JP7261557B2 - 積層セラミック電子部品の製造方法 - Google Patents

積層セラミック電子部品の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7261557B2
JP7261557B2 JP2018195195A JP2018195195A JP7261557B2 JP 7261557 B2 JP7261557 B2 JP 7261557B2 JP 2018195195 A JP2018195195 A JP 2018195195A JP 2018195195 A JP2018195195 A JP 2018195195A JP 7261557 B2 JP7261557 B2 JP 7261557B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ceramic
laminated
manufacturing
electronic component
height dimension
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018195195A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020064938A (ja
Inventor
陽輔 佐藤
秀謙 若柳
譲二 小林
利光 木暮
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taiyo Yuden Co Ltd
Original Assignee
Taiyo Yuden Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taiyo Yuden Co Ltd filed Critical Taiyo Yuden Co Ltd
Priority to JP2018195195A priority Critical patent/JP7261557B2/ja
Publication of JP2020064938A publication Critical patent/JP2020064938A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7261557B2 publication Critical patent/JP7261557B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、サイドマージン部を備えた積層セラミックコンデンサの製造方法に関する。
積層セラミックコンデンサの製造方法において、内部電極の交差面積を増加させる観点等から、内部電極とセラミックグリーンシートからなる未焼成の積層体を作製した後、内部電極の周囲を保護するサイドマージン部を設ける技術が知られている。例えば特許文献1には、内部電極を側面に露出させた状態のグリーンチップの側面に側面用セラミックグリーンシートを貼り付け、この側面で側面用セラミックグリーンシートを打ち抜くことで、生のセラミック保護層を形成する、積層セラミック電子部品の製造方法が開示されている。
特開2012-209539号公報
特許文献1に記載の方法によれば、一度の打ち抜きで複数のグリーンチップの側面にセラミック保護層を形成することができる反面、打ち抜きができずにセラミック保護層を形成できないこともあり、歩留まりの向上が求められている。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、生産性を高めることが可能な積層セラミックコンデンサの製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る積層セラミック電子部品の製造方法は、第1方向に積層され、かつ上記第1方向に直交する第2方向に向いた側面から露出した複数の内部電極をそれぞれ有する複数のセラミック積層チップを作製する工程を含む。
上記セラミック積層チップの上記第1方向における高さ寸法よりも上記第1方向と、上記第1方向及び上記第2方向に直交する第3方向と、に大きな間隔をあけて配置された上記複数のセラミック積層チップの上記側面で、弾性部材上に配置されたセラミックシートを打ち抜くことで、上記側面にサイドマージン部が形成される。
上記製造方法では、隣接するセラミック積層チップが、第1方向及び第3方向に大きな間隔をあけて配置される。これにより、セラミック積層チップ間に十分なスペースが生じ、側面の押圧時に弾性部材が当該スペースに押し出されるように大きく弾性変形する。これにより、側面の外縁に沿ってセラミックシートにせん断力が生じ、サイドマージン部をより確実に打ち抜くことができる。したがって、サイドマージン部の打ち抜き時の歩留まりを向上させ、生産性を高めることができる。
例えば、上記間隔は、上記高さ寸法の1.2倍以上であってもよい。
これにより、セラミック積層チップ間のスペースを十分に確保することができ、弾性部材の弾性変形をより促しやすくなる。これにより、サイドマージン部の打ち抜き時の歩留まりをさらに向上させることができる。
例えば、上記間隔は、上記高さ寸法の2.5倍以下であってもよい。
