JP6496270B2 - セラミック電子部品及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、一対の外部電極を有するセラミック電子部品及びその製造方法に関する。
近年、電子機器の小型化及び高性能化に伴い、電子機器に用いられる積層セラミックコンデンサに対する小型化及び大容量化の要望がますます強くなってきている。規定された寸法において積層セラミックコンデンサを大容量化するためには、例えば、外部電極を薄くすることにより、内部電極が配置される領域を拡大することが有効である。
外部電極は、例えば、積層セラミックコンデンサの素体に塗布された導電性ペーストを焼き付けた下地膜に、メッキ処理を施すことにより設けられる。このため、外部電極の厚さを縮小するためには、粘性の低い導電性ペーストを用いることにより、下地膜を薄くすることが有効である。
しかしながら、導電性ペーストは、素体に塗布されると、どうしても素体の角部において薄くなる。このため、粘性の低い導電性ペーストを用いると、下地膜が素体の角部で途切れ、素体の角部が剥き出しになる場合がある。このような場合、素体の角部において下地膜が剥離することにより、素体と下地膜との間に隙間が発生しやすくなる。
素体と下地膜との間に隙間が発生すると、メッキ処理時に素体と下地膜との間の隙間にメッキ液が入り込む。これにより、メッキ処理後の積層セラミックコンデンサにおいて正常な機能が得られなくなる場合がある。また、メッキ処理後の外部電極にも、素体との間の隙間が残る。
素体と外部電極との間に隙間があると、積層セラミックコンデンサの使用時などに、大気中の水分が素体と外部電極との間の隙間に進入することにより、絶縁不良が発生する場合がある。したがって、外部電極の厚さを縮小することにより、積層セラミックコンデンサの信頼性を確保することが難しくなる。
これに対し、特許文献1には、素体における外部電極が設けられる領域に、内部電極に接続されていないダミー電極を露出させる技術が開示されている。この技術では、金属で形成されたダミー電極に対して外部電極が良好な接続性を有するため、ダミー電極が露出する領域において外部電極が途切れにくくなる。
特開2013−84871号公報
しかしながら、上記特許文献1に係る技術では、ダミー電極を設けるための手間がかかるため、製造工程が煩雑化するとともに、製造コストが増大してしまう。このため、ダミー電極などの新たな部材を設けることなく、外部電極の厚さを縮小しても信頼性が損なわれない技術を実現することが求められる。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、外部電極の厚さを縮小可能なセラミック電子部品及びその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係るセラミック電子部品は、素体と、第1及び第2外部電極と、を具備する。
上記素体は、相互に対向する第1及び第2端面と、上記第1及び第2端面の間にそれぞれ延びる複数の面と、上記複数の面に沿って設けられ、上記第1及び第2端面から上記複数の面の稜部に沿って延びる凹部を含む保護部と、上記保護部より内側に配置された機能部と、を有する。
上記第1及び第2外部電極は、上記第1及び第2端面を覆い、上記第1及び第2端面から相互に近接するように上記複数の面及び上記凹部に沿って延びる。
この構成では、第1及び第2外部電極が途切れやすい素体の角部に凹部が形成されている。これにより、素体の角部では、第1及び第2外部電極が凹部内に入り込むため、第1及び第2外部電極の厚さが確保される。したがって、この構成では、第1及び第2外部電極を薄くしても、素体の角部において第1及び第2外部電極が途切れることを防止することができる。
上記第1及び第2外部電極は、上記凹部において、上記複数の面をそれぞれ延長した面が交差する交線より内側に配置されていてもよい。
この構成では、凹部が設けられていなければ第1及び第2外部電極が途切れる程度まで第1及び第2外部電極の厚さを縮小しても、凹部の作用により第1及び第2外部電極が途切れることを防止することができる。
上記複数の面は、相互に対向する第1及び第2主面と、相互に対向する第1及び第2側面と、から構成されていてもよい。
上記保護部は、上記第1及び第2主面に沿って設けられた第1及び第2カバー部と、上記第1及び第2側面に沿って設けられた第1及び第2サイドマージン部と、から構成されていてもよい。
上記凹部の上記第1及び第2主面からの深さが上記第1及び第2カバー部の厚さ以下であり、かつ上記凹部の上記第1及び第2側面からの深さが上記第1及び第2サイドマージン部の厚さの40%以下であってもよい。
また、上記凹部の上記第1及び第2側面からの深さが上記第1及び第2サイドマージン部の厚さ以下であり、かつ上記凹部の上記第1及び第2主面からの深さが上記第1及び第2カバー部の厚さの40%以下であってもよい。
上記保護部の厚さは、2μm以上100μm以下であってもよい。
これらの構成では、第1及び第2カバー部及び第1及び第2サイドマージン部によって機能部をより効果的に保護することが可能である。
本発明の一形態に係るセラミック電子部品の製造方法は、素体と、第1及び第2外部電極と、を具備するセラミック電子部品の製造方法である。
上記素体は、相互に対向する第1及び第2端面と、上記第1及び第2端面の間にそれぞれ延びる複数の面と、上記複数の面に沿って設けられた保護部と、上記保護部より内側に配置された機能部と、を有する。
