JP2017176066A - 乳含有飲食品用の経時劣化抑制剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】特別な処理が必要となる原料を用いることなく、原料として乳脂を減量し植物油脂を添加することや、トコフェロール、アスコルビン酸のような酸化防止剤を多種類添加することもなく、乳含有飲食品において、風味を損なわず、経時的に発生する不快な臭いを低減させる経時劣化抑制剤を提供する。【解決手段】一般に風味剤として添加される海藻エキスによって、乳含有飲食品の風味を損なうことなく、経時劣化を抑制する経時劣化抑制剤。【選択図】なし

Description

本発明は、乳含有飲食品における経時劣化、更に詳しくは容器に充填された、乳及び乳成分を含有する飲食品において、流通および販売の過程で紫外線や照明光によって劣化し不快な臭いを発する光劣化を抑制する乳含有飲食品の経時劣化抑制剤に関する。
乳および乳成分を含有する加工食品などの乳含有飲食品は多くの種類があり、直接飲用する生乳のほかにも、コーヒー、紅茶、抹茶や果汁などと乳を混合させたラテ飲料や、ケーキやゼリーなどのデザートの飾り付けにホイップして使われるクリームなど、広く知られている。
しかしながら、これらの乳含有飲食品は、時間を経るとともに、独特の不快臭が発生することがある。この不快臭は、乳製品中に含まれるメチオニンがリボフラビン(ビタミンB2)の触媒作用により、メチオナールへ変化し、さらにこのメチオナールがメルカプタン類、スルフィド類に変化することで、メチオナール、メルカプタン類、スルフィド類の複合的な臭いとして発生するものと考えられている。
特に、紫外線や蛍光灯などの照明光は、メチオニンからメチオナールへの変化を促進するため、発生した不快臭は日向臭とも言われることがあり、嗜好の観点からこの臭いを抑制するような劣化抑制法が望まれていた。
このような劣化の抑制方法としては、メチオナールへの変化を促進する光を遮蔽することが考えられるが、包装容器の選択の余地を減らすとともに、包材コストの上昇を招き好ましくない。
そこで、この課題について、包材に頼る以外の方法で多くの解決法が検討されてきた。たとえば、クリームにおいて、原料として、乳原料にかえて膜処理によりビタミンB2などを除去した乳タンパク質濃縮物を用いる方法(特開平11−243893号公報)、特定の酸化防止効果のある物質を選択し、これと特定量のゼラチンを組み合わせて用いる方法(特開2011−152082号公報)、乳飲料に、乳脂などの脂肪分に代えて、ヤシ油、ヒマワリ油およびそれらの混合物を一定量以上用いる方法(国際公開第2012/124615号)、トコフェロール(又はその誘導体)と、アスコルビン酸(又はその誘導体)および/またはカロテノイドの併用添加またはそれらとトレハロースの併用添加による方法(特開2002−78447号公報)などが知られている。
特開平11−243893号公報 特開2011−152082号公報 国際公開第2012/124615号 特開2002−78447号公報
しかしながら、特別な処理が必要となる原料を用いる方法は一般的ではないし、原料として乳脂を減量し植物油脂を添加することや、トコフェロール、アスコルビン酸のような酸化防止剤を多種類添加することは、乳含有飲食品の風味を損なうことがあり、好ましいとは言えなかった。
したがって、これらの方法によってもなお、課題は完全には解決しえず、さらなる解決法が望まれていた。
つまり、本発明の課題は、乳含有飲食品において、風味を損なわず、経時的に発生する不快な臭いを低減させる経時劣化抑制剤を提供することである。
本発明者らは、意外なことに、一般に風味剤として添加されるエキスによって、この経時劣化の反応機構が阻害されることを見出し、さらには、乳含有飲食品の風味を損なうことがないエキスとしての利点も併せ持った経時劣化抑制剤として作用することを見出し、本発明を完成させるに至った。
つまり、本発明は以下の通りである。
第一に、海藻エキスを有効成分とする乳含有飲食品用の経時劣化抑制剤である。
