JP2017157695A - 積層セラミック電子部品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】サイドマージンシートの打ち抜き不良を防止可能な積層セラミック電子部品の製造方法を提供する。
【解決手段】積層セラミック電子部品の製造方法では、サイドマージンシートが準備される。積層されたセラミック層と、上記セラミック層の間に配置された内部電極と、上記内部電極が露出した側面と、をそれぞれ有し、上記側面を上記サイドマージンシートに対向させて配列された複数の積層チップが準備される。上記サイドマージンシートを挟んで上記複数の積層チップに対向する弾性体が準備される。上記複数の積層チップが配列された配列領域に隣接する位置において上記弾性体に拘束力を加えながら、上記複数の積層チップの上記側面で上記サイドマージンシートを打ち抜く。
【選択図】図14

Description

本発明は、サイドマージン部が後付けされる積層セラミック電子部品の製造方法に関する。
近年、電子機器の小型化及び高性能化に伴い、電子機器に用いられる積層セラミックコンデンサに対する小型化及び大容量化の要望がますます強くなってきている。この要望に応えるためには、積層セラミックコンデンサの内部電極を拡大することが有効である。内部電極を拡大するためには、内部電極の周囲の絶縁性を確保するためのサイドマージン部を薄くする必要がある。
この一方で、一般的な積層セラミックコンデンサの製造方法では、各工程(例えば、内部電極のパターニング、積層シートの切断など)の精度により、均一な厚さのサイドマージン部を形成することが難しい。したがって、このような積層セラミックコンデンサの製造方法では、サイドマージン部を薄くするほど、内部電極の周囲の絶縁性を確保することが難しくなる。
特許文献1には、サイドマージン部を後付けする技術が開示されている。つまり、この技術では、積層シートを切断することにより、側面に内部電極が露出した積層チップが作製され、この積層チップの側面にサイドマージン部が設けられる。これにより、均一な厚さのサイドマージン部を形成可能となるため、サイドマージン部を薄くする場合にも、内部電極の周囲の絶縁性を確保することができる。
上記文献に係る技術では、弾性体上に配置されたサイドマージンシートに側面を対向させて配列された複数の積層チップが、サイドマージンシートに対して下向きに押し付けられる。このとき、複数の積層チップがそれぞれサイドマージンシートとともに弾性体に食い込む。これに伴い、積層チップが配置されていない領域では弾性体が上向きに隆起してサイドマージンシートを押し上げる。
これにより、サイドマージンシートでは、積層チップ上の部分と他の部分との間に上下方向のせん断力が加わる。このせん断力によって、サイドマージンシートの積層チップ上の部分が、サイドマージンシートの他の部分から切り離される。切り離されたサイドマージンシートは、積層チップの上に残ってサイドマージン部となる。このように、複数の積層チップでサイドマージンシートを打ち抜くことにより、複数の積層チップに対して同時にサイドマージン部を形成することができる。
特開2012−209539号公報
上記文献に係る技術において、相互に隣接する2つの積層チップに挟まれた領域では、当該2つの積層チップから弾性体に加わる下向きの押圧力によって弾性体が大きく上向きに隆起する。したがって、周囲に隣接する積層チップが存在する積層チップでは、サイドマージンシートに充分なせん断力が加わるため、サイドマージンシートの打ち抜き不良が発生しにくい。
この一方で、最外周の積層チップには、外側に隣接する積層チップが存在しない。したがって、最外周の積層チップの外側の領域では、弾性体が外側からの拘束力を受けないため、積層チップから弾性体に加わる下向きの押圧力が外側に向けて分散してしまう。これにより、弾性体が外側に向けて変形しようとするため、弾性体の上方への隆起が緩やかになってしまう。
このため、上記文献に係る技術では、最外周の積層チップの外側においてサイドマージンシートに加わるせん断力が不足する場合がある。このような場合、最外周の積層チップにおいてサイドマージンシートの打ち抜き不良が発生する。これにより、積層セラミック電子部品では、製造歩留まりが低下するため、製造コストが増大する。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、サイドマージンシートの打ち抜き不良を防止可能な積層セラミック電子部品の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る積層セラミック電子部品の製造方法では、サイドマージンシートが準備される。
積層されたセラミック層と、上記セラミック層の間に配置された内部電極と、上記内部電極が露出した側面と、をそれぞれ有し、上記側面を上記サイドマージンシートに対向させて配列された複数の積層チップが準備される。
上記サイドマージンシートを挟んで上記複数の積層チップに対向する弾性体が準備される。
上記複数の積層チップが配列された配列領域に隣接する位置において上記弾性体に拘束力を加えながら、上記複数の積層チップの上記側面で上記サイドマージンシートを打ち抜く。
この構成では、配列領域に隣接する位置において弾性体に拘束力を加えることにより、最外周の積層チップから弾性体に加わる押圧力が外側に向けて分散しにくくなる。これにより、最外周の積層チップの外側の領域において弾性体が上向きに大きく隆起するようになるため、最外周の積層チップにおけるサイドマージンシートの打ち抜き不良を防止することができる。
