JP2001346558A - 香味劣化抑制剤 - Google Patents

香味劣化抑制剤

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JP2001346558A JP2000171807A JP2000171807A JP2001346558A JP 2001346558 A JP2001346558 A JP 2001346558A JP 2000171807 A JP2000171807 A JP 2000171807A JP 2000171807 A JP2000171807 A JP 2000171807A JP 2001346558 A JP2001346558 A JP 2001346558A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 飲食品などの本来の香味に影響を与えること
なく、主として光、さらに熱や酸素などによる香味劣化
の抑制剤を提供することにある。 【解決手段】 シソ科メンタ属植物(Mentha)の精油成
分を含まない溶媒抽出物からなる香味劣化抑制剤。この
香味劣化抑制剤は、ミズハッカ、ペパーミントなどのシ
ソ科メンタ属植物を水、極性有機溶媒またはこれらの混
合物で抽出し、抽出物から精油成分を除去するか、前記
植物を水蒸気蒸留して精油成分を採取した残滓を水、極
性有機溶媒又はこれらの混合物で抽出して得られる。本
香味劣化抑制剤を飲食品や口腔衛生剤などに添加するこ
とによりこれらの香味劣化、特に光による香味劣化を抑
制することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、香味成分を含む食
品又は口腔衛生剤に広く適用することができる植物由来
の香味劣化抑制剤に関する。
【0002】
【従来の技術】飲料や食品あるいは歯磨き剤、口臭防止
剤のような口腔衛生剤(以下、食品等と称する)は口に
入った瞬間にその味と匂いが感じられるので、食品等の
香味は各種栄養成分と同様に重要な要素である。こうし
た食品等の香味は製造、流通、保存等の各段階で徐々に
劣化していくことはよく知られている。劣化に関係する
要因として、熱、光、酸素、さらには水等が挙げられ
る。そこで、従来、特に酸素による香味の劣化対策とし
て、酸素透過性を低くした合成樹脂製の容器や袋の開
発、また、脱酸素条件を組み入れた食品製造工程の導
入、さらには酸化防止剤の添加等が施されていたが、他
の劣化要因、特に光による劣化の対策はあまり考慮され
ていなかった。しかし、最近、店頭ディスプレイ時の商
品イメージアップのため透明ガラス容器入り食品、半透
明プラスチック容器入り食品、透明袋入り食品等の製造
・販売が増加しつつある。さらに、それらをコンビニエ
ンスストア等で長時間、蛍光灯下に陳列する販売形態が
一般的になってきた。従って、以前よりもさらに光の影
響を受けやすくなり、香味劣化などの結果を招くことに
なった。そこで、光による香味の劣化に対して特に大き
な抑制効果をもち、さらに加熱殺菌工程や加熱保存時の
熱による劣化抑制効果をも併せもつような手段を開発す
ることが必要となってきた。光による香味劣化は、香味
成分が光照射によって分解され芳香・美味が消失し、ま
た更に分解物が悪臭・異味成分に転化することにより生
じる。こうした光による劣化を主に抑制するために、ル
チン、モリン又はケルセチンを添加して悪臭・異味物質
の発生を防止し保存性の向上を図った乳含有酸性飲料
(特公平4−21450号公報)やコーヒー生豆抽出物
由来のクロロゲン酸、カフェー酸、フェルラ酸と、ビタ
ミンC、ルチン、ケルセチンとを併用して日光によるフ
レーバー劣化を防止する方法(特開平4−27374号