第二に、前記海藻エキスが、コンブ目コンブ科コンブ属の海藻のエキスである上記第一に記載の経時劣化抑制剤である。
第三に、海藻エキスのほかに還元澱粉糖化物を含有する、上記第一または第二に記載の経時劣化抑制剤である。
第四に、上記第一から第三のいずれか一つに記載の経時劣化抑制剤を添加した乳含有飲食品である。
第五に、上記第一から第三のいずれか一つに記載の経時劣化抑制剤を添加することによって、乳含有飲食品において光劣化で発生したメチオナールに起因する不快臭を抑制する方法である。
第六に、還元澱粉糖化物を含む、乳含有飲食品の経時劣化抑制用の海藻エキスである。
本発明において、経時劣化抑制剤に含まれる海藻エキスは、海藻を原料とし、食品用途として問題ない範囲の溶媒による抽出、つまり水抽出、エタノール抽出など、従来知られた方法で抽出したエキスを用いることができる。なかでも好適なのは水抽出であり、さらに5〜40℃の水又は温水での抽出が好適である。原料となる海藻としては、マコンブ、リシリコンブ、オニコンブ、ミツイシコンブ、ジャイアントケルプ、ガゴメ、トロロコンブ、アカモク、アイヌワカメ、ワカメ、ヒジキなどが挙げられ、好ましくは、マコンブ、リシリコンブ、オニコンブ、ミツイシコンブを含む、コンブ目コンブ科コンブ属の海藻を用いる。特に、マコンブを使用し、水、温水又は熱水により抽出したエキスが乳含有飲食品との風味の相性の上で好ましい。なお、コンブ目コンブ科コンブ属の海藻は、食品用途として、産地・等級などで区分されているが、本発明においては、産地や等級は限定されない。
海藻エキスの製造法の一態様について詳述すると、5〜40℃の水又は温水で抽出した海藻エキスを固形分濃度30〜60重量%に濃縮し、不溶成分を遠心分離、濾過などにより除去して製造することができる。
さらに、上記のようにして得た海藻の濃縮エキスに還元澱粉糖化物を添加すると、経時劣化抑制剤としてより望ましい。これは、海藻エキスは時間経過とともに海藻エキス由来の沈殿物を生じる可能性があるためで、還元澱粉糖化物を添加することで安定化する。また、還元澱粉糖化物の添加により、舌触り、味・臭いの面でも風味剤として好ましいものとなり、乳含有飲食品の風味にとって好適なものとなる。
好ましくは、不溶成分を除去した後の濃縮海藻エキスの固形分100重量部に対し、還元澱粉糖化物の固形分100〜400重量部となるように添加すると安定性の面から好ましく、添加量が100重量部未満である場合には、安定化効果を得づらいし、添加量が400重量部を超える場合には、還元澱粉糖化物の甘味がしてしまい好ましくない。より好ましくは、濃縮海藻エキスの固形分100重量部に対し、還元澱粉糖化物の固形分が200〜400重量部である場合であり、特に好ましいのは、濃縮海藻エキスの固形分100重量部に対し、還元澱粉糖化物の固形分が300〜400重量部となるよう添加する場合である。
経時劣化抑制剤の一態様として還元澱粉糖化物を添加する場合、添加する還元澱粉糖化物は重合度4以上の糖の還元物を50〜80重量%含有しているものが好ましく、その還元澱粉糖化物の平均分子量は800〜1600、より好ましくは1000〜1500であるものが好ましい。市販の還元澱粉糖化物の中でも、PO−20(三菱商事フードテック社製)などが好適である。
この還元澱粉糖化物に含有される重合度4以上の糖の還元物の含有量が50%未満である場合には還元澱粉糖化物の中に含有される低分子量の糖アルコールの量が相対的に増加してしまい、ひいてはこれを添加して得た経時劣化抑制剤も甘味度が増加し、好ましくない。
また、重合度4以上の糖の還元物の量が80%を超えて該還元澱粉糖化物中に含有される場合には、これを添加して得た経時劣化抑制剤において、海藻の独特の匂いが軽減されるなどの利点はあるが、該還元澱粉糖化物自体が老化現象により液の濁りを生ずるなどの不都合を生じ、更にこれを添加して得た経時劣化抑制剤にも液の濁りなどの不都合を生ずるために好ましくない。
なお、本発明における還元澱粉糖化物に含有される重合度4以上の糖の還元物の含有量は液体カラムクロマトグラフィーで求めることが出来る。詳細には、RI式の検出器を備えた液体カラムクロマトグラフィーシステムを用いて、溶離液を純水とし、流量0.8ml/分でSC−1011(昭和電工社製)のカラムにより分析した糖組成から求める。得られたピークの面積により、重合度1〜3の糖の比率を求め、残部を重合度4以上の糖の還元物として、含有量を算出する。