上記配列領域に隣接する位置に複数のダミーチップを配置した状態で、上記複数の積層チップの上記側面で上記サイドマージンシートを打ち抜いてもよい。
この構成では、ダミーチップによって弾性体に拘束力を加えることができる。
上記配列領域は矩形であってもよい。
上記複数のダミーチップは、少なくとも上記配列領域の4隅に隣接する位置に配置されてもよい。
この構成では、打ち抜き不良が特に発生しやすい配列領域の4隅の積層チップにおけるサイドマージンシートの打ち抜き不良を防止することができる。
上記複数のダミーチップの間隔は、上記複数の積層チップの間隔よりも狭くてもよい。
この構成では、最外周の積層チップにおけるサイドマージンシートの打ち抜き不良をより確実に防止することができる。
上記弾性体は、上記配列領域に隣接する端面を有してもよい。
上記弾性体の上記端面に拘束力を加えてもよい。
この構成では、弾性体の配列領域に隣接する位置に端面を設けることにより、端面において弾性体に拘束力を加えることができる。
上記配列領域の全周にわたって上記弾性体に拘束力を加えてもよい。
この構成では、最外周のすべての積層チップにおけるサイドマージンシートの打ち抜き不良を防止することができる。
サイドマージンシートの打ち抜き不良を防止可能な積層セラミック電子部品の製造方法を提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る積層セラミックコンデンサの斜視図である。 上記積層セラミックコンデンサのA−A'線に沿った断面図である。 上記積層セラミックコンデンサのB−B'線に沿った断面図である。 上記積層セラミックコンデンサの製造方法を示すフローチャートである。 上記製造方法のステップS01で準備される積層シートの平面図である。 上記製造方法のステップS02を示す積層シートの斜視図である。 上記製造方法のステップS03を示す積層シートの平面図である。 上記ステップS03の後の積層チップの斜視図である。 上記ステップS04でテープに貼り付けられた積層チップの端面図である。 上記ステップS04の後の素体の斜視図である。 一般的な打ち抜き方法を示す積層チップの側面側から見た平面図である。 上記一般的な打ち抜き方法を示す積層チップの端面側から見た側面図である。 上記実施形態に係る打ち抜き方法を示す積層チップの側面側から見た平面図である。 上記実施形態に係る打ち抜き方法を示す積層チップの端面側から見た側面図である。 上記実施形態の変形例に係る打ち抜き方法を示す積層チップの側面側から見た平面図である。 本発明の第2の実施形態に係る打ち抜き方法を示す構成図である。 上記実施形態に係る打ち抜き方法を示す積層チップの端面側から見た側面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
図面には、適宜相互に直交するX軸、Y軸、及びZ軸が示されている。X軸、Y軸、及びZ軸は全図において共通である。
<第1の実施形態>
[積層セラミックコンデンサ10の構成]
図1〜3は、本発明の第1の実施形態に係る積層セラミックコンデンサ10を示す図である。図1は、積層セラミックコンデンサ10の斜視図である。図2は、積層セラミックコンデンサ10の図1のA−A'線に沿った断面図である。図3は、積層セラミックコンデンサ10のB−B'線に沿った断面図である。
積層セラミックコンデンサ10は、素体11と、第1外部電極14と、第2外部電極15と、を具備する。外部電極14,15は、相互に離間し、素体11を挟んでX軸方向に対向している。
素体11は、X軸方向を向いた2つの端面と、Y軸方向を向いた2つの側面と、Z軸方向を向いた2つの主面と、を有する。素体11の各面を接続する稜部は面取りされている。素体11において、例えば、X軸方向の寸法を1.0mmとし、Y軸及びZ軸方向の寸法を0.5mmとすることができる。
なお、素体11の形状はこのような形状に限定されない。例えば、素体11の各面は曲面であってもよく、素体11は全体として丸みを帯びた形状であってもよい。
外部電極14,15は、素体11のX軸方向両端面を覆い、X軸方向両端面に接続するY軸方向両側面及びZ軸方向両主面に延出している。これにより、外部電極14,15のいずれにおいても、X−Z平面に平行な断面及びX−Y軸に平行な断面の形状がU字状となっている。
外部電極14,15はそれぞれ、良導体により形成され、積層セラミックコンデンサ10の端子として機能する。外部電極14,15を形成する良導体としては、例えば、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、銀(Ag)、金(Au)などを主成分とする金属や合金を用いることができる。
外部電極14,15は、単層構造であっても複層構造であってもよい。
複層構造の外部電極14,15は、例えば、下地膜と表面膜との2層構造や、下地膜と中間膜と表面膜との3層構造として構成されていてもよい。
下地膜は、例えば、ニッケル、銅、パラジウム、白金、銀、金などを主成分とする金属や合金の焼き付け膜とすることができる。
中間膜は、例えば、白金、パラジウム、金、銅、ニッケルなどを主成分とする金属や合金のメッキ膜とすることができる。
表面膜は、例えば、銅、錫、パラジウム、金、亜鉛などを主成分とする金属や合金のメッキ膜とすることができる。
素体11は、積層チップ16と、サイドマージン部17と、を有する。
サイドマージン部17は、X−Z平面に沿って延びる平板状であり、積層チップ16のY軸方向両側面P,Qをそれぞれ覆っている。
積層チップ16は、容量形成部18と、カバー部19と、を有する。カバー部19は、X−Y平面に沿って延びる平板状であり、容量形成部18のZ軸方向両主面をそれぞれ覆っている。