上記第1及び第2外部電極は、上記第1及び第2端面を覆い、上記第1及び第2端面から相互に近接するように上記複数の面に沿って延びる。
このセラミック電子部品の製造方法では、上記保護部に上記第1及び第2端面から上記複数の面の稜部に沿って延びる凹部を形成した後に、上記第1及び第2外部電極を形成する。
この構成では、予め素体の角部に形成された凹部内に第1及び第2外部電極が溜まるため、素体の角部において第1及び第2外部電極の厚さが確保される。これにより、第1及び第2外部電極の厚さを縮小しても、素体の角部において第1及び第2外部電極が途切れることを防止することができる。
上記保護部は、相互に対向する第1及び第2カバー部と、相互に対向する第1及び第2サイドマージン部と、から構成されていてもよい。
この場合、例えば、上記機能部と上記第1及び第2カバー部とが圧着された積層チップに上記第1及び第2サイドマージン部を形成することにより未焼成の上記素体を作製してもよい。
未焼成の上記素体に形成された上記第1及び第2サイドマージン部を乾燥させて収縮させることにより上記凹部を形成してもよい。
未焼成の上記素体に加工を施すことにより上記凹部を形成してもよい。
上記加工はバレル研磨であってもよい。
また、上記第1及び第2カバー部が、上記機能部及び上記第1及び第2サイドマージン部よりも焼成時の収縮率が大きい材料を用いて構成された未焼成の上記素体を作製することができる。そして、未焼成の上記素体を焼成することにより上記凹部を形成することができる。
この場合、例えば、上記第1及び第2カバー部は、上記機能部及び上記第1及び第2サイドマージン部よりも焼成時に液相を生じやすい材料を用いて構成されていてもよい。
また、上記第1及び第2カバー部は、上記機能部及び上記第1及び第2サイドマージン部よりも原料粉末の割合が少ない材料を用いて構成されていてもよい。
更に、上記第1及び第2カバー部は、上記機能部及び上記第1及び第2サイドマージン部よりも原料粉末の平均粒径が小さい材料を用いて構成されていてもよい。
これらの構成では、素体の角部に容易に凹部を形成することができる。これにより、製造工程の煩雑化や製造コストの増大を伴うことなく、外部電極の厚さを縮小可能なセラミック電子部品を製造可能となる。
外部電極の厚さを縮小可能なセラミック電子部品及びその製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサの斜視図である。 上記積層セラミックコンデンサのA−A'線に沿った断面図である。 上記積層セラミックコンデンサのB−B'線に沿った断面図である。 上記積層セラミックコンデンサのC−C'線に沿った断面図である。 上記積層セラミックコンデンサの図4の一点鎖線で囲んだ部分の拡大断面図である。 上記実施形態の比較例に係る積層セラミックコンデンサの拡大断面図である。 上記積層セラミックコンデンサの製造例1を示すフローチャートである。 上記製造例1のステップS1−01で準備されるセラミックシートの平面図である。 上記製造例1のステップS1−02で作製される積層シートの斜視図である。 上記製造例1のステップS1−03で切断された積層シートの平面図である。 上記製造例1のステップS1−03の後の積層チップの斜視図である。 上記製造例1のステップS1−04の後の素体の斜視図である。 上記製造例1のステップS1−05の後の素体の斜視図である。 上記製造例1の変形例を示す素体の斜視図である。 上記積層セラミックコンデンサの製造例2を示すフローチャートである。 上記製造例2のステップS2−01で準備されるセラミックシートの平面図である。 上記製造例2のステップS2−02で作製される積層シートの斜視図である。 上記製造例2のステップS2−03の後の積層チップの斜視図である。 上記製造例2のステップS2−04の後の積層チップの斜視図である。 上記製造例2の変形例を示す素体の斜視図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
図面には、適宜相互に直交するX軸、Y軸、及びZ軸が示されている。X軸、Y軸、及びZ軸は全図において共通である。
[積層セラミックコンデンサ10の全体構成]
図1〜4は、本発明の第1の実施形態に係る積層セラミックコンデンサ10を示す図である。
図1は、積層セラミックコンデンサ10の斜視図である。図2は、積層セラミックコンデンサ10の図1のA−A'線に沿った断面図である。図3は、積層セラミックコンデンサ10の図1のB−B'線に沿った断面図である。図4は、積層セラミックコンデンサ10の図1のC−C'線に沿った断面図である。
積層セラミックコンデンサ10は、素体11と、第1外部電極14と、第2外部電極15と、を具備する。外部電極14,15は、相互に離間し、素体11を挟んでX軸方向に対向している。
素体11は、X軸方向を向いた2つの端面と、Y軸方向を向いた2つの側面と、Z軸方向を向いた2つの主面と、を含む6面体形状を有する。素体11において、例えば、X軸方向の寸法を1.0mmとし、Y軸及びZ軸方向の寸法を0.5mmとすることができる。
なお、素体11は厳密に6面体形状でなくてもよく、例えば、素体11の各面が曲面であってもよく、素体11が全体として丸みを帯びた形状であってもよい。
また、素体11には、側面と主面との4つの稜部に沿って、X軸方向に延びる凹部20が設けられている。凹部20は、素体11のX軸方向の全幅にわたって設けられ、側面及び主面から窪む溝を形成している。本実施形態に係る凹部20の詳細な構成については、後述する。