さらに、該還元澱粉糖化物の平均分子量が800未満である場合はその平均分子量が小さくなるにつれて甘味の鋭さが増大し、甘味度も砂糖の40〜50%以上と高くなり、粘度が低下する傾向がある。従って、これを添加して得た経時劣化抑制剤も甘味度が増加し、乳含有飲食品に添加する際に、不要な甘味がするため好ましくない。
該還元澱粉加水分解物の平均分子量が1600よりも大きい場合には、糊臭いことが使用を困難にしているが、還元澱粉糖化物を製造する上で粘度が高いことなどから殆ど製造されておらず、入手が困難なことも本発明に使用することが好ましくない理由として挙げられる。
ここで、本発明における還元澱粉糖化物の平均分子量は液体カラムクロマトグラフィーで求めることが出来る。詳細には、RI式の検出器を備えた液体カラムクロマトグラフィーシステムを用いて、溶離液を純水とし、流量1.0ml/分でMCIGEL CK02AS(三菱化学社製)のカラムにより分析した糖組成から求める。得られたピークの面積により、各重合度の糖の比率を求め、各重合度の糖アルコールの分子量によって加重平均をすることで求める。
なお、海藻エキスと還元澱粉糖化物を含む経時劣化抑制剤を、メチオニンとリボフラビン(ビタミンB2)のみからなるモデル試験系に添加し、8000ルクスの光照射下で1日間の冷蔵保存試験を行うと、経時劣化抑制剤を添加しなかった対照区で生成されるメチオナール、ジメチルジスルフィド、ジメチルトリスルフィドなどの不快臭を発する成分について、経時劣化抑制剤の添加量に応じてその生成量が異なることがわかった。
つまり、経時劣化抑制剤を添加しなかった対照区では、メチオニンはメチオナールへと変化し、さらには酸化分解をへて、ジメチルジスルフィド、ジメチルトリスルフィドが生成されるが、メチオナール、ジメチルジスルフィド、ジメチルトリスルフィドの中でも特にジメチルジスルフィドが多く生成されていた。一方、経時劣化抑制剤を添加した区では、添加量が多いほど、メチオナールの生成量が増えており、ジメチルジスルフィドの生成量は少なかった。これはつまり、経時劣化抑制剤はその作用機構は不明だが、何らかの成分が、メチオニンがメチオナールに変化したのちの、メチオナールからジメチルスルフィド、ジメチルトリスルフィドに酸化分解する過程を抑制していることが考えられ、その効果は濃度依存的であることが明らかとなった。
さらに、本発明の経時劣化抑制剤の添加量は、乳含有飲食品100重量部に対して、好ましくは0.01〜2重量部、さらに好ましくは0.03〜1重量部である。
ここで本発明における乳とは、牛乳、山羊乳、羊乳などの動物由来の乳や大豆の搾汁である豆乳などの植物由来の乳であっても良いが、好ましくは牛の乳由来の乳で効果が得やすい。牛の乳由来であればいずれのものでもかまわず、生乳や加工乳、乳製品と呼ばれるクリーム、濃縮乳、粉乳など、乳の成分を含んでいれば乳含有飲食品とするものとする。つまり、本発明における乳含有飲食品は、生乳や調整乳、加工乳、クリーム、発酵乳、乳酸菌飲料といった乳および乳製品並びにこれらを主要原料とする食品のみならず、食品表示上は清涼飲料水やコーヒー飲料とあらわされるような、乳等を成分として含む飲料なども含まれるものである。本発明における効果として抑制される経時劣化による不快臭は、飲料のような液体に近い飲食品のほうが感じやすいため、乳含有飲食品として、飲料の形態をとる飲食品で、より効果を感じやすい。
このような乳含有飲食品に対し、本発明の経時劣化抑制剤の添加量が0.01重量部未満であるときは、経時劣化による不快臭の発生を抑制することができないし、添加量が2重量部より多くなると、経時劣化抑制剤に含まれる海藻エキスの旨み、海藻の生臭さを強く感じてしまい、乳含有飲食品における味のバランスの観点から好ましくない。
以下に実施例を挙げて更に具体的に本発明について説明する。
以下のようにして本発明に係る発明品1〜6を作成した。