サイドマージン部17及びカバー部19は、主に、容量形成部18を保護するとともに、容量形成部18の周囲の絶縁性を確保する機能を有する。
容量形成部18は、複数の第1内部電極12と、複数の第2内部電極13と、を有する。内部電極12,13は、いずれもX−Y平面に沿って延びるシート状であり、Z軸方向に交互に配置されている。第1内部電極12は、第1外部電極14に接続され、第2外部電極15から離間している。これとは反対に、第2内部電極13は、第2外部電極15に接続され、第1外部電極14から離間している。
内部電極12,13はそれぞれ、良導体により形成され、積層セラミックコンデンサ10の内部電極として機能する。内部電極12,13を形成する良導体としては、例えばニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、銀(Ag)、金(Au)、又はこれらの合金を含む金属材料が用いられる。
容量形成部18は、誘電体セラミックスによって形成されている。積層セラミックコンデンサ10では、内部電極12,13間の各誘電体セラミック層の容量を大きくするため、容量形成部18を形成する材料として高誘電率の誘電体セラミックスが用いられる。高誘電率の誘電体セラミックスとしては、例えば、チタン酸バリウム(BaTiO)に代表される、バリウム(Ba)及びチタン(Ti)を含むペロブスカイト構造の材料が挙げられる。
また、容量形成部18を構成する誘電体セラミックスは、チタン酸バリウム系以外にも、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)系、チタン酸カルシウム(CaTiO)系、チタン酸マグネシウム(MgTiO)系、ジルコン酸カルシウム(CaZrO)系、チタン酸ジルコン酸カルシウム(PCZT)系、ジルコン酸バリウム(BaZrO)系、酸化チタン(TiO)系などであってもよい。
サイドマージン部17及びカバー部19も、誘電体セラミックスによって形成されている。サイドマージン部17及びカバー部19を形成する材料は、絶縁性セラミックスであればよいが、容量形成部18と同様の組成系の材料を用いることより、製造効率が向上するとともに、素体11における内部応力が抑制される。
上記の構成により、積層セラミックコンデンサ10では、第1外部電極14と第2外部電極15との間に電圧が印加されると、第1内部電極12と第2内部電極13との間の複数の誘電体セラミック層に電圧が加わる。これにより、積層セラミックコンデンサ10では、第1外部電極14と第2外部電極15との間の電圧に応じた電荷が蓄えられる。
なお、積層セラミックコンデンサ10の構成は、特定の構成に限定されず、積層セラミックコンデンサ10に求められるサイズや性能などに応じて、公知の構成を適宜採用可能である。例えば、容量形成部18における各内部電極12,13の枚数は、適宜決定可能である。
[積層セラミックコンデンサ10の製造方法]
図4は、積層セラミックコンデンサ10の製造方法を示すフローチャートである。図5〜10は、積層セラミックコンデンサ10の製造過程を示す図である。以下、積層セラミックコンデンサ10の製造方法について、図4に沿って、図5〜10を適宜参照しながら説明する。
(ステップS01:セラミックシート準備)
ステップS01では、容量形成部18を形成するための第1セラミックシート101及び第2セラミックシート102と、カバー部19を形成するための第3セラミックシート103と、を準備する。
図5はセラミックシート101,102,103の平面図である。図5(A)はセラミックシート101を示し、図5(B)はセラミックシート102を示し、図5(C)はセラミックシート103を示している。セラミックシート101,102,103は、未焼成の誘電体グリーンシートとして構成され、例えば、ロールコーターやドクターブレードを用いてシート状に成形される。
ステップS01の段階では、セラミックシート101,102,103は各積層セラミックコンデンサ10ごとに切り分けられていない。図5には、各積層セラミックコンデンサ10ごとに切り分ける際の切断線Lx,Lyが示されている。切断線LxはX軸に平行であり、切断線LyはY軸に平行である。
図5に示すように、第1セラミックシート101には第1内部電極12に対応する未焼成の第1内部電極112が形成され、第2セラミックシート102には第2内部電極13に対応する未焼成の第2内部電極113が形成されている。なお、カバー部19に対応する第3セラミックシート103には内部電極が形成されていない。
内部電極112,113は、任意の導電性ペーストを用いて形成することができる。導電性ペーストによる内部電極112,113の形成には、例えば、スクリーン印刷法やグラビア印刷法を用いることができる。
内部電極112,113は、切断線Lyによって仕切られたX軸方向に隣接する2つの領域にわたって配置され、Y軸方向に帯状に延びている。第1内部電極112と第2内部電極113とでは、切断線Lyによって仕切られた領域1列ずつX軸方向にずらされている。つまり、第1内部電極112の中央を通る切断線Lyが第2内部電極113の間の領域を通り、第2内部電極113の中央を通る切断線Lyが第1内部電極112の間の領域を通っている。
(ステップS02:積層)
ステップS02では、ステップS01で準備したセラミックシート101,102,103を積層することにより積層シート104を作製する。
