JP2006340639A - 香味劣化抑制剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シソ科メンタ属植物(Mentha)の溶媒抽出物中のルテオリン−7−O−ルチノシドを有効成分とすることを特徴とする長期間、光に対しては顕著に、さらに熱、酸素等による食品等の香味劣化を抑制できる香味劣化抑制剤である。
Description
−7−O−ルチノシドを有効成分とする香味劣化抑制剤に関する。
本発明に使用する、ルテオリン−7−O−ルチノシドはシソ科メンタ属植物(Mentha)の溶媒抽出物中に含まれており、ルテオリン−7−O−ルチノシドの持つ効果としては、抗炎症効果(特開平8−73337号公報)アレルギー性鼻炎治療効果(特開平2003−128558号公報)が知られている。しかし、香味劣化抑制効果を持つことは知られていなかった。
ペパーミントの乾燥品1kgに15リットルの水を加え1時間還流抽出した。冷却後、残渣を濾過して得られた抽出液を約2リットルまで減圧濃縮した。この濃縮物をダイヤイオン(三菱化成(株)製、DIAION HP−20)のカラムクロマトグラフィーに付し、50質量%エタノール水溶液、エタノール、アセトン(各10リットル)で順次溶出し、50質量%エタノール水溶液溶出画分を集めて減圧濃縮し、凍結乾燥して82gの粉末を得た。
製造例1の製法を繰り返して得られる粉末300gを50質量%メタノール水溶液に溶解してセファデックス(ファルマシア製、LH−20)のカラムクロマトグラフィーに付し、300mlづつのフラクションに分画した。分取薄相クロマトグラフィー(メルク社製、シリカゲル60F254、酢酸エチル:クロロホルム、メタノール:水=8:4:4:1、発色剤:濃硫酸)にてRf=0.3付近にスポットの認められる画分を集めて濃縮し、凍結乾燥して46gの粉末を得た。この粉末を分取用大型高速液体クロマトグラフィー(50mm i.d.カラム長:500mm,ODS−W 15−30μm,溶媒0分:45質量%メタノール水溶液,22分:50質量%メタノール水溶液,流速:100ml/分)により精製し、ルテオリン−7−O−ルチノシド3.2gおよびエリオシトリン7.1gを得た。
製造例2で得られたルテオリン−7−O−ルチノシドを用いて、下記処方例1に従い、本発明の香味劣化抑制剤Aを調製した。
〔処方例1〕
ルテオリン−7−O−ルチノシド 0.1
50質量%エタノール水溶液 99.9
合計 100.0
製造例2で得られたエリオシトリンを用いて、下記処方例2に従い、比較例製剤Aを調製した。
エリオシトリン 0.1
50質量%エタノール水溶液 99.9
合計 100.0
市販品のルテオリン−7−O−グルコシド(EXTRASYNTHESE(株)製)を用いて、下記処方例3に従い、比較例製剤Bを調製した。
ルテオリン−7−O−グルコシド 0.1
50質量%エタノール水溶液 99.9
合計 100.0
0.1Mクエン酸−0.2Mリン酸水素二ナトリウムで調整したpH3.0の緩衝溶液に、シトラールを10ppm添加し酸性シトラール溶液を調整した。その溶液に香味劣化抑制剤A、比較例製剤A、比較例製剤Bを10ppm添加した溶液3種を調製し、100ml容量のガラスバイアル(キャップ付き)に各100g詰めた。光安定性試験器(東京理化器械株式会社製「LST−300型」)中、15000ルクス(高照度型蛍光灯昼光色:40W×12本)にて7日間、10℃にて光照射した。各酸性シトラール溶液をジクロロメタンで抽出後、ガスクロマトグラフィーにてシトラール由来の劣化臭である(1R*,2S*,5S*)-2,6,6-trimethylbicyclo[3.1.0]hexane-2-carboxaldehyde( =photocitral C)、(1R*,2R*,5S*)-2,6,6-trimethylbicyclo[3.1.0]hexane-2-carboxaldehyde(= photocitral D)、(1R*,4S*,5R*)-1,6,6-trimethylbicyclo[2.1.1]hexane-5-carboxaldehyde( =photocitral B)、2-(3-methyl-2-cyclopenten-1-yl)-2-methylpropanal、(1S*,2S*,5S*)-2-isopropenyl-5-methylcyclopentan-1-aldehyde( =photocitral A)の生成量を測定した。表1に劣化臭の生成抑制率〔無添加品の光照射条件での劣化臭の生成量をA、香味劣化抑制剤A、比較例製剤A及びB添加品の光照射条件下での劣化臭の生成量をBとし、生成抑制率(%)=100−B/A×100〕で表した。
劣化臭生成抑制率(%)
無添加 0
香味劣化抑制剤A(10ppm) 65
比較例製剤A (10ppm) 30
比較例製剤B (10ppm) 70