<発明品1>
原料海藻として中国産マコンブ(コンブ目コンブ科コンブ属マコンブ)の乾燥品を30cm×10cm程度にカットして準備した。温度30℃の水をビーカーに満たし、カットした原料海藻を投入して温度30℃に設定したウォーターバス内にて抽出を行った。抽出後、投入した原料海藻を取り出し、原料海藻が吸水した水の重量を計測して、該重量分の水で取り出した原料海藻をリンスし、原料海藻の表面に微量に付着している抽出エキスを回収したのちに、このリンス水をビーカーに追加した。続いて、このビーカーにさらに30cm×10cm程度の同種の別の原料海藻を投入し、1回目の抽出と同様に温度30℃にて2回目の抽出を行った。抽出後は1回目の抽出と同様、原料海藻をリンスし、リンス水を回収して、希薄海藻エキスを得た。この希薄海藻エキスの固形分濃度は4〜6%であり、さらにこの希薄海藻エキスを、ロータリーエバポレーターRE71(ヤマト科学社製)を用いて、温度60℃の減圧化の条件下にて固形分濃度30%まで濃縮し、経時劣化抑制剤となる海藻エキスを得た。
<発明品2>
発明品1の海藻エキス35重量部に、平均分子量が1300で、重合度4以上の糖の還元物をその固形分中に67重量%含有する固形分濃度71.5%の還元澱粉糖化物(商品名PO−20、三菱商事フードテック社製)55重量部を添加して、経時劣化抑制剤となる海藻エキスを得た。
<発明品3>
原料海藻として北海道産養殖2等リシリコンブ(コンブ目コンブ科コンブ属リシリコンブ)の乾燥品を用いた以外は、発明品1と同様に抽出・濃縮を行い、経時劣化抑制剤となる海藻エキスを得た。
<発明品4>
発明品3の海藻エキスに、発明品2同様、還元澱粉糖化物(商品名PO−20)を添加して、経時劣化抑制剤となる海藻エキスを得た。
<発明品5>
原料海藻として北海道産養殖1等ラウスコンブ(コンブ目コンブ科コンブ属オニコンブ)の乾燥品を用いた以外は、発明品1と同様に抽出・濃縮を行い、経時劣化抑制剤となる海藻エキスを得た。
<発明品6>
発明品5の海藻エキスに、発明品2同様、還元澱粉糖化物(商品名PO−20)を添加して、経時劣化抑制剤となる海藻エキスを得た。
(抹茶ラテ)
水に砂糖、安定剤(商品名ホモゲンNo.7127P、三栄源エフエフアイ社製)、乳化剤(商品名ホモゲンNo.8700P、三栄源エフエフアイ社製)の粉末混合物を加え、80℃で10分間加熱撹拌したのち、抹茶、牛乳、全粉乳、アスコルビン酸ナトリウム、経時劣化抑制剤となる発明品の海藻エキスまたは市販の昆布エキスを加え撹拌溶解した。配合は、表1〜表2に示すとおりであり、全量で100重量部となるよう、残部は水を加えた。
その後、8000rpmに設定したホモミキサー(型式:ホモミキサーMARK II 2.5型、特殊機化工業社製)で5分間均質化し、さらに75℃まで加熱し、200barに設定したホモゲナイザー(型式:TwinPanda 600型、GEA Niro Soavi社製)で試料500g当り1分間の均質化を2回行ったのちに香料及び色素を添加し、100mlずつ耐圧・耐熱ビンに充填後、121℃、20分間レトルト殺菌して抹茶ラテサンプルを得た。なお、乳含有飲食品である抹茶ラテ100重量部に対する経時劣化抑制剤の量も表1〜表2に、配合とともに示した。
なお、経時劣化抑制剤となる海藻エキスは、発明品1〜6(実施例1−1〜1−6)および、市販の昆布エキス(実施例1−7〜1−9)を用いた。実施例1−7〜実施例1−9で用いた市販昆布エキスは、マコンブの温水抽出物と還元澱粉糖化物を含むコンブエキスB5(三菱商事フードテック社製)である。
また、経時劣化抑制剤を添加しなかった抹茶ラテサンプル(比較例1−1)および経時劣化抑制剤ではなく還元澱粉糖化物(商品名PO−20)のみを添加した抹茶ラテサンプル(比較例1−2)を用意した。
これらの抹茶ラテサンプルを8000ルクスの光照射下、3日間保存し、専門の味覚パネルにより風味を確認した。結果は、保存後に発生する不快臭を感じるものを×、不快臭は抑制されているがその臭いをまだ感じるものを△、不快臭が抑制されて臭いがわずかになっているものを○、不快臭が抑制されて臭いをほとんど感じないものを◎として、表1の下部に示した。