公報)、また、天然物由来の香料組成物にコーヒー豆由
来のクロロゲン酸を添加して天然香料の劣化防止を図る
方法(特開平4−345693号公報)が提案されてい
る。しかし、従来技術における天然物由来の劣化抑制剤
については、一般的に安全性が高く推奨できるが、その
一方で、香味の劣化抑制効果を奏するためにはある程度
多量に使用する必要があり、その結果、劣化抑制剤自体
が有している味や匂いが食品そのものの味や香りに悪影
響を与えるなど実用性に欠ける点があった。 なお、光透
過性を抑えた容器や袋を用いる食品等の包装手段改良に
よる劣化抑制方法も提案されているが、これもコストと
香味劣化抑制効果の両面から考えると十分ではなかっ
た。従って、食品等に添加した場合に安全性が高く、食
品等本来の香味に影響を与えることなく少量の使用で十
分な効果を奏し、かつ経済性に優れた香味劣化の抑制手
段として、新たな天然物由来の劣化抑制剤が要望されて
いた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
技術における問題点を解決し、安全性が高く、しかも食
品等本来の香味に影響を与えることない香味劣化抑制剤
の提供、すなわち、食品等の製造、流通、保存等の各段
階で主として光、さらに熱や酸素等の影響による香味の
劣化を抑制する香味劣化抑制剤、当該抑制剤を所定量添
加してなる品質の安定した食品等並びに当該抑制剤を所
定量添加して香味の劣化を抑制し食品などの品質の安定
を図る方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、植物を中
心とする多種多様の天然物由来の成分について香味劣化
抑制活性を鋭意検討した結果、特定の植物の溶媒抽出物
を使用することにより長期間、光に対しては顕著に、さ
らに熱、酸素等による食品等の香味劣化を抑制できるこ
とを見い出し、本発明を完成した。すなわち、本発明
は、シソ科メンタ属植物(Mentha)の精油成分を含まな
い溶媒抽出物からなることを特徴とする香味劣化抑制剤
である。この溶媒抽出物は、シソ科メンタ属植物を水、
極性有機溶媒又はこれらの混合物で抽出し、該抽出物か
ら精油成分を除去するか、あるいはシソ科メンタ属植物
を水蒸気蒸留して精油を採取した残滓を水、極性有機溶
媒又はこれらの混合物で抽出することにより得られる。
本発明はさらに、上記の香味劣化抑制剤を0.01〜5
00ppm添加してなる食品又は口腔衛生剤である。さら
に本発明は、上記香味劣化抑制剤を食品又は口腔衛生剤
に0.01〜500ppm添加して香味劣化を抑制する方法
である。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。 (1) 原材料 本発明に使用するシソ科メンタ属植物(Mentha)の例と
しては、ミズハッカ(Mentha aquatica L.)、ペパーミ
ント(Mentha piperita L.)、ペニロイアルハッカ(Me
ntha pulegium L.)、マルバハッカ(Mentha rotundifo
lia (L.) Huds.)、オランダハッカ(Mentha spicata
L)、ベルガモットハッカ(Mentha citrata(Ehrh.)Br
iq.)またはこれらの変種などがあげられる。これらの
中でもペパーミント(Mentha piperita L.)やオランダ
ハッカ(Mentha spicata L)はハーブや香料として用い
られるなど、古くからの食経験があることから安全性が
確認されている。例えば、ペパーミントは古来ハーブと
して使用されており、精油や溶剤抽出物を香味剤として
種々な食品などに使用することは周知の事実である。ま
た最近は抗炎症薬、抗アレルギー薬としても有効である
