JP2019119438A - 鞍乗り型車両のタンクカバー構造 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、複数のカバーで構成するタンクカバーにおいて、剛性を確保し易く、組み付けの精度が出し易い鞍乗り型車両のタンクカバー構造を提供することを目的とする。
自動二輪車1は、車体フレーム(フレーム部材)10に支持されたエンジン11と、車体フレーム10の前端部にフロントフォーク12を介して操舵可能に支持された前輪2と、車体フレーム10の下部にスイングアーム13を介して上下動可能に支持された後輪3とを備える。
自動二輪車1は、乗員がシート14に跨るようにして着座する鞍乗型車両である。
ヘッドパイプ15は、車体フレーム10の前端部を構成する。メインフレーム16は、ヘッドパイプ15から後斜め下方に延びている。センターフレーム17は、メインフレーム16の後端部から下方に延びている。センターフレーム17の下部には、プレス材によって構成されるピボット支持部(不図示)が設けられる。ダウンフレーム18は、ヘッドパイプ15からメインフレーム16の下方を後斜め下方に延びている。
左右のシートフレーム19は、メインフレーム16の後端部の左右からそれぞれ後方に延びている。左右のサブフレーム20は、センターフレーム17の下部左右と左右のシートフレーム19とに渡されている。
ガセット21は、メインフレーム16の前端部左右とダウンフレーム18の前端部とを連結している。クロスフレーム22は、左右のシートフレーム19を車幅方向に連結している。左右のステップフレーム23は、センターフレーム17の下部の左右側部からそれぞれ後方に延びている。左右の補強フレーム24は、左右のシートフレーム19の後部の下面に沿って延びている。左右の補強フレーム24の各前端部は、左右のサブフレーム20の後部の下面にそれぞれ連結されている。
フロントフォーク12は、ステアリングシャフト(不図示)、左右一対のフォークパイプ26、トップブリッジ27、ボトムブリッジ28を備える。
上記ステアリングシャフトは、ヘッドパイプ15に回動可能に支持されている。左右のフォークパイプ26は、前輪2の左右両側に配置されたテレスコピック型の緩衝器であり、左右のフォークパイプ26の下端部間に渡された車軸2aに前輪2が回転可能に支持されている。左右のフォークパイプ26のそれぞれの摺動部26aは、前方からフォークパイプ26に取付けられたチップガード25によって覆われている。トップブリッジ27は、上記ステアリングシャフトの上端部に固定されて左右のフォークパイプ26の上部を連結している。トップブリッジ27の上部にはハンドル29が固定されている。ボトムブリッジ28は、上記ステアリングシャフトの下端部に固定されて左右のフォークパイプ26を連結している。
スイングアーム13は、上記ピボット支持部に支持されるピボット軸30に前端部を揺動可能に支持され、後端部に車軸3aを介して後輪3が回転可能に支持されている。
エンジン11は、車幅方向に延びるクランク軸(不図示)を支持するクランクケース31と、クランクケース31の前部上部から上方に延びるシリンダ部32とを備える。クランクケース31の後部には、変速機(不図示)が内蔵される。シリンダ部32のシリンダ軸線32aは、前方斜め上方に延びている。
シリンダ部32は、後部に吸気装置(不図示)が接続され、前部に排気装置33が接続されている。
排気装置33は、シリンダ部32(詳しくは、シリンダヘッド(不図示))の前面から下方に引き出される排気管34と、排気管34の後端に接続されて後輪3の右側方に配置されたマフラー35とを備える。
シート14は、運転者用の前側シート14aと、前側シート14aの後方に設けられた同乗者用の後側シート14bとを備える。
運転者用の左右一対のステップ39は、左右のステップフレーム23の前部にそれぞれ設けられている。同乗者用の左右一対のピリオンステップ40は、左右のステップフレーム23の後端部にそれぞれ設けられている。
車体カバー41は、フロントカバー42、タンクカバー43、センターカバー44、リアカバー45、アンダーカバー46を備える。
フロントカバー42は、ヘッドパイプ15及び左右のフォークパイプ26の上部を前方から覆っている。タンクカバー43は、車体フレーム10の前部及び燃料タンク38を覆っている。センターカバー44は、前側シート14aの下方を覆っている。リアカバー45は、センターカバー44の後方でシート14の下方を覆っている。アンダーカバー46は、エンジン11のクランクケース31の下部を前方、側方及び下方から覆っている。