これにより、1枚のセラミックシートに対してセラミック積層チップを多数並べることができ、同時に多くのセラミック積層チップにサイドマージン部を設けることができる。したがって、生産性をさらに高めることが可能となる。
さらに、上記側面を、上記セラミックシートの表面から上記第2方向に上記高さ寸法以上の深さ押し込むことで、上記側面にサイドマージン部を形成してもよい。
これにより、弾性部材の弾性変形をより効果的に促すことができ、サイドマージン部の打ち抜き時の歩留まりをさらに向上させることができる。
以上のように、本発明によれば、生産性を高めることが可能な積層セラミックコンデンサの製造方法を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る積層セラミックコンデンサの斜視図である。 上記積層セラミックコンデンサの図1のA-A'線に沿った断面図である。 上記積層セラミックコンデンサの図1のB-B'線に沿った断面図である。 上記積層セラミックコンデンサの製造方法を示すフローチャートである。 上記積層セラミックコンデンサの製造過程を示す斜視図である。 上記積層セラミックコンデンサの製造過程を示す斜視図である。 上記積層セラミックコンデンサの製造過程を示す斜視図である。 上記積層セラミックコンデンサの製造過程を示す断面図である。 上記積層セラミックコンデンサの製造過程を示す断面図である。 上記積層セラミックコンデンサの製造過程を示す斜視図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
図面には、適宜相互に直交するX軸、Y軸、及びZ軸が示されている。X軸、Y軸、及びZ軸は全図において共通である。
[積層セラミックコンデンサ10の構成]
図1~3は、本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサ10を示す図である。図1は、積層セラミックコンデンサ10の斜視図である。図2は、積層セラミックコンデンサ10の図1のA-A'線に沿った断面図である。図3は、積層セラミックコンデンサ10の図1のB-B'線に沿った断面図である。
積層セラミックコンデンサ10は、セラミック素体11と、第1外部電極14と、第2外部電極15と、を備える。セラミック素体11は、典型的には、Z軸方向を向いた2つの主面と、X軸方向を向いた2つの端面と、Y軸方向を向いた2つの側面と、を有する。なお、セラミック素体11の各面を接続する稜部は丸みを帯びている。
外部電極14,15は、セラミック素体11の端面を覆い、セラミック素体11を挟んでX軸方向に対向している。外部電極14,15は、セラミック素体11の端面から主面及び側面に延出している。これにより、外部電極14,15では、X-Z平面に平行な断面、及びX-Y平面に平行な断面がいずれもU字状となっている。なお、外部電極14,15の形状は、図1に示すものに限定されない。
外部電極14,15は、電気の良導体により形成されている。外部電極14,15を形成する電気の良導体としては、例えば、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、錫(Sn)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、銀(Ag)、金(Au)などを主成分とする金属又は合金が挙げられる。
セラミック素体11は、セラミック積層体(積層体)16と、サイドマージン部17と、を有する。積層体16には、X軸方向を向いた2つの端面16aと、Y軸方向を向いた2つの側面16bと、Z軸方向を向いた2つの主面16cと、が形成されている。サイドマージン部17は、積層体16の2つの側面16bをそれぞれ被覆している。
積層体16は、容量形成部18と、容量形成部18のZ軸方向両側にそれぞれ設けられたカバー部19と、を有する。容量形成部18は、Z軸方向にセラミック層を介して積層された内部電極12,13を有する。
第1内部電極12及び第2内部電極13は、それぞれ、X-Y平面に沿って延びるシート状に構成される。第1内部電極12は、一方の端面16aまでX軸方向に延び、第1外部電極14に接続される。第2内部電極13は、他方の端面16aまでX軸方向に延び、第2外部電極15に接続される。これにより、第1外部電極14と第2外部電極15との間に電圧が印加されると、第1内部電極12と第2内部電極13との間のセラミック層に電圧が加わり、容量形成部18に当該電圧に応じた電荷が蓄えられる。
内部電極12,13は、電気の良導体により形成されている。内部電極12,13を形成する電気の良導体としては、典型的にはニッケル(Ni)が挙げられ、この他にも銅(Cu)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、銀(Ag)、金(Au)などを主成分とする金属又は合金が挙げられる。
セラミック素体11では、内部電極12,13間の各セラミック層の容量を大きくするため、高誘電率の誘電体セラミックスが用いられる。高誘電率の誘電体セラミックスとしては、例えば、チタン酸バリウム(BaTiO)に代表される、バリウム(Ba)及びチタン(Ti)を含むペロブスカイト構造の材料が挙げられる。