と報告されているが(特開平7−330624号公報、
特開平8−73337号公報)、精油成分を除去した抽
出物に香味劣化抑制作用があるという報告はない。これ
らのシソ科メンタ属植物の茎(枝幹)、葉をそのまま抽
出し、抽出物から精油成分を除くか、あるいは茎(枝
幹)、葉をあらかじめ水蒸気蒸留して精油成分を除去し
た残滓を後述の抽出処理に付すことにより溶媒抽出物が
得られる。溶媒抽出物を活性炭や吸着樹脂で処理するこ
とにより精油成分を除去することができる。また、後述
する溶媒抽出物の精製法を適用することにより精油成分
を除去することもできる。上記シソ科メンタ属植物の溶
媒抽出物は香味の劣化抑制に優れた効果を奏するが、抽
出物中の特にポリフェノール類がその作用の中心的役割
を果たしていると推測される。従って、上記以外の天然
物であってもポリフェノール類を比較的多量に含有する
天然物であればその溶媒抽出物も同様の効果を期待でき
ると考えられる。
【0006】(2) 抽出処理 溶媒 抽出処理に使用する溶媒は、水、極性有機溶媒又はこれ
らの混合物である。極性有機溶媒としては、アルコー
ル、アセトン、酢酸エチル等が挙げられる。 中でも人体
への安全性と取扱性の観点から水又はエタノール、プロ
パノール、ブタノールのような炭素数2〜4の脂肪族ア
ルコールが好ましい。特に水又はエタノール又はこれら
の混合物が好ましい。なお、抽出の前処理としてヘキサ
ン等の非極性溶剤で予め脱脂処理をしておけば、後の抽
出処理時に余分な脂質が大量に入り込むことを防止でき
るので好ましい。また、この脱脂処理で結果的に脱臭等
の精製ができる場合がある。
【0007】 抽出 抽出処理方法としては、前記各種植物を粉砕したものを
溶媒中に入れ、浸漬法又は加熱還流法で抽出する。な
お、浸漬法による場合は加熱条件下、室温又は冷却条件
下のいずれであってもよい。次いで、溶媒不溶物を除去
して抽出物を得るが、不溶物除去方法としては遠心分
離、濾過、圧搾等の各種の固液分離手段を用いることが
できる。得られた抽出物はそのままでも食品等に添加し
て使用できるが、例えば水、エタノール等の食品用溶剤
で適宜希釈して使用することもできる。また、さらに凍
結乾燥や濃縮して粉末状、ペースト状の抽出エキスとし
ても使用できる。
【0008】 精製 上記方法で得られた抽出物はもちろんそのままで食品等
に添加して使用できるが、かかる抽出物は着色状態や匂
いを有している場合があるので、多孔性の、例えばスチ
レン−ジビニルベンゼン共重合体からなる合成樹脂吸着
剤を用いて水又はエタノール水溶液溶出画分に分画して
得られる精製物が脱色及び脱臭されているので好まし
い。精製用の合成樹脂吸着剤としては、例えば三菱化学
株式会社製「ダイヤイオンHP−20(商品名)」やオルガ
ノ株式会社製「アンバーライトXAD−2(商品名)」が
市販されており入手可能である。また、場合によって
は、イオン交換樹脂或いは活性炭を使用して精製、即ち
脱色、脱臭することも可能である。シソ科メンタ属植物
の溶媒抽出物の場合は精製によって活性が向上するとと
もに精油成分を除去できる利点がある。
【0009】(3) 用法 上記の抽出処理で得られる香味劣化抑制剤は食品等の加
工段階で適宜添加することができる。添加量は、抑制剤
の濃度或いは食品等に含有されている香味成分の種類や
香味閾値によっても多少異なるが、一般的に食品等に対
して0.01〜500ppmの添加量が適当である。食品等
の本来の香味に影響を及ぼさない閾値の範囲内で添加す
る観点からは0.1〜30ppmが好ましく、特に0.1〜
10ppmが好ましい。
【0010】本発明の香味劣化抑制剤が適用される食品
などの例として下記のものが挙げられる。 飲料…コーヒー、紅茶、清涼飲料、乳酸菌飲料、無果汁