図6は、ステップS02で得られる積層シート104の斜視図である。図6では、説明の便宜上、セラミックシート101,102,103を分解して示している。しかし、実際の積層シート104では、セラミックシート101,102,103が静水圧加圧や一軸加圧などにより圧着されて一体化される。これにより、高密度の積層シート104が得られる。
積層シート104では、容量形成部18に対応する第1セラミックシート101及び第2セラミックシート102がZ軸方向に交互に積層されている。
また、積層シート104では、交互に積層されたセラミックシート101,102のZ軸方向最上面及び最下面にそれぞれカバー部19に対応する第3セラミックシート103が積層される。なお、図6に示す例では、第3セラミックシート103がそれぞれ3枚ずつ積層されているが、第3セラミックシート103の枚数は適宜変更可能である。
(ステップS03:切断)
ステップS03では、ステップS02で得られた積層シート104を切断することにより未焼成の積層チップ116を作製する。
図7は、ステップS03の後の積層シート104の平面図である。積層シート104は、保持部材としてのテープT1に貼り付けられた状態で、切断線Lx,Lyに沿って切断される。
これにより、積層シート104が個片化され、図8に示す積層チップ116が得られる。積層チップ116には、内部電極112,113が露出した切断面である側面P,Qが形成されている。
積層シート104の切断方法は、特定の方法に限定されない。例えば、積層シート104の切断には、各種ブレードを利用した技術を用いることができる。積層シート104の切断に利用可能なブレードの一例としては、押し切り刃や回転刃(ダイシングブレードなど)が挙げられる。更に、積層シート104の切断には、各種ブレードを利用した技術以外にも、例えばレーザ切断やウォータージェット切断を用いることができる。
必要に応じ、切断後の積層チップ116を洗浄し、側面P,Qなどに付着した切断屑などを除去する。
(ステップS04:サイドマージン部形成)
ステップS04では、ステップS03で得られた積層チップ116の側面P,Qに、未焼成のサイドマージン部117を形成する。
図7に示すステップS03の直後の状態では、切断面である側面P,QがテープT1に直交しており、相互に隣接する積層チップ116において側面P,Qが近接している。したがって、この状態では、積層チップ116の側面P,Qにサイドマージン部117を設けることが困難である。
本実施形態では、側面Pにサイドマージン部117を設けるために、図9に示すように、積層チップ116をテープT1からテープT2に貼り替える。これにより、積層チップ116が90°回転し、側面QがテープT2で保持され、側面P側が開放される。
なお、積層チップ116の向きを変更する方法は、特定の方法に限定されない。また、積層チップ116は、テープT2以外であっても、テープT2と同様の機能を有する保持部材で保持することが可能である。
積層チップ116は、テープT2上に、相互に所定の間隔をあけてX軸及びZ軸方向に沿って配列される。これにより、テープT2上に配列されたすべての積層チップ116の側面Pが同じ方向を向くため、すべての積層チップ116の側面Pに一括してサイドマージン部117を形成することが可能となる。
より具体的に、ステップS04では、テープT2上に配列された積層チップ116の側面Pでサイドマージンシート117sを打ち抜くことにより、すべての積層チップ116の側面Pに一括してサイドマージン部117が形成される。積層チップ116によるサイドマージンシート117sの打ち抜き方法の詳細については後述する。
ステップS04では、積層チップ116の側面Pと同様に、積層チップ116の側面Qにもサイドマージン部117が形成される。
具体的には、積層チップ116をテープT2からテープT3に移し替えることにより、テープT3によって積層チップ116の側面Pに設けられたサイドマージン部117を保持する。これにより、各積層チップ116の側面P,Qの向きが図9に示す向きとは反対になり、側面Q側が開放される。
したがって、積層チップ116の側面Qについても側面Pと同様の要領でサイドマージン部117を形成することができる。
なお、積層チップ116の側面P,Qにおけるサイドマージン部117を形成する順序は反対であってもよく、つまり側面Qにサイドマージン部117を形成した後に側面Pにサイドマージン部117を形成してもよい。
以上により、図10に示す未焼成の素体111が得られる。
素体111の形状は、焼成後の素体11の形状に応じて決定可能である。例えば、1.0mm×0.5mm×0.5mmの素体11を得るために、1.2mm×0.6mm×0.6mmの素体111を作製することができる。
(ステップS05:焼成)
ステップS05では、ステップS04で得られた未焼成の素体111を焼成することにより、図1〜3に示す積層セラミックコンデンサ10の素体11を作製する。焼成は、例えば、還元雰囲気下、又は低酸素分圧雰囲気下において行うことができる。
(ステップS06:外部電極形成)
ステップS06では、ステップS05で得られた素体11に外部電極14,15を形成することにより、図1〜3に示す積層セラミックコンデンサ10を作製する。
ステップS06では、まず、素体11の一方のX軸方向端面を覆うように未焼成の電極材料を塗布し、素体11の他方のX軸方向端面を覆うように未焼成の電極材料を塗布する。素体11に塗布された未焼成の電極材料に、例えば、還元雰囲気下、又は低酸素分圧雰囲気下において焼き付け処理を行って、素体11に下地膜を形成する。そして、素体11に焼き付けられた下地膜の上に、中間膜及び表面膜を電界メッキなどのメッキ処理で形成して、外部電極14,15が完成する。