オレンジ濃縮果汁6.0g、果糖ぶどう糖液糖8.2g、クエン酸0.14g、クエン酸ナトリウム0.1gを水で100gに調整した。これに香味劣化抑制剤A、比較例製剤A比較例製剤Bを5ppm添加したもの3種および無添加のものをそれぞれガラス容器に充填し、殺菌した。それらを光安定性試験器にて光照射を行った後(15000ルクス、10℃、3日間)、習熟した5名のパネラーを選んで官能評価を行った。そして、この場合、香味の変化のない対照としては香味劣化抑制剤を添加していない光未照射飲料を使用し、香味の変化(劣化)度合いを評価した。その結果は表2の通りである。なお、表2中の評価の点数は、「異味・異臭が非常に強い」を7点、「異味・異臭が無い」を1点とし絶対評価をおこなった各パネルの平均点である。
官能評価の平均点
無添加 6.0
香味劣化抑制剤A(5ppm) 3.2
比較例製剤A (5ppm) 4.8
比較例製剤B (5ppm) 3.4
刻んだホワイトチョコレート100gをビーカーに入れ、湯煎(50〜60℃)にて完全に溶解させ、香味劣化抑制剤A、比較例製剤A、比較例製剤Bを10ppm添加したホワイトチョコレート3種を作成し、冷水でチョコレート品温が26〜28℃になるまで撹拌冷却し、シード剤を添加、静かに撹拌した後、成型した。それらおよび無添加のものを光安定性試験器にて光照射を行った後(6000ルクス、5℃、40時間)、習熟した5名のパネラーを選んで官能評価を行った。そして、この場合、香味の変化のない対照としては香味劣化抑制剤を添加していない光未照射ホワイトチョコレートを使用し、香味の変化(劣化)度合いを評価した。その結果は表3の通りである。なお、評価基準は試験例2と同様である。
官能評価の平均点
無添加 6.0
香味劣化抑制剤A(10ppm) 3.4
比較例製剤A (10ppm) 4.8
比較例製剤B (10ppm) 3.2
牛乳94g、脱脂粉乳6gを混合後、殺菌(90〜95℃、5分間)した。48℃に冷却した後、スターター(乳酸菌)を接種した。これをガラス容器に入れ、発酵(40℃、4時間、pH4.5)させた。冷却後、5℃にて保存し、これをヨーグルトベースとした。一方、糖液は白糖20g、ペクチン1g、水79gを混合後、90〜95℃、5分間加熱し、ホットパック充填したものを使用した。上記ヨーグルトベース60g、糖液40g、香料0.1gを混合し、これをホモミキサー処理およびホモゲナイザー処理した。これに香味劣化抑制剤A、比較例製剤A、比較例製剤Bを5ppm添加したものおよび無添加のものをそれぞれ半透明プラスティック容器に充填した。それぞれ光安定性試験器に入れ、光照射した後(6000ルクス、10℃、5時間)、習熟した5名のパネルを選んで官能評価を行った。そして、この場合、香味の変化のない対照としては香味劣化抑制剤を添加していない光未照射のヨーグルト飲料を使用し、香味の変化(劣化)度合いを評価した。その結果は表4の通りである。なお、評価基準は試験例2と同様である。
官能評価の平均点
無添加 6.0
香味劣化抑制剤A(5ppm) 3.4
比較例製剤A (5ppm) 5.0
比較例製剤B (5ppm) 3.4
グラニュー糖10g、クエン酸0.1g、レモン香料0.1gおよび水にて全量100gに調製した。これに香味劣化抑制剤A、比較例製剤A、比較例製剤Bを3ppm添加したものおよび無添加のものをそれぞれガラス容器に充填し殺菌した。それらを光安定性試験器にて光照射を行った後(15000ルクス、10℃、3日間)、習熟した10名のパネルを選んで官能評価を行った。そして、この場合、対照としては香味劣化抑制剤を添加していない光未照射のレモン飲料を使用し、香味の変化(劣化)度合いを評価した。その結果は表5の通りである。なお、評価基準は試験例2と同様である。
官能評価の平均点
無添加 6.0
香味劣化抑制剤A(3ppm) 3.2
比較例製剤A (3ppm) 4.8
比較例製剤B (3ppm) 3.2
乳酸菌飲料100gに香味劣化抑制剤A、比較例製剤A、比較例製剤Bを10ppm添加したものおよび無添加のものをそれぞれガラス容器に充填し殺菌した。それらを光安定性試験器にて光照射を行った後(15000ルクス、10℃、12時間)、習熟した5名のパネルを選んで官能評価を行った。そして、この場合、対照としては香味劣化抑制剤を添加していない蛍光灯の未照射の乳酸菌飲料を使用し、香味の変化(劣化)度合いを評価した。その結果は表6の通りである。なお、評価基準は試験例2と同様である。
官能評価の平均点
無添加 6.0
香味劣化抑制剤A(10ppm) 3.4
比較例製剤A (10ppm) 5.0
比較例製剤B (10ppm) 3.4
Claims (1)
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JP2005168068A JP2006340639A (ja) | 2005-06-08 | 2005-06-08 | 香味劣化抑制剤 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005168068A JP2006340639A (ja) | 2005-06-08 | 2005-06-08 | 香味劣化抑制剤 |
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2005
- 2005-06-08 JP JP2005168068A patent/JP2006340639A/ja active Pending
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