タンクカバー43の前部下部には、ダウンフレーム18の左右側方を覆う左右一対のインナーカバー71が設けられている。左右一対のインナーカバー71は、車体カバー41の一部を構成する。
前輪2は、上方からフロントフェンダ48で覆われ、後輪3は、左右のシートフレーム19の後端部側から後方へ延びるリアフェンダ49で上方から覆われている。
また、リアフェンダ49の下方には、後輪3を覆うフェンダ50が設けられている。フェンダ50は、後輪3を前方斜め上方から覆う前側フェンダ55と、後輪を後方斜め上方から覆う後側フェンダ56とから構成される。
フロントフォーク12の前方にはフロントカバー42が配置され、フロントカバー42内にヘッドライト61が配置されている。左右のフォークパイプ26の各摺動部26aは、一部が前方からチップガード25によって覆われ保護されている。左右のチップガード25は、前面視でフロントフェンダ48よりも上方まで延びている。左右のフォークパイプ26の後方であって左右のインナーカバー71の内側にはインナーカバー支持部70が設けられ、インナーカバー支持部70にはルーバー部90bが設けられている。ルーバー部90bは、車両前方からの走行風をインナーカバー支持部70の後方に位置するエンジン11側に導く。
タンクカバー43は、インナーカバー71と、前面カバー(前カバー)72(図2参照)と、側面カバー73と、前側面カバー74と、トップフロントカバー(フロントカバー)75と、トップカバー76とを備える。インナーカバー71と、前面カバー72(図2参照)と、側面カバー73と、前側面カバー74と、は左右に一対設けられており、これらの上方に、トップフロントカバー75とトップカバー76とが配置される。タンクカバー43は、燃料タンク38(図1参照)とインナーカバー支持部70を介して、車体フレーム10に支持される。タンクカバー43は、燃料タンク38を覆う。また、タンクカバー43は、エンジン11のシリンダ部32の上部のシリンダヘッド(不図示)を側方から覆う。
燃料タンク38は、下方が開放されたおわん状のタンク上部(上部材)80と、上方が開放されたおわん状のタンク下部(下部材)81とを備える。タンク上部80およびタンク下部81は、それぞれ、フランジ状の開放端80a、81aを備えており、タンク上部80と、タンク下部81との開放端80a、81a同士を合わせて燃料タンク38が構成されている。
タンク下部81の底面には、上方に凹んだ凹部82が形成されている。凹部82は、前後方向に延びている。凹部82には、後下がりに延びるメインフレーム16(図1参照)が配置され、燃料タンク38がメインフレーム16の上方に跨るように配置されている。
タンク下部81の底面には、左右一対のボトムステー83が支持されている。ボトムステー83は、凹部82の左右から下方に突出した板状に形成されている。ボトムステー83の車幅方向内側には、ラバー84が支持されている。ボトムステー83は、ラバー84を介してメインフレーム16に設けられるタンクブラケット(不図示)と係合してメインフレーム16に支持される。これにより、燃料タンク38がメインフレーム16上に跨った状態で保持される。
なお、燃料タンク38には下方に延びる燃料ホース89aが接続されており、燃料コック89が取り付けられている。
インナーカバー支持部70は、車幅方向中央から左右に延出して、左右に幅広の本体部90を備える。本体部90の左上部には、上方に延出する左延出部91が形成されている。本体部90の右上部には、上方に延出する右延出部92が形成されている。
インナーカバー支持部70の本体部90の中央部には、左右一対の固定部94が形成されている。固定部94には、前方から締結部材66が挿通され、ダウンフレーム18の図示しない取付部に締結される。これにより、インナーカバー支持部70は、車体フレーム10に固定される。
右延出部92の左側には、インナーカバー支持部70とは別体に形成されたルーバー部材93が締結されている。別体のルーバー部材93を付加することで、車体内側への導風自由度を向上させ、ガーニッシュとしての機能の幅を拡充している。
インナーカバー71は、燃料タンク38の側方に左右一対配置される。インナーカバー71は、タンク上部80とタンク下部81の開放端80a、81a同士を合わせて形成された上下合わせ面95に沿ってタンク下部81の側方に沿って配設されている。燃料タンク38の上下合わせ面95は前上がりであり、インナーカバー71は上部後側が前上がり形状で配置されている。