なお、上記のステップS06における処理の一部を、ステップS05の前に行ってもよい。例えば、ステップS05の前に未焼成の素体111のX軸方向両端面に未焼成の電極材料を塗布し、ステップS05において、未焼成の素体111を焼成すると同時に、未焼成の電極材料を焼き付けて外部電極14,15の下地層を形成してもよい。
[サイドマージンシート117sの打ち抜き方法]
図4のステップS04において、積層チップ116の側面Pでサイドマージンシート117sを打ち抜くことにより、積層チップ116の側面Pにサイドマージン部117を形成する方法について説明する。なお、積層チップ116の側面Qについても側面Pと同様にサイドマージン部117を形成可能である。
(本実施形態に関連する一般的な打ち抜き方法)
まず、一般的な打ち抜き方法について説明する。図11,12は、一般的な打ち抜き方法を模式的に示す図である。
図11は、テープT2に積層チップ116が配列された状態を示している。積層チップ116は、X軸及びZ軸方向に延びる矩形の配列領域E内に、X軸及びZ軸方向に6行5列に配列されている。いずれの積層チップ116でも、側面QがテープT2に保持され、側面P側が開放されている。
なお、積層チップ116の数や配列態様は任意に変更可能であり、これに応じて配列領域Eの形状も変更することができる。
テープT2上には、X軸方向又はZ軸方向に相互に隣接する積層チップ116に挟まれた隙間領域Vと、配列領域Eの外側に延びる積層チップ116が配置されていない開放領域VOと、が形成されている。
図12は、図11に示す配列領域E内に配列された積層チップ116の側面Pでサイドマージンシート117sを打ち抜く動作を模式的に示している。この打ち抜き方法では、Y軸方向に対向する保持部200,300が利用される。保持部200,300は、金属などの剛性のある材料で形成されている。
保持部200,300はいずれもX−Z平面に沿って延びる平板状である。Y軸方向上側の保持部200は、上下動可能に構成されている。なお、保持部200,300は相対的にY軸方向に移動可能に構成されていればよい。つまり、Y軸方向下側の保持部300が上下動可能に構成されていても、保持部200,300の両方が上下動可能に構成されていてもよい。
保持部200は、Y軸方向下面においてテープT2を保持可能であり、例えば、吸気機構に接続され、テープT2を吸着保持可能に構成される。したがって、保持部200によって保持されたテープT2上の積層チップ116の側面Pは、Y軸方向下方を向く。
保持部300は、Y軸方向上面において弾性体400を保持する。弾性体400は、X−Z平面に沿って延びる平板状の弾性体として構成される。弾性体400を形成する弾性体は、各種ゴムなどの弾性体から適宜選択可能である。弾性体400のY軸方向上面にはサイドマージンシート117sが配置される。
このような構成により、図12(A)に示すように、積層チップ116の側面Pとサイドマージンシート117sとがY軸方向に対向する。図12(A)に示す状態から、図12(B)に示すように、保持部200をY軸方向下方に移動させることにより、積層チップ116の側面Pをサイドマージンシート117sに押し付ける。
このとき、各積層チップ116がサイドマージンシート117sとともに弾性体400に食い込む。これに伴い、相互に隣接する積層チップ116に挟まれる隙間領域Vでは、積層チップ116から弾性体400に加わるY軸方向下向きの押圧力によって、弾性体400がY軸方向上方に隆起してサイドマージンシート117sを押し上げる。
これにより、サイドマージンシート117sでは、積層チップ116上に配置された部分と隙間領域Vに配置された部分との間にY軸方向上下方向のせん断力が加わり、積層チップ116上に配置された部分が隙間領域Vに配置された部分から切り離される。
このため、図12(C)に示すように、保持部200をY軸方向上方に戻すと、サイドマージンシート117sの積層チップ116上に配置された部分が、積層チップ116上に残り、サイドマージン部117となる。このように、積層チップ116の側面P上にサイドマージン部117が形成される。
ところが、この打ち抜き方法では、図12(C)に示すように、最外周の積層チップ116にサイドマージン部117が形成されず、つまり最外周の積層チップ116においてサイドマージンシート117sの打ち抜き不良が発生する場合がある。
これは、配列領域Eより外側の開放領域VOにおいて、弾性体400におけるY軸方向上方への隆起が隙間領域Vより緩やかになることに起因する。
つまり、開放領域VOには積層チップ116が配置されていないため、配列領域Eの最外周の積層チップ116には外側に隣接する積層チップ116が存在しない。したがって、開放領域VOには外側からの拘束力が加わらず、つまり開放領域VOは外側に向けて開放されている。このため、開放領域VOでは、積層チップ116から弾性体400に加わるY軸方向下向きの押圧力が外側に向けて分散してしまう。
これにより、図12(B)に示すように、弾性体400が外側に向けて変形しようとするため、弾性体400の上方への隆起が緩やかになってしまう。したがって、サイドマージンシート117sでは、最外周の積層チップ116上に配置された部分と開放領域VOに配置された部分との間に加わるY軸方向上下方向のせん断力が不足する場合がある。
このような場合に、図12(B)に示すように、最外周の積層チップ116の外側においてサイドマージンシート117sが切り離されなくなる。このため、図12(C)に示すように、保持部200をY軸方向上方に戻すと、サイドマージンシート117sが最外周の積層チップ116から剥がれるため、最外周の積層チップ116にはサイドマージン部117が形成されない。