飲料、果汁入り飲料、栄養ドリンクなど。 菓子類…ゼリー、プリン、ババロア、キャンディー、ビ
スケット、クッキー、チョコレート、ケーキ類など。 フライ食品…即席(フライ)麺類、とうふの油揚(油
揚、生上、がんもどき)、揚かまぼこ、てんぷら、フラ
イ、スナック類(ポテトチップス、揚あられ類、かりん
とう、ドーナッツ、調理冷凍食品(冷凍コロッケ、エビ
フライ等)。 油脂及び油脂加工食品及び油脂を原料とする食品…食用
油脂(動物性油脂、植物性油脂)、マーガリン、ショー
トニング、マヨネーズ、ドレッシング、ハードバター。 乳、乳製品、乳等を主原料とする製品…乳(生乳、牛
乳、加工乳等)、乳製品(クリーム、バター、バターオ
イル、濃縮ホエー、チーズ、アイスクリーム類、ヨーグ
ルト、練乳、粉乳、濃縮乳等)、乳等を主原料とする製
品。 口腔衛生剤…歯磨き、うがい薬、口中清涼剤、口臭防止
剤など。
【0011】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細
に説明するが本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。抽出例を以下のとおり示す。 抽出例1 水蒸気蒸留により精油成分を除いたペパーミントの乾燥
葉100gを1リットルの95%エタノールで2回抽出
(還流抽出1時間)した。ついで、2回の抽出液の合液
を、減圧濃縮したのち乾固し、抽出エキス18gを得た
(収率18%)。
【0012】抽出例2 水蒸気蒸留により精油成分を除いたペパーミントの乾燥
葉100gを1リットルの50%エタノールで1回抽出
(還流抽出1時間)した。ついで、2回の抽出液の合液
を、減圧濃縮したのち乾固し、抽出エキス32gを得た
(収率32%)。
【0013】抽出例3 水蒸気蒸留により精油成分を除いたペパーミントの乾燥
葉1000gを10リットルの水で1時間還流抽出し
た。ついで、1/5まで減圧濃縮したのちエキス固形と
等量のデキストリンを加え、噴霧乾燥して乾固し、抽出
エキス360gを得た(収率36%)。
【0014】抽出例4 ペパーミントの乾燥葉1kgを8リットルのエタノールで
2回還流抽出した。ついで、2回の抽出液の合液を、約
0.5リットルまで減圧濃縮した。これに含水エタノー
ル1.5リットルを加え、ヘキサン(1リットル×3
回)で液−液分配し、含水エタノール層を集めて減圧濃
縮し、72gのエキスを得た。このエキスをダイヤイオ
ン(三菱化成(株)製、DIAION HP−20)のカ
ラムクロマトグラフィー(φ50×300mm)に付し、
水、20%エタノール、50%エタノール、エタノー
ル、アセトン(各4リットル)で順次溶出した。それぞ
れの溶出物から溶媒を除去して凍結乾燥した。20%お
よび50%エタノール溶出部からは無臭あるいはわずか
に特有の香りがある凍結乾燥粉末を得た。また、エタノ
ール溶出部からはペパーミント特有の強い香りがある凍
結乾燥粉末を得た。
【0015】抽出例5 水蒸気蒸留により精油成分を除いたオランダハッカの乾
燥葉100gを1リットルの95%エタノールで2回抽
出(還流抽出1時間)した。ついで、2回の抽出液の合
液を、減圧濃縮したのち乾固し、抽出エキス16gを得
た(収率16%)。
【0016】抽出例6 水蒸気蒸留により精油成分を除いたミズハッカの乾燥葉
100gを1リットルの50%エタノールで1回抽出
(還流抽出1時間)した。ついで、2回の抽出液の合液
を、減圧濃縮したのち乾固し、抽出エキス28gを得た
(収率28%)。次に、得られた抽出物の香味劣化に対
する抑制活性を評価した。
【0017】試験例1 砂糖35g、クエン酸0.35g及びオレンジやレモン
等の柑橘類に特有の香味成分であるシトラール1gを含