中間部101は、下縁部が車幅方向内側に曲がっており、その内側に曲がった下縁部に固定部104が形成されている(右側のインナーカバー71参照)。固定部104には、下方から締結部材67が挿通され、燃料タンク38から延びるアーム105に固定される。アーム105は、上方になるほど車幅方向内側に曲がっており、上端105aが燃料タンク38のボトムステー83に固定されている(図4参照)。
後方膨出部102の内面には、内側に突出するボス108が形成されている。ボス108は、図4に示すように、タンク上部80の側部から下方に延びるサイドステー110に支持される。サイドステー110には前後方向に長いグロメット109が支持されている。ボス108がグロメット109に嵌ることにより、インナーカバー71を仮り止めした状態で、締結部材67、68などを締結可能である。
左右のインナーカバー71には、それぞれ、左右のセンターカバー44が係合する係合部71a、71b(図3参照)が設けられている。
前面カバー72は、燃料タンク38の前方に左右一対配置されている。前面カバー72は、後方に進むに連れて車幅方向外側から内側に湾曲する前面72aを備えている。前面カバー72は、燃料タンク38の前方を覆う。
前面カバー72は、インナーカバー71と、インナーカバー支持部70に固定される。
前面カバー72の前端下部111は、インナーカバー71の被覆部103の前方上部に設けられた固定部112に固定される。
左右一対の前面カバー72は、インナーカバー支持部70に支持されるため、前面カバー72の剛性を確保しながら支持できる。その上、前面カバー72は、インナーカバー71にも支持されるため、前面カバー72の組み付けの精度を出し易く、インナーカバー71との多重構造により、さらに剛性を確保できる。
側面カバー73は、フューエルリッド38bよりも車幅方向外側に左右一対配置される。側面カバー73は、タンク上部80の側方を前後方向に延出しており、タンク上部80の側面を側方から覆う。
側面カバー73は、カバー上部120を備える。カバー上部120は、燃料タンク38のフューエルリッド38bの車幅方向外側の上部分を覆う。
カバー上部120の下方には、カバー中部121が形成されている。カバー中部121は、車幅方向外側に膨出している。カバー中部121は、前面カバー72の側部から後上方に延びており、インナーカバー71の被覆部103の上部103c(図6参照)を覆う。カバー中部121は、図3に示す側面視では上下の幅が、前方が幅広で後方が幅狭になっている。
側面カバー73の内面には、下縁122aの周りに被締結部(固定部)123が設けられている。被締結部123は、側面カバー73のカバー下部122において、前方部122bと上部122dと後方部122cとに設けられている。被締結部123には、インナーカバー71の車幅方向内側から挿通される締結部材69(図6参照)が締結される。側面カバー73は、インナーカバー71に、後方膨出部102の周りで固定される。
さらに、側面カバー73の内面には、カバー中部121の上端前部と、カバー上部120の前端とに、被締結部125が設けられている。被締結部125には、前面カバー72を車幅方向内側から挿通する締結部材69b(図6参照)が締結される。よって、側面カバー73が前面カバー72に支持される。
側面カバー73のカバー上部120の車幅方向の内端部には、車幅方向内側に突出する前後一対の固定部126、128が形成されている。前側の固定部126は、燃料タンク38のフロントステー127に固定される。フロントステー127は左右に延びるブリッジ状であり、タンク上部80の前面に固定されている。
後側の固定部128は、燃料タンク38のトップステー130に固定される。トップステー130は、フューエルリッド38bの後方に左右一対設けられている。
さらに、側面カバー73の後部内端には、固定部131が形成されている。固定部131は、締結部材67aで燃料タンク38の後部取付ステー86に固定される。
なお、側面カバー73のカバー下部122の下縁122aは内側に湾曲しており、インナーカバー71の突出リブ133(図6参照)に下方から引っ掛かって係合している。
側面カバー73はインナーカバー71と燃料タンク38に固定されており、組み付けの精度を出し易く、剛性を持たせながら支持することができる。このため、側面カバー73を、燃料タンク38に支持されるトップカバー76と係合させ易くできる。
長手部140の内面には、カバー内面から突出した装着爪部142が形成されている。装着爪部142は、カバー内面から内側に突出した後、前方に延びたL字状に形成されている。装着爪部142は、側面カバー73のカバー中部121の下部に設けられた装着口143(図7参照)に装着される。