なお、セラミック層は、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)系、チタン酸カルシウム(CaTiO)系、チタン酸マグネシウム(MgTiO)系、ジルコン酸カルシウム(CaZrO)系、チタン酸ジルコン酸カルシウム(Ca(Zr,Ti)O)系、ジルコン酸バリウム(BaZrO)系、酸化チタン(TiO)系などで構成してもよい。
カバー部19は、絶縁性セラミックスで形成されるが、例えばセラミック素体11で用いられた誘電体セラミックスを含んでいてもよい。これにより、カバー部19と容量形成部18との間に発生し得る内部応力が抑制される。
内部電極12,13は、容量形成部18のY軸方向の全幅にわたって形成され、積層体16の両側面16bに露出している。これらの内部電極12,13の端部の位置は、Y軸方向に0.5μmの範囲内に相互に揃っている。両側面16bには、内部電極12,13間及びこれらと外部との間の絶縁性を確保する等の観点から、サイドマージン部17が設けられている。
サイドマージン部17は、側面16bをY軸方向から覆い、X-Z平面に沿って延びる略平板状に構成される。サイドマージン部17は、絶縁性セラミックスで形成されるが、内部応力抑制等の観点から、カバー部19と同様に積層体16で用いられた誘電体セラミックスで形成されてもよい。サイドマージン部17は、以下に説明するように、例えば側面16bでセラミックグリーンシートを押圧し打ち抜くことによって形成される。
[積層セラミックコンデンサ10の製造方法]
図4は、積層セラミックコンデンサ10の製造方法を示すフローチャートである。図5~10は積層セラミックコンデンサ10の製造過程を模式的に示す図である。以下、積層セラミックコンデンサ10の製造方法について、図4に沿って、図5~10を適宜参照しながら説明する。
(ステップS01:セラミック積層チップ116の作製)
ステップS01では、容量形成部18を形成するための第1セラミックシート101及び第2セラミックシート102と、カバー部19を形成するための第3セラミックシート103と、を積層し、切断することで、未焼成のセラミック積層チップ(積層チップ)116を作製する。
図5に示すセラミックシート101,102,103は、誘電体セラミックスを主成分とする未焼成の誘電体グリーンシートとして構成される。第1セラミックシート101には、第1内部電極12に対応する未焼成の第1内部電極112が形成される。第2セラミックシート102には、第2内部電極13に対応する未焼成の第2内部電極113が形成される。第3セラミックシート103には、内部電極が形成されていない。
各内部電極112,113は、X軸方向に平行な切断線Lxを横切り、かつY軸方向に平行な切断線Lyに沿って延びる複数の帯状の電極パターンを有する。これらの内部電極112,113は、印刷法等により、導電性ペーストをセラミックシート101,102に塗布することで形成される。
セラミックシート101,102は、図5に示すように、Z軸方向に交互に積層される。セラミックシート101,102の積層体は、容量形成部18に対応する。セラミックシート103は、セラミックシート101,102の積層体のZ軸方向上下面に積層される。セラミックシート103の積層体は、カバー部19に対応する。
なお、セラミックシート101,102,103の積層枚数等は、適宜調整可能である。
続いて、セラミックシート101,102,103の積層体をZ軸方向から圧着し、切断線Lx,Lyに沿って切断する。これにより、図6に示す積層チップ116が作製される。
積層チップ116は、未焼成の内部電極112,113が形成された未焼成の容量形成部118と、未焼成のカバー部119と、を有する。積層チップ116には、切断線Lxに対応する切断面である側面116bと、切断線Lyに対応する切断面である端面116aと、が形成される。側面116bからは、未焼成の内部電極112,113の端部が露出している。
積層チップ116は、全体として直方体状に構成される。積層チップ116は、X軸方向に沿った長さ寸法Lと、Y軸方向に沿った幅寸法Wと、Z軸方向に沿った高さ寸法Tと、を有する。長さ寸法Lは、積層チップ116のX軸方向に沿った寸法のうち、最も大きい寸法とする。同様に、幅寸法W及び高さ寸法Tも、それぞれ、積層チップ116のY軸方向及びZ軸方向に沿った寸法のうち、最も大きい寸法とする。これらの各寸法は、焼成後の設計値と、焼成による収縮量等を考慮して、適宜設定される。
積層チップ116は、X軸方向に長手を有し、長さ寸法Lが幅寸法W及び高さ寸法Tよりも大きく構成される。これにより、積層チップ116の側面116bは、X軸方向に沿った長辺S1と、Z軸方向に沿った短辺S2と、を有する略直方形状に構成される。
(ステップ02:サイドマージン部117形成)
ステップS02では、積層チップ116の側面116bにサイドマージン部117を形成する。
まず、図7に示すように、テープP上に、一方の側面116bを貼り付けて積層チップ116を配列させる。これにより、他方の側面116bがテープPとは反対側(図7において上方)を向いた状態となる。
積層チップ116は、Z軸方向及びX軸方向にそれぞれ配列されている。各積層チップ116は、Z軸方向に沿って間隔D1をあけて配置され、X軸方向に沿って間隔D2をあけて配置される。間隔D1および間隔D2は、高さ寸法Tよりも大きい値であり、より好ましくは、高さ寸法Tの1.2倍以上であるとよく、また高さ寸法Tの2.5倍以下の値であるとよい。