外部電極14,15は、素体11の両端面を覆い、両端面から相互に近接するように側面及び主面に沿って延びている。これにより、外部電極14,15のいずれにおいても、X−Z平面に平行な断面及びX−Y軸に平行な断面の形状がU字状となっている。
外部電極14,15はそれぞれ、電気の良導体により形成され、積層セラミックコンデンサ10の端子として機能する。外部電極14,15を形成する電気の良導体としては、例えば、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、銀(Ag)、金(Au)などを主成分とする金属や合金を用いることができる。
外部電極14,15は、単層構造であっても複層構造であってもよい。
複層構造の外部電極14,15は、例えば、下地膜と表面膜との2層構造や、下地膜と中間膜と表面膜との3層構造として構成されていてもよい。
下地膜は、例えば、ニッケル、銅、パラジウム、白金、銀、金などを主成分とする金属や合金の焼き付け膜とすることができる。
中間膜は、例えば、白金、パラジウム、金、銅、ニッケルなどを主成分とする金属や合金のメッキ膜とすることができる。
表面膜は、例えば、銅、錫、パラジウム、金、亜鉛などを主成分とする金属や合金のメッキ膜とすることができる。
素体11は、容量形成部16と、保護部19と、を有する。容量形成部16は、積層セラミックコンデンサ10における電荷を蓄える機能を果たす機能部として構成される。保護部19は、素体11の側面及び主面に沿って形成され、容量形成部16をZ軸方向及びY軸方向から覆っている。保護部19は、主に、容量形成部16を保護するとともに、容量形成部16の周囲の絶縁性を確保する機能を有する。
保護部19は、カバー部17と、サイドマージン部18と、から構成される。カバー部17は、X−Y平面に沿って延びる平板状であり、容量形成部16をZ軸方向両側からそれぞれ覆っている。サイドマージン部18は、X−Z平面に沿って延びる平板状であり、容量形成部16をY軸方向両側からそれぞれ覆っている。
容量形成部16は、複数の第1内部電極12と、複数の第2内部電極13と、を有する。内部電極12,13は、いずれもX−Y平面に沿って延びるシート状であり、Z軸方向に沿って交互に配置されている。第1内部電極12は、第1外部電極14に接続され、第2外部電極15から離間している。これとは反対に、第2内部電極13は、第2外部電極15に接続され、第1外部電極14から離間している。
内部電極12,13はそれぞれ、電気の良導体により形成され、積層セラミックコンデンサ10の内部電極として機能する。内部電極12,13を形成する電気の良導体としては、例えばニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、銀(Ag)、金(Au)、又はこれらの合金を含む金属材料が用いられる。
容量形成部16は、誘電体セラミックスによって形成されている。積層セラミックコンデンサ10では、内部電極12,13間の各誘電体セラミック層の容量を大きくするため、容量形成部16を形成する材料として高誘電率の誘電体セラミックスが用いられる。高誘電率の誘電体セラミックスとしては、例えば、チタン酸バリウム(BaTiO)に代表される、バリウム(Ba)及びチタン(Ti)を含むペロブスカイト構造の材料が挙げられる。
また、容量形成部16を構成する誘電体セラミックスは、チタン酸バリウム系以外にも、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)系、チタン酸カルシウム(CaTiO)系、チタン酸マグネシウム(MgTiO)系、ジルコン酸カルシウム(CaZrO)系、チタン酸ジルコン酸カルシウム(PCZT)系、ジルコン酸バリウム(BaZrO)系、酸化チタン(TiO)系などであってもよい。
カバー部17及びサイドマージン部18も、誘電体セラミックスによって形成されている。カバー部17及びサイドマージン部18を形成する材料は、絶縁性セラミックスであればよいが、容量形成部16と同様の組成系の材料を用いることより、製造効率が向上するとともに、素体11における内部応力が抑制される。
上記の構成により、積層セラミックコンデンサ10では、第1外部電極14と第2外部電極15との間に電圧が印加されると、第1内部電極12と第2内部電極13との間の複数の誘電体セラミック層に電圧が加わる。これにより、積層セラミックコンデンサ10では、第1外部電極14と第2外部電極15との間の電圧に応じた電荷が蓄えられる。
なお、積層セラミックコンデンサ10の構成は、特定の構成に限定されず、積層セラミックコンデンサ10に求められるサイズや性能などに応じて、公知の構成を適宜採用可能である。例えば、容量形成部16における各内部電極12,13の枚数は、適宜決定可能である。
[凹部20の詳細な構成]
積層セラミックコンデンサ10では、外部電極14,15が薄く形成される。これにより、積層セラミックコンデンサ10では、容量形成部16を形成する領域を広く確保することができるため、大容量化が可能となる。
一般的な構成では、外部電極14,15を薄くすると、素体11の角部において外部電極14,15が薄くなりすぎ、外部電極14,15が途切れる場合がある。つまり、第1外部電極14が形成される素体11の4つの角部において第1外部電極14が途切れやすく、第2外部電極15が形成される素体11の4つの角部において第2外部電極15が途切れやすい。