装着爪部142の後方には、カバー内面から車幅方向内側に突出するボス144が形成されている。ボス144は、側面カバー73の前部に設けられた係合孔145(図7参照)に嵌められる。
前側面カバー74は、側面カバー73に対して装着される際に、上縁140aが凹溝149に嵌められ、装着爪部142が装着口143に挿入される。そして、ボス144が側面カバー73の係合孔145に嵌められ、側面カバー73に対して仮止めされる。装着口143や、係合孔145は、前側面カバー74で覆われる。
前側面カバー74の下方延出部141の内面には、後上と前下の2か所に、被締結部148が形成されている。被締結部148には、インナーカバー71の車幅方向内側から挿通される締結部材69(図7参照)が締結される。これにより、前側面カバー74は、インナーカバー71に固定される。
よって、前側面カバー74は、インナーカバー71に支持されるので、組み付けの精度を出し易く、剛性を確保しながら支持することができる。
また、カバー上部150の下面には、下方に突出する係合リブ(係合部)154が形成されている。係合リブ154は、前後方向に延びている。係合リブ154は、側面カバー73の車幅方向内端に設けられた係合孔155に嵌る。係合孔155は、側面カバー73の前側の内端縁部155aに長孔状に形成されている。内端縁部155aは、トップフロントカバー75で上方から覆われる。このようにして、トップフロントカバー75は、左右一対の側面カバー73と接続される。
トップフロントカバー75のカバー上部150の前方には、左右一対の凹状の固定部156が形成されている。固定部156には締結部材67bが上方から挿通され、フロントステー127(図8参照)に固定される。このとき、側面カバー73の固定部126は、トップフロントカバー75の固定部156で覆われる。トップフロントカバー75と、側面カバー73とが、締結部材67bにより、燃料タンク38に対して共締めされる。
カバー上部150の後方には、図8に示すように、左右に延びる板状のステー部157を備える。ステー部157は、トップステー130に固定される。
したがって、トップフロントカバー75は、燃料タンク38と、インナーカバー71に支持される側面カバー73と、の間で支持されており、組み付けの精度を出し易く、剛性を確保しながら支持することができる。
トップカバー76は、燃料タンク38の上方に配置される。トップカバー76は、フューエルリッド38bの後方から燃料タンク38の後端まで延出する。トップカバー76は、燃料タンク38に支持され、側面カバー73と係合する。
図9に示すように、トップカバー76の下面(内面)には、トップカバー76の下面から下方に突出する左右一対の差込リブ(係合部)160が形成されている。差込リブ160は、前後方向に間隔を空けて複数形成されている。差込リブ160は、側面カバー73の車幅方向内端に設けられた係合孔161(図8参照)に嵌る。係合孔161は、側面カバー73の後側の内端縁部161aに長孔状に形成されている。後側の内端縁部161aは、トップカバー76で覆われる。このようにして、トップカバー76は、左右一対の側面カバー73と接続される。
トップカバー76の後端部には、固定部163が形成されている。固定部163には締結部材67aが上方から挿通され、燃料タンク38の後部取付ステー86に固定される。
車体フレーム10に組み付ける前のインナーカバー71に対して、側面カバー73、前側面カバー74、前面カバー72を、この順に組み付ける。これらのカバー72〜74の組み付けの際には、車幅方向内側から締結部材69、69a、69b、69cで締結する。各カバー72〜74は、インナーカバー71を基点として位置決めされながら、インナーカバー71に固定される。このため、互いのカバー71〜74の組み付けの精度を出し易くなっている。また、各カバー72〜74は、それぞれが、インナーカバー71と重複しているため、カバーが多重形状となり、タンクカバー43の剛性が確保される。
組み付けの基点となるインナーカバー71は、インナーカバー支持部70と燃料タンク38とに固定されるため、インナーカバー71は、剛性を確保し易く、組み付けが安定する。インナーカバー71は剛性が確保されているため、インナーカバー71に組み付けられる他のカバーの剛性を確保することもできる。
これにより、タンクカバー43の取り付けが完了する。
タンクカバー43は、図11に示すように、複数の開口170、176を備えており、前方から走行風が取り込まれる。
