JP2006340639A - 香味劣化抑制剤 - Google Patents

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秀樹 増田
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壽夫 植野
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Abstract

【課題】従来技術における問題点を解決し、安全性が高く、しかも食品等本来の香味に影響を与えることない香味劣化抑制剤の提供、すなわち、食品等の製造、流通、保存等の各段階で主として光、さらに熱や酸素等の影響による香味の劣化を抑制する香味劣化抑制剤を提供することである。
【解決手段】シソ科メンタ属植物(Mentha)の溶媒抽出物中のルテオリン−7−O−ルチノシドを有効成分とすることを特徴とする長期間、光に対しては顕著に、さらに熱、酸素等による食品等の香味劣化を抑制できる香味劣化抑制剤である。

Description

本発明は、香味成分を含む食品又は口腔衛生剤に広く適用することができるルテオリン
−7−O−ルチノシドを有効成分とする香味劣化抑制剤に関する。
飲料や食品あるいは歯磨き剤、口臭防止剤のような口腔衛生剤(以下、食品等と称する)は口に入った瞬間にその味と匂いが感じられるので、食品等の香味は各種栄養成分と同様に重要な要素である。こうした食品等の香味は製造、流通、保存等の各段階で徐々に劣化していくことはよく知られている。劣化に関係する要因として、熱、光、酸素、さらには水等が挙げられる。そこで、従来、特に酸素による香味の劣化対策として、酸素透過性を低くした合成樹脂製の容器や袋の開発、また、脱酸素条件を組み入れた食品製造工程の導入、さらには酸化防止剤の添加等が施されていたが、他の劣化要因、特に光による劣化の対策はあまり考慮されていなかった。
しかし、最近、店頭ディスプレイ時の商品イメージアップのため透明ガラス容器入り食品、半透明プラスチック容器入り食品、透明袋入り食品等の製造・販売が増加しつつある。さらに、それらをコンビニエンスストア等で長時間、蛍光灯下に陳列する販売形態が一般的になってきた。従って、以前よりもさらに光の影響を受けやすくなり、香味劣化などの結果を招くことになった。
そこで、光による香味の劣化に対して特に大きな抑制効果をもち、さらに加熱殺菌工程や加熱保存時の熱による劣化抑制効果をも併せもつような手段を開発することが必要となってきた。光による香味劣化は、香味成分が光照射によって分解され芳香・美味が消失し、また更に分解物が悪臭・異味成分に転化することにより生じる。こうした光による劣化を主に抑制するために、ルチン、モリン又はケルセチンを添加して悪臭・異味物質の発生を防止し保存性の向上を図った乳含有酸性飲料(特許文献1)やコーヒー生豆抽出物由来のクロロゲン酸、カフェー酸、フェルラ酸と、ビタミンC、ルチン、ケルセチンとを併用して日光によるフレーバー劣化を防止する方法(特許文献2)、また、天然物由来の香料組成物にコーヒー豆由来のクロロゲン酸を添加して天然香料の劣化防止を図る方法(特許文献3)、また、シソ科メンタ属植物(ペパーミント)の精油を含まない溶媒抽出物からなることを特徴とする香味劣化抑制剤(特許文献4)、また、シソ科メンタ属植物(ペパーミント)中の成分であるルテオリン−7−グルコシドにシトラール光による劣化に対して抑制効果があること(特許文献5)、また、かんきつ類の果皮等に含まれているエリオシトリンにフレーバー劣化防止効果があること(特許文献6)などが提案されている。
しかし、従来技術における天然物由来の香味劣化抑制剤については、一般的に安全性が高く推奨できるが、その一方で、香味の劣化抑制効果を奏するためにはある程度多量に使用する必要があり、その結果、劣化抑制剤自体が有している味や匂いが食品そのものの味や香りに悪影響を与えるなど実用性に欠ける点があった。 なお、光透過性を抑えた容器や袋を用いる食品等の包装手段改良による劣化抑制方法も提案されているが、これもコストと香味劣化抑制効果の両面から考えると十分ではなかった。従って、食品等に添加した場合に安全性が高く、食品等本来の香味に影響を与えることなく少量の使用で十分な効果を奏し、かつ経済性に優れた香味劣化の抑制手段として、新たな天然物由来の香味劣化抑制剤が要望されていた。