有する65%エタノール水溶液を準備した(全量100
0ml)。この溶液を透明ガラス容器に入れ、光安定性試
験器(東京理化器械株式会社製「LST−300型」)にて光
照射を行った。照射条件は温度10℃、白色蛍光ランプ
40W×12及び360nm近紫外線ランプ40W×3
で、4000ルクスに調整し、近紫外線強度0.3mW/c
m(器内中央)で72時間である。高速液体クロマトグ
ラフィー(HPLC)にて光照射後のシトラール含量を測定
した。結果を表1に示す。なお、測定条件は次のとおり
である。
【0018】(測定条件) 装 置:日立製作所製「HITACHI D−7000 HPLC システ
ム」 カラム:ナカライテスク社製「コスモシール 5C18−A
R−11」(カラム温度40℃) 溶離液:A. アセトニトリル、B. 水 流 速:1ml/分間 検出波長:254nm
【0019】表1におけるシトラール残存量(%)は以下
の式にしたがって計算した。 シトラール残存量(%)= A/B×100 ここで、A:光照射後の試料中のシトラール含量 B:光照射前の試料中のシトラール含量
【0020】
【表1】 表1 シトラール残存量試験 抽 出 物 シトラール残存率(%) 抽出例1で得られたエキス 82 抽出例2で得られたエキス 79 抽出例3でえられたエキス 51 抽出例4で得られた分画物 〃 水溶出物 35 〃 20%エタノール溶出物 78 〃 50%エタノール溶出物 81 〃 エタノール溶出物 40 抽出例5で得られたエキス 63 抽出例6で得られたエキス 67 無添加 31
【0021】次に上記抽出で得られた香味劣化抑制剤を
各種食品に添加して評価した。 実施例1(ヨーグルト飲料) 牛乳94g、脱脂粉乳6gを混合後、殺菌(90〜95
℃、5分間)した。48℃に冷却した後、スターター
(乳酸菌)を接種した。これをガラス容器に入れ、発酵
(40℃、4時間、pH4.5)させた。冷却後、5℃に
て保存し、これをヨーグルトベースとした。一方、糖液
は白糖20g、ペクチン1g、水79gを混合後、90
〜95℃、5分間加熱し、ホットパック充填したものを
使用した。上記ヨーグルトベース60g、糖液40g、
香料0.1gを混合し、これをホモミキサー処理および
ホモゲナイザー処理した。これに香味劣化抑制剤を添加
しないものと香味劣化抑制剤を5ppm添加したものをそ
れぞれ半透明プラスティック容器に充填した。それぞれ
光安定性試験器に入れ、蛍光灯を照射した後(6000
ルクス、10℃、5時間)、習熟した10名のパネルを
選んで官能評価を行った。そして、この場合、香味の変
化のない対照としては香味劣化抑制剤を添加していない
蛍光灯の未照射のヨーグルト飲料を使用し、香味の変化
(劣化)度合いを評価した。その結果は表2のとおりで
ある。なお、表2中の評価の点数は、下記の基準で採点
した各パネルの平均点である。 (採点基準) 異味、異臭が強い :4点 香味が非常に変化した :3点 香味が変化した :2点 香味がやや変化した :1点 香味が変化していない :0点
【0022】
【表2】 表2 ヨーグルト飲料 香味劣化抑制剤(添加量:5ppm) 官能評価の平均点 1.無添加 3.8 2.抽出例1で得られたエキス 1.0 3.抽出例2で得られたエキス 0.7 4.抽出例3で得られたエキス 2.5 5.抽出例4で得られた分画物 (20%エタノール) 0.6 6.抽出例4で得られた分画物 (50%エタノール) 0.4 7.抽出例5で得られたエキス 1.2 8.抽出例6で得られたエキス 0.7
【0023】表2に示されるように無添加のものに比
べ、抑制剤を添加したものは香味劣化抑制効果が高いこ
とがわかった。
【0024】実施例2 レモン飲料 グラニュー糖10g、クエン酸0.1g、レモン香料0.