Figure 2017176066
Figure 2017176066
(いちごラテ)
あらかじめ、ペクチンを60℃の水で分散溶解後、常温まで冷却したペクチン溶液と、ストロベリーの果汁とクエン酸をクエン酸用に別途用意した水(クエン酸用水)に溶解させた、クエン酸溶液を準備した。配合は、表3に示したとおりであり、脱脂粉乳、クエン酸三ナトリウムを水に溶解し、茶漉しを用いてろ過をした濾過液に、このペクチン溶液を加え、十分混合した。さらにこの液に、砂糖、果糖ぶどう糖を添加し、低速に設定したホモミキサーで撹拌しながら、クエン酸溶液を加え混合した。さらに色素添加後、ホモゲナイザーで均質化を2回行った。最後に経時劣化抑制剤となる発明品の海藻エキスまたは市販の昆布エキスを加え、香料を添加し、93℃まで加熱したのち、100mlずつペットボトル容器にホットパック充填して、いちごラテサンプルを得た。なお、乳含有飲食品であるいちごラテ100重量部に対する経時劣化抑制剤の量も表3に示した。このいちごラテサンプルを実施例1と同様に保管後、風味を確認した。結果の表記は、実施例1と同様で、表3の下部に示した。
なお、経時劣化抑制剤となる海藻エキスは、発明品2、発明品4および発明品6を用い(実施例2−1〜2−3)、市販の昆布エキスはコンブエキスB5を用いた(実施例2−4〜2−6)。
また、経時劣化抑制剤を添加しなかったいちごラテサンプル(比較例2)を用意した。
Figure 2017176066
(動物性クリーム)
乳製品である動物性クリーム(商品名明治北海道十勝フレッシュ100、明治社製)をサンプルとして用意し、経時劣化抑制剤となる発明品の海藻エキスまたは市販の昆布エキスを加え透明ペットボトル容器に充填した。なお、乳含有飲食品である動物性クリーム100重量部に対する経時劣化抑制剤の量を表4に示した。この動物性クリームサンプルを実施例1と同様に保管後、風味を確認した。結果の表記は、実施例1と同様で、表4の下部に示した。
なお、経時劣化抑制剤となる海藻エキスは、発明品1〜4(実施例3−1〜3−4)を用い、市販の昆布エキスはコンブエキスB5を用いた(実施例3−5)。
また、経時劣化抑制剤を添加しなかった動物性クリームサンプル(比較例3)を用意した。
Figure 2017176066
(植物性クリーム)
乳等を主要原料とする食品である植物性クリーム(商品名ホイップ植物性脂肪、雪印メグミルク社製)をサンプルとして用意し、経時劣化抑制剤となる発明品の海藻エキスまたは市販の昆布エキスを加え透明ペットボトル容器に充填した。なお、乳含有飲食品である植物性クリーム100重量部に対する経時劣化抑制剤の量を表5に示した。このクリームサンプルを実施例1と同様に保管後、風味を確認した。結果の表記は、実施例1と同様で、表5の下部に示した。
経時劣化抑制剤となる海藻エキスは、発明品1〜4(実施例4−1〜4−4)を用い、市販の昆布エキスはコンブエキスB5を用いた(実施例4−5)。
また、経時劣化抑制剤を添加しなかったクリームサンプル(比較例4)を用意した。
Figure 2017176066
以上の結果より、本発明に係る経時劣化抑制剤により乳含有飲食品の風味を損なうことなく光劣化を抑制し、劣化によって発生した不快臭を抑制することができる。

Claims (6)

  1. 海藻エキスを有効成分とする乳含有飲食品用の経時劣化抑制剤。
  2. 前記海藻エキスが、コンブ目コンブ科コンブ属の海藻のエキスである請求項1に記載の経時劣化抑制剤。
  3. 海藻エキスのほかに還元澱粉糖化物を含有する、請求項1または2に記載の経時劣化抑制剤。
  4. 請求項1〜3のいずれか一つに記載の経時劣化抑制剤を添加した乳含有飲食品。
  5. 請求項1〜3のいずれか一つに記載の経時劣化抑制剤を添加することによって、乳含有飲食品において光劣化で発生したメチオナールに起因する不快臭を抑制する方法。
  6. 還元澱粉糖化物を含む、乳含有飲食品の経時劣化抑制用の海藻エキス。

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