特公平4−21450号公報 特開平4−27374号公報 特開平4−345693号公報 特開2001−346558号公報 特開2002−255778号公報 特開2001−61461号公報
本発明の目的は、従来技術における問題点を解決し、安全性が高く、しかも食品等本来の香味に影響を与えることない香味劣化抑制剤の提供、すなわち、食品等の製造、流通、保存等の各段階で主として光、さらに熱や酸素等の影響による香味の劣化を抑制する香味劣化抑制剤を提供することである。
本発明者らは、植物を中心とする多種多様の天然物由来の成分について香味劣化抑制活性を鋭意検討した結果、特定の植物の溶媒抽出物中の成分を使用することにより長期間、光に対しては顕著に、さらに熱、酸素等による食品等の香味劣化を抑制できることを見い出し、本発明を完成した。すなわち、本発明は、下記の構造式(I)で表される、シソ科メンタ属植物(Mentha)の溶媒抽出物中のルテオリン−7−O−ルチノシドを有効成分とすることを特徴とする香味劣化抑制剤である。
Figure 2006340639
本発明の香味劣化抑制剤を、食品等に添加することにより、光、熱、酸素等の影響を受けやすいものについて香味劣化を抑制することができる。特に光に対しては顕著な劣化抑制効果を示し、長時間香味を保持させることができるので、光照射の影響を受け易い透明ガラス容器、半透明プラスティック容器、あるいは透明袋等に充填された食品等に適用すれば、優れた効果が発揮される。また、本発明の香味劣化抑制剤自体の味・匂いが食品等の本来の香味に影響を及ぼすことがないので幅広く適用することができる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明に使用する、ルテオリン−7−O−ルチノシドはシソ科メンタ属植物(Mentha)の溶媒抽出物中に含まれており、ルテオリン−7−O−ルチノシドの持つ効果としては、抗炎症効果(特開平8−73337号公報)アレルギー性鼻炎治療効果(特開平2003−128558号公報)が知られている。しかし、香味劣化抑制効果を持つことは知られていなかった。
本発明の香味劣化抑制剤は食品等の加工段階で適宜添加することができる。添加量は、抑制剤の濃度或いは食品等に含有されている香味成分の種類や香味閾値によっても多少異なるが、一般的に食品等に対してルテオリン−7−O−ルチノシドの量が0.01〜500ppm添加される量が適当である。0.01ppm以下では香味劣化抑制効果が十分でなくなり、500ppm以上ではルテオリン−7−O−ルチノシドの香味を感じる可能性があり好ましくない。また、食品等の本来の香味に影響を及ぼさない閾値の範囲内で添加する観点からは0.1〜30ppmが好ましく、特に0.1〜10ppmが好ましい。
本発明の香味劣化抑制剤が適用される食品などの例として下記のものが挙げられる。飲料…コーヒー、紅茶、清涼飲料、乳酸菌飲料、無果汁飲料、果汁入り飲料、栄養ドリンクなど。菓子類…ゼリー、プリン、ババロア、キャンディー、ビスケット、クッキー、チョコレート、ケーキ類など。フライ食品…即席(フライ)麺類、とうふの油揚(油揚、生上、がんもどき)、揚かまぼこ、てんぷら、フライ、スナック類(ポテトチップス、揚あられ類、かりんとう、ドーナッツ、調理冷凍食品(冷凍コロッケ、エビフライ等)。油脂及び油脂加工食品及び油脂を原料とする食品…食用油脂(動物性油脂、植物性油脂)、マーガリン、ショートニング、マヨネーズ、ドレッシング、ハードバター。乳、乳製品、乳等を主原料とする製品…乳(生乳、牛乳、加工乳等)、乳製品(クリーム、バター、バターオイル、濃縮ホエー、チーズ、アイスクリーム類、ヨーグルト、練乳、粉乳、濃縮乳等)、乳等を主原料とする製品。口腔衛生剤…歯磨き、うがい薬、口中清涼剤、口臭防止剤など。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔製造例1〕