1gおよび水にて全量100gに調製した。これに香味
劣化抑制剤を添加しないものと各種の香味劣化抑制剤を
3ppm添加したものをそれぞれガラス容器に充填し殺菌
した。それらを光安定性試験器にて光照射を行った後
(15000ルクス、10℃、3日間)、習熟した10
名のパネルを選んで官能評価を行った。そして、この場
合、対照としては香味劣化抑制剤を添加していない蛍光
灯の未照射のレモン飲料を使用し、香味の変化(劣化)
度合いを評価した。その結果は表3のとおりである。な
お、表3中の評価の点数は、実施例1と同様の基準で採
点した各パネルの平均点である。
【0025】
【表3】 表3 レモン飲料 香味劣化抑制剤(添加量:3ppm) 官能評価の平均点 1.無添加 3.4 2.抽出例1で得られたエキス 1.8 3.抽出例2で得られたエキス 1.3 4.抽出例3で得られたエキス 2.8 5.抽出例4で得られた分画物 (20%エタノール) 0.8 6.抽出例4で得られた分画物 (50%エタノール) 0.9 7.抽出例5で得られたエキス 1.4 8.抽出例6で得られたエキス 1.0
【0026】表3に示されるように無添加のものに比
べ、抑制剤を添加したものは香味劣化抑制効果が高いこ
とがわかった。
【0027】実施例3 乳酸菌飲料 乳酸菌飲料100gに香味劣化抑制剤を添加しないもの
と香味劣化抑制剤を10ppm添加したものをそれぞれガ
ラス容器に充填し殺菌した。それらを光安定性試験器に
て光照射を行った後(15000ルクス、10℃、12
時間)、習熟した10名のパネルを選んで官能評価を行
った。そして、この場合、対照としては香味劣化抑制剤
を添加していない蛍光灯の未照射の乳酸菌飲料を使用
し、香味の変化(劣化)度合いを評価した。その結果は
表4のとおりである。なお、表4中の評価の点数は、実
施例1と同様の基準で採点した各パネルの平均点であ
る。
【0028】
【表4】 表4 乳酸菌飲料 香味劣化抑制剤(添加量:10ppm) 官能評価の平均点 1.無添加 3.8 2.抽出例1で得られたエキス 1.1 3.抽出例2で得られたエキス 1.3 4.抽出例3で得られたエキス 2.6 5.抽出例4で得られた分画物 (20%エタノール) 1.2 6.抽出例4で得られた分画物 (50%エタノール) 0.8 7.抽出例5で得られたエキス 1.3 8.抽出例6で得られたエキス 1.4 9.酵素処理ルチン 2.3
【0029】表4に示されるように無添加のものに比
べ、抑制剤を添加したものは香味劣化抑制効果が高いこ
とがわかった。
【0030】実施例4 レモン飲料 グラニュー糖10g、クエン酸0.1g、レモン香料0.
1gおよび水にて全量100gに調製した。これに香味
劣化抑制剤を添加しないものと各種の香味劣化抑制剤を
5ppm添加したものをそれぞれ缶に充填し殺菌した。そ
れらを40℃、2週間恒温層にて加熱虐待後、習熟した
10名のパネルを選んで官能評価を行った。そして、こ
の場合、対照としては香味劣化抑制剤を添加していない
レモン飲料を使用し、香味の変化(劣化臭の強さ)度合
いを評価した。その結果は表5のとおりである。なお、
表5中の評価の点数は、実施例1と同様の基準で採点し
た各パネルの平均点である。
【0031】
【表5】 表5 レモン飲料 香味劣化抑制剤(添加量:3ppm) 官能評価の平均点 1.無添加 3.8 2.抽出例2で得られたエキス 2.5 3.抽出例4で得られた分画物 (20%エタノール) 1.4 4.抽出例4で得られた分画物 (50%エタノール) 1.2
【0032】表5に示されるように無添加のものに比
べ、抑制剤を添加したものは香味劣化抑制効果が高いこ
とがわかった。
【0033】実施例5 口腔洗浄剤 下記処方量で配合し口腔洗浄剤を作成した。 エタノール 15.0g グリセリン 10.0g ポリオキシエチレン 2.0g サッカリンナトリウム 0.15g 安息香酸ナトリウム 0.05g 香料 0.3g リン酸二水素ナトリウム 0.1g 着色剤 0.2g ペパーミント抽出物(抽出例2)の1%溶液 0.1g 精製水 72.1g
【0034】実施例6 マーガリン ショートニング55g、コーン油15g、30%ベータ