続いて、図8に示すように、弾性部材E上に配置されたセラミックシート117sの表面117pと側面116bとを対向させる。セラミックシート117sは、平板状の弾性部材Eに積層されている。弾性部材Eは、フッ素ゴム、シリコーンゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、ブチルゴム等、弾性変形のしやすい材料を適宜選択できる。
続いて、図9に示すように、積層チップ116の側面116bをセラミックシート117sに対してY軸方向に押し込む。これにより、側面116bの外縁に沿ってセラミックシート117sにせん断力が作用し、このせん断力がセラミックシート117sのせん断強さ以上になると、セラミックシート117sが打ち抜かれる。
Z軸方向およびX軸方向に隣接する積層チップ116の間隔D1および間隔D2を高さ寸法Tよりも大きい値とすることで、隣接する積層チップ116間に十分なスペースが生じる。このため、側面116bを弾性部材Eに向かって押圧したとき、側面116bと対向する部分の弾性部材EをY軸方向に大きく圧縮させるとともに、上記スペースに弾性部材Eを押し出し、Y軸方向に向かって盛り上がるように突出させることができる。この弾性変形により、セラミックシート117sでは、側面116bに接している部分と間隙部分との間に大きな段差ができ、この段差に起因して大きなせん断力を発生させることができる。したがって、側面116bの外縁に沿って確実にセラミックシート117sを打ち抜くことができる。
例えば、側面116bは、セラミックシート117sの表面117pから、Y軸方向に高さ寸法T以上の深さD3押し込まれる。深さD3は、側面116bとセラミックシート117sとが接触している押圧開始前の状態(図8参照)と、側面116bを弾性部材Eに向かって最も押し込んだ状態(図9参照)との、Y軸方向に沿った側面116bの位置の変化量をいうものとする。これにより、大きなせん断力を作用させ、より確実にセラミックシート117sを打ち抜くことができる。
また、間隔D1および間隔D2を高さ寸法Tの1.2倍以上とすることで、弾性部材Eの上記弾性変形をより促しやすくし、側面116bの外縁に沿ってせん断力が作用しやすくなる。したがって、セラミックシート117sをより一層確実に打ち抜くことができる。
さらに、間隔D1を高さ寸法Tの2.5倍以下とすることで、一枚のセラミックシート117sに対し多くの積層チップ116を配列させることができ、サイドマージン部117形成工程における生産性を向上させることができる。また、間隔D2を高さ寸法Tの2.5倍以下とすることでも、同様に、多くの積層チップ116を配列させることが可能となる。
本ステップにより、図10に示すように、側面116bにサイドマージン部117が形成され、積層チップ116及びサイドマージン部117を有する未焼成のセラミック素体111が作製される。
(ステップS03:焼成)
ステップS03では、ステップS02で得られたセラミック素体111を焼成することにより、図1~3に示す積層セラミックコンデンサ10のセラミック素体11を作製する。焼成温度は、セラミック素体111の焼結温度に基づいて決定することができる。また、焼成は、例えば、還元雰囲気下、又は低酸素分圧雰囲気下において行うことができる。
(ステップS04:外部電極形成)
ステップS04では、ステップS03で得られたセラミック素体11のX軸方向両端部に外部電極14,15を形成する。一例として、まず、導電性ペーストをセラミック素体11のX軸方向両端部に塗布し、この導電性ペーストを焼き付けて下地膜を形成する。次に、下地膜が形成されたセラミック素体11をメッキ液に浸漬させて電解メッキを行うことで、1又は複数のメッキ膜を形成する。
これにより、図1~3に示すような積層セラミックコンデンサ10が形成される。
なお、上記のステップS04における処理の一部を、ステップS03の前に行ってもよい。例えば、ステップS03の前に未焼成のセラミック素体111のX軸方向両端面に未焼成の電極材料を塗布し、ステップS03において、未焼成のセラミック素体111を焼成すると同時に、未焼成の電極材料を焼き付けて外部電極14,15の下地層を形成してもよい。また、脱バインダ処理したセラミック素体111に未焼成の電極材料を塗布して、これらを同時に焼成してもよい。
上記製造方法によれば、複数の積層チップ116に対して同時にサイドマージン部117を形成することができ、生産性を高めることができる。また、隣接する積層チップ116間が十分にあいていることから、この積層チップ116間にセラミックシート117s及び弾性部材Eを押し出し、側面116bによって弾性部材Sを大きく圧縮することが可能となる。したがって、セラミックシート117sに十分なせん断力を及ぼし、確実にサイドマージン部117を形成することができる。
また、側面116bは略長方形状であるため、ステップS02においてセラミックシート117sに作用するせん断力は、側面116bの角部で最も強く、各辺の中央部に向かうに従って小さくなる。特に、X軸方向に沿った長辺S1は、Z軸方向に沿った短辺S2よりも長いため、中央部でのせん断力が小さくなりやすい。そこで、長辺S1間の間隔D1を高さ寸法Tよりも大きな値に規定することで、長辺S1にせん断力を及ぼしやすくし、確実にせん断させることが可能となる。
[実施例及び比較例]