ペパーミントの乾燥品1kgに15リットルの水を加え1時間還流抽出した。冷却後、残渣を濾過して得られた抽出液を約2リットルまで減圧濃縮した。この濃縮物をダイヤイオン(三菱化成(株)製、DIAION HP−20)のカラムクロマトグラフィーに付し、50質量%エタノール水溶液、エタノール、アセトン(各10リットル)で順次溶出し、50質量%エタノール水溶液溶出画分を集めて減圧濃縮し、凍結乾燥して82gの粉末を得た。
〔製造例2〕
製造例1の製法を繰り返して得られる粉末300gを50質量%メタノール水溶液に溶解してセファデックス(ファルマシア製、LH−20)のカラムクロマトグラフィーに付し、300mlづつのフラクションに分画した。分取薄相クロマトグラフィー(メルク社製、シリカゲル60F254、酢酸エチル:クロロホルム、メタノール:水=8:4:4:1、発色剤:濃硫酸)にてRf=0.3付近にスポットの認められる画分を集めて濃縮し、凍結乾燥して46gの粉末を得た。この粉末を分取用大型高速液体クロマトグラフィー(50mm i.d.カラム長:500mm,ODS−W 15−30μm,溶媒0分:45質量%メタノール水溶液,22分:50質量%メタノール水溶液,流速:100ml/分)により精製し、ルテオリン−7−O−ルチノシド3.2gおよびエリオシトリン7.1gを得た。
〔実施例1〕
製造例2で得られたルテオリン−7−O−ルチノシドを用いて、下記処方例1に従い、本発明の香味劣化抑制剤Aを調製した。
〔処方例1〕
ルテオリン−7−O−ルチノシド 0.1
50質量%エタノール水溶液 99.9
合計 100.0
〔比較例1〕
製造例2で得られたエリオシトリンを用いて、下記処方例2に従い、比較例製剤Aを調製した。
〔処方例2〕
エリオシトリン 0.1
50質量%エタノール水溶液 99.9
合計 100.0
〔比較例2〕
市販品のルテオリン−7−O−グルコシド(EXTRASYNTHESE(株)製)を用いて、下記処方例3に従い、比較例製剤Bを調製した。
〔処方例3〕
ルテオリン−7−O−グルコシド 0.1
50質量%エタノール水溶液 99.9
合計 100.0
次に、上記香味劣化抑制剤A、比較例製剤Aおよび比較例製剤Bを添加したモデル飲料を作成し、シトラール由来の劣化臭生成抑制効果を評価した。
〔試験例1〕シトラール由来の劣化臭生成抑制効果
0.1Mクエン酸−0.2Mリン酸水素二ナトリウムで調整したpH3.0の緩衝溶液に、シトラールを10ppm添加し酸性シトラール溶液を調整した。その溶液に香味劣化抑制剤A、比較例製剤A、比較例製剤Bを10ppm添加した溶液3種を調製し、100ml容量のガラスバイアル(キャップ付き)に各100g詰めた。光安定性試験器(東京理化器械株式会社製「LST−300型」)中、15000ルクス(高照度型蛍光灯昼光色:40W×12本)にて7日間、10℃にて光照射した。各酸性シトラール溶液をジクロロメタンで抽出後、ガスクロマトグラフィーにてシトラール由来の劣化臭である(1R*,2S*,5S*)-2,6,6-trimethylbicyclo[3.1.0]hexane-2-carboxaldehyde( =photocitral C)、(1R*,2R*,5S*)-2,6,6-trimethylbicyclo[3.1.0]hexane-2-carboxaldehyde(= photocitral D)、(1R*,4S*,5R*)-1,6,6-trimethylbicyclo[2.1.1]hexane-5-carboxaldehyde( =photocitral B)、2-(3-methyl-2-cyclopenten-1-yl)-2-methylpropanal、(1S*,2S*,5S*)-2-isopropenyl-5-methylcyclopentan-1-aldehyde( =photocitral A)の生成量を測定した。表1に劣化臭の生成抑制率〔無添加品の光照射条件での劣化臭の生成量をA、香味劣化抑制剤A、比較例製剤A及びB添加品の光照射条件下での劣化臭の生成量をBとし、生成抑制率(%)=100−B/A×100〕で表した。
〔表1〕 シトラール由来の劣化臭生成抑制率
劣化臭生成抑制率(%)
無添加 0
香味劣化抑制剤A(10ppm) 65
比較例製剤A (10ppm) 30
比較例製剤B (10ppm) 70