この点、本実施形態に係る積層セラミックコンデンサ10では、図4に示すように、外部電極14,15が凹部20内に入り込むため、凹部20に沿った領域において外部電極14,15の厚さが確保される。凹部20は素体11の角部まで連続しているため、素体11の角部においても外部電極14,15の厚さが確保される。
このように、積層セラミックコンデンサ10では、外部電極14,15を薄くしても、素体11の角部において外部電極14,15が途切れにくい。したがって、積層セラミックコンデンサ10では、素体11の角部において外部電極14,15の剥離が発生しないため、大気中の水分の進入による絶縁不良が発生しにくい。
以上のように、積層セラミックコンデンサ10では、凹部20の作用により、外部電極14,15を薄くしても信頼性が損なわれない
図5は、図4の一点鎖線で囲んだ凹部20及びその周囲の領域を拡大して示す部分断面図である。なお、図5には第1外部電極14について示すが、第2外部電極15も第1外部電極14と同様に構成されている。以下、図5を参照して凹部20及びその周囲の典型的な構成について説明するが、本発明はこれに限定されない。
カバー部17の厚さW1及びサイドマージン部18の厚さW2は、2μm以上100μm以下であることが好ましい。厚さW1,W2を2μm以上とすることにより、カバー部17及びサイドマージン部18によって、容量形成部16をより効果的に保護することができる。厚さW1,W2を100μm以下に留めることにより、容量形成部16を設ける領域を広く確保可能となるため、積層セラミックコンデンサ10の大容量化に有利になる。
素体11の主面からの凹部20の深さD1は、カバー部17の厚さW1以下となるように設定される。また、素体11の側面からの凹部20の深さD2は、サイドマージン部18の厚さW2以下となるように設定される。これにより、凹部20内における外部電極14,15と内部電極12,13との間の絶縁性が良好に確保される。
更に、凹部20の深さD1がカバー部17の厚さW1の40%以下であることが好ましく、凹部20の深さD2がサイドマージン部18の厚さW2の40%以下であることが好ましい。凹部20の深さD1,D2の少なくとも一方が上記の条件を満たすことにより、凹部20内における外部電極14,15と内部電極12,13との間の絶縁性が更に良好に確保される。
図5には、素体11の主面を延長した面と、素体11の側面を延長した面と、が交差する交線Lが示されている。積層セラミックコンデンサ10では、外部電極14,15が薄いため、素体11の凹部20において外部電極14,15が交線Lより内側に配置されている。
図6は、本実施形態の比較例に係る積層セラミックコンデンサ10aの部分断面図である。比較例に係る積層セラミックコンデンサ10aでは、本実施形態に係る積層セラミックコンデンサ10とは異なり、素体11aの保護部19aに凹部が設けられておらず、素体11aの側面と主面とが稜部Mにおいて接続されている。
比較例に係る積層セラミックコンデンサ10aでは、外部電極14a,15aを本実施形態に係る積層セラミックコンデンサ10aの外部電極14,15と同様に薄くすると、素体11aの稜部Mにおいて外部電極14a,15aが途切れる。これにより、図6に示すように、素体11aの稜部Mが剥き出しになってしまう。
したがって、比較例に係る積層セラミックコンデンサ10aでは、本実施形態に係る積層セラミックコンデンサ10とは異なり、外部電極14a,14bを薄くすると信頼性が損なわれてしまう。
[積層セラミックコンデンサ10の製造例1]
図7は、積層セラミックコンデンサ10の製造例1を示すフローチャートである。図8〜13は、積層セラミックコンデンサ10の製造例1の過程を示す図である。以下、積層セラミックコンデンサ10の製造例1について、図7に沿って、図8〜13を適宜参照しながら説明する。
(ステップS1−01:セラミックシート準備)
ステップS1−01では、容量形成部16を形成するための第1セラミックシート101及び第2セラミックシート102と、カバー部17を形成するための第3セラミックシート103と、を準備する。
図8はセラミックシート101,102,103の平面図である。図8(A)は第1セラミックシート101を示し、図8(B)は第2セラミックシート102を示し、図8(C)は第3セラミックシート103を示している。セラミックシート101,102,103は、未焼成の誘電体グリーンシートとして構成され、例えば、ロールコーターやドクターブレードを用いてシート状に成形される。
ステップS1−01の段階では、セラミックシート101,102,103は各積層セラミックコンデンサ10ごとに切り分けられていない。図8には、各積層セラミックコンデンサ10ごとに切り分ける際の切断線Lx,Lyが示されている。切断線LxはX軸に平行であり、切断線LyはY軸に平行である。
図8に示すように、第1セラミックシート101には第1内部電極12に対応する未焼成の第1内部電極112が形成され、第2セラミックシート102には第2内部電極13に対応する未焼成の第2内部電極113が形成されている。なお、カバー部17に対応する第3セラミックシート103には内部電極が形成されていない。
内部電極112,113は、任意の導電性ペーストを用いて形成することができる。導電性ペーストによる内部電極112,113の形成には、例えば、スクリーン印刷法やグラビア印刷法を用いることができる。