前面カバー72の前面72aの下部には、前後方向に貫通する開口170が形成されている。開口170の後部には後方に延びる筒部171が形成されている。筒部171の後方には、インナーカバー71の被覆部103の上部103cが位置する。図12に示すように、上部103cには、車幅方向内側に凹んだU字状の第1の凹部173が形成されている。第1の凹部173は前後方向に延びている。第1の凹部173の開放端側は、側面カバー73で覆われている。被覆部103の上部103cの第1の凹部173と、側面カバー73とによって包囲された空間により、走行風が導風される第1の導風路174が形成される。
また、インナーカバー支持部70とは別体のルーバー部材93は、右延出部92の開口部92a、ルーバー部92bに対応して、開口部93a、ルーバー部93bを備える。開口部90a〜93aや、ルーバー部90b〜93bは、エンジン11のシリンダ部32の上部に位置している。インナーカバー支持部70とルーバー部材93を通過した走行風はエンジン11のシリンダ部32を冷却可能である。
インナーカバー71には、開口部183の車幅方向内側に、開口部185が形成されている。開口部185には、ルーバー部186が形成されている。開口部185では、インナーカバー71の内側から外側に走行風を排出可能である。
燃料タンク38は、取付部88を介して、左右一対のシートフレーム19に固定されている。取付部88は、左右のシートフレーム19間に跨る板状のクロスメンバ部88aを備える。クロスメンバ部88aの左右両端には、タンク固定部88bが設けられている。タンク固定部88bには、燃料タンク38の後部取付ステー86が、ラバー87を介してタンク固定具65(図4参照)により固定されている。
受け部191は、シートフレーム19の上端に固定された一端部191aを備える。受け部191は、一端部191aから車幅方向外側に向かって斜め上方に延びる一側部191bを備える。一側部191bの車幅方向外端には、上下方向に延びる本体部191cが形成されている。本体部191cの下端には、車幅方向内側に延びた後、シートフレーム19の側部に向かって傾斜して延びる他側部191dが形成されている。他側部191dの先端の他端部191eは、シートフレーム19の側部に固定されている。
シート底板190の前端部には、左右一対の差込部193が形成されている。差込部193は、受け部191とシートフレーム19で囲まれた係合空間192に差し込まれ、受け部191の本体部191cに係合する。
差込部193は、シート底板190の外側壁190aに支持された基部194を備える。基部194は、シート底板190から下方に突出している。基部194の下端部には、差込部本体195が形成されている。差込部本体195は、車幅方向内側に曲がった後に前方に延びている。
シート底板190の差込部193は剛性が高くなっている。剛性が低い場合には、差込部193が係合空間192に進入しない状態で受け部191に接触などして、差込部193が変形する場合がある。これに対して、差込部193が断面L字状の本実施形態では、差込部193の剛性が高いため、差込部193が係合空間192に進入する場合にのみ、差込部193が受け部191の本体部191cに係合して、シート底板190が装着され易くなっている。したがって、本実施の形態では、適切にシート14の装着が行われ易くなっている。
例えば、本発明は、自動二輪車1に適用する場合に限らず、自動二輪車以外も含む鞍乗型車両にも適用可能である。なお、鞍乗型車両とは、車体に跨って乗車する車両全般を含み、自動二輪車(原動機付き自転車も含む)のみならず、ATV(不整地走行車両)に分類される三輪車両や四輪車両を含む車両である。
15 ヘッドパイプ
16 メインフレーム
18 ダウンフレーム
38 燃料タンク
38b フューエルリッド
43 タンクカバー
70 インナーカバー支持部
71 インナーカバー
72 前カバー
73 側面カバー
74 前側面カバー
75 フロントカバー
76 トップカバー
80 上部材
80a 開放端
81 下部材
81a 開放端
95 上下合わせ面
100、102 露出部位
103a 延出部位
123、124 固定部
160 係合部
173、177 凹部
Claims (11)
- 燃料タンク(38)と、該燃料タンク(38)の外周に設けられるタンクカバー(43)と、を備え、前記タンクカバー(43)が複数のカバーからなる鞍乗り型車両のタンクカバー構造において、
前記タンクカバー(43)を構成する複数のカバーのうち、前記燃料タンク(38)の側方に位置する側面カバー(73)と、該側面カバー(73)の内側に位置するインナーカバー(71)と、を備え、
