方側ほどアッパカウル上部10uuとの距離を小さくするように構成されている(図2参照)。
ここで、アッパカウル上部10uuの後方側への延長上には、テールライト20のレンズ外面20sの上端20suが位置し、ロアカウル下部10ddの後方側への延長上には、レンズ外面20sの下端20sdが位置している。すなわち、テールライト20のレンズ外面20sは、側面視で、アッパカウル上部10uuとロアカウル下部10ddの間に配置されている。さらに、テールライト20の向きは、レンズ外面20sの上端20suが下端20sdよりも後方になるように下向きに配置されている(図2参照)。
以下、アッパカウル10u及びロアカウル10dについて、図4〜図10を参照して説明する。なお、アッパカウル10uを、図4〜図6に示し、ロアカウル10dを、図7〜図10に示す。
アッパカウル10uは、第1カウル11と該第1カウル11の後方に連結される第2カウル12とを備える。
第1カウル11は、図4に示すように、前方に向かって大きく開放するように切り欠かれた前部切欠部11fkと、後方に向かって該前部切欠部11fkよりも小さく後方に向かって開放するように切り欠かれた後部切欠部11rkとを有し、この両切欠部11fk、11rk間に中央開口11chが設けられた左右対称構造である。ここで、前部切欠部11fkには、運転者シート7fの後部が前部切欠部11fkを塞ぐように上側から載置され、中央開口11chには、添乗者シート7rが該中央開口11chを塞ぐように上側から載置される。更に、後部切欠部11rkには、第2カウル12が該後部切欠部11rkを塞ぐように取り付けられる(図5(a)参照)。
第1カウル11は、図5に示すように、前部切欠部11fkの左右両側の第1カウル前端11feが運転者シート7fの前後方向において中間部下方に位置し、平面視で左右両側に左右最外部11ueを左右方向最大幅の部分として、第1カウル前端11feから左右最外部11ueまで後方に向かって徐々に幅広になり、左右最外部11ueから後方の左右の後端11re向かって適宜屈曲しながらテールライト20の後端近傍まで徐々に幅狭になっている。
この第1カウル11は、左右最外部11ueが、リアカウル10の車幅方向で最も左右外側に張出し、後部切欠部11rkを塞ぐだけの小さい第2カウル12に比べてアッパカウル10uの多くの部分を構成する。
また、第1カウル11は、側面視では、車両前後方向において後上がりに傾斜した板状部材である。詳細には、第1カウル前端11feから略中央部分までは急角度で傾斜して運転者シート7fの後部を囲う急傾斜部分と、略中央部分から後端11reまで緩やかに直線状に傾斜しアッパカウル上部10uuを構成して添乗者シート7rを囲う緩傾斜部分とを有する。
ここで、第1カウル11には、シートフレーム2cに沿って延びる上下連結部10bにおいて、後述する第3カウル13の下係合部13bと係合する上係合部11bが設けられている。この上係合部11bは、第1カウル11の外周に沿って複数形成される。詳細には、上係合部11bは、例えば、前側に外周に沿って前後に設けられる2つのフック型上連結係合部11ba,11bbを有している。このフック型上連結係合部11ba,11bbは、急角度の急傾斜部分の平面部に略直行して下方に突出すると共に前端が前方に延出した、所謂フック形状を有している。
第1カウル11は、左右両側の第1カウル前端11feに近設された第1前支持部11tfが後述するロアカウル10dの第3カウル13の第3前支持部13tf(図8参照)に固定される。また、中央開口11chの内側に設けられた第1中間支持部11tiは、シートフレーム2cに設けられるクロスメンバーに支持される。
第2カウル12は、図6に示すように、前述のごとく、第1カウル11の後部切欠部11rkを塞ぐように構成された板状の部材である。詳細には、後端部に、左右に突出する突出部12cを備え、該突出部12cを含む後端縁12reが幅方向の中央を頂部後端とするように左右両側且つ前方へ傾斜する形状となっている。また、前端部には、左右両側に第1カウル11の後方接続部11thに接続する前部接続部12thが設けられている。この第2カウル12は、突出部12cが第1カウル11の後端11reに接して該後端11reの後面を覆うように組み付けられる。突出部12cの前面側には、後方に向かって窪む凹部12rhが形成され、この凹部12rhに第1カウル11の後端11reの係合突起11rf(図5(a)参照)が係合する。