内部電極112,113は、切断線Lyによって仕切られたX軸方向に隣接する2つの領域にわたって配置され、Y軸方向に帯状に延びている。第1内部電極112と第2内部電極113とでは、切断線Lyによって仕切られた領域1列ずつX軸方向にずらされている。つまり、第1内部電極112の中央を通る切断線Lyが第2内部電極113の間の領域を通り、第2内部電極113の中央を通る切断線Lyが第1内部電極112の間の領域を通っている。
(ステップS1−02:積層)
ステップS1−02では、ステップS1−01で準備したセラミックシート101,102,103を積層することにより積層シート104を作製する。
図9は、ステップS1−02で得られる積層シート104の斜視図である。図9では、説明の便宜上、セラミックシート101,102,103を分解して示している。しかし、実際の積層シート104では、セラミックシート101,102,103が静水圧加圧や一軸加圧などにより圧着されて一体化される。これにより、高密度の積層シート104が得られる。
積層シート104では、容量形成部16に対応する第1セラミックシート101及び第2セラミックシート102がZ軸方向に交互に積層されている。
また、積層シート104では、交互に積層されたセラミックシート101,102のZ軸方向最上面及び最下面にそれぞれカバー部17に対応する第3セラミックシート103が積層される。なお、図9に示す例では、第3セラミックシート103がそれぞれ3枚ずつ積層されているが、第3セラミックシート103の枚数は適宜変更可能である。
(ステップS1−03:切断)
ステップS1−03では、ステップS1−02で得られた積層シート104を切断することにより未焼成の積層チップ105を作製する。
図10は、ステップS1−03の後の積層シート104の平面図である。積層シート104は、保持部材としてのテープT1に貼り付けられた状態で、切断線Lx,Lyに沿って切断される。これにより、積層シート104が個片化され、図11に示す積層チップ105が得られる。積層チップ105には、内部電極112,113が露出した切断面である側面P,Qが形成されている。
積層シート104の切断方法は、特定の方法に限定されない。例えば、積層シート104の切断には、各種ブレードを利用した技術を用いることができる。積層シート104の切断に利用可能なブレードの一例としては、押し切り刃や回転刃(ダイシングブレードなど)が挙げられる。更に、積層シート104の切断には、各種ブレードを利用した技術以外にも、例えばレーザ切断やウォータージェット切断を用いることができる。
必要に応じ、切断後の積層チップ105を洗浄し、積層チップ105の側面P,Qなどに付着した切断屑などを除去する。
(ステップS1−04:サイドマージン部形成)
ステップS1−04では、ステップS1−03で得られた積層チップ105の側面P,Qに、未焼成のサイドマージン部118を形成する。
サイドマージン部118は、例えば、セラミックシートを積層チップ105の側面P,Qで打ち抜くことや、セラミックスラリーを積層チップ105の側面P,Qに塗布することにより形成することができる。セラミックスラリーを積層チップ105の側面P,Qに塗布する方法としては、例えば、ディップ法を用いることができる。
以上により、図12に示す未焼成の素体111が得られる。
未焼成の素体111の形状は、焼成後の素体11の形状に応じて決定可能である。例えば、1.0mm×0.5mm×0.5mmの素体11を得るために、1.2mm×0.6mm×0.6mmの未焼成の素体111を作製することができる。
(ステップS1−05:凹部形成)
ステップS1−05では、ステップS1−04で得られた図12に示す未焼成の素体111に凹部120を形成することにより、図13に示す未焼成の素体111を作製する。ステップS1−05は、様々な手法で実行可能であり、その一例を以下に例示する。
例えば、図12に示す未焼成の素体111のサイドマージン部118を乾燥させてZ軸方向に収縮させることにより、図13に示す未焼成の素体111の凹部120を形成することができる。サイドマージン部118を乾燥時に収縮しやすくするために、ステップS1−04(サイドマージン部形成)ではセラミックスラリーの塗布によりサイドマージン部118を形成することが好ましい。
また、図12に示す未焼成の素体111に凹部120を形成するための加工を施すことにより、図13に示す未焼成の素体111を作製することができる。未焼成の素体111に凹部120を形成するための加工方法としては、バレル研磨やレーザ照射やサンドブラストなどを用いることができる。更に、サイドマージン部118を押圧して変形させることにより、凹部120を形成してもよい。
一例として、図12に示す未焼成の素体111にバレル研磨を施すことにより凹部120を形成する方法について説明する。バレル研磨は、例えば、複数の未焼成の素体111と研磨媒体と液体とをバレル容器に封入し、バレル容器に回転運動や振動を与えることにより実行可能である。
上記のとおり、積層チップ105は、ステップS1−03で切断される前のステップS1−02において静水圧加圧や一軸加圧などにより高密度化されている。この一方で、ステップS1−04では、積層チップ105の各層の剥離を防止するため、積層チップ105に形成されたサイドマージン部118に大きい圧力を加えず、サイドマージン部118が高密度化されない。
したがって、図12に示す未焼成の素体111では、サイドマージン部118の密度が、積層チップ105の密度よりも低くなる。このため、図12に示す未焼成の素体111にバレル研磨を施すと、低密度のサイドマージン部118が高密度の積層チップ105よりも多く摩耗する。これにより、図13に示すバレル研磨後の未焼成の素体111には、サイドマージン部118のZ軸方向両端部が多く摩耗することにより、凹部120が形成される。