本実施形態の実施例及び比較例として、上記製造方法によって作製した積層チップのサンプルを所定の間隔で並べて、セラミックシートに押し込んだときの打ち抜き不良率について調べた。
表1に、各実施例及び各比較例の積層チップのX軸方向の長さ寸法と、Z軸方向の高さ寸法と、を示す。
Figure 0007261557000001
実施例1及び2並びに比較例1及び2では、長さ寸法が1.2mm、高さ寸法が0.6mmとなるように積層チップを作製した。実施例3及び4並びに比較例3及び4では、長さ寸法が0.7mm、高さ寸法が0.35mmとなるように積層チップを作製した。実施例5及び6並びに比較例5及び6では、長さ寸法が0.5mm、高さ寸法が0.25mmとなるように積層チップを作製した。
各サンプルに係る積層チップを、側面を上方に向け、Z軸方向に所定の間隔D1をあけて、テープ上に配列させた。なお、いずれのサンプルにおいても、間隔D2は間隔D1と同じとした。
表1に示すように、実施例1及び2では、間隔D1の高さ寸法Tに対する比(以下、D1/Tと称する)が1.23であった。比較例1及び2では、D1/Tが0.92であった。実施例3及び4では、D1/Tが1.25であった。比較例3及び4では、D1/Tが1.00であった。実施例5及び6では、D1/Tが1.20であった。比較例5及び6では、D1/Tが1.20であった。
そして、弾性部材に積層されたセラミックシートに対して側面を深さD3押し込んで、セラミックシートを打ち抜いた。
表1に示すように、実施例1及び比較例1では、高さ寸法Tに対する、セラミックシートの表面からのY軸方向の押し込み深さD3の比(以下、D3/Tと称する)が0.6であった。実施例3及び比較例3では、D3/Tが0.5であった。実施例5及び比較例5では、D3/Tが0.4であった。実施例2,4及び6並びに比較例2,4及び6では、D3/Tが1.0であった。
各実施例及び各比較例の各サンプルの外観を検査し、セラミックシートが貼り付いていないもの、及びセラミックシートの剥離が認められたものを、打ち抜き不良と判定した。1000個のサンプル中、打ち抜き不良と判定されたサンプルの割合(以下、打ち抜き不良率と称する)(%)を算出した。結果を、表1に示す。
表1に示すように、D1/Tが1.23の実施例1及び2の打ち抜き不良率は、それぞれ0.2%、0%であり、ほとんど打ち抜き不良は発生していなかった。これに対して、D1/Tが0.92の比較例1及び2の打ち抜き不良率は、それぞれ26.3%、4.1%であり、実施例1及び2よりも大きな割合であった。
同様に、D1/Tが1.25の実施例3及び4の打ち抜き不良率は、それぞれ0.4%、0%であった。これに対して、D1/Tが1.00の比較例3及び4の打ち抜き不良率は、それぞれ31.4%、5.5%であり、実施例3及び4よりも大きな割合であった。
同様に、D1/Tが1.20の実施例5及び6の打ち抜き不良率は、それぞれ4.8%、1.1%であった。これに対して、D1/Tが0.80の比較例5及び6の打ち抜き不良率は、それぞれ49.2%、20.6%であり、実施例5及び6よりも大きな割合であった。
これらの結果から、D1/Tが1よりも大きいことで、積層チップのサイズによらず、打ち抜き不良率を低減できることが確認された。さらに、D1/Tが1.2以上であることで、打ち抜き不良率を大きく改善できることが確認された。
また、同一のチップ間隔D1で配列されていた場合でも、D3/Tの値が大きい方が打ち抜き不良率が低減できることが確認された。具体的には、D3/Tが0.6の実施例1よりも、D3/Tが1.0の実施例2の方が、打ち抜き不良率がより低い結果となった。また、D3/Tが0.5の実施例3よりも、D3/Tが1.0の実施例4の方が、打ち抜き不良率がより低い結果となった。また、D3/Tが0.4の実施例5よりも、D/Tが1.0の実施例6の方が、打ち抜き不良率がより低い結果となった。
これらの結果から、D1/Tを1よりも大きくすることに加えて、D3/Tを1.00以上とすることで、より確実にセラミックシート117sを打ち抜けることが確認された。さらに、D1/Tを1よりも大きくすることに加えて、高さ寸法Tが0.3mm以上であって、D3/Tが0.5以上であると、打ち抜き不良率を1%以下まで低減させることができ、より好ましいことが確認された。
一方で、D1/Tが1.2以上である場合には、D3/Tの値によらず、いずれも打ち抜き不良率が0%に近い値となり、より一層確実にセラミックシート117sを打ち抜けることが確認された。
以上、本発明の各実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば本発明の実施形態は各実施形態を組み合わせた実施形態とすることができる。
例えば、上記実施形態では、セラミック電子部品の一例として積層セラミックコンデンサについて説明したが、本発明は、内部電極が交互に配置される積層セラミック電子部品全般に適用可能である。このような積層セラミック電子部品としては、例えば、圧電素子などが挙げられる。
10…積層セラミックコンデンサ(積層セラミック電子部品)
11…セラミック素体
12,13…内部電極
14,15…外部電極
16…積層体
17…サイドマージン部
112,113…未焼成の内部電極
116…未焼成の積層チップ(セラミック積層チップ)
117…未焼成のサイドマージン部