また、第2カウル12は、後面視で、後端縁12reがテールライト20用の開口10hの開口上縁部10huを構成する(図11参照)。
ロアカウル10dは、上下に組み付けられる第3カウル13と第4カウル14とを有している。すなわち、第3カウル13の上に第4カウル14を重ねるように組むことで、後述する第3カウル13に形成された前部及び後部の切欠部11fk、11rkを第4カウル14が塞ぐような構造となっている。
第3カウル13は、図7に示すように、その横断面において下側に膨らむように湾曲した形状であり、前方に向かって大きく開放するように切り欠かれた前方切欠部13khと、後方に向かって該前方切欠部13khよりも小さく開放するU字状凹部13aとを有し、シートフレーム2cの左右両側面を覆う構造である。すなわち、第3カウル13は、前方切欠部13khとU字状凹部13aとの間に残された第3カウル連結部13cがシートフレーム2cの下側を覆って左右部分を繋げた左右対称構造である。また、U字状凹部13aは、側面視で、第3カウル後端13reから前方に向かって深く切り込まれた略U字形状(図8(b)参照)を有している。
第3カウル13は、図8(a)に示すように、左右外側の外周が、平面視で、第1カウル11の左右外側の外周(図5(b)参照。)と略一致する形状となっている。すなわち、前方切欠部13khの左右両側の第3カウル前端13feが、第1カウルの第1カウル前端11feに対面し、第3カウル左右最外部13ueが第1カウル11の左右最外部11ueに対面するように後方に向かって徐々に幅方向に広がり、該第3カウル左右最外部13ueから第3カウル後端13reに向かって徐々に幅狭になる。
また、U字状凹部13aは、平面視で、第3カウル連結部13cに向かって左右両側がより深く切り込まれる形状を有している。前方切欠部13khは、平面視で、前方側が広く、後方側には、幅狭な矩形の矩形孔13shが設けられている。この矩形孔13shは、ライセンスステー30が挿入される貫通部10dhを構成する。
第3カウル13は、図8(b)に示すように、側面視で、上縁部分が第1カウル11との上下連結部10bを構成し、下縁13dがシートフレーム2cの下方に位置するように車両後方に向かって後上がりに傾斜している。この上下連結部10bに沿って、前掲の第1カウル11の上係合部11bに下方側から重なる下係合部13bが設けられている。
下係合部13bは、第1カウル11の上係合部11bと係合する。詳細には、上係合部11bを構成する前掲の2つのフック型上連結係合部11ba,11bb(図5参照)に対応する下連結係合部13ba,13bbが設けられている。そして、この下連結係合部13ba,13bbは、第3カウル13において上下連結部10bに向かって該上下連結部10bの高さまで突出し上端に平坦面13bs(図8(a)参照)を備える。この平坦面13bsには、前後方向に長い長方形の係合孔13bah及び13bbhが形成されている。また、下連結係合部13bbの後側には、略上下連結部10bに倣う第3カウル上縁部13usに、適宜間隔を空けて3つの連結係合突起13bc,13bd,13beが外方に向かって突設されている。また、連結係合突起13beの近傍で第3カウル13の内面には、第4カウル14の係合孔部14rh(図10参照。)に係合するフック型係合部13bfが突出されている。
第3カウル13は、前部の第3前支持部13tfが、前掲のごとく第1カウル11の第1前支持部11tfに固定され、また、第3前支持部13tfの後方の第3中間支持部13tcがリアフェンダ42に固定される。
第4カウル14は、図9に示すように、第3カウル13の前方切欠部13khとU字状凹部13a(図7参照)とを塞ぐ構造を有している。詳細には、前方切欠部13khの前方側を下方に膨らみつつ塞ぐ前露出部14fと、矩形孔13shに対応し左側が開放した側方向切欠部14shと、U字状凹部13aを塞ぐ後露出部14rと、を備えている。ここで、後露出部14rは、左右の側壁部14rsと底部14rdとで略U字状をなしており、テールライト20の取付け用の開口10hを残してU字状凹部13aの左右側面側及び底面側を塞ぐ。この側壁部14rsは、車両前方から車両後方に向かって車幅方向間隔が小さくなるように構成されている(図11参照)。また、側方向切欠部14shと後露出部14rとの境界部分には、該側壁部14rsを車幅方向内側に絞り込むように絞込み平面部14isが形成されている。後露出部14rは、後面視で、後端縁がテールライト20を露出させる開口10hの開口下縁部10hdを構成する(図11参照)。なお、側方向切欠部14shは、第3カウル13の矩形孔13shと一緒に貫通部10dhを構成する。