このように、以上に説明した一般的な打ち抜き方法では、最外周の積層チップ116においてサイドマージンシート117sの打ち抜き不良が発生しやすい。
(本実施形態に係る打ち抜き方法)
次に、本実施形態に係る打ち抜き方法について説明する。図13,14は、本実施形態に係る打ち抜き方法を模式的に示す図である。
図13は、テープT2に積層チップ116が配列された状態を示している。本実施形態に係る打ち抜き方法では、図11に示す一般的な打ち抜き方法と同様に、積層チップ116が配列領域E内に配列される。この一方で、本実施形態に係る打ち抜き方法では、図11に示す一般的な打ち抜き方法とは異なり、配列領域Eの外周に沿ってダミーチップDが配列されている。
本実施形態に係る打ち抜き方法では、ダミーチップD以外の構成が上述の一般的な打ち抜き方法と同様である。本実施形態に係る打ち抜き方法について、上述の一般的な打ち抜き方法と同様の構成の説明を適宜省略する。
ダミーチップDは、積層チップ116と同様の立体的形状を有する。ダミーチップDを形成する材料としては、特定のものに限定されず、例えば、積層チップ116と同様の誘電体セラミックスを用いることができる。ダミーチップDは、積層チップ116と同様の間隔で配列されている。つまり、積層チップ116及びダミーチップDは全体として、X軸及びZ軸方向に8行7列に配列されている。
このため、テープT2上には、相互に隣接する積層チップ116に挟まれた隙間領域Vに加え、ダミーチップDと最外周の積層チップ116とに挟まれた隙間領域Vが形成されている。つまり、すべての積層チップ116には、その周囲に隣接する積層チップ116又はダミーチップDが存在する。なお、テープT2上には、ダミーチップDより外側に、外側からの拘束力が加わらない開放領域VOが形成される。
図14は、図13に示す配列領域E内に配列された積層チップ116の側面Pでサイドマージンシート117sを打ち抜く動作を模式的に示している。
まず、図14(A)に示すように、積層チップ116の側面Pをサイドマージンシート117sに対向させると、ダミーチップDもサイドマージンシート117sに対向する。図14(A)に示す状態から、図14(B)に示すように、保持部200をY軸方向下方に移動させることにより、積層チップ116及びダミーチップDをサイドマージンシート117sに押し付ける。
このとき、各積層チップ116及び各ダミーチップが、サイドマージンシート117sとともに弾性体400に食い込む。これに伴い、隙間領域Vでは、積層チップ116及びダミーチップDから弾性体400に加わるY軸方向下向きの押圧力によって、弾性体400がY軸方向上方に隆起してサイドマージンシート117sを押し上げる。
これにより、サイドマージンシート117sでは、積層チップ116上に配置された部分と隙間領域Vに配置された部分との間にY軸方向上下方向のせん断力が加わり、積層チップ116上に配置された部分が隙間領域Vに配置された部分から切り離される。
このため、図14(C)に示すように、保持部200をY軸方向上方に戻すと、サイドマージンシート117sの積層チップ116上に配置された部分が、積層チップ116上に残り、サイドマージン部117となる。
このように、本実施形態では、ダミーチップDの作用によって、すべての積層チップ116の側面P上にサイドマージン部117が形成される。
なお、開放領域VOに隣接するダミーチップDにはサイドマージン部117が形成されない場合がある。しかし、ダミーチップDは積層チップ116とは別に回収されて廃棄等の処理がなされるものである。このため、ダミーチップDには、サイドマージン部117が形成されてもされなくても構わない。
また、ダミーチップDの構成は、上記に限定されない。
例えば、配列領域Eの外側には部分的にダミーチップDが配列されていない領域があってもよい。また、ダミーチップDは、複数列に配列されていてもよい。
更にダミーチップDは、積層チップ116と同様の形状に限定されず、任意の形状とすることが可能である。特に、ダミーチップDのY軸方向の高さは、積層チップ116と大きい差がないことが好ましいが、適宜決定可能である。つまり、積層チップ116の高さは、必要に応じて、積層チップ116より高くすることも、積層チップ116より低くすることもできる。
[変形例]
続いて、本実施形態の変形例に係る打ち抜き方法について説明する。図15は、本実施形態の変形例に係る打ち抜き方法を模式的に示す図である。
(変形例1)
図15(A)は、変形例1に係る打ち抜き方法を模式的に示す図である。変形例1に係る打ち抜き方法では、配列領域Eの4隅の積層チップ116に隣接する位置のみにダミーチップDが配列される。
ダミーチップDを使用しない一般的な打ち抜き方法では、図11に示すように、開放領域VOに隣接する最外周の積層チップ116のうち、4隅の積層チップ116のみがX軸方向及びZ軸方向の2方向において開放領域VOに隣接している。したがって、一般的な打ち抜き方法では、4隅の積層チップ116において特にサイドマージンシート117sの打ち抜き不良が発生しやすい。
このため、図15に示すように、4隅の積層チップ116に隣接する位置のみにダミーチップDを配置することにより、効果的にサイドマージンシート117sの打ち抜き不良を防止することができる場合がある。これにより、ダミーチップDの数が減少し、ダミーチップDの配列及び回収のための手間が軽減されるため、積層セラミックコンデンサ10の製造コストが低減される。
(変形例2)