前記インナーカバー(71)は、前記燃料タンク(38)の側面に位置し、車体に支持されており、
前記側面カバー(73)は、少なくとも前記インナーカバー(71)と重なる位置で、該インナーカバー(71)に固定する固定部(123、124)を備えることを特徴とする鞍乗り型車両のタンクカバー構造。 - ヘッドパイプ(15)を有するフレーム部材(10)を備え、
該フレーム部材(10)は、前記ヘッドパイプ(15)から後方に延出するメインフレーム(16)と、前記ヘッドパイプ(15)から下方に垂下するダウンフレーム(18)と、を備え、
前記燃料タンク(38)は、前記メインフレーム(16)の上方に位置し、
前記インナーカバー(71)は、前記燃料タンク(38)の後部から前方に延出し、前記ダウンフレーム(16)をこえて前方に延出する延出部位(103a)を備えることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗り型車両のタンクカバー構造。 - 前記ダウンフレーム(18)に固定され左右に延出するインナーカバー支持部(70)を備え、
前記インナーカバー(71)は、前記インナーカバー支持部(70)と前記燃料タンク(38)の下部(83)とで支持されることを特徴とする請求項2に記載の鞍乗り型車両のタンクカバー構造。 - 前記燃料タンク(38)は、おわん状の上部材(80)と下部材(81)の開放端(80a、81a)同士を合わせて構成し、
前記インナーカバー(71)は、前記燃料タンク(38)の上下合わせ面(95)に沿って前記下部材(81)の側方に沿って配設され、前記燃料タンク(38)の前記上部材(80)の側方に前記側面カバー(73)が延出して覆うことを特徴とする請求項3に記載の鞍乗り型車両のタンクカバー構造。 - 前記ダウンフレーム(18)に固定され左右に延出するインナーカバー支持部(70)を備え、
前記タンクカバー(43)は、前記インナーカバー(71)の前部上方に左右一対の前カバー(72)を備え、
該前カバー(72)は、前記インナーカバー支持部(70)と前記インナーカバー(71)に支持されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の鞍乗り型車両のタンクカバー構造。 - 前記燃料タンク(38)の上面を覆うトップカバー(76)を備え、
該トップカバー(76)は、前記燃料タンク(38)の上面に形成されるフューエルリッド(38b)の後方から前記燃料タンク(38)の後端まで延出し、前記燃料タンク(38)に支持され、前記側面カバー(73)と係合する係合部(160)を有することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の鞍乗り型車両のタンクカバー構造。 - 前記燃料タンク(38)の前方を覆うフロントカバー(75)を備え、
該フロントカバー(75)は、前記燃料タンク(38)の上面に形成されるフューエルリッド(38b)の外周から左右一対の前カバー(72)の間を通って前記インナーカバー支持部(70)まで前方に延出し、前記燃料タンク(38)上面に固定され、左右一対の前記前カバー(72)と係合することを特徴とする請求項5または6に記載の鞍乗り型車両のタンクカバー構造。 - 前記側面カバー(73)は、前記燃料タンク(38)の上部材(80)の側面を覆い、前記インナーカバー(71)と前記前カバー(72)と前記燃料タンク(38)の後部(86)とに固定され、前記トップカバー(76)と係合することを特徴とする請求項6に記載の鞍乗り型車両のタンクカバー構造。
- 前記側面カバー(73)の前部下方に位置し、前記インナーカバー(71)に支持される前側面カバー(74)を備え、該前側面カバー(74)は、前記インナーカバー(71)に支持されることを特徴とする請求項8に記載の鞍乗り型車両のタンクカバー構造。
- 前記インナーカバー(71)には前後に指向する凹部(173、177)が形成され、該凹部(173、177)は前記側面カバー(73)もしくは前記前側面カバー(74)の内側に位置することを特徴とする請求項9に記載の鞍乗り型車両のタンクカバー構造。
- 前記インナーカバー(71)は外観露出する露出部位(100、102)を備えることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載の鞍乗り型車両のタンクカバー構造。
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