Claims (6)

  1. 第1方向に積層され、かつ前記第1方向に直交する第2方向に向いた側面から露出した複数の内部電極をそれぞれ有する複数のセラミック積層チップを作製し、
    前記セラミック積層チップの前記第1方向における高さ寸法よりも、前記第1方向と、前記第1方向及び前記第2方向に直交する第3方向と、に大きな間隔をあけて配置された前記複数のセラミック積層チップの前記側面を、弾性部材上に配置されたセラミックシートの表面から前記第2方向に前記高さ寸法以上の深さ押し込み前記セラミックシートを打ち抜くことで、前記側面にサイドマージン部を形成する
    積層セラミック電子部品の製造方法。
  2. 請求項1に記載の積層セラミック電子部品の製造方法であって、
    前記セラミック積層チップの前記高さ寸法を0.25mm~0.6mmの範囲とし、前記セラミック積層チップの第3方向の長さ寸法を0.5mm~1.2mmの範囲に設定した、
    積層セラミック電子部品の製造方法。
  3. 第1方向に積層され、かつ前記第1方向に直交する第2方向に向いた側面から露出した複数の内部電極をそれぞれ有する複数のセラミック積層チップを作製し、
    前記セラミック積層チップの前記第1方向における高さ寸法よりも、前記第1方向と、前記第1方向及び前記第2方向に直交する第3方向と、に大きな間隔をあけて配置された前記複数のセラミック積層チップの前記側面で、弾性部材上に配置されたセラミックシートを打ち抜くことで、前記側面にサイドマージン部を形成し、
    前記第1方向における高さ寸法をTとし、前記複数のセラミック積層チップの第1方向の間隔をD1とし、前記側面で前記セラミックシートを打ち抜くときの前記側面が押し込まれる第2方向の深さをD3としたときに、D1/Tを1よりも大きくし、Tを0.3mm以上とすると共に、D3/Tを0.5以上とする
    積層セラミック電子部品の製造方法。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の積層セラミック電子部品の製造方法であって、
    前記間隔は、前記高さ寸法の1.2倍以上である
    積層セラミック電子部品の製造方法。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の積層セラミック電子部品の製造方法であって、
    前記間隔は、前記高さ寸法の2.5倍以下である
    積層セラミック電子部品の製造方法。
  6. 請求項に記載の積層セラミック電子部品の製造方法であって、
    前記側面を、前記セラミックシートの表面から前記第2方向に前記高さ寸法以上の深さ押し込むことで、前記側面にサイドマージン部を形成する
    積層セラミック電子部品の製造方法。
JP2018195195A 2018-10-16 2018-10-16 積層セラミック電子部品の製造方法 Active JP7261557B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018195195A JP7261557B2 (ja) 2018-10-16 2018-10-16 積層セラミック電子部品の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018195195A JP7261557B2 (ja) 2018-10-16 2018-10-16 積層セラミック電子部品の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020064938A JP2020064938A (ja) 2020-04-23
JP7261557B2 true JP7261557B2 (ja) 2023-04-20