図15(B)は、変形例2に係る打ち抜き方法を模式的に示す図である。変形例2に係る打ち抜き方法では、ダミーチップDの間隔が、積層チップ116の間隔よりも狭い。つまり、変形例2に係る打ち抜き方法では、上記実施形態よりもダミーチップDが密に配列されている。
このため、ダミーチップDから弾性体400に加わるY軸方向下向きの押圧力によって、弾性体400が配列領域Eの外側においてより強い拘束力を受ける。したがって、ダミーチップDと最外周の積層チップ116との間の隙間領域Vにおいて弾性体400がY軸方向により大きく隆起する。
これにより、最外周の積層チップ116の外側においてより確実にサイドマージンシート117sが切り離される。したがって、変形例2に係る打ち抜き方法では、最外周の積層チップ116におけるサイドマージンシート117sの打ち抜き不良が更に効果的に抑制される。
なお、ダミーチップDは、実質的に間隔をあけることなく連続して配列されていても構わない。
(変形例3)
図15(C)は、変形例3に係る打ち抜き方法を模式的に示す図である。変形例3に係る打ち抜き方法では、ダミーチップDの代わりに、配列領域Eの外周に沿って配置された矩形状のダミー部材Fが配置されている。
ダミー部材Fは、図13に示すすべてのダミーチップDを連続させて一部材とした構成を有する。ダミー部材Fを形成する材料としては、特定のものに限定されず、例えば、積層チップ116と同様の誘電体セラミックスを用いることができる。
変形例3に係る打ち抜き方法では、配列領域Eの全周にわたって隙間なくダミー部材Fが配置されているため、ダミー部材Fから弾性体400に加わるY軸方向下向きの押圧力によって、弾性体400がより強い拘束力を受ける。したがって、ダミー部材Fと最外周の積層チップ116との間の隙間領域Vにおいて弾性体400がY軸方向により大きく隆起する。
このため、最外周の積層チップ116の外側においてより確実にサイドマージンシート117sが切り離される。したがって、変形例3に係る打ち抜き方法では、最外周の積層チップ116におけるサイドマージンシート117sの打ち抜き不良がより効果的に抑制される。
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態に係る積層セラミックコンデンサ10の製造方法は、サイドマージンシート117sの打ち抜き方法の以下に説明する構成以外について第1の実施形態と共通する。第2の実施形態について、第1の実施形態と同様の構成の説明を適宜省略する。
図16,17は、本実施形態に係るサイドマージンシート117sの打ち抜き方法を模式的に示す図である。
図16(A)は保持部300を示し、図16(B)は保持部300に積層チップ116を対向させた状態を示している。なお、図16(B)では、テープT2が省略され、積層チップ116が単独で示されている。
本実施形態では、保持部300上に矩形の枠部材310が配置される。枠部材310は、金属などの剛性のある材料で形成されている。枠部材310は、配列領域Eの外周に隣接する内壁面を有し、配列領域Eのやや外側を囲んでいる。本実施形態に係る弾性体400は、第1の実施形態よりも小さく、枠部材310に囲まれた領域よりもやや大きい。
弾性体400は、X軸及びZ軸方向にやや収縮させられた状態で、枠部材310内に嵌め込まれる。このため、枠部材310内の弾性体400の端面は、枠部材310の内壁面から押圧力を受けている。つまり、弾性体400の端面は、配列領域Eに隣接する位置において枠部材310の内壁面による拘束力を受けている。
図17は、図16(B)に示す配列領域E内に配列された積層チップ116の側面Pでサイドマージンシート117sを打ち抜く動作を模式的に示している。
まず、図17(A)に示すように、積層チップ116の側面Pをサイドマージンシート117sに対向させる。そして、図17(A)に示す状態から、図17(B)に示すように、保持部200をY軸方向下方に移動させることにより、積層チップ116の側面Pをサイドマージンシート117sに押し付ける。
このとき、各積層チップ116がサイドマージンシート117sとともに弾性体400に食い込む。これに伴い、相互に隣接する積層チップ116に挟まれる隙間領域V1では、積層チップ116から弾性体400に加わるY軸方向下向きの押圧力によって、弾性体400がY軸方向上向きに隆起してサイドマージンシート117sを押し上げる。
また、本実施形態では、最外周の積層チップ116の外側において弾性体400の端面が枠部材310の内壁面に拘束されている。このため、枠部材310の内壁面と最外周の積層チップ116とに挟まれた隙間領域V2でも、積層チップ116から弾性体400に加わるY軸方向下向きの押圧力が外側に向けて分散しない。
したがって、隙間領域V1のみならず、隙間領域V2でも、積層チップ116から弾性体400に加わるY軸方向下向きの押圧力によって、弾性体400がY軸方向上向きに大きく隆起してサイドマージンシート117sを押し上げる。
これにより、サイドマージンシート117sでは、積層チップ116上に配置された部分と隙間領域V1,V2に配置された部分との間にY軸方向上下方向のせん断力が加わり、積層チップ116上に配置された部分が隙間領域V1,V2に配置された部分から切り離される。
このため、図17(C)に示すように、保持部200をY軸方向上方に戻すと、サイドマージンシート117sの積層チップ116上に配置された部分が、積層チップ116上に残り、サイドマージン部117となる。
このように、本実施形態では、枠部材310の作用によって、すべての積層チップ116の側面P上にサイドマージン部117が形成される。
なお、保持部300と枠部材310とが一体に構成されていてもよく、保持部300が全体として凹状に形成されていてもよい。