カロチン液0.1g、レシチン0.2g、乳化剤0.3g
を混合し湯せんにて80℃、10分間殺菌した。一方、
水27.9g、食塩0.5g、脱脂粉乳1g、ペパーミン
ト抽出物(抽出例4の50%溶出物)1%溶液0.1g
を混ぜ湯せんで85℃まで加熱した。かくして得られた
コーン油混合物と脱脂粉乳混合物とをそれぞれ50〜6
0℃まで冷却した後、混合し、氷水にて冷却しながらデ
ィスパーを用いて1500rpmにて5分間撹拌した。水
にて冷却しながらゴムベラで全体をよく練った(10℃
まで冷却)。容器に移し一晩冷蔵庫で熟成させマーガリ
ンを完成させた。
【0035】
【発明の効果】本発明の香味劣化抑制剤を食品等に添加
することにより、光、熱、酸素等の影響を受けやすいも
のについて香味劣化を抑制することができる。特に光に
対しては顕著な劣化抑制効果を示し、長期間香味を保持
させることができるので、光照射の影響を受け易い透明
ガラス容器、半透明プラスチック容器、或いは透明袋等
に充填された食品等に適用すれば、優れた効果が発揮さ
れる。また、本発明の劣化抑制剤自体の味・匂いが食品
等の本来の香味に影響を及ぼすことがないので幅広く適
用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // A23L 2/00 A23L 2/38 C 2/38 G P 2/00 B (72)発明者 増田 秀樹 埼玉県浦和市元町3丁目33番1号303 Fターム(参考) 4B017 LC02 LG15 LL07 LP01 4B021 MC08 MK05 MP01 4C083 AA111 AA112 AB282 AC102 AC122 AC312 AC862 AD042 CC41 EE34 4H059 AA04 BA12 BC13 BC44 CA11 CA18 DA09

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シソ科メンタ属植物(Mentha)の精油成
    分を含まない溶媒抽出物からなることを特徴とする香味
    劣化抑制剤。
  2. 【請求項2】 前記溶媒抽出物が、シソ科メンタ属植物
    を水、極性有機溶媒またはこれらの混合物で抽出し、抽
    出物から精油成分を除去して得られるものである請求項
    1に記載の香味劣化抑制剤。
  3. 【請求項3】 前記溶媒抽出物が、シソ科メンタ属植物
    を水蒸気蒸留して精油を採取した残滓を水、極性有機溶
    媒またはこれらの混合物で抽出して得られるものである
    請求項1に記載の香味劣化抑制剤。
  4. 【請求項4】 請求項2または3に記載の溶媒抽出物を
    スチレン−ジビニルベンゼン共重合体系高分子吸着体カ
    ラムクロマトグラフィーに付し、20〜50%エタノー
    ルで溶出して得られる請求項1に記載の香味劣化抑制
    剤。
  5. 【請求項5】 シソ科メンタ属植物がミズハッカ(Ment
    ha aquatica L.)、ペパーミント(Mentha piperita
    L.)、ペニロイアルハッカ(Mentha pulegiumL.)、マ
    ルバハッカ(Mentha rotundifolia (L.) Huds.)、オラ
    ンダハッカ(Mentha spicata L)もしくはベルガモット
    ハッカ(Mentha citrata(Ehrh.)Briq.)またはこれら
    の変種である請求項1乃至4に記載の香味劣化抑制剤。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5に記載の香味劣化抑制剤
    が0.01〜500ppm添加されてなる食品または口腔衛
    生剤。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至5に記載の香味劣化抑制剤
    を食品または口腔衛生剤に0.01〜500ppm添加する
    ことを特徴とする食品または口腔衛生剤の香味劣化を抑
    制する方法。
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