Family

ID=70387554

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018195195A Active JP7261557B2 (ja) 2018-10-16 2018-10-16 積層セラミック電子部品の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7261557B2 (ja)

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015070218A (ja) 2013-09-30 2015-04-13 株式会社村田製作所 電子部品の製造方法

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015070218A (ja) 2013-09-30 2015-04-13 株式会社村田製作所 電子部品の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020064938A (ja) 2020-04-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11348731B2 (en) Multi-layer ceramic electronic component and method of producing the same
TWI761654B (zh) 積層陶瓷電容器
US11830679B2 (en) Multi-layer ceramic electronic component
CN108695070B (zh) 层叠陶瓷电容器
CN110010346B (zh) 层叠陶瓷电子部件及其制造方法
JP7280037B2 (ja) 積層セラミック電子部品及びその製造方法
CN109712812B (zh) 层叠陶瓷电容器和层叠陶瓷电容器的制造方法
US20170287642A1 (en) Multi-layer ceramic electronic component and method of producing the same
JP2023112198A (ja) 積層セラミックコンデンサの製造方法及び積層セラミックコンデンサ
CN112242245A (zh) 层叠陶瓷电子部件和层叠陶瓷电子部件的制造方法
JP7261557B2 (ja) 積層セラミック電子部品の製造方法
JP7122129B2 (ja) 積層セラミック電子部品の製造方法
KR20190132924A (ko) 적층 세라믹 전자 부품의 제조 방법
US20220359122A1 (en) Method for multilayer ceramic electronic device with punched out side margin parts
CN111091968B (zh) 层叠陶瓷电子部件及其制造方法
US11694845B2 (en) Multi-layer ceramic electronic component and method of producing the same
JP7307827B2 (ja) 積層セラミック電子部品
JP7417357B2 (ja) 積層セラミック電子部品の製造方法
JP7307553B2 (ja) 積層セラミック電子部品、積層セラミック電子部品の製造方法及び積層セラミック電子部品製造用のセラミック積層チップ
JP7322240B2 (ja) 積層セラミック電子部品及びその製造方法
JP2021158235A (ja) 積層セラミック電子部品の製造方法
CN116646180A (zh) 层叠陶瓷电容器及其制造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210902

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20220707

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220715

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220715

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220726

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20220922

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221111

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230314

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230410

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7261557

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150