また、枠部材310のY軸方向の高さは、積層チップ116が押し付けられる際の弾性体400の沈み込みを考慮して、弾性体400よりもやや低く設定することができる。しかし、枠部材310のY軸方向の高さは、サイドマージンシート117sを打ち抜く動作中に弾性体400の端面を良好に拘束可能なように適宜決定可能である。
<その他の実施形態>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば、本発明では、第1の実施形態の構成と第2の実施形態の構成とを適宜組み合わせることが可能である。つまり、ダミーチップD及び枠部材310の双方を用いてもよい。これにより、サイドマージンシート117sの打ち抜き不良をより効果的に防止可能である。
また、積層チップ116でサイドマージンシート117sを打ち抜く態様は様々に変更可能である。
一例として、第1及び第2の実施形態において、サイドマージンシート117sは、弾性体400上ではなく、積層チップ116側に配置されてもよい。より具体的に、積層チップ116に接着剤を介してサイドマージンシート117sを貼り付け、積層チップ116に接着されたサイドマージンシート117sを弾性体400に押し付けることにより、積層チップ116でサイドマージンシート117sを打ち抜いてもよい。
更に、図14,17に示す第1及び第2の実施形態に係る構成は、Y軸方向において上下反対であってもよい。
この場合、サイドマージンシート117sが配置された積層チップ116を、Y軸方向上方に移動させ、Y軸方向下側から弾性体400に押し付けることにより、積層チップ116でサイドマージンシート117sを打ち抜くことができる。
これとは反対に、弾性体400を、Y軸方向下方に移動させ、Y軸方向上側から積層チップ116上に配置されたサイドマージンシート117sに押し付けることにより、積層チップ116でサイドマージンシート117sを打ち抜くこともできる。
なお、これらの場合に、積層チップ116又は弾性体400を元の位置に戻すと、積層チップ116で打ち抜かれたサイドマージンシート117sは、隙間領域V及び開放領域VOに押し下げられた状態で残る。
加えて、図4に示す各ステップは、必要に応じて、順番を入れ替えてもよい。
一例として、ステップS03で個片化した未焼成の積層チップ116を焼成して積層チップ16とした後に、積層チップ16にサイドマージン部117を設けてもよい。この場合、焼成後の積層チップ16に対してステップS04〜S06を行うことができる。
この他、上記実施形態では、積層セラミック電子部品の一例として積層セラミックコンデンサについて説明したが、本発明は、相互に対を成す内部電極が交互に配置される積層セラミック電子部品全般に適用可能である。このような積層セラミック電子部品としては、例えば、圧電素子などが挙げられる。
10…積層セラミックコンデンサ
11…素体
12,13…内部電極
14,15…外部電極
16…積層チップ
17…サイドマージン部
18…容量形成部
19…カバー部
104…積層シート
111…未焼成の素体
112,113…未焼成の内部電極
116…未焼成の積層チップ
117…未焼成のサイドマージン部
117s…サイドマージンシート
200…保持部
300…保持部
400…弾性体
D…ダミーチップ
E…配列領域
P,Q…側面
T1,T2…テープ
V…隙間領域
VO…開放領域

Claims (6)

  1. サイドマージンシートを準備し、
    積層されたセラミック層と、前記セラミック層の間に配置された内部電極と、前記内部電極が露出した側面と、をそれぞれ有し、前記側面を前記サイドマージンシートに対向させて配列された複数の積層チップを準備し、
    前記サイドマージンシートを挟んで前記複数の積層チップに対向する弾性体を準備し、
    前記複数の積層チップが配列された配列領域に隣接する位置において前記弾性体に拘束力を加えながら、前記複数の積層チップの前記側面で前記サイドマージンシートを打ち抜く
    積層セラミック電子部品の製造方法。
  2. 請求項1に記載の積層セラミック電子部品の製造方法であって、
    前記配列領域に隣接する位置に複数のダミーチップを配置した状態で、前記複数の積層チップの前記側面で前記サイドマージンシートを打ち抜く
    積層セラミック電子部品の製造方法。
  3. 請求項2に記載の積層セラミック電子部品の製造方法であって、
    前記配列領域は矩形であり、
    前記複数のダミーチップは、少なくとも前記配列領域の4隅に隣接する位置に配置される
    積層セラミック電子部品の製造方法。
  4. 請求項2又は3に記載の積層セラミック電子部品の製造方法であって、
    前記複数のダミーチップの間隔は、前記複数の積層チップの間隔よりも狭い
    積層セラミック電子部品の製造方法。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の積層セラミック電子部品の製造方法であって、
    前記弾性体は、前記配列領域に隣接する端面を有し、
    前記弾性体の前記端面に拘束力を加える
    積層セラミック電子部品の製造方法。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の積層セラミック電子部品の製造方法であって、
    前記配列領域の全周にわたって前記弾性体に拘束力を加える
    積層セラミック電子部品の製造方法。
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