第4カウル14は、側壁部14rsの後上部に係合孔部14rhが設けられ、該係合孔部14rhが前掲のごとく第3カウル13のフック型係合部13bf(図8参照。)と係合する。第4カウル14は、前部、中段部及び後部の左右両側に設けられた第4前支持部14tf、第4中間支持部14tc、第4後支持部14trがリアフェンダ42に固定される。
前掲したように構成されたアッパカウル10uとロアカウル10dとは、第1カウル11の上係合部11bと第3カウル13の下係合部13bとを係合させることで、上下連結部10bにて上下方向に重ね合わされる。この上下連結部10bでの重ね合せに際しては、連結係合突起13bc,13bd,13beが、第1カウル11の外周部の内側に当接する。このときに、フック型上連結係合部11ba,11bbは、下連結係合部13ba,13bbの係合孔13bah,13bbhに挿入されており、例えば、第1カウル11を前方にずらすことで、フック型上連結係合部11ba,11bbが係合孔13bah,13bbhに引っ掛かり係止される。
図11に示すように、リアカウル10が組み上げられた状態において、第2カウル12は、後面視で、開口10hの開口上縁部10huがテールライト20の上縁20ueに沿う縁状に構成されている。開口上縁部10huは、車幅方向中心を頂点として左右端部12ueに向かって斜め下方に延びている。また、第1カウル11は、後面視で、第2カウル12の左右端部12ueの左右外側に隣接する第1カウル左右内側端部11ieから左右外方に向かって斜め下方に延出し、左右最外部11ueまで延びている。第3カウル13は、後面視で、第1カウル左右内側端部11ieに下側に隣接する第3カウル左右内側端部13ie(第3カウル後端13re)から左右最外部11ueに連結するように左右に膨らみ、左右側面も後方から見えるように構成されている。
第3カウル13は、後面視で、U字状凹部13aの外周に、このU字状凹部13aに向かって車両外方から内方へ傾斜するU字状凹部外周部13sを備えている。U字状凹部外周部13sの内側には、U字状凹部13aを囲むように稜線13suが形成され、U字状凹部外周部13sには、該U字状凹部13aを囲う稜線13suを介してU字状凹部13aに連なる平面13ssが設けられている。
そして、前掲したように、U字状凹部13aが後面視で下方ほど車幅方向に広がるように構成され、第4カウル14の後露出部14rは、開口10hの開口下縁部10hdがテールライト20の下縁20de及び側縁20seを囲みつつU字状凹部13aを塞いでいる。
即ち、開口上縁部10huと開口下縁部10hdとで区画される開口10hは、左右端部12ue間を縁状に延びる第2カウル12と、左右端部12ueに接続される第4カウル14の左右上端部14reを略U字状に繋ぐ第4カウル14の左右の側壁部14rs及び底部14rdとで形成されており、開口10hからテールライト20が露出している。
ライセンスステー30は、ロアカウル10dの貫通部10dhを貫通し、後面視でテールライト20の下方からリアカウル10の後方に延びており、ライセンスステー30の上方には、車幅方向の左右部分を連結する第3カウル連結部13cが位置している。
以上説明したように、本実施形態の鞍乗型車両1によれば、アッパカウル10uは、第1カウル11と、該第1カウル11の後方に連結されてテールライト20が露出する開口10hの開口上縁部10huを形成する第2カウル12と、を備え、ロアカウル10dは、第3カウル13と、該第3カウル13の後方に連結されて開口10hの開口下縁部10hdを形成する第4カウル14と、を備え、第1カウル11と第3カウル13は、前後方向に延びる上下連結部10bで連結され前後方向に延びるので、アッパカウル10uとロアカウル10dの連結を良好にできる。
更に、第3カウル13は、上下連結部10bの下方に、側面視で第3カウル後端13reが開放された略U字状のU字状凹部13aが形成され、第4カウル14は、側面視でU字状凹部13aを覆いつつ、開口下縁部10hdを構成するので、テールライト20を露出する開口10hの殆どの部分をロアカウル10dの第4カウル14にて構成することができる。この結果、第4カウル14の後部の形状を変えるだけで、テールライト20の形状に対応することができる。この結果、テールライト20の形状を変更し易くできる。