なお、図13に示すバレル研磨後の未焼成の素体111では、サイドマージン部118のZ軸方向両端部のみならず、サイドマージン部118のX軸方向両端部も多く摩耗していてもよい。この場合、サイドマージン部118のX軸方向の各端部における摩耗量は、当該端部とは反対側に引き出される内部電極112,113に到達しない程度に留める必要がある。
(ステップS1−06:焼成)
ステップS1−06では、ステップS1−05で得られた図13に示す未焼成の素体111を焼成することにより、図1〜3に示す積層セラミックコンデンサ10の素体11を作製する。焼成は、例えば、還元雰囲気下、又は低酸素分圧雰囲気下において行うことができる。
(ステップS1−07:外部電極形成)
ステップS1−07では、ステップS1−06で得られた素体11に外部電極14,15を形成することにより、図1〜3に示す積層セラミックコンデンサ10を作製する。
ステップS1−07では、まず、素体11の一方のX軸方向端面を覆うように未焼成の電極材料を塗布し、素体11の他方のX軸方向端面を覆うように未焼成の電極材料を塗布する。
未焼成の電極材料としては、外部電極14,15を薄くするために、粘性の低い導電性ペーストを選択可能である。未焼成の電極材料の塗布方法は、未焼成の電極材料を素体11の凹部20内に充填可能であればよく、特定の方法に限定されない。未焼成の電極材料の塗布方法としては、例えば、ディップ法が挙げられる。
次に、素体11に塗布された未焼成の電極材料に、例えば、還元雰囲気下、又は低酸素分圧雰囲気下において焼き付け処理を行って、素体11に下地膜を形成する。そして、素体11に焼き付けられた下地膜の上に、中間膜及び表面膜を電解メッキなどのメッキ処理で形成して、外部電極14,15が完成する。
本実施形態では、下地膜が素体11の凹部20において途切れることなく素体11を覆っているため、メッキ処理において素体11と下地膜との間にメッキ液が進入することを防止することができる。
なお、上記のステップS1−07における処理の一部を、ステップS1−06の前に行ってもよい。例えば、ステップS1−06の前に未焼成の素体111のX軸方向両端面に未焼成の電極材料を塗布し、ステップS1−06において、未焼成の素体111を焼成すると同時に、未焼成の電極材料を焼き付けて外部電極14,15の下地層を形成してもよい。
(製造例1の変形例)
製造例1においてステップS1−05(凹部形成)は必須ではない。つまり、ステップS1−04(サイドマージン部形成)において図14に示す予め凹部120が形成された未焼成の素体111が得られれば、事後的に凹部120を形成する必要がなくなる。
例えば、積層チップ105の側面P,Qに、Z軸方向に短いサイドマージン部118を配置することにより、図14に示す未焼成の素体111が得られる。また、積層チップ105の側面P,Qによるセラミックシートの打ち抜き条件を、サイドマージン部118がZ軸方向に短くなるように調整することによっても、図14に示す未焼成の素体111が得られる。
[積層セラミックコンデンサ10の製造例2]
図15は、積層セラミックコンデンサ10の製造例2を示すフローチャートである。図16〜19は、積層セラミックコンデンサ10の製造例2の過程を示す図である。以下、積層セラミックコンデンサ10の製造例2について、図15に沿って、図16〜19を適宜参照しながら説明する。製造例2について、製造例1と同様の構成についての説明は適宜省略する。
(ステップS2−01:セラミックシート準備)
ステップS2−01では、容量形成部16及びサイドマージン部18を形成するための第1セラミックシート101a及び第2セラミックシート102aと、カバー部17を形成するための第3セラミックシート103a及び第4セラミックシート103bと、を準備する。
図16はセラミックシート101a,102a,103a,103bの平面図である。図16(A)は第1セラミックシート101aを示し、図16(B)は第2セラミックシート102aを示し、図16(C)は第3セラミックシート103aを示し、図16(D)は第4セラミックシート103bを示している。
第1セラミックシート101aには第1内部電極12に対応する未焼成の第1内部電極112が形成され、第2セラミックシート102aには第2内部電極13に対応する未焼成の第2内部電極113が形成されている。なお、カバー部17に対応するセラミックシート103a,103bには内部電極が形成されていない。
セラミックシート101a,102aにおける内部電極112,113は、サイドマージン部118が形成されるように、Y軸方向に間隔をあけてパターニングされている。このため、製造例2では、製造例1のステップS1−04(サイドマージン部形成)を行う必要がない。
第4セラミックシート103bは、他のセラミックシート101a,102a,103aよりも焼成時の収縮率が大きい材料で形成される。
焼成時における第4セラミックシート103bの収縮率を大きくするための手法は、公知の手法から任意に選択することができる。
例えば、第4セラミックシート103bを、他のセラミックシート101a,102a,103aよりも焼成時に液相を生じやすい組成で構成することができる。この場合、第4セラミックシート103bには、ガラス成分を構成するケイ素酸化物やホウ素窒化物などを他のセラミックシート101a,102a,103aよりも多く含ませることが可能である。