表1の結果より、ルテオリン−7−O−ルチノシドを有効成分とする本発明の香味劣化抑制剤Aは、エリオシトリンを有効成分とする比較例製剤Aに比べて光によるシトラール由来の劣化臭の生成を非常に強く抑制していることがわかる。また、本発明の香味劣化抑制剤は、ルテオリン−7−O−グリコシドを有効成分とする比較例製剤Bと比べても同等のシトラール由来の劣化臭の生成抑制効果があることがわかる。
〔試験例2〕30%オレンジ果汁飲料に対する香味劣化抑制効果
オレンジ濃縮果汁6.0g、果糖ぶどう糖液糖8.2g、クエン酸0.14g、クエン酸ナトリウム0.1gを水で100gに調整した。これに香味劣化抑制剤A、比較例製剤A比較例製剤Bを5ppm添加したもの3種および無添加のものをそれぞれガラス容器に充填し、殺菌した。それらを光安定性試験器にて光照射を行った後(15000ルクス、10℃、3日間)、習熟した5名のパネラーを選んで官能評価を行った。そして、この場合、香味の変化のない対照としては香味劣化抑制剤を添加していない光未照射飲料を使用し、香味の変化(劣化)度合いを評価した。その結果は表2の通りである。なお、表2中の評価の点数は、「異味・異臭が非常に強い」を7点、「異味・異臭が無い」を1点とし絶対評価をおこなった各パネルの平均点である。
〔表2〕 30%オレンジ果汁飲料に対する香味劣化抑制効果
官能評価の平均点
無添加 6.0
香味劣化抑制剤A(5ppm) 3.2
比較例製剤A (5ppm) 4.8
比較例製剤B (5ppm) 3.4
表2の結果より、ルテオリン−7−O−ルチノシドを有効成分とする本発明の香味劣化抑制剤Aは、エリオシトリンを有効成分とする比較例製剤Aに比べて光による30%オレンジ果汁飲料の香味劣化を非常に強く抑制していることがわかる。また、本発明の香味劣化抑制剤は、ルテオリン−7−O−グリコシドを有効成分とする比較例製剤Bと比べても同等の30%オレンジ果汁飲料の香味劣化抑制効果があることがわかる。
〔試験例3〕ホワイトチョコレートに対する香味劣化抑制効果
刻んだホワイトチョコレート100gをビーカーに入れ、湯煎(50〜60℃)にて完全に溶解させ、香味劣化抑制剤A、比較例製剤A、比較例製剤Bを10ppm添加したホワイトチョコレート3種を作成し、冷水でチョコレート品温が26〜28℃になるまで撹拌冷却し、シード剤を添加、静かに撹拌した後、成型した。それらおよび無添加のものを光安定性試験器にて光照射を行った後(6000ルクス、5℃、40時間)、習熟した5名のパネラーを選んで官能評価を行った。そして、この場合、香味の変化のない対照としては香味劣化抑制剤を添加していない光未照射ホワイトチョコレートを使用し、香味の変化(劣化)度合いを評価した。その結果は表3の通りである。なお、評価基準は試験例2と同様である。
〔表3〕ホワイトチョコレートの光劣化抑制効果
官能評価の平均点
無添加 6.0
香味劣化抑制剤A(10ppm) 3.4
比較例製剤A (10ppm) 4.8
比較例製剤B (10ppm) 3.2
表3の結果より、ルテオリン−7−O−ルチノシドを有効成分とする本発明の香味劣化抑制剤Aは、エリオシトリンを有効成分とする比較例製剤Aに比べて光によるホワイトチョコレートの香味劣化を非常に強く抑制していることがわかる。また、本発明の香味劣化抑制剤は、ルテオリン−7−O−グリコシドを有効成分とする比較例製剤Bと比べても同等のホワイトチョコレートの香味劣化抑制効果があることがわかる。
〔試験例4〕ヨーグルト飲料
牛乳94g、脱脂粉乳6gを混合後、殺菌(90〜95℃、5分間)した。48℃に冷却した後、スターター(乳酸菌)を接種した。これをガラス容器に入れ、発酵(40℃、4時間、pH4.5)させた。冷却後、5℃にて保存し、これをヨーグルトベースとした。一方、糖液は白糖20g、ペクチン1g、水79gを混合後、90〜95℃、5分間加熱し、ホットパック充填したものを使用した。上記ヨーグルトベース60g、糖液40g、香料0.1gを混合し、これをホモミキサー処理およびホモゲナイザー処理した。これに香味劣化抑制剤A、比較例製剤A、比較例製剤Bを5ppm添加したものおよび無添加のものをそれぞれ半透明プラスティック容器に充填した。それぞれ光安定性試験器に入れ、光照射した後(6000ルクス、10℃、5時間)、習熟した5名のパネルを選んで官能評価を行った。そして、この場合、香味の変化のない対照としては香味劣化抑制剤を添加していない光未照射のヨーグルト飲料を使用し、香味の変化(劣化)度合いを評価した。その結果は表4の通りである。なお、評価基準は試験例2と同様である。