また、第2カウル12は、後面視で、開口上縁部10huがテールライト20の上縁20ueに沿う縁状に構成されるので、テールライトを高い位置に配置できる。
また、第1カウル11は、後面視で、第2カウル12の左右端の左右外方に隣接する第1カウル左右内側端部11ieから左右外方且つ下方に延出し、左右最外部11ueを構成し、第3カウル13は、後面視で、第1カウル左右内側端部11ieの下方に隣接する第3カウル左右内側端部13ieから左右最外部11ueに連結するように左右に膨らみ、U字状凹部13aが下方ほど車幅方向に広がるように構成される。そして、第4カウル14は、後面視で、テールライト20の下縁20de及び側縁20seを囲みつつU字状凹部13aを塞ぐように構成されるので、テールライト20の形状に対して第4カウル14のテールライト20を囲む部分の形状変更で対応可能となり、テールライト形状の自由度を高めることができる。また、後面視で、第3カウル13がテールライト20の左右両端に見えるように配置されるので、後方からの外観の意匠性を向上ずることができる。
また、第3カウル13は、ライセンスステー30の貫通部10dhの上方に車幅方向に延びて左右部分を連結する第3カウル連結部13cを備えるので、リアカウル10の後方側の開口を塞ぎ、水の浸入を防ぐことができる。また、第3カウル連結部13cが第3カウル13の車幅方向の左右部分を繋いで一体構造となっているので、部品数を減らして第3カウル13の組み付け性を良くすることができる。
また、第3カウル13は、後面視で、U字状凹部13aの外周に、該U字状凹部13aに向かって車両外方から内方へ傾斜するU字状凹部外周部13sを備え、U字状凹部外周部13sは、U字状凹部13aを囲う稜線13suを介してU字状凹部13aに連なる平面13ssを備えるので、U字状凹部13aの周辺の剛性を高めつつ外観の意匠性を高めることができる。
また、第4カウル14は、後面視で、U字状凹部13aに位置し、左右の側壁部14rsと底部14rdとで形成される略U字形状の後露出部14rを有し、左右の側壁部14rsは、車両前方から車両後方に向かって車幅方向間隔が小さくなるので、U字状凹部13aを塞ぐ第4カウル14の後部を幅狭な構造にでき、ロアカウル10dを小型軽量化することができる。
また、アッパカウル10uは、側面視で、アッパカウル上部10uuが前後方向に延びる略直線状に構成され、ロアカウル10dは、側面視で、ロアカウル下部10ddが前後方向に延びる略直線状で、該ロアカウル下部10ddが車両後方ほどアッパカウル上部10uuとの距離を小さくするように構成される。更に、テールライト20のレンズ外面20sは、側面視で、アッパカウル上部10uuとロアカウル下部10ddの間に配置され、該レンズ外面20sの上端20suが下端20sdよりも後方になるように下向きに配置されているので、リアカウル10を後方細りにして小型軽量化ができる。
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
また、本実施形態では、自動二輪車について説明したが、本発明は、他の鞍乗型車両にも適用することができる。
1 鞍乗型車両
2c シートフレーム
7 乗車シート
10 リアカウル
10b 上下連結部
10d ロアカウル
10dd ロアカウル下部
10dh 貫通部
10h 開口
10hd 開口下縁部
10hu 開口上縁部
10u アッパカウル
10uu アッパカウル上部
11 第1カウル
11ie 第1カウル左右内側端部
11ue 左右最外部
12 第2カウル
13 第3カウル
13a U字状凹部
13c 第3カウル連結部
13ie 第3カウル左右内側端部
13re 第3カウル後端(後端)
13s U字状凹部外周部
13su 稜線
13ss 平面
14 第4カウル
14r 後露出部
14rd 底部
14rs 側壁部
20 テールライト
20de 下縁
20s レンズ外面
20se 側縁
20sd 下端
20su 上端
20ue 上縁
30 ライセンスステー
31 ライセンスプレート

Claims (6)

  1. 車両後方に向かって後上がりに傾斜し乗車シート(7)を支持するシートフレーム(2c)と、
    前記シートフレーム(2c)の後端に支持されるテールライト(20)と、
    前記乗車シート(7)の後部下方の前記シートフレーム(2c)の上面を覆うアッパカウル(10u)と、該シートフレーム(2c)の下面を覆うロアカウル(10d)と、を有するリアカウル(10)と、を備えた鞍乗型車両(1)の後部構造において、