また、第4セラミックシート103bにおいて、焼成後に固形成分となる原料粉末の割合を他のセラミックシート101a,102a,103aよりも少なくすることができる。
更に、第4セラミックシート103bにおいて、原料粉末の平均粒径を他のセラミックシート101a,102a,103aよりも小さくすることができる。
(ステップS2−02:積層)
ステップS2−02では、ステップS2−01で準備したセラミックシート101a,102a,103a,103bを積層することにより、図17に示す積層シート104を作製する。
積層シート104では、容量形成部16及びサイドマージン部18に対応する第1セラミックシート101a及び第2セラミックシート102aがZ軸方向に交互に積層されている。
また、積層シート104では、交互に積層されたセラミックシート101a,102aのZ軸方向最上面及び最下面に、第3セラミックシート103aが配置され、更にその上に第4セラミックシート103bが配置されている。なお、図17に示す例では、セラミックシート103a,103bがそれぞれ2枚ずつ積層されているが、セラミックシート103a,103bの枚数は適宜変更可能である。
(ステップS2−03:切断)
ステップS2−03では、ステップS2−02で得られた積層シート104を切断することにより、図18に示す未焼成の素体111を作製する。
(ステップS2−04:焼成)
ステップS2−04では、ステップS2−03で得られた図18に示す未焼成の素体111を焼成することにより、図19に示す素体11を作製する。
ステップS2−04では、第4セラミックシート103bが、セラミックシート101a,102a,103aよりも大きくY軸方向に収縮する。これにより、素体11のカバー部17のY軸方向両端部に凹部20が形成される。
なお、ステップS2−04では、第4セラミックシート103bが、セラミックシート101a,102a,103aよりも大きくX軸方向に収縮していてもよい。これにより、図19に示す焼成後の素体11のカバー部17のX軸方向両端部にも凹部が形成されていても差し支えない。
(ステップS2−05:外部電極形成)
ステップS2−05は、製造例1に係るステップS1−07と同様である。
(製造例2の変形例)
製造例2において、第4セラミックシート103bの収縮率が、他のセラミックシート101a,102a,103aよりも大きい構成は必須ではない。
例えば、図20に示すように、第4セラミックシート103bのZ軸方向の寸法が第3セラミックシート103aよりも小さい未焼成の素体111を作製することができる。これにより、焼成前の素体111に予め凹部120が形成されるため、ステップS2−04(焼成)において第4セラミックシート103bのみを大きく収縮させる必要がなくなる。
また、製造例2において、カバー部117が2種類のセラミックシート103a,103bによって構成されていることは必須ではない。
例えば、カバー部117が第4セラミックシート103bのみによって構成されていてもよい。この場合、ステップS2−04(焼成)において、カバー部117全体が、セラミックシート101a,102aよりもY軸方向に大きく収縮することにより、カバー部17のY軸方向両側に凹部20が形成される。
更に、カバー部117は、3種類以上のセラミックシートによって構成されていても構わない。
<その他の実施形態>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば、上記実施形態では凹部20が素体11のX軸方向の全幅にわたって形成されているが、凹部20は少なくとも素体11の角部に形成されていればよい。つまり、素体11の各角部の間において凹部20が連続していなくてもよく、例えば、素体11の外部電極14,15に覆われていない領域に凹部20が形成されていなくてもよい。
また、積層セラミックコンデンサ10では、上記実施形態のように凹部20が素体11の側面と主面との4つの稜部のいずれにも設けられることが好ましいが、この構成は必須ではない。つまり、積層セラミックコンデンサ10では、凹部20が素体11の4つの稜部のうち少なくとも1つに設けられていれば、上記実施形態の効果を得ることができる。
更に、上記実施形態では、素体11が6面体形状を有するため、素体11の側面と主面との稜部に沿って凹部20が設けられる。しかし、素体11は、6面体形状でなくても、両端面の間にそれぞれ延びる複数の面を有していればよい。この場合、素体11の複数の面の稜部に沿って凹部20を設けることにより、上記実施形態と同様の効果が得られる。
加えて、上記実施形態ではセラミック電子部品の一例として積層セラミックコンデンサ10について説明したが、本発明は一対の外部電極を有するセラミック電子部品全般に適用可能である。このようなセラミック電子部品としては、例えば、インダクタや圧電素子などが挙げられる。
10…積層セラミックコンデンサ
11…素体
12,13…内部電極
14,15…外部電極
16…容量形成部
17…カバー部
18…サイドマージン部
19…保護部
20…凹部

Claims (11)

  1. 相互に対向する第1及び第2端面と、前記第1及び第2端面の間にそれぞれ延びる複数の面と、前記複数の面に沿って設けられ、前記第1及び第2端面から前記複数の面の稜部に沿って延びる凹部を含む保護部と、前記保護部より内側に配置された機能部と、を有する素体と、
    前記第1及び第2端面を覆い、前記第1及び第2端面から相互に近接するように前記複数の面及び前記凹部に沿って延びる第1及び第2外部電極と、