〔表4〕ヨーグルト飲料
官能評価の平均点
無添加 6.0
香味劣化抑制剤A(5ppm) 3.4
比較例製剤A (5ppm) 5.0
比較例製剤B (5ppm) 3.4
表4の結果より、ルテオリン−7−O−ルチノシドを有効成分とする本発明の香味劣化抑制剤Aは、エリオシトリンを有効成分とする比較例製剤Aに比べて光によるヨーグルト飲料の香味劣化を非常に強く抑制していることがわかる。また、本発明の香味劣化抑制剤は、ルテオリン−7−O−グリコシドを有効成分とする比較例製剤Bと比べても同等のヨーグルト飲料の香味劣化抑制効果があることがわかる。
〔試験例5〕レモン飲料
グラニュー糖10g、クエン酸0.1g、レモン香料0.1gおよび水にて全量100gに調製した。これに香味劣化抑制剤A、比較例製剤A、比較例製剤Bを3ppm添加したものおよび無添加のものをそれぞれガラス容器に充填し殺菌した。それらを光安定性試験器にて光照射を行った後(15000ルクス、10℃、3日間)、習熟した10名のパネルを選んで官能評価を行った。そして、この場合、対照としては香味劣化抑制剤を添加していない光未照射のレモン飲料を使用し、香味の変化(劣化)度合いを評価した。その結果は表5の通りである。なお、評価基準は試験例2と同様である。
〔表5〕レモン飲料
官能評価の平均点
無添加 6.0
香味劣化抑制剤A(3ppm) 3.2
比較例製剤A (3ppm) 4.8
比較例製剤B (3ppm) 3.2
表5の結果より、ルテオリン−7−O−ルチノシドを有効成分とする本発明の香味劣化抑制剤Aは、エリオシトリンを有効成分とする比較例製剤Aに比べて光によるレモン飲料の香味劣化を非常に強く抑制していることがわかる。また、本発明の香味劣化抑制剤は、ルテオリン−7−O−グリコシドを有効成分とする比較例製剤Bと比べても同等のレモン飲料の香味劣化抑制効果があることがわかる。
〔試験例6〕乳酸菌飲料
乳酸菌飲料100gに香味劣化抑制剤A、比較例製剤A、比較例製剤Bを10ppm添加したものおよび無添加のものをそれぞれガラス容器に充填し殺菌した。それらを光安定性試験器にて光照射を行った後(15000ルクス、10℃、12時間)、習熟した5名のパネルを選んで官能評価を行った。そして、この場合、対照としては香味劣化抑制剤を添加していない蛍光灯の未照射の乳酸菌飲料を使用し、香味の変化(劣化)度合いを評価した。その結果は表6の通りである。なお、評価基準は試験例2と同様である。
〔表6〕乳酸菌飲料
官能評価の平均点
無添加 6.0
香味劣化抑制剤A(10ppm) 3.4
比較例製剤A (10ppm) 5.0
比較例製剤B (10ppm) 3.4
表6の結果より、ルテオリン−7−O−ルチノシドを有効成分とする本発明の香味劣化抑制剤Aは、エリオシトリンを有効成分とする比較例製剤Aに比べて光による乳酸菌飲料の香味劣化を非常に強く抑制していることがわかる。また、本発明の香味劣化抑制剤は、ルテオリン−7−O−グリコシドを有効成分とする比較例製剤Bと比べても同等の乳酸菌飲料の香味劣化抑制効果があることがわかる。
本発明の香味劣化抑制剤を食品等に添加することにより、光、熱、酸素等の影響を受けやすいものについて香味劣化を抑制することができる。特に光に対しては顕著な香味劣化抑制効果を示し、長期間香味を保持させることができるので、光照射の影響を受け易い透明ガラス容器、半透明プラスチック容器、或いは透明袋等に充填された食品等に適用すれば、優れた効果が発揮される。また、本発明の香味劣化抑制剤自体の味・匂いが食品等の本来の香味に影響を及ぼすことがないので幅広く適用することができる。

Claims (1)

  1. 下記の構造式(I)で表されるルテオリン−7−O−ルチノシドを有効成分とする香味劣化抑制剤。
    Figure 2006340639
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