    前記アッパカウル(10u)は、第1カウル(11)と、該第1カウル(11)の後方に連結されて前記テールライト(20)が露出する開口(10h)の開口上縁部(10hu)を形成する第2カウル(12)と、を備え、
    前記ロアカウル(10d)は、第3カウル(13)と、該第3カウル(13)の後方に連結されて前記開口(10h)の開口下縁部(10hd)を形成する第4カウル(14)と、を備え、
    前記第1カウル(11)と前記第3カウル(13)は、前後方向に延びる上下連結部(10b)で連結され、
    前記第3カウル(13)には、前記上下連結部(10b)の下方に、側面視で後端(13re)が開放された略U字状のU字状凹部(13a)が形成され、
    前記第4カウル(14)は、側面視で前記U字状凹部(13a)を覆いつつ、前記開口下縁部(10hd)を構成する、
    ことを特徴とする鞍乗型車両(1)の後部構造。
  2. 請求項1に記載の鞍乗型車両(1)の後部構造において、
    前記第2カウル(12)は、後面視で、前記開口上縁部(10hu)が前記テールライト(20)の上縁(20ue)に沿う縁状に構成され、
    前記第1カウル(11)は、後面視で、前記第2カウル(12)の左右端の左右外方に隣接する第1カウル左右内側端部(11ie)から左右外方且つ下方に延出し、左右最外部(11ue)を構成し、
    前記第3カウル(13)は、後面視で、前記第1カウル左右内側端部(11ie)の下方に隣接する第3カウル左右内側端部(13ie)から前記左右最外部(11ue)に連結するように左右に膨らみ、前記U字状凹部(13a)が下方ほど車幅方向に広がるように構成され、
    前記第4カウル(14)は、後面視で、前記テールライト(20)の下縁(20de)及び側縁(20se)を囲みつつ前記U字状凹部(13a)を塞ぐように構成される、
    ことを特徴とする鞍乗型車両(1)の後部構造。
  3. 請求項1又は2に記載の鞍乗型車両(1)の後部構造において、
    前記シートフレーム(2c)に前端が支持され、前記リアカウル(10)の貫通部(10dh)を貫通して車両後方に向かって延出され、後端にライセンスプレート(31)を支持するライセンスステー(30)をさらに備え、
    前記第3カウル(13)は、前記ライセンスステー(30)の前記貫通部(10dh)の上方に車幅方向に延びて左右部分を連結する第3カウル連結部(13c)を備える、
    ことを特徴とする鞍乗型車両(1)の後部構造。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の鞍乗型車両(1)の後部構造において、
    前記第3カウル(13)は、後面視で、前記U字状凹部(13a)の外周に、該U字状凹部(13a)に向かって車両外方から内方へ傾斜するU字状凹部外周部(13s)を備え、
    前記U字状凹部外周部(13s)は、前記U字状凹部(13a)を囲う稜線(13su)を介して前記U字状凹部(13a)に連なる平面(13ss)を備える、
    ことを特徴とする鞍乗型車両(1)の後部構造。
  5. 請求項4に記載の鞍乗型車両(1)の後部構造において、
    前記第4カウル(14)は、後面視で、前記U字状凹部(13a)に位置し、左右の側壁部(14rs)と底部(14rd)とで形成される略U字形状の後露出部(14r)を有し、
    左右の前記側壁部(14rs)は、車両前方から車両後方に向かって車幅方向間隔が小さくなる、
    ことを特徴とする鞍乗型車両(1)の後部構造。
  6. 請求項3に記載の鞍乗型車両(1)の後部構造において、
    前記アッパカウル(10u)は、側面視で、アッパカウル上部(10uu)が前後方向に延びる略直線状に構成され、
    前記ロアカウル(10d)は、側面視で、ロアカウル下部(10dd)が前後方向に延びる略直線状で、該ロアカウル下部(10dd)が車両後方ほど前記アッパカウル上部(10uu)との距離を小さくするように構成され、
    前記テールライト(20)のレンズ外面(20s)は、側面視で、前記アッパカウル上部(10uu)と前記ロアカウル下部(10dd)の間に配置され、該レンズ外面(20s)の上端(20su)が下端(20sd)よりも後方になるように下向きに配置されている、
    ことを特徴とする鞍乗型車両(1)の後部構造。
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