    を具備し、
    前記第1及び第2外部電極の表面は、前記凹部において、前記複数の面をそれぞれ延長した面が交差する交線より内側に配置されている
    セラミック電子部品。
  2. 請求項に記載のセラミック電子部品であって、
    前記複数の面は、相互に対向する第1及び第2主面と、相互に対向する第1及び第2側面と、から構成され、
    前記保護部は、前記第1及び第2主面に沿って設けられた第1及び第2カバー部と、前記第1及び第2側面に沿って設けられた第1及び第2サイドマージン部と、から構成される
    セラミック電子部品。
  3. 請求項に記載のセラミック電子部品であって、
    前記凹部の前記第1及び第2主面からの深さが前記第1及び第2カバー部の厚さ以下であり、かつ前記凹部の前記第1及び第2側面からの深さが前記第1及び第2サイドマージン部の厚さの40%以下である
    セラミック電子部品。
  4. 請求項に記載のセラミック電子部品であって、
    前記凹部の前記第1及び第2側面からの深さが前記第1及び第2サイドマージン部の厚さ以下であり、かつ前記凹部の前記第1及び第2主面からの深さが前記第1及び第2カバー部の厚さの40%以下である
    セラミック電子部品。
  5. 請求項1からのいずれか1項に記載のセラミック電子部品であって、
    前記保護部の厚さは、2μm以上100μm以下である
    セラミック電子部品。
  6. 相互に対向する第1及び第2端面と、前記第1及び第2端面の間にそれぞれ延びる複数の面と、前記複数の面に沿って設けられた保護部と、前記保護部より内側に配置された機能部と、を有し、前記保護部は、相互に対向する第1及び第2カバー部と、相互に対向する第1及び第2サイドマージン部と、から構成される、素体と、
    前記第1及び第2端面を覆い、前記第1及び第2端面から相互に近接するように前記複数の面に沿って延びる第1及び第2外部電極と、
    を具備するセラミック電子部品の製造方法であって、
    前記機能部と前記第1及び第2カバー部とが圧着された積層チップに前記第1及び第2サイドマージン部を形成することにより未焼成の前記素体を作製し、
    未焼成の前記素体に形成された前記第1及び第2サイドマージン部を乾燥させて収縮させることにより前記第1及び第2端面から前記複数の面の稜部に沿って延びる凹部を形成し、
    前記凹部を形成した後に、前記第1及び第2外部電極を形成する
    セラミック電子部品の製造方法。
  7. 相互に対向する第1及び第2端面と、前記第1及び第2端面の間にそれぞれ延びる複数の面と、前記複数の面に沿って設けられた保護部と、前記保護部より内側に配置された機能部と、を有し、前記保護部は、相互に対向する第1及び第2カバー部と、相互に対向する第1及び第2サイドマージン部と、から構成される、素体と、
    前記第1及び第2端面を覆い、前記第1及び第2端面から相互に近接するように前記複数の面に沿って延びる第1及び第2外部電極と、
    を具備するセラミック電子部品の製造方法であって、
    前記機能部と前記第1及び第2カバー部とが圧着された積層チップに前記第1及び第2サイドマージン部を形成することにより未焼成の前記素体を作製し、
    未焼成の前記素体にバレル研磨を施すことにより、前記保護部に前記第1及び第2端面から前記複数の面の稜部に沿って延びる凹部を形成し、
    前記凹部を形成した後に、前記第1及び第2外部電極を形成する
    セラミック電子部品の製造方法。
  8. 相互に対向する第1及び第2端面と、前記第1及び第2端面の間にそれぞれ延びる複数の面と、前記複数の面に沿って設けられた保護部と、前記保護部より内側に配置された機能部と、を有し、前記保護部は、相互に対向する第1及び第2カバー部と、相互に対向する第1及び第2サイドマージン部と、から構成される、素体と、
    前記第1及び第2端面を覆い、前記第1及び第2端面から相互に近接するように前記複数の面に沿って延びる第1及び第2外部電極と、
    を具備するセラミック電子部品の製造方法であって、
    前記第1及び第2カバー部が、前記機能部及び前記第1及び第2サイドマージン部よりも焼成時の収縮率が大きい材料を用いて構成された未焼成の前記素体を作製し、
    未焼成の前記素体を焼成することにより、前記保護部に前記第1及び第2端面から前記複数の面の稜部に沿って延びる凹部を形成し、
    前記凹部を形成した後に、前記第1及び第2外部電極を形成する
    セラミック電子部品の製造方法。
  9. 請求項に記載のセラミック電子部品の製造方法であって、
    前記第1及び第2カバー部が、前記機能部及び前記第1及び第2サイドマージン部よりも焼成時に液相を生じやすい材料を用いて構成される
    セラミック電子部品の製造方法。
  10. 請求項又はに記載のセラミック電子部品の製造方法であって、
    前記第1及び第2カバー部が、前記機能部及び前記第1及び第2サイドマージン部よりも原料粉末の割合が少ない材料を用いて構成される
    セラミック電子部品の製造方法。
  11. 請求項から10のいずれか1項に記載のセラミック電子部品の製造方法であって、
    前記第1及び第2カバー部が、前記機能部及び前記第1及び第2サイドマージン部よりも原料粉末の平均粒径が小さい材料を用いて構成される
    セラミック電子部品